JP3422218B2 - コンバータ - Google Patents

コンバータ

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JP3422218B2
JP3422218B2 JP15142197A JP15142197A JP3422218B2 JP 3422218 B2 JP3422218 B2 JP 3422218B2 JP 15142197 A JP15142197 A JP 15142197A JP 15142197 A JP15142197 A JP 15142197A JP 3422218 B2 JP3422218 B2 JP 3422218B2
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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02MAPPARATUS FOR CONVERSION BETWEEN AC AND AC, BETWEEN AC AND DC, OR BETWEEN DC AND DC, AND FOR USE WITH MAINS OR SIMILAR POWER SUPPLY SYSTEMS; CONVERSION OF DC OR AC INPUT POWER INTO SURGE OUTPUT POWER; CONTROL OR REGULATION THEREOF
    • H02M1/00Details of apparatus for conversion
    • H02M1/42Circuits or arrangements for compensating for or adjusting power factor in converters or inverters
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はコンバータに関
し、さらに詳細にいえば、交流電源に対して全波整流回
路を接続し、全波整流回路の出力端子間に、互いに直列
に接続されたコンデンサを接続してなる構成のコンバー
タに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、空気調和機に用いられるインバー
タ、モータの小型化、高効率化のための技術が急速に発
展しつつある。しかし、システム全体としての性能改善
のためには、それらの電源となるコンバータの性能改善
が必須事項であることから、高性能コンバータの技術開
発が急がれている。加えて、電力変換器から流出する電
源高調波による、送電系統あるいは他機器への障害が社
会問題となってきており、欧州においては1996年よ
りIEC(国際電気標準会議)による電源高調波規格値
(IEC100−3−2)がすでに制定されている。ま
た、国内においても、1996年より資源エネルギー庁
の統括のもと、高調波電流自主規制(家電・汎用品高調
波ガイドライン)がスタートした。
【0003】従来から一般的に用いられてきたコンバー
タは、図1中(a)に示すように、全波整流回路の出力
端子間にリアクトルを介して平滑用コンデンサを接続し
てなる構成である。この構成のコンバータを採用した場
合には、図1中(b)に示すように、リアクトルによる
入力電流導通角拡大効果は見込めるものの、基本波の位
相遅れが大きいために大きな力率改善効果を得ることが
できない(最大力率が80%程度)。また、高調波に関
しても、図1中(c)に示すように、IEC規制(cl
assA)をクリアすることができない。
【0004】そこで、特に単相200V系統に接続され
る空気調和機に用いられているコンバータは、力率性能
を向上させるために、図2中(a)に示すように、チャ
ージポンプ方式と呼ばれるコンバータが用いられ、85
%を越える力率改善性能を達成している。しかし、この
コンバータでは、電源系統と直列に接続されたコンデン
サが電源系統のインダクタンス成分と直列共振回路を構
成するため、その入力電流は、図2中(b)に示すよう
に、10次ないし30次の高調波成分を多く含み、図2
中(c)に示すように、家電・汎用品高調波ガイドライ
ンに適合しない電源になってしまう。IEC規制は系統
インピーダンスを考慮しないが、適合レベルではない。
また、コンバータの直流電圧は最大(無負荷時)で電源
電圧ピーク値(200V系統で約280V)と同等であ
り、リアクトルを挿入することによる電圧降下により負
荷が大きくなるほど直流電圧は低下する。直流電圧が低
下すると、それにほぼ反比例して電流を増加させる必要
があるので、インバータ、モータのコストアップ、大型
化が必要になる。また、モータの運転周波数領域は印可
電圧によってほぼ決定付けられるので、直流電圧の低下
はモータの運転周波数領域の縮小を招いてしまう。
【0005】一方、主に単相100V系のコンバータと
して、図3中(a)に示すような倍電圧方式のコンバー
タが多く用いられる。この方式を採用すれば、出力電圧
が電源電圧のほぼ2倍になり、高調波発生量も比較的低
く押さえられることが知られている。しかし、この方式
を200V系統に用いる場合には、逆に軽負荷時の直流
電圧が過上昇して負荷開放時には電源電圧ピークの2倍
(約560V)に達する。このため、コンバータ後に接
続される部品の耐圧を増加しなければならず、特にイン
バータのようにスイッチを含む電力変換器等が接続され
ている場合は、スイッチング素子の耐圧を約2倍にしな
ければならない。この結果、装置が大型化し、コストも
大幅に増加してしまう。また、倍電圧電流は、図3中
(b)に示すように、基本的に電源電圧位相に対して大
きく進み位相になるため、100V系入力の空気調和機
などに用いられる倍電圧方式のコンバータは高力率を維
持するために20%程度のリアクトルを用いているが、
同等の電流平滑力を持つリアクトルを200V系で実現
する場合、そのインダクタンスは約4倍となり、リアク
トルの大型化、コストアップにより実用レベルから逸脱
してしまう。
【0006】近年、上述の各コンバータの持つ問題点を
解決するために、図4中(a)に示すように、昇圧チョ
ッパを用いた力率改善コンバータが提案されている。こ
のコンバータは、入力電圧、入力電流、直流電圧、直流
電圧指令値を入力とする制御回路によって昇圧チョッパ
のオン・デューティを制御することにより直流電圧を制
御するものであり、図4中(b)に示すように、入力力
率をほぼ1に制御することができる。また、直流電流を
自在に可変でき、原理的には無限大まで昇圧が可能であ
るから、理想的なコンバータといえる。
【0007】また、三相交流電源に接続されるコンバー
タとしては、図19中(a)に示すように、三相交流電
源の各相の出力端子と三相整流回路の各入力端子との間
にリアクトルを接続し、三相整流回路の出力端子間に平
滑用コンデンサを接続する構成のものが知られている。
この構成のコンバータを採用した場合には、図19中
(b)に示すように、リアクトルによる入力力率改善効
果や、ある程度の高調波電流の低減効果を得ることがで
きるが、数kW以上の機器に直流電力を供給する場合に
は、図19中(c)に示すように、IEC規格クラスA
をクリアすることは困難である。
【0008】この不都合を解消するために、図20中
(a)に示すように、6個のスイッチング素子を用いた
PWM(パルス幅変調)コンバータが採用されることが
ある。このPWMコンバータを採用すれば、入力電流を
高周波スイッチングで制御するため、入力電流に高調波
成分を含まないように、しかも入力力率を1に制御する
ことが可能である。具体的には、このPWMコンバータ
の各相の等価回路は図20中(c)に示すようになるの
で、コンバータ入力電圧vuを正弦波状にすれば、入力
電流iuに高調波成分が含まれなくなる。すなわち、電
圧ベクトル図は図20中(d)に示すようになる。した
がって、例えば、「三相PWMコンバータのパラメータ
変動を考慮した電流制御法」、竹下隆晴、岩崎誠、松井
信行、電学論D,107巻11号,昭62に示されてい
るような方式で、コンバータ入力電圧のPWMパターン
を作成し、コンバータ入力電圧を正弦波状の波形として
入力電流の高調波成分の低減を達成することができる。
【0009】また、DC送電用変換器や、炉用整流器な
どのかなりの大容量機器には、変圧器を用いた多重化方
式や多段化方式が用いられることが多い。例えば、特開
平2−142357号公報に記載されているような三相
12パルス整流回路方式がある。なお、この方式の構成
を図21に示す。この方式は、1次側がY結線、2次側
がY結線およびΔ結線を有する変圧器を採用して、出力
電圧位相をπ/6ずらし、互いに絶縁された2次側の巻
線に2組みの三相ダイオード整流回路を互いに並列に接
続することにより2重化を行っている。この方式におい
て、u相の電源電圧波形は図22中(a)に示すとおり
であり、変圧器の2次側のY結線に接続された三相ダイ
オード整流回路の入力電流は図22中(b)に示すよう
に2π/3通電幅の電流になり、変圧器の2次側のΔ結
線に接続された三相ダイオード整流回路の入力電流は図
22中(c)に示すように図22中(b)に示す入力電
流よりπ/6位相の遅れた電流となる。したがって、変
圧器の1次側に流れる電流は、図22中(b)に示す入
力電流と、図22中(c)に示す入力電流をΔ−Y変換
した電流(図22中(d)参照)とを重ね合わせた電流
(図22中(e)参照)になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、昇圧チョッパ
を用いた力率改善コンバータを採用した場合には、スイ
ッチの制御が著しく複雑になり、しかも電源系統へ流出
するノイズ対策のために強力なフィルタが必要になるの
で、大幅なコストアップを招いてしまい、また、リアク
トルに流れる電流の高周波数成分による損失が大きいた
め、効率が低下してしまうという不都合がある。
【0011】また、図20中(a)に示す構成のPWM
コンバータを採用した場合には、図20中(b)に入力
電流波形および入力電圧波形を示すように、高周波スイ
ッチングに伴う効率の低下、ノイズの増加を招くととも
に、制御の複雑化、コストの増加を招くという不都合が
ある。さらに、図21に示す構成の三相12パルス整流
回路方式を採用した場合には、変圧器と多数の三相ダイ
オード整流回路とが必要になるので、全体として大型化
するとともに、大幅なコストアップを招いてしまうとい
う不都合がある。
【0012】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、スイッチングの制御を著しく簡素化し、
しかも、十分な入力力率改善、高調波低減を達成するコ
ンバータを提供することを第1の目的としている。ま
た、直流電圧の昇圧を達成することを第2の目的として
いる。
【0013】さらに、全ての負荷変動範囲で特定の高調
波成分を除去しまたは低減することを第3の目的として
いる。さらにまた、入力電流の基本波力率を1に保つこ
とを第4の目的としている。また、電源電圧変動、負荷
変動に拘らず安定した直流電圧を供給することを第5の
目的としている。
【0014】また、構成を大幅に簡素化することを第6
の目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1のコンバータ
は、交流電源に対してリアクトルを介して全波整流回路
を接続し、全波整流回路の出力端子間に平滑用コンデン
サと、互いに直列に接続された昇圧用コンデンサとを互
いに並列接続し、全波整流回路の入力端子と昇圧用コン
デンサどうしの接続点との間にスイッチング手段を接続
し、スイッチング手段を電源電圧の変動に応じてスイッ
チングさせるべく制御する制御手段を設けたものであ
る。
【0016】請求項2のコンバータは、前記制御手段と
して、スイッチング手段を電源電圧の半周期に1回スイ
ッチングさせるべく制御するものを採用している。請求
項3のコンバータは、前記制御手段として、電源電圧の
ゼロクロスを検出し、ゼロクロスを検出したことに応答
して、スイッチング手段を所定時間ターンオンさせる制
御信号を出力するものを採用している。
【0017】請求項4のコンバータは、前記制御手段と
して、電源電圧のゼロクロスを含む所定時間スイッチン
グ手段をターンオンさせる制御信号を出力するものを採
用している。請求項5のコンバータは、前記制御手段と
して、電源電圧のゼロクロスを中心とする所定時間スイ
ッチング手段をターンオンさせる制御信号を出力するも
のを採用している。
【0018】請求項6のコンバータは、前記制御手段と
して、電源電圧のゼロクロスを含み、かつゼロクロスを
基準とする進み位相側の時間が遅れ位相側の時間よりも
短くなるように設定された所定時間スイッチング手段を
ターンオンさせる制御信号を出力するものを採用してい
る。請求項7のコンバータは、前記制御手段として、予
め設定された所定時間スイッチング手段をターンオンさ
せる制御信号を出力するものを採用している。
【0019】請求項8のコンバータは、前記制御手段と
して、負荷に供給される直流電圧と外部から与えられる
直流電圧指令値とを比較し、直流電圧が直流電圧指令値
に接近させることができる所定時間スイッチング手段を
ターンオンさせる制御信号を出力するものを採用してい
る。請求項9のコンバータは、三相交流電源に対してリ
アクトルを介して三相全波整流回路を接続し、三相全波
整流回路の出力端子間に、互いに直列に接続された平滑
用コンデンサを接続し、三相全波整流回路の各相の入力
端子と平滑用コンデンサどうしの接続点との間にスイッ
チング手段を接続し、スイッチング手段を負荷変動や電
源電圧の変動に応じてスイッチングさせるべく制御する
制御手段を設けたものである。
【0020】請求項10のコンバータは、三相交流電源
に対してリアクトルを介して三相全波整流回路を接続
し、三相全波整流回路の出力端子間に、互いに直列に接
続された昇圧用コンデンサを接続し、互いに直列に接続
された昇圧用コンデンサに対して、これらのコンデンサ
よりも静電容量が大きい平滑用コンデンサを並列に接続
し、三相全波整流回路の各相の入力端子と昇圧用コンデ
ンサどうしの接続点との間にスイッチング手段を接続
し、スイッチング手段を負荷変動や電源電圧の変動に応
じてスイッチングさせるべく制御する制御手段を設けた
ものである。
【0021】請求項11のコンバータは、前記制御手段
として、スイッチング手段を電源電圧の半周期に1回ス
イッチングさせるべく制御するものを採用している。請
求項12のコンバータは、前記制御手段として、特定の
高調波成分を除去し、または低減すべくスイッチング手
段のON時間を設定するものを採用している。
【0022】請求項13のコンバータは、前記制御手段
として、負荷情報を検出し、検出値に応じてスイッチン
グ手段をONさせるタイミングを設定するものを採用し
ている。請求項14のコンバータは、前記制御手段とし
て、入力電流の基本波と電源電圧とが同相になるように
スイッチング手段のON時間およびスイッチング手段を
ONさせるタイミングを設定するものを採用している。
【0023】請求項15のコンバータは、前記制御手段
として、直流電圧を検出し、検出された直流電圧と直流
電圧指令値との偏差を算出し、算出された偏差に応じて
スイッチング手段のON時間を設定するものを採用して
いる。
【0024】
【作用】請求項1のコンバータであれば、交流電源に対
してリアクトルを介して全波整流回路を接続し、全波整
流回路の出力端子間に平滑用コンデンサと、互いに直列
に接続された昇圧用コンデンサとを互いに並列接続し、
全波整流回路の入力端子と昇圧用コンデンサどうしの接
続点との間にスイッチング手段を接続し、スイッチング
手段を電源電圧の変動に応じてスイッチングさせるべく
制御する制御手段を設けているので、倍電圧整流と全波
整流とを電源電圧の変動に応じて切り替えることがで
き、全波整流により得られる電圧以上であり、しかも、
倍電圧整流により得られる電圧よりも低い電圧の範囲内
での直流電圧昇圧を簡単に達成することができる。ま
た、昇圧チョッパを用いた力率改善コンバータと同様に
高力率を達成できるほか、スイッチングの制御が著しく
簡単であり、電源系統に流出するノイズも殆ど問題にな
らないので、コストアップを大幅に抑制することができ
る。もちろん、高調波の低減も実現できる。
【0025】請求項2のコンバータであれば、前記制御
手段として、スイッチング手段を電源電圧の半周期に1
回スイッチングさせるべく制御するものを採用している
ので、請求項1の作用に加え、スイッチングの制御をさ
らに簡単化できる。請求項3のコンバータであれば、前
記制御手段として、電源電圧のゼロクロスを検出し、ゼ
ロクロスを検出したことに応答して、スイッチング手段
を所定時間ターンオンさせる制御信号を出力するものを
採用しているので、倍電圧整流方式による進相側導通角
拡大と全波整流方式による遅相側導通角拡大の両方の効
果を効率的に利用し、著しい力率改善及び高調波改善を
達成することができる。
【0026】請求項4のコンバータであれば、前記制御
手段として、電源電圧のゼロクロスを含む所定時間スイ
ッチング手段をターンオンさせる制御信号を出力するも
のを採用しているので、力率改善効果、高調波改善効果
を得ることができる。請求項5のコンバータであれば、
前記制御手段として、電源電圧のゼロクロスを中心とす
る所定時間スイッチング手段をターンオンさせる制御信
号を出力するものを採用しているので、力率改善効果、
高調波改善効果を高めることができる。
【0027】請求項6のコンバータであれば、前記制御
手段として、電源電圧のゼロクロスを含み、かつゼロク
ロスを基準とする進み位相側の時間が遅れ位相側の時間
よりも短くなるように設定された所定時間スイッチング
手段をターンオンさせる制御信号を出力するものを採用
しているので、力率改善効果を高めることができ、しか
も、高調波改善効果を一層高めることができる。
【0028】請求項7のコンバータであれば、前記制御
手段として、予め設定された所定時間スイッチング手段
をターンオンさせる制御信号を出力するものを採用して
いるので、請求項1から請求項6の何れかと同様の作用
を達成することができる。請求項8のコンバータであれ
ば、前記制御手段として、負荷に供給される直流電圧と
外部から与えられる直流電圧指令値とを比較し、直流電
圧が直流電圧指令値に接近させることができる所定時間
スイッチング手段をターンオンさせる制御信号を出力す
るものを採用しているので、請求項1から請求項6の何
れかの作用に加え、コンバータの後段の回路で必要とさ
れている直流電圧を出力することができる。
【0029】請求項9のコンバータであれば、三相交流
電源に対してリアクトルを介して三相全波整流回路を接
続し、三相全波整流回路の出力端子間に、互いに直列に
接続された平滑用コンデンサを接続し、三相全波整流回
路の各相の入力端子と平滑用コンデンサどうしの接続点
との間にスイッチング手段を接続し、スイッチング手段
を負荷変動や電源電圧の変動に応じてスイッチングさせ
るべく制御する制御手段を設けたのであるから、全波整
流により得られる電圧以上であり、しかも、倍電圧整流
により得られる電圧よりも低い電圧の範囲内での直流電
圧昇圧を簡単に達成することができる。また、昇圧チョ
ッパを用いた力率改善コンバータと同様に高力率を達成
できるほか、スイッチングの制御が著しく簡単であり、
電源系統に流出するノイズも殆ど問題にならないので、
コストアップを大幅に抑制することができる。もちろ
ん、高調波の低減も実現できる。
【0030】請求項10のコンバータであれば、三相交
流電源に対してリアクトルを介して三相全波整流回路を
接続し、三相全波整流回路の出力端子間に、互いに直列
に接続された昇圧用コンデンサを接続し、互いに直列に
接続された昇圧用コンデンサに対して、これらのコンデ
ンサよりも静電容量が大きい平滑用コンデンサを並列に
接続し、三相全波整流回路の各相の入力端子と昇圧用コ
ンデンサどうしの接続点との間にスイッチング手段を接
続し、スイッチング手段を負荷変動や電源電圧の変動に
応じてスイッチングさせるべく制御する制御手段を設け
たのであるから、入力電流の高次高調波成分を低減させ
ることができるほか、全波整流により得られる電圧以上
であり、しかも、倍電圧整流により得られる電圧よりも
低い電圧の範囲内での直流電圧昇圧を簡単に達成するこ
とができる。また、昇圧チョッパを用いた力率改善コン
バータと同様に高力率を達成できるほか、スイッチング
の制御が著しく簡単であり、電源系統に流出するノイズ
も殆ど問題にならないので、コストアップを大幅に抑制
することができる。もちろん、高調波の低減も実現でき
る。
【0031】請求項11のコンバータであれば、前記制
御手段として、スイッチング手段を電源電圧の半周期に
1回スイッチングさせるべく制御するものを採用してい
るので、請求項9または請求項10の作用に加え、スイ
ッチングの制御をさらに簡単化できる。また、スイッチ
ング手段を電源電圧の半周期に1回スイッチングさせる
ので、PWMコンバータにおける高周波スイッチングに
起因する効率の低下、ノイズの増加、漏洩電流の増大、
コストアップという不都合を改善することができる。
【0032】請求項12のコンバータであれば、前記制
御手段として、特定の高調波成分を除去し、または低減
すべくスイッチング手段のON時間を設定するものを採
用しているので、特定の高調波成分を除去し、または低
減することができるほか、請求項9から請求項11の何
れかと同様の作用を達成することができる。請求項13
のコンバータであれば、前記制御手段として、負荷情報
を検出し、検出値に応じてスイッチング手段をONさせ
るタイミングを設定するものを採用しているので、全て
の負荷変動範囲で、特定の高調波成分を除去し、または
低減することができるほか、請求項12と同様の作用を
達成することができる。
【0033】請求項14のコンバータであれば、前記制
御手段として、入力電流の基本波と電源電圧とが同相に
なるようにスイッチング手段のON時間およびスイッチ
ング手段をONさせるタイミングを設定するものを採用
しているので、入力電流の基本波力率を常に1に保つこ
とができるほか、請求項9から請求項13の何れかと同
様の作用を達成することができる。
【0034】請求項15のコンバータであれば、前記制
御手段として、直流電圧を検出し、検出された直流電圧
と直流電圧指令値との偏差を算出し、算出された偏差に
応じてスイッチング手段のON時間を設定するものを採
用しているので、電源電圧変動、負荷変動に拘らず安定
した直流電圧を供給することができるほか、請求項9か
ら請求項11の何れかと同様の作用を達成することがで
きる。
【0035】
【発明の実施の態様】以下、添付図面を参照しながらこ
の発明の実施の態様を詳細に説明する。図5はこの発明
のコンバータの一実施態様を示す電気回路図である。こ
のコンバータは、図示しない交流電源の端子間にリアク
トル1を介して全波整流回路2を接続し、全波整流回路
2の出力端子間に平滑用コンデンサC2と、互いに直列
に接続され、かつ互いに等しい静電容量を有する昇圧用
コンデンサ(倍電圧用コンデンサ)C11,C12とを
互いに並列接続し、全波整流回路2の入力端子と昇圧用
コンデンサC11,C12の接続点との間に双方向スイ
ッチS1を接続し、双方向スイッチS1を電源電圧の半
周期に1回スイッチングさせるべく制御する制御部3を
設けている前記制御部3は、外部から与えられる直流電
圧指令値に対応するパルス幅のパルス信号を出力するパ
ルス幅制御回路3aと、パルス幅制御回路3aから出力
されるパルス信号を入力として双方向スイッチS1を駆
動するための駆動信号を出力する駆動回路3bとから構
成されている。また、パルス幅制御回路3aから出力さ
れるパルス信号は、電源電圧の半周期に1回双方向スイ
ッチS1をスイッチングさせるものである。
【0036】この実施態様のコンバータを採用した場合
には、電源電圧の半周期に1回双方向スイッチS1をス
イッチングさせることができ、双方向スイッチS1がオ
ンの期間に倍電圧整流を行い、双方向スイッチS1がオ
フの期間に全波整流を行う。そして、倍電圧整流により
得られる直流電圧、全波整流により得られる直流電圧は
そのまま負荷に供給されるのではなく、平滑用コンデン
サC2で平滑化された状態で供給されるので、全波整流
により得られる電圧以上であり、しかも、倍電圧整流に
より得られる電圧よりも低い電圧の範囲内での直流電圧
昇圧を簡単に達成することができる。また、昇圧チョッ
パを用いた力率改善コンバータと同様に高力率を達成で
きるほか、スイッチングの制御が著しく簡単であり、電
源系統に流出するノイズも殆ど問題にならないので、コ
ストアップを大幅に抑制することができる。もちろん、
高調波の低減も実現できる。
【0037】なお、この実施態様において、双方向スイ
ッチS1は、リアクトル1を介在させることなく交流電
源に接続された全波整流回路2の入力端子と昇圧用コン
デンサC11,C12どうしの接続点との間に接続され
ているが、全波整流回路2の他方の入力端子と昇圧用コ
ンデンサC11,C12どうしの接続点との間に接続双
方向スイッチS1を接続してもよく、同様の作用を達成
することができる。
【0038】図6はこの発明のコンバータの他の実施態
様を示す図である。このコンバータは、図示しない交流
電源の端子間にリアクトル1を介して全波整流回路2を
接続し、全波整流回路2の出力端子間に平滑用コンデン
サC2と、互いに直列に接続された昇圧用コンデンサC
11,C12とを互いに並列接続し、全波整流回路2の
入力端子と昇圧用コンデンサC11,C12の接続点と
の間に双方向スイッチS1を接続し、双方向スイッチS
1を電源電圧の半周期に1回スイッチングさせるべく制
御する制御部13を設けている前記制御部13は、交流
電源の電源電圧を検出する電源電圧検出器13aと、外
部から与えられる直流電圧指令値と検出された電源電圧
との大小を比較して比較結果信号を出力する比較器13
bと、比較器13bから出力される比較結果信号を入力
として双方向スイッチS1を駆動するための駆動信号を
出力する駆動回路13cとから構成されている。具体的
には、直流電圧指令値が検出された電源電圧よりも大き
い場合に、双方向スイッチS1をオンに制御する。した
がって、例えば、直流電圧指令値が検出された電源電圧
を越えるタイミングを起点とする電源電圧の半周期に1
回スイッチングが行われることになる。
【0039】この実施態様のコンバータの作用を図7の
波形図を参照しながら詳細に説明する。なお、定常状態
であれば、初期状態(図7の時刻t0参照)において昇
圧用コンデンサC11,C12は前の1周期に蓄積され
た電荷を保持しており、ある一定の電位を持っている。
以下には、昇圧用コンデンサC11の動作を主に図7に
示す各モードの動作を説明する。
【0040】mode1(時刻t0から時刻t2) 双方向スイッチS1は初期状態t0で既にオンであり、
回路は倍電圧整流動作を行っている。昇圧用コンデンサ
C11は双方向スイッチS1がターンオフするまで初期
状態からさらに充電され、両端電圧が上昇する(図7中
VC11参照)。このとき、コンデンサ充電電流IC1
1が流れるので、昇圧用コンデンサC11の充電電流
(実際は、昇圧用コンデンサC12のmode4による
放電電流との合成電流)によって入力電流の導通角が拡
大される。実際は、入力電流は前の半周期にリアクトル
1に蓄積されたエネルギーによって、昇圧用コンデンサ
C11の電位が入力電圧より低くなった時点t1よりさ
らに早い時刻に導通を開始するので、導通角は飛躍的に
拡大する。
【0041】mode2(時刻t2から時刻t3) 双方向スイッチS1は所定時間経過後(時刻t2)ター
ンオフされ、昇圧形コンバータは、全波整流動作に切り
替わる。そして、昇圧用コンデンサC11の電位は次の
倍電圧整流動作(双方向スイッチS1のターンオン)ま
でホールドされる。
【0042】mode3(時刻t3から時刻t5) 双方向スイッチS1は所定時間経過後(時刻t3)ター
ンオンされ、コンバータは、再び倍電圧整流動作に切り
替わる。昇圧用コンデンサC11は、昇圧用コンデンサ
C12の電位が入力電圧より高くなるまでさらに充電さ
れ、両端電圧が上昇する。このとき、コンデンサ充電電
流IC11が流れるので、昇圧用コンデンサC11の充
電電流(実際は、昇圧用コンデンサC12のmode6
による放電電流との合成電流)によって入力電流は全波
整流時以上に遅れ位相角が拡大する。また、リアクトル
1の蓄積エネルギーによって電流立ち下がりが遅れるの
で導通角はさらに拡大される。
【0043】mode4(時刻t5から時刻t7) 次の半周期(電源電圧が負の半周期)にはいり、昇圧用
コンデンサC12の電位が電源電圧の絶対値より低くな
り、充電を開始する(時刻t6)と昇圧用コンデンサC
11は放電を開始する。昇圧用コンデンサC11は双方
向スイッチS1がターンオフするまで(時刻t7)放電
を続ける。昇圧用コンデンサC11の放電電流(実際
は、昇圧用コンデンサC12のmode1による充電電
流との合成電流)によって入力電流は早い時刻から導通
を開始するので、導通角が拡大する。また、mode1
と同様にリアクトル1による導通角拡大効果によって電
流立ち下がり時の導通角はさらに拡大する。
【0044】mode5(時刻t7から時刻t8) 双方向スイッチS1がターンオフされ、全波整流動作に
切り替わり、昇圧用コンデンサC11が非導通となり、
入力電流は直接平滑用コンデンサC2を充電する。もち
ろん、昇圧用コンデンサC11の電位は次の倍電圧整流
動作(双方向スイッチS1のターンオン)までホールド
される。
【0045】mode6(時刻t8から時刻t10) 双方向スイッチS1がターンオンされ、昇圧用コンデン
サC11は電位が電源電圧の絶対値と等しくなるまで
(時刻t9)さらに放電される。昇圧用コンデンサC1
1の放電電流(実際は、昇圧用コンデンサC12のmo
de3による充電電流との合成電流)によって入力電流
は全波整流時以上に遅れ位相角が拡大する。実際は、リ
アクトル1の蓄積エネルギーによって電流立ち下がりが
遅れるので導通角はさらに拡大され、立ち下がり時の導
通角はさらに拡大する。昇圧用コンデンサC11の放電
が終了すると昇圧用コンデンサC11の電位は初期状態
に戻り、mode1に戻る。
【0046】昇圧用コンデンサC12は、倍電圧整流回
路と同様に、昇圧用コンデンサC11と等しい静電容量
を有しているので、半周期遅れで上記と同様の動作を行
う。以上のように、昇圧用コンデンサC11(昇圧用コ
ンデンサC12)を倍電圧動作させ、全波整流時以上に
電荷を蓄えることにより、直流電圧Vdcの昇圧を実現
している。直流電圧Vdcは、双方向スイッチS1のオ
ン時間によって全波出力から倍電圧出力までの範囲で自
在にコントロールできるため、負荷が大きく、直流電圧
が低下した時は、双方向スイッチS1のオン時間を延ば
すことによって容易に昇圧することができる。逆に、直
流電圧が上昇する軽負荷の場合には、双方向スイッチS
1のオン時間を短くすることによって容易に直流電圧の
過上昇を抑えることができる。また、高調波対応とする
場合は、双方向スイッチS1のオン時間を2msecな
いし4msecに付近に設定することによって、昇圧用
コンデンサC11,C12の充放電電流が進相側および
遅相側双方の導通角拡大効果を併せ持つようになり、導
通角は飛躍的に増大し、高力率、低高調波の高性能コン
バータを実現できる。図8にこの実施態様のコンバータ
における高調波発生量と家電・汎用品高調波ガイドライ
ンとの適合性を示している。図8から明らかなように、
この実施態様のコンバータは、家電・汎用品高調波ガイ
ドラインに適合する低高調波の電源であることが分か
る。また、この時の入力力率は97%の高力率であっ
た。
【0047】ここで、全波整流回路2の入力側に用いら
れているリアクトル1は、従来倍電圧整流方式に用いら
れていたリアクトルと異なり、大きな電流平滑力を必要
としないので、8%ないし9%のリアクトルで上記の高
性能を実現できる。また、半周期に1回という簡単なス
イッチングであるから、制御部13は、回路構成が簡単
になり、安価となる。そして、図4に示す昇圧チョッパ
を用いた力率改善コンバータで問題になっていたキャリ
アなどのノイズ発生もなくなる。さらに、高周波スイッ
チングによる電流の高周波リプル成分がリアクトルに流
れないので、リアクトルの高周波損失が低減され、図4
に示す昇圧チョッパを用いた力率改善コンバータに対し
てコンバータ効率が改善される。
【0048】図9はこの発明のコンバータのさらに他の
実施態様を示す図である。このコンバータは、図示しな
い交流電源の端子間にリアクトル1を介して全波整流回
路2を接続し、全波整流回路2の出力端子間に平滑用コ
ンデンサC2と、互いに直列に接続された昇圧用コンデ
ンサC11,C12とを互いに並列接続し、全波整流回
路2の入力端子と昇圧用コンデンサC11,C12の接
続点との間に双方向スイッチS1を接続し、双方向スイ
ッチS1を電源電圧の半周期に1回スイッチングさせる
べく制御する制御部23を設けている前記制御部23
は、交流電源の電源電圧を検出する電源電圧検出器23
aと、外部から与えられる直流電圧指令値と検出された
電源電圧との大小を比較して比較結果信号を出力する比
較器23bと、比較器23bから出力される比較結果信
号を入力として、電源電圧のゼロクロス点に対する進み
位相側の期間を短縮すべく位相を調整する位相調整器2
3cと、位相調整器23cからの出力信号を入力として
双方向スイッチS1を駆動するための駆動信号を出力す
る駆動回路23dとから構成されている。具体的には、
図6の実施態様において電源電圧のゼロクロス点を中心
として互いに対称な期間だけ双方向スイッチS1をオン
に制御していたのに対して、この実施態様では、双方向
スイッチS1をオンに制御する期間の長さは変更せず、
電源電圧のゼロクロス点に対する進み位相側の期間を短
縮するとともに、電源電圧のゼロクロス点に対する遅れ
位相側の期間を延長している。したがって、例えば、直
流電圧指令値が検出された電源電圧を越えるタイミング
から位相調整が施されたタイミングを起点とする電源電
圧の半周期に1回スイッチングが行われることになる。
【0049】この実施態様を採用した場合には、双方向
スイッチS1のオン信号の、電源電圧ゼロクロス点に対
して進み位相側の期間を適宜短縮することによって、倍
電圧電流の充放電動作が緩和され、電流ピークを大幅に
低減してリプルの少ない良好な電流波形を得ることがで
きる。この実施態様を採用して双方向スイッチS1の制
御を行った場合における各部の波形を図10に示す。図
10から明らかなように、倍電圧電流による電流ピーク
は殆ど見られず、リプルの少ない良好な電流波形になっ
ていることが分かる。また、この実施態様を採用して双
方向スイッチS1の制御を行った場合における高調波発
生量を図11に示す。図11から明らかなように、図8
と比較して低次高調波が大幅に低減され、家電・汎用品
高調波ガイドラインに対して非常に厳しい規格であるI
EC−classA高調波規制値をクリアするさらに高
性能なコンバータを実現することができることが分か
る。また、この時の入力力率は、基本波の位相が遅れる
ために図6の実施態様の入力力率よりも多少低下する
が、92%の高力率を達成することができる。
【0050】さらに詳細に説明する。図6の実施態様に
より双方向スイッチS1の制御を行った場合には、双方
向スイッチS1制御信号が電源電圧ゼロクロス点を中心
とした左右対称のパルス波形になる。そして、この制御
によると、全波整流電流(図7のmode2およびmo
de5)がリアクトルによって電源電圧に対して位相遅
れとなっているために、倍電圧整流と全波整流の切替点
における電流リプルが大きくなり、それに起因する高調
波の低減力が弱くなる。図7に示す波形を見て分かるよ
うに、倍電圧整流と全波整流を切り替える点で電流リプ
ルが発生し、図8の高調波分布に見られる7次、13次
などの高調波成分増加を引き起こしていることが分か
る。また、IEC−classA高調波規制値をクリア
できないことも分かる。
【0051】ここで、電流リプルを低減するためにリア
クトルの容量を大きくすることは容易に考えられる。し
かし、単にリアクトルの容量を調整しただけでは電流リ
プル低減に大きな効果を期待することができない。その
理由は、全波整流時と倍電圧整流時とでは同一容量のイ
ンダクタンスであっても蓄積エネルギーが互いに異な
り、全波整流動作時と倍電圧整流動作時とではリアクト
ルのピーク抑制効果にアンバランスが生じるためであ
る。すなわち、リアクトルの容量を増加することによる
倍電圧整流動作時の電流ピーク抑制効果が、全波整流動
作時の電流ピーク抑制効果に比べて小さいために、倍電
圧動作電流のピークが高くなり、それに起因する中間次
高調波の増大を招くことになる。
【0052】しかし、この実施態様を採用した場合に
は、双方向スイッチS1のオン信号の、電源電圧ゼロク
ロス点に対して進み位相側の期間を適宜短縮しているの
で、倍電圧整流動作時の電流ピーク抑制効果と全波整流
動作時の電流ピーク抑制効果との差を低減し、上述のよ
うに電流ピークを大幅に減少させることができるのであ
る。
【0053】この実施態様に基づく双方向スイッチS1
制御信号は、例えば、直流電圧指令のレベルを多少低下
させ、図9に示すように、位相調整器を用いて双方向ス
イッチS1制御信号の位相を調整することによって実現
できるので、制御部の構成を簡単にできる。また、リア
クトルの容量は、上述の電流リプル抑制のために図6の
実施態様におけるリアクトルの容量と比べて多少大きく
なる(例えば、12%)が、倍電圧整流方式におけるリ
アクトルの容量と比べて十分に小さい。もちろん、直流
電圧指令によって直流出力電圧の制御を達成することが
できる。
【0054】図12はこの発明のコンバータのさらに他
の実施態様を示す図である。このコンバータは、図示し
ない交流電源の端子間にリアクトル1を介して全波整流
回路2を接続し、全波整流回路2の出力端子間に平滑用
コンデンサC2と、互いに直列に接続された昇圧用コン
デンサC11,C12とを互いに並列接続し、全波整流
回路2の入力端子と昇圧用コンデンサC11,C12の
接続点との間に双方向スイッチS1を接続し、双方向ス
イッチS1を電源電圧の半周期に1回スイッチングさせ
るべく制御する制御部33を設けている前記制御部33
は、電源電圧のゼロクロスを検出するゼロクロス検出回
路33aと、外部から与えられる直流電圧指令値とゼロ
クロス検出信号とを入力として、電源電圧のゼロクロス
点を起点として立ち上がり、直流電圧指令値に対応する
期間が経過した時点で立ち下がるパルス信号を出力する
パルス幅制御回路33bと、パルス幅制御回路33bか
らの出力信号を入力として双方向スイッチS1を駆動す
るための駆動信号を出力する駆動回路33cとから構成
されている。
【0055】この実施態様のコンバータの作用を図13
の波形図を参照しながら詳細に説明する。なお、定常状
態であれば、初期状態(図13の時刻t0参照)におい
て昇圧用コンデンサC11,C12は前の1周期に蓄積
された電荷を保持しており、ある一定の電位を持ってい
る。以下には、昇圧用コンデンサC11の動作を主に図
13に示す各モードの動作を説明する。
【0056】mode1(時刻t0から時刻t1) 双方向スイッチS1は電源電圧のゼロクロス検出信号が
検出されたタイミングでターンオンし、コンバータは倍
電圧整流動作を開始する。昇圧用コンデンサC11は双
方向スイッチS1がターンオフするまで初期状態からさ
らに充電され、両端電圧が上昇する(図13中VC11
参照)。このとき、コンデンサ充電電流IC11が流れ
るので、昇圧用コンデンサC11の充電電流(実際は、
昇圧用コンデンサC12のmode4による放電電流と
の合成電流)によって入力電流は早い時刻に導通を開始
する。
【0057】mode2(時刻t1から時刻t2) 双方向スイッチS1は所定時間経過後(時刻t1)ター
ンオフされ、コンバータは、全波整流動作に切り替わ
る。そして、昇圧用コンデンサC11の電位は次の倍電
圧整流動作(双方向スイッチS1のターンオン)までホ
ールドされる。入力電流は直接平滑用コンデンサC2を
充電し、リアクトル1によってその遅れ位相側導通角が
拡大される。
【0058】mode3(時刻t2から時刻t3) 平滑用コンデンサC2の充電が終了(時刻t2)する
と、電流は非導通となり、次の電源電圧のゼロクロス検
出信号まで休止期間となる。 mode4(時刻t3から時刻t4) 次の電源電圧のゼロクロス検出信号が検出されたタイミ
ング(時刻t3)で双方向スイッチS1がターンオンす
ると、昇圧用コンデンサC11は放電を開始し、双方向
スイッチS1がターンオフする(時刻t4)まで、もし
くは初期状態の電位になるまで(定常状態ではt0−t
1とt3−t4は等しいので初期状態の電位に戻る)放
電を続ける。昇圧用コンデンサC11の放電電流(実際
は、昇圧用コンデンサC12のmode1による充電電
流との合成電流)によって入力電流は早い時刻から導通
を開始するので、導通角が拡大する。
【0059】mode5(時刻t4から時刻t5) 双方向スイッチS1は所定時間経過後(時刻t4)ター
ンオフされ、昇圧用コンバータは全波整流動作に切り替
わり、mode2と同様に遅れ位相側導通角が拡大され
る。 mode6(時刻t5から時刻t6) 平滑コンデンサC2の充電が終了(時刻t5)すると、
電流は非導通となり、次の電源電圧ゼロクロス検出信号
が検出されたタイミングでmode1に戻る。
【0060】昇圧用コンデンサC12は、倍電圧整流回
路と同様に、昇圧用コンデンサC11と等しい静電容量
を有しているので、半周期遅れで上記と同様の動作を行
う。以上のように、昇圧用コンデンサC11(昇圧用コ
ンデンサC12)を倍電圧動作させ、全波整流時以上に
電荷を蓄えることにより、直流電圧Vdcの昇圧を実現
している。直流電圧Vdcは、双方向スイッチS1のオ
ン時間によって全波出力から倍電圧出力までの範囲で自
在にコントロールできるため、負荷が大きく、直流電圧
が低下した時は、双方向スイッチS1のオン時間を延ば
すことによって容易に昇圧することができる。逆に、直
流電圧が上昇する軽負荷の場合には、双方向スイッチS
1のオン時間を短くすることによって容易に直流電圧の
過上昇を抑えることができる。また、高調波対応とする
場合は、双方向スイッチS1のオン時間を2msecな
いし4msecに付近に設定することによって、昇圧用
コンデンサC11,C12の充電電流による入力電流の
進相側導通角拡大効果とリアクトル1による遅相側導通
角拡大効果を併せ持つようになり、導通角は飛躍的に増
大し、力率改善と低次高調波低減を実現できる。さら
に、チョークインプット形であるため、電源系統のイン
ダクタンス成分による中間次高調波発生もない。図14
にこの実施態様のコンバータにおける高調波発生量とI
EC−classA高調波規制値との整合性を示す。図
14から明らかなように、この実施態様のコンバータは
IEC規格に適合した低高調波の電源であることが分か
る。空気調和機における国内高調波ガイドライン(家電
・汎用品高調波ガイドライン)はIEC−classA
規格値を緩和した値となっているので、国内高調波ガイ
ドラインは余裕をもってクリアすることができる。ま
た、この時の入力力率は93%の高力率であった。
【0061】ここで、全波整流回路2の入力側に用いら
れているリアクトルは、従来倍電圧方式では倍電圧電流
の基本波位相を電源電圧に同期させる必要があるため
に、20%程度の大型リアクトルを用いていた(20%
リアクトルでもIEC規制をクリアすることは不可能)
が、この実施態様では、全波整流電流による遅相側導通
角拡大効果を有するので、8%ないし9%のリアクトル
でIEC規制をクリアできる高性能なコンバータを実現
することができる。
【0062】また、半周期に1回という簡単なスイッチ
ングであるから、制御部33は、回路構成が簡単にな
り、安価となる。そして、図4に示す昇圧チョッパを用
いた力率改善コンバータで大きな問題になっていたキャ
リアなどのノイズ発生もなくなる。さらに、高周波スイ
ッチングによる電流の高周波リプル成分がリアクトルに
流れないので、リアクトルの高周波損失が低減され、図
4に示す昇圧チョッパを用いた力率改善コンバータに対
してコンバータ効率が改善される。
【0063】この実施態様の双方向スイッチS1制御信
号は、トリガ(電源電圧のゼロクロス検出信号)からあ
る一定時間駆動信号を出力するという非常に簡単なもの
であるので、例えば、図12に示す実施態様のようにマ
ルチバイブレータのようなパルス幅制御装置を用いるこ
とによって簡単に実現できる。また、図15に示すよう
に、直流出力電圧は、双方向スイッチS1のオンタイム
によって全波整流電圧から倍電圧整流電圧まで直線的に
変化するので、所望の直流出力電圧に対する双方向スイ
ッチS1のオンタイム設定は簡単な四則計算で行うこと
ができる。
【0064】図16はこの発明のコンバータのさらに他
の実施態様を示す図である。このコンバータは、図示し
ない交流電源の端子間にリアクトル1を介して全波整流
回路2を接続し、全波整流回路2の出力端子間に平滑用
コンデンサC2と、互いに直列に接続された昇圧用コン
デンサC11,C12とを互いに並列接続し、全波整流
回路2の入力端子と昇圧用コンデンサC11,C12の
接続点との間に双方向スイッチS1を接続し、双方向ス
イッチS1を電源電圧の半周期に1回スイッチングさせ
るべく制御する制御部43を設けている前記制御部43
は、電源電圧のゼロクロスを検出するゼロクロス検出回
路43aと、負荷に与えられる直流電圧を検出する直流
電圧検出回路43bと、外部から与えられる直流電圧指
令値と直流電圧検出回路43bにより検出された直流電
圧とを入力として、両者の偏差を出力する偏差検出器4
3cと、電源電圧、または電源電圧のゼロクロス点検出
信号および直流電圧指令値に偏差検出器43cの出力を
足し合わせた直流電圧指令補正値を入力として、双方向
スイッチS1を駆動するための制御信号を出力する制御
回路43dと、制御回路43dからの出力信号を入力と
して双方向スイッチS1を駆動するための駆動信号を出
力する駆動回路43eとから構成されている。
【0065】ここに、制御回路43dは、検出された電
源電圧と直流電圧指令補正値との大小を比較して比較結
果信号を出力するか、あるいは前記比較結果信号の電源
電圧ゼロクロス点に対する進み位相側の期間を短縮すべ
く位相を調節した信号を出力するか、あるいは電源電圧
のゼロクロス点を起点として立ち上がり、直流電圧指令
補正値に対応する期間が経過した時点で立ち下がるパル
ス信号を出力するかの何れかの制御方式が採用される。
【0066】この実施態様を採用した場合には、直流電
圧指令値に対する直流電圧の偏差に基づいて双方向スイ
ッチS1のオン時間を設定することができ、精度よく直
流電圧を制御することができる。すなわち、図12の実
施態様を採用した場合には、入力電流が増加した場合
に、リアクトル1による電圧降下が大きくなるので、直
流電圧を精度よく制御することができないのに対して、
この実施態様を採用することにより、直流電圧を精度よ
く制御することができる。
【0067】図17はモータを制御するインバータを負
荷として採用した状態を示す図である。図17において
は、インバータ44に対して駆動回路44aを介してス
イッチング指令を供給するインバータ制御回路44bが
必要とする直流電圧値を直流電圧指令値としてコンバー
タ制御部43に供給している。したがって、例えば、イ
ンバータ44のV/F制御などを用いる場合、インバー
タが運転状態に応じて最適なインバータ駆動を行うため
に必要な直流電圧値を直流電圧指令値としてコンバータ
制御部43に供給することによって、コンバータが常に
最適な直流電圧を供給でき、インバータ、モータの高効
率運転に大きな役割を果たすことができる。
【0068】図18はこの発明のコンバータのさらに他
の実施態様を示す図である。この実施態様においてはモ
ータを制御するインバータを負荷として採用しており、
前記の何れかの実施態様の制御部の構成要素のうち、電
源電圧(ゼロクロス)検出回路、直流電圧検出回路、駆
動回路を除く構成要素をインバータ44を制御するため
のマイクロコンピュータ44cに組み込んでいる。
【0069】図6、図9の実施態様に対応させる場合に
は、マイクロコンピュータ44cにおいて直流電圧指令
値と電源電圧との比較演算および位相調整を行わせれば
よく、図12の実施態様に対応させる場合には、マイク
ロコンピュータ44cにおいて、電源電圧のゼロクロス
検出信号により内部タイマをスタートすると同時に双方
向スイッチS1を駆動する駆動信号を出力し、前記内部
タイマによる所定カウント終了後に駆動信号をオフすれ
ばよい。そして、直流電圧および高調波、力率改善はタ
イマのカウント数のみによって制御することができる。
なお、何れの実施態様に対応させる場合であっても、マ
イクロコンピュータ44cの制御プログラムは非常に簡
単なものでよい。
【0070】さらに、通常空気調和機に用いられる制御
回路には電源電圧のゼロクロスを検出するゼロクロス検
出回路が装備されている上、インバータからの直流電圧
指令値をわざわざ他から受け取る必要もなくなるので、
双方向スイッチS1制御をインバータ用のマイクロコン
ピュータに組み込むことによって、倍電圧整流方式に対
する付加部品は、双方向スイッチとその駆動回路以外は
殆ど必要でなく、低コスト、省スペースで高性能なモー
タ駆動システムを構成することができる。このとき、マ
イクロコンピュータで必要となるハードウェアは出力ポ
ート1ないし2個と内部タイマ1台のみである。
【0071】また、直流電圧がα倍になると、同容量の
負荷を駆動するインバータの電流容量は1/αとなる。
そして、インバータの発熱もそれに比例して減少するこ
とになり、インバータを小型化、低コスト化することが
できる。また、上述したように、インバータの指令によ
ってコンバータの直流電圧を自在に可変できるため、V
/F制御を効果的に行うことができ、インバータ、モー
タの高効率化を実現することができる。
【0072】先に述べたように、モータの高周波化の限
界は駆動電圧によって定まる。すなわち、駆動電圧にほ
ぼ比例的に限界周波数が上昇することとなり、直流電圧
の上昇はモータの運転範囲を広げる効果をもたらす。空
気調和機は、運転開始時には即冷(即暖)のために最大
能力運転を行うが、運転範囲拡大は即冷(即暖)能力を
飛躍的に改善するものである。また、能力の異なる空気
調和機の圧縮機モータ統一化を実現する有用な手段であ
り、コストダウンに大きく寄与する。
【0073】一方、コンバータ単体においても、高効率
と高調波抑制を実現し、従来はPWMコンバータあるい
は高コスト大型のパッシブ方式でしか適合できなかった
数kWクラスのIEC高調波規制(classA)を低
コスト省スペースの回路構成でクリアすることができる
とともに、90%をゆうに越える高力率を達成すること
ができる。また、半周期に1回の簡易スイッチであるた
め、PWM方式で問題となっていたノイズや高周波損失
などの問題が発生することがない。
【0074】また、双方向スイッチのオン期間を自在に
可変できることから、例えば、軽負荷時に直流電圧を抑
制し、高負荷時は直流電圧を上昇し、定格負荷時には高
調波、力率優先制御を行うなど、状況に応じた最適なコ
ンバータ駆動を簡単に行うことができる。上記制御に
は、負荷状態の予測が必要であるが、負荷状態は、機器
入力電流、コンバータ出力電流、インバータ周波数等で
予測が可能であるので、空気調和機等のインバータ制御
回路(マイクロコンピュータ)が従来から持っている機
器入力電流、インバータ周波数等の情報で、負荷予測は
容易に実現できる。
【0075】さらに、機器入力電流もしくはインバータ
周波数に対応する最適な双方向スイッチS1のオン時間
を予めマイクロコンピュータのメモリに持たせておくこ
とによって、負荷容量演算を必要としなくなるので、制
御はさらに簡素化される。図23はこの発明のコンバー
タのさらに他の実施態様を示す電気回路図である。
【0076】このコンバータは、三相交流電源100の
各相の出力端子をそれぞれリアクトル101を介して三
相ダイオード全波整流回路102の各入力端子に接続し
ている。そして、三相ダイオード全波整流回路102の
出力端子間に、互いに等しい静電容量を有する平滑用コ
ンデンサC101,C102を直列接続し、三相ダイオ
ード全波整流回路102の各入力端子と平滑用コンデン
サC101,C102の接続点との間にそれぞれ双方向
スイッチS101,S102,S103を接続し、双方
向スイッチS101,S102,S103を電源電圧の
半周期に1回スイッチングさせるべく制御する制御部1
03を設けている。
【0077】前記制御部103は、三相交流電源100
の相電圧を検出し、相電圧に基づいて、所定のタイミン
グで双方向スイッチS101,S102,S103をO
Nさせるべく制御信号を出力する。次いで、図26に示
す各部の波形を参照しながら前記の構成のコンバータの
動作を説明する。
【0078】三相交流電源100の電源電圧は図26中
(a)に示すように変化する。そして、制御部103
は、各相電源電圧のゼロクロスを検出して図26中
(b)に示すように該当する相の双方向スイッチをON
させるべく制御信号を出力する。そして、三相ダイオー
ド全波整流回路102の各入力端子における相電圧は、
図26中(c)に示すように、双方向スイッチがONの
期間に対応してゼロになり、この期間を挟んでV0/
2、−V0/2を反復するように変化する。なお、V0
は直流電圧である。したがって、三相ダイオード全波整
流回路102の各入力端子における線間電圧は、図26
中(d)に示すように、V0、V0/2、0、−V0/
2、−V0の5つのレベルの振幅を持つ、1周期に8ス
テップの波形になる。そして、電源電圧の中性点に対す
るコンバータ入力電圧(三相ダイオード全波整流回路1
02の各入力端子における電圧)は、図26中(e)に
示すように、2V0/3、V0/2、V0/3、0、−
V0/3、−V0/2、−2V0/3の7つのレベルの
振幅を持つ、1周期に12ステップの波形になる。な
お、入力電圧と入力電流とは図24に示すとおりであ
る。
【0079】このように、コンバータ入力電圧を12ス
テップの電圧波形にすることができるので、図26中
(f)に示すように、入力電流はほぼ正弦波状の波形に
なり、従来の三相12パルス整流回路方式以上の高調波
低減効果を達成することができる(図25参照)。図2
3の実施態様において、各交流スイッチのON時間を変
化させることが可能である。
【0080】図27はON時間を変化させた場合のコン
バータ入力電圧波形の変化を説明する図である。このよ
うにコンバータ入力電圧波形を変化させれば、各高調波
成分の含有率が変わるので、特定の高調波成分を除去
し、または低減することができる。図28は交流スイッ
チのON時間に対する高調波電流特性を示す図である。
【0081】この図を参照すれば、ON時間をπ/6に
設定することにより、5次高調波成分および7次高調波
成分を共に低減できることが分かる。また、ON時間を
π/6よりもやや長くすれば5次高調波成分を除去する
ことができ、ON時間をπ/6よりもやや短くすれば7
次高調波成分を除去することができる。また、図23の
実施態様において、各交流スイッチのONのタイミング
を変化させることが可能である。
【0082】図29はONタイミングを変化させた場合
のコンバータ入力電圧波形の変化を説明する図である。
なお、電源電圧も共に示している。図29中(a)に
は、電源電圧波形とコンバータ入力電圧波形とを示し、
図29中(b)には、タイミングの変化に対応する交流
スイッチのON状態を示している。このようにコンバー
タ入力電圧波形を変化させる場合には、例えば、負荷情
報として入力電流を検出し、その検出値に応じて双方向
スイッチをONするタイミングを変え、コンバータ入力
電圧の電源電圧に対する位相差θを制御すればよく、全
ての負荷変動範囲で、特定の高調波成分を除去し、また
は低減する状態を保つことができる。
【0083】各高調波成分がIEC規格クラスAをクリ
アするように、双方向スイッチのON時間を設定し、負
荷に応じてコンバータ入力電圧の位相制御を行えば、図
30に示すように、全ての負荷変動範囲で高調波規格を
満足することができる。図31はこの発明のコンバータ
のさらに他の実施態様を示す電気回路図である。
【0084】図31のコンバータが図23のコンバータ
と異なる点は、制御部103に代えて、入力電流を検出
するとともに、三相交流電圧のゼロクロスを検出して位
相制御を行うべく位相差指令(ONタイミング指令)θ
を出力する位相制御部104と、この位相差指令θおよ
びON時間指令を入力としてONタイミングからON時
間だけ各双方向スイッチをONさせるべく双方向スイッ
チ駆動信号を出力するドライブ回路105とを設けた点
のみである。
【0085】図32(a)(b)は、それぞれ重負荷
時、軽負荷時における電圧ベクトル図である。何れの電
圧ベクトル図においても、入力電流の基本波Iと電源電
圧Vsとが同相になっている。換言すれば、入力電流に
応じて双方向スイッチのONタイミングを変えて、電源
電圧Vsに対する位相差θを制御することにより、入力
電流の基本波Iと電源電圧Vsとを同相にすることがで
きる。また、双方向スイッチのON時間を変えて、コン
バータ入力電圧の基本波Vの大きさを制御することがで
きる。
【0086】このように制御を行うことにより、入力電
流の基本波力率を常に1に保つことができる。なお、前
記位相制御部104においては、θ=tan-1(ωL・
I/Vs)の演算を行うことにより位相差指令θを算出
する。図33はこの発明のコンバータのさらに他の実施
態様を示す電気回路図である。
【0087】図33のコンバータが図31のコンバータ
と異なる点は、位相制御部104に代えて、入力電流を
検出するとともに、入力電圧を検出して位相制御を行う
べく位相差指令(ONタイミング指令)θを出力する位
相制御部106と、入力電流を検出するとともに、入力
電圧を検出してON時間指令tonを出力する電圧制御
部107とを設けた点のみである。
【0088】この構成のコンバータを採用した場合に
は、図31の構成のコンバータと同様に位相差指令θを
出力することができるほかに、電圧制御部107によっ
て双方向スイッチのON時間指令tonを出力すること
ができる。ここで、直流電圧は、電源電圧と入力電流の
基本波との位相差φを検出し、電源電圧と入力電流の基
本波との位相が互いに同相になるように双方向スイッチ
のON時間指令tonを設定して出力する。具体的に
は、図34中(a)に示すように入力電流が進み位相で
ある場合には、双方向スイッチのON時間指令tonを
短くしてコンバータ入力電圧を小さくし、図34中
(b)に示すように入力電流が遅れ位相である場合に
は、双方向スイッチのON時間指令tonを長くしてコ
ンバータ入力電圧を大きくする。
【0089】したがって、図31の構成のコンバータを
用いてコンバータ入力電圧の位相のみを制御する場合
に、入力電流の基本波と電源電圧との間に僅かな位相差
が生じ、入力力率が多少低下するのであるが、図33の
構成のコンバータを採用すれば、コンバータ入力電圧の
大きさをも制御するので、電源電圧と入力電流の基本波
とを常に互いに同相とすることができ、入力力率を高く
保つことができる。
【0090】図35はこの発明のコンバータのさらに他
の実施態様を示す電気回路図である。図35のコンバー
タが図31のコンバータと異なる点は、位相制御部10
4に代えて、直流電圧を検出して直流電圧指令値との偏
差を算出する偏差算出部108と、算出された偏差を入
力としてPI(比例・積分)制御を行って双方向スイッ
チのON時間指令tonを出力するPI回路109とを
採用し、ドライブ回路105において、電源電圧のゼロ
クロスを検出し、かつ双方向スイッチのON時間指令t
onを入力として、ゼロクロスから時間tonだけ双方
向スイッチをONさせるべく双方向スイッチ駆動信号を
出力するようにした点のみである。
【0091】この実施態様のコンバータを採用した場合
には、直流電圧を検出して直流電圧指令値との偏差を算
出し、算出された偏差に応じて双方向スイッチのON時
間を変化させることができるので、電源電圧変動、負荷
変動に拘らず、安定した直流電圧を供給することができ
る。また、高調波電流は、図36に示すように、直流電
圧設定値に応じて変化する(双方向スイッチのON時間
に対する特性と同様)のであるから、最大負荷時に各高
調波電流がIEC規格クラスAを満足する直流電圧で、
直流電圧一定制御を行えば、全ての負荷変動範囲で高調
波規格を満足することができる(図37参照)。
【0092】さらに、図38の直流電圧−入力電力特性
図に示すように、この実施態様を採用した場合には、負
荷が増加しても直流電圧が低下しないことが分かる(図
38中白四角を参照)。なお、図38中黒四角は従来の
コンバータの特性図であり、負荷の増加に伴って直流電
圧が低下している。図39はこの発明のコンバータのさ
らに他の実施態様を示す電気回路図である。
【0093】図39のコンバータが図35のコンバータ
と異なる点は、直流電圧を負荷としてのインバータ回路
110に供給し、インバータ回路110によりモータM
0を駆動している点、およびインバータ回路110を制
御するためのインバータ制御部111からから出力され
る直流電圧指令値を偏差算出部108に供給している点
のみである。
【0094】したがって、この構成のコンバータを採用
した場合には、インバータ回路110が要求する直流電
圧、例えば、V/F制御時の最適V/Fパターンを実現
するのに必要な直流電圧をコンバータから供給すること
ができる。この実施態様において、インバータ制御部1
11、偏差算出部108、PI回路109、ドライブ回
路105をインバータのマイコンで実現することが可能
であり、この場合には、双方向スイッチおよびその駆動
回路のみを付加すればよいので、安価、かつ高力率のコ
ンバータを実現することができる。また、図19中
(a)に示すコンバータと比較して直流電圧を高くでき
るので、モータ運転能力範囲を拡大することができる。
【0095】図40はこの発明のコンバータのさらに他
の実施態様を示す電気回路図である。図40のコンバー
タは、三相ダイオード全波整流回路102の出力端子間
に互いに直列接続された昇圧用コンデンサ(倍電圧用コ
ンデンサ)C104,C105の静電容量を上記の各コ
ンバータの平滑用コンデンサC101,C102の静電
容量よりも小さく(例えば、1/10程度)設定し、1
対の昇圧用コンデンサC104,C105の直列回路と
並列に静電容量が大きい平滑用コンデンサC103を接
続した点のみである。ただし、平滑用コンデンサC10
1,C102の直列接続回路の静電容量と平滑用コンデ
ンサC103の静電容量とを等しく設定する。なお、双
方向スイッチを制御するための構成は、上記の何れかの
コンバータと同様であるから、図40においては図示を
省略してある。
【0096】この実施態様を採用した場合には、図41
中(b)に示すように、直流電圧の中性点電位が変動す
るので、コンバータ入力電圧波形は図41中(a)に示
すように、正弦波に近い波形になる。この結果、入力電
流の高調波成分を低減することができる。特に、規格値
に対して余裕がない次数(7、11、17、19次)の
高調波電流を低減することができる(図42参照)。た
だし、5次高調波成分は増加することになるが、もとも
と5次高調波電流は規格値に対して十分に余裕があるの
で、特に問題とはならない。
【0097】
【発明の効果】請求項1の発明は、倍電圧整流と全波整
流とを電源電圧の変動に応じて切り替えることができ、
全波整流により得られる電圧以上であり、しかも、倍電
圧整流により得られる電圧よりも低い電圧の範囲内での
直流電圧昇圧を簡単に達成することができるという特有
の効果を奏する。
【0098】請求項2の発明は、前記した直流電圧昇圧
効果に加え、倍電圧整流と全波整流との切り替えをより
簡単化できるという特有の効果を奏する。請求項3の発
明は、前記した直流電圧昇圧効果に加え、倍電圧整流方
式による進相側導通角拡大と全波整流方式による遅相側
導通角拡大の両方の効果を効率的に利用し、著しい力率
改善及び高調波改善を達成することができるという特有
の効果を奏する。
【0099】請求項4の発明は、前記した直流電圧昇圧
効果に加え、力率改善効果、高調波改善効果を得ること
ができるという特有の効果を奏する。請求項5の発明
は、前記した直流電圧昇圧効果に加え、力率改善効果、
高調波改善効果を高めることができるという特有の効果
を奏する。請求項6の発明は、前記した直流電圧昇圧効
果に加え、力率改善効果を高めることができ、しかも、
高調波改善効果を一層高めることができるという特有の
効果を奏する。
【0100】請求項7の発明は、請求項1から請求項6
の何れかと同様の効果を奏する。請求項8の発明は、請
求項1から請求項6の何れかの効果に加え、コンバータ
の後段の回路で必要とされている直流電圧を出力するこ
とができるという特有の効果を奏する。請求項9の発明
は、全波整流により得られる電圧以上であり、しかも、
倍電圧整流により得られる電圧よりも低い電圧の範囲内
での直流電圧昇圧を簡単に達成することができるという
特有の効果を奏する。
【0101】請求項10の発明は、入力電流の高次高調
波成分を低減させることができるほか、全波整流により
得られる電圧以上であり、しかも、倍電圧整流により得
られる電圧よりも低い電圧の範囲内での直流電圧昇圧を
簡単に達成することができるという特有の効果を奏す
る。請求項11の発明は、コンデンサ入力形整流回路に
おける低入力力率、高調波電流の発生という不都合を改
善することができ、しかもPWMコンバータにおける高
周波スイッチングに起因する効率の低下、ノイズの増
加、漏洩電流の増大、コストアップという不都合を改善
することができるという特有の効果を奏する。
【0102】請求項12の発明は、特定の高調波成分を
除去し、または低減することができるほか、請求項9か
ら請求項11の何れかと同様の効果を奏する。請求項1
3の発明は、全ての負荷変動範囲で、特定の高調波成分
を除去し、または低減することができるほか、請求項1
2と同様の効果を奏する。請求項14の発明は、入力電
流の基本波力率を常に1に保つことができるほか、請求
項9から請求項13の何れかと同様の効果を奏する。
【0103】請求項15の発明は、電源電圧変動、負荷
変動に拘らず安定した直流電圧を供給することができる
ほか、請求項9から請求項11の何れかと同様の効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のコンバータの一例を示す電気回路図、入
力電圧、電流波形を示す図、および高調波発生量と家電
・汎用品高調波ガイドライン、IEC−classA高
調波規制との関係を示す図である。
【図2】従来のコンバータの他の例を示す電気回路図、
入力電圧、電流波形を示す図、および高調波発生量と家
電・汎用品高調波ガイドライン、IEC−classA
高調波規制との関係を示す図である。
【図3】従来のコンバータのさらに他の例を示す電気回
路図、および入力電圧、電流波形を示す図である。
【図4】従来のコンバータのさらに他の例を示す電気回
路図、および入力電圧、電流波形を示す図である。
【図5】この発明のコンバータの一実施態様を示す図で
ある。
【図6】この発明のコンバータの他の実施態様を示す図
である。
【図7】図6のコンバータの各部の波形を示す図であ
る。
【図8】図6のコンバータの高調波発生量と家電・汎用
品高調波ガイドライン、IEC−classA高調波規
制との関係を示す図である。
【図9】この発明のコンバータのさらに他の実施態様を
示す図である。
【図10】図9のコンバータの各部の波形を示す図であ
る。
【図11】図9のコンバータの高調波発生量と家電・汎
用品高調波ガイドライン、IEC−classA高調波
規制との関係を示す図である。
【図12】この発明のコンバータのさらに他の実施態様
を示す図である。
【図13】図12のコンバータの各部の波形を示す図で
ある。
【図14】図12のコンバータの高調波発生量と家電・
汎用品高調波ガイドライン、IEC−classA高調
波規制との関係を示す図である。
【図15】双方向スイッチのオン時間に対する出力電圧
の変化を示す図である。
【図16】この発明のコンバータのさらに他の実施態様
を示す図である。
【図17】図16のコンバータの変形例を示す図であ
る。
【図18】この発明のコンバータの変形例を示す図であ
る。
【図19】従来のチョーク入力形整流回路を示す図であ
る。
【図20】従来のPWMコンバータを示す図である。
【図21】従来の三相12パルス整流回路方式を示す図
である。
【図22】従来の三相12パルス整流回路方式の各部の
波形を示す図である。
【図23】この発明のコンバータのさらに他の実施態様
を示す電気回路図である。
【図24】図23のコンバータの入力電圧・電流波形を
示す図である。
【図25】図23のコンバータの高調波発生量とIEC
−classA高調波規制との関係を示す図である。
【図26】図23のコンバータの各部の波形を示す図で
ある。
【図27】双方向スイッチのON時間を変化させた場合
のコンバータ入力電圧波形を示す図である。
【図28】ON時間に対する入力電流高調波成分の変化
特性を示す図である。
【図29】電源電圧と、双方向スイッチのONタイミン
グを変化させた場合のコンバータ入力電圧の変化を示す
図である。
【図30】入力電力に対する各次の高調波電流の変化特
性を示す図である。
【図31】この発明のコンバータのさらに他の実施態様
を示す電気回路図である。
【図32】重負荷時、軽負荷時に対応する電圧ベクトル
図である。
【図33】この発明のコンバータのさらに他の実施態様
を示す電気回路図である。
【図34】進み位相、遅れ位相に対応する電圧ベクトル
図である。
【図35】この発明のコンバータのさらに他の実施態様
を示す電気回路図である。
【図36】最大負荷時における入力電力に対する各次の
高調波電流の変化特性を示す図である。
【図37】直流電圧制御時における入力電力に対する各
次の高調波電流の変化特性を示す図である。
【図38】入力電力に対する直流電圧の変化特性を示す
図である。
【図39】この発明のコンバータのさらに他の実施態様
を示す電気回路図である。
【図40】この発明のコンバータのさらに他の実施態様
を示す電気回路図である。
【図41】コンバータ入力電圧波形およびコンデンサリ
プル電圧波形を示す図である。
【図42】図41のコンバータの高調波発生量とIEC
−classA高調波規制との関係を示す図である。
【符号の説明】
1,101 リアクトル 2 全波整流回路 3,13,23,33,43 制御部 100 三相
交流電源 102 三相ダイオード全波整流回路 103 制御
回路 104 位相制御部 105 ドライブ回路 106 位相制御部 107 電圧制御部 108 偏差算出部 109 PI回路 C2,C101,C102,C103 平滑用コンデン
サ C11,C12,C104,C105 昇圧用コンデン
サ S1,S101,S102,S103 双方向スイッチ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−65056(JP,A) 特開 平6−245527(JP,A) 特開 平8−228487(JP,A) 特開 平6−253540(JP,A) 特開 昭56−46663(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 7/21 H02M 1/14 H02M 7/155

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源に対してリアクトル(1)を介
    して全波整流回路(2)を接続し、全波整流回路(2)
    の出力端子間に平滑用コンデンサ(C2)と、互いに直
    列に接続された昇圧用コンデンサ(C11)(C12)
    とを互いに並列接続し、全波整流回路(2)の入力端子
    と昇圧用コンデンサ(C11)(C12)どうしの接続
    点との間にスイッチング手段(S1)を接続し、スイッ
    チング手段(S1)を電源電圧の変動に応じてスイッチ
    ングさせるべく制御する制御手段(3)(13)(2
    3)(33)(43)を設けたことを特徴とするコンバ
    ータ。
  2. 【請求項2】 前記制御手段(3)(13)(23)
    (33)(43)は、スイッチング手段(S1)を電源
    電圧の半周期に1回スイッチングさせるべく制御するも
    のである請求項1に記載のコンバータ。
  3. 【請求項3】 前記制御手段(3)は、電源電圧のゼロ
    クロスを検出し、ゼロクロスを検出したことに応答し
    て、スイッチング手段(S1)を所定時間ターンオンさ
    せる制御信号を出力するものである請求項1または請求
    項2に記載のコンバータ。
  4. 【請求項4】 前記制御手段(13)(23)は、電源
    電圧のゼロクロスを含む所定時間スイッチング手段(S
    1)をターンオンさせる制御信号を出力するものである
    請求項1または請求項2に記載のコンバータ。
  5. 【請求項5】 前記制御手段(13)は、電源電圧のゼ
    ロクロスを中心とする所定時間スイッチング手段(S
    1)をターンオンさせる制御信号を出力するものである
    請求項4に記載のコンバータ。
  6. 【請求項6】 前記制御手段(23)は、電源電圧のゼ
    ロクロスを含み、かつゼロクロスを基準とする進み位相
    側の時間が遅れ位相側の時間よりも短くなるように設定
    された所定時間スイッチング手段(S1)をターンオン
    させる制御信号を出力するものである請求項4に記載の
    コンバータ。
  7. 【請求項7】 前記制御手段(3)は、予め設定された
    所定時間スイッチング手段(S1)をターンオンさせる
    制御信号を出力するものである請求項1から請求項6の
    何れかに記載のコンバータ。
  8. 【請求項8】 前記制御手段(43)は、負荷に供給さ
    れる直流電圧と外部から与えられる直流電圧指令値とを
    比較し、直流電圧を直流電圧指令値に接近させることが
    できる所定時間スイッチング手段(S1)をターンオン
    させる制御信号を出力するものである請求項1から請求
    項6の何れかに記載のコンバータ。
  9. 【請求項9】 三相交流電源(100)に対してリアク
    トル(101)を介して三相全波整流回路(102)を
    接続し、三相全波整流回路(102)の出力端子間に、
    互いに直列に接続された平滑用コンデンサ(C101)
    (C102)を接続し、三相全波整流回路(102)の
    各相の入力端子と平滑用コンデンサ(C101)(C1
    02)どうしの接続点との間にスイッチング手段(S1
    01)を接続し、スイッチング手段(S101)(S1
    02)(S103)を負荷変動や電源電圧の変動に応じ
    てスイッチングさせるべく制御する制御手段(103)
    (104)(105)(106)(107)(108)
    (109)を設けたことを特徴とするコンバータ。
  10. 【請求項10】 三相交流電源(100)に対してリア
    クトル(101)を介して三相全波整流回路(102)
    を接続し、三相全波整流回路(102)の出力端子間
    に、互いに直列に接続された昇圧用コンデンサ(C10
    4)(C105)を接続し、互いに直列に接続された昇
    圧用コンデンサ(C104)(C105)に対して、こ
    れらのコンデンサ(C104)(C105)よりも静電
    容量が大きい平滑用コンデンサ(C103)を並列に接
    続し、三相全波整流回路(102)の各相の入力端子と
    昇圧用コンデンサ(C104)(C105)どうしの接
    続点との間にスイッチング手段(S101)を接続し、
    スイッチング手段(S101)(S102)(S10
    3)を負荷変動や電源電圧の変動に応じてスイッチング
    させるべく制御する制御手段(103)(104)(1
    05)(106)(107)(108)(109)を設
    けたことを特徴とするコンバータ。
  11. 【請求項11】 前記制御手段(103)(104)
    (105)(106)(107)(108)(109)
    は、スイッチング手段(S101)(S102)(S1
    03)を電源電圧の半周期に1回スイッチングさせるべ
    く制御するものである請求項9または請求項10に記載
    のコンバータ。
  12. 【請求項12】 前記制御手段(103)は、特定の高
    調波成分を除去し、または低減すべくスイッチング手段
    (S101)(S102)(S103)のON時間を設
    定するものである請求項9から請求項11の何れかに記
    載のコンバータ。
  13. 【請求項13】 前記制御手段(103)は、負荷情報
    を検出し、検出値に応じてスイッチング手段(S10
    1)(S102)(S103)をONさせるタイミング
    を設定するものである請求項12に記載のコンバータ。
  14. 【請求項14】 前記制御手段(104)(105)
    (106)(107)は、入力電流の基本波と電源電圧
    とが同相になるようにスイッチング手段(S101)
    (S102)(S103)のON時間およびスイッチン
    グ手段(S101)(S102)(S103)をONさ
    せるタイミングを設定するものである請求項9から請求
    項13の何れかに記載のコンバータ。
  15. 【請求項15】 前記制御手段(105)(108)
    (109)は、直流電圧を検出し、検出された直流電圧
    と直流電圧指令値との偏差を算出し、算出された偏差に
    応じてスイッチング手段(S101)(S102)(S
    103)のON時間を設定するものである請求項9から
    請求項11の何れかに記載のコンバータ。
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