JP2950083B2 - ウェット塗膜厚測定装置 - Google Patents

ウェット塗膜厚測定装置

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JP2950083B2 JP5554993A JP5554993A JP2950083B2 JP 2950083 B2 JP2950083 B2 JP 2950083B2 JP 5554993 A JP5554993 A JP 5554993A JP 5554993 A JP5554993 A JP 5554993A JP 2950083 B2 JP2950083 B2 JP 2950083B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料を塗装した直後の
未乾燥塗装表面の動的な粗さ情報から塗装膜厚を測定す
る装置に係わり、特に塗料温度や塗装環境の雰囲気温度
を考慮した正確な膜厚測定を可能にしたウェット塗膜厚
測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のウェット塗膜厚測定装置として
は、針ゲージを利用した接触式のもの、電磁式または渦
電流式を利用した非接触式のもの等、種々のものがあ
る。
【0003】図15は従来のウェット塗膜厚測定装置の
うち、塗料の非磁極性を利用した非接触式ウェット塗膜
厚測定装置を示す説明図である。このウェット塗膜厚測
定装置は、同図(a)に示すように鋼板からなる被塗装
体81の塗装表面に対向して非接触膜厚センサ82を近
接距離ho に予め位置決めしておいてから、該非接触膜
厚センサ82内に設けられている受発信コイルによって
被塗装体81と非接触膜厚センサ82との間に磁界を生
成する。そして、同図(b)に示すように、被塗装体8
1の表面上にウェット塗料83を塗装すると、塗装後の
被塗装体81と非接触膜厚センサ82との間の磁界は塗
装膜厚による電磁気抵抗により減衰して受信コイルに感
知される。従って、膜厚に反比例した磁束の変化を検出
することにより、塗装膜厚を測定することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したウェット塗膜
厚測定装置のうち、針ゲージ式のように接触式のものは
塗装面へのきずによって塗装品質に影響があるという問
題がある。
【0005】また、非接触式のもののうち、図15に示
したような非接触式ウェット塗膜厚測定装置は塗装前に
被塗装体と非接触膜厚センサとの間の距離を所定の近接
距離に設定しておく必要があるが、被塗装体へ塗装を行
った後においては塗装の膜厚を測定できないという問題
や、または測定自体が塗装の前後で2回必要であるとい
う問題、更に測定精度が悪いという問題がある。
【0006】そこで、本発明者は、上記の問題点を解決
するために、先に特願平4−306966号において、
塗料を塗布した直後の塗装表面の粗さの動的な平滑化特
性から非接触で適確に塗装膜厚を測定することができる
ウェット塗膜厚測定装置を提案した。
【0007】ところが、塗料粘度は塗料温度や塗装環境
の雰囲気温度により異なるものであり、上記先願のよう
に温度一律の膜厚算出式を使用している場合には、必ず
しも精度の良い膜厚測定ができない。すなわち、塗料温
度や塗装環境の雰囲気温度に応じて温度の影響を考慮し
た膜厚算出式により膜厚を測定する方がより正確な結果
を得ることができるという知見を得た。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、塗料を塗布した直後の塗
装表面の塗料温度や塗装環境の雰囲気温度に応じた適確
な塗装膜厚を非接触で測定することができるウェット塗
膜厚測定装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のウェット塗膜厚測定装置は、塗料を塗装し
た直後の未乾燥塗装表面の粗さを測定する粗さ測定手段
と、該粗さ測定手段で測定した前記表面粗さ情報から表
面の粗さ度および波長を算出する演算手段と、前記表面
の粗さ度の時間変化量を算出する時間変化量算出手段
と、塗料温度または塗装環境の雰囲気温度を測定する温
度測定手段と、塗装条件を入力する入力手段と、温度補
正用の平滑化理論式を用いて、表面粗さ度、その時間変
化量、前記表面粗さの波長、前記塗料温度情報または雰
囲気温度情報および塗装条件に基づいて塗装膜厚を算出
する塗装膜厚算出手段とを有することを要旨とする。
【0010】また、本発明のウェット塗膜厚測定装置
は、塗料を塗装した直後の未乾燥塗装表面の粗さを撮像
する撮像手段と、この撮像手段で撮像した表面粗さ情報
をパワースペクトル解析し、パワースペクトルデータと
して出力するパワースペクトル解析手段と、このパワー
スペクトル解析手段からのパワースペクトルデータから
表面粗さ相当のパワースペクトル積分値および波長を算
出する演算手段と、塗料温度または塗装環境の雰囲気温
度を測定する温度測定手段と、塗装条件を入力する入力
手段と、パワースペクトル解析値を使用した温度補正用
の平滑化理論式を用いて、前記パワースペクトル積分
値、波長、前記塗料温度情報または雰囲気温度情報およ
び塗装条件に基づいて塗装膜厚を算出する塗装膜厚算出
手段とを有することを要旨とする。
【0011】
【作用】本発明のウェット塗膜厚測定装置では、塗装直
後の未乾燥塗装表面の粗さを測定し、この表面粗さ情報
から表面の粗さ度および波長を算出し、表面の粗さ度の
時間変化量を算出し、表面粗さ度の時間変化量、表面粗
さの波長、塗料温度または塗装環境の雰囲気温度および
塗装条件に基づいて温度に応じた塗装膜厚を算出する。
【0012】また、本発明のウェット塗膜厚測定装置で
は、塗装直後の未乾燥塗装表面の粗さを撮像した表面粗
さ情報をパワースペクトル解析し、そのパワースペクト
ルデータから表面粗さ相当のパワースペクトル積分値お
よび波長を算出し、パワースペクトル解析値を使用した
温度補正用の平滑化理論式を用いて、パワースペクトル
積分値、波長、塗料温度情報または雰囲気温度情報およ
び塗装条件に基づいて温度に応じた塗装膜厚を算出す
る。
【0013】
【実施例】本発明のウェット塗膜厚測定装置は、塗料を
塗装した直後の未乾燥状態の、すなわちウェット状態の
塗装表面の平坦化現象に着目して塗装膜厚を測定するも
のである。すなわち、図2(a)に示すように、塗装直
後のウェット状態の塗装表面は凹凸状態になっており、
初期うず流動が存在している。そして、このような状態
の凹凸は同図(b)に示すようにレベリング力により時
間とともに平坦化され、最終的には同図(c)に示すよ
うに平坦化状態になるが、本発明のウェット塗膜厚測定
装置はこのような平坦化現象に着目し、塗装表面の凹凸
状態を測定することによりウェット状態の塗装表面が乾
燥した後の塗装膜厚を非接触で適確に算出することがで
きるとともに、塗料塗布後のみの測定で算出することが
できるものである。
【0014】特に本発明においては、塗装ブースの温度
変化が、昼と夜とで約5度、夏と冬とで約10度もの差
となり、塗着粘度が大きく変化する点に着目し、この温
度変化を考慮した適確な塗装膜厚を算出する。
【0015】初めに、平滑化理論を水平面、垂直面およ
び傾斜面に分けて説明する。
【0016】<水平面での平滑化特性>塗料を塗布した
直後の塗液面は、水平面においては表面張力と重力の影
響により平坦化(レベリング)のための流動が起こる。
この関係を図3を参照して説明すると、液面高さをh、
流化量をq(x)としたとき、x+Δx点における液面
の時間変化は、次式のようになる。
【0017】
【数1】 次に、圧力p(x)と力F(x)との関係は、表面張力
をγ、重力をρgとすると、次式のようになる。
【0018】
【数2】 したがって、(3)式、(4)式から、流速vh は、次
式のようになる。
【0019】
【数3】 同様に、流量qh は、
【数4】 したがって、前記液面の時間変化は、
【数5】 ここで、h=h0 +a・sin(2π/λ)xとする
と、
【数6】 凹凸のピークツゥピーク部では、図4に示すように、h
−h0 =aであるから、
【数7】 上記(9)式が水平面の平滑化理論式であり、{γ+3
ρgλ2 /(2π)2}に示されるように、表面張力γ
と重力項ρgが加算された式となっている。
【0020】<垂直面での平滑化特性>図5に示すよう
な垂直面での平坦化のための流動は、表面張力γにより
生じ、重力gは塗料の下方への垂れとして作用する。
【0021】この場合、圧力p(x)と力F(x)との
関係は、次式のようになる。
【0022】
【数8】 また、流速vh は、前記(4)’式から、
【数9】 同様に、流量qh は、
【数10】 したがって、(8)式、(9)式と同様に、
【数11】 以上の式から分かるように、垂直面での平滑化理論式
は、水平面の式に対して3ρgλ2 /(2π)2 の重力
項分だけ時定数が小さい。
【0023】<傾斜面での平滑化特性>図7に示すよう
に、角度θだけ傾斜した塗装面において、重力gの平滑
化力(レベリング力)は、ρg・cosθとなるので、
前記(9)式は、
【数12】 故に、 a=a0 ・exp(−t/τ) …(10) 但し、 τ=3×η×λ4 /(16π4 ×γ’×h3 ) γ’=γ+3ρg・cos{λ/(2π)}2 故に、膜厚hは、塗装直後の時間t1 ,t2 での凹凸の
ピークツゥピーク値をa1 ,a2 、波長をλとすれば、
【数13】 a1 =a0 exp (−t1 /τ1 ) …(11) τ1 ={3×η(t1 )×λ4 }/(16π4 ×γ×h3 ) …(12) a2 =a0 exp (−t2 /τ2 ) …(13) τ2 ={3×η(t2 )×λ4 }/(16π4 ×γ×h3 ) …(14)
【数14】 a1 /a2 =exp (−t1 /τ1 +t2 /τ2 ) …(15) 1na1 /a2 =(−t1 /τ1 +t2 /τ2 ) …(16) そして、(12),(14),(16)式から角度θだ
け傾斜した塗装面の塗装膜厚hが次式のように求まる。
【0024】
【数15】 h={(1na1 /a2 )/(−t1 /τ1 ’+t2 /τ2 ’)}1/3 …(17) τ1 ’=(3η1 ×λ4 )/ [16π4 (γ+3ρg・cosθ{λ/(2π)}2 )] …(18) τ2 ’=(3η2 ×λ4 )/ [16π4 (γ+3ρg・cosθ{λ/(2π)}2 )] …(19) 次に、塗料の塗着粘度の温度特性および温度補正時の平
滑化特性についてそれぞれ考察する。
【0025】<塗着粘度の温度特性>塗料塗着粘度と温
度との関係は図8に示すような相関性がある。
【0026】本発明者は、塗着粘度の温度特性を確認す
るために、以下のようにして実験した。
【0027】<NV(塗料固形分の%)の測定> *塗料NVの測定 あらかじめ重量を測定してアルミ箔の上に一定量の塗料
を乗せ、乾燥前後の重量を測定することにより塗料のN
Vを算出する、いわゆるアルミ重量法を用いた。
【0028】*塗着NVの測定 基本的には上記塗料NVの測定と同様に、アルミ重量法
を用いて測定する。塗装ライン上にアルミ箔を乗せた試
料を流し、塗布直後t(=t1 ,t2 ,t3 )の塗装さ
れたアルミ箔の乾燥前後の重量を測定することにより塗
着NVを算出した。
【0029】<粘度の測定> *塗料粘度の測定 シアレート粘度計を用い、ずり速度としては高速域から
低速域のデータを測定した。
【0030】*塗着粘度の測定 一定条件で吹き付けた塗料を用い、上記塗料粘度の測定
と同様に測定した。
【0031】上述のようにして、シアレート粘度計を用
いて塗料粘度の温度特性を測定し、塗着NVの測定値か
ら塗着粘度特性を求めた。その結果を図9に示す。
【0032】図9から分かるように、塗着粘度ηは、温
度をT、時間をtとすると、 η=η(T,t) となり、このηは、ほぼ、
【数16】 (η0 −K0 T)+(η1 −K1 T)t+K22 …(20) と等しくなる。ここで、t2 項は塗布後の時間2〜4分
の場合補正項として必要となる。
【0033】<温度補正時の平滑化特性>前記(1)式
を後述するパワースペクトルPを使用した平滑化理論式
に代入すると、
【数17】 P=P0 ・exp (−t/2τ) …(21) 但し、τ’i =3×η(T,t)×λ4 /(16π4 ×γ’×h3 ) となる。
【0034】したがって、温度を考慮した膜厚算出式は
以下のようになる。
【0035】
【数18】 h3 =(lnP1 −lnP2 )/(−t1 /2τ’i +t2 /2τ’i ) 但し、τ’i =3ηiλ4 /16π4 γ’ …(22) 図10に平滑化特性の比較、図11に膜厚算出結果を示
す。
【0036】本発明者が実験した結果、温度補正をした
場合には、温度補正がない場合に比較して2〜5μmの
精度向上が確認された。
【0037】次に本発明の一実施例を説明する。
【0038】図1は、本発明に係るウェット塗膜厚測定
装置の第1実施例の構成を示すブロック図である。本実
施例は、温度変化を考慮するとともに、塗装面の傾斜角
に応じて適確な塗装膜厚をパワースペクトル解析値を使
用して算出する例を示している。
【0039】同図に示すウェット塗膜厚測定装置は、塗
装を施された被塗装物1に対向して設けられ、被塗装物
1の塗装表面を撮像して、表面の粗さ情報を得る撮像部
2を有する。なお、本実施例では、被塗装物1には上塗
り塗料が塗布されている。
【0040】この撮像部2は、図12に詳細に示すよう
に、光源2A、明暗パターン板2B、反射鏡2C、レン
ズ2D、CCDカメラ2Eから構成され、該撮像部2で
撮像された被塗装物1の表面の粗さ情報は画像処理部3
に供給される。
【0041】画像処理部3は、各種画像処理プログラ
ム、画像解析シーケンスプログラム、波形解析プログラ
ム、膜厚演算プログラム等から構成され、撮像部2から
供給された表面粗さ情報を画像処理し、パワースペクト
ルの周波数分析(FFT)および長波の波形分離を行
い、表面粗さ情報をパワースペクトルデータPとしてパ
ワースペクトル積分値演算部4に供給する。
【0042】パワースペクトル積分値演算部4は、画像
処理部3からのパワースペクトルデータから粗さ相当の
パワースペクトル積分値Pi および長波長λを算出し、
膜厚演算部5に供給する。膜厚演算部5は、該パワース
ペクトル積分値Pi および長波長λに加えて、塗装条件
入力部6から入力される塗装条件および塗料温度(また
は雰囲気温度)測定部10で測定された温度情報、さら
には、傾斜計21により測定された傾斜角情報θに基づ
き、後述するパワースペクトルPを使用した平滑化理論
式を用いて塗装膜厚hを算出する。そして、この算出さ
れた塗装膜厚hは表示器7に表示されるとともに、プロ
ッタ8で印刷される。
【0043】図1に示す第1の実施例装置は以下のよう
に動作する。
【0044】撮像部2によって被塗装物1の塗膜表面を
撮像して、塗料塗布後の時間t1 ,t2 における表面粗
さ情報を測定すると、この情報は画像処理部3に入力さ
れて画像処理され、周波数解析(FFT)処理および空
間周波数毎のパワースペクトルデータとしてパワースペ
クトル積分値演算部4に供給される。パワースペクトル
積分値演算部4では、画像処理部3からのパワースペク
トルデータを使用し、パワースペクトルの波形分離およ
び長波パワースペクトル積分値Pi と長波長λの算出が
行われ、粗さ度相当の情報とされ、膜厚演算部5に供給
される。膜厚演算部5には、塗装条件入力部6から塗装
条件が入力され、また、塗料温度測定部10から温度情
報が入力され、さらには傾斜計21からの傾斜角情報θ
が入力され、これらの情報と前記パワースペクトル積分
値演算部4からのパワースペクトル積分値Pi および長
波長λから上述したように、塗料温度に応じた塗装膜厚
hが算出され、表示器7に表示されるとともに、プロッ
タ8で印刷される。
【0045】次に、上述したパワースペクトルPを使用
した平滑化理論式の導出について詳細に説明する。
【0046】まず、パワースペクトルPによる平滑化特
性を説明すると、表面粗さRa とパワースペクトル積分
値Pi とは、図13に示すような関係にあり、次式の関
係を有する。
【0047】
【数19】 Pi =Po +k×Ra 1/2 …(23) Ra ={(Pi −Po )/k}2 …(24) パワースペクトル解析値による平滑化理論式の導出で
は、まずウェット塗膜平滑化理論式(近似式)として、
表面粗さ度Ra は次式で表される。
【0048】
【数20】 Ra =Rao・exp (−t/τ) …(25) (24)式を(25)式に代入すると、
【数21】 {(Pi −Po )/k}2 ={(Pio−Poo)/k}2 exp (−t/τ) …(26) なお、ここで、PioはPi の初期値であり、PooはPo
の初期値である。
【0049】従って、
【数22】 P=Po ・exp (−t/2τ) …(27) 但し、P=Pi −Po ,τ=3ηλ4 /16π4 γhで
ある。
【0050】以上から、パワースペクトル解析値による
塗装膜厚hは、次式のようになる。
【数23】 h3 =(lnP1 −lnP2 )/(−t1 /2τ’i +t2 /2τ’i ) 但し、τ’i =3ηiλ4 /16π4 γ’ …(28) である。
【0051】したがって、塗装温度すなわち塗装粘度を
考慮した場合および塗装表面の傾斜角θを考慮した場合
には、塗装膜厚hは、次式のようになる。
【0052】
【数24】 h={(1nP1 −P2 )/(−t1 /2τ1 ’+t2 /2τ2 ’)}1/3 …(29) τ1 ’=(3η1 (T,t)×λ4 )/ [16π4 (γ+3ρg・cosθ{λ/(2π)}2 )] …(30) τ2 ’=(3η2 (T,t)×λ4 )/ [16π4 (γ+3ρg・cosθ{λ/(2π)}2 )] …(31) 図14は、本発明に係るウェット塗膜厚測定装置の第2
実施例の構成を示すブロック図である。
【0053】本実施例は、ウェット塗装面の鮮映度から
ドライ塗装面の鮮映性を推定するとともにウェット塗膜
厚からドライ塗膜厚を推定し、これらの塗膜厚と前記鮮
映性とから塗装性を判断し、最適塗膜厚を算出するとと
もに、この最適塗膜厚に対するドライ塗装膜厚の偏差を
算出し、この偏差を塗装条件としてフィードバックする
ように構成したものである。
【0054】図14において、撮像部2からの画像処理
された表面粗さ情報はウェット鮮映性演算部41および
パワースペクトル積分値演算部21に供給される。
【0055】ウェット鮮映性演算部41は、画像処理部
3からの画像処理データに基づいてウェット塗装面の鮮
映性、すなわち平滑性、肉持ち性、光沢性からなる鮮映
性を算出し、この鮮映性をドライ鮮映性演算部42に供
給する。このドライ鮮映性演算部42は、ウェット鮮映
性演算部41から供給されたウェット塗装面の鮮映性お
よび塗装条件入力部6から供給される塗装色等を含む塗
装条件に基づいて最終塗装品質であるドライ塗装面に鮮
映性を推定し、このドライ塗装面の鮮映性およびウェッ
ト塗装面の鮮映性を塗装性判断部43に供給する。
【0056】一方、パワースペクトル積分値演算部4
は、画像処理部3からのパワースペクトルデータから粗
さ相当のパワースペクトル積分値Pi および長波長λを
算出し、膜厚演算部5に供給する。
【0057】膜厚演算部5は、該パワースペクトル積分
値Pi および長波長λを入力するとともに、撮像部2に
設けられた傾斜計21からの傾斜角情報θと塗料温度
(雰囲気温度)測定部10からの温度情報と塗装条件入
力部6からの塗装条件を入力して前記パワースペクトル
Pを使用した平滑化理論式を用いて塗装膜厚hを算出す
る。このウェット塗装膜厚hは、ドライ塗膜厚演算部2
3に供給され、塗装条件入力部6からの塗装条件の塗着
塗料固形分割合情報、すなわち塗着NV情報(ノンボラ
情報)とにより、ドライ塗膜厚h’が推定され、このド
ライ塗膜厚h’およびウェット塗膜厚hは塗装性判断部
43に供給される。
【0058】塗装性判断部43は、ドライ鮮映性演算部
42から供給されたドライ塗装面の鮮映性およびウェッ
ト塗装面の鮮映性およびドライ塗膜厚演算部23から供
給されたドライ塗膜厚h’およびウェット塗膜厚hに基
づいて、塗装面の塗装性(品質)を判定し、最適塗膜厚
を算出するとともに、この最適塗膜厚に対するドライ塗
膜厚h’の偏差を算出する。そして、この塗膜厚偏差情
報を塗装条件制御システム44に供給するとともに、該
塗膜厚偏差、ドライ塗膜厚、ウェット塗膜厚、ドライ塗
装面の鮮映性、ウェット塗装面の鮮映性に関する情報を
表示器7およびプロッタ8に出力し、それぞれ表示およ
び印刷する。
【0059】塗装条件制御システム44は、塗装性判断
部43から供給された塗膜厚偏差情報に基づいて例えば
塗装条件を制御し、これにより最適塗膜厚および塗装性
が得られるようにフィードバック制御する。
【0060】このように上記各実施例は、塗料を塗布し
た直後の塗装表面の塗料温度や塗装環境の雰囲気温度に
応じた適確な塗装膜厚を非接触で測定することができる
なお、上記各実施例では、パワースペクトル解析値を使
用した温度補正用の平滑化理論式を用いて塗膜厚を求め
るようにしたが、本発明はこれに限られず、温度補正用
の平滑化理論式を用いて、表面粗さ度、その時間変化
量、表面粗さの波長、塗料温度情報または雰囲気温度情
報および塗装条件に基づいて塗装膜厚を算出するように
しても良い。また、塗料の成分情報、塗装表面の凹凸の
ピークツゥピーク値の時間変化量、塗装表面の凹凸の波
長および塗料温度情報または雰囲気温度情報に基づいて
塗装膜厚を求めるようにしても良い。
【0061】また、前記各実施例は、温度による補正と
塗装面の傾斜角による補正とを加味して塗膜厚を求めた
が、温度による補正と前記垂直面の平滑化理論式による
補正とを加味して塗膜厚を求めるようにしても良い。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、塗
料を塗布した直後の塗装表面の塗料温度や塗装環境の雰
囲気温度に応じた適確な塗装膜厚を非接触で測定するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るウェット塗膜厚測定装置の第1実
施例の構成を示すブロック図である。
【図2】塗装直後のウェット状態の塗装表面の凹凸状態
の平坦化現象の説明図である。
【図3】水平面での平滑化特性を示す説明図である。
【図4】水平面での平滑化特性を示す説明図である。
【図5】垂直面での平滑化特性を示す説明図である。
【図6】垂直面での平滑化特性を示す説明図である。
【図7】傾斜面での平滑化特性を示す説明図である。
【図8】塗料塗着粘度と温度との相関性を示す説明図で
ある。
【図9】塗着粘度の特性を示す説明図である。
【図10】平滑化特性の温度相関性を示す説明図であ
る。
【図11】温度による膜厚算出精度を示す説明図であ
る。
【図12】図1のウェット塗膜厚測定装置で使用される
撮像部の構成図である。
【図13】表面粗さとパワースペクトル積分値の関係を
示すグラフである。
【図14】本発明に係るウェット塗膜厚測定装置の第2
実施例の構成を示すブロック図である。
【図15】従来の塗膜厚測定装置を示す説明図である。
【符号の説明】
1 被塗装物 2 撮像部 3 画像処理部 4 パワースペクトル積分値演算部 5 膜厚演算部 6 塗装条件入力部 7 表示器 8 プロッタ 10 塗料温度測定部 21 傾斜計

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗料を塗装した直後の未乾燥塗装表面の
    粗さを測定する粗さ測定手段と、 該粗さ測定手段で測定した前記表面粗さ情報から表面の
    粗さ度および波長を算出する演算手段と、 前記表面の粗さ度の時間変化量を算出する時間変化量算
    出手段と、 塗料温度または塗装環境の雰囲気温度を測定する温度測
    定手段と、 塗装条件を入力する入力手段と、 温度補正用の平滑化理論式を用いて、表面粗さ度、その
    時間変化量、前記表面粗さの波長、前記塗料温度情報ま
    たは雰囲気温度情報および塗装条件に基づいて塗装膜厚
    を算出する塗装膜厚算出手段と、 を有することを特徴とするウェット塗膜厚測定装置。
  2. 【請求項2】 塗料を塗装した直後の未乾燥塗装表面の
    粗さを撮像する撮像手段と、 この撮像手段で撮像した表面粗さ情報をパワースペクト
    ル解析し、パワースペクトルデータとして出力するパワ
    ースペクトル解析手段と、 このパワースペクトル解析手段からのパワースペクトル
    データから表面粗さ相当のパワースペクトル積分値およ
    び波長を算出する演算手段と、 塗料温度または塗装環境の雰囲気温度を測定する温度測
    定手段と、 塗装条件を入力する入力手段と、 パワースペクトル解析値を使用した温度補正用の平滑化
    理論式を用いて、前記パワースペクトル積分値、波長、
    前記塗料温度情報または雰囲気温度情報および塗装条件
    に基づいて塗装膜厚を算出する塗装膜厚算出手段と、 を有することを特徴とするウェット塗膜厚測定装置。
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