JP2002351323A - ヒートシールラベル、貼着方法、及びラベル貼着物 - Google Patents

ヒートシールラベル、貼着方法、及びラベル貼着物

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JP2002351323A JP2001154540A JP2001154540A JP2002351323A JP 2002351323 A JP2002351323 A JP 2002351323A JP 2001154540 A JP2001154540 A JP 2001154540A JP 2001154540 A JP2001154540 A JP 2001154540A JP 2002351323 A JP2002351323 A JP 2002351323A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材裏面の接着剤層に容易に印刷を施すこと
が可能であると共に、印刷により接着力が低下せず、必
要に応じて裏面に全面印刷を施すことも可能であり、か
つ、施した印刷をどちらの面からも鮮明に観察できるヒ
ートシールラベルを提供する。 【解決手段】 基材11の一方の面に、熱可塑性樹脂、
粘着付与剤、ワックスを主成分とするヒートシール接着
剤層12を設け、ヒートシール接着剤層12上に印刷に
よるインキ層13を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒートシール接着
剤層を基材の片面(一方の面)に設けたヒートシールラ
ベルのヒートシール接着剤層上に印刷を施したことを特
徴とするヒートシールラベルとその貼着方法、及びラベ
ル貼着物に関する。更に詳しくは、各種素材で構成され
た、清涼飲料水、酒類、医薬品、食品等の略円筒状容器
や箱状容器およびプラスチック素材による変形容器等へ
のラベリングに適したヒートシールラベルとその貼着方
法、及びこのヒートシールラベルを用いたラベル貼着物
に関する。
【0002】
【従来の技術】商品や商品を充填した容器等の種々の被
着体に対して、商品の品質表示等の種々の情報や絵柄等
を印刷したラベルを貼着することが広く行われている。
このようなラベルとしては、従来貼着した際に表面に露
出する側、すなわち、基材の貼着面と反対側に印刷が施
されるのが一般的であった。
【0003】しかしながら、このように印刷面を露出さ
せたラベルを貼着した場合、搬送・梱包時に商品同士が
接触したり、衝突を繰り返してインキ層や基材に擦り傷
が発生し、商品の外観品質を低下させることが生じう
る。また、商品によっては、充填した内容物が漏れた場
合、ラベルのインキ層が内容物に冒されたり、汚れて商
品価値を喪失する等の無駄が生ずる場合がある。
【0004】このような不都合を回避するために、種々
の貼着方法を採用したラベルにおいて、貼着した際に被
着体に接する側、すなわち、基材の裏面又は基材に塗布
された接着剤層上に印刷を施し、印刷面を保護すること
が試みられている。
【0005】たとえば、清涼飲料水、酒類、医薬品、食
品等のガラス瓶やプラスチックボトルなどへ貼着するラ
ベルは、ラベル基材の裏面にカゼインやデンプン等の水
溶性粘着剤を直接塗布する自動ラベラー等により貼着さ
れている。この場合、予めアート紙、コート紙等のラベ
ル基材裏面に所望の印刷を行い、その後この印刷された
面に水溶性接着剤を塗布することにより、基材によって
保護された印刷面を形成することができる。しかし、こ
の場合、基材の裏面に水溶性粘着剤を直接塗布するた
め、ラベルに皺が発生したりカールが発生するため、ラ
ベル不良となり美観を損なう問題があった。また、貼着
後水溶性接着剤の水分を蒸発させなければならないこと
から、基材の材質は紙類に限られ、フィルム基材等を使
用することができなかった。
【0006】また、上紙、粘着剤層、剥離シートを順次
積層した一般的な粘着ラベルを自動ラベラー等により貼
着する方法においては、剥離シートを剥がした粘着剤層
の上に直接印刷を施す糊面印刷が試みられている。しか
し、この場合、粘着剤の粘着性が障害となることから、
印刷工程において、特殊な配慮が必要であった。すなわ
ち、インクジェット等の非接触印刷方式や、特別に離型
処理された印刷機でパターン印刷するといった方法が考
案されている。また、糊面印刷は、粘着力を低下させる
加工法として使用されていることで理解されるように、
印刷により粘着性が低下するという問題がある。このよ
うな粘着力の低下は、貼着後再剥離をする用途には好都
合であるが、商品ラベルの様な表示を目的としたラベル
には不向きであった。さらに、ラベリング後には不要な
剥離シートが発生するため、省資源の観点から好ましく
ないという問題もあった。
【0007】また、裏面に予め印刷を施した基材を用い
て粘着加工することで、表面基材、印刷層、粘着剤層、
剥離シートを順次積層した粘着紙を製造し、さらに所望
のラベルサイズにする方法も行われている。しかし、こ
の場合被着体側から印刷を見ようとすると、比較的透明
性の劣る接着剤層を透して印刷を見ることになるため、
視覚的に鮮明性を欠くものであった。また、上記一般的
な粘着ラベルと同様に、ラベリング後には不要な剥離シ
ートが発生するため、省資源の観点から好ましくないと
いう問題もあった。
【0008】また、近年、基材の片面に感熱接着剤を積
層したラベルが注目されている。この感熱接着剤は、加
熱することで接着性を発現するものである。このような
感熱接着剤は常温で粘着性を有しない。そのため、接着
剤層の上に印刷を施す際に、上記一般的な粘着ラベルの
糊面印刷のように、非接触の印刷法や離型処理された印
刷機を用いる等の特別な配慮をする必要がない。また、
剥離シートを必要としないことは、もちろんである。
【0009】このような感熱接着剤には、固体可塑剤を
含有するディレード粘着剤と、固体可塑剤を含有しない
ヒートシール接着剤とがある。前者のディレード型接着
剤は加熱のみで所望の接着性が発現し、その接着性が数
時間持続する。従って、ディレード粘着剤を用いたディ
レードラベルを貼着する際には、ラベルを加熱する加熱
パートとラベルを容器に貼着する貼着パートとが分離し
た形態のラベラー(ディレードラベラー)を用いるのが
主流である。
【0010】しかし、ディレード粘着剤には、必須成分
として一般的にフタル酸ジシクロヘキシル等の固体可塑
剤が数ミクロン程度に粉砕し配合されている。この固体
可塑剤は、加熱により溶融し、接着性が発現するもので
あるが、経時で再結晶化(固化)する。このため、溶融
時には透明な粘着剤層が、固体可塑剤の再結晶化と共に
不透明化(白色固化)する。このため、ディレード粘着
剤上に施した印刷を基材の表側から見る場合、この白濁
した粘着剤層を通して見ることになり、印刷を明瞭に視
認することができなかった。また、被着体を変形させる
(スクイーズ)とラベルが剥がれてしまうため、容器を
変形させて内容物を押し出す商品等には貼着できなかっ
た。さらに、ディレード粘着剤をラベル基材へ塗布した
直後では問題ないものの、原因は不明であるが、経時で
前述の固体可塑剤が析出して粘着剤塗布面に白い粉が発
生し保存性に問題があった。
【0011】一方後者のヒートシール接着剤を用いたヒ
ートシールラベルでは、接着性の乏しいヒートシール接
着剤の接着性能を補うために、ラベル加熱と同時に圧着
をする加熱加圧一体型のラベラー(ヒートシーラー)を
用いるのが主流である。このヒートシーラーは、通常1
20℃以上の高温と、98kPa程度の高圧を同時に熱
板よりラベルへ加えている。従って、使用可能な被着体
には形態、材質等が制限される。とりわけ形態は平面に
限られ、清涼飲料水、酒類、医薬品、食品等の容器の様
な円筒型の容器や、加圧により変形、破損のおそれのあ
るガラス容器、プラスチック容器には不向きであった。
【0012】このようなヒートシールラベルに裏面印刷
を施した例として、特開平2000−267568号公
報に記載されたラベルがある。このラベルは、基材が透
明フィルムからなり、基材の対象物に貼り付ける面に感
熱接着樹脂層を一面に塗工し、この感熱接着樹脂層に、
前記感熱接着樹脂層の貼り合わせ部分を残して逆刷り印
刷のインキ層が形成されていることを特徴とするラベル
である。そして、このラベルの基材の具体的材質とし
て、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニル等が挙げられている。ま
た、感熱接着樹脂層の具体的材質として、エチレン・ア
クリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エ
ステル共重合体等を主成分とする樹脂が挙げられてい
る。また、逆刷り印刷のインキ層のインキとしては、紫
外線硬化型インキ(UVインキ)が挙げられている。な
お、このラベルを貼着する際には、ラベルを熱風で加熱
後に貼着するラベラーが用いられている。この従来技術
によれば、接着剤層に施された逆刷り印刷を、透明基材
の表面側から、正しい方向の印刷として見ることができ
る。また、印刷面が基材により保護されているので、商
品同士の接触や充填物の漏れ等により印刷が損なわれる
ことがないものである。
【0013】しかしながら、この特開平2000−26
7568号公報に記載されたラベルでは、粘着ラベルの
糊面印刷の場合と同様に、印刷が施された部分の接着剤
層の接着力が失われてしまうものであった。そのため、
ラベル全体としての接着力が低下してしまうという問題
があった。また、実用上支障のない接着力を確保するた
めには、印刷を施さない張り合わせ部分を周囲に残して
おかなければならなかった。したがって、印刷可能な領
域が周辺を除いた中心部に限定されてしまうものであっ
た。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みて、基材裏面の接着剤層に容易に印刷を施すことが
可能であると共に、印刷により接着力が低下せず、必要
に応じて裏面に全面印刷を施すことも可能であり、か
つ、施した印刷をどちらの面からも鮮明に観察できるヒ
ートシールラベルを提供することを課題とする。また、
被着体の形状材質について、制約の少ない貼着方法を提
供することを課題とする。さらに、この裏面に施した印
刷を、基材の表側又は被着体側から鮮明に観察すること
が可能なラベル貼着物を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、基材の一方の面に、熱可塑性樹脂、粘着付
与剤、ワックスを主成分とするヒートシール接着剤層を
設け、該ヒートシール接着剤層上に印刷を施したことを
特徴とするヒートシールラベルを提供する。
【0016】本発明のヒートシールラベルによれば、接
着剤として上記ヒートシール接着剤を用いたので、一般
的な粘着ラベルの糊面印刷のように、非接触の印刷法や
離型処理された印刷機を用いる等の特別な配慮をする必
要がない。また、剥離シートを必要としないことはもち
ろんである。また、熱可塑性樹脂の他に、粘着付与剤及
びワックスを主成分に加えたので、ヒートシール時(通
常120℃)における貯蔵弾性率を適切に調整すること
ができる。すなわち、ワックスは、50〜60℃前後で
流動性が得られるので、ヒートシール時の加熱で、接着
剤に流動性を与えることができる。また、粘着付与剤に
より熱可塑性樹脂の粘着性を高めることができる。ま
た、主成分にワックスを加えたため、印刷インキとの相
溶性を適度に高めることができる。このため、印刷イン
キ層に粘着剤の成分が混じり合って粘着性が付与され、
印刷が施された部分の粘着力の低下を防ぐことが可能と
なる。これは、粘着剤層と印刷インキの各々に含まれる
ワックスが媒体となり、粘着剤層と印刷インキ層の成分
が相互に混じり合うためと考えられる。このように、本
発明においては、粘着力を低下させることなく基材裏面
の接着剤層に容易に印刷を施すことが可能である。した
がって、接着剤層の全面を覆って印刷することも可能で
あり、必要に応じて裏面の全面に印刷を施すこともでき
る。さらに、接着剤を、固体可塑剤のように、再結晶化
と共に不透明化する成分を用いず構成できるので、基材
の表側から、ヒートシール接着剤層を介して観察した場
合にも、印刷を鮮明に見ることができる。
【0017】本発明において、前記ヒートシール接着剤
層に施した印刷は、酸化重合反応により乾燥するインキ
を使用してなされたことが望ましい。上記特開平200
0−267568号公報に記載されているUV照射によ
る光重合タイプのインキは、乾燥機後の皮膜が固く接着
性が低下する。これに対して、酸化重合タイプのインキ
は、乾燥後も皮膜が比較的軟らかく接着性への影響が小
さく好ましいインキである。
【0018】また、本発明において、120℃における
ヒートシール接着剤の貯蔵弾性率が、10〜5000P
aとすることが望ましい。なお、本発明における貯蔵弾
性率とは、動的粘弾性測定装置(測定装置の例として、
オリエンテック製RHEOVIBRON DDV−25
FP)を用いて約2mm厚の板状に成膜した接着剤樹脂
を120℃、周波数1Hzで剪断変形させたときに得ら
れる動的複素弾性率の位相角δの余弦成分を指す。
【0019】ヒートシール接着剤の軟化点は一般的に6
0℃から110℃程度であるため、通常のラベリング装
置では、120℃程度で加熱が行われる。そこで、本発
明は、この120℃において接着性や印刷への影響を適
正化するため、120℃の貯蔵弾性率を規定したもので
ある。なお、ヒートシール接着剤の軟化点は樹脂が軟化
し始める温度であり、ヒートシールラベルの接着性に影
響する重要な因子である。
【0020】このヒートシール接着剤の貯蔵弾性率が1
20℃において10Pa未満の場合、該接着剤層の流動
性が大きく、つまり該接着剤層が低貯蔵弾性率になるこ
とで、貼着時、ラベルがズレる問題が発生したり、ま
た、基材へのしみ込みが激しくなって接着に有効な接着
剤層の厚みを保持できなくなり、印刷が不鮮明になる。
また逆に、5000Paを越えると、ヒートシール接着
剤層が高貯蔵弾性率となり、貼着時に加熱だけでは貼着
できず、同時に98kPa程度の圧力も必要となるため
通常のディレードラベラーでの接着が困難となる。その
ため、円筒容器やガラス容器およびプラスチック容器等
へ貼着することができない。
【0021】本発明では、120℃におけるヒートシー
ル接着剤の貯蔵弾性率を50〜1000Paとすること
が、より好ましい。これにより、上記のように良好な貼
着性能を得られるだけでなく、貼着時に、印刷されたイ
ンキ層が流動して印刷が不鮮明になることを回避するこ
とができる。
【0022】本発明において、前記ヒートシール接着剤
層上に印刷を施したことに加え、前記基材の他方の面
上、すなわち、被着体に貼着した際に表面に露出する側
(表側)にも印刷を施すことができる。この場合、基材
が透明であれば、表裏両面の印刷を重ねた状態の表示
を、基材の表側、又は被着物側の双方から観察できるラ
ベルとすることができる。また、基材が不透明であれ
ば、表側の印刷を基材の表側から、裏側の印刷を被着物
側から、各々独立して観察できるラベルとすることがで
きる。
【0023】また、本発明は、上記本発明に係るヒート
シールラベルを貼着したラベル貼着物を提供する。本発
明によれば、ラベルの裏面に施した印刷を、基材の表側
又は被着体側から鮮明に観察することが可能なラベル貼
着物とすることが可能となる。
【0024】本発明のヒートシールラベルは、前記ヒー
トシールラベルを加熱する加熱工程と、その後の、前記
ヒートシールラベルを被着体へ圧着する圧着工程とを有
することを特徴とする貼着方法によって、被着体に貼着
することが望ましい。すなわち、加熱場所と圧着場所と
が異なる通常のディレードタックラベラーを用いて貼着
することが望ましい。なお、本発明のヒートシールラベ
ルは、ワックスを含むことにより、加熱後1〜2秒間粘
着性が持続する。そのため、ヒートシーラーのように加
熱と圧着とを同時に行わなくても、貼着が可能となるも
のである。これにより、円筒型の容器や、加圧により変
形、破損のおそれのあるガラス容器、プラスチック容器
等の被着体にも貼着が可能となる。
【0025】また、本発明において、前記被着体を透明
とすることができる。本発明によれば、ラベルの裏面に
施した印刷を、被着体側から鮮明に観察することが可能
なラベル貼着物とすることが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態について
図面を参照して説明するが、本発明は以下の実施形態に
限定されるものではない。なお、以下の図面において
は、説明のため、基材の面に垂直な方向を著しく強調し
ている。図1は本発明の第1実施形態に係るヒートシー
ルラベルの断面図、図2は、図1のヒートシールラベル
を被着体に貼着した貼着物の断面図である。
【0027】図1のヒートシールラベル10は、基材1
1の被着体への貼り付け面に、ヒートシール接着剤層1
2が形成されており、このヒートシール接着剤層12上
に印刷によるインキ層13が形成されている。そして、
図2に示すように、被着体14の表面に貼り合わせられ
る。
【0028】基材11の材質としては、各種紙類、合成
紙、フィルム類、金属フォイル類、不織布、織布等、さ
らにこれらを適宜積層したシートが挙げられるが、イン
キ層13を貼り付け面と反対の表側(図面上側)から観
察する場合には、ポリエチレンテレフタレート、ポリプ
ロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステ
ル等の透明フィルムを使用することができる。また、熱
板加熱型高速ラベラーで使用する場合には耐熱性に優れ
た材質とすることが望ましい。また、清涼飲料水、酒
類、薬品瓶等のような液体の入ったガラス瓶に貼着する
ラベルとして使用する場合は、耐水性、耐薬品性等に優
れた材質を使用することが望ましい。また、ヒートシー
ル接着剤が塗布される面には、強度を補強したり、ヒー
トシール接着剤が基材の中へ浸透し接着機能が低下する
のを防ぐためのバリアー層を設けてもよい。
【0029】ヒートシール接着剤層12の組成は、主に
熱可塑性樹脂、粘着付与剤、ワックスで構成される。熱
可塑性樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−
アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン−
スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共
重合体などの熱可塑性エラストマー、ポリエチレン、ポ
リプロピレンなどの非晶質ポリアルファオレフィンなど
のオレフィン系ポリマー等が挙げられ、特に限定するも
のではないが、軟化点が40℃から100℃、好ましく
は60℃から80℃のものが適用可能である。因みに、
軟化点が40℃未満では接着剤層に粘着性が現れ、ブロ
ッキングしやすくなり剥離シートが必要となる場合があ
る。逆に軟化点が100℃を越えると、加熱時の接着剤
層が硬すぎ、接着性が不足することがある。これらの熱
可塑性樹脂は単独で又は複数併用して用いられる。熱可
塑性樹脂の分子量としては数千から数千万程度、好まし
くは数万〜数百万程度である。因みに数千未満では接着
後の凝集力が不足し、また数千万を越えると高弾性体と
なり接着性が不足する場合がある。
【0030】粘着付与剤は、熱可塑性樹脂に配合されて
粘着性を向上させる機能を有する物質で、それ自身では
接着性を持たない物質である。粘着付与剤としては、ロ
ジン、重合ロジン、不均化ロジンおよびその誘導体、ポ
リテルペン樹脂、テルペンフェノール、ロジンフェノー
ルなどのフェノール変性樹脂、アルキルフェノール樹
脂、クマロン−インデン樹脂、キシレン樹脂、脂肪族炭
化水素樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂、芳香族炭化水素
樹脂およびその水添物、スチレン系樹脂、ビニルトルエ
ン−α−メチルスチレン共重合体等が挙げられ、特に限
定するものではないが、軟化点が150℃以下、好まし
くは50℃から130℃のものが適用できる。因みに、
軟化点が150℃を越えると、加熱時の接着性が低下す
ることがある。これらの粘着付与剤は、単独で又は複数
併用して用いられる。
【0031】ワックスとしては、パラフィンワックス、
モンタンワックス、カルバナワックス、キャンデリラロ
ウ、マイクロワックスなどの石油系ワックスや、ポリエ
チレンワックス、ポリプロピレンワックスなどの合成ワ
ックスが用いられ、特に限定するものではないが、融点
が50℃から200℃、好ましくは60℃から120℃
のもので、分子量が300から2000、好ましくは5
00から1500のものが適応できる。因みに融点が5
0℃未満では、ラベルの保存性に問題が発生し、逆に融
点が200℃を越えると加熱時の接着性が低下する等の
問題が発生することがある。一方、分子量が300未満
であると接着剤層の擬集力が低下する場合がある。逆に
分子量が2000より大であると、ワックスの粘度が高
くなることで、接着剤層が硬くなり、接着性が不足する
ことがある。
【0032】熱可塑性樹脂、粘着付与剤、ワックスの固
形分配合比は、全固形分中それぞれ10〜70質量%程
度である。また、これら3成分の合計配合比は、60質
量%以上であることが望ましく、80質量%以上である
ことがより望ましい。これら3成分の各配合比は、ラベ
ルの接着性、保存性等を考慮して適宜調節される。ま
た、これら3成分の他、酸化防止剤や充填剤などが用い
られることもある。酸化防止剤としては、フェノール系
をはじめ、チオエーテル系、フォスファイト系の単用も
しくはこれらの併用で用いられ、充填剤としては、炭酸
カルシウム、クレー、タルク、硫酸バリウム、酸化亜
鉛、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、含水ケイ
酸、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0033】ヒートシール接着剤層12の120℃にお
ける貯蔵弾性率は、10〜5000Paである。120
℃における貯蔵弾性率の制御法としては、熱可塑性樹脂
のガラス転移温度や分子量、粘着付与剤の軟化点、ワッ
クス成分の融点や分子量等の調整が挙げられる。すなわ
ち、貯蔵弾性率は、接着剤成分のガラス転移温度、軟化
点、融点を超えると増加する関係にあるので、これらの
温度と120℃との関係が重要である。また、接着剤成
分の分子量が大きいほど分子間の結合が強固となり、貯
蔵弾性率を下降させることができる。また、接着剤成分
の配合比の調整や、熱可塑性樹脂、粘着付与剤およびワ
ックス成分の各組成の変更により各種材料の相溶性を向
上させることも有効である。一般的には、ワックスは1
20℃で流動性があるので、この配合比を増加させるほ
ど120℃における貯蔵弾性率を上昇させることができ
る。また、粘着付与剤の配合比を増加させると、120
℃における貯蔵弾性率を下降させることができる。ま
た、粘着付与剤の軟化点を変更することによって、目的
とする接着剤の120℃における貯蔵弾性率及び接着力
を調製することが可能となる。
【0034】特に限定するものではないが、ヒートシー
ル接着剤層12の塗布量については、乾燥重量で3〜3
0g/m2の範囲で適宜調節される。好ましくは5〜1
5g/m2程度である。因みに塗布量が3g/m2未満で
あると、ラベルとして使用する際、十分な接着性が得ら
れないことがある。一方、30g/m2を越えると、得
られる接着性は飽和するため、経済的に好ましくない。
【0035】また、基材11に対するヒートシール接着
剤層12の塗布面積は、接着性を損なわない範囲内であ
れば、部分塗布も可能である。塗工のパターンは帯状で
あっても千鳥状、スポット状であっても良い。
【0036】ヒートシール接着剤層12を基材11上に
塗布する方法としては、加熱、保温装置を備えた一般的
なコーターや印刷機が適用でき、コーターヘッドとして
は、リバースロールコータ、グラビアロールコーター等
のロールコーターや、樹脂押し出し式のダイコーター、
リップコーター等の各種塗工装置や、またグラビヤ版、
凸版、スクリーン等の各種印刷装置によって行われる。
【0037】インキ層13は、酸化重合反応により乾燥
するインキにより構成される。一般にインキの乾燥形式
は、インキを構成しているビヒクルの種類によって異な
るが、酸化重合型のインキのビヒクルには、アマニ油や
キリ油のような乾性油及びこれらの重合油、乾性油変性
アルキド樹脂、乾性油と合成樹脂からなる樹脂ワニスな
どが使われる。これらのビヒクル分子中には、空気中の
酸素と緩やかに反応するような二重結合が存在する。こ
のようなビヒクルは、インキ間の中では空気にほとんど
触れるようなことがないので安定であるが、印刷される
と表面積が拡大されるので、空気中の酸素を吸収して酸
化重合反応が起こる。これにより、架橋された編み目構
造の高分子となるので、流動性が失われる。すなわち、
酸化重合反応により乾燥するインキは、印刷物を常温で
放置して乾燥させる、自然乾燥によって固化、乾燥する
ことができる。乾燥後の皮膜は比較的軟らかく接着性へ
の影響が小さい。
【0038】印刷方法は特に限定はなく、凸版印刷、平
版印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリ−ン印刷
等を利用できる。なお、印刷時の温度が60℃以上にな
らない印刷法であることが望ましい。60℃以上となる
場合、印刷時に接着剤の軟化点以上となって、接着剤を
軟化させてしまう可能性が大きいからである。
【0039】乾燥定着後におけるインキ層13の厚み
(ヒートシール接着剤層12上に突出する部分の厚み)
は、12μm以下、好ましくは、10μm以下になるよ
うに印刷することが好ましい。印刷層の厚みが12μm
より厚くなると、印刷層が接着剤層を厚く覆ってしまう
ため、十分な接着性が得られない。なお、通常の印刷イ
ンキの厚みは2〜3μmで、大きくても5μmである。
したがって、12μm以下に制限しても、特に印刷形態
等を制約するものではない。一方、印刷が鮮明に見える
限り、印刷層の厚みを薄くしても何ら問題はない。
【0040】また、基材11に対するインキ層13の面
積は、部分印刷でも全面印刷であっても差し支えない。
インキ層13がヒートシール接着剤層12を全て覆って
も、接着性に問題はない。また、ヒートシール接着剤層
12の塗工パターンが、帯状、千鳥状、スポット状等の
部分塗布である場合、インキ層13は、ヒートシール接
着剤層12上に形成される部分と、基材11の裏面に直
接形成される部分とが混在していても差し支えない。
【0041】被着体14の材質に特に限定はなく、ヒー
トシールラベル10は、ガラス、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレン、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブ
タジエン・スチレン)、フェノール樹脂、ユリア樹脂、
メラミン樹脂、ウレタンフォーム等の、種々の透明材質
や不透明材質の被着体14に貼着することができる。た
だし、インキ層13を被着体14の裏側(図面下側)か
ら観察する場合には、被着体14の材質として、ガラ
ス、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニル等の透明の材質を使用する
ことが必要である。また、図2において、被着体14の
ヒートシールラベル10側の面を平面としたが、被着体
の形状に特に限定はなく、瓶の側面の如き曲面にも貼着
することができる。
【0042】本実施形態によれば、印刷により接着力が
低下しないので、必要に応じて裏面に全面印刷を施すこ
とも可能なラベルとすることができる。また、貼着時に
インキ層13が流動したり、ヒートシール接着剤層12
が不透明化する等の問題が生じないので、この裏面に施
した印刷を、基材11の表側又は被着体14の裏側の何
れからでも鮮明に観察することが可能である。
【0043】図3は本発明の第2実施形態に係るヒート
シールラベルの断面図、図4は、図3のヒートシールラ
ベルを被着体に貼着した貼着物の断面図である。説明の
便宜上第1実施形態と同一の構成部材には、同一の参照
番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0044】図3のラベル20は、図1のヒートシール
ラベル10と同様に基材11の被着体への貼り付け面
に、ヒートシール接着剤層12が形成されており、この
ヒートシール接着剤層12上に印刷によるインキ層13
が形成されている。さらに、基材11のヒートシール接
着剤層12が形成された面と反対の面(表側)にも、別
の印刷によるインキ層15が形成されている。そして、
図4に示すように、被着体14の表面に貼り合わせられ
る。
【0045】本実施形態では、基材11の表側にも印刷
を施すので、基材11の印刷適性も必要とされる。その
ため、基材11の表側には、感圧記録層、熱転写受像
層、インクジェット記録層、顔料塗被層等、印刷適性を
考慮した各種の機能を有する層が設けられていることが
望ましい。また、インキ層13を被着体14の裏側か
ら、インキ層15を基材11の表側から、各々別個の印
刷として観察する場合、基材11は、不透明な材質で形
成することが必要である。一方、インキ層13とインキ
層15とを重ね合わせ、基材11の表側又は被着体14
の裏側から、一つの印刷として観察する場合、基材11
は、透明な材質で形成することが必要である。
【0046】本実施形態によれば、第1実施形態と同様
な効果が得られる他、ラベル20の両側に印刷を施すの
で、より多彩な表示形態をとることが可能となる。たと
えば、基材11を不透明な素材で、被着体14を透明な
素材で構成すれば、通常の品質表示をインキ層15によ
って行い、容器内の液体製品消費後に明らかにすべき表
示、たとえば抽選の当否結果等の表示をインキ層13に
よって行うことができる。また、基材11を透明な素材
で構成すれば、品質表示や絵柄等の共通の表示をインキ
層13によって逆刷りし、製造番号、製造年月日等の個
別の表示をインキ層15によって後から行うことができ
る。
【0047】
【実施例】以下に、実験例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、勿論本発明はそれらに限定されるもので
はない。尚、試料の説明中の%、部、重量、割合、塗被
量等は特に断らない限り、全て固形分重量で示すもので
ある。また、各試料の説明中における符号は、図1及び
図2の符号を援用した。
【0048】(試料1)以下に示すように、ヒートシー
ルラベル10を作成した。基材11としては、米坪7
9.1g/m2の両面コート紙(商品名「OKトップコ
ート」,王子製紙社製)を用いた。そして、軟化点62
℃のエチレン酢酸ビニル共重合体(商品名「エバフレッ
クスP−1407」、三井・デュポンポリケミカル社
製)(熱可塑性樹脂)25部、軟化点60℃の粘着付与
剤(商品名「アルコンP−70」、荒川化学工業社製)
30部、融点61℃のパラフィンワックス(商品名「パ
ラフィンワックス−140」、日本精鑞社製)45部を
140℃の保温した容器内で調整し、固形分100%の
ヒートシール接着剤を作製した。得られたヒートシール
接着剤の120℃における貯蔵弾性率は500Paであ
った。なお、各試料について、貯蔵弾性率は、動的粘弾
性測定装置(商品名「DDV−25FP」、オリエンテ
ック社製)で測定した。このヒートシール接着剤を基材
11の片面に、温度140℃に加温しながら、パンフィ
ード式ロールコーターを用いて、固形分質量で10g/
2となるように全面に塗布し、ヒートシール接着剤層
12とした。次いで、ヒートシール接着剤層12全面に
凸版印刷機(商品名「OPM−W150−3S」、恩田
製作所製)により、酸化重合型のインキ(商品名「オフ
セット用インキ、No.2合成紙用」、東華社製)を用
いて、厚みが10μmになるように印刷してインキ層1
3とした。
【0049】(試料2)ヒートシール接着剤層12全面
の60%を覆うようにランダムに、印刷してインキ層1
3とした他は、試料1と同様にして、ヒートシールラベ
ル10を作成した。
【0050】(試料3)以下に示すように、ヒートシー
ルラベル10を作成した。基材11としては、米坪8
5.0g/m2の片面アート紙(商品名「金片アート
紙」、王子製紙社製)を原紙として、該原紙のヒートシ
ール接着剤層12側の面(裏面)に、加熱時の接着剤の
染込みを防ぐ為に、10μmのポリエチレンラミ加工施
したものを用いた。そして、エバフレックスP−140
7を35部、粘着付与剤に軟化点100℃の商品名「ア
ルコンP−100」(荒川化学工業社製)を30部、パ
ラフィンワックス−140を35部を140℃の保温し
た容器内で調整し、固形分100%のヒートシール接着
剤を作製した。得られたヒートシール接着剤の120℃
における貯蔵弾性率は4100Paであった。このヒー
トシール接着剤を基材11の片面に、温度140℃に加
温しながら、パンフィード式ロールコーターを用いて、
固形分質量で10g/m2となるように全面に塗布し、
ヒートシール接着剤層12とした。次いで、ヒートシー
ル接着剤層12全面に凸版印刷機(商品名「OPM−W
150−3S」、恩田製作所製)により、酸化重合型の
インキ(商品名「オフセット用インキ、No.2合成紙
用」、東華社製)を用いて、厚みが10μmになるよう
に印刷してインキ層13とした。
【0051】(試料4)以下に示すように、ヒートシー
ルラベル10を作成した。基材11としては、米坪7
9.1g/m2の両面コート紙(商品名「OKトップコ
ート」,王子製紙社製)を用いた。そして、軟化点62
℃のエチレン酢酸ビニル共重合体(商品名「エバフレッ
クスP−1407」、三井・デュポンポリケミカル社
製)(熱可塑性樹脂)25部、軟化点60℃の粘着付与
剤(商品名「アルコンP−70」、荒川化学工業社製)
30部、融点47℃のパラフィンワックス(商品名「パ
ラフィンワックス−115」、日本精鑞社製)を45部
を140℃の保温した容器内で調整し、固形分100%
のヒートシール接着剤を作製した。得られたヒートシー
ル接着剤の120℃における貯蔵弾性率は40Paであ
った。このヒートシール接着剤を基材11の片面に、温
度140℃に加温しながら、パンフィード式ロールコー
ターを用いて、固形分質量で10g/m2となるように
全面に塗布し、ヒートシール接着剤層12とした。次い
で、ヒートシール接着剤層12全面に凸版印刷機(商品
名「OPM−W150−3S」、恩田製作所製)によ
り、酸化重合型のインキ(商品名「オフセット用イン
キ、No.2合成紙用」、東華社製)を用いて、厚みが
10μmになるように印刷してインキ層13とした。
【0052】(試料5)ヒートシール接着剤層12上に
凸版印刷機(商品名「OPM−W150−3S」、恩田
製作所製)を用いて、印刷層の厚みが12μmになるよ
うに印刷した以外は試料1と同様にしてヒートシールラ
ベル10を作成した。
【0053】(試料6)ヒートシール接着剤層12にU
Vインキを印刷層の厚みが10μmになるように印刷
(商品名「紫外線硬化インキ、ベストキュアー」、T&K
社製)し、十分にUV照射を行い硬化させた以外は試料
1と同様にしてヒートシールラベル10を作成した。
【0054】(試料7)ヒートシール接着剤層上に凸版
印刷機(商品名「OPM−W150−3S」、恩田製作
所製)を用いて、印刷層の厚みが14μmになるように
印刷した以外は試料1と同様にしてヒートシールラベル
10を作成した。
【0055】(試料8)エバフレックスP−1407を
40部、アルコンP−100を30部、パラフィンワッ
クス−140を30部とした以外は試料1と同様にして
ヒートシールラベル10を作成した。なお、得られたヒ
ートシール接着剤の120℃における貯蔵弾性率は55
00Paであった。
【0056】(試料9)エバフレックスP−1407を
25部、アルコンP−70を25部、パラフィンワック
ス−115を50部とした以外は試料1と同様にしてヒ
ートシールラベル10を作成した。なお、得られたヒー
トシール接着剤の120℃における貯蔵弾性率は8Pa
であった。
【0057】(試料10)基材11として、厚さ50μ
mの透明なポリエステルフィルム(商品名「ルミラー」
東レ社製)を用いた以外は、試料1と同様にしてヒート
シールラベル10を作成した。
【0058】(試料11)熱可塑性樹脂として、ガラス
転移温度20℃の酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル共
重合体樹脂の水分散液100部、固体可塑剤として、フ
タル酸ジシクロヘキシル(融点65℃)を200部、及
び粘着付与剤としてロジンエステル(軟化点155℃)
60部を混合して固形分濃度を50%とし、感熱性粘着
剤塗液を調製した。この感熱性粘着剤塗液を、ヒートシ
ール接着剤に代えて、基材11の片面に塗布した。基材
11としては、厚さ50μmの透明なポリエステルフィ
ルム(商品名「ルミラー」東レ社製)を用いた。感熱性
粘着剤塗液の基材11への塗布は、マイヤーパーコータ
ーを用い、乾燥重量が15g/m2となるように塗布乾
燥した。なお、得られた感熱粘着剤の120℃における
貯蔵弾性率は1000Paであった。次いで、感熱性粘
着剤層全面に凸版印刷機(商品名「OPM−W150−
3S」、恩田製作所製)により、酸化重合型のインキ
(商品名「オフセット用インキ、No.2合成紙用」、東
華社製)を用いて、厚みが10μmになるように印刷し
てインキ層13とした。
【0059】(剥離力の測定)各試料で得られたヒート
シールラベル10について、剥離角度90°剥離スピー
ド0.3m/minで剥がした時の剥離力を、JIS
Z 0237に基づき、測定した。
【0060】(円筒容器への接着評価)得られた各試料
(ヒートシールラベル10)を40×80mmの大きさ
にカットし、ディレードラベラー(商品名「サーモラベ
ラーALタイプ」,タカラ社製)を使用して、ラベリン
グ速度30m/min(ラベル貼付までの時間1.0
秒)、熱風設定温度400℃(ヒートシールラベルの紙
面温度120℃)、圧力4.5kPaの条件で、ガラス
製の透明円筒容器(被着体14)の側面(曲率半径40
mm)にラベリングし、接着状態の良否を以下の基準で
評価した。 良好:定位置に貼着でき、2時間経過後、手で剥がそう
とすると基材破壊が起こる。 不良:定位置に貼着できるが、2時間経過後に手で剥が
すことができる。 不能:ラベルが定位置に貼着できず落下する。
【0061】(円筒容器裏側からの目視評価)上記評価
で、接着試験が良好な試料について、ガラス製透明円筒
容器のヒートシールラベル10貼着面とは反対側(裏
側)からインキ層13を観察し、印刷の鮮明性を以下の
基準で評価した。 良好:鮮明に見える。 不良:滲んだように見える。
【0062】(ラベル表側からの目視評価)試料10及
び試料11について、ヒートシールラベル10の貼着面
とは反対側(表側)からインキ層13を観察し、印刷の
鮮明性を以下の基準で評価した。 良好:鮮明に見える。 不良:曇って見える。
【0063】上記各評価結果を、表1に示す。
【表1】
【0064】表1に示すように、試料1、3〜6、10
は、インキ層13がヒートシール接着剤層12の全面を
覆っているにもかかわらず、いずれも充分な剥離離力が
得られ、円筒容器への接着評価、円筒容器裏側からの目
視評価共に良好であった。また、試料1(全面印刷)と
試料2(60%印刷)の剥離力は、ほとんど相違しなか
った。以上の結果から、インキ層13が接着性に重大な
悪影響を与えていないことがわかる。
【0065】ただし、試料3はと試料4では剥離力がや
や小さめであった。このことから、120℃における貯
蔵弾性率は4100Paより小さく、かつ、40Paよ
り大きいことが好ましいことがわかる。また、UVイン
キを用いた試料6では、剥離力がやや低めになった。こ
のことから、試料1等のように、酸化重合型のインキの
方が好ましいことがわかる。
【0066】また、試料5では充分な剥離離力が得ら
れ、円筒容器への接着評価、円筒容器裏側からの目視評
価共に良好であったが、試料7では剥離力が小さく、円
筒容器への接着評価も不良であった。このことから、イ
ンキ層の厚さが14μm以上となると、接着性を阻害さ
れることがわかる。ただし、通常の印刷でインキ層が1
2μmを越えることはないので、実用上インキ層の厚さ
が問題になることは少ないと考えられる。
【0067】また、試料8では、120℃における貯蔵
弾性率が5500Paと大きすぎるため、接着自体がで
きず、剥離力の測定は不能であった。一方、試料9で
は、120℃における貯蔵弾性率が8Paと小さすぎる
ため、円筒容器への接着評価こそ良好であったものの、
インキ層13が滲んでしまい良好な目視評価が得られな
かった。
【0068】試料10と試料11では、円筒容器表側か
らの目視評価も行った。その結果、試料10は良好な目
視評価が得られ、本発明における接着剤層の透明性が確
認できた。これに対して、固体可塑剤を用いた試料11
は、良好な目視評価が得られず、粘着剤層の透明性が低
いことが確認された。
【0069】(保存性評価)試料1〜6、10につい
て、30℃雰囲気下で1ヶ月保存後に上記と同様な評価
を行った結果、いずれの評価項目についても変化のない
ことを確認した。
【0070】(ブロッキング評価)試料1〜6、10に
ついて、常温で3ヶ月保管してもブロッキングの問題が
生じないことを確認した。
【0071】
【発明の効果】本発明のヒートシールラベルによれば、
基材裏面の接着剤層に容易に印刷を施すことが可能であ
ると共に、印刷により接着力が低下せず、必要に応じて
裏面に全面印刷を施すことも可能である。また、施した
印刷は、ヒートシールラベルの表裏どちらの面からも鮮
明に観察することができる。また、本発明の貼着方法に
よれば、被着体の形状材質についての制約が少なく、た
とえば、円筒形のガラス瓶等にも、本発明のヒートシー
ルラベルを貼着することができる。また、本発明の貼着
物によれば、ヒートシールラベルの裏面に施した印刷
を、基材の表側又は被着体側から鮮明に観察することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係るヒートシール
ラベルの断面図である。
【図2】 図1のヒートシールラベルを被着体に貼着
した貼着物の断面図である。
【図3】 本発明の第2実施形態に係るヒートシール
ラベルの断面図である。
【図4】 図3のヒートシールラベルを被着体に貼着
した貼着物の断面図である。
【符号の説明】
10…ヒートシールラベル、11…基材、12…ヒート
シール接着剤層、13…インキ層、14…被着体、15
…インキ層、20…ラベル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65C 9/25 B65C 9/25 4J040 B65D 25/20 B65D 25/20 Q C09J 7/02 C09J 7/02 Z 133/00 133/00 G09F 3/10 G09F 3/10 C Fターム(参考) 3E062 DA02 DA07 3E075 BA83 BB08 DE23 GA05 3E095 DA55 DA59 DA76 FA12 4F100 AK01B AK68 AT00A BA03 BA07 BA10A BA10C CA16B DG10 EH46 GB90 HB31C JB16B JK07B JL12B JN01 4J004 AA05 AA07 AA09 AA10 AA17 AB03 CA02 CA04 CA05 CA06 CA08 CB01 CB02 CC02 CC03 CE01 FA01 4J040 BA182 BA202 CA081 CA091 DA021 DA051 DA061 DA101 DB051 DE031 DF051 DK012 DM011 DN032 EB032 JA09 JB01 KA26 LA06 NA06 NA21 PA23

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の一方の面に、熱可塑性樹脂、粘着
    付与剤、ワックスを主成分とするヒートシール接着剤層
    を設け、該ヒートシール接着剤層上に印刷を施したこと
    を特徴とするヒートシールラベル。
  2. 【請求項2】 前記ヒートシール接着剤層の全面を覆っ
    て前記印刷を施したことを特徴とする請求項1に記載の
    ヒートシールラベル。
  3. 【請求項3】 前記ヒートシール接着剤層に施した印刷
    が、酸化重合反応により乾燥するインキを使用してなさ
    れたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヒ
    ートシールラベル。
  4. 【請求項4】 120℃におけるヒートシール接着剤の
    貯蔵弾性率が10〜5000Paであることを特徴とす
    る請求項1から請求項3の何れかに記載のヒートシール
    ラベル。
  5. 【請求項5】 前記基材の他方の面上にも印刷を施した
    ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載
    のヒートシールラベル。
  6. 【請求項6】 基材が不透明であることを特徴とする請
    求項1から請求項5の何れかに記載のヒートシールラベ
    ル。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6の何れかに記載の
    ヒートシールラベルの被着体への貼着方法であって、前
    記ヒートシールラベルを加熱する加熱工程と、その後
    の、前記ヒートシールラベルを被着体へ圧着する圧着工
    程とを有することを特徴とするヒートシールラベルの貼
    着方法。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項6の何れかに記載の
    ヒートシールラベルを被着体に貼着したことを特徴とす
    るラベル貼着物。
  9. 【請求項9】 前記被着体が透明であることを特徴とす
    る請求項8に記載のラベル貼着物。
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