JP7121971B2 - 三相ac-dcコンバータ - Google Patents

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Description

本発明は、三相交流(三相AC)を直流(DC)に変換する三相AC-DCコンバータに関するものである。
太陽光発電などの分散電源、鉄道・船舶などの輸送交通用電源、またデータセンターなどの情報通信用電源では、CO削減のために大型の低周波トランスではなく、小型な高周波トランスの適用が進む傾向であり、特に、中圧交流(例えば、3.3kV,6.6kV)から低圧直流(400~700V)を生成する電源では、パワー半導体素子のスイッチングに基づき交流を変換する高周波リンク電力変圧器(Solid State Transformer;SST)が有用である。SSTは高周波でトランスを励磁するため、従来の変圧器と比較して大幅な小型化が可能である。しかし現状では、電力変換段数の増加やパワー半導体素子での電力損失、電力制御手段の複雑化などが要因で実用レベルに至っておらず、SSTの更なる小型軽量化と電力変換効率の向上(高効率化)が期待されている。
電力変換段数に関しては、低周波交流から直流へ変換(三相AC-DC変換)、直流を昇圧変換および力率改善(DC-DC昇圧変換)、直流から高周波交流へ変換(DC-AC変換)、高周波交流から直流に変換(AC-DC変換)といった複数段変換をより簡略化すべきことが要求されている。特に、低周波から高周波を生成する3段変換プロセスを1段まで削減することにより、2~3%の電力損失の改善が図れると言われている。
また、SSTデバイス全体の体積増化と重量増化およびメンテナンス頻度増化の要因である大容量の電力フィルタを用いない回路方式の導入は、小型軽量化にとって重要であり、低コスト化が図れる。また、パワー半導体素子の高速スイッチング動作に関して、低損失化、低ノイズ化を実現するソフトスイッチング技術が必要であり、それに適する電力制御として高周波パルス変調制御の導入が重要である。加えて、実用性の観点から、技術的に未成熟な自励式双方スイッチを使用しない回路方式がのぞましい。更に、国内外の三相電源の結線方式の違いや、用途に応じて多重化や直並列化ができる拡張性が必要である。
三相交流電圧から直流電圧に変換する従来例としては、例えば特許文献1に電源装置(図22を参照)が開示されている。特許文献1の電源装置は、三相AC-DC変換、DC-DC昇圧変換、DC-AC変換、AC-DC変換と何段階も経た変換を行うために、電力変換効率が低下するという問題を有している。すなわち、高周波トランスの1次側が低周波交流から直流、直流の昇圧、直流から高周波交流の3段変換のため、損失が大きく、また部品数も多くなる。すなわち、多段変換ゆえにパワートランジスタ、インダクタやキャパシタなど回路部品点数の増加による電力変換効率の低下、回路部品コストの増加という問題がある。また、平滑直流リンクを形成する平滑コンデンサ(図22に示すC1,C2)は、通常、大容量アルミ電解コンデンサ等を利用するため、重量が大きくなり、メンテナンス頻度も多くなり、デバイスの小型化と同時に長寿化を阻害するという問題がある。
また、三相交流電圧を単相交流電圧して単相交流を直流に変換する従来例としては、例えば特許文献2にAC-DCコンバータ(図23を参照)が開示されている。特許文献2にAC-DCコンバータは、3相-単相マトリクスコンバータという回路構成を用い、6個の双方向スイッチを用いて三相交流電圧を単相交流電圧に変換している。しかしながら、双方向スイッチは、デバイスの信頼性が低く、耐圧の高い素子が未開発で、また、転流時に素子の破壊を起こす等の問題を有しており、商業的な利用が困難な状況にある。また、特許文献2にAC-DCコンバータでは、正弦波-三角波比較方式や空間ベクトル変調等の電力制御手法を適用しているために、変調度分解能の制限や制御演算処理の複雑化の恐れがあり、高周波化が困難である。
特開2009-50109号公報 特表2017-528102号公報
上記状況に鑑みて、本発明は、三相交流電源から入力する低周波交流を1段の回路構成にて高周波交流に変換することにより、電力損失を少なく、部品点数も減らし、電力変換効率の向上を図ることができる三相AC-DCコンバータを提供することを目的とする。
商用周波の三相交流電源が接続されたHFトランス1次側コンバータは、各相電力制御回路(Phase modular構造)であり、用途に応じてその2次側は直列または並列接続とする。このため、電源の2倍周波成分をもつ電力脈動をキャンセルし、直流出力端における電圧脈動を効果的に抑制した三相AC-DCコンバータを提供する。
上記目的を達成すべく、本発明の三相AC-DCコンバータは、以下の1)~4)を備え、各相に接続されたフルブリッジインバータ回路の半導体スイッチは、120°位相差を設けてスイッチングされる構成である。
1)三相交流電源の各相に接続される昇圧ACチョッパ回路(力率改善コンバータ、以下PFC(power factor correction)コンバータ)及びフルブリッジインバータ回路から成る1次側コンバータを備える。
2)上記フルブリッジインバータ回路の出力側を1次側に接続する高周波トランスを備える。
3)上記高周波トランスの2次側に接続され、全波整流回路を有し交流を直流に変換する2次側コンバータを備える。
4)上記フルブリッジインバータ回路を構成する半導体スイッチを制御する制御回路を備える。
上記1)の三相交流電源の各相に接続される昇圧ACチョッパ回路及びフルブリッジインバータ回路から成る1次側コンバータによって、1段の回路構成にて低周波交流から高周波交流に変換でき、電力損失を少なく、部品点数も減らし、電力変換効率の向上を実現する。また、上記1)の1次側コンバータによれば、従来の直接変換回路(高周波サイクロコンバータやマトリクスコンバータ)とは異なり、技術的に未成熟である双方向スイッチを一切使用せず、既存のパワー半導体スイッチ等を適用でき、実用性が高く低コストのSSTを構築できる。つまり、双方向スイッチが不用な回路構造のため、電力変換器として高い信頼性と低コスト化に有利である。更に、上記1)の1次側コンバータは、平滑直流リンクを一切使用しないことから、従来のように大容量アルミ電解コンデンサが不要となり、長寿命であり電源システムとしての保守メンテナンス性が格段に向上し、また、小型軽量化に向く。
本発明の三相AC-DCコンバータでは、各相間のフルブリッジインバータ回路を120°の位相差を設けてスイッチングさせることにより、出力端での高周波リプルを抑制する。
本発明の三相AC-DCコンバータは、三相交流電源の結線方式は、Δ結線とY結線の双方に適用可能である。
すなわち、三相交流電源がΔ結線の場合には、各相の1次側コンバータが各相の交流電源の両端に接続される構成である。一方、三相交流電源が電源中性点と各相1線が共通結線とされるY結線の場合には、各相の1次側コンバータの一端が各相の交流電源の一端に接続され、各相の前記1次側コンバータの他端同士が接続される構成である。
本発明の三相AC-DCコンバータは、国内で主流のΔ結線(三相3線式)に加えて、国外で主流のY結線(三相4線式)にも対応できる高い拡張性を有する所謂“ワールドワイド対応電源"である。
本発明の三相AC-DCコンバータにおける2次側コンバータは、各相の高周波トランスの2次側を並列結線とされることでもよい。高周波トランスの2次側を並列結線として、交流電源周波数の2倍周波数の電力脈動を軽減でき、これにより、出力平滑フィルタ容量を低減可能にできる。なお、従来の三相整流コンバータ同様に、6倍周波数生成分は現われるが、その電力脈動が小さく、出力フィルタで容易に除去することができる。
或は、本発明の三相AC-DCコンバータにおける2次側コンバータは、各相の高周波トランスの2次側を直列結線とされることでもよい。この場合、各相あたりの入力直列接続が実現でき、大型電動機駆動など産業用高電圧ドライブシステムにも適用可能である。
このように、本発明の三相AC-DCコンバータにおける高周波トランスの2次側は、用途に応じて並列結線(低インピーダンス負荷の場合)または直列結線(高インピーダンス負荷の場合)が可能である。本発明の三相AC-DCコンバータでは、2次巻線接続点から小容量平滑フィルタおよび整流器などを介して直流出力を得ることができる。
本発明の三相AC-DCコンバータにおける2次側コンバータの全波整流回路は、具体的には、ブリッジ接続した整流ダイオードと、平滑コンデンサから構成される。
本発明の三相AC-DCコンバータにおいて、1次側コンバータは、昇圧ACチョッパ回路及びフルブリッジインバータ回路から成る低周波交流から高周波交流に変換するコンバータユニットがN(N≧2)ユニット直列接続されて各相に接続されてもよい。
本発明の三相AC-DCコンバータにおいて、1次側コンバータと各相の交流電源との間には、高周波スイッチングノイズを選択的に除去する低域通過型フィルタが設けられることが好ましい。低域通過型フィルタは、特定の周波数帯域の信号を通過、或は、信号を遮断する機能を備えており、インダクタとキャパシタによって構成されたLCフィルタ回路が好適に用いることができ、高周波ノイズを選択的に除去する。LCフィルタ回路は、LPF(Low Pass Filter)であり、入力用商用周波交流電源への高周波スイッチング成分を除去できることから、三相交流電源側における電磁ノイズの影響を軽減できる。
ここで、本発明の三相AC-DCコンバータにおける1次側コンバータは、具体的には、下記a)~e)を備え、a)の第1インバータレッグとb)の第2インバータレッグとがフルブリッジ構成を成す。
a)ハイサイドの第1スイッチとローサイドの第2スイッチが直列接続され、第1および第2スイッチに各々逆並列ダイオードが接続された第1インバータレッグを備える。
b)ハイサイドの第3スイッチとローサイドの第4スイッチが直列接続され、第3および第4スイッチに各々逆並列ダイオードが接続された第2インバータレッグを備える。
c)インバータレッグに並列に設けられた非平滑DCリンクキャパシタを備える。
d)各相の交流電源の一端に直列接続された昇圧用リアクトルを備える。
e)インバータレッグと入力用交流電源の間に接続されるブリッジレス整流用の第1および第2ダイオードを備える。
上記構成の1次側コンバータによれば、部品点数の削減を実現し、電力変換プロセスの損失低減、すなわち電力変換効率の向上に加え、コンバータの信頼性向上が図られる。
また、制御方法として、1次側コンバータのスイッチ駆動タイミングを位相制御することにより、高周波出力を調整できる位相シフトパルス幅変調方式を適用する。
三相交流電源の各相に昇圧用リアクトルと第1~第4スイッチを接続し、小容量キャパシタによる非平滑DCリンクキャパシタを用いることによって、インバータレッグの上下2つのスイッチからなるブリッレッグの駆動タイミングパルスを左右間で位相差を設けてスイッチング動作を行い、その高周波出力電流の実効値を、制御回路の指令値に応じて連続的に調整する。
本発明の三相AC-DCコンバータにおいて、非平滑DCリンクキャパシタは、同容量又は略同容量の2つのキャパシタが、第1インバータレッグと第2インバータレッグの各々に並列に設けられたことが好ましい。特に、前記の2つのキャパシタの内の1つのキャパシタは、第1インバータレッグの近傍に配置され、もう1つのキャパシタは、第2インバータレッグの近傍に配置されることがより好ましい。また、同容量又は略同容量の2つのキャパシタとしたのは、回路配線等により浮遊容量から、2つのキャパシタは、多少値が異なる場合もあり、略同容量の2つのキャパシタであってもよいからである。
同容量又は略同容量の2つのキャパシタが、第1インバータレッグと第2インバータレッグの各々に並列に設けられ、それぞれのキャパシタが各々のインバータレッグの近傍に配置される場合では、1つの非平滑DCリンクキャパシタがインバータレッグに並列に設けられる場合と比べて、配線およびパワー半導体スイッチ内部の寄生(浮遊)インダクタンスに起因するスイッチターンオフ時の寄生振動を抑制し、より高効率な電力変換が期待できる。
本発明の三相AC-DCコンバータにおけるインバータレッグにおいて、第1~第4スイッチにそれぞれ並列に、ゼロ電圧ソフトスイッチング(ZVS)用ロスレススナバキャパシタが接続されたことが好ましい。
ZVS用ロスレススナバキャパシタが接続されることにより、パワー半導体で構成される第1~第4スイッチのゼロ電圧ソフトスイッチングが実現でき、これにより高出力から低出力まで低スイッチング損失と低電磁ノイズを実現できる。
また、本発明の三相AC-DCコンバータにおけるインバータレッグにおいて、第1スイッチと第3スイッチにそれぞれ並列に、或は、第2スイッチと第4スイッチにそれぞれ並列に、ゼロ電圧ソフトスイッチング(ZVS)用ロスレススナバキャパシタが接続されたことが好ましい。
ZVS用ロスレススナバキャパシタが接続されることにより、パワー半導体で構成される第1スイッチと第2スイッチのゼロ電圧ソフトスイッチング、或は、第3スイッチと第4スイッチのゼロ電圧ソフトスイッチングが実現でき、これにより高出力から低出力まで低スイッチング損失と低電磁ノイズを実現できる。なお、第1~第4スイッチ全てに並列にZVS用ロスレススナバキャパシタが接続される場合と比べて、ハイサイドとローサイドのスイッチ間で転流電流に若干の差異が出るが、実用上さしたる影響ではない。
本発明の三相AC-DCコンバータにおいて、各相の交流電源は、インバータレッグのハイサイドに接続され、各相の交流電源の一端に直列接続された昇圧用リアクトルの端から分岐して、一方はブリッジレス整流用の第1ダイオードを介して第1インバータレッグの第1スイッチ側と接続され、他方はブリッジレス整流用の第2ダイオードを介して第1インバータレッグの第2スイッチ側と接続されることが好ましい。この接続方法によれば、高周波スイッチング動作に起因する電磁ノイズの影響を軽減できる。
本発明の三相AC-DCコンバータにおいて、各相の交流電源は、インバータレッグのローサイドに接続され、各相の交流電源の一端に直列接続された昇圧用リアクトルの端は第1インバータレッグの中点に接続されることでもよい。
本発明の三相AC-DCコンバータにおいて、第1~第4スイッチのパルス幅変調制御(PWM制御)により、昇圧用リアクトルを介して、各相の交流電圧に対して、非平滑DCリンクキャパシタの電圧を昇圧する。
本発明の三相AC-DCコンバータにおける1次側コンバータにおいて、インバータレッグと入力用交流電源の間に接続されるブリッジレス整流用の第1および第2ダイオードを、パワーMOSFET又はパワートランジスタに置換し、同期整流(synchronous rectification)方式の回路とすることにより、さらに変換効率を高めることが可能である。
次に、本発明の三相AC-DCコンバータの制御方法について説明する。
本発明の制御方法は、本発明の三相AC-DCコンバータの制御方法であって、各相に接続されたフルブリッジインバータ回路の半導体スイッチが120°位相差を設けてスイッチングされ、第1スイッチに対する第4スイッチの導通開始区間、或は、第2スイッチに対する第3スイッチの導通開始区間を、各相ブリッジ回路の基準相レッグに応じて制御相レッグを遅らせる位相シフトパルス幅変調制御を行う。位相シフトパルス幅変調の制御回路は、第1スイッチ/第2スイッチ,第4スイッチ/第3スイッチ間の適切な位相シフト角に入力信号を変換して、第1スイッチ~第4スイッチのスイッチング動作のパルス信号を出力することにより、第1スイッチに対する第4スイッチの導通開始区間、又は、第2スイッチに対する第3スイッチの導通開始区間を、各相ブリッジ回路の基準相レッグに応じて制御相レッグを遅らせる。
本発明の制御方法において、具体的には、1次側コンバータは、昇圧ACチョッパ回路/PFCコンバータ及びフルブリッジインバータ回路から成る低周波交流から高周波交流に変換するコンバータユニットがN(N≧2)ユニット直列接続されて各相に接続され、同一相に接続される各コンバータユニットは2π/Nの位相差を設けてスイッチングされる。
本発明の三相AC-DCコンバータによれば、三相交流電源から入力する低周波交流を1段の回路構成にて高周波交流に変換することにより、電力損失を少なく、部品点数も減らし、電力変換効率の向上を図ることができるといった効果がある。
また、本発明の三相AC-DCコンバータによれば、電力変換効率の高効率化が図れ、装置の小型軽量化、低コスト化を図ることができる。さらに、パワー半導体スイッチのゼロ電圧ソフトスイッチングが実現可能で、高出力から低出力までスイッチング損失及び電磁ノイズの低減を実現できる。
実施例1の三相AC-DCコンバータ回路構成図 実施例1の回路の制御機能ブロック図 実施例1の回路のスイッチング周波数と出力直流電圧のグラフ(1) 実施例1の回路のスイッチング周波数と出力直流電圧のグラフ(2) 実施例1におけるスイッチング周波数と出力直流電圧との相関図 実施例2の三相AC-DCコンバータ回路構成図 実施例2の回路のスイッチング周波数と出力直流電圧のグラフ 実施例2におけるスイッチング周波数と出力直流電圧との相関図 実施例3の三相AC-DCコンバータ回路構成図 実施例4の三相AC-DCコンバータ回路構成図 実施例5の三相AC-DCコンバータ回路構成図 2次側コンバータ(直列方式)における三相交流電源側の力率1動作(PFC)動作を示すシミュレーション波形 2次側コンバータ(並列方式)における三相交流電源側の力率1動作(PFC)動作を示すシミュレーション波形 単相AC-DCコンバータの遷移モード図 単相AC-DCコンバータのモード動作波形図 出力並列方式の1次側波形(高周波周期) 出力並列方式の2次側波形(高周波周期) 出力並列方式の1次側スイッチング波形 出力直列方式の1次側波形(高周波周期) 出力直列方式の2次側波形(高周波周期) 出力直列方式の1次側スイッチング波形 従来の多段式AC-DCコンバータ(特許文献1)の回路構成図 従来のAC-DCコンバータ(特許文献2)の回路構成図
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
三相AC-DCコンバータの一実施態様について、図1に示す回路構成図を参照して説明する。図1に示す三相AC-DCコンバータは、三相交流電圧vinの各相に接続される1次側コンバータユニット(No.1~No.3)と、1次側コンバータユニットの出力側を1次側に接続するHFトランス(高周波トランス)と、HFトランスの2次側に接続され、整流ダイオードのブリッジ式の全波整流回路を用いて交流を直流に変換する2次側コンバータと、1次側コンバータユニットを制御する制御回路(図示せず)から構成される。制御回路は、各相に接続された1次側コンバータユニットに対して、120°位相差を設けてスイッチングする。
1次側コンバータユニットは、昇圧用リアクトルLとブリッジレス整流用の第1および第2ダイオードD,Dから成る昇圧ACチョッパ回路/PFCコンバータと、フルブリッジインバータ回路から構成される。
フルブリッジインバータ回路は、ハイサイドの第1スイッチSとローサイドの第2スイッチSが直列接続され、第1および第2スイッチに各々逆並列ダイオードD,Dが接続された第1インバータレッグと、ハイサイドの第3スイッチSとローサイドの第4スイッチSが直列接続され、第3および第4スイッチに各々逆並列ダイオードD,Dが接続された第2インバータレッグから構成され、第1インバータレッグと第2インバータレッグはフルブリッジ構成を形成している。スイッチQ,Qは基準相スイッチとなり、スイッチQ,Qは制御相スイッチとなり、それぞれアクティブスイッチとして動作する。
非平滑DCリンクキャパシタ(C)は、昇圧ACチョッパ回路の一部として作用すると同時に、フルブリッジ回路においては高周波周期での電圧源となる。低周波(商用周波)と高周波とを「リンク」する非平滑直流ステージとして位置付けられる要素である。
1次側コンバータユニットは、昇圧用リアクトルLと、ブリッジレス整流用ダイオードD,Dと、基準相スイッチQ,Qと、制御相スイッチQ,Qと、非平滑DCリンクキャパシタ(C)とから成り、昇圧形PFCコンバータを形成している。
1次側コンバータユニットのフルブリッジインバータ回路は、各アクティブスイッチに並列に接続するロスレススナバキャパシタ(Cs1~Cs4)を利用して、部分共振のゼロ電圧ソフトスイッチング(ZVS)動作を行う。また、非平滑DCリンクキャパシタ(C)は、大容量アルミ電解コンデンサを使用しない、所謂、ケミコンレスであり、高いメンテナンス性と軽量・省スペース化を図ることができる。
図1に示す回路には、各相の交流電圧vin側にLCフィルタ(LとC)を設けているが、これは各相の交流電圧vinの高周波スイッチング成分を除去できることから、電源側における電磁ノイズの影響を軽減するためのものである。従って、LCフィルタを設けなくとも、三相AC-DCコンバータの機能を発揮することができる。
1次側コンバータユニットのフルブリッジインバータ回路の4つのアクティブスイッチ(Q~Q)に対して、位相シフトPWM制御を用いることにより、電源電圧を検出することなく、高周波スイッチングを実現する。
図1に示す回路における位相シフトPWM制御は、図示しない位相シフトコントローラ(制御回路)により行う。図2に、制御機能ブロック図を付加した回路構成図を示す。図2に示すように、位相シフトコントローラは、U相、V相、W相にそれぞれ接続されたフルブリッジインバータ回路の4つのアクティブスイッチ(Q~Q)を、120°位相差を設けてスイッチングするように制御する。すなわち、図2の矢印Aの点線枠に示すように、2次側コンバータの出力直流電圧Vと出力電流Iを、それぞれリファレンス電圧Vorefとリファレンス電流Iorefと比較することによりモニタリングし、Q/Q,Q/Q間の適切な位相シフト角φ に入力信号を変換する。そして、アクティブスイッチ(Q~Q)にゲート駆動回路ユニット(Gate Driver)がゲート駆動パルスを供給し、基準相アクティブスイッチQに対するQの導通開始区間、又は、同じく基準相アクティブスイッチQに対するQの導通開始区間を、相間で120°の位相差を設けて、各相ブリッジ回路の基準相レッグに応じて制御相レッグを遅らせる位相シフトパルス幅変調制御を行う。
各相の交流電源(vin)は、昇圧用リアクトル(L)を介して、非平滑DCリンクキャパシタ(C)の端子電圧(v)へ昇圧される。そのため、非平滑DCリンクキャパシタ(C)の端子電圧は、各相の交流電圧の半波整流に振幅変調をかけた包絡線を示す。
また同時に、非平滑DCリンクキャパシタ(C)は、位相シフトPWM制御により、フルブリッジ回路における高周波インバータ動作を行う。
ここで、回路の動作周波数(スイッチング周波数)fを、1次側コンバータユニットのフルブリッジインバータ回路の直列共振周波数fより高く設定して、各アクティブスイッチ(Q~Q )がZVSターンオフおよびゼロ電圧/ゼロ電流ソフトスイッチング(ZVZCS) ターンオンを実現する。回路の動作周波数fは、一般的には、5~200kHz近傍で使用されているが、アクティブスイッチの高速化によりさらに、周波数が高くなる場合がある。
回路の制御方法は、基準相スイッチ(Q,Q)に対して、制御相スイッチ(Q,Q)のオンタイミングを調整する位相シフトPWM制御を適用する。このとき、回路動作の1 周期(T)における位相シフト期間をtφsと定義すると、tφsは下記数式で表される。ここで、φは位相シフト角である。各相の交流電圧vinの正半サイクルと負半サイクルでアクティブスイッチのゲート信号の切り替えを行わなくとも、所望の動作を得られることから、各相の交流電圧vinの極性判別用センサが不要である。
Figure 0007121971000001
次に、図1に示す回路構成の回路動作について説明する。
三相交流電源の各相の交流電圧vinが正の半サイクル(v>0)において、本実施例の三相AC-DCコンバータの1次側コンバータユニットの動作は、以下に述べる12の動作モードから成る。本実施例の三相AC-DCコンバータの1次側コンバータユニットは、時間の経過に従い、アクティブスイッチをそれぞれのゲートトリガ信号によってオン/オフ制御することによって、t~t11の区間において高周波電力変換を行う。
以下、t~t11の各区間(t~tn+1;n=0~5)における本実施例の三相AC-DCコンバータの1次側コンバータユニットの各動作モードについて説明する。
なお、参考までに、単相AC-DCコンバータにおける遷移モード図とモード動作波形図を、それぞれ図14と図15に示す。
<Mode 1:電力定常区間t~t
アクティブスイッチ(Q,Q)がオン状態であり、各相の交流電流IinはVin-L-D-S-Vinの経路で流れ、昇圧用インダクタLに磁気エネルギーが蓄積される。一方、高周波インバータでは、S-T-S-C-Sの経路で電流が流れ、非平滑キャパシタCから静電エネルギーが放出されてHFトランスへ電力供給される。
<Mode 2:基準相レッグ部分共振区間t~t(ハイサイド->ローサイド)>
時刻tにおいて、スイッチSのゲート信号を取り除くと、各相の交流電流IinはVin-L-D-Cs1の経路を流れ、ハイサイドのアクティブスイッチQに並列のロスレススナバキャパシタCs1の充電を開始する。ロスレススナバキャパシタCs1の端子電圧、すなわちアクティブスイッチQの端子間電圧VQ1は、ゼロから緩やかに上昇を始める。これと同時に、ローサイドのアクティブスイッチQに並列のロスレススナバキャパシタCs2は放電を開始し、アクティブスイッチQの端子電圧VQ2は、非平滑DCリンクキャパシタCの端子電圧vより緩やかに下降を開始する。すなわち、ロスレススナバキャパシタCs1, Cs2およびHFトランスの漏れインダクタンスによる部分共振動作となる。
<Mode 3:基準相レッグZVS区間t~t
時刻tにおいて、ハイサイドのアクティブスイッチQの端子間電圧VQ1がvまで達すると、アクティブスイッチQのZVSターンオフ動作が完了する。これと同時に、ローサイドのアクティブスイッチQの端子電圧VQ2がゼロまで下降すると、HFトランス1次側巻線電流Iが逆並列ダイオードDへ転流し、S-D-T-Sの経路で電流が流れる。この間にスイッチSにゲート駆動パルスを供給して、ローサイドのアクティブスイッチQのゼロ電圧/ゼロ電流ソフトスイッチング(ZVZCS)ターンオンを実現する。一方、各相の入力交流電流Iinは、非平滑DCリンクキャパシタCへ流れ込み、昇圧用インダクタLの残存磁気エネルギーは、非平滑DCリンクキャパシタCへの蓄積静電エネルギーとなる。
<Mode 4:制御相レッグ部分共振区間t~t(ローサイド->ハイサイド)>
時刻tにおいて、スイッチSへのゲート駆動信号を取り除くと、HFトランス1次側巻線電流Iの一部は、ローサイドのアクティブスイッチQに並列のロスレススナバキャパシタCs4に電流が流れ込み、アクティブスイッチQの端子電圧VQ4はゼロから緩やかに上昇を始める。これと同時に、残りのHFトランスに流れる電流Iは、ハイサイドのアクティブスイッチQのロスレススナバキャパシタCs3を放電し、アクティブスイッチQの端子電圧VQ3は非平滑DCリンクキャパシタCの端子電圧vより緩やかに下降を始める。
<Mode 5:制御相レッグZVS区間t~t
時刻tにおいて、ローサイドのアクティブスイッチQの端子電圧VQ4がvまで達すると、アクティブスイッチQのZVSターンオフ動作が完了する。これと同時に、ハイサイドのアクティブスイッチQの端子電圧VQ3がゼロまで下降すると、HFトランスに流れる電流Iは逆並列ダイオードDへ転流し、D-C-D-T-Dの経路で電流が流れる。この間にハイサイドのアクティブスイッチQのゲート駆動パルスを供給し、アクティブスイッチQのゼロ電圧/ゼロ電流ソフトスイッチング(ZVZCS)ターンオンを実現する。
<Mode 6:電力供給定常区間t~t6
時刻tにおいて、逆並列ダイオードDからスイッチSへ転流し、HFトランスに流れる電流Iの極性が切り替わるとともに、各相の入力交流電流Iinの一部からHFトランスへ電力を供給する状態となる。
さらに、時刻tにおいて、逆並列ダイオードDからスイッチSへの転流が完了すると、各相の入力交流電流Iinとともに非平滑DCリンクキャパシタCも放電状態となりHFトランスに流れる電流Iとなる。
<Mode 7:電力供給定常区間t~t
時刻tにて負荷電流が入力電流Iinを超えると、非平滑DCリンクキャパシタが放電モードとなり、第2スイッチQ2において逆並列ダイオードDからスイッチSへ転流する。
<Mode 8:基準相レッグ部分共振区間t~t(ローサイド->ハイサイド)>
時刻tにおいて、スイッチSのゲート駆動信号を取り除くと、HFトランス1次側巻線電流IはローサイドのアクティブスイッチQに並列のロスレススナバキャパシタCs2の充電を開始する。ロスレススナバキャパシタCs2の端子電圧、すなわちアクティブスイッチQの端子間電圧VQ2は、ゼロから緩やかに上昇を始める。これと同時に、ハイサイドのアクティブスイッチQに並列のロスレススナバキャパシタCs1は放電を開始し、アクティブスイッチQの端子電圧VQ1は、非平滑DCリンクキャパシタCの端子電圧vより緩やかに下降を開始する。すなわち、ロスレススナバキャパシタCs1, Cs2およびHFトランスの漏れインダクタンスによる部分共振動作となる。
<Mode 9:基準相レッグZVS区間t~t
時刻tにおいて、ローサイドのアクティブスイッチQの端子間電圧VQ2がvまで達すると、アクティブスイッチQのZVSターンオフ動作が完了する。これと同時に、ハイサイドのアクティブスイッチQの端子電圧VQ1がゼロまで下降すると、HFトランス1次側巻線電流Iが逆並列ダイオードDへ転流し、S-T-D-Sの経路で電流が流れる。この間にスイッチSにゲート駆動パルスを供給して、ハイサイドのアクティブスイッチQのゼロ電圧/ゼロ電流ソフトスイッチング(ZVZCS)ターンオンを実現する。
<Mode 10:制御相レッグ部分共振区間t~t10(ハイサイド->ローサイド)>
時刻tにおいて、スイッチSへのゲート駆動信号を取り除くと、HFトランス1次側巻線電流Iの一部は、ハイサイドのアクティブスイッチQに並列のロスレススナバキャパシタCs3に電流が流れ込み、アクティブスイッチQの端子電圧VQ3はゼロから緩やかに上昇を始める。これと同時に、残りのHFトランス1次側巻線電流Iは、ローサイドのアクティブスイッチQのロスレススナバキャパシタCs4を放電し、アクティブスイッチQの端子電圧VQ4は非平滑DCリンクキャパシタCの端子電圧vより緩やかに下降を始める。
<Mode 11:基準相レッグZVS区間t10~t11
時刻t10において、ハイサイドのアクティブスイッチQの端子間電圧VQ3がvまで達すると、アクティブスイッチQのZVSターンオフ動作が完了する。これと同時に、ローサイドのアクティブスイッチQの端子電圧VQ4がゼロまで下降すると、HFトランス1次側電流Iが逆並列ダイオードDへ転流し、各相の入力交流電流Iinの一部と重なりながら、D-T-V-L-D-C-Dの経路で電流が流れる。この間にスイッチSにゲート駆動パルスを供給して、ローサイドのアクティブスイッチQのゼロ電圧/ゼロ電流ソフトスイッチング(ZVZCS)ターンオンを実現する。
<Mode 12:電力供給定常区間t11~t12
時刻t11にて負荷電流が入力電流Iinより下回ると、基準相レッグのハイサイドスイッチQはDからSへ転流し、その順方向導通電流は次第に増加する。
一方、各相の入力交流電圧vinが負の半サイクル(v<0)においての動作モードは、アクティブスイッチ(QとQ,QとQ)、ブリッジレス整流用ダイオード(DとD),ロスレススナバキャパシタ(Cs1とCs2, Cs3とCs4)での転流現象がそれぞれ入れ替わり、各相の入力交流電圧vinが正の半サイクル(v>0)と同様の動作モード遷移となる。
スイッチターンオフ時の電圧変化率(dv/dt)が最も高くなる非平滑DCリンクキャパシタCの端子電圧vのピーク付近においては、ターンオフ後にロスレススナバキャパシタの電荷が完全に放電する前に、相対するスイッチがオンすることになる。ここでは、この時の電圧を残留電圧とし、その際の不完全なZVS動作をセミZVS動作とする。
図1の三相AC-DCコンバータ回路のスイッチング周波数と出力直流電圧の関係について、図3及び図4を参照して説明する。図3,4は、実施例1の回路において、各相位相シフト角差とスイッチング周波数との関係を示したものである。各相において、高周波トランス(HFトランスT,T,T)の巻き線間の漏れインダクタンスを用いて直列共振による電流反転を可能とする。本実施例の回路では、この直列共振周波数は20kHzに設定されている。なお、平滑キャパシタC7は100μF,負荷抵抗は20Ωである。
図3(1),(2)に、スイッチング周波数が30kHzで,各相位相シフト角差が120°と0°の場合におけるVo(出力直流電圧)及びVaco(出力交流電圧)を比較する。また、図3(3),(4)に、スイッチング周波数が26kHzで,各相位相シフト角差が120°と0°の場合におけるVo(出力直流電圧)及びVaco(出力交流電圧)を比較する。さらに、図4(1)(2)に、スイッチング周波数が22kHzで,各相位相シフト角差が120°と0°の場合におけるVo(出力直流電圧)及びVaco(出力交流電圧)を比較する。
図3,4のグラフの結果を図5の相関図に纏める。スイッチング周波数が直列共振周波数20kHzに近づくと、出力直流電圧が上がることがわかる。また、それと同時に波形のリプルが大きくなることがわかる。一方で、スイッチング周波数が同じ場合、各相位相シフト角差が0°よりも120°の方が、出力直流電圧が若干低下するが、波形のリプルが小さく、脈動が抑えられることがわかる。
図16~図18は、本実施例の三相AC-DCコンバータの出力並列方式の高周波周期における各相1次側波形、各相2次側波形および1次側スイッチング波形を示す。120°位相差による高周波電流生成とその出力合成およびゼロ電圧ソフトスイッチング動作が達成できていることがわかる。
本実施例の三相AC-DCコンバータの回路構成図を図6に示す。上述の実施例1の回路構成(図1)では、三相交流電源側はΔ結線で接続されており、2次側のHFトランスの結線は並列接続されている。本実施例の三相AC-DCコンバータの回路構成では、実施例1の回路構成(図1)と異なり、三相交流電源側は、電源中性点と各相1線が共通結線とされるY結線で接続され、2次側のHFトランスの結線は直列接続されている。それ以外の構成は、実施例1の回路構成と同じであり、図6に示す三相AC-DCコンバータは、三相交流電圧vinの各相に接続される1次側コンバータユニット(No.1~No.3)と、1次側コンバータユニットの出力側を1次側に接続するHFトランス(高周波トランス)と、HFトランスの2次側に接続され、整流ダイオードのブリッジ式の全波整流回路を用いて交流を直流に変換する2次側コンバータと、1次側コンバータユニットを制御する制御回路(図示せず)から構成される。制御回路は、各相に接続された1次側コンバータユニットに対して、120°位相差を設けてスイッチングする。
1次側コンバータユニットは、昇圧用リアクトルLとブリッジレス整流用の第1および第2ダイオードD,Dから成る昇圧ACチョッパ回路/PFCコンバータと、フルブリッジインバータ回路から構成される。
図7,8にスイッチング周波数と出力直流電圧のグラフ及び相関図を示す。図7(1),(2)及び図8に示すように、スイッチング周波数が直列共振周波数20kHzに近い22kHzの場合、実施例1と同様に、各相位相シフト角差が0°よりも120°の方が、出力直流電圧が若干低下するが、波形のリプルが小さく、脈動が抑えられることがわかる。
また、図7(2)のリプルの拡大した図7(3)から、出力電圧が入力電圧(60Hz)の6倍のリプル(360Hz)を有することが確認できた。なお、各相位相シフト角差120°の場合は、出力電圧の曲線が安定状態に達する時間が、各相位相シフト角差0°の場合よりも長いことも確認されている。
本実施例の三相AC-DCコンバータの回路構成図を図9に示す。上述の実施例1の回路構成(図1)では、三相交流電源側はΔ結線で接続されており、2次側のHFトランスの結線は並列接続されているが、本実施例の三相AC-DCコンバータの回路構成では、図9に示すように、三相交流電源側はΔ結線で接続され、2次側のHFトランスの結線は直列接続されている。それ以外の構成は、実施例1の回路構成と同じである。
高周波トランスの2次側を直列結線にすることにより、各相あたりの入力直列接続が実現でき、大型電動機駆動など産業用高電圧ドライブシステムに適用できる。
図19~図21は、本実施例の三相AC-DCコンバータの出力直列方式の高周波周期における各相1次側波形、各相2次側波形および1次側スイッチング波形を示す。120°位相差による高周波電流生成とその出力合成およびゼロ電圧ソフトスイッチング動作が達成できていることがわかる。
本実施例の三相AC-DCコンバータの回路構成図を図10に示す。上述の実施例2の回路構成(図6)では、三相交流電源側は、電源中性点と各相1線が共通結線とされるY結線で接続され、2次側のHFトランスの結線は直列接続されているが、本実施例の三相AC-DCコンバータの回路構成では、図10に示すように、三相交流電源側は、電源中性点と各相1線が共通結線とされるY結線で接続され、2次側のHFトランスの結線は並列接続されている。それ以外の構成は、実施例2の回路構成と同じである。
高周波トランスの2次側を並列結線にすることにより、交流電源周波数の2倍周波数の電力脈動を軽減でき、これにより、出力平滑フィルタ容量を低減可能にできる。なお、従来の三相整流コンバータ同様に、6倍周波数生成分は現われるが、その電力脈動が小さく、出力フィルタで容易に除去することができる。
実施例1~4の如く、本発明の三相AC-DCコンバータにおける高周波トランスの2次側は、用途に応じて並列結線(低インピーダンス負荷の場合)または直列結線(高インピーダンス負荷の場合)を用途に応じて選択できる。
本実施例の三相AC-DCコンバータの回路構成図を図11に示す。本実施例の三相AC-DCコンバータは、比較的大容量電源に対して有効となる回路構成である。本実施例の回路構成では、三相交流電源側はΔ結線で接続されており、2次側のHFトランスの結線は並列接続されているが、実施例1の回路構成(図1)と異なり、図11に示すように、各相に昇圧ACチョッパ回路及びフルブリッジインバータ回路から成る低周波交流から高周波交流に変換する1次側コンバータユニットが3ユニット直列接続されている。1次側コンバータユニットNo.1~No.9の構成とその他の構成は実施例1の回路構成と同じである。
同一相に直列接続されたそれぞれの1次側コンバータユニット(No.1~No.3,No4~No.6,No.7~No.9)内部では、位相シフトコントローラ(図示せず)により、それぞれのフルブリッジインバータ回路の4つのアクティブスイッチ(Q~Q)を、出力指令に応じて位相差を設けてスイッチングする位相シフトパルス幅変調を適用する。さらに、U相、V相、W相にそれぞれ接続されたフルブリッジインバータ回路(No.1とNo.4とNo.7,No.2とNo.5とNo.8,No.3とNo.6とNo.9)のそれぞれの4つのアクティブスイッチ(Q~Q)は120°位相差を設けてスイッチングするように位相シフトコントローラにより制御される。
本実施例の三相AC-DCコンバータでは、1次側コンバータユニットは、各相の最小ユニットに対して位相シフトパルス幅変調を適用し、各相における直列接続された最小ユニット同士が360°/Nの位相差を設けられ(ここで、Nは同一相に直列接続されたユニット数であり、本実施例ではN=3になる)、相間は120°の位相差を設けられる。
図12と図13は、上述の実施例1~4における三相AC-DCコンバータにおいて、それぞれ2次側HFトランスの結線が直列接続と並列接続の場合の2次側コンバータにおける三相交流電源側の力率改善(PFC)動作を示すシミュレーション波形を示している。図12と図13から、2次側HFトランスの結線が直列接続と並列接続の双方とも、各相(U相、V相、W相)の力率1運転を実現しており、PFC動作が可能であることが確認できる。
本発明の三相AC-DCコンバータは、直流給電が有効に利用できる分野、例えばスマートグリッドなどの電力分野、発電プラントや製造所など産業分野ならびに船舶・鉄道などの輸送分野におけるAC-DCコンバータとして有用である。また、電池を動力源とする自動車や船舶(フェリー旅客船)などへの非接触給電にも適用可能である。
in 三相交流電圧
out 出力直流電圧
~Q アクティブスイッチ
~S トランジスタスイッチ
~D 逆並列ダイオード
,D 逆流阻止/整流ダイオード
非平滑DCリンクキャパシタ
昇圧用リアクトル
S1~CS4 ZVS用ロスレススナバキャパシタ


Claims (16)

  1. 三相交流電源の各相に接続される昇圧ACチョッパ回路(力率改善コンバータ)及びフルブリッジインバータ回路から成る1次側コンバータと、
    前記フルブリッジインバータ回路の出力側を1次側に接続する高周波トランスと、
    前記高周波トランスの2次側に接続され、全波整流回路を有し交流を直流に変換する2次側コンバータと、
    前記フルブリッジインバータ回路を構成する半導体スイッチを制御する制御回路、
    を備え、
    各相に接続された前記フルブリッジインバータ回路は、120°位相差を設けてスイッチングされることを特徴とする三相AC-DCコンバータ。
  2. 前記三相交流電源がΔ結線の場合には、各相の前記1次側コンバータが各相の交流電源の両端に接続される請求項1の三相AC-DCコンバータ。
  3. 前記三相交流電源が電源中性点と各相1線が共通結線とされるY結線の場合には、各相の前記1次側コンバータの一端が各相の交流電源の一端に接続され、各相の前記1次側コンバータの他端同士が接続される請求項1の三相AC-DCコンバータ。
  4. 前記2次側コンバータは、各相の前記高周波トランスの2次側を並列結線とされる請求項1~3の何れかの三相AC-DCコンバータ。
  5. 前記2次側コンバータは、各相の前記高周波トランスの2次側を直列結線とされる請求項1~3の何れかの三相AC-DCコンバータ。
  6. 前記1次側コンバータは、昇圧ACチョッパ回路及びフルブリッジインバータ回路から成る低周波交流から高周波交流に変換するコンバータユニットがN(N≧2)ユニット直列接続されて各相に接続される請求項の三相AC-DCコンバータ。
  7. 前記2次側コンバータの全波整流回路は、ブリッジ接続した整流ダイオードと、平滑コンデンサから成ること、前記1次側コンバータと各相の交流電源との間に、高周波スイッチングノイズを選択的に除去する低域通過型フィルタが設けられること、これらの2つの何れかの構成を備える請求項1~6の何れかの三相AC-DCコンバータ。
  8. 前記1次側コンバータは、
    ハイサイドの第1スイッチとローサイドの第2スイッチが直列接続され、第1および第2スイッチに各々逆並列ダイオードが接続された第1インバータレッグと、
    ハイサイドの第3スイッチとローサイドの第4スイッチが直列接続され、第3および第4スイッチに各々逆並列ダイオードが接続された第2インバータレッグと、
    インバータレッグに並列に設けられた非平滑DCリンクキャパシタと、
    各相の交流電源の一端に直列接続された昇圧用リアクトルと、
    インバータレッグと入力用交流電源の間に接続されるブリッジレス整流用の第1および第2ダイオードと、
    を備え、
    第1インバータレッグと第2インバータレッグとがフルブリッジ構成を成す請求項1~7の何れかの三相AC-DCコンバータ。
  9. 上記の非平滑DCリンクキャパシタは、同容量又は略同容量の2つのキャパシタが、第1インバータレッグと第2インバータレッグの各々に並列に設けられる請求項8の三相AC-DCコンバータ。
  10. 前記インバータレッグにおいて、第1~第4スイッチにそれぞれ並列に、ゼロ電圧ソフトスイッチング(ZVS)用ロスレススナバキャパシタが接続される請求項8又は9の三相AC-DCコンバータ。
  11. 前記インバータレッグにおいて、第1スイッチと第3スイッチにそれぞれ並列に、或は、第2スイッチと第4スイッチにそれぞれ並列に、ゼロ電圧ソフトスイッチング(ZVS)用ロスレススナバキャパシタが接続される請求項8又は9の三相AC-DCコンバータ。
  12. 各相の交流電源は、前記インバータレッグのハイサイドに接続され、
    各相の交流電源の一端に直列接続された前記昇圧用リアクトルの端から分岐して、一方はブリッジレス整流用の第1ダイオードを介して第1インバータレッグの第1スイッチ側と接続され、他方はブリッジレス整流用の第2ダイオードを介して第1インバータレッグの第2スイッチ側と接続される請求項8~11の何れかの三相AC-DCコンバータ。
  13. 第1~第4スイッチのパルス幅変調制御(PWM制御)により、前記昇圧用リアクトルを介して、各相の交流電圧に対して、前記非平滑DCリンクキャパシタの電圧を昇圧する請求項8~12の何れかの三相AC-DCコンバータ。
  14. 前記1次側コンバータにおいて、インバータレッグと入力用交流電源の間に接続されるブリッジレス整流用の第1および第2ダイオードを、パワーMOSFET又はパワートランジスタに置換し、同期整流(synchronous rectification)方式の回路とする請求項8~13の何れかの三相AC-DCコンバータ。
  15. 請求項8~14の何れかの三相AC-DCコンバータの制御方法であって、
    各相に接続された前記フルブリッジインバータ回路の半導体スイッチが120°位相差を設けてスイッチングされ、
    第1スイッチに対する第4スイッチの導通開始区間、或は、第2スイッチに対する第3スイッチの導通開始区間を、各相ブリッジ回路の基準相レッグに応じて制御相レッグを遅らせる位相シフトパルス幅変調制御を行うことを特徴とする三相AC-DCコンバータ制御方法。
  16. 前記1次側コンバータは、昇圧ACチョッパ回路及びフルブリッジインバータ回路から成る低周波交流から高周波交流に変換するコンバータユニットがN(N≧2)ユニット直列接続されて各相に接続され、
    前記三相交流電源がΔ結線であり、各相の前記1次側コンバータが各相の交流電源の両端に接続され、
    同一相に接続される各コンバータユニットは2π/Nの位相差を設けてスイッチングされる請求項15の三相AC-DCコンバータ制御方法。
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