JP3529434B2 - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JP3529434B2
JP3529434B2 JP17293594A JP17293594A JP3529434B2 JP 3529434 B2 JP3529434 B2 JP 3529434B2 JP 17293594 A JP17293594 A JP 17293594A JP 17293594 A JP17293594 A JP 17293594A JP 3529434 B2 JP3529434 B2 JP 3529434B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な液晶表示素子お
よびそれを用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示素子(以下、LCDと略
称)はワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、投
影型TV、小型TV等に広く利用されている。これらの
LCDは光の明暗の変化を制御することにより表示を行
う。このような光の制御方法として、液晶分子の偏光効
果と偏光子との組み合わせによる方法、液晶の相転移を
利用して光の散乱と透過による方法、および液晶に染料
を添加し、染料の可視光吸収量を制御することで生じた
色の濃淡変化を利用する方法等がある。
【0003】偏光効果と偏光子を組み合わせた方法を用
いるLCDは、たとえば90°捻れた分子配列をもつツイ
ステッドネマティック(TN)型LCDであり、原理的
に薄い液晶層厚、低電圧で偏光を制御できる。このた
め、TN型LCDは、早い応答速度、低消費電力にて、
高いコントラスト比特性を示す。このTN型LCDは、
単純マトリクス駆動により、時計や電卓などに、またス
イッチング素子を各画素毎に具備したアクティブマトリ
クス駆動およびカラーフィルターと組み合わせて、フル
カラーの表示の液晶TVなどに応用されている。しか
し、これら偏光効果と偏光子を組み合わせたLCDは、
原理上偏光板を用いることからLCDの透過光量が著し
く低くなる。すなわち、少なくとも 1枚の偏光板を用い
るため、透過光量は少なくとも50%以下となる。また液
晶分子配列の方位性により見る角度・方位によって表示
色やコントラスト比が大きく変化するため、視角依存性
を有する。この視角依存性に加え、入射光量に対する透
過光量の比で示される透過率が低いなどの理由により、
TN型LCDは冷陰極線管(CRT)の表示性能を完全
に越えるまでには至っていないのが実状である。
【0004】一方、液晶の相転移を利用したLCD、お
よび染料の可視光吸収量を制御したLCDは、たとえ
ば、ヘリカル構造の分子配列をもつコレステリック相か
らホメオトロピック構造の分子配列をもつネマティック
相への相転移を電場印加で生じさせるPC型液晶および
この液晶分子に染料を添加してなるホワイト・テーラー
型GH液晶を用いるLCD等である。これらのLCDは
原理上偏光板を用いないので透過率が低くなることがな
い。また広い視認角を示すので、自動車機器や、投影型
表示器等に応用されている。
【0005】しかし、このようなLCDは、液晶層厚を
比較的厚くしたり、液晶分子のヘリカル強度を強めたり
しないと充分な光の散乱が得られない。これは光の散乱
が種々の液晶分子配列に因っているからである。つま
り、充分に光を散乱させるためには、たとえば、ヘリカ
ル構造の分子配列をもつコレステリック相の場合、入射
光方向に対し、あらゆる方位にヘリカル軸をもつ必要性
が生じる。このように、多数の方位のヘリカル軸をもた
せるためには、液晶層厚を厚くしなくてはならない。
このため、このようなLCDは、高い駆動電圧を要し、
応答速度が極めて遅いという問題があり、表示量(画素
数)の多い表示素子への応用は困難であった。 また、
印加電圧の増加に伴い、透過率が急激に変化するために
階調表示も困難であった。さらに、光散乱状態と光透過
状態とで液晶の分子配列が著しく異なるため、光散乱お
よび光透過状態の相互変化を電界制御で行う場合、その
電気光学特性にヒステリシスが生じてしまう。このヒス
テリシスが生じる原因には諸説があり明確にされていな
いが、液晶の分子配列が著しく異なる場合や、電界が印
加されていない状態で光散乱状態(液晶の分子配列が微
細なドメインの集合体となっている状態)を液晶分子が
形成している場合に発生しやすいことが知られている。
このように、その印加電界−透過率特性にヒステリシス
があると、マルチプレクス駆動が困難になるなど実用的
に問題があった。
【0006】液晶の相転移を利用した他のLCDに、有
機電解質等の導電性物質を溶解したNn液晶を用い、低
周波で高電圧を印加することにより光散乱を得る手段
(一般にDS効果という)や熱光学効果により光散乱を
得る手段を用いるLCDが提案されている。しかし、こ
の場合においても上述の問題がある。
【0007】さらに、図36(a)に示すように、基板
1、2間で挟持されたポリマー3内に多数のカプセルを
形成して、この中に液晶4を封入したカプセル状構造、
および図36(b)に示すように、繊維状ポリマー5の
間に液晶6を分散させた繊維状ポリマー構造を用いて光
散乱性を高める高分子分散型LCDが提案されている。
しかし、このような高分子分散型LCDは、製法上およ
び原理上から、そのポリマーの形状やポリマーと液晶層
との混合比に制約がある。また外部から印加した電圧は
ポリマーと液晶とに分圧されるため、液晶には印加電圧
の一部しか印加されない。このため、充分に低い駆動電
圧と高い応答速度などが要求される駆動特性を満足させ
ようとすると、充分な光散乱性を得られないのが現状で
ある。また、これらの方式においても、光散乱状態と光
透過状態とで液晶の分子配列が著しく異なるため、前述
したように電気光学特性にヒステリシスが生じてしま
う。これに対し光散乱状態における液晶分子配列をある
程度制御(たとえば、カプセル内面における液晶分子配
列を制御するためにポリマーに疎水性の物質を混合する
等)し、前記ヒステリシスを軽減させることも可能であ
るが、このことは同時に光散乱を弱めることとなり、実
用的でない。このように、高分子分散型LCDにおいて
も、液晶の相転移を利用した他のLCDと同様な問題が
あった。
【0008】光を散乱させる手法として、 2枚の電極付
基板の表面において種々の方向に液晶分子を配列させる
よう微細な領域毎に配向処理を行い、これらを内面とし
て対向させた間隙に液晶を挟持させることも考えられ
る。しかし、微細な領域毎に配向処理方向(たとえばラ
ビング方向)を異ならせることは実際上困難であり、ま
た、前述のヒステリシスの問題を解決する手段とはなら
ない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、従来
のLCDは透過率が低く、狭い視角依存性を有するか、
または高い駆動電圧を要し、応答速度も遅いといった問
題をもっていた。本発明は、このような課題に対処する
ためになされたもので、光散乱特性が高く、駆動電圧が
低く、明るくコントラスト比が高く階調性に優れ、かつ
階調表示しても表示が反転することがなく、視野角の極
めて広い新規な構成のLCDを提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のLCDは、光を
散乱させる手段として、液晶以外の媒体を必要とせず、
なおかつ、光透過状態と光散乱状態とで液晶の分子配列
が著しく異ならず、良好な光散乱状態を得ることのでき
る構成としたものである。さらに、複雑な製造工程によ
らずLCDを製造することができる構成でもある。
【0011】本発明のLCDは、対向配置された電極付
き基板と、この基板間に挟持されたネマティック液晶組
成物からなる液晶層とからな、前記対向配置された電
極付き基板が電極構造として 1画素毎に最も広い部分の
50 μm 以下である導電体部と最も広い部分の幅
50 μm 以下である非導電体部とからなる領域をそれぞ
れ有する液晶表示素子において、前記対向配置された両
基板間において、少なくとも 1画素毎に画素内の一部の
領域で前記導電体部と前記非導電体部とが対向してお
り、かつ前記非導電体部の最も狭い部分の幅をSとし、
前記対向配置された両基板の電極間隔をDとしたとき、
D≧S/2の関係が満たされており、前記液晶層が、電
界を印加した際のチルト方向が 2 方向以上取り得る分子
配列を有する液晶組成物からなることを基本構成とし
て、前記両基板間隙に電極間隔Dより短い直径を有する
微粒子を混入させてなることを特徴とする。または、同
じ基本構成の電極上に透光性保護膜が形成され、この透
光性保護膜の屈折率が電極材料の屈折率の0.9〜1.
1倍であることを特徴とする。
【0012】た、対向配置された両基板間において、
この両基板間の垂直法線方向に対して斜め電界が 1画素
内に少なくとも 2方向以上形成され、前記液晶層を形成
する液晶分子が電圧無印加状態でスプレイ配列をなし、
かつ電圧印加状態でチルトアップまたはチルトダウン方
向の自由度を 2方向以上取り得る分子配列であることを
特徴とする。
【0013】具体的に本発明は、対向配置された少なく
とも一方の電極付き基板は、前記最も広い部分の幅が 3
0 μm 以下であり、前記ネマティック液晶組成物は、前
記基板表面上で液晶分子長軸−方向に配列させるチルト
配向を誘起する手段を有しており、 2枚の基板上での液
晶分子配列方向の交差角をθ( 0°≦θ≦90°)とし、
2枚の基板表面上でのプレチルト角によって液晶をユニ
フォームツイスト配列させるように決まるツイスト角を
ψとし、前記液晶層に電界を印加しない状態で、前記
ψが±θ(ここで、ツイスト方向が左回りの時+、右回
りの時−とする。)のとき、液晶のツイスト角ωが±θ
+ 180°または±θ−180°であり、前記ψが±(θ−
180°)のとき、液晶ツイスト角ωが±θ(以上、複号
同順)であることを特徴とする。
【0014】また、本発明の他の具体例として、対向配
置された両基板は、前記両基板電極の素子法線方向での
断面形状を見たとき、下基板の導電体部のうち上基板の
導電体部に重ならない部位の幅をRE、上基板の導電体
のうち下基板の導電体部に重ならない部位の幅をF
E、両基板とも導電体部である幅をEE、両基板とも非
導電体部である幅をSSとし、少なくとも各画素毎に
記両基板の前記REまたはFEの幅の部位を有する前記
導電体部がそれぞれ電気的にひとつにつながっていると
き、RE・SS・FE・SS・RE・SS・FE・SS
・…とSSを挟んでREとFEが交互に順に配置される
断面形状となる電極構造であり、前記ネマティック液晶
組成物は、前記基板表面上で液晶分子長軸を一方向に配
列させるチルト配向を誘起する手段を有しており、 2枚
の基板上での液晶分子配列方向の交差角がθ( 0°≦θ
≦90°)であり、 2枚の基板表面上でのチルト配向によ
って液晶組成物をユニフォームツイスト配列させるよう
に決まるツイスト角がψであり、液晶組成物に電界を印
加しない状態で、前記ψが±θ(ここでツイスト方向が
左回りの時+、右回りの時−とする。)のとき、液晶の
ツイスト角ωが±θ+180 °または、±θ−180 °であ
り、前記ψが±(θ−180 °)の時、液晶のツイスト角
ωが±θ(以上複号同順)であることを特徴とする。
こで、電極構造は、RE・EE・FE・EE・RE・E
E・FE・EE・…とEEを挟んでREとFEが交互に
順に配置される断面形状となる電極構造、またはRE・
FE・RE・FE・RE・FE・RE・FE・…とRE
とFEとが交互に順に配置される断面形状となる電極構
造でもよい。
【0015】本発明に係わる液晶組成物および液晶分子
配列としては、液晶組成物は正または負の誘電率異方性
を有する液晶からなり、電界を印加した際に取り得る 2
方向以上のチルト方向は、前記正の誘電率異方性を有す
る液晶の場合チルトアップ方向であり、前記負の誘電率
異方性を有する液晶の場合チルトダウン方向であり、前
記両基板における液晶分子配列は、液晶のプレチルト角
の差を 0.5°以下とする液晶分子配列であり、前記プレ
チルト角α0 を得る方向が上下で同一方向であるベンド
状の配向からなる液晶分子配列であることを特徴とす
る。
【0016】本発明に係わる電極構造は、 1画素毎の電
極構造が両基板ともに各画素の少なくとも一部分で導電
体部と非導電体部からなるストライプ状の形状となって
いることを特徴とする。さらに、少なくとも一方の前記
電極付き基板の 1画素毎にスイッチング素子を有するこ
とが好ましい。
【0017】本発明のLCDは、電極間隔Dより短い突
起を前記両基板の少なくとも一方に設けてなることを特
徴とする。
【0018】本発明の液晶表示装置は、LCDに平行光
を入射する手段と、この入射された平行光をLCDにて
制御する手段と、制御された光の進行方向のうち、一部
の方向の光を投影する光学系を用いる手段とからなる投
影型液晶表示装置であって、LCDとして上述の本発明
のLCDを使用することを特徴とする。
【0019】さらに、本発明のLCDを 2以上用い、そ
れぞれに赤色、青色、緑色の少なくともいずれか 1色を
含む分光された平行光を入射するか、または 1個のLC
Dに2色以上のカラーフィルターを具備することによ
り、カラー表示することが好ましい。
【0020】
【作用】本発明のLCDは新規な液晶セル構成により光
を制御するものである。以下、本発明において光を制御
する原理について説明する。本発明のLCDは、各画素
において、実効的に一様な分子配列とすることにより光
透過状態を実現し、また 2種以上の電界方向をもって、
屈折レンズ効果や回折格子効果を得ることにより光散乱
状態を実現する。ここで、屈折レンズ効果とは、液晶層
厚方向に液晶分子が連続的に傾きを変え液晶層の屈折率
が連続的に変化することにより入射した光を屈折させる
効果をいう。また、回折格子効果とは、液晶分子の異常
光屈折率ne と常光屈折率no とが液晶平面において規
則的に交互に出現することにより液晶層に回折格子が形
成され、その結果平行光が散乱する効果をいう。このよ
うな屈折レンズ効果や回折格子効果による光散乱は、 2
種以上の電界方向の境界部にウォール(壁)状の分子配
列を形成することにより得られる。
【0021】本発明のLCDの一画素における分子配列
構造の一例を図1(b)に示す。この図1(b)に示す
分子配列構造は、スプレイ配列およびそれに捩じれを加
えた分子配列であり、なおかつ上下基板表面における液
晶分子プレチルト角が上下でほぼ等しいことを特徴とし
ている。また電圧を印加した場合の分子配列構造を示し
ている。すなわち、上、下基板11、12にそれぞれ画
素単位で複数のストライプを形成する電極13、14を
配置し、各電極の導電部13a、14aと非導電部13
b、14bを等間隔とし、 1/2ピッチずらして対向させ
る。上、下配向膜15、16の配向方向を同じ方向と
し、液晶層20の液晶分子Mをスプレイ配列としてい
る。
【0022】上下電極13、14に電圧を印加すると、
横方向電界eが発生する。こうした分子配列では電界の
印加の仕方によってはその分子のチルト方向が図示する
ごとく、 2方向となる。これは電圧を印加しない状態で
の液晶分子配列が液晶層の上半分と下半分で対称な形を
していることによっている。つまりは、液晶分子のチル
ト方向が 2以上の自由度をもっていることによる。よっ
て、電圧を印加すると図示するように、分子のチルト方
向の境界部(図中DL)にウォールライン(本発明で
は、電界印加時に発生する発生するメモリー性の強い一
般的な意味でのディスクリネーションと区別するために
「ウォール」と称する。)を発生させることができ、入
射光を散乱させる機能を得ることができる。このよう
に、液晶分子のチルト方向が 2以上の自由度をもたせる
には図1(b)の分子配列構造の他、たとえば、液晶組
成物として負の誘電率異方性をもつネマティック液晶組
成物を用い、液晶分子配列を上下基板におけるプレチル
ト角が90°である完全な垂直配列としても同様の効果を
得ることができる。この場合、液晶分子のチルトダウン
方向の自由度が 2以上となる。
【0023】いずれにせよ、このように液晶分子が電圧
を印加していない状態で実効的に一様な分子配列であ
り、液晶分子のチルトアップ方向、もしくはチルトダウ
ン方向の自由度が 2以上である液晶分子配列に対し、斜
め電界が微細な領域毎に相反する 2方向以上に印加され
るように考慮した電極であれば、前述した問題を解決し
た優れた表示性能を得ることができる。
【0024】ここで斜め電界を有効に実現するために
は、非導電体部の最も狭い部分の幅をSとし、対向配置
された両基板の電極間隔をDとしたとき、D≧S/2 の
関係が満たされていることが必要条件となる。以下、そ
の理由を図2により説明する。図2は本発明に用いる電
極構造の一断面図である。図2において、最も弱い電界
はEsであり、この電界強度が斜め電界の強弱を決め
る。そして、この斜め電界強度の大きさにより屈折レン
ズ効果や回折格子効果に影響を与える液晶分子の配列が
制御される。実験の結果、Esの電界強度がEvの
1/2 /2以上において有効に光制御できることが分か
った。よってEs≧(2 1/2 /2)Evが必要条件と
なり、これを実現するにはD≧S/2 となる。Dおよび
Sをこの範囲で設定すれば、Sの領域にある液晶分子も
必要十分に電界により制御され、チルト方向や配列方位
を制御することができる。
【0025】本発明は、液晶をユニフォームツイスト配
列させない場合に、横電界成分をもつ印加電圧の有無に
よって液晶分子の向きが変化することを利用して光散乱
効果を高めるようにしたものである。このため、電極の
微小領域内に導電体部と非導電体部を形成し、基板間
で、液晶層を挟んで相対向する一方の電極の導電体部と
他方の電極の非導電体分を対面させたものである。
【0026】本発明の作用を説明する前提として、プレ
チルト角、ユニフォームツイスト配列、非ユニフォーム
ツイスト配列について述べる。ネマティック液晶の分子
は細長い棒状をなしている。液晶分子が基板上のラビン
グした配向膜に接すると、その棒状分子の長軸が配向膜
表面の性質により一定方向に配向する。たとえば、配向
膜がポリイミド配向膜等の場合は、ラビングした方向に
沿って液晶分子長軸が並んで配向される。また、ポリス
チレン配向膜等の場合は、膜平面方向においてラビング
方向に直角な方向に液晶分子長軸が並ぶ。また、別の配
向処理の方法として配向膜を基板に蒸着する方法があ
る。基板面に対して酸化珪素をたとえば入射角85°で斜
めから蒸着すると、蒸着源の方向に液晶分子の長軸が向
く。
【0027】しかし、実際はこれらの配向処理におい
て、液晶分子Mは配向膜面Sに平行に配向されるのでは
なく、図3(a)のように配向膜面すなわち基板面Sに
対してチルト配向により、ある所定の角度α0 で起き上
がって配向している。この角度α0 はポリイミド配向膜
で約 1〜15°である。この基板面上において基板面と接
する液晶分子の長軸LAとのなす角α0 をプレチルト角
という。このとき、図3(a)に示されるように、液晶
分子長軸LAの基板から起き上がった端部をリーディン
グ部分L、基板側に接近する端部をトレーリング部分T
とすると、配列された液晶分子Mを説明上、図3(b)
のように、たとえば配向膜平面上にTからL方向への矢
印Rで表すこととする。
【0028】図4(a)の例では、フロント基板すなわ
ち上基板11の分子配列をF(実線の矢印)となるよう
にして、リア基板すなわち下基板12の分子配列をR
(破線の矢印)となるように配向処理をした場合であ
り、各配列は基板平面上で逆方向すなわち 180°異なる
方向に向いている。この構成において、液晶分子が捩じ
れを有しないような誘電率異方性が正のネマティック液
晶(たとえばカイラル剤未混入)を充填すると、液晶分
子Mは図4(b)のように、上基板11から下基板12
にかけて、液晶層20の厚さ全長にわたって、一定かつ
一様な角度で配列する。一般に、このような分子配列を
ユニフォーム配列といい、従来のLCDの基本的な構成
である。この構成のLCDでは、液晶層に閾値電圧以上
の電圧すなわち駆動電圧が印加されると、両基板表面近
傍の液晶分子の傾く方向に準じて液晶分子Mが図5のよ
うに基板に対してほぼ垂直な方向に一様に配列する。
【0029】図6は図4(a)の状態から、上基板11
を基準にして、下基板12を角θ(≦90°)捩じった状
態の場合を想定した図である。このときの分子配列がユ
ニフォーム配列を維持するには、両基板間で液晶が角ψ
だけ左回り(図中矢印の回転方向)に捩じれた配列をと
る必要があり、これを実現するには角ψだけ捩じれるよ
うに液晶材料を選定すればよい。このようにして得た分
子配列は捩じれたユニフォーム配列と呼ぶことができ、
この場合、この角ψをユニフォーム配列のツイスト角と
いう。ちなみに従来技術であるST−LCDはこのψを
90°〜 270°とした捩じれたユニフォーム配列をしてい
る。
【0030】図7はψが 180°のST−LCDにおける
印加電圧に対するLCDの透過率の関係を示したもので
ある。この図から、ST−LCDはある電圧、つまり閾
値電圧Vth以上で透過率を急峻に変化することとなる。
このことから、ST型のLCDは閾値電圧以下の印加電
圧下では、電圧無印加の状態に近い分子配列をなしてい
ると考えられ、このST−LCDのように液晶の捩じれ
角が90°以上 270°以下のLCDの分子配列を定義する
ときは、この閾値電圧以下の印加電圧状態下(無印加
時)で定義することになる。また、こうした透過率−印
加電圧特性(図7の曲線)において、その特性の急峻性
を一般的には、透過率90%と10%となる印加電圧値の差
を透過率90%の印加電圧の値で割った値γで表す。この
構成のLCDでは、前述した捩じれのないユニフォーム
配列の場合と同様に液晶層に閾値電圧以上の電圧が印加
されると(電圧印加時)、両基板表面近傍の液晶分子の
傾く方向に準じて液晶分子Mが図5の配列を捩じったよ
うに基板に対してほぼ垂直な方向に配列する。
【0031】図6からわかるように、ユニフォーム配列
のツイスト角ψは上基板の配向Fの液晶分子のトレーリ
ング部分TF を基準にして、下基板の配向Rの液晶分子
のリーディング部分LR までの角度を表している。ψ
は、図6のように左回りを+θと、図8のように右回り
を−θと 2通りに定義できる。
【0032】一方、図9(b)のような液晶分子の配列
も可能である。このような配列は、前述した図4(b)
の配列同様、捩じれを生じさせないネマティック液晶組
成物を図9(a)の構成下に維持すれば達成できる。
【0033】こうした分子配列は、上下基板の分子配列
F、Rが同方向にあり、図9(b)のように、分子配列
は液晶分子のチルト角が上基板11のプレチルト角α0
から徐々に角度が減少し、液晶層厚dの中点d/2 で基
板11と平行になった後、下基板12のプレチルト角α
0 に至るまで逆の角度に傾いていくようになっているも
のである。すなわち、リーディング部分LF 、LR が互
いに近接し、トレーリング部分TF 、TR が互いに離れ
て配列する。このような非ユニフォーム配列をスプレイ
配列という。
【0034】つぎに、このスプレイ配列に前述したユニ
フォーム配列同様、捩じれを加えた構造を得ることを考
える。図10のように、図6のユニフォーム配列と同じ
く上基板11の配向Fに対して下基板12の配向Rをθ
だけ交差した状態でスプレイ配列とすることを考える
と、図10に示すように、上基板11の配向Fのトレー
リング部分TF から下基板の配向Rのトレーリング部分
R とのなす角度で液晶分子が捩じれていなければなら
ないこととなる。スプレイ配列におけるこのツイスト角
をωとすると、図10の左回りにωをとると、ωは正で
あるから、スプレイ配列ツイスト角ωLは(θ+ 180
°)となり、右回りにωをとるとωは負であるから、ス
プレイ配列ツイスト角ωRはその補角である(θ− 180
°)となる。また、図11のような構成を考えると、右
回りにωをとると、ωは負であるから、スプレイ配列ツ
イスト角ωRは(−θ− 180°)となり、左回りにωを
とると、ωは正であるから、スプレイ配列ツイスト角ω
Lはその補角である(−θ+180°)となる。
【0035】このように図10、11の構成では、スプ
レイ配列ツイスト角ωは(±θ+180 °)と(±θ−18
0 °)の 4通りのツイスト状態のいずれかをとることが
できる。以上のようにスプレイ配列においても、ユニフ
ォーム配列時のツイスト角ψの+θ、−θに対応して、
それぞれ捩じれ配列が実現できる。
【0036】図10、図11で説明した各ωは、ユニフ
ォームツイスト配列をさせた場合のツイスト角ψを考え
ると、それぞれψ=+θ、−θとなり、角θが 0≦θ≦
90°の範囲では、ψが±θのとき捩じれたスプレイ配列
を実現するには、そのツイスト角ωがそれぞれ(±θ+
180 °)、(±θ−180 °)でなければ成立しないこと
を意味する。この場合にωの取り得る値の範囲は、ω=
|θ±180 °|=90°〜 270°となり、このツイスト角
は従来のST−LCDの実用解と一致する。つまり、捩
じれたスプレイ配列であって、従来のST−LCDのツ
イスト角に等しいツイスト角を得ることを考えると、ユ
ニフォーム配列のツイスト角ψが±θであって液晶のツ
イスト角ωが(±θ+180 °)または(±θ−180 °)
となる。この構成が本発明のLCDの第1の特徴とな
る。こうしたスプレイ配列は、上下基板表面における液
晶分子の傾く方向(プレチルト方向)が、上基板、下基
板それぞれの表面の液晶分子同士が逆の方向になる。し
たがって、液晶層全体でみると、電圧を印加したときの
液晶分子のチルト方向は上基板または下基板表面のチル
ト方向に依存するため 2通りあることになる。 このた
め、斜め電界が 2通りの方向に印加された場合、液晶分
子は容易に 2通りの方向にチルトすることができ、本発
明の効果である光散乱効果を容易に得ることができるわ
けである。
【0037】反対に前記ユニフォーム配列を用いた場
合、プレチルト方向は上下基板とも実効的に同一方向と
なるので、分子配列上は 1通りのチルト方向しか得るこ
とができない。このため、液晶分子を 2通りの方向にチ
ルトさせるには、極めて強い斜め電界を印加する必要が
あり、実用的でない。ユニフォーム配列では、発明者等
の実験結果によると、本実施例の電極構成によっても60
V以上の電圧を印加しなければウォールによる光散乱効
果が得られない。
【0038】このように液晶分子配列上、液晶分子のチ
ルト方向が 2通りとなるものは、上述のスプレイ配列の
他、下記の 2通りである。一つは上下基板のプレチルト
角α0 が共に90°である完全な垂直配向の液晶分子配列
である。この場合、液晶組成物としては負の誘電率異方
性の材料を用いる。 この負の誘電率異方性を示す液晶
組成物に電圧を印加すると、液晶分子は電界方向と直交
する方向にチルトする。したがって、本発明による電極
構成のように 2つの方向からなる斜め電界を印加する
と、液晶分子が 2方向にチルト(チルトダウン)する。
すなわち、上下基板のプレチルト角α0 が共に90°であ
ることは、上下基板表面の液晶分子に基板平面方向の方
向がないことを意味するため、チルト方向には全く制約
がない。この場合の液晶分子のチルト方向の自由度は無
限にある。
【0039】他は負の誘電率異方性の液晶組成物を用い
て上下基板で液晶分子の垂直方向からの傾きが同一方向
のプレチルト方向を有する分子配列(一般にベンド配列
という)の場合である。この場合はチルトダウンする方
向が 2通り以上生じる。すなわち自由度が 2以上ある。
【0040】しかし、負の誘電率異方性の液晶組成物を
用いても、液晶分子が垂直方向(90°)からやや傾い
て、上下基板でユニフォームチルト配列をなす場合は、
自由度が 1になってしまい、本発明の対象外である。
【0041】こうした本発明のLCDの分子配列を概念
的に示すと図12のようになる。この液晶分子の捩じれ
方向、捩じれ度合いは、液晶に混ぜるカイラル液晶剤の
種類、混合量により制御することができる。具体的な材
料としては、左回りカイラル剤にオクチル-2- オキシ -
4-(4´-n- ヘキシロキシ)-ベンゾール、たとえばS-811
(メルクジャパン社製)、右回りカイラル剤に4-シアノ
-4′-(2-メチルブチル)-ビフェニール、たとえばCB-15
(メルク・リミテッド社製)を挙げることができる。
【0042】図12(a)から図12(f)は上下基板
11、12の表面の液晶分子の配向方向およびプレチル
ト角α0 が同一で、しかも液晶分子に捩じれのない状態
において、電極形状がそれぞれ異なる場合の分子配列へ
の影響を示すので、図12(a)ないし図12(c)は
電圧無印加時の状態、図12(d)ないし図12(f)
は電圧印加時の状態を表している。ここで、図12
(a)および図12(d)は上下基板の電極形状が等し
く液晶層厚方向にのみ電界が印加される状態を示してい
る。液晶分子は基板と平行になる分子の位置d0 を液晶
層厚dの中点に有しており、図12(d)に示すように
電極13、14に電源v0 から電圧を印加しても、その
位置は変わらない。図12(b)は下基板12の電極1
4を図中左半分に形成し、右半分は無電極領域とし、上
基板11の他方の電極13は図中右半分に形成し、左半
分は無電極領域としたもので、相互の電極13、14は
無電極領域に対面している。
【0043】電圧v0 を印加すると、電極の相互のずれ
のために、液晶層に横電界成分をもつ電界が加わり、図
示の右上がりの矢印ER 成分をもつ電気力線eが発生す
るため、図12(e)に示すように、分子Mは急峻な右
上がりの分子配列になる。
【0044】一方、図12(c)は下基板12の電極1
4を図中右半分に形成し、左半分は無電極領域とし、上
基板11の他方の電極13は図中左半分に形成し、右半
分は無電極領域としたもので、相互の電極13、14は
無電極領域に対面している。図12(f)のように電圧
0 を印加すると、電極の相互のずれのために、液晶層
に横電界成分をもつ電界が加わり、図示の左上がりの矢
印EL 成分をもつ電気力線eが発生するため、液晶分子
Mの向きは急峻な左上がりの配列になる。すなわち、電
圧印加時の液晶分子の配列は横電界の形成に依存する。
【0045】そこで、本実施例を示す図1(a)のよう
に、上電極13を複数のストライプ状導電体部13aを
非導電体部13bを介して等間隔に配置した電極パター
ンとし、同様に下電極14を複数のストライプ状導電体
部14aを非導電体部14bを介して等間隔に配置した
パターンとして、これら電極を相対向させたときに、一
方の電極の導電体部13aまたは14aが他方の電極の
非導電体部14bまたは13bに対向するように基板間
に間隙を形成するように重ねる。この場合、上下基板の
液晶配向方向が同一方向になるようにラビング処理して
おく。この結果、無電圧印加時は、液晶はスプレイ配列
状態を整然と保持するが、電圧印加時は導電体部が上下
電極でずれているために、電極間に横電界成分をもつ斜
め電界が発生し、図示のように交互に傾斜方向を変えた
電気力線eを形成する。液晶分子Mは電気力線に沿って
起き上がり配列するから右上がり斜め電界と左上がり斜
め電界との境界で液晶配列が不連続となり、ウオールラ
インDLが発生する。
【0046】一画素内で電極の導電体部と非導電体部を
微細に多数形成すれば液晶分子の起き上がる方向が微細
に分割されるから、一画素内に多数のウオールラインを
発生することができて、この部分で光散乱を起こさせる
ことができる。光散乱領域は境界部を中心に幅 5ないし
30μm であるので、微細な領域の大きさをこの値の範囲
で一致させるように、またはそれよりも小さい値になる
ように分割すれば一画素全面において光を散乱すること
ができる。具体的には導電体部の最も広い部分の幅を50
μm 以下、非導電体部の最も広い部分の幅を50μm 以下
とするのが好ましい。また電圧を印加していない状態で
は液晶分子は全面連続的な配列をなすので、光透過状態
を得ることができる。したがって、本発明によれば、電
圧無印加時に光透過状態、電圧印加時に光散乱状態を得
る電界制御を行うことができる。
【0047】ここで、本発明は印加される電界の方向に
よって、液晶分子の傾く方向を制御しているので、上下
基板のプレチルト角が等しいことが望ましく、実用的に
は上下基板のプレチルト角の差を 0.5°以下にすること
が望ましい。
【0048】微視的に見ると、各領域における分子配列
変化は、分子配列の変化に等しく応答速度はこれに準じ
た値をとるため、応答速度は従来のユニフォームツイス
ト配列のTN−LCDやSTN−LCD、ホモジニアス
配列LCDよりもさらに速いことがわかっており、した
がって、本発明のLCDも極めて速い応答速度を得るこ
とになる。
【0049】また、本発明のLCDは僅かな液晶分子配
列変化によって光透過状態と光散乱状態の 2状態を得る
ので、電気光学特性にヒステリシスを生じない。
【0050】また、液晶の捩じれ角度( 0°を含む)の
違いによって、前述の領域の境界の分子配列状態の組み
合わせも異なるため、種々の組み合わせが可能となり、
電気光学特性の急峻なものや、なだらかなものなど、種
々実現可能である。ただし、捩じれ角を 270°よりも大
きくすると、電圧印加状態から無印加状態に切り換えた
時、電圧印加状態の分子配列をメモリーすることがあ
る。これは結果的に電気光学特性にヒステリシスを生じ
させることとなるので好ましくない。したがって、本発
明のLCDの液晶の捩じれ角は 0°ないし 270°とする
のがよい。
【0051】また、本発明のLCDを捩じれ角 0°で作
成し、直交した 2枚の偏光板間に各ラビング方向(セル
平面で考えて上下基板で同一方向である)と一方の偏光
板の吸収軸が平行となるように組み合わせると、散乱光
源を用いた場合でも透過型のディスプレイとなり得る。
この場合、複屈折効果を利用した光学モードとなり、前
述した透過率は低下するが、光透過状態を液晶層の光散
乱状態によって実現するため視角依存性が少ないといっ
た効果を得る。特に、階調表示をした際に表示が反転す
るような現象が生じないため、直視型のディスプレイと
して、従来のTN−LCD等より優れた表示特性を得る
ことができる。
【0052】また、本発明のLCDは、液晶層の光散乱
状態を僅かな液晶分子配列変化によって実現することが
できるので、印加電圧は極めて小さい値となる。よっ
て、低電圧駆動が可能となるといった利点も得ることが
できる。
【0053】つぎに請求項4、5、6に示す本発明のい
くつかの実施態様のLCDの電極構造、分子配列構造を
図13(a)から図13(c)、図14(a)から図1
4(c)および図15(a)から図15(c)により説
明する。図13(a)、図14(a)および図15
(a)は電極構造の概略を示す斜視図であって、図13
(b)、図14(b)および図15(b)は電極構造の
概略を示す断面図、図13(c)、図14(c)および
図15(c)は電界を印加した状態での液晶分子配列の
概略を示す断面図である。
【0054】また、図16は、微粒子を混入するか、ま
たは基板に短い突起を設けたLCDの構造を図13
(c)、図14(c)および図15(c)に示した実施
例に適用した場合の素子の断面構造を示した図である。
【0055】各図において、ガラスなどからなる上下の
基板11、12の各対向面にそれぞれ 1画素単位毎にス
トライプ状の上下電極13、14が配置される。矢印F
は上基板11のラビング方向、矢印Rは下基板12のラ
ビング方向を示し、点線eは電源21(図13(a))
から上下電極13、14に電圧を印加した時に生じる電
気力線であり、Mはその時の液晶分子の配列を示す。D
Lは発生したウォールを示している。
【0056】図13(b)、図15(b)において、上
基板11側から基板法線方向に見た時の上電極13の幅
をFE、下電極14の幅をRE、これらの電極間の隙間
幅をSSとする。さらに、図14(b)において、上基
板11側から基板法線方向に見た時の上電極13が下電
極14と重ならない部分の幅をFE、下電極14が上電
極13と重ならない部分の幅をRE、これらの電極の重
複している部分の幅をEEとする。また、いずれの図に
おいても基板間間隙剤(スペーサ)等、本発明の特徴に
直接関係しない部材は省略してある。
【0057】さらに、本発明の図13(a)から図15
(c)、および図1(b)はともに液晶の分子配列がい
わゆるスプレイ配列とした場合の形状を示してある。図
1の構成は、図示のように上下基板間で導電部と非導電
部が互いに対向し、かつ両基板において前記導電部と非
導電部が交互に配列された構造となっている(こうした
電極構成を「入子」と定義する。)。
【0058】図13(a)から図15(c)を図1
(b)と比較してわかるように、本発明の電極構造は、
図1(b)に示す「入子」の電極構造に対し、図13
(b)に示す構成は、上下基板間で導電部と非導電部が
互いに対向している部分(FEやREの部分)の間に、
上下基板とも非導電部となっているところ(SSの部
分)を設けた電極構造になっている。よって、このよう
に図13(b)に示すように上下基板の電極構造の断面
形状が、前記FE・SS・RE・SS・FE・SS・R
E・SS・FE・SS・…といった順で配列しているこ
とから便宜上、こうした電極構成を「隙間付き入子」と
定義する。
【0059】また、図14(b)に示すものは上下基板
間で導電部と非導電部が互いに対向している部分(FE
やREの部分)の間に上下基板とも導電部となっている
重なったところ(EEの部分)を設けた電極構造となっ
ている。よって、このように図14(b)に示すように
上下基板の電極構造の断面形状が、前記FE・EE・R
E・EE・FE・EE・RE・EE・FE・EE・…と
いった順で配列していることから便宜上、こうした電極
構成を「重複入子」と定義する。
【0060】また、図15(b)に示すものは、図13
(b)の電極構造の変化形であり、素子平面方向での電
極形状がいわゆるストライプ状の形状をなしている場合
の電極構造である。つまり、図15(b)に示す電極構
造は導電部と非導電部の形状が直線形状をなして平行配
列している場合の電極構造を描いたものである。同様の
形状は図14の重複入子に対しても考えられるが、ここ
では図示を省略する。こうした、「隙間付き入子」、
「重複入子」の電極構造であり、かつ素子平面方向での
電極形状がいわゆるストライプ状の形状をなしている場
合の電極構造を、便宜上、「隙間付きストライプ入
子」、「重複ストライプ入子」と定義する。
【0061】逆に言えば図14(a)に示すように、本
発明にて提案するLCDは液晶分子配列が前述した特徴
を有しており、これに分子のチルト方位を著しく異なら
せる部分を多数設けるような電極構造であれば、電極構
造の平面的形状は図15(a)のような整然としたスト
ライプ形状にこだわる必要がないことを示している。に
もかかわらず、図15(a)のような「隙間付きストラ
イプ入子」、「重複ストライプ入子」の電極構成を本発
明の特徴の一つとしたのは、こうした電極構成が図14
(a)と異なった特徴を有することを見出だしたからで
ある。
【0062】さて、これら、4つの特長をもった電極構
成のそれぞれの特長、およびその作用を説明する。図1
3(b)および図15(b)に示す「隙間付き入子」、
「隙間付きストライプ入子」はSSで示す非導電部を有
する分、「入子」と比較して斜め電界強度が弱くなる。
このことは、実用的に駆動電圧を若干高める半面、電気
光学特性をなだらかな曲線にする。よって、きめ細かな
階調表示をする場合に駆動が容易となる。また、SSで
示す非導電部を有する分、電極の上下基板間のアライメ
ント(合わせ)にマージンを設けることができ、生産性
が著しく向上する。また、図14(b)に示すような
「重複入子」、および「重複ストライプ入子」は「隙間
付き入子」、「隙間付きストライプ入子」や「入子」と
比較して低い印加電圧にて斜め電界を得ることができ
る。よって、実用的に駆動電圧を低くすることができ
る。しかし、法線方向にかかる電界成分がEEの部分に
生じるため、若干光散乱強度が低くなる。しかしなが
ら、「隙間付き入子」、「隙間付きストライプ入子」同
様、EEで示す導電部を有する分、電極の上下基板間の
アライメント(合わせ)にマージンを設けることがで
き、生産性が著しく向上する。
【0063】また、「隙間付き入子」、「重複入子」に
比較して、「隙間付きストライプ入子」および「重複ス
トライプ入子」はウォール(図13(c)、図14
(c)、図15(c)のDLで示した配向不連続点)の
出現形状が図17に示すようなギザギザ形状となる。こ
の形状は直線形状と比較して光散乱強度を高めることと
なる。こうしたギザギザ形状は電極パターンが整然とし
たストライプ形状である程、よりギザギザとなることを
我々は種々の実験により確認している。このことから、
これら「隙間付きストライプ入子」および「重複ストラ
イプ入子」の電極構造は、結果的に強い光散乱強度を得
るといった特長をもつ電極構造であるといえる。
【0064】以上説明してきたように、これら種々の電
極構成は、それぞれ特長を有し、前述した従来の問題点
を解決しうる手段であるわけである。ここまでの説明で
は液晶の分子配列は捩じれを有さないスプレイ状の分子
配列にて説明したきたが、前述したように液晶分子のチ
ルト方向が 2以上の自由度をもつ分子配列であれば、同
様の効果を得ることは言うまでもない。
【0065】さて、これらの本発明の種々の電極構成、
分子配列にて前述したようなウォールを発生させた場
合、斜め電界が微細な領域毎に相反するように構成され
ているため、電圧を印加しつづけても液晶分子は、ウォ
ールが発生した状態の分子配列を維持しにくい。液晶分
子配列というものはあまり微細に配列形状を変化させる
ことが困難であるからである。つまりは、電界、磁界等
の外力のみでは、こうした困難な分子配列形態を維持す
る力が不足していることになる。こうした問題を解決す
るために、両基板間隙に液晶層厚方向の長さが液晶層厚
dより短い微粒子を混入させる。もしくは、液晶層厚方
向の高さが電極間隔D(この間隔は実質的に液晶層厚d
に等しい)より低い突起を前記両基板の少なくとも一方
に設けると解決することを我々は見出だした。
【0066】図16はこの構成の概略を示す。図示する
ように、液晶層厚dより小さい微粒子22を加えた構造
からなる。このように、液晶層20中に微粒子、突起を
設けた場合、前記ウォールの出現場所にこの微粒子、突
起があれば、これらの存在によって、前述した微細に配
列形状を変化させ分子配列状態、つまりはウォールを多
数出現させた分子配列状態を維持することを見出だし
た。こうした微粒子、突起が、多数のウォールを維持す
る機能をもつことから「ウォール支持体」と称する。こ
のような機能を得る手段としては、本発明に示した方法
の他、液晶層厚に等しい大きさの微粒子を前記液晶層内
に必要以上に混入させる(つまりは基板間隙剤の混入)
ことによっても得られる。しかしながら、この場合、多
数のウォールを維持するためには、多数の基板間隙剤を
混入させる必要が生じ、光透過状態を得る時に悪影響を
及ぼす。具体的に述べると基板間隙剤による光散乱、お
よび基板間隙剤表面の液晶分子配向による光散乱の影響
である。本発明ではこれらの影響を低減させるため、前
記ウォール支持体として、液晶層厚dより小さいことを
特徴とする微粒子、突起を用いることとした。このよう
に液晶層厚dより小さい微粒子、突起を用いることによ
って、これらに起因した光散乱は問題のないレベルとす
ることができることを、発明者等は実験により確認して
いる。
【0067】なお、このウォール支持体の機能を得るも
のとして、前述した微粒子、突起の他に、TFT、MI
M基板に必然的に設けられる段差(配線電極や半導体層
の厚みにより生じる段差)自体も、前記段差近傍では同
様の機能を得ることを確認している。
【0068】さらに、図18、図19および図20にそ
の構成を示すように、上電極13または上電極13およ
び突起上に上透光性絶縁膜17、下電極または下電極お
よび突起上に下透光性絶縁膜18を形成することによ
り、電圧無印加時の透過率やコントラストを向上させる
ことができる。なお、これら透光性絶縁膜上に配向膜1
5、16が形成される。ただし、図20では下透光性絶
縁膜を設けない。電極13、14はITOでできてお
り、その屈折率は約 1.9で基板、配向膜、液晶層の約
1.5よりも高い。そこで、透光性絶縁膜の屈折率を電極
材料の屈折率と同等またはそれに近い値に選定する。実
用的には電極材料の屈折率の 0.9〜1.1 倍にするのが好
ましい。以下、その理由について説明する。図21に示
すように、ITOと他の材料すなわち基板11、12、
液晶層20の屈折率の差が大きい。一方、画素電極がI
TO導電体部13a、14aと非導電体部13b、14
bの微細な領域に分割されているため、画素電極内の導
電体部と非導電体部の屈折率差から光路が重なり光の干
渉が起こってしまう。したがって、このような光の干渉
をなくすことができれば、電圧無印加時の透過率やコン
トラストを向上させることができる。
【0069】光の干渉は、画素電極材料と他の材料の屈
折率の差が大きく、かつ画素電極内で導電体部と非導電
体部が微細な領域に分割されているため、入射光が導電
体部と非導電体部で屈折される度合いが違うことにより
起こる。このため、画素電極間での光干渉を防ぐために
は、画素電極内で導電体部と非導電体部とで入射光を同
じように屈折させればよい。したがって、画素電極材料
とほぼ同じ屈折率を持つ透光性絶縁膜を画素電極の上に
塗布すれば、画素電極内の非導電体部に入射された光も
導電体部に入射された光と等しく光が屈折されるため
に、光の干渉を抑制することができる。画素電極は透光
性導電体、実用的にはITOで構成される。このため、
ITOとほぼ同じ屈折率を持つ透光性絶縁膜を用いれば
よい。すなわち、電極材料の屈折率の 0.9〜1.1 倍の範
囲であれば、光干渉による透過率の低下はほぼ生じな
い。また透光性絶縁膜の厚さは、ITOなどの透光性電
極層の厚さの 1/2以上であれば、十分な効果が得られ
る。
【0070】
【実施例】以下、本発明のLCDの実施例を図面を参照
して具体的に説明する。 実施例1 図1(a)は本実施例の上下電極のパターンを示す斜視
図、図1(b)は電極を相対向させた液晶セルの略断面
図である。ガラスでできた上基板11の一方の面全面に
ITOでできた透明共通電極13を形成し、その表面に
ポリイミドの上配向膜(AL-3046 、日本合成ゴム製)1
5を積層する。他方のガラスでできた下電極12の一面
にITOでできた画素電極14を形成し、その表面にポ
リイミドの下配向膜(AL-3046 、日本合成ゴム製)16
を積層する。 1画素の大きさが 300μm × 300μm であ
る画素電極14を画素単位でモザイク状に配置する。上
下配向膜15、16のプレチルト角は 3°である。
【0071】上電極13は 1画素毎に幅20μm の複数の
スリットすなわち非導電部13bを有して幅20μm の導
電部13aを40μm ピッチでストライプ状に配列したパ
ターンであり、 1画素 300μm 幅の中に 6本の導電部1
3aを形成する。相対する下電極14も同じく20μm 幅
の導電部14aと20μm 幅の非導電部14bを等間隔で
配置したパターンを有し、 300μm 幅内に 6本の導電部
14aを形成する。
【0072】これら電極の導電部は上下基板を相対させ
た状態で相互に20μm ずらしてあり、一方の電極の導電
部13aまたは14aが他方の電極の非導電部14bま
たは13bに対面する。下電極14はTFTスイッチン
グ素子19を有し、ゲート線23と信号線24に接続さ
れる。
【0073】上下配向膜15、16の配向方向F、Rは
図示のように電極の導電部に直交するように、かつ同一
方向となるように設定する。また上下基板の間隙を10μ
m とし液晶セルを形成する。この基板間隙に誘電率異方
性が正のネマティック液晶(ZLI-3926、メルクジャパン
製)を充填し、液晶層20とする。この液晶は複屈折率
(△n)が0.2030と大きい。この複屈折率(△n)が大
きいことと、10μmと層厚の厚い液晶層を選択すること
によりLCDの光散乱性を高めることができる。
【0074】このようにして得られた本発明のLCDに
TFT19を介して電源21から電圧を印加して電気光
学特性(透過率−印加電圧曲線)を測定した。電圧印加
により、電極間に横電界成分をもつ電界が発生し、 1画
素の微小な範囲で横電界成分の方向が変化するから、液
晶層20の液晶分子Mが電界に応じて配列を変化する。
したがって、液晶配列の境に多数のウォールラインDL
が発生して光散乱状態を作り出す。
【0075】透過率−印加電圧曲線を求めるために、L
CDにHe −Ne レーザー光を入射させ透過率を測定し
た。測定結果を図23に示す。なお光のスポット径は2m
m で、透過したレーザー光はLCDから距離20cmのとこ
ろにあるフォトダイオードにより検出した。また印加電
圧は 0Vから徐々に 5Vまで増加させ、その後 5Vから
徐々に 0Vまで減少させた。電圧を印加していない状態
( 0V印加)では透過率約80%と、明るい透過率特性を
示した。また、印加電圧 2.8Vでは最小透過率0.4%
と、良好な光散乱状態が得られた。また、図23から明
らかなように電気光学特性にヒステリシスは全くなかっ
た。また、印加電圧 2.8Vおよび 0Vにて、応答速度を
測定したところ立ち上がり7msec 、立ち下がり25msecと
極めて速い値を得た。
【0076】実施例2 図22(a)および図22(b)に本実施例を示す。図
22(a)に示すように、上電極13の導電部13cお
よび非導電部13dと下電極14の導電部14aおよび
非導電部14bとのパターンが 1画素内で直交してい
る。この導電部のパターン以外は実施例1と同じ構成で
ある。ここに実施例1と同番号の部分は同一部分を示
す。ただし、液晶層は誘電率異方性が正の液晶(ZLI-39
26、メルクジャパン製)に左捩じれのカイラル剤(S-81
1 、メルクジャパン製)を添加した液晶組成物を用い
た。また図22(b)に示すように、上下基板の配向方
向F、Rを 180°ずらし、液晶分子を 180°捩じれのス
プレイ配列とした。
【0077】この構造においては、上下電極13、14
の導電部13c、14aが重なる領域と、一方の電極の
導電部13cまたは14aが他の電極の非導電部14b
または13dと対面する領域が生じる。しかし、電圧印
加時に生じる横電界成分が複雑に発生して液晶分子配列
を乱すように作用する。このため、 1画素の微小領域内
で充分な光散乱を非常に速い応答性で得ることができ
る。
【0078】実施例3 図24(a)は本実施例において、電極を相対向させた
液晶セルの略断面図、図24(b)は 1画素領域の上電
極パターンを、図24(c)は 1画素領域の下電極パタ
ーンを示す。図24(a)および図24(b)に示すよ
うに、上基板11として各画素に屈曲ストライプパター
ンの非導電部13bと導電部13aからなるITOの共
通電極13を形成したガラス基板を用いる。なお、非画
素部全域にクロムからなるブラックマトリクスを形成す
る。図24(a)および図24(c)に示すように、下
基板12として各画素に屈曲ストライプパターンの非導
電部14bと導電部14aからなるITOの共通電極1
4およびTFTからなるスイッチング素子を形成したガ
ラス基板を用いる。図24(b)に示す上電極パターン
は、ストライプ延長方向に直交する方向の導電部の幅を
5μm 、導電部の山−山間の幅を10μm、非導電部の幅
を10μm とした。また図24(c)に示す下電極パター
ンは、導電部の幅を 5μm 、非導電部の幅を10μm とし
た。
【0079】この基板の電極パターン上に配向膜15、
16(商品名SE-7120 、日産化学工業製)(プレチルト
角の測定値 6°)を形成し、その表面を図に示す方向
F、Rにラビング処理を施す。ついで、下基板側に基板
間隙剤として液晶層厚が 7.5μm となるよう微粒子(商
品名ミクロパールSP、積水ファインケミカル製)(粒
径 7.5μm )を分散密度 100個/mm2 となるよう乾式散
布法にて散布した後、これら基板間に誘電率異方性が正
の液晶組成物(商品名ZLI-3926、メルクジャパン製)
(△n=0.2030)を挟持して、前述した「隙間付き入
子」の電極構成からなる本実施例のLCDを得た。ここ
で、液晶層厚を厚くし、液晶組成物の誘電率異方性を大
きくしたのは、光散乱状態における光散乱性を高めるた
めである。
【0080】このようにして得られたLCDにTFTを
介して電圧を印加して電気光学特性(透過率−印加電圧
曲線)を実施例1に示す方法で測定した。測定結果を図
27に示す。電圧を印加していない状態( 0V印加)で
は透過率約80%と、明るい透過率特性を示した。また、
印加電圧 3.1V− 3.9Vでは最小透過率 0.4%と、良好
な光散乱状態が得られた。また、図から明らかなように
電気光学特性にヒステリシスは全くなかった。また、印
加電圧 3.1Vおよび 0Vにて、応答速度を測定したとこ
ろ立ち上がり6msec 、立ち下がり18msecと極めて速い値
を得た。
【0081】つぎに、下基板のTFTを介して電圧を印
加して、前述したウォールの維持状態を偏光顕微鏡によ
る分子配列観察および透過率測定による光散乱状態測定
によって調べた。本実施例においては印加電圧 3.1Vを
印加しつづけた場合、1時間経過しても初期のウォール
配列を維持していることが確認された。
【0082】実施例4 実施例3と同じ基板11、12を用い、配向膜15、1
6に垂直配向処理用の処理剤(商品名ODS-E(Octadecylt
rietoxysilane アルコール溶液)、チッソ製)を用い、
基板を垂直配向処理した。ここで垂直配向処理は前述の
アルコール溶液に各基板を浸漬することによって行う。
得られたプレチルト角は上下基板とも90°であった。液
晶組成物として負の誘電率異方性を示すネマティック液
晶材料(商品名ZLI-4850(△n=0.208 )、メルクジャ
パン製)を用いること以外、実施例3同様の条件、材料
にて本実施例のLCDを得た。実施例3同様、諸特性を
測定したところ、図27に示すように実施例3とほぼ同
等の優れた結果を得た。 実施例5 図25(a)に上基板電極パターン、図25(b)に下
電極パターン図をそれぞれ示す。上基板として非画素部
全域にクロムからなるブラックマトリクスを形成し、波
形ストライプの導電部13aとこれより幅狭の非導電部
13bを各画素毎に形成した共通電極13をITOパタ
ーニングで被着したガラス基板を用いる。下基板として
上基板の非導電部13bよりも幅狭の非導電部14bを
有する導電部14aをもつ下電極14とTFT(図示し
ない)からなるスイッチング素子付きガラス基板を用い
た。ここに下基板を囲む領域14cは配線、TFT形成
領域である。 これらの基板を用いて、実施例3同様の
条件、材料を用いて前述した「重複入子」の電極構成か
らなる本発明のLCDを作製した。実施例3同様の方
法、条件にて、本実施例におけるLCDの電気光学特性
(透過率−印加電圧曲線)を測定した。図27にその結
果を示す。
【0083】電圧を印加していない状態( 0V印加)で
は透過率約80%と、明るい透過率特性を示した。また、
印加電圧 2.5V− 3.3Vと実施例3以上に低電圧にて最
小透過率 0.5%と、良好な光散乱状態が得られた。ま
た、図から明らかなように電気光学特性にヒステリシス
は全くなかった。また、印加電圧 2.5Vおよび 0Vに
て、応答速度を測定したところ立ち上がり5msec 、立ち
下がり12msecと極めて速い値を得た。
【0084】つぎに、本実施例のLCDにTFTを介し
て電圧を印加して、前述したウォールの維持状態を偏光
顕微鏡による分子配列観察および透過率測定による光散
乱状態測定によって調べた。本実施例においては印加電
圧 2.5Vを印加しつづけた場合、1時間経過しても初期
のウォール配列を維持していることが確認された。
【0085】実施例6 図26(a)に上基板電極パターン、図26(b)に下
電極パターン図をそれぞれ示す。上基板として非画素部
全域にクロムからなるブラックマトリクスを形成し、各
画素毎に直線ストライプの導電部13aと非導電部13
bを形成した共通電極13をITOのパターニングで形
成したガラス基板を用いる。下基板として各画素毎に直
線ストライプの導電部14aと非導電部14bからなる
下電極14と、TFTからなるスイッチング素子付きガ
ラス基板を用いる。上下電極の導電部の幅は 5μm 、非
導電部の幅は10μm である。
【0086】これらの基板を用いて、実施例3同様の条
件、材料を用いて前述した「隙間付きストライプ入子」
の電極構成からなる本実施例のLCDを作製した。実施
例3同様の方法、条件にて、本実施例におけるLCDの
電気光学特性(透過率−印加電圧曲線)を測定した。図
27にその結果を示す。
【0087】電圧を印加していない状態( 0V印加)で
は透過率約80%と、明るい透過率特性を示した。また、
印加電圧 3.2V− 3.9Vにて最小透過率 0.2%と、実施
例3以上の良好な光散乱状態が得られた。また、図から
明らかなように電気光学特性にヒステリシスは全くなか
った。また、印加電圧 3.2Vおよび 0Vにて、応答速度
を測定したところ立ち上がり6msec 、立ち下がり18msec
と極めて速い値を得た。 つぎに、本実施例のLCDに
TFTを介して電圧を印加して、前述したウォールの維
持状態を偏光顕微鏡による分子配列観察および透過率測
定による光散乱状態測定によって調べた。本実施例にお
いては印加電圧 3.2Vを印加しつづけた場合、 1時間経
過しても初期のウォール配列を維持していることが確認
された。 実施例7 実施例3同様の上下基板を用い、同様の方法、材料にて
配向処理を施した後、上基板側に前述したウォール支持
体として微粒子(商品名ミクロパール、積水ファインケ
ミカル製)(粒径 5.0μm )を分散密度1000個/mm2
なるよう乾式散布法にて散布し、以降の工程は実施例1
同様の方法、材料にて本発明のLCDを作製した。実施
例3同様の方法、条件で諸特性を測定したところ、図2
7に示すように実施例3とほぼ同等の優れた結果を得
た。
【0088】また、実施例3同様、LCDにTFTを介
して電圧を印加して、前述したウォールの維持状態を偏
光顕微鏡による分子配列観察および透過率測定による光
散乱状態測定によって調べた。本実施例においては印加
電圧 3.1Vを印加しつづけた場合、 10 時間経過しても
初期のウォール配列を維持していることが確認された。
【0089】実施例8 図28(a)は電極を相対向させた液晶セルの略断面
図、図28(b)は 1画素領域の上電極パターンを、図
28(c)は 1画素領域の下電極パターンを示す。上下
基板の電極パターンは実施例3と同一である。上下両基
板の画素電極13、14の上に透光性絶縁膜17、18
として屈折率が 1.9の透光性絶縁材(商品名 RTZ-206、
触媒化成工業製)をオーバーコートして 1.0μm 厚さの
透光性層とし、図28(a)に示す構成の基板を得た。
この基板を用いて実施例3と同様の方法、条件でLCD
を得た。得られたLCDの電気光学特性(透過率−印加
電圧曲線)を実施例1に示す方法で測定した。測定結果
を図29に示す。
【0090】電圧を印加していない状態( 0V印加)で
は透過率約85%と、明るい透過率特性を示した。また、
印加電圧 3.3Vでは最小透過率 0.4%と、良好な光散乱
状態が得られた。また、図から明らかなように電気光学
特性にヒステリシスは全くなかった。また、印加電圧
3.1Vおよび 0Vにて、応答速度を測定したところ立ち
上がり6msec 、立ち下がり18msecと極めて速い値を得
た。つぎに、下基板のTFTを介して電圧を印加して、
前述したウォールの維持状態を偏光顕微鏡による分子配
列観察および透過率測定による光散乱状態測定によって
調べた。本実施例においては印加電圧 3.1Vを印加しつ
づけた場合、1時間経過しても初期のウォール配列を維
持していることが確認された。
【0091】実施例9 実施例4に示す電極パターンを有する上下基板を用い、
その画素電極上に屈折率が 1.90 の透光性絶縁材(商品
名 RTZ-606、触媒化成工業製)をオーバーコートして
1.0μm 厚さの透光性層を有する基板を得た。この基板
を用いて実施例4と同様の方法、条件でLCDを得た。
得られたLCDの電気光学特性(透過率−印加電圧曲
線)を実施例1に示す方法で測定した。測定結果を図2
9に示す。
【0092】図29に示すように実施例8とほぼ同等の
優れた結果が得られた。また、応答速度およびウォール
の維持状態も実施例8とほぼ同等に優れていた。さら
に、入射光に対しても電圧無印加時の電極による光干渉
が生じず、電圧無印加時の透過率が向上し、コントラス
トの向上効果が見られた。
【0093】実施例10 実施例5に示す電極パターンを有する上下基板を用い、
その画素電極上に屈折率が 1.90 の透光性絶縁材(商品
名 RTZ-606、触媒化成工業製)をオーバーコートして
1.0μm 厚さの透光性層を有する基板を得た。この基板
を用いて実施例5と同様の方法、条件でLCDを得た。
得られたLCDの電気光学特性(透過率−印加電圧曲
線)を実施例1に示す方法で測定した。測定結果を図2
9に示す。
【0094】図29に示すように実施例8とほぼ同等の
優れた結果が得られた。また、応答速度およびウォール
の維持状態も実施例8とほぼ同等に優れていた。さら
に、入射光に対しても電圧無印加時の電極による光干渉
が生じず、電圧無印加時の透過率が向上し、コントラス
トの向上効果が見られた。
【0095】実施例11 実施例6に示す電極パターンを有する上下基板を用いる
以外、実施例8と同様の方法、条件でLCDを得た。得
られたLCDの電気光学特性(透過率−印加電圧曲線)
を実施例1に示す方法で測定した。測定結果を図29に
示す。
【0096】図29に示すように実施例8とほぼ同等の
優れた結果が得られた。また、応答速度およびウォール
の維持状態も実施例8とほぼ同等に優れていた。さら
に、入射光に対しても電圧無印加時の電極による光干渉
が生じず、電圧無印加時の透過率が向上し、コントラス
トの向上効果が見られた。
【0097】実施例12 実施例7に示す電極パターンを有する上下基板を用いる
以外、実施例8と同様の方法、条件でLCDを得た。得
られたLCDの電気光学特性(透過率−印加電圧曲線)
を実施例1に示す方法で測定した。測定結果を図29に
示す。図29に示すように実施例8とほぼ同等の優れた
結果が得られた。また、応答速度およびウォールの維持
状態も実施例8とほぼ同等に優れていた。さらに、入射
光に対しても電圧無印加時の電極による光干渉が生じ
ず、電圧無印加時の透過率が向上し、コントラストの向
上効果が見られた。
【0098】実施例13 図30に示すように、上基板11上に上電極13を、下
基板12上に下電極14を実施例6に示す電極パターン
にて形成した基板を用い、両基板の電極側の面上に粒径
1.5μm の微粒子22(商品名ミクロパールSP、積水
ファインケミカル製)を分散密度 1000 個/mm2 となる
よう散布した。これらの電極および微粒子の上に、透光
性絶縁膜(商品名 RTZ-206、触媒化成工業製)17、1
8をオーバーコートして両基板表面を凸凹面に仕上げ
た。この上下基板を用いる以外、実施例8と同様の方
法、条件でLCDを得た。得られたLCDは、実施例8
とほぼ同等の優れた電気光学特性、応答速度、ウォール
の維持状態が得られた。また、透光性絶縁膜により、電
極の導体部の切れ目が光学的に解消して光干渉を防止で
きた。
【0099】実施例14 図31(a)は本実施例の電極を相対向させた液晶セル
の略断面図、図31(b)は 1画素領域の上電極パター
ンを、図31(c)は 1画素領域の下電極パターンを図
31(d)は電圧印加時の液晶分子配列を示す。上電極
13は図31(b)に示すようにITOベタ電極を用い
た。非画素部を遮光するブラックマトリックスは設けて
いない。下電極14は図31(c)に示すように 1画素
の大きさが 30 μm × 40 μm であり、導電体部のIT
Oが 4.5μm 幅で、非導電体部が 7μm 幅であるスプレ
イパターンを各画素毎に形成する。各画素毎にTFTス
イッチング素子19を形成して 1280 × 1024 の画素数
を有する下基板を得る。
【0100】この基板の電極パターン上に配向膜15、
16(商品名SE-7120 、日産化学工業製)(プレチルト
角の測定値 6°)を形成し、その表面を図に示す方向
F、Rにラビング処理を施す。ついで、下基板側に基板
間隙剤として液晶層厚が 6.0μm となるよう微粒子(商
品名ミクロパールSP、積水ファインケミカル製)(粒
径 6.0μm )を分散密度 100個/mm2 となるよう乾式散
布法にて散布した後、これら基板間に誘電率異方性が正
の液晶組成物(商品名ZLI-4792、メルクジャパン製)
(△n=0.094 )を挟持して本実施例のLCDを得た。
【0101】本実施例のセル構成の特徴は、以下に説明
する 3つの特徴で示される。第1に、電圧を印加してい
ない状態で液晶分子配列が電極ストライプ方向と平行に
配列していることである。つまり、電圧を印加した際の
斜め電界方向と液晶分子配列が直交している。よって、
電圧を印加すると液晶分子配列と直交した方位に斜め電
界が形成され、液晶分子はこの方向にツイストしながら
チルトすることになる。この結果、電圧を印加した状態
での液晶分子配列は、断面よりみて図31(a)、平面
でみて図31Dのようになる。このような液晶分子配列
により、電極ストライプ方向およびその直交方向の偏光
成分に対する屈折率は液晶分子の異常光屈折率ne と常
光屈折率no とが電極ストライプ方向の直交方向に規則
的に交互に配列する。したがって、液晶層に回折格子が
形成され平行光を散乱させることができる。
【0102】第2に、斜め電界を有効に得るために、対
向配置された両基板の電極間隔DをD≧S/2 の関係を
満たすようにしていることである。ここでSは電極部に
おける非導電体部の最も狭い部分の幅である。本実施例
において、ストライプ電極パターン(図31(c))の
パターン間の幅Sは 7μm であり、対向配置された両基
板の電極間隔Dは 6μm であるので、上述の関係式を満
足している。
【0103】第3に、液晶層の△ndを 564nmに設定し
ていることである。この値は上述の実施例よりも小さ
い。これは回折格子の光散乱効果が△ndに依存するた
めである。回折格子の光散乱効果は、GALE,M.et al.:19
79, J.appl.Photogr.Engng, 4,41 によると次式で示さ
れる。 T=cos2 (π△nd/λ) ここで、Tは散乱される光の強度(入射光に対する強
度)であり、λは入射光波長である。この式から回折格
子の光散乱効果は△ndに依存する。本実施例の液晶セ
ルの構成では、印加電圧により、この△ndが変化す
る。その変化幅は 0から設定した液晶層の△nd後の値
( 564nm)までである。また上式から回折格子の光散乱
効果は△ndに対して極値を持つ。したがって、設定し
た△ndの値が上式の極値より著しく大きいと液晶セル
の電気光学特性に極値が生じてしまう。これはアナログ
信号を用いた階調表現を困難にする。このため、本実施
例では、これを考慮して液晶層の△ndを 564nmに設定
した。このように、本実施例は他の実施例と同様に液晶
分子配列が形成する屈折レンズ効果(前述したウォール
配列:液晶層厚方向に液晶分子が連続的に傾きを変え屈
折率が連続的に変化することにより入射した光を屈折さ
せる効果)に加え、明確に回折格子効果が得られる構造
としている。
【0104】このようにして得られたLCDにTFTを
介して電圧を印加して電気光学特性(透過率−印加電圧
曲線)を実施例1に示す方法で測定した。測定結果を図
32に示す。電圧を印加していない状態( 0V印加)で
は透過率約80%と、明るい透過率特性を示した。また、
印加電圧 3.2V以上では最小透過率 0.2%と、良好な光
散乱状態が得られた。また、図から明らかなように電気
光学特性にヒステリシスは全くなかった。また、印加電
圧 3.2Vおよび 0Vにて、応答速度を測定したところ立
ち上がり7msec 、立ち下がり23msecと極めて速い値を得
た。
【0105】実施例15 配向膜として、垂直配向を示す配向膜15、16(商品
名JALS-204-R14、(株)日本合成ゴム製)、液晶組成物
として負の誘電率異方性を有する液晶組成物(商品名ZL
I-4318、メルクジャパン製)(△n=0.1243)を用いる
以外は、実施例14と同様の方法でLCDを得た。
【0106】本実施例のLCDの電圧無印加時および電
圧印加時の平面的にみた液晶分子配列をそれぞれ図33
(a)、図33(b)に示す。電圧無印加状態(図33
(a))では、液晶分子は一様に配列(垂直配向)して
いる。これに対して電圧印加状態(図33(b))で
は、ITOが上下基板で対向しているところではラビン
グ方位にチルトダウンし、逆にTFT基板のITOがな
い領域では斜め電界が電極ストライプ方向と直交した方
向に発生するため、その方向にチルトダウンする。よっ
て図示するように本実施例のLCDは実施例14に示し
たLCD同様、電圧を印加した状態において電極ストラ
イプ方向、およびその直交方向偏光成分に対する屈折率
が液晶分子の異常光屈折率ne と常光屈折率n0 が電極
ストライプ方向の直交方向に規則的に交互に配列し、そ
の結果、液晶層に回折格子が形成され、平行光を散乱さ
せることができる。
【0107】本実施例は、実施例14と同様に回折格子
効果および屈折レンズ効果を得る構成となっており、実
施例14と比較して電圧無印加時の分子配列が逆(水平
配向に対して垂直配向)であり、用いた液晶組成物の誘
電率異方性も逆(正に対して負)としたものである。こ
のように本発明のLCDは電圧を印加した状態において
電極ストライプ方向およびその直交方向の偏光成分に対
する屈折率が液晶分子の異常光屈折率ne と常光屈折率
0 が一定方向(一方向以上)に規則的に交互に配列す
るようにすれば、液晶層には回折格子が形成され、平行
光を散乱させる効果を得ることができる。この効果を直
交した 2方向の偏光成分に対して得るようにすれば、非
偏光の光を散乱させることができ高いコントラスト特性
が得られるようになる。こうした構成を実現させるには
液晶分子のチルト方向(チルト方向およびチルトダウン
方向)の自由度が無限大である初期垂直配向に誘電率異
方性が負の液晶組成物を用いると容易に実現できる。
【0108】このようにして得られたLCDにTFTを
介して電圧を印加して電気光学特性(透過率−印加電圧
曲線)を実施例1に示す方法で測定した。測定結果を図
32に示す。電圧を印加していない状態( 0V印加)で
は透過率約80%と、明るい透過率特性を示した。また、
印加電圧 3.8V以上では最小透過率 0.2%と、良好な光
散乱状態が得られた。また、図から明らかなように電気
光学特性にヒステリシスは全くなかった。また、印加電
圧 3.8Vおよび 0Vにて、応答速度を測定したところ立
ち上がり10msec、立ち下がり20msecと極めて速い値を得
た。
【0109】実施例16 実施例15で得られたLCDを用いて投影型液晶表示装
置を作製した。その構造を図34に示す。メタルハライ
ドランプ25を光源とする光源光はシュリーレンレンズ
26により平行光とされ液晶セル27、集光レンズ28
を経て投影レンズユニット30によりスクリーン31に
投影される。駆動装置32およびビデオ信号出力装置3
3により液晶セル27に入力された画像はスクリーン3
1に拡大して表示される。本発明のLCDは平行光の光
路を直進または散乱と電界にて制御できるものである。
よって図示するようにシュリーレン光学系を用いればス
クリーン31上に任意の画像表示ができることとなる。
本実施例では液晶セル31に入射させた平行光のうち直
進した光のみを投影するために集光レンズ28の焦点の
位置に絞り( 5mmφ)29を設けて液晶セル31で散乱
させた光を遮断した構成としている。
【0110】得られた投影型液晶表示装置を用いてモノ
クロのビデオ信号画像を約 30 倍に投影したところコン
トラスト比は約 200:1 と極めて高い値であることがわ
かった。また、極めて明るい表示を得た。
【0111】実施例17 実施例15で得られたLCDを 3枚用いて投影型液晶表
示装置を作製した。その構造を図35に示す。本実施例
では光源としてRGBの 3波長を含む白色光源37を用
いており、これをダイオクロイックミラー34、35お
よび全反射ミラー36を用いてそれぞれRGBの波長に
分光させ、 3枚の液晶セル27a、27b、27cに入
射させている。こうすることにより、各波長毎に光路を
制御することが可能となる。よって、カラー表示が実現
できる。なお、ダイオクロイックミラー34は赤の波長
を透過させ、緑および青の波長を全反射させ、ダイオク
ロイックミラー35は青の波長を透過させ、赤および緑
の波長を全反射させる。
【0112】得られた投影型液晶表示装置を用いてフル
カラーのビデオ信号画像を約 30 倍に投影したところコ
ントラスト比は約 180:1 と極めて高い値であることが
わかった。また、極めて明るい表示を得た。
【0113】実施例18 上基板として、カラーフィルター上にITOからなるべ
た電極を形成した、RGBからなるカラーフィルター付
き基板を用いた以外は、実施例15と同様の方法でLC
Dを得た。このLCDを用いて実施例16と同様の構成
にて投影型液晶表示装置を作製した。カラーフィルター
を設けることによりカラー表示が実現できる。
【0114】得られた投影型液晶表示装置を用いてフル
カラーのビデオ信号画像を約 30 倍に投影したところコ
ントラスト比は約 160:1 と極めて高い値であることが
わかった。また、極めて明るい表示を得た。
【0115】
【発明の効果】本発明のネマティック液晶層からなるL
CDは、 1画素毎に画素内の一部の領域で導電体部と非
導電体部とを対向させ、かつ非導電体部の最も狭い部分
の幅をSとし、対向配置された両基板の電極間隔をDと
したとき、D≧S/2 の関係が満たされているので、一
様な液晶分子配列とすることにより光透過状態を、 2種
以上の方向の電界方向を印加することによる屈折レンズ
効果や回折格子効果により光散乱状態を実現することが
できる。その結果、液晶以外の媒体を必要としないで、
光散乱特性に優れたLCDが得られる。とくに、液晶層
を形成する液晶分子が電圧無印加状態でスプレイ配列を
なし、液晶層に電界を印加した際のチルト方向が 2方向
以上取り得る分子配列の場合に優れた散乱特性が得られ
る。
【0116】本発明のLCDは、電極構造を「入れ子構
造」、「隙間付き入れ子構造」、「重複入子」、「隙間
付きストライプ入子」または「重複ストライプ入子」と
することにより、斜め電界を微細な領域毎に相反するよ
うに容易に形成することができる。その結果、光の散乱
特性が高く、駆動電圧の低い、明るくコントラスト比の
高い階調性に優れたLCDや、階調表示しても表示が反
転する視角のない極めて広い視角依存性を有するLCD
が得られる。
【0117】このような効果は、両基板間隙に電極間隔
Dより短い直径を有する微粒子を混入させるか、または
電極間隔Dより短い突起を両基板の少なくとも一方に設
けることにより、実用的に維持することができる。さら
に、電極上にこの電極材料の屈折率の 0.9〜1.1 倍であ
る透光性保護膜が形成することにより、電圧無印加時の
透過率やコントラストを向上させることができる。
【0118】本発明の液晶表示装置は、とくに投影型液
晶表示装置に上述のLCDを応用することにより、コン
トラスト比が極めて高い、また、極めて明るい表示を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を説明する図で、(a)は電
極の斜視図、(b)は液晶セルの断面図である。
【図2】本発明の電極構造を説明するための図である。
【図3】プレチルト角を説明するための図で、(a)は
断面略図、(b)は平面略図である。
【図4】ユニフォーム配列を説明するための図で、
(a)は平面略図、(b)は断面略図である。
【図5】電圧印加時のユニフォームツイスト配列の液晶
分子の振る舞いを説明する断面略図である。
【図6】ユニフォームツイスト配列を説明する平面略図
である。
【図7】印加電圧と透過率の関係を説明する曲線図であ
る。
【図8】ユニフォームツイスト配列を説明する平面略図
である。
【図9】スプレイ配列を説明するための図で、(a)は
平面略図、(b)は断面略図である。
【図10】スプレイツイスト配列を説明する平面略図で
ある。
【図11】スプレイツイスト配列を説明する平面略図で
ある。
【図12】スプレイ配列の液晶分子の印加電圧の有無に
よる振る舞いを説明する断面略図であり、(a)から
(c)は電圧無印加時、(d)から(f)は電圧印加時
を示す。
【図13】一実施例のLCDを説明する図であり、
(a)は電極構造の斜視図、(b)は(a)におけるX
−X′線に沿って切断して示す断面略図、(c)は電圧
印加時の液晶分子の状態を示す略図である。
【図14】他の実施例のLCDを説明する図であり、
(a)は電極構造の斜視図、(b)は(a)におけるX
−X′線に沿って切断して示す断面略図、(c)は電圧
印加時の液晶分子の状態を示す略図である。
【図15】他の実施例のLCDを説明する図であり、
(a)は電極構造の斜視図、(b)は(a)におけるX
−X′線に沿って切断して示す断面略図、(c)は電圧
印加時の液晶分子の状態を示す略図である。
【図16】他の実施例のLCDを説明するもので、電圧
印加時の液晶分子の状態を示す略図である。
【図17】図13(c)に示すウォールの出現形状を説
明する平面図である。
【図18】一実施例のLCDを説明するもので、液晶セ
ルの断面図である。
【図19】他の実施例のLCDを説明するもので、液晶
セルの断面図である。
【図20】他の実施例のLCDを説明するもので、液晶
セルの断面図である。
【図21】透光性の絶縁膜の作用を説明する図である。
【図22】一実施例のLCDを説明するもので、(a)
は電極の斜視図、(b)は上下基板の配向方向を示す略
図である。
【図23】実施例1の透過率−印加電圧曲線の関係を示
す図である。
【図24】一実施例のLCDを説明するもので、(a)
は電極構造配置と液晶分子の状態を説明する略図、
(b)は上電極(共通電極)の平面図、(c)は下電極
の平面図である。
【図25】他の実施例のLCDを説明するもので、
(a)は上電極(共通電極)の平面図、(b)は下電極
の平面図である。
【図26】他の実施例のLCDを説明するもので、
(a)は上電極(共通電極)の平面図、(b)は下電極
の平面図である。
【図27】実施例3から実施例7の透過率−印加電圧曲
線の関係を示す図である。
【図28】透光性の絶縁膜を用いたLCDを説明するも
ので、(a)は電極構造配置と液晶分子の状態を説明す
る略図、(b)は上電極(共通電極)の平面図、(c)
は下電極の平面図である。
【図29】実施例8から実施例12の透過率−印加電圧
曲線の関係を示す図である。
【図30】基板面上に微粒子を形成した実施例の電極構
造配置と液晶分子の状態を説明する略図である。
【図31】一実施例のLCDを説明するもので、(a)
は電極構造配置と液晶分子の状態を説明する略図、
(b)は上電極(共通電極)の平面図、(c)は下電極
の平面図、(d)は液晶分子の状態を説明する略図であ
る。
【図32】実施例14および実施例15のLCDの透過
率−印加電圧曲線の関係を示す図である。
【図33】実施例15のLCDを説明するもので、
(a)は電圧無印加時の平面的にみた液晶分子配列を示
す図、(b)は電圧印加時の平面的にみた液晶分子配列
を示す図である。
【図34】実施例16における投影型液晶表示装置を示
す図である。
【図35】実施例17における投影型液晶表示装置を示
す図である。
【図36】従来のLCDを説明するもので、(a)はカ
プセル状構造の断面略図を示す図、(b)は繊維状ポリ
マー構造の断面略図である。
【符号の説明】
1、2………基板、3………ポリマー、4、6………液
晶、5………繊維状ポリマー、11………上基板、12
………下基板、13………上電極、14………下電極、
15………上配向膜、16………下配向膜、、17……
…上透光性絶縁膜、18………下透光性絶縁膜、19…
……スイッチング素子、20………液晶層、21………
電源、22………微粒子、23………ゲート線、24…
……信号線、25………メタルハライドランプ、26…
……シュリーレンレンズ、27………液晶セル、28…
……集光レンズ、29………絞り、30………投影レン
ズユニット、31………スクリーン、32………駆動装
置、33………ビデオ信号出力装置、34、35………
ダイオクロイックミラー、36………全反射ミラー、3
7………白色光源。
フロントページの続き (72)発明者 羽藤 仁 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝 横浜事業所内 (72)発明者 岡本 ますみ 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝 横浜事業所内 (72)発明者 大山 毅 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝 横浜事業所内 (56)参考文献 特開 平4−119321(JP,A) 特開 平6−194656(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/13 - 1/141

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向配置された電極付き基板と、この基
    板間に挟持されたネマティック液晶組成物からなる液晶
    層とからな、前記対向配置された電極付き基板が電極
    構造として 1画素毎に最も広い部分の幅 50 μm 以下
    である導電体部と最も広い部分の幅 50 μm 以下であ
    る非導電体部とからなる領域をそれぞれ有する液晶表示
    素子において、 前記対向配置された両基板間において、少なくとも 1画
    素毎に画素内の一部の領域で前記導電体部と前記非導電
    体部とが対向しており、かつ前記非導電体部の最も狭い
    部分の幅をSとし、前記対向配置された両基板の電極間
    隔をDとしたとき、D≧S/2の関係が満たされて
    り、 前記液晶層が、電界を印加した際のチルト方向が 2 方向
    以上取り得る分子配列を有する液晶組成物からなり、 前記両基板間隙に電極間隔Dより短い直径を有する微粒
    子を混入させてなること を特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液晶表示素子において、 前記対向配置された両基板間において、この両基板間の
    垂直法線方向に対して斜め電界が 1画素内に少なくとも
    2方向以上形成され、 前記液晶層を形成する液晶分子が電圧無印加状態でスプ
    レイ配列をなし、かつ電圧印加状態でチルトアップまた
    はチルトダウン方向の自由度を 2方向以上取り得る分子
    配列であることを特徴とする液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の液晶表示
    素子において、 前記対向配置された少なくとも一方の電極付き基板は、
    前記最も広い部分の幅が 30 μm 以下であり、 前記ネマティック液晶組成物は、前記基板表面上で液晶
    分子長軸−方向に配列させるチルト配向を誘起する手段
    を有しており、 2枚の基板上での液晶分子配列方向の交
    差角をθ( 0°≦θ≦90°)とし、 2枚の基板表面上で
    のプレチルト角によって液晶をユニフォームツイスト配
    列させるように決まるツイスト角をψとし、前記液晶
    層に電界を印加しない状態で、前記ψが±θ(ここで、
    ツイスト方向が左回りの時+、右回りの時−とする。)
    のとき、液晶のツイスト角ωが±θ+ 180°または±θ
    − 180°であり、前記ψが±(θ− 180°)のとき、液
    晶ツイスト角ωが±θ(以上、複号同順)であることを
    特徴とする液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項のいずれか1項
    記載の液晶表示素子において、 前記対向配置された両基板は、前記両基板電極の素子法
    線方向での断面形状を見たとき、下基板の導電体部のう
    ち上基板の導電体部に重ならない部位の幅をRE、上
    の導電体部のうち下基板の導電体部に重ならない部位
    幅をFE、両基板とも導電体部である幅をEE、両基
    板とも非導電体部である幅をSSとし、少なくとも各画
    素毎に前記両基板の前記REまたはFEの幅の部位を有
    する前記導電体部がそれぞれ電気的にひとつにつながっ
    ているとき、 RE・SS・FE・SS・RE・SS・FE・SS・…
    とSSを挟んでREとFEが交互に順に配置される断面
    形状となる電極構造であり、 記ネマティック液晶組成物は、前記基板表面上で液晶
    分子長軸を一方向に配列させるチルト配向を誘起する手
    段を有しており、 2枚の基板上での液晶分子配列方向の
    交差角がθ( 0°≦θ≦90°)であり、 2枚の基板表面
    上でのチルト配向によって液晶組成物をユニフォームツ
    イスト配列させるように決まるツイスト角がψであり、
    晶組成物に電界を印加しない状態で、前記ψが±θ
    (ここでツイスト方向が左回りの時+、右回りの時−と
    する。)のとき、液晶のツイスト角ωが±θ+180 °ま
    たは、±θ−180 °であり、前記ψが±(θ−180 °)
    の時、液晶のツイスト角ωが±θ(以上複号同順)であ
    ることを特徴とする液晶表示素子。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    記載の液晶表示素子において 、前記対向配置された両基
    板は、前記両基板電極の素子法線方向での断面形状を見
    たとき、下基板の導電体部のうち上基板の導電体部に重
    ならない部位の幅をRE、上基板の導電体部のうち下基
    板の導電体部に重ならない部位の幅をFE、両基板とも
    導電体部である幅をEE、両基板とも非導電体部である
    幅をSSとし、少なくとも各画素毎に前記両基板の前記
    REまたはFEの幅の部位を有する前記導電体部がそれ
    ぞれ電気的にひとつにつながっているとき、 RE・EE・FE・EE・RE・EE・FE・EE・…
    とEEを挟んでREとFEが交互に順に配置される断面
    形状となる電極構造であり、 前記ネマティック液晶組成物は、前記基板表面上で液晶
    分子長軸を一方向に配列させるチルト配向を誘起する手
    段を有しており、 2 枚の基板上での液晶分子配列方向の
    交差角がθ( 0 °≦θ≦ 90 °)であり、 2 枚の基板表面
    上でのチルト配向によって液晶組成物をユニフォームツ
    イスト配列させるように決まるツイスト角がψであり、
    液晶組成物に電界を印加しない状態で、前記ψが±θ
    (ここでツイスト方向が左回りの時+、右回りの時−と
    する。)のとき、液晶のツイスト角ωが±θ+ 180 °ま
    たは、±θ− 180 °であり、前記ψが±(θ− 180 °)
    の時、液晶のツイスト角ωが±θ(以上複号同順)であ
    ることを特徴とする液晶表示素子。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    記載の液晶表示素子において、 前記対向配置された両基板は、前記両基板電極の素子法
    線方向での断面形状を見たとき、下基板の導電体部のう
    ち上基板の導電体部に重ならない部位の幅をRE、上基
    板の導電体部のうち下基板の導電体部に重ならない部位
    の幅をFE、両基板とも導電体部である幅をEE、両基
    板とも非導電体部である幅をSSとし、少なくとも各画
    素毎に前記両基板の前記REまたはFEの幅の部位を有
    する前記導電体部がそれぞれ電気的にひとつにつながっ
    ているとき、 RE・FE・RE・FE・RE・FE・RE・FE・…
    とREとFEとが交互に順に配置される断面形状となる
    電極構造であり、 前記ネマティック液晶組成物は、前記基板表面上で液晶
    分子長軸を一方向に配列させるチルト配向を誘起する手
    段を有しており、 2 枚の基板上での液晶分子配列方向の
    交差角がθ( 0 °≦θ≦ 90 °)であり、 2 枚の基板表面
    上でのチルト配向によって液晶組成物をユニフォームツ
    イスト配列させるように決まるツイスト角がψであり、
    液晶組成物に電界を印加しない状態で、前記ψが±θ
    (ここでツイスト方向が左回りの時+、右回りの時−と
    する。)のとき、液晶のツイスト角ωが±θ+ 180 °ま
    たは、±θ− 180 °であり、前記ψが±(θ− 180 °)
    の時、液晶のツイスト角ωが±θ(以上複号同順)であ
    ることを特徴とする液晶表示素子。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項のいずれか1項
    記載の液晶表示素子において、 前記液晶組成物は正または負の誘電率異方性を有する液
    晶からなり、 電界を印加した際に取り得る 2方向以上のチルト方向
    は、前記正の誘電率異方性を有する液晶の場合チルトア
    ップ方向であり、前記負の誘電率異方性を有する液晶の
    場合チルトダウン方向であり、 前記両基板における液晶分子配列は、液晶のプレチルト
    角の差を 0.5°以下とする液晶分子配列であり、前記プ
    レチルト角α0 を得る方向が上下で同一方向であるベン
    ド状の配向からなる液晶分子配列であることを特徴とす
    る液晶表示素子。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項のいずれか1項
    記載の液晶表示素子において、 1画素毎の電極構造が前記両基板ともに各画素の少なく
    とも一部分で導電体部と非導電体部からなるストライプ
    状の形状となっていることを特徴とする液晶表示素子。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8のいずれか1項
    記載の液晶表示素子において、 電極間隔Dより短い突起を前記両基板の少なくとも一方
    に設けてなることを特徴とする液晶表示素子。
  10. 【請求項10】 対向配置された電極付き基板と、この
    基板間に挟持されたネマティック液晶組成物からなる液
    晶層とからなり、前記対向配置された電極付き基板が電
    極構造として 1 画素毎に最も広い部分の幅が 50 μ m
    下である導電体部と最も広い部分の幅が 50 μ m 以下で
    ある非導電体部とからなる領域をそれぞれ有する液晶表
    示素子において、 前記対向配置された両基板間において、少なくとも 1
    素毎に画素内の一部の領域で前記導電体部と前記非導電
    体部とが対向しており、かつ前記非導電体部の最も狭い
    部分の幅をSとし、前記対向配置された両基板の電極間
    隔をDとしたとき、D≧S/ 2 の関係が満たされてお
    り、 前記液晶層が、電界を印加した際のチルト方向が 2 方向
    以上取り得る分子配列を有する液晶組成物からなり、 前記電極上に透光性保護膜が形成され、この透光性保護
    膜の屈折率が前記電極材料の屈折率の 0.9〜1.1 倍であ
    ることを特徴とする液晶表示素子。
  11. 【請求項11】 液晶表示素子と、この液晶表示素子に
    平行光を入射する手段と、前記入射された平行光を前記
    液晶表示素子にて制御する手段と、前記制御された光の
    進行方向のうち、一部の方向の光を投影する光学系を用
    いる手段とからなる投影型液晶表示装置であって、 前記液晶表示素子は請求項1ないし請求項10のいずれ
    か1項記載の液晶表示素子であることを特徴とする液晶
    表示装置。
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