JP3480972B2 - 熱硬化性組成物 - Google Patents

熱硬化性組成物

Info

Publication number
JP3480972B2
JP3480972B2 JP29737393A JP29737393A JP3480972B2 JP 3480972 B2 JP3480972 B2 JP 3480972B2 JP 29737393 A JP29737393 A JP 29737393A JP 29737393 A JP29737393 A JP 29737393A JP 3480972 B2 JP3480972 B2 JP 3480972B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
methyloxazolinium
hexafluoroantimonate
bromide
under reduced
reduced pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29737393A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07126314A (ja
Inventor
栄治 高橋
博雄 村本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Soda Co Ltd filed Critical Nippon Soda Co Ltd
Priority to JP29737393A priority Critical patent/JP3480972B2/ja
Publication of JPH07126314A publication Critical patent/JPH07126314A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3480972B2 publication Critical patent/JP3480972B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerization Catalysts (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱硬化性組成物に関す
るものであり、更に詳しくは、加熱により、短時間で硬
化するカチオン硬化性組成物に関する。該組成物の硬化
物は、優れた物性を有しているため成型樹脂、注型樹
脂、塗料、接着剤、インキ等の材料として好適に用いら
れる。
【0002】
【従来の技術】カチオン重合開始剤及びその組成物が記
載されているものとして、特開昭58−37003号、
特開昭63−223002号、特開昭56−15283
3号、特開平2−178319号、特開平3−1711
9号などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】カチオン重合開始剤
は、カチオン重合性化合物を短時間に硬化することがで
きるものとして有用な開始剤である。特に、熱により重
合反応を開始する所謂熱潜在性カチオン重合開始剤は、
これまでのアミン化合物や酸無水物によるエポキシ樹脂
の硬化よりも低温、短時間硬化が可能とされ、更に、一
液化ができる重要な開始剤である。例えば、これらに
は、特開昭58−37003号等に記載されているスル
ホニウム塩化合物および、特開平2−178319号等
に記載されているアンモニウム塩化合物などがある。
【0004】しかし、これらの開始剤を用いて、エポキ
シ化合物を硬化させる場合、脱離成分として塩基性を示
すスルフィドや三級アミンが生成するため、カチオン重
合が途中で停止してしまい良好な硬化物、例えばガラス
転移温度や架橋密度が高いものは得られにくい欠点があ
る。
【0005】本発明は、前に述べた事情からみてなされ
たもので、カチオン重合が途中で停止しにくいため、ガ
ラス転移温度や架橋密度が高い硬化物が得られる熱硬化
性組成物を提供することを目的としている。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討したところ、カチオン重合が可
能な、複素環の窒素原子が四級化されたオニウム塩化合
物をカチオン重合開始剤として使用することで、カチオ
ン重合性化合物のカチオン重合の停止反応を起こしにく
くして、硬化物のガラス転移温度や架橋密度を高めるこ
とのできる熱硬化性組成物を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、下記の〔A〕成分及び
〔B〕成分を含有することを特徴とする熱硬化性組成物
である。 〔A〕成分:カチオン重合が可能な、四級化された窒素
原子を有する複素環式オニウム塩化合物 〔B〕カチオン重合性化合物
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。 (A成分)本発明のA成分は、カチオン重合が可能な、
四級化された窒素原子を有する複素環式オニウム塩化合
物である。このオニウム塩化合物は、例えば、オキサゾ
リン誘導体、オキサジン誘導体、チアゾリン誘導体のよ
うな複素環化合物の環内窒素原子をハロゲン化アルキ
ル、ハロゲン化アルケニル、ジアルキル硫酸、アルキル
スルホン酸エステル等により四級化し、NaBF4 、K
PF6 、NaAsF6、KSbF6 のような非求核性の
アルカリ金属塩と塩交換により容易に得ることができ
る。
【0009】本発明のA成分は、環内の窒素原子が特定
の置換基によってアルキル化されたオニウム塩化合物で
あり、容易に開環し、B成分であるカチオン重合性化合
物とともに自らもカチオン重合しうることを特徴とす
る。
【0010】本発明の代表的なオニウム塩化合物とし
て、次の化1〜3に示すものが例示される。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】
【化3】
【0014】(B成分)本発明に使用されるカチオン重
合性化合物としては、次のような化合物を挙げるとがで
きる。 (a)エポキシ基を有する化合物として、1,1,3−
テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイ
ド、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4
−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシ
シクロヘキシルカルボキシレート、ジ(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)アジペート、フェニルグリシジルエ
ーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ハロゲン化
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、o−,m−,p−ク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂、多価アルコールのポリグリシジル
エーテル等のエポキシ化合物
【0015】(b)ビニル化合物として、スチレン、α
−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン等のスチ
レン類;n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニル
エーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシ
ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;
アリルビニルエーテル、1−オクタヒドロナフチルビニ
ルエーテル等のアルケニルビニルエーテル類;エチニル
ビニルエーテル、1−メチル−2−プロペニルビニルエ
ーテル等のアルキニルビニルエーテル類;フェニルビニ
ルエーテル、p−メトキシフェニルビニルエーテル等の
アリールビニルエーテル類;ブタンジオールジビニルエ
ーテル、トリエチレングリコールビニルエーテル、シク
ロヘキサンジオールジビニルエーテル等のアルキルジビ
ニルエーテル類;1,4−ベンゼンジメタノールジビニ
ルエーテル、N−m−クロロフェニルジエタノールアミ
ンジビニルエーテル、m−フェニレンビス(エチレング
リコール)ジビニルエーテル等のアラルキルジビニルエ
ーテル類;ハイドロキノンジビニルエーテル、レゾルシ
ノールジビニルエーテル等のアリールジビニルエーテル
類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン等
のカチオン重合性窒素含有化合物等
【0016】(c)ビシクロオルソエステル化合物とし
て、1−フェニル−4−エチル−2,6,7−トリオキ
サビシクロ〔2,2,2〕オクタン,1−エチル−4−
ヒドロキシメチル−2,6,7−トリオキサビシクロ
〔2,2,2〕オクタン等
【0017】(d)スピロオルソカーボネート化合物と
して、1,5,7,11−テトラオキサスピロ〔5,
5〕ウンデカン、3,9−ジベンジル−1,5,7,1
1−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン等や1,
4,6−トリオキサスピロ〔4,4〕ノナン,2−メチ
ル−1,4,6−トリオキサスピロ〔4,4〕ノナン,
1,4,6−トリオキサスピロ〔4,5〕デカン等のス
ピロオルソエステル化合物等である。
【0018】これらは、単独若しくは2種以上を併用し
て用いても差し支えない。 (a)〜(d)の内で、殊に(a)のエポキシ基を有す
る化合物が好んで使用される。
【0019】本発明において、前記オニウム塩化合物と
カチオン重合性化合物とは、カチオン重合性化合物10
0部に対し、オニウム塩化合物0.01〜20部、好ま
しくは 0.1〜 10 部の割合で配合する。このオニウム塩
化合物量が少いと、カチオン重合性化合物の硬化性が低
下し、過剰であると硬化物特性が低下する。
【0020】本発明の熱硬化性組成物は、加熱により容
易に硬化できる。熱硬化する場合は、20〜200℃、
好ましくは、50〜180℃の範囲で使用される。
【0021】本発明の熱硬化性組成物は、α線、β線、
γ線、中性子線、X線、加速電子線のような電離性放射
線によっても容易に短時間で硬化することができる。電
離性放射線による硬化の場合は、通常0.5〜60Mr
adの線量の範囲が使用でき、1〜50Mradの範囲
が好ましい。また、電離性放射線および熱を併用して硬
化させることも可能である。
【0022】本発明の熱硬化性組成物に、エポキシ樹脂
の硬化剤として通常用いられている、フェノール系硬化
剤、酸無水物類硬化剤等の硬化剤を性能が損なわない範
囲内で併用して用いてもよい。
【0023】前記のカチオン重合性化合物に本発明の開
始剤を配合して使用する際に、必要に応じて反応性希釈
剤、硬化促進剤、溶剤、顔料、染料、カップリング剤、
無機充填剤、炭素繊維ガラス繊維、界面活性剤等を添加
して使用される。
【0024】
【作 用】本発明は、環内の窒素原子が特定の置換基に
よってアルキル化されたオニウム塩化合物を重合触媒と
して使用することを特徴とし、該オニウム塩化合物は重
合触媒であると同時に、カチオンにより容易に開環し、
B成分であるカチオン重合性化合物とともに自らもカチ
オン重合しうるものである。
【0025】すなわち、カチオンにより開環可能な含窒
素ヘテロ環の窒素を四級化し、非求核性のアニオンと塩
交換したオニウム塩化合物をカチオン重合の開始剤とし
て使用することで、(1)カチオンが脱離し、生成した
含窒素ヘテロ環化合物は、重合末端のカチオンと反応が
可能なため、重合鎖中に取り込れて、それ自身がカチオ
ン重合を阻害することがなくなる。(2)オニウム塩化
合物の含窒素ヘテロ環自身が重合 開始の際に開環し、
重合鎖末端に取り込れてしまうため、それ自身がカチオ
ン重合を阻害することがなくなる。この何れかで反応が
起こると考えられる。従って 、脱離、生成した含窒素
ヘテロ環がカチオン重合を阻害することがなくなるた
め、カチオン重合が途中で停止しにくくなり、ガラス転
移温度や架橋密度の高い硬化物が得られるようになると
考えられる。
【0026】(実施例)以下、本発明を実施例及び比較
例により、更に具体的に説明する。但し、本発明 は、
これらの実施例に何等限定されるものではない。 (合成例1)N−ベンジル−2−メチルオキサゾリニウ
ムヘキサフロロアンチモネートの合成 ベンジルブロマイド8.55gと2−メチルオキサゾリ
ン4.26gを混合し、50℃で24時間反応させた。
得られた液状物をエーテルで洗浄し、40℃で減圧乾燥
し、前駆体のN−ベンジル−2−メチルオキサゾリニウ
ムブロマイドを得た。N−ベンジル−2−メチルオキサ
ゾリニウムブロマイド2.56gを蒸留水15gに溶解
させ、六フッ化アンチモン酸ナトリウム3.10gを加
え、よく攪拌し、冷却した。二層分離した溶液を分液
後、40℃で減圧乾燥した。 収率:71%
【0027】(合成例2)N−ベンジル−2,4,4−
トリメチルオキサゾリニウムヘキサフロロアンチモネー
トの合成 ベンジルブロマイド8.55gと2,4,4−トリメチ
ルオキサゾリン5.66gを混合し50℃で6日間反応
させた。得られた液状物をエーテルで洗浄し、40℃で
減圧乾燥し、前駆体のN−ベンジル−2,4,4−トリ
メチルオキサゾリニウムブロマイドを得た。N−ベンジ
ル−2,4,4−トリメチルオキサゾリニウムブロマイ
ド 2.84 gを蒸留水15gに溶解させ、六フッ化アンチ
モン酸ナトリウム 3.10 gを加え、よく攪拌し、冷却し
た。二層分離した溶液を分液後、40℃で減圧乾燥し
た。収率:84%
【0028】(合成例3)N−(2−メチルベンジル)
−2’−メチルオキサゾリニウムヘキサフロロアンチモ
ネートの合成 2−メチルベンジルブロマイド7.40gと2−メチル
オキサゾリン3.40gを混合し、室温で3日間反応さ
せた。得られた液状物をエーテルで洗浄し、40℃で減
圧乾燥し、前駆体のN−(2−メチルベンジル)−2’
−メチルオキサゾリニウムブロマイドを得た。N−(2
−メチルベンジル)−2’−メチルオキサゾリニウムブ
ロマイド2.70gを蒸留水10gとメチルエチルケト
ン(以下、MEKと言う)3gの混合溶液に溶解させ、
六フッ化アンチモン酸ナトリウム3.10gを加え、よ
く攪拌し、冷却した。この液に蒸留水30g加え、よく
攪拌し、析出した化合物を分離し、40℃で減圧乾燥し
た。 収率:84%
【0029】(合成例4)N−(ビニルベンジル)−
2,4,4−トリメチルオキサゾリニウムヘキサフロロ
アンチモネートの合成 クロロメチルスチレン(メタ、パラ異性体混合物)7.
64gと2,4,4−トリメチルオキサゾリン5.66
gを混合し、50℃で28日間反応させた。得られた液
状物をエーテルで洗浄し40℃で減圧乾燥し、前駆体の
N−(ビニルベンジル)−2,4,4−トリメチルオキ
サゾリニウムクロライドを得た。N−(ビニルベンジ
ル)−2,4,4−トリメチルオキサゾリニウムクロラ
イド2.66gを蒸留水5gとMEK3gの混合溶液に
溶解させ、六フッ化アンチモン酸ナトリウム3.10g
を加え、よく攪拌し、冷却した。この液に蒸留水40g
加え、よく攪拌し、析出した化合物を分離し、40℃で
減圧乾燥した。 収率:92%
【0030】(合成例5)N−(4−メトキシベンジ
ル)−2’−メチルオキサゾリニウムヘキサフロロアン
チモネートの合成 4−メトキシベンジルクロライド4.70gと2−メチ
ルオキサゾリン2.55gを混合し50℃で18日間反
応させた。得られた液状物をエーテルで洗浄し、40℃
で減圧乾燥し前駆体のN−(4−メトキシベンジル)−
2’−メチルオキサゾリニウムクロライドを得た。N−
(4−メトキシベンジル)−2’−メチルオキサゾリニ
ウムクロライド2.42gを蒸留水20gに溶解させ、
六フッ化アンチモン酸カリウム3.30gを加え、よく
攪拌し、冷却した。二層分離した溶液を分液後、40℃
で減圧乾燥した。 収率:30%
【0031】(合成例6)N−(4−ブロモベンジル)
−2’−メチルオキサゾリニウムヘキサフロロアンチモ
ネートの合成 4−ブロモベンジルブロマイド7.50 gと2−メチル
オキサゾリン2.55gをアセトニトリル3gに溶解さ
せ、50℃で6月ヶ間反応させた。得られた液状物をエ
ーテルで洗浄し、40℃で減圧乾燥し、前駆体のN−
(4−ブロモベンジル)−2’−メチルオキサゾリニウ
ムブロマイドを得た。N−(4−ブロモベンジル)−
2’−メチルオキサゾリニウムブロマイド3.55gを
蒸留水5gとMEK2gの混合溶媒に溶解させ、六フッ
化アンチモン酸カリウム 3.30 gを加え、よく攪拌攪拌
し、冷却した。この液に蒸留水45g加え、よく攪拌
し、二層分離した溶液を分液後40℃で減圧乾燥した。
収率:84%
【0032】(合成例7)N−(α−メチルベンジル)
−2−メチルオキサゾリニウムヘキサフロロアンチモネ
ートの合成 α−フェネチルブロマイド7.40gと2−メチルオキ
サゾリン3.40gを混合し、50℃で23時間反応さ
せた。得られた液状物をエーテルで洗浄し、40℃で減
圧乾燥し、前駆体のN−(α−メチルベンジル)−2−
メチルオキサゾリニウムブロマイドを得た。N−(α−
メチルベンジル)−2−メチルオキサゾリニウムブロマ
イド2.70gを蒸留水10gとMEK3gの混合溶媒
に溶解させ、六フッ化アンチモン酸カリウム3.30g
を加え、よく攪拌攪拌し、冷却した。この液に蒸留水4
0g加え、よく攪拌し、二層分離した溶液を分液後、4
0℃で減圧乾燥した。 収率:52%
【0033】(合成例8)N−(α−フェニルベンジ
ル)−2−メチルオキサゾリニウムヘキサフロロアンチ
モネートの合成 ベンズヒドリルブロマイド12.36gと2−メチルオ
キサゾリン4.26gを混合し、50℃で4日間反応さ
せた。得られた液状物をエーテルで洗浄し、40℃で減
圧乾燥し、前駆体のN−(α−フェニルベンジル)−2
−メチルオキサゾリニウムブロマイドを得た。N−(α
−フェニルベンジル)−2−メチルオキサゾリニウムブ
ロマイド3.32gを蒸留水20gに溶解させ、六フッ
化アンチモン酸カリウム3.30gを加え、よく攪拌
し、冷却した。二層分離した溶液を分液後、40℃で減
圧乾燥した。 収率:42%
【0034】(合成例9)N−フルオレニル−2−メチ
ルオキサゾリニウムヘキサフロロアンチモネートの合成 9−ブロモフルオレン6.13gと2−メチルオキサゾ
リン4.26gを混合し、50℃で17時間反応させ
た。得られた液状物をエーテルで洗浄し、40℃で減圧
乾燥し、前駆体のN−フルオレニル−2−メチルオキサ
ゾリニウムブロマイドを得た。N−フルオレニル−2−
メチルオキサゾリニウムブロマイド3.30gを蒸留水
10gとMEK3gの混合溶媒に溶解させ、六フッ化ア
ンチモン酸ナトリウム3.10gを加え、よく攪拌し、
冷却した。この液に蒸留水40g加え、よく攪拌し、析
出した化合物を分離し、40℃で減圧乾燥した。 収
率:48%
【0035】(合成例10)N−シンナミル−2−メチ
ルオキサゾリニウムヘキサフロロアンチモネートの合成 シンナミルブロマイド9.85gと2−メチルオキサゾ
リン4.26gを混合し、50℃で4日間反応させた。
得られた液状物をエーテルで洗浄し、40℃で減圧乾燥
し、前駆体のN−シンナミル−2−メチルオキサゾリニ
ウムブロマイドを得た。N−シンナミル−2−メチルオ
キサゾリニウムブロマイド2.82gを蒸留水20gに
溶解させ、六フッ化アンチモン酸ナトリウム3.10g
を加え、よく攪拌し、冷却した。二層分離した溶液を分
液後、40℃で減圧乾燥した。 収率:75%
【0036】(合成例11)N−クロチル−2−メチル
オキサゾリニウムヘキサフロロアンチモネートの合成 クロチルブロマイド6.75gと2−メチルオキサゾリ
ン4.26gを混合し、50℃で3日間反応させた。得
られた液状物をエーテルで洗浄し、40℃で減圧乾燥
し、前駆体のN−クロチル−2−メチルオキサゾリニウ
ムブロマイドを得た。N−クロチル−2−メチルオキサ
ゾリニウムブロマイド2.20gを蒸留水20gに溶解
させ、六フッ化アンチモン酸ナトリウム3.10gを加
え、よく攪拌し、冷却した。二層分離した溶液を分液
後、40℃で減圧乾燥した。 収率:15%
【0037】(合成例12)N−(1−ナフチルメチ
ル)−2’−メチルオキサゾリニウムヘキサフロロアン
チモネートの合成 1−クロロメチルナフタレン8.83gと2−メチルオ
キサゾリン4.26gを混合し、50℃で6日間反応さ
せた。得られた液状物をエーテルで洗浄し、40℃で減
圧乾燥し、前駆体のN−(1−ナフチルメチル)−2’
−メチルオキサゾリニウムクロライドを得た。N−(1
−ナフチルメチル)−2’−メチルオキサゾリニウムク
ロライド1.31gを蒸留水7gとMEK3gの混合溶
液に溶解させ、させ、六フッ化アンチモン酸ナトリウム
1.55gを加え、よく攪拌し、冷却した。この液に蒸
留水40g加え、よく攪拌し、二層分離した溶液を分液
後、40℃で減圧乾燥した。収率:70%
【0038】(合成例13)N−フェノキシカルボニル
メチル−2−メチルオキサゾリニウムヘキサフロロアン
チモネートの合成 ブロモ酢酸フェニル8.60gと2−メチルオキサゾリ
ン3.40gを混合し、室温で13日間反応させた。得
られた液状物をエーテルで洗浄し、40℃で減圧乾燥
し、前駆体のN−フェノキシカルボニルメチル−2−メ
チルオキサゾリニウムブロマイドを得た。N−フェノキ
シカルボニルメチル−2−メチルオキサゾリニウムブロ
マイド3.00gを蒸留水5gとMEK2gの混合溶液
に溶解させ、させ、六フッ化アンチモン酸ナトリウム
3.10gを加え、よく攪拌し、冷却した。この液に蒸
留水445g加え、よく攪拌し、二層分離した溶液を分
液後、40℃で減圧乾燥した。 収率:59%
【0039】(合成例14)N−エトキシカルボニルメ
チル−2−メチルオキサゾリニウムヘキサフロロアンチ
モネートの合成 ブロモ酢酸エチル6.68gと2−メチルオキサゾリン
3.40gを混合し、50℃で3日間反応させた。得ら
れた液状物をエーテルで洗浄し、40℃で減圧乾燥し、
前駆体のN−エトキシカルボニルメチル−2−メチルオ
キサゾリニウムブロマイドを得た。N−エトキシカルボ
ニルメチル−2−メチルオキサゾリニウムブロマイド
2.52gを蒸留水10gに溶解させ、させ、六フッ化
アンチモン酸ナトリウム3.10gを加え、よく攪拌
し、冷却した。この液を酢酸エチルで抽出し、酢酸エチ
ルを除去後、40℃で減圧乾燥した。 収率:46%
【0040】(合成例15)N−(1−エトキシカルボ
ニルメチル)−2’−メチルオキサゾリニウムヘキサフ
ロロアンチモネートの合成 2−ブロモプロピオン酸エチル5.43gと2−メチル
オキサゾリン2.55gを混合し、50℃で2日間反応
させた。得られた液状物をエーテルで洗浄し、40℃で
減圧乾燥し、前駆体のN−(1−エトキシカルボニルメ
チル)−2’−メチルオキサゾリニウムブロマイドを得
た。N−(1−エトキシカルボニルメチル)−2’−メ
チルオキサゾリニウムブロマイド2.66gを蒸留水2
0gに溶解させ、させ、六フッ化アンチモン酸ナトリリ
ウム3.10gを加え、よく攪拌し、冷却した。この液
を酢酸エチルで抽出し、酢酸エチルを除去後、40℃で
減圧乾燥した。 収率:34%
【0041】(合成例16)N−メチル−2−(2’−
ニトロベンジルチオ)チアゾリニウムヘキサフロロアン
チモネートの合成 2−(2’−ニトロベンジルチオ)チアゾリン7.63
gとジメチル硫酸3.78gをジオキサン2gに溶解さ
せ、50℃で25時間反応させた。得られた液状物をエ
ーテルで洗浄し、40℃で減圧乾燥し、前前駆体のN−
メチル−2−(2’−ニトロベンジルチオ)チアゾリニ
ウムスルフェートを得た。N−メチル−2−(2’−ニ
トロベンジルチオ)チアゾリニウムスルフェート3.8
0gを蒸留水50gに溶解させ、六フッ化アンチモン酸
ナトリウム3.10gを加え、よく攪拌し、冷却した。
析出した化合物を分離し、40℃で減圧乾燥した。 収
率:82%
【0042】(合成例17)N−ベンジル−2−メチル
チアゾリニウムヘキサフロロアンチモネートの合成 ベンジルブロマイド6.84gと2−メチルチアゾリン
4.05gを混合し、室温で7日間反応させた。得られ
た液状物をエーテルで洗浄し、40℃で減圧乾燥し、前
駆体のN−ベンジル−2−メチルチアゾリニウムブロマ
イドを得た。N−ベンジル−2−メチルチアゾリニウム
ブロマイド2.72gを蒸留水20gに溶解させ、六フ
ッ化アンチモン酸カリウム3.30gを加え、よく攪拌
し、冷却した。析出した化合物を分離し、40℃で減圧
乾燥した。 収率:84%
【0043】〈硬化性テスト〉オニウム塩化合物をプロ
ピレンカーボネートに溶解させ、ERL−4221(U
CC社製脂環型エポキシ)及びUVR−6410(UC
C社製グリシジル型エポキシ)にそれぞれ純分として
2.5部になるように添加し、配合物を調整した。この
配合物についてDSC測定を行い、発熱ピークのトップ
温度を求めた。なお、DSCの測定条件は下記の通りで
あり、その測定結果を表1と表2に示した。 DSC測定機器 : DSC220C(セイコー電子工
業社製) 雰囲気 : 窒素ガス気流中 30ml/分 昇温速度 : 10℃/分 サンプル量 : 0.3〜0.8mg
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】(比較オニウム塩1)本発明の対比とし
て、ベンジル−4−シアノピリジニウムヘキサフロロア
ンチモネートを開始剤に用い、実施例と同様にDSC測
定を行った。
【0047】(比較オニウム塩2)N−ベンジル−N−
エチル−N−メチルアニリニウムヘキサフロロアンチモ
ネートを開始剤として用い、実施例と同様にしてERL
−4221(UCC社製脂環型エポキシ)およびUVR
−6410(UCC社製グリシジル型エポキシ)にそれ
ぞれ純分として2.5部になるように添加し、配合物を
調整し、(比較例1〜2、比較例3〜4)DSC測定を
行い、発熱ピークのトップ温度を求めた。これらの結果
を纏めて前記の表1と表2に示した。
【0048】〈硬化物のガラス転移温度の測定〉オニウ
ム塩化合物をプロピレンカーボネートに溶解させ、UV
R−6410に純分として2部になるように添加し、配
合物を調整し、150℃で30分間加熱し得た。得られ
た硬化物について動的粘弾性測定を行い、損失弾性率の
トップピークからガラス転移温度を求めた。なお、動的
粘弾性測定条件は下記の通りであり、その測定結果を表
3に示した。 動的粘弾性測定機器 : レオバイブロン RHEO−
2000:東洋ボールドウイン社製 Frequency : 35Hz 昇 温 速 度 : 3℃/分
【0049】
【表3】
【0050】(比較オニウム塩1)本発明の対比とし
て、ベンジル−4−シアノピリジニウムヘキサフロロア
ンチモネートを開始剤に用い、実施例と同様に加熱処理
をしたが、硬化しなかった。
【0051】(比較オニウム塩2)N−ベンジル−N−
エチル−N−メチルアニリニウムヘキサフロロアンチモ
ネートを開始剤として用い、実施例と同様に加熱処理を
したが、硬化しなかった。
【0052】(比較オニウム塩3)N−(4−メトキシ
ベンジル)−4’−シアノピリジニウムヘキサフロロア
ンチモネートを開始剤に用い、実施例と同様に動的粘弾
性測定を行った。
【0053】(比較オニウム塩4)N−ベンジル−N−
エチル−N−メチルアニリニウムヘキサフロロアンチモ
ネートを開始剤として用い、実施例と同様にしてUVR
−6410に純分として2部になるように添加し、配合
物を調整し(比較例4〜8)、動的粘弾性測定を行い、
損失弾性率のトップピークからガラス転移温度を求め
た。これらの結果を纏めて前記の表3に示した。
【0054】
【発明の効果】本発明は、カチオン重合可能な含窒素ヘ
テロ環の窒素を四級化し、非求核性のアニオンと塩交換
したオニウム塩化合物をカチオン重合開始剤として使用
することを特徴とする硬化性組成物である。
【0055】本発明の硬化性組成物は、従来の所謂熱潜
在性カチオン重合開始剤を用いて、エポキシ化合物を硬
化させる場合、脱離成分として塩基性を示すスルフィド
や三級アミンが生成するため、カチオン重合が途中で停
止してしまい良好な硬化物、例えばガラス転移温度や架
橋密度が高いものは得られにくい欠点を改良するもので
あり、カチオン重合が途中で停止しにくいため、ガラス
転移温度や架橋密度が高い硬化物が得ることができるも
のである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/00 - 4/82 C08G 59/00 - 59/72

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の〔A〕成分及び〔B〕成分を含有
    することを特徴とする熱硬化性組成物。〔A〕成分:環内にN + =C−X−C−C結合(Xは、
    酸素原子または硫黄原子を表す。) を有する複素環であ
    り、カチオン重合が可能な、四級化された窒素原子を有
    する複素環式オニウム塩化合物。 〔B〕カチオン重合性化合物。
  2. 【請求項2】 〔A〕成分が、オキソザオリイ誘導体、
    ジヒドロオキサジン誘導体、及びチアゾリン誘導体から
    選ばれる、カチオン重合が可能な、四級化された窒素原
    子を有する複素環式オニウム塩化合物であることを特徴
    とする請求項1に記載の熱硬化性組成物。
JP29737393A 1993-11-02 1993-11-02 熱硬化性組成物 Expired - Fee Related JP3480972B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29737393A JP3480972B2 (ja) 1993-11-02 1993-11-02 熱硬化性組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29737393A JP3480972B2 (ja) 1993-11-02 1993-11-02 熱硬化性組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07126314A JPH07126314A (ja) 1995-05-16
JP3480972B2 true JP3480972B2 (ja) 2003-12-22

Family

ID=17845654

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29737393A Expired - Fee Related JP3480972B2 (ja) 1993-11-02 1993-11-02 熱硬化性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3480972B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07126314A (ja) 1995-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH055006A (ja) カチオン重合性有機材料組成物および当該組成物の安定化法
JPH06345726A (ja) 新規スルホニウム塩化合物および重合開始剤
JPH05230189A (ja) スルホニウム塩及び増感剤を含有する硬化性組成物
JP3480972B2 (ja) 熱硬化性組成物
JPH06321915A (ja) 新規ピラジニウム塩化合物および重合開始剤
JPH10212286A (ja) 光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物
JP2777388B2 (ja) 重合触媒およびそれを含有する硬化性組成物
JP3512437B2 (ja) 新規スルホニウム塩化合物および重合開始剤
JP3211311B2 (ja) 新規スルホニウム塩化合物及び重合開始剤
JP3082373B2 (ja) 新規ピリジニウム塩化合物及び重合開始剤
JP3269110B2 (ja) 硬化性組成物
JP3067351B2 (ja) 新規ピリジニウム塩化合物及び重合開始剤
JP3326775B2 (ja) 重合開始剤組成物
JPS63223002A (ja) 重合用触媒
JP3211310B2 (ja) 新規スルホニウム塩化合物及び重合開始剤
JP3158573B2 (ja) 新規ベンゾチアゾリウム塩化合物及び重合開始剤
JPS6312092B2 (ja)
JP3565516B2 (ja) 新規オニウム塩化合物および重合開始剤
JP3353323B2 (ja) ベンゾチアゾリウム塩化合物を含有する硬化性組成物
JPH07119275B2 (ja) 二液型エポキシ樹脂組成物
JP3198606B2 (ja) 新規ピリジニウム塩化合物および重合開始剤
JP3309419B2 (ja) 含窒素カチオン重合触媒及び含硫黄カチオン重合触媒を含有する硬化性組成物
JP3402520B2 (ja) エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物
JPH0789909A (ja) 新規アニリニウム塩化合物および重合開始剤
JPH06271544A (ja) 新規キノリニウム塩化合物および重合開始剤

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030916

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees