JP3590881B2 - ハイパーリンクシステムおよびその履歴表示方法ならびにそのプログラム記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハイパーリンクシステムに係り、特に対話型処理を行う計算機のハイパーリンク処理に使用して好適なリンク履歴表示方法およびそのプログラムを格納した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータの画面に表示されたオブジェクトにリンクを定義するハイパーリンクシステムとしては、例えばWWW(World Wide Web)ブラウザが広く知られている。インターネット上で提供されているホームページを、WWWブラウザを用いて閲覧する時の画面の一例を図1に示す。図1において、ウインドウ101上に表示されたテキスト文書の中のテキスト102および画像103に他の情報へのリンクが定義されている。リンクが定義されているテキスト102または画像103をマウス等のポインティングデバイスによりクリックすることにより、それぞれに定義されたリンク先の画面が表示されることになる。実際に、ホームページ上では、このようにリンクが定義されている箇所が数多く存在するために、利用者はリンクを追跡しているうちに当初目的としていた情報とは異なる情報を提供するページを表示してしまうことがよく起こる。
【0003】
このような場合に対処するために、従来の方法としては、表示したページ情報を保存しておき、現在表示されているページから順に遡って今まで表示してきたページを表示する機能がブラウザで実現されている。これによって、利用者は最初の画面に簡単に戻ることができ、再度、目的の情報を得る努力をすることができる。この際に、一度選択したリンク定義情報を再度選択しても、また同じ失敗を繰り返すだけである。このような失敗をなくすために、WWWブラウザでは、過去にリンク先の情報を参照していれば、そのリンク先が定義されたテキストの表示色を変更するようにしている。この表示色変更機能により、利用者は過去にリンク先を参照したか否かを、テキストの色により容易に判断することができる。
この機能は、上述のように、利用者が目的としないページを表示する時に、繰り返し参照しないようにする手助けになる以外に、過去に参照したテキストが一目で判るため、ホームページの参照効率を向上させるという効果もある。
ハイパーリンクテキストの参照効率を向上させる他の技術としては、例えば、特開平5−265678号公報に記載された表示システムが知られている。
この技術は、表示カーソルがマーカの境界内に存在する時に、ユーザがそのマーカをマウス等でクリックすることにより、その情報に対してそれ以前に参照されたか否かに関する情報を表示するものである。以前の参照に関する情報は、具体的には、最初に参照した日時,最後に参照した日時及び参照回数である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術において、利用者が参照したテキストの表示色を変更する機能については、リンク先の定義されたオブジェクトがテキストの場合に限って、表示色を変更するものであるため、オブジェクトが画像の場合には参照されたか否かを判断できないという問題点がある。そして、この従来技術では、参照した日付、時間までは表示されない。
次に、特開平5−265678号公報に記載された技術については、参照したテキストの近傍にマーカが表示されるので、ユーザがこれをマウスによりクリックする等の動作をすることで、参照日時、参照回数が表示される。従って、利用者が参照履歴を見たい時には、マーカをクリックするという操作を行わなければならず、操作性が悪いという問題がある。さらに問題となることは、上記特開平5−265678号公報には、訪問履歴のあり/なしを示すマーカの付与方法、訪問履歴情報の保存および参照方法についての具体的な構成が全く記載されていない点である。
【0005】
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決することであり、リンクを定義されたオブジェクトの訪問履歴情報を利用者の操作性を損なうことなく表示できるようなハイパーリンクシステムおよびその履歴表示方法ならびにそのプログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明によるハイパーリンクシステムの履歴表示方法は、▲1▼コンピュータの画面に表示されたテキストおよび画像などのオブジェクトに他の情報へのリンクが定義され、ポインティングデバイスのカーソルを前記オブジェクトに位置づけて指示することにより、前記定義されたリンク先の画面を表示するハイパーリンクシステムの表示方法において、前記リンク定義されたオブジェクトが選択される度毎に、データベースに現在の日付、時間および前記リンク先のアドレスを履歴情報として書き込んでおき、ポインティングデバイスのカーソルである位置指示手段が該オブジェクトの領域内にある場合に、前記オブジェクトのリンク先アドレスをキーに前記データベースの履歴情報を検索し、検索された履歴情報を、該オブジェクトの近傍にポップアップ表示することを特徴としている。
▲2▼また、履歴情報をデータベースから検索した後、検索された履歴情報を該オブジェクト近傍にポップアップ表示する代りに、対象オブジェクト上にレイヤを作成し、該オブジェクトに関して以前リンク先の情報を参照した日時等を示す履歴情報を該オブジェクトに重ねてテキストで表示することも特徴としている。
【0007】
▲3▼また、オブジェクトをデータベースから検索する場合、前記選択された画面を表示する前に、予め画面に表示すべき全てのオブジェクトについて前記検索処理を行っておき、検索された履歴情報を画面表示の際に、前記オブジェクト近傍にポップアップ表示するか、または該オブジェクトに重ねて表示することも特徴としている。
▲4▼また、本発明のハイパーリンクシステムでは、コンピュータの画面に表示されたテキストおよび画像などのオブジェクトに他の情報へのリンクが定義され、マウス等のポインティングデバイスのカーソルを前記オブジェクトに位置づけて指示することにより、前記定義されたリンク先の画面を表示するハイパーリンクシステムにおいて、過去に参照したリンク先の属性情報と参照した日時等の履歴情報とを蓄積しておく履歴情報蓄積部と、画面表示する際、表示するオブジェクトのリンク先の属性情報をキーにして前記履歴情報蓄積部を検索する情報検出・処理部と、検索された属性情報に対応する履歴情報を前記オブジェクトとともに表示する表示手段とを有することを特徴としている。
▲5▼また、本発明の記録媒体では、ハイパーリンクシステムの履歴表示方法をプログラムに変換し、該プログラムを格納したことを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を、図面により詳細に説明する。
本実施例では、HTML(Hyper Text Markup Language)によって記述された情報を表示するシステムを対象とする。また、表示する履歴情報は最後に参照した日付のみとする。
本発明においては、パソコン内蔵メモリに新たに情報検出・処理部(図2の203参照)および履歴情報蓄積部(同204参照)を設けて、リンク定義されたオブジェクトが選択された段階で、その履歴情報蓄積部の履歴として選択されたオブジェクトおよび日付、リンク先アドレス等を追加書き込み、オブジェクトが表示されるために選択された場合、表示の前に、リンク定義されていることを調べ、その履歴情報蓄積部からそのリンク先アドレスを検索し、履歴情報中の日付を読み出してそれを表示されたオブジェクトとともに、例えばオブジェクトに重ねて表示するか、あるいはそのオブジェクトの近傍にポップアップ表示する。
本発明は、従来のハイパーリンクシステムに比べて、履歴情報蓄積部(メモリ領域)および情報検出・処理部(プログラム)を新たに設けた点と、ユーザからそのオブジェクトが選択される度毎に、履歴情報蓄積部にそのリンク先アドレスと日付を追加記録する処理を設ける点と、表示のためにオブジェクトが選択された場合に、それが表示される前に、情報検出・処理部が履歴情報蓄積部を検索して、そのリンク先アドレス情報が存在するか否かを検索し、その履歴情報中の日付を読み出して表示画面のオブジェクトとともに、例えばオブジェクト近傍にポップアップ表示するか、オブジェクトに重ねて表示する点を設ける点とが大きな特徴である。
【0009】
図2は、本発明の一実施例を示すハイパーリンクシステムのブロック構成図である。
図2により、ハイパーリンクシステムの構成および各機能ブロックの機能について説明する。図2において、201はマウス等のポインティングデバイスを含む入力装置、202は入力された情報を処理部に取り込むための入力情報制御部、203は入力された情報を履歴情報蓄積部に蓄積したり、入力された情報をキーとして履歴情報蓄積部を検索する情報検出・処理部、204はリンク定義されたオブジェクトのリンク先アドレスやその参照日付等の履歴情報を蓄積する履歴情報蓄積部、205はオブジェクトの表示を制御する表示情報制御部、206は表示装置である。
入力装置101は、例えば、マウスなどのポインティングデバイスやタッチパネルなどにより構成され、オブジェクトの表示要求などの操作を入力情報制御部202に対して指示する。入力情報制御部202は、入力装置201からの指示を検出し、情報検出・処理部203へその指示を渡す。情報検出・処理部203は、入力情報制御部202からの入力指示により、該当する履歴情報の履歴情報蓄積部204への書き出し、読み込みを行う。また、履歴情報の検索、履歴情報表示処理を行い、表示情報制御部205へ表示命令を渡す。表示情報制御部205は、情報検出・処理部203からの表示命令を受け取って、その処理結果を表示装置206に表示する。この場合、情報検出・処理部203は、何を表示するか、およびどのように表示するかを制御するものであり、表示情報制御部205は単純にディスプレイ表示を制御するものである。
【0010】
図3は図2における履歴情報のデータベース構造図、図4は本発明の一実施例を示す履歴情報の蓄積処理のフローチャート、および図6は本発明の一実施例を示す履歴情報表示を行う前のHTMLと画面表示の図である。
以下、図3、図4、図6を参照して、本発明による履歴情報の蓄積処理を説明する。
(1)図6において、マウスカーソル601を指示してクリックすることにより、アドレス"http://www.com"にリンク定義されたオブジェクト602が選択される(ステップ401)。ここで、オブジェクトとは、表示情報の構成要素(テキストデータ、画像データ、その他の種類のデータ)のことである。また、603はリンク定義されたオブジェクト602に対応したメモリ領域に埋め込まれた情報であって、リンク先アドレス"http://www.com"が記録されている。
(2)履歴情報蓄積部204には、図3に示すような履歴データベースが格納されており、オブジェクト602が選択されると、次に履歴データベースに現在の日付、時間、リンク先アドレス"http://www.com"などの情報301を追加して書き込む。データベース項目"No."は自動的に付与される(ステップ402)。
(3)これらの履歴情報の蓄積が終了した後に、リンク先アドレス"http://www.com"の情報にジャンプして表示する(ステップ403)。
【0011】
図5はオブジェクトに履歴情報を表示する処理のフローチャート、図7は本発明の一実施例による履歴情報表示処理[方法1]を行ったHTMLと画面表示図、および図8は本発明の一実施例による履歴情報表示処理[方法2]を行ったHTMLと画面表示図である。
以下、図3、図5、図7および図8により、本発明の一実施例による履歴情報の表示処理を説明する。
(1)図6に示すオブジェクト602が表示される前に、そのオブジェクト602に対応して記憶されている表示情報であるHTML(603)を読み込む(ステップ501)。
(2)HTML(603)にリンク情報が含まれているか否かを判別する(ステップ502)。
(3)リンク情報が定義されているオブジェクトであると判別されると、履歴情報データベース(図3)においてリンク先アドレス”http://www.com”の検索を行う(ステップ503)。この場合、最後に参照された履歴情報を抽出するのであれば、検索は項目”No.”について降順に行われる。
(4)リンク先アドレス”http://www.com”が履歴情報データベースに存在しない場合には、ステップ502にもどり検索を続行する(ステップ504)。
(5)リンク先アドレスが存在した場合には、履歴情報データベースのレコード301の日付情報を参照し、例えば次のような(方法1)または(方法2)により日付表示処理を行う(ステップ505)。
【0012】
(方法1)HTMLタグである<DIV>をHTML(603)に追加することにより、対象オブジェクト上にレイヤを作成し、日付情報をテキストで配置する(図7の表示イメージ701参照)。なお、図7の表示情報であるHTML(702)に下線で示した情報が〈DIV〉で追加されたテキストである。
(方法2)HTMLタグである<ALT>をHTML(603)に追加することにより、対象オブジェクト領域上にマウスがある場合に、日付情報をポップアップ表示させる(図8の表示イメージ801参照)。なお、図8の表示情報であるHTML(802)に下線で示した情報が〈ALT〉で追加されたテキストである。
(6)HTML(603)のリンク情報検索が最後まで終了していれば、一連の処理を終了し、途中であればステップ502に戻って検索を続行する(ステップ506)。この処理が終了した時点(END)で、選択されたオブジェクトの画面が始めて表示される。
【0013】
以上、本発明の一実施例を説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、図7に示すように、オブジェクト上に履歴情報を重ねて表示する処理ステップ505は、例えば画像合成処理を応用するなどの方法、つまりオブジェクト画像の上から合成処理を行うことにより日付701を配置する方法も考えられる。また、蓄積される情報の種類および表示される情報に関しても、本実施例に限定されるものではなく、操作者が適宜変更可能な形での実装が望ましい。
また、図4に示した履歴情報蓄積処理、及び図5で示した履歴情報表示処理はそれぞれプログラムにより実行され、このプログラムをCD−ROM等の情報記録媒体に格納して流通させ、任意の場所のコンピュータにインストールしてから実行すれば、本発明の目的は達成される。さらに、このプログラムをネットワーク上のコンピュータに格納しておき、ネットワークを介して別のコンピュータに当該プログラムをコピーすることにより、インストールしても同様である。また、本発明は、WWWブラウザに特化したものではなく、通常のパソコンによる表示方法として適用することができるのは勿論である。
【0014】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、リンクを定義されたオブジェクトと共に、参照履歴情報が表示されるため、操作者はリンク先情報を過去に参照したか否か、いつ参照したかを容易に判別可能となる。また、その場合に、クリックする必要がなく、オブジェクトの領域内にカーソルがあるだけで、リンクを定義されたオブジェクトに重ねて、もしくはポップアップして、履歴情報が表示されるので、表示画面を乱さず履歴情報を表示できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来におけるハイパーリンクシステムのオブジェクト表示画面例を示す図である。
【図2】本発明の一実施例によるハイパーリンクシステムのブロック構成図である。
【図3】本発明の一実施例による履歴情報データベースの格納図である。
【図4】本発明の一実施例によるハイパーリンクシステムの履歴情報の蓄積処理を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の一実施例によるハイパーリンクシステムの履歴情報を表示する処理を説明するフローチャートである。
【図6】本発明による履歴情報表示処理を行う前のHTMLと画面表示の図である。
【図7】本発明の一実施例による履歴情報表示処理[方法1]を行ったHTMLと画面表示の図である。
【図8】本発明の一実施例による履歴情報表示処理[方法2]を行ったHTMLと画面表示の図である。
【符号の説明】
103…表示画像、102…表示テキスト、101…ウィンドウ、
201…入力装置、202…入力情報制御部、203…情報検出・処理部、
204…履歴情報蓄積部、205…表示情報制御部、206…表示装置、
301…履歴データベースの追加レコード、601…カーソル、
602…表示オブジェクト、603…表示情報HTML、
701…重ね表示された日付、702…表示情報HTML、
801…ポップアップ表示された日付、802…表示情報HTML。
Claims (4)
- コンピュータの画面に表示されたテキストおよび画像などのオブジェクトに他の情報へのリンクが定義され、ポインティングデバイスのカーソルを前記オブジェクトに位置づけて指示することにより、前記定義されたリンク先の画面を表示するハイパーリンクシステムの表示方法であって、
前記リンク定義されたオブジェクトが選択される度毎に、データベースに現在の日付、時間および前記リンク先のアドレスを含む情報を履歴情報として書き込んでおき、
前記オブジェクトを画面に表示する際、該オブジェクトを表示する前に、該オブジェクトのリンク先アドレスをキーに前記データベースの履歴情報を検索し、該オブジェクトの履歴情報があれば、該履歴情報を、当該オブジェクトの領域にポインティングデバイスのカーソルがある場合に該オブジェクトとともに表示させるための情報を、該オブジェクトの表示情報に追加し、
前記情報を追加した後に、当該表示情報に基づきオブジェクトを表示し、
該オブジェクトの領域にポインティングデバイスのカーソルが位置づけされると、前記履歴情報を、該オブジェクトとともに表示することを特徴とするハイパーリンクシステムの履歴表示方法。 - 請求項1に記載のハイパーリンクシステムの履歴表示方法において、前記履歴情報をオブジェクトとともに表示する際、該オブジェクトの近傍にポップアップ表示する、もしくは、該オブジェクトに重ねてテキストで表示することを特徴とするハイパーリンクシステムの履歴表示方法。
- コンピュータに、請求項1もしくは請求項2のいずれかに記載のハイパーリンクシステムの履歴表示方法における各処理を実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- コンピュータの画面に表示されたテキストおよび画像などのオブジェクトに他の情報へのリンクが定義され、マウス等のポインティングデバイスのカーソルを前記オブジェクトに位置づけて指示することにより、前記定義されたリンク先の画面を表示するハイパーリンクシステムにおいて、
過去に参照したリンク先の属性情報と参照した日時を含む履歴情報を蓄積しておく履歴情報蓄積部と、
オブジェクトを画面表示する際、表示前に、オブジェクトのリンク先の属性情報をキーにして前記履歴情報蓄積部から対応する履歴情報を検索し、
対応する履歴情報があれば、該履歴情報を、当該オブジェクトの領域にポインティングデバイスのカーソルがある場合に該オブジェクトとともに表示させるための情報を、該オブジェクトの表示情報に追加する情報検出・処理部と、
前記情報を追加した当該表示情報に基づきオブジェクトを表示すると共に、該オブジェクトの領域にポインティングデバイスのカーソルが位置づけされると、前記履歴情報を、該オブジェクトとともに表示する表示手段とを有することを特徴とするハイパーリンクシステム。
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