JP3422264B2 - ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

ブレーキ液圧制御装置

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JP3422264B2
JP3422264B2 JP27017298A JP27017298A JP3422264B2 JP 3422264 B2 JP3422264 B2 JP 3422264B2 JP 27017298 A JP27017298 A JP 27017298A JP 27017298 A JP27017298 A JP 27017298A JP 3422264 B2 JP3422264 B2 JP 3422264B2
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hydraulic pressure
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brake
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ブレーキシリンダ
の液圧を制御するブレーキ液圧制御装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】本出願人によって出願され、未だ公開さ
れていない特願平9─121039号の明細書には、動
力液圧源を高圧源とするブレーキ液圧制御装置が記載さ
れている。このブレーキ液圧制御装置は、ポンプおよ
びそのポンプを駆動する電動モータと、ポンプから吐出
された高圧の作動液を蓄えるアキュムレータとを含み、
ブレーキシリンダに高圧の作動液を供給する高圧源と、
前記ブレーキシリンダから流出させられた作動液を収
容する低圧源と、前記高圧源と前記ブレーキシリンダ
との間に設けられ、前記ブレーキシリンダの液圧を、供
給電気エネルギに応じた大きさに制御可能な増圧用電磁
液圧制御弁と、前記低圧源と前記ブレーキシリンダと
の間に設けられ、前記ブレーキシリンダの液圧を、供給
電気エネルギに応じた大きさに制御可能な減圧用電磁液
圧制御弁と、前記電動モータを制御することによっ
て、前記アキュムレータに蓄えられた作動液の液圧を予
め定められた設定液圧に保った状態で、前記増圧用電磁
液圧制御弁と減圧用電磁液圧制御弁とを制御することに
よって前記ブレーキシリンダ液圧を制御する制御装置と
を含んでいる。このブレーキ液圧制御装置において増圧
制御が行われる場合には、減圧用電磁液圧制御弁が閉状
態とされた状態で増圧用電磁液圧制御弁への供給電気エ
ネルギが制御される。増圧用電磁液圧制御弁への供給電
気エネルギの制御によって、アキュムレータの作動液の
液圧が適宜減圧されて、ブレーキシリンダに供給される
のである。減圧制御が行われる場合には、増圧用電磁液
圧制御弁が閉状態とされた状態で減圧用電磁液圧制御弁
への供給電気エネルギが制御される。ブレーキシリンダ
の液圧は減圧用電磁液圧制御弁への供給電気エネルギに
応じた大きさに減圧される。ブレーキシリンダの液圧
が、増圧用電磁液圧制御弁への供給電気エネルギの制御
と減圧用電磁液圧制御弁への供給電気エネルギの制御と
によって、制御されるのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題,解決手段,作用および
効果】本発明の課題は、上記ブレーキ液圧制御装置とは
別の新規なブレーキ液圧制御装置を提供することであ
る。具体的には、増圧用電磁液圧制御弁への供給電気エ
ネルギの制御と減圧用電磁液圧制御弁への供給電気エネ
ルギの制御とによらないで、ブレーキシリンダの液圧を
制御し得るブレーキ液圧制御装置を提供することであ
る。この課題は、下記各態様によって解決される。各態
様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、
必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。
これは、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組
合わせを例示するためであり、本明細書に記載の技術的
特徴およびそれらの組合わせが以下のものに限定される
と解釈されるべきではない。なお、特許されることを望
む発明として、下記各態様のうちの一部の態様のみを、
特許請求の範囲に記載する。具体的には、(1)項と
(7)項と(8)項とを合わせた態様が請求項1に相当
し、(1)項と(9)項とを合わせた態様が請求項2
に、(1)項と(10)項とを合わせた態様が請求項3
に、(1)項と(12)項と(14)項とを合わせた態
様が請求項4にそれぞれ相当する。 (1)ブレーキシリンダに接続され、ブレーキシリンダ
に向かって作動液を吐出するポンプとそのポンプを駆動
する電動モータとを少なくとも1組含むポンプ装置と、
前記ブレーキシリンダから流出させられた作動液を収容
する低圧源と、その低圧源と前記ブレーキシリンダとの
間に設けられ、前記ブレーキシリンダ液圧を、供給電気
エネルギに応じた大きさに制御する電磁液圧制御弁と、
前記電動モータを制御することによって前記ブレーキシ
リンダの液圧を増圧制御する増圧制御手段と、前記供給
電気エネルギを制御することによってブレーキシリンダ
の液圧を減圧制御する減圧制御手段とを含む制御装置と
を含むことを特徴とするブレーキ液圧制御装置。本項に
記載のブレーキ液圧制御装置の最も端的な態様は、ポン
プ装置とブレーキシリンダとの間に電磁弁を備えないも
のであり、ブレーキシリンダには、増圧専用のポンプが
直接接続されることとなる。また、ブレーキシリンダに
は、電磁液圧制御弁を介して低圧源が接続される。この
ブレーキ液圧制御装置において、ポンプから吐出された
作動液がブレーキシリンダに供給されることによってブ
レーキシリンダの液圧が増圧され、そのポンプを駆動す
る電動モータの制御によりブレーキシリンダの液圧を増
圧制御することができる。また、ブレーキシリンダの作
動液が低圧源に流出させられることによってブレーキシ
リンダの液圧が減圧され、ブレーキシリンダの液圧は電
磁液圧制御弁への供給電気エネルギに応じた大きさに減
圧制御することができる。このように、本項に記載のブ
レーキ液圧制御装置においては、ポンプを駆動する電動
モータの制御と、電磁液圧制御弁に供給される電気エネ
ルギの制御とによってブレーキシリンダの液圧が制御さ
れる。すなわち、前述のブレーキ液圧制御装置における
ように、増圧用電磁液圧制御弁および減圧用電磁液圧制
御弁各々への供給電気エネルギをそれぞれ制御すること
によって制御されるのではないのである。上記電磁液圧
制御弁は、供給電気エネルギに応じた大きさにブレーキ
シリンダの液圧を制御可能なものであるが、供給電気エ
ネルギの増加に伴ってブレーキシリンダの液圧が減少さ
せられるものとしても、供給電気エネルギの減少に伴っ
てブレーキシリンダの液圧が減少させられるものとして
もよい。また、本項に係る発明は、1つのポンプ装置に
1つのブレーキシリンダが接続されている場合、あるい
は、1つのポンプ装置に複数のブレーキシリンダが接続
されてそれらの液圧が共通に制御される場合に適用する
ことが望ましい。そのため、上記制御装置を共通液圧制
御装置と称することができる。なお、ポンプ装置に複数
のブレーキシリンダが接続されており、各ブレーキシリ
ンダの液圧が独立に制御される必要がある場合には、後
述するように、ポンプ装置とブレーキシリンダ各々との
間に絞り装置を設けたり、ブレーキシリンダをポンプ装
置に連通させたりポンプ装置から遮断したりするポンプ
遮断弁を設けたりすることが望ましい。 (2)前記減圧制御手段が、前記減圧制御時に前記電動
モータを停止させる(1)項に記載のブレーキ液圧制御装
置。電動モータを停止させれば、ブレーキシリンダへ作
動液が供給されなくなる。そのため、電動モータが駆動
状態に保たれる場合に比較して、ブレーキシリンダの液
圧を迅速に減圧することができる。また、前記制御装置
に、前記電動モータを停止させるとともに前記電磁液圧
制御弁を前記ブレーキシリンダから前記低圧源への作動
液の流出を阻止する流出阻止状態にする保持制御手段を
設けることもできる。電動モータが停止させられるとと
もに電磁液圧制御弁が流出阻止状態に保たれれば、ブレ
ーキシリンダにおける作動液の流出・流入が共に阻止さ
れ、液圧が安定的に一定に保たれ得る。 (3)前記制御装置が、前記ブレーキシリンダの目標液
圧と実際の液圧との差である液圧偏差と、前記ブレーキ
シリンダの液圧の今回の目標液圧と前回の目標液圧との
差である要求液圧変化勾配との少なくとも一方に基づい
て、前記増圧制御手段と前記減圧制御手段との選択を行
う(1) 項または(2) 項に記載のブレーキ液圧制御装置。
液圧偏差に基づいて選択する場合の一例として、例え
ば、目標液圧Pref と実液圧P* との差である液圧偏差
(ΔP=Ppef −P* )が、設定偏差EPS(しきい
値)より大きい場合(ΔP>EPS)に増圧制御手段が
選択され、液圧偏差ΔPが設定偏差(EPS)以下であ
る場合(ΔP≦EPS)に減圧制御手段が選択されるよ
うにすることができる。また、保持制御手段を含む場合
には、液圧偏差ΔPが正の設定偏差EPS1より大きい
場合(ΔP>EPS1)に増圧制御手段が選択され、液
圧偏差ΔPが負の設定偏差(−EPS2)より小さい場
合(ΔP<−EPS2)に減圧制御手段が選択され、液
圧偏差ΔPが設定偏差範囲以内の場合(−EPS2≦Δ
P≦EPS1)に保持制御手段が選択されるようにする
ことができる。さらに、液圧偏差のみでなく、要求液圧
変化勾配を考慮して選択する場合の一例として、液圧偏
差ΔPが正の設定偏差EPS1より大きいが、要求液圧
変化勾配ΔPref が正の設定勾配RPS1以下である場
合(ΔP>EPS1,ΔPref≦RPS1)には、増圧
制御手段でなく保持制御手段が選択され、液圧偏差ΔP
が負の設定偏差(−EPS2)より小さいが、要求液圧
変化勾配ΔPref が負の設定勾配(−RPS2)以上で
ある場合(ΔP<−EPS2,ΔPref ≧−RPS2)
には、減圧制御でなく保持制御が選択されるようにする
ことができる。なお、上記正の設定偏差EPS1と負の
設定偏差−EPS2、正の設定勾配RPS1と負の設定
勾配−RPS2の絶対値は同じとすることもできる。 (4)前記制御装置が、前記電動モータを、前記ブレー
キシリンダの要求増圧勾配が予め定められた設定増圧勾
配より大きい場合は、小さい場合より、出力トルクが大
きくなるように制御するモータ制御装置を含む(1) 項な
いし(3) 項のいずれか1つに記載のブレーキ液圧制御装
置。電動モータの出力トルクを大きくすれば、ポンプか
ら吐出される作動液の吐出流量を大きくしたり、吐出圧
を大きくしたりすること(以下、単に吐出流量等を大き
くすることと略称する)ができる。その結果、ブレーキ
シリンダの液圧の増圧勾配を大きくすることができ、増
圧遅れを小さくし、あるいはなくすことができる。通常
制動のブレーキ液圧制御の開始時(ブレーキ操作部材の
制動操作開始時)、緊急制動のブレーキアシスト制御時
等には、要求増圧勾配が設定増圧勾配より大きくなるこ
とが多く、有効である。上記設定増圧勾配は、例えば、
通常の電動モータの制御により、電動モータの出力トル
クが最大とされた場合における、ブレーキシリンダ液圧
の増圧勾配(通常制御時上限勾配)としたり、電動モー
タに当該ブレーキ液圧制御装置に備えられたバッテリの
最大電圧を印加した場合における増圧勾配(バッテリ電
圧印加時勾配)としたりすることができる。この設定増
圧勾配より要求増圧勾配が大きい場合は、電動モータへ
の印加電圧が通常制御時より大きくされたり、電源(バ
ッテリ)の最大電圧より大きくされたりする。供給電流
が通常制御時より大きくされる場合もある。これらの場
合には、電動モータの出力トルクの大きさを制御するこ
とができない場合もあるが、大きな勾配でブレーキシリ
ンダの液圧を増圧できればよく、制御可能であることは
不可欠ではない。本モータ制御装置は、急増圧時モータ
制御装置と称したり、モータトルク特別増大装置,ポン
プ吐出流量等増大装置と称したりすることができる。こ
のように、要求増圧勾配が設定増圧勾配より大きい場合
に、電動モータの出力トルクを大きくして、ポンプ装置
の吐出流量等を大きくすれば、電動モータの容量を大き
くしないで、ブレーキシリンダの増圧勾配を大きくする
ことができ、コストアップを回避することができる。電
動モータの通常の制御により、ポンプ装置の吐出流量等
を大きくする、すなわち、制御範囲の上限値を大きくす
ることによって設定増圧勾配以上の勾配でブレーキシリ
ンダ液圧を増圧させることができるようにするために
は、電動モータの容量を大きくしなければならず、コス
トアップを避けることができない。それに対して、制御
可能な範囲をそのままとして、限られた特別の場合に電
動モータへの印加電圧を特別に大きくするようにすれ
ば、電動モータの容量を大きくすることなく、設定増圧
勾配以上の勾配で増圧することが可能となる。本項に記
載の特徴は、(1) 項ないし(3) 項のいずれか1つに記載
の特徴とは別にも採用可能である。すなわち、ブレーキ
シリンダ液圧を、増圧専用のポンプ装置の制御と減圧用
電磁液圧制御弁の制御とによって制御するものに限ら
ず、上述の制御に増圧用電磁液圧制御弁の制御を加えて
制御するものであっても、増圧用,減圧用電磁開閉弁の
制御によって制御するものであっても、増圧用,減圧用
ポンプの制御によって制御するもの等であってもよいの
である。 (5)前記モータ制御装置が、前記電動モータへの印加
電圧を、電源の電圧より大きくする印加電圧増大装置を
含む(4) 項に記載のブレーキ液圧制御装置。電動モータ
への印加電圧をバッテリ等の電源の最大電圧より大きく
すれば、電動モータの出力トルクを大きくすることがで
き、ポンプ装置の吐出流量等を大きくすることができ
る。印加電圧増大装置は、例えば、コイル、コンデンサ
およびトランジスタ等のスイッチを含む駆動回路を含む
ものとしたり、DC−DCコンバータを含むものとした
り、昇圧コンバータを含むものとしたりすることができ
る。 (6)前記制御装置が、前記電動モータを非作動状態か
ら作動状態に切り換える場合に、前記電動モータへの印
加電圧を大きくする作動開始時モータ制御装置を含む
(1) 項ないし(3) 項のいずれか1つに記載のブレーキ液
圧制御装置。作動開始時に、電動モータへの印加電圧が
大きくされるため、電動モータを迅速に所望の作動状態
(回転速度および駆動トルク)にすることができ、ポン
プ装置の吐出流量等を迅速に所望の大きさにすることが
できる。モータは、非作動状態にある場合に通常の電圧
を印加しても、慣性により直ちに所望の作動状態にする
ことができない。それに対して、本項に記載のブレーキ
液圧制御装置によれば、作動開始時に大きな電圧が印加
されるため、ポンプ装置の吐出流量等を迅速に所望の大
きさにすることができ、ブレーキシリンダの増圧遅れを
小さくすることができる。印加電圧は、作動開始時から
予め定められた設定時間だけ大きくしたり、ブレーキシ
リンダ液圧が予め定められた設定液圧に達するまでの間
大きくしたりすることができる。本項に記載の特徴は、
(1) 項ないし(3) 項のいずれか1つに記載の特徴とは別
にも実施可能なものである。 (7)前記制御装置が、前記ブレーキシリンダの液圧の
要求液圧変化勾配が予め定められた設定範囲内である場
合に、前記電動モータを停止させるとともに前記電磁液
圧制御弁を前記ブレーキシリンダからの作動液の流出を
阻止する流出阻止状態に切り換える保持制御手段を含む
(1) 項ないし(6) 項のいずれか1つに記載のブレーキ液
圧制御装置。本項に記載のブレーキ液圧制御装置におい
ては、ブレーキシリンダ液圧の要求液圧変化勾配が設定
範囲内にある場合は、ブレーキシリンダの液圧が、要求
液圧変化に応じて変化させられるのではなく、一定の大
きさに保たれる。例えば、設定範囲が、運転者の無意識
なブレーキ操作量(ブレーキ操作部材の操作力,操作ス
トローク等)の変化に対応する範囲とされた場合には、
運転者がブレーキ操作量を変えたつもりがないのにポン
プ装置が作動して無用なエネルギが消費され、作動騒音
が発生することが回避される。また、特に車両の走行中
に、運転者がブレーキ操作量を変えたつもりがないのに
減速度が変化して、ブレーキフィーリングが悪くなるこ
とを回避できる。さらに、運転者がブレーキ操作量を注
意深く一定に保つ必要がなくなり、ブレーキ操作が簡単
になる効果も得られる。本項に記載の特徴は、(1) 項な
いし(6) 項のいずれか1つに記載の特徴とは別にも採用
可能である。 (8)前記制御装置が、前記保持制御手段による保持制
御時間が長い場合は短い場合より、前記設定範囲を広く
する保持条件緩和手段を含む(7) 項に記載のブレーキ液
圧制御装置。上述の保持制御時間が長い場合には、運転
者が制動力を一定に保つことを希望しているのが普通で
あるため、この場合に設定範囲を広くし、ブレーキ液圧
の変化が生じ難くすることは望ましいことである。ま
た、電動モータが非作動状態にされる機会が多くなるた
め、ポンプ装置におけるエネルギ消費量を少なくするこ
とができる。設定範囲は、保持制御時間の経過に伴って
段階的に大きくしても連続的に大きくしてもよい。 (9)前記制御装置が、予め定められた保持条件が満た
された場合に、前記電動モータを停止させるとともに前
記電磁液圧制御弁を前記ブレーキシリンダからの作動液
の流出を阻止する流出阻止状態に切り換える保持制御手
段と、その保持制御手段による保持制御時間が長い場合
は短い場合より、前記保持条件を緩くする保持条件緩和
手段とを含む(1) 項ないし(6) 項のいずれか1つに記載
のブレーキ液圧制御装置。例えば、液圧偏差ΔPが設定
範囲内(EPS1≧ΔP≧−EPS2)であることが保
持条件である場合に、設定範囲の上限値EPS1を大き
くすることと、下限値−EPS2を小さくすることとの
少なくとも一方が行われることにより保持条件が緩めら
れる。保持条件が、液圧偏差と共に、あるいは液圧偏差
に代えて要求液圧変化勾配により設定される場合も同様
である。本項に記載の特徴は、(1) 項ないし(6) 項のい
ずれか1つに記載の特徴とは別に採用可能である。 (10)前記制御装置が、予め定められた保持条件が満
たされた場合に、前記電動モータの作動を停止させると
ともに前記電磁液圧制御弁を流出阻止状態に切り換える
保持制御手段と、当該ブレーキ液圧制御装置が搭載され
た車両が停止状態にある場合には、前記保持条件を緩く
する保持条件緩和手段とを含む(1) 項ないし(9) 項のい
ずれか1つに記載のブレーキ液圧制御装置。車両が停止
状態にある場合には、ブレーキ操作量の変化に応じてブ
レーキシリンダ液圧を増圧したり減圧したりする必要性
は低く、一定に保てばよい。停止状態にある場合に保持
条件が緩くされれば、運転者はブレーキ操作量を注意深
く一定に保つ必要がなくなり、また、保持制御が行われ
る機会が多くなって消費エネルギの低減が可能になる。
保持条件の変更については前記 (9)項の説明がそのまま
当てはまる。本項に記載の特徴は、(1) 項ないし(9) 項
のいずれか1つに記載の特徴とは別に採用可能である。 (11)前記制御装置が、予め定められた増圧条件が満
たされた場合に、前記電動モータを制御することにより
ブレーキシリンダ液圧を増圧する増圧手段と、当該ブレ
ーキ液圧制御装置が搭載された車両の車輪の車輪速度が
一旦実質的に0になった後は前記増圧条件が満たされて
も、前記電動モータを停止状態に保ち、前記電磁液圧制
御弁をブレーキシリンダからの作動液の流出を阻止する
流出阻止状態に保つ強制保持実行手段と、その強制保持
実行手段の機能中に、前記車輪速度が設定車輪速度を超
え、かつ、ブレーキ操作量が増大させられた場合には、
強制保持実行手段の機能を解除する強制保持実行手段無
効化手段とを含む(1) 項ないし(10)項のいずれか1つに
記載のブレーキ液圧制御装置。車両が停止状態にある場
合には、ブレーキ操作量が大きくされても、それに伴っ
てブレーキシリンダ液圧が増圧される必要性は低く、一
定に保たれればよい。そのため、本態様のブレーキ液圧
制御装置には強制保持実行手段が設けられる。しかし、
例えば、停止信号等により交差点で停車している場合に
おいて、後続車の追突等により、車両が移動させられた
場合や、車両が傾斜路面上に停止中にブレーキ操作部材
が解除操作されないにもかかわらず移動し始めた場合等
には、ブレーキ操作量の増加に応じて制動力が大きくさ
れることが必要である。そのため、本態様のブレーキ液
圧制御装置には強制保持実行手段無効化手段が設けられ
る。本項に記載の特徴は、(1) 項ないし(10)項のいずれ
か1つに記載の特徴とは別に採用可能である。 (12)前記制御装置が、予め定められた増圧条件が満
たされた場合に前記ブレーキシリンダ液圧を増圧させる
増圧指令を発する増圧指令手段と、前記増圧条件が満た
される前兆に基づいて、前記電動モータを始動させる事
前モータ始動手段とを含む(1) 項ないし(11)項のいずれ
か1つに記載のブレーキ液圧制御装置。増圧指令が発生
させられる前の、増圧条件が満たされる前兆に基づいて
電動モータを始動させれば、増圧遅れを小さくすること
ができる。本項に記載の事前モータ始動手段は、増圧条
件が満たされる前兆を検出する前兆検出手段を含むもの
とすることができる。増圧条件が満たされる前兆の検出
は、近い将来増圧条件が満たされると予測し得る事態の
発生の検出により行われる。例えば、ブレーキ操作部材
が操作された場合に増圧条件が満たされる場合におい
て、アクセル操作部材の操作が解除された場合、トラク
ション制御開始条件が満たされた場合に増圧条件が満た
される場合において、トラクション制御開始条件より緩
いトラクション制御開始予測条件が満たされた場合等に
前兆の検出が行われるのである。本項に記載の特徴は、
(1) 項ないし(11)項のいずれか1つに記載の特徴とは別
にも採用可能である。 (13)前記事前電動モータ始動手段によって電動モー
タが始動させられてから、設定時間経過までに、増圧条
件が満たされなかった場合には、電動モータの作動を停
止させる電動モータ停止手段を含む(12)項に記載のブレ
ーキ液圧制御装置。増圧条件が満たされる前兆が検出さ
れても、設定時間が経過するまでに増圧条件が満たされ
ない場合には、電動モータの始動が無駄であった場合が
多いため、電動モータの作動を停止させることが望まし
い。なお、電動モータは、前兆現象が消滅した場合に停
止させられるようにすることもできる。例えば、トラク
ション制御開始予測条件が満たされたとき電動モータを
始動させた場合に、その後トラクション制御開始予測条
件が満たされなくなれば停止させるのである。 (14)当該ブレーキ液圧制御装置が、当該ブレーキ液
圧制御装置を搭載した車両の実際の加速度が、その車両
の駆動源の駆動トルクに基づいて推定された推定加速度
より大きい場合に、当該車両が下り坂走行中であるとす
る下り坂走行検出装置を含み、前記事前モータ始動手段
が、前記下り坂走行検出装置によって下り坂走行状態が
検出されたことを前記前兆の少なくとも1つとして、前
記電動モータを始動させる下り坂走行中モータ始動手段
を含む(12)項または(13)項に記載のブレーキ液圧制御装
置。下り坂走行中においては、ブレーキ操作部材が操作
されることが多いため、下り坂走行中であると検出され
た場合に前兆が生じたとして電動モータが始動させられ
れば、ブレーキの増圧遅れを小さくすることができる。
上記下り坂走行中検出装置は、実加速度取得装置と推定
加速度取得装置とを含むものとするとができる。実加速
度取得装置は、加速度センサを含むものとしたり、
車輪速センサと、車輪速センサによって検出された車輪
速度に基づいて加速度を演算により求める加速度演算手
段とを含むものとしたりすることができる。車輪速度に
基づいて推定車体速度を求め、推定車体速度の単位時間
当たりの変化速度が実加速度とされるのである。推定加
速度取得装置は、例えば、車両の駆動源の駆動トルクに
基づいて加速度を推定する装置とすることができる。
〔発明の実施の形態〕項において説明するように、車両
の駆動源から出力される駆動トルクFから道路負荷トル
クF′を引いた値を車両重量Mで除した値{(F−
F′)/M}が推定加速度とされる。駆動源は、エンジ
ン等の内燃機関と電動モータとの少なくとも一方を含む
ものであるが、駆動トルクは、これらの駆動トルクの和
として取得される。車両が平坦な路面を走行している場
合には、実加速度と推定加速度とは実質的に同じにな
る。それに対して、上り坂走行中においては、実加速度
の方が小さくなり、下り坂走行中においては、実加速度
の方が大きくなる。これを利用すれば、下り坂走行中か
否かを検出することができる。 (15)前記下り坂走行中モータ始動手段が、前記下り
坂走行状態の検出に加えて、アクセル操作部材の操作が
解除されたことを前記前兆の一つとして、前記電動モー
タを始動させる下り坂走行中アクセル解除時モータ始動
手段と、前記下り坂の勾配が設定傾斜勾配より大きいこ
とが検出されたことを前記前兆の1つとして前記電動モ
ータを始動させる急勾配下り坂走行中モータ始動手段と
の少なくとも一方を備えた下り坂走行中モータ始動手段
を含む(14)項に記載のブレーキ液圧制御装置。下り坂走
行中アクセル解除時モータ始動手段によれば、下り坂走
行中にアクセル操作部材の操作が解除された場合に、電
動モータが始動させられるようにすることができる。ア
クセル操作部材の操作が解除された場合には、エンジン
ブレーキを利用して車両の走行速度を小さくする意図が
運転者にあると推定し得るため、その後、ブレーキ操作
部材が操作される確率が高くなる。また、急勾配下り坂
走行中モータ始動手段によれば、下り坂の勾配が設定傾
斜勾配より大きいことが検出された場合に電動モータが
始動させられるようにすることができる。勾配が大きい
場合は小さい場合より、ブレーキ操作部材が操作される
可能性が高い。坂の勾配は、例えば、前述の実加速度と
推定加速度との差が大きいほど急勾配であると検出する
ことができる。 (16)前記ポンプ装置に複数のブレーキシリンダがそ
れぞれ分岐通路により並列に接続されるとともに、各分
岐通路からさらに分岐して前記低圧源に至る減圧通路の
各々に前記電磁液圧制御弁が設けられ、かつ、前記分岐
通路の各々の、前記減圧通路の分岐点よりポンプ装置側
の部分にそれぞれ絞り装置が設けられた(1) 項ないし(1
5)項のいずれか1つに記載のブレーキ液圧制御装置。
項に記載のブレーキ液圧制御装置においては、複数のブ
レーキシリンダの液圧を互いに異なる大きさに制御する
ことができる。例えば、1つのブレーキシリンダに対応
する電磁液圧制御弁が作動液の流出を許容する流出許容
状態にされれば、そのブレーキシリンダに対応する絞り
装置よりポンプ装置側と電磁液圧制御弁側とに液圧差が
生ずる。それに対し、電磁液圧制御弁が流出許容状態に
されていない絞り装置の前後には液圧差は生じない。電
磁液圧制御弁が流出許容状態にされていないブレーキシ
リンダの液圧はポンプ装置の吐出圧と実質的に等しいの
に対し、電磁液圧制御弁が流出許容状態にされたブレー
キシリンダの液圧はポンプ装置の吐出圧より低くなるの
である。そして、そのブレーキシリンダの液圧とポンプ
装置の吐出圧との差は、電磁液圧制御弁に供給される電
気エネルギの大きさによって決まる。したがって、ポン
プ装置の吐出圧を、複数のブレーキシリンダの液圧のう
ちで最大のもの(複数であってもよい)に応じた大きさ
に制御し、他のブレーキシリンダの各々に対応する電磁
液圧制御弁への電気エネルギを制御すれば、複数のブレ
ーキシリンダの液圧を互いに独立に制御することができ
るのである。 (17)前記制御装置が、前記電動モータを、複数のブ
レーキシリンダの目標液圧のうちの最大値に基づいて制
御する最大目標液圧対応モータ制御装置を含む(16)項に
記載のブレーキ液圧制御装置。例えば、ポンプ装置の吐
出圧が目標液圧の最大値と同じ大きさとなるように電動
モータが制御され、かつ、必要に応じて電磁液圧制御弁
が作動させられれば、上記のように、複数のブレーキシ
リンダすべての液圧を目標液圧に近づけることができ
る。電動モータは、ポンプ装置の吐出圧が、目標液圧の
最大値より余裕値分大きさとなるように制御することも
可能である。この場合には、目標液圧が最大であるブレ
ーキシリンダに対応する電磁液圧制御弁も作動させられ
ることが必要になるが、液圧の制御精度がよくなること
が多い。 (18)前記ポンプ装置に複数のブレーキシリンダがそ
れぞれ分岐通路により並列に接続されるとともに、各分
岐通路からさらに分岐して前記低圧源に至る減圧通路の
各々に前記電磁液圧制御弁が設けられ、かつ、当該ブレ
ーキ液圧制御装置が、前記分岐通路の各々の、前記減圧
通路の分岐点よりポンプ装置側の部分にそれぞれ設けら
れ、前記ポンプから吐出された作動液のブレーキシリン
ダ各々への流入を許容する流入許容状態と、流入を阻止
する流入阻止状態とに切り換え可能なポンプ遮断弁を含
み、前記制御装置が、前記複数のブレーキシリンダのう
ちの一部のブレーキシリンダの液圧の要求減圧勾配が、
予め定められた設定減圧勾配以上で、他のブレーキシリ
ンダの液圧の要求液圧変化勾配が、前記設定減圧勾配よ
り増圧側である場合に、その一部のブレーキシリンダに
対応するポンプ遮断弁を流入阻止状態に切り換えるポン
プ遮断弁制御手段を含む(1) 項ないし(17)項のいずれか
1つに記載のブレーキ液圧制御装置。本項に記載のブレ
ーキ液圧制御装置においては、ポンプ遮断弁が流入許容
状態において前記(16)項における絞り装置の機能を果た
す。ポンプ遮断弁が流入許容状態に保たれた状態で電磁
液圧制御弁が制御されることによって液圧が減少させら
れ得、複数のブレーキシリンダの液圧が独立に制御可能
なのである。それに対し、要求減圧勾配が設定減圧勾配
以上のブレーキシリンダについては、ポンプ遮断弁が流
入阻止状態に切り換えられることによってポンプ装置か
ら遮断された状態で、電磁液圧制御弁の制御により減圧
される。上記のように、ポンプ遮断弁が流入許容状態に
ある状態でもブレーキシリンダの減圧は可能であるが、
特に大きな減圧勾配が要求される場合には、その要求に
応えることが困難であり、減圧遅れが生じる。そこでポ
ンプ遮断弁によりポンプ装置からの作動液の流入が遮断
され、減圧勾配が大きくされて減圧遅れの発生が抑制さ
れるのである。ポンプ遮断弁は、ブレーキシリンダに供
給される作動液の液圧を制御する必要がないため、単な
る電磁開閉弁でよい。なお、保持制御対象であるブレー
キシリンダがある場合には、そのブレーキシリンダにつ
いては、ポンプ装置からも低圧源からも遮断することが
望ましい。液圧を一定に安定に保つためには、ブレーキ
シリンダにおける作動液の流出・流入を阻止することが
望ましいからである。この場合に、ポンプ遮断弁と電磁
液圧制御弁との両方を遮断状態とすれば、簡単に目的を
達し得る。 (19)前記ポンプ装置が、上限吐出圧が小さく吐出流
量が大きい低圧用ポンプと上限吐出圧が大きく吐出流量
が小さい高圧用ポンプとを含む(1) 項ないし(18)項のい
ずれか1つに記載のブレーキ液圧制御装置。ポンプ装置
を低圧用ポンプと高圧用ポンプとの両方を含むものとす
れば、比較的軽量で安価なポンプ装置により、広い範囲
の吐出流量や吐出圧の要求を満たすことができる。 (20)ブレーキシリンダの液圧を制御するブレーキ液
圧制御装置であって、予め定められた保持条件が満たさ
れた場合にブレーキシリンダの液圧を保持する保持制御
手段と、運転者が前記ブレーキシリンダ液圧の保持継続
を希望すると推定された場合に、前記保持条件を緩くす
る保持条件緩和手段とを含むブレーキ液圧制御装置。保
持条件緩和手段は、運転者が液圧の保持継続を希望する
ことを推定する保持継続希望推定手段を含むものとする
ことができる。前述のように、車両が停止状態にある場
合、要求液圧変化勾配が小さい場合等に保持の継続が希
望されると推定され、(7) 項ないし(11)項のいずれか1
つに記載のように保持条件が緩和される。従来のブレー
キ液圧制御装置においては行われる予定でない場合に保
持制御が行われることも保持条件の緩和に含まれる。ま
た、ブレーキ液圧制御装置は、ブレーキシリンダ液圧
を、前述のように、増圧専用のポンプ装置の制御と減圧
用電磁液圧制御弁の制御とによって制御するものであっ
ても、増圧用電磁液圧制御弁の制御を加えて制御するも
のであっても、増圧用ポンプおよび減圧用ポンプの制御
によって制御するものであってもよい。さらに、増圧
用,減圧用の電磁開閉弁の制御によって制御するするも
のであってもよいのである。
【0004】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態である
ブレーキ液圧制御装置を備えたブレーキ装置について図
面に基づいて詳細に説明する。図3において、10はブ
レーキ操作部材としてのブレーキペダルであり、12は
マスタシリンダである。マスタシリンダ12は2つの加
圧室を備えたタンデム式のものであり、一方の加圧室に
は液通路14を介して左前輪16のホイールシリンダ1
8が接続され、他方の加圧室には液通路20を介して右
前輪22のホイールシリンダ24が接続されている。本
実施形態においては、1つの加圧室に1つのホイールシ
リンダがそれぞれ接続されることになる。液通路14,
20の途中には、それぞれマスタ遮断弁26,28が設
けられている。マスタ遮断弁26,28は、コイルのO
N,OFFにより、ホイールシリンダをマスタシリンダ
12から遮断する遮断状態と、マスタシリンダ12に連
通させる連通状態とに切り換え可能なものである。液圧
制御中は電流が供給されることにより遮断状態に保たれ
るが、非液圧制御中は電流が供給されないことにより連
通状態に保たれる常開弁であり、電気系統の異常時には
連通状態に戻される。
【0005】本ブレーキ装置にはポンプ装置30が設け
られている。ポンプ装置30は、低圧源としてのマスタ
リザーバ31,2つのポンプ32,34、逆止弁35,
36等を含むものである。2つのポンプ32,34は、
図に示すように、互いに並列に配設されており、一方の
ポンプ32は、最大吐出圧が大きく、単位時間当たりの
最大吐出量が小さい高圧小容量型のギヤポンプ(以下、
高圧ポンプ32と称する)であり、他方のポンプ34
は、最大吐出圧が小さく、最大吐出量が大きい低圧大容
量型のギヤポンプ(以下、低圧ポンプ34と称する)で
ある。高圧ポンプ32は高圧用モータ38によって作動
させられ、低圧ポンプ34は低圧用モータ40によって
作動させられる。また、逆止弁35は、低圧ポンプ34
の吐出圧が高圧ポンプ32に作用しないようにするもの
であり、逆止弁36は、逆に、高圧ポンプ32の吐出圧
が低圧ポンプ34に作用しないようにするものである。
さらに、図示しないが、低圧ポンプ34,高圧ポンプ3
2の各々と並列に、各々のポンプの最高吐出液圧をリリ
ーフ圧とするリリーフ弁が設けられている。低圧用モー
タ40,高圧用モータ38を制御することにより、低圧
ポンプ34,高圧ポンプ32を含むポンプ装置30から
吐出される作動液の吐出圧や吐出流量等を調整すること
ができる。なお、低圧ポンプ34,高圧ポンプ32の両
方をギヤポンプとすることは不可欠ではなく、少なくと
も一方を、プランジャポンプとすることもできる。ま
た、逆止弁36を電磁開閉弁とすれば、低圧ポンプ34
の逆回転によりホイールシリンダ液圧を制御することが
可能となる。
【0006】上記ポンプ装置30の吐出側からは、ポン
プ通路42が延び出させられている。ポンプ通路42は
途中から分岐させられ、分岐通路44各々の先端に、そ
れぞれ、前述の左右前輪16,22のホイールシリンダ
18,24、左右後輪46,48のホイールシリンダ5
0,52が取り付けられている。ポンプ装置30には、
ホイールシリンダ18,24,50,52が並列に接続
されているのである。分岐通路44の途中には、それぞ
れ、ホイールシリンダとポンプ装置30とを連通させた
り、遮断したりするポンプ遮断弁54が設けられてい
る。ポンプ遮断弁54は、電流が供給されない場合は開
状態に保たれる常開弁である。また、前輪側の分岐通路
44のポンプ遮断弁54よりホイールシリンダ18,2
4側の分岐点55から減圧通路56がマスタリザーバ3
1に至るまで延び出させられ、この減圧通路56に減圧
用電磁液圧制御弁58が設けられている。同様に、後輪
側の分岐通路44のポンプ遮断弁54よりホイールシリ
ンダ50,52側の分岐点59から減圧通路60がマス
タリザーバ31に至るまで延び出させられ、この減圧通
路60に減圧用電磁液圧制御弁62が設けられている。
減圧用電磁液圧制御弁58,62については後述する。
【0007】このように、本実施形態においては、分岐
通路44の各々にポンプ遮断弁54が設けられているた
め、ホイールシリンダ18,24,50,52の液圧を
異なる大きさに制御することが可能となる。ポンプ遮断
弁54は開状態にある場合に絞り装置としての機能を有
するため、ポンプ遮断弁54の前後に液圧差が生じるこ
とが許容される。そして、ポンプ装置54よりホイール
シリンダ側に減圧用電磁液圧制御弁58,62が設けら
れているため、ホイールシリンダの液圧を独立に制御す
ることが可能なのである。すなわち、減圧用電磁液圧制
御弁58,62の制御により、分岐通路44のポンプ遮
断弁44のホイールシリンダ側の液圧が、ポンプ装置3
0側の液圧より高くなる場合と低くなる場合とがあるの
であり、ホイールシリンダ側の液圧を減圧用電磁液圧制
御弁58,62の制御により、独立に制御することがで
きるのである。
【0008】また、ホイールシリンダ18,24には、
マスタシリンダ12とポンプ装置30との両方が接続さ
れているが、ホイールシリンダ50,52には、ポンプ
装置30は接続されているが、マスタシリンダ12が接
続されていない。換言すれば、マスタシリンダ12とポ
ンプ装置30との両方に接続されたマスタ圧作動ホイー
ルシリンダ18,24に対する減圧用電磁液圧制御弁5
8が常閉弁とされ、マスタシリンダ12に接続されない
がポンプ装置30に接続された動力圧作動ホイールシリ
ンダ50,52に対する減圧用電磁液圧制御弁62が常
開弁とされているのである。本実施形態においては、マ
スタ圧作動ホイールシリンダ18,24に対応する減圧
用電磁液圧制御弁58を常閉弁とし、動力圧作動ホイー
ルシリンダ50,52に対応する減圧用電磁液圧制御弁
62を常開弁とすることにより、引きずりを防止しつつ
電気系統の異常時にブレーキを作動させることが可能と
されているのである。
【0009】前記液通路20の途中には、ストロークシ
ミュレータ70が設けられ、ホイールシリンダ18,2
4,50,52がマスタシリンダ12から遮断されてポ
ンプ装置30に接続された場合に、ブレーキペダル10
のストロークが極端に短くなることが回避される。スト
ロークシミュレータは、液通路14側に設けても、ブレ
ーキペダル10とマスタシリンダ12との間に設けて
も、これら3か所のうちの2か所以上に設けてもよい。
また、ブレーキペダル10のストロークを検出するスト
ロークセンサ71,マスタシリンダ12の液圧を検出す
るマスタ圧センサ72,ポンプ装置30の吐出圧を検出
するポンプ圧センサ74,各ホイールシリンダ18,2
4,50,52の液圧を検出するホイールシリンダ圧セ
ンサ75〜78がそれぞれ設けられている。なお、後述
するが、ストロークセンサ71とマスタ圧センサ72と
の両方を設けることは不可欠ではなく、いずれか一方を
設けるだけでもよい。
【0010】図4に示す減圧用電磁液圧制御弁58は、
シーティング弁82と、電磁駆動力発生装置84とを含
んでいる。シーティング弁82は、弁子90と、弁座9
2と、弁子90と一体的に移動する被電磁付勢体94
と、弁子90が弁座92に着座する向きに被電磁付勢体
94を付勢する付勢装置としての弾性部材としてのスプ
リング96とを含んでいる。また、電磁駆動力発生装置
84は、コイル100と、そのコイル100を保持する
樹脂製の保持部材102と、第一磁路形成体104と、
第二磁路形成体106とを含んでいる。コイル100が
励磁されると磁界が形成される。磁束は、その多くが、
第一磁路形成体104,被電磁付勢体94,被電磁付勢
体94と第二磁路形成体106との間のエアギャップお
よび第二磁路形成体106を通る。
【0011】コイル100に供給される電流を変化させ
れば、被電磁付勢体94と第二磁路形成体106との間
に作用する磁気力が変化する。この磁気力の大きさは、
コイル100に供給される電流の大きさと共に増加し、
それら電流と磁気力との関係は予め知ることができる。
したがって、供給電流をその関係に従って連続的に変化
させることにより、被電磁付勢体94を付勢する力(上
述の磁気力のうちの被電磁付勢体94を第二磁路形成体
106に接近させる向きの力のことであり、以下、スプ
リング96の付勢力と区別するために電磁駆動力Fs と
称する。電磁駆動力は、スプリング96の付勢力Fk と
は反対向きの力であり、弁子90を弁座92から離間さ
せる向きの力である。)の大きさを変更することができ
る。
【0012】上述のように、減圧用電磁液圧制御弁58
には、電磁駆動力Fs とスプリング96の付勢力Fk と
が作用するが、これらの他に、弁子90を弁座92から
離間させる方向に入力側ポート108と出力側ポート1
09との間の液圧差に応じた差圧作用力Fp が作用す
る。電磁駆動力Fs と差圧作用力Fp との和が、スプリ
ング96の付勢力Fk より大きい状態(Fs +Fp >F
k )においては、弁子90が弁座92から離間させられ
た開状態が保たれる。逆に、電磁駆動力Fs と差圧作用
力Fp との和が、スプリング96の付勢力Fk より小さ
い状態(Fs +Fp <Fk )においては、弁子90が弁
座92に着座させられる閉状態に保たれる。スプリング
96は、付勢力Fk が大きい(ポンプ装置30の最大出
力液圧より大きい)ものであるため、電磁駆動力が0の
場合は閉状態に保たれるのであり、減圧用電磁液圧制御
弁58は常閉弁なのである。
【0013】本実施形態においては、減圧用電磁液圧制
御弁58のコイル100に供給されれる電流は連続的に
制御され、ホイールシリンダ18,24の液圧が制御さ
れる。減圧用電磁液圧制御弁58における入力側ポート
108と出力側ポート109との差圧は、ホイールシリ
ンダ18,24の液圧とマスタリザーバ31の液圧との
差圧に対応するが、マスタリザーバ31の液圧は大気圧
であるとみなすことができるため、ホイールシリンダ1
8,24の液圧に対応する大きさになる。したがって、
電磁駆動力Fs の制御により、差圧作用力Fp を制御す
ることが可能となり、ホイールシリンダ液圧を制御する
ことができるのであり、電磁駆動力を大きくすれば、ホ
イールシリンダ18,24の液圧が小さくされる。コイ
ル100に供給される電流が、ホイールシリンダ液圧が
目標液圧に近づくように制御されるのである。
【0014】図5に示す減圧用電磁液圧制御弁62は、
減圧用電磁液圧制御弁58と同様に、シーティング弁1
30と電磁駆動力発生装置132とを含むものである。
シーティング弁130は、弁座134と、弁座134に
着座・離間可能に設けられた弁子136と、弁子136
を弁座134から離間させる向き付勢する付勢装置とし
ての弾性部材としてのスプリング138と、弁子136
を駆動する駆動部材140と、被電磁付勢体142とを
含むものである。駆動部材140,弁子136および被
電磁付勢体142は、一体的に移動可能とされている。
【0015】電磁駆動力発生装置132は、コイル14
4と、コイル144を保持する保持部材145と、第一
磁路形成体146と、減圧用電磁液圧制御弁62の本体
に固定の第二磁路形成部材148とを含むものである。
コイル144が励磁されると、第一磁路形成体146,
被電磁付勢体142,被電磁付勢体142と第二磁路形
成体148との間のギャップ,第二磁路形成体148を
通る磁界が形成され、被電磁付勢体142を第二磁路形
成部材148に接近させる向きの電磁駆動力が発生させ
られる。その電磁駆動力により、被電磁付勢体142が
第二磁路形成体148に接近させられれば、弁子136
が弁座134に接近させられる。電磁駆動力が0にされ
れば、スプリング138の付勢力により、弁子136が
弁座134から離間させられ、開状態に保たれる。
【0016】この減圧用電磁液圧制御弁62において
は、電磁駆動力Fs が差圧作用力Fpとスプリング13
8の付勢力Fk との和より小さい場合(Fs <Fp +F
k )に開状態に保たれるが、スプリング138の付勢力
は非常に小さいため、無視することも可能である。電磁
駆動力Fs が0の場合には、開状態に保たれるのであ
り、減圧用電磁液圧制御弁62は常開弁なのである。逆
に、電磁駆動力Fs が差圧作用力Fp とスプリング13
8の付勢力Fk との和より大きい場合(Fs >Fp+Fk
)に閉状態に保たれる。電磁駆動力を小さくすれば、
ホイールシリンダ50,52の液圧を小さくすることが
できる。本実施形態においては、供給電流の制御によ
り、ホイールシリンダ液圧が目標液圧に近づくように、
制御される。
【0017】本液圧ブレーキ装置には、PU152,R
AM153,ROM154,入力部155,出力部15
6を含むコンピュータを主体とするブレーキ液圧制御装
置160が設けられている。ブレーキ液圧制御装置16
0の入力部155には、前述の、ストロークセンサ7
1,マスタ圧センサ72、ポンプ圧センサ74,ホイー
ルシリンダ圧センサ75〜78の他、各車輪の回転速度
を検出する車輪速センサ162〜165,ブレーキペダ
ル10が踏み込まれたことを検出するブレーキスイッチ
166,図示しないアクセルペダルが踏み込まれた状態
にあるか否かを検出するアクセル操作状態検出装置とし
てのスロットルセンサ168,図示しないステアリング
ホイールの操舵角を検出する操舵角センサ170,当該
ブレーキ装置が搭載された車両のヨーレイトを検出する
ヨーレイトセンサ172が接続されるとともに、当該ブ
レーキ装置が搭載された車両の駆動源を制御する駆動制
御装置174が接続されている。出力部156には、前
述の各電磁制御弁のコイルが図示しない駆動回路を介し
て接続されるとともに、高圧用モータ38,低圧用モー
タ40がそれぞれ駆動回路176,178を介して接続
されている。ROM154には、図6のフローチャート
で表される電磁液圧制御弁等制御プログラム,フローチ
ャートの図示は省略するが、通常制動時ブレーキ液圧制
御プログラム,緊急制動時ブレーキアシスト制御プログ
ラム,アンチロック制御プログラム,ビークルスタビリ
ティ制御プログラム,ポンプモータ制御プログラム等種
々のプログラムや図8,13のマップで表されるテーブ
ル等が格納されている。
【0018】ブレーキペダル10の踏力は、ストローク
センサ71,マスタ圧センサ72の検出結果に基づいて
取得される。ファーストフィルの影響で、ブレーキペダ
ル10の踏み込み開始当初においては、マスタシリンダ
12の液圧の増圧遅れが生じる。そのため、低圧領域に
おいては、ストロークセンサ71の検出結果に基づいて
踏力が取得され、高圧領域においては、マスタ圧センサ
72の検出結果に基づいて取得されるのである。また、
ストロークセンサ71とマスタ圧センサ72とのいずれ
か一方に異常が生じた場合は他方の検出結果に基づいて
踏力が検出される。さらに、車輪速センサ162〜16
5によって検出された車輪速度、これら車輪速度に基づ
いて取得された推定車体速度等に基づいて各車輪16,
22,46,48の制動スリップ状態が取得され、制動
スリップ状態に基づいてアンチロック制御が行われる。
また、車輪速度に基づいて取得された推定車体速度の単
位時間当たりの変化速度が実加速度とされる。本実施形
態においては、車輪速センサ162〜165が加速度セ
ンサも兼ねるのである。さらに、操舵角センサ170,
ヨーレイトセンサ172によって検出された検出結果等
に基づいてビークルスタビリティ制御が行われる。
【0019】駆動制御装置174からは、車両に加えら
れる駆動トルクの大きさを表す情報が供給される。車両
の駆動源は、内燃機関としてのエンジンと電動モータと
の少なくとも一方を含むものであり、これらの駆動トル
クの和が車両に加えられる駆動トルクとされる。また、
駆動回路176,178は、図示は省略するが、制御用
駆動回路と、印加電圧増大駆動回路とを含むものであ
り、通常は、制御用駆動回路により制御された電圧が高
圧用,低圧用モータ38,40に印加されるが、要求液
圧増圧勾配が設定増圧勾配より大きい場合には、印加電
圧増大駆動回路を介してバッテリの電圧より大きな電圧
が印加される。印加電圧増大駆動回路は、例えば、コイ
ル,コンデンサ,トランジスタ等のスイッチ等を含む電
気回路としたり、DC−DCコンバータを含むものとし
たり、昇圧コンバータを含むものとしたりすることがで
きる。
【0020】以上のように構成されたブレーキ装置にお
ける作動について説明する。ブレーキペダル10が踏み
込まれると、通常制動時ブレーキ液圧制御プログラムが
実行される。通常制動時ブレーキ液圧制御プログラムの
実行によって目標ホイールシリンダ液圧(以下、単に目
標液圧と称する)が求められるが、目標液圧は、ブレー
キペダル10の踏力に応じた大きさとされる。そして、
その目標液圧と実際のホイールシリンダ(以下、単に実
液圧と称する)との差が小さくなるように、ポンプ装置
30や減圧用電磁液圧制御弁58,62が制御される。
本実施形態においては、マスタ遮断弁26,28が遮断
状態に、ポンプ遮断弁54が連通状態に保たれた状態
で、ポンプ装置30の制御と減圧用電磁液圧制御弁5
8,62の制御とにより(低圧用モータ40,高圧用モ
ータ38の制御と、コイル100,144への供給電流
の制御とにより)、ホイールシリンダ18,24,5
0,52の液圧が共通に制御されるのである。
【0021】制動スリップが路面の摩擦係数に対して過
大となるとアンチロック制御が行われる。各車輪16,
22,46,48の制動スリップ状態が適正状態に保た
れるように、各ホイールシリンダ18,24,50,5
2の目標液圧が、アンチロック制御プログラムの実行に
より求められる。本実施形態においては、マスタ遮断弁
26,28が遮断状態に切り換えられ、ポンプ装置30
および減圧用電磁液圧制御弁58,62が制御されると
ともに、ポンプ遮断弁54が制御される。ポンプ遮断弁
54が、急減圧制御,保持制御が行われる場合は閉状態
に保たれ、緩減圧制御,増圧制御が行われる場合は開状
態に保たれるのである。
【0022】車両の旋回状態が設定状態を越えると、ビ
ークルスタビリティ制御が行われる。ビークルスタビリ
ティ制御プログラムの実行により、操舵角センサ17
0,ヨーレイトセンサ172の検出結果等に基づいて取
得されたスピンバリュー,ドリフトアウトバリューが予
め定められた設定値SVS ,SVD を越えると、スピ
ン,ドリフトアウトを抑制する方向のヨーイングモーメ
ントが発生するように、各ホイールシリンダの目標液圧
が求められる。本実施形態においては、ポンプ装置3
0,減圧用電磁液圧制御弁58,62が制御されるとと
もに、ポンプ遮断弁54が制御される。
【0023】ブレーキペダル10の操作速度が予め定め
られた設定速度より大きい場合には、緊急制動時ブレー
キアシスト制御が行われる。緊急制動時ブレーキアシス
ト制御プログラムの実行により、各ホイールシリンダ1
8,24,50,52の目標液圧が操作速度に応じた大
きさに決められる。各ホイールシリンダの目標液圧の大
きさは同じ大きさとされる。
【0024】液圧制御が終了した場合には、マスタ遮断
弁26,28が連通状態に戻され、減圧用電磁液圧制御
弁58,62のコイル100,144への供給電流が0
にされる。マスタ圧作動ホイールシリンダ18,24の
作動液は、マスタ遮断弁26,28を経てマスタリザー
バ31に戻され、動力圧作動ホイールシリンダ50,5
2の作動液は、減圧用電磁液圧制御弁62を経て戻され
る。電気系統に異常が生じた場合には、非通電状態とさ
れる。マスタ遮断弁26,28が連通状態に戻されると
ともに、減圧用電磁液圧制御弁58が遮断状態に、減圧
用電磁液圧制御弁62が連通状態に戻される。マスタ圧
作動ホイールシリンダ18,24は、ポンプ装置30か
ら遮断されてマスタシリンダ12に連通させられる。減
圧用電磁液圧制御弁58は遮断状態にあるため、ホイー
ルシリンダ18,24には、マスタシリンダ12の作動
液が供給されることによりブレーキが作動させられる。
ポンプ遮断弁54は連通状態に戻されるが、逆止弁3
5,36によってホイールシリンダの作動液がポンプ装
置30を経てマスタリザーバ31に戻されることが回避
される。
【0025】ポンプ装置30は、ポンプ装置制御プログ
ラムの実行に従って制御される。本実施形態において
は、図13に示すように、低圧用モータ40の制御によ
り低圧ポンプ34から吐出される作動液の吐出圧および
吐出流量(吐出流量等と略称する)が、領域1の範囲内
において制御される。高圧用モータ38の制御が加えら
れることにより、高圧ポンプ32および低圧ポンプ34
からの吐出流量等が、領域2の範囲内において制御され
る。領域3の範囲で表される状態は、低圧用モータ40
と高圧用モータ38との少なくとも一方への印加電圧を
バッテリ電圧より大きくすること等によって実現するこ
とが可能となるが、この場合には、ポンプ装置30の吐
出流量等が最大にされるのであり、これらを制御するこ
とは困難である。
【0026】本実施形態においては、通常制動時ブレー
キ液圧制御,緊急制動時ブレーキ液圧制御等の共通液圧
制御が行われる場合には、ポンプ圧センサ74によって
検出されるポンプ装置30から出力される作動液の吐出
圧(以下、ポンプ圧と称する)が、目標液圧に近づくよ
うに、低圧用モータ40と高圧用モータ38との少なく
とも一方が、図13に示すマップに従って制御される。
ブレーキペダル10の操作力が比較的小さい場合には、
低圧用モータ40が制御され、操作力が大きくなると、
高圧用モータ38の制御も加えられるのである。また、
アンチロック制御,ビークルスタビリティ制御等の独立
液圧制御が行われる場合には、ポンプ圧が、ホイールシ
リンダ18,24,50,52の目標液圧の最大値に近
づくように制御される。ポンプ圧が目標液圧の最大値と
されれば、すべてのホイールシリンダ18,24,5
0,52の液圧を目標液圧に近づけることが可能とな
る。さらに、要求液圧変化勾配(今回の目標液圧から前
回の目標液圧を引いた値)が設定増圧勾配以上である場
合には、高圧用モータ38および低圧用ポモータ40へ
の印加電圧がバッテリの電圧以上とされる。高圧ポンプ
32,低圧ポンプ34の吐出能力が最大とされ、ホイー
ルシリンダ液圧の増圧勾配を大きくすることができる。
【0027】上記ポンプ装置30および前述のポンプ遮
断弁54,減圧用電磁液圧制御弁58,62は、図6の
フローチャートで表される電磁液圧制御弁等制御プログ
ラムの実行に従って制御される。ステップ1(以下、S
1と略称する。他のステップについても同様とする。)
において、液圧制御中か否かが判定される。本実施形態
においては、少なくとも1輪のブレーキシリンダの目標
液圧が0より大きいか否かが判定される。前述のよう
に、目標液圧は、液圧制御プログラム(通常制動時ブレ
ーキ液圧制御プログラム等の総称である)の実行に従っ
て決定されるため、0以上の目標液圧がある場合には、
液圧制御中であるとすることができる。
【0028】液圧制御中でない場合には、近い将来、増
圧条件が満たされると予測し得る事態が発生したか否か
が検出される。本実施形態においては、ブレーキペダル
10が踏み込まれた場合に、増圧条件が満たされて増圧
指令が発せられるため、ブレーキペダル10が踏み込ま
れる前兆が生じたか否かが検出されるのである。下り坂
走行中であって、アクセルペダルが踏み込まれていない
状態は、近い将来、ブレーキペダル10が踏み込まれる
前兆とされて、低圧用モータ40が始動させられる。そ
れにより、現実にブレーキペダル10が踏み込まれた場
合にブレーキの効き遅れを抑制することができる。本実
施形態においては、S2,3において、当該車両が下り
坂走行中か否か、アクセルペダルが踏み込まれていない
か否かが判定される。いずれの判定もYESの場合に
は、S4において低圧用モータ40の駆動が開始され、
いずれか一方の判定がNOの場合には、S5において、
終了処理が行われる。S5は、液圧制御が終了した場合
にも実行されるが、開始される以前にも実行されるので
あり、電磁開閉弁26,28が開状態に戻されるととも
に、ポンプ遮断弁54が開状態に戻され、減圧用電磁液
圧制御弁58,62の各コイル100,144への印加
電圧が0とされ、ポンプ装置30の作動が停止させられ
る。また、各パラメータ等の初期化が行われる。下り坂
走行中であり、アクセルペダルが踏み込まれていない状
態が継続される間、低圧用モータ40が駆動させられる
が、走行路面が下り坂でなくなった場合、アクセルペダ
ルが踏み込まれた場合には、S5において、低圧用モー
タ40の回転が停止させられる。
【0029】下り坂走行中か否かの判定は、図7のフロ
ーチャートで表される下り坂走行中判定プログラムの実
行によって行われる。S21において、各車輪速センサ
162〜165の出力結果に基づいて推定車体速度が取
得され、その推定車体速度の単位時間当たりの変化速度
が実加速度αとされる。S22において、駆動制御装置
174から供給された駆動トルクFを表す情報に基づい
て推定加速度α′が求められる。推定加速度α′は、式 α′=(F−F′)/M から求められる値であり、Mは車両重量で、F′は、道
路負荷トルクで、図8で示すマップで表されるように、
車両速度が大きいと曲線的に大きくなる。車両速度が大
きいと路面から受ける負荷が大きくなり、実質的に駆動
トルクが小さくなると推定されるからである。
【0030】実加速度αと推定加速度α′とが同じ大き
さである場合には、平坦路面を走行中であるとされ、実
加速度αの方が小さい場合には上り坂走行中であるとさ
れ、実加速度αの方が大きい場合は下り坂走行中である
とされる。S23において、実加速度αが推定加速度
α′より大きいか否かが判定される。大きい場合は、判
定がYESとなり、S24において、下り坂走行中であ
るとされるのである。駆動トルクFは、駆動源がエンジ
ンと電動モータとの両方を含むものである場合には、こ
れらの両方の作動状態に基づいて取得され、いずれか一
方を含むものである場合には、そのいずれか一方の作動
状態に基づいて取得される。下り坂走行中で、かつ、ア
クセル操作部材の操作が解除されている場合に、低圧用
モータ40が始動されれば、図15に示すように、ブレ
ーキペダル10が踏み込まれた場合に、直ちにホイール
シリンダ液圧を増圧させることができ、増圧遅れを小さ
くすることができる。
【0031】それに対して、液圧制御中である場合に
は、S1における判定がYESとなり、S6において車
両が停止状態にあるか否かが判定される。このステップ
においては、推定車体速度が予め定められた設定速度よ
り小さいか否かが判定されるのである。液圧制御開始当
初においては、たいていの場合は判定がNOとなり、S
7において、液圧制御プログラム等の実行により決定さ
れた目標液圧が読み込まれ、要求液圧変化勾配ΔPref
が求められる。S8において、要求液圧変化勾配ΔPre
f が予め定められた設定増圧勾配より大きいか否か判定
される。ブレーキペダル10の踏み込み開始時には、要
求液圧変化勾配ΔPref が設定増圧勾配より大きくなる
ことが多く、判定がYESとなり、S9において、低圧
用モータ40,高圧用モータ38への印加電圧がともに
バッテリの電圧より大きな値とされ、減圧用電磁液圧制
御弁58,62が閉状態に切り換えられる。図14に示
すように、印加電圧を大きくすれば、低圧用モータ4
0,高圧用モータ38の出力トルクが大きくなり、ポン
プ装置30から吐出される作動液の吐出流量等が大きく
なり、ホイールシリンダ液圧を早急に増加させることが
できる。緊急制動時,ブレーキペダル10の操作開始時
等には、要求液圧変化勾配が設定増圧勾配以上になり、
これらの場合の増圧遅れを小さくすることが可能であ
る。本実施形態においては、設定増圧勾配が、図12の
領域2における制御範囲では実現できない大きさとされ
ている。バッテリの最大電圧より大きな電圧は、要求液
圧変化勾配が大きい間、印加される。
【0032】また、低圧用モータ40,高圧用モータ3
8にバッテリの電圧以上の電圧を印加することによっ
て、ポンプ装置30からの作動液の吐出流量等を大きく
することができるため、低圧用モータ40,高圧用モー
タ38を容量の大きなものとしないで、増圧勾配を大き
くすることができる。吐出流量等のポンプの制御範囲を
広くするためには、ポンプモータの容量を大きくする必
要があり、コストアップを避け得ないが、本実施形態に
おいては、制御範囲を大きくするのではなく、大きな増
圧勾配が要求される場合のみに、ポンプから吐出される
作動液の吐出圧が最大にされるようにされている。この
場合には、吐出量や吐出圧の大きさ自体を制御すること
は不可能であるが、設定増圧勾配以上の勾配が要求され
る場合には、大きな勾配で増圧できればよく、勾配の大
きさを制御する必要性は低いのである。このようにする
ことによって、コストアップを回避しつつ、設定増圧勾
配以上の勾配でホイールシリンダ液圧を増圧させること
が可能となる。なお、要求増圧勾配が設定増圧勾配以上
である間、印加電圧を大きくするのではなく、ホイール
シリンダ液圧が予め定められた設定液圧に達するまで、
大きくするようにすることもできる。
【0033】要求液圧変化勾配が設定増圧勾配より小さ
い場合は、S8における判定がNOとなり、S10にお
いて、液圧制御が、アンチロック制御,ビークルスタビ
リティ制御のいずれかの制御であるか否かが判定され
る。これら制御はいずれも各ホイールシリンダ18,2
4,50,52の目標液圧が同じ大きさとは限らない制
御であり、独立液圧制御と称する制御である。これらの
制御でない場合、すなわち、通常制動時ブレーキ液圧制
御,緊急制動時ブレーキ液圧制御においては、各ホイー
ルシリンダ18,24,50,52の目標液圧は同じ大
きさとされるのであり、これらの制御を共通液圧制御と
称する。
【0034】共通液圧制御が行われている場合には、S
10における判定がNOとなり、S11において図9の
フローチャートで表される共通液圧制御が行われる。S
31において、目標液圧と実液圧との差である液圧偏差
ΔPが求められ、S32,33において、液圧偏差ΔP
が、図1に示す増圧領域,保持領域(不感帯),減圧領
域のいずれの領域に属するかが判定される。液圧偏差Δ
Pが保持領域に属する場合はS34において保持制御が
行われ、増圧領域に属する場合はS35において増圧制
御が行われ、減圧領域に属する場合はS36において減
圧制御が行われる。共通液圧制御においては、ポンプ遮
断弁54は開状態に保たれる。
【0035】増圧制御においては、図2に示すように、
低圧用モータ40と高圧用モータ38との少なくとも一
方の制御によってポンプ装置30の吐出圧が目標液圧に
近づくように制御されるとともに、減圧用電磁液圧制御
弁58,62が閉状態に保たれる。保持制御において
は、低圧用モータ40および高圧用モータ38が停止さ
せられるとともに、減圧用電磁液圧制御弁58,62が
閉状態に保たれる。ホイールシリンダに作動液が供給さ
れないため、ポンプ遮断弁54を閉状態に切り換えなく
ても、ホイールシリンダ液圧が増圧されることがないの
である。減圧制御においては、低圧用モータ40および
高圧用モータ38が停止させられるとともに、減圧用電
磁液圧制御弁58,62の制御により液圧偏差ΔPが0
に近づけられる。
【0036】このように、共通液圧制御においては、増
圧制御において、ホイールシリンダ液圧がポンプ装置3
0から出力される作動液の吐出流量等が制御されること
により、液圧が制御され、保持制御において、ポンプ装
置30が停止させられるとともに減圧用電磁液圧制御弁
58,62が閉状態に切り換えられることによって液圧
が保持され、減圧制御において、ポンプ装置30が停止
させられた状態で、減圧用電磁液圧制御弁58,62の
制御により液圧が制御される。このように、共通液圧制
御においては、ホイールシリンダの液圧が、ポンプ装置
30の作動状態の制御と減圧用電磁液圧制御弁58,6
2の制御とにより制御され、従来のブレーキ液圧制御装
置におけるように、増圧用電磁液圧制御弁と減圧用電磁
液圧制御弁との制御によるわけではないのである。ま
た、ポンプ遮断弁54は開状態に保たれる。換言すれ
ば、ポンプ遮断弁54は不要なのであり、ポンプ遮断弁
54を設けなれば、その分、コストダウンを図ることも
可能となる。
【0037】それに対して、アンチロック制御,ビーク
ルスタビリティ制御が行われている場合には、S10に
おける判定がYESとなり、S12において図10のフ
ローチャートで表される独立液圧制御が行われる。S4
1において、各ホイールシリンダ18,24,50,5
2の目標液圧の最大値Prefmaxが求められ、S42にお
いて、低圧用モータ40と高圧用モータ38との少なく
とも一方が、ホイールシリンダ18,24,50,52
の目標液圧の最大値Prefmaxに基づいて制御される。独
立液圧制御においては、ポンプ装置30は作動状態に保
たれるのである。S43において、要求液圧変化勾配Δ
Pref が、負の設定勾配より小さいホイールシリンダが
あるか否か、すなわち、要求減圧勾配が設定減圧勾配よ
り大きいホイールシリンダがあるか否かが判定される。
急減圧制御を行う必要があるホイールシリンダがある場
合には、S44,45において、そのホイールシリンダ
についてのポンプ遮断弁54が閉状態とされ、減圧用電
磁液圧制御弁62,58が制御されることにより、実液
圧が目標液圧に近づけられる。独立液圧制御において
は、最大目標液圧に基づいて低圧用モータ40と高圧用
モータ38との少なくとも一方が制御されるため、急減
圧制御対象のホイールシリンダはポンプ装置30から吐
出された作動液が供給されないようにすることが望まし
い。それによって、早急に減圧することが可能となる。
【0038】それに対して、急減圧制御対象でないホイ
ールシリンダについては、S46において、液圧偏差Δ
Pが求められ、S47,48において、液圧偏差ΔPが
増圧領域,保持領域,減圧領域にいずれに属するか否か
が判定される。図11に示すように、増圧領域に属する
場合には、S49において、ポンプ遮断弁54が開状態
に保たれ、減圧用電磁液圧制御弁58,62が制御され
ることにより、実液圧が目標液圧に近づけられる。ポン
プ装置30からは、前述のように、最大目標液圧の作動
液が供給されるため、減圧用電磁液圧制御弁58,62
を制御する必要がある場合があるのである。減圧用電磁
液圧制御弁58,62は閉状態に保たれる場合もある。
保持領域に属する場合には、S50において、ポンプ遮
断弁54および減圧用電磁液圧制御弁62,58が共に
閉状態に保たれる。ホイールシリンダにおける作動液の
流入,流出を阻止することにより安定的に液圧を保持す
ることが可能である。緩減圧領域に属する場合には、S
51において、ポンプ遮断弁54が開状態に保たれた状
態で、減圧用電磁液圧制御弁62,58の制御により、
実液圧が目標液圧に近づけられる。
【0039】このように、独立液圧制御においては、ポ
ンプ装置30の出力液圧が、最大目標液圧に応じた大き
さに制御されるため、急減圧制御が行われるホイールシ
リンダについてはポンプ装置30から遮断される。その
結果、大きな勾配で液圧を減少させることができ、減圧
遅れを小さくすることができる。また、保持制御が行わ
れるホイールシリンダについては、ポンプ装置30から
もマスタリザーバ31からも遮断されるため、液圧を一
定に保つことが可能となる。さらに、ポンプ遮断弁54
が絞り機能を有するため、ブレーキシリンダ間に液圧差
が生じることが許容される。
【0040】車両が停止状態になった場合には、S6に
おける判定がYESとなり、S13において、図12の
フローチャートで表される停止中制御プログラムが実行
される。S61において、増圧,保持,減圧のうちの1
つの選択を行う場合のしきい値が、しきい値EPSより
大きい値EPS′とされる。そして、S62において液
圧偏差が求められ、S63,64において、増圧領域,
保持領域,減圧領域のいずれの領域に属するかが判定さ
れる。保持領域に属する場合にはS65において保持制
御が行われ、減圧領域に属する場合にはS66において
減圧制御が行われるが、増圧領域に属する場合には、S
67において、車輪速度が殆ど0であるとみなし得る設
定速度以下か否かが判定される。設定速度より大きい場
合には、S68において増圧制御が行われるが、設定速
度より小さい場合には、S65において保持制御が行わ
れる。停止状態にある場合に、ブレーキペダル10の踏
増しが行われたにもかかわらず車輪が回転させられる場
合は、停止信号等によって停止した場合に、後続車が衝
突したおそがあるため、制動力が大きくされるのである
が、それ以外の場合には増圧する必要がないため、液圧
は一定に保たれる。このように、本当に必要な場合のみ
に増圧し、それ以外の場合には保持状態を保つことによ
り、運転者のブレーキフィーリングを向上させ、停止状
態における消費エネルギの低減を図ることが可能とな
る。
【0041】以上のように、本実施形態においては、ブ
レーキ液圧制御装置160およびマスタ圧センサ72,
ストロークセンサ71,ポンプ圧センサ74等により制
御装置が構成される。また、制御装置のうち、ブレーキ
液圧制御装置160のS8,9を実行する部分等によ
ータ制御装置が構成される。さらに、ブレーキスイッ
チ166,ストロークセンサ71,液圧制御装置160
の通常制動時ブレーキ液圧制御プログラム,緊急制動時
ブレーキ液圧制御プログラムを実行し、増圧指令を発す
る部分等により増圧指令装置が構成され、液圧制御装置
160のS2〜4を実行する部分等により、事前モータ
始動手段が構成される。事前モータ始動手段は、下り坂
走行中モータ始動手段でもある。なお、液圧制御装置1
60のS44を実行する部分等により、ポンプ遮断弁制
御手段が構成される。
【0042】なお、上記実施形態においては、停止状態
においては、増圧,減圧,保持のいずれか1つの選択が
行われる場合の液圧偏差ΔPのしきい値EPSが大きく
され、かつ、増圧が選択された場合においても、車輪速
度が小さい場合には保持が行われるようにされていた
が、停止状態において、しきい値が大きくされるだけで
もよい。停止状態においてしきい値が大きくされれば、
保持が行われやすくなり(不感帯が広くされ)同様の効
果を得ることができる。また、共通液圧制御中に、要求
液圧変化勾配が設定変化勾配以下であるとされた場合に
保持制御が行われるようにすることによっても同様の効
果を得ることができる。S11において、図16のフロ
ーチャートで表す共通液圧制御が行われることになる。
【0043】S81において、要求液圧変化勾配が設定
範囲内か否かが判定され、設定範囲内にあれば、S82
において保持制御が行われる。要求液圧変化勾配が、運
転者によるブレーキペダル10の踏込み力の無意識な変
化に起因するものであるか否かが判定されるのであり、
無意識的な変化に起因する変化の範囲内(下限しきい値
RPFL(t) 〜上限しきい値RPFU(t) )にある場合
には、要求液圧変化に伴ってホイールシリンダの液圧が
変化させられないようにされているのである。ポンプ装
置30が停止させられ、ポンプ遮断弁54が開状態に保
たれ、減圧用電磁液圧制御弁58,62が閉状態に保た
れる。
【0044】次に、S83において、保持制御が行われ
てからの経過時間が設定時間Ts を越えたかか否かが判
定される。設定時間経過前においては、設定範囲は、S
84において、(下限しきい値RPFL(1) 〜上限しき
い値RPFU(1) )のままとされるが、設定時間経過す
れば、S85において、(下限しきい値RPFL(2)〜
上限しきい値RPFU(2) )とされる。下限しきい値R
PFL(2) は下限しきい値RPFL(1) より小さい値で
あり、上限しきい値RPFU(2) は上限しきい値RPF
U(1) より大きい値である。その結果、保持制御が継続
して行われる時間が長いと設定勾配が大きくされるので
あり、それにより、保持制御が行われ易くなり、保持制
御が行われる頻度が高くなる。
【0045】それに対して、液圧要求変化勾配が設定範
囲内(下限しきい値RPFL(t) 〜上限しきい値RPF
U(t) )にない場合には、S86において、タイマがリ
セットされ、tが1とされ、S87以降において、前述
のS31以降と同様の制御が行われる。本実施形態にお
いては、ブレーキ液圧制御装置160のS81〜85を
実行する部分等によって保持制御手段が構成され、S8
3〜85を実行する部分用によって保持条件緩和手段が
構成される。なお、S85において、下限しきい値RP
FL(t) が小さくされ、上限しきい値RPFU(t) )が
大きくされていたが、いずれか一方が変更されるように
してもよい。その場合においても、設定範囲を広げるこ
とができる。
【0046】また、上記実施形態においては、液圧偏差
に基づいて増圧,減圧,保持のいずれか1つが選択され
るようにされていたが、要求液圧勾配も考慮されるよう
にすることができる。その一例を図17に示す。本実施
形態においては、液圧偏差が設定偏差EPSより大きく
ても、要求液圧変化勾配が設定勾配より小さい場合には
増圧制御でなく保持制御が選択され、液圧偏差が負の設
定偏差(−EPS)より小さくても、要求液圧変化勾配
が設定勾配より大きい場合には、減圧制御でなく保持制
御が行われるようにすることも可能である。このように
することによって、保持制御が行われる頻度が高くな
り、その分、消費エネルギの低減を図ることができる。
停止状態以外の場合において、要求液圧変化勾配を考慮
する制御を行うことも可能なのである。さらに、増圧が
選択される場合のしきい値と減圧が制御される場合のし
きい値との絶対値を異なる大きさとすることもできる。
【0047】また、上記実施形態においては、下り坂走
行中であって、かつ、アクセル操作部材の操作が解除さ
れた場合に低圧用モータ40が始動させられるようにさ
れていたが、下り坂走行中であって、その坂の勾配が大
きい場合に始動させられるようにすることもできる。坂
の勾配は、実加速度と推定加速度との差に応じて取得す
ることができる。さらに、単に、アクセルペダルの操作
が解除された場合に始動させるようにしたり、ビークル
スタビリティ開始条件より緩い条件が満たされた場合に
始動させるようにすることもできる。例えば、ビークル
スタビリティ制御については、スピンバリュー,ドリフ
トアウトバリューが設定値SVs ,SV D より小さいビ
ークルスタビリティ制御開始予測設定値SVs ′,SV
D ′を越えた場合に、低圧用モータ40を始動させるこ
とができるのである。
【0048】また、通常制動時ブレーキ液圧制御中にお
いて、保持制御、減圧制御が行われている状態におい
て、増圧制御が行われる前兆が検出された場合に、低圧
用モータ40を始動させることもできる。保持制御,減
圧制御中には、低圧用モータ40,高圧用モータ38は
停止状態にあるため、これらの場合に、増圧制御が行わ
れる前兆が検出された場合に低圧用モータ40が始動さ
せられれば、増圧遅れを小さくすることができる。例え
ば、液圧偏差ΔPがしきい値EPSより小さいしきい値
EPS* より大きくなった場合に増圧指令が発せられる
前兆が生じたとするのである。この場合には、S34の
実行中に、液圧偏差ΔPがしきい値EPSより小さいし
きい値EPS* より大きくなったか否かが判定されるよ
うにすればよい。
【0049】さらに、上記実施形態においては、要求増
圧勾配が設定勾配以上の場合に、高圧用モータ38,低
圧用モータ40の両方への印加電圧が、バッテリの最大
電圧以上の大きさとされたが、低圧用モータ40が非作
動状態から作動状態へ切り換わる場合に、低圧用モータ
40への印加電圧のみが大きくされるようにしてもよ
い。この場合には、設定時間だけ大きくされたり、要求
増圧勾配が設定勾配以下になるまで大きくされたり、設
定液圧に至るまで大きくされたりすることができる。こ
の場合には、図18のフローチャートで表される作動開
始時モータ制御プログラムが、設定時間毎に割り込みに
より実行される。S101において、作動開始時制御フ
ラグがセットされているか否かが判定され、セットされ
ていない場合には、S102において、低圧用モータ4
0が非作動状態から作動状態に切り換えられるか否かが
判定される。作動が開始される場合には、判定がYES
となり、S103において、作動開始時制御フラグがセ
ットされ、S104においてバッテリより大きな電圧が
印加される。S105において、印加電圧が大きくなっ
てから設定時間が経過したか否かが判定され、経過する
前は作動開始時制御が継続して行われるが、経過した後
は、S106において、作動開始時制御フラグがリセッ
トされる。その後、ポンプ装置30は、前述のモータ制
御プログラムの実行に従って制御される。低圧用モータ
40は、ブレーキペダル10が非操作状態から操作状態
に切り換えられた場合、共通液圧制御中であって、保
持,減圧制御から増圧制御に切り換えられた場合等に、
非作動状態から作動状態に切り換えられるが、これらの
場合に大きな電圧が印加され、低圧ポンプ34の作動遅
れを小さくすることができる。
【0050】また、要求増圧勾配が設定増圧勾配以上の
場合に低圧用モータ40のみが作動状態にあり、高圧用
モータ38が非作動状態にある場合には、低圧用モータ
40への印加電圧が大きくされ、高圧用モータ38も作
動状態にある場合には、高圧用モータ38への印加電圧
が大きくされるようにすることもできる。さらに、バッ
テリの電圧以上の電圧を印加することは不可欠ではな
く、通常制御時より大きな電圧が印加されるようにする
こともできる。この場合には、駆動回路176,178
に含まれる印加電圧増大駆動回路は、通常制御範囲の上
限値より大きくバッテリの最大電圧以下の予め定められ
た大きさの電圧を印加し得る回路とすればよい。
【0051】また、上記実施形態においては、事前ポン
プ始動制御と印加電圧増大制御との両方が行われていた
が、これら両方が行われる必要はなく、いずれか一方が
行われればよく、その場合にも、増圧遅れを小さくする
ことができる。さらに、事前ポンプ始動制御,印加電圧
増大制御,停止中制御,共通液圧制御,独立液圧制御の
すべての制御が行われることは不可欠ではなく、少なく
とも1つの制御が行われればよい。独立液圧制御が行わ
れない場合には、減圧用電磁液圧制御弁が、すべてのホ
イールシリンダ18,24,50,52に共通に設けら
れていれば十分であり、ポンプ遮断弁54も不要であ
る。
【0052】さらに、上記実施形態においては、独立液
圧制御においてポンプ装置30が、常に、ホイールシリ
ンダ18,24,50,52の目標液圧の最大値に基づ
いて制御されるようにされていたが、すべてのホイール
シリンダ18,24,50,52について、保持あるい
は減圧が選択されている場合には、ポンプ装置30の作
動を停止させるようにすることができる。例えば、図1
9に示すように、S121において、液圧偏差ΔPが求
められる。液圧偏差ΔPとしきい値との比較により、増
圧,保持,減圧のいずれか1つが各ホイールシリンダ毎
に選択され、S122において、すべてのホイールシリ
ンダについて選択された制御が、保持あるいは減圧であ
るか否かが判定される。換言すれば、増圧が選択された
ホイールシリンダが1つ以上あるか否かが判定される。
増圧制御が選択されたホイールシリンダが1つ以上ある
場合には、S123において、前述の場合と同様にポン
プ装置30が目標液圧の最大値に基づいて制御される。
増圧制御が選択されたホイールシリンダがない場合に
は、S124において、ポンプ装置30の作動が停止さ
せられ、ポンプ遮断弁54,減圧用電磁液圧制御弁5
8,62の制御により液圧が制御される。前述のよう
に、保持制御の場合には、ポンプ遮断弁,減圧用電磁液
圧制御弁が共に閉状態とされ、減圧制御の場合には、ポ
ンプ遮断弁が開状態に保たれた状態で、減圧用電磁液圧
制御弁の制御により液圧が制御されるのである。本実施
形態によれば、すべてのホイールシリンダについて、保
持または減圧が選択されている場合にはポンプ装置30
の作動が停止させられるため、その分、消費エネルギを
低減させることができる。
【0053】また、しきい値等は増圧側と減圧側とで同
じ大きさにする必要はなく、異なる大きさとすることも
できる等制御の態様は、上記実施形態に限定されるわけ
ではない。さらに、上記実施形態においては、ポンプ装
置30に低圧ポンプ34と高圧ポンプ32との両方が備
えられていたいたが、備えられたポンプは1つでもよ
い。また、ブレーキ液圧制御装置をトラクション制御可
能なものとすることもできる。さらに、ポンプ遮断弁5
4が備えられていないブレーキ装置や、ポンプ遮断弁の
代りに供給電気エネルギに応じた液圧に制御可能な増圧
用電磁液圧制御弁を含むブレーキ装置に適用することも
できる。また、マスタシリンダ12は、2つの加圧室を
備えたものであれば、タンデム式のものでなくてもよい
等いちいち例示することはしないが、種々の変形,改良
を施した態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるブレーキ液圧制御装
置による減圧用電磁液圧制御弁の制御例を示す図であ
る。
【図2】上記制御例を示す図である。
【図3】上記ブレーキ液圧制御装置を含むブレーキ装置
の回路図である。
【図4】上記ブレーキ装置に含まれる減圧用電磁液圧制
御弁58の構造を概念的に示す図である。
【図5】上記ブレーキ装置に含まれる減圧用電磁液圧制
御弁62の構造を概念的に示す図である。
【図6】上記ブレーキ液圧制御装置のROMに格納され
たブレーキ液圧制御プログラムを表すフローチャートで
ある。
【図7】上記フローチャートのS2の実行の内容を表す
フローチャートである。
【図8】上記ブレーキ液圧制御装置のROMに格納され
た車両速度とロード負荷との関係を表すマップを示すテ
ーブルである。
【図9】上記フローチャートのS11の実行の内容を表
すフローチャートである。
【図10】上記フローチャートのS12の実行の内容を
表すフローチャートである。
【図11】上記フローチャートのS12の実行の内容を
表す図である。。
【図12】上記フローチャートのS13の実行の内容を
表すフローチャートである。
【図13】上記ブレーキ液圧制御装置によるポンプ装置
の制御態様を概念的に示す図である。
【図14】上記ブレーキ液圧制御装置によるポンプモー
タの制御の一例を示す図である。
【図15】上記ブレーキ液圧制御装置による事前モータ
制御の一例を示す図である。
【図16】本発明の別の一実施形態であるブレーキ液圧
制御装置のROMに格納されたブレーキ液圧制御プログ
ラムの一部を表すフローチャートであり、上記図6のフ
ローチャートのS13の別の実行の内容を示すフローチ
ャートである。
【図17】本発明の別の一実施形態であるブレーキ液圧
制御装置のROMに格納されたブレーキ液圧制御プログ
ラムの一部を表す図であり、上記図6のフローチャート
のS11の別の実行の内容を示す図である。
【図18】本発明の別の一実施形態であるブレーキ液圧
制御装置のROMに格納された作動開始時モータ制御プ
ログラムの一部を表すフローチャートである。
【図19】本発明の別の一実施形態であるブレーキ液圧
制御装置のROMに格納されたブレーキ液圧制御プログ
ラムのS12の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
30 ポンプ装置 32 高圧ポンプ 34 低圧ポンプ 38 高圧用モータ 40 低圧用モータ 58 減圧用電磁液圧制御弁 62 減圧用電磁液圧制御弁 74 ポンプ圧センサ 160 ブレーキ液圧制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 志村 周 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−119748(JP,A) 特開 平8−230634(JP,A) 特開 平5−330417(JP,A) 特開 平8−150919(JP,A) 特開 平9−20229(JP,A) 特開 平7−251729(JP,A) 国際公開93/000236(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 7/12 - 8/96 B60T 13/66

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブレーキシリンダに接続され、ブレーキシ
    リンダに向かって作動液を吐出するポンプとそのポンプ
    を駆動する電動モータとを少なくとも1組含むポンプ装
    置と、 前記ブレーキシリンダから流出させられた作動液を収容
    する低圧源と、 その低圧源と前記ブレーキシリンダとの間に設けられ、
    前記ブレーキシリンダの液圧を、供給電気エネルギに応
    じた大きさに制御可能な電磁液圧制御弁と、 前記電動モータを制御することによって前記ブレーキシ
    リンダの液圧を増圧制御する増圧制御手段と、前記供給
    電気エネルギを制御することによって前記ブレーキシリ
    ンダ液圧を減圧制御する減圧制御手段とを含む制御装置
    とを含むブレーキ液圧制御装置であって、 前記制御装置が、前記ブレーキシリンダの液圧の要求液
    圧変化勾配が予め定められた設定範囲内である場合に、
    前記電動モータを停止させるとともに前記電磁液圧制御
    弁を前記ブレーキシリンダからの作動液の流出を阻止す
    る流出阻止状態に切り換える保持制御手段と、その保持
    制御手段による保持制御時間が長い場合は短い場合よ
    り、前記設定範囲を広くする保持条件緩和手段とを 含む
    ことを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
  2. 【請求項2】 ブレーキシリンダに接続され、ブレーキシ
    リンダに向かって作動液を吐出するポンプとそのポンプ
    を駆動する電動モータとを少なくとも1組含むポンプ装
    置と、 前記ブレーキシリンダから流出させられた作動液を収容
    する低圧源と、 その低圧源と前記ブレーキシリンダとの間に設けられ、
    前記ブレーキシリンダの液圧を、供給電気エネルギに応
    じた大きさに制御可能な電磁液圧制御弁と、 前記電動モータを制御することによって前記ブレーキシ
    リンダの液圧を増圧制御する増圧制御手段と、前記供給
    電気エネルギを制御することによって前記ブレーキシリ
    ンダ液圧を減圧制御する減圧制御手段とを含む制御装置
    とを含むブレーキ液圧制御装置であって、 前記制御装置が、予め定められた保持条件が満たされた
    場合に、前記電動モータを停止させるとともに前記電磁
    液圧制御弁を前記ブレーキシリンダからの作動 液の流出
    を阻止する流出阻止状態に切り換える保持制御手段と、
    その保持制御手段による保持制御時間が長い場合は短い
    場合より、前記保持条件を緩くする保持条件緩和手段と
    含むことを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
  3. 【請求項3】 ブレーキシリンダに接続され、ブレーキシ
    リンダに向かって作動液を吐出するポンプとそのポンプ
    を駆動する電動モータとを少なくとも1組含むポンプ装
    置と、 前記ブレーキシリンダから流出させられた作動液を収容
    する低圧源と、 その低圧源と前記ブレーキシリンダとの間に設けられ、
    前記ブレーキシリンダの液圧を、供給電気エネルギに応
    じた大きさに制御可能な電磁液圧制御弁と、 前記電動モータを制御することによって前記ブレーキシ
    リンダの液圧を増圧制御する増圧制御手段と、前記供給
    電気エネルギを制御することによって前記ブレーキシリ
    ンダ液圧を減圧制御する減圧制御手段とを含む制御装置
    とを含むブレーキ液圧制御装置であって、 前記制御装置が、予め定められた保持条件が満たされた
    場合に、前記電動モータの作動を停止させるとともに前
    記電磁液圧制御弁を流出阻止状態に切り換える保持制御
    手段と、当該ブレーキ液圧制御装置が搭載された車両が
    停止状態にある場合には、前記保持条件を緩くする保持
    条件緩和手段とを 含むことを特徴とするブレーキ液圧制
    御装置。
  4. 【請求項4】 ブレーキシリンダに接続され、ブレーキシ
    リンダに向かって作動液を吐出するポンプとそのポンプ
    を駆動する電動モータとを少なくとも1組含むポンプ装
    置と、 前記ブレーキシリンダから流出させられた作動液を収容
    する低圧源と、 その低圧源と前記ブレーキシリンダとの間に設けられ、
    前記ブレーキシリンダの液圧を、供給電気エネルギに応
    じた大きさに制御可能な電磁液圧制御弁と、 前記電動モータを制御することによって前記ブレーキシ
    リンダの液圧を増圧制御する増圧制御手段と、前記供給
    電気エネルギを制御することによって前記ブレーキシリ
    ンダ液圧を減圧制御する減圧制御手段と、予め定められ
    た増圧条件が満たされた場合に前記ブレーキシリンダ液
    圧を増圧させる増圧指令を発する増圧指令手段と、前記
    増圧条件が満たされる前兆に基づいて前記電動モータを
    始動させ る事前モータ始動手段とを含む制御装置とを
    むブレーキ液圧制御装置であって、 当該ブレーキ液圧制御装置が、当該ブレーキ液圧制御装
    置を搭載した車両の実際の加速度が、その車両の駆動源
    の駆動トルクに基づいて推定された推定加速度より大き
    い場合に、当該車両が下り坂走行中であるとする下り坂
    走行検出装置を含み、かつ、前記事前モータ始動手段
    が、前記下り坂走行検出装置によって下り坂走行状態が
    検出されたことを前記前兆の少なくとも1つとして、前
    記電動モータを始動させる下り坂走行中モータ始動手段
    含むことを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
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DE69914141T DE69914141T2 (de) 1998-08-28 1999-08-26 Gerät mit Bremszylinderdruckerhöhung durch Ansteuerung des Pumpenmotors und Druckabbau mittels Steuerung der einem Steuerventil zugeführten elektrischen Energie
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DE69922552T DE69922552T8 (de) 1998-08-28 1999-08-26 Hydraulikdrucksteuergerät zum Steuern eines Druckes einer Arbeitsflüssigkeit in einem Radbremszylinder
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