JP3422294B2 - 分光光度計の波長校正方法 - Google Patents

分光光度計の波長校正方法

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JP3422294B2
JP3422294B2 JP23659199A JP23659199A JP3422294B2 JP 3422294 B2 JP3422294 B2 JP 3422294B2 JP 23659199 A JP23659199 A JP 23659199A JP 23659199 A JP23659199 A JP 23659199A JP 3422294 B2 JP3422294 B2 JP 3422294B2
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    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J3/00Spectrometry; Spectrophotometry; Monochromators; Measuring colours
    • G01J3/28Investigating the spectrum
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  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、特定波長を有する
単色光を取り出すモノクロメータを備えた分光光度計に
おいて、所望波長と実際に得られる波長とのずれを解消
するための波長の校正方法に関する。 【0002】 【従来の技術】紫外可視光分光光度計や原子吸光分光光
度計などの分光光度計では、所定波長の単色光を得るた
めにモノクロメータが用いられる。一般的にモノクロメ
ータは、回折格子やプリズムなどの波長分散素子と、入
射光に対して該波長分散素子の角度を変えるための回転
駆動機構とを含んで構成されており、該回転駆動機構に
より波長分散素子を回転させ、固定した出口スリットを
介して所望の波長の単色光が取り出されるようにしてい
る。波長分散素子としては、近年、回折格子が広く使用
されているので、以下、これを用いた場合について述べ
る。 【0003】モノクロメータにおいて、回折格子の回転
駆動機構としては、サインバー機構による直線運動から
回転運動への変換によるもの、ステッピングモータと減
速ギア機構とを組み合わせた開ループ制御によるもの、
或いは、DCサーボモータを用いた閉ループ制御による
もの、などが実用に供されている。 【0004】例えば、ステッピングモータと減速ギア機
構とを組み合わせた回転駆動機構を有する構成では、回
折格子の角度と出射光の波長との関係を示す光学的理論
式と、ステッピングモータのモータ軸の回転角度とギア
減速機構の出力である回転角度との設計上の関係とに基
づき、モータの制御指示量である駆動パルス数と取り出
される単色光の波長との理想的な対応関係を計算により
求めることができる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、回転駆
動機構の機械的な精度誤差、回折格子の格子定数やプリ
ズムの屈折率の誤差、光学部品の設置誤差などの様々な
要因によって、取り出される波長の精度(これを「波長
真度」という)は損なわれる。従来の多くの分光光度計
では、より精密な機構部品や光学素子を用いたり、モノ
クロメータ自体の寸法を大きくすることによって誤差の
影響を相対的に軽減するという方策が採られていた。こ
うした方法では、高価な部品を使用しなければならずコ
ストが高くなるという問題があると共に、モノクロメー
タの小型化が困難であるという問題があった。 【0006】また最近は、重水素ランプの零次光と輝線
スペクトル、或いは水銀ランプの数本の輝線スペクトル
といった既知の波長を有するスペクトルを利用し、回転
駆動機構系の制御指示値(例えば駆動ステッピングモー
タに送出する駆動パルス信号の個数)に対応して実際に
得られるずれ量を求め、それを利用して波長校正を行う
ことも行われている。 【0007】しかしながら、重水素ランプや水銀ランプ
の輝線スペクトルは高々10本程度に過ぎず、これら輝
線スペクトルの波長間隔は疎密に片寄りがある。一方、
回転駆動機構の伝達誤差は送り角度に対して一様な増加
又は減少を示していないため、上記の如き輝線スペクト
ルを用いて波長校正を行っても使用波長全域に亘って波
長校正が正確に行われるとは限らず、場合によっては波
長校正することによって波長真度が悪化する可能性もあ
る。 【0008】本発明は上記課題を解決するために成され
たものであり、その目的とするところは、安価な機構部
品と入手容易な光源を用いて、使用波長全域に亘り高い
波長真度を達成することができる分光光度計の波長校正
方法を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明は、その角度伝達誤差がモータ回転軸
の送り角度に対して一様な増加又は減少を示さない、モ
ータを含む回転駆動機構により、取り出される単色光の
波長を設定するモノクロメータを備えた分光光度計の波
長校正方法であって、 a)前記回転駆動機構の角度真度誤差を予め測定し、 b)単一又は複数の光源から構成され、分析対象である波
長範囲に亘って、前記角度真度誤差の最小周期の2分の
1の角度間隔に相当する波長間隔以下の波長間隔を有す
る輝線群を放射する光源部を用い、 c)該光源部から照射される各輝線をモノクロメータから
単色光として得るために前記回転駆動機構に与えられる
制御指示値を該輝線の真の波長に対応付けてそれぞれ測
定し、 d)該波長と制御指示値との対応関係に基づき、所望の波
長に対応する制御指示値を得るための校正式を表す波長
校正用データを作成し、記憶手段にこれを記憶してお
く、ことを特徴としている。 【0010】 【発明の実施の形態】上記モノクロメータでは、例え
ば、回折格子等の波長分散素子を上記回転駆動機構によ
り回転させることにより、出口スリットから取り出され
る単色光の波長を設定する。波長真度誤差をもたらす周
期性を有する角度真度誤差は、回転駆動機構の機械的な
誤差に依存している。そこで本発明に係る波長校正方法
では、まず、モータを含む回転駆動機構の角度真度誤
差、つまりモータ回転軸の送り角度と角度伝達誤差との
関係を測定する。そして、この関係を示す波形から角度
伝達誤差の変動の最小周期を見つける。ここでは、波長
真度誤差の許容値を越える誤差をもたらすような変動振
幅を持つ周期成分の中で最小周期を求めれば充分であ
る。 【0011】このような最小周期が求まったならば、該
最小周期の2分の1の角度間隔に相当する波長間隔を、
波長分散素子の角度と波長との関係を表す理論式に基づ
いて算出する。ここで、最小周期の2分の1の角度間隔
とするのは、後に詳述するように、2分の1以下の角度
間隔に相当する波長間隔以下の波長ステップで波長校正
を行うと、その隣接波長ステップ間に属する全ての波長
において、校正の結果として、理論的に導出されたもの
よりも波長ずれが減少することが保証されるからであ
る。 【0012】そこで、分析対象である波長範囲に亘り上
記波長間隔以下の波長を有する輝線群を持つ光源部を用
意する。光源部としては、重水素ランプ、金属元素封入
放電管、ホロカソードランプなどの入手容易な光源を1
乃至複数組み合わせて用いることができる。なお、輝線
群の波長間隔は小さいほど校正の効果があり波長真度は
向上するが、必要な光源の種類が増加する、校正用デー
タの取得に要する時間が増加する、などの問題があるた
め、適当な波長間隔、例えば角度真度誤差の最小周期の
4分の1の角度間隔に相当する波長間隔程度にしておく
とよい。 【0013】実際の波長校正用データを求める際には、
上記光源を点灯し、モノクロメータの構成に依存して理
論的に得られる制御指示値の近傍の制御指示値を回転駆
動機構に順次与えることにより、目的とする輝線の近傍
の波長を走査する。そして光検出器により、その輝線ス
ペクトルが得られるときの回転駆動機構の制御指示値と
該輝線の波長とを対応付けて取得する。このような作業
を1つの光源における目的の全輝線、及び、光源部とし
て複数の光源を使用する場合には全光源に対して繰り返
し行う。 【0014】そのようにして制御指示値と波長との組か
ら成る多数の元データが得られたならば、それを基に直
線又は近似曲線などにより校正式を求める。この校正式
は輝線の測定により得られた上記元データを代表値とし
て一般化したものであって、例えば、波長に対応して理
論的に得られる制御指示値から種々の誤差要因によるず
れを補正した制御指示値を算出するものである。このよ
うな校正式は、計算式として記憶手段に記憶しておくこ
とができる。この場合、分光測定時には、モノクロメー
タから取り出した所望の波長が設定されると、まず理論
的に制御指示値が算出され、更に校正式を用いて制御指
示値が修正される。そして、この校正後の制御指示値を
回転駆動機構へ与えることにより波長分散素子の角度を
適宜に設定する。 【0015】なお、上記モノクロメータでは、波長分散
素子を回転させることにより出口スリットから取り出さ
れる単色光の波長を変える構成が一般的であるが、それ
以外に、回折格子又は出口スリット自体を移動すること
により波長を変える構成としてもよく、回転駆動機構を
用いた機械的駆動力によって単色光の波長を変えるよう
な構成全般に適用が可能である。 【0016】 【実施例】以下、本発明に係る分光光度計の波長校正方
法の一実施例について図を参照して詳細に説明する。図
1は、本実施例の波長校正方法を採用した分光光度計の
要部の構成図である。光源切替部1には複数のランプ1
a、…が装着可能になっており、選択された1個のラン
プから発せられた光がモノクロメータ2に導入される。
モノクロメータ2は、所定角度範囲で回転する回折格子
3と、ステッピングモータ4と、そのモータ軸の回転を
減速させて回折格子3を回転駆動する減速ギア機構5と
を含んで構成されており、モータ4に与えられる駆動パ
ルス数に応じた所定回転角度に回折格子3が設定される
ようになっている。 【0017】モノクロメータ2で取り出された単色光は
光検出器6により検出され、入出力制御部7において適
宜の時間間隔でサンプリングされてデジタルデータに変
換された後にパーソナルコンピュータ(以下「パソコ
ン」と略す)8へ入力される。なお、例えば可視紫外分
光光度計では、モノクロメータ2と光検出器6との間の
光路中に測定対象の試料が挿入され、原子吸光分光光度
計では、光源切替部1とモノクロメータ2との間の光路
中に測定対象の試料を原子化するための原子化部が配設
されるが、これらの記載は図1において省略している。 【0018】パソコン8は、上記各部の動作を制御する
ための制御部9と各種データ処理を行うための演算処理
部10とを機能的に含んでおり、その周辺には記憶装置
11、操作部14、表示部15などが接続されている。
記憶装置11の記憶領域には、換算表データ領域12と
校正式データ領域13とを含む。後述のような波長校正
処理に際し、演算処理部10は光検出器6で得られたデ
ータに基づいて波長ずれを校正し得る校正式を算出し、
これを校正式データ領域13に格納する。また、制御部
9はこの波長校正処理の際に入出力制御部7を介して光
源切替部1及びモータ4を制御する。 【0019】記憶装置11の換算表データ領域12に
は、モータ4に与えられるパルス数とモノクロメータ2
から取り出される波長との対応関係を示す換算表が予め
格納されている。この換算表は、回折格子3における回
転角度と波長との関係を示す光学的な理論式と、モータ
4及び減速ギア機構5の設計値とを用いて計算された、
理想状態での波長とパルス数との対応関係を示す表であ
る。 【0020】この換算表の一例を図3に示す。例えばモ
ノクロメータ2にて194.1nmの波長の単色光を取
り出したい場合には、4337個の駆動パルス信号をモ
ータ4へ送出すれば、それに応じた所定角度だけ回折格
子3が回転する。なお、図3の例ではこの分光光度計の
最小波長ステップである0.1nm単位でパルス数が全
て与えられているが、適当な波長間隔毎にパルス数が与
えられ、換算表にないパルス数はその両隣接のパルス数
から計算により求めるようにしてもよい。 【0021】理想的には上記換算表のデータを利用して
正確な波長を有する単色光を取り出すことができる筈で
あるが、実際には上述の如き減速ギア機構5の角度真度
誤差などの種々の誤差要因があるため、換算表で与えら
れた個数の駆動パルス信号をモータ4へ送っても回折格
子3の設定角度にはズレが生じる。そこで、モノクロメ
ータ2の組立後の装置調整時や使用現場での修理後など
の際には、以下のような手順で波長校正処理を実行す
る。 【0022】図2は、この波長校正処理手順を示すフロ
ーチャートである。まず、モノクロメータ2を組み上げ
る以前に、作業者は、モータ4主軸の送り角度に対する
角度伝達誤差つまり角度真度誤差を測定する(ステップ
S1)。このような測定は、角度真度誤差を測定するの
に充分な精度を有するロータリエンコーダを用いて行う
ことができる。その結果、例えば図4に示すようなグラ
フが作成される。 【0023】次に、作業者は上記グラフに基づいて角度
真度誤差の最小周期を読み取る(ステップS2)。厳密
には、全ての周期成分の中から最も小さな周期を求める
ことが望ましいが、モノクロメータ2における波長真度
誤差の許容値内に収まるような角度真度誤差をもたらす
振幅をもつ周期成分を取り出しても意味がないので、該
許容値を越える角度真度誤差をもたらす振幅をもつ周期
成分に限定して最小周期を抽出する。例えば、図4の例
ではAを最小周期とすることができる。 【0024】続いて、回折格子3の角度と波長との関係
を表す理論式などに基づいて、上記最小周期の2分の1
の角度間隔を波長間隔Λに変換する計算を行う。そし
て、この波長間隔Λよりも小さい波長間隔で複数の輝線
スペクトルを有するようなランプを光源として選定する
(ステップS3)。ここで最小周期の2分の1の角度間
隔に相当する波長間隔以下の輝線を用いる理由について
は後で述べる。一般には、或る単一のランプでもってこ
のような複数の輝線を得ることは殆ど不可能であるの
で、当該分光光度計に予め内蔵したランプと、入手が容
易で強い強度の輝線群を数多くもつ他のランプとの組合
せが有用である。例えば、可視紫外分光光度計において
は、重水素ランプ、低圧水銀ランプ、ネオンランプなど
を組み合せることにより、また原子吸光分光光度計であ
れば重水素ランプ、水銀ホロカソードランプなどを組み
合せることにより、20〜30本の輝線を得ることがで
き、このような波長校正には充分であることが多い。 【0025】勿論、この輝線群はその分光光度計でもっ
て使用する波長範囲において上記条件を満足すれば充分
であって、その使用波長範囲を逸脱した(例えば多くの
分光光度計では波長180nm未満の真空紫外域は不要
である)範囲での輝線は不要である。 【0026】なお、上記ステップS1の測定は精密なロ
ータリエンコーダという特別な治具を用いて行う必要が
あるため作業者の手を煩わせる必要があるが、ステップ
S2、S3の処理に関しては、角度真度誤差の測定結果
をキーボードなどの操作部14を介してパソコン8に入
力し、所定のソフトウエアで処理することにより自動的
に最小周期を見つけ出し、更に予め多数登録されている
ランプの候補の中から上記条件に適合する一つ乃至複数
のランプを自動的に選択して作業者に知らせる構成とす
ることもできる。 【0027】続いて、上述のようにして選定したランプ
を光源切替部1に装着し、操作部14を介して波長校正
処理の実行をパソコン8に指示する。これに応じて、制
御部9は入出力制御部7を介して光源切替部1を制御
し、選定されたランプの中の1つ(例えばランプ1a)
を点灯させる(ステップS4)。更に制御部9は、その
ランプ1aからの放射光に含まれる或る輝線スペクトル
の波長を中心にした所定範囲の波長走査を行うべく、そ
の波長範囲に対応したパルス数を換算表データ領域12
から順次読み出し、その個数だけ駆動パルス信号をモー
タ4へ送出する。これにより、回折格子3は微小角度ず
つ回転し、それに応じた波長を有する単色光が順次光検
出器6に入射する(ステップS5)。 【0028】演算処理部10は、上記波長走査の期間
中、入出力制御部7を介して光検出器6で得られるデー
タを順次受け取り、輝線スペクトルのピークを検出す
る。例えば、輝線の波長λ1(換算表中でこれに対応す
るパルス数をcとする)に対し±Δλ1の範囲でもって
波長走査を行って図5に示すようなスペクトルが得られ
たとする。このとき理想状態であればパルス数cの位置
に輝線のピークのピークトップが現れる筈であるが、図
5の例ではパルス数c+Δcの位置にピークトップが現
れている。つまり、輝線の波長λ1に対応した実際の
(つまり機械的誤差などを考慮した)パルス数はc+Δ
cであって、Δcなるパルス数に相当する分だけ波長ず
れが生じていることになる。 【0029】そこで、波長λ1と対応付けてパルス数c
+Δc(又はパルス数のずれ量Δc)を内部RAMに一
旦記憶する(ステップS6)。このようにして或る輝線
に対するデータの取得が終了したならば、ステップS7
からS4へ戻り、波長の相違する他の輝線に対しても同
様にして波長とパルス数との関係を内部RAMに格納す
る。更に選定されたランプが複数である場合には、或る
ランプに関して校正に必要な全ての輝線に関するデータ
の取得を終えたならば、ステップS7からS4へと戻
り、制御部9は光源切替部1を制御して他のランプを点
灯させ、同様に波長とパルス数との関係を内部RAMに
格納する。 【0030】必要な全ての輝線に関するデータの取得を
終了したならば(ステップS7で「Yes」)、波長方向
に離散的な多数のデータに基づき、換算表で与えられる
パルス数データを波長ずれのない単色光を得るためのパ
ルス数データに変換するための校正式を算出する(ステ
ップS8)。このような校正式は、上記多数のデータを
内挿した直線又は近似曲線を表す一般式であって、最も
単純な校正式の算出方法は、隣接する上記データの間を
直線で内挿することである。また、より精度の高い校正
式を得るには高次の曲線とすればよい。そして、このよ
うにして算出した校正式を記憶装置11の校正式データ
領域13に格納しておく(ステップS9)。 【0031】周期性を有する波長真度誤差は減速ギア機
構5の角度真度誤差に殆ど依存しているから、これらの
機構部品を変更しない限り角度真度誤差の再現性は高
く、一旦作成した校正式を継続して利用することができ
る。また、装置の調整後など波長の再校正が必要と考え
られるような場合には上記手順に従って新たな校正式を
作成すればよい。 【0032】この分光光度計で分光測定を行う際には、
換算表データ領域12に格納されている換算表データ
と、校正式データ領域13に格納されている校正式とを
併用して所望の波長に対応したパルス数を算出する。例
えば、所望の波長走査範囲が指示されると、演算処理部
10は該波長範囲内の最小波長又は最大波長に対応する
パルス数を換算表データ領域12の換算表から読み出す
と共に校正式を校正式データ領域13から読み出し、該
校正式に換算表から読み出したパルス数を代入すること
により校正後のパルス数を得る。制御部9はこの校正後
のパルス数に応じた個数の駆動パルス信号をモータ4へ
送り、回折格子3を所定角度に設定する。次に、上記波
長走査範囲内で最小波長又は最大波長から波長ステップ
だけ離れた波長に対応するパルス数を上記換算表から読
み出して校正し、モータ4にそれに応じた駆動パルス信
号を送ることにより回折格子3を更に回転させる。この
ようにして順次、微小角度ずつ回折格子3を回転させる
と、波長ずれが補正された単色光が順次モノクロメータ
2から取り出せる。 【0033】次に、上記波長校正処理を行う際に、角度
真度誤差の最小周期の2分の1の角度間隔に相当する波
長間隔以下の波長を有する輝線を用いる理由を図6を参
照して説明する。図6は伝達誤差が0分を中心に周期的
変動を有している場合の校正用データの選び方と校正効
果との関係を示す概念図である。 【0034】まず、或る2箇所の波長の輝線を基に得ら
れる2点のデータのみを用いて、直線的な内挿を行うこ
とにより上記校正式を算出する場合を考える。その輝線
の波長が図6(a)に示す送り角度0度と10.5度に
相当するものであったとすると、2点のデータを内挿す
る直線はL1のようになる。この直線L1が校正式に対応
した校正線であると定めると、例えば送り角度19.5
度における校正後の伝達誤差は直線L1上の値と実際の
伝達誤差との差B1となる。すなわち、このような校正
線を用いてしまうと、伝達誤差は校正によって元の伝達
誤差Dよりも大きくなってしまうということが起こり得
る。 【0035】次に、最小周期と同一波長間隔を有する複
数の輝線を基に得られるデータを用いて、直線的な内挿
を行うことにより校正式を算出する場合を考える。その
輝線の波長に相当する送り角度が、図6(b)に示すよ
うに伝達誤差の周期的変動の最小ピークをもたらす送り
角度に一致していたとすると、各データを内挿する折れ
線はL2のようになる。この折れ線L2が校正式に対応し
た校正線であると定めると、上記送り角度19.5度に
おける校正後の伝達誤差はB2となる。すなわちこの場
合でも、特定の波長に対しては伝達誤差が校正によって
元の伝達誤差Dよりも大きくなることがある。 【0036】続いて、最小周期の2分の1の角度間隔に
相当する波長間隔を有する複数の輝線を基に得られるデ
ータを用いて、直線的な内挿を行うことにより校正式を
算出する場合を考える。このとき最悪なケースは、図6
(c)に示すように輝線の波長に相当する送り角度が3
度、6度、9度、…であった場合であって、各データを
内挿した直線L3は伝達誤差0分に一致する。これは校
正によっても誤差の改善が行えないことを意味している
が、換言すれば、最悪の場合でも校正によって誤差が拡
大することはないということを意味する。実際上、この
ような最悪な条件となることは希であるから、殆ど全て
の場合において波長真度誤差はかなり改善される。 【0037】このように、角度真度誤差の最小周期の2
分の1の角度間隔以下でもって実測のデータ点を取得
し、このデータ点を用いて算出した校正式を用いて波長
校正を行えば、理論的に導出した換算表に基づいてモー
タ4を駆動する場合よりも波長真度誤差を確実に減少さ
せることができる。 【0038】なお、上記実施例は一例であって、本発明
の趣旨の範囲で適宜変形や修正を行なえることは明らか
である。 【0039】例えば、上記実施例ではパルス数を変換す
るために校正式を用いていたが、校正されたパルス数と
波長との対応を示す新しい換算表を作成し、この換算表
を記憶装置に格納して分光測定の際に利用してもよい。
また、光源切替部1を備えておらず、作業者自らがラン
プを交換する構成としてもよい。 【0040】 【発明の効果】以上のように、本発明に係る分光光度計
の波長校正方法によれば、回転駆動機構に角度真度誤差
が有っても、校正処理によりその誤差は解消され、波長
真度の高い単色光を取り出すことができる。角度真度誤
差の比較的大きな安価な機構部品などを用いることがで
きる。また、機構部品などの精度を高めるために全体を
大型化する必要もない。従って、分光光度計の低コスト
化や小型化が図れる。 【0041】また、波長校正のために特殊なランプを使
用する必要がないので、分光光度計の使用現場でも容易
に校正が行える。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の一実施例による波長校正方法を採用
した分光光度計の要部の構成図。 【図2】 波長校正処理手順のフローチャート。 【図3】 波長とパルス数との関係を示す換算表の一例
を示す図。 【図4】 回転駆動機構の送り角度と伝達誤差との関係
を示すグラフ。 【図5】 波長誤差の測定の際の説明図。 【図6】 伝達誤差が周期的変動を有している場合の校
正用データの選び方と校正効果との関係を示す概念図。 【符号の説明】 1…光源切替部 1a…ランプ 2…モノクロメータ 3…回折格子 4…ステッピングモータ 5…減速ギア機構 6…光検出器 7…入出力制御部 8…パソコン 9…制御部 10…演算処理部 11…記憶装置 12…換算表データ領域 13…校正式データ領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01J 3/06 G01J 3/18 G01J 3/26 G01D 3/00 - 4/18 G01N 21/00 - 21/01 G01N 21/17 - 21/64

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 その角度伝達誤差がモータ回転軸の送り
    角度に対して一様な増加又は減少を示さない、モータを
    含む回転駆動機構により、取り出される単色光の波長を
    設定するモノクロメータを備えた分光光度計の波長校正
    方法であって、 a)前記回転駆動機構の角度真度誤差を予め測定し、 b)単一又は複数の光源から構成され、分析対象である波
    長範囲に亘って、前記角度真度誤差の最小周期の2分の
    1の角度間隔に相当する波長間隔以下の波長間隔を有す
    る輝線群を放射する光源部を用い、 c)該光源部から照射される各輝線をモノクロメータから
    単色光として得るために前記回転駆動機構に与えられる
    制御指示値を該輝線の真の波長に対応付けてそれぞれ測
    定し、 d)該波長と制御指示値との対応関係に基づき、所望の波
    長に対応する制御指示値を得るための校正式を表す波長
    校正用データを作成し、記憶手段にこれを記憶してお
    く、 ことを特徴とする分光光度計の波長校正方法。
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