JP3524594B2 - メタクリル系樹脂の製造方法 - Google Patents

メタクリル系樹脂の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、メタクリル系樹脂の製
造方法に関し、より詳しくは、無色で、かつ透明性に優
れたメタクリル系樹脂の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】メタ
クリル系樹脂は、透明性、耐侯性、機械的性質等に優れ
た性質を有するため、照明材料、光学材料、看板、ディ
スプレイ、装飾部材、建築材料等の多くの分野に使用さ
れている。 【0003】一般にメタクリル酸エステルの重合におい
ては、アゾニトリル系あるいはパーオキサイド系の重合
開始剤が、用いられているが、多量に使用した場合にア
ゾニトリル系の重合開始剤はパーオキサイド系の重合開
始剤に比べて重合体の製造時あるいは製品の熱加工時に
発泡しやすい等の欠点があることから、メタクリル酸エ
ステルの重合においてはパーオキサイド系の重合開始剤
が有利に使用され、それを用いた重合方法もいくつか提
案されてきている(例えば、特開昭56−145007
号公報、特開昭61−181813号公報、特開平4−
7301号公報等)。 【0004】しかし、パーオキサイド系の重合開始剤に
おいても、特開平4−7301号公報に記載されている
ジアシルパーオキサイド、パーオキシカーボネート等の
パーオキサイド系の重合開始剤は重合時にある種の着色
剤を退色させるという欠点がある。このため、メタクリ
ル酸エステルの重合においては、特開昭56−1450
07号公報に記載されているようなパーオキシエステル
型の過酸化物からなる重合開始剤が主に使用されてい
る。 【0005】一方、メタクリル酸エステルの重合におい
ては重合体溶液の粘度を調節したり、あるいは得られる
重合体の分子量を低減させて熱成形性等を向上させるた
めに連鎖移動剤として知られるメルカプタンが使用され
る。ところが、メタクリル酸エステルをパーオキサイド
系の重合開始剤とメルカプタンとの併用系で重合させた
場合、得られる重合体が黄色に帯色するという問題が生
じる。 【0006】本発明者らはこの問題についてさらに検討
した結果、メタクリル酸エステルと1官能第1級メルカ
プタンとパーオキシエステル系過酸化物を共存させた重
合条件下で着色が生じること、着色は1官能第1級メル
カプタンの種類で異なること、またこの様な重合条件下
ではメルカプタンの連鎖移動反応が阻害されること等を
突き止めた。さらにこの様な重合条件下では分光透過率
において近紫外域に吸収が生じることがわかった。例え
ば1官能第1級メルカプタンとしてn−アルキルメルカ
プタンを使用し、後述するパーオキシエステル系過酸化
物を併用してメタクリル酸メチルを重合すると樹脂は黄
色く着色する。そしてこの時パーオキシエステルの種類
によらず、またn−アルキルメルカプタンの炭素数にも
よらず約308nmから310nmを中心波長とする吸
収が生じる。一方、ベンジルメルカプタンやチオグリコ
ール酸エステルのようにn−アルキルメルカプタンとそ
の構造が大きく異なる1官能第1級メルカプタンの場合
は着色の色および吸収スペクトルが異なる。そして1官
能第1級メルカプタンの使用量およびパーオキシエステ
ル系過酸化物の使用量が多くなるほど着色の度合いおよ
び、近紫外域での吸収はいずれも大きくなる。 【0007】この問題を回避する方法として、特開平4
−3312125号公報に酸性アルキルリン酸エステル
を添加する方法が開示されている。しかしながら、上記
の方法を用いて鋳込重合によりメタクリル樹脂板を製造
した場合、鋳型面と樹脂との離型性は向上するものの、
鋳型面が汚染された状態になる。特に鋳型が金属性であ
る場合には、酸性物質である酸性アルキルリン酸エステ
ルの付着が原因で腐食を生じさせるおそれがある。その
ために、鋳込重合においては鋳型の洗浄等の管理に多大
な労力を費やすとともに、腐食がひどい場合には鋳型の
使用が困難となる。 【0008】したがって、本発明の目的は、酸性アルキ
ルリン酸エステルを使用することなしに、無色で、かつ
透明性に優れたメタクリル系樹脂を製造できる方法を提
供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる目
的を達成するために鋭意検討を進めた結果、メタクリル
酸エステルを主成分とする重合性単量体またはその部分
重合体に、第1級のメルカプタンを添加し、パーオキシ
エステル系過酸化物の存在下で重合させるにあたり、特
定の化合物を添加混合することにより、上記の目的が達
成できることを見い出し本発明に至った。 【0010】すなわち、本発明は、メタクリル酸エステ
ルを主成分とする重合性単量体またはその部分重合体
に、分子内に−SH基を1個を有する第1級メルカプタ
ンの少なくとも1種を添加し、下記の一般式(I)また
は(II) 【0011】 【化3】 【0012】 【化4】 で表わされる少なくとも1種のパーオキシエステル系過
酸化物を含むラジカル重合開始剤の存在下で重合するに
あたり、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、マレ
イン酸、無水マレイン酸、トリフェニルホスフィン、ト
リアルキルホスフィン、酸化トリフェニルホスフィン、
酸化トリアルキルホスフィン、トリフェニルホスファイ
ト、トリアルキルホスファイト、エチレンジアミン、2
−メルカプトベンゾチアゾール、リン酸、ポリリン酸か
ら選ばれる少なくとも1種の化合物を0.0005〜
0.5重量%添加混合することを特徴とするメタクリル
系樹脂の製造方法にある。 【0013】本発明でいうメタクリル酸エステルを主成
分とする重合性単量体あるいはその部分重合体とは、メ
タクリル酸エステル単独もしくはメタクリル酸エステル
50重量%以上とそれと共重合可能な他の重合性単量体
50重量%以下との単量体混合物またはその部分重合物
であって、50重量%以下の重合体固形分を含有するも
のをいう。 【0014】本発明に用いられるメタクリル酸エステル
としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシルなど
の炭素数1〜18の一価のアルコールとメタクリル酸と
のメタクリル酸エステルが挙げられる。これらの中でも
本発明の効果が充分に発揮される点からメタクリル酸メ
チルおよびメタクリル酸シクロヘキシルの使用が好まし
い。メタクリル酸エステルは1種でまたは2種以上を混
合して用いられる。 【0015】また、本発明において上記のメタクリル酸
エステルと共重合可能な他の重合性単量体としては、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどの炭素数1〜1
8個の一価アルコールとアクリル酸とのアクリル酸エス
テル;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能
(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン
等の芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、ジビニル
ベンゼン等が挙げられる。これら単量体は1種でまたは
2種以上を混合して用いられ、その使用量はメタクリル
酸エステルとの単量体混合物中50重量%以下である。
使用量が単量体混合物中、50重量%を超えるとメタク
リル樹脂としての特性が失われるようになる。 【0016】本発明において用いられる分子内に−SH
基を1個有する第1級メルカプタンとしては、n−ブチ
ルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン、n−オク
チルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−ス
テアリルメルカプタンなどの第1級n−アルキルメルカ
プタン、あるいはチオグリコール酸や3−メルカプトプ
ロピオン酸のエステル類、あるいはチオグリコールのエ
ステル類、あるいはベンジルメルカプタンやフルフリル
メルカプタンなどが挙げられる。本発明において、第1
級のメルカプタンの代りに第2級、第3級メルカプタン
を使用する場合は酸性リン酸エステルあるいは本発明で
使用するアセチルアセトンを始めとする化合物(A)の
有無にかかわらずメタクリル系鋳込み樹脂板の着色の問
題はほとんど生じないことがある。例えばt−ドデシル
メルカプタンの使用でこの問題を回避することも可能で
ある。しかしながら第2級、第3級メルカプタンは第1
級メルカプタンに比較して連鎖移動の働きが劣るために
同じ分子量のメタクリル系鋳込み樹脂板を得るためには
使用量が大きくなりコスト的に不利である。さらにメル
カプタンの臭いの問題は重合完了までの原料の扱いを煩
わしくし、また未反応のメルカプタンが多量に樹脂中に
残った状態では、樹脂の切断加工時に臭いを発散させる
という問題もあるため好ましくない。 【0017】本発明における第1級メルカプタンの使用
量は、メタクリル酸エステルを主成分とする重合性化合
物またはその部分重合体100重量部に対して通常0.
01〜0.5重量部の範囲である。第1級メルカプタン
の使用量が0.01重量部未満では得られる重合体の分
子量が大きくなり、逆に、その使用量が0.5重量部を
超えると得られる重合体の分子量が小さくなり機械的強
度等が低下するようになる。好ましい使用量は、0.0
1〜0.1重量部の範囲である。 【0018】また、本発明において用いられる重合開始
剤としては、上記の一般式(I)または(II)で示され
るパーオキシエステル系過酸化物である。 【0019】その具体例として、(α,α’−ビス−ネ
オデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ク
ミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3,−
テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−
シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカ
ノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、
t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシル
パーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオヘキ
サノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサ
ノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−アミ
ルパーオキシピバレート、1,1,3,3,−テトラメ
チルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、
2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノ
イルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−
メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、
t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t
−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパー
オキシイソプロピルモノカーボネート、t−ビチルパー
オキシ3,5,5−トリ−メチルヘキサノエート、t−
ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,
5−ビス(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−
ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−
ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネー
ト、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジ
メチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサ
ン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパー
オキシm−トルオイルベンゾエート、t−ブチルパーオ
キシベンゾエート、ビス−t−ブチルパーオキシイソフ
タレート、2,4,4−トリメチルペンチルパーオキシ
−フェノキシアセテート、ジ−t−ブチルパーオキシヘ
キサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキ
シアゼレート、ジ−t−ブチルパーオキシ−トリメチル
アジペート等が挙げられ、これらは1種でまたは2種以
上を混合して用いられる。上記のパーオキシエステル系
過酸化物の中でも特に好ましいものとしては、10時間
半減期を得るための分解温度が35〜65℃の範囲にあ
るものが好ましく、その例としてt−ブチルパーオキシ
ネオデカノネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノ
ネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−アミル
パーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレ
ート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、t−ブチルパーオキシイソブチレート等が挙げられ
る。 【0020】パーオキシエステル系過酸化物の使用量
は、メタクリル酸エステルを主成分とする重合性単量体
またはその部分重合体100重量部に対して0.01〜
1.0重量部の範囲である。使用量が0.01重量部未
満では充分な重合を行うことができず、またその使用量
が1.0重量部を超える場合には重合体の重合度が低下
し、また重合の制御が困難となる。 【0021】本発明においては、上記のパーオキシエス
テル系過酸化物が重合開始剤として必須成分と用いられ
るが、本発明の目的を阻害しない範囲において、他の重
合開始剤を併用することが出来る。併用できる他の重合
開始剤としては、例えば2,2’−アゾビス−(2,4
−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスイソブチロニト
リル等のアゾビス系開始剤や、ジラウロイルパーオキサ
イド、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタン等
のパーオキシエステル系以外の過酸化物系開始剤などを
挙げることができる。 【0022】また、本発明において用いられる化合物
(A)は、得られるメタクリル系樹脂の着色を防止する
ために添加混合されるものである。使用し得る化合物
(A)としては、例えばアセチルアセトン、ベンゾイル
アセトン等のβ−ジケトン類;マレイン酸、無水マレイ
ン酸等の分子中に不飽和二重結合を有するジカルボン酸
類;トリフェニルホスフィン、酸化トリフェニルホスフ
ィン等のホスフィンまたはその酸化物;トリブチルホス
フィン、トリオクチルホスフィン、酸化トリブチルホス
フィン、酸化トリオクチルホスフィン等のトリアルキル
ホスフィンまたはその酸化物;トリフェニルホスファイ
ト;トリブチルホスファイト等のトリアルキルホスファ
イト;エチレンジアミン;2−メルカプトベンゾチアゾ
ール;リン酸、ポリリン酸等のリン化合物などが挙げら
れる。しかし、β−ジケトン類の中のジベンゾイルメタ
ンやアセト酢酸エチル、ジカルボン酸類の中のマレイン
酸モノエチル、マレイン酸ジエチル、イタコン酸、さら
にリン化合物の中のリン酸トリ−n−ブチル等は本発明
においては効果が見られない。化合物(A)のうち、ベ
ンゾイルアセトン、アセチルアセトン、2−メルカプト
ベンゾチアゾール等はそれ自体紫外域の吸収を生じるの
で、紫外域を含めて高い光線透過率を得たい場合は、そ
れ以外の化合物(A)を選択すればよい。 【0023】化合物(A)の添加量は、メタクリル酸エ
ステルを主成分とする重合性単量体またはその部分重合
物に対し0.0005〜0.5重量%の範囲である。添
加量が0.0005重量%未満では、無色透明なメタク
リル系樹脂板が得られず、一方、添加量が0.5重量%
を超える場合にはメタクリル系樹脂板の加熱成形等に対
して悪影響を与えるようになるので好ましくない。好ま
しくは0.005〜0.2重量%の範囲である。 【0024】なお、本発明においては、必要により、着
色に影響を及ぼさない添加剤、例えば紫外線吸収剤、光
安定剤、離型剤などを添加することができる。 【0025】本発明のメタクリル系樹脂を得るための重
合方法は、特に限定されず、公知の塊状重合、懸濁重
合、溶液重合等が採用される。 【0026】 【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を具
体的に説明するが、「部」とあるのは「重量部」を意味
する。なお、実施例および比較例における各種物性の評
価は下記に示す方法を用いて行った。 (1)着色 重合して得た厚さ3mmの樹脂板を大きさが50mm×
200mmである短冊状の試験片に切り出した。そし
て、その短冊状試験片の短辺(50mm)を研磨した
後、その後部に白紙を当てて研磨面を観察して着色の有
無を判定した。 (2)透過率 (株)島津製作所製、紫外可視自記分光光度計(UV−
160)により、厚さ3mmの樹脂板について310n
mおよび500nmの波長における透過率を測定した。 (3)重量平均分子量 重合によって得られた樹脂をテトラヒドロフランに溶解
させて、濃度2.4mg/mlの試料溶液を調整し、島
津製作所製、LC−6AにてGPC(ゲル浸透クロマト
グラフィ)測定を行った。測定結果から標準ポリスチレ
ン分子量によって得られた検量線をポリメタクリレート
に換算したものを用いて重量平均分子量を算出した。 【0027】[実施例1]冷却管、温度計および撹伴機
を取り付けたセパラブルフラスコにメタクリル酸メチル
3000部を入れた後、撹伴しながら加熱し、内温が8
0℃になった時点で2−2’−アゾビス−(2,4−ジ
メチルバレロニトリル)1.95部を添加した。さらに
加熱を行い内温が95℃になってから15分間保持した
後、室温まで冷却して、粘度が20℃において10ポイ
ズで、重合率が20%のシラップを得た。このシラップ
500部にt−ヘキシルパーオキシピバレート1.6
部、n−ドデシルメルカプタン0.15部、少量の離型
剤としてジオクチルスルホコハク酸ナトリウム0.01
5部を添加し、さらにアセチルアセトン0.01重量%
を添加溶解した後、吸引瓶とアスピレーターにて脱気し
た後、30cm角の強化ガラス板、スチールクリップ、
ポリ塩化ビニル製ガスケットからつくられたキャスト用
セルに注入し、65℃の水浴中に1時間、さらに130
℃の空気浴中で1時間重合させ厚さ3mmのメタクリル
系樹脂板を得た。表1にこの得られたメタクリル系樹脂
板についての評価結果を示す。 【0028】[実施例2〜13、比較例1〜7]アセチ
ルアセトンに代えて表1に示す種類の化合物(A)と量
を使用した以外は実施例1と同様の方法で重合させてメ
タクリル系樹脂板を得た。表1にこの得られたメタクリ
ル系樹脂板についての評価結果を示す。 【0029】 【表1】【0030】[実施例14〜15、比較例8〜10]冷
却管、温度計および撹伴機を取り付けたセパラブルフラ
スコにメタクリル酸メチルを1435.5部、アクリル
酸n−ブチルを65.5部、n−ドデシルメルカプタン
を0.95部入れた後、窒素バブリングしながら撹伴し
た。その後温水浴で加熱し、内温が80℃になった時点
で2−2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニト
リル)1.5部を添加し、さらに加熱し内温が95℃に
達した時点から14分間保持した後、氷水にて室温まで
冷却し、粘度が20℃において約2000cpsで、重
合率が約26.5%のシラップを得た。このシラップ5
00部に、アセチルアセトンとn−ドデシルメルカプタ
ンを表2に示す量添加し、以後の手法は実施例1とほぼ
同様な操作を行うことにより厚さ3mmのメタクリル系
樹脂板を得た。表2にこの得られたメタクリル系樹脂板
についての評価結果を示す。 【0031】 【表2】 【0032】[実施例16〜17]重合開始剤の種類を
表3に示す如くに変更した以外は実施例1と同様の方法
で重合させて厚さ3mmのメタクリル系樹脂板を得た。
表3にその得られたメタクリル系樹脂板についての評価
結果を示す。 【0033】 【表3】【0034】[実施例18〜19、比較例11]メルカ
プタンおよび化合物(A)の種類を表4の如くに変更し
た以外は実施例1と同様の方法で重合させて厚さ3mm
のメタクリル系樹脂板を得た。表4にその得られたメタ
クリル系樹脂板についての評価結果を示す。 【0035】 【表4】 【0036】 【発明の効果】本発明のメタクリル系樹脂の製造方法に
おいては、特定の化合物(A)が添加混合されるため
に、パーオキシエステル系過酸化物および第1級メルカ
プタンを使用したメタクリル酸エステルの重合において
も無色で透明性に優れたメタクリル系樹脂を得ることが
できる。また、本発明のメタクリル系樹脂の製造方法に
おいては、酸性アルキルリン酸エステルを用いないた
め、鋳込重合においても鋳型を汚染し、また腐食させる
ことがない。さらに、本発明のメタクリル系樹脂板の製
造方法においては、重合開始剤としてパーオキシエステ
ル系過酸化物を使用しているために、重合時に染料や顔
料等の着色剤を退色させることがなく、着色性に優れた
メタクリル系の着色樹脂を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−92319(JP,A) 特開 平7−216007(JP,A) 特開 平4−331215(JP,A) 特開 平4−216806(JP,A) 特開 昭55−5950(JP,A) 特開 昭55−114532(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/00 - 2/60 C08F 20/12

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 メタクリル酸エステルを主成分とする重
    合性単量体またはその部分重合体に、分子内に−SH基
    を1個を有する第1級メルカプタンの少なくとも1種を
    添加し、下記の一般式(I)または(II) 【化1】 【化2】で表わされる少なくとも1種のパーオキシエステル系過
    酸化物を含むラジカル重合開始剤の存在下で重合するに
    あたり、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、マレ
    イン酸、無水マレイン酸、トリフェニルホスフィン、ト
    リアルキルホスフィン、酸化トリフェニルホスフィン、
    酸化トリアルキルホスフィン、トリフェニルホスファイ
    ト、トリアルキルホスファイト、エチレンジアミン、2
    −メルカプトベンゾチアゾール、リン酸、ポリリン酸か
    ら選ばれる少なくとも1種の化合物(A)を0.000
    5〜0.5重量%添加混合することを特徴とするメタク
    リル系樹脂の製造方法。
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