JPH0792459A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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Publication number
JPH0792459A
JPH0792459A JP5237646A JP23764693A JPH0792459A JP H0792459 A JPH0792459 A JP H0792459A JP 5237646 A JP5237646 A JP 5237646A JP 23764693 A JP23764693 A JP 23764693A JP H0792459 A JPH0792459 A JP H0792459A
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JP
Japan
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liquid crystal
substrates
crystal display
electrode
display element
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Application number
JP5237646A
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English (en)
Inventor
Makiko Satou
摩希子 佐藤
Yuzo Hisatake
雄三 久武
Masahito Ishikawa
正仁 石川
Hitoshi Hado
仁 羽藤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Publication of JPH0792459A publication Critical patent/JPH0792459A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 2枚の電極13、14を設けた基板11、1
2間にネマティック液晶からなり基板に平行配向(プレ
チルト角0°)される液晶層20を挟持する液晶表示素
子で、一画素ごとの電極に50μm以下の微細な領域単
位で導電体部13a(14a)と非導電体部13b(1
4b)を形成し、両基板間で一方の電極の導電体部13
a(14a)と他方の電極の非導電体部14b(13
b)が対向して配置される。 【効果】散乱特性が高く、駆動電圧が低い、階調性に優
れしかも広視野角特性の液晶表示素子が得られ、投射型
ディスプレイに適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子に係わ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に液晶表示素子(以下LCDと略
称)を光制御の観点から分類すると、明暗の変化を液晶
分子の偏光効果と偏光子を組み合わせにより生じさせる
ものと、液晶の相転移を利用し、光の散乱と透過により
生じさせるもの、および染料を添加し、染料の可視光吸
収量を制御し、色の濃淡変化により生じさせるもの等に
分けられる。
【0003】前者の偏光効果と偏光子を組み合わせたL
CDは、例えば90°ねじれた分子配列をもつツイステ
ッドネマティック(TN)型液晶であり、原理的に薄い
液晶層厚、低電圧で偏光制御できることから、早い応答
速度、低消費電力にて、高いコントラスト比を示し、時
計や電卓、単純マトリクス駆動や、スイッチング素子を
各画素ごとに具備したアクティブマトリクス駆動で、ま
た、カラーフィルターと組み合わせて、フルカラーの表
示の液晶TVなどに応用されている。
【0004】しかし、これら偏光効果と偏光子を組み合
わせたLCDは、原理上偏光板を用いることから素子の
透過率が著しく低く、また分子配列の方位性により見る
角度・方位によって表示色やコントラスト比が大きく変
化するといった視角依存性をもち冷陰極線管(CRT)
の表示性能を完全に越えるまでにはいたらない。
【0005】一方、後者の液晶の相転移を利用したも
の、および染料の可視光吸収量を制御したLCDは、例
えば、ヘリカル構造の分子配列をもつコレステリック相
からホメオトロピック分子配列のネマティック相への相
転移を電場印加で生じさせるPC型液晶およびこれに染
料を添加してなるホワイト・テイラー型GH液晶であ
り、偏光子を用いず、原理的に偏光効果を用いないこと
から、明るく、広い視認角を示し、自動車機器や、投影
型表示器などに応用されている。
【0006】しかし、充分な光の散乱を得るには、液晶
相厚を充分厚くしたり、散乱を生じさせるヘリカル強度
を強めたりする必要があり、高い駆動電圧を要し、応答
速度も極めて遅いといった問題点をもっているため表示
量(画素数)の多い表示素子への応用は困難とされてい
た。また、印加電圧の増加に伴い、透過率が急激に変化
するために階調性をもたらすことも困難とされていた。
さらに、その印加電圧−透過率特性にヒステリシスがあ
り、マルチプレクス駆動することが困難など実用的に問
題があった。
【0007】さらに説明すると、偏光効果と偏光子を用
いた場合、原理上透過率が低くなり、視角依存性を生じ
させる。すなわち、少なくとも1枚の偏光板を用いるた
め、透過光量は少なくとも50%以下となり、また、製
造上および配向の安定化のためプレティルト角を有し、
それが視角特性に影響する。特に原理上、透過率が低
く、この方式を用いた場合、避けられない問題である。
【0008】また、液晶の相転移を利用した場合、これ
ら低い透過率、視角依存といった問題は生じないが、充
分に光を散乱させるためには、上記のように液晶層厚を
充分に厚くし、ヘリカル強度を強くしたりする必要があ
る。これは光の散乱を種々の液晶分子配列に因っている
からである。つまり、充分に光を散乱させるためには、
例えば、ヘリカル構造の分子配列をもつコレステリック
相の場合、入射光方向に対し、あらゆる方位にヘリカル
軸をもつ必要性が生じる。このように、多数の方位のヘ
リカル軸をもたせるためには、液晶相厚を厚くしなくて
はならない。また、有機電解質などの導電性物質を溶解
したNn液晶を用い、低周波で高電圧を印加することに
より散乱性を得る手段(一般にDS効果という)が提案
されているが、これも充分な散乱性を得るためには、前
記問題点を伴わねばなし得ない。無論、相転移を熱光学
効果による場合も同様である。
【0009】また、これら各種の相転移を利用した方式
では、光散乱状態と光透過状態とで液晶の分子配列が著
しく異なり、このため、前記2種の状態の相互変化を電
界制御でなし遂げる場合、その電気光学特性にヒステリ
シスが生じてしまう。このヒステリシスが生じる原因に
は諸説があり明確にされていないが、分子配列が著しく
異なると発生し、また、電界を印加していない状態で光
散乱状態(液晶の分子配列が微細なドメインの集合体と
なっている状態)を形成している場合に発生しやすいこ
とがわかっている。
【0010】また、図5に示すように基板1、2間で挾
持されたポリマー3内に多数のカプセルを形成して、こ
の中に液晶4を封入したカプセル状構造、や繊維状ポリ
マーの間に液晶を分散させた繊維状ポリマー構造を用い
て散乱性を高める高分子分散型LCDが提案されている
が、高い散乱性、充分に低い駆動電圧と応答速度など必
要な特性を得るには至っていない。これは、そのポリマ
ーの形状に製法上、および原理から、ポリマーと液晶層
との混合比に制約があり、やはり、要求される駆動特性
を満足しようとすると、充分な散乱性を得られないため
である。
【0011】また、これらの方式においても光散乱状態
と光透過状態とで液晶の分子配列が著しく異なるため、
前述したように電気光学特性にヒステリシスが生じてし
まう。これに対し散乱状態における液晶分子配列をある
程度制御(例えばカプセル内面における液晶分子配列を
制御するためにポリマーに疎水性の物質を混合する等)
し、前記ヒステリシスを軽減させることも可能である
が、このことは同時に光散乱を弱めることとなり、実用
的でない。
【0012】カプセル状の高分子分散型のNCAP形L
CDは散乱モードの液晶表示素子であり、偏光板をもち
いないため、明るく、広い視認角を示し、自動車機器
や、投影型表示器などに応用されている。しかしなが
ら、外部から印加した電圧は有機高分子と液晶とに分圧
され、液晶には印加電圧の一部しか印加されず、実用的
には動作電圧が高まり問題であった。また、充分な光の
散乱を得るには、液晶厚を充分厚くする必要があり、応
答速度も極めて遅いといった問題点をもっているため表
示量(画素数)の多い表示素子への応用は困難とされて
いた。さらに、その印加電圧−透過率特性にヒステリシ
スがあり、マルチプレクス駆動することが困難など実用
的に問題があった。これと同様の動作原理で動作する繊
維状ポリマーの網目状有機高分子中に液晶を保持した高
分子分散形LCDにおいても、同様の問題があった。
【0013】また、光を散乱させる手法として、2枚の
電極付基板の表面において種々の方向に液晶分子を配列
させるよう微細な領域毎に配向処理を行い、これらを内
面として対向させた間隙に液晶を挟持させることも考え
れらるが、これも前記ヒステリシスの問題を解決する手
段とはならないし、また、こうした構成を実現する手段
は見出だされておらず、現実的な手法とはなっていな
い。こうした構成が実現できない理由は微細な領域毎に
配向処理方向(例えばラビング方向)を異ならせること
が困難であるからである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、従来
の液晶表示素子は透過率が低く、視角依存性をもつか、
高い駆動電圧を要し、応答速度も遅いといった問題点を
もっていた。
【0015】したがって、光を散乱させる手段として、
光散乱状態を得るために液晶以外の媒体を必要とせず、
なおかつ、光透過状態とで液晶の分子配列が著しく異な
らず、良好な光散乱状態を得るような構成であり、なお
かつ、製法上制約がない構成であれば前述した問題点は
発生しない。
【0016】本発明はこの条件を満足する新規な構成を
提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】課題を解決する本発明の
液晶表示素子は、対向して複数の画素を形成する電極を
それぞれ有する2枚の基板間にネマティック液晶組成物
からなる液晶層を挟持し、前記両基板の電極が画素毎
に、最も広い幅が50μm以下である微細な領域を単位
とした導電体部と非導電体部からなり、両基板間で一方
の電極の導電体部と他方の電極の非導電体部の少なくと
も一部が対向して配置されてなることを特徴とした液晶
表示素子において、電界および磁界等の外力により、前
記液晶分子のチルトする方向が2方向以上となり得るよ
うに前記両基板表面における液晶分子配列が、前記両基
板に対し実質的に平行平行(実質的にプレチルト角=0
°)とした分子配列である。さらに液晶分子のねじれ角
θが0°≧θ≦270°であることを特徴とする。
【0018】
【作用】本発明は液晶をプレチルト角α0 を実質的に0
°として液晶分子を基板面に平行に配列させた場合に、
横電界成分をもつ印加電圧の有無によって液晶分子の向
きが変化することを利用して光散乱効果を高めるように
したもので、電極の微小領域内に導電体部と非導電体部
を形成し、基板間で、液晶層を挾んで相対向する一方の
電極の導電体部と他方の電極の非導電体部を対面させた
ものである。
【0019】すなわち本発明はこの分子配列構造にあ
る。図1に本発明の一実施例構造を示す。 図1(a)
は本発明の液晶表示素子の構造を実現する上下基板の電
極構造の一例および配向方向の一例(この例の場合、液
晶層はねじれを持たない配列となるように液晶組成物と
してカイラル剤を混入していない誘電異方正が正のネマ
テッィク液晶を用いる。)を説明した斜視図であって、
図1(b)はその断面図であり、上下基板の画素電極間
に電圧を印加した際の電界のかかる方向(点線で示す)
および液晶分子の立ち下がる方向を概念的に説明した図
である。図1(c)は本構成の分子配列を示す図であ
る。図1(c)に示す分子配列は、上下基板表面上の液
晶分子は基板にほぼ平行になるように配向処理されてお
り、図1の例では、(a)に示すように、フロント基板
すなわち上基板の分子配列をF(実線の矢印)となるよ
うにして、リア基板すなわち下基板2の分子配列をR
(破線の矢印)となるように配向処理した場合である。
この構成において、誘電異方性が正のネマティック液晶
を充填すると、液晶分子Mは図1(c)のように、上基
板から下基板にかけて、液晶層の厚さ、全長にわたっ
て、一定かつ一様に、基板表面に対し、ほぼ平行すなわ
ち約0°で配列した分子配列となっている。
【0020】そこで、本実施例を示す図1(b)のよう
に、上電極13を複数のストライプ状導電体部13aを
非導電体部13bを介して等間隔に配置した電極パター
ンとし、同様に下電極14を複数のストライプ状導電体
部14aを非導電体部14bを介して等間隔に配置した
パターンとして、これら電極を相対向させたときに、一
方の電極の導電体部13aまたは14aが他方の電極の
非導電体部14bまたは13bに対向するように基板間
に間隙を形成するように重ねる。 この場合、上下基板
の液晶配向方向が上下基板に対して平行になるように配
向処理しておく。この結果、無電圧印加時は、液晶は上
下基板に対してほぼ平行に配列した状態を整然と保持す
るが、電圧印加時は導電体部が上下電極でずれているた
めに、電極間に横電界成分をもつ斜め電界が発生し、図
示のように交互に傾斜方向を変えた電気力線eを形成す
る。液晶分子Mは電気力線にそって起き上がり配列する
から右上がり斜め電界と左上がり斜め電界との境界で液
晶配列が不連続となりディスクリネーションラインDL
が発生する。このDLが僅かな液晶分子配列変化によっ
て生じる配列不連続点であることから、一般的なメモリ
ー性の強い電界印加時のディスクリネーション出現現象
と区別するために以下「ウォール」と称する。
【0021】こうした分子配列では、電界の印加の仕方
によってはその分子のチルト方向が図示するごとく、2
方向となる。これは電圧を印加していない状態での液晶
分子配列が液晶層の上半分と下半分で対称な形をしてい
ることによっている。つまりは、液晶分子のチルト方向
が2以上の自由度を持っていることによる。よって、電
圧を印加した際にのみ図示するように、分子のチルト方
向の境界部(図中DL)にディスクリネーションライン
(ウオール)を発生させることができ、入射光を散乱さ
せる機能を得ることができるわけである。
【0022】本発明に提案する液晶分子配列は、実質的
に上下基板表面における液晶分子が、実質的に前記上下
基板に対し、ほぼ平行すなわち約0°(プレチルト角α
0=0゜)で配列した分子配列であればよいわけであ
る。つまり、たとえプレチルト角α0 が0゜でなくても
(例えば0.2゜)、その配向規制力(例えばアンカリ
ングエネルギ−)が弱ければ、こうしたプレチルトを得
る方位にかかわらず液晶分子のチルト方向は2方向の自
由度を持つこととなる。よって、本発明に提案する液晶
分子配列は、配向処理として、極めて弱いラビング処理
を用いることも、実用上有効であるといえる。
【0023】こうした分子配列として、一画素内で電極
の導電体部と非導電体部を微細に多数形成すれば液晶分
子の起き上がる方向が微細に分割されるから、一画素内
に多数のウォールDLを発生することができて、この部
分で光散乱をおこさせることができる。光散乱領域は境
界部を中心に幅5乃至30μmであるので、微細な領域
の大きさをこの値の範囲で一致させるように、またはそ
れよりも小さな値になるように分割すれば一画素全面に
おいて光を散乱することができ、また電圧を印加してい
ない状態では液晶分子は全面連続的な配列をなすので、
光透過状態を得ることができる。したがって、本発明に
よれば、電圧無印加時に光透過状態、電圧印加時に光散
乱状態を得る電界制御を行うことができる。
【0024】また、本発明のLCDでは基板表面におけ
る液晶分子のチルト方向(プレチルト方向)を制御する
必要がない。つまり、ラビング処理を必要としない。よ
って、ラビング処理による静電気起因の不良を防止する
ことができ、その分、生産性があがる。
【0025】また、本発明の液晶表示素子は僅かな液晶
分子配列変化によって光透過状態と光散乱状態の2状態
を得るので電気光学特性にヒステリシスを生じない。
【0026】また、液晶のねじれ角度(0°を含む)の
違いによって、前述の領域の境界の分子配列状態の組み
合わせも異なるため、種々の組み合わせが可能となり、
電気光学特性の急峻なものや、なだらかなものなど、種
々実現可能である。ただし、ねじれ角を270°よりも
大きくすると、電圧印加状態から無印加状態に切り換え
た時、電圧印加状態の分子配列をメモリーすることがあ
る。これは結果的に電気光学特性にヒステリシスを生じ
させることとなるので好ましくない。したがって本発明
の液晶表示素子の液晶のねじれ角は0°乃至270°と
するのがよい。
【0027】また、本発明の液晶表示素子をねじれ角0
°で作製し、直交した2枚の偏光板間に各ラビング方向
(セル平面で考えて上下基板で同一方向である)と一方
の偏光板の吸収軸が平行となるように組み合わせると、
散乱光源を用いた場合でも透過型のディスプレーとなり
得る。この場合、複屈折効果を利用した光学モードとな
り、前述した透過率は低下するが、光透過状態を液晶層
の光散乱状態によって実現するため視角依存性が少ない
といった効果を得る。特に階調表示をした際に表示が反
転するような現象が生じないため、直視型のディスプレ
ーとして、従来のTN−LCD等より優れた表示特性を
得ることができる。
【0028】また、本発明の液晶表示素子は、液晶層の
光散乱状態を僅かな液晶分子配列変化によって実現する
ことができるので、印加電圧は極めて小さい値となる。
このため低電圧駆動が可能となるといった利点も得るこ
とができる。
【0029】
【実施例】以下本発明の液晶表示素子の実施例を説明す
る。
【0030】(実施例1)図1は本実施例を示し、図1
(a)は上下電極のパターンを示す斜視図、図1(b)
は電極を相対向させた液晶セルの略断面図、図1(c)
は電圧無印加時の液晶分子の配列を説明する略図であ
る。
【0031】RGBカラーフィルターのついたガラス製
の上基板11の一方の面全面にITOの透明共通電極1
3が形成され、その表面にポリイミドの上配向膜(商品
名AL−1051、日本合成ゴム製)15を600オン
グストローム厚で積層している。他方のガラス製の下電
極12の一面にITOでできた画素単位でモザイク状に
配置された300μm×300μmの画素電極14が設
けられ、表面にポリイミドの下配向膜(AL−105
1)16が600オングストローム厚で積層され、18
0°C、30分、焼成する。これを電極のストライプ方
向と直交するように幅2.5μm、間隙2.5μmで
5.0μmピッチのストライプにフォトエッチングでパ
ターン化し、上電極13は一画素pごとに幅2.5μm
の複数のスリットすなわち非導電部13bを有して幅
2.5μmの導電部13aを5μmピッチでストライプ
状に配列したパターンでなり、一画素300μm幅の中
に複数本の導電部13aを形成している。
【0032】相対する下電極14も同じく2.5μm幅
の導電部14aと2.5μm幅の非導電部14bを等間
隔で配置したストライプパターンを有し、300μm幅
内に複数本の導電部14aを形成している。
【0033】これら電極の導電部は上下基板を相対させ
た状態で相互に2.5μmずらしてあり、一方の電極の
導電部13aまたは14aが他方の電極の非導電部14
bまたは13bに対面する。
【0034】下電極14はTFTスイッチング素子17
を有し、ゲート線18と信号線19に接続される。
【0035】上下配向膜15、16を配向処理して実質
的なプレチルト角α0 が0°で基板に平行でしかも、上
下基板の配向方向F、Rを図示のように電極の導電部に
直交するように、かつ同一方向とする。上下基板の間隙
を10μmとしてセルを形成する。この基板間隙に誘電
異方性が正のネマティック液晶(ZLI−3926、メ
ルクジャパン製)を充填し、液晶層20とする。この液
晶はΔnが0.2030と大きく、液晶層を10μmと
厚く選択することと共に光散乱性を高めている。
【0036】このようにして得られた本発明の液晶表示
素子にTFT17を介して電源21から電圧を印加して
電気光学特性(透過率−印加電圧曲線)を測定した。電
圧印加により、電極間に横電界成分をもつ電界が発生
し、一画素の微小な範囲で横電界成分の方向が変化する
から、液晶層20の液晶分子Mが電界に応じて配列を変
化する。したがって、液晶配列の境に多数のウォールD
Lが発生して光散乱状態を作りだす。
【0037】透過率−印加電圧曲線を求めるために、液
晶表示素子にHe−Neレーザー光を入射させ、透過率
を測定した。光のスポット径は2mmで、透過したレー
ザー光は液晶表示素子から距離20cmのところにある
フォトダイオードにより検出した。図4に0Vから徐々
に印加電圧を5Vまで増加、5Vから徐々に0Vまで減
少させていったときの透過率−印加電圧曲線を示す。電
圧を印加していない状態(0V印加)では透過率約80
%(ガラス基板2枚の透過率)を示した。また、印加電
圧2.6Vでは最少透過率0.4%と良好な散乱状態が
得られた。また、図からあきらかなように電気光学特性
にヒステリシスは全くなかった。また、印加電圧2.6
Vおよび0Vにて、応答速度を測定したところ立ち上が
り6msec、立ち下がり21msecと極めて速い値
を得た。
【0038】(実施例2)図2に本実施例を示す。ここ
で実施例1と同一符号は同一部分を示す。
【0039】上下基板は、実施例1と同様の基板を用
い、実施例1同様に配向膜(商品名AL−1051、日
本合成ゴム製)を塗布(膜厚600オングストローム)
し、180°C、30分の焼成の後、図2(a)に示す
ように、上電極は電極ストライプパターンに対して4
2.5°の角度で電極5μm(ライン、スペース:2.
5μm、2.5μm)のストライプパターンにパターニ
ングして、下電極は電極ストライプパターンに対して−
42.5°の角度で電極5μm(ライン、スペース:
2.5μm、2.5μm)のストライプパターンにパタ
ーニングしたことにより、実用的なα0 =0°であり、
基板表面での液晶分子配列方向が、図2(b)に示す方
位となり、液晶分子のねじれ角が85°となるよう配向
処理をなしえた。液晶層厚が10μmとなるようにし
て、これら基板間に誘電異方性が正の液晶材料として、
実施例1と同様の液晶(ZLI−3926、メルクジャ
パン製)(Δn=0.2030)を挟持した。この結果、ねじ
れ角左ねじれ85°の本発明の液晶表示素子を得た。
【0040】ここで、液晶層厚を厚くし、液晶組成物の
Δnを大きくしたのは、光散乱状態における光散乱性を
高めるためである。
【0041】このようにして得られた本発明の液晶表示
素子にTFTを介して電圧を印加して電気光学特性(透
過率−印加電圧曲線)を測定した。透過率−印加電圧曲
線を求めるために液晶表示素子にHe-Ne レーザー光を入
射させ、透過率を測定した。光のスポット径は2mmで、
透過したレーザー光は液晶表示素子から距離20cmのと
ころにあるフォトダイオードにより検出しところ、印加
電圧2.7Vでは最小透過率0.4%と良好な散乱状態
が得られた。また、電気光学特性にヒステリシスは全く
なかった。また、印加電圧2.7Vおよび0Vにて、応
答速度を測定したところ立上がり6.5msec、立ち
下がり22msecと実施例1と同様に極めて速い値を
得た。
【0042】(実施例3)図3に本実施例を示す。ここ
で実施例1と同符号は同一部分を示す。上下基板は、実
施例1と同様の基板を用い、実施例1同様に、配向膜
(AL−1051、日本合成ゴム製)を膜厚600オン
グストロームで塗布し、180℃30分の焼成の後、図
3に示すように、上電極13は電極ストライプパターン
に対して45°の角度で電極5μm(ライン&スペー
ス:2.5μm&2.5μm)のストライプパターンに
パターニングして、下電極14は電極ストライプパター
ンに対して−45°の角度で電極5μm(ライン&スペ
ース:2.5μm&2.5μm)のストライプパターン
にパターニングしたことにより、実用的なα0 =0°で
あり、基板表面での液晶分子配列方向が、図3(b)に
示す方位となり、液晶分子のねじれ角が90°となるよ
う配向処理をなしえた。液晶層厚が10μmとなるよう
にして、これら基板間に誘電異方性が正の液晶組成物
(ZLI−3926、メルクジャパン製)(Δn=0.20
30)に左ねじれのカイライル剤(S−811、メルクジ
ャパン製)を0.1wt%混合したものを挟持した。こ
の結果、ねじれ角左ねじれ90°の本発明の液晶表示素
子を得た。
【0043】ここで、液晶層厚を厚くし、液晶組成物の
Δnを大きくしたのは、光散乱状態における光散乱性を
高めるためである。
【0044】このようにして得られた本発明の液晶表示
素子にTFTを介して電圧を印加して電気光学特性(透
過率−印加電圧曲線)を測定した。透過率−印加電圧曲
線を求めるために液晶表示素子にHe-Ne レーザー光を入
射させ、透過率を測定した。光のスポット径は2mmで、
透過したレーザー光は液晶表示素子から距離20cmのと
ころにあるフォトダイオードにより検出しところ、印加
電圧2.8Vでは最小透過率0.4%と良好な散乱状態
が得られた。また、電気光学特性にヒステリシスは全く
なかった。また、印加電圧2.8Vおよび0Vにて、応
答速度を測定したところ立上がり7msec、立ち下が
り23msecと実施例1と同様に極めて速い値を得
た。
【0045】なお、実施例においては、特有の材料を用
い、特有の製法にて本発明の液晶表示素子を作製した
が、本発明の作用を得る材料および、条件であれば同様
の効果を得ることは言うまでもないく、また、用いるス
イッチング素子としては、MIMの素子など他の素子で
あっても、また、素子を用いない単純マトリクス電極構
造からなる表示素子であっても、同様の効果を得ること
はいうまでもない。
【0046】さらに電圧印加以外に、磁気印加など他の
外力を利用することができる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、散乱特性が高く、駆動
電圧の低い、明るくコントラスト比の高い階調性に優れ
た液晶表示素子や、階調表示しても表示が反転する視角
のない極めて広い視角依存性である液晶表示素子が得ら
れる。
【0048】これら本発明を用いた液晶表示素子は、T
FT駆動による大表示容量のディスプレ−に適し、ま
た、優れた散乱特性が得られることから投射型ディスプ
レ−への応用に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示素子の一実施例を説明する図
で、(a)は電極の斜視図、(b)は作用説明の断面
図、(c)は液晶分子の配列状態を説明する略図。
【図2】本発明の他の実施例を説明するもので、(a)
は電極配置の斜視図、(b)は上下基板の配向方向を示
す略図。
【図3】本発明の他の実施例を説明するもので、(a)
は電極配置の斜視図、(b)は上下基板の配向方向を示
す略図。
【図4】本発明の実施例の透過率−印加電圧特性を示す
曲線図。
【図5】従来装置の略断面図。
【符号の説明】
11…上基板 12…下基板 13…上電極 13a…導電体部 13b…非導電体部 14…下電極 14a…導電体部 14b…非導電体部 15、16…配向膜 20…液晶層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 羽藤 仁 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向して複数の画素を形成する電極をそ
    れぞれ有する2枚の基板間にネマティック液晶組成物か
    らなる液晶層を挟持し、前記両基板の電極が画素毎に、
    最も広い幅が50μm以下である微細な領域を単位とし
    た導電体部と非導電体部からなり、両基板間で一方の電
    極の導電体部と他方の電極の非導電体部の少なくとも一
    部が対向して配置されてなることを特徴とした液晶表示
    素子において、電界および磁界等の外力により、前記液
    晶分子のチルトする方向が2方向以上となり得るように
    前記両基板表面における液晶分子配列が、前記両基板に
    対し実質的に平行(実質的にプレチルト角が0°)とし
    た分子配列であることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 液晶分子のねじれ角θが0°≦θ≦27
    0°であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素
    子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011209454A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Toshiba Mobile Display Co Ltd 液晶表示装置

Cited By (3)

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US8542329B2 (en) 2010-03-29 2013-09-24 Japan Display Central Inc. Liquid crystal display device
US8687134B2 (en) 2010-03-29 2014-04-01 Japan Display Inc. Liquid crystal display device

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