JP3502600B2 - ホットランナ金型、射出成形装置、及びホットランナ成形方法 - Google Patents

ホットランナ金型、射出成形装置、及びホットランナ成形方法

Info

Publication number
JP3502600B2
JP3502600B2 JP2000279414A JP2000279414A JP3502600B2 JP 3502600 B2 JP3502600 B2 JP 3502600B2 JP 2000279414 A JP2000279414 A JP 2000279414A JP 2000279414 A JP2000279414 A JP 2000279414A JP 3502600 B2 JP3502600 B2 JP 3502600B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hot runner
nozzle
mold
runner nozzle
molding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000279414A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002086257A (ja
Inventor
毅 山口
隆一 坂本
敏昭 比枝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Steel Works Ltd
Original Assignee
Japan Steel Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Steel Works Ltd filed Critical Japan Steel Works Ltd
Priority to JP2000279414A priority Critical patent/JP3502600B2/ja
Publication of JP2002086257A publication Critical patent/JP2002086257A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3502600B2 publication Critical patent/JP3502600B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマグネシウム合金、
アルミニウム合金、亜鉛合金等の金属射出成形に用いら
れ、金型内加熱ランナ内に溶湯を保持するホットランナ
金型及びその成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ホットランナ金型を使用した従来の金属
射出成形装置を図7〜図10に示す。図7は従来のホッ
トランナ成形において射出前の待機状態を示す断面側面
図であり、図8は従来のホットランナ成形において射出
直前にホットランナを昇温して固体栓を溶解させた状態
を示す断面側面図、図9は従来のホットランナ成形にお
いてキャビティ内に射出して成形材料が冷却固化された
状態を示す側面図、図10は従来のホットランナ成形に
おいてキャビティ内を排気しながら固体栓を溶解させた
ことによって、射出前にホットランナノズル内の溶湯が
キャビティ内に吸い出され、凝固してしまった状態を示
す図である。
【0003】これらの図において、1はシリンダーバレ
ル、2はシリンダーバレル1に設けられたシリンダヒー
タ、3はシリンダバレル1の温度を検出するシリンダ温
度制御用熱電対であり、シリンダーバレル1は、シリン
ダ温度制御用熱電対3により検出された温度が設定温度
に等しくなるようにシリンダヒータ2によって加熱保持
されている。また、4はシリンダーバレル1の先端部に
設けられたノズル、5はノズル4に設けられたノズルヒ
ータ、6はノズルの温度を検出するノズル温度制御用熱
電対であり、ノズル4は、ノズル温度制御用熱電対6で
検出される温度が設定温度に等しくなるようにノズルヒ
ータ5によって加熱保持されている。
【0004】さらに、7はシリンダバレル1内に回転可
能に設けられ、その回転により成形材料をシリンダ先端
に輸送し、計量するスクリュ、8はスクリュ7の先端に
設けられたスクリュヘッド、9はスクリュヘッド8とシ
リンダ先端との間の貯留部に形成される溶湯10とスク
リュ側の溶湯10を連通させたり遮断したりする逆流防
止リング、11は成形機型締装置の固定側型盤、12は
マニホールドを収納する固定側金型バックプレート、1
3は固定側型板、14は可動側型板、15はサポートブ
ロック、16は金型キャビティ24周囲のオーバーフロ
ー、17はエジェクタピン、18はノズル加熱用誘導コ
イル19によって加熱されるホットランナノズル、20
はマニホールド加熱用誘導コイル21によって加熱保持
されるマニホールド、22はノズル先端に形成される固
体栓である。
【0005】図9において、23は金型内で冷却固化さ
れて凝固している成形材料である。また、ホットランナ
金型を使用して真空成形するときの金属射出成形装置を
図10に示している。図10において、30はオーバー
フローから真空引きする際にキャビティ内のガスのみ排
出して溶湯を冷却固化させるための冷却ベントブロッ
ク、25は冷却ベントブロックに接続されたホース、2
6は型閉じ後の射出前に一定時間開く真空バルブ、27
は常時真空保持されているタンク、28は真空タンク2
7を排気する真空ポンプである。
【0006】以上の構成において、先ず、ホットランナ
の動作について説明する。ホットランナノズル18及び
マニホールド20は誘導加熱によって昇温されており、
ホットランナ内の湯道の成形材料は完全溶融もしくは半
溶融状態で保持されている。ただし、通常時はノズル先
端に成形材料が凝固してできる固体栓22が形成できる
ような温度にノズル温度は調整されており、射出時のみ
ノズル温度をさらに昇温して固体栓22を溶解させ、ほ
ぼ同時にシリンダ内のスクリュ7が高速で射出されて成
形材料10が金型キャビティ内24へと充填される。
【0007】代表的なマグネシウム合金であるAZ91
D合金の場合、ノズル先端近辺に差し込まれた熱電対に
よって測定される温度で制御されるノズル保持温度は5
00〜560℃であり、射出前昇温時には600〜65
0℃まで加熱されて固体栓が完全に溶解される。金型は
成形材料の凝固温度である470℃よりもかなり低い2
00℃に加熱保持されており、金型が注入される成形材
料の体積よりも十分に大きいので、金型内へと充填され
た成形材料の熱は金型に奪われることになり、成形材料
は1秒以下という短い時間で凝固する。
【0008】射出後、ノズル加熱出力を落として、ノズ
ル温度は保持温度まで降温され、ノズル先端部はキャビ
ティに面しているのでキャビティ内と同じように金型に
熱を奪われて凝固相が形成される。その後、金型が開き
成形品が取り出されるが、その時にノズル内に残った凝
固相が固体栓22となり、ノズル内溶湯の漏出を防ぐ作
用がある。成形品を取り出した後、次のショットのため
に金型表面に離型剤が噴霧されて1サイクルが終了す
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ダイカスト
等の金属成形においては、射出前にガスの巻き込みを防
ぐためのキャビティ内排気をする場合がある。キャビテ
ィ内を排気するとガスの巻き込みを低減することがで
き、成形品の内部欠陥や膨れの発生を抑制する効果やボ
スなどの突起部への充填性が向上し、背圧低減による湯
流れ性が向上することが知られている。従来のホットラ
ンナ成形において同じように射出前にキャビティ内を排
気すると、キャビティ内が負圧になる。その状態におい
て射出するためにホットランナノズルの温度を上げて固
体栓を溶解させると、ホットランナ内に保持された溶湯
がキャビティ内に吸い込まれてしまう。吸い込まれた溶
湯は直ちに金型に熱を奪われて凝固する。その結果、射
出しようとしてもキャビティ入口が吸い込まれて凝固し
た金属により塞がれているので射出できず、良好な成形
ができないという問題があった。また、キャビティ内を
排気しない場合でも、ホットランナノズルの昇温と射出
開始の間に時間があると射出前にノズル先端から溶湯が
垂れて、同様に溶湯の通路を遮断してしまうということ
もあった。
【0010】本発明は、上述した従来の課題を解決する
ためになされたものであり、キャビティ内が排気されて
負圧になっても、ホットランナノズル内に保持された溶
湯が吸い込まれることがなく、排気しない通常の成形に
おいてもノズル先端からの溶湯垂れによるノズル先端口
の閉鎖が起きないようにしたホットランナ金型、これを
用いた射出成形装置、及びホットランナ成形方法を提供
することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、本発明に係るホットランナ金型は、ホットランナ
ノズル(18)から溶融した成形材料が射出されるホッ
トランナ金型(12,13,14)において、型閉じ
後、射出までの間における所定の間に亘って前記ホット
ランナノズル(18)を閉鎖し、金型キャビティ(2
4)と前記ホットランナノズル(18)の間を遮断する
開閉機構を備えたことを特徴とするものである。
【0012】このような構成によれば、キャビティ内が
排気されて負圧になっても、ホットランナノズル内に保
持された溶湯が吸い込まれることがなく、排気しない通
常の成形においてもノズル先端からの溶湯垂れによるノ
ズル先端口の閉鎖が起きない。
【0013】また、本発明に係るホットランナ金型おい
て、前記開閉機構は、少なくとも前記金型キャビティ
(24)内を排気する間に亘って前記ホットランナノズ
ル(18)を閉鎖することを特徴とする。
【0014】このような構成によれば、排気中に溶湯が
吸い込まれることを確実に防止できる。
【0015】また、本発明に係るホットランナ金型は、
前記開閉機構における前記ホットランナノズル(18)
に当接する部分は、熱伝導性の低い金属材料またはセラ
ミック(35a)で形成されていることを特徴とする。
【0016】このような構成によれば、開閉機構を通し
てホットランナノズル先端から奪われる昇温熱を軽減す
ることができる。
【0017】また、本発明に係るホットランナ金型にお
いて、前記開閉機構は前記ホットランナノズル(18)
に対向する位置に摺動可能に設けられ、その前進動で前
記ホットランナノズル(18)を閉鎖するピン(29,
34,35)を備えていることを特徴とする。
【0018】このような構成によれば、開閉機構を容易
に構成することができる。
【0019】また、本発明に係る射出成形装置は、ホッ
トランナノズル(18)と、前記ホットランナノズル
(18)の前方に設けられ、ホットランナノズル(1
8)から溶融した成形材料が射出される金型キャビティ
(24)を有するホットランナ金型(12,13,1
4)と、前記ホットランナノズル(18)を閉鎖、開放
可能に設けられる開閉部材(29)と、前記開閉部材
(29)を駆動制御し、型閉じ後、射出までの間におけ
る所定の間に亘って前記ホットランナノズル(18)を
閉鎖し、金型キャビティ(24)と前記ホットランナノ
ズル(18)の間を遮断する制御装置とを備えてなるも
のである。
【0020】このような構成によれば、キャビティ内が
排気されて負圧になっても、ホットランナノズル内に保
持された溶湯が吸い込まれることがなく、排気しない通
常の成形においてもノズル先端からの溶湯垂れによるノ
ズル先端口の閉鎖が起きない射出成形装置を得ることが
できる。
【0021】また、本発明に係るホットランナ成形方法
は、ホットランナノズル(18)からホットランナ金型
(12,13,14)に溶湯を射出し成形を行うホット
ランナ成形方法において、前記ホットランナ金型(1
2,13,14)の型閉じから射出までの間における所
定の間に亘り前記ホットランナノズル(18)を閉鎖す
るようにしたことを特徴とする。
【0022】このような構成によれば、このような構成
によれば、キャビティ内が排気されて負圧になっても、
ホットランナノズル内に保持された溶湯が吸い込まれる
ことがなく、排気しない通常の成形においてもノズル先
端からの溶湯垂れによるノズル先端口の閉鎖が起きるこ
とがない。
【0023】また、本発明に係るホットランナ成形方法
は、前記ホットランナノズル(18)の閉鎖は、少なく
とも前記金型キャビティ(24)内を排気する間に亘っ
て行われることを特徴とする。
【0024】このような構成によれば、排気中に溶湯が
吸い込まれることを確実に防止できる。
【0025】また、本発明に係るホットランナ成形方法
は、前記ホットランナ金型(12,13,14)を開く
時には、前記ホットランナノズル(18)先端に溶融し
た成形材料を固化させて固体栓(22)を形成し、溶湯
の射出時には、前記固体栓(22)を急速加熱して溶融
するようにしたことを特徴とする。
【0026】このような構成によれば、固体栓により成
形後に溶湯が垂れることが防げると共に、射出時には急
速に溶融されて射出には影響を及ぼすことがなく、良好
な成形を行うことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態における
ホットランナ金型が閉じた状態を示す射出成形装置の断
面側面図、図2は射出前の排気状態を示す射出成形装置
の断面側面図であり、ホットランナノズル先端がシャッ
トオフピンによって密閉されながらホットランナノズル
を昇温し、ピンによって溶湯が密閉保持されながら排気
されている状態を示す図、図3は射出直後の状態を示す
射出成形装置の断面側面図であり、射出された溶湯によ
ってシャットオフピンが図1と同じ元の位置に戻ってい
る状態を示す図、図4はキャビティ内に射出した成形材
料が冷却固化され金型が開かれた状態を示す射出成形装
置の断面側面図である。
【0028】これらの図において、1はシリンダーバレ
ル、2はシリンダーバレル1に設けられたシリンダヒー
タ、3はシリンダバレル1の温度を検出するシリンダ温
度制御用熱電対であり、シリンダーバレル1は、シリン
ダ温度制御用熱電対3により検出された温度が設定温度
に等しくなるようにシリンダヒータ2によって加熱保持
されている。また、4はシリンダーバレル1の先端部に
設けられたノズル、5はノズル4に設けられたノズルヒ
ータ、6はノズルの温度を検出するノズル温度制御用熱
電対であり、ノズル4は、ノズル温度制御用熱電対6で
検出される温度が設定温度に等しくなるようにノズルヒ
ータ5によって加熱保持されている。
【0029】さらに、7はシリンダバレル1内に回転可
能に設けられ、その回転により成形材料をシリンダ先端
に輸送し、計量するスクリュ、8はスクリュの先端に設
けられたスクリュヘッド、9はスクリュヘッド8とシリ
ンダ先端の間に形成される貯留部の溶湯とスクリュ側の
溶湯を連続させたり遮断したりする逆流防止リング、1
0は成形材料の溶湯、11は成形機型締装置の固定側型
盤である。
【0030】さらに、これらの図において、12はマニ
ホールドを収納する固定側金型バックプレート、13は
固定側型板、14は可動側型板であり、これらは実施の
形態におけるホットランナ金型の基部を構成している。
15はサポートブロック、16は金型キャビティ24周
囲のオーバーフロー、17はエジェクタピン、18はノ
ズル加熱用誘導コイル19によって加熱されるホットラ
ンナノズル、20はマニホールド加熱用誘導コイル21
によって加熱保持されるマニホールド、22はノズル先
端に形成される固体栓である。
【0031】また、図において30はオーバーフローか
ら真空引きする際にキャビティ内のガスのみ排出して溶
湯を冷却固化させるための冷却ベントブロック、25は
冷却ベントブロックに接続されたホース、26は型閉じ
後の射出前に一定時間開く真空バルブ、27は常時真空
保持されているタンク、28は真空タンク27を排気す
る真空ポンプ、29は油圧シリンダ31で駆動され、ホ
ットランナ先端に押しつけられてホットランナノズル先
端を密閉するシャットオフピン、32はエジェクタプレ
ート、33は可動側金型取付板である。
【0032】なお、図3において、23は金型内で冷却
固化されて凝固している成形材料を示している。また、
図5はシャットオフピン及びノズル先端部をピン開き時
からピンの閉じ時への動作と共に示す模式図である。図
5(a)において、34はチタン合金などの熱伝導性の
低い金属材料やセラミックで作られているシャットオフ
ピンを示し、図5(b)において、35はノズルに接す
る部分にセラミックなどの低熱伝導材をコーティング3
5aした金属ピンを示している。このように、熱伝導性
の低い金属材料やセラミックをピンのノズルへの当接部
に用いたため、ピンによりノズルの昇温熱が奪われるの
が防止される。
【0033】図6は本発明の実施の形態の動作を示す工
程図である。以下に図6を用いて本発明の実施の形態の
動作を成形の1サイクルについて説明する。先ず、図6
(a)について説明する。型閉じ前には、ホットランナ
ノズル18及びマニホールド20は電気ヒータ31によ
って加熱保持されており、ホットランナ内湯道の成形材
料10は完全溶融もしくは半溶融状態で保持されてい
る。図5にも示したように、ノズル先端には成形材料が
凝固してできた固体栓22が形成できるような温度にノ
ズル温度は調整されており、ホットランナ内の溶湯が漏
出しないようになっている。
【0034】この様態から、金型が閉じ(ステップS
1)、可動側金型内のホットランナノズルに対向した位
置に設けられたシャットオフピンがピンの根本に接続さ
れた油圧シリンダなどのアクチュエータによって前進動
され、ホットランナノズルの先端に押しつけられてホッ
トランナノズル先端を密閉する(ステップS2)。その
後、ホットランナノズルが急速加熱されて固体栓が溶解
されると共に真空バルブ26が開いて数秒間キャビティ
内が排気される(ステップS3)。
【0035】キャビティ内の排気後、射出時には予めシ
ャットオフピンを押さえつける力を無くしておき、スク
リュ7が高速前進することにより、溶湯が前に押し出さ
れ、ノズル先端に押しつけられたシャットオフピンが溶
湯によって押し戻されるか、もしくは射出と同時にシャ
ットオフピンが引っ込むように油圧シリンダを制御する
(ステップS4)ことで、湯道が開かれてホットランナ
から出た溶湯はキャビティ24内に充填されていく。こ
のとき溶湯は冷却ブロックで凝固して停まるので、排気
路まで入り込むことはない。
【0036】金型は成形材料の溶融温度よりもかなり低
い温度である200℃程度に加熱保持されており、さら
に金型自体は注入される成形材料の体積よりも十分に大
きい金属の塊であるので、金型内へと充填された成形材
料の熱は金型に奪われることになり、成形材料は1秒以
下という短い時間で冷却され凝固する(ステップS
5)。キャビティ内で凝固した成形材料23を介して金
型に奪われる熱量はホットランナノズル18を加熱する
熱量よりも圧倒的に大きいので、キャビティ内と同じよ
うにノズル先端にも凝固相が形成される。
【0037】その後、金型が開き(ステップS6)成形
品23が取り出されるが、その時にノズル内の凝固相に
おいて破断し、ノズル内に残った凝固相が固体栓22と
なり、ノズル内溶湯の漏出を防ぐ。射出後にスクリュは
回転しながら後退し、スクリュの前の空洞部に次のショ
ットのための溶湯を計量する。計量完了して金型が開い
た後、エジェクタピンが前進して成形品が押し出され、
取り出しロボットなどによって成形品が取り出される。
成形品取り出し後、次のショットのために金型表面に離
型剤が噴霧されて1サイクルが終了する(ステップS
7)。
【0038】尚、図6(b)に示すように、工程の順番
を変えて、ホットランナノズルの昇温を型閉じ工程と同
時に行い(ステップS12)、型閉じ後及びホットラン
ナノズル昇温後、もしくは昇温中に、シャットオフピン
を閉じて(ステップS13)排気を行う(ステップS1
4)ような工程を採用しても良い。また、排気を行わな
い通常の成形においては、型閉じ後、昇温中にシャット
オフピンを閉じておき、射出時には同じようにシャット
オフピンを開けば、射出前にはな垂れを起こすことはな
い。
【0039】以上のように、本発明の実施の形態におい
ては、ホットランナノズル先端を密閉するようにしたの
で、金型キャビティ内を排気しても、キャビティ内に溶
湯が吸い込まれることがない。なお、キャビティ内への
溶湯吸い込みを防ぐため、ホットランナノズル先端へシ
ャットオフバルブを設けるといった構成も考えられる
が、樹脂材料と違って溶融金属は粘度が極端に低いので
そのようなバルブ機構の隙間から外部に漏れたり、高温
で使用されるためにバルブ機構が使用できないといった
問題があるのに対し、本発明の実施の形態によればその
ような複雑な構造も必要ないのでの安価に構成できる。
【0040】また、ホットランナ成形において、金型を
閉じ、キャビティ内2箇所あるシャットオフピンの一方
から排気してキャビティ内を負圧にし、他方から粉体状
の離型剤を圧縮空気で圧送してキャビティ内に導入して
キャビティ表面に粉体離型剤を付着させる場合にも、や
はり、キャビティ内を排気するときにホットランナノズ
ルの温度を昇温するとホットランナノズル内の溶湯が吸
い出されてしまうことがある。これを防ぐため、金型を
閉じてキャビティ内を排気しながら、粉体離型剤を導入
し終わるまでホットランナノズルの昇温をせずにおき、
粉体離型剤が塗布終了してキャビティ内がパージエアに
よって大気圧まで戻ってからホットランナノズルの温度
を昇温する方法もあるが、この場合、離型剤塗布工程と
ホットランナ昇温工程とが同時に行えないので、成形の
1サイクル時間が長くなってしまうという問題があっ
た。
【0041】粉体離型剤を使用する場合にもノズル先端
をピンで閉鎖しておけば、キャビティ内を排気して粉体
離型剤を塗布する工程と、ホットランナノズル昇温の工
程を同時に行えるので成形サイクルの短縮も可能とな
る。尚、いずれの場合もホットランナノズルを密閉する
シャットオフピンもしくはその一部でノズルに接する部
分を熱伝導の低い材料によって作成すればホットランナ
昇温時の熱がシャットオフピンに逃げることなくホット
ランナが昇温可能である。
【0042】以上、実施の形態では、インラインスクリ
ュ方式の成形機について例をとって説明したが、本発明
は成形機の形式について限定されることはなく、例え
ば、スクリュではなく、プランジャが前進して溶融金属
を射出するような方式の成形機にも適用できることは言
うまでもない。
【0043】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明によれ
ば、ホットランナノズルの先端を密閉するようにしたの
で、キャビティ内が排気されて負圧になっても、ホット
ランナノズル内に保持された溶湯が吸い込まれることが
なく、排気しない通常の成形においてもノズル先端から
の溶湯垂れによるノズル先端口の閉鎖が起きないように
したホットランナ金型、これを用いた射出成形装置、及
びホットランナ成形方法を提供することができるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるホットランナ金型
が閉じた状態を示す射出成形装置の断面側面図である。
【図2】射出前の排気状態を示す射出成形装置の断面側
面図であり、ホットランナノズル先端がシャットオフピ
ンによって密閉されながらホットランナノズルを昇温
し、ピンによって溶湯が密閉保持されながら排気されて
いる状態を示す図である。
【図3】射出直後の状態を示す射出成形装置の断面側面
図であり、射出された溶湯によってシャットオフピンが
図1と同じ元の位置に戻っている状態を示す図である。
【図4】キャビティ内に射出した成形材料が冷却固化さ
れ金型が開かれた状態を示す射出成形装置の断面側面図
である。
【図5】シャットオフピン及びノズル先端部をピン開き
時からピンの閉じ時への動作と共に示す模式図である。
【図6】本発明の実施の形態の動作を示す工程図であ
る。
【図7】従来のホットランナ成形において射出前の待機
状態を示す断面側面図である。
【図8】従来のホットランナ成形において射出直前にホ
ットランナを昇温して固体栓を溶解させた状態を示す断
面側面図である。
【図9】従来のホットランナ成形においてキャビティ内
に射出して成形材料が冷却固化された状態を示す側面図
である。
【図10】従来のホットランナ成形においてキャビティ
内を排気しながら固体栓を溶解させたことによって、射
出前にホットランナノズル内の溶湯がキャビティ内に吸
い出され、凝固してしまった状態を示す図である。
【符号の説明】
18 ホットランナノズル 12,13,14 ホットランナ金型 24 金型キャビティ 35a 金属材料またはセラミック 29,34,35 ピン 22 固体栓
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B22D 17/14 B22D 17/14 17/20 17/20 J (72)発明者 比枝 敏昭 広島県広島市安芸区船越南1丁目6番1 号 株式会社日本製鋼所内 (56)参考文献 特開 平10−16000(JP,A) 特開2000−246416(JP,A) 特開 平6−114524(JP,A) 特開 平9−85416(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 17/02 B22D 17/14 B22D 17/20 B22D 17/22

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホットランナノズル(18)から溶融し
    た成形材料が射出されるホットランナ金型(12,1
    3,14)において、 型閉じ後、射出までの間における所定の間に亘って前記
    ホットランナノズル(18)を閉鎖し、金型キャビティ
    (24)と前記ホットランナノズル(18)の間を遮断
    する開閉機構を備えたことを特徴とするホットランナ金
    型。
  2. 【請求項2】 前記開閉機構は、少なくとも前記金型キ
    ャビティ(24)内を排気する間に亘って前記ホットラ
    ンナノズル(18)を閉鎖する請求項1に記載のホット
    ランナ金型。
  3. 【請求項3】 前記開閉機構における前記ホットランナ
    ノズル(18)に当接する部分は、熱伝導性の低い金属
    材料またはセラミック(35a)で形成されている請求
    項1または請求項2に記載のホットランナ金型。
  4. 【請求項4】 前記開閉機構は前記ホットランナノズル
    (18)に対向する位置に摺動可能に設けられ、その前
    進動で前記ホットランナノズル(18)を閉鎖するピン
    (29,34,35)を備えている請求項1乃至請求項
    3のいずれかに記載のホットランナ金型。
  5. 【請求項5】 ホットランナノズル(18)と、 前記ホットランナノズル(18)の前方に設けられ、ホ
    ットランナノズル(18)から溶融した成形材料が射出
    される金型キャビティ(24)を有するホットランナ金
    型(12,13,14)と、 前記ホットランナノズル(18)を閉鎖、開放可能に設
    けられる開閉部材(29)と、 前記開閉部材(29)を駆動制御し、型閉じ後、射出ま
    での間における所定の間に亘って前記ホットランナノズ
    ル(18)を閉鎖し、金型キャビティ(24)と前記ホ
    ットランナノズル(18)の間を遮断する制御装置とを
    備えてなる射出成形装置。
  6. 【請求項6】 ホットランナノズル(18)からホット
    ランナ金型(12,13,14)に溶湯を射出し成形を
    行うホットランナ成形方法において、 前記ホットランナ金型(12,13,14)の型閉じか
    ら射出までの間における所定の間に亘り前記ホットラン
    ナノズル(18)を閉鎖するようにしたことを特徴とす
    るホットランナ成形方法。
  7. 【請求項7】 前記ホットランナノズル(18)の閉鎖
    は、少なくとも前記金型キャビティ(24)内を排気す
    る間に亘って行われることを特徴とする請求項6に記載
    のホットランナ成形方法。
  8. 【請求項8】 前記ホットランナ金型(12,13,1
    4)を開く時には、前記ホットランナノズル(18)先
    端に溶融した成形材料を固化させて固体栓(22)を形
    成し、溶湯の射出時には、前記固体栓(22)を急速加
    熱して溶融するようにしたことを特徴とする請求項6ま
    たは請求項7に記載のホットランナ成形方法。
JP2000279414A 2000-09-14 2000-09-14 ホットランナ金型、射出成形装置、及びホットランナ成形方法 Expired - Fee Related JP3502600B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000279414A JP3502600B2 (ja) 2000-09-14 2000-09-14 ホットランナ金型、射出成形装置、及びホットランナ成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000279414A JP3502600B2 (ja) 2000-09-14 2000-09-14 ホットランナ金型、射出成形装置、及びホットランナ成形方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002086257A JP2002086257A (ja) 2002-03-26
JP3502600B2 true JP3502600B2 (ja) 2004-03-02

Family

ID=18764422

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000279414A Expired - Fee Related JP3502600B2 (ja) 2000-09-14 2000-09-14 ホットランナ金型、射出成形装置、及びホットランナ成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3502600B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009262215A (ja) * 2008-04-28 2009-11-12 Japan Steel Works Ltd:The 金型装置及び射出成形方法
JP2011098512A (ja) * 2009-11-06 2011-05-19 Japan Steel Works Ltd:The 射出成形機用の金型装置および射出成形機
SI25103A (sl) * 2015-12-23 2017-06-30 Andrej Kranjc Postopek tlačnega litja in naprava za izvedbo postopka

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002086257A (ja) 2002-03-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0901853B1 (en) High vacuum die casting
EP0096132B1 (en) Injection molding method and apparatus
EP1944105A1 (en) Casting method
JP2006289466A (ja) 射出成形装置およびその成形制御方法
JP3477124B2 (ja) 金属射出成形機における離型剤の塗布方法および金属射出成形用金型
JP2004249334A (ja) 酸素シールドを用いた高真空ダイカスト法
JP3502600B2 (ja) ホットランナ金型、射出成形装置、及びホットランナ成形方法
JPH0724563A (ja) 真空鋳造装置および真空鋳造方法
WO2007080797A1 (ja) 可塑化装置及びその制御方法
JP3499187B2 (ja) ホットランナ金型及びその成形方法
JP2010046876A (ja) 射出成形装置及び射出成形方法
JPS6152780B2 (ja)
JP3477126B2 (ja) ホットランナユニット内の金属原料の排出方法
JP4168526B2 (ja) 真空ダイカスト装置及びその方法
CA2435983C (en) Mold and method for molding metallic product
JP3407987B2 (ja) 樹脂封止成形用金型の保管方法及び電子部品の樹脂封止成形方法
JPH0563264B2 (ja)
JP3900422B2 (ja) 真空ダイカスト法における給湯方法及びそれに用いる給湯装置
JP2971287B2 (ja) 金属材料の射出成形方法及びその装置
JP2007111955A (ja) 樹脂成形装置
JP3502585B2 (ja) 粉体離型剤塗布方法および金型
JPH02192869A (ja) 金型鋳造法
JP3499776B2 (ja) 金属成形品の射出成形方法および成形用金型
JPH06198694A (ja) 型締力制御装置
JPS6129821B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20031202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20031205

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081212

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081212

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091212

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101212

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees