JP3476224B2 - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents
プラズマディスプレイパネルの製造方法Info
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Description
ディスプレイパネル(PDP)の製造方法に関する。
型の表示デバイスであり、画面の大型化及び高速表示が
可能であることから、CRTに代わる表示デバイスとし
て注目されている。特に蛍光体によるカラー表示に適し
た面放電型PDPは、ハイビジョンを含むテレビジョン
映像の分野にその用途が拡大されつつある。
視図であり、1つの画素EGに対応する部分の基本的な
構造を示している。
置形態による分類の上で反射型と呼称される3電極構造
のPDPであり、一対のガラス基板11,21、横方向
に互いに平行に隣接して延びた一対の表示電極X,Y、
壁電荷によって放電を維持するAC駆動のための誘電体
層17、MgOからなる保護膜18、表示電極X,Yと
直交するアドレス電極A、アドレス電極Aと平行なスト
ライプ状の隔壁29、及びフルカラー表示のための蛍光
体層28などから構成されている。
表示電極X,Yの延長方向に単位発光領域EU毎に区画
され、且つその間隙寸法が規定されている。また、この
放電空間30には適当な放電ガスが封入されている。
(ドット)EGに対応づけられた3つの単位発光領域E
Uのそれぞれにおいて、一方の表示電極Yとアドレス電
極Aとの交差部に表示又は非表示を選択するための選択
放電セルが画定され、選択放電セルの近傍における表示
電極X,Yの間に主放電セルが画定される。
を避けるために、表示電極X,Yと反対側のガラス基板
21上の各隔壁29の間に設けられ、主放電セルの面放
電で生じる紫外線によって励起されて発光する。蛍光体
層28の表層面(放電空間と接する面)で発光した光
は、誘電体層17及びガラス基板11などを透過して外
部へ射出する。つまり、PDP10では、ガラス基板1
1の外面が表示面Hとなる。
表示面H側に配置されることから、面放電を広範囲とし
且つ表示光の遮光を最小限とするため、幅の広い透明導
電膜41とその導電性を補うための幅の狭い金属膜(バ
ス電極)42とから構成されている。透明導電膜41
は、ITO(酸化インジウム)やネサ(酸化錫)などの
酸化金属からなる。また、金属膜42は、クロム−銅−
クロムの三層構造の薄膜などからなる。
の均一化の上で、より平滑であることが望ましい。ただ
し、実際には粗さが2μm程度以下であれば表示に支障
はない。
のガラス層とされ、例えば軟化点が470℃程度の低融
点鉛ガラス(PbOの組成比が75%程度)を、軟化点
より十分に高い600℃程度の温度で焼成することによ
って形成されていた。
温度で焼成すれば、焼成に際してガラス材料が流動する
ことから、表層面の平坦なガラス層を得ることができ
る。しかし、そのようなガラス層では、焼成中にガラス
材料が特に表示電極X,Yと活発に反応し、層内に比較
的に大きな気泡が生じ易いという問題があった。
と、特に面放電型PDPにおいて、面放電を担う表示電
極X,Yと選択放電のためのアドレス電極Aとの間で、
耐圧の低下に起因する不要の放電が生じ、表示が乱れる
とともに、アドレス電極Aや駆動回路が破損するおそれ
がある。つまり、気泡が絶縁破壊を誘発する層欠陥とな
る。
を招く気泡の発生を抑えて誘電体層の均質化を図り、表
示動作の信頼性を高めることを目的としている。
イパネルの製造方法は、図1に示すように、表示電極
X,Yを放電空間30に対して被覆する誘電体層17を
有したAC型のプラズマディスプレイパネル1の製造に
おいて、前記誘電体層17を、第1のガラス材料をその
軟化点T11より低い温度T21で焼成してガラス層を
形成し、当該ガラス層上に第2のガラス材料を塗布し、
当該第2のガラス材料をその軟化点T12より高い温度
T22で焼成することによって形成するものである。
イパネルの製造方法において、誘電体層17によって被
覆される表示電極X,Yは、透光性を有した酸化金属膜
41及びその導電性を補う金属膜42からなる。請求項
3の発明に係る製造方法は、前記第2のガラス材料を、
前記第1のガラス材料の焼成温度T21より低い温度T
22で焼成するものである。
は、前記第2のガラス材料の軟化点T12が前記第1の
ガラス材料の軟化点T11よりも低い。
は、前記第2のガラス材料の軟化速度が前記第1のガラ
ス材料の軟化速度よりも大きい。
ラス層を形成する際に、最高温度である焼成温度を、粘
度が特定値(4.5×107 ポアズ)となる軟化点より
も低い温度とすると、焼成中におけるガラス材料の流動
が緩慢であることから、ガラス材料と他の部材(主とし
て表示電極X,Y)との接触により起こる化学反応が持
続せず、反応による大きな気泡の発生を抑えることがで
きる。ただし、そのガラス層の表層面(上面)は、ガラ
ス粒界の大きさを反映した凹凸面になる。
と、表層面の平坦なガラス層を得ることができる。誘電
体層17は、このように互いに異なる焼成条件で形成さ
れた下側ガラス層17Aと上側ガラス層17Bとからな
る2層構造を有しており、上面が平坦であり且つ全体と
してほぼ均質である。つまり、誘電体層17において、
下側ガラス層17Aは、それ自体が気泡の発生を抑えた
均質な層として形成されるとともに、上面を平坦化する
ための上側ガラス層17Bの形成に際して、ガラス材料
と表示電極X,Yとを隔てて上側ガラス層17B内での
気泡の発生を抑える。
示す断面図である。PDP1は、マトリクス表示の単位
発光領域に一対の表示電極X,Yとアドレス電極Aとが
対応する3電極構造を有し、蛍光体の配置形態による分
類の上で反射型と呼称される面放電型PDPである。
H側のガラス基板11上に設けられ、AC駆動用の誘電
体層17によって放電空間30に対して被覆されてい
る。誘電体層17の厚さは20〜30μm程度である。
誘電体層17の表面には、保護膜として数千Å程度の厚
さのMgO膜18が設けられている。
表示面H側に配置されることから、面放電を広範囲とす
るための幅の広い帯状の透明導電膜41と、その導電性
を補うために外端側に重ねられた幅の狭いバス金属膜4
2とから構成されている。透明導電膜41は数千Å〜1
μm程度の厚さのITO膜(酸化インジウム膜)又はネ
サ膜(酸化錫膜)からなり、バス金属膜42は例えばク
ロム−銅−クロムの3層構造の薄膜からなる。
ためのアドレス電極Aは、背面側のガラス基板21上
に、表示電極X,Yと直交するように配列されている。
なお、ガラス基板21には、アドレス電極Aの上面を含
めて背面側の内面を被覆するように、所定発光色の蛍光
体28が設けられている。蛍光体28は、面放電時に放
電空間30内の放電ガスが放つ紫外線によって励起され
て発光する。
構造上の相違点は、誘電体層17が2層構造を有してい
る点である。すなわち、誘電体層17は、層の欠陥とな
る気泡の発生を抑えるための下側ガラス層17Aと、表
層面を平坦化するための上側ガラス層17Bとから構成
されている。これにより、誘電体層17が全体的に欠陥
のない均質な層となっており、表示電極X,Yとアドレ
ス電極Aとの間で所定の耐圧が確保されている。なお、
各ガラス層17A,17Bの厚さは同程度に選定されて
いる。
DP1の製造方法について図2を参照して説明する。図
2は、下側及び上側のガラス層17A,Bの各材料に係
る焼成温度と表面粗さとの関係、及び下側ガラス層17
Aの材料に係る焼成温度と欠陥発生率との関係を示すグ
ラフである。
いて別個に所定の構成要素を設け、その後にガラス基板
11,21を重ね合わせて封止を行い、内部の排気及び
放電ガスの充填を行う一連の工程によって製造される。
ず、蒸着やスパッタなどによる成膜、及びフォトリソグ
ラフィ法によるパターニングによって、ガラス基板11
上に透明導電膜41とバス金属膜42とを順に形成して
表示電極X,Yを設ける。なお、ガラス基板11は、表
面に二酸化珪素膜を設けた3mm程度の厚さのソーダ石
灰ガラス板からなる。
ガラス基板11の表面に一様に低融点ガラスペーストを
塗布する。このとき、軟化点T11が例えば580℃程
度の低融点鉛ガラス(PbOの組成比が60%程度)を
主成分のガラス材料として含むペーストを用いる。
T11より低くガラス材料が若干軟化する程度の温度T
21(例えば550〜560℃)で焼成し、下側ガラス
層17Aを形成する。焼成温度T21を軟化点T11よ
り低く設定することにより、図2において白抜きの三角
で示すように、電極材料との反応による気泡などの欠陥
のない下側ガラス層17Aを得ることができる。ただ
し、下側ガラス層17Aの表層面は、図2において白丸
で示すように、表面粗さが5〜6μmの粗い面、すなわ
ちガラス材料の粒界の大きさに依存した凹凸を有する面
となる。
に、誘電体層17を平坦化するための上側ガラス層17
Bが形成される。上側ガラス層17Bの形成に際して
は、軟化点T12が例えば470℃程度の低融点鉛ガラ
スを主成分のガラス材料として含むペーストを用いる。
つまり、上側ガラス層17Bに比べて軟化点の低い材料
を用いる。そして、そのようなガラスペーストを、軟化
点T12より高く且つ下側ガラス層17Aの焼成温度T
21より低い温度T22(例えば530℃)で焼成す
る。
定することにより、焼成中にガラス材料が流動すること
から、図2において黒丸で示すように表面粗さが1〜2
μm程度の平坦な上側ガラス層17B(すなわち誘電体
層17)を得ることができる。また、焼成温度T22を
下側ガラス層17Aの焼成温度T21より低く設定する
ことにより、下側ガラス層17Aの変質を防ぐことがで
きる。
ガラス層17Bとを順に形成して誘電体層17を設けた
後、電子ビーム蒸着などによってMgO膜18を設けて
ガラス基板11側の製造を終える。
Bの材料として、軟化点T12が下側ガラス層17Aの
軟化点T11よりも低いガラス材料を用いたので、上側
ガラス層17Bの焼成時に下側ガラス層17A内でガス
が発生したとしても、そのガスが上側ガラス層17Bを
通って外部へ発散し、上側ガラス層17Bによるガスの
封じ込めが起こらない。
軟化速度が下側ガラス層17Aよりも大きいガラス材料
を用いた場合にも、上側ガラス層17Bの焼成に際し
て、上側ガラス層17Bを下側ガラス層17Aに比べて
柔らかい状態とすることができるので、同様に上側ガラ
ス層17Bによるガスの封じ込めを防止できる。
A,17Bの材料、互いの厚さの比率、及び焼成条件
(温度プロファイル)などは、ガラス基板材料・基板表
面コート材料・透明導電膜41の材料、・バス金属膜の
材料に応じて、均質且つ上面の平坦な誘電体層17が得
られるように適宜変更することができる。
り、所定の耐圧を確保して表示動作の信頼性を高めるこ
とができる。
である。
欠陥発生率との関係を示すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】表示電極を放電空間に対して被覆する誘電
体層を有したAC型のプラズマディスプレイパネルの製
造方法であって、 前記誘電体層を、第1のガラス材料をその軟化点T11
より低い温度T21で焼成してガラス層を形成し、当該
ガラス層上に第2のガラス材料を塗布し、当該第2のガ
ラス材料をその軟化点T12より高い温度T22で焼成
することによって形成することを特徴とするプラズマデ
ィスプレイパネルの製造方法。 - 【請求項2】透光性を有した酸化金属膜及びその導電性
を補う金属膜からなる表示電極を放電空間に対して被覆
する誘電体層を有したAC型のプラズマディスプレイパ
ネルの製造方法であって、 前記誘電体層を、第1のガラス材料をその軟化点T11
より低い温度T21で焼成してガラス層を形成し、当該
ガラス層上に第2のガラス材料を塗布し、当該第2のガ
ラス材料をその軟化点T12より高い温度T22で焼成
することによって形成することを特徴とするプラズマデ
ィスプレイパネルの製造方法。 - 【請求項3】前記第2のガラス材料を、前記第1のガラ
ス材料の焼成温度T21より低い温度T22で焼成する
請求項1または請求項2記載のプラズマディスプレイパ
ネルの製造方法。 - 【請求項4】前記第2のガラス材料の軟化点T12が前
記第1のガラス材料の軟化点T11よりも低い請求項1
または請求項2記載のプラズマディスプレイパネルの製
造方法。 - 【請求項5】前記第2のガラス材料の軟化速度が前記第
1のガラス材料の軟化速度よりも大きい請求項1ないし
請求項3のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネ
ルの製造方法。
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1993
- 1993-10-06 JP JP25034593A patent/JP3476224B2/ja not_active Expired - Fee Related
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