JP3583570B2 - 冷蔵庫 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冷蔵庫に関し、特に冷凍サイクルにおける蒸発器の霜取を自動開始/自動終了で行うファン式冷凍冷蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、一般的な従来の冷凍冷蔵庫について、図20乃至図22にしたがって説明する。
【0003】
図20は従来の冷凍冷蔵庫の蒸発器周辺の構造を示す断面図であり、図21は従来の冷凍冷蔵庫の冷凍サイクル説明図であり、図22は従来の冷凍冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【0004】
図20において、1は蒸発器、2は除霜ヒータ、3は霜取終了検知センサー、4は冷気循環用ファンモータ、5は冷蔵室吐き出し冷気調整ダンパーである。
【0005】
図21において、1は蒸発器、8は圧縮機、9は凝縮器、10はドライヤ、11は絞り装置つまり減圧装置であるキャピラリーチューブ、12は吸い込み管のサクションパイプである。
【0006】
図22において、通常冷却運転中は、前記圧縮機8と冷却循環用ファンモータ4とは同期運転するよう制御されている。
【0007】
一般的には、前記圧縮機8の運転積算時間が設定時間に達すると、霜取を開始する。霜取は、前記圧縮機8の停止および前記冷却循環用ファンモータ4の停止と同時に前記除霜ヒータ2を通電し、該除霜ヒータ2により前記蒸発器1が加熱され、前記蒸発器1に付着した霜が溶けると前記蒸発器1の温度が上昇する。前記蒸発器1の温度が上昇し、前記蒸発器1近傍に取り付けられた前記霜取終了検知センサー3が設定温度に達すると前記除霜ヒータ2をOFFする。
【0008】
霜取後の前記蒸発器1の温度は20℃前後、蒸発圧力は4〜5kgf/cm2abs程度まで上昇しており、このままでは前記圧縮機8の最始動時に過負荷となり始動不能となる。
【0009】
一般的には、前記除霜ヒータ2のOFF後、蒸発圧力低減のため数分のタイムセーフ時間を設けている。
【0010】
また、本出願人は特願平7−156400号において、図22に示す破線aのように、このタイムセーフ時間に前記冷却循環用ファンモータ4を運転し蒸発圧力低減することにより、さらに始動性を改善する制御を提案している。前記除霜ヒータ2のOFF後のタイムセーフ時間が終了すれば、前記圧縮機8と冷却循環用ファンモータ4とを同期運転し、通常冷却運転にもどる。
【0011】
さらに、本出願人は同じく特願平7−156400号において、図22に示す破線bのように、前記圧縮機8の再始動後は、前記圧縮機8への負担を減らすためや、冷媒流温の低減のために、数分間、前記冷却循環用ファンモータ4を停止する制御も提案している。
【0012】
前記蒸発器1の霜取は、前記蒸発器1を大容量の前記除霜ヒータ2で加熱して行われるため、霜取中の前記除霜ヒータ2の消費電力量が加算されるのみならず、霜取中に温度上昇した庫内温度を所定の庫内温度に冷すために過大な消費電力量を必要とする。
【0013】
このように、冷凍冷蔵庫の霜取は当該冷凍冷蔵庫の消費電力量を増大させる要因のひとつとなっており、効率の良い霜取、つまり小容量や短時間での霜取が要求されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記除霜ヒータ2の容量や通電時間は、前記除霜ヒータ2にて加熱した時の、前記蒸発器1についた霜の溶け具合と前記蒸発器1の温度と霜取終了検知センサー3の温度の相関により決められている。
【0015】
このため、霜取での庫内温度上昇や消費電力量の改善を求めるために、むやみに霜取時間の短縮つまり前記霜取終了検知センサー3の設定温度を下げることは、前記蒸発器1についた霜の溶け具合に分布が発生するといった霜取不良につながるため、前記霜取終了検知センサー3の設定温度はある程度余裕をもった値に設計する必要がある。
【0016】
さらに、前記圧縮機8の停止後は、前記凝縮器9中の高圧液冷媒がガス化し前記蒸発器1に流れ込んで当該蒸発器1周辺の温度にて冷却されて液化しており、冷凍サイクル中の冷媒のほとんどが前記蒸発器1内に溜まっていた。
【0017】
前記蒸発器1の霜取の際、前記除霜ヒータ2にて前記蒸発器1の温度を上昇させるためには、前記蒸発器1に付いた霜を溶かす熱量とともに、前記蒸発器1内に溜まっている液冷媒をガス化させたり温度を上昇させたりするための熱量が必要となっており、前記蒸発器1の霜取に大容量の除霜ヒータ2や長時間のヒータ通電時間が必要となる理由となっていた。
【0018】
これらは、霜取による庫内温度上昇や消費電力量の改善の障害となっていた。
【0019】
本発明は、上記課題に鑑み、効率の良い霜取を行い、霜取後の庫内温度上昇を抑えるとともに、消費電力量の低減が可能となる冷蔵庫の提供を目的とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の冷蔵庫は、ガス冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮したガス冷媒を液化させる凝縮器と、液化した液冷媒を減圧する減圧装置と、減圧した液冷媒をガス化させる蒸発器とを用いそれぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを備えるとともに、前記蒸発器の除霜ヒータを備えた冷蔵庫において、前記除霜ヒータの通電前に前記圧縮機を所定時間停止する制御装置を有し、前記除霜ヒータの通電前の圧縮機を停止する直前の所定時間の前記圧縮機の運転中にのみ前記冷凍サイクル内の流路抵抗を増大させる前記流路増大手段を有し、前記流路抵抗増大手段は、前記減圧装置に対して並列接続され、且つ流路抵抗が前記減圧装置に対して大きい他の減圧装置と、前記凝縮器にて液化した液冷媒を前記減圧装置および他の減圧装置のいずれか一方に導く切換弁と、前記除霜ヒータの通電前の前記圧縮機の運転中にのみ前記凝縮器にて液化した液冷媒を他の減圧装置に導くよう前記切替弁を制御する制御装置とを有することを特徴とするものである。
【0023】
また、本発明の冷蔵庫は、ガス冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮したガス冷媒を液化させる凝縮器と、液化した液冷媒を減圧する減圧装置と、減圧した液冷媒をガス化させる蒸発器とを用いそれぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを備えるとともに、前記蒸発器の除霜ヒータを備えた冷蔵庫において、前記除霜ヒータの通電前に前記圧縮機を所定時間停止する制御装置を有し、前記除霜ヒータの通電前の圧縮機を停止する直前の所定時間の前記圧縮機の運転中にのみ前記冷凍サイクル内の流路抵抗を増大させる前記流路増大手段を有し、前記流路抵抗増大手段が、前記減圧装置を加熱する加熱ヒータと、前記除霜ヒータの通電前の前記圧縮機の運転中にのみ前記加熱ヒータに通電する制御装置とを有することを特徴とするものである。
【0025】
また、本発明の冷蔵庫は、ガス冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮したガス冷媒を液化させる凝縮器と、液化した液冷媒を減圧する減圧装置と、減圧した液冷媒をガス化させる蒸発器とを用いそれぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを備えるとともに、前記蒸発器の除霜ヒータを備えた冷蔵庫において、前記除霜ヒータの通電時に前記蒸発器内部の液冷媒量を減少させる手段を有し、前記蒸発器内部の液冷媒量を減少させる手段が、前記減圧装置と蒸発器との間の配管パイプに対して並列接続されたレシーバタンクと、前記減圧装置にて減圧した液冷媒を前記配管パイプおよびレシーバタンクのいずれか一方に導く切換弁と、前記除霜ヒータの通電直前における前記圧縮機の運転中から前記除霜ヒータの通電終了間に前記減圧装置にて減圧した液冷媒を前記レシーバタンクに導くよう前記切替弁を制御する制御装置とを有することを特徴とするものである。
【0026】
また、本発明の冷蔵庫は、ガス冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮したガス冷媒を液化させる凝縮器と、液化した液冷媒を減圧する減圧装置と、減圧した液冷媒をガス化させる蒸発器とを用いそれぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを備えるとともに、前記蒸発器の除霜ヒータを備えた冷蔵庫において、前記除霜ヒータの通電時に前記蒸発器内部の液冷媒量を減少させる手段を有し、前記蒸発器内部の液冷媒量を減少させる手段が、前記蒸発器と庫内とを強制熱交換させる冷気循環用ファンモータと、前記除霜ヒータの通電直前に前記圧縮機を所定時間停止させるとともに、その間前記冷気循環用ファンモータを運転する制御装置を有することを特徴とするものである。
【0027】
さらに、本発明の冷蔵庫は、前記蒸発器にて熱交換された冷気の冷蔵室への吹き出し量を制御する冷蔵室ダンパーと、前記除霜ヒータの通電直前に前記圧縮機を所定時間停止させるとともに、その間前記冷気循環用ファンモータを運転する際に、前記冷蔵室ダンパーを開状態とする制御装置を有することを特徴とするものである。
【0028】
また、本発明の冷蔵庫は、ガス冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮したガス冷媒を液化させる凝縮器と、液化した液冷媒を減圧する減圧装置と、減圧した液冷媒をガス化させる蒸発器とを用いそれぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを備えるとともに、前記蒸発器の除霜ヒータを備えた冷蔵庫において、前記蒸発器にて熱交換された冷気の冷凍室への吹き出し量を制御する冷凍室ダンパーと、前記除霜ヒータの通電時に前記冷凍室ダンパーを閉状態とする制御装置とを有することを特徴とするものである。
【0029】
さらに、本発明の冷蔵庫は、前記蒸発器と庫内とを強制熱交換させる冷気循環用ファンモータと、前記除霜ヒータの通電時に前記冷気循環用ファンモータを運転する制御装置とを有することを特徴とするものである。
【0030】
上記構成によれば、本発明の冷蔵庫は、除霜ヒータの通電直前に圧縮機を所定時間停止することにより、圧縮機停止後の凝縮器から蒸発器に流入するガス冷媒の凝縮潜熱を霜取りに利用することができ、前記除霜ヒータの通電時間の短縮ができる。
【0032】
さらに、前記除霜ヒータの通電直前の圧縮機運転中に、流路抵抗が大きい前記他の減圧装置に冷媒流路を切り替えることができるため、前記凝縮器に溜まる高圧の液冷媒量比率を増やすことができる。これにより、通常冷却運転時は適正な絞り度により適正な圧力差が得られ、所定の冷却能力が得られるとともに、前記圧縮機停止後の凝縮器から蒸発器に流入するガス冷媒の凝縮潜熱量が増加し、霜取りへの利用の効果を向上することができる。
【0033】
また、前記除霜ヒータの通電直前の圧縮機運転中に、前記減圧装置を加熱する加熱ヒータに通電することにより、前記減圧装置の流路抵抗を増大させ、前記凝縮器に溜まる高圧な液冷媒量比率を増やすことができる。これにより、通常冷却運転時は適正な絞り度により適正な圧力差が得られ、所定の冷却能力が得られるとともに、前記圧縮機停止後の凝縮器から蒸発器に流入するガス冷媒の凝縮潜熱量が増加し、霜取りへの利用の効果を向上することができる。また、前記減圧装置の流路抵抗を増大させるための前記加熱ヒータは局部的なものであるため、ヒータ容量は前記除霜ヒータに比べ無視できる程度の小容量のものであり、前記減圧装置の流路抵抗を増大させるためのヒータ通電により霜取効率向上の効果が損なわれることはない。
【0035】
また、前記除霜ヒータの通電直前の圧縮機運転中から霜取終了までの間のみ、流路をレシーバタンクへ切り替えることができる。これにより、前記除霜ヒータ通電直前に、前記冷凍サイクル内の冷媒のほとんどがレシーバタンク内に溜めることができるとともに、前記除霜ヒータ通電中に凝縮器から蒸発器に流入することがないため、前記除霜ヒータの通電中における前記蒸発器内部の冷媒量を著しく減らすことができ、前記蒸発器の温度を上昇させるための必要熱量を著しく減少させることができ、前記除霜ヒータの通電時間の短縮ができる。
【0036】
また、前記圧縮機停止後に冷気循環用ファンモータを運転することにより、前記蒸発器内でのガス冷媒の凝縮を促進し凝縮潜熱を霜取りへ利用する効率を上げるとともに、前記ガス冷媒の凝縮が終了した後は、熱交換の促進により前記凝縮器の温度を上昇させ、蒸発器内部の冷媒比重を小さくすることができ、その後の前記除霜ヒータの通電中における前記蒸発器内部の冷媒重量を減らすことができ、前記蒸発器の温度を上昇させるための必要熱量を減少させることができ、前記除霜ヒータの通電時間の短縮ができる。
【0037】
さらに、前記冷気循環用ファンモータを運転する際に、前記冷蔵室ダンパーを開状態とすることにより、前記蒸発器内でのガス冷媒の凝縮を促進し凝縮潜熱を霜取りへ利用する効率を上げるとともに、前記ガス冷媒の凝縮が終了した後は、冷蔵室からの戻り空気によって前記蒸発器が熱交換されるため、前記冷気循環用ファンモータの運転による前記蒸発器の温度上昇が大きくなり、前記蒸発器内部の冷媒比重を更に小さくすることができ、その後の前記除霜ヒータの通電中における前記蒸発器内部の冷媒重量を減らす効果が向上でき、蒸発器の温度を上昇させるための必要熱量を減少させる効果が向上でき、前記除霜ヒータの通電時間の短縮ができる。
【0038】
また、除霜ヒータの通電時に前記冷凍室ダンパーを閉状態とすることにより、前記除霜ヒータの通電中に加熱された空気が庫内に移動し、庫内の冷たい空気が、加熱中の蒸発器室への流れ込む自然対流による冷気に流れを防止することができる。これにより、前記を上昇させるための必要熱量を著しく減少させることができ、前記除霜ヒータの通電時間の短縮ができる。
【0039】
さらに、前記除霜ヒータの通電時の前記冷気循環用ファンヒータを運転することにより、霜取中の加熱空気を冷凍室室内に吐き出すことなく、前記除霜ヒータの熱量が効率良く前記蒸発器に熱交換され、前記除霜ヒータの通電時間の短縮ができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態にかかる冷蔵庫について、図面とともに説明する。図1は本発明の第1実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫の冷凍サイクル説明図であり、図2は本発明の第1実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【0041】
本実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫は、図1に示すように、冷媒を圧縮する圧縮機21と、ガス冷媒を液化させる凝縮器22と、減圧と冷媒循環量を制御を目的とした絞り装置つまり減圧装置であるキャピラリーチューブ23と、液冷媒を蒸発,ガス化させる蒸発器24と、それぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを有し、前記蒸発器24と庫内を強制熱交換させる冷気循環用ファンモータ25と、前記蒸発器24の除霜ヒータ26と、霜取終了を温度にて検知する霜取終了検知サーミスタ27と、前記圧縮機24,前記冷気循環用ファンモータ25,前記除霜ヒータ26の制御を行う制御装置28が設けられてなる。
【0042】
前記制御装置28による前記蒸発器24の霜取制御は、図2に示すように、前記圧縮機21の積算運転が設定の時間に達すると、前記圧縮機21を停止する。このとき、前記圧縮機21の運転中に前記凝縮器22に溜まっていた高圧液冷媒は前記圧縮機21の停止後、ガス化し蒸発器24に流れ込み該蒸発器24にて放熱し凝縮する。この凝縮潜熱にて前記蒸発器24の霜取が行われる。この蒸発器24での凝縮過程は数分で終了するためその後は前記除霜ヒータ26を通電し通常の霜取りを行なう。これによって、前記蒸発器24の霜取を行うための大容量の前記除霜ヒータ26の通電時間を短縮でき、低消費電力量化が実現できる。
【0043】
図3は本発明の第2実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫の冷凍サイクル説明図であり、図4は本発明の第2実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【0044】
本実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫は、図3に示すように、冷媒を圧縮する圧縮機31と、ガス冷媒を液化させる凝縮器32と、減圧と冷媒循環量を制御を目的とした絞り装置つまり減圧装置である第1キャピラリーチューブ33と、前記第1キャピラリーチューブ33に対して並列に接続され、且つ前記第1キャピラリーチューブ33よりも絞り抵抗を増大させた第2キャピラリーチューブ34と、液冷媒を蒸発,ガス化させる蒸発器35と、冷媒流路を第1キャピラリーチューブ33と第2キャピラリーチューブ33のいずれか一方に切り替える切替弁36と、それぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを有し、前記蒸発器35と庫内とを強制熱交換させる冷気循環用ファンモータ37と、前記蒸発器35の除霜ヒータ38と、霜取終了を温度にて検知する霜取終了検知サーミスタ39と、前記圧縮機31,前記冷気循環用ファンモータ37,除霜ヒータ38の制御を行う制御装置40が設けられてなる。
【0045】
前記制御装置40による前記蒸発器35の霜取制御は、図4に示すように、通常は前記第1キャピラリーチューブ33を冷媒流路として、圧縮機31の運転を行っている。前記圧縮機31の積算運転が設定の時間に達すると、冷媒流路が前記第2キャピラリーチューブ34となるように前記切替弁36を切り替える。これによって、前記圧縮機31の運転中の前記凝縮器32内の高圧液冷媒の溜まり量が増大する。冷媒流路を前記第2キャピラリーチューブ34とした前記圧縮機31の運転が設定時間の数十分を経過すると、前記圧縮機31を停止する。このとき、前記圧縮機31の運転中に前記凝縮器32に溜まっていた高圧液冷媒は前記圧縮機31の停止後、ガス化し前記蒸発器35に流れ込み当該蒸発器35にて放熱し凝縮する。この凝縮潜熱にて前記蒸発器35の霜取が行われる。
【0046】
本実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫では、この蒸発器35に流入するガス冷媒の質量流量を通常より増大させているため、この凝縮潜熱での霜取りの効果がより増幅される。前記蒸発器35での凝縮過程は数分で終了するためその後は前記除霜ヒータ38を通電し通常の霜取りを行う。これによって、前記蒸発器35の霜取を行うための大容量の前記除霜ヒータ38の通電時間を短縮でき、低消費電力量化が実現できる。
【0047】
図5は本発明の第3実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫の冷凍サイクル説明図であり、図6は本発明の第3実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【0048】
本実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫は、図5に示すように、冷媒を圧縮する圧縮機51と、ガス冷媒を液化させる凝縮器52と、減圧と冷媒循環量を制御を目的とした絞り装置つまり減圧装置であるキャピラリーチューブ53と、前記キャピラリーチューブ53を加熱するように取り付けられた加熱ヒータ54と、液冷媒を蒸発,ガス化させる蒸発器55と、それぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを有し、前記蒸発器55と庫内を強制熱交換させる冷気循環用ファンモータ56と、前記蒸発器35の除霜ヒータ57と、霜取り終了を温度にて検知する霜取終了検知サーミスタ58と、前記圧縮機51,前記加熱ヒータ54,前記冷気循環用ファンモータ56,前記除霜ヒータ57の制御を行う制御装置59が設けられている。
【0049】
前記制御装置59による前記蒸発器55の霜取制御は、図6に示すように、通常は前記キャピラリーチューブ53を加熱する加熱ヒータ54をOFFの状態にし、前記キャピラリーチューブ53を冷媒流路として、前記圧縮機51の運転を行っている。前記圧縮機51の積算運転が設定の時間に達すると、前記キャピラリーチューブ53に取り付けられた加熱ヒータ54を通電する。これによって、前記キャピラリーチューブ53の冷媒流路抵抗が増大し、前記圧縮機51の運転中の前記凝縮器52内の高圧液冷媒の溜まり量が増大する。前記キャピラリーチューブ53に取り付けられた加熱ヒータ54を通電した状態での前記圧縮機51の運転が設定時間の数十分を経過すると、前記圧縮機51を停止する。このとき前記圧縮機51の運転中に前記凝縮器52に溜まっていた高圧液冷媒は前記圧縮機51の停止後、ガス化し前記蒸発器55に流れ込み当該蒸発器55にて放熱し凝縮する。この凝縮潜熱にて前記蒸発器55の霜取が行われる。
【0050】
本実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫では、この蒸発器55に流入するガス冷媒の質量流量を通常より増大させているため、この凝縮潜熱での霜取の効果がより増幅される。前記蒸発器55での凝縮過程は数分で終了するためその後は前記除霜ヒータ57を通電し通常の霜取を行う。前記キャピラリーチューブ53を加熱する加熱ヒータ54は局部的に作用させるためのものであり、ヒータ容量は前記除霜ヒータ57に比べ無視できる程度のものである。これによって、前記蒸発器55の霜取を行うための大容量の前記除霜ヒータ57の通電時間を短縮でき、低消費電力量化が実現できる。
【0051】
図7は本発明の第4実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫の冷凍サイクル説明図であり、図8は本発明の第4実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【0052】
本実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫は、図7に示すように、冷媒を圧縮する圧縮機71と、ガス冷媒を液化させる凝縮器72と、減圧と冷媒循環量の制御を目的とした絞り装置つまり減圧装置であるキャピラリーチューブ73と、液冷媒を蒸発,ガス化させる蒸発器74と、前記キャピラリーチューブ73と蒸発器74との間の後述する配管パイプに対して並列接続されたレシーバタンク75と、冷媒流路を前記キャピラリーチューブ73と蒸発器74との間の配管パイプと前記レシーバタンク75とのいずれか一方へ切り替える切替弁76と、それぞれを配管接続し構成される冷凍サイクルを有し、前記蒸発器74と庫内を強制熱交換させる冷気循環用ファンモータ77と、前記蒸発器74の除霜ヒータ78と、霜取の終了を温度にて検知する霜取終了検知サーミスタ79と、前記圧縮機71,前記切換弁76,前記冷気循環用ファンモータ77,前記除霜ヒータ78の制御を行う制御装置80が設けられてなる。
【0053】
前記制御装置80による前記蒸発器74の霜取制御は、図8に示すように、通常は前記レシーバタンク75を通らない冷媒流路にて前記圧縮機71を運転している。前記圧縮機71の積算運転が設定の時間に達すると、冷媒流路が前記レシーバタンク75側となるように前記切替弁76を切り替える。これによって、圧縮された冷媒が前記レシーバタンク75内に溜まり、一方、前記蒸発器74内の冷媒は前記圧縮機71によって吸い込まれ、かつ冷媒の供給がないため、前記蒸発器74内は極端に冷媒の少ない状態となる。冷媒流路を前記レシーバタンク75側とした前記圧縮機71の運転が設定時間の数分を経過すると前記圧縮機71を停止し、前記除霜ヒータ78を通電する。このとき、前記蒸発器74内には冷媒が極めて少ない状態であるため、熱容量が小さく前記蒸発器74の温度を上げて霜取を行うための熱量は著しく減少させることができる。
【0054】
これによって、前記蒸発器74の霜取を行うための大容量の前記除霜ヒータ78の通電時間を短縮でき、低消費電力量化が実現できる。
【0055】
図9は本発明の第5実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫の冷凍サイクル説明図であり、図10は本発明の第5実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【0056】
本実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫は、図9に示すように、冷媒を圧縮する圧縮機91と、ガス冷媒を液化させる凝縮器92と、減圧と冷媒循環量を制御を目的とした絞り装置つまり減圧装置であるキャピラリチューブ93と、液冷媒を蒸発,ガス化させる蒸発器94と、それぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを有し、前記蒸発器94と庫内を強制熱交換させる冷気循環用ファンモータ95と、前記蒸発器94の除霜ヒータ96と、霜取り終了を温度にて検知する霜取終了検知サーミスタ97と、前記圧縮機91,前記冷気循環用ファンモータ95,除霜ヒータ96の制御を行う制御装置98が設けられてなる。
【0057】
前記制御装置98による前記蒸発器94の霜取制御は、図10に示すように、前記圧縮機91の積算運転が設定の時間に達すると、前記圧縮機91を停止するとともに、前記冷気循環用ファンモータ95を運転する。前記圧縮機91の運転中に前記凝縮器92に溜まっていた高圧液冷媒は前記圧縮機91の停止後、ガス化し前記蒸発器94に流れ込み当該蒸発器94にて放熱し凝縮するが、このとき、前記冷気循環用ファンモータ95を運転することにより、この凝縮過程を促進させるとともに、前記圧縮機91の停止中に前記冷気循環用ファンモータ95を運転することによって、前記蒸発器94の温度を上昇させ、当該蒸発器94内の液冷媒の比重を減少させることができる。
【0058】
前記圧縮機91を停止し、前記冷気循環用ファンモータ95を運転する時間が設定時間の数分を経過すると除霜ヒータ96を通電する。この時、前記蒸発器94内の冷媒重量が少ない状態であるため、熱容量が小さく前記蒸発器94の温度を上げて霜取を行うための熱量を減少させることができる。
【0059】
これによって、前記蒸発器94の霜取を行うための大容量の前記除霜ヒータ96の通電時間を短縮でき、低消費電力量化が実現できる。
【0060】
図11は本発明の第6実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器周辺の構造を示す断面図であり、図12は本発明の第6実施の形態にかかる冷蔵庫の冷凍サイクル説明図であり、図13は本発明の第6実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【0061】
本実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫は、図11及び図12に示すように、冷媒を圧縮する圧縮機111と、ガス冷媒を液化させる凝縮器112と、減圧と冷媒循環量を制御を目的とした絞り装置つまり減圧装置であるキャピラリチューブ113と、液冷媒を蒸発,ガス化させる蒸発器114と、それぞれ配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを有し、前記蒸発器114と庫内を強制熱交換させる冷気循環用ファンモータ115と、前記冷気循環用ファンモータ115によって冷蔵室側へ送られる冷気の量を調節する冷蔵室ダンパー116と、前記蒸発器114の除霜ヒータ117と、霜取り終了を温度にて検知する霜取終了検知サーミスタ118と、前記圧縮機111,前記冷気循環用ファンモータ115,前記冷蔵室ダンパー116,前記除霜ヒータ117の制御を行う制御装置119が設けられてなる。
【0062】
前記制御装置119による前記蒸発器114の霜取制御は、図13に示すように、前記圧縮機111の積算運転が設定の時間に達すると、前記圧縮機111を停止するとともに、前記冷蔵室ダンパー116を開状態とし、前記冷気循環用ファンモータ115を運転する。前記圧縮機111の運転中に前記凝縮器112に溜まっていた高圧液冷媒は前記圧縮機111の停止後、ガス化し前記蒸発器114に流れ込み当該蒸発器114にて放熱し凝縮するが、このとき、前記冷気循環用ファンモータ115を運転することにより、この凝縮過程を促進させるとともに、前記圧縮機111の停止中に前記冷蔵室ダンパー116を開状態とし、前記冷気循環用ファンモータ115を運転することによって、冷蔵室の戻り空気によって、前記蒸発器114の温度の上昇を促進させ、当該蒸発器114内の液冷媒の比重を減少させることができる。
【0063】
前記圧縮機111を停止し、前記冷気循環用ファンモータ115を運転する時間が設定時間の数分を経過すると除霜ヒータ117を通電する。この時、前記蒸発器114内の冷媒重量が少ない状態であるため、熱容量が小さく前記蒸発器114の温度を上げて霜取を行うための熱量を減少させることができる。
【0064】
これによって、前記蒸発器114の霜取を行うための大容量の前記除霜ヒータ117の通電時間を短縮でき、低消費電力量化が実現できる。
【0065】
図14は本発明の第7実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器周辺の構造を示す断面図であり、図15は本発明の第7実施の形態にかかる冷蔵庫の冷凍サイクル説明図であり、図16は本発明の第7実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【0066】
本実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫は、図14及び図15に示すように、冷媒を圧縮する圧縮機131と、ガス冷媒を液化させる凝縮器132と、減圧と冷媒循環量を制御を目的とした絞り装置つまり減圧装置であるキャピラリチューブ133と、液冷媒を蒸発,ガス化させる蒸発器134と、それぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを有し、前記蒸発器134と庫内を強制熱交換させる冷気循環用ファンモータ135と、前記冷気循環用ファンモータ135によって冷凍室側へ送られる冷気の量を調節する冷凍室ダンパー136と、前記蒸発器134の除霜ヒータ137と、霜取り終了を温度にて検知する霜取終了検知サーミスタ138と、前記圧縮機131,前記冷気循環用ファンモータ135,前記冷凍室ダンパー136,前記除霜ヒータ137の制御を行う制御装置139が設けられてなる。図中、140は冷蔵室ダンパーである。
【0067】
前記制御装置139による前記蒸発器134の霜取制御は、図16に示すように、前記圧縮機131の積算運転が設定の時間に達すると、前記圧縮機131を停止するとともに前記除霜ヒータ137を通電する。このとき、前記冷凍室ダンパー136および冷蔵室ダンパー140を閉状態とする。これによって、前記除霜ヒータ137の通電中に加熱された空気が冷凍室に流れ込み、冷凍室内の冷された空気が前記蒸発器134側へと流れ込む自然対流を防止することができ、前記除霜ヒータ137の熱量は前記蒸発器室内の閉空間のみにて消費され前記蒸発器134の温度を上昇させるための熱量を減少させることができる。
【0068】
これによって、前記蒸発器134の霜取を行うための大容量の前記除霜ヒータ137の通電時間を短縮でき、低消費電力量化が実現できる。
【0069】
図17は本発明の第8実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器周辺の構造を示す断面図であり、図18は本発明の第8実施の形態にかかる冷蔵庫の冷凍サイクル説明図であり、図19は本発明の第8実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【0070】
本実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫は、図17及び図18に示すように、冷媒を圧縮する圧縮機151と、ガス冷媒を液化させる凝縮器152と、減圧と冷媒循環量の制御を目的とした絞り装置つまり減圧装置であるキャピラリチューブ153と、液冷媒を蒸発,ガス化させる蒸発器154と、それぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを有し、前記蒸発器154と庫内を強制熱交換させる冷気循環用ファンモータ155と、前記冷気循環用ファンモータ155によって冷凍室側へ送られる冷気の量を調節する冷凍室ダンパー156と、前記蒸発器114の除霜ヒータ157と、霜取り終了を温度にて検知する霜取終了検知サーミスタ158と、前記圧縮機151,前記冷気循環用ファンモータ155,前記冷凍室ダンパー156,前記除霜ヒータ157の制御を行う制御装置159が設けられてなる。図中、160は冷蔵室ダンパーである。
【0071】
前記制御装置159による前記蒸発器154の霜取制御は、図19に示すように、前記圧縮機151の積算運転が設定の時間に達すると、前記圧縮機151を停止するとともに前記除霜ヒータ157を通電する。このとき、前記冷凍室ダンパー156および冷蔵室ダンパー160を閉状態とし、前記冷気循環用ファンモータ155を運転する。これによって、前記除霜ヒータ157の熱量はまんべんなく前記蒸発器154に伝えられ、前記除霜ヒータ157の効率が増大するとともに、前記冷凍室ダンパー156を閉状態としているため、前記冷気循環用ファンモータ155により撹拌される加熱空気が冷凍室内に吐き出され庫内温度が上昇することもない。
【0072】
これによって、前記蒸発器154の霜取を行うための大容量の前記除霜ヒータ157の通電時間を短縮でき、低消費電力量化が実現できる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、除霜ヒータの通電直前に圧縮機を所定時間停止することにより、圧縮機停止後の凝縮器から蒸発器に流入するガス冷媒の凝縮潜熱を霜取りに利用することができ、前記除霜ヒータの通電時間の短縮ができる。
【0075】
さらに、前記除霜ヒータの通電直前の圧縮機運転中に、流路抵抗が大きい前記他の減圧装置に冷媒流路を切り替えることができるため、前記凝縮器に溜まる高圧の液冷媒量比率を増やすことができる。これにより、通常冷却運転時は適正な絞り度により適正な圧力差が得られ、所定の冷却能力が得られるとともに、前記圧縮機停止後の凝縮器から蒸発器に流入するガス冷媒の凝縮潜熱量が増加し、霜取りへの利用の効果を向上することができる。
【0076】
また、前記除霜ヒータの通電直前の圧縮機運転中に、前記減圧装置を加熱する加熱ヒータに通電することにより、前記減圧装置の流路抵抗を増大させ、前記凝縮器に溜まる高圧な液冷媒量比率を増やすことができる。これにより、通常冷却運転時は適正な絞り度により適正な圧力差が得られ、所定の冷却能力が得られるとともに、前記圧縮機停止後の凝縮器から蒸発器に流入するガス冷媒の凝縮潜熱量が増加し、霜取りへの利用の効果を向上することができる。また、前記減圧装置の流路抵抗を増大させるための前記加熱ヒータは局部的なものであるため、ヒータ容量は前記除霜ヒータに比べ無視できる程度の小容量のものであり、前記減圧装置の流路抵抗を増大させるためのヒータ通電により霜取効率向上の効果が損なわれることはない。
【0078】
また、前記除霜ヒータの通電直前の圧縮機運転中から霜取終了までの間のみ、流路をレシーバタンクへ切り替えることができる。これにより、前記除霜ヒータ通電直前に、前記冷凍サイクル内の冷媒のほとんどがレシーバタンク内に溜めることができるとともに、前記除霜ヒータ通電中に凝縮器から蒸発器に流入することがないため、前記除霜ヒータの通電中における前記蒸発器内部の冷媒量を著しく減らすことができ、前記蒸発器の温度を上昇させるための必要熱量を著しく減少させることができ、前記除霜ヒータの通電時間の短縮ができる。
【0079】
また、前記圧縮機停止後に冷気循環用ファンモータを運転することにより、前記蒸発器内でのガス冷媒の凝縮を促進し凝縮潜熱を霜取りへ利用する効率を上げるとともに、前記ガス冷媒の凝縮が終了した後は、熱交換の促進により前記凝縮器の温度を上昇させ、蒸発器内部の冷媒比重を小さくすることができ、その後の前記除霜ヒータの通電中における前記蒸発器内部の冷媒重量を減らすことができ、前記蒸発器の温度を上昇させるための必要熱量を減少させることができ、前記除霜ヒータの通電時間の短縮ができる。
【0080】
さらに、前記冷気循環用ファンモータを運転する際に、前記冷蔵室ダンパーを開状態とすることにより、前記蒸発器内でのガス冷媒の凝縮を促進し凝縮潜熱を霜取りへ利用する効率を上げるとともに、前記ガス冷媒の凝縮が終了した後は、冷蔵室からの戻り空気によって前記蒸発器が熱交換されるため、前記冷気循環用ファンモータの運転による前記蒸発器の温度上昇が大きくなり、前記蒸発器内部の冷媒比重を更に小さくすることができ、その後の前記除霜ヒータの通電中における前記蒸発器内部の冷媒重量を減らす効果が向上でき、蒸発器の温度を上昇させるための必要熱量を減少させる効果が向上でき、前記除霜ヒータの通電時間の短縮ができる。
【0081】
また、除霜ヒータの通電時に前記冷凍室ダンパーを閉状態とすることにより、前記除霜ヒータの通電中に加熱された空気が庫内に移動し、庫内の冷たい空気が、加熱中の蒸発器室への流れ込む自然対流による冷気に流れを防止することができる。これにより、前記を上昇させるための必要熱量を著しく減少させることができ、前記除霜ヒータの通電時間の短縮ができる。
【0082】
さらに、前記除霜ヒータの通電時の前記冷気循環用ファンヒータを運転することにより、霜取中の加熱空気を冷凍室室内に吐き出すことなく、前記除霜ヒータの熱量が効率良く前記蒸発器に熱交換され、前記除霜ヒータの通電時間の短縮ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態にかかる冷蔵庫の冷凍サイクル説明図である。
【図2】本発明の第1実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【図3】本発明の第2実施の形態にかかる冷蔵庫の冷凍サイクル説明図である。
【図4】本発明の第2実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【図5】本発明の第3実施の形態にかかる冷蔵庫の冷凍サイクル説明図である。
【図6】本発明の第3実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【図7】本発明の第4実施の形態にかかる冷蔵庫の冷凍サイクル説明図である。
【図8】本発明の第4実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【図9】本発明の第5実施の形態にかかる冷蔵庫の冷凍サイクル説明図である。
【図10】本発明の第5実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【図11】本発明の第6実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器周辺の構造を示す断面図である。
【図12】本発明の第6実施の形態にかかる冷蔵庫の冷凍サイクル説明図である。
【図13】本発明の第6実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【図14】本発明の第7実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器周辺の構造を示す断面図である。
【図15】本発明の第7実施の形態にかかる冷蔵庫の冷凍サイクル説明図である。
【図16】本発明の第7実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【図17】本発明の第8実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器周辺の構造を示す断面図である。
【図18】本発明の第8実施の形態にかかる冷蔵庫の冷凍サイクル説明図である。
【図19】本発明の第8実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【図20】従来の冷蔵庫の蒸発器周辺の構造を示す断面図である。
【図21】従来の冷蔵庫の冷凍サイクルの説明図である。
【図22】従来の冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【符号の説明】
21 圧縮機
22 凝縮器
23 キャピラリーチューブ(減圧装置)
24 蒸発器
26 除霜ヒータ
28 制御装置
【発明の属する技術分野】
本発明は冷蔵庫に関し、特に冷凍サイクルにおける蒸発器の霜取を自動開始/自動終了で行うファン式冷凍冷蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、一般的な従来の冷凍冷蔵庫について、図20乃至図22にしたがって説明する。
【0003】
図20は従来の冷凍冷蔵庫の蒸発器周辺の構造を示す断面図であり、図21は従来の冷凍冷蔵庫の冷凍サイクル説明図であり、図22は従来の冷凍冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【0004】
図20において、1は蒸発器、2は除霜ヒータ、3は霜取終了検知センサー、4は冷気循環用ファンモータ、5は冷蔵室吐き出し冷気調整ダンパーである。
【0005】
図21において、1は蒸発器、8は圧縮機、9は凝縮器、10はドライヤ、11は絞り装置つまり減圧装置であるキャピラリーチューブ、12は吸い込み管のサクションパイプである。
【0006】
図22において、通常冷却運転中は、前記圧縮機8と冷却循環用ファンモータ4とは同期運転するよう制御されている。
【0007】
一般的には、前記圧縮機8の運転積算時間が設定時間に達すると、霜取を開始する。霜取は、前記圧縮機8の停止および前記冷却循環用ファンモータ4の停止と同時に前記除霜ヒータ2を通電し、該除霜ヒータ2により前記蒸発器1が加熱され、前記蒸発器1に付着した霜が溶けると前記蒸発器1の温度が上昇する。前記蒸発器1の温度が上昇し、前記蒸発器1近傍に取り付けられた前記霜取終了検知センサー3が設定温度に達すると前記除霜ヒータ2をOFFする。
【0008】
霜取後の前記蒸発器1の温度は20℃前後、蒸発圧力は4〜5kgf/cm2abs程度まで上昇しており、このままでは前記圧縮機8の最始動時に過負荷となり始動不能となる。
【0009】
一般的には、前記除霜ヒータ2のOFF後、蒸発圧力低減のため数分のタイムセーフ時間を設けている。
【0010】
また、本出願人は特願平7−156400号において、図22に示す破線aのように、このタイムセーフ時間に前記冷却循環用ファンモータ4を運転し蒸発圧力低減することにより、さらに始動性を改善する制御を提案している。前記除霜ヒータ2のOFF後のタイムセーフ時間が終了すれば、前記圧縮機8と冷却循環用ファンモータ4とを同期運転し、通常冷却運転にもどる。
【0011】
さらに、本出願人は同じく特願平7−156400号において、図22に示す破線bのように、前記圧縮機8の再始動後は、前記圧縮機8への負担を減らすためや、冷媒流温の低減のために、数分間、前記冷却循環用ファンモータ4を停止する制御も提案している。
【0012】
前記蒸発器1の霜取は、前記蒸発器1を大容量の前記除霜ヒータ2で加熱して行われるため、霜取中の前記除霜ヒータ2の消費電力量が加算されるのみならず、霜取中に温度上昇した庫内温度を所定の庫内温度に冷すために過大な消費電力量を必要とする。
【0013】
このように、冷凍冷蔵庫の霜取は当該冷凍冷蔵庫の消費電力量を増大させる要因のひとつとなっており、効率の良い霜取、つまり小容量や短時間での霜取が要求されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記除霜ヒータ2の容量や通電時間は、前記除霜ヒータ2にて加熱した時の、前記蒸発器1についた霜の溶け具合と前記蒸発器1の温度と霜取終了検知センサー3の温度の相関により決められている。
【0015】
このため、霜取での庫内温度上昇や消費電力量の改善を求めるために、むやみに霜取時間の短縮つまり前記霜取終了検知センサー3の設定温度を下げることは、前記蒸発器1についた霜の溶け具合に分布が発生するといった霜取不良につながるため、前記霜取終了検知センサー3の設定温度はある程度余裕をもった値に設計する必要がある。
【0016】
さらに、前記圧縮機8の停止後は、前記凝縮器9中の高圧液冷媒がガス化し前記蒸発器1に流れ込んで当該蒸発器1周辺の温度にて冷却されて液化しており、冷凍サイクル中の冷媒のほとんどが前記蒸発器1内に溜まっていた。
【0017】
前記蒸発器1の霜取の際、前記除霜ヒータ2にて前記蒸発器1の温度を上昇させるためには、前記蒸発器1に付いた霜を溶かす熱量とともに、前記蒸発器1内に溜まっている液冷媒をガス化させたり温度を上昇させたりするための熱量が必要となっており、前記蒸発器1の霜取に大容量の除霜ヒータ2や長時間のヒータ通電時間が必要となる理由となっていた。
【0018】
これらは、霜取による庫内温度上昇や消費電力量の改善の障害となっていた。
【0019】
本発明は、上記課題に鑑み、効率の良い霜取を行い、霜取後の庫内温度上昇を抑えるとともに、消費電力量の低減が可能となる冷蔵庫の提供を目的とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の冷蔵庫は、ガス冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮したガス冷媒を液化させる凝縮器と、液化した液冷媒を減圧する減圧装置と、減圧した液冷媒をガス化させる蒸発器とを用いそれぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを備えるとともに、前記蒸発器の除霜ヒータを備えた冷蔵庫において、前記除霜ヒータの通電前に前記圧縮機を所定時間停止する制御装置を有し、前記除霜ヒータの通電前の圧縮機を停止する直前の所定時間の前記圧縮機の運転中にのみ前記冷凍サイクル内の流路抵抗を増大させる前記流路増大手段を有し、前記流路抵抗増大手段は、前記減圧装置に対して並列接続され、且つ流路抵抗が前記減圧装置に対して大きい他の減圧装置と、前記凝縮器にて液化した液冷媒を前記減圧装置および他の減圧装置のいずれか一方に導く切換弁と、前記除霜ヒータの通電前の前記圧縮機の運転中にのみ前記凝縮器にて液化した液冷媒を他の減圧装置に導くよう前記切替弁を制御する制御装置とを有することを特徴とするものである。
【0023】
また、本発明の冷蔵庫は、ガス冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮したガス冷媒を液化させる凝縮器と、液化した液冷媒を減圧する減圧装置と、減圧した液冷媒をガス化させる蒸発器とを用いそれぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを備えるとともに、前記蒸発器の除霜ヒータを備えた冷蔵庫において、前記除霜ヒータの通電前に前記圧縮機を所定時間停止する制御装置を有し、前記除霜ヒータの通電前の圧縮機を停止する直前の所定時間の前記圧縮機の運転中にのみ前記冷凍サイクル内の流路抵抗を増大させる前記流路増大手段を有し、前記流路抵抗増大手段が、前記減圧装置を加熱する加熱ヒータと、前記除霜ヒータの通電前の前記圧縮機の運転中にのみ前記加熱ヒータに通電する制御装置とを有することを特徴とするものである。
【0025】
また、本発明の冷蔵庫は、ガス冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮したガス冷媒を液化させる凝縮器と、液化した液冷媒を減圧する減圧装置と、減圧した液冷媒をガス化させる蒸発器とを用いそれぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを備えるとともに、前記蒸発器の除霜ヒータを備えた冷蔵庫において、前記除霜ヒータの通電時に前記蒸発器内部の液冷媒量を減少させる手段を有し、前記蒸発器内部の液冷媒量を減少させる手段が、前記減圧装置と蒸発器との間の配管パイプに対して並列接続されたレシーバタンクと、前記減圧装置にて減圧した液冷媒を前記配管パイプおよびレシーバタンクのいずれか一方に導く切換弁と、前記除霜ヒータの通電直前における前記圧縮機の運転中から前記除霜ヒータの通電終了間に前記減圧装置にて減圧した液冷媒を前記レシーバタンクに導くよう前記切替弁を制御する制御装置とを有することを特徴とするものである。
【0026】
また、本発明の冷蔵庫は、ガス冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮したガス冷媒を液化させる凝縮器と、液化した液冷媒を減圧する減圧装置と、減圧した液冷媒をガス化させる蒸発器とを用いそれぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを備えるとともに、前記蒸発器の除霜ヒータを備えた冷蔵庫において、前記除霜ヒータの通電時に前記蒸発器内部の液冷媒量を減少させる手段を有し、前記蒸発器内部の液冷媒量を減少させる手段が、前記蒸発器と庫内とを強制熱交換させる冷気循環用ファンモータと、前記除霜ヒータの通電直前に前記圧縮機を所定時間停止させるとともに、その間前記冷気循環用ファンモータを運転する制御装置を有することを特徴とするものである。
【0027】
さらに、本発明の冷蔵庫は、前記蒸発器にて熱交換された冷気の冷蔵室への吹き出し量を制御する冷蔵室ダンパーと、前記除霜ヒータの通電直前に前記圧縮機を所定時間停止させるとともに、その間前記冷気循環用ファンモータを運転する際に、前記冷蔵室ダンパーを開状態とする制御装置を有することを特徴とするものである。
【0028】
また、本発明の冷蔵庫は、ガス冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮したガス冷媒を液化させる凝縮器と、液化した液冷媒を減圧する減圧装置と、減圧した液冷媒をガス化させる蒸発器とを用いそれぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを備えるとともに、前記蒸発器の除霜ヒータを備えた冷蔵庫において、前記蒸発器にて熱交換された冷気の冷凍室への吹き出し量を制御する冷凍室ダンパーと、前記除霜ヒータの通電時に前記冷凍室ダンパーを閉状態とする制御装置とを有することを特徴とするものである。
【0029】
さらに、本発明の冷蔵庫は、前記蒸発器と庫内とを強制熱交換させる冷気循環用ファンモータと、前記除霜ヒータの通電時に前記冷気循環用ファンモータを運転する制御装置とを有することを特徴とするものである。
【0030】
上記構成によれば、本発明の冷蔵庫は、除霜ヒータの通電直前に圧縮機を所定時間停止することにより、圧縮機停止後の凝縮器から蒸発器に流入するガス冷媒の凝縮潜熱を霜取りに利用することができ、前記除霜ヒータの通電時間の短縮ができる。
【0032】
さらに、前記除霜ヒータの通電直前の圧縮機運転中に、流路抵抗が大きい前記他の減圧装置に冷媒流路を切り替えることができるため、前記凝縮器に溜まる高圧の液冷媒量比率を増やすことができる。これにより、通常冷却運転時は適正な絞り度により適正な圧力差が得られ、所定の冷却能力が得られるとともに、前記圧縮機停止後の凝縮器から蒸発器に流入するガス冷媒の凝縮潜熱量が増加し、霜取りへの利用の効果を向上することができる。
【0033】
また、前記除霜ヒータの通電直前の圧縮機運転中に、前記減圧装置を加熱する加熱ヒータに通電することにより、前記減圧装置の流路抵抗を増大させ、前記凝縮器に溜まる高圧な液冷媒量比率を増やすことができる。これにより、通常冷却運転時は適正な絞り度により適正な圧力差が得られ、所定の冷却能力が得られるとともに、前記圧縮機停止後の凝縮器から蒸発器に流入するガス冷媒の凝縮潜熱量が増加し、霜取りへの利用の効果を向上することができる。また、前記減圧装置の流路抵抗を増大させるための前記加熱ヒータは局部的なものであるため、ヒータ容量は前記除霜ヒータに比べ無視できる程度の小容量のものであり、前記減圧装置の流路抵抗を増大させるためのヒータ通電により霜取効率向上の効果が損なわれることはない。
【0035】
また、前記除霜ヒータの通電直前の圧縮機運転中から霜取終了までの間のみ、流路をレシーバタンクへ切り替えることができる。これにより、前記除霜ヒータ通電直前に、前記冷凍サイクル内の冷媒のほとんどがレシーバタンク内に溜めることができるとともに、前記除霜ヒータ通電中に凝縮器から蒸発器に流入することがないため、前記除霜ヒータの通電中における前記蒸発器内部の冷媒量を著しく減らすことができ、前記蒸発器の温度を上昇させるための必要熱量を著しく減少させることができ、前記除霜ヒータの通電時間の短縮ができる。
【0036】
また、前記圧縮機停止後に冷気循環用ファンモータを運転することにより、前記蒸発器内でのガス冷媒の凝縮を促進し凝縮潜熱を霜取りへ利用する効率を上げるとともに、前記ガス冷媒の凝縮が終了した後は、熱交換の促進により前記凝縮器の温度を上昇させ、蒸発器内部の冷媒比重を小さくすることができ、その後の前記除霜ヒータの通電中における前記蒸発器内部の冷媒重量を減らすことができ、前記蒸発器の温度を上昇させるための必要熱量を減少させることができ、前記除霜ヒータの通電時間の短縮ができる。
【0037】
さらに、前記冷気循環用ファンモータを運転する際に、前記冷蔵室ダンパーを開状態とすることにより、前記蒸発器内でのガス冷媒の凝縮を促進し凝縮潜熱を霜取りへ利用する効率を上げるとともに、前記ガス冷媒の凝縮が終了した後は、冷蔵室からの戻り空気によって前記蒸発器が熱交換されるため、前記冷気循環用ファンモータの運転による前記蒸発器の温度上昇が大きくなり、前記蒸発器内部の冷媒比重を更に小さくすることができ、その後の前記除霜ヒータの通電中における前記蒸発器内部の冷媒重量を減らす効果が向上でき、蒸発器の温度を上昇させるための必要熱量を減少させる効果が向上でき、前記除霜ヒータの通電時間の短縮ができる。
【0038】
また、除霜ヒータの通電時に前記冷凍室ダンパーを閉状態とすることにより、前記除霜ヒータの通電中に加熱された空気が庫内に移動し、庫内の冷たい空気が、加熱中の蒸発器室への流れ込む自然対流による冷気に流れを防止することができる。これにより、前記を上昇させるための必要熱量を著しく減少させることができ、前記除霜ヒータの通電時間の短縮ができる。
【0039】
さらに、前記除霜ヒータの通電時の前記冷気循環用ファンヒータを運転することにより、霜取中の加熱空気を冷凍室室内に吐き出すことなく、前記除霜ヒータの熱量が効率良く前記蒸発器に熱交換され、前記除霜ヒータの通電時間の短縮ができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態にかかる冷蔵庫について、図面とともに説明する。図1は本発明の第1実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫の冷凍サイクル説明図であり、図2は本発明の第1実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【0041】
本実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫は、図1に示すように、冷媒を圧縮する圧縮機21と、ガス冷媒を液化させる凝縮器22と、減圧と冷媒循環量を制御を目的とした絞り装置つまり減圧装置であるキャピラリーチューブ23と、液冷媒を蒸発,ガス化させる蒸発器24と、それぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを有し、前記蒸発器24と庫内を強制熱交換させる冷気循環用ファンモータ25と、前記蒸発器24の除霜ヒータ26と、霜取終了を温度にて検知する霜取終了検知サーミスタ27と、前記圧縮機24,前記冷気循環用ファンモータ25,前記除霜ヒータ26の制御を行う制御装置28が設けられてなる。
【0042】
前記制御装置28による前記蒸発器24の霜取制御は、図2に示すように、前記圧縮機21の積算運転が設定の時間に達すると、前記圧縮機21を停止する。このとき、前記圧縮機21の運転中に前記凝縮器22に溜まっていた高圧液冷媒は前記圧縮機21の停止後、ガス化し蒸発器24に流れ込み該蒸発器24にて放熱し凝縮する。この凝縮潜熱にて前記蒸発器24の霜取が行われる。この蒸発器24での凝縮過程は数分で終了するためその後は前記除霜ヒータ26を通電し通常の霜取りを行なう。これによって、前記蒸発器24の霜取を行うための大容量の前記除霜ヒータ26の通電時間を短縮でき、低消費電力量化が実現できる。
【0043】
図3は本発明の第2実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫の冷凍サイクル説明図であり、図4は本発明の第2実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【0044】
本実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫は、図3に示すように、冷媒を圧縮する圧縮機31と、ガス冷媒を液化させる凝縮器32と、減圧と冷媒循環量を制御を目的とした絞り装置つまり減圧装置である第1キャピラリーチューブ33と、前記第1キャピラリーチューブ33に対して並列に接続され、且つ前記第1キャピラリーチューブ33よりも絞り抵抗を増大させた第2キャピラリーチューブ34と、液冷媒を蒸発,ガス化させる蒸発器35と、冷媒流路を第1キャピラリーチューブ33と第2キャピラリーチューブ33のいずれか一方に切り替える切替弁36と、それぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを有し、前記蒸発器35と庫内とを強制熱交換させる冷気循環用ファンモータ37と、前記蒸発器35の除霜ヒータ38と、霜取終了を温度にて検知する霜取終了検知サーミスタ39と、前記圧縮機31,前記冷気循環用ファンモータ37,除霜ヒータ38の制御を行う制御装置40が設けられてなる。
【0045】
前記制御装置40による前記蒸発器35の霜取制御は、図4に示すように、通常は前記第1キャピラリーチューブ33を冷媒流路として、圧縮機31の運転を行っている。前記圧縮機31の積算運転が設定の時間に達すると、冷媒流路が前記第2キャピラリーチューブ34となるように前記切替弁36を切り替える。これによって、前記圧縮機31の運転中の前記凝縮器32内の高圧液冷媒の溜まり量が増大する。冷媒流路を前記第2キャピラリーチューブ34とした前記圧縮機31の運転が設定時間の数十分を経過すると、前記圧縮機31を停止する。このとき、前記圧縮機31の運転中に前記凝縮器32に溜まっていた高圧液冷媒は前記圧縮機31の停止後、ガス化し前記蒸発器35に流れ込み当該蒸発器35にて放熱し凝縮する。この凝縮潜熱にて前記蒸発器35の霜取が行われる。
【0046】
本実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫では、この蒸発器35に流入するガス冷媒の質量流量を通常より増大させているため、この凝縮潜熱での霜取りの効果がより増幅される。前記蒸発器35での凝縮過程は数分で終了するためその後は前記除霜ヒータ38を通電し通常の霜取りを行う。これによって、前記蒸発器35の霜取を行うための大容量の前記除霜ヒータ38の通電時間を短縮でき、低消費電力量化が実現できる。
【0047】
図5は本発明の第3実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫の冷凍サイクル説明図であり、図6は本発明の第3実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【0048】
本実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫は、図5に示すように、冷媒を圧縮する圧縮機51と、ガス冷媒を液化させる凝縮器52と、減圧と冷媒循環量を制御を目的とした絞り装置つまり減圧装置であるキャピラリーチューブ53と、前記キャピラリーチューブ53を加熱するように取り付けられた加熱ヒータ54と、液冷媒を蒸発,ガス化させる蒸発器55と、それぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを有し、前記蒸発器55と庫内を強制熱交換させる冷気循環用ファンモータ56と、前記蒸発器35の除霜ヒータ57と、霜取り終了を温度にて検知する霜取終了検知サーミスタ58と、前記圧縮機51,前記加熱ヒータ54,前記冷気循環用ファンモータ56,前記除霜ヒータ57の制御を行う制御装置59が設けられている。
【0049】
前記制御装置59による前記蒸発器55の霜取制御は、図6に示すように、通常は前記キャピラリーチューブ53を加熱する加熱ヒータ54をOFFの状態にし、前記キャピラリーチューブ53を冷媒流路として、前記圧縮機51の運転を行っている。前記圧縮機51の積算運転が設定の時間に達すると、前記キャピラリーチューブ53に取り付けられた加熱ヒータ54を通電する。これによって、前記キャピラリーチューブ53の冷媒流路抵抗が増大し、前記圧縮機51の運転中の前記凝縮器52内の高圧液冷媒の溜まり量が増大する。前記キャピラリーチューブ53に取り付けられた加熱ヒータ54を通電した状態での前記圧縮機51の運転が設定時間の数十分を経過すると、前記圧縮機51を停止する。このとき前記圧縮機51の運転中に前記凝縮器52に溜まっていた高圧液冷媒は前記圧縮機51の停止後、ガス化し前記蒸発器55に流れ込み当該蒸発器55にて放熱し凝縮する。この凝縮潜熱にて前記蒸発器55の霜取が行われる。
【0050】
本実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫では、この蒸発器55に流入するガス冷媒の質量流量を通常より増大させているため、この凝縮潜熱での霜取の効果がより増幅される。前記蒸発器55での凝縮過程は数分で終了するためその後は前記除霜ヒータ57を通電し通常の霜取を行う。前記キャピラリーチューブ53を加熱する加熱ヒータ54は局部的に作用させるためのものであり、ヒータ容量は前記除霜ヒータ57に比べ無視できる程度のものである。これによって、前記蒸発器55の霜取を行うための大容量の前記除霜ヒータ57の通電時間を短縮でき、低消費電力量化が実現できる。
【0051】
図7は本発明の第4実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫の冷凍サイクル説明図であり、図8は本発明の第4実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【0052】
本実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫は、図7に示すように、冷媒を圧縮する圧縮機71と、ガス冷媒を液化させる凝縮器72と、減圧と冷媒循環量の制御を目的とした絞り装置つまり減圧装置であるキャピラリーチューブ73と、液冷媒を蒸発,ガス化させる蒸発器74と、前記キャピラリーチューブ73と蒸発器74との間の後述する配管パイプに対して並列接続されたレシーバタンク75と、冷媒流路を前記キャピラリーチューブ73と蒸発器74との間の配管パイプと前記レシーバタンク75とのいずれか一方へ切り替える切替弁76と、それぞれを配管接続し構成される冷凍サイクルを有し、前記蒸発器74と庫内を強制熱交換させる冷気循環用ファンモータ77と、前記蒸発器74の除霜ヒータ78と、霜取の終了を温度にて検知する霜取終了検知サーミスタ79と、前記圧縮機71,前記切換弁76,前記冷気循環用ファンモータ77,前記除霜ヒータ78の制御を行う制御装置80が設けられてなる。
【0053】
前記制御装置80による前記蒸発器74の霜取制御は、図8に示すように、通常は前記レシーバタンク75を通らない冷媒流路にて前記圧縮機71を運転している。前記圧縮機71の積算運転が設定の時間に達すると、冷媒流路が前記レシーバタンク75側となるように前記切替弁76を切り替える。これによって、圧縮された冷媒が前記レシーバタンク75内に溜まり、一方、前記蒸発器74内の冷媒は前記圧縮機71によって吸い込まれ、かつ冷媒の供給がないため、前記蒸発器74内は極端に冷媒の少ない状態となる。冷媒流路を前記レシーバタンク75側とした前記圧縮機71の運転が設定時間の数分を経過すると前記圧縮機71を停止し、前記除霜ヒータ78を通電する。このとき、前記蒸発器74内には冷媒が極めて少ない状態であるため、熱容量が小さく前記蒸発器74の温度を上げて霜取を行うための熱量は著しく減少させることができる。
【0054】
これによって、前記蒸発器74の霜取を行うための大容量の前記除霜ヒータ78の通電時間を短縮でき、低消費電力量化が実現できる。
【0055】
図9は本発明の第5実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫の冷凍サイクル説明図であり、図10は本発明の第5実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【0056】
本実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫は、図9に示すように、冷媒を圧縮する圧縮機91と、ガス冷媒を液化させる凝縮器92と、減圧と冷媒循環量を制御を目的とした絞り装置つまり減圧装置であるキャピラリチューブ93と、液冷媒を蒸発,ガス化させる蒸発器94と、それぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを有し、前記蒸発器94と庫内を強制熱交換させる冷気循環用ファンモータ95と、前記蒸発器94の除霜ヒータ96と、霜取り終了を温度にて検知する霜取終了検知サーミスタ97と、前記圧縮機91,前記冷気循環用ファンモータ95,除霜ヒータ96の制御を行う制御装置98が設けられてなる。
【0057】
前記制御装置98による前記蒸発器94の霜取制御は、図10に示すように、前記圧縮機91の積算運転が設定の時間に達すると、前記圧縮機91を停止するとともに、前記冷気循環用ファンモータ95を運転する。前記圧縮機91の運転中に前記凝縮器92に溜まっていた高圧液冷媒は前記圧縮機91の停止後、ガス化し前記蒸発器94に流れ込み当該蒸発器94にて放熱し凝縮するが、このとき、前記冷気循環用ファンモータ95を運転することにより、この凝縮過程を促進させるとともに、前記圧縮機91の停止中に前記冷気循環用ファンモータ95を運転することによって、前記蒸発器94の温度を上昇させ、当該蒸発器94内の液冷媒の比重を減少させることができる。
【0058】
前記圧縮機91を停止し、前記冷気循環用ファンモータ95を運転する時間が設定時間の数分を経過すると除霜ヒータ96を通電する。この時、前記蒸発器94内の冷媒重量が少ない状態であるため、熱容量が小さく前記蒸発器94の温度を上げて霜取を行うための熱量を減少させることができる。
【0059】
これによって、前記蒸発器94の霜取を行うための大容量の前記除霜ヒータ96の通電時間を短縮でき、低消費電力量化が実現できる。
【0060】
図11は本発明の第6実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器周辺の構造を示す断面図であり、図12は本発明の第6実施の形態にかかる冷蔵庫の冷凍サイクル説明図であり、図13は本発明の第6実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【0061】
本実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫は、図11及び図12に示すように、冷媒を圧縮する圧縮機111と、ガス冷媒を液化させる凝縮器112と、減圧と冷媒循環量を制御を目的とした絞り装置つまり減圧装置であるキャピラリチューブ113と、液冷媒を蒸発,ガス化させる蒸発器114と、それぞれ配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを有し、前記蒸発器114と庫内を強制熱交換させる冷気循環用ファンモータ115と、前記冷気循環用ファンモータ115によって冷蔵室側へ送られる冷気の量を調節する冷蔵室ダンパー116と、前記蒸発器114の除霜ヒータ117と、霜取り終了を温度にて検知する霜取終了検知サーミスタ118と、前記圧縮機111,前記冷気循環用ファンモータ115,前記冷蔵室ダンパー116,前記除霜ヒータ117の制御を行う制御装置119が設けられてなる。
【0062】
前記制御装置119による前記蒸発器114の霜取制御は、図13に示すように、前記圧縮機111の積算運転が設定の時間に達すると、前記圧縮機111を停止するとともに、前記冷蔵室ダンパー116を開状態とし、前記冷気循環用ファンモータ115を運転する。前記圧縮機111の運転中に前記凝縮器112に溜まっていた高圧液冷媒は前記圧縮機111の停止後、ガス化し前記蒸発器114に流れ込み当該蒸発器114にて放熱し凝縮するが、このとき、前記冷気循環用ファンモータ115を運転することにより、この凝縮過程を促進させるとともに、前記圧縮機111の停止中に前記冷蔵室ダンパー116を開状態とし、前記冷気循環用ファンモータ115を運転することによって、冷蔵室の戻り空気によって、前記蒸発器114の温度の上昇を促進させ、当該蒸発器114内の液冷媒の比重を減少させることができる。
【0063】
前記圧縮機111を停止し、前記冷気循環用ファンモータ115を運転する時間が設定時間の数分を経過すると除霜ヒータ117を通電する。この時、前記蒸発器114内の冷媒重量が少ない状態であるため、熱容量が小さく前記蒸発器114の温度を上げて霜取を行うための熱量を減少させることができる。
【0064】
これによって、前記蒸発器114の霜取を行うための大容量の前記除霜ヒータ117の通電時間を短縮でき、低消費電力量化が実現できる。
【0065】
図14は本発明の第7実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器周辺の構造を示す断面図であり、図15は本発明の第7実施の形態にかかる冷蔵庫の冷凍サイクル説明図であり、図16は本発明の第7実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【0066】
本実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫は、図14及び図15に示すように、冷媒を圧縮する圧縮機131と、ガス冷媒を液化させる凝縮器132と、減圧と冷媒循環量を制御を目的とした絞り装置つまり減圧装置であるキャピラリチューブ133と、液冷媒を蒸発,ガス化させる蒸発器134と、それぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを有し、前記蒸発器134と庫内を強制熱交換させる冷気循環用ファンモータ135と、前記冷気循環用ファンモータ135によって冷凍室側へ送られる冷気の量を調節する冷凍室ダンパー136と、前記蒸発器134の除霜ヒータ137と、霜取り終了を温度にて検知する霜取終了検知サーミスタ138と、前記圧縮機131,前記冷気循環用ファンモータ135,前記冷凍室ダンパー136,前記除霜ヒータ137の制御を行う制御装置139が設けられてなる。図中、140は冷蔵室ダンパーである。
【0067】
前記制御装置139による前記蒸発器134の霜取制御は、図16に示すように、前記圧縮機131の積算運転が設定の時間に達すると、前記圧縮機131を停止するとともに前記除霜ヒータ137を通電する。このとき、前記冷凍室ダンパー136および冷蔵室ダンパー140を閉状態とする。これによって、前記除霜ヒータ137の通電中に加熱された空気が冷凍室に流れ込み、冷凍室内の冷された空気が前記蒸発器134側へと流れ込む自然対流を防止することができ、前記除霜ヒータ137の熱量は前記蒸発器室内の閉空間のみにて消費され前記蒸発器134の温度を上昇させるための熱量を減少させることができる。
【0068】
これによって、前記蒸発器134の霜取を行うための大容量の前記除霜ヒータ137の通電時間を短縮でき、低消費電力量化が実現できる。
【0069】
図17は本発明の第8実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器周辺の構造を示す断面図であり、図18は本発明の第8実施の形態にかかる冷蔵庫の冷凍サイクル説明図であり、図19は本発明の第8実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【0070】
本実施の形態にかかる冷凍冷蔵庫は、図17及び図18に示すように、冷媒を圧縮する圧縮機151と、ガス冷媒を液化させる凝縮器152と、減圧と冷媒循環量の制御を目的とした絞り装置つまり減圧装置であるキャピラリチューブ153と、液冷媒を蒸発,ガス化させる蒸発器154と、それぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを有し、前記蒸発器154と庫内を強制熱交換させる冷気循環用ファンモータ155と、前記冷気循環用ファンモータ155によって冷凍室側へ送られる冷気の量を調節する冷凍室ダンパー156と、前記蒸発器114の除霜ヒータ157と、霜取り終了を温度にて検知する霜取終了検知サーミスタ158と、前記圧縮機151,前記冷気循環用ファンモータ155,前記冷凍室ダンパー156,前記除霜ヒータ157の制御を行う制御装置159が設けられてなる。図中、160は冷蔵室ダンパーである。
【0071】
前記制御装置159による前記蒸発器154の霜取制御は、図19に示すように、前記圧縮機151の積算運転が設定の時間に達すると、前記圧縮機151を停止するとともに前記除霜ヒータ157を通電する。このとき、前記冷凍室ダンパー156および冷蔵室ダンパー160を閉状態とし、前記冷気循環用ファンモータ155を運転する。これによって、前記除霜ヒータ157の熱量はまんべんなく前記蒸発器154に伝えられ、前記除霜ヒータ157の効率が増大するとともに、前記冷凍室ダンパー156を閉状態としているため、前記冷気循環用ファンモータ155により撹拌される加熱空気が冷凍室内に吐き出され庫内温度が上昇することもない。
【0072】
これによって、前記蒸発器154の霜取を行うための大容量の前記除霜ヒータ157の通電時間を短縮でき、低消費電力量化が実現できる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、除霜ヒータの通電直前に圧縮機を所定時間停止することにより、圧縮機停止後の凝縮器から蒸発器に流入するガス冷媒の凝縮潜熱を霜取りに利用することができ、前記除霜ヒータの通電時間の短縮ができる。
【0075】
さらに、前記除霜ヒータの通電直前の圧縮機運転中に、流路抵抗が大きい前記他の減圧装置に冷媒流路を切り替えることができるため、前記凝縮器に溜まる高圧の液冷媒量比率を増やすことができる。これにより、通常冷却運転時は適正な絞り度により適正な圧力差が得られ、所定の冷却能力が得られるとともに、前記圧縮機停止後の凝縮器から蒸発器に流入するガス冷媒の凝縮潜熱量が増加し、霜取りへの利用の効果を向上することができる。
【0076】
また、前記除霜ヒータの通電直前の圧縮機運転中に、前記減圧装置を加熱する加熱ヒータに通電することにより、前記減圧装置の流路抵抗を増大させ、前記凝縮器に溜まる高圧な液冷媒量比率を増やすことができる。これにより、通常冷却運転時は適正な絞り度により適正な圧力差が得られ、所定の冷却能力が得られるとともに、前記圧縮機停止後の凝縮器から蒸発器に流入するガス冷媒の凝縮潜熱量が増加し、霜取りへの利用の効果を向上することができる。また、前記減圧装置の流路抵抗を増大させるための前記加熱ヒータは局部的なものであるため、ヒータ容量は前記除霜ヒータに比べ無視できる程度の小容量のものであり、前記減圧装置の流路抵抗を増大させるためのヒータ通電により霜取効率向上の効果が損なわれることはない。
【0078】
また、前記除霜ヒータの通電直前の圧縮機運転中から霜取終了までの間のみ、流路をレシーバタンクへ切り替えることができる。これにより、前記除霜ヒータ通電直前に、前記冷凍サイクル内の冷媒のほとんどがレシーバタンク内に溜めることができるとともに、前記除霜ヒータ通電中に凝縮器から蒸発器に流入することがないため、前記除霜ヒータの通電中における前記蒸発器内部の冷媒量を著しく減らすことができ、前記蒸発器の温度を上昇させるための必要熱量を著しく減少させることができ、前記除霜ヒータの通電時間の短縮ができる。
【0079】
また、前記圧縮機停止後に冷気循環用ファンモータを運転することにより、前記蒸発器内でのガス冷媒の凝縮を促進し凝縮潜熱を霜取りへ利用する効率を上げるとともに、前記ガス冷媒の凝縮が終了した後は、熱交換の促進により前記凝縮器の温度を上昇させ、蒸発器内部の冷媒比重を小さくすることができ、その後の前記除霜ヒータの通電中における前記蒸発器内部の冷媒重量を減らすことができ、前記蒸発器の温度を上昇させるための必要熱量を減少させることができ、前記除霜ヒータの通電時間の短縮ができる。
【0080】
さらに、前記冷気循環用ファンモータを運転する際に、前記冷蔵室ダンパーを開状態とすることにより、前記蒸発器内でのガス冷媒の凝縮を促進し凝縮潜熱を霜取りへ利用する効率を上げるとともに、前記ガス冷媒の凝縮が終了した後は、冷蔵室からの戻り空気によって前記蒸発器が熱交換されるため、前記冷気循環用ファンモータの運転による前記蒸発器の温度上昇が大きくなり、前記蒸発器内部の冷媒比重を更に小さくすることができ、その後の前記除霜ヒータの通電中における前記蒸発器内部の冷媒重量を減らす効果が向上でき、蒸発器の温度を上昇させるための必要熱量を減少させる効果が向上でき、前記除霜ヒータの通電時間の短縮ができる。
【0081】
また、除霜ヒータの通電時に前記冷凍室ダンパーを閉状態とすることにより、前記除霜ヒータの通電中に加熱された空気が庫内に移動し、庫内の冷たい空気が、加熱中の蒸発器室への流れ込む自然対流による冷気に流れを防止することができる。これにより、前記を上昇させるための必要熱量を著しく減少させることができ、前記除霜ヒータの通電時間の短縮ができる。
【0082】
さらに、前記除霜ヒータの通電時の前記冷気循環用ファンヒータを運転することにより、霜取中の加熱空気を冷凍室室内に吐き出すことなく、前記除霜ヒータの熱量が効率良く前記蒸発器に熱交換され、前記除霜ヒータの通電時間の短縮ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態にかかる冷蔵庫の冷凍サイクル説明図である。
【図2】本発明の第1実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【図3】本発明の第2実施の形態にかかる冷蔵庫の冷凍サイクル説明図である。
【図4】本発明の第2実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【図5】本発明の第3実施の形態にかかる冷蔵庫の冷凍サイクル説明図である。
【図6】本発明の第3実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【図7】本発明の第4実施の形態にかかる冷蔵庫の冷凍サイクル説明図である。
【図8】本発明の第4実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【図9】本発明の第5実施の形態にかかる冷蔵庫の冷凍サイクル説明図である。
【図10】本発明の第5実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【図11】本発明の第6実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器周辺の構造を示す断面図である。
【図12】本発明の第6実施の形態にかかる冷蔵庫の冷凍サイクル説明図である。
【図13】本発明の第6実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【図14】本発明の第7実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器周辺の構造を示す断面図である。
【図15】本発明の第7実施の形態にかかる冷蔵庫の冷凍サイクル説明図である。
【図16】本発明の第7実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【図17】本発明の第8実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器周辺の構造を示す断面図である。
【図18】本発明の第8実施の形態にかかる冷蔵庫の冷凍サイクル説明図である。
【図19】本発明の第8実施の形態にかかる冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【図20】従来の冷蔵庫の蒸発器周辺の構造を示す断面図である。
【図21】従来の冷蔵庫の冷凍サイクルの説明図である。
【図22】従来の冷蔵庫の蒸発器の霜取制御のタイムチャートの説明図である。
【符号の説明】
21 圧縮機
22 凝縮器
23 キャピラリーチューブ(減圧装置)
24 蒸発器
26 除霜ヒータ
28 制御装置
Claims (7)
- ガス冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮したガス冷媒を液化させる凝縮器と、液化した液冷媒を減圧する減圧装置と、減圧した液冷媒をガス化させる蒸発器とを用いそれぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを備えるとともに、前記蒸発器の除霜ヒータを備えた冷蔵庫において、前記除霜ヒータの通電前に前記圧縮機を所定時間停止する制御装置を有し、
前記除霜ヒータの通電前の圧縮機を停止する直前の所定時間の前記圧縮機の運転中にのみ前記冷凍サイクル内の流路抵抗を増大させる前記流路増大手段を有し、前記流路抵抗増大手段は、前記減圧装置に対して並列接続され、且つ流路抵抗が前記減圧装置に対して大きい他の減圧装置と、前記凝縮器にて液化した液冷媒を前記減圧装置および他の減圧装置のいずれか一方に導く切換弁と、前記除霜ヒータの通電前の前記圧縮機の運転中にのみ前記凝縮器にて液化した液冷媒を他の減圧装置に導くよう前記切替弁を制御する制御装置とを有することを特徴とする冷蔵庫。 - ガス冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮したガス冷媒を液化させる凝縮器と、液化した液冷媒を減圧する減圧装置と、減圧した液冷媒をガス化させる蒸発器とを用いそれぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを備えるとともに、前記蒸発器の除霜ヒータを備えた冷蔵庫において、前記除霜ヒータの通電前に前記圧縮機を所定時間停止する制御装置を有し、
前記除霜ヒータの通電前の圧縮機を停止する直前の所定時間の前記圧縮機の運転中にのみ前記冷凍サイクル内の流路抵抗を増大させる前記流路増大手段を有し、
前記流路抵抗増大手段は、前記減圧装置を加熱する加熱ヒータと、前記除霜ヒータの通電前の前記圧縮機の運転中にのみ前記加熱ヒータに通電する制御装置とを有することを特徴とする冷蔵庫。 - ガス冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮したガス冷媒を液化させる凝縮器と、液化した液冷媒を減圧する減圧装置と、減圧した液冷媒をガス化させる蒸発器とを用いそれぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを備えるとともに、前記蒸発器の除霜ヒータを備えた冷蔵庫において、前記除霜ヒータの通電時に前記蒸発器内部の液冷媒量を減少させる手段を有し、
前記蒸発器内部の液冷媒量を減少させる手段は、前記減圧装置と蒸発器との間の配管パイプに対して並列接続されたレシーバタンクと、前記減圧装置にて減圧した液冷媒を前記配管パイプおよびレシーバタンクのいずれか一方に導く切換弁と、前記除霜ヒータの通電直前における前記圧縮機の運転中から前記除霜ヒータの通電終了間に前記減圧装置にて減圧した液冷媒を前記レシーバタンクに導くよう前記切替弁を制御する制御装置とを有することを特徴とする冷蔵庫。 - ガス冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮したガス冷媒を液化させる凝縮器と、液化した液冷媒を減圧する減圧装置と、減圧した液冷媒をガス化させる蒸発器とを用いそれぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを備えるとともに、前記蒸発器の除霜ヒータを備えた冷蔵庫において、前記除霜ヒータの通電時に前記蒸発器内部の液冷媒量を減少させる手段を有し、
前記蒸発器内部の液冷媒量を減少させる手段は、前記蒸発器と庫内とを強制熱交換させる冷気循環用ファンモータと、前記除霜ヒータの通電直前に前記圧縮機を所定時間停止させるとともに、その間前記冷気循環用ファンモータを運転する制御装置を有することを特徴とする冷蔵庫。 - 前記蒸発器にて熱交換された冷気の冷蔵室への吹き出し量を制御する冷蔵室ダンパーと、前記除霜ヒータの通電直前に前記圧縮機を所定時間停止させるとともに、その間前記冷気循環用ファンモータを運転する際に、前記冷蔵室ダンパーを開状態とする制御装置を有することを特徴とする請求項4記載の冷蔵庫。
- ガス冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮したガス冷媒を液化させる凝縮器と、液化した液冷媒を減圧する減圧装置と、減圧した液冷媒をガス化させる蒸発器とを用いそれぞれを配管パイプで接続して構成される冷凍サイクルを備えるとともに、前記蒸発器の除霜ヒータを備えた冷蔵庫において、
前記蒸発器にて熱交換された冷気の冷凍室への吹き出し量を制御する冷凍室ダンパーと、前記除霜ヒータの通電時に前記冷凍室ダンパーを閉状態とする制御装置とを有することを特徴とする冷蔵庫。 - 前記蒸発器と庫内とを強制熱交換させる冷気循環用ファンモータと、前記除霜ヒータの通電時に前記冷気循環用ファンモータを運転する制御装置とを有することを特徴とする請求項6記載の冷蔵庫。
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