JP3427736B2 - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置

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JP3427736B2
JP3427736B2 JP18930698A JP18930698A JP3427736B2 JP 3427736 B2 JP3427736 B2 JP 3427736B2 JP 18930698 A JP18930698 A JP 18930698A JP 18930698 A JP18930698 A JP 18930698A JP 3427736 B2 JP3427736 B2 JP 3427736B2
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仁 城所
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、無段変速機の変速
制御装置の改良に関するものである。 【0002】 【従来の技術】車両に用いられる無段変速機としては、
Vベルト式やトロイダル型等の無段変速機が従来から知
られており、これら無段変速機の変速制御装置として
は、例えば、特開昭59−217049号公報、特開昭
60−44652号公報や、本願出人が提案した特開平
9−144823号公報等がある。 【0003】これらは、無段変速機の変速速度を運転状
態に応じて最適な値に設定するもので、電子的なフィー
ドバック制御等によって、変速特性に応じて外乱などの
影響を抑制しながら変速を行っている。 【0004】このような無段変速機の変速制御では、P
ID(比例、積分、微分)制御などの電子的フィードバ
ックによって無段変速機の運転状態、すなわち、変速比
に加えて、油圧制御系の油圧と油温等を加味してフィー
ドバックゲインを決定することで、無段変速機の状態変
化に応じた変速特性を補償するものである。 【0005】このフィードバックループを、例えば、ト
ロイダル型無段変速機に適用した場合では、電子的フィ
ードバック系からの指令値に応動するステップモータ
が、油圧制御装置を介してトラニオンを駆動してパワー
ローラを傾転させて変速を行うと、トラニオンの軸方向
変位yとパワーローラの傾転角φ(=変速比RATI
O)が、プリセスカムを主体とするメカニカルフィード
バック機構によって油圧制御装置の変速制御弁へフィー
ドバックされる構成となっており、このようなフィード
バック制御の閉ループの伝達関数W(s)は、図8にも
示すように、 【0006】 【数1】 【0007】として表すことができる。 【0008】ただし、λ1、λ2、λ3は、上記伝達関数
W(s)の極を表す所定の定数で、c0、c1はそれぞ
れ、積分ゲイン、比例ゲインである。 【0009】このようなフィードバック系では、図8に
示すように、伝達関数W(s)の極とゼロを相殺する前
置補償器A1、A2を閉ループの前段に配設すること
で、いわゆる規範モデルに変速特性を一致させることが
でき、規範モデルのパラメータを変更することにより、
任意の変速速度を得ることができる。 【0010】ここで、規範モデルを、 【0011】 【数2】 【0012】とすると、前置補償器A1、A2は、閉ル
ープ伝達関数W(s)の極とゼロを相殺する前置補償器
A2の前段に、目標動特性より進んだ位相を持つ前置補
償器A1を連結することで構成され、まず、閉ループ伝
達関数W(s)の極とゼロを相殺する前置補償器A2
が、 【0013】 【数3】 【0014】のように設定されて、目標値からの特性
は、分子がゼロ点を持たず、補償器出力A2は、実変速
比RATIOのオーバーシュートを抑制する。 【0015】そして、目標動特性の位相を進ませる前置
補償器A1が、次式のように設定されて、 【0016】 【数4】 【0017】閉ループ伝達関数W(s)の特性(変速特
性)を 、上記(2)式の規範モデルへ一致させること
が可能となって、実変速比RATIOを到達目標変速比
DRATIO(最終的に移行すべき目標変速比)に基づ
く目標変速比RefRATIO(過渡的な目標値)に一
致させることができるのである。 【0018】上記のような前置補償器へ、運転状態とし
ての車速VSPとスロットル開度TVO(またはアクセ
ルペダル踏み込み量)に基づいて求めた到達目標変速比
DRATIOを入力すると、前置補償器の出力r2がフ
ィードバックループの目標値として与えられる。 【0019】また、上記前置補償器に、疑似微分フィル
タとしてローパスフィルタを適用することも考えられ、
この場合では、時定数の切り換えタイミングの違いを考
慮して、目標変速比の過大な変動を抑制できる。 【0020】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、変速制
御に、上記前置補償器を採用する場合、コントローラに
おいて複雑な演算を行う必要があり、安価なマイクロコ
ンピュータを用いた場合では、演算の負荷が大きいため
に演算処理が遅れる場合が生じて、変速制御の精度が低
下するという問題があった。 【0021】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、前置補償器の演算負荷を低減しながらも、
制御精度を確保することを目的とする。 【0022】 【課題を解決するための手段】第1の発明は、アクチュ
エータを介して制御される変速機構を備えて変速比を連
続的に変更する無段変速機と、車両の運転状態または運
転者の操作に応じて前記無段変速機の目標変速比を設定
するとともに、実際の変速比と目標変速比の偏差に基づ
いて、実際の変速比が目標変速比に一致するように前記
アクチュエータを駆動するフィードバック制御手段とを
備えた無段変速機の変速制御装置において、前記フィー
ドバック制御手段は、前記目標変速比から実変速比まで
の伝達関数が、所定の規範モデルに一致ないし近似する
よう変速特性を補償する前置補償器と、前記目標変速比
の変化速度が小さい運転条件ほど、前置補償器の補償効
果を小さくする補償効果変更手段とを備え、この補償効
果変更手段は、駆動輪の空転を抑制する駆動力制御手
段、制動中の車輪のスリップを抑制するアンチスキッド
制御手段または運転者が設定した車速を維持する定速走
行制御手段のいずれかひとつが作動したときには、目標
変速比の変化速度が小さい運転条件であると判定して、
前置補償器の補償効果を小さくする。 【0023】 【0024】 【0025】 【0026】 【0027】 【発明の効果】第1の発明は、アクチュエータを介して
制御される変速機構を備えた無段変速機の変速制御を、
電子的フィードバックによって行う場合、運転状態に応
じて設定される目標変速比から実変速比までの変速特性
は、所定の規範モデルに一致ないし近似するように前置
補償器によって補償されるが、この前置補償器の演算に
要する負荷が大きいため、前置補償器の補償効果を車両
の運転条件に応じて変更することにより、演算に要する
負荷を軽減でき、常時前置補償器の補償効果が大きくな
るように演算を行う場合に比して、演算処理能力が低い
安価なマイクロコンピュータを制御装置に用いても制御
精度を確保でき、変速制御の精度の確保と製造コストの
低減を両立できる。 【0028】そして、目標変速比の変化速度が小さい運
転条件では、前置補償器の補償効果を小さくしても、目
標変速比と実変速比が大きくずれことはなく、その分、
前置補償器の演算負荷を軽減でき、演算処理能力が低い
安価なマイクロコンピュータを制御装置に用いても制御
精度を確保でき、変速制御の精度の確保と製造コストの
低減を両立できる。 【0029】 【0030】また、駆動輪の空転を抑制する駆動力制御
手段、制動中の車輪のスリップを抑制するアンチスキッ
ド制御手段または運転者が設定した車速を維持する定速
走行制御手段のいずれかひとつが作動したときには、目
標変速比の変化速度を小さくするのが望ましいため、こ
のような運転条件では、前置補償器の補償効果を小さく
することにより、変速制御装置に用いるマイクロコンピ
ュータの演算負荷を軽減できる。 【0031】 【0032】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。 【0033】図1は無段変速機10として、トロイダル
型を採用するとともに、この無段変速機10の変速制御
コントローラ61に、本発明を適用した一例を示す。 【0034】無段変速機10は、入力軸13側にロック
アップ機構L/Uを備えたトルクコンバータ12を介し
てエンジン11に連結される一方、出力軸側(出力コー
ンディスク側)を図示しない駆動輪に連結しており、ト
ロイダル型無段変速機10の変速機構及びメカニカルフ
ィードバック機構は前記従来例と同様に構成され、変速
制御コントローラ61の指令に応じてステップモータ4
(アクチュエータ)が油圧制御装置の変速制御弁を駆動
することで変速が行われるものである。 【0035】この車両の制御は、運転状態に応じて変速
制御コントロータ61が無段変速機10の変速比を制御
する一方、駆動輪の空転を抑制するTCS(トラクショ
ン・コントロール・システム)コントローラ31、制動
時の車輪のスリップを抑制するABSコントローラ3
2、運転者が設定した車速を自動的に維持するようエン
ジン11の駆動力及び変速比の指令を行うASCD(オ
ートマチック・スピード・コントロール・デバイス)コ
ントローラ33によって行われる。 【0036】そして、各コントローラ31〜33は、制
御状態を変速制御コントローラ61へ送出している。 【0037】マイクロコンピュータを主体に構成され
た、変速制御コントローラ61は、シフトスイッチ20
(またはインヒビタスイッチ)がDレンジないしLレン
ジにある自動変速モードの場合には、スロットル開度セ
ンサ62が検出したスロットル開度TVO(またはアク
セルペダルの踏み込み量)、無段変速機10の出力軸側
に配設された車速センサ63からの車速VSP及び入力
軸回転センサ64が検出した無段変速機10の入力軸1
3の回転数Niに基づいて車両の運転状態に応じた到達
目標変速比(最終的に移行すべき変速比)を演算する一
方、シフトスイッチ20が図1の左側に配置した「+」
または「−」のアップシフトスイッチ21、ダウンシフ
トスイッチ22側にあるマニュアルモードでは、運転者
の操作に応じて、予め設定した複数の到達目標変速比の
うちのひとつを選択し、変速比を所定の条件内で固定す
る。 【0038】上記自動変速またはマニュアルモードで設
定された到達目標変速比を求める一方、PID制御(比
例、積分、微分制御)の各ゲインc0、c1、c2を求
め、無段変速機10の実際の変速比が目標変速比(フィ
ードバック系90の応答特性を加味した目標値)と一致
するような変速指令値(すなわち、ステップ数STP)
を演算し、ステップモータ4へ指令する。 【0039】なお、無段変速機10の出力軸回転数No
は、車速センサ63が検出した車速VSPを所定の定数
Aで除して演算されるものである。 【0040】この変速制御コントローラ61の変速制御
の概要は、図2に示すように、実際の変速比RATI
O、すなわち、パワーローラの傾転角φを求める実変速
比算出部71と、スロットル開度TVOと車速VSPに
応じて目標入力軸回転数tNiを演算する目標入力回転
数算出部72と、出力軸回転数No(または車速VS
P)と目標入力軸回転数tNiから到達目標変速比DR
ATIOを演算する到達目標変速比算出部73と、到達
目標変速比DRATIOと予め設定した規範モデルに基
づいて目標変速比r2を演算する前置補償器80と、フ
ィードバック制御系90を主体に構成される。 【0041】フィードバック制御系90は、目標変速比
r2と実変速比RATIOの偏差に応じて制御量STP
をステップモータ4へ送出し、トロイダル型無段変速機
10の変速機構を制御する。 【0042】ここで、フィードバック制御系90は、例
えば、PID制御を行うもので、本願出願人が提案した
特願平7−71495号等と同様に構成すればよく、P
ID制御の各ゲイン、すなわち、積分ゲインc0、比例
ゲインc1、微分ゲインc2は、 【0043】 【数5】 【0044】によって決定される。なお、λ1、λ2、λ
3は、伝達関数W(s)の極を表す定数である。 【0045】ここで、トロイダル型無段変速機10の特
性に応じた、伝達関数W(s)は、 【0046】 【数6】 【0047】として表される。 【0048】したがって、上記(6)式は線形システム
に一致して、これが、前記(1)式で表される特性を持
つように、上記積分ゲインc0、比例ゲインc1、微分ゲ
インc2を決定した結果が上記(5)式である。 【0049】ただし、上記伝達関数W(s)の極を表す
定数λ1、λ2、λ3は、正の実数でなければならない。 【0050】すなわち、定数λ1、λ2、λ3の何れかが
負であれば、系は不安定となって到達目標変速比へ制御
することは不可能となり、また、定数λ1、λ2、λ3
何れかが虚数であれば、フィードバック特性が振動的と
なって、運転性に悪影響をもたらすハンチングを生じる
ことになる。 【0051】次に、フィードバック制御系90の前段に
配設された前置補償器80は、閉ループ伝達関数W
(s)の極とゼロを相殺して、前記従来例と同様に、次
数の制約が許す範囲で、次の(7)式に示す任意の規範
モデルに一致させることができる。 【0052】 【数7】 【0053】ここで、閉ループの前段に配置された前置
補償器80は、前記従来例に示した図8と同じく、閉ル
ープ伝達関数W(s)の極とゼロを相殺する前置補償器
A2の前段に、目標動特性より進んだ位相を持つ前置補
償器A1を連結することで構成される。 【0054】閉ループ伝達関数W(s)の極とゼロを相
殺する前置補償器A2(図示せず)は、上記(3)式の
ように設定され、目標値からの特性は、分子がゼロ点を
持たず、補償器出力A2は、実変速比RATIOが目標
変速比RefRATIOに対してオーバーシュートする
のを防止できる。 【0055】さらに、目標動特性の位相を進ませる前置
補償器A1は、図4に示すように、1次の補償器を2段
(ブロック80A、80C)で構成するのに加えて、2
つの疑似微分フィルタ(ブロック80B、80D)を設
けたもので、この伝達関数Wr0は、 【0056】 【数8】 【0057】のように設定されて、閉ループ伝達関数W
(s)の特性(変速特性)を 、上記(7)式の規範モ
デルへ一致させるものである。なお、前置補償器A1の
出力r1に基づいて目標変速比r2を得る前置補償器A
2は前記従来例の図9に示したものと同一である。 【0058】ここで、変速制御コントローラ61で行わ
れる変速制御について、図5〜図7のフローチャートを
参照しながら詳述する。図5は変速制御のメインルーチ
ンで、図6は変速速度を決定する前置補償器演算のサブ
ルーチンを示し、また、図7は前置補償器の演算を制御
するフローチャートを示しており、所定時間毎、例え
ば、10msec毎などに繰り返して実行されるものであ
る。 【0059】まず、図5のステップS1では、車両の運
転状態としてスロットル開度センサ62からスロットル
開度TVOを読み込む一方、無段変速機10からは入力
軸回転数Ni、車速VSPを読み込み、運転者の操作に
応じた変速レンジをシフトスイッチ20から読み込む。 【0060】そして、ステップS2では、車速VSPを
所定の変換定数Aで除して出力軸回転数Noを得るとと
もに、入力軸回転数Niと出力軸回転数Noの比から実
変速比RATIOを演算する。 【0061】ステップS3では、スロットル開度TVO
をパラメータとした車速VSPと目標入力軸回転数tN
iのマップより、運転状態に応じた目標入力軸回転数t
Niを求め、ステップS4では、この目標入力軸回転数
tNiを出力軸回転数Noで除したものを到達目標変速
比DRATIOとして演算する。 【0062】そして、ステップS5では、到達目標変速
比DRATIOと実変速比RATIOの偏差を演算す
る。 【0063】次に、ステップS6では、シフトスイッチ
20からの変速レンジに基づいて、運転者のシフトレバ
ー操作によって、到達目標変速比DRATIOがステッ
プ状に変化するスイッチ変速であるか否かを判定する。 【0064】ここで、スイッチ変速とは、マニュアルモ
ードでのアップシフトまたはダウンシフト、あるいは、
DレンジからLレンジ、LレンジからDレンジへのシフ
ト操作によって、到達目標変速比DRATIOが大きく
変化する場合を示す。 【0065】そして、ステップS7では、前置補償器A
1の各係数及び出力を後述するように演算してから、ス
テップS8では、上記ステップS5で求めた偏差eに基
づいて、フィードバック補償量を演算する。 【0066】そして、ステップS9では、このフィード
バック補償量に基づいて目標変速比を補正した後、ステ
ップS10で補正後の目標変速比をステップモータ4の
制御量STPに変換するとともに、ステップモータ4を
駆動して、トロイダル型無段変速機10の変速比を連続
的に変更する。 【0067】次に、前置補償器A1を図4に示すよう
に、6つのブロック80Aから80Fに分けた場合の演
算処理の一例について、図6フローチャートを参照しな
がら詳述する。 【0068】まず、ステップS21では、前回制御時
(1サイクル前)のブロック80Cの出力A20と、ブ
ロック80Dの積分値の差に定数θを乗じて変数addtmp
を演算してから、ステップS22へ進み、変数addtmpに
基づいて、ブロック80Eの出力、すなわち、前置補償
器A1の出力r1を演算する。 【0069】次に、ステップS23では、前置補償器の
演算を制御する図7のフローチャートで、後述するよう
に設定されるフラグflagDがONであれば、ステッ
プS25へ進む一方、OFFであればステップS24へ
進んで、疑似微分フィルタであるブロック80Dの積分
値A21intgを演算する。 【0070】フラグflagD=ONの場合は、前置補
償器80がほとんど作用しない運転状態であると判定し
て、ブロック80Dの演算を一時的に中止し、ブロック
80Dの出力A21=0とする一方、積分値A21intg
をブロック80Cの出力A20に設定して次回の作動に
備える。 【0071】一方、フラグflagD=OFFの場合で
は、スイッチ変速中ないし通常走行中と判定して、ステ
ップS24へ進んで、上記ステップS21の変数addtmp
と、積分値A21intgの前回値より、積分値A21intg
を演算する。 【0072】ここで、フラグflagDの設定は、図に
示すように、上記ステップS6の判定に基づいて、スイ
ッチ変速中であれば、ステップS42へ進んでフラグf
lagDをOFFにセットして、ブロック80Dの演算
を許可する一方、通常走行中(例えば、Dレンジで走行
中)の場合には、ステップS43〜S46で、TCSが
作動中、ABSが作動中、ASCDが作動中、ステップ
モータの駆動速度PPSが所定値以下の場合には、ステ
ップS47でフラグflagDをONに設定してブロッ
ク80Dの演算を禁止する一方、そうでない場合には、
ステップS42へ進んで、フラグflagDをOFFに
セットして、ブロック80Dの演算を許可する。 【0073】続いて、ステップS26では、ブロック8
0Aの出力A10と、ブロック80Bの積分値A11in
tgの差に定数θを乗じたものを、変数addtmpに代入す
る。 【0074】そして、上記上記ステップS6の判定か
ら、スイッチ変速中であれば、ステップS28へ進ん
で、ステップS26で演算した変数addtmpに定数λ1
乗じ、疑似微分フィルタであるブロック80Bの出力A
11を演算するとともに、ステップS30で、積分値A
11intgを演算する一方、スイッチ変速中でない場合に
は、ステップS29へ進んでブロック80Bの演算を一
時的に禁止し、出力A11を0に、積分値A11intgを
ブロック80Aの出力A10に設定して次回に作動に備
える。 【0075】こうして、ブロック80Bの出力A11及
び積分値A11intgを設定した後、ステップS31で
は、ブロック80Cの出力A20を、ブロック80Bの
出力A11と出力A20の前回値の差に定数TgTM2
を乗じてから、出力20Aの前回値を加算することで求
める。 【0076】ステップS32では、ブロック80Aの出
力A10、定数TgTM2、目標変速比RefRati
oの前回値から、ブロック80Fの出力である目標変速
比RefRatioを演算する。 【0077】そして、ステップS33では、ブロック8
0Aの出力A10を、到達目標変速比DRATIO、定
数TgTM1、出力10Aの前回値より演算されて、前
置補償器A1の1サイクルの演算を終了する。 【0078】したがって、前置補償器A1は、ブロック
80E、80D、80B、80C、80F、80Aの順
で繰り返し演算が行われる。 【0079】そして、到達目標変速比DRATIOがス
テップ状に変化するスイッチ変速時には、疑似微分フィ
ルタであるブロック80B、80Dの2つが作動するこ
とにより、前置補償器A1の出力r1が急激に変化する
のを確実に防止して、ほぼ規範モデル出力に沿って目標
変速比を変化させることができ、運転状態の変化に応じ
た到達目標変速比DRATIOへ目標変速比RefRA
TIOを円滑に追従させることが可能となる。 【0080】一方、Dレンジなどでの通常走行中では、
到達目標変速比DRATIOの大きな変化が起こりにく
いため、ブロック80Dの疑似微分フィルタを作動させ
て、前置補償器A1の補償効果を低減しながら出力r1
の変動を抑制し、ブロック80Bの疑似微分フィルタを
停止させることで、変速制御コントローラ61の演算負
荷を軽減する。 【0081】さらに、通常走行中で、TCS、ABS、
ASCDのいずれかひとつが作動した場合には、無段変
速機10の変速速度は遅くなるように設定するのが望ま
しい。このため、目標変速比の変化速度が遅くなるの
で、前置補償器80が作動していなくても到達目標変速
比DRATIOへ向けて目標変速比RefRATIOを
追従させることができるため、2つの疑似微分フィルタ
80B、80Dをともに停止させて補償効果をなくすこ
とで演算の負荷をさらに軽減し、安価なマイクロコンピ
ュータを採用しながらも、変速制御の精度を確保するこ
とができる。 【0082】また、ステップモータ4は、低油温時や高
油温時には脱調を防ぐために、十分な速度で運転するこ
とができず、駆動速度PPSは低く設定される。このよ
うな、運転条件ではフィードバック制御によって、正確
に目標値へ追従できない可能性があるため、前置補償器
80の動作を停止させても補償効果が得られない。した
がって、このように目標とする変速特性を実現すること
ができないような運転状態では、2つの疑似微分フィル
タを構成するブロック80B、80Dの動作を停止させ
ることで、演算の負荷をさらに軽減して、安価なマイク
ロコンピュータを採用しながらも、変速制御の精度を確
保することができ、変速制御の精度の確保と製造コスト
の低減を両立することが可能となる。 【0083】こうして、前置補償器80の補償効果が得
られる運転状態のときのみ、ブロック80B、80Dの
演算を行って、2つの疑似微分フィルタにより所定の補
償を行う一方、前置補償器80の補償効果が小さい運転
状態のときには、ブロック80Bを停止して、部分的に
補償を行うことで、前置補償器80の演算負荷を軽減
し、さらに、前置補償器80の補償効果が不要な運転状
態のときには、ブロック80B、80Dの演算をともに
禁止して2つの疑似微分フィルタ停止させることで、変
速制御コントローラ61の演算負荷を運転状態に応じて
変更でき、安価なマイクロコンピュータを採用した場合
であっても、演算負荷が過大になるのを防止して、制御
精度の低下を防ぎながら、必要に応じ前置補償器80に
よる補償を行い、変速性能の向上を図ることができる。 【0084】なお、上記実施形態において、無段変速機
10をトロイダル型で構成した場合について述べたが、
Vベルト式に適用しても同様の作用、効果を得ることが
可能である。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施形態を示す無段変速機の変速制
御装置の概念図。 【図2】同じく変速制御コントローラのブロック図であ
る。 【図3】同じく変速制御コントローラのフィードバック
系を示すブロック図である。 【図4】前置補償器A1のブロック図である。 【図5】変速制御の一例を示すフローチャートである。 【図6】同じく前置補償器演算処理の一例を示すフロー
チャートである。 【図7】同じく前置補償器演算処理の一例を示すフロー
チャートである。 【図8】フィードバック制御系に前置補償器を用いた場
合の概略ブロック図である。 【図9】前置補償器の一例を示すブロック図である。 【符号の説明】 4 ステップモータ 10 無段変速機 20 シフトスイッチ 21 アップスイッチ 22 ダウンスイッチ 30 TCSコントローラ 31 ABSコントローラ 32 ASCDコントローラ 61 変速制御コントローラ 62 スロットル開度センサ 63 車速センサ 64 入力軸回転センサ 71 実変速比算出部 72 目標入力回転数算出部 73 到達目標変速比算出部 80 前置補償器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹田 和宏 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−53712(JP,A) 特開 平8−338515(JP,A) 特開 平9−280332(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】アクチュエータを介して制御される変速機
    構を備えて変速比を連続的に変更する無段変速機と、 車両の運転状態または運転者の操作に応じて前記無段変
    速機の目標変速比を設定するとともに、実際の変速比と
    目標変速比の偏差に基づいて、実際の変速比が目標変速
    比に一致するように前記アクチュエータを駆動するフィ
    ードバック制御手段とを備えた無段変速機の変速制御装
    置において、 前記フィードバック制御手段は、 前記目標変速比から実変速比までの伝達関数が、所定の
    規範モデルに一致ないし近似するよう変速特性を補償す
    る前置補償器と、前記目標変速比の変化速度が小さい運転条件ほど、前置
    補償器の補償効果を小さくする 補償効果変更手段とを備
    この補償効果変更手段は、駆動輪の空転を抑制する駆動
    力制御手段、制動中の車輪のスリップを抑制するアンチ
    スキッド制御手段または運転者が設定した車速を維持す
    る定速走行制御手段のいずれかひとつが作動したときに
    は、目標変速比の変化速度が小さい運転条件であると判
    定して、前置補償器の補償効果を小さくする ことを特徴
    とする無段変速機の変速制御装置。
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