JP3496246B2 - 塗装塗着粘度の測定装置及びその測定方法 - Google Patents

塗装塗着粘度の測定装置及びその測定方法

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JP3496246B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料を塗布した直後の
未乾燥塗装表面の状態を測定して、未乾燥塗装の塗膜
厚、及び塗着粘度を計測(演算)する塗装塗着粘度の
定装置、及びその測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車の車体に塗装ガンで塗料を
吹付けて塗装した場合、長時間かけて乾燥させ、乾燥後
の塗装品質を塗装の鮮映性(即ち平滑感、肉持感、光沢
感)を用いて検査し評価することが行われている。
【0003】塗装品質を評価する際に鮮映性の評価値に
ばらつきが発生した場合、その要因は、吹付け時の塗料
の種類、吹付け圧力、吹付け後の膜厚、塗着粘度等を考
えることができる。
【0004】この要因の中から、代表的要因として塗膜
厚、塗着粘度を選択した場合、できるだけ塗布直後に定
量的に把握する必要がある。塗膜厚を測定する装置に関
しては、本願出願人及び本発明者らによる特許第296
4800号記載のウェット塗膜厚測定装置がある。この
特許によれば、ミラウ( Mirau )干渉計などの非接触光
干渉式表面粗さ計により、塗装面の表面粗さ情報を取得
している。そして、この表面粗さ情報に基づいて、未乾
燥塗膜の流動及び表面張力による表面平滑化理論を適用
して塗膜の厚さを求めている
【0005】従来において、塗着粘度を測定する場合、
塗布した塗料を大量に収集(サンプリング)して、シア
レート粘度計により接触式にサンプルの粘度測定を実施
している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来では、塗着粘度を
測定する場合、塗布した塗料を大量に収集して、シアレ
ート粘度計で接触式にサンプルの粘度測定を実施してい
るため、実際の製造ラインには向かない欠点がある。
【0007】即ち、測定自体に多くの工数、及び時間を
要するばかりでなく、接触式のサンプル評価のため、車
体の塗膜に影響を与えてしまう欠点があり、しかも車体
毎に何らかの要因で評価値にずれが生じたり、ばらつき
が生じることを的確に把握することができない欠点があ
る。
【0008】本発明は、上記課題に鑑みて成されたもの
であり、塗布直後の塗着粘度を非接触で測定し得る塗装
塗着粘度の測定方法、及びその装置を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の塗装塗
着粘度の測定装置は、塗料を塗布した直後の時系列上の
第1、第2、第3、第4の時点を含む4以上の時点にお
ける未乾燥塗装表面の状態を測定する測定手段と、前記
以上の時点のうち、少なくとも1時点における未乾燥
塗装表面の状態の情報から塗装表面の凹凸の平均間隔
演算する第1の演算手段と、前記以上の時点における
未乾燥塗装表面の状態の情報から当該時点における塗装
表面の表面粗さ度を演算する第2の演算手段と、前記
以上の時点のうち、前記第2の演算手段で演算される
1及び第2時点における表面粗さ度から当該各表面粗さ
度の時間変化量を演算すると共に、前記第2の演算手段
で演算される第3及び第4時点における表面粗さ度から
当該各表面粗さ度の時間変化量を演算する第3の演算手
段と、予め設定された塗着粘度値を含む塗装条件を入力
する塗装条件入力手段と、前記第1の演算手段で演算さ
れた塗装表面の凹凸の平均間隔、前記第3の演算手段で
演算された第1及び第2時点における各表面粗さ度の時
間変化量、及び前記塗装条件入力手段から入力された塗
着粘度値に基づいてウェット塗装膜厚を演算する第4の
演算手段と、前記第1の演算手段で演算された塗装表面
の凹凸の平均間隔、前記第3の演算手段で演算された
3及び第4時点における各表面粗さ度の時間変化量、及
び前記第4の演算手段で演算されたウェット塗装膜厚に
基づいて前記塗料の塗着粘度を演算する第5の演算手段
とを備えることを特徴とする。
【0010】請求項2に記載の塗装塗着粘度の測定方法
は、塗料を塗布した直後の時系列上の第1、第2、第
3、第4の時点を含む4以上の時点における未乾燥塗装
表面の状態を測定する第1の工程と、前記第1の工程で
得られた少なくとも1時点における未乾燥塗装表面の状
態から当該時点における塗装表面の凹凸の平均間隔を求
め、前記第1の工程で得られた以上の時点における未
乾燥塗装表面の状態から当該時点における塗装表面の表
面粗さ度を求め、さらに、第1及び第2時点における表
面粗さ度から当該表面粗さ度の時間変化量、及び前記
3及び第4時点における表面粗さ度から当該表面粗さ度
の時間変化量を求める第2の工程と、予め設定された塗
着粘度値、前記第2の工程で求められた塗装表面の凹凸
の平均間隔、及び前記第2の工程で求められた第1及び
第2時点における表面粗さ度の時間変化量からウェット
塗装膜厚を求める第3の工程と、前記第2の工程で求め
られた塗装表面の凹凸の平均間隔、前記第2の工程で求
められた第3及び第4時点における表面粗さ度の時間変
化量、及び前記第3の工程で求められたウェット塗装膜
厚から前記塗料の塗着粘度を求める第4の工程とを含む
ことを特徴とする。
【0011】請求項3に記載の塗装塗着粘度の測定装置
は、前記第2の演算手段は、前記表面粗さ度として、
面粗さ相当のパワースペクトル積分値を演算し、前記第
3の演算手段は、前記表面粗さ度の時間変化量として、
前記第2演算手段が演算したパワースペクトル積分値の
時間変化量を演算し、前記第4及び第5の演算手段は、
前記表面粗さ度の時間変化量として、前記第3の演算手
が演算したパワースペクトル積分値の時間変化量を用
いることを特徴とする
【0012】
【作用】請求項1に記載の塗装塗着粘度の測定装置にお
いては、塗料を塗布した直後の時系列上の第1、第2、
第3、第4の時点を含む4以上の時点における未乾燥塗
装表面の状態を測定し、この情報から、第1,第2,第
3の演算手段で、例えば塗装表面の凹凸の平均間隔、塗
装表面の表面粗さ度、塗布直後の前記第1及び第2時点
における表面粗さ度の時間変化量、及び前記第3及び第
時点における表面粗さ度の時間変化量を順次演算す
る。この後、第4の演算手段で、塗装表面の凹凸の平均
間隔第1及び第2時点における各表面粗さ度の時間変
化量、及び塗装条件入力手段の塗着粘度値(予め設定さ
れた実験値)に基づいてウェット塗装膜厚を演算する。
しかる後、第5の演算手段で、塗装表面の凹凸の平均間
第3及び第4時点における各表面粗さ度の時間変化
量、及びウェット塗装膜厚の演算値に基づいて塗料の塗
着粘度を演算する。
【0013】請求項2に記載の塗装塗着粘度の測定方法
においては、塗料を塗布した直後の時系列上の第1、第
2、第3、第4の時点を含む4以上の時点における未乾
燥塗装表面の状態を測定し、この情報から、第2の工程
で、塗布直後の少なくとも1時点における塗装表面の
凸の平均間隔を求め、以上の時点における塗装表面の
表面粗さ度を求め、さらに、前記第1及び第2時点にお
ける表面粗さ度の時間変化量、及び前記第3及び第4
点における表面粗さ度の時間変化量を求める。この後、
第3の工程で、予め設定された塗着粘度値、塗装表面の
凹凸の平均間隔、及び前記第1及び第2時点における表
面粗さ度の時間変化量に基づいてウェット塗装膜厚を求
める。しかる後、第4の工程で、塗装表面の凹凸の平均
間隔前記第3及び第4時点における表面粗さ度の時間
変化量、及びウェット塗装膜厚の演算値に基づいて塗料
の塗着粘度を求める。
【0014】請求項3に記載の塗装塗着粘度の測定装置
においては、請求項1記載の塗装塗着粘度の測定装置に
おいて、第2の演算手段は、表面粗さ度として、表面粗
さ相当のパワースペクトル積分値を演算し、第3の演算
手段は、表面粗さ度の時間変化量として、第2演算手段
が演算したパワースペクトル積分値の時間変化量を演算
する。この後、第4の演算手段は、表面粗さ度の時間変
化量として、第3の演算手段が演算したパワースペクト
ル積分値の時間変化量に基づいてウェット塗装膜厚を演
算する。しかる後、第5の演算手段は、表面 粗さ度の時
間変化量として、第3の演算手段が演算したパワースペ
クトル積分値の時間変化量に基づいて塗料の塗着粘度を
演算する。
【0015】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明
する。
【0016】図1は、本発明の第1の実施例に係わる塗
装塗着粘度の測定装置の構成を示すブロック図である。
試料11には上塗り塗料が塗布されている。撮像部12
は、光源、明暗パターン板、反射鏡、レンズ、CCDカ
メラを備えており、塗装表面を撮像して塗料塗布後の時
間t ,t ,t ,t における表面粗さ情報を
連続して測定する。画像処理部14は、各種画像処理プ
ログラム、画像解析シーケンスプログラム、波形解析プ
ログラム、膜厚演算プログラム等を備えて構成されてお
り、撮像部12から供給された表面粗さ情報をパワース
ペクトルの周波数分析(FFT)、及び波長の波形分離
等を行って画像処理して、パワースペクトルデータPと
して表面粗さ情報を生成し、この情報を第1,第2の演
算部16,18へ供給する。
【0017】第1の演算部16は、画像処理部14から
の塗料塗布後の時間t におけるパワースペクトルデ
ータPとしての表面粗さ情報から塗装表面の凹凸の平均
間隔(以下、凹凸の平均間隔を凹凸の波長、または波長
と略す)λ を演算して、波長λ の演算結果を後述
する第4,第5の演算部24,26へ供給する。第2の
演算部18は、画像処理部14からの塗料塗布後の時間
,t ,t ,t におけるパワースペクトル
データPとしての表面粗さ情報から塗装表面の表面粗さ
度R ,R ,R ,R を演算して、表面粗さ度
,R ,R ,R の演算結果を第3の演算部
20へ供給する。第3の演算部20は、第2の演算部1
8からの表面粗さ度R ,R ,R ,R の情報
から、先ず塗料塗布後の時間t ,t における表面
粗さ度R ,R の時間変化量を演算し、さらに塗料
塗布後の時間 ,t における表面粗さ度
の時間変化量を演算し、前者の演算結果を第4の
演算部24へ供給し、後者の演算結果を第5の演算部2
6へ供給する。
【0018】一方、塗装条件入力部22は、予め設定さ
れた塗着粘度の実験値等の塗装条件としての情報を第4
の演算部24へ供給する。
【0019】第4の演算部24は、第1の演算部16か
らの塗装表面の波長λ 、第3の演算部20からの塗
料塗布後の時間t ,t における表面粗さ度R
,R の時間変化量、及び塗装条件入力部22から
の塗着粘度の実験値に基づいて塗料のウェット塗装膜厚
を演算して、ウェット塗装膜厚の演算結果を第5の演算
部26へ供給する。第5の演算部26は、第1の演算部
16からの塗装表面の波長λ 、第3の演算部20か
らの塗料塗布後の時間 ,t における表面粗さ度
,R の時間変化量、及び第4の演算部24から
のウェット塗装膜厚の演算結果に基づいて塗料の塗着粘
度を演算する。
【0020】尚、第4の演算部24が演算した塗料のウ
ェット塗装膜厚、並びに第5の演算部26が演算した塗
料の塗着粘度は、図示しない画面表示部に表示し、かつ
プロッタに印刷する。
【0021】次に、先ずウェット塗装膜厚の演算方法に
ついて説明する。ウェット塗装膜厚は、塗膜面の平滑化
現象を認識することで後述の演算により導き出すことが
できる。平滑化現象とは、塗装直後のウェット状態の塗
装表面に存在する初期うず流動を伴う凹凸(粗さ度)が
レベリング力により時間の経過と共に平坦化されていく
ことを言う。この表面平滑化の動特性は、ウェット状態
における塗装膜厚の平均値をh、塗料の粘度をη、塗膜
の表面張力をγ、波長をλ、表面の凹凸初期値をa
とすると、次式で一般に表せる。
【0022】〔数1〕 da/dt=(−h γ)/(3η)×(2π/λ) a (1) a=a exp −t/τ (2) τ=3ηλ /(16π ×γh ) (3) 実際には塗料塗布後の塗膜粘度は霧化エア圧、溶剤、塗
布前粘度、温度等が一定の条件のもとに表される。
【0023】塗料塗布直後の粘度は時間の経過と共に
変化するため、上式(1)〜(3)の粘度ηは次式のよ
うな補正値を使用する必要がある。
【0024】 η=η +Kt (4) 尚、Kは1.0より小さな正の係数(0<1.0)
であり、粘度ηの初期値をη 、塗料塗布直後の時間
,t における粘度ηをη ,η とすると、
η <η1 <η である
【0025】ウェット膜厚の平滑化動特性の関係で、塗
料塗布直後の時間t ,t における塗装表面の凹凸
最大高さ(凹凸の谷底から山頂までの高さ)がそれぞ
れa ,a であり、凹凸の波長(平均間隔)λ
である場合、次式の関係が得られる。
【0026】〔数2〕 a =a exp (−t /τ
(5) τ ={3×η ×λ }/(16π ×γ×h
(6) a =a exp (−t /τ
(7) τ ={3×η ×λ }/(16π ×γ×h
(8) 上記(5)〜(8)式から塗装膜厚hを求めると、
(5)式を(7)式で割って、次のようになる。
【0027】〔数3〕 a /a =exp (−t /τ +t /τ
(9) lna /a =(−t /τ +t /τ ) (1
0) そして(6),(7),(8)式から塗装膜厚hが次式
のように求まる。
【0028】〔数4〕 h={(lna /a )/(−t /τ ´+t /τ ´)}1/3
(1 1) τ ´=(3η ×λ )/(16π γ) (1
2) τ ´=(3η ×λ )/(16π γ) (1
3) 塗料塗布直後の時間t ,t における塗装表面の粗
さa ,a 、及び波長λ を測定することによ
り、上記の式(11)〜(13)から塗装膜厚hを算出
することができる。
【0029】同様に、(1)式をda/dt=(a
−a )/(t −t )とし、(4)式を加え
て、塗装膜厚hを算出することも可能である。
【0030】〔数5〕 h={(a −a )/a
×{3η λ /[(t −t )16π γ]} (14) 尚、測定系により(11)式または(14)式のいずれ
を使用するのかの選択が必要である。
【0031】また、上述した(11)式は表面粗さ度、
及びその波長、即ち平均粗さ度R 及びその平均波長
λ または2乗平均平方根R 及び2乗平均平方根波
長λ に対しても次に示すように成立する。
【0032】〔数6〕 h={(lnRa1/Ra2)/(−t /τ ´+t /τ ´)}
1/3 (15) τ ´=(3η ×λ )/(16π γ)
(16) τ ´=(3η ×λ )/(16π γ)
(17) h={(lnRq1/Rq2)/(−t /τ ´+t /τ ´)}
1/3 (18) τ ´=(3η ×λ )/(16π γ)
(19) τ ´=(3η ×λ )/(16π γ)
(20) 尚、上述した表面粗さを示す光干渉縞データを測定した
場合、平均粗さ度R 及び2乗平均平方根R は次式
で示すものである。
【0033】
【数7】 次に、パワースペクトルPを使用した平滑化理論式の導
出について説明する。
【0034】先ずパワースペクトルPによる平滑化特性
を説明すると、表面粗さR とパワースペクトル積分
値P とは次式の関係を有する。
【0035】〔数8〕 P =P +K×R 1/2 (2
1) R ={(P −P )/K} (22) パワースペクトル解析値による平滑化理論式の導出で
は、先ずウェット塗装平滑化理論式(近似式)として、
表面粗さ度R は次式で表せる。
【0036】〔数9〕 R =Ra0・exp (−t/τ) (23) (22)式を(23)式に代入すると、次の結果が得ら
れる。
【0037】〔数10〕 {(P −P )/K}
={(Pi0−P00)/K} exp (−t/τ) (24) 尚、ここでPi0はP の初期値であり、P00はP
の初期値である。以上の結果、パワースペクトルP
は次式で表せる。
【0038】〔数11〕 P=P ・exp (−t/2τ) (25) 但し、P=P −P ,τ=3ηλ /16π γ
hである。
【0039】以上から、パワースペクトル解析値による
塗装膜厚hは次式のようになる。
【0040】〔数12〕 h =(lnP −lnP
/{(−t /2τ´ )+(t /2τ´ )} (26) 但し、τ´i =3η λ /16π γである。
【0041】以上の関係から、平滑化理論式は次式で表
せる。
【0042】〔数13〕 Pti=P exp (−t /2τ) (27) 但し、τ=3ηλ /16π γh =Pit−P =Pi(t=0)−P また、P は係数(P を表面粗さに変換する際の補
正値)であり、P は粗さ相当のパワースペクトラム
積分値である。
【0043】そして、膜厚hの演算式は次式で表せる。
【0044】〔数14〕 h=ln(Pt1/Pt2)/{(−t /2τ ´)+(t /2τ
´)} (28) 但し、τ ´=3η λ /16π γ τ ´=3η λ /16π γ 次に、塗膜厚と塗着粘度の同時演算法について説明す
る。上記(27)式、及び(28)式を用いて塗膜厚h
と塗着粘度ηを表面粗さの連続測定により同時に演算す
る。即ち上記(27)式、(28)式、及び以下の式を
用いて塗装膜厚hと塗着粘度ηを表面粗さの連続測定に
より同時算出する。
【0045】即ち、先ず塗料塗布後の時間t=t
,t ,t における表面粗さ(パワースペク
トラム積分値P )の測定値をP ,P ,P
,P とすれば、上記(27)式より下記関係
が成立する。
【0046】〔数15〕 P =P exp (−t /2τ
(29) P =P exp (−t /2τ
(30) P =P exp (−t /2τ
(31) P =P exp (−t /2τ
(32) この関係から、例えば(29)式、(30)式、及び
(26)式を用いて、あるいは(29)式、(30)
式、及び(28)式を用いて塗装膜厚hを算出する。こ
の場合、粘度ηは目標粘度(実験上の基準値)を使用す
る。
【0047】次に、ここで後者の演算式{即ち(29)
式、(30)式、及び(28)式}により演算された塗
装膜厚hと上記(31)式〜(32)式を用いて塗着粘
度ηを連続して演算する。
【0048】即ち(29)式よりP =P exp
(t /2τ )であるので、(31)式、(32)
式へ代入すると、次式を得る。
【0049】〔数16〕 P i3 =P i1 exp {(t /2τ )−(t /2τ )} =P i1 exp (1/2τ”){(t /η )−(t /η )}(3
3) P i4 =P i1 exp {(t /2τ )−(t /2τ )} =P i1 exp (1/2τ”){(t /η )−(t /η )}(3
4) 但し、τ”=3λ /16π γ 次に、(33),(34)式の両辺lnをとり変形する
と、次式が得られる。
【0050】〔数17〕 (t /2τ”η )−(t /2τ”η )=l
n(P i3 /P i1 )(35) 従って、 (t /η )−(t /η )=2τ”ln(P
i3 /P i1 ) (36) 同様に、 (t /η )−(t /η )=2τ”ln(P
i4 /P i1 ) (37) 塗着粘度式をη =η +Kt (但し、0<K≪
1)で近似すると、(36),(37)式は次の式に変
形できる。
【0051】〔数18〕 (t /η )−(t /η ) =(t η −t η )/η η ={t (η +Kt )−t (η +Kt )} /η +(t +t )K+K =η (t −t )/{η +(t +t )K}
(38) 従って、(36)式は、 η (t −t )/{η +(t +t )K} =2τ”ln(P i3 /P i1 ) =x1 (39) 同様に、(37)式は、 η (t −t )/{η +(t +t )K} =2τ”ln(P i4 /P i1 ) =x2 (40) に変換することができる。
【0052】次に、上記(39),(40)式よりη
,Kを導出する。先ず(11),(12)式を展開す
ると、次式が得られる。
【0053】〔数19〕 x η +(t −t )η +x (t
+t )K=0 (41) x η +(t −t )η +x (t
+t )K=0 (42) (42)式より次式が得られる。
【0054】K={−x η +(t −t
)η }/x (t +t ) (43) (43)式を(41)式へ代入してη を解くと、次
式が得られる。
【0055】 x η +(t −t )η
+{x (t +t ) ×[(t −t )η −x η ]/x (t +t )} = −x (t +t )/t +t }η +{(t −t ) +[x (t +t )(t −t )]/x (t +t )}η
=x {[(t +t )−(t +t )]/(t +t )}η
+{[(t −t )(t +t )x +x (t +t )(t
−t 4 )] /x (t +t )}η =0 (44) 従って、(44)式より初期の塗着粘度η は、次式
で表せる。
【0056】 η ={(t −t )(t +t )x
+(t +t )(t −t )x }/(t −t )x (45) またKは、次式で表せる。 K={−x η +(t −t )η }/x (t +t
(46 ) この結果、塗着粘度ηは、(45),(46)式を用い
た上記(4)式により演算することができる。
【0057】図2は、塗膜の平滑化現象の理論特性と粘
度変化に伴う実際値との比較を示すグラフであり、縦軸
は表面粗さ度、横軸は時間経過である。平滑化現象の理
論特性p は時間t2 (30秒)あたりから実際値p
との間に僅かな差が生じてくる。しかし、例え塗着
粘度の初期値に違い(基本的には5%程度である)があ
っても時間t ,t 間で行うウェット膜厚hの演算
に対する演算誤差は非常に小さい。従って、塗着粘度の
演算には時間t ,t 間において演算したウェット
膜厚hの演算値を用いることが望ましい。一般に時間t
,t は60秒以内、塗着粘度を演算する時間t
,t 間、あるいはt ,t 間は30秒から12
0秒以内が精度的に適している。
【0058】図3は、塗着粘度の時間変化を示すグラフ
であり、縦軸は粘度、横軸は時間経過である。グラフか
ら明らかな通り、粘度の初期値と実際値とは時間の経過
と共にずれが大きくなるが、時間t においては粘度
の初期値と実際値との間には僅かなずれしかない。この
ため時間t においては設定値(実験値)を利用して
ウェット膜厚hを演算しても実際上の問題はない。
【0059】次に、図1に示す塗装塗着粘度の測定装置
の作用を説明する。
【0060】先ず撮像部12で、塗装表面を撮像して塗
料塗布後の時間t ,t ,t ,t における表
面粗さ情報を連続して測定すると、測定結果である表面
粗さ情報を画像処理部14へ供給する。ここで、画像処
理部14で、各種画像処理プログラム、画像解析シーケ
ンスプログラム、波形解析プログラム、膜厚演算プログ
ラム等を起動して、撮像部12から供給された表面粗さ
情報を画像処理する。画像処理の結果、パワースペクト
ルの周波数分析(FFT)、及び波長の波形分離を実行
して、表面粗さ情報をパワースペクトルデータPとして
生成し、この表面粗さ情報を第1,第2の演算部16,
18へ同時に供給する。
【0061】この段階で、第1の演算部16で、画像処
理部14からの塗料塗布後の時間t におけるパワー
スペクトルデータPとしての表面粗さ情報から塗装表面
の波長λ を演算する。そして、波長λ の演算結果
を第4,第5の演算部24,26へ供給する。また第2
の演算部18で、画像処理部14からの塗料塗布後の時
間t ,t ,t ,t におけるパワースペクト
ルデータPとしての表面粗さ情報から塗装表面の表面粗
さ度R,R ,R ,R を演算する。そして、
表面粗さ度R ,R ,R ,R の演算結果を第
3の演算部20へ供給する。
【0062】続いて、第3の演算部20で、第2の演算
部18からの表面粗さ度R ,R ,R ,R
情報から、先ず塗料塗布後の時間t ,t における
表面粗さ度R ,R2 の時間変化量を演算し、さらに
塗料塗布後の時間 ,t における表面粗さ度R3
,R の時間変化量を演算する。そして、前者の演算
結果を第4の演算部24へ供給し、後者の演算結果を第
5の演算部26へ供給する。
【0063】一方、所定のタイミングで、塗装条件入力
部22から予め設定された塗着粘度の実験値等が第4の
演算部24へ供給される。
【0064】この段階で、第4の演算部24で、第1の
演算部16からの塗装表面の波長λ 、第3の演算部
20からの塗料塗布後の時間t ,t における表面
粗さ度R ,R の時間変化量、及び塗装条件入力部
22からの塗着粘度の実験値を用いた上述の演算式に基
づいて塗料のウェット塗装膜厚を演算する。そして、ウ
ェット塗装膜厚の演算結果を第5の演算部26へ供給す
る。
【0065】しかる後、第5の演算部26で、第1の演
算部16からの塗装表面の波長λ 、第3の演算部2
0からの塗料塗布後の時間 ,t における表面粗
さ度 ,R の時間変化量、及び第4の演算部24
からのウェット塗装膜厚を用いた上述の連立演算式に基
づいて塗料の塗着粘度を演算する。
【0066】尚、第4の演算部24が演算した塗料のウ
ェット塗装膜厚、並びに第5の演算部26が演算した塗
料の塗着粘度は、図示しない画面表示部に表示し、かつ
プロッタに印刷する。
【0067】本実施例においては、塗装表面の波長λ
、塗料塗布後の時間 ,t における表面粗さ度
,R の時間変化量、及びウェット塗装膜厚の演
算値を用いた連立演算式に基づいて塗料の塗着粘度を演
算するよう構成したので、塗布直後の非乾燥の状態にお
いて、塗料塗布後の任意の位置をその都度自由に選び、
塗料に非接触で影響を与えることなく塗布直後の塗着粘
度を精度良く計測することができる。従って、試料毎に
何等かの要因で生じる評価値のずれやばらつきを的確
把握することが可能である。
【0068】尚、上述した実施例では、塗布直後の時間
,t ,t t における4時点の表面粗さ
度R ,R ,R ,R 、あるいは表面粗さ相当
のパワースペクトル積分値Pi1,Pi2,Pi3 ,P
i4 を演算して、これらの4時点の情報を用いた上述の
演算式に基づいて塗着粘度を演算しているが、本発明の
要旨はこれに限定されるものではなく、塗着粘度の演算
には、さらに多くの時点、即ち時間t ,t ,t
,t ,t における5時点での表面粗さ度R
,R ,R ,R 、あるいは表面粗さ相当の
パワースペクトル積分値Pi1,Pi2,Pi3,P
i4 ,P i5 を演算して塗着粘度を演算しても良いこと
は勿論である。
【0069】
【発明の効果】請求項1乃至請求項3に記載の塗装塗着
粘度の測定装置及び測定方法によれば、塗布直後の非乾
燥の状態において、塗料塗布の任意の位置をその都度自
由に選び、塗料に非接触で影響を与えることなく塗着粘
度を精度良く計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係わる塗装塗着粘度の
測定装置の構成を示すブロック図である。
【図2】塗膜の平滑化現象の理論特性と粘度変化に伴う
実際値との比較を示すグラフである。
【図3】塗着粘度の時間変化を示すグラフである。
【符号の説明】
試料 1撮像部 1画像処理部 1第1の演算部 1第2の演算部 2第3の演算部 2塗装条件入力部 2第4の演算部 2第5の演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 11/00 G01B 11/06 G01B 11/30 G01B 21/08 G01N 21/88

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗料を塗布した直後の時系列上の第1、
    第2、第3、第4の時点を含む4以上の時点における未
    乾燥塗装表面の状態を測定する測定手段と、 前記以上の時点のうち、少なくとも1時点における未
    乾燥塗装表面の状態の情報から塗装表面の凹凸の平均間
    を演算する第1の演算手段と、 前記以上の時点における未乾燥塗装表面の状態の情報
    から当該時点における塗装表面の表面粗さ度を演算する
    第2の演算手段と、 前記以上の時点のうち、前記第2の演算手段で演算さ
    れる第1及び第2時点における表面粗さ度から当該各表
    面粗さ度の時間変化量を演算すると共に、前記第2の演
    算手段で演算される第3及び第4時点における表面粗さ
    度から当該各表面粗さ度の時間変化量を演算する第3の
    演算手段と、 予め設定された塗着粘度値を含む塗装条件を入力する塗
    装条件入力手段と、 前記第1の演算手段で演算された塗装表面の凹凸の平均
    間隔、前記第3の演算手段で演算された第1及び第2
    点における各表面粗さ度の時間変化量、及び前記塗装条
    件入力手段から入力された塗着粘度値に基づいてウェッ
    ト塗装膜厚を演算する第4の演算手段と、 前記第1の演算手段で演算された塗装表面の凹凸の平均
    間隔、前記第3の演算手段で演算された第3及び第4
    点における各表面粗さ度の時間変化量、及び前記第4の
    演算手段で演算されたウェット塗装膜厚に基づいて前記
    塗料の塗着粘度を演算する第5の演算手段と、 を備えることを特徴とする塗装塗着粘度の測定装置。
  2. 【請求項2】 塗料を塗布した直後の時系列上の第1、
    第2、第3、第4の時点を含む4以上の時点における未
    乾燥塗装表面の状態を測定する第1の工程と、 前記第1の工程で得られた少なくとも1時点における未
    乾燥塗装表面の状態から当該時点における塗装表面の
    凸の平均間隔を求め、第1の工程で得られた以上の時
    点における未乾燥塗装表面の状態から当該時点における
    塗装表面の表面粗さ度を求め、さらに、前記第1及び第
    時点における表面粗さ度から当該表面粗さ度の時間変
    化量、及び前記第3及び第4時点における表面粗さ度か
    ら当該表面粗さ度の時間変化量を求める第2の工程と、 予め設定された塗着粘度値、前記第2の工程で求められ
    塗装表面の凹凸の平均間隔、 及び前記第2の工程で求められた第1及び第2時点にお
    ける表面粗さ度の時間変化量からウェット塗装膜厚を求
    める第3の工程と、 前記第2の工程で求められた塗装表面の凹凸の平均間
    、前記第2の工程で求められた第3及び第4時点にお
    ける表面粗さ度の時間変化量、及び前記第3の工程で求
    められたウェット塗装膜厚から前記塗料の塗着粘度を求
    める第4の工程と、 を含むことを特徴とする塗装塗着粘度の測定方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の演算手段は、前記表面粗さ度
    として、表面粗さ相当のパワースペクトル積分値を演算
    し、 前記第3の演算手段は、前記表面粗さ度の時間変化量と
    して、 前記第2演算手段が演算したパワースペクトル積
    分値の時間変化量を演算し、 前記第4及び第5の演算手段は、前記表面粗さ度の時間
    変化量として、 前記第3の演算手段が演算したパワース
    ペクトル積分値の時間変化量を用いることを特徴とする
    請求項1記載の塗装塗着粘度の測定装置。
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