JP2565377B2 - α−メチルスチレン−アクリロニトリル系共重合体の製造方法 - Google Patents

α−メチルスチレン−アクリロニトリル系共重合体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、主として、α−メチルスチレン−アクリロ
ニトリル系耐熱性共重合体を製造するにあたり、着色の
ない透明性の良好な、かつ残留単量体量の少ない、高重
合度共重合体を得るために、重合開始剤として、4官能
性有機過酸化物を用いる工業的に有利な共重合方法に関
する。
(従来の技術) 従来、耐熱性改良のために、即ち熱変形温度が高くか
つ熱安定性の良好な、α−メチルスチレンを多量に含む
アクリロニトリルとの共重合体を得るには、有機過酸化
物を用いる方法があり、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート、t−ブチルパーオキシアセテート、ベンゾイルパ
ーオキサイド等が用いられている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、これらの重合開始剤を用いる方法にお
いては、重合温度のいかんにかかわらず、はなはだ多量
用いる必要があり、従って得られる共重合体は、着色が
激しく、かつその共重合体の重合度が極度に低く、工業
的に満足できる共重合体物性が得られず、実用に乏しい
状況であった。
一方、高重合度でかつ高い重合転化率のα−メチルス
チレン−アクリロニトリル系共重合体を得るには、乳化
重合法が採用されている。しかしながら、得られる共重
合体は確かに高重合度体ではあるが、製法上、乳化剤や
塩析剤等の混入は避けがたく、透明性の点からも満足で
きるものではなく、工業的利用分野には制限がある。こ
れらが、懸濁または塊状重合法による着色のない透明性
良好な熱変形温度の高い共重合体の製造方法の確立が望
まれる理由である。
(課題を解決しようとするための手段) 本発明者らは、α−メチルスチレン−アクリロニトリ
ル系共重合体の製法に際して、特に着色のない、かつ透
明性にすぐれ、高重合転化率で高重合度共重合体を得る
べく、種々の有機過酸化物を探索した結果、特定の構造
を有する4官能性有機過酸化物を用いて重合を行うと極
めて有効であることを見い出し本発明を完成させるに到
った。
即ち本発明は、α−メチルスチレンとアクリロニトリ
ル、あるいはさらにこれらと共重合可能な単量体から選
ばれた少なくとも1種の単量体からなる混合物を共重合
させるにあたり、一般式(I)で表わされる4官能性有
機過酸化物を用いるα−メチルスチレン−アクリロニト
リル系共重合体の製造方法である。
(式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基をまたはフエニ
ル基R1、R2は炭素数1〜2のアルキル基を表わす)。
本発明における一般式(I)で表わされる特定構造を
有する4官能性有機過酸化物、即ちパーケタール類とし
ては、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシク
ロヘキシル)プロパン2,2−ビス(4,4−ジ−t−アミル
パーオキシシクロヘキシル)プロパン2,2−ビス(4,4−
ジ−t−オクチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン
2,2−ビス(4,4−ジ−α−クミルパーオキシシクロヘキ
シル)プロパン2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオ
キシシクロヘキシル)ブタン2,2−ビス(4,4−ジ−t−
オクチルパーオキシシクロヘキシル)ブタンが例示でき
る。これらのパーケタール類は、特公昭40−19013号公
報および特公昭41−19511号公報に記載されている製造
方法に基き比較的容易に合成できる。即ち、一般式(I
I)で表わされるジケトン化合物 (式中、R1、R2は一般式(I)の定義の通りである。)
と第3級ハイドロパーオキサイド例えば、t−ブチルハ
イドロパーオキサイド、t−アミルハイドロパーオキサ
イド、クメンハイドロパーオキサイド、t−オクチルハ
イドロパーオキサイド等とを酸触媒存在下で反応させる
ことにより得ることができる。
重合開始剤としての一般式(I)で表わされる4官能
性有機過酸化物の使用量は、混合物単量体総量に対し
て、0.1重量%〜3.0重量%が好ましい。0.1重量%以下
では重合転化率が上がらず実用的ではない。一方3.0重
量%以上では、重合速度が著しく大きくなり、重合反応
の制御が困難となり、かつ激しい着色が生じる。
本発明になる有機過酸化物は2種混合して用いること
もできる。また本発明になる有機過酸化物は、一般式
(I)で表わされる有機過酸化物を除く他の有機過酸化
物との併用、アゾ系重合開始剤との併用使用も可能であ
る。
着色のない透明性良好にしてかつ高重合転化率・高重
合度共重合体を得るためには、80℃以上120℃未満の温
度範囲で重合を行うことが好ましい。さらには、用いる
有機過酸化物の10時間半減期温度に10℃加算した温度で
重合を行うとなお効果的である。また昇温スキームによ
る重合方法も採用できる。なお、80℃未満の温度域での
重合では転化率が上がらず実用的ではない。一方120℃
以上では、着色が激しく、得られる共重合体の物性は満
足できるものではない。
本発明に使用できる単量体は、主にα−メチルスチレ
ンとアクリロニトリルであり、必要に応じてこれらと共
重合可能な単量体を加えても差しつかえない。α−メチ
ルスチレンは好ましくは40〜80重量%、アクリロニトリ
ルは好ましくは10〜40重量%、共重合可能な単量体は好
ましくは0〜40重量%である。共重合可能な単量体と
は、具体例として、スチレン、エチルアクリレート、ブ
チルアクリレート等のアクリル酸エステル類、メチルメ
タクリレート、ブチルメタクリレート等のメタクリル酸
エステル類、さらには、ビニルトルエン等が上げられ
る。
重合方法については、懸濁重合、塊状重合いずれでも
よく、塊状−懸濁重合方式においても使用できる。
(実施例) 次に本発明を実施例をもって説明する。これらの重合
結果はまとめて表1に示した。実施例の説明に先立ち、
重合方法および共重合体の評価方法につき、以下説明す
る。
重合方法 重合はアンプル法を採用した。即ち所定量のα−メチ
ルスチレン(以下αMSと略す)とアクリロニトリル(以
下ANと略す)を、さらに必要に応じて共重合可能な単量
体を、重合開始剤と共に重合用アンプルに仕込み、チッ
素ガスで置換操作の後、シールした。所定温度に設定し
た油浴中、所定時間重合させ、重合終了後アンプルを取
り出し、冷却した。必要に応じて内容物を取り出し、前
処理の後、それぞれの評価(分析・測定)用試料とし
た。なお、重合開始剤の添加量は重量%(純品換算)で
あり、対単量体総重量で表わした。αMS/ANの仕込み比
率はそれぞれの重量比で表わした。重合の温度スキーム
は、定温形式を、一部の実施例においては昇温形式も用
いた。
共重合体の評価方法 共重合体の重合転化率(%);ガスクロマトグラフ
ィーによる残留αMSおよびAN量の測定結果から逆算して
求めた。
還元粘度(ηsp/C);N,N′−ジメチルホルムアミド
の0.2%溶液を25℃にてウベローデ粘度計にて測定し、
共重合体分子量の比較基準とした。
色相(黄色度:YI);アンプルのまま、色差計を用
い、白色板反射法にて、黄色度として求めた。なおYIと
共重合体の色相(着色の度合)との相関は以下の通りで
ある。
総合判定基準;下記の3項目基準を満たすものを良
好(◎印)とし、3項目中1項目でも満たない場合は不
良(×印)とした。
実施例1〜5. αMS/AN系の塊状重合 表1に示したように、各種有機過酸化物を重合開始剤
として用いて上記の重合方法に従い重合を行った。重合
温度スキームは定温形式である。
実施例6,7. αMS/AN系の塊状重合 表1の如く、実施例6は、昇温重合温度スキームの場
合であり、実施例7は2成分併用開始剤系の場合であ
る。
比較例1〜5. αMS/AN系の塊状重合 いずれも上記の重合方法に基き実施した。比較例1〜
3は、本発明になる有機過酸化物以外の構造を有する有
機過酸化物の使用例であり、比較例4と5はともに本発
明になる重合条件に適合しない場合の例である。
実施例1〜7および比較例1〜5で得られた共重合体
についての諸物性、即ち、転化率・還元粘度・色相を、
重合条件とともに一括して表1に記載した。
実施例8. αMS/AN系の懸濁重合 1の攪拌機付きオートクレーブに脱イオン水300gと
リン酸三カルシウム4gを仕込みチッ素ガスを吹き込みな
がら充分攪拌した。次に2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチ
ルパーオキシシクロヘキシル)プロパン2g、αMSを280
g、AN120gを仕込み、オートクレーブ内をチッ素ガス雰
囲気とした。直ちに加熱し、内容物を100℃まで昇温、1
00℃にて15時間重合を続けた。重合終了後40℃まで冷
却、脱水、乾燥を行ない、得られた共重合体の諸物性を
評価した。その結果、転化率は99.6%、重合平均分子量
(w)は152000、熱変形温度は125℃、また衝撃強度
は2.4kg・cm/cmであった。
比較例6. αMS/AN系懸濁重合 重合開始剤として、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチル
パーオキシシクロヘキシル)プロパンの代わりに、1,1
−ジ−t−ブチルパーオキシ3,3,5トリメチルシクロヘ
キサンを用いた以外は実施例8と同様にして共重合体を
得た。諸物性の評価の結果、転化率が98.9%、重量平均
分子量(w)が123000、熱変形温度が119℃、衝撃強
度は2.0kg・cm/cmであった。
なお、実施例8と比較例6では、共重合体の転化率は
ガスクロマトグラフィー法、重量平均分子量はポリスチ
レンを標準とするGPC法、また熱変形温度および衝撃強
度は、それぞれの試料を、ASTM−D−648、ASTM−D−2
56によりそれぞれ測定した。
実施例1〜8に示した如く、本発明になる有機過酸化
物を重合開始剤として得られた共重合体は、いずれも、
従来の重合開始剤により得られた共重合体に比べて、転
化率がすこぶる高くかつ着色もなく透明性良好な高重合
度体であることがわかった。また懸濁重合で得られた共
重合体は、熱変形温度も高く、同時に衝撃強度も充分大
きいことがわかった。
(発明の効果) 本発明になる有機過酸化物は、1分子中に−OO−結合
即ち重合開始点が4つのいわゆる4官能型であるので、
このような重合開始剤を用いて重合を行うと重合開始が
複数で起こり、生長反応も1分子中の複数で起こるの
で、停止反応の結果得られる重合体は、従来の1官能、
2官能または3官能型の重合開始剤に比べて、より高重
合度の重合体が得られる。従って得られる共重合体の物
性も向上し、かつ着色のない透明性良好な共重合体とな
る。
即ち、本発明により、従来の重合開始剤により製造さ
れた共重合体に比べて、よりすぐれた物性を有する共重
合体の製造が容易となり、工業的利用価値は極めて大き
い。特にポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、AS樹脂では
耐熱性の満足されない用途に適している。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α−メチルスチレンとアクリロニトリル、
    あるいはさらにこれらと共重合可能な単量体から選ばれ
    た少なくとも1種の単量体の混合物を共重合させるにあ
    たり、一般式(I)で表わされる有機過酸化物を用いる
    ことを特徴とするα−メチルスチレン−アクリロニトリ
    ル系共重合体の製造方法。 (式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基またはフエニル
    基、R1、R2は炭素数1〜2のアルキル基を表わす)。
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