JP3455193B2 - オートテンショナ - Google Patents

オートテンショナ

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JP3455193B2
JP3455193B2 JP2001129141A JP2001129141A JP3455193B2 JP 3455193 B2 JP3455193 B2 JP 3455193B2 JP 2001129141 A JP2001129141 A JP 2001129141A JP 2001129141 A JP2001129141 A JP 2001129141A JP 3455193 B2 JP3455193 B2 JP 3455193B2
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H7/00Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members
    • F16H7/08Means for varying tension of belts, ropes, or chains
    • F16H7/0829Means for varying tension of belts, ropes, or chains with vibration damping means
    • F16H2007/084Means for varying tension of belts, ropes, or chains with vibration damping means having vibration damping characteristics dependent on the moving direction of the tensioner

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  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車エンジンの
タイミングベルト、または複数の補機を駆動するベルト
に適切な張力を付与するオートテンショナに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】オートテンショナは、エンジンの駆動力
を単一の無端ベルトで複数の装置に伝達するベルト駆動
機構に採用され、ベルトに適切な張力を付与するととも
に、エンジンの回転数や負荷の変動により生じるベルト
の振動を減衰させる。これによりエンジンの駆動力が各
装置に確実に伝達される。
【0003】一般にオートテンショナは、エンジンブロ
ック等に固定されるベースと、ベースに対して揺動自在
に軸支される揺動アームと、揺動アームの先端に取付け
られてベルトに当接するプーリを備える。揺動アームは
その揺動軸心と略同軸上に設けられコイル径が増大する
方向に弾性復帰しようとするねじりコイルスプリングの
捩りトルクによってベルトが緊張する方向に回転付勢さ
れ、これによりベルトに適切な張力が付与される。
【0004】また、オートテンショナにはベルトを制振
するためのダンピング機構、例えば揺動アームおよびベ
ース間に摩擦部材を設け、揺動アームがベルトの張力変
動に追随して揺動する際に摩擦抵抗即ちダンピング力を
発生させて上記揺動を制動する摩擦式ダンピング機構が
設けられる。
【0005】近年では、エンジンの高性能化に伴ってエ
ンジン回転数やベルトにかかる負荷の変動が増大し、ベ
ルトの張力変動も大きくなっている。このためダンピン
グ力が小さい場合にはベルトの張力変動が抑えきれずに
ベルトと共に振動する結果となる。そこで、オートテン
ショナの制振性能を向上させるためには、高ダンピング
化する必要があり、特にベルト緊張時に揺動アームへ作
用するダンピング力(第1ダンピング力)を、ベルト弛
緩時に揺動アームへ作用するダンピング力(第2ダンピ
ング力)よりさらに大きく設定することが好ましい。
【0006】この要求に応えるために、従来の第1の摩
擦式ダンピング機構として、摩擦部材をねじりコイルス
プリングの捩りトルクの反力によって揺動アームまたは
ベースに押し付けて高い摩擦抵抗を生じさせるという構
成が知られている。揺動アームがベルト弛緩方向に回転
したときには、捩りトルクの反力はベルト緊張時への回
転時に比べて大きくなり、反力の増大に応じて摩擦抵抗
も大きくなる。従って第1ダンピング力を第2ダンピン
グ力より大きく設定できる。ねじりコイルスプリングの
捩りトルクを大きく設定すれば、その反力の大きさに依
存する摩擦抵抗即ちダンピング力の増大を図ることがで
きる。
【0007】しかし、捩りトルクを大きくすると、摩擦
抵抗だけでなくベルトへの押圧力も大きくなるため、ベ
ルトの伸びや磨耗が生じ易くなる。このため捩りトルク
の大きさは制限され、高ダンピング化にも自ずと限界が
生ずる。また、ねじりコイルスプリングによって摩擦部
材を付勢することで第1ダンピング力は第2ダンピング
力より大きくなるが、揺動アームの回転方向による捩り
トルクの変化はさほど大きいものではなく、第1ダンピ
ング力を第2ダンピング力に対して大きく異ならせるこ
とは困難である。従って、捩りトルクを上げて高ダンピ
ング化すると第1ダンピング力でなく第2ダンピング力
も増大し、ベルトを緊張させるタイミングが遅くなる、
いわゆるベルトへの追随性が低下するという問題も生じ
る。
【0008】また第2の摩擦ダンピング機構として、摩
擦部材をねじりコイルスプリングとは別体の付勢部材に
よって揺動アームまたはベースに押し付けて安定した高
い摩擦抵抗を生じさせるという構成が知られている。こ
の場合、摩擦抵抗の大きさは付勢部材の付勢力に依存
し、捩りトルクには関係ないので、捩りトルクを増大さ
せずに付勢部材の付勢力を変更するだけで大きなダンピ
ング力を得ることができる。即ち、第1の摩擦ダンピン
グ機構と比較すると、捩りトルクを変更させずに高ダン
ピング化できるという利点を有している。
【0009】しかし第2の摩擦式ダンピング機構による
と、ベルト緊張方向あるいはベルト弛緩方向の何れの方
向に揺動アームが回転しても一定の摩擦抵抗が作用する
ため、付勢部材による付勢力を大きくすれば、第1の摩
擦式ダンピング機構と同様、第1ダンピング力だけでな
く第2ダンピング力も増大する。即ち、この構成では第
1ダンピング力と第2ダンピング力とを大きく異ならせ
ることは困難であり、高ダンピング化によって追随性が
低下するという問題点は依然として解決されない。ま
た、第1の摩擦式ダンピング機構に比べて部品点数およ
び組立工程数が増加し、製造コストがかかるという別の
問題点が新たに生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記2種
の摩擦式ダンピング機構では、オートテンショナの制振
性能を向上させることと、ベルトへの追随性を良好に保
つこととの双方の要求を同時に満たすことはできなかっ
た。
【0011】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、オートテンショナの追随性を低下させることな
く制振性能を向上させることが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によるオートテン
ショナは、ベルトに当接するプーリと、一端にプーリが
取付けられるとともに有底筒状のベースの内側に回転自
在に支持される円筒部を有する揺動アームと、この揺動
アームをベースに対してベルトの緊張する方向に回転付
勢するねじりコイルスプリングとを備えたオートテンシ
ョナであって、ねじりコイルスプリングがベースの軸心
に対して偏心して取付けられると共に、揺動アームがベ
ースに相対変位可能に支持されることによって、ベルト
の緊張時に揺動アームに作用する第1ダンピング力が、
ベルトの弛緩時に揺動アームに作用する第2ダンピング
力より相対的に大きくなることを特徴とする。これによ
り制振性能が向上するとともにベルトへの追随性が良好
となる。
【0013】上記オートテンショナにおいて揺動アーム
がベースに対して径方向に移動自在に取付けられる。ま
た、ねじりコイルスプリングがベースに対して偏心して
装着される。
【0014】オートテンショナは、揺動アームの円筒部
の外周面とベースの内周面との間に介在すると共にベー
スの軸心周りに少なくとも180度の範囲に渡って設け
られる摩擦部材をさらに備え、ねじりコイルスプリング
によって円筒部の一部が摩擦部材に押圧付勢される。こ
れにより大きな摩擦力を発生させることができる。
【0015】オートテンショナにおいて、第1ダンピン
グ力の大きさは第2ダンピング力の大きさの1.5ない
し3.5倍であることが好ましい。
【0016】オートテンショナに用いられる摩擦部材
は、ねじりコイルスプリングがアーム円筒部を押圧付勢
する方向に作用する荷重を分散させるための複数の突起
を備えていてもよく、これにより摩擦部材の局所的な磨
耗および破損が防止できる。
【0017】オートテンショナは摩擦部材とは別体のダ
ンピング部材をさらに備えてもよく、具体的にはこのダ
ンピング部材が揺動アームと径方向に相対移動可能に係
合すると共にベースと摩擦摺動し、さらに大きなダンピ
ング力を設定できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
添付図面を参照して説明する。
【0019】図1は、本発明の第1実施形態であるオー
トテンショナを適用したベルト駆動機構を示す図であ
る。このベルト駆動機構は、単一の無端ベルト10を有
し、このベルト10は、エンジン(図示せず)の出力軸
に取付けられる駆動プーリ12と、複数の装置に取付け
られた従動プーリ、例えばエアコンディショナ用プーリ
14、パワーステアリング装置用プーリ16およびオル
タネータ用プーリ18とに巻回される。駆動プーリ12
が回転するとベルト10が図の時計回り方向に回転し、
各装置のプーリ14、16および18に回転駆動力が伝
達される。
【0020】オートテンショナ20は、駆動プーリ12
の近傍、詳しくはベルト回転方向においてベルト10が
最も弛みやすい駆動プーリ12の後方に配され、オート
テンショナ20のプーリ22はベルト10の背面、即ち
外周側からベルト10に当接しつつ相対回転する。揺動
アーム24は、ベルト10の緊張する矢印A方向にプー
リ22を回転付勢し、これによりベルト10には常に適
切な張力が付与される。
【0021】ベルト10がエンジン回転数や負荷の変動
により振動すると、この振動はプーリ22を介して揺動
アーム24に伝達され、揺動アーム24が揺動軸心L4
を中心にして揺動し、プーリ22を実線で示す第1位置
と破線で示す第2位置との間で相対移動させる。揺動ア
ーム24の揺動時には、揺動アーム24とブッシング2
6とが摩擦摺動し、生じた摩擦力が揺動アーム24を制
動するダンピング力として作用し、プーリ22の相対移
動が抑えられてベルト10の振動が減衰させられる。
【0022】ベルト10の張力が急激に増大してプーリ
22が第2位置に向かって押されると、揺動アーム24
は時計回り方向(矢印A方向)に相対回転し、このとき
揺動アーム24には相対的に大きい第1ダンピング力が
作用して、プーリ22はゆっくり動いてベルト10の振
動を効果的に抑制する。一方、ベルト10が弛緩し、プ
ーリ22がベルト10に追随して第1位置に向かって動
くと、揺動アーム24は揺動軸心L4を中心に反時計回
り方向(矢印B方向)に相対回転する。このとき、揺動
アーム24には相対的に小さい第2ダンピング力が作用
し、プーリ22はベルト10へ向かって素早く動き、ベ
ルト10を緊張させる。
【0023】図2はオートテンショナ20の断面図であ
り、図3はオートテンショナ20をプーリ22側から見
た平面図である。図3において揺動アーム24の一部を
破断して示し、プーリ22を一点鎖線で示す。
【0024】オートテンショナ20は、アルミニウム合
金等の金属素材から有底筒状に一体成形されたベース3
0を備え、ベース底面部32はエンジンブロック(図示
せず)に固定される。ベース底面部32の外周縁からは
ベース円筒部34が垂直に延び、その内側は段差状に形
成される。即ち、ベース軸心L1を軸心とし径の異なる
2つの円筒面、即ち開口側内周面34aおよび底面側内
周面34bと、これら2つの内周面34aおよび34b
を繋ぐ環状座面34cとが形成される。開口側内周面3
4aの直径D1は底面側内周面34bの直径D2より大
きく、環状座面34cは一定の幅D3を有しベース軸心
L1に垂直な平面である。
【0025】ベース底面部32の中央には円形のベース
軸穴部38が形成され、このベース軸穴部38の内側に
は図2下方から段付ボルト40が挿通する。この段付ボ
ルト40によって揺動アーム24がベース30に対して
揺動自在に取付けられる。ベルト10が巻きかけられて
いない状態では、段付ボルト40の軸心および揺動アー
ム24の揺動軸心L4はベース軸心L1に実質的に一致
している。
【0026】揺動アーム24はアルミニウム合金等の金
属素材から一体成形され、ベース底面部32に向かって
開口した有底筒状を呈している。アーム底面部242は
ベース30の開口部の内側に配され、その中央にはベー
ス底面部32に向かって延びる筒状の揺動軸部244が
設けられる。揺動軸部244は両端部において開口して
おり、その内周面には雌ねじ244aが形成される。こ
の雌ねじ244aが段付ボルト40の先端に形成された
雄ねじ部42に螺合することにより、段付ボルト40と
揺動アーム24とが一体的に固定される。
【0027】揺動軸部244の先端はベース軸穴部38
内に進入し、段付ボルト40の円柱部46に当接する。
この円柱部46の一部はベース軸穴部38の内側に配さ
れており、揺動軸部244と同じ外径を有する。揺動軸
部244および円柱部46とベース軸穴部38との間に
はクリアランスが設けられており、揺動アーム24はベ
ース30に干渉することなく相対回転できる。
【0028】段付ボルト40の頭部44は、ベース軸穴
部38の内径より大きい外径を有する円板であり、ベー
ス底面部32に係止される。詳述すると、ベース底面部
32には頭部44より大きい円柱穴であるボルト収容部
33が形成され、このボルト収容部33はベース軸穴部
38に連通するとともに図2下方に開口している。頭部
44はベース底面部32から突出しないようにボルト収
容部33に収容される。揺動アーム24はベース軸心L
1方向に圧縮されたねじりコイルスプリング60により
ベース30から離間する方向(図2の上方)に付勢され
ており、頭部44がスラスト軸受50を介してボルト収
容部33に係止されることにより、揺動アーム24のベ
ース軸心L1方向に沿う相対移動が規制される。
【0029】スラスト軸受50は、段付ボルト40の頭
部44とボルト収容部33との間に設けられた環状部材
であり、頭部44とボルト収容部33とを円滑に相対回
転させる。スラスト軸受50は例えば自己潤滑性を有す
る合成樹脂素材から成型される。
【0030】ベース軸穴部38の内径D12は、揺動軸
部244およびボルト円柱部46外径D11より僅かに
大きく形成され、またボルト収容部33の内径D14は
ボルト頭部44の外径D13より僅かに大きく形成され
る。これにより、揺動アーム24および段付ボルト40
がベース30に干渉することなく円滑に相対回転でき、
またベース軸心L1に対する揺動軸心L4の僅かな変位
が許容される。
【0031】揺動アーム24は、アーム底面部242か
らベース30の反対側に突出するプーリ軸受部248を
有し、プーリ軸受部248の径方向外側にはボールベア
リング70を介してプーリ22が回転自在に取付けられ
る。プーリ22の回転軸心L2は揺動軸心L4に平行で
ある。ボールベアリング70は、プーリ軸受部248内
に螺合固定される取付ボルト74と、取付ボルト74の
頭部とボールベアリング70の上端面との間に介装され
るワッシャ72とによりプーリ軸受部248に固定され
る。
【0032】アーム底面部244の外周縁にはベース底
面部32に向かって延びるアーム円筒部246が一体的
に設けられる。アーム外周面246aはベース円筒部3
4の内側において開口側内周面34aと平行かつ所定距
離だけ離れて対向しており、アーム外周面246aと開
口側内周面34aとの間には軸方向全体に渡って両面に
接する円筒状のブッシング26が設けられる。
【0033】アーム内周面246bは、ベース30の底
面側内周面34bの直径D2に等しい直径を有し、ベー
ス30に揺動アーム24が取付けられた状態において底
面側内周面34bと同一円筒面上に位置する。ベース底
面部32およびアーム円板部242と、ベース30の底
面側内周面34bおよびアーム内周面246bと、ベー
ス軸穴部38および揺動軸部244とによって外径D2
の環状室100が形成され、この環状室100にねじり
コイルスプリング60が収容される。
【0034】ねじりコイルスプリング60はアーム内周
面246aに近接して巻回された巻きばねであり、その
一端部62はベース底面部32に係止され、他端部64
はアーム底面部242に係止される。ねじりコイルスプ
リング60はコイル径が縮小する図1の時計回り方向に
所定角度だけねじられ、かつベース軸心L1方向に圧縮
された状態で介装される。コイル径が増大する方向に弾
性復帰しようとするねじりコイルスプリング60の捩り
トルクによって、揺動アーム24はベース軸心L1周り
に図1の反時計回り方向へ付勢され、プーリ22に巻き
掛けられたベルト10に所定の張力が付与される。
【0035】ねじりコイルスプリング60は巻きばねで
あることから、その捩りトルクの反力はベース軸心L1
周りに均一に作用するわけではなく、アーム円筒部24
6の一部は、ねじりコイルスプリング60により径方向
外側にあるブッシング26およびベース円筒部34の所
定部位に向かって押圧付勢される。プーリ22にベルト
10が巻き掛けられた状態(図3参照)では、アーム円
筒部246とブッシング26との間にはベルト10がプ
ーリ22を押圧する力とねじりコイルスプリング60の
付勢力との合力によって摩擦力が発生する。
【0036】図4および図5を参照して詳述する。図4
は静止したベルト10が巻き掛けられたオートテンショ
ナ20の平面図であり、図5はベース軸心L1を通るV
−V線断面における端面図である。なお、図5において
は図の複雑化を避けるために揺動アーム24、ベース3
0および段付ボルト40のみを示し、他の構成を省略す
る。
【0037】ベルト10がプーリ22を押圧すると、段
付ボルト40および揺動アーム24にはベルト巻き掛け
角γを2等分する直線Pに平行な軸荷重方向Yに荷重が
かかる。このとき、図5に示すように揺動軸心L4をベ
ース軸心L1に対してベース底面32側を支点として傾
かせようとするモーメントが揺動アーム24に作用す
る。前述したように、揺動軸部244およびボルト円柱
部46とベース軸穴部38との間、ボルト頭部44およ
びボルト収容部33との間にはクリアランスが設けられ
ているため、ベルト10の押圧力により揺動軸心L4は
ベース軸心L1に垂直な平面において軸荷重方向Yに僅
かに相対移動する(図4)と共に、軸荷重方向Y側へ僅
かに傾く、厳密には回転する(図5)。
【0038】実際にはベース30と揺動アーム24との
間にはブッシング26およびスラスト軸受50が介在し
ているため、図5のように目視で確認できるほど傾くわ
けではなく、傾斜角度θは極めて小さい値である。
【0039】ねじりコイルスプリング60は、アーム円
筒部246およびブッシング26を押圧方向Zへ付勢
し、ベース円筒部34に押し付ける。この押圧方向Zは
軸荷重方向Yと実質的に同じ方向とされ、これにより揺
動アーム24がブッシング26を押圧する力はねじりコ
イルスプリング60の押圧方向Zへの付勢力とベルト1
0の軸荷重方向Yへの押圧力との総和となる。ブッシン
グ26はアーム円筒部246およびベース円筒部34に
よって強く挟持され、特に図4においてハッチングで示
される押圧部位26wには局所的な力が集中する。押圧
方向Zは厳密に軸荷重方向Yに一致しなくてもよいが、
その範囲は軸荷重方向Yに対してベース軸心L1周りに
±20度(反時計回り方向を正とする)の範囲内である
ことが好ましい。
【0040】ベルト10が巻き掛けられた状態でベルト
10の張力が増加すると、ベルト10の軸荷重方向Yへ
の押圧力が増加し、また揺動アーム24が図4の時計回
り方向に相対回転するため、ねじりコイルスプリング6
0がコイル径の縮小する方向に弾性変形して捩りトルク
の反力が増大し、これに伴ってねじりコイルスプリング
60による押圧方向Zへの付勢力も増加する。従って、
両者の和に実質的に一致する力、即ち揺動アーム24が
ブッシング26の押圧部位26wを半径方向外側に押圧
する力は、相対的に大きくなる。
【0041】揺動アーム24とブッシング26との間に
生じる摩擦力は、接触面である揺動アーム外周面246
aおよびブッシング内周面26aにかかる垂直荷重に比
例する、即ち半径方向外側に押圧する力に比例する。上
述したように、ベルト張力が増加する時にはこの垂直荷
重は相対的に大きくなるので、大きな摩擦力が発生す
る。また、ブッシング26がベース30の開口側内周面
34aに強く押し付けられるので、ブッシング外周面2
6bと開口側内周面34aとの間にも大きな摩擦力が発
生する。従って、揺動アーム24が図4の時計回り方向
に相対回転するときには相対的に大きな摩擦抵抗が第1
ダンピング力として揺動アーム24に作用し、これによ
り揺動アーム24に強い制動がかかって、プーリ10は
ベルト10にゆっくり追随し、ベルト10の振動が減衰
させられる。
【0042】さらに、図6の部分拡大図に示すように、
揺動軸心L4が角度θだけ傾いたとすると、揺動アーム
円筒部246はベース円筒部34と平行に対置するので
はなく、角度θだけ軸荷重方向Y側へ傾く(図6では左
下に向かって回転する)。言い換えると、押圧部位26
wの近傍においては、開口側内周面34aとアーム外周
面246aとの間隔はベース30の開口部に向かって徐
々に小さくなる。これにより、押圧部位26wは開口側
内周面34aとアーム外周面246aとによって、楔が
挟まるがごとく開口部に向かうほどより強く挟まれる。
従って、押圧による摩擦抵抗にいわゆる楔効果のような
作用が加わって、大きいダンピング力を安定して発揮で
きる。なお、図6では説明のために傾斜の度合いを強調
して示しており、実際には図示するほど傾斜することは
ない。
【0043】一方、ベルト10の張力が減少すると、ベ
ルト10から受ける力が減少し、揺動アーム24はねじ
りコイルスプリング60の捩りトルクにより図4の反時
計回り方向に相対回転し、ねじりコイルスプリング60
はコイル径の増大する方向に弾性変形するため、捩りト
ルクが減少する。これにより、揺動軸心L4がベース軸
心L1に一致すべく揺動アーム24は相対移動し、揺動
アーム24がブッシング26を押圧方向Zに押圧する力
は極めて小さくなる。また、揺動アーム24の傾斜の度
合いが小さくなって開口側内周面34aおよびアーム外
周面246aがほぼ平行に対置するため、押圧部位26
wの挟み込む力も小さくなり、ブッシング26に加えら
れた力が開放される。従って、上述の楔効果のような現
象は解消され、摩擦力は極端に減少する。このように、
揺動アーム24が図4の反時計回り方向に相対回転する
ときには、揺動アーム24に作用する第2ダンピング力
は低いレベルに抑えられ、揺動アーム24に制動は余り
かからないので、プーリ22のベルト10への追随性が
高くなって、ベルト10に所定の張力が速やかに付与さ
れる。
【0044】以上のように、本実施形態のオートテンシ
ョナ20によると、揺動アーム24をその回転方向に応
じて変位させることによってダンピング力を相対変化さ
せることができ、ベルト10の張力を低下させることな
く効果的に制振できる。
【0045】従来では、ベース(30)と、ベース(3
0)に対して相対回転する揺動アーム(24)あるいは
段付ボルト(40)との間は、合成樹脂製ブッシングに
よって隙間なく埋められており、揺動アーム(24)の
傾きあるいは径方向への相対変位は許容されていなかっ
た。従って、ブッシング(26)を半径方向外側に押圧
する力は揺動アーム24の回転方向に関係なくほぼ一定
であり、第1ダンピング力と第2ダンピング力とを大き
く異ならせることは困難であった。しかし、本実施形態
のオートテンショナ20においては、揺動アーム24お
よび段付ボルト40とベース30との間に揺動軸心L4
の変位を許容するクリアランスを設けるだけで、揺動ア
ーム24がブッシング26を押圧する力を大きく変化さ
せることができ、第1および第2ダンピング力の差を大
きくすることができる。このようなオートテンショナ2
0は、従来に比べて新たな部品や製作工程を追加する必
要はなく、むしろ揺動軸部244や軸穴部38の加工精
度を要求されないので製造は容易になる。
【0046】また、ブッシング26の押圧部位26wの
磨耗量は他の部位に比べて大きいが、揺動アーム24が
変位可能であるため押圧部位26wの厚みが減少して
も、ベース30に対して揺動アーム24および段付ボル
ト40はねじりコイルスプリング60の付勢力によって
厚みの減少した方向(図4の押圧方向Zに一致する)へ
僅かに変位でき、常にブッシング26と揺動アーム24
を密着させることができる。従って、安定した摩擦抵抗
が得られる。
【0047】図7はブッシング26の斜視図である。ブ
ッシング26は例えばポリフェニレンサルファイドを主
成分とする合成樹脂素材から射出成形により一体形成さ
れた円筒部材である。ポリフェニレンサルファイドは、
結晶性の高い高分子構造を有する合成樹脂であり、耐熱
性、耐磨耗性、強度、寸法安定性に優れ、また吸水率も
極めて低い。従って、ブッシング26にポリフェニレン
サルファイドを適用することによって、ブッシング26
は水や塩水にさらされた場合においても摩擦力の増大を
阻止することができる。なお素材には、上記ポリフェニ
レンサルファイドの他、自己潤滑性を持たせるためのモ
リブデンや、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線劣化防止剤
などを添加してもよい。また素材の主成分として、従来
用いられているポリエーテルサルフォンを用いてもよ
い。
【0048】ブッシング26は円周方向において一部が
破断しており、この破断部は温度変化による膨張および
収縮を許容する。またブッシング26のベース30側の
端部には径方向内側に延びる一定幅のフランジ262が
略全周にわたって設けられる。フランジ262はアーム
筒状部246の先端面とベース30の環状座面34cと
の間に設けられ、両者の接触による磨耗を防止すると共
に、ベース30からのブッシング26の脱落を防止す
る。ブッシング26の外径は自然長でベース円筒部34
の内径D1より僅かに大きく、半径方向に収縮した状態
でベース円筒部34内に介装される。従って、ブッシン
グ26は径方向に拡大しようとする力によってベース3
0の開口側内周面34aに密着する。ブッシング26は
揺動アーム24の円筒部246およびベース円筒部34
の軸長さH1と略同じ軸長さを有し、ベース円筒部34
とアーム円筒部246とに軸心方向全体に渡って密着す
る。
【0049】ブッシング26の内周面26aには軸心方
向全体にわたって延びる溝268が複数本形成される。
この溝268はブッシング26が揺動アーム24と摩擦
した際に生じる摩耗粉を吸収して外部へ逃がす役割を果
たす。これにより、摩耗粉による内周面26aの損耗が
防止される。なお、溝268の断面形状は本実施形態で
は半円形であるが、特に半円形に限定されるものではな
い。また溝深さも特に限定されないが、深くしすぎると
撓みが生じ、浅くしすぎると摩耗粉が溝268に溜まる
ので、適切な溝深さを有していることが必要である。溝
幅についても同様、大きすぎると必要な摩擦力が得られ
ず、狭くすると摩耗粉が溝268に溜まるので、適切な
溝幅に設定することが必要である。
【0050】ブッシング26の破断部位は、磨耗の最も
大きい押圧部位26w(図3参照)の反対側、即ち図3
の右上方に配される。これにより磨耗による径方向拡大
が容易であり、安定した摩擦力を得ることができる。な
お、本実施形態においてブッシング26は一部破断した
円筒形状であるが、揺動アーム24が押圧する範囲に設
けられていればよく、具体的には軸荷重方向Yからベー
ス軸心L1周りに±90度の範囲にわたって設けられて
いればよい。
【0051】本実施形態のオートテンショナ20におい
ては、ベース30の直径がその軸長さに対して相対的に
大きい薄型を呈しており、またねじりコイルスプリング
60の外側にブッシング26を設けているため、ブッシ
ング26の直径は相対的に大きく、揺動アーム24との
摩擦面積を大きく設定できる。また、ブッシング26は
アーム円筒部246とに軸心方向全体に渡って密着して
いるため、摩擦面積を大きくとることができる。従っ
て、揺動アーム24の回転角度が小さくても相対的に大
きな摩擦力を得ることができる。またさらに、摩擦力の
作用位置を揺動軸心L4(またはベース軸心L1)から
遠方に設定できるため、揺動アーム24に効果的に制動
をかけることができる。
【0052】ブッシング26のプーリ側端部264は外
部に露出しているため、ベース円筒部34との界面およ
びアーム円筒部246との界面への水や塩水の浸入を許
し、外表面が水や塩水にさらされ易い構造となってい
る。しかし、ブッシング26がポリフェニレンサルファ
イドを主成分とする素材で形成されているので、水にさ
らされても摩擦力は増大せず、揺動アーム24の円滑な
揺動を阻害することがなく、スティックスリップ現象や
ベルト鳴き現象等が防止される。
【0053】図8はねじりコイルスプリング60を揺動
アーム24側から見た平面図である。ねじりコイルスプ
リング60は無負荷の状態で直径D4を有する螺旋部6
6を備える。螺旋部66の巻数は約2.2巻である。ベ
ース30に係止される一端部62は螺旋部66から直線
状に延び、螺旋部66より螺旋軸心L3側であって、か
つ螺旋軸心L3に垂直である。揺動アーム24に係止さ
れる他端部64も一端部62と同様の構成である。螺旋
軸心L3に垂直な平面において、一端部62の中心を通
って曲折部63側へ延びる直線K1と、他端部64の中
心を通って曲折部65側へ延びる直線K2とが成す角α
は約60度であるが、50〜80度の範囲が好適であ
る。
【0054】図9はベース30にねじりコイルスプリン
グ60を取付けた状態を揺動アーム24側から見た平面
図である。なお、ねじりコイルスプリング60をハッチ
ングで示し、かつベース30側の1巻分だけ示してい
る。ベース底面部32には一端部62を挟持する2つの
係止突起322および324が形成される。第1の係止
突起322はベース円筒部34から内側に張り出した弦
月形を呈し、その平面上の側面322aが径方向外側か
ら一端部62を支持する。第2の係止突起324はベー
ス軸穴部38の周囲に全周に渡って設けられた円環状を
呈し、第1の係止突起322に対向する外周面324a
において径方向内側から一端部62に当接している。第
2の係止突起324の外周面は一部で径方向外側に円弧
状に突出しており、この突出した曲面324bがねじり
コイルスプリング60の曲折部63に当接している。以
上のようにして一端部62はベース底面部32に係止さ
れ、係止状態において一端部62は軸荷重方向Yに対し
て略平行である。
【0055】螺旋部66の外径D4は収容されるべき環
状室100の直径D2より大きく、ベース30に一端部
62を係止した端部64を自由端にして負荷をかけない
状態では、螺旋軸心L3はベース軸心L1と一致せず、
図中左下方に外れた位置に偏心している。ベース軸心L
1に対する螺旋軸心L3の偏心方向は、軸荷重方向Yと
略同じ方向である。
【0056】図10は揺動アーム24にねじりコイルス
プリング60を取付けた状態をベース30側から見た平
面図である。図中ねじりコイルスプリング60をハッチ
ングで示し、かつ揺動アーム24側の1巻分だけ示して
いる。アーム底面部224にはアーム円筒壁246から
内側に張り出した弦月形の第3の係止突起243と、プ
ーリ軸受部248の裏側に設けられた三日月状の第4の
係止突起245とが設けられる。第3の係止突起243
はねじりコイルスプリング60の他端部64を径方向外
側から支持し、第4の係止突起245は他端部64と螺
旋部66との接続部位である曲折部65に径方向内側か
ら支持する。以上のようにしてねじりコイルスプリング
60の他端部64が揺動アーム24に係止される。
【0057】オートテンショナ20を組立てる場合に
は、まずブッシング26を嵌めたベース30にねじりコ
イルスプリング60の一端部62を係合させる(第1工
程)。他端部64が自由端の状態では螺旋部66はベー
ス30内に収容出来ないので、次にねじりコイルスプリ
ング60の上から揺動アーム24を被せて他端部64を
第3および第4の係合突起243、245に係合させ
(第2工程)、揺動アーム24を回転させることによっ
て螺旋部66の径が縮小する方向(図9の時計回り方
向)にねじりコイルスプリング60をねじる(第3工
程)。これにより、螺旋部66の外径が直径D2より小
さくなって環状室100内に収容可能となる。その後、
揺動アーム24をベース30側に押圧してねじりコイル
スプリング60をベース軸心L1方向に圧縮させ(第4
工程)、圧縮状態のままで段付ボルト40を揺動アーム
24に螺合させて、揺動アーム24をベース30に回転
自在に固定する(第5工程)。そして、プーリ22、ボ
ールベアリング70、ワッシャ72および取付ボルト7
4を組付ける(第6工程)。以上の第1〜第6工程によ
り図2に示す状態のオートテンショナ20が得られる。
【0058】一般に、ねじりコイルスプリング60を収
容するベース30の大きさは、オートテンショナ20に
割り当てられる取付スペースの大きさにより決定され、
ベース30の大きさに応じてねじりコイルスプリング6
0の大きさ即ち外径と軸方向長さの限界値もおのずと定
まる。近年では、エンジンの小型化に伴ってオートテン
ショナ20の取付けスペースも狭くなり、ベース30の
大きさは小さくなる傾向がある。一方、エンジンの高機
能化に伴ってベルト10にかかる負荷は増大する傾向に
あり、オートテンショナ20にもベルト10へ付与すべ
き出力荷重の増加、即ちばねトルクの増加が求められて
いる。しかし、ばねトルクはねじりコイルスプリング6
0のコイル太さに比例するため、ベース30を小さくす
れば出力荷重は低下し、出力荷重を高く設定すればベー
ス30を大きくせざるを得ないという問題があった。
【0059】従来、ねじりコイルスプリングは、ベース
や揺動アームに接触しないように、ベースや揺動アーム
の内径よりも小さい外径を備えたねじりコイルスプリン
グをベース内に収容し、所定角度だけねじって組付ける
ことにより揺動アームを付勢させていた。しかし、ねじ
ることによりねじりコイルスプリングの外径はさらに小
さくなるため、ねじりコイルスプリングとベースとの間
隙は大きくなり、収容スペース(環状室100)を有効
に使用することはできなかった。そこで、本出願人はね
じられることによりねじりコイルスプリングの外径が小
さくなる点に着目し、環状室100の直径D2よりもあ
る程度大きい外径D4のねじりコイルスプリング60を
ねじってから収容させることによって環状室100を有
効に利用するという方法を見出した。これにより、従来
と環状室100の容積が同じでも従来より長いねじりコ
イルスプリング60を用いることができ、ベース30や
揺動アーム24を大型化することなく出力荷重を増大で
きるという効果が得られる。また、組立工数も従来と変
わることがない。
【0060】この構成は、本実施形態のように外径が軸
長さより相対的に大きい薄型のオートテンショナ20に
適用した場合に効果的である。なぜなら、ねじりコイル
スプリング60の軸長さを変えずに外径を大きくする場
合、外径の増分は同じでも大径のねじりコイルスプリン
グ60ほどコイル長さの増分が大きくなるからである。
また、薄型の場合はベース30の軸長さが短いため、ね
じりコイルスプリング60を傾けて収容させつつその一
端部をベース30に係合させるという作業が極めて容易
であり、また小径のねじりコイルスプリングに比べて同
じねじり角でも外径の縮小量は大きいので、ねじるだけ
で十分に径を縮小させることができる。
【0061】図11は、第3工程(ねじり工程)の前後
のねじりコイルスプリング60を比較した図である。ね
じる前のねじりコイルスプリング60を破線で示し、ね
じった後のねじりコイルスプリング60を実線で示す。
【0062】一端部62を係止させた状態で、他端部6
4を軸心L1を中心として時計回り方向にねじり角βだ
けねじると、ねじりコイルスプリング60の外径はD4
からD5にまで縮小する。このとき、螺旋部66におけ
る一端部62から離れた部位、特にベース30に係止さ
れた曲折部63から遠い部位はベース軸心L1側に寄せ
られ、螺旋軸心L3は白丸で示す初期位置から、係止さ
れた曲折部63に近い黒丸で示す位置に偏心する。オー
トテンショナ20の組立後の螺旋軸心L3はベース軸心
L1に対して図中右上方向、即ち軸荷重中心Yのほぼ反
対の方向に偏心している。
【0063】ねじり後の螺旋部66の外径D5は、環状
室100の直径D2より小さい値に設定される、具体的
には螺旋部66の外周部がアーム内周面246bや底面
側内周面34bに干渉しない程度に離すためのクリアラ
ンス分だけ直径D2より小さい値に設定される。
【0064】このように、ねじりコイルスプリング60
は偏心しかつねじられた状態でベース30に収容されて
おり、これにより揺動アーム24を軸荷重方向Yとほぼ
一致する押圧方向Zに押圧し、また揺動アーム24を傾
かせている。従って、ベルト緊張時に揺動アーム24が
ブッシング26を押圧する力を大きくでき、第1ダンピ
ング力を極めて大きい値に設定して制振効果を高めるこ
とができる。ねじりコイルスプリング60の組付工程は
従来と同じであり、容易である。
【0065】オートテンショナ20の組立後における螺
旋軸心L3の偏心位置および偏心量は、両端部62およ
び64の成す角α、ねじり角β、およびベース30の係
止突起322、324および外周面324bの位置によ
り決定される。これらの値や位置、さらにねじりコイル
スプリング60を収容する環状室100の直径D2、ね
じりコイルスプリング60の巻き数および自然長の外径
D4は、特に本実施形態に限定されるものではなく、オ
ートテンショナ20の制振性能が最も効果的に発揮でき
る値および位置にそれぞれ設計変更できることはいうま
でもない。
【0066】図12のグラフを参照して、オートテンシ
ョナ20の特性について説明する。図12(a)は、ブ
ッシング26を取り除きねじりコイルスプリング60の
みを設けたオートテンショナ20の出力特性を示すグラ
フである。このグラフにおいて揺動アーム24の所定の
初期位置からの回転角を横軸にとり、オートテンショナ
20の出力荷重を縦軸にとる。
【0067】揺動アーム24を初期位置から回転角D1
まで回転させたとき即ち正転時には、比例増加する捩り
トルクのみが揺動アーム24に作用するので、オートテ
ンショナ20から出力される正転荷重Caは回転角の増
加に伴って比例増加する。回転角D1まで回転した揺動
アーム24がねじりコイルスプリング60の捩りトルク
により初期位置にまで戻るとき即ち逆転時には、捩りト
ルクは比例減少するため、オートテンショナ20から出
力される逆転荷重Cbは回転角の減少に比例して減少す
る。正転荷重Caおよび逆転荷重Cbを示す直線は略一
致し、それら直線の傾きはねじりコイルスプリング60
の捩りばね定数に一致する。
【0068】図12(b)は、ブッシング26およびね
じりコイルスプリング60の双方を設けたオートテンシ
ョナ20の出力特性を示すグラフである。参照のために
ねじりコイルスプリング60単体の出力特性(正転荷重
Caおよび逆転荷重Cb)を一点鎖線で示す。
【0069】ブッシング26を設けたときの正転荷重T
aは、ねじりコイルスプリング60単体のときの正転荷
重Caより荷重Pa(Pa=Ta−Ca)だけ大きく、
この荷重Paはブッシング26によって生じる摩擦抵抗
即ち第1ダンピング力に相当する。また、ブッシング2
6を設けたときの逆転荷重Tbは、ねじりコイルスプリ
ング60単体のときの逆転荷重Cbより荷重Pb(Pb
=Tb−Cb)だけ小さく、この荷重Pbはブッシング
26によって生じる摩擦抵抗即ち第2ダンピング力であ
る。
【0070】図12(b)に示すように、第2ダンピン
グ力Pbは初期位置から角度D1に至るまで略一定であ
り、第1ダンピング力Paは回転角度が大きくなるに連
れ徐々に大きくなり、常に第2ダンピング力Pbよりも
大きい。このように、ブッシング26を設けることによ
り揺動アーム24の回転方向に応じて大きさの異なるダ
ンピング力PaまたはPbを付与できる。第1ダンピン
グ力Paおよび第2ダンピング力Pbの大きさの比はP
a:Pb=1.5〜3.5:1である。この比は、ブッ
シング26の摩擦係数やアーム円筒部246の外径を変
更することにより任意の値に設定できる。
【0071】以上のように、本実施形態のオートテンシ
ョナ20においては、揺動アーム24および段付ボルト
40とベース30との間にクリアランスを設けて揺動ア
ーム24の相対変位を許容し、かつねじりコイルスプリ
ング60を偏心させて揺動アーム24を軸荷重方向Yと
ほぼ一致する押圧方向Zに押圧するという構成を備えて
いる。これにより、揺動アーム24がA方向(図1)に
動く場合には、ねじりコイルスプリング60がねじられ
るとともに揺動アーム24が軸荷重方向Yに相対変位し
て揺動アーム24がブッシング26に強く押し付けら
れ、相対的に大きな第1ダンピング力によって揺動アー
ム24の時計回り回転が制動される。一方、揺動アーム
24がB方向に動く場合には、ねじりコイルスプリング
60のねじりが戻って、揺動アーム24がブッシング2
6から離れて第2ダンピング力が小さくなり揺動アーム
24は容易に反時計回り回転できる。即ち、オートテン
ショナ20の制振性能を向上でき、かつ追随性は極めて
良好である。
【0072】図13および図14を参照して本発明によ
るオートテンショナの第2実施形態を説明する。図13
はオートテンショナの平面図であって、ベースに取付け
たブッシングおよび揺動アームの一部のみを示す図であ
る。図14はブッシングを一部破断して示す斜視図であ
る。第2実施形態のオートテンショナは、ブッシングの
形状が異なる点以外は第1実施形態と同じ構成を備えて
おり、同一の構成については同符号を付し、説明を省略
する。
【0073】第2実施形態のブッシング426はベース
軸心L1周りに180度の範囲に渡って設けられた半円
筒部材であり、その周方向の中心は軸荷重方向Y上にあ
る。即ち、ブッシング426は軸荷重方向Yから±90
度の範囲に渡ってアーム外周面246aに摺接する。
【0074】第1実施形態のブッシング26は円筒状で
あったが、実際に最も荷重を受ける部分は軸荷重方向Y
にある押圧部位26w(図4)であり、軸荷重方向Yか
ら約±90度の範囲だけで荷重を受けている。従ってそ
の反対側の部位ではブッシング26はアーム外周面24
6aから離れており、摩擦力は発生しない。このことか
ら、第3実施形態では摩擦摺動に必要な軸荷重方向Yか
ら±90度の範囲に渡る半円筒の部位だけをブッシング
426として用いており、このような形状であっても第
1実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、図
示しないが、ブッシング426を位置決めするための回
り止めをブッシング426あるいはベース30に設けら
れることが好ましい。このように、本発明の第2実施形
態によると、第1実施形態と同様、追随性を低下させる
ことなく制振性能を向上でき、さらに第1実施形態より
材料が少なくて済む。
【0075】図15および図16を参照して本発明によ
るオートテンショナの第3実施形態を説明する。図15
はオートテンショナの平面図であって、ベースに取付け
たブッシングおよび揺動アームの一部のみを示す図であ
る。図16はブッシングを一部破断して示す斜視図であ
る。第3実施形態のオートテンショナは、ブッシングの
形状が異なる点以外は第1実施形態と同じ構成を備えて
おり、同一の構成については同符号を付し、説明を省略
する。
【0076】ブッシング526は径方向内側に突出する
2つの突起552および554を備え、アーム外周面2
46aは突起552および554においてのみブッシン
グ526に密着し、他の部位とは接触しない。突起55
2および554はブッシング526の軸方向全体に渡っ
て設けられ、円周方向においては軸荷重方向Y(押圧方
向Z)からそれぞれ45度離れている。ベルト10が巻
き掛けられたときにブッシング526を押圧する力は軸
荷重方向Yに集中する。しかし、第3実施形態において
は突起552および554が荷重を受けており、荷重が
分散される。また、突起552および554が軸荷重方
向Yに対して45度の位置にあるため、それぞれにかか
る荷重は軸荷重方向Yにかかる荷重の1/√2で済む。
従って、本発明の第3実施形態によると、第1実施形態
と同様、追随性を低下させることなく制振性能を向上で
きるだけでなく、ブッシング526の早期破損、早期磨
耗を防止でき、オートテンショナ20の耐久性を向上で
きる。
【0077】なお、突起552および554の軸荷重方
向Yに対して成す角度は上記45度に限定されず、30
度または60度であってもよい。また、ブッシング52
6は円筒部材であるが、第2実施形態のように半円筒部
材であってもよい。
【0078】図17および図18を参照して本発明によ
るオートテンショナの第4実施形態を説明する。図17
はオートテンショナの断面図であり、図18はブッシン
グの斜視図である。第4実施形態のオートテンショナ
は、ブッシングおよびスラスト軸受の形状が異なる点お
よびさらにダンピング機構を設ける点以外は第1実施形
態と同様の構成を備えており、同様の構成については符
号に600を加算して付し、説明を省略する。なお、プ
ーリおよび周辺の構成は破線で示される。
【0079】第4実施形態のオートテンショナ620に
おいては、ベース底面部632およびアーム円板部84
2と、ベース630の底面側内周面634bおよびアー
ム内周面846bと、ベース軸穴部638および揺動軸
部844とによって環状室700が形成され、この環状
室700にはねじりコイルスプリング660だけでな
く、ダンピング機構が収容される。
【0080】第1実施形態では摩擦抵抗を揺動アーム2
4に付与する部材はブッシング26のみであったが、こ
のブッシング26だけでは十分なダンピング力が得られ
ない場合も生じる。第4実施形態はこの要求に応えるた
めに揺動アーム624に摩擦抵抗を付与する別のダンピ
ング機構をさらに設けており、これにより高いダンピン
グ力を発生させている。
【0081】このダンピング機構は、ベース30に一体
的な第2円筒部702と、揺動アーム624に取付けら
れる筒状のダンピング部材704と、このダンピング部
材704を内側から第2円筒部702に押圧するリング
スプリング706とを備える。これらの構成は特許第2
981433号に示すダンピング機構と同一であり、詳
細な説明は省略する。ダンピング部材704は揺動アー
ムと一体的に回転し、第2円筒部702に摩擦摺動す
る。このとき発生する摩擦力はリングスプリング706
の付勢力に比例する。揺動アーム624にはブッシング
626において発生する摩擦力だけでなくダンピング部
材704において発生する摩擦力も作用し、揺動アーム
624により強い制動をかけることができる。
【0082】ダンピング部材704の取付穴710と、
取付穴710に係合する揺動アーム624の取付ピン7
12との間には、揺動アーム624の相対変位を許容す
るクリアランスが設けられ、これにより揺動アーム62
4が変位したときにダンピング部材704にひずみが生
じて破損することが防止され、また揺動アーム624の
変位によらず安定した摩擦力を発生させることができ
る。
【0083】スラスト軸受650は環状部材ではなく、
フランジを備えた筒状部材である。スラスト軸受650
はベース軸穴部638に隙間なく嵌められており、内側
を挿通する段付ボルト640の円柱部646に対しては
クリアランスを持って対向している。ベース軸心L1方
向に関しては、スラスト軸受650はボルト頭部644
およびベース底面部632により隙間なく挟持される。
これにより揺動アーム624の相対変位が許容され、さ
らに共に金属部材から形成されるベース30と段付ボル
ト40との相互干渉による磨耗を防止できる。なお、ス
ラスト軸受650の円筒部は揺動アーム624側に向か
って径が小さくなるテーパー状に形成されてもよい。
【0084】ブッシング626は、ベース底面部632
に向かって径が徐々に小さくなるテーパー断面を有し、
円筒部の一端には径方向内側に向かって延びるフランジ
862が約180度に渡って一体的に形成され、このフ
ランジ部862はベース30と揺動アーム円筒部844
の先端面との間に軸方向に挟持され、ブッシング626
のベース30からの脱落を防止するだけでなく、周方向
への回り止めの機能をも有する。図示しないが、ベース
630の環状座面634cはフランジ862を周方向に
係止するために段差状に形成される。フランジ862は
揺動アーム624の極度の傾きを防止するために揺動ア
ーム624の傾きが最も大きい軸荷重方向から±90度
の範囲に渡って設けることが好ましい。
【0085】揺動アーム底面部842には、ブッシング
626を覆うフランジ720が全周にわたって形成され
ており、このフランジ720はブッシング626の上端
面を覆い、さらにベース円筒部634の開口面に至るま
で図の斜め下方に延びている。このフランジ720によ
りブッシング626の上端面は外部から保護され、ブッ
シング626表面への塵埃、水および塩水等の浸入が阻
止される。さらに、環状板部材状室700内に設けられ
ているダンピング部材704も同時に塵埃、水および塩
水等から保護される。
【0086】以上のように、第4実施形態のオートテン
ショナ620においても、第1実施形態と同様、揺動ア
ームを変位させることによりダンピング力を相対変化さ
せており、追随性を低下させることなく制振性能を向上
できる。さらに、ダンピング部材704を設けることに
より高いダンピング力を設定することができる。また、
スラスト軸受650を軸穴部638とボルト640との
間に設け、ブッシング626の端面を覆うフランジ72
0を設けることにより、ベース30やブッシング626
の早期破損、早期磨耗を防止でき、オートテンショナ6
20の耐久性を向上できる。
【0087】
【実施例】次に、オートテンショナ20の耐久試験を行
って、経過時間に伴うダンピング力および第1および第
2ダンピング力の比率の変化を調べた。図19は耐久試
験の様子を示すレイアウト図であり、図20は初期状態
のオートテンショナについての測定結果を示すグラフで
ある。
【0088】耐久試験では、オートテンショナ(20)
からブッシング26を外しねじりコイルスプリング60
のみを設けたときの出力荷重と、第1実施形態(図2参
照)のブッシング26を設けたときの出力荷重とを、組
立直後の初期状態で測定した。さらに、初期状態の測定
に用いたオートテンショナ(20)と同じ構造を備えた
別体のオートテンショナ(20)を、図1に示すベルト
伝達機構に180時間用いて、180時間経過後の疲労
状態におけるねじりコイルスプリング60のみを設けた
ときの出力荷重と、ブッシング26を設けたときの出力
荷重とを測定した。
【0089】出力荷重の測定においては、プーリ22の
側面にV字ブロック90を当接させてプーリ22を一方
向に押圧して揺動アーム24を正転させた後、V字ブロ
ック90を戻して揺動アーム24を逆転させ、V字ブロ
ック90がプーリ22から受ける荷重即ちオートテンシ
ョナ20の出力荷重を、V字ブロック90に取付けた検
出器92で測定した。
【0090】表1は、初期状態のオートテンショナ(2
0)について、揺動アーム24が図19中実線で示す第
1位置(回転角度28度)および図19中破線で示す第
2位置(回転角度40度)にあるときの正転荷重および
逆転荷重とを測定した結果と、各位置における第1およ
び第2ダンピング力PaおよびPbと、両者の比率(P
a/Pb)とを示す。
【0091】
【表1】
【0092】表2は、疲労状態のオートテンショナ(2
0)について、揺動アーム24が第1位置および第2位
置にあるときの正転荷重および逆転荷重とを測定した結
果と、各位置における第1および第2ダンピング力Pa
およびPbと、両者の比率(Pa/Pb)とを示す。こ
こで用いたブッシング26の寸法形状や材質即ち摩擦係
数や揺動アーム24(アーム円筒部246)の外径は、
初期状態で測定したオートテンショナと同じである。
【0093】
【表2】
【0094】上記2つの表に示す実験結果は一例であ
り、上記実験結果とその他のブッシング26の摩擦係数
やアーム24の外径、耐久時間等を変更したオートテン
ショナについての実験結果とによると、第1ダンピング
力Paは第2ダンピング力Pbより常に大きく、その比
率Pa/Pbは1.5〜3.5の範囲内にあり、第1位
置および第2位置のいずれにおいても、また疲労後であ
ってもこの比率関係は常に成立することがわかった。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように本発明のオートテン
ショナは、揺動アームを回転方向に応じて変位させてダ
ンピング力を相対変化させており、これによりオートテ
ンショナの追随性を低下させることなく制振性能を向上
させることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオートテンショナを適用したベルト駆
動機構を示す図である。
【図2】本発明によるオートテンショナの第1実施形態
を示す断面図である。
【図3】図2に示すオートテンショナをプーリから見た
平面図である。
【図4】静止したベルトが巻き掛けられたオートテンシ
ョナの平面図である。
【図5】図4のV−V線断面におけるオートテンショナ
の端面図であって、ベース、揺動アームおよび段付ボル
トのみを示す図である。
【図6】ベースと揺動アームによってブッシングが挟ま
れた状態を示す図2の部分拡大断面図である。
【図7】図2に示すブッシングの斜視図である。
【図8】図2に示すねじりコイルスプリングの平面図で
ある。
【図9】ねじりコイルスプリングの端部をベースに取付
けた状態を示す平面図である。
【図10】ねじりコイルスプリングの端部をアームに取
付けた状態を示す平面図である。
【図11】ねじりコイルスプリングを組み付ける前後の
寸法差を示す図である。
【図12】図1に示すオートテンショナについて、ブッ
シングを除いた場合とブッシングを設けた場合との出力
特性をそれぞれ示すグラフである。
【図13】本発明によるオートテンショナの第2実施形
態を示す図であって、ベースに取付けたブッシングおよ
び揺動アームの一部を示す図である。
【図14】図13のブッシングを一部破断して示す斜視
図である。
【図15】本発明によるオートテンショナの第3実施形
態を示す図であって、ベースに取付けたブッシングおよ
び揺動アームの一部を示す図である。
【図16】図15のブッシングを一部破断して示す斜視
図である。
【図17】本発明によるオートテンショナの第4実施形
態を示す断面図である。
【図18】図17のブッシングを一部破断して示す斜視
図である。
【図19】オートテンショナの出力荷重の測定状況を示
す図である。
【図20】オートテンショナの出力荷重の測定結果を示
す図である。
【符号の説明】
20、620 オートテンショナ 30、630 ベース 34、634 ベース円筒部 24、624 揺動アーム 246、646 アーム円筒部 26、426、526、626 ブッシング(摩擦部
材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 7/00 - 7/24

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルトに当接するプーリと、一端に前記
    プーリが取付けられるとともに有底筒状のベースの内側
    に回転自在に支持される円筒部を有する揺動アームと、
    この揺動アームを前記ベースに対して前記ベルトの緊張
    する方向に回転付勢するねじりコイルスプリングとを備
    えたオートテンショナであって、 前記ねじりコイルスプリングが前記ベースの軸心に対し
    て偏心して取付けられると共に、前記揺動アームが前記
    ベースに対して径方向に移動自在に支持されることによ
    って、前記ベルトの緊張時に前記揺動アームに作用する
    第1ダンピング力が、前記ベルトの弛緩時に前記揺動ア
    ームに作用する第2ダンピング力より相対的に大きくな
    ることを特徴とするオートテンショナ。
  2. 【請求項2】 前記第1ダンピング力の大きさが、前記
    第2ダンピング力の大きさの1.5ないし3.5倍であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のオートテンショ
    ナ。
  3. 【請求項3】 前記揺動アームの円筒部の外周面と前記
    ベースの内周面との間に介在すると共に前記ベースの軸
    心周りに少なくとも180度の範囲に渡って設けられる
    摩擦部材をさらに備え、前記ねじりコイルスプリングに
    よって前記円筒部の一部が前記摩擦部材に押圧付勢され
    ることを特徴とする請求項1に記載のオートテンショ
    ナ。
  4. 【請求項4】 前記摩擦部材は、前記ねじりコイルスプ
    リングが前記円筒部を押圧付勢する方向に作用する荷重
    を分散させるための複数の突起を備えることを特徴とす
    請求項3に記載のオートテンショナ。
  5. 【請求項5】 前記摩擦部材とは別体のダンピング部材
    をさらに備え、このダンピング部材が前記揺動アームと
    径方向に移動自在に係合すると共に前記ベースと摩擦摺
    動することを特徴とする請求項3に記載のオートテンシ
    ョナ。
  6. 【請求項6】 前記摩擦部材が、ポリフェニレンサルフ
    ァイド樹脂を主成分とする素材から形成されることを特
    徴とする請求項3に記載のオートテンショナ。
  7. 【請求項7】 前記摩擦部材が、円周方向において一部
    破断していることを特徴とする請求項3に記載のオート
    テンショナ。
  8. 【請求項8】 前記摩擦部材における前記揺動アームと
    の摩擦摺動面に軸心方向全体に渡る溝が複数本形成され
    ることを特徴とする請求項3に記載のオートテンショ
    ナ。
  9. 【請求項9】 前記摩擦部材が前記ベースの円筒部の軸
    長さと略等しい軸長を有し、前記ベースの円筒部と前記
    揺動アームの円筒部とに軸心方向全体に渡って密着する
    ことを特徴とする請求項3に記載のオートテンショナ。
  10. 【請求項10】 前記揺動アームを前記ベースに回転自
    在に軸支する揺動軸部が設けられ、この揺動軸部が前記
    ベースの底面部に設けられた軸穴部に侵入するととも
    に、前記揺動軸部と前記軸穴部との間にクリアランスを
    有することを特徴とする請求項1に記載のオートテンシ
    ョナ。
  11. 【請求項11】 前記ねじりコイルスプリングの軸心が
    前記ベースの軸心に対して、略前記ベルトの押圧力によ
    る軸荷重方向に偏心して取付けられることを特徴とする
    請求項1に記載のオートテンショナ。
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