JP3604345B2 - コールドシール接着剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コールドシール接着剤に関する。より詳細には、情報担体、特に、親展性葉書に使用される、再剥離性の優れるホットメルト型のコールドシール接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、種々の情報、例えば、(1)個人的情報、プリント情報、もしくは印刷情報等の親展性、秘匿性、もしくは遮断性等が必要とされる情報、又は(2)宣伝もしくは広告等の必ずしも親展性を必要としない情報(以下、(1)と(2)の情報を併せて、単に「情報」ともいう)、を基体シートに印刷することによってそれらの情報が含まれている情報担体が普及しつつある。
【0003】
ここで「情報担体」とは、連続(ロールに巻かれた連続紙)もしくは単票(重ねられた枚葉紙)の基体シートに、上述の「種々の情報」が手書きもしくは印刷等されることによって含まれている情報の媒体である。媒体には、例えば葉書、封筒、ビジネスフォーム、配送伝票、通信カード、折りたたみカード、重ね合わせシート、もしくは情報隠蔽シート等の形態がある。尚、封筒等は、必ずしも情報が印刷されるわけではなく、情報の媒体を含むための情報の容器というべきものであるが、本明細書においては、上記の情報担体に含める。
【0004】
尚、本明細書において、「基体シート」とは、通常情報担体に用いられているシート形態の基材をいう。基体シートとして、例えば、通常紙、布、及び合成紙が使用され、その他にもポリエステル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、及びセルロイド等のフィルム等が使用される。更に、「基体シート」は、予めコート層を設けたコート紙もしくはキャストコート紙、並びに樹脂フィルムを紙の表面に貼り合わせた、もしくは溶融樹脂によって加工されたラミネート紙を含む。
【0005】
このような情報担体の中でも、必要情報を記録した基体シートを、その情報を記録した面を内側にして折りたたみ、親展性を付与した葉書(いわゆる親展性葉書)は代表的なものである。
親展性葉書の基体シートには、オフセット印刷及びグラビア印刷等で共通情報や個人情報が印刷され、コールドシール接着剤と称される接着剤が塗工されて、接着剤の層が形成される。情報の印刷と接着剤の塗工の順序は、親展性葉書の種類、使用目的等によって選択されるものであり、コールドシール接着剤は、情報を印刷した後に塗工される「後塗りタイプ」と、情報を印刷する前に塗工される「先塗りタイプ」とに大別される。
【0006】
更に、その情報を印刷した印刷面を、接着剤を塗工した他の面と、両方の面の接着剤の層が接するように重ねて一定以上の圧力を加えることで接着し、その結果、秘密情報が隠蔽された(外部から見えない)積層体、すなわち親展性葉書を形成することができる。この秘密情報は、接着した面を再び剥離することで読み取ることができるが、一旦剥離された面は、再度一定以上の圧力を加えないと接着しないので、秘密情報が隠蔽された剥離前の積層体の状態に戻らない。その結果、親展性葉書は親展性を保つことができる。
【0007】
上述した親展性葉書等の情報担体用の接着剤として、水系のコールドシール接着剤、及びフィルム用接着剤が広く採用されている。
「水系のコールドシール接着剤」は、通常、その接着成分として、天然ゴムラテックス及び天然ゴムラテックスにエチレン性炭素原子間二重結合を有する化合物を付加重合させた変性天然ゴムラテックスが使用され、エマルションの形態を有する接着剤である。従って、ゴムラテックスの安定性を向上するために、水系コールドシール接着剤にはアンモニアが少量添加されることもあり、強いアンモニア臭を有し得るという問題がある。更に、親展性葉書に塗工された水系コールドシール接着剤を乾燥して得られる接着剤の層は、ゴムラテックスが存在し層の表面に凹凸を有するので、層の光沢が不十分であるという問題がある。また、水系コールドシール接着剤には水が含まれるので、親展性葉書の生産性を向上するためには、コールドシール接着剤を迅速に乾燥するための特別の乾燥工程が必要であるという問題がある。
【0008】
一方、「フィルム用接着剤」は、一般に、ポリエチレン等の透明樹脂フィルムの片面に塗工されて、基体シートに透明樹脂フィルムを接着するための接着剤として使用される。フィルム用接着剤を用いて親展性葉書を製造する場合、二枚の透明樹脂フィルムの各々の片面にフィルム用接着剤が塗工され、二枚の樹脂フィルムの接着剤が塗工された面が二枚の基体シートと重ね合わされ、更に、二枚の樹脂フィルムの接着剤が塗工されていない面同士が重ね合わされた後、二枚の基体シートが加熱されると同時に、加圧されて親展性葉書が形成される。この重ね合わされて圧着された二枚の樹脂フィルムの接着剤が塗工されていない面同士は、自然に加わる程度の大きさの力では剥れない程度に貼りついている状態になる。このようにして形成された二つの親展面を手で引張ることで、上述の貼りついた二枚の透明樹脂フィルムの接着剤が塗工されていない面同士を剥離することができる。その結果親展面同士を再剥離でき、各々の親展面に、各々透明樹脂フィルムがフィルム用接着剤によって被着された状態で残り、親展性葉書は開封される。
尚、このように、樹脂のフィルム等を介して親展面同士が剥離可能に接着していることを、通常、「擬似接着」と称し、そのような性質を「擬似接着性」という。
【0009】
上述したように、フィルム用接着剤を使用する親展性葉書の製造方法には、フィルム用接着剤を二枚の透明樹脂フィルムの片面のみに塗工する工程、塗工された面を基体シートと重ね合せる工程、透明樹脂フィルムの塗工されていない面同士を重ね合わせる工程、更に正しく加熱して圧着するという工程があり、各工程のそれぞれに手間がかかるという問題があり、更に、この製造方法は、工程数が多いので、親展性葉書の製造コストが増加するという問題がある。また、フィルム用接着剤を使用する際は加熱して圧着するので、親展性葉書を製造する装置として、現在最も普及しているメールシーラーという圧着装置(加熱機構なし)を用いて、親展性葉書を製造することは実質的に不可能であるから、この製造方法には、加熱機構を有する特別の圧着装置を使用しなければならないという問題がある。
【0010】
また、特開平6−41498号公報には、接着剤をフィルム状にし、このフィルム状接着剤を離型フィルムの両面に塗付して、この離型フィルムが加熱され圧着された親展性葉書の製造方法が開示されている。
この離型フィルムを使用する製造方法を用いると、親展性葉書の生産効率は向上し得るが、上述のフィルム用接着剤を使用する製造方法と同様に、親展性葉書を製造するために、加熱して圧着する必要があるから、この製造方法にも、加熱機構を有する特別の圧着装置を使用しなければならないという問題がある。
【0011】
更に、フィルム用接着剤の接着性は、経時的に劣化し、親展性葉書に使用されている透明樹脂フィルムが親展面から、時間を経るにつれて自然に脱離し得るという問題もある。更にまた、親展性葉書の二つの親展面の再剥離が困難となるほど強く透明樹脂フィルム同士が接着し得るという問題が生じ、親展性葉書の親展面同士を剥離する際に透明樹脂フィルムが破壊し、親展面の情報が読めなくなり、根本的に親展性葉書としての機能を果たさなくなることもあり得るという問題もある。このような透明樹脂フィルム同士の接着を防ぐためには、透明樹脂のフィルム用接着剤を塗工しない面に離型剤や離型紙が必要であり、ますます親展性葉書の生産性が低下し、製造コストが増加するという問題がある。
【0012】
このように、現在のところ、情報担体、特に親展性葉書の生産性及び要求特性等を満足する、コールドシール接着剤として十分に使用し得るものは見出されてはおらず、そのようなコールドシール接着剤が要求されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、実質的に臭気がないこと、光沢に富むこと、接着剤の層の形成に特別の乾燥工程が不要であること、実質的に加熱することなく加圧のみで情報担体(特に親展性葉書)の基体シートを貼り合わせることができること、接着性の経時変化が少ないこと、情報担体の基体シートの親展面の剥離性を向上させることから選択される少なくとも一種が、従来のコールドシール接着剤と比較して向上された接着剤の層を形成するコールドシール接着剤を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、かかる課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ある特定の樹脂から選択される少なくとも一種とある特定の温度範囲の軟化点を有するワックスから選択される少なくとも一種を含んで成るホットメルト型の樹脂組成物をコールドシール接着剤として情報担体に使用すると、その樹脂組成物は、実質的に加熱することなく、加圧のみで情報担体を形成できるほど十分な接着力を発現し得、更に、情報担体の一形態である親展性葉書の親展面同士の剥離が容易になり得ることを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
【0015】
本発明に係るコールドシール接着剤においては、いわゆる「接着成分」となるベースポリマーとして、成分(A):オレフィン系樹脂から選択される少なくとも一種を使用する。従来の水系のコールドシール接着剤でベースポリマーとして使用しているゴムラテックスを実質的に含有しないので、本発明に係るコールドシール接着剤は、アンモニアを含む必要がなく、従って、臭気があるという問題が回避され得る。更には、オレフィン系樹脂によって、本発明のコールドシール接着剤から形成される接着剤の層には、優れた光沢が与えられると考えられる。
【0016】
更に、本発明に係るコールドシール接着剤は、成分(B):軟化点が80〜170℃のワックスから選択される少なくとも一種を含んで成るから、フィルム用接着剤と比較して、コールドシール接着剤の接着性の経時変化が少なくなり、接着力の低下が実質的に防止され得ると考えられる。更には、実質的に加熱することなく加圧のみで基体シートを接着することができ、例えば、親展性葉書等の情報担体を作製することができると考えられる。
また、本発明に係るコールドシール接着剤自体が、フィルムの役割をも果たすので、離型剤や離型紙を不要とし得ると考えられる。更に、剥離性に優れているので、形成された親展性葉書の親展面を同士を剥離する際、目視で確認できるほどの基体シートの破壊(以下「材料破壊」ともいう)を生じ難いと考えられ、従って、親展面に記載された情報の読み取りができなくなるという事態が、実質的に防止され得ると考えられる。
尚、本発明に係るコールドシール接着剤は、上述の理由により優れた性質を有するものと考えられるが、これらの理由によって、本発明が何ら制限を受けるものではない。
【0017】
本発明の一つの要旨によれば、新たなコールドシール接着剤が提供され、それは、
成分(A):オレフィン系樹脂から選択される少なくとも一種、及び
成分(B):軟化点が80〜170℃のワックスから選択される少なくとも一種
を含んで成るホットメルト型のコールドシール接着剤である。
これは、特に、親展性葉書を製造するためのコールドシール接着剤として好適であり、更に、後塗りタイプのコールドシール接着剤として好適である。
本発明の一つの態様として、オレフィン系樹脂のガラス転移温度は、−10℃以下である上述のコールドシール接着剤を提供する。
更に、本発明の別の態様として、成分(C):粘着付与樹脂から選択される少なくとも一種を含んで成る上述のコールドシール接着剤を提供する。
【0018】
本発明において「ホットメルト型」とは、接着剤が、実質的に媒体を含まない熱可塑性を有するホットメルト樹脂組成物のタイプであることを意味する。本発明に係るコールドシール接着剤は、「ホットメルト型」であるから、固形状の形態を有し、従来から一般的に使用されているエマルション形態の水系のコールドシール接着剤とは、明確に相違する形態を有する。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明において「成分(A)」とは、オレフィン系樹脂から選択される少なくとも一種であり、オレフィン系樹脂を少なくとも一つ含めば、オレフィン系樹脂の組み合わせであってよい。本発明において「オレフィン系樹脂」とは、オレフィンが付加重合した樹脂であって、一般にオレフィン系樹脂と呼ばれるものであり、本発明が目的とするコールドシール接着剤を得ることができるものであれば、特に限定されるものではない。
【0020】
「オレフィン系樹脂」は、非晶質のオレフィン系樹脂であるのが好ましく、そのようなオレフィン系樹脂として、例えば、(1)プロピレンの重合体、(2)エチレンとプロピレンとの共重合体、(3)プロピレンと1−ブテンとの共重合体、(4)エチレンと1−ブテンとの共重合体、(5)プロピレンと、エチレンと、1−ブテンとの共重合体を例示できる。特に、(3)、(4)及び(5)が好ましい。(1)〜(5)は単独で又は組み合わせて、成分(A)として使用できる。
非晶質のオレフィン系樹脂のガラス転移温度は、−10℃以下であるのが好ましく。−40〜−10℃であるのがより好ましい。非晶質のオレフィン系樹脂のガラス転移温度が、−10℃を超える場合、コールドシール接着剤の接着性が低下し、例えば、親展性葉書を作製する際に加圧のみでは基体シートの接着が不十分と成り得る。
【0021】
また、オレフィン系樹脂の190℃の粘度は、400〜150000mPa・sであるのが好ましく、1500〜130000mPa・sであるのがより好ましい。
このような種々の「オレフィン系樹脂」は、単独で又は組み合わせて成分(A)として使用できる。
本発明に係るコールドシール接着剤は、成分(A)を20〜95重量%含んで成るのが好ましく、30〜80重量%含んで成るのがより好ましい。
【0022】
より具体的には、本発明に係るコールドシール接着剤として、例えば、以下のものを例示できる:
本発明に係るコールドシール接着剤は、成分(A)として、ガラス転移温度が−25℃〜−10℃であるオレフィン系樹脂を、30〜95重量%含んで成るのが好ましく、40〜80重量%含んで成るのがより好ましい;
本発明に係るコールドシール接着剤は、成分(A)として、ガラス転移温度が−40℃以上−25℃未満であるオレフィン系樹脂を、20〜95重量%含んで成るのが好ましく、30〜80重量%含んで成るのがより好ましい。
【0023】
本発明において「成分(B)」とは、軟化点が80〜170℃のワックスから選択される少なくとも一種であり、軟化点が80〜170℃のワックスを少なくとも一つを含めば、軟化点が80〜170℃のワックスの組み合わせであってよい。「軟化点が80〜170℃のワックス」とは、80〜170℃の軟化点を有し、一般にワックスと呼ばれるものであり、本発明が目的とするコールドシール接着剤を得ることができるものであれば、特に限定されるものではない。
ワックスの軟化点が80℃未満の場合、コールドシール接着剤が塗工されて接着剤の層が形成された親展性葉書をバイク等で夏場に運搬する際に、ワックスが軟化し、コールドシール接着剤の接着性の低下等を生じ得る。また、ワックスの軟化点が170℃を超える場合、本発明に係るコールドシール接着剤を製造する際に、ワックスを上述のオレフィン系樹脂と溶融して混合することが、困難となり得る。
【0024】
そのような80〜170℃の軟化点を有するワックスとして、例えば、80〜170℃の軟化点を有する、フィシャー・トロプッシュ法、重合法もしくは分解法によって製造される合成ワックス、結晶性ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスから選ばれる少なくとも1種を例示することができる。
特に、80〜170℃の軟化点を有する、フィシャー・トロプッシュ法によって製造される合成ワックス、低分子量の結晶性ポリエチレンワックス、低分子量の結晶性ポリプロピレンワックス、及びマイクロクリスタリンワックスが好ましい。
このような種々の「軟化点が80〜170℃のワックス」は、単独で又は組み合わせて成分(B)として使用できる。
本発明に係るコールドシール接着剤は、成分(B)を1〜50重量%含んで成るのが好ましく、1〜40重量%含んで成るのがより好ましい。
【0025】
本発明に係るコールドシール接着剤は、成分(A)を20〜95重量%含み、成分(B)を1〜50重量%含んで成るのが好ましく、成分(A)を30〜80重量%含み、成分(B)を1〜40重量%含んで成るのがより好ましい。
【0026】
より具体的には、本発明に係るコールドシール接着剤として、例えば、以下のものを例示できる:
本発明に係るコールドシール接着剤は、成分(A)として、ガラス転移温度が−25℃〜−10℃であるオレフィン系樹脂を、30〜95重量%含み、成分(B)を1〜40重量%含んで成るのが好ましく、成分(A)として、ガラス転移温度が−25℃〜−10℃であるオレフィン系樹脂を、40〜80重量%含み、成分(B)を1〜30重量%含んで成るのがより好ましい;
本発明に係るコールドシール接着剤は、成分(A)として、ガラス転移温度が−40℃以上−25℃未満であるオレフィン系樹脂を、20〜95重量%含み、成分(B)を1〜50重量%含んで成るのが好ましく、成分(A)として、ガラス転移温度が−40℃以上−25℃未満であるオレフィン系樹脂を30〜80重量%含み、成分(B)を1〜40重量%含んで成るのがより好ましい;
【0027】
本発明に係るホットメルト接着剤は、更に、成分(C):粘着付与樹脂から選択される少なくとも一種を含んで成ることができる。ここで「成分(C)」とは、粘着付与樹脂から選択される少なくとも一つを含めば、粘着付与樹脂の組み合わせであってよい。本発明において「粘着付与樹脂」とは、通常ホットメルト接着剤に使用され、一般に粘着付与樹脂と呼ばれるものであり、本発明が目的とするコールドシール接着剤を得ることができるものであれば、特に限定されるものではない。
「粘着付与樹脂」は、比較的低分子量の樹脂であって、接着剤の濡れ性を向上させ、初期接着力を付与するとともに接着剤の溶融粘度を低下させて、塗工工程の作業性を改善する機能を有するものである。
【0028】
粘着付与樹脂として、例えば、芳香族系石油樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂肪族−芳香族系石油樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、変性テルペン系樹脂、変性ロジン系樹脂、スチレン系石油樹脂から選ばれる少なくとも1種を例示することができる。特にジシクロペンタジエンの重合体および/またはジシクロペンタジエンとスチレン誘導体(スチレンを含む)の共重合体が好ましい。
【0029】
また、本発明において「粘着付与樹脂」は、「水素添加された粘着付与樹脂( 以下、「水添系粘着付与樹脂」ともいう)」であるのが好ましい。水添系粘着付与樹脂とは、粘着付与樹脂を部分的又は完全に水素添加した粘着付与樹脂であって、無色もしくは白色に近く、分子鎖中の炭素−炭素間の二重結合の数を減じることによって臭気を低下させ、実質的に臭気を感じさせないものであり、溶融時や長期使用時の酸化劣化を減少せしめたものをいう。
【0030】
水添系粘着付与樹脂として、例えば、いずれも部分的又は完全に水素添加された、芳香族系石油樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂肪族−芳香族系石油樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、変性テルペン系樹脂、変性ロジン系樹脂、スチレン系石油樹脂を例示することができる。特に、部分的又は完全に水素添加されたジシクロペンタジエン重合体および/またはジシクロペンタジエンとスチレン誘導体(スチレンを含む)の共重合体が好ましい。
これらの種々の粘着付与樹脂は、単独で又は組み合わせて成分(C)として、適宜選択して使用することができる。
本発明のコールドシール接着剤は、成分(C)を含む場合、成分(C)を1〜40重量%含んで成るのが好ましく、1〜30重量%含んで成るのがより好ましい。
【0031】
本発明に係るコールドシール接着剤は、成分(C)を含む場合、成分(A)を20〜95重量%含み、成分(B)を1〜50重量%含み、成分(C)を1〜40重量%含んで成るのが好ましく、成分(A)を30〜80重量%含み、成分(B)を1〜40重量%含み、成分(C)を1〜30重量%含んで成るのがより好ましい。
【0032】
より具体的には、本発明に係るコールドシール接着剤として、例えば、以下のものを例示できる:
本発明に係るコールドシール接着剤は、成分(C)を含む場合、成分(A)としてガラス転移温度が−25℃〜−10℃であるオレフィン系樹脂を30〜95重量%含み、成分(B)を1〜40重量%含み、成分(C)として水添系粘着付与樹脂を1〜40重量%含んで成るのが好ましく、成分(A)としてガラス転移温度が−25℃〜−10℃であるオレフィン系樹脂を40〜80重量%含み、成分(B)を1〜30重量%含み、成分(C)として水添系粘着付与樹脂を3〜30重量%含んで成るのがより好ましい;
本発明に係るコールドシール接着剤は、成分(C)を含む場合、成分(A)としてガラス転移温度が−40℃以上−25℃未満であるオレフィン系樹脂を20〜95重量%含み、成分(B)を1〜50重量%含み、成分(C)として水添系粘着付与樹脂を1〜40重量%含んで成るのが好ましく、成分(A)としてガラス転移温度が−40℃以上−25℃未満であるオレフィン系樹脂を30〜80重量%含み、成分(B)を1〜40重量%含み、成分(C)として水添系粘着付与樹脂を1〜30重量%含んで成るのがより好ましい。
【0033】
本発明に係るホットメルト接着剤は、更に、成分(D):微粒子充填剤から選択される少なくとも一種を含んで成ることができる。ここで「成分(D)」とは、微粒子充填剤から選択される少なくとも一つを含めば、微粒子充填剤の組み合わせであってよい。本発明において「微粒子充填剤」とは、水系のコールドシール接着剤において通常使用され、一般に微粒子充填剤と呼ばれるものであり、本発明が目的とするコールドシール接着剤を得ることができるものであれば、特に限定されるものではない。
【0034】
そのような微粒子充填剤として、例えば、雲母、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、ケイソウ土、尿素系樹脂、スチレンビーズ焼成クレー、穀物澱粉、変性澱粉等を例示することができる。また、微粒子充填剤は、通常、粒子、好ましくは球状であって、その寸法(球状の場合は直径)は、本発明の目的とする性能を発揮すれば、特に限定されるものではない。
これらの種々の微粒子充填剤は、単独で又は組み合わせて成分(D)として、必要とする特性に応じて適宜選択して使用することができ、コールドシール接着剤として要求される接着性、耐ブロッキング性、印刷適性、耐摩耗性、紙への密着性等の特性を容易にかつ好適に調節することができる。
【0035】
尚、本発明に係るコールドシール接着剤においては、成分(E):添加剤から選択される少なくとも一種を配合することができる。ここで「成分(E)」とは、添加剤から選択される少なくとも一つを含めば、添加剤の組み合わせであってよい。「添加剤」として、例えば、耐熱性、耐酸化性、耐候性を向上するための安定剤(酸化防止剤)、紫外線劣化を防止する紫外線吸収剤、難燃化剤、防かび剤等を例示することができる。
【0036】
このような添加剤として、公知のものを使用することができ、酸化防止剤として、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等を例示できる。紫外線吸収剤として、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等を例示できる。
これらの種々の添加剤は、単独で又は組み合せて成分(E)として使用できる。
本発明に係るコールドシール接着剤は、コールドシール接着剤100重量部当たり、成分(E)を0.1〜5.0重量部含んで成るのが好ましく、0.2〜3.0重量部含んで成るのがより好ましい。
【0037】
本発明に係るコールドシール接着剤は、成分(E)を含む場合、成分(A)を20〜95重量%含み、成分(B)を1〜50重量%含んで成り、コールドシール接着剤100重量部当たり、成分(E)を0.1〜5.0重量部含んで成るのが好ましく、成分(A)を30〜80重量%含み、成分(B)を1〜40重量%含んで成り、コールドシール接着剤100重量部当たり、成分(E)を0.2〜3.0重量部含んで成るのがより好ましい。
【0038】
本発明に係るコールドシール接着剤は、成分(C)及び(E)を含む場合、成分(A)を20〜95重量%含み、成分(B)を1〜50重量%含み、成分(C)を1〜40重量%含んで成り、コールドシール接着剤100重量部当たり、成分(E)を0.1〜5.0重量部含んで成るのが好ましく、成分(A)を30〜80重量%含み、成分(B)を1〜40重量%含み、成分(C)を1〜30重量%含んで成り、コールドシール接着剤100重量部当たり、成分(E)を0.2〜3.0重量部含んで成るのがより好ましい。
【0039】
本発明に係るホットメルト型コールドシール接着剤は、所望の特性となるように、上述の成分の所望の量を混合、加熱して溶融して製造することができる。
本発明に係るコールドシール接着剤は、上述の成分の所望量が混合、溶融された固形物の形態を有している。
本発明に係るコールドシール接着剤の軟化点は、80〜170℃であるのが好ましく、90〜160℃であるのがより好ましい。
尚、「コールドシール接着剤の軟化点」とは、R&B法(日本接着工業規格JAI 7参照)を用いて測定される軟化点をいう。
【0040】
本発明に係るホットメルト接着剤の160℃の粘度は、500〜20000mPa・sであるのが好ましく、1500〜15000mPa・sであるのがより好ましい。
本発明に係るホットメルト接着剤の180℃の粘度は、250〜10000mPa・sであるのが好ましく、500〜7500mPa・sであるのがより好ましい。
尚、「ホットメルト接着剤の160℃の粘度」及び「180℃の粘度」とは、ブルックフィールド粘度計(スピンドル27)を用いて、160℃と180℃にて測定される粘度をいう。
【0041】
更に、本発明に係るホットメルト接着剤の剥離強度は、4〜78N/mの範囲であるのが好ましく、8〜59N/mであるのがより好ましい。剥離強度が4〜78N/mの範囲にあるコールドシール接着剤は、接着性及び剥離性の両方に優れたものとなり好ましい。剥離強度が4N/m未満のコールドシール接着剤を用いて親展性葉書等を作製すると、親展性葉書の親展面同士が自然に剥がれることもあり、情報を遮蔽するという目的を達成することができなくなり得る。剥離強度が78N/mを超えるコールドシール接着剤を用いて親展性葉書等を作製すると、親展葉書を開封できないこともあり得る。
尚、「剥離強度」は、実施例に記載した方法を用いて測定された力をいう。
【0042】
本発明に係るコールドシール接着剤は、情報担体を得るために、加熱溶融した後、基体シートに塗工して、接着剤の層を形成して用いることができる。塗工の前又は後で情報の印刷を適宜行うことができ、得られた接着剤の層同士を重ねて、圧力を加えることによって接着できる。本発明に係るコールドシール接着剤は、接着剤の使用に際し、接着剤を加熱溶融して塗工し、その後乾燥工程を必要としない以外は、従来の水系のコールドシール接着剤と同様にして使用することができる。従って、本発明に係るコールドシール接着剤は、加熱溶融した後、基体シートに塗工して、乾燥工程を経ることなく接着剤の層を形成し、圧力を加えて接着するコールドシール接着剤として好適であり、更に、従来から使用されている水系のコールドシール接着剤と比較して、塗工した接着剤を乾燥する工程を必要としないので、情報担体製造のコストダウンを図ることができる。
【0043】
本発明に係るコールドシール接着剤を加熱溶融して塗工する方法として、従来からいわゆるホットメルト接着剤を加熱溶融して塗工する方法として使用されている方法を用いることができる。本発明のコールドシール接着剤を塗工できる限り、塗工方法は特に限定されるものではない。このような塗工方法として、例えば、ロールコーター、バーコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロッドブレットコーター、およびグラビアロールコーター等を例示できる。
尚、情報の印刷とコールドシール接着剤の塗工は、上述したようにいずれが先でもよいが、情報の印刷後にコールドシール接着剤の塗工を行う、いわゆる後塗りタイプのコールドシール接着剤として、上述の本発明に係るコールドシール接着剤は好適である。
【0044】
更に、上述の本発明に係るコールドシール接着剤は、親展面同士を圧着する際に、加圧のみで(加熱することなく)情報担体を形成するコールドシール接着剤として好適に使用できる。
本明細書において「圧着」とは、従来からコールドシール接着剤の接着に用いられている方法であって、コールドシール接着剤を塗工して接着剤の層を形成した2つの面同士を接触するように重ねて圧力を加えて2つの面を一体に接着することをいう。
従って、「圧着」とは、基体シートの後述する接着部位に圧力を加えて一体に接着することをもいう。
【0045】
本発明のコールドシール接着剤は、情報担体の基体シートの親展面に層状に塗工されて接着剤の層が形成され、この情報担体の基体シートが折り曲げられて重ね合わされて圧着されることで、重ね合わせられたその接着剤の層が擬似接着性を有するものである。
従って、本発明は、上述のコールドシール接着剤を加熱溶融して塗工して形成された接着剤の層を有する基体シートを提供する。
【0046】
本発明は、更に情報担体を得るために、基体シートに、上述のコールドシール接着剤を加熱溶融して塗工して接着剤の層が形成された接着部位を提供する。
ここで「接着部位」とは、コールドシール接着剤が塗工され接着剤の層が形成されているが、まだ圧力を加えて接着されていない部位をいう。
従って、更に本発明は、上記の接着部位を有する情報担体を提供する。そのような情報担体として、特に、親展性葉書が好ましい。
【0047】
本発明に係るコールドシール接着剤を使用して形成できる情報担体として、種々のものがあるが、特に親展性葉書が好ましい。得られる親展性葉書の形態は、適宜選択され得るものである。例えば、(1)情報担体の基体シートの片方の面のみに接着剤の層を形成し、情報担体の基体シートを二つに折り曲げて重ね合わせた二面見開きの葉書の形態、(2)情報担体の基体シートの片方の面のみに接着剤の層を形成し、いわゆるZ折りにより情報担体の基体シートを3つに折りにし、一組の向かい合う二面が圧着された六面葉書の形態、(3)情報担体シートの両面に接着剤の層を形成し、情報担体シートをZ折りにより3つ折りにし、二組の向かい合う二面が圧着された六面葉書の形態等を例示できる。
【0048】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的かつ詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の一態様にすぎず、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例および比較例のホットメルト型コールドシール接着剤の調製に用いた成分について、以下に説明する。
【0049】
(A1)〜(A5)は、オレフィン系樹脂である:
(A1)は、非晶質のオレフィン系樹脂であって、ガラス転移温度が−33℃、軟化点が106℃、190℃の粘度が8000mPa・sである、プロピレン、エチレンと1−ブテンとの共重合体( ヒュルス社製のベストプラスト708(商品名))である;
(A2)は、非晶質のオレフィン系樹脂であって、ガラス転移温度が−27℃、軟化点が141℃、190℃の粘度が8500mPa・sである、プロピレンとエチレンとの共重合体( 宇部興産(株)社製のウベタックAPAO2385(商品名))である;
(A3)は、非晶質のオレフィン系樹脂であって、ガラス転移温度が−13℃、軟化点が157℃、190℃の粘度が8000mPa・sである、プロピレンの重合体( 宇部興産(株)社製のウベタックAPAO2180(商品名))である;
(A4)は、非晶質のオレフィン系樹脂であって、ガラス転移温度が−26℃、軟化点が110℃、190℃の粘度が8000mPa・sである、プロピレンと1−ブテンとの共重合体( 宇部興産(株)社製のウベタックAPAO2780(商品名))である;
(A5)は、非晶質のオレフィン系樹脂であって、ガラス転移温度が−14℃、軟化点が152℃、190℃の粘度が1500mPa・sである、プロピレンの重合体( 宇部興産(株)社製のウベタックAPAO2115(商品名))である。
(B1)〜(B2)は、軟化点が80〜170℃のワックスである:
(B1)は、数平均分子量が4000、軟化点が150℃、針入度が1以下、180℃の粘度が150mPa・s、融点が140℃の結晶性ポリプロピレンワックス(三井化学(株)製のハイワックスNP−105(商品名))である;
(B2)は、軟化点が108℃、針入度が2である、フィッシャートロプッシュ法によって製造された合成ワックス(サゾール(株)製のパラフリントH1(商品名))である。
【0050】
(C1)〜(C3)は、粘着付与樹脂である:
(C1)は、軟化点が85℃の、完全に水素添加された石油樹脂(トネックス(株)製のエスコレッツ5380(商品名))である;
(C2)は、軟化点が90℃の、完全に水素添加された石油樹脂(出光石油化学(株)製のアイマープP−90(商品名))である;
(C3)は、軟化点が125℃の、完全に水素添加された石油樹脂(出光石油化学(株)製のアイマープP−125(商品名))である。
(E1)〜(E3)は、添加剤である:
(E1)は、フェノール系酸化防止剤(住友化学 (株)製のスミライザーBP−101(商品名))である;
(E2)は、フェノール系酸化防止剤(住友化学 (株)製のスミライザーP−16(商品名))である;
(E3)は、フェノール系酸化防止剤(住友化学 (株)製のスミライザーTPS(商品名))である。
【0051】
各成分の物性は、以下の方法を用いて評価した。
粘度は、ブルックフィールド粘度計(スピンドル27)を使用し、記載した温度で測定した。
針入度は、JIS K2207に記載の方法と同様の方法を用いて、25℃にて測定した。
軟化点は、JIS K2207に記載の方法と同様の方法を用いて測定した。ガラス転移温度は、DIN 53765に記載の方法と同様の方法を用い、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定し、ガラス転移開始温度とガラス転移終了温度の算術平均の温度で示した。
融点は、JIS K7121に記載の方法と同様の方法を用い、DSCを用いて測定し、融解ピークの頂点の温度で示した。
【0052】
実施例1
コールドシール接着剤の調製
表1に示すように、
(A1):75重量部、
(B1):15重量部、
(B2):7重量部、
(C1):3重量部
の組成となるように成分(A1)、(B1)、(B2)、(C1)を容器に仕込み、170℃で1時間、加熱しつつ均一に混合して溶解した。この組成物の100重量部当たり、フェノール系酸化防止剤(E1)〜(E3)の各々を0.2重量部づつ添加して実施例1のホットメルト型コールドシール接着剤を得た。
【0053】
コールドシール接着剤の評価
(1)コールドシール接着剤の粘度
コールドシール接着剤の粘度は、ブルックフィールド粘度計(スピンドル27)を使用して、160℃と180℃にて測定した。その結果を表1に示す。
(2)コールドシール接着剤の軟化点
コールドシール接着剤の軟化点は、R&B法(日本接着工業規格JAI 7参照)を用いて測定した。その結果を表1に示す。
【0054】
(3)コールドシール接着剤の剥離強度
上質紙(130g/m2)に、厚さが20μmになるようにコールドシール接着剤を塗工後、25mmに切り出して試験シートとした。2枚の試験シートの接着剤の層を形成した塗工面同士を合わせ、室温で線圧98000N/mにてプレスして剥離強度試験サンプルを得た。試験サンプルを20℃で1日間、3日間、もしくは7日間保管した後、又は70℃で1日間、3日間、もしくは7日間保管し更に20℃で24時間保管した後、300mm/minの剥離速度で剥離して、そのときの力を測定した。その結果を表1に示す。
【0055】
実施例2〜3
実施例1にて使用した成分を表1に示す成分及びその量に変更した以外は、実施例1と同様の方法を用いて実施例2〜3のコールドシール接着剤を得た。
実施例1に記載した方法と同様の方法を用いて、実施例2〜3のコールドシール接着剤を評価した。その結果を表1に示す。
比較例1〜2
実施例1にて使用した成分を表1に示す成分及びその量に変更した以外は、実施例1と同様の方法を用いて比較例1〜2のコールドシール接着剤を得た。
尚、比較例1及び2は粘着付与樹脂とワックスが全く添加されていないコールドシール接着剤である。
実施例1に記載した方法と同様の方法を用いて、比較例1〜2のコールドシール接着剤を評価した。その結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
a)成分(A1)〜(E3)の量は、重量部を示す。
b)各温度における粘度を示す。粘度の単位は、mPa・sである。
c)軟化点の単位は、℃である。
d)各保管条件での剥離強度を示す。剥離強度の単位は、N/mである。「材料破壊」は、剥離の際に試験サンプルの上質紙に少なくとも目視で確認できる破損を生じたことを示す。「−」は、未測定を示す。
【0057】
表1に示されるように、実施例1〜3のコールドシール接着剤は4〜78N/mの範囲の大きさの剥離強度を示す。剥離強度がこの範囲にあるコールドシール接着剤は、接着性及び剥離性の両方に優れたものとなる。剥離強度が4N/m未満のコールドシール接着剤を用いて親展性葉書等を作製すると、親展性葉書の親展面同士が自然に剥がれることもあり、情報を遮蔽するという目的を達成することができなくなり得る。剥離強度が78N/mを超えるコールドシール接着剤を用いて親展性葉書等を作製すると、親展葉書を開封できないことも有り得る。
比較例1および2のコールドシール接着剤は、ワックスを含有していないので剥離性の低いものとなり、表1に示されるように、剥離する際に、材料破壊を生じた。
【0058】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明に係るコールドシール接着剤は、ホットメルト型なのでアンモニアを含む必要が無く、臭気を低下し得る。また、乾燥工程が実質的に不要なので、情報担体の生産性を向上できる。更に、オレフィン系樹脂をベースポリマーとして用いており、形成される接着剤の層は優れた光沢を示し得る。また、80〜170℃の軟化点を有するワックスを含んで成り、実質的に加熱することなく、加圧のみで、例えば、親展性葉書等の情報担体を製造できる。従って、本発明に係るコールドシール接着剤を使用すると、現在、最も普及しているメールシーラーを用いて、親展性葉書を製造することができる。更にまた、製造される親展性葉書等の情報担体は、離型剤や離型紙を用いることなく、親展面同士の剥離性に優れたものとなる。また、本発明に係るコールドシール接着剤の接着力は経時変化が少ないので、時間の経過につれて親展面が自然に剥がれるという問題も改善され得る。
Claims (5)
- 成分(A):オレフィン系樹脂から選択される少なくとも一種を20〜95重量%、
成分(B):軟化点が80〜170℃のワックスから選択される少なくとも一種を1〜50重量%、及び
成分(C):完全に水素添加された粘着付与樹脂から選択される少なくとも一種を1〜40重量%
含んで成り、
該オレフィン系樹脂は、プロピレンの重合体、エチレンとプロピレンとの共重合体、プロピレンと1−ブテンとの共重合体、エチレンと1−ブテンとの共重合体、プロピレンと、エチレンと、1−ブテンとの共重合体であり、
該オレフィン系樹脂のガラス転移温度は、−40〜−10℃である
ことを特徴とする親展性葉書を製造するためのホットメルト型コールドシール接着剤。 - 完全に水素添加された粘着付与樹脂は、完全に水素添加されたジシクロペンタジエン重合体及び/又は完全に水素添加されたジシクロペンタジエンとスチレン誘導体(スチレンを含む)の共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の親展性葉書を製造するためのホットメルト型コールドシール接着剤。
- 剥離強度は、4〜78N/mの範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の親展性葉書を製造するためのホットメルト型コールドシール接着剤。
- 更に、成分(D):微粒子充填剤から選択される少なくとも一種
を含んで成ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の親展性葉書を製造するためのホットメルト型コールドシール接着剤。 - 情報担体の基体シートの親展面に層状に塗工されて接着剤の層が形成され、この情報担体の基体シートが折り曲げられて重ね合わされ圧着されることで、重ね合わせられたその接着剤の層が擬似接着性を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の親展性葉書を製造するためのホットメルト型コールドシール接着剤。
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