JP3449582B2 - 自動車用ブレーキドラム - Google Patents

自動車用ブレーキドラム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のブレーキ
装置に用いられる自動車用ブレーキドラムに関し、詳し
くは、その材料に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のブレーキ装置の部品である自動
車用ブレーキドラムは、ブレーキ制動時の熱に耐えるた
め、熱亀裂防止や放熱性能が要求されている。かかるブ
レーキ装置は自動車のアクスルに装着され、例えば図
7,図8に示される。図において、ブレーキ装置101
は自動車用ブレーキドラム102と、自動車用ブレーキ
ドラム102に内蔵されたブレーキシュー103,10
3とを備えている。自動車用ブレーキドラム102はリ
ング部102Aと、リング部102Aの1側に連続する
円形状ウェブ102Bからなる断面コ字状の環状体とで
構成され、片状黒鉛鋳鉄を材料としている。ブレーキシ
ュー103は摩擦板103Aを有している。ブレーキシ
ュー103はブレーキ作動時には拡がり、その摩擦板1
03Aが自動車用ブレーキドラム102のリング部10
2Aの内周面102Cに押圧される。これにより、自動
車用ブレーキドラム102のリング部102Aには面圧
が生じ、引張応力が発生する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、自動車用ブ
レーキドラム102には以下の問題が発生する。上述の
ように、自動車用ブレーキドラム102は片状黒鉛鋳鉄
を材料としており、片状黒鉛鋳鉄では炭素の含有量は
3.2〜3.4%とされている。図9に示すように、片
状黒鉛鋳鉄の試験片に対して熱亀裂発生試験を行なった
ところ、炭素の含有量が3.2〜3.4%の範囲では、
30〜35回目に亀裂が発生するという試験結果が示さ
れている。
【0004】ここで、熱亀裂発生試験を図10により説
明する。図において、取付軸201に鋳鉄からなる試験
片Sが固定され、試験片Sは取付軸201の先端下方に
配置された回転台202上にセッティングされたライニ
ング材Rに押し付けられる。回転台202が回転される
と、試験片Sとライニング材Rの間で摩擦熱が発生す
る。試験片Sが摩擦熱で加熱された後、回転台202が
降下され、試験片Sに冷却管202Aから冷却水が噴射
される。かかる試験片Sの端面を冷却する操作が繰り返
され、何回目の操作の時に熱亀裂が発生するかが目視で
観察される。この何回目に熱亀裂が発生するかが図9の
縦軸に示されている。
【0005】そして、ブレーキ作動時には、かかる自動
車用ブレーキドラム102のリング部102Aの内周面
102Cとブレーキシュー103の摩擦板103Aとの
間で生じる摩擦熱により自動車用ブレーキドラム102
に熱亀裂が生じ易くなっている。その熱亀裂が徐々に成
長して自動車用ブレーキドラム102が破壊するに至る
こともある。
【0006】要するに、片状黒鉛鋳鉄を用いた自動車用
ブレーキドラム102では、黒鉛先端での応力集中が顕
著になり、熱亀裂が発生し易くなっている。そこで、自
動車用ブレーキドラム102の材料を、マグネシウムを
添加して球状黒鉛鋳鉄にすることにより、熱亀裂を発生
し難くして応力集中を抑えることが考えられる。しか
し、球状黒鉛鋳鉄を材料とした自動車用ブレーキドラム
102では、熱亀裂発生時期を遅らせることはできる
が、反面、熱伝導率が低くなって放熱性能が低下し、ブ
レーキ性能が低下するという問題が生じることになる。
【0007】なお、熱伝導率は図11に示す熱電対温度
センサにより測定される。即ち、図示のように、試験片
Sの両側面に熱電対温度センサ203,203がそれぞ
れ取り付けられる。試験片Sの1方の側面にレーザー光
線が照射されて熱量が与えられ、2本の熱電対温度セン
サ203,203には温度計(図示せず)が接続され、
この温度計により試験片Sの熱伝導率が測定される。
【0008】本発明は、上述の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、熱亀裂を生じ難くすると
ともに放熱性能を確保できる自動車用ブレーキドラムを
提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
リング部とリング部の1側に連続する円形状ウェブとか
らなる断面コ字状の環状体で構成され、バーミキュラ状
の黒鉛が散在する組織からなる鋳鉄(以下、「バーミキ
ュラ鋳鉄」と称する)を用いたドラム本体と、ドラム本
体のリング部の外側面に結合され、熱伝導率がバーミキ
ュラ鋳鉄の熱伝導率より高く且つ引張強度がバーミキュ
ラ鋳鉄の引張強度より小さい片状黒鉛鋳鉄を用いたアウ
タリングとを有し、前記ドラム本体の前記鋳鉄は重量比
が0.005%〜0.02%のマグネシウムを含有し、
前記片状黒鉛鋳鉄は重量比が3.7%〜3.9%の炭素
を含有していることを特徴とする。
【0010】求項記載の発明は、請求項1の自動車
用ブレーキドラムにおいて、ドラム本体の外側面のリン
グ部にアウタリングが鋳ぐるみにより結合されているこ
とを特徴とする。
【0011】請求項記載の発明は、請求項1の自動車
用ブレーキドラムにおいて、ドラム本体のリング部の外
側面にアウタリングが嵌合して結合されていることを特
徴とする。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明において、次の作用が生じ
る。
【0013】(1)バーミキュラ鋳鉄には例えばマグネ
シウムが含有されているので、熱亀裂が入り難くなって
いる。 (2)ドラム本体のリング部の外側面に片状黒鉛鋳鉄を
用いたアウタリングが結合され、片状黒鉛鋳鉄の熱伝導
率はバーミキュラ鋳鉄の熱伝導率より高いので、ドラム
本体のリング部で発生した熱はアウタリングに伝わり易
い。従って、アウタリングから大気中に放熱される量が
多くなる。
【0014】また、アウタリングは片状黒鉛鋳鉄を用い
ているので、引張強度も確保され、アウタリングとドラ
ム本体が一体となって自動車用ブレーキドラムの引張強
度が確保される。 (3)ドラム本体は、断面コ字状の環状体からなり、ド
ラム本体のリング部には、ブレーキシューが拡がること
で面圧を受け、引張応力が発生する。引張応力によりリ
ング部は外に拡がろうとする。
【0015】かかる使用条件において、ドラム本体のリ
ング部は、マグネシウムを含有することにより引張強度
が向上し且つ片状黒鉛鋳鉄の引張強度より大きいバーミ
キュラ鋳鉄を用いており、また、円形状ウェブによりそ
の歪が規制されているので、ドラム本体のリング部の変
形が少なくなる。そして、バーミキュラ鋳鉄のマグネシ
ウムの含有量は重量比で0.005%〜0.02%とな
っているので、マグネシウムの含有量の増加に対して熱
伝導率の減少,引張強度の増加,熱亀裂発生時期の回数
の増加が生じるバーミキュラ鋳鉄の試験片の試験結果で
は、ブレーキの放熱性能から最低限要求される熱伝導率
としての40W/mK以上が確保される。また、片状黒
鉛鋳鉄との組合せ部位において引張強度300MPa以
上が確保され、この引張強度300MPa以上という値
は、ブレーキ剛性から自動車用ブレーキドラムに最低限
要求される引張強度250MPa以上となっている。さ
らに、耐久性から要求される熱亀裂発生時期は100回
以上が確保される。
【0016】また、片状黒鉛鋳鉄の炭素の含有量は重量
比で3.7%〜3.9%となっているので、炭素の含有
量の増加に対して引張強度が減少し且つ熱伝導率が増加
する片状黒鉛鋳鉄の試験片の試験結果では、バーミキュ
ラ鋳鉄の熱伝導を補い、ブレーキの放熱性能を上げるた
めに熱伝導率として50W/mK以上が確保される。ま
た、ブレーキ剛性から要求される引張強度としての15
0MPa以上がバーミキュラ鋳鉄との組合せ部位におい
て確保される。この150MPa以上という値は、ブレ
ーキ剛性から自動車用ブレーキドラムに最低限要求され
る引張強度250MPa以上を満足するためにアウタリ
ングに最低限要求される引張強度150MPaを満足し
ている。
【0017】請求項記載の発明によれば、ドラム本体
のリング部の外側面にアウタリングが鋳ぐるみにより結
合されているので、バーミキュラ鋳鉄を材料としたドラ
ム本体のリング部の外側面と片状黒鉛鋳鉄を材料とした
アウタリングは、金属的結合が強固になる。請求項
載の発明によれば、ドラム本体のリング部の外側面にア
ウタリングが嵌合して結合されるので、リングの外側面
にアウタリングは簡単に嵌め込められる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の実施の
形態について説明する。図1ないし図3により、請求項
1,2記載の発明の実施の形態に係わる自動車用ブレー
キドラムについて説明する。図1において、符号1は自
動車用ブレーキドラムで、この自動車用ブレーキドラム
1は従来例(図7)に示すブレーキ装置101に用いら
れる。
【0019】自動車用ブレーキドラム1は、ドラム本体
2と、アウタリング3とで構成されている。ドラム本体
2は、リング部4と、リング部4の1側に連続する円形
状ウェブ5からなる断面コ字状の環状体で構成され、材
料としてマグネシウムを含有するバーミキュラ鋳鉄が用
いられている。
【0020】ここで、バーミキュラ鋳鉄は、黒鉛がバー
ミキュラ(芋虫)状に散在している組織からなり、片状
黒鉛鋳鉄と球状黒鉛鋳鉄の中間に位置しているものであ
る。従って、片状黒鉛鋳鉄よりは黒鉛先端での応力集中
が緩和される性質を持っている。バーミキュラ鋳鉄のマ
グネシウムの含有量は重量比が0.005%〜0.02
%の範囲にある。また、バーミキュラ鋳鉄においては、
炭素は3.5%〜3.7%,シリコンは2.0%〜3.
0%,マンガンは1%以下,リンは0.1%以下,イオ
ウは0.05%以下の含有量となっている。
【0021】リング部4の外側面4Aには、該外側面4
Aと円形状ウェブ5との結合部に環状突部4Bが形成さ
れている。リング部4の外側面4Aには、該リング部4
の端面4Cに近接して環状突部4Dが形成されている。
アウタリング3はドラム本体2のリング部4の外側面4
Aに結合され、材料として熱伝導率がバーミキュラ鋳鉄
の熱伝導率より大きく且つ引張強度がバーミキュラ鋳鉄
の引張強度より小さい片状黒鉛鋳鉄が用いられている。
片状黒鉛鋳鉄の炭素の含有量は重量比が3.7%〜3.
9%の範囲にある。また、片状黒鉛鋳においては、シ
リコンは1.7%〜2.5%,マンガンは1%以下,リ
ンは0.3%以下,イオウは0.15%以下の含有量と
なっている。
【0022】ドラム本体2のリング部4の外側面4Aに
アウタリング3が鋳ぐるみにより成形されて結合されて
いる。これにより、バーミキュラ鋳鉄を材料としたドラ
ム本体2のリング部4の外側面4Aと片状黒鉛鋳鉄を材
料としたアウタリング3は、金属的結合が強固になる。
次に、発明の実施の形態における作用,効果を説明す
る。
【0023】3つのバーミキュラ鋳鉄の試験片に対し
て、熱伝導率測定,引張強度試験,熱亀裂発生試験を行
なったところ、次の表1に示す試験結果が得られた。
【表1】 この試験結果をマグネシウムの含有量を横軸に取ってグ
ラフ化すると、図2が得られた。図において、マグネシ
ウムの含有量の増加に対して熱伝導率の減少,引張強度
の増加,熱亀裂発生時期の回数の増加が生じることが示
されている。マグネシウムの含有量は重量比で0.00
5%〜0.02%となっているので、ブレーキの放熱性
能から最低限要求される熱伝導率としての40W/mK
以上が確保された。また、片状黒鉛鋳鉄との組合せ部位
において引張強度300MPa以上が確保された。この
引張強度300MPa以上という値は、ブレーキ剛性か
ら自動車用ブレーキドラム1に最低限要求される引張強
度250MPa以上となっている。
【0024】さらに、耐久性から要求される熱亀裂発生
時期は100回以上が確保された。なお、引張強度試験
はJIS Z 2241による方法でJIS Z 22
01の試験片を用いて行なわれた。また、4つの片状黒
鉛鋳鉄の試験片に対して、引張強度試験,熱亀裂発生試
験を行なつたところ、次の表2に示す試験結果が得られ
た。
【表2】 この試験結果を炭素の含有量を横軸に取ってグラフ化す
ると、図3が得られた。図において、炭素の含有量の増
加に対して引張強度が減少し、且つ、熱伝導率が増加す
ることが示されている。炭素の含有量は重量比で3.7
%〜3.9%となっているので、バーミキュラ鋳鉄の熱
伝導を補い、ブレーキの放熱性能を上げるために熱伝導
率として50W/mK以上が確保された。また、ブレー
キ剛性から要求される引張強度としての150MPa以
上がバーミキュラ鋳鉄との組合せ部位において確保され
た。この150MPa以上という値は、ブレーキ剛性か
ら自動車用ブレーキドラム1に最低限要求される引張強
度250MPa以上を満足するためにアウタリング3に
最低限要求される引張強度150MPaを満足してい
る。
【0025】そして、図6に示すように、同一のブレー
キ摺動回数に対して、本発明の実施の形態に係わる自動
車用ブレーキドラムは、従来の自動車用ブレーキドラム
よりも亀裂長が少ないという試験結果が得られた。かか
る使用条件において、ドラム本体2は、断面コ字状の環
状体からなり、ドラム本体2のリング部4には、ブレー
キシューが拡がることで面圧を受け、引張応力が作用す
る。引張応力によりリング部4は外に拡がろうとする。
【0026】そして、ドラム本体2は、マグネシウムを
含有して引張強度が向上し片状黒鉛鋳鉄の引張強度より
大きいバーミキュラ鋳鉄を用い、また、円形状ウェブ5
によりその歪が規制されているので、リング部4の変形
が少なくなる。また、バーミキュラ鋳鉄にはマグネシウ
ムが含有されているので、ドラム本体2に熱亀裂を入り
難くできる。
【0027】さらに、ドラム本体2のリング部4の外側
面4Aにバーミキュラ鋳鉄の熱伝導率より高い熱伝導率
のアウタリング3が結合されているので、ドラム本体2
のリング部4で発生した熱はアウタリング3に伝わり易
い。従って、アウタリング3から大気中に放熱される量
が多くなり、自動車用ブレーキドラム1の放熱性能の低
下を少なくできる。これにより、ドラム本体2のリング
部4の内周面とブレーキシュー(図示せず)との間にお
ける摩擦係数は確保され、ブレーキ性能の低下を防止で
きる。
【0028】また、アウタリング3は片状黒鉛鋳鉄を用
いているので、引張強度も確保され、アウタリング3と
ドラム本体2が一体となって自動車用ブレーキドラム1
の引張強度を確保できる。なお、本発明の実施の形態に
おいては、ドラム本体2のリング部4の外側面4Aにア
ウタリング3が鋳ぐるみにより成形されて結合されてい
るが、図4に示すように、自動車用ブレーキドラム10
を、ドラム本体11と、ドラム本体11のリング部12
の外側面12Aに嵌合して結合されたアウタリング13
とで構成することもできる。
【0029】この場合には、図5に示すように、予め、
アウタリング13を適当な加熱装置で加熱し、この加熱
されたアウタリング13をドラム本体11のリング部1
2の外側面12Aに嵌め込み、アウタリング13を冷却
することにより、アウタリング13がドラム本体11の
リング部12の外側面12A上に締まり嵌めされる。か
かる方法によれば、リング部12の外側面12Aにアウ
タリング13を簡単に嵌め込んで自動車用ブレーキドラ
ム10を造ることができる。
【0030】
【0031】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、次の効果
を奏する。
【0032】(1)バーミキュラ鋳鉄にマグネシウム
が含有されているので、ドラム本体に熱亀裂を入り難く
できる。 (2)ドラム本体のリング部の外側面に熱伝導率がバー
ミキュラ鋳鉄の熱伝導率より高い片状黒鉛鋳鉄を用いた
アウタリングが結合されているので、アウタリングから
大気中への放熱量を多くし、当該自動車用ブレーキドラ
ムの放熱性能を向上できる。従って、ブレーキ性能の低
下を防止できる。
【0033】(3)バーミキュラ鋳鉄にはマグネシウム
が含有され、ドラム本体は引張強度が片状黒鉛鋳鉄の引
張強度より大きいバーミキュラ鋳鉄を材料とした円形状
ウェブを有しているので、ドラム本体のリング部の変形
を少なくし、ブレーキ性能を確保できる。また、アウタ
リングとドラム本体の結合が一体となって自動車用ブレ
ーキドラムの引張強度を確保できる。
【0034】そして、バーミキュラ鋳鉄のマグネシウム
の含有量は重量比で0.005%〜0.02%となって
いるので、ブレーキの放熱性能から要求される熱伝導率
を確保できる。また、ブレーキ性能から要求される引張
強度を確保できる。さらに、耐久性から要求される熱亀
裂発生時期を確保できる。また、片状黒鉛鋳鉄は重量比
が3.7%〜3.9%の炭素を含有しているので、ブレ
ーキの放熱性能から要求される熱伝導率を確保できる。
また、ブレーキ性能から要求される引張強度を確保でき
る。
【0035】請求項記載の発明によれば、ドラム本体
のリングの外側面にアウタリングが鋳ぐるみにより結合
されているので、バーミキュラ鋳鉄を材料としたドラム
本体のリングの外側面と片状黒鉛鋳鉄を材料としたアウ
タリングは、金属的結合が強固になり、自動車用ブレー
キドラムの引張強度を向上できる。請求項記載の発明
によれば、ドラム本体のリングの外側面にアウタリング
が嵌合して結合されるので、リングの外側面にアウタリ
ングを簡単に嵌め込んで、自動車用ブレーキドラムを造
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1,2記載の発明の実施の形態に係わる
自動車用ブレーキドラムの断面図である。
【図2】バーミキュラ鋳鉄のマグネシウムの含有量と熱
伝導率,引張強度,熱亀裂発生時期の関係を示す試験結
果である。
【図3】片状黒鉛鋳鉄の炭素の含有量と熱伝導率,引張
強度の関係を示す試験結果である。
【図4】ドラム本体のリング部の外側面にアウタリング
を嵌合した構造の自動車用ブレーキドラムの断面図であ
る。
【図5】ドラム本体のリング部の外側面にアウタリング
を嵌合する方法の説明図である。
【図6】請求項1,2記載の発明の実施の形態に係わる
自動車用ブレーキドラムの試験結果の説明図である。
【図7】従来のブレーキ装置の正面図である。
【図8】従来の自動車用ブレーキドラムの断面図であ
る。
【図9】片状黒鉛鋳鉄の炭素含有量と熱亀裂発生時期の
関係を示す試験結果である。
【図10】熱亀裂発生試験の説明図である。
【図11】熱伝導率測定の説明図である。
【符号の説明】
1 自動車用ブレーキドラム 2 ドラム本体 3 アウタリング 4 リング部 4A 外側面 5 円形状ウェブ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−166159(JP,A) 特開 昭53−34067(JP,A) 特開 平2−85526(JP,A) 特開 平7−91471(JP,A) 特開 昭61−149625(JP,A) 特開 昭58−217833(JP,A) 実開 昭57−83931(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16D 65/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リング部とリング部の1側に連続する円
    形状ウェブとからなる断面コ字状の環状体で構成され、
    バーミキュラ状の黒鉛が散在する組織からなる鋳鉄を用
    いたドラム本体と、前記 ドラム本体の前記リング部の外側面に結合され、熱
    伝導率が前記鋳鉄の熱伝導率より高く且つ引張強度が前
    記鋳鉄の引張強度より小さい片状黒鉛鋳鉄を用いたアウ
    タリングとを有し 前記ドラム本体の前記鋳鉄は重量比が0.005%〜
    0.02%のマグネシウムを含有し、 前記片状黒鉛鋳鉄は重量比が3.7%〜3.9%の炭素
    を含有し ていることを特徴とする自動車用ブレーキドラ
    ム。
  2. 【請求項2】 前記ドラム本体の外側面の前記リング部
    に前記アウタリングが鋳ぐるみにより結合されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の自動車用ブレーキドラ
    ム。
  3. 【請求項3】 前記ドラム本体の前記リング部の外側面
    に前記アウタリングが嵌合して結合されていることを特
    徴とする請求項記載の自動車用ブレーキドラム。
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