JP3465431B2 - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置

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JP3465431B2
JP3465431B2 JP20431095A JP20431095A JP3465431B2 JP 3465431 B2 JP3465431 B2 JP 3465431B2 JP 20431095 A JP20431095 A JP 20431095A JP 20431095 A JP20431095 A JP 20431095A JP 3465431 B2 JP3465431 B2 JP 3465431B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Vベルト式無段変
速機やトロイダル型無段変速機等の無段変速機に係わ
り、特にその変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】無段変速機は、変速比を無段階に変化さ
せることができることから、変速機の前段におけるエン
ジンの出力特性に合わせた変速制御態様にすることで、
エンジン出力を効率的に利用でき、有段変速機に較べ
て、変速機を搭載した車両の動力性能を向上させ得ると
共に、燃費の改善にも寄与して大いに有用である。
【0003】また無段変速機は、有段変速機において大
いに問題となる変速ショックのない変速を容易に実現す
ることができる点でも、有利である。
【0004】かように優れた無段変速機を車両に搭載し
て用いる場合、エンジンスロットル開度や、吸気管負圧
や、車速などの走行条件に応じ、エンジン出力を最も効
率的に利用でき、且つ燃費の最も良くなる目標変速状態
(目標変速比や、目標エンジン回転数)を求め、これに
実際の変速状態が一致するような変速制御を採用するの
が常套である。
【0005】ところで、かように最適を狙って定めた目
標変速状態も、運転者の個人差を考慮して定めたもので
ないことから、運転者によっては、加速時や登坂路にお
いてもっと大きな車輪駆動トルクが欲しいと感じたり、
降坂路においてもっと大きなエンジンブレーキが欲しい
と感じることがあるのを否めない。
【0006】また、運転者が車両の運転を楽しむ上で、
変速比を自分で任意に決定し得るような無段変速機が要
求される場合もある。
【0007】これらの要求を満足させるために従来、例
えば特開昭60−26847号公報に記載のように、変
速レバーに手動変速レンジを設定し、当該手動変速レン
ジでは、変速レバーに並設した変速比選択レバーで指示
する変速比への変速が可能なように構成した無段変速機
が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の手動変
速可能な無段変速機にあっては積極的に、自動変速時で
の目標変速状態への変速の応答性と、手動変速時での目
標変速状態への変速の応答性との間に明確な差をつける
ことが行われておらず、通常は手動変速時の変速応答も
自動変速時の変速応答と同様に、ショックを生ずること
のない滑らかな変速が行われるような設定にするのが普
通であったため、以下の問題があった。
【0009】つまり、運転者が手動変速を選択したとい
うことは、選択した変速比への迅速な変速を希望したか
らにほかならず、この場合も自動変速と同じ滑らかな変
速が継続される従来の無段変速機では、運転者が不満に
感じるのを禁じ得ない。
【0010】また、運転者が手動変速を選択した場合、
感覚的に自動変速とは違ったきびきびした変速感を運転
者に与えるような変速であった方が、手動変速であると
いう認識を運転者に持たせることができて好都合である
し、同時に自動変速との差別化が明確になり、手動変速
可能な無段変速機であることを運転者に訴えることがで
きて、無段変速機の商品価値も増す。
【0011】従って、手動変速時は自動変速時における
ショックのない滑らかな変速よりむしろ、ある程度のシ
ョックがあっても目標変速状態への迅速な変速を行わせ
た方が良いし、また、ある程度の変速ショックを積極的
に利用しつつ自動変速との差別化を図った方が好まし
く、本発明は、この要求を満足する無段変速機の変速制
御装置を提案することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的のため第1発明
による無段変速機の変速制御装置は、運転者が変速レバ
ーを自動変速レンジにする時に選択される、目標変速比
を無段階に設定可能な自動変速モードと、運転者が前記
変速レバーを手動変速レンジにして変速比を段階的に指
示する時に選択される、目標変速比を該段階的な指示変
速比に設定可能な手動変速モードとを有する無段変速機
において、前記自動変速モードと手動変速モードとで、
実変速比を前記目標変速比に一致させる変速応答性を異
ならせるため自動変速モードおよび手動変速モードの
少なくとも一方で、前記目標変速比を所定の動特性を持
ったフィルタを経由して出力させ、該フィルタの動特性
を、前記変速応答性が自動変速モードよりも手動変速モ
ードにおいて相対的に高くなるよう決定する変速応答可
変手段を設けたことを特徴とするものである。
【0013】運転者が変速レバーを自動変速レンジにす
る自動変速モードで、変速制御装置は目標変速比を無段
階に設定し、無段変速機をして実変速比を該目標変速比
に一致するよう変速制御する。
【0014】運転者が変速レバーを手動変速レンジにす
る手動変速モードで、変速制御装置は運転者による段階
的な変速比の指示を受け、目標変速比を該段階的な指示
変速比に設定する。そして変速制御装置は、無段変速機
をして実変速比を該目標変速比に一致するよう変速制御
する。
【0015】ところで上記の変速に際し変速応答可変手
段は、自動変速モードおよび手動変速モードの少なくと
も一方で、目標変速比を所定の動特性を持ったフィルタ
を経由して出力させ、該フィルタの動特性を、変速応答
性が自動変速モードよりも手動変速モードにおいて相対
的に高くなるよう決定するから、変速応答性を、自動変
速モードよりも手動変速モードで相対的に高くすること
となる。よって、運転者が手動変速モードを選択した場
合は、選択した変速比への迅速な変速を実現して自動変
速モードとの差別化を図ることができ、手動変速モード
にしたにもかかわらず、きびきびした変速がなされない
といった運転者の不満を解消することができる。
【0016】また手動変速モードにおいては、感覚的に
自動変速モードと違ったきびきびした変速感を運転者に
与えることから、手動変速モードであるという認識を運
転者に感じさせることができて、手動変速モードである
ことを忘れることがないと同時に、自動変速モードとの
差別化が明確になる結果、手動変速可能な無段変速機で
あることを運転者に訴えることができて、無段変速機の
商品価値を高めることができる。
【0017】また上記変速応答可変手段が、自動変速モ
ードおよび手動変速モードの少なくとも一方で、前記目
標変速比を所定の動特性を持ったフィルタを経由して出
力させ、該フィルタの動特性を、前記変速応答性が自動
変速モードよりも手動変速モードにおいて相対的に高く
なるよう決定することから、自動変速モードおよび手動
変速モード間で変速応答性に上記の差を持たせるに際
し、以下の作用効果が奏し得られる。
【0018】つまり上記の変速応答可変手段によれば、
自動変速モードおよび手動変速モード間で変速応答性に
上記の差を持たせるのに簡便なフィルタを用いて目的を
達成することができ、簡単且つ容易に上記の作用効果を
達成することができる。
【0019】更に第発明による無段変速機の変速制御
装置においては、手動変速モードでの前記段階的な指示
変速比間における変速比変更操作速度を検出する手動変
速比変更操作速度演算手段を付加して設け、該手段によ
り検出した変速比変更操作速度が速いほど前記変速応答
可変手段は、対応する段階的な指示変速比への変速応答
性を高くするよう構成したものである。
【0020】かかる構成においては、手動変速比変更操
作速度演算手段が手動変速モードでの段階的な指示変速
比間における変速比変更操作の速度を検出し、この変速
比変更操作速度が速いほど前記変速応答可変手段は、対
応する段階的な指示変速比への変速応答性を高くする。
【0021】かかる第発明の場合、変速比変更操作速
度に呼応して手動変速モードでの変速応答性が高くなる
ことから、運転者の変速比変更操作に符合した変速のき
びきび感が得られることとなって、変速比変更操作にマ
ッチした変速感覚を運転者の与えることができる。
【0022】更に第3発明による無段変速機の変速制御
装置においては、前記自動変速モードと手動変速モード
とで、実変速比を前記目標変速比に一致させる変速応答
性を異ならせるため、実変速比を目標変速比に一致させ
る変速制御を、手動変速モードでは目標変速比と実変速
比との間の変速比偏差に応じたフィードバック制御と
し、自動変速モードでは変速機入力側回転数の目標値と
実際値との間の入力側回転数偏差に応じたフィードバッ
ク制御とし、 これら両制御のフィードバックゲインを、
前記変速応答性が自動変速モードよりも手動変速モード
で相対的に高くなるよう切り換える変速応答可変手段を
設けたものである。
【0023】かかる構成の第3発明によれば、上記手動
変速モードおよび自動変速モードでのフィードバック制
御により、外乱の影響を排除しつつ変速を進行させるこ
とができることから、変速制御が一層正確になるのに加
え、変速応答可変手段が、これら両フィードバック制御
のゲインを、変速応答性が自動変速モードよりも手動変
速モードで相対的に高くなるよう切り換えるだけで、前
記第1発明と同様の作用効果を簡単且つ安価に達成する
ことができる。
【0024】また第発明によれば、上記のフィードバ
ック制御を、手動変速モードでは目標変速比と実変速比
との間の変速比偏差に応じたフィードバック制御とし、
自動変速モードでは変速機入力側回転数の目標値と実際
値との間の入力側回転数偏差に応じたフィードバック制
御としたから、以下の作用効果が奏し得られる。
【0025】つまり、手動変速モードにおいては当然、
実変速比を選択された一定の指示変速比に向かわせる
変速制御であり、また自動変速モードにおいては、前段
におけるエンジンの効率的な運転を可能にする一定のエ
ンジン回転数に保たれるようにする変速制御であるが、
上記第発明の構成によれば、当該実情にマッチして変
速制御に当たり目標とすべき値が、手動変速モードにお
いても、また自動変速モードにおいても、一定値である
ことなり、変速制御システムの構成を簡単にすることが
できる。
【0026】また第発明による無段変速機の変速制御
装置は、自動変速モードから手動変速モードへの切換え
を検知する変速モード切換え検知手段と、該手段による
変速モードの切換え検知時に、該切換えを運転者に感じ
させるためのショックが生ずるよう目標変速比を変化さ
せる変速モード切換え時目標変速比変更手段とを付加し
て設けたことを特徴とするものである。
【0027】かかる第発明の構成においては、変速モ
ード切換え検知手段が自動変速モードから手動変速モー
ドへの切換えを検知する時、変速モード切換え時目標変
速比変更手段が、該変速モード切換えを運転者に感じさ
せるためのショックが生ずるよう目標変速比を変化させ
る。
【0028】従って第発明においては、自動変速モー
ドから手動変速モードへ切換わったのを運転者が、ショ
ックの発生により感覚的に知ることができ、当該手動変
速モードであることを知らないまま、変速比の手動切換
えを行わないでいるといった弊害を解消することができ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1および図2は、本発明一
実施の態様になる変速制御装置を具えたトロイダル型無
段変速機を例示し、図1は同トロイダル型無段変速機の
線図的縦断側面図、図2は同じくその線図的縦断正面図
で、図2には本発明一実施の態様になる変速制御装置を
併せて示した。
【0030】図1において、20はトルクコンバータ、
30は前後進切り換え機構、40はトロイダル型無段変
速機を示す。トルクコンバータ20は、エンジン回転を
入力されるポンプインペラ20aと、タービンランナ2
0bと、ステータ20cと、ロックアップクラッチ20
dとよりなる通常のもので、ポンプインペラ20aによ
り内部作動流体を介しタービンランナ20bを流体駆動
してトルクコンバータ出力軸21にエンジン回転を伝達
するものとする。なおトルクコンバータ20は、ロック
アップクラッチ20dの締結によりポンプインペラ20
aおよびタービンランナ20b間を直結することで、上
記の流体駆動状態(コンバータ状態)からロックアップ
状態に切り換わり、エンジン回転を機械的にトルクコン
バータ出力軸21へ伝達することもできるものとする。
【0031】前後進切り換え機構30は、トルクコンバ
ータ出力軸21と、トロイダル型無段変速機40の入力
軸41との間に介在させ、ダブルピニオン型遊星歯車組
31と、前進クラッチ32と、後進ブレーキ33とで構
成する。ここでダブルピニオン型遊星歯車組31は、相
互に噛合する一対のピニオンよりなるピニオン組31p
を回転自在に支持したキャリア31cを変速機入力軸4
1に結合すると共に、前進クラッチ32によりトルクコ
ンバータ出力軸21に結合可能とする。そして、ピニオ
ン組31pの内側におけるピニオンと噛合するサンギヤ
31sをトルクコンバータ出力軸21に結着し、ピニオ
ン組31pの外側におけるピニオンと噛合するリングギ
ヤ31rを後進ブレーキ33により変速機ケース42に
固定可能とする。
【0032】かかる前後進切り換え機構30は、前進ク
ラッチ32および後進ブレーキ33のいずれも開放状態
であるとき、トルクコンバータ出力軸21の回転を変速
機入力軸41に伝達しない中立状態となり、前進クラッ
チ32のみを締結するとき、トルクコンバータ出力軸2
1の回転をそのまま変速機入力軸41に伝達する(入力
軸41を正転させる)前進状態となり、後進ブレーキ3
3のみを締結するとき、トルクコンバータ出力軸21の
回転を減速下に逆転させて変速機入力軸41に伝達する
(入力軸41を逆転させる)後進状態になり得る。
【0033】トロイダル型無段変速機40は2個のトロ
イダル伝動ユニット44,45を具え、これらトロイダ
ル伝動ユニット44,45を全く同じような以下の構成
とする。即ち、入力コーンディスク44a,46aと、
出力コーンディスク44b,46bとを、トロイド曲面
が相互に対向するよう同軸に配置して設け、これら入出
力コーンディスクのトロイド曲面間に、入出力コーンデ
ィスクの回転軸線O1を挟んでその両側に配置した一対
のパワーローラ44c,44dおよび46c,46dを
介在させる。
【0034】2個のトロイダル伝動ユニット44,46
を、出力コーンディスク44b,46bが背中合わせに
なるようにして同軸に配置し、入力コーンディスク44
a,46aは、ディスク支持軸48上にこれと共に回転
するようボールスプライン50,52を介して支持し、
出力コーンディスク44b,46bは、ディスク支持軸
48上に回転自在に支持した出力軸54に結合する。
【0035】前段におけるトロイダル伝動ユニット44
の入力コーンディスク44aと、変速機入力軸41aと
の間にはローディングカム56を介在させ、このローデ
ィングカムを介して変速機入力軸41の回転を、入力コ
ーンディスク44aに伝達するようになし、入力コーン
ディスク44aの回転は、軸48を介して後段における
トロイダル伝動ユニット46の入力コーンディスク46
aにも伝達する。これら入力コーンディスク44a,4
6aの回転は摩擦接触により、パワーローラ44c,4
4dおよび46c,46dを介して出力コーンディスク
44b,46bに伝達されるが、かかる動力伝達の開始
を可能にするためにパワーローラ44c,44dおよび
46c,46dを、対応する入力コーンディスク44
a,46aおよび出力コーンディスク44b,46b間
に予圧する皿ばね58を設ける。一方でローディングカ
ム56は、入力コーンディスク44aへの伝達トルクに
応じたスラストを発生し、パワーローラ44c,44d
および46c,46dを入力コーンディスク44a,4
6aおよび出力コーンディスク44b,46b間に挟圧
し、上記の動力伝達を引き続き可能ならしめる。
【0036】出力コーンディスク44b,46b間に出
力歯車60を配置し、この出力歯車60を出力軸54に
結着する。そして出力歯車60にはカウンタギヤ62を
噛合させ、このギヤ62を変速機ケース42の外に延在
するカウンタシャフト64に結着して、出力コーンディ
スク44b,46bへの変速動力を取り出し得るように
する。
【0037】各パワーローラ44c,44dおよび46
c,46dは図2に示すように、ピボットピン70を介
してトラニオン71に回転自在に支持し、該トラニオン
はトロイダル伝動ユニット毎に各々、上端を球面継手7
2によりアッパリンク73の両端に回転自在および揺動
自在に、また下端を球面継手74によりロアリンク75
の両端に回転自在および揺動自在に連結する。そして、
アッパリンク73およびロアリンク75は中央を球面継
手76,77により変速機ケース42に上下方向揺動可
能に支持し、各トロイダル伝動ユニットにおける両トラ
ニオン71を相互逆向きに同期して上下動させ得るよう
にする。但し、トロイダル伝動ユニット間でも、回転方
向に鑑みトラニオンの上下動方向を相互逆向きにするこ
とはいうまでもない。
【0038】各トロイダル伝動ユニットにおける両トラ
ニオン71を相互逆向きに同期して上下動させることに
より変速を行う変速制御装置を、図2に基づき次に説明
する。各トラニオン71には、これらを個々に上下方向
へストロークさせるためのピストン78を設け、各ピス
トン78の両側にそれぞれ上方室79,80および下方
室81,82を画成する。そして、対をなすピストン7
8を相互逆向きにストローク制御するために、変速制御
弁83を設置し、ここで、変速制御弁83はスプール型
の内弁体83aとスリーブ型の外弁体83bとを相互に
摺動自在に嵌合して具え、外弁体83bを弁外筐83c
に摺動自在に嵌合して構成する。
【0039】上記の変速制御弁83は入力ポート83d
を、オイルポンプ84およびプレッシャーレギュレータ
弁85よりなる圧力源に接続し、該圧力源からのライン
圧P L を供給する。また変速制御弁83の一方の連絡ポ
ート83eをピストン室79,82に、また他方の連絡
ポート83fをピストン室80,81にそれぞれ接続す
る。そして内弁体83aを、1個のトラニオン71の下
端に固着したプリセスカム86のカム面に、ベルクラン
ク型の変速レバー87を介して共働させ、外弁体83b
を変速アクチュエータとしてのステップモータ88にラ
ックアンドピニオン型式で駆動係合させる。
【0040】変速制御弁83の操作指令は、変速指令値
Uに応動するステップモータ88がラックアンドピニオ
ンを介し外弁体83bにストロークとして与えることと
する。この操作指令で変速制御弁83の外弁体83bが
内弁体83aに対し相対的に中立位置から例えば図2の
位置に変位されて変速制御弁83が開く時、入力ポート
83dへのライン圧PL が室80,81に供給される一
方、他方の室79,82がドレンされ、また変速制御弁
83の外弁体83bが内弁体83aに対し相対的に中立
位置から逆方向に変位されて変速制御弁83が開く時、
入力ポート83dへのライン圧PL が室79,82に供
給される一方、他方の室80,81がドレンされ、両ト
ラニオン71が流体圧でピストン78を介して図中、対
応した上下方向へ相互逆向きに変位されるものとする。
これによりパワーローラ44c,44dおよび46c,
46dは隣り合うもの同士、相互逆向きに(同位相
で)、且つ同時に上下動される。
【0041】ここでパワーローラ44c,44dおよび
46c,46dは、その回転軸線O 2 が入出力コーンデ
ィスク回転軸線O1 と交差する図2に示す位置からオフ
セットされることになり、該オフセットによりパワーロ
ーラは入出力コーンディスクからの首振り分力で、自己
の回転軸線O2 と直行する首振り軸線O3 の周りに傾転
されて無段変速を行うことができる。
【0042】かかる変速中、1個のトラニオン71の下
端に結合したプリセスカム86は、変速リンク87を介
して、トラニオン71およびパワーローラ44c,44
d,46c,46dの上述した上下動および傾転角を変
速制御弁83の内弁体83aに機械的にフィードバック
する。そして上記の無段変速によりステップモータ88
への変速指令値Uが達成される時、上記のプリセスカム
86を介した機械的フィードバックが変速制御弁83の
内弁体83aをして、外弁体83bに対し相対的に初期
の中立位置に復帰させ、同時に、パワーローラ44c,
44d,46c,46dは、回転軸線O2 が入出力コー
ンディスク1,2の回転軸線O1 と交差する図示位置に
戻ることで、上記変速指令値の達成状態を維持すること
ができる。
【0043】なお、パワーローラ傾転角を目標変速比に
対応した値にすることが制御の狙いであるから、基本的
にプリセスカム86はパワーローラ傾転角のみをフィー
ドバックすればよいことになるが、ここでパワーローラ
オフセット量をもフィードバックする理由は、変速制御
が振動的になるのを防止するダンピング効果を与えて、
変速制御のハンチング現象を回避するためである。
【0044】ステップモータ88への変速指令値Uは、
コントローラ100によりこれを決定し、これがためコ
ントローラ100には、エンジンスロットル開度TVO
を検出するスロットル開度センサ101からの信号、車
速VSPを検出する車速センサ102からの信号、およ
び運転者が操作する変速レバー103からの選択レンジ
信号、選択変速比信号を入力する。
【0045】ここで変速レバー103は、図3に明示す
るパターンプレート104の切欠き溝孔104aに沿っ
てシフト操作可能にし、該変速レバー103に駐車
(P)レンジ、後退走行(R)レンジ、中立(N)レン
ジ、自動変速(A)レンジ、および手動変速(M)レン
ジと、アップシフト(U)位置およびダウンシフト
(D)位置とを設定する。そして、駐車(P)レンジ、
後退走行(R)レンジ、中立(N)レンジ、および自動
変速(A)レンジは通常通り、縦列に順次配置し、手動
変速(M)レンジを自動変速(A)レンジと横並びに配
置する。またアップシフト(U)位置およびダウンシフ
ト(D)位置は、手動変速(M)レンジを挟んでその前
後に配置し、変速レバー103を2点鎖線で示す手動変
速(M)レンジからアップシフト(U)位置またはダウ
ンシフト(D)位置に操作する度に、図5の如くに予め
指示変速比を定めた第1速〜第8速間で段階的に高速側
変速段または低速側変速段に向かう変速比の変更を指示
するものとする。
【0046】但し、好ましくは変速レバー103をアッ
プシフト(U)位置またはダウンシフト(D)位置に操
作した後に変速レバー103から手を離すと、変速レバ
ー103が自動的に2点鎖線で示す手動変速(M)レン
ジに戻るようにして、操作性を向上させるのが良い。
【0047】コントローラ100は、上記した各種入力
情報をもとに以下の演算によってステップモータ88へ
の変速指令値Uを決定するために、図2に機能ブロック
線図で示したごとく、目標変速比設定部110と、自動
−手動変速モード切換え判定部120と、変速指令値演
算部130とで構成する。
【0048】目標変速比設定部110は変速レバー10
3の操作位置、センサ101および102でそれぞれ検
出したスロットル開度TVOおよび車速VSPを入力さ
れ、以下のようにして目標変速比i* を決定する。但
し、駐車(P)レンジ、後退走行(R)レンジ、および
中立(N)レンジは本発明と関係ないため、変速レバー
がこれらレンジに操作されている時の変速に関して、そ
の説明を本明細書では省略した。変速レバー103を自
動変速(A)レンジにした自動変速モードでは、エンジ
ン出力を最も効率的に利用でき、最も燃費が良くなるよ
う図4に例示するごとく予め定めた変速マップをもと
に、スロットル開度TVOおよび車速VSPから、目標
とすべきエンジン回転数Ne * を求めた後、この目標エ
ンジン回転数Ne * と、車速VSPをもとに求めた変速
機出力回転数No との比で表される目標変速比i* を演
算して出力する。
【0049】目標変速比設定部110は更に、変速レバ
ー103を手動変速(M)レンジにした手動変速モード
では、変速レバー103を自動変速(A)レンジから手
動変速(M)レンジに切り換えた瞬時なら、図5の如く
に予め指示変速比を定めた第1速〜第8速のうち、当該
切換え直前における自動変速(A)レンジでの変速比に
最も近い変速比に対応した変速段の指示変速比を目標変
速比i* として出力する。そして、運転者が変速レバー
103を図3の2点鎖線で示す手動変速(M)レンジか
らアップシフト(U)位置またはダウンシフト(D)位
置に操作する度に、上記切換え当初の変速段に対応する
指示変速比から、1段階づつ高速側または低速側の変速
段における指示変速比に目標変速比i* を置き換えて変
更するものとする。
【0050】自動−手動変速モード切換え判定部120
は変速モード切換え検知手段を成し、変速レバー103
の操作位置に関する信号に応答して、該変速レバー10
3が自動変速(A)レンジから手動変速(M)レンジに
切り換えられた瞬時を判別する。
【0051】変速指令値演算部130は、規範モデルと
しての第1ローパスフィルタ131および第2ローパス
フィルタ132、およびこれらローパスフィルタと共に
変速応答可変手段を構成するフィルタ切換え器133を
具え、更に別に、変速モード切換え時目標変速比変更手
段の用をなす切換え過渡期変速比変更量演算部134お
よび変速比加算器135を具備する。
【0052】第1ローパスフィルタ131は、実変速比
を目標変速比i* に一致させる変速に際し、当該変速の
応答性が自動変速モードで望まれる滑らかな変速応答と
なるような時定数(動特性)をもって目標変速比i*
フィルタ切換え器133のA端子に出力するようなもの
とする。また第2ローパスフィルタ132は、実変速比
を目標変速比i* に一致させる変速の応答性が手動変速
モードで望まれるきびきびした変速応答となるような時
定数(動特性)をもって目標変速比i* をフィルタ切換
え器133のM端子に出力するようなものとする。従っ
て、第1ローパスフィルタ131の時定数を、第2ロー
パスフィルタ132のそれよりも大きくする。
【0053】フィルタ切換え器133は、変速レバー1
03の操作位置に関する信号に応答して、該変速レバー
103が自動変速(A)レンジにある時はA端子に通
じ、第1ローパスフィルタ131を経由した目標変速比
* を変速比加算器135に向かわせ、また変速レバー
103が手動変速(M)レンジにある時フィルタ切換え
器133はM端子に通じ、第2ローパスフィルタ132
を経由した目標変速比i * を変速比加算器135に向か
わせるものとする。
【0054】切換え過渡期変速比変更量演算部134
は、自動−手動変速モード切換え判定部120からの信
号に応答し、変速レバー103が自動変速(A)レンジ
から手動変速(M)レンジに切り換えられた瞬時におい
て、例えば図6に示すように当該変速モード切換え時の
目標変速比変更量+Δi1 および−Δi2 (目標変速比
が変速モード切換え前後で逆になる場合は極性も逆転す
る)を求める。ここで当該目標変速比変更量は、変速モ
ードの切換えを運転者に感覚的に教えることができる程
度の変速ショックを発生させる値とする。
【0055】変速比加算器135は本発明における変速
モード切換え時目標変速比変更手段に相当するもので、
フィルタ切換え器133からの目標変速比i* に上記の
変速比変更量+Δi1 および−Δi2 を順次、変速初期
と変速後期に加算して変速指令値Uとし、自動変速モー
ドから手動変速モードへの切換え時において、変速指令
値Uを実線で示すようなピーク値を持ったものにする。
【0056】上記実施の形態になるトロイダル型無段変
速機の変速制御作用を次に説明する。上記のようにして
決定された変速指令値Uを受けて図2のステップモータ
88は、当該制御指令値Uに応じた段歩駆動により、変
速制御弁83の外弁体83bを内弁体83aに対し相対
的に中立位置から変位させる。これにより、変速制御弁
83およびピストン78で構成される油圧サ−ボは、パ
ワーローラ44c,44d,46c,46dを傾転軸線
3 方向にオフセットさせ、このオフセットに伴いパワ
ーローラは軸線O3 周りに自己傾転する。この傾転は、
入出力コーンディスクに対するパワーローラの接触軌跡
円弧径を変化させて実変速比が変速指令値Uに対応した
変速比に近づくよう、変速比を連続的に変化させ、所定
の変速を行わせることができる。
【0057】この変速中プリセスカム86は前記したよ
うに、パワーローラオフセット量およびパワーローラ傾
転角を変速制御弁83の内弁体83aにフィードバック
して、これを外弁体83bの上記変位に追従するよう移
動させ、変速制御弁83の内外弁体間相対変位を減ず
る。この相対変位は変速の進行につれて小さくなり、上
記の変速指令値Uが達成される時、遂には0になる。こ
の時変速制御弁83の内弁体83aおよび外弁体83b
は相対的に初期の中立位置に復帰し、変速指令値Uの達
成状態を維持することができる。
【0058】ところで、変速指令値Uを決定するに際
し、変速レバー103を自動変速(A)レンジにした自
動変速モードでは、目標変速比設定部110において図
4の変速マップをもとにスロットル開度TVOおよび車
速VSPから求められ、更に第1ローパスフィルタ13
1およびフィルタ切換え器133を経て出力された目標
変速比i* をもとに決定することから、そして第1ロー
パスフィルタ131の時定数(動特性)を、変速指令値
Uに対応した目標変速状態への変速の応答性が当該自動
変速モードで望まれる滑らかな変速応答となるよう定め
たことから、自動変速モードで要求通りの変速応答を実
現させることができる。
【0059】他方、変速指令値Uを決定するに際し、変
速レバー103を手動変速(M)レンジにした手動変速
モードでは、当該変速レバー103を図3の2点鎖線位
置からアップシフト(U)位置またはダウンシフト
(D)位置に操作する回数により指令した変速段(図5
における第1速〜第8速のうちの任意の変速段)に対応
して目標変速比設定部110により決定され、更に第2
ローパスフィルタ132およびフィルタ切換え器133
を経て出力された目標変速比i* をもとに決定すること
から、そして、第2ローパスフィルタ132の時定数
(動特性)を、変速指令値Uに対応した目標変速状態へ
の変速の応答性が当該手動変速モードで望まれるきびき
び感のある変速応答となるよう定めたことから、手動変
速モードで要求通りの変速応答を実現させることができ
る。
【0060】よって、手動変速モードを選択した場合
は、手動選択した変速比への迅速な変速を実現して自動
変速モードとの差別化を図ることができ、手動変速モー
ドにしたにもかかわらず、きびきびした変速がなされな
いといった運転者の不満を解消することができる。
【0061】また手動変速モードにおいては、感覚的に
自動変速モードと違ったきびきびした変速感を運転者が
感じ得ることから、手動変速モードであるという認識を
運転者に感じさせることができて、手動変速モードであ
ることを忘れることがないと同時に、自動変速モードと
の差別化が明確になる結果、手動変速可能な無段変速機
であることを運転者に訴えることができて、無段変速機
の商品価値を高めることができる。
【0062】なお本例では、第1ローパスフィルタ13
1および第2ローパスフィルタ132を、選択されてい
る変速モードに応動するフィルタ切換え器133で使い
分けるだけの簡単な構成により上記の作用効果が達成さ
れるようにしたから、また第1ローパスフィルタ131
および第2ローパスフィルタ132自身が簡単且つ安価
であることとも相俟って、上記格別の作用効果にもかか
わらず変速制御装置の簡単化および低廉化を実現するこ
とができる。
【0063】加えて本例の構成においては、自動−手動
変速モード切換え判定部120で、変速レバー103が
自動変速(A)レンジから手動変速(M)レンジに切り
換えられたと判定する時、つまり自動変速モードから手
動変速モードへの切換えを判別する時、切換え過渡期変
速比変更量演算部134で例えば図6のように定めた目
標変速比変更量+Δi1 および−Δi2 だけ変速比加算
器135において、フィルタ切換え器133からの目標
変速比i* を変更し、これを変速指令値Uにするから、
自動変速モードから手動変速モードへの切換え時におい
て、変速指令値Uを図6に実線で示すようなピーク値を
持ったものにすることができる。
【0064】従って、当該変速モードの切換え時におい
て積極的に変速ショックを発生させることができ、この
ショックから運転者は自動変速モードから手動変速モー
ドへの切換えを感覚的に知ることができ、手動変速モー
ドであることを知らないまま、変速比の手動切換えを行
わないでいるといった弊害を解消することができる。
【0065】図7は、本発明変速制御装置の他の実施の
形態を示し、本例では、手動変速モードで用いるローパ
スフィルタとして、第2ローパスフィルタ132の他
に、第3ローパスフィルタ136、第4ローパスフィル
タ137、および第5ローパスフィルタ138を設け、
これに合わせてフィルタ切換え器133に、第2ローパ
スフィルタ132用のM1接点、第3ローパスフィルタ
136用のM2接点、第4ローパスフィルタ137のM
3接点、および第5ローパスフィルタ138のM4接点
を設定したものである。ここで第3ローパスフィルタ1
36、第4ローパスフィルタ137、および第5ローパ
スフィルタ138も、第2ローパスフィルタ132と同
様に、本発明における変速応答可変手段の一部を構成す
る。
【0066】手動変速モードで用いるローパスフィルタ
132,136,137,138は順次に時定数が小さ
なものとし、時定数が小さいほど迅速に目標変速比i*
をフィルタ切換え器133の対応接点に伝達して、実変
速比を目標変速比に向かわせる変速の応答性を高くする
ものとする。ここでフィルタ切換え器133は、変速レ
バー103の操作位置に関する信号に応答して、該変速
レバー103が自動変速(A)レンジにある時はA端子
に通じ、第1ローパスフィルタ131を経由した目標変
速比i* を変速比加算器135に向かわせ、また変速レ
バー103が手動変速(M)レンジにある時フィルタ切
換え器133はM1〜M4端子の何れかに通じ、対応す
るローパスフィルタ132,136,137,138を
経由して目標変速比i* を変速比加算器135に向かわ
せるものとする。
【0067】ところで、変速レバー103が手動変速
(M)レンジにある時フィルタ切換え器133がM1〜
M4端子の何れに通じるかは、コントローラ100に付
加して設けた手動変速比変更速度演算部140の演算結
果によりこれを決定することとする。手動変速比変更速
度演算部140は、本発明における手動変速比変更速度
演算手段を構成するもので、変速レバー103の操作位
置に関する信号に応答し、該変速レバー103を図3の
2点鎖線で示す手動変速(M)レンジからアップシフト
位置Uまたはダウンシフト位置Dに向けて操作する時の
操作速度、つまり手動による変速比の変更速度を演算す
るものとする。フィルタ切換え器133は手動変速モー
ドでは、当該演算した手動変速比変更速度が速くなるに
つれて、M1端子からM4端子へと順次接続を切換え、
結果として手動変速比変更速度が速いほど、ローパスフ
ィルタ132,136,137,138のうち、時定数
の小さな、つまり変速の応答性を高くするローパスフィ
ルタを選択して使うものとする。
【0068】運転者による変速比変更操作速度が速いと
いうことは、それだけきびきびした変速応答を要求して
いることであり、本実施の形態によれば、当該要求に符
合した変速応答の切換えが実現されて、変速比変更操作
にマッチした変速感覚を運転者は享受することができ
る。
【0069】図8は、本発明による変速制御装置の更に
他の実施の形態を示し、前述の各実施の形態ではフィー
ドフォワード制御を採用する場合について示したのに対
し、本例はフィードバック制御を採用する場合における
実施の形態を示す。これがため本例では、前述の各実施
の形態における目標変速比設定部110に代えて目標変
速状態設定部150を設け、また変速指令値演算部を図
2および図5に130で示すものから160で示すもの
に変更する。
【0070】そして、これら目標変速状態設定部150
および変速指令値演算部160を構成要件の一部として
含むコントローラ100には、スロットル開度センサ1
01からの信号、車速センサ102からの信号、および
変速レバー103からの信号を入力するのに加えて、エ
ンジン回転数Ne を検出するエンジン回転センサ105
からの信号、更には、図1に具体的な設置箇所を示す
が、変速機入力回転数N i を検出する入力回転センサ1
06、および変速機出力回転数No を検出する出力回転
センサ107からの信号をそれぞれ入力する。
【0071】目標変速状態設定部150は変速レバー1
03の操作位置、センサ101および102でそれぞれ
検出したスロットル開度TVOおよび車速VSPを入力
され、以下のようにして目標変速比i* および目標エン
ジン回転数Ne * を決定する。即ち、変速レバー103
を自動変速(A)レンジにした自動変速モードでは、図
4に例示するごとく予めメモリしておいた変速マップを
もとに、スロットル開度TVOおよび車速VSPから、
目標とすべきエンジン回転数Ne * を求める。
【0072】目標変速状態設定部150は更に、変速レ
バー103を手動変速(M)レンジにした手動変速モー
ドでは、変速レバー103を自動変速(A)レンジから
手動変速(M)レンジに切り換えた瞬時なら、図5の如
くに予め指示変速比を定めた第1速〜第8速のうち、当
該切換え直前における自動変速(A)レンジでの変速比
に最も近い変速比に対応した変速段の指示変速比を目標
変速比i* として出力する。そして、運転者が変速レバ
ー103を図3に2点鎖線で示す手動変速(M)レンジ
からアップシフト(U)位置またはダウンシフト(D)
位置に操作する度に、上記切換え当初の変速段に対応す
る指示変速比から、1段階づつ高速側または低速側の変
速段における指示変速比に目標変速比i* を置き換えて
変更するものとする。
【0073】変速指令値演算部160は、上記の目標エ
ンジン回転数Ne * および目標変速比i* を入力される
エンジン回転数偏差演算部161および変速比偏差演算
部162を具える他、実変速比演算部163、フィード
バックゲイン設定部164,165、およびフィードバ
ックゲイン切換え器166を有した構成とする。ここで
エンジン回転数偏差演算部161は、センサ105で検
出したエンジン回転数Ne と、目標エンジン回転数Ne
* との間のエンジン回転数偏差ΔNe を演算し、変速比
偏差演算部162は、入力回転センサ106で検出した
変速機入力回転数Ni および出力回転センサ107で検
出した変速機出力回転数No をもとに実変速比演算部1
63が演算した実変速比i=Ni /No と、目標変速比
* との間における変速比偏差Δiを演算する。
【0074】フィードバックゲイン設定部164は、エ
ンジン回転数偏差ΔNe を解消するような変速指令値U
を決定してこれをフィードバックゲイン切換え器166
のA端子に向かわせるに際し用いる一定のフィードバッ
クゲインK1を設定するもので、また、フィードバック
ゲイン設定部165は、変速比偏差Δiを解消するよう
な変速指令値Uを決定してこれをフィードバックゲイン
切換え器166のM端子に向かわせるに際し用いる一定
のフィードバックゲインK2を設定するものとする。
【0075】ここで前記したところから明らかなよう
に、フィードバックゲインK1が自動変速モード選択時
のフィードバック制御系に存在し、フィードバックゲイ
ンK2が手動変速モード選択時のフィードバック制御系
に存在していることから、フィードバックゲインK1
は、自動変速モードで望まれる滑らかな変速応答となる
ような値とし、逆に、フィードバックゲインK2は、手
動変速モードで要求されるきびきびした変速応答となる
ような値とし、従って、フィードバックゲインK2をフ
ィードバックゲインK1よりも大きな値に設定する。
【0076】フィードバックゲイン切換え器166は、
変速レバー103の操作位置に関する信号に応答して、
該変速レバー103が自動変速(A)レンジにある時は
A端子に通じ、小さなフィードバックゲインK1に応じ
たエンジン回転数偏差ΔNeを解消するためのフィード
バック量を変速指令値Uとしてステップモータ88に向
かわせ、また変速レバー103が手動変速(M)レンジ
にある時、フィードバックゲイン切換え器166はM端
子に通じ、大きなフィードバックゲインK2に応じた変
速比偏差Δiを解消するためのフィードバック量を変速
指令値Uとしてステップモータ88に向かわせるものと
する。
【0077】よって本実施の形態では、フィードバック
ゲイン設定部164,165、およびフィードバックゲ
イン切換え器166により、本発明における変速応答可
変手段が構成される。
【0078】本実施の形態になる構成の作用を次に説明
する。変速レバー103を自動変速(A)レンジにした
自動変速モードでは、目標変速状態設定部150が目標
エンジン回転数Ne * を出力し、エンジン回転数偏差演
算部161がエンジン回転数Ne と、当該目標エンジン
回転数Ne * との間のエンジン回転数偏差ΔNe を演算
し、フィードバックゲイン切換え器166がA端子に通
じて、ゲイン設定部164における小さなフィードバッ
クゲインK1に応じたエンジン回転数偏差ΔNe を解消
するためのフィードバック量を変速指令値Uとしてステ
ップモータ88に向かわせる。
【0079】他方、変速レバー103を手動変速(M)
レンジにした手動変速モードでは、目標変速状態設定部
150が目標変速比i* を出力し、変速比偏差演算部1
62が実変速比iと、当該目標変速比i* との間の変速
比偏差Δiを演算し、フィードバックゲイン切換え器1
66がM端子に通じて、ゲイン設定部165における大
きなフィードバックゲインK2に応じた変速比偏差Δi
を解消するためのフィードバック量を変速指令値Uとし
てステップモータ88に向かわせる。
【0080】従って、自動変速モードでは、エンジン回
転数Ne を目標エンジン回転数Ne * に一致させるよう
なフィードバック変速制御がなされ、手動変速モードで
は、実変速比iを目標変速比i* に一致させるようなフ
ィードバック変速制御がなされ、何れの変速モードにお
いても、フィードバック変速制御により、プリセスカム
86(図2参照)を含む機械的なフィードバック系の故
障等による外乱の影響を排除しつつ変速を進行させるこ
とができることから、変速制御を一層正確なものにし得
る。
【0081】ところで前記したように、自動変速モード
で用いるフィードバックゲインK1を、当該自動変速モ
ードで望まれる滑らかな変速応答となるよう小さくし、
手動変速モードで用いるフィードバックゲインK2を、
当該手動変速モードで要求されるきびきびした変速応答
となるよう大きくしたから、自動変速モードで、要求通
りの滑らかな変速応答を実現しつつ、手動変速モードで
要求通りの、きびきびした変速応答を実現することがで
きる。
【0082】これがため、自動変速モードでの変速応答
を変えずに、手動変速モードでは、手動選択した変速比
への迅速な変速を可能にして、自動変速モードとの差別
化を図ることができ、手動変速モードにしたにもかかわ
らず、きびきびした変速がなされないといった運転者の
不満を解消することができる。
【0083】また手動変速モードにおいては、感覚的に
自動変速モードと違ったきびきびした変速感を運転者が
感じ得ることから、手動変速モードであるという認識を
運転者に感じさせることができて、手動変速モードであ
ることを忘れることがないと同時に、自動変速モードと
の差別化が明確になる結果、手動変速可能な無段変速機
であることを運転者に訴えることができて、無段変速機
の商品価値を高めることができる。
【0084】なお、自動変速モードにおいては動力性能
よりも、エンジンの効率的な運転を保持するのが有用で
あることから、この要求にかなう一定のエンジン回転数
を目標とした変速制御にするのが良く、他方で手動変速
モードにおいてはエンジンの効率的な運転に優先して、
動力性能を確保するのが有用であることから、この要求
にかなう一定の変速比を目標とした変速制御にするのが
良い。ところで本実施の形態においては、自動変速モー
ドの場合、実エンジン回転数Ne が目標エンジン回転数
e * に一致するようにフィードバック変速制御を行
い、手動変速モードの場合、実変速比iが目標変速比i
* に一致するようにフィードバック変速制御を行うこと
から、何れの変速モードにおいても短い変速期間中は目
標値を一定にすることができ、変速制御が簡便となり、
変速制御システムの簡易化および低廉化を図ることがで
きる。
【0085】ここでトロイダル型無段変速機では、変速
比がパワーローラ傾転角によって一義的に決まることか
ら、実変速比iを、実測のパワーローラ傾転角に置き換
え、目標変速比i* を、これに対応した目標パワーロー
ラ傾転角に置き換えてもよいことは言うまでもない。
【0086】また、図8に示す実施の形態では、図2お
よび図7における部分120,134,135で構成さ
れた、自動変速モードから手動変速モードへの切換え時
に積極的に変速ショックを発生させ、これにより当該変
速モードの切換えがあったことを運転者に感覚的に知ら
せる構成を省略したが、この構成を本実施の形態にも同
様にして用いることを何ら妨げられるものでないこと勿
論である。
【0087】更に、図7に示すと同様の考え方に基づ
き、図8に示す実施の形態においても、フィードバック
ゲイン設定部165に並列的に付加して、ゲインの異な
るフィードバックゲイン設定部を複数個設け、これらフ
ィードバックゲイン設定部165等を図7における手動
変速比変更操作速度演算部140で演算した手動変速比
変更操作速度に応じ切換え使用して、手動変速比変更操
作速度に応じ変速応答を可変にする構成を採用し得るこ
と勿論である。
【0088】なお上述した各実施の形態になる変速制御
装置は何れも、トロイダル型無段変速機に適用する場合
について説明したが、本発明の変速制御装置はトロイダ
ル型無段変速機に限らず、その他Vベルト式無段変速機
など、それ以外の無段変速機においても同様に適用する
ことができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置により変速制御すべきトロイダル型
無段変速機を例示する線図的縦断側面図である。
【図2】同トロイダル型無段変速機を、その変速制御シ
ステムと共に示す線図的縦断正面図である。
【図3】同トロイダル型無段変速機の手動変速比選択機
能をも持った変速レバーに係わる操作パターン図であ
る。
【図4】同トロイダル型無段変速機の自動変速モードに
おいて用いる変速パターン図である。
【図5】同トロイダル型無段変速機の手動変速モードに
おいて選択可能な変速段と、各変速段に割り付けられた
指示変速比との関係を例示する説明図である。
【図6】同トロイダル型無段変速機の自動変速モードか
ら手動変速モードへの切換え時において与える目標変速
比の時系列変化タイムチャートである。
【図7】変速制御装置の他の実施の形態を示すコントロ
ーラの機能別ブロック線図である。
【図8】変速制御装置の更に他の実施の形態を示すコン
トローラの機能別ブロック線図である。
【符号の説明】
20 トルクコンバータ 30 前後進切り換え機構 40 トロイダル型無段変速機 44 トロイダル伝動ユニット 44a 入力コーンディスク 44b 出力コーンディスク 44C パワーローラ 44d パワーローラ 46 トロイダル伝動ユニット 46a 入力コーンディスク 46b 出力コーンディスク 46C パワーローラ 46d パワーローラ 56 ローディングカム 60 出力歯車 62 カウンタギヤ 64 カウンタシャフト 70 ピボットピン 71 トラニオン 73 アッパリンク 75 ロアリンク 78 ピストン 83 変速制御弁 86 プリセスカム 87 変速リンク 88 ステップモータ 100 コントローラ 101 スロットル開度センサ 102 車速センサ 103 変速レバー 105 エンジン回転センサ 106 入力回転センサ 107 出力回転センサ 110 目標変速比設定部 120 自動−手動変速モード切換え判定部(変速モード
切換え検知手段) 130 変速指令値演算部 131 第1ローパスフィルタ(規範モデル:変速応答可
変手段) 132 第2ローパスフィルタ(規範モデル:変速応答可
変手段) 133 フィルタ切換え器(変速応答可変手段) 134 切換え過渡期変速比変更量演算部 135 変速比加算器(変速モード切換え時目標変速比変
更手段) 136 第3ローパスフィルタ(変速応答可変手段) 137 第4ローパスフィルタ(変速応答可変手段) 138 第5ローパスフィルタ(変速応答可変手段) 140 手動変速比変更操作速度演算部(手動変速比変更
操作速度演算手段) 150 目標変速状態設定部 160 変速指令値演算部 161 エンジン回転数偏差演算部 162 変速比偏差演算部 163 実変速比演算部 164 フィードバックゲイン設定部(変速応答可変手
段) 165 フィードバックゲイン設定部(変速応答可変手
段) 166 フィードバックゲイン切換え器(変速応答可変手
段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16H 63:06 F16H 63:06 (56)参考文献 特開 平2−253054(JP,A) 特開 平7−27006(JP,A) 特開 平8−178000(JP,A) 特開 平6−2762(JP,A) 特開 昭64−9040(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 63/48

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者が変速レバーを自動変速レンジに
    する時に選択される、目標変速比を無段階に設定可能な
    自動変速モードと、運転者が前記変速レバーを手動変速
    レンジにして変速比を段階的に指示する時に選択され
    る、目標変速比を該段階的な指示変速比に設定可能な手
    動変速モードとを有する無段変速機において、 前記自動変速モードと手動変速モードとで、実変速比を
    前記目標変速比に一致させる変速応答性を異ならせるた
    め、自動変速モードおよび手動変速モードの少なくとも
    一方で、前記目標変速比を所定の動特性を持ったフィル
    タを経由して出力させ、該フィルタの動特性を、前記変
    速応答性が自動変速モードよりも手動変速モードにおい
    て相対的に高くなるよう決定する変速応答可変手段を設
    けたことを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、手動変速モードでの
    前記段階的な指示変速比間における変速比変更操作速度
    を検出する手動変速比変更操作速度演算手段を付加して
    設け、該手段により検出した変速比変更操作速度が速い
    ほど前記変速応答可変手段は、対応する段階的な指示変
    速比への変速応答性を高くするよう構成したことを特徴
    とする無段変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 運転者が変速レバーを自動変速レンジに
    する時に選択される、目標変速比を無段階に設定可能な
    自動変速モードと、運転者が前記変速レバーを手動変速
    レンジにして変速比を段階的に指示する時に選択され
    る、目標変速比を該段階的な指示変速比に設定可能な手
    動変速モードとを有する無段変速機において、 前記自動変速モードと手動変速モードとで、実変速比を
    前記目標変速比に一致させる変速応答性を異ならせるた
    め、実変速比を前記目標変速比に一致させる変速制御
    を、手動変速モードでは目標変速比と実変速比との間の
    変速比偏差に応じたフィードバック制御とし、自動変速
    モードでは変速機入力側回転数の目標値と実際値との間
    の入力側回転数偏差に応じたフィードバック制御とし、
    これら両制御のフィードバックゲインを、前記変速応答
    性が自動変速モードよりも手動変速モードで相対的に高
    くなるよう切り換える変速応答可変手段を設けたことを
    特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至のいずれか1項に記載の
    変速制御装置において、自動変速モードから手動変速モ
    ードへの切換えを検知する変速モード切換え検知手段
    と、該手段による変速モードの切換え検知時に、該切換
    えを運転者に感じさせるためのショックが生ずるよう目
    標変速比を変化させる変速モード切換え時目標変速比変
    更手段とを付加して設けたことを特徴とする無段変速機
    の変速制御装置。
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