JP2950084B2 - ウェット塗膜厚測定装置 - Google Patents

ウェット塗膜厚測定装置

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JP2950084B2
JP2950084B2 JP5555693A JP5555693A JP2950084B2 JP 2950084 B2 JP2950084 B2 JP 2950084B2 JP 5555693 A JP5555693 A JP 5555693A JP 5555693 A JP5555693 A JP 5555693A JP 2950084 B2 JP2950084 B2 JP 2950084B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料を塗装した直後の
未乾燥塗装表面の動的な粗さ情報から塗装膜厚を測定す
る装置に係わり、特に垂直面や傾斜面における正確な膜
厚測定を可能にしたウェット塗膜厚測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のウェット塗膜厚測定装置として
は、針ゲージを利用した接触式のもの、電磁式または渦
電流式を利用した非接触式のもの等、種々のものがあ
る。
【0003】図15は従来のウェット塗膜厚測定装置の
うち、塗料の非磁極性を利用した非接触式ウェット塗膜
厚測定装置を示す説明図である。このウェット塗膜厚測
定装置は、同図(a)に示すように鋼板からなる被塗装
体81の塗装表面に対向して非接触膜厚センサ82を近
接距離ho に予め位置決めしておいてから、該非接触膜
厚センサ82内に設けられている受発信コイルによって
被塗装体81と非接触膜厚センサ82との間に磁界を生
成する。そして、同図(b)に示すように、被塗装体8
1の表面上にウェット塗料83を塗装すると、塗装後の
被塗装体81と非接触膜厚センサ82との間の磁界は塗
装膜厚による電磁気抵抗により減衰して受信コイルに感
知される。従って、膜厚に反比例した磁束の変化を検出
することにより、塗装膜厚を測定することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したウェット塗膜
厚測定装置のうち、針ゲージ式のように接触式のものは
塗装面へのきずによって塗装品質に影響があるという問
題がある。
【0005】また、非接触式のもののうち、図15に示
したような非接触式ウェット塗膜厚測定装置は塗装前に
被塗装体と非接触膜厚センサとの間の距離を所定の近接
距離に設定しておく必要があるが、被塗装体へ塗装を行
った後においては塗装の膜厚を測定できないという問題
や、または測定自体が塗装の前後で2回必要であるとい
う問題、更に測定精度が悪いという問題がある。
【0006】そこで、本発明者は、上記の問題点を解決
するために、先に特願平4−306966号において、
塗料を塗布した直後の塗装表面の粗さの動的な平滑化特
性から非接触で適確に塗装膜厚を測定することができる
ウェット塗膜厚測定装置を提案した。
【0007】ところが、上記先願は、平面用の膜厚算出
式を使用していることから、垂直面や傾斜面では、必ず
しも精度の良い膜厚測定ができない。すなわち、塗装表
面の角度条件に応じて重力の影響を考慮した膜厚算出式
により膜厚を測定する方がより正確な結果を得ることが
できるという知見を得た。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、塗料を塗布した直後の塗
装表面の垂直面や傾斜面においても非接触で適確に塗装
膜厚を測定することができるウェット塗膜厚測定装置を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のウェット塗膜厚測定装置は、塗料を塗装し
た直後の未乾燥塗装表面の粗さを撮像する撮像手段と、
この撮像手段で撮像した表面粗さ情報をパワースペクト
ル解析し、パワースペクトルデータとして出力するパワ
ースペクトル解析手段と、このパワースペクトル解析手
段からのパワースペクトルデータから表面粗さ相当のパ
ワースペクトル積分値および波長を算出する演算手段
と、前記塗料の成分情報および塗装条件を入力する入力
手段と、パワースペクトル解析値を使用した水平面用ま
たは垂直面用の各平滑化理論式を用いて、前記パワース
ペクトル積分値、波長、前記塗料の成分情報および塗装
条件に基づいて塗装膜厚を算出する塗装膜厚算出手段と
を有することを要旨とする。
【0010】また、本発明のウェット塗膜厚測定装置
は、塗料を塗装した直後の未乾燥塗装表面の粗さを測定
する粗さ測定手段と、該粗さ測定手段で測定した前記表
面粗さ情報から表面の粗さ度および波長を算出する演算
手段と、前記表面の粗さ度の時間変化量を算出する時間
変化量算出手段と、前記塗装表面の傾斜角を測定する傾
斜角測定手段と、前記塗料の成分情報および塗装条件を
入力する入力手段と、傾斜角補正用の平滑化理論式を用
いて、表面粗さ度、その時間変化量、前記表面粗さの波
長、前記塗装表面の傾斜角情報、塗料の成分情報および
塗装条件に基づいて塗装膜厚を算出する塗装膜厚算出手
段とを有することを要旨とする。
【0011】さらに、本発明のウェット塗膜厚測定装置
は、塗料を塗装した直後の未乾燥塗装表面の粗さを撮像
する撮像手段と、この撮像手段で撮像した表面粗さ情報
をパワースペクトル解析し、パワースペクトルデータと
して出力するパワースペクトル解析手段と、このパワー
スペクトル解析手段からのパワースペクトルデータから
表面粗さ相当のパワースペクトル積分値および波長を算
出する演算手段と、前記塗装表面の傾斜角を測定する傾
斜角測定手段と、前記塗料の成分情報および塗装条件を
入力する入力手段と、傾斜角補正用の平滑化理論式を用
いて、前記パワースペクトル積分値、波長、前記塗装表
面の傾斜角情報、前記塗料の成分情報および塗装条件に
基づいて塗装膜厚を算出する塗装膜厚算出手段とを有す
ることを要旨とする。
【0012】
【作用】本発明のウェット塗膜厚測定装置では、塗装直
後の未乾燥塗装表面の粗さを撮像した表面粗さ情報をパ
ワースペクトル解析し、そのパワースペクトルデータか
ら表面粗さ相当のパワースペクトル積分値および波長を
算出し、パワースペクトル解析値を使用した水平面用ま
たは垂直面用の平滑化理論式を用いて、パワースペクト
ル積分値、波長、塗料成分情報および塗装条件から垂直
面、水平面の塗装膜厚を算出する。
【0013】また、本発明のウェット塗膜厚測定装置で
は、塗装直後の未乾燥塗装表面の粗さを測定し、この表
面粗さ情報から表面の粗さ度および波長を算出し、表面
の粗さ度の時間変化量を算出し、この表面粗さ度の時間
変化量、表面粗さの波長、塗装表面の傾斜角情報、塗料
の成分情報および塗装条件に基づいて傾斜面の塗装膜厚
を算出する。
【0014】さらに、本発明のウェット塗膜厚測定装置
では、塗装直後の未乾燥塗装表面の粗さを撮像した表面
粗さ情報をパワースペクトル解析し、そのパワースペク
トルデータから表面粗さ相当のパワースペクトル積分値
および波長を算出し、パワースペクトル解析値を使用し
た傾斜角補正用の平滑化理論式を用いて、パワースペク
トル積分値、波長、塗装表面の傾斜角情報、塗料成分情
報および塗装条件から傾斜面の塗装膜厚を算出する。
【0015】
【実施例】本発明のウェット塗膜厚測定装置は、塗料を
塗装した直後の未乾燥状態の、すなわちウェット状態の
塗装表面の平坦化現象に着目して塗装膜厚を測定するも
のである。すなわち、図2(a)に示すように、塗装直
後のウェット状態の塗装表面は凹凸状態になっており、
初期うず流動が存在している。そして、このような状態
の凹凸は同図(b)に示すようにレベリング力により時
間とともに平坦化され、最終的には同図(c)に示すよ
うに平坦化状態になるが、本発明のウェット塗膜厚測定
装置はこのような平坦化現象に着目し、塗装表面の凹凸
状態を測定することによりウェット状態の塗装表面が乾
燥した後の塗装膜厚を非接触で適確に算出することがで
きるとともに、塗料塗布後のみの測定で算出することが
できるものである。
【0016】特に本発明においては、車両ドア等の垂直
壁面では重力が平滑化力と直交するために平滑化力が弱
くなって平滑化速度が遅くなる点に着目し、また、車両
フード等の傾斜の大きい壁面では重力の効果が傾斜角
(cosθ)分だけ小さくなり、その分平滑化速度が遅
くなる点に着目して、これらの点を考慮した適格な塗装
膜厚を算出するものである。
【0017】初めに、平滑化理論を水平面、垂直面およ
び傾斜面に分けて説明する。
【0018】<水平面での平滑化特性>塗料を塗布した
直後の塗液面は、水平面においては表面張力と重力の影
響により平坦化(レベリング)のための流動が起こる。
この関係を図3を参照して説明すると、液面高さをh、
流化量をq(x)としたとき、x+Δx点における液面
の時間変化は、次式のようになる。
【0019】
【数1】 次に、圧力p(x)と力F(x)との関係は、表面張力
をγ、重力をρgとすると、次式のようになる。
【0020】
【数2】 したがって、(3)式、(4)式から、流速vh は、次
式のようになる。
【0021】
【数3】 同様に、流量qh は、
【数4】 したがって、前記液面の時間変化は、
【数5】 ここで、h=h0 +a・sin(2π/λ)xとする
と、
【数6】 凹凸のピークツゥピーク部では、図4に示すように、h
−h0 =aであるから、
【数7】 上記(9)式が水平面の平滑化理論式であり、{γ+3
ρgλ2 /(2π)2}に示されるように、表面張力γ
と重力項ρgが加算された式となっている。
【0022】<垂直面での平滑化特性>図5に示すよう
な垂直面での平坦化のための流動は、表面張力γにより
生じ、重力gは塗料の下方への垂れとして作用する。
【0023】この場合、圧力p(x)と力F(x)との
関係は、次式のようになる。
【0024】
【数8】 また、流速vh は、前記(4)’式から、
【数9】 同様に、流量qh は、
【数10】 したがって、(8)式、(9)式と同様に、
【数11】 以上の式から分かるように、垂直面での平滑化理論式
は、水平面の式に対して3ρgλ2 /(2π)2 の重力
項分だけ時定数が小さい。
【0025】<傾斜面での平滑化特性> 図7に示すように、角度θだけ傾斜した塗装面におい
て、重力gの平滑化力(レベリング力)は、ρg・co
sθとなるので、前記(9)式は、
【数12】 故に、 a=a0 ・exp(−t/τ) …(10) 但し、 τ=3×η×λ4 /(16π4 ×γ’×h3 ) γ’=γ+3ρg・cosθ{λ/(2π)}2 故に、膜厚hは、塗装直後の時間t1 ,t2 での凹凸の
ピークツゥピーク値をa1 ,a2 、波長をλとすれば、
【数13】 a1 =a0 exp (−t1 /τ1 ) …(11) τ1 ={3×η(t1 )×λ4 }/(16π4 ×γ×h3 ) …(12) a2 =a0 exp (−t2 /τ2 ) …(13) τ2 ={3×η(t2 )×λ4 }/(16π4 ×γ×h3 ) …(14)
【数14】 a1 /a2 =exp (−t1 /τ1 +t2 /τ2 ) …(15) 1na1 /a2 =(−t1 /τ1 +t2 /τ2 ) …(16) そして、(12),(14),(16)式から角度θだ
け傾斜した塗装面の塗装膜厚hは次式のように求まる。
【0026】
【数15】 h={(1na1 /a2 )/(−t1 /τ1 ’+t2 /τ2 ’)}1/3 …(17) τ1 ’=(3η1 ×λ4 )/ [16π4 (γ+3ρg・cosθ{λ/(2π)}2 )] …(18) τ2 ’=(3η2 ×λ4 )/ [16π4 (γ+3ρg・cosθ{λ/(2π)}2 )] …(19) 次に本発明の一実施例を説明する。
【0027】図1は、本発明に係るウェット塗膜厚測定
装置の第1実施例の構成を示すブロック図である。
【0028】同図に示すウェット塗膜厚測定装置は、塗
装を施された被塗装物1に対向して設けられ、被塗装物
1の塗装表面を撮像して、表面の粗さ情報を得る撮像部
2を有する。なお、本実施例では、被塗装物1には上塗
り塗料が塗布されている。
【0029】この撮像部2は、図8に詳細に示すよう
に、光源2A、明暗パターン板2B、反射鏡2C、レン
ズ2D、CCDカメラ2Eから構成され、該撮像部2で
撮像された被塗装物1の表面の粗さ情報は画像処理部3
に供給される。
【0030】画像処理部3は、各種画像処理プログラ
ム、画像解析シーケンスプログラム、波形解析プログラ
ム、膜厚演算プログラム等から構成され、撮像部2から
供給された表面粗さ情報を画像処理し、パワースペクト
ルの周波数分析(FFT)および長波の波形分離を行
い、表面粗さ情報をパワースペクトルデータPとしてパ
ワースペクトル積分値演算部4に供給する。
【0031】パワースペクトル積分値演算部4は、画像
処理部3からのパワースペクトルデータから粗さ相当の
パワースペクトル積分値Pi および長波長λを算出し、
膜厚演算部5に供給する。膜厚演算部5は、該パワース
ペクトル積分値Pi および長波長λに加えて、入力部6
から入力される塗料の成分情報および塗装条件に基づ
き、後述するパワースペクトルPを使用した平滑化理論
式を用いて塗装膜厚hを算出する。そして、この算出さ
れた塗装膜厚hは表示器7に表示されるとともに、プロ
ッタ8で印刷される。
【0032】本実施例における前記入力部6は、塗料粘
度やその表面張力の他に、塗装面が水平か、垂直かとい
う塗装面の条件も塗装条件として入力可能となってい
る。
【0033】次に、パワースペクトルPを使用した平滑
化理論式の導出について説明する。
【0034】まず、パワースペクトルPによる平滑化特
性を説明すると、表面粗さRa とパワースペクトル積分
値Pi とは、図9に示すような関係にあり、次式の関係
を有する。
【0035】
【数16】 Pi =Po +k×Ra 1/2 …(20) Ra ={(Pi −Po )/k}2 …(21) パワースペクトル解析値による平滑化理論式の導出で
は、まずウェット塗膜平滑化理論式(近似式)として、
表面粗さ度Ra は次式で表される。
【0036】
【数17】 Ra =Rao・exp (−t/τ) …(22) (21)式を(22)式に代入すると、
【数18】 {(Pi −Po )/k}2 ={(Pio−Poo)/k}2 exp (−t/τ) …(23) なお、ここで、PioはPi の初期値であり、PooはPo
の初期値である。
【0037】従って、
【数19】 P=Po ・exp (−t/2τ) …(24) 但し、P=Pi −Po ,τ=3ηλ4 /16π4 γhで
ある。
【0038】以上から、パワースペクトル解析値による
塗装膜厚hは、水平面および垂直面によって次式のよう
になる。
【0039】
【数20】 h={(1nP1 −P2 )/(−t1 /2τi ’+t2 /2τi ’)}1/3 …(25) 但し、τ’i =3ηiλ4 /16π4 γ’ …(26) γ’水平=γ+K・ρg・λ2 /(2π)2 …(27) γ’垂直=γ’水平−K・ρg・λ2 /(2π)2 である。
【0040】次に、図1に示す第1の実施例の作用を説
明する。
【0041】撮像部2によって被塗装物1の塗膜表面を
撮像して、塗料塗布後の時間t1 ,t2 における表面粗
さ情報を測定すると、この情報は画像処理部3に入力さ
れて画像処理され、周波数解析(FFT)処理および空
間周波数毎のパワースペクトルデータとしてパワースペ
クトル積分値演算部4に供給される。パワースペクトル
積分値演算部4では、画像処理部3からのパワースペク
トルデータを使用し、パワースペクトルの波形分離およ
び長波パワースペクトル積分値Pi と長波長λの算出が
行われ、粗さ度相当の情報とされ、膜厚演算部5に供給
される。膜厚演算部5には、入力部6から塗料成分情報
および塗装面が水平か、垂直かという塗装面の条件等の
塗装条件が入力され、これらの情報と前記パワースペク
トル積分値演算部4からのパワースペクトル積分値Pi
および長波長λから上述したように、塗装面が水平面か
水平面かに応じて各塗装膜厚hが算出され、表示器7に
表示されるとともに、プロッタ8で印刷される。
【0042】図10は、本発明に係るウェット塗膜厚測
定装置の第2実施例の構成を示すブロック図である。本
実施例は、塗装表面の傾斜角を測定し、その傾斜角情報
θにより傾斜角補正用の膜厚算出式によって塗装膜厚を
算出するものである。
【0043】図10において、塗装を施される被塗装物
1には対向して粗さ測定手段を構成している非接触光干
渉式表面粗さ計11が設けられている。なお、本実施例
では、被塗装物1には上塗り塗料を塗布している。
【0044】表面粗さ計11は、図11に示すように、
光源13から発生する光がピンホールおよび開口部を通
り、ハーフミラーに当たって下方に反射され、対物レン
ズ15、参照面16、ビームスプリッタを通り、被塗装
物1の表面に当たって上方に反射され、ビームスプリッ
タ、参照面16、対物レンズ15を通った後、ハーフミ
ラーを上方に通過し、フィルタを通ってCCDセンサ1
2で受信され、これにより被塗装物1の表面の粗さ情報
を得るように構成されている。
【0045】表面粗さ計11からの被塗装物1の表面粗
さ情報は、コントローラ20を構成する画像処理装置1
7に供給され、ここで座標化、座標変換が行われた後、
表面粗さ度演算処理装置18に供給される。
【0046】表面粗さ度演算処理装置18は、画像処理
装置17から供給される表面粗さ画像情報から表面粗さ
度および表面粗さ波長を算出し、膜厚演算処理装置19
に供給する。これによりこの表面粗さ度およびその波長
を使用することにより、比較的短い測定時間で平均塗装
膜厚を算出できるとともに、塗装表面の特定の凹凸の選
定処理を不要とするという利点を有する。なお、表面粗
さ度および波長としては、平均粗さ度Ra および平均波
長λa 、または2乗平均平方根Rq および2乗平均平方
根波長λq を使用している。
【0047】また、この膜厚演算処理装置19には、入
力部6から揮発成分等の含有量等を含む塗料の成分情報
が入力されるとともに傾斜計21により測定された傾斜
角情報θが入力され、これにより膜厚演算処理装置19
は傾斜角補正用の膜厚算出式に基づいて塗装膜厚を算出
し、この算出した塗装膜厚を表示器7およびプロッタ8
に出力する。
【0048】なお、前記画像処理装置17、表面粗さ度
演算処理装置18および膜厚演算処理装置19がコント
ローラ20を構成している。
【0049】次に、図12に示すフローチャートを参照
して、図10に示す実施例の作用を説明する。
【0050】図12においては、まず表面粗さ計11に
よって塗料を塗布された直後の時間t1 において被塗装
物1の表面に光を照射し、その反射光を受光して、被塗
装物1の表面の粗さ情報を得るが、この処理は表面粗さ
計11において光源13から光を発生し(ステップ11
0)、分光部で分光し(ステップ120)、被塗装物1
の塗装表面を照射し(ステップ130)、該塗装表面か
らの反射光を測光部で測光し(ステップ140)、これ
により時間t1 における画像情報、すなわち被塗装物1
の表面粗さ情報を入手し(ステップ150)、この画像
情報をメモリに記憶する(ステップ160)という手順
にて行われる。
【0051】この表面粗さ情報の入手は、時間t1 に続
いて、時間Δt後の時間t2 (=t1 +Δt)において
も繰り返して行われ、これにより時間t1 ,t2 におけ
る被塗装物1の表面粗さ情報が測定され、画像情報とし
てメモリに記憶される。この画像情報は画像処理装置1
7に供給され、該画像処理装置17において座標化およ
び座標変換が行われる(ステップ170)。
【0052】次に、画像処理装置17において座標化お
よび座標変換された画像情報である被塗装物1の表面粗
さ情報は、表面粗さ度演算処理装置18に供給される。
【0053】表面粗さ度演算処理装置18は、画像処理
装置17から供給される表面粗さ画像情報から時間t1
およびt2 における表面の粗さ度および波長、すなわち
平均粗さ度Ra およびその平均波長λa または2乗平均
平方根Rq および2乗平均平方根λq を算出し(ステッ
プ182)、膜厚演算処理装置19に供給する。
【0054】膜厚演算処理装置19は、表面の粗さ度お
よび波長、すなわち平均粗さ度Raおよびその平均波長
λa または2乗平均平方根Rq および2乗平均平方根λ
q が供給されると、これらの情報と入力部6から供給さ
れる塗料条件および傾斜計21から供給される傾斜角情
報θに基づき上述した(17)〜(19)式に従って塗
装膜厚hを算出する(ステップ200)。
【0055】すなわち、(17)式は、表面の粗さ度お
よび波長、すなわち平均粗さ度Raおよびその平均波長
λa または2乗平均平方根Rq および2乗平均平方根λ
q に対しても次のように成立する。
【0056】
【数21】 h={(1nRa1/Ra2)/(−t1 /τ1 ’+t2 /τ2 ’)}1/3 …(29) τ1 ’=(3η1 ×λ4 )/ [16π4 (γ+3ρg・cosθ{λ/(2π)}2 )] …(18) τ2 ’=(3η2 ×λ4 )/ [16π4 (γ+3ρg・cosθ{λ/(2π)}2 )] …(19) 図13は、本発明に係るウェット塗膜厚測定装置の第3
実施例の構成を示すブロック図である。
【0057】本実施例は、図1に示したパワースペクト
ルPを使用した平滑化理論式を用いて、傾斜面の膜厚を
算出するものであり、撮像部2には、塗膜表面1の傾斜
角を計測する前記傾斜計21が設けられ、その傾斜角情
報θが膜厚演算部22に供給されている。
【0058】そして、膜厚演算部22には、入力部6か
ら塗料成分情報および塗装条件が入力され、この情報と
前記パワースペクトル積分値演算部4からのパワースペ
クトル積分値Pi 、長波長λおよび傾斜計21から入力
される傾斜情報θから上述したように、塗装面の傾斜角
に応じた塗装膜厚hが算出され、表示器7に表示される
とともに、プロッタ8で印刷される。
【0059】この場合においても、(17)式は、次式
に示すように成立する。
【0060】
【数22】 h={(1nP1 −P2 )/(−t1 /2τ1 ’+t2 /2τ2 ’)}1/3 …(30) τ1 ’=(3η1 ×λ4 )/ [16π4 (γ+3ρg・cosθ{λ/(2π)}2 )] …(18) τ2 ’=(3η2 ×λ4 )/ [16π4 (γ+3ρg・cosθ{λ/(2π)}2 )] …(19) 図14は、本発明に係るウェット塗膜厚測定装置の第4
実施例の構成を示すブロック図である。
【0061】本実施例は、ウェット塗装面の鮮映度から
ドライ塗装面の鮮映性を推定するとともにウェット塗膜
厚からドライ塗膜厚を推定し、これらの塗膜厚と前記鮮
映性とから塗装性を判断し、最適塗膜厚を算出するとと
もに、この最適塗膜厚に対するドライ塗装膜厚の偏差を
算出し、この偏差を塗装条件としてフィードバックする
ように構成したものである。
【0062】図14において、撮像部2からの画像処理
された表面粗さ情報はウェット鮮映性演算部41および
パワースペクトル積分値演算部21に供給される。
【0063】ウェット鮮映性演算部41は、画像処理部
3からの画像処理データに基づいてウェット塗装面の鮮
映性、すなわち平滑性、肉持ち性、光沢性からなる鮮映
性を算出し、この鮮映性をドライ鮮映性演算部42に供
給する。このドライ鮮映性演算部42は、ウェット鮮映
性演算部41から供給されたウェット塗装面の鮮映性お
よび入力部6から供給される塗装色等を含む塗装条件に
基づいて最終塗装品質であるドライ塗装面に鮮映性を推
定し、このドライ塗装面の鮮映性およびウェット塗装面
の鮮映性を塗装性判断部43に供給する。
【0064】一方、パワースペクトル積分値演算部4
は、画像処理部3からのパワースペクトルデータから粗
さ相当のパワースペクトル積分値Pi および長波長λを
算出し、膜厚演算部5に供給する。膜厚演算部5は、該
パワースペクトル積分値Pi および長波長λに加えて、
入力部6から入力される塗装条件に基づき、前記パワー
スペクトルPを使用した平滑化理論式を用いて塗装膜厚
hを算出する。このウェット塗装膜厚hは、ドライ塗膜
厚演算部23に供給され、入力部6からの塗装条件の塗
着塗料固形分割合情報、すなわち塗着NV情報(ノンボ
ラ情報)とにより、ドライ塗膜厚h’が推定され、この
ドライ塗膜厚h’およびウェット塗膜厚hは塗装性判断
部43に供給される。
【0065】塗装性判断部43は、ドライ鮮映性演算部
42から供給されたドライ塗装面の鮮映性およびウェッ
ト塗装面の鮮映性およびドライ塗膜厚演算部23から供
給されたドライ塗膜厚h’およびウェット塗膜厚hに基
づいて、塗装面の塗装性(品質)を判定し、最適塗膜厚
を算出するとともに、この最適塗膜厚に対するドライ塗
膜厚h’の偏差を算出する。そして、この塗膜厚偏差情
報を塗装条件制御システム44に供給するとともに、該
塗膜厚偏差、ドライ塗膜厚、ウェット塗膜厚、ドライ塗
装面の鮮映性、ウェット塗装面の鮮映性に関する情報を
表示器7およびプロッタ8に出力し、それぞれ表示およ
び印刷する。
【0066】塗装条件制御システム44は、塗装性判断
部43から供給された塗膜厚偏差情報に基づいて例えば
塗装条件を制御し、これにより最適塗膜厚および塗装性
が得られるようにフィードバック制御する。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、塗
料を塗布した直後の塗装表面の垂直面や傾斜面において
も非接触で適確に塗装膜厚を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るウェット塗膜厚測定装置の第1実
施例の構成を示すブロック図である。
【図2】塗装直後のウェット状態の塗装表面の凹凸状態
の平坦化現象の説明図である。
【図3】水平面での平滑化特性を示す説明図である。
【図4】水平面での平滑化特性を示す説明図である。
【図5】垂直面での平滑化特性を示す説明図である。
【図6】垂直面での平滑化特性を示す説明図である。
【図7】傾斜面での平滑化特性を示す説明図である。
【図8】図1のウェット塗膜厚測定装置で使用される撮
像部の構成図である。
【図9】表面粗さとパワースペクトル積分値の関係を示
すグラフである。
【図10】本発明に係るウェット塗膜厚測定装置の第2
実施例の構成を示すブロック図である。
【図11】図1のウェット塗膜厚測定装置で使用される
表面粗さ計の構成図である。
【図12】図10のウェット塗膜厚測定装置の作用を示
すフローチャートである。
【図13】本発明に係るウェット塗膜厚測定装置の第3
実施例の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明に係るウェット塗膜厚測定装置の第4
実施例の構成を示すブロック図である。
【図15】従来の塗膜厚測定装置を示す説明図である。
【符号の説明】
1 被塗装物 2 撮像部 3 画像処理部 4 パワースペクトル積分値演算部 5、22 膜厚演算部 6 入力部 7 表示器 8 プロッタ 8 固定ネジ 11 表面粗さ計 18 表面粗さ度演算処理部 21 傾斜計

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗料を塗装した直後の未乾燥塗装表面の
    粗さを撮像する撮像手段と、 この撮像手段で撮像した表面粗さ情報をパワースペクト
    ル解析し、パワースペクトルデータとして出力するパワ
    ースペクトル解析手段と、 このパワースペクトル解析手段からのパワースペクトル
    データから表面粗さ相当のパワースペクトル積分値およ
    び波長を算出する演算手段と、 前記塗料の成分情報および塗装条件を入力する入力手段
    と、 パワースペクトル解析値を使用した水平面用または垂直
    面用の各平滑化理論式を用いて、前記パワースペクトル
    積分値、波長、前記塗料の成分情報および塗装条件に基
    づいて塗装膜厚を算出する塗装膜厚算出手段と、 を有することを特徴とするウェット塗膜厚測定装置。
  2. 【請求項2】 塗料を塗装した直後の未乾燥塗装表面の
    粗さを測定する粗さ測定手段と、 該粗さ測定手段で測定した前記表面粗さ情報から表面の
    粗さ度および波長を算出する演算手段と、 前記表面の粗さ度の時間変化量を算出する時間変化量算
    出手段と、 前記塗装表面の傾斜角を測定する傾斜角測定手段と、 前記塗料の成分情報および塗装条件を入力する入力手段
    と、 傾斜角補正用の平滑化理論式を用いて、表面粗さ度、そ
    の時間変化量、前記表面粗さの波長、前記塗装表面の傾
    斜角情報、塗料の成分情報および塗装条件に基づいて塗
    装膜厚を算出する塗装膜厚算出手段と、 を有することを特徴とするウェット塗膜厚測定装置。
  3. 【請求項3】 塗料を塗装した直後の未乾燥塗装表面の
    粗さを撮像する撮像手段と、 この撮像手段で撮像した表面粗さ情報をパワースペクト
    ル解析し、パワースペクトルデータとして出力するパワ
    ースペクトル解析手段と、 このパワースペクトル解析手段からのパワースペクトル
    データから表面粗さ相当のパワースペクトル積分値およ
    び波長を算出する演算手段と、 前記塗装表面の傾斜角を測定する傾斜角測定手段と、 前記塗料の成分情報および塗装条件を入力する入力手段
    と、 傾斜角補正用の平滑化理論式を用いて、前記パワースペ
    クトル積分値、波長、前記塗装表面の傾斜角情報、前記
    塗料の成分情報および塗装条件に基づいて塗装膜厚を算
    出する塗装膜厚算出手段と、 を有することを特徴とするウェット塗膜厚測定装置。
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