JP3422026B2 - オーディオ再生装置 - Google Patents

オーディオ再生装置

Info

Publication number
JP3422026B2
JP3422026B2 JP51072395A JP51072395A JP3422026B2 JP 3422026 B2 JP3422026 B2 JP 3422026B2 JP 51072395 A JP51072395 A JP 51072395A JP 51072395 A JP51072395 A JP 51072395A JP 3422026 B2 JP3422026 B2 JP 3422026B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
digital
listener
sound
head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP51072395A
Other languages
English (en)
Inventor
潔文 稲永
裕司 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Application granted granted Critical
Publication of JP3422026B2 publication Critical patent/JP3422026B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04SSTEREOPHONIC SYSTEMS 
    • H04S7/00Indicating arrangements; Control arrangements, e.g. balance control
    • H04S7/30Control circuits for electronic adaptation of the sound field
    • H04S7/302Electronic adaptation of stereophonic sound system to listener position or orientation
    • H04S7/303Tracking of listener position or orientation
    • H04S7/304For headphones
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04SSTEREOPHONIC SYSTEMS 
    • H04S2420/00Techniques used stereophonic systems covered by H04S but not provided for in its groups
    • H04S2420/01Enhancing the perception of the sound image or of the spatial distribution using head related transfer functions [HRTF's] or equivalents thereof, e.g. interaural time difference [ITD] or interaural level difference [ILD]

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Stereophonic System (AREA)
  • Stereophonic Arrangements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術利用分野 本発明は、例えば、ヘッドホンによる音響信号の再生
に使用して好適なオーディオ再生装置に関する。
背景技術 従来から、リスナの両耳を覆うようにして頭部にヘッ
ドホンを装着して、両耳から音響信号を聴取するヘッド
ホンによる音響信号の再生方法がある。このヘッドホン
による音響信号の再生方法は、信号源からの信号が仮に
ステルオ信号であっても、再生される音像がリスタの頭
の中にこもる、いわゆる頭内定位の現象が生じる。
一方ヘッドホンによる音響信号の再生方式の一つにバ
イノーラル収音再生方式がある。このバイノーラル収音
再生方式とは、以下のような方式をいう。リスナの頭部
を想定したダミーヘッドの左右両耳の穴にダミーヘッド
・マイクロホンと呼ばれるマイクロホンを設ける。この
ダミーヘッドマイクロホンにより信号源からの音響信号
を収音する。このようにして収音された音響信号を、実
際にリスナがヘッドホンを装着して再生すると、信号源
からの音声をそのまま聞いているような臨場感が得られ
る。このようなバイノーラル収音再生方式によれば、収
音再生音像の方向感、定位感及び臨場感などを向上させ
ることができる。しかしながらこのようなバイノーラル
再生を行うためには、音源信号としてダミーヘッド・マ
イクロホンで収音した、スピーカ再生用とは異なる特殊
なソースとしての信号源が必要とされた。
そこで上述のバイノーラル収音再生方式を応用して、
例えば一般のステレオ信号をヘッドホンにより、スピー
カ再生と同じような頭部外(スピーカ位置)に定位させ
た再生効果を得ることが考えられた。しかし、スピーカ
によるステレオ再生の場合には、リスナが頭(顔)の方
向を変えても、音像の絶対的な方向及び位置は変化せ
ず、リスナの感じる音像の相対的な方向及び位置が変化
する。これに対し、ヘッドホンによるバイノーラル再生
の場合には、リスナが頭(顔)の方向を変えても、リス
ナの感じる音像の相対的な方向及び位置は変化しない。
このためバイノーラル再生であっても、リスナが頭
(顔)の方向を変える場合には音場はリスナの頭の中に
形成されてしまい、特に、音像をリスナの前方に定位さ
せる、いわゆる前方定位させることが難しかった。しか
も、この場合には音像が頭部上方に上昇しがちであっ
た。
これに対して、特公昭42−227号公報記載のヘッドホ
ン再生方法によれば、次のようなヘッドホンによるバイ
ノーラル再生方法が考えられている。すなわち、音像の
方向感及び定位感は、左耳及び右耳の聴取する音の音量
差、時間差、位相差等により決定されるので、上記公報
のシステムは、左及び右チャンネルのオーディオ信号ラ
インに、レベル制御回路及び可変遅延回路をそれぞれ設
けると共に、リスナの頭の向きを検出し、その検出信号
により各チャンネルのオーディオ信号のレベル制御回路
及び可変遅延回路を制御するようにしたものである。
しかし、上記特公昭42−227号公報記載のヘッドホン
再生方法においては、リスナの頭の向きの検出信号その
ものによりモータを駆動し、このモータによりレベル制
御回路及び可変遅延回路の可変抵抗器及び可変コンデン
サをアナログ信号により機械的に制御しているので、リ
スナが頭の向きを変えてからヘッドホンに供給される各
チャンネルのオーディオ信号の音量差及び時間差を変化
させるまでに時間の遅れを生じてしまい、リスナの頭の
動きに対応できなかった。
また、上記特公昭42−227号公報記載のヘッドホン再
生方法においては、音量差及び時間差を変化させると
き、その変化特性は、音源とリスナとの相対的な位置関
係や、リスナの頭部の形状及び耳介の形状などに基づい
て決定しなければならない。すなわち、ある一つの変化
特性にした場合には、音源とリスナとの位置関係が固定
されてしまい、距離感、音源間距離を変化させることが
出来ず、また、リスナにより頭部及び耳介の形状が異な
るので、効果の程度がばらついてしまうことがあった。
しかも、仮想音源位置から両耳に至る伝達関数を測定す
る際の音源固有の特性、および用いるヘッドホン固有の
特性の補正を施す手段については述べられていなかっ
た。
更に、特公昭54−19242号公報記載の立体再生方式に
よれば、リスナの頭の向きとヘッドホンに供給される各
チャンネルのオーディオ信号の音量差及び時間差相互の
変化量の関係を連続的に求められることが記載されてい
る。
しかし、上記特公昭54−19242号公報記載の立体再生
方式においては、オーディオ信号の音量差及び時間差相
互の変化量の関係を連続的に求めて、これを記憶させる
ためには膨大な容量のメモリーを設けなくてはならず、
実現が極めて困難であった。しかも、仮想音源位置から
両耳に至る伝達関数を測定する際の音源固有の特性、お
よび用いるヘッドホン固有の特性の補正を施す手段につ
いては述べられていなかった。
またさらに、本発明と同一出願人による特開平01−11
2900号公報記載のオーディオ再生装置には、これらオー
ディオ信号の音量差及び時間差相互の変化両の相互の関
係を連続的ではなく離散的にデータを求めて、オーディ
オ信号を処理する装置が記載されている。
しかし、上記特開平01−112900号公報記載のオーディ
オ再生装置では、アナログ、ディジタル信号処理のどち
らにも適用できるような原理的な概念が示されているの
みで、アナログまたはディジタル信号処理を用い、実際
の商品に適用する際の具体性に欠けている。しかも、仮
想音源位置から両耳に至る伝達関数を測定する際の音源
固有の特性、および用いるヘッドホン固有の特性の補正
を施す手段については述べられていなかった。
またさらに、本発明と同一出願人による特開平03−21
4897号公報記載の音響信号再生装置には、各仮想音源位
置から両耳に至る伝達関数を固定し、信号処理した後
に、各耳に供給される信号のレベル及び遅延時間を頭の
回転角に応じて制御することにより、構成が簡単にな
り、大幅なメモリーの節約ができることが述べられてい
る。
このように上述した従来のヘッドホン再生方法、立体
再生方式およびオーディオ再生装置は、いずれも、リス
ナの頭の動きに対応してこれらオーディオ信号を高速に
処理するためにディジタル信号処理しなければ実現する
ことができないにもかかわらず、その処理手段および処
理方法が示されておらず、実施することが困難であると
いう不都合があった。
また、これらオーディオ信号の音量差及び時間差相互
の変化量等の関係を記憶させるためには膨大な容量のメ
モリーを設けなくてはならず、これらもディジタル信号
処理しなければ実現することができないにもかかわら
ず、その処理手段および処理方法が示されておらず、実
現が極めて困難であるという不都合があった。
さらに、仮想音源位置から両耳に至る伝達関数を測定
する際の音源固有の特性、および用いるヘッドホン固有
の特性によりヘッドホンの再生音に影響があるにもかか
わらず、これらについて補正を施す手段については何も
記載されておらず、このためヘッドホンの再生音に影響
を及ぼすという不都合があった。
また、このように上述した従来のヘッドホン再生方
法、立体再生方式、オーディオ再生装置および音響信号
再生装置は、いずれも、リスナの頭の動きに対応してこ
れらオーディオ信号を高速に処理するためにディジタル
信号処理しなければ実現することができないにもかかわ
らず、その処理手段および処理方法、さらに複数の聴取
者が同時に受聴する場合の具体的な構成が示されておら
ず、実施することが困難であるという不都合があった。
また、これらオーディオ信号の音量差及び時間差相互
の変化量等の関係を記憶させるためには膨大な容量のメ
モリーを設けなくてはならず、これらもディジタル信号
処理しなければ実現することができないにもかかわら
ず、その処理手段および処理方法が示されておらず、実
現が極めて困難であるという不都合があった。
さらに、仮想音源位置から両耳に至る伝達関数を測定
する際の音源固有の特性、および用いるヘッドホン固有
の特性によりヘッドホンの再生音に影響があるにもかか
わらず、これらについて補正を施す手段については何も
記載されておらず、このためヘッドホンの再生音に影響
を及ぼすという不都合があった。
また、このように上述した従来のヘッドホン再生方
法、立体再生方式、オーディオ再生装置および音響信号
再生装置は、いずれも、用いるヘッドホン固有の特性に
よりヘッドホンの再生音に影響があるにもかかわらず、
これらについて補正を施す手段については何も記載され
ておらず、このためヘッドホンの再生音に影響を及ぼす
という不都合があった。
また、再生中にヘッドホンをかけたままリスナが基準
方向に対して頭部を動かした場合、再生される音源の位
置が変わらないので、リスナが音源の位置を変えたい場
合でも音源の位置が固定されるので、再生状態が不自然
になるという不都合があった。
さらに、再生される音場をホール等にしたい場合や、
残響の有無やその程度を切り換えたい場合、再生時の音
量やバランスを変えたい場合、また、信号源をディジタ
ル信号源、アナログ信号源に変えたい場合、およびその
信号源のチャンネル数を変えたい場合などに、その調整
手段の具体的な構成が示されておらず、実施することが
困難であるという不都合があった。
さらにまた、これらの調整手段を装置全体のどの部分
に配置するかについて、その具体的な構成が示されてお
らず、実施することが困難であるという不都合があっ
た。
発明の開示 本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、メ
モリーの容量を節約し、リスナの頭の動きに対応して高
速処理が可能で、収音条件に影響されないオーディオ再
生装置の提供を第1の目的とする。
また、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであ
り、あたかも仮想音源位置に置かれたスピーカから複数
の聴取者に対しても同時に再生音が聞こえるようなオー
ディオ再生装置の提供を第2の目的とする。
また、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであ
り、リスナの使い勝手を良くし、あたかも仮想音源位置
に置かれたスピーカから再生音が聞こえるようなオーデ
ィオ再生装置の提供を第3の目的とする。
第1の発明のオーディオ再生装置は、基準方向に対す
る聴取者の頭部の運動を検出する角度検出手段と、角度
検出手段により検出された角度をディジタルアドレス信
号に変換するアドレス信号変換手段と、所定の角度毎
に、聴取者の頭部の基準方向に対する仮想音源位置から
聴取者の両耳に至るインパルスレスポンスを測定し、こ
の測定に用いたヘッドホンもしくは音源のうち少なくと
もいずれか一方の補正特性をインパルスレスポンスに畳
み込み記憶された記憶手段と、ディジタル信号源から供
給される複数チャンネルのディジタル音響信号と記憶手
段に記憶されたインパルスレスポンスとの畳み込み積分
を行なう積分手段と、聴取者の両耳の近傍に配置され、
積分手段からのディジタル音響信号をディジタル/アナ
ログ変換手段によりアナログ信号に変換して再生する音
響再生手段とを備え、アドレス信号変換手段のディジタ
ルアドレス信号により記憶手段のアドレスを指定し、記
憶手段に記録されたインパルスレスポンスに基づいてデ
ィジタル音響信号を聴取者の頭部の運動に対してリアル
タイムで補正するようにしたものである。これによれ
ば、アドレス変換手段のディジタルアドレス信号により
記憶手段のアドレスを指定し、記憶手段にディジタル記
憶されたヘッドホンもしくは音源のうち少なくともいず
れか一方の補正特性を予め畳み込んだインパルスレスポ
ンスを読み出すことにより、インパルスレスポンスに基
づいてディジタル音響信号を聴取者の頭部の運動に対し
てリアルタイムで補正するので、信号処理を遅延させる
こと無くインパルスレスポンスの測定に用いたヘッドホ
ンもしくは音源のうち少なくともいずれか一方の補正を
することができる。
また、第2の発明のオーディオ再生装置は、再生装置
は、少なくとも音響再生手段と角度検出手段とが設けら
れて聴取者の頭部に装着されるヘッドホン装置と、少な
くともアドレス信号変換手段と記憶手段と積分手段とが
設けられた装置本体と、装置本体とヘッドホン装置との
間の信号の伝送を行う伝送手段とを備えているので、装
置本体で信号処理された再生信号をヘッドホン装置で再
生することができる。
また、第3の発明のオーディオ再生装置は、基準方向
に対する聴取者の頭部の運動を検出する角度検出手段
と、角度検出手段により検出された角度をディジタルア
ドレス信号に変換するアドレス信号変換手段と、聴取者
の頭部の基準方向に対する仮想音源位置から固定された
聴取者の両耳に至るインパルスレスポンスを測定し、測
定されたインパルスレスポンスを記憶する第1の記憶手
段と、ディジタル信号源から供給される複数チャンネル
のディジタル音響信号と第1の記憶手段に記憶されたイ
ンパルスレスポンスとの畳み込み積分を行なう積分手段
と、所定の角度毎に、聴取者の頭部の基準方向に対する
仮想音源位置から聴取者の両耳に至る音響信号の時間差
及びレベル差を測定し、音響信号の時間差及びレベル差
を表す制御信号を記憶した第2の記憶手段と、積分手段
でインパルスレスポンスとの畳み込み積分を行った各チ
ャンネルのディジタル音響信号を第2の記憶手段に記憶
された制御信号で補正する制御手段と、聴取者の両耳の
近傍に配置され、制御手段からのディジタル信号をディ
ジタル/アナログ変換手段によりアナログ信号に変換し
て再生する音響再生手段とを備え、アドレス信号変換手
段のディジタルアドレス信号により第2の記憶手段のア
ドレスを指定し、第2の記憶手段に記憶された制御信号
を読み出し、積分手段によりインパルスレスポンスとの
畳み込み積分を行われたディジタル音響信号を制御手段
において制御信号により補正することにより、制御信号
に基づいて各チャンネルのディジタル音響信号を聴取者
の頭部の運動に対してリアルタイムで補正するようにし
たものである。これによれば、アドレス信号変換手段の
ディジタルアドレス信号により第2の記憶手段のアドレ
スを指定し、第2の記憶手段に記録された制御信号を読
み出し、積分手段でインパルスレスポンスとの畳み込み
積分を行ったディジタル音響信号を制御手段において制
御信号により補正するので、信号処理を遅延させること
無く、あたかもその仮想音源位置に置かれたスピーカか
ら聴取者に対して再生音が聞こえるように補正すること
ができる。
また、第4の発明のオーディオ再生装置は、再生装置
は、更に、積分手段でインパルスレスポンスとの畳み込
み積分を行われた各チャンネルのディジタル音響信号を
右側ディジタル音響信号及び左側ディジタル音響信号毎
に加算して2チャンネルのディジタル音響信号に変換す
る加算手段を備え、加算手段で加算された2チャンネル
のディジタル音響信号は制御手段によって第2の記憶手
段に記憶された制御信号で補正されて音響再生手段に供
給されるものである。これによれば、アドレス信号変換
手段のディジタルアドレス信号により第2の記憶手段の
アドレスを指定し、第2の記憶手段に記憶された制御信
号を読み出し、加算手段で加算された2チャンネルの右
側ディジタル音響信号及び左側ディジタル音響信号を制
御手段において制御信号により補正するので、信号処理
を遅延させること無く、あたかもその仮想音源位置に置
かれたスピーカから聴取者に対して2チャンネルの右側
ディジタル音響信号及び左側ディジタル音響信号による
再生音が聞こえるように補正することができる。
また、第5の発明のオーディオ再生装置は、再生装置
は、少なくとも音響再生手段と角度検出手段とが設けら
れて聴取者の頭部に装着されるヘッドホン装置と、少な
くともアドレス信号変換手段と記憶手段と積分手段とが
設けられた装置本体と、装置本体とヘッドホン装置との
間を伝送媒体を介して信号の伝送を行う伝送手段とを備
えているので、装置本体で信号処理された再生信号をヘ
ッドホン装置で再生することができる。
また、第6の発明のオーディオ再生装置は、伝送手段
は、加算手段で加算された2チャンネルのディジタル音
響信号を無線送信する送信手段と、送信手段から送信さ
れた2チャンネルのディジタル音響信号を受信する受信
手段とを備え、受信手段から出力されたディジタル音響
信号が制御手段によって補正されるものである。これに
よれば、送信手段から送信された2チャンネルのディジ
タル音響信号を受信手段で受信することにより、制御信
号に基づいて2チャンネルのディジタル音響信号をワイ
ヤレスで聴取者の頭部の運動に対してリアルタイムで補
正するので、信号処理を遅延させること無く、あたかも
その仮想音源位置に置かれたスピーカから聴取者に対し
て再生音が聞こえるようにワイヤレスで補正することが
できる。
また、第7の発明のオーディオ再生装置は、伝送手段
は、加算手段で加算された2チャンネルのディジタル音
響信号をアナログ音響信号に変換するディジタル/アナ
ログ変換手段と、ディジタル/アナログ変換手段から出
力されたアナログ音響信号が供給され、供給されたアナ
ログ音響信号を無線送信する送信手段と、送信手段から
送信されたアナログ音響信号を受信する受信手段と、受
信手段により受信されたアナログ音響信号をディジタル
音響信号に変換するアナログ/ディジタル変換手段とを
備え、アナログ/ディジタル変換手段から出力されたデ
ィジタル音響信号を制御手段によって補正するものであ
る。これによれば、送信手段から送信された2チャンネ
ルのアナログ音響信号を受信手段で受信することによ
り、制御信号に基づいて2チャンネルのアナログ音響信
号をワイヤレスで聴取者の頭部の運動に対してリアルタ
イムで補正するので、信号処理を遅延させること無く、
あたかもその仮想音源位置に置かれたスピーカから聴取
者に対して再生音が聞こえるようにワイヤレスで補正す
ることができる。
また、第8の発明のオーディオ再生装置は、伝送手段
は、加算手段で加算された2チャンネルのディジタル音
響信号を無線により送信する第1の送信部及び複数チャ
ンネルのディジタル音響信号に関する信号処理の内容を
変更する信号処理変更信号を受信する第1の受信部とを
有する第1の無線手段と、第1の無線手段の第1の送信
部により送信された2チャンネルのディジタル音響信号
を受信する第2の受信部及び信号処理変更信号を送信す
る第2の送信部とを有する第2の無線手段とを備え、第
2の無線手段の第2の受信部により受信された2チャン
ネルのディジタル音響信号を制御手段で補正するととも
に、複数チャンネルのディジタル音響信号に関する信号
処理の内容を第2の送信部から送信され第1の受信部で
受信された信号処理変更信号により変更するようにした
ものである。これによれば、第2の無線手段の第2の送
信部から第1の無線手段の第1の受信部に信号処理変更
信号を送信し、第1の無線手段の送信部から送信される
2チャンネルのディジタル音響信号に関する信号処理の
内容を変更することにより、制御信号に基づいて2チャ
ンネルのディジタル音響信号を双方向のワイヤレスで聴
取者の頭部の運動に対してリアルタイムで補正するの
で、信号処理を遅延させること無く、あたかもその仮想
音源位置に置かれたスピーカから聴取者に対して再生音
が聞こえるように双方向のワイヤレスで補正することが
できる。
また、第9の発明のオーディオ再生装置は、再生装置
は、更に、音響再生手段本体または音響再生手段本体以
外に設けられ、音響再生手段固有の特性を補正する補正
手段とを備え、補正手段により音響再生手段固有の特性
を補正し、各チャンネルのディジタル音響信号を聴取者
の頭部の運動に対してリアルタイムで補正するようにし
たものである。これによれば、聴取者は音響再生手段の
近傍で補正手段により音響再生手段固有の特性を補正
し、音響信号を聴取者の頭部運動に対してリアルタイム
で補正することができる。
また、第10の発明のオーディオ再生装置は、再生装置
は、更に、音響再生手段本体または音響再生手段本体以
外に設けられ、角度検出手段で検出された基準方向に対
する聴取者の頭部の運動に関する信号を、基準方向に対
する正面方向の信号にリセットするリセット手段を備え
ているものである。これにより、聴取者は音響再生手段
の近傍で角度検出手段で所定角度毎に検出された基準方
向に対する聴取者の頭部運動に関する信号を、リセット
手段により基準方向に対する正面方向の信号にリセット
して、音響信号を聴取者の頭部運動に対してリアルタイ
ムで補正することができる。
また、第11の発明のオーディオ再生装置は、再生装置
は、更に、音響再生手段本体または音響再生手段本体以
外に設けられ、ディジタル音響信号が再生される音場及
び/叉は残響を選択し、ディジタル音響信号に付加する
付加手段を備えているものである。これにより、聴取者
は音響再生手段の近傍で付加手段により音響信号が再生
される音場及び/叉は残響を選択し、音響信号に付加
し、音響信号を聴取者の頭部の運動に対してリアルタイ
ムで補正することができる。
また、第12の発明のオーディオ再生装置は、再生装置
は、更に、音響再生手段本体または音響再生手段本体以
外に設けられ、ディジタル音響信号の再生時の音量及び
/叉はバランスを調整する調整手段を備えているもので
ある。これにより、聴取者は音響再生手段の近傍で調整
手段により音響信号の再生時の音量及び/叉はバランス
を調整し、音響信号を聴取者の頭部の運動に対してリア
ルタイムで補正することができる。
また、第13の発明のオーディオ再生装置は、基準方向
に対する聴取者の頭部の運動を検出する角度検出手段
と、角度検出手段により検出された角度をディジタルア
ドレス信号に変換するアドレス信号変換手段と、聴取者
の頭部の基準方向に対する仮想音源位置から固定された
聴取者の両耳に至るインパルスレスポンスを測定し、測
定されたインパルスレスポンスを記憶する第1の記憶手
段と、ディジタル信号源から供給される複数チャンネル
のディジタル音響信号と第1の記憶手段に記憶されたイ
ンパルスレスポンスとの畳み込み積分を行なう積分手段
と、所定の角度毎に、聴取者の頭部の基準方向に対する
仮想音源位置から聴取者の両耳に至る音響信号の時間差
及びレベル差を測定し、音響信号の時間差及びレベル差
を表す制御信号を記憶した複数の第2の記憶手段と、積
分手段でインパルスレスポンスとの畳み込み積分を行っ
た各チャンネルのディジタル音響信号を第2の記憶手段
に記憶された制御信号で補正する複数の制御手段と、複
数の聴取者の各々の両耳の近傍に配置され、複数の制御
手段からのディジタル音響信号をディジタル/アナログ
変換手段によりアナログ信号に変換して再生する複数の
音響再生手段とを備え、アドレス信号変換手段のディジ
タルアドレス信号により第2の記憶手段のアドレスを指
定し、第2の記憶手段に記憶された制御信号を読み出
し、積分手段によりインパルスレスポンスとの畳み込み
積分を行われたディジタル音響信号を複数の制御手段に
おいて制御信号により補正することにより、制御信号に
基づいて各チャンネルのディジタル音響信号を複数の聴
取者の各々の頭部の運動に対してリアルタイムで補正す
るようにしたものである。これによれば、アドレス信号
変換手段のディジタルアドレス信号により第2の記憶手
段のアドレスを指定し、第2の記憶手段に記憶された制
御信号を読み出し、ディジタル音響信号を複数の制御手
段において制御信号により補正し、複数の加算手段で加
算して2チャンネルの右側ディジタル音響信号及び左側
ディジタル音響信号にするので、信号処理を遅延させる
こと無く、あたかもその仮想音源位置に置かれたスピー
カから複数の聴取者に対して2チャンネルの右側ディジ
タル音響信号及び左側ディジタル音響信号による再生音
が聞こえるように補正することができる。
また、第14の発明のオーディオ再生装置は、基準方向
に対する聴取者の頭部の運動を検出する角度検出手段
と、角度検出手段により検出された角度をディジタルア
ドレス信号に変換するアドレス信号変換手段と、聴取者
の頭部の基準方向に対する仮想音源位置から固定された
聴取者の両耳に至るインパルスレスポンスを測定し、測
定されたインパルスレスポンスを記憶する第1の記憶手
段と、ディジタル信号源から供給される複数チャンネル
のディジタル音響信号と第1の記憶手段に記憶されたイ
ンパルスレスポンスとの畳み込み積分を行なう積分手段
と、積分手段でインパルスレスポンスとの畳み込み積分
を行った各チャンネルのディジタル音響信号を右側ディ
ジタル音響信号及び左側ディジタル音響信号毎に加算し
て2チャンネルのディジタル音響信号に変換する加算手
段と、所定の角度毎に、聴取者の頭部の基準方向に対す
る仮想音源位置から聴取者の両耳に至る音響信号の時間
差及びレベル差を測定し、音響信号の時間差及びレベル
差を表す制御信号を記憶した第2の記憶手段と、加算手
段で加算された2チャンネルのディジタル音響信号を第
2の記憶手段に記憶された制御信号で補正して出力する
複数の制御手段と、複数の聴取者の各々の両耳の近傍に
配置され、複数の制御手段からのディジタル音響信号を
ディジタル/アナログ変換手段によりアナログ信号に変
換して再生する複数の音響再生手段とを備え、アドレス
信号変換手段のディジタルアドレス信号により第2の記
憶手段のアドレスを指定し、第2の記憶手段に記憶され
た制御信号を読み出し、加算手段で加算された2チャン
ネルのディジタル音響信号を複数の制御手段において制
御信号により補正することにより、制御信号に基づいて
2チャンネルのディジタル音響信号を複数の聴取者の各
々の頭部の運動に対してリアルタイムで補正するように
したものである。これによれば、アドレス信号変換手段
のディジタルアドレス信号により第2の記憶手段のアド
レスを指定し、第2の記憶手段に記憶された制御信号を
読み出し、加算手段で加算された2チャンネルの右側デ
ィジタル音響信号及び左側ディジタル音響信号を複数の
制御手段において制御信号により補正するので、信号処
理を遅延させること無く、あたかもその仮想音源位置に
置かれたスピーカから複数の聴取者に対して2チャンネ
ルの右側ディジタル音響信号及び左側ディジタル音響信
号による再生音が聞こえるように補正することができ
る。
また、第15の発明のオーディオ再生装置は、少なくと
も制御手段の後段であって、音響再生手段による補正さ
れた音響信号の再生時の再生特性を設定する設定手段と
を備えるようにしたものである。これにより、少なくと
も制御手段より後段であって、音響再生手段による補正
された音響信号の再生時の再生特性を設定する設定手段
を設けたので、聴取者は音響再生手段の近傍で設定手段
により音響信号の再生時の再生特性を補正し、音響信号
を聴取者の頭部の運動に対してリアルタイムで補正する
ことができる。
また、第16の発明のオーディオ再生装置は、設定手段
は、音響再生手段本体または音響再生手段本体以外に設
けられ、音響再生手段固有の特性を補正する補正手段を
備えるものである。これにより、少なくとも制御手段よ
り後段であって、音響再生手段本体または音響再生手段
本体以外に設けられ、音響再生手段固有の特性を補正す
る補正手段を設けたので、聴取者は音響再生手段の近傍
で補正手段により音響再生手段固有の特性を補正し、音
響信号を聴取者の頭部の運動に対してリアルタイムで補
正することができる。
また、第17の発明のオーディオ再生装置は、設定手段
は、音響再生手段本体または音響再生手段本体以外に設
けられ、角度検出手段で検出された基準方向に対する聴
取者の頭部の運動に関する信号を、基準方向に対する正
面方向の信号にリセットするリセット手段を備えるもの
である。これにより、聴取者は音響再生手段の近傍で角
度検出手段で所定角度毎に検出された基準方向に対する
聴取者の頭部の運動に関する信号を、リセット手段によ
り基準方向に対する正面方向の信号にリセットして、音
響信号を聴取者の頭部の運動に対してリアルタイムで補
正することができる。
また、第18の発明のオーディオ再生装置は、設定手段
は、音響再生手段本体または音響再生手段本体以外に設
けられ、音響信号が再生される音場及び/叉は残響を選
択し、音響信号に付加する付加手段を備えるものであ
る。これにより、聴取者は音響再生手段の近傍で付加手
段により音響信号が再生される音場及び/叉は残響を選
択し、音響信号に付加し、音響信号を聴取者の頭部の運
動に対してリアルタイムで補正することができる。
また、第19の発明のオーディオ再生装置は、設定手段
は、音響再生手段本体または音響再生手段本体以外に設
けられ、音響信号の再生時の音量及び/叉はバランスを
調整する調整手段を備えるものである。これにより、聴
取者は音響再生手段の近傍で調整手段により音響信号の
再生時の音量及び/叉はバランスを調整し、音響信号を
聴取者の頭部の運動に対してリアルタイムで補正するこ
とができる。
また、第20の発明のオーディオ再生装置は、信号源か
ら供給される複数のチャンネルの音響信号を無線により
送信し、この音響信号を補正するための補正信号を受信
する第1の無線手段と、聴取者の頭部の基準方向に対す
る仮想音源位置から頭部の動きに対応した聴取者の両耳
に至るインパルスレスポンスを測定し、測定されたイン
パルスレスポンスを記憶し、または所定の角度毎に、聴
取者の頭部の基準方向に対する仮想音源位置から聴取者
の両耳に至る音響信号の時間差及びレベル差を測定し、
音響信号の時間差及びレベル差を表す制御信号を記憶し
た記憶手段と、基準方向に対する聴取者の頭部の運動を
検出する角度検出手段と、角度検出手段により検出され
た角度をアドレス信号に変換するアドレス信号変換手段
と、第1の無線手段から音響信号を受信し、補正信号を
送信する第2の無線手段と、第2の無線手段からの各チ
ャンネルの音響信号を記憶手段に記憶されたインパルス
レスポンスまたは制御信号に基づいて補正する制御手段
と、制御手段で補正した音響信号を再生する音響再生手
段とを備え、アドレス信号変換手段のアドレス信号によ
り記憶手段のアドレスを指定し、記憶手段に記憶された
インパルスレスポンスまたは制御信号を読み出し、第2
の無線手段で受信された音響信号を制御手段においてイ
ンパルスレスポンスまたは制御信号で補正するととも
に、第2の無線手段で補正信号を送信することにより第
1の無線手段で送信される音響信号を聴取者の頭部の運
動に対してリアルタイムで補正するようにしたものであ
る。これにより、音響信号を双方向のワイヤレスで聴取
者の頭部の運動に対してリアルタイムで補正することが
できる。
また、第21の発明のオーディオ再生装置は、再生装置
は、更に、音響再生手段本体または音響再生手段本体以
外に設けられ、音響再生手段固有の特性を補正する補正
手段を備えるものである。これにより、音響再生手段本
体または音響再生手段本体以外に設けられ、音響再生手
段固有の特性を補正する補正手段を設けたので、聴取者
は音響再生手段の近傍で補正手段により音響再生手段固
有の特性を補正し、音響信号を聴取者の頭部の運動に対
してリアルタイムで補正することができる。
また、第22の発明のオーディオ再生装置は、再生装置
は、更に、音響再生手段本体または音響再生手段本体以
外に設けられ、角度検出手段で検出された基準方向に対
する聴取者の頭部の運動に関する信号を、基準方向に対
する正面方向の信号にリセットするリセット手段を備え
るものである。これにより、聴取者は音響再生手段の近
傍で角度検出手段で所定角度毎に検出された基準方向に
対する聴取者の頭部の運動に関する信号を、リセット手
段により基準方向に対する正面方向の信号にリセットし
て、音響信号を聴取者の頭部の運動に対してリアルタイ
ムで補正することができる。
また、第23の発明のオーディオ再生装置は、再生装置
は、更に、音響再生手段本体または音響再生手段本体以
外に設けられ、音響信号が再生される音場及び/叉は残
響を選択し、音響信号に付加する付加手段を備えるもの
である。これにより、聴取者は音響再生手段の近傍で付
加手段により音響信号が再生される音場及び/叉は残響
を選択し、音響信号に付加し、音響信号を聴取者の頭部
の運動に対してリアルタイムで補正することができる。
また、第24の発明のオーディオ再生装置は、再生装置
は、更に、音響再生手段本体または音響再生手段本体以
外に設けられ、音響信号の再生時の音量及び/叉はバラ
ンスを調整する調整手段を備えるものである。これによ
り、聴取者は音響再生手段の近傍で調整手段により音響
信号の再生時の音量及び/叉はバランスを調整し、音響
信号を聴取者の頭部の運動に対してリアルタイムで補正
することができる。
また、第25の発明のオーディオ再生装置は、再生装置
は、更に、少なくとも制御手段の後段であって、音響再
生手段本体または音響再生手段本体以外に設けられ、音
響再生手段固有の特性を補正する補正手段、角度検出手
段で検出された基準方向に対する聴取者の頭部の運動に
関する信号を基準方向に対する正面方向の信号にリセッ
トするリセット手段、音響信号が再生される音場及び/
叉は残響を選択し音響信号に付加する付加手段、音響信
号の再生時の音量及び/叉はバランスを調整する調整手
段を備えるものである。これによれば、少なくとも制御
手段より後段であって、音響再生手段本体または音響再
生手段本体以外に、補正手段、リセット手段、付加手
段、調整手段を設けたので、聴取者は音響再生手段の近
傍で補正手段により音響再生手段固有の特性を補正し、
リセット手段により基準方向に対する正面方向の信号に
リセットし、付加手段により音響信号が再生される音場
及び/叉は残響を選択し、調整手段により音響信号の再
生時の音量及び/叉はバランスを調整し、音響信号を双
方向のワイヤレスで聴取者の頭部の運動に対してリアル
タイムで補正することができる。
また、第26の発明のオーディオ再生装置は、再生装置
は、更に、少なくとも制御手段より後段であって、音響
再生手段本体または音響再生手段本体以外に設けられ、
信号源をディジタル信号源若しくはアナログ信号源およ
び任意のチャンネル数に切り換えをする信号切り換え手
段を備えるものである。これによれば、少なくとも制御
手段より後段であって、音響再生手段本体または音響再
生手段本体以外に、信号源をディジタル信号源若しくは
アナログ信号源および任意のチャンネル数に切り換えを
する信号切換手段を設けたので、聴取者は音響再生手段
の近傍で信号源をディジタル信号源若しくはアナログ信
号源および任意のチャンネル数に切り換えをすることが
でき、音響信号を聴取者の頭部の運動に対してリアルタ
イムで補正することができる。
また、第27の発明のオーディオ再生装置は、信号源
は、アナログ信号源であって、再生装置は、アナログ信
号源から出力される音響信号をディジタル音響信号に変
換する第1の変換手段を備え、角度検出手段は、アナロ
グ角度検出手段と、アナログ角度検出手段から出力され
る角度検出信号をディジタル角度検出信号に変換する第
2の変換手段を備えるものである。これにより、ディジ
タル信号処理をするようにしたので、記憶手段の容量を
節約して、信号処理を高速にすることができるので、音
響信号を聴取者の頭部の運動に対してリアルタイムで補
正することができる。
また、第28の発明のオーディオ再生装置は、信号源
は、ディジタル信号源から構成されているとともに、角
度検出手段は、ディジタル角度検出手段から構成されて
おり、記憶手段は、ディジタル化されたインパルスレス
ポンスまたは制御信号をディジタル記憶するものであ
る。これにより、ディジタル信号処理をするようにした
ので、記憶手段の容量を節約して、信号処理を高速にす
ることができるので、音響信号を聴取者の頭部の運動に
対してリアルタイムで補正することができる。
また、第29の発明のオーディオ再生装置は、聴取者の
頭部の基準方向に対する仮想音源位置から固定された聴
取者の両耳に至るインパルスレスポンスを測定し、測定
されたインパルスレスポンスを記憶した第1の記憶手段
と、ディジタル信号源から供給される複数チャンネルの
ディジタル音響信号と第1の記憶手段に記憶されたイン
パルスレスポンスとの畳み込み積分を行なう積分手段
と、積分手段でインパルスレスポンスとの畳み込み積分
を行われた各チャンネルのディジタル音響信号を右側デ
ィジタル音響信号及び左側ディジタル音響信号毎に加算
して2チャンネルのディジタル音響信号に変換する加算
手段と、加算手段により加算された2チャンネルのディ
ジタル音響信号を無線により送信する送信手段と、送信
手段により送信された2チャンネルのディジタル音響信
号を受信する受信手段と、聴取者の両耳の近傍に配置さ
れ、受信手段により受信された2チャンネルのディジタ
ル音響信号をディジタル/アナログ変換手段によりアナ
ログ音響信号に変換して再生する音響再生手段と、基準
方向に対する聴取者の頭部の運動を検出する角度検出手
段と、角度検出手段により検出された角度をディジタル
アドレス信号に変換するアドレス信号変換手段と、所定
の角度毎に、聴取者の頭部の基準方向に対する仮想音源
位置から聴取者の両耳に至る音響信号の時間差及びレベ
ル差を測定し、音響信号の時間差及びレベル差を表す制
御信号を記憶した第2の記憶手段と、受信手段で受信さ
れた2チャンネルのディジタル音響信号を第2の記憶手
段に記憶された制御信号で補正して音響再生手段に供給
する制御手段とを備え、送信手段から送信された2チャ
ンネルのディジタル音響信号を受信手段で受信すること
により、アドレス信号変換手段のディジタルアドレス信
号により第2の記憶手段のアドレスを指定し、第2の記
憶手段に記憶された制御信号を読み出し、受信手段で受
信した2チャンネルのディジタル音響信号を制御手段に
おいて制御信号により聴取者の頭部の運動に対してリア
ルタイムで補正するようにしたものである。これによ
り、送信手段から送信された2チャンネルのディジタル
音響信号を受信手段で受信することにより、制御信号に
基づいて2チャンネルのディジタル音響信号をワイヤレ
スで聴取者の頭部の運動に対してリアルタイムで補正す
るので、信号処理を遅延させること無く、あたかもその
仮想音源位置に置かれたスピーカから聴取者に対して再
生音が聞こえるようにワイヤレスで補正することができ
る。
また、第30の発明のオーディオ再生装置は、再生装置
は、更に、加算手段により加算された2チャンネルのデ
ィジタル音響信号をアナログ音響信号に変換するディジ
タル/アナログ変換手段を備え、ディジタル/アナログ
変換手段から出力されたアナログ音響信号が送信手段に
供給されるとともに、送信手段から送信されたアナログ
音響信号が受信手段によって受信され、受信手段によっ
て受信されたアナログ音響信号が制御手段によって補正
されるものである。これによれば、送信手段から送信さ
れた2チャンネルのアナログ音響信号を受信手段で受信
することにより、制御信号に基づいて2チャンネルのア
ナログ音響信号をワイヤレスで聴取者の頭部の運動に対
してリアルタイムで補正するので、信号処理を遅延させ
ること無く、あたかもその仮想音源位置に置かれたスピ
ーカから聴取者に対して再生音が聞こえるようにワイヤ
レスで補正することができる。
また、第31の発明のオーディオ再生装置は、聴取者の
頭部の基準方向に対する仮想音源位置から固定された聴
取者の両耳に至るインパルスレスポンスを測定し、測定
されたインパルスレスポンスを記憶した第1の記憶手段
と、ディジタル信号源から供給される複数チャンネルの
ディジタル音響信号と第1の記憶手段に記憶されたイン
パルスレスポンスとの畳み込み積分を行なう積分手段
と、積分手段でインパルスレスポンスとの畳み込み積分
を行われた各チャンネルのディジタル音響信号を右側デ
ィジタル音響信号及び左側ディジタル音響信号毎に加算
して2チャンネルのディジタル音響信号に変換する加算
手段と、加算手段により加算された2チャンネルのディ
ジタル音響信号を無線により送信する送信部および複数
チャンネルのディジタル音響信号に関する信号処理の内
容を変更する信号処理変更信号を受信する受信部とを有
する第1の無線手段と、第1の無線手段の送信部により
送信された2チャンネルのディジタル音響信号を受信す
る受信部および信号処理変更信号を送信する送信部とを
有する第2の無線手段と、聴取者の両耳の近傍に配置さ
れ、第2の無線手段の受信部により受信された2チャン
ネルのディジタル音響信号をディジタル/アナログ変換
手段によりアナログ音響信号に変換して再生する音響再
生手段と、基準方向に対する聴取者の頭部の運動を検出
する角度検出手段と、角度検出手段により検出された角
度をディジタルアドレス信号に変換するアドレス信号変
換手段と、所定の角度毎に、聴取者の頭部の基準方向に
対する仮想音源位置から聴取者の両耳に至る音響信号の
時間差及びレベル差を測定し、音響信号の時間差及びレ
ベル差を表す制御信号を記憶した第2の記憶手段と、第
2の無線手段の受信部で受信された2チャンネルのディ
ジタル音響信号を第2の記憶手段に記憶された制御信号
で補正して音響再生手段に供給する制御手段とを備え、
第1の無線手段の送信部から送信された2チャンネルの
ディジタル音響信号を第2の無線手段の受信部で受信す
ることにより、アドレス信号変換手段のディジタルアド
レス信号により第2の記憶手段のアドレスを指定し、記
憶手段に記憶された制御信号を読み出し、第2の無線手
段の受信部で受信した2チャンネルのディジタル音響信
号を制御手段において制御信号により補正するととも
に、第2の無線手段の送信部から第1の無線手段の受信
部に信号処理変更信号を送信し、複数チャンネルのディ
ジタル音響信号に関する信号処理の内容を変更すること
により、制御信号に基づいて2チャンネルのディジタル
音響信号を聴取者の頭部の運動に対してリアルタイムで
補正するようにしたものである。これにより、第2の無
線手段の送信部から第1の無線手段の受信部に信号処理
変更信号を送信し、第1の無線手段の送信部から送信さ
れる2チャンネルのディジタル音響信号に関する信号処
理の内容を変更することにより、制御信号に基づいて2
チャンネルのディジタル音響信号を双方向のワイヤレス
で聴取者の頭部の運動に対してリアルタイムで補正する
ので、信号処理を遅延させること無く、あたかもその仮
想音源位置に置かれたスピーカから聴取者に対して再生
音が聞こえるように双方向のワイヤレスで補正すること
ができる。
また、第32の発明のオーディオ再生装置は、音響再生
手段は、聴取者の左右の両耳に対するように配置された
一対のスピーカであるものである。これによれば、音響
再生手段は、聴取者の左右の両耳に対するように配置さ
れた一対のスピーカであるので、聴取者の頭部の回転に
対応して、聴取者の左右の両耳を結ぶ直線上において、
補正された音響信号を一対のスピーカにより再生するこ
とができる。
また、第33の発明のオーディオ再生装置は、音響再生
手段は、聴取者の左右の両耳を結ぶ直線より聴取者の前
方に配置された一対のスピーカであるものである。これ
によれば、音響再生手段は、聴取者の左右の両耳を結ぶ
直線より聴取者の前方に配置された一対のスピーカであ
るので、聴取者の頭部の回転に対応して、聴取者の左右
の両耳を結ぶ直接より前方において、補正された音響信
号をスピーカにより再生することができる。
また、第34の発明のオーディオ再生装置は、音響再生
手段は、聴取者の左右の両耳を結ぶ直線より聴取者の後
方に配置されたスピーカであるものである。これによれ
ば、音響再生手段は、聴取者の左右の両耳を結ぶ直線よ
り聴取者の後方に配置された複数のスピーカであるの
で、聴取者の頭部の回転に対応して、聴取者の左右の両
耳を結ぶ直線より後方において、補正された音響信号を
スピーカにより再生することができる。
また、第35の発明のオーディオ再生装置は、角度検出
手段は、聴取者の頭部に設けられた振動ジャイロである
ものである。これによれば、角度検出手段は、聴取者の
頭部に設けられた振動ジャイロであるので、振動ジャイ
ロから回転検出信号が検出され、聴取者の頭部の回転に
対応して補正された音響信号を音響再生手段により再生
することができる。
また、第36の発明のオーディオ再生装置は、角度検出
手段は、聴取者の頭部近傍に設けられた超音波送受信装
置であるものである。これによれば、角度検出手段は、
聴取者の頭部近傍に設けられた超音波送受信装置である
ので、超音波の反射に基づいて、聴取者の頭部の回転に
対応して補正された音響信号を音響再生手段により再生
することができる。
また、第37の発明のオーディオ再生装置は、角度検出
手段は、聴取者の頭部近傍に設けられた非接触回転セン
サであるものである。これによれば、角度検出手段は、
聴取者の頭部近傍に設けられた非接触回転センサである
ので、赤外線の反射に基づいて、聴取者の頭部の回転に
対応して補正された音響信号を音響再生手段により再生
することができる。
また、第38の発明のオーディオ再生装置は、角度検出
手段は、聴取者の頭部近傍に設けられたカメラであるも
のである。これによれば、角度検出手段は、聴取者の頭
部近傍に設けられたカメラであるので、カメラの画像認
識に基づいて、聴取者の頭部の回転に対応して補正され
た音響信号を音響再生手段により再生することができ
る。
また、第39の発明のオーディオ再生装置は、信号源か
ら複数のチャンネルの音響信号が供給され、音響信号の
複数のチャンネル数に応じて、複数のチャンネル数の音
響信号を複数のチャンネル数よりも少ない他のチャンネ
ル数の音響信号に変換するデコーダを備えるものであ
る。これによれば、チャンネル数変換手段は、音響信号
の複数のチャンネル数に応じて、複数のチャンネル数を
複数のチャンネル数よりも少ない他のチャンネル数に変
換するデコーダであるので、少ないチャンネルで再生音
像を定位させることができる。
また、第40の発明のオーディオ再生装置は、他のチャ
ンネル数に対応して、音響信号が再生されるスピーカの
配置のシミュレーションを変更できるものである。これ
によれば、チャンネル数変換手段は、音響信号の複数の
チャンネル数に応じて、複数のチャンネル数を複数のチ
ャンネル数よりも少ない他のチャンネル数に変換するデ
コーダであって、他のチャンネル数に対応して、音響信
号が再生されるスピーカの配置のシミュレーションを変
更できるので、スピーカの配置のシミュレーションを変
えて、あたかも異なるスピーカから再生されるように、
再生音像を定位させることができる。
また、第41の発明のオーディオ再生装置は、他のチャ
ンネル数に対応して、音響信号が再生されるスピーカの
距離のシミュレーションを変更できるものである。これ
によれば、チャンネル数変換手段は、音響信号の複数の
チャンネル数に応じて、複数のチャンネル数を複数のチ
ャンネル数よりも少ない他のチャンネル数に変換するデ
コーダであって、他のチャンネル数に対応して、音響信
号が再生されるスピーカの距離のシミュレーションを変
更できるので、スピーカの距離のシミュレーションを変
えて、あたかも異なる距離から再生されるように、再生
音像を定位させることができる。
また、第42の発明のオーディオ再生装置は、信号源か
ら複数のチャンネルの音響信号が供給され、音響信号の
複数のチャンネル数に応じて、複数のチャンネル数の音
響信号を複数のチャンネル数よりも多い他のチャンネル
数の音響信号に変換するエンコーダを備えるものであ
る。これによれば、チャンネル数変換手段は、音響信号
の複数のチャンネル数に応じて、複数のチャンネル数を
複数のチャンネル数よりも多い他のチャンネル数に変換
するエンコーダであるので、チャンネル数を多くして再
生音像を定位させることができる。
また、第43の発明のオーディオ再生装置は、エンコー
ダは、他のチャンネル数に対応する位置情報を有し、位
置情報により、音響信号が再生されるスピーカの配置の
シミュレーションを変更できるものである。これによれ
ば、チャンネル数変換手段は、音響信号の複数のチャン
ネル数に応じて、複数のチャンネル数を複数のチャンネ
ル数よりも多い他のチャンネル数に変換するエンコーダ
であって、他のチャンネル数に対応する位置情報を有
し、位置情報により、音響信号が再生されるスピーカの
配置のシミュレーションを変更できるので、エンコーダ
が有する位置情報によりスピーカの配置のシミュレーシ
ョンがされるように、再生音像を定位させることができ
る。
図面の簡単な説明 図1はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例のブ
ロック図である。
図2はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例のデ
ィジタル角度検出手段の構成を示す図である。
図3はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例のア
ナログ角度検出手段の構成を示す図である。
図4はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例のイ
ンパルスレスポンスのテーブルを示す図である。
図5はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例のイ
ンパルスレスポンスの測定を説明する図である。
図6はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例のブ
ロック図である。
図7はこの発明のオーディオ再生装置の他の実施例の
制御信号のテーブルを示す図である。
図8はこの発明のオーディオ再生装置の他の実施例の
ブロック図である。
図9はこの発明のオーディオ再生装置の他の実施例の
ブロック図である。
図10はこの発明のオーディオ再生装置の他の実施例の
ブロック図である。
図11はこの発明のオーディオ再生装置の送信部の一の
実施例のブロック図であり、図11Aは送信部に加算器を
含まない例、図11Bは送信部に加算器を含む例である。
図12はこの発明のオーディオ再生装置の受信部の一実
施例のブロック図である。
図13はこの発明のオーディオ再生装置の受信部の他の
実施例のブロック図である。
図14はこの発明のオーディオ再生装置のヘッドホンの
一実施例を示す図である。
図15はこの発明のオーディオ再生装置の他のヘッドホ
ンの実施例を示す図である。
図16はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例のブ
ロック図である。
図17はこの発明のオーディオ再生装置の他の実施例の
ブロック図である。
図18はこの発明のオーディオ再生装置の他の実施例の
ブロック図である。
図19はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例のス
ピーカ配置のシュミレーションを示す図である。
図20はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例の1
チャンネルモノラル再生用のスピーカ配置のシュミレー
ションを示す図である。
図21はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例の2
チャンネルステレオ再生用のスピーカ配置のシュミレー
ションを示す図である。
図22はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例の3
チャンネル再生用のスピーカ配置のシュミレーションを
示す図である。
図23はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例の4
チャンネル再生用のスピーカ配置のシュミレーションを
示す図である。
図24はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例の5
チャンネル再生用のスピーカ配置のシュミレーションを
示す図である。
図25はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例の前
方5チャンネル、後方2チャンネル再生用のスピーカ配
置のシュミレーションを示す図である。
図26はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例のヘ
ッドホンの全体を示す図である。
図27はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例のヘ
ッドホンの全体を示す図である。
図28はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例のブ
ロック図である。
図29はこの発明のオーディオ再生装置の他の実施例の
ブロック図である。
図30はこの発明のオーディオ再生装置の他の実施例の
ブロック図である。
図31はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例のス
ピーカの配置を示す図である。
図32はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例の頭
部回転検出の例を示す図である。
図33はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例の伝
達関数およびインパルスレスポンスを用いたブロック図
である。
図34はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例の伝
達関数およびインパルスレスポンスを用いたブロック図
である。
図35はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例の動
作を説明する図である。
図36はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例の動
作を説明する図である。
図37はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例のス
ピーカ配置を1チャンネルモノラル再生用とした図であ
る。
図38はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例のス
ピーカ配置を2チャンネルステレオ再生用とした図であ
る。
図39はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例のス
ピーカ配置を3チャンネル再生用とした図である。
図40はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例のス
ピーカ配置を4チャンネル再生用とした図である。
図41はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例のス
ピーカ配置を5チャンネル再生用とした図である。
図42はこの発明のオーディオ再生装置の一実施例のス
ピーカ配置を前方5チャンネル、後方2チャンネル再生
用とした図である。
発明を実施するための最良の形態 以下本発明に係るオーディオ再生装置の一実施例につ
いて、図1から図5に従い詳細に説明する。
本発明の実施例のオーディオ再生装置は、音響信号を
ヘッドホンで再生する際に、本来スピーカで再生する場
合に予め定められた位置関係に置かれるべきスピーカか
ら音が再生されるのと同等の定位感、音場感等を、ヘッ
ドホンで再生しても得られるようにしたものである。
すなわち、本発明の実施例のオーディオ再生装置は、
ステレオ等で収音された多チャンネルの音響信号をヘッ
ドホンで再生するシステムに用いるものである。特に予
め定められた位置関係(例えば、リスナの前方右、前方
左、中央、その他である。)に各音像を定位させる目的
で各チャンネルに記録あるいは伝送されるディジタル化
された音響信号をヘッドホン等で再生する際に用いるも
のである。
ここでは、まず基準方向に対する頭部の運動を一定角
度あるいは予め定められた角度毎に検出し、方向を含む
大きさを表すディジタルアドレス信号に変換する。この
アドレス信号により予めメモリーに記録されている頭部
の基準方向に対する仮想音源位置から両耳に至るディジ
タル記録されたインパルスレスポンスを読み出す。そし
て、各チャンネルのディジタル化された音響信号とこの
インパルスレスポンスとの畳み込み積分を行ないリアル
タイムで補正し変更する。これにより、あたかもその仮
想音源位置に置かれたスピーカから再生音が聞こえるよ
うな再生効果を実現することができるものである。
図1において、符号1はディジタルオーディオディス
ク(例えばコンパクトディスク)やディジタル衛星放送
等の多チャンネルのディジタルステレオ信号源を示す。
符号2はアナログレコード、アナログ放送等のアナログ
ステレオ信号源を示す。符号3はこれらアナログ信号を
ディジタル信号に変換するためのA/D変換器である。こ
のA/D変換器3は多チャンネルの場合にはチャンネル数
だけ設けられる。符号4は切替器であり、ディジタルで
入力された信号もアナログで入力された信号も同等に、
かつ一定のサンプリング周波数および量子化ビット数で
表されるディジタル信号として扱われる。ここでは、2
チャンネルの切り替えのみを示したが、多チャンネルの
場合にも同様にチャンネル数だけ設けられる。
これらのディジタル信号列のうち左のディジタル信号
Lは、畳み込み積分器5に供給される。ここでは、畳み
込み積分器5に付属するメモリ6に呼び出された、現
在、リスナ23の頭部が向いている方向の、頭部の基準方
向に対する、仮想音源位置から両耳に至る一定のサンプ
リング周波数および量子化ビット数で表されるディジタ
ル記録された一組のインパルスレスポンスとで畳み込み
積分が行われる。また、畳み込み積分器7およびメモリ
8は右のディジタル信号Rのクロストーク成分を供給す
る。
上記と同様に右のディジタル信号Rは、畳み込み積分
器11に供給される。ここでは、畳み込み積分器11に付属
するメモリ12に呼び出された、現在、リスナ23の頭部が
向いている方向の、頭部の基準方向に対する、仮想音源
位置から両耳に至る一定のサンプリング周波数および量
子化ビット数で表されるディジタル記録された一組のイ
ンパルスレスポンスとで畳み込み積分が行われる。ま
た、畳み込み積分器9およびメモリ10は左のディジタル
信号Lのクロストーク成分を供給する。
これら畳み込み積分器5およびメモリ6、畳み込み積
分器9およびメモリ10でインパルスレスポンスとリアル
タイムで畳み込み積分が行なわれた結果は加算器15に供
給されて加算される。また、畳み込み積分器7およびメ
モリ8、畳み込み積分器11およびメモリ12でインパルス
レスポンスとリアルタイムで畳み込み積分が行なわれた
結果は加算器16に供給されて加算される。このとき、残
響回路13、14による残響信号を加算器15、16に付加して
いる。
この畳み込み積分され、加算器15、16で加算された結
果は、D/A変換器19、20によりアナログ信号に変換さ
れ、電力増幅器21、22により電力増幅されてヘッドホン
24に加えられる。これにより、リスナ23は、ヘッドホン
24の右発音体および左発音体26により音響を聞くことが
できる。
ここで、上述した畳み込み積分聞5で畳み込まれるイ
ンパルスレスポンスは、仮想音源位置からリスナ23の両
耳に至るインパルスレスポンスを測定する際に用いた音
源固有の補正特性およびヘッドホン固有の補正特性を予
め畳み込んだものである。従って、畳み込み積分器5で
インパルスレスポンスを畳み込んだ後に改めて、これら
の補正を行う必要がなく、これらの補正を含むインパル
スレスポンスの畳込みを一度で実行するので、リアルタ
イムで信号処理をすることができる。
このように、畳み込み積分器5、7、9、11およびメ
モリ6、8、10、12において基準方向に対する、仮想音
源位置からリスナ23の両耳に至るディジタル記録された
一組のインパルスレスポンスと畳み込み積分をする際
に、インパルスレスポンスの測定に用いたヘッドホンの
補正特性または音源の補正特性のいずれか一方、または
双方のインパルスレスポンスを予め畳み込んだインパル
スレスポンスとすることにより、リアルタイムで同時に
補正を含めた畳み込み処理を行なうことができる。
ここで、ディジタル角度検出器28はリスナ23の頭部の
動きを検出するものであり、図2においてディジタル角
度検出器28の詳細な構成が示されている。図2ではその
ディジタル角度検出器28として地磁気の水平分力を利用
する場合が示されている。図2においては、角度検出信
号をディジタル信号として取り出す例が示されている。
先ず基準方向に対するリスナ23の頭部の運動を、一定
単位角度毎あるいは予め定められた角度毎に離散的情報
として取りだす場合の例として、頭部中央位置にロータ
リーエンコーダー30が、その入力軸が垂直となるように
設けられているとともに、その入力軸に、磁針29が設け
られている。従って、ロータリーエンコーダー30から
は、磁針29の示す南北方向を基準として、リスナ23の方
向を含む頭の動きを示す出力が取りだされる。このロー
タリーエンコーダー30はヘッドホン24のヘッドバンド27
に取り付けたが、ヘッドバンド27から独立した取付装置
上に設けてもよい。
そしてこのディジタル角度検出器28のエンコーダー30
の出力が検出回路31、32に供給され、検出回路31から
は、リスナ23が頭を時計方向に回したときと、半時計方
向に回したときで“0"または“1"に変化する方向信号Sd
が取りだされ、検出回路32からは、リスナ23が頭の向き
を変えたとき、その変えた角度に比例した数のパルスが
Pa、例えば2゜変化する毎に1つのパルスPaが出力され
る。
そして、信号Sdが、アップダウンカウンタ33のカウン
ト方向入力U/Dに供給されると共に、パルスPaがアップ
ダウンカウンタ33のクロック入力(カウント入力)CKに
供給され、そのカウント出力がリスナ23の頭の向きと大
きさを表すディジタルアドレス信号に変換され、アドレ
ス制御回路34を通じてメモリ35にアドレス信号として供
給される。
そしてメモリ35内のテーブルの該当するアドレスか
ら、予めメモリ35に記録されているリスナ23の頭部の基
準方向に対する仮想音源位置からリスナ23の両耳に至る
ディジタル記録されたインパルスレスポンスが読みださ
れ、同時に畳み込み積分器5、7、9、11に付属するメ
モリ6、8、10、12にロードされ、各チャンネルのディ
ジタル化された音響信号とこのインパルスレスポンスと
の畳み込み積分がおこなわれ、現在、リスナ23の頭部が
向いている方向の補正がリアルタイムで行なわれる。こ
こで、メモリ35に記録されたインパルスレスポンスは、
仮想音源位置からリスナ23の両耳に至るインパルスレス
ポンスを測定する際に用いた音源固有の補正特性および
ヘッドホン固有の補正特性を予め畳み込んだものであ
る。
一方、符号38はアナログ角度検出器を示すものであ
り、その詳細な構成は図3に示されている。図3では、
角度検出出力をアナログ信号として取りだす例が示され
ている。リスナ23の頭部中央部にCDSやフォトダイオー
ド等の光の強さにより抵抗値が変化する受光素子からな
る受光器41が取り付けられている。この受光器41と対向
して電球や発光ダイオード等の発光器39が設けられてい
て、この発光器39により一定の強さの光を受光器41に向
けて照射するようになっている。
その際、この発光器39の投射光の通路間に回転角度に
より投射光の透過度が変化するような可動シャッター40
が設けられており、この可動シャッター40は磁針29と共
に回転するようになっている。従って、受光器41に一定
の電流を流すとき、受光器41の受光素子両端の電圧は磁
針29の示す南北方向を基準として、リスナ23の方向を含
む頭の動きを示すアナログ出力が取りだされる。このア
ナログ角度検出器38は、ヘッドホン24のヘッドバンド27
に取り付けたが、ヘッドバンド27から独立した取付装置
上に設けてもよい。
アナログ角度検出器38のアナログ出力は増幅器42で増
幅された後に、A/D変換器43に加えられ、このディジタ
ル出力は切替器44を介してアドレス制御回路34に供給さ
れる。アドレス制御回路34では基準方向に対するリスナ
23の頭部の運動を一定角度あるいは予め定められた角度
毎の方向を含む大きさを表すディジタルアドレス信号を
生成し、メモリ35にアドレス信号として供給される。
そしてメモリ35内のテーブルの該当するアドレスか
ら、予めメモリ35に記録されているリスナ23の頭部の基
準方向に対する仮想音源位置からリスナ23の両耳に至る
インパルスレスポンスに、これらインパルスレスポンス
の測定に用いた音源固有の補正特性および用いたヘッド
ホン特有の補正特性のいずれか一方または双方が畳み込
まれてディジタル記録されたインパルスレスポンスが読
みだされ、同時に畳み込み積分器5、7、9、11に付属
するメモリ6、8、10、12にロードされ、各チャンネル
のディジタル化された音響信号とこのインパルスレスポ
ンスとの畳み込み積分がおこなわれ、現在、リスナ23の
頭部が向いている方向の補正がリアルタイムで行なわれ
る。
図4に、メモリ35内のテーブルのデータの一例を示
す。すなわち、今、図5に示すように、リスナ23の前方
に左前方及び右前方のスピーカ45L、45Rが配置されてい
る場合、この左および右のスピーカ45L、45Rの設置位置
から、リスナ23の両耳に至るインパルスレスポンスとし
を考える。
ここで、この場合、音源は固有の特性を持つスピーカ
等であるから、用いた音源の指向性を考慮したインパル
スレスポンス:h(t,θ)を、 数5 h(t,θ)=hs(t,θ) また、頭部の基準方向に対する仮想音源位置から両耳
に至るインパルスレスポンスを測定したダミーヘッドマ
イクロホンで測定した、用いるヘッドホン固有のインパ
ルスレスポンスが:h(t)のとき、 数6 h(t)=hh(t) で表される。従って、メモリ35に記憶されたインパルス
レスポンスのテーブルには、これらの一方若しくは双方
の逆特性、hs(t,θ)-1、hh(t)-1が畳み込み積分さ
れ、補正されたインパルスレスポンス:fIJ(t,θ)が記
録されている(ただし、IJ=LL,LR,RL,RR,・・・)。
従って、メモリ35に記憶されたインパルスレスポンス
のテーブルに記録されているインパルスレスポンス:fIJ
(t,θ)は、頭部の基準方向に対する仮想音源位置から
両耳に至るインパルスレスポンスを測定する際に、指向
性を考慮した音源固有の特性(インパルスレスポン
ス):hsIJ(t,θ)を持つ音源を用いた場合、 数7 fIJ(t,θ)=hIJ(t,θ)*hsIJ(t,θ)-1 また、ヘッドホン固有のインパルスレスポンスがh
h(t)のものを用いるとき、メモリ35に記憶されたイ
ンパルスレスポンスのテーブルに記録されるインパルス
レスポンス:fIJ(t,θ)は、 数8 fIJ(t,θ)=hIJ(t,θ)*hh(t)-1 で表される。さらに、音源固有の特性(インパルスレス
ポンス)がhsIJ(t,θ)、また、ヘッドホン固有のイン
パルスレスポンスがhh(t)のものを用いるときには、
メモリ35に記憶されたインパルスレスポンスのテーブル
に記録されるインパルスレスポンスfIJ(t,θ)は、 数9 fIJ(t,θ)=hIJ(t,θ)*hSIJ(t,θ)-1*hh(t)-1 で表され、同時にこれらの補正も行われる。
なお hIJ(t,θ):I音源位置からJ耳に至るインパルスレ
スポンス。
θ :I音源位置と頭部のなす角 HIJ(ω,θ):I音源位置からJ耳に至る伝達関数。
ω :角周波数(2πf,f:周波数) であり、この場合のインパルスを測定する音源としては
スピーカを用いてもよい。
またリスナ23の各耳の収音位置に関しては、外耳道入り
口から鼓膜位置までの間の何れの位置でもよい。
だだしこの位置は、後で述べる、用いるヘッドホン24
の固有の特性を打ち消すための補正特性を求める位置と
等しいことが要求される。
このようなインパルスレスポンスを考えたとき、角
度:θを単位角度毎に、例えば2゜ずつ変化させたとき
のディジタル記録したインパルスレスポンスがメモリ35
のテーブルの1番地毎に書き込まれている。この角度
は、リスナ23が頭部を回転させたときに、左右両耳で頭
部の回転した角度を識別できる角度毎にする。またこの
テーブルは、メモリ35に対して例えば3組設けられると
共に、その組毎に、リスナ23の頭部および耳介の形状、
また用いるヘッドホン24の特性等に対応してデータの値
が異なるようになされている。そして、その3組のテー
ブルのうちの1つが、アドレス制御回路34の切替器36の
切り替えにしたがって選択される。
なお図1において、符号37はリセットスイッチであ
り、これをオンしたとき、アップダウンカウンタ33の値
は“オール0"にリセットされ、このときメモリ35のテー
ブルはθ=0のアドレスが選択される。
この実施例のオーディオ再生装置はこのように構成さ
れ、以下のような動作をする。多チャンネルディジタル
ステレオ信号源1からのディジタルオーディオ信号、あ
るいは多チャンネルアナログステレオ信号源2に入力さ
れたアナログ信号をA/D変換器3によりデジタル信号に
変換した各チャンネルのオーディオ信号が、切替器4で
選択された後、畳み込み積分器5、7、9、11およびメ
モリ6、8、10、12の各回路および加算器15、16によ
り、音場としての空間情報を漏った両耳へのディジタル
信号に変換され、電力増幅器21、22で電力増幅された
後、ヘッドホン24に供給される。
そして、この場合、リスナ23が頭を動かすと、ディジ
タル角度検出器28を用いた場合では、その向きに従った
信号Sd、Paが得られ、これによりアップダウンカウンタ
33のカウント値はリスナ23の頭の向きにしたがった値と
なる。このカウント値がアドレス制御回路34を通じてメ
モリ35にアドレス信号として供給される。メモリ35から
は、図4のテーブルに対応したデータのうち、リスタ23
の頭の向きに対応した頭部の基準方向に対する仮想音源
位置から両耳に至るディジタル記録されたインパルスレ
スポンスが取りだされ、このデータが畳み込み積分器
5、7、9、11およびメモリ6、8、10、12に供給され
る。
頭部回転検出のアナログ角度検出器38を用いた場合で
は、センサー出力が増幅器42で増幅された後、A/D変換
器43によりリスナ23の頭の向きにしたがったデジタル信
号に変換され、アドレス制御回路34を通じてメモリ35に
アドレス信号として供給され、ディジタル角度検出器28
の場合と同様にしてリスナ23の頭の向きに対応した頭部
の基準方向に対する仮想音源位置から両耳に至るディジ
タル記録されたインパルスレスポンスが取りだされ、こ
のデータが畳み込み積分器5、7、9、11およびメモリ
6、8、10、12に供給される。ここで、このインパルス
レスポンスは、インパルスレスポンスの測定に用いた音
源固有の補正特性および用いたヘッドホン特有の補正特
性のいずれか一方または双方が畳み込まれてディジタル
記録されたインパルスレスポンスである。従って、これ
らの補正を含むインパルスレスポンスの畳込みを一度で
実行するので、リアルタイムで信号処理をすることがで
きる。
このようにして、ヘッドホン24に供給されるオーディ
オ信号L,Rは、リスナ23の頭の向きに対応した頭部の基
準方向に対する仮想音源位置から両耳に至るディジタル
記録されたインパルスレスポンスとの畳み込み積分が行
なわれれるので、複数個のスピーカが仮想音源位置に置
かれてスピーカで再生しているような音場感を得ること
が出来る。
また、特に、この例によれば、リスナ23の頭の向きに
従ってヘッドホン24に供給されるオーディオ信号の特性
を変更するとき、これをメモリ35のテーブルを使用して
行なっているので、リスナ23の頭の向きにしたがってき
め細かく変更することが出来、最適な特性とすることが
出来る。
更にメモリ35のテーブルにディジタル記録されたイン
パルスレスポンスが取りだされ、このデータが畳み込み
積分器5、7、9、11およびメモリ6、8、10、12に純
電子的に供給されるので、リスナ23の頭の向きに対する
オーディオ信号の特性の変化に遅れを生じることがな
く、不自然さを生じることはない。
なおこの時、残響回路13、14による残響信号もヘッド
ホン24に供給されるので、リスニングルームやコンサー
トホールにおける広がり感が付加され、優れたステレオ
音場感を得ることができる。
一方、メモリ35には複数のテーブルを用意しておき、
これをリスナ23が切替器36により任意に選択できるよう
にしているので、リスナ23の頭部や耳介の形状、用いる
ヘッドホン24の特性が違っていても、最適な特性を得る
ことができる。更に、角度θの変化に対するリスナ23の
頭部の基準方向に対する仮想音源位置から両耳に至るデ
ィジタル記録されたインパルスレスポンスの変化量を、
テーブルにより標準値よりも大きく、あるいは小さくな
るようにしておくことにより、リスナ23の頭の向きに対
する音像の位置の変化量が異なるので、これによりリス
ナ23から音像までの距離感などを変更することが出来
る。
また、残響回路13、14による残響信号を付加している
と共に、この残響信号はホールの壁などによる反射音や
残響音の様に聞こえるので、あたかも有名なコンサート
ホールで音楽を聞いているかの様な臨場感を得ることが
出来る。
さらに図4のデータは、次のようにして得ることが出
来る。すなわちヘッドホン24で再生したときに好ましい
再生音場となるよう、適当な室内に、必要なチャンネル
数のインパルス音源とダミーヘッドマイクロホンを定め
られた位置に配置する。この場合のインパルスを測定す
る音源としてはスピーカを用いてもよい。
またダミーヘッドの各耳の収音位置に関しては、外耳
道入り口から鼓膜位置までの間の何れの位置でもよい
が、用いるヘッドホン24の固有の特性を打ち消すための
補正特性を求める位置と等しいことが要求される。
またインパルスレスポンスの測定は、各チャンネルの
スピーカ位置よりインパルス音を放射し、一定角度:Δ
θ毎にダミーヘッドの各耳に設けられたマイクロホンで
収音することにより得られる。従ってある角度:θ1に
おいては、1つのチャンネル毎に1組のインパルスレス
ポンスが得られることになるから、仮に5チャンネルの
信号源の場合は、1つの角度毎に5組、すなわち10種の
インパルスレスポンスが得られることになる。
また用いるヘッドホンの固有の特性を打ち消すための
補正特性を求める方法は、音場のインパルスレスポンス
の収音を行なったダミーヘッドマイクロホンと同一のも
のを用い、用いるヘッドホンをダミーヘッドに装着し、
ヘッドホン入力からダミーヘッドの各耳のマイクロホン
間のインパルスレスポンス、その結果の逆特性となるよ
うなインパルスレスポンスを計算で求める。
あるいはLMSアルゴリズム等の適応処理を用いて直接
求めてもよい。具体的なヘッドホン固有の特性の補正
は、オーディオ入力信号が加えられてから、ヘッドホン
に信号が加えられるまでの間の任意の部分で、時間領域
の処理としては求めた補正特性を表すインパルスレスポ
ンスとの畳み込み積分を行なうことにより、またアナロ
グ的にはD/A変換後、逆特性のアナログフィルターを通
す事により実現できる。
更に、上述においては、リスナ23の頭の水平面内にお
ける向きについてのみ考慮したが垂直面内および、これ
らと直交する面内における向きについても同様に処理す
ることも出来る。
またメモリ35におけるテーブルは1組とし、アドレス
制御回路34においてそのテーブルに対するアドレスの指
定を変更して複数組のテーブルがある場合と同様に制御
データを得ることも出来る。
更に、テーブルのデータは、リスナ23の一般的な頭の
向きの範囲に限ってもよく、また、角度θは、例えば、
θ=0゜付近で0は0.5゜おきに設定しておき、|θ≧4
5゜|では3゜おきに設定するというように、向きによ
って角度θの間隔を異ならせてもよい。上述したよう
に、リスナが頭部回転の角度を識別できる角度毎でよ
い。更に、ヘッドホン24の代わりに、リスナ23両耳の近
くに配置したスピーカでもよい。
上例によれば、入力されるオーディオ信号は、多チャ
ンネルのステレオ等で収音されたディジタル記録あるい
は伝送された信号、およびアナログ記録あるいは伝送さ
れた信号のどちらに対しても適応でき、またリスナ23の
頭の動きを検出する角度検出手段に関しては、ディジタ
ル信号で出力されるもの、およびアナログ信号で出力さ
れるもののどちらに対しても適用できる。
また、上例によれば、リスナ23の頭の動きに同期させ
てヘッドホン24に供給されるオーディオ信号の特性を変
更するとき、リスナ23の頭の動きに対し連続的にではな
く、人間の聴覚特性に合わせ、人間の識別できる必要十
分な適当な一定単位角度毎あるいは予め定められた角度
毎にメモリ35のテーブルから読みだして行なっているの
で、リスナ23の頭の向きに対して必要十分な変更内容に
ついてのみ演算を行なえば、連続的に変更をしたのと同
じ効果を得ることが出来る。従って、メモリ35の容量の
節約が図れ、かつ演算の処理速度に関しても必要以上に
高速演算の必要がなくなる。
また、上例によれば、リスナ23の頭の回転に左右され
ず、常に一定方向の固定された音源からのバイノーラル
特性が得られるので、極めて自然な頭外定位感が得られ
る。
また、上例によれば、メモリ35のテーブルに従って、
ディジタル記録されたインパルスレスポンスで表される
特性を、畳み込み積分器5、7、9、11およびメモリ
6、8、10、12において純電子式に畳み込み積分を行な
い制御しているので特性劣化が少なく、かつリスナ23の
頭の動きに対するオーディオ信号の特性の変化に遅れを
生じることがないので、従来のシステムにおけるような
不自然さを生じさせることはない。
また、上例によれば、メモリ35には複数のテーブルを
用意しておき、これをリスナ23が切替器36により任意に
選択出来るようにしているので、リスナ23の頭部や耳介
の形状、ヘッドホン24の特性等が違っていても、最適な
特性を得ることが出来る。
また、上例によれば、角度θの変化に対するインパル
スレスポンスの変化量を、テーブルによって標準値より
も大きく、あるいは小さくなるようにしておくことによ
り、リスナ23の頭の向きに対する音像の位置の変化量が
異なるので、これによりリスナ23から音像までの距離感
などを変更することができる。
また、上例によれば、残響回路13、14により必要に応
じ適切な残響信号が付加されるので、あたかも有名なコ
ンサートホールで音楽を聞いているような臨場感を得る
ことが出来る。
本発明によれば、アドレス信号変換手段のディジタル
アドレス信号により記憶手段のアドレスを指定し、記憶
手段にディジタル記録されたヘッドホンの補正特性およ
び音源の補正特性を畳み込んだインパルスレスポンスを
読み出すことにより、インパルスレスポンスに基づいて
ディジタル音響信号を聴取者の頭部運動に対してリアル
タイムで補正するので、信号処理を遅延させること無く
インパルスレスポンスの測定に用いたヘッドホンの補正
および音源の補正をすることができる。
以下本発明の別の発明に係るオーディオ再生装置の一
実施例について、図6から図10に従い詳細に説明する。
なお、先の発明の実施例において説明した図2〜図5は
同様なので説明を省略する。
本発明の実施例のオーディオ再生装置は、音響信号を
ヘッドホンで再生する際に、本来スピーカで再生する場
合に予め定められた位置関係に置かれるべきスピーカか
ら音が再生されるのと同等の定位感、音場感等を、一人
はもとより複数の聴取者に対しても同時に、ヘッドホン
で再生しても得られるようにしたものである。
すなわち、本発明の実施例のオーディオ再生装置は、
ステレオ等で収音された多チャンネルの音響信号をヘッ
ドホンで再生するシステムに用いるものである。特に予
め定められた位置関係(例えば、リスナの前方右、前方
左、中央、その他である。)に各音像を定位させる目的
で各チャンネルに記録あるいは伝送されるディジタル化
された音響信号をヘッドホン等で再生する際に用いるも
のである。
ここでは、まず基準方向に対する頭部運動を一定角度
あるいは予め定められた角度毎に検出し、方向を含む大
きさを表すディジタルアドレス信号に変換する。このア
ドレス信号により予めメモリーに記録されている頭部の
基準方向に対する仮想音源位置から両耳に至るディジタ
ル記録された制御信号を読み出す。そして、予めインパ
ルスレスポンスとの畳み込み積分を行なった各チャンネ
ルのディジタル化された音響信号とこの制御信号とをリ
アルタイムで補正し変更する。これにより、あたかもそ
の仮想音源位置に置かれたスピーカから再生音が聞こえ
るような再生効果を実現することができるものである。
第6図において、符号1はディジタルオーディオディ
スク(例えばコンパクトディスク)やディジタル衛星放
送等の多チャンネルのディジタルステレオ信号源を示
す。符号2はアナログレコード、アナログ放送等のアナ
ログステレオ信号源を示す。符号3はこれらアナログ信
号をディジタル信号に変換するためのA/D変換器であ
る。このA/D変換器3は多チャンネルの場合にはチャン
ネル数だけ設けられる。符号4は切替器であり、ディジ
タルで入力された信号もアナログで入力された信号も同
等に、かつ一定のサンプリング周波数および量子化ビッ
ト数で表されるディジタル信号として扱われる。ここで
は、2チャンネルの切り替えのみを示したが、多チャン
ネルの場合にも同様にチャンネル数だけ設けられる。
これらのディジタル信号列のうち左のディジタル信号
Lは、畳み込み積分器5に供給される。ここでは、畳み
込み積分器5に付属するメモリ6には、リスナ23の頭部
の基準方向に対して固定された頭部に対する、仮想音源
位置から両耳に至る一定のサンプリング周波数および量
子化ビット数で表されるデジタル記録された一組のイン
パルスレスポンスが記憶されている。ディジタル信号列
は、畳み込み積分器5において、このメモリ6より読み
出されたインパルスレスポンスとリアルタイムで畳み込
み積分される。
さらに、この畳み込み積分されたディジタル信号列に
対して、制御装置50において、現在、リスナ23の頭部が
向いている方向の、頭部の基準方向に対する、仮想音源
位置から両耳に至る両耳間の時間差及びレベル差等を表
す制御信号によりリアルタイムで補正が行われる。ま
た、畳み込み積分器7およびメモリ8は右のディジタル
信号Rのクロストーク成分を供給する。
上記と同様に右のディジタル信号Rは、畳み込み積分
器11に供給される。ここでは、畳み込み積分器11に付属
するメモリ12には、リスナ23の頭部の基準方向に対して
固定された頭部に対する、仮想音源位置から両耳に至る
一定のサンプリング周波数および量子化ビット数で表さ
れるディジタル記録された一組のインパルスレスポンス
が記憶されている。ディジタル信号列は、畳み込み積分
器11において、このメモリ12より読み出されたインパル
スレスポンスとリアルタイムで畳み込み積分される。
さらに、この畳み込み積分されたディジタル信号列に
対して、制御装置52において、現在、リスナ23の頭部が
向いている方向の、頭部の基準方向に対する、仮想音源
位置から両耳に至る両耳間の時間差及びレベル差等を表
す制御信号によりリアルタイムで補正が行われる。ま
た、畳み込み積分器9およびメモリ10は左のディジタル
信号Lのクロストーク成分を供給する。
これら畳み込み積分器5、メモリ6及び制御装置50、
畳み込み積分器9、メモリ10及び制御装置52でインパル
スレスポンスと畳み込み積分を行ない、制御信号でリア
ルタイムで補正した結果は加算器15に供給されて加算さ
れる。また、畳み込み積分器7、メモリ8及び制御装置
51、畳み込み積分器11、メモリ12及び制御装置53でイン
パルスレスポンスと畳み込み積分を行ない、制御信号で
リアルタイムで補正した結果は加算器16に供給されて加
算される。このとき、残響回路13、14による残響信号を
加算器15、16に付加している。また、左のディジタル信
号L及び右のディジタル信号R以外の切替器4で切り替
えられる多チャンネルディジタル信号も上述と同様の回
路を経て加算器15及び16に加算される。
この畳み込み積分して、補正され、加算器15、16で加
算された結果は、2チャンネルのディジタル信号とし
て、補正装置55、57により、制御信号の測定に用いた音
源固有またはヘッドホン固有の特性に補正される。つま
り、この補正装置55、57は、仮想音源位置からリスナ23
の両耳に至るインパルスレスポンスを測定する際に用い
た音源固有の補正特性およびヘッドホン固有の補正特性
を有するものである。D/A変換器19、20によりアナログ
信号に変換され、電力増幅器21、22により電力増幅され
てヘッドホン24に加えられる。これにより、リスナ23
は、ヘッドホン24の右発音体25および左発音体26により
音響を聞くことができる。
ここで、制御装置50、51、52、53としては、可変遅延
装置と可変レベル制御器、あるいは多バンドに分割され
たグラフィックイコライザ等の周波数帯域毎のレベル制
御器との組み合わせで構成することができる。また、メ
モリ35に記憶されている情報は、リスナ23の頭部が向い
ている方向の、頭部の基準方向に対する、仮想音源位置
から両耳に至る両耳間の時間差及びレベル差等を表すイ
ンパルスレスポンスでも良い。この場合には、上述の制
御装置は、IIR、あるいはFIRの可変ディジタルフィルタ
ーで構成すれば良い。
このように、畳み込み積分器5、7、9、11およびメ
モリ6、8、10、12において基準方向に対する、仮想音
源位置から固定方向のリスナ23の両耳に至るディジタル
記録されたインパルスレスポンスと畳み込み積分をし、
さらに制御装置50、51、52、53において、現在、リスナ
23の頭部が向いている方向の、頭部の基準方向に対す
る、仮想音源装置から両耳に至る両耳間の時間差及びレ
ベル差等を表す制御信号によりリアルタイムで補正し、
制御信号の測定に用いたヘッドホンの補正特性または音
源の補正特性のいずれか一方、または双方の補正を行う
ことにより、リアルタイムで同時に補正を含めたディジ
タル信号処理を行なうことができる。
ディジタル角度検出器28のエンコーダー30の出力が検
出回路31、32に供給され、検出回路31からは、リスナ23
が頭を時計方向に回したときと、半時計方向に回したと
きで“0"または“1"に変化する方向信号Sdが取りださ
れ、検出回路32からは、リスナ23が頭の向きを変えたと
き、その変えた角度に比例した数のパルスがPa、例えば
2゜変化する毎に1つのパルスPaが出力される。
そして、信号Sdが、アップダウンカウンタ33のカウン
ト方向入力U/Dに供給されると共に、パルスPaがアップ
ダウンカウンタ33のクロック入力(カウント入力)CKに
供給され、そのカウント出力がリスナ23の頭の向きと大
きさを表すディジタルアドレス信号に変換され、アドレ
ス制御回路34を通じてメモリ35にアドレス信号として供
給される。
そしてメモリ35内のテーブルの該当するアドレスか
ら、予めメモリ35に記録されているリスナ23の頭部の基
準方向に対する仮想音源位置からリスナ23の両耳に至る
ディジタル記録された両耳間の時間差及びレベル差等を
表す制御信号が読みだされ、畳み込み積分器5、7、
9、11および付属するメモリ6、8、10、12によりイン
パルスレスポンスとの畳み込み積分がおこなわれた各チ
ャンネルのディジタル化された音響信号と、制御装置5
0、51、52、53において、現在、リスナ23の頭部が向い
ている方向の補正がリアルタイムで行なわれる。
アナログ角度検出器38のアナログ出力は増幅器42で増
幅された後に、A/D変換器43に加えられ、このディジタ
ル出力は切替器44を介してアドレス制御回路34に供給さ
れる。アドレス制御回路34では基準方向に対するリスナ
23の頭部運動を一定角度あるいは予め定められた角度毎
の方向を含む大きさを表すディジタルアドレス信号を生
成し、メモリ35にアドレス信号として供給される。
そしてメモリ35内のテーブルの該当するアドレスか
ら、予めメモリ35に記録されているリスナ23の頭部の基
準方向に対する仮想音源位置からリスナ23の両耳に至る
ディジタル記録された両耳間の時間差及びレベル差等を
表す制御信号が読みだされ、畳み込み積分器5、7、
9、11および付属するメモリ6、8、10、12によりイン
パルスレスポンスとの畳み込み積分がおこなわれた各チ
ャンネルのディジタル化された音響信号と、制御装置5
0、51、52、53において、現在、リスナ23の頭部が向い
ている方向の補正がリアルタイムで行なわれる。
今、図5に示すように、リスナ23の前方に左前方及び
右前方のスピーカ45L、45Rが配置されている場合、この
左および右のスピーカ45L、45Rの設置位置から、リスナ
23の基準方向、つまり、θ=θ両耳に至るインパルス
レスポンスとして を考えるとき、メモリ6、8、10、12にはこれらを表す
インパルスレスポンスがディジタル記録されている。
ここで、hmn(t)はmスピーカ位置から、n耳に至
るインパルスレスポンスであり、Hmn(ω)はmスピー
カ位置から、nに至る伝達関数であり、ωは角周波数2
πfであり、fは周波数である。
一方、図7に、メモリ35内のテーブルのデータの一例
を示す。すなわち、メモリ35に記憶された制御信号のテ
ーブルには、両耳間の時間差:ΔTIJ(θ)及び両耳間
のレベル差:ΔLIJ(θ)が記録されている(ただし、I
J=LL,LR,RL,RR,・・・)。
この場合の両耳間の時間差及び両耳間のレベル差を表
す制御信号を測定する音源としてはスピーカを用いても
よい。またリスナ23の各耳の収音位置に関しては、外耳
道入り口から鼓膜位置までの間の何れの位置でもよい。
だだし、この位置は、後でのべる、用いるヘッドホン
の固有の特性を打ち消すための補正特性を求める位置と
等しいことが要求される。
このようなインパルスレスポンスを考えたとき、角
度:θを単位角度毎に、例えば2゜ずつ変化させたとき
のディジタル記録したインパルスレスポンスがメモリ35
のテーブルの1番地毎に書き込まれている。この角度
は、リスナ23が頭部を回転させたときに、左右両耳で頭
部の回転した角度を識別できる角度毎にする。
またこのテーブルは、メモリ35に対して例えば3組設
けられると共に、その組毎に、リスナ23の頭部および耳
介の形状、また用いるヘッドホンの特性等に対応してデ
ータの値が異なるようになされている。そして、その3
組のテーブルのうちの1つが、アドレス制御回路34の切
替器36の切り替えにしたがって選択される。
この実施例のオーディオ再生装置はこのように構成さ
れ、以下のような動作をする。多チャンネルディジタル
ステレオ信号源1からのディジタルオーディオ信号、あ
るいは多チャンネルアナログステレオ信号源2に入力さ
れたアナログ信号をA/D変換器3によりディジタル信号
に変換した各チャンネルのオーディオ信号が、切替器4
で選択された後、畳み込み積分器5、7、9、11、メモ
リ6、8、10、12、制御装置50、51、52、53の各回路お
よび加算器15、16により、音場としての空間情報を持っ
た両耳への2チャンネルのディジタル信号に変換され、
補正装置55、57により用いる音源及びヘッドホンの特性
が補正され、電力増幅器21、22で電力増幅された後、ヘ
ッドホン24に供給される。
そして、この場合、リスナ23が頭を動かすと、ディジ
タル角度検出器28を用いた場合では、その向きに従った
信号Sd、Paが得られ、これによりアップダウンカウンタ
33のカウント値はリスナ23の頭の向きにしたがった値と
なる。このカウント値がアドレス制御回路34を通じてメ
モリ35にアドレス信号として供給される。メモリ35から
は、図7のテーブルに対応したデータのうち、リスナ23
の頭の向きに対応した頭部の基準方向に対する仮想音源
位置から両耳に至るディジタル記録された両耳間の時間
差及び両耳間のレベル差を表す制御信号が取りだされ、
このデータが制御装置50、51、52、53に供給される。
頭部回転検出のアナログ角度検出器38を用いた場合で
は、センサー出力が増幅器42で増幅された後、A/D変換
器43によりリスナ23の頭の向きにしたがったディジタル
信号に変換され、アドレス制御回路34を通じてメモリ35
にアドレス信号として供給され、ディジタル角度検出器
28の場合と同様にしてリスナ23の頭の向きに対応した頭
部の基準方向に対する仮想音源位置から両耳に至るディ
ジタル記録された両耳間の時間差及び両耳間のレベル差
を表す制御信号が取りだされ、このデータが制御装置5
0、51、52、53に供給される。ここで、この補正装置5
5、57は、制御信号の測定に用いた音源固有の補正特性
および用いたヘッドホン特有の補正特性のいずれか一方
または双方を有するものである。従って、これらの補正
を含むディジタル信号処理を一度で実行するので、リア
ルタイムで信号処理をすることができる。
このようにして、ヘッドホン24に供給されるオーディ
オ信号L,Rは、リスナ23の頭の向きに対応した頭部の基
準方向に対する仮想音源位置から両耳に至るディジタル
記録された両耳間の時間差及び両耳間のレベル差を表す
制御信号との補正が行なわれるので、複数個のスピーカ
が仮想音源位置に置かれてスピーカで再生しているよう
な音場感を得ることが出来る。
また、特に、この例によれば、リスナ23の頭の向きに
従ってヘッドホン24に供給されるオーディオ信号の特性
を変更するとき、これをメモリ35のテーブルを使用して
行なっているので、リスナ23の頭の向きにしたがってき
め細かく変更することが出来、最適な特性とすることが
出来る。
更にメモリ35のテーブルにディジタル記録された両耳
間の時間差及び両耳間のレベル差を表す制御信号が取り
だされ、このデータが畳み込み積分器5、7、9、11お
よびメモリ6、8、10、12により予め畳み込まれたディ
ジタル信号に対して、制御装置50、51、52、53で補正す
るように、純電子的に供給されるので、リスナ23の頭の
向きに対するオーディオ信号の特性の変化に遅れを生じ
ることがなく、不自然さを生じることはない。
更に、角度θの変化に対するリスナ23の頭部の基準方
向に対する仮想音源位置から両耳に至るディジタル記録
された両耳間の時間差及び両耳間のレベル差を表す制御
信号の変化量を、テーブルにより標準値よりも大きく、
あるいは小さくなるようにしておくことにより、リスナ
23の頭の向きに対する音像の位置の変化量が異なるの
で、これによりリスナ23から音像までの距離感などを変
更することが出来る。
上例によれば、入力されるオーディオ信号は、多チャ
ンネルのステレオ等で収音されたディジタル記録あるい
は伝送された信号、およびアナログ記録あるいは伝送さ
れた信号のどちらに対しても適応でき、またリスナ23の
頭の動きを検出する角度検出手段に関しては、ディジタ
ル信号で出力されるもの、およびアナログ信号で出力さ
れるもののどちらに対しても適用できる。
また、上例によれば、リスナ23の頭の動きに同期させ
てヘッドホン24に供給されるオーディオ信号の特性を変
更するとき、リスナ23の頭の動きに対し連続的にではな
く、人間の聴覚特性に合わせ、人間の識別できる必要十
分な適当な一定単位角度毎あるいは予め定められた角度
毎にメモリ35のテーブルから読みだして行なっているの
で、リスナ23の頭の向きに対して必要十分な変更内容に
ついてのみ演算を行なえば、連続的に変更をしたの同じ
効果を得ることが出来る。従って、メモリ35の容量の節
約が図れ、かつ演算の処理速度に関しても必要以上に高
速演算の必要がなくなる。
また、上例によれば、メモリ35のテーブルに従って、
ディジタル記録された両耳間の時間差及び両耳間のレベ
ル差を表す制御信号で表される特性を、畳み込み積分器
5、7、9、11およびメモリ6、8、10、12において予
めインパルスレスポンスが畳み込まれたディジタル信号
に対して、純電子式に補正を行ない制御しているので特
性劣化が少なく、かつリスナ23の頭の動きに対するオー
ディオ信号の特性の変化に遅れを生じることがないの
で、従来のシステムにおけるような不自然さを生じさせ
ることはない。
また、上例によれば、角度θの変化に対する両耳間の
時間差及び両耳間のレベル差を表す制御信号の変化量
を、テーブルによって標準値よりも大きく、あるいは小
さくなるようにしておくことにより、リスナ23の頭の向
きに対する音像の位置の変化量が異なるので、これによ
りリスナ23から音像までの距離感などを変更することが
できる。
上例では、メモリ35のテーブルに従って、ディジタル
記録された両耳間の時間差及び両耳間のレベル差を表す
制御信号の特性を、畳み込み積分器5、7、9、11およ
びメモリ6、8、10、12において予めインパルスレスポ
ンスが畳み込まれたディジタル信号に対して、制御装置
50、51、52、53において、補正を行ない制御する例を示
したが、図8に示すように、加算器15、16の後段におい
て、同様の制御装置54、56を設け、2チャンネルのディ
ジタル信号に対して、制御信号により補正するようにし
ても良い。
図8においては、左側ディジタル音響信号は、畳み込
み積分器5、メモリ6及び畳み込み積分器9、メモリ10
でインパルスレスポンスと畳み込み積分を行ない、加算
器15に供給されて加算される。また、右側ディジタル音
響信号は、畳み込み積分器11、メモリ12及び畳み込み積
分器7、メモリ8でインパルスレスポンスと畳み込み積
分を行ない、加算器16に供給されて加算される。加算器
15、16でそれぞれ右側及び左側のクロストーク分を加算
した右側及び左側ディジタル音響信号は、制御装置54及
び制御装置56でメモリ35からの制御信号によりリアルタ
イムで補正される。
このとき、残響回路13、14による残響信号を加算器1
5、16に付加している。また、左のディジタル信号L及
び右のディジタル信号R以外の切替器4で切り替えられ
る多チャンネルディジタル信号も上述と同様の回路を経
て加算器15及び16に加算される。その他の構成は、図6
に示したものと同様であるので、その説明を省略する。
上例によれば、複数のリスナ23の個々の頭部回転に応
じて両耳間の時間差及び両耳間のレベル差を表す制御信
号による補正を行うことにより複数のヘッドホン24で同
時に再生することができ、高価なA/D変換器3や、畳み
込み積分器5、7、9、11を複数のリスナ23の数だけ用
意する必要がなく、極めて安価に構成することができ
る。
また、上例において、リスナ23が複数いる場合には、
図9に示すように、図6において、残響回路13、14、畳
み込み積分器5、7、9、11およびメモリ6、8、10、
12の後段の回路において、端子60、61、62、63、64、65
を設け、複数のリスナ23に対応する数だけ端子60、61、
62、63、64、65から後段の回路を分岐して設けるように
してもよい。
図6において、残響回路13、14、畳み込み積分器5、
7、9、11およびメモリ6、8、10、12の後を分岐す
る。分岐された後段に、図示しない伝送路を介して、図
9において示すように、端子60、61、62、63、64、65を
設け、複数のリスナ23に対応する数だけ端子60、61、6
2、63、64、65から後段の回路を設ける。そして、端子6
0、61、62、63、64、65にそれぞれ右側及び左側のディ
ジタル音響信号及び右側及び左側のクロストーク分及び
残響信号が供給される。
図9の場合は、畳み込み積分器5、7、9、11、メモ
リ6、8、10、12により予めインパルスレスポンスとの
畳み込み積分を行なった各チャンネルのディジタル化さ
れた音響信号は、図示しない伝送路を介して、端子60、
61、62、63、64、65に供給される。そして、制御装置5
0、51、52、53において、メモリ35より読み出された制
御信号により補正され、変更され、加算器15、16に供給
される。そして補正装置55、57でヘッドホン24固有の特
性に補正されたこの2チャンネルのディジタル信号はD/
A変換器19、20でアナログ信号に変換され、電力増幅器2
1、22で増幅された後に、ヘッドホン24に供給される。
これ以外の構成及び動作は図6に示したものと同様であ
るのでその詳細な説明を省略する。
また、図10に示すように、加算器15、16の後段の回路
において、端子66、67を設け、複数のリスナ23に対応す
る数だけ端子66、67から後段の回路を分岐して設けるよ
うにしてもよい。
図8において、残響回路13、14、加算器15、16の後を
分岐する。分岐された後段に、図示しない伝送路を介し
て、図10において示すように、端子66、67を設け、複数
のリスナ23に対応する数だけ端子66、67から後段の回路
を設ける。そして、端子66、67にそれぞれ右側及び左側
のディジタル音響信号が供給される。
図10の場合は、加算器15、16から、図示しない伝送路
を介して供給された2チャンネルのディジタル信号は制
御装置54、56において、メモリ35より読み出された制御
信号により補正され、変更される。そして補正装置55、
57でヘッドホン24固有の特性に補正されたこの2チャン
ネルのディジタル信号はD/A変換器19、20でアナログ信
号に変換され、電力増幅器21、22で増幅された後に、ヘ
ッドホン24に供給される。これ以外の構成及び動作は図
8に示したものと同様であるのでその説明を省略する。
上例によれば、複数のリスナ23の個々の頭部回転に応
じて両耳間の時間差及び両耳間のレベル差を表す制御信
号による補正を行うことにより複数のヘッドホン24で同
時に再生することができ、高価なA/D変換器3や、畳み
込み積分器5、7、9、11を複数のリスナ23の数だけ用
意する必要がなく、2チャンネルのディジタル信号に対
して制御信号により補正するので、制御回路54、56が2
つで構成でき、極めて安価に構成することができる。
本発明によれば、アドレス信号変換手段のディジタル
アドレス信号により第2の記憶手段のアドレスを指定
し、第2の記憶手段に記録された両耳間の時間差及び両
耳間のレベル差を表す制御信号を読み出し、積分手段で
インパルスレスポンスとの畳み込み積分を行ったディジ
タル音響信号を制御手段において制御信号により補正す
るので、信号処理を遅延させること無く、あたかもその
仮想音源位置に置かれたスピーカから聴取者に対して再
生音が聞こえるように補正することができる。
以下本発明の別の発明に係るオーディオ再生装置の一
実施例について、図11から図13に従い詳細に説明する。
なお、先の発明の実施例において説明した図2〜図5は
同様なので説明を省略する。
本発明の実施例のオーディオ再生装置は、音響信号を
ヘッドホンで再生する際に、本来スピーカで再生する場
合に予め定められた位置関係に置かれるべきスピーカか
ら音が再生されるのと同等の定位感、音場感等を、一人
はもとより複数の聴取者に対してもワイヤレスにより同
時に、ヘッドホンで再生しても得られるようにしたもの
である。
すなわち、本発明の実施例のオーディオ再生装置は、
ステレオ等で収音された多チャンネルの音響信号をワイ
ヤレスによりヘッドホンで再生するシステムに用いるも
のである。特に予め定められた位置関係(例えば、リス
ナの前方右、前方左、中央、その他である。)に各音像
を定位させる目的で各チャンネルに記録あるいは伝送さ
れるディジタル化された音響信号をワイヤレスによりヘ
ッドホン等で再生する際に用いるものである。
ここでは、まず予めインパルスレスポンスとの畳み込
み積分を行なった各チャンネルのディジタル化された音
響信号を送信器により送信し、ヘッドホンを装着したリ
スナ側の受信機で音響信号を受信し、そして、リスナの
基準方向に対する頭部運動を一定角度あるいは予め定め
られた角度毎に検出し、方向を含む大きさを表すディジ
タルアドレス信号に変換する。このアドレス信号により
予めメモリーに記録されている頭部の基準方向に対する
仮想音源位置から両耳に至るディジタル記録された制御
信号を読み出す。この制御信号と音響信号とをリアルタ
イムで補正し変更する。これにより、あたかもその仮想
音源位置に置かれたスピーカから再生音が聞こえるよう
な再生効果をワイアレスで実現することができるもので
ある。
図11Aにおいて、この発明のオーディオ再生装置の送
信部の例を示す。符号1はディジタルオーディオディス
ク(例えばコンパクトディスク)やディジタル衛星放送
等の多チャンネルのディジタルステレオ信号源を示す。
符号2はアナログレコード、アナログ放送等のアナログ
ステレオ信号源を示す。符号3はこれらアナログ信号を
ディジタル信号に変換するためのA/D変換器である。こ
のA/D変換器3は多チャンネルの場合にはチャンネル数
だけ設けられる。符号4は切替器であり、ディジタルで
入力された信号もアナログで入力された信号も同等に、
かつ一定のサンプリング周波数および量子化ビット数で
表されるディジタル信号として扱われる。ここでは、2
チャンネルの切り替えのみを示したが、多チャンネルの
場合にも同様にチャンネル数だけ設けられる。
これらのディジタル信号列のうち左のディジタル信号
Lは、畳み込み積分器5に供給される。ここでは、畳み
込み積分器5に付属するメモリ6には、リスナ23の頭部
の基準方向に対して固定された頭部に対する、仮想音源
位置から両耳に至る一定のサンプリング周波数および量
子化ビット数で表されるデジタル記録された一組のイン
パルスレスポンスが記憶されている。ディジタル信号列
は、畳み込み積分器5において、このメモリ6より読み
出されたインパルスレスポンスとリアルタイムで畳み込
み積分される。
また、畳み込み積分器7およびメモリ8は右のディジ
タル信号Rのクロストーク成分を供給する。
上記と同様に右のディジタル信号Rは、畳み込み積分
器11に供給される。ここでは、畳み込み積分器11に付属
するメモリ12には、リスナ23の頭部の基準方向に対して
固定された頭部に対する、仮想音源位置から両耳に至る
一定のサンプリング周波数および量子化ビット数で表さ
れるディジタル記録された一組のインパルスレスポンス
が記憶されている。ディジタル信号列は、畳み込み積分
器11において、このメモリ12より読み出されたインパル
スレスポンスとリアルタイムで畳み込み積分される。
また、畳み込み積分器9およびメモリ10は左のディジ
タル信号Lのクロストーク成分を供給する。
また、畳み込み積分器7、メモリ8、畳み込み積分器
11、メモリ11においても上述と同様にインパルスレスポ
ンスと畳み込み積分が行なわれる。このように、畳み込
み積分器5、7、9、11、メモリ6、8、10、12におい
てインパルスレスポンスと畳み込み積分が行なわれたデ
ィジタル信号列は、マルチプレクサ162に供給される。
このとき、残響回路13、14による残響信号もマルチプレ
クサ162に供給される。マルチプレクサ162で多重化され
たディジタル信号列は、変調器163で所定の方式で変調
をかけられ、送信機164により電磁波として送信され
る。
図12において、この発明のオーディオ再生装置の受信
部の例を示す。図12に示す受信部は上述の図11Aで示し
た送信部に対応するものである。上述の図11Aで示した
送信部において、畳み込み積分して、加算器15、16で加
算され、送信された電磁波は、図12において、受信機16
5で受信され、復調器166で復調され、ディマルチプレク
サ167で分離される。ディマルチプレクサ167で分離され
たディジタル音響信号は、制御装置50、51、52、53にそ
れぞれ供給される。
そして制御装置50、51、52、53において、現在、リス
ナ23の頭部が向いている方向の、頭部の基準方向に対す
る運動を、一定角度毎あるいは予め定められた角度毎に
方向を含む大きさを表すディジタルアドレス信号に変換
し、仮想音源位置から両耳に至る両耳間の時間差及びレ
ベル差等を表す制御信号によりリアルタイムで補正す
る。
このように制御装置50、51、52、53において、補正さ
れたディジタル音響信号は、加算器15、16に加算され、
2チャンネルのディジタル音響信号とされる。また、残
響信号分は直接、加算器15、16に加算される。さらにこ
の2チャンネルのディジタル音響信号は、補正装置55、
57により、制御信号の測定に用いた音源固有またはヘッ
ドホン固有の特性に補正される。
つまり、この補正装置55、57は、仮想音源位置からリ
スナ23の両耳に至るインパルスレスポンスを測定する際
に用いた音源固有の補正特性およびヘッドホン固有の補
正特性を有するものである。D/A変換器19、20によりア
ナログ信号に変換され、電力増幅器21、22により電力増
幅されてヘッドホン24に加えられる。これにより、リス
ナ23は、ヘッドホン24の右発音体25および左発音体26に
より音響を聞くことができる。
ここで、制御装置50、51、52、53としては、可変遅延
装置と可変レベル制御器、あるいは多バンドに分割され
たグラフィックイコライザ等の周波数帯域毎のレベル制
御器との組み合わせで構成することができる。また、メ
モリ35に記憶されている情報は、リスナ23の頭部が向い
ている方向の、頭部の基準方向に対する、仮想音源位置
から両耳に至る両耳間の時間差及びレベル差等を表すイ
ンパルスレスポンスでも良い。この場合には、上述の制
御装置は、IIR、あるいはFIRの可変ディジタルフィルタ
ーで構成すれば良い。
このように、畳み込み積分器5、7、9、11およびメ
モリ6、8、10、12において基準方向に対する、仮想音
源位置から固定方向のリスナ23の両耳に至るディジタル
記録されたインパルスレスポンスと畳み込み積分をし、
送信機164で電磁波として送信し、さらに受信機165で受
信した信号を制御装置50、51、52、53において、現在、
リスナ23の頭部が向いている方向の、頭部の基準方向に
対する、仮想音源位置から両耳に至る両耳間の時間差及
びレベル差等を表す制御信号によりリアルタイムで補正
し、制御信号の測定に用いたヘッドホンの補正特性また
は音源の補正特性のいずれか一方、または双方の補正を
行うことにより、ワイヤレスによりリアルタイムで同時
に補正を含めたディジタル信号処理を行なうことができ
る。
そしてメモリ35内のテーブルの該当するアドレスか
ら、予めメモリ35に記録されているリスナ23の頭部の基
準方向に対する仮想音源位置からリスナ23の両耳に至る
ディジタル記録された両耳間の時間差及びレベル差等を
表す制御信号が読みだされ、畳み込み積分器5、7、
9、11および付属するメモリ6、8、10、12によりイン
パルスレスポンスとの畳み込み積分がおこなわれた各チ
ャンネルのディジタル化された音響信号と、制御装置5
0、51、52、53において、現在、リスナ23の頭部が向い
ている方向の補正がワイヤレスによりリアルタイムで行
なわれる。
アナログ角度検出器38のアナログ出力は、図13におけ
る増幅器42で増幅された後に、A/D変換器43に加えら
れ、このディジタル出力は切替器44を介してアドレス制
御回路34に供給される。アドレス制御回路34では基準方
向に対するリスナ23の頭部運動を一定角度あるいは予め
定められた角度毎の方向を含む大きさを表すディジタル
アドレス信号を生成し、メモリ35にアドレス信号として
供給される。
そしてメモリ35内のテーブルの該当するアドレスか
ら、予めメモリ35に記録されているリスナ23の頭部の基
準方向に対する仮想音源位置からリスナ23の両耳に至る
ディジタル記録された両耳間の時間差及びレベル差等を
表す制御信号が読みだされ、畳み込み積分器5、7、
9、11および付属するメモリ6、8、10、12によりイン
パルスレスポンスとの畳み込み積分がおこなわれた各チ
ャンネルのディジタル化された音響信号と、制御装置5
0、51、52、53において、現在、リスナ23の頭部が向い
ている方向の補正がワイヤレスによりリアルタイムで行
なわれる。
この実施例のオーディオ再生装置はこのように構成さ
れ、以下のような動作をする。多チャンネルディジタル
ステレオ信号源1からのディジタルオーディオ信号、あ
るいは多チャンネルアナログステレオ信号源2に入力さ
れたアナログ信号をA/D変換器3によりディジタル信号
に変換した各チャンネルのオーディオ信号が、切替器4
で選択された後、畳み込み積分器5、7、9、11、メモ
リ6、8、10、12により予めインパルスレスポンスとの
畳み込み積分を行なった各チャンネルのディジタル化さ
れた音響信号を送信機164により送信する。
ヘッドホン24を装着したリスナ23側の受信機165で音
響信号を受信し、そして、ディジタル角度検出器28にお
いてリスナ23の基準方向に対する頭部運動を一定角度あ
るいは予め定められた角度毎に検出し、アドレス制御回
路34において方向を含む大きさを表すディジタルアドレ
ス信号に変換する。
このアドレス信号により予めメモリ35に記録されてい
る頭部の基準方向に対する仮想音源位置から両耳に至る
ディジタル記録された制御信号を読み出す。制御装置5
0、51、52、53において、この制御信号と音響信号とを
リアルタイムで補正し変更する。この制御装置50、51、
52、53と加算器15、16により、音場としての空間情報を
持った両耳への2チャンネルのディジタル信号に変換さ
れ、補正装置55、57により用いる音源及びヘッドホンの
特性が補正され、電力増幅器21、22で電力増幅された
後、ヘッドホン24に供給される。これにより、あたかも
その仮想音源位置に置かれたスピーカから再生音が聞こ
えるような再生効果をワイアレスで実現することができ
るものである。
そして、この場合、リスナ23が頭を動かすと、ディジ
タル角度検出器28を用いた場合では、その向きに従った
信号Sd、Paが得られ、これによりアップダウンカウンタ
33のカウント値はリスナ23の頭の向きにしたがった値と
なる。このカウント値がアドレス制御回路34を通じてメ
モリ35にアドレス信号として供給される。メモリ35から
は、図7のテーブルに対応したデータのうち、リスナ23
の頭の向きに対応した頭部の基準方向に対する仮想音源
位置から両耳に至るディジタル記録された両耳間の時間
差及び両耳間のレベル差を表す制御信号が取りだされ、
このデータが制御装置50、51、52、53に供給される。
頭部回転検出のアナログ角度検出器38を用いた場合で
は、センサー出力が増幅器42で増幅された後、A/D変換
器43によりリスナ23の頭の向きにしたがったディジタル
信号に変換され、アドレス制御回路34を通じてメモリ35
にアドレス信号として供給され、ディジタル角度検出器
28の場合と同様にしてリスナ23の頭の向きに対応した頭
部の基準方向に対する仮想音源位置から両耳に至るディ
ジタル記録された両耳間の時間差及び両耳間のレベル差
を表す制御信号が取りだされ、このデータが制御装置5
0、51、52、53に供給される。ここで、この補正装置5
5、57は、制御信号の測定に用いた音源固有の補正特性
および用いたヘッドホン特有の補正特性のいずれか一方
または双方を有するものである。従って、これらの補正
を含むディジタル信号処理を一度で実行するので、リア
ルタイムで信号処理をすることができる。
このようにして、ヘッドホン24に供給されるオーディ
オ信号L,Rは、リスナ23の頭の向きに対応した頭部の基
準方向に対する仮想音源装置から両耳に至るディジタル
記録された両耳間の時間差及び両耳間のレベル差を表す
制御信号との補正が行なわれるので、複数個のスピーカ
が仮想音源位置に置かれてスピーカで再生しているよう
な音場感を得ることが出来る。
また、特に、この例によれば、受信機165側のリスナ2
3の頭の向きに従ってヘッドホン24に供給されるオーデ
ィオ信号の特性を変更するとき、これをメモリ35のテー
ブルを使用して行なっているので、リスナ23の頭の向き
にしたがってきめ細かく変更することが出来、最適な特
性とすることが出来る。
更に受信機165側のメモリ35のテーブルにディジタル
記録された両耳間の時間差及び両耳間のレベル差を表す
制御信号が取りだされ、このデータが畳み込み積分器
5、7、9、11およびメモリ6、8、10、12により予め
畳み込まれたディジタル信号に対して、制御装置50、5
1、52、53で補正するように、純電子的に供給されるの
で、リスナ23の頭の向きに対するオーディオ信号の特性
の変化に遅れを生じることがなく、不自然さを生じるこ
とはない。
また、図11Bにおいて、この発明のオーディオ再生装
置の送信部の他の例を示す。ここでは、図11Aと異なる
点のみを説明し、図11Aにおいて示したものと同一のも
のには同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
畳み込み積分器5、メモリ6、畳み込み積分器9、メモ
リ10でインパルスレスポンスと畳み込み積分を行なった
結果は加算器15に供給されて加算される。また、畳み込
み積分器7、メモリ8、畳み込み積分器11、メモリ12で
インパルスレスポンスと畳み込み積分を行なった結果は
加算器16に供給されて加算される。
このとき、残響回路13、14による残響信号を加算器1
5、16に付加している。加算器15、16に供給された2チ
ャンネルの左のディジタル信号L及び右のディジタル信
号Rは、マルチプレクサ162に供給される。また、左の
ディジタル信号L及び右のディジタル信号R以外の切替
器4で切り替えられる多チャンネルディジタル信号も上
述と同様の回路を経て加算器15及び16に加算される。
ここで、加算器15及び16に加算された2チャンネルデ
ィジタル信号を、D/A変換器160、161においてアナログ
信号に変換した後に、マルチプレクサ162に供給しても
良い。
図13において、この発明のオーディオ再生装置の受信
部の他の例を示す。図13に示す受信部は、図11Bに示す
送信部に対応するものである。ここでは、図12と異なる
点のみを説明し、図12において示したものと同一のもの
には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。図
13においてはディマルチプレクサ167からの2チャンネ
ルのディジタル信号は、制御装置54、56にそれぞれ供給
される。
ここで、図11Bにおいて加算器15及び16に加算された
2チャンネルディジタル信号を、D/A変換器160,161にお
いてアナログ信号に変換した後に、マルチプレクサ162
に供給した場合には、図13において、D/A変換器19、20
は用いなくても良いことはいうまでもない。この場合に
は、送信部側にD/A変換器160、161を2チャンネル分だ
け設ければ良く、複数の受信部が同時に使用される場合
に受信部の数だけD/A変換器19、20を設ける必要がなく
なる。
上例によれば、インパレスレスポンスの畳み込みによ
り空間情報を得たディジタル信号またはアナログ信号
は、送信部から電磁波でワイヤレス伝送されるので、複
数のリスナ23相互のヘッドホン24のコードが絡み合うこ
とがなく、しかも、リスナ23の数が増えても配線や回路
の変更なく、簡単に受信部を増設することができる。
また、上例では、図11Bに示す送信部の送信機164から
図13に示す受信部の受信機165に電磁波を送信する例を
示したが、図11Bに示す送信部の送信機164および図13に
示す受信部の受信機165をそれぞれ送信機及び受信機を
有する無線機とし、送信部から受信部に送信された電磁
波に対して、さらに受信部から送信部に対して信号処理
変更信号に関する電磁波を送信して、送信部における信
号処理の内容を変更するようにしても良い。ここでは、
例えば、残響回路13、14の特性を変更するとか、送信部
において、選択可能な種々の特性を変えるようにするも
のであれば良い。
上例により、送信部と受信部とを双方向に通信可能と
し、リスナ23側において、使い勝手の良い制御が可能と
なる。また、受信部から送信部への制御が可能な双方向
通信とすることにより、多チャンネルディジタル信号源
1または多チャンネルアナログ信号源2の切り換えや、
再生効果を高める空間情報を得るためのメモリ6、8、
10、12の入れ替え等、送信部において、選択可能な種々
の特性をリスナ23の側の受信部で制御が可能となり、使
い勝手を良くすることができる。
本発明によれば、送信手段から送信された2チャンネ
ルのディジタル音響信号を受信手段で受信することによ
り、制御信号に基づいて2チャンネルのディジタル音響
信号をワイヤレスで聴取者の頭部運動に対してリアルタ
イムで補正するので、信号処理を遅延させること無く、
あたかもその仮想音源位置に置かれたスピーカから聴取
者に対して再生音が聞こえるようにワイヤレスで補正す
ることができる。
以下本発明の別の発明に係るオーディオ再生装置の一
実施例について、図14から図15に従い詳細に説明する。
なお、先の発明の実施例において説明した図2〜図5は
同様なので説明を省略する。
本発明の実施例のオーディオ再生装置は、音響信号を
ヘッドホンで再生する際に、本来スピーカで再生する場
合に予め定められた位置関係に置かれるべきスピーカか
ら音が再生されるのと同等の定位感、音場感等を、ヘッ
ドホンで再生しても得られるようにしたものであり、特
に、リスナがヘッドホンの近くで、ヘッドホン固有の特
性を補正し、音源をリスナの正面方向にリセットし、再
生される音場および残響を選択し、再生時の音量および
若しくはバランスを調整するようにしたものである。
すなわち、本発明の実施例のオーディオ再生装置は、
ステレオ等で収音された多チャンネルの音響信号をヘッ
ドホンで再生するシステムに用いるものである。特に予
め定められた位置関係(例えば、リスナの前方右、前方
左、中央、その他である。)に各音像を定位させる目的
で各チャンネルに記録あるいは伝送されるディジタル化
された音響信号をヘッドホン等で再生する際に、ヘッド
ホンの近くで、リスナの使い勝手良く、再生の各種条件
を調整できるようにしたものである。
ここでは、まず予めインパルスレスポンスとの畳み込
み積分を行なった各チャンネルのディジタル化された音
響信号を送信機により送信し、ヘッドホンを装着したリ
スナ側の受信機で音響信号を受信し、そして、リスナの
基準方向に対する頭部運動を一定角度あるいは予め定め
られた角度毎に検出し、方向を含む大きさを表すディジ
タルアドレス信号に変換する。このアドレス信号により
予めメモリーに記録されている頭部の基準方向に対する
仮想音源位置から両耳に至るディジタル記録された制御
信号を読み出す。この制御信号と音響信号とをリアルタ
イムで補正し変更する。これにより、あたかもその仮想
音源位置に置かれたスピーカから再生音が聞こえるよう
な再生効果を直接に、またはワイアレスで実現すること
ができるものである。
この例は、図1、図6、図8、図9、図10、図11、図
12、図13において、それぞれ示したこの発明のオーディ
オ再生装置について用いられる。これらの構成は既に説
明したので説明は省略する。
この場合、用いる音源及びヘッドホン24の固有の特性
を補正する補正回路は、ヘッドホン24の本体内部に設け
るようにする。また、この補正回路は、必ずしもヘッド
ホン本体に設けなくとも良く、例えば、ヘッドホンのコ
ードに設けても良く、装置本体とヘッドホンのコードと
を接続するコネクター部以降のいずれに設けても良い。
さらに、本体内部の制御装置以降に設けても良い。
この実施例のオーディオ再生装置は、以下のような動
作をする。多チャンネルディジタルステレオ信号源1か
らのディジタルオーディオ信号、あるいは多チャンネル
アナログステレオ信号源2に入力されたアナログ信号を
A/D変換器3によりディジタル信号に変換した各チャン
ネルのオーディオ信号が、切替器4で選択される。ここ
で、図1の場合は、ディジタル信号列は、畳み込み積分
器5、7、9、11、メモリ6、8、10、12において、メ
モリ35より読み出されたインパルスレスポンスとリアル
タイムで畳み込み積分され、加算器15、16に供給され
る。
図6の場合は、畳み込み積分器5、7、9、11、メモ
リ6、8、10、12により予めインパルスレスポンスとの
畳み込み積分を行なった各チャンネルのディジタル化さ
れた音響信号は、制御装置50、51、52、53において、メ
モリ35より読み出された制御信号により補正され、変更
され、加算器15、16に供給される。
図8の場合は、加算器15、16からの2チャンネルのデ
ィジタル信号は制御装置54、56において、メモリ35より
読み出された制御信号により補正され、変更される。こ
の2チャンネルのディジタル信号はD/A変換器19、20で
アナログ信号に変換され、電力増幅器21、22で増幅され
た後に、ヘッドホン24に供給される。
このようにしてヘッドホン24を装着したリスナ23は音
響信号を聴取することができる。そして、ディジタル角
度検出器28においてリスナ23の基準方向に対する頭部運
動を一定角度あるいは予め定められた角度毎に検出し、
アドレス制御回路34において方向を含む大きさを表すデ
ィジタルアドレス信号に変換する。
このアドレス信号により予めメモリー35に記録されて
いる頭部の基準方向に対する仮想音源位置から両耳に至
るディジタル記録されたインパルスレスポンスまたは制
御信号を読み出す。畳み込み積分器5、7、9、11、メ
モリ6、8、10、12または制御装置50、51、52、53、5
4、56において、このインパレスレスポンスまたは制御
信号と音響信号とをリアルタイムで補正し変更する。
この畳み込み積分器5、7、9、11、メモリ6、8、
10、12または制御装置50、51、52、53、54、56、加算器
15、16により、音場としての空間情報を持った両耳への
2チャンネルのディジタル信号に変換され、電力増幅器
21、22で電力増幅された後、ヘッドホン24に供給され
る。ヘッドホン24に内蔵された補正装置により用いる音
源及びヘッドホンの特性が補正され、これにより、あた
かもその仮想音源位置に置かれたスピーカから再生音が
聞こえるような再生効果を実現することができるもので
ある。
上例の図6および図8ではリスナ23が単数の場合のみ
を示したが、リスナ23が複数人いる場合には図9または
図10のように構成することができる。図9は図6に対応
するものであり、図6の畳み込み積分器5、7、9、11
以降を端子60〜65により分岐した例であり、図10は図8
に対応するものであり、加算器15、16以降を端子66、67
により分岐した例である。
この場合、畳み込み積分器5、7、9、11、メモリ
6、8、10、12において空間情報を持ったディジタル信
号に補正された後で、個々のリスナの頭部回転に応じて
信号処理を行えば良く、高価なA/D変換器3や畳み込み
積分器5、7、9、11を人数分用いる必要がない。
これにより、ヘッドホン24、ディジタル角度検出器2
8、および角度検出の信号処理回路31から35、制御装置5
0から53、54、56をリスナの数だけ用意すれば良く、安
価に複数のリスナに対して同時に音響信号を供給するこ
とができる。
そして、この場合、リスナ23が頭を動かすと、ディジ
タル角度検出器28を用いた場合では、その向きに従った
信号Sd、Paが得られ、これによりアップダウンカウンタ
33のカウント値はリスナ23の頭の向きにしたがった値と
なる。このカウント値がアドレス制御回路34を通じてメ
モリ35にアドレス信号として供給される。
メモリ35からは、図4のテーブルに対応したデータの
うち、リスナ23の頭の向きに対応した頭部の基準方向に
対する仮想音源位置から両耳に至るディジタル記録され
たインパレスレスポンスまたは図7に示した両耳間の時
間差及び両耳間のレベル差を表す制御信号が取りださ
れ、このデータが畳み込み積分器5、7、9、11、メモ
リ6、8、10、12または制御装置50、51、52、53、54、
56に供給される。
頭部回転検出のアナログ角度検出器38を用いた場合で
は、センサー出力が増幅器42で増幅された後、A/D変換
器43によりリスナ23の頭の向きにしたがったディジタル
信号に変換され、アドレス制御回路34を通じてメモリ35
にアドレス信号として供給され、ディジタル角度検出器
28の場合と同様にしてリスナ23の頭の向きに対応した頭
部の基準方向に対する仮想音源位置から両耳に至るディ
ジタル記録されたインパレスレスポンスまたは図7に示
した両耳間の時間差及び両耳間のレベル差を表す制御信
号が取りだされ、このデータが畳み込み積分器5、7、
9、11、メモリ6、8、10、12または制御装置50、51、
52、53、54、56に供給される。
ここで、ヘッドホン24に内蔵された補正装置は、イン
パレスレスポンスまたは制御信号の測定に用いた音源固
有の補正特性および用いたヘッドホン特有の補正特性の
いずれか一方または双方を有するものである。従って、
これらの補正を含むディジタル信号処理を一度で実行す
るので、リアルタイムで信号処理をすることができる。
このようにして、ヘッドホン24に供給されるオーディ
オ信号L,Rは、リスナ23の頭の向きに対応した頭部の基
準方向に対する仮想音源位置から両耳に至るディジタル
記録されたインパレスレスポンスまたは両耳間の時間差
及び両耳間のレベル差を表す制御信号との補正が行なわ
れるので、複数個のスピーカが仮想音源位置に置かれて
スピーカで再生しているような音場感を得ることが出来
る。
更にメモリ35のテーブルにディジタル記録された両耳
間の時間差及び両耳間のレベル差を表す制御信号が取り
だされ、このデータが畳み込み積分器5、7、9、11お
よびメモリ6、8、10、12により予め畳み込まれたディ
ジタル信号に対して、制御装置50、51、52、53で補正す
るように、純電子的に供給されるので、リスナ23の頭の
向きに対するオーディオ信号の特性の変化に遅れを生じ
ることがなく、不自然さを生じることはない。
また、上例では、ヘッドホン24に信号線を介して直接
接続する例を示したが、以下のようにワイヤレスで送る
ようにしても良い。まず、オーディオ再生装置の送信部
においては、図11Aに示すように、畳み込み積分器5、
7、9、11、メモリ6、8、10、12においてインパルス
レスポンスと畳み込み積分が置なわれたディジタル信号
列は、マルチプレクサ162に供給される。マルチプレク
サ162で多重化されたディジタル信号列は、変調器163で
所定の方式で変調をかけられ、送信機164により電磁波
として送信される。
図12において、この発明のオーディオ再生装置の受信
部の例を示す。図12に示す受信部は上述の図11Aで示し
た送信部に対応するものである。上述の図11Aで示した
送信部において、畳み込み積分され、送信された電磁波
は、図12において、受信機165で受信され、復調器166で
復調され、ディマルチプレクサ167で分離される。ディ
マルチプレクサ167で分離されたディジタル音響信号
は、制御装置50、51、52、53にそれぞれ供給される。
そして制御装置50、51、52、53において、現在、リス
ナ23の頭部が向いている方向の、頭部の基準方向に対す
る運動を、一定角度毎あるいは予め定められた角度毎に
方向を含む大きさを表すディジタルアドレス信号に変換
し、仮想音源位置から両耳に至る両耳間の時間差及びレ
ベル差等を表す制御信号によりリアルタイムで補正す
る。
このように制御装置50、51、52、53において、補正さ
れたディジタル音響信号は、加算器15、16により加算さ
れ、2チャンネルのディジタル音響信号とされる。ま
た、残響信号分は直接、加算器15、16に加算される。
D/A変換器19、20によりアナログ信号に変換され、電
力増幅器21、22により電力増幅されてヘッドホン24に加
えられる。さらにこの2チャンネルのディジタル音響信
号は、ヘッドホン24に内蔵された補正装置により、制御
信号の測定に用いた音源固有またはヘッドホン固有の特
性に補正される。つまり、この補正装置は、仮想音源位
置からリスナ23の両耳に至るインパルスレスポンスを測
定する際に用いた音源固有の補正特性およびヘッドホン
固有の補正特性を有するものである。これにより、リス
ナ23は、ヘッドホン24の右発音体25および左発音体26に
より音響を聞くことができる。
このように、畳み込み積分器5、7、9、11およびメ
モリ6、8、10、12において基準方向に対する、仮想音
源位置から固定方向のリスナ23の両耳に至るディジタル
記録されたインパルスレスポンスと畳み込み積分をし、
送信機164で電磁波として送信し、さらに受信機165で受
信した信号を制御装置50、51、52、53において、現在、
リスナ23の頭部が向いている方向の、頭部の基準方向に
対する、仮想音源位置から両耳に至る両耳間の時間差及
びレベル差等を表す制御信号によりリアルタイムで補正
し、制御信号の測定に用いたヘッドホンの補正特性また
は音源の補正特性のいずれか一方、または双方の補正を
行うことにより、ワイヤレスによりリアルタイムで同時
に補正を含めたディジタル信号処理を行なうことができ
る。
また、図11Bにおいて、図11Aに示したこの発明のオー
ディオ再生装置の送信部の他の例を示す。ここでは、畳
み込み積分器5、メモリ6、畳み込み積分器9、メモリ
10でインパルスレスポンスと畳み込み積分を行なった結
果は加算器15に供給されて加算される。また、畳み込み
積分器7、メモリ8、畳み込み積分器11、メモリ12でイ
ンパルスレスポンスと畳み込み積分を行なった結果は加
算器16に供給されて加算される。
このとき、残響回路13、14による残響信号を加算器1
5、16に付加している。加算器15、16に供給された2チ
ャンネルの左のディジタル信号L及び右のディジタル信
号Rは、マルチプレクサ162に供給される。また、左の
ディジタル信号L及び右のディジタル信号R以外の切替
器4で切り替えられる多チャンネルディジタル信号も上
述と同様の回路を経て加算器15及び16に加算される。
ここで、加算器15及び16に加算された2チャンネルデ
ィジタル信号を、D/A変換器160、161においてアナログ
信号に変換した後に、マルチプレクサ162に供給しても
良い。
図13において、この発明のオーディオ再生装置の受信
部の他の例を示す。図13に示す受信部は、図11Bに示す
送信部に対応するものである。図13においてはディマル
チプレクサ167からの2チャンネルのディジタル信号
は、制御装置54、56にそれぞれ供給される。
ここで、図11Bにおいて加算器15及び16に加算された
2チャンネルディジタル信号を、D/A変換器160、161に
おいてアナログ信号に変換した後に、マルチプレクサ16
2に供給した場合には、図13において、D/A変換器19、20
は用いなくても良いことはいうまでもない。この場合に
は、送信部側にD/A変換器160、161を2チャンネル分だ
け設ければ良く、複数の受信部が同時に使用される場合
に受信部の数だけD/A変換器19、20を設ける必要がなく
なる。
上例によれば、インパレスレスポンスの畳み込みによ
り空間情報を得たディジタル信号またはアナログ信号
は、送信部から電磁波でワイヤレス伝送されるので、複
数のリスナ23相互のヘッドホン24のコードが絡み合うこ
とがなく、しかも、リスナ23の数が増えても配線や回路
の変更なく、簡単に受信部を増設することができる。
また、上例では、図11Aおよび図11Bに示す送信部の送
信機164から図12および図13に示す受信部の受信機165に
電磁波を送信する例を示したが、図11Aおよび図11Bに示
す送信部の送信機164と、図12および図13に示す受信部
の受信機165とをそれぞれ送信機及び受信機を有する無
線機とし、送信部から受信部に送信された電磁波に対し
て、さらに受信部から送信部に対して信号処理変更信号
に関する電磁波を送信して、送信部における信号処理の
内容を変更するようにしても良い。ここでは、例えば、
残響回路13、14の特性を変更するとか、送信部におい
て、選択可能な種々の特性を変えるようにするものであ
れば良い。
上例により、送信部と受信部とを双方向に通信可能と
し、リスナ23側において、使い勝手の良い制御が可能と
なる。また、受信部から送信部への制御が可能な双方向
通信とすることにより、多チャンネルディジタル信号源
1または多チャンネルアナログ信号源2の切り換えや、
再生効果を高める空間情報を得るためのメモリ6、8、
10、12の入れ替え等、送信部において、選択可能な種々
の特性をリスナ23の側の受信部で制御が可能となり、使
い勝手を良くすることができる。
また、残響回路13、14による残響信号を付加している
と共に、この残響信号はホールの壁などによる反射音や
残響音の様に聞こえるので、あたかも有名なコンサート
ホールで音楽を聞いているかの様な臨場感を得ることが
出来る。
上述のように、用いるインパルス測定用の音源および
ヘッドホン固有の補正回路がヘッドホン24本体または装
置とヘッドホン24とを接続するコネクタ以降、若しくは
ワイヤレスヘッドホン24に設けることにより、異なる種
類のヘッドホンを用いる場合に、改めて新しいヘッドホ
ン用の補正データを装置本体側で変更する必要がなく、
リスナの使い勝手を良くすることができる。
更に、上例では、ヘッドホン24に用いるインパルス測
定用の音源およびヘッドホン固有の補正回路のみを設け
る例を示したが、特に、信号処理に関する他の切り替え
スイッチ等を設けるようにしても良い。図14および図15
にこの発明のオーディオ再生装置のヘッドホンの例を示
す。
図14において、ヘッドホン本体70には、頭部回転検出
部75、左アーム7L、右アーム7Rが設けられている。左ア
ーム7Lの内側には左ユニット76Lが設けられ、右アーム7
Rの内側には右ユニット76Rが設けられる。左アーム7Lの
外側にはリセットスイッチ71、音量調整ダイヤル72、バ
ランス調整ダイヤル73、音源、残響および音場等の切り
替えスイッチ74が設けられている。ヘッドホン固有の特
性の補正回路は左アーム7Lおよび右アーム7Rの内部に電
気回路として設ける。しかし、これに限らず、左ユニッ
ト76Lおよび右ユニット76Rの内部で、機械系および音響
系により設けるようにしても良い。
図15に示すヘッドホン70は、リモートコントロール部
80に、リセットスイッチ71、音量調整ダイヤル72、バラ
ンス調整ダイヤル73、音源、残響および音場等の切り替
えスイッチ74を設けたものである。図14および図15に示
したヘッドホン70は、ヘッドホン固有の特性の補正回路
のみをヘッドホン側に設け、他の回路は装置本体側に設
け、ヘッドホン70にはその調整スイッチを設けるように
したが、これは、ヘッドホン固有の特性の補正回路の消
費電力が比較的小量であり、ヘッドホン70に設けても負
担が少ないからである。従って、他の回路についても、
改良により、消費電力を小量にできれば、ヘッドホン側
に設けても良いことはいうまでもない。
上述した図14および図15のヘッドホン70は、図1、図
6、図8、図9、図10、図11、図12、図13に示したいず
れのオーディオ再生装置においても用いることができる
ものであり、特に、図11〜図13に示したオーディオ再生
装置の受信部においては、ワイヤレスで再生音を受信
し、ワイヤレスで各種調整信号を送信するものであり、
この場合、頭部回転検出部75は、ディジタル角度検出器
28の他に送信部および受信部を有する無線機を含むもの
である。
上例によれば、再生される音響信号に、映像付きの信
号を用いる場合には、常に映像を見ながら、上述の各種
調整スイッチを使用することができるので、操作性を向
上させることができる。
上述した例によれば、複数のリスナ23の個々の頭部回
転に応じて両耳間の時間差及び両耳間のレベル差を表す
制御信号による補正を行うことにより複数のヘッドホン
24で同時に再生することができ、高価なA/D変換器3
や、畳み込み積分器5、7、9、11を複数のリスナ23の
数だけ用意する必要がなく、極めて安価に構成すること
ができる。
上述した例によれば、ヘッドホン70の本体およびその
周辺にヘッドホン固有の特性の補正回路7L、7R、リセッ
トスイッチ71、音量調整ダイヤル72、バランス調整ダイ
ヤル73、音源、残響および音場等の切り替えスイッチ74
を設けたので、これらの操作をヘッドホンおよびその周
辺で行うことができ、操作性が向上する。
特に、再生される音響信号に、映像付きの信号を用い
る場合には、常に映像を見ながら、リセットスイッチ71
を使用することができるので、映像の正面方向に音像を
定位させることができ、音響再生の質を向上させること
ができる。
また、ヘッドホン固有の特性の補正回路をヘッドホン
本体およびその周辺に設けたので、異なる種類のヘッド
ホンを用いる場合にも、改めて新しいヘッドホン用の補
正データを、装置本体側で変更する必要がない。
さらに、ヘッドホン本体およびその周辺にリセットス
イッチ71、音量調整ダイヤル72、バランス調整ダイヤル
73、音源、残響および音場等の切り替えスイッチ74を設
けたので、再生される音響信号に、映像付きの信号を用
いる場合には、常に映像を見ながら、これらのスイッチ
を調整できるので、操作性を向上させることができる。
また、本発明によれば、上述において、ディジタル信
号処理をするようにしたので、記憶手段の容量を節約し
て、信号処理を高速にすることができるので、音響信号
を聴取者の頭部運動に対してリアルタイムで補正するこ
とができる。
以下本発明の別の発明に係るオーディオ再生装置の一
実施例について、図16〜図27に従い詳細に説明する。な
お、先の発明の実施例において説明した図2〜図5は同
様なので説明を省略する。
本発明の実施例のオーディオ再生装置は、ヘッドホン
で音響信号を再生する際に、本来スピーカで再生する場
合に予め定められた位置関係に置かれるべきスピーカか
ら音が再生されるのと同等の定位感、音場感等を、ヘッ
ドホンで再生しても得られるようにしたものであり、特
に、再生チャンネルを変えて複数の再生音像が変更した
再生チャンネルより定位するようにしたものである。
すなわち、本発明の実施例のオーディオ再生装置は、
ステレオ等で収音された多チャンネルの音響信号をヘッ
ドホンで再生するシステムに用いるものである。特に予
め定められた位置関係(例えば、リスナの前方右、前方
左、中央、その他である。)に各音像を定位させる目的
で各チャンネルに記録あるいは伝送されるディジタル化
された音響信号をヘッドホン等で再生する際に、再生チ
ャンネルをデコードまたはエンコードして、複数チャン
ネルの再生音像を変更した再生チャンネルにより定位さ
せるようにしたものである。
図16において、この発明のオーディオ再生装置の例を
示す。符号1はディジタルオーディオディスク(例えば
コンパクトディスク)やディジタル衛星放送等の多チャ
ンネルのディジタルステレオ信号源を示す。符号2はア
ナログレコード、アナログ放送等のアナログステレオ信
号源を示す。ディジタルステレオ信号源1およびアナロ
グステレオ信号源2から供給されるディジタル信号およ
びアナログ信号は、複数チャンネルの音響信号である。
符号3はこれらアナログ信号をディジタル信号に変換す
るためのA/D変換器である。
このA/D変換器3は多チャンネルの場合にはチャンネ
ル数だけ設けられる。符号4は切替器であり、ディジタ
ルで入力された信号もアナログで入力された信号も同等
に、かつ一定のサンプリング周波数および量子化ビット
数で表されるディジタル信号として扱われる。ここで
は、2チャンネルの切り替えのみを示したが、多チャン
ネルの場合にも同様にチャンネル数だめ設けられる。
これらのディジタル信号列のうち左のディジタル信号
Lは、畳み込み積分器5に供給される。ここでは、畳み
込み積分器5に付属するメモリ6には、リスナ23の現在
頭部が向いている方向の、頭部の基準方向に対する、仮
想音源位置から両耳に至る一定のサンプリング周波数お
よび量子化ビット数で表されるデジタル記録された一組
のインパルスレスポンスが記憶されている。ディジタル
信号列は、畳み込み積分器5において、このメモリ6よ
り読み出されたインパルスレスポンスとリアルタイムで
畳み込み積分される。また、畳み込み積分器7およびメ
モリ8は右のディジタル信号Rのクロストーク成分を供
給する。
上記と同様に右のディジタル信号Rは、畳み込み積分
器11に供給される。ここでは、畳み込み積分器11に付属
するメモリ12には、リスナ23の現在頭部が向いている方
向の、頭部の基準方向に対する、仮想音源位置から両耳
に至る一定のサンプリング周波数および量子化ビット数
で表されるディジタル記録された一組のインパルスレス
ポンスが記憶されている。ディジタル信号列は、畳み込
み積分器11において、このメモリ12より読み出されたイ
ンパルスレスポンスとリアルタイムアで畳み込み積分さ
れる。また、畳み込み積分器9およびメモリ10は左のデ
ィジタル信号Lのクロストーク成分を供給する。
また、畳み込み積分器7、メモリ8、畳み込み積分器
11、メモリ12においても上述と同様にインパルスレスポ
ンスと畳み込み積分が行なわれる。このように、畳み込
み積分器5、7、9、11、メモリ6、8、10、12におい
てインパルスレスポンスと畳み込み積分が行なわれたデ
ィジタル信号列は、加算器15、16にそれぞれ供給され
る。加算器15、16で加算された2チャンネルのディジタ
ル信号は補正回路17、18により、用いる音源およびヘッ
ドホン固有の特性等を除くように補正され、D/A変換器1
9、20でアナログ信号に変換され、電力増幅器21、22で
増幅された後に、デコーダ193、194によりデコードされ
た再生チャンネルで、ヘッドホン24に供給される。
上例では、メモリ6、8、10、12にインパルスレスポ
ンスが記憶されていて、インパレスレスポンスのみでデ
ィジタル信号を補正する例を示したが、図17に示すよう
に構成しても良い。つまり、畳み込み積分器5、7、
9、11に付属するメモリ6、8、10、12に、基準方向に
対して固定された頭部の、仮想音源位置から両耳に至る
一対のディジタル記憶されたインパルスレスポンスを記
憶させる。ディジタル信号列はこのインパルスレスポン
スとリアルタイムで畳み込み積分される。メモリ35に
は、頭部の基準方向に対する仮想音源位置から両耳に至
る両耳間の時間差、レベル差を表す制御信号を記憶させ
る。
そして、この畳み込み積分された各チャンネルのディ
ジタル信号の各々に対して、更に検出された基準方向に
対する頭部運動を、一定単位角度毎あるいは予め定めら
れた角度毎に、方向を含む大きさを表すディジタルアド
レス信号に変換し、このアドレス信号により予めメモリ
35に記憶された制御信号を読みだし、制御装置50、51、
52、53において、リアルタイムで補正し、変更するよう
にして、その結果を加算器15、16に供給するようにして
も良い。この場合にも、デコーダ193、194により再生チ
ャンネルのデコードをする。
また、図18に示すように、このインパルスレスポンス
とリアルタイムで畳み込み積分されたディジタル信号列
を加算器15、16に供給し、加算器15、16からの2チャン
ネルのディジタル信号に対して、更に検出された基準方
向に対する頭部運動を、一定単位角度毎あるいは予め定
められた角度毎に、方向を含む大きさを表す、ディジタ
ルアドレス信号に変換し、このアドレス信号により予め
メモリ35に記憶された制御信号を読みだし、制御装置5
4、56において、リアルタイムで補正し、変更するよう
にしても良い。この場合にも、デコーダ193、194により
再生チャンネルのデコードをする。
ここで、制御装置50、51、52、53、54、56としては、
可変遅延装置と可変レベル制御器、あるいは多バンドに
分割されたグラフィックイコライザ等の周波数帯域毎の
レベル制御器との組み合わせで構成することができる。
また、メモリ35に記憶されている情報は、リスナ23の頭
部が向いている方向の、頭部の基準方向に対する、仮想
音源位置から両耳に至る両耳間の時間差及びレベル差等
を表すインパルスレスポンスでも良い。この場合には、
上述の制御装置は、IIR、あるいはFIRの可変ディジタル
フィルターで構成すれば良い。
このようにして制御装置により、空間情報が与えら
れ、補正回路17、18により、用いる音源及びヘッドホン
の固有の特性を補正され、かつ頭部の動きに対して変化
の与えられたディジタル信号はD/A変換器19、20でアナ
ログ信号に変換され、電力増幅器21、22で増幅された後
に、ヘッドホン24に供給される。
この場合、用いる音源及びヘッドホンの固有の特性を
補正する補正回路17、18は、アナログ信号処理、ディジ
タル信号処理のいずれでも良く、ワイヤレスタイプのヘ
ッドホンの場合にはヘッドホン本体内部に設けるように
してもよい。また、この補正回路17、18は、必ずしもヘ
ッドホン本体に設けなくとも良く、例えば、ヘッドホン
のコードに設けても良く、装置本体とヘッドホンのコー
ドとを接続するコネクター部以降のいずれに設けても良
い。さらに、本体内部の制御装置以降に設けても良い。
そして、信号Sdが、アッブタウンカウンタ33のカウン
ト方向入力U/Dに供給されると共に、パルスPaがアップ
ダウンカウンタ33のクロック入力(カウント入力)CKに
供給され、そのカウント出力がリスナ23の頭の向きと大
きさを表すディジタルアドレス信号に変換され、アドレ
ス制御回路34を通じてメモリ6、8、10、12にアドレス
信号として供給される。
そしてメモリ6、8、10、12内のテーブルの該当する
アドレスから、予め、メモリ6、8、10、12に記録され
ているリスナ23の頭部の基準方向に対する仮想音源位置
からリスナ23の両耳に至るディジタル記録されたインパ
ルスレスポンスが読み出され、同時に畳み込み積分器
5、7、9、11において、各チャンネルのディジタル化
された音響信号とこのインパルスレスポンスとの畳み込
み積分が行われ、現在、リスナ23の頭部が向いている方
向の補正がリアルタイムで行われる。
図16において、アナログ角度検出器38のアナログ出力
は増幅器42で増幅された後に、A/D変換器43に加えら
れ、このディジタル出力は切替器44を介してアドレス制
御回路34に供給される。アドレス制御回路34では基準方
向に対するリスナ23の頭部運動を一定角度あるいは予め
定められた角度毎の方向を含む大きさを表すディジタル
アドレス信号を生成し、メモリ6、8、10、12にアドレ
ス信号として供給される。
そして、図16においては、メモリ6、8、10、12内の
テーブルの該当するアドレスから、予めメモリ6、8、
10、12に記録されているリスナ23の頭部の基準方向に対
する仮想音源位置からリスナ23の両耳に至るディジタル
記録されたインパルスレスポンスが読みだされ、畳み込
み積分器5、7、9、11により各チャンネルのディジタ
ル化された音響信号と畳み込み積分され、現在、リスナ
23の頭部が向いている方向の補正がリアルタイムで行な
われる。
また、図17においては、メモリ35内のテーブルの該当
するアドレスから、予めメモリ35に記録されているリス
ナ23の頭部の基準方向に対する仮想音源位置からリスナ
23の両耳に至るディジタル記録された両耳間の時間差及
びレベル差等を表す制御信号が読みだされ、畳み込み積
分器5、7、9、11および付属するメモリ6、8、10、
12によりインパルスレスポンスとの畳み込み積分がおこ
なわれた各チャンネルのディジタル化された音響信号
と、制御装置50、51、52、53において、現在、リスナ23
の頭部が向いている方向の補正がリアルタイムで行なわ
れる。図18においても、加算器15、16で2チャンネルと
された音響信号と、制御装置54、56において上述と同様
に補正される。
この実施例のオーディオ再生装置はこのように構成さ
れ、以下のような動作をする。多チャンネルディジタル
ステレオ信号源1からのディジタルオーディオ信号、あ
るいは多チャンネルアナログステレオ信号源2に入力さ
れたアナログオーディオ信号をA/D変換器3によりディ
ジタル信号に変換した各チャンネルのオーディオ信号
が、切替器4で選択される。ここで、図16の場合は、デ
ィジタル信号列は、畳み込み積分器5、7、9、11にお
いて、メモリ6、8、10、12より読み出されたインパル
スレスポンスとリアルタイムで畳み込み積分され、加算
器15、16に供給される。
図17の場合は、畳み込み積分器5、7、9、11、メモ
リ6、8、10、12により予めインパルスレスポンスとの
畳み込み積分を行なった各チャンネルのディジタル化さ
れた音響信号は、制御装置50、51、52、53において、メ
モリ35より読み出された制御信号により補正され、変更
され、加算器15、16に供給される。図18の場合は、加算
器15、16からの2チャンネルのディジタル信号は制御装
置54、56において、メモリ35より読み出された制御信号
により補正され、変更される。
この2チャンネルのディジタル信号はD/A変換器19、2
0でアナログ信号に変換され、電力増幅器21、22で増幅
された後に、デコーダ193、194によりデコードされた再
生チャンネルの再生音として、ヘッドホン24に供給され
る。
このようにしてヘッドホン24を装着したリスナ23は音
響信号を聴取することができる。そして、ディジタル角
度検出器28およびアナログ角度検出器38においてリスナ
23の基準方向に対する頭部運動を一定角度あるいは予め
定められた角度毎に検出し、アドレス制御回路34におい
て方向を含む大きさを表すディジタルアドレス信号に変
換する。
このアドレス信号により予めメモリ35に記録されてい
る頭部の基準方向に対する仮想音源位置から両耳に至る
ディジタル記録されたインパレスレスポンスまたは制御
信号を読み出す。畳み込み積分器5、7、9、11、メモ
リ6、8、10、12または制御装置50、51、52、53、54、
56において、このインパレスレスポンスまたは制御信号
と音響信号とをリアルタイムで補正し変更する。
この畳み込み積分器5、7、9、11、メモリ6、8、
10、12または制御装置50、51、52、53、54、56、加算器
15、16により、音場としての空間情報を持った両耳への
2チャンネルのディジタル信号に変換され、補正回路1
7、18により、用いる音源及びヘッドホンの特性等が補
正され、電力増幅器21、22で電力増幅された後、デコー
ダ193、194によりデコードされた再生チャンネルによ
り、ヘッドホン24に供給される。これにより、再生チャ
ンネルを少なくして、あたかもその仮想音源位置に置か
れたスピーカから再生音が聞こえるような再生効果を実
現することができるものである。
上例の図16、図17および図18ではリスナ23が単数の場
合のみを示したが、リスナ23が複数人いる場合には、図
17の畳み込み演算器5、7、9、11以降を端子により分
岐し、または、図18の加算器15、16以降を、伝送路を介
して、端子により分岐するようにしても良い。
この場合、畳み込み積分器5、7、9、11、メモリ
6、8、10、12において空間情報を持ったディジタル信
号に補正された後で、個々のリスナの頭部回転に応じて
信号処理を行えば良く、高価なA/D変換器3や畳み込み
積分器5、7、9、11を人数分用いる必要がない。
これにより、ヘッドホン24、ディジタル角度検出器2
8、および角度検出の信号処理回路31から35、制御装置5
0から53、54、56をリスナの数だけ用意すれば良く、安
価に複数のリスナに対して同時に音響信号を供給するこ
とができる。
そして、この場合、リスナ23が頭を動かすと、ディジ
タル角度検出器28またはアナログ角度検出器38により、
その向きに従ったディジタル信号、またはアナログ信号
が得られ、これによりその信号はリスナ23の頭の向きに
従った値となる。この値がアドレス制御回路34を通じて
メモリ6、8、10、12あるいはメモリ35にアドレス信号
として供給される。つまり、図16においては、アドレス
はメモリ35を通らずに直接メモリ6、8、10、12に供給
され、図17および図18においては、アドレスはメモリ35
に供給される。
メモリ6、8、10、12あるいはメモリ35からは、図4
のテーブルに対応したデータのうち、リスナ23の頭の向
きに対応した頭部の基準方向に対する仮想音源位置から
両耳に至るディジタル記録されたインパレスレスポンス
または図7に示した両耳間の時間差及び両耳間のレベル
差を表す制御信号が取りだされ、このデータが畳み込み
積分器5、7、9、11または制御装置50、51、52、53、
54、56に供給される。
アナログ角度検出器38を用いた場合では、この出力が
増幅器42で増幅された後、A/D変換器33によりリスナ23
の頭の向きに従ったディジタル信号に変換され、アドレ
ス制御回路34を通じてメモリ6、8、10、12あるいはメ
モリ35にアドレス信号として供給され、ディジタル角度
検出器28の場合と同様にしてリスナ23の頭の向きに対応
した頭部の基準方向に対する仮想音源位置から両耳に至
るディジタル記録されたインパレスレスポンスまたは図
7に示した両耳間の時間差及び両耳間のレベル差を表す
制御信号が取りだされ、このデータが畳み込み積分器
5、7、9、11または制御装置50、51、52、53、54、56
に供給される。
ここで、補正回路17、18は、音源、音場および用いる
ヘッドホン特有の補正特性のいずれか一つまたは複数の
組み合わせ、またはすべてを有するものである。従っ
て、これらの補正を含むディジタル信号処理を一度で実
行するので、リアルタイムで信号処理をすることができ
る。
このようにして、ヘッドホン24に供給されるオーディ
オ信号L,Rは、リスナ23の頭の向きに対応した頭部の基
準方向に対する仮想音源位置から両耳に至るディジタル
記録されたインパレスレスポンスまたは両耳間の時間差
及び両耳間のレベル差を表す制御信号との補正が行なわ
れるので、複数個のスピーカが仮想音源位置に置かれて
スピーカで再生しているような音場感を得ることが出来
る。
更にメモリ35のテーブルにディジタル記録された両耳
間の時間差及び両耳間のレベル差を表す制御信号が取り
だされ、このデータが畳み込み積分器5、7、9、11お
よびメモリ6、8、10、12により予め畳み込まれたディ
ジタル信号に対して、制御装置50、51、52、53で補正す
るように、純電子的に供給されるので、リスナ23の頭の
向きに対するオーディオ信号の特性の変化に遅れを生じ
ることがなく、不自然さを生じることはない。
また、上例では、ヘッドホン24に信号線を介して直接
接続する例を示したが、図17の畳み込み積分器5、7、
9、11以降に変調器および送信機を設け、ヘッドホン24
側に受信機および変調器を設け、受信機および変調器に
より受信し、または、図18の加算器15、16以降に変調器
および送信機を設け、ヘッドホン24側に受信機および変
調器を設け、受信機および変調器により受信して、ワイ
ヤレスで再生するようにしても良い。
上述したいずれの例においても、メモリ35には複数の
テーブルを用意しておき、これをリスナ23が切替器36に
より任意に選択できるようにしているので、リスナ23の
頭部や耳介の形状、用いるヘッドホン24の特性が違って
いても、最適な特性を得ることができる。
上例によれば、角度検出手段としてのディジタル角度
検出器28、アナログ角度検出器38からの角度に対応した
信号に基づいて、アドレス信号変換手段としてのアドレ
ス制御回路34のアドレス信号により記憶手段としてのメ
モリ6、8、10、12またはメモリ35のアドレスを指定
し、メモリ6、8、10、12、35に記録されたインパルス
レスポンスまたは制御信号を読み出し、音響信号を制御
信号としての畳み込み積分器5、7、9、11、メモリ
6、8、10、12、および制御装置50、51、52、53、54、
56においてインパルスレスポンスまたは制御信号により
補正し、音響信号を上記一人または複数のリスナ23の頭
部運動に対してリアルタイムで補正し、音響再生手段と
してのヘッドホン24において畳み込み積分器5、7、
9、11、メモリ6、8、10、12、および制御装置50、5
1、52、53、54、56で補正した音響信号を再生し、チャ
ンネル数変換手段としてのデコーダ193で変換された複
数のチャンネル数とは異なる他のチャンネル数で再生音
像が定位するように再生することができる。
図19から図25にこの発明のオーディオ再生装置の一実
施例のスピーカの配置のシュミレーションを示す。図19
において示すように、ヘッドホン24においては、図16、
図17および図18で示したデコーダ193、194により変更さ
れた音響信号の再生チャンネルで、音響信号の再生音像
を定位させることができる。例えば、5チャンネルの音
響信号のうちの、2チャンネルを指定して、2チャンネ
ルのスピーカ配置のシュミレーションにより再生音像を
定位させることができる。
また、デコーダ193、194により、再生チャンネルを指
定すると共に、再生チャンネルのスピーカの種類のシュ
ミレーションまたは距離のシュミレーションを変更する
こともできる。
また、上例では、デコーダ193により、音響信号の複
数チャンネルを変更する例を示したが、デコーダ193に
替えて、エンコーダを設けて再生チャンネルを多くする
ようにしても良い。
スピーカの配置のシュミレーションは、以下のように
なる。まず、図19において、リスナ23の左右の両耳23L,
23Rを結ぶ直線より前方のAの範囲にスピーカが配置さ
れたように音像が定位する。次に、リスナ23の左右の両
耳23L,23Rを結ぶ直線上のBの範囲にスピーカが配置さ
れたように音像が定位する。さらに、リスナ23の左右の
両耳23L,23Rを結ぶ直線より後方のCの範囲にスピーカ
が配置されたように音像が定位する。
また、このとき、ヘッドホン24にリセットスイッチ19
0を設け、リスナ23がこれを押すことにより、頭部回転
の基準位置を設定する。また、ヘッドホン24の内側にリ
セットスイッチ191を設け、頭部にヘッドホン24を装着
したとき、リセットがかかるようにしても良い。
上例によれば、ディジタル角度検出器28、アナログ角
度検出器38はリセットスイッチ190を有し、リセットス
イッチ190をオンしたときにリスナ23が向いている方向
を基準方向に設定するようにしたので、リセットスイッ
チ190の作動により任意の方向を正面に設定することが
できる。
また、上例によれば、ディジタル角度検出器28、アナ
ログ角度検出器38はリスナ23が予め定められた基準方向
に向いたときにその方向を基準方向に設定するようにし
たので、予め定められた方向を基準方向に自動的に設定
することができる。
また、上例によれば、ヘッドホン24はリセットスイッ
チ191を有し、リスナ23がヘッドホン24を装着したと
き、ディジタル角度検出器28、アナログ角度検出器38は
リスナ23の向いている方向を基準方向に設定するように
したので、ヘッドホン24の装着により、常に正面に設定
することができる。
具体的には、図20〜図25に示すようになる。1チャン
ネルのモノラル再生用のスピーカ配置のシュミレーショ
ンは、図20に示すようになる。つまり、リスナ23の前
方、客席130の中央にセンタースピーカCが配置された
ように再生音像が定位するように音響の再生をする。
また、2チャンネルのステレオ再生用のスピーカ配置
のシュミレーションは、図21に示すようになる。つま
り、リスナ23の前方、客席140の左方および右方に左ス
ピーカLおよび右スピーカRが配置されたように再生音
像が定位するように音響の再生をする。
また、3チャンネルの再生用のスピーカ配置のシュミ
レーションは、図22に示すようになる。つまり、リスナ
23の前方、客席150の中央にセンタースピーカCが配置
され、スクリーン151の左方および右方に左スピーカL
および右スピーカRが配置されたように再生音像が定位
するように音響の再生をする。
また、4チャンネルの再生用のスピーカ配置のシュミ
レーションは、図23に示すようになる。つまり、リスナ
23の前方、客席160の中央にセンタースピーカCが配置
され、スクリーン161の左方および右方に左スピーカL
および右スピーカRが配置され、さらに、客席160の後
方正面左右および、後方左右両側面にサラウンドスピー
カSが配置されたように再生音像が定位するように音響
の再生をする。
また、5チャンネルの再生用のスピーカ配置のシュミ
レーションは、図24に示すようになる。つまり、リスナ
23が位置する客席170の前方、中央にセンタースピーカ
Cが配置され、スクリーン171の左方および右方に左ス
ピーカLおよび右スピーカRが配置され、さらに、客席
170の後方正面左および後方左側面にサラウンド左スピ
ーカSLが配置され、客席170の後方正面右および後方右
側面にサラウンド右スピーカSRが配置されたように再生
音像が定位するように音響の再生をする。
また、前方5チャンネル、後方2チャンネルの再生用
のスピーカ配置のシュミレーションは、図25に示すよう
になる。つまり、リスナ23が位置する客席180の前方、
中央にセンタースピーカCが配置され、スクリーン181
の左方および右方に左スピーカLおよび右スピーカRが
配置され、さらに、センタースピーカCと左スピーカL
との間に左エキストラスピーカLEを配置し、センタース
ピーカCと右スピーカRとの間に右エキストラスピーカ
REを配置し、客席180の後方左側面にサラウンド左スピ
ーカSLが配置され、客席180の後方右側面にサラウンド
右スピーカSRが配置されたように再生音像が定位するよ
うに音響の再生をする。更に、サブウーハチャンネルと
して、低域再生音のみを再生するチャンネルのサブウー
ハスピーカWを、例えばセンタースピーカC付近に設け
ても良い。また、8チャンネルスピーカXを設けても良
く、更に8チャンネル以上でも良い。
上例によれば、チャンネル数変換手段としてのデコー
ダ193は、音響信号の複数のチャンネル数に応じて、複
数のチャンネル数を複数のチャンネル数よりも少ない他
のチャンネル数に変換するデコーダであるので、少ない
チャンネルで再生音像を定位させることができる。
また、上例によれば、チャンネル数変換手段としての
エンコーダは、音響信号の複数のチャンネル数に応じ
て、複数のチャンネル数を複数のチャンネル数よりも多
い他のチャンネル数に変換するエンコーダであるので、
チャンネル数を多くして再生音像を定位させることがで
きる。
また、上例によれば、チャンネル数変換手段としての
デコーダ193は、音響信号の複数のチャンネル数に応じ
て、複数のチャンネル数を複数のチャンネル数よりも少
ない他のチャンネル数に変換するデコーダであって、他
のチャンネル数に対応して、音響信号が再生されるスピ
ーカの種類のシュミレーションを変更できるので、スピ
ーカの種類のシュミレーションを変えて、あたかも異な
るスピーカから再生されるように、再生音像を定位させ
ることができる。
また、上例によれば、チャンネル数変換手段としての
デコーダ193は、音響信号の複数のチャンネル数に応じ
て、複数のチャンネル数を複数のチャンネル数よりも少
ない他のチャンネル数に変換するデコーダであって、他
のチャンネル数に対応して、音響信号が再生されるスピ
ーカの距離のシュミレーションを変更できるので、スピ
ーカの距離のシュミレーションを変えて、あたかも異な
る距離から再生されるように、再生音像を定位させるこ
とができる。
また、上例によれば、チャンネル数変換手段としての
エンコーダは、音響信号の複数のチャンネル数に応じ
て、複数のチャンネル数を複数のチャンネル数よりも多
い他のチャンネル数に変換するエンコーダであって、音
響信号に付加された例えばUSP3959590やUSP4074083に開
示されているような方法によって再生レベルの変動に対
応してエンコードするので、ドルビーの変動の大きい周
波数領域のスピーカで再生されるように、再生音像を定
位させることができる。
また、上例によれば、チャンネル数変換手段としての
エンコーダは、音響信号の複数のチャンネル数に応じ
て、複数のチャンネル数を複数のチャンネル数よりも多
い他のチャンネル数に変換するエンコーダであって、他
のチャンネル数に対応する位置情報を有し、位置情報に
より、音響信号が再生されるスピーカの種類のシュミレ
ーションを変更できるので、エンコーダが有する位置情
報によりスピーカ配置のシュミレーションがされるよう
に、再生音像を定位させることができる。
上例の場合には、特にゲーム機において、位置情報に
より再生チャンネルを変更して、再生音像を定位させる
用途に最適なものである。
図26においては、ヘッドホン90のヘッドバンド91に頭
部回転検出部92およびヘッドホンユニット93、94が設け
られている。そして、ヘッドバンド91のヘッドホンユニ
ット93、94の取り付け位置に近い部分であって、その内
側には、支柱95、97から支持体96、98が突出するように
設けられている。このようにすることにより、ヘッドホ
ンユニット93、94がリスナ23の耳23L、23Rから所定距離
だけ離れた状態でリスナ23に装着されるようになる。こ
のとき、頭部回転検出部92はディジタル角度検出器28ま
たはアナログ角度検出器38である。
上例によれば、音響再生手段としてのヘッドホン90の
頭部装着体としてのヘッドバンド91に設けられた支持部
材としての支柱95、97、支持体96、98により発音部とし
てのヘッドホンユニット93、94がリスナ23の耳23a、23b
を押圧しないようにして、ヘッドホンユニット93、94の
発音特性を音響信号の収音特性に近づけるようにしたの
で、外耳道入り口から外側への放射インピーダンスが無
装着の場合に近くなり、再生音像の頭外定位を容易に
し、装着感を向上させることができる。
また、図27においては、ヘッドホン100のヘッドバン
ド101に頭部回転検出部102およびヘッドホンユニット10
3、104が設けられている。そして、ヘッドホンユニット
103、104の内側には、支柱105、107から接触部106、108
が突出するように設けられている。このようにすること
により、ヘッドホンユニット103、104がリスナ23の耳23
L、23Rから所定距離だけ離れた状態でリスナ23に装着さ
れるようになる。このとき、頭部回転検出部102はディ
ジタル角度検出器28またはアナログ角度検出器38であ
る。
上例によれば、ヘッドホン100の頭部装着体としての
ヘッドバンド101に設けられた支持部材としての支柱10
5、107、接触部106、108により発音部としてのヘッドホ
ンユニット103、104がリスナ23の耳を押圧しないように
して、ヘッドホンユニット103、104の発音特性を音響信
号の収音特性に近づけるようにしたので、外耳道入り口
から外側への放射インピーダンスが無装着の場合に近く
なり、再生音像の頭外定位を容易にし、装着感を向上さ
せることができる。
さらに、上例において、頭部回転角度検出器に振動ジ
ャイロを用いてもよい。このようにすることにより、頭
部回転検出部を小型で軽量、かつ低消費電力で長寿命、
しかも取扱いが簡便で安価に構成することができる。
さらに、振動ジャイロは、慣性力を利用せず、コリオ
リ力によって動作しているので、リスナ23の頭部の回転
中心近傍に設置する必要がなく、回転検出部のいずれの
場所に取り付けれてもよいので、構成および組み立てを
簡単にすることができる。
本発明によれば、角度検出手段からの角度に対応した
信号に基づいて、アドレス信号変換手段のアドレス信号
により記憶手段のアドレスを設定し、記憶手段に記録さ
れたインパルスレスポンスまたは制御信号を読み出し、
音響信号を制御手段においてインパルスレスポンスまた
は制御信号により補正し、音響信号を上記一人または複
数の聴取者の頭部運動に対してリアルタイムで補正し、
音響再生手段において制御手段で補正した音響信号を再
生し、チャンネル数変換手段で変換された複数のチャン
ネル数とは異なる他のチャンネル数で再生音像が定位す
るように再生することができる。
以下本発明の別の発明に係るオーディオ再生装置の一
実施例について、図28〜図42に従い詳細に説明する。な
お、先の発明の実施例において説明した図2〜図5は同
様なので説明を省略する。
本発明の実施例のオーディオ再生装置は、音響信号を
固定されたスピーカで再生する際に、予め定められた位
置関係に置かれたスピーカから、リスナの頭部運動に対
応して補正された音響信号を再生して得られるようにし
たものであり、特に、リスナの頭部近傍に配置したスピ
ーカにより再生して、音像の定位感、音場感等を向上す
るようにしたものである。
すなわち、本発明の実施例のオーディオ再生装置は、
ステレオ等で収音された多チャンネルの音響信号をリス
ナの頭部近傍に配置したスピーカで再生するシステムに
用いるものである。特に予め定められた位置関係(例え
ば、リスナの前方右、前方左、中央、その他である。)
に各音像を定位させる目的で各チャンネルに記録あるい
は伝送されるディジタル化された音響信号をリスナの頭
部近傍に配置したスピーカ等で再生する際に、リスナの
頭部の回転に対応して音響信号を補正し、常に予め定め
られた定位感で音響信号を再生できるようにしたもので
ある。
図28において、この発明のオーディオ再生装置の例を
示す。符号1はディジタルオーディオディスク(例えば
コンパクトディスク)やディジタル衛星放送等の多チャ
ンネルのディジタルステレオ信号源を示す。符号2はア
ナログレコード、アナログ放送等のアナログステレオ信
号源を示す。符号3はこれらアナログ信号をディジタル
信号に変換するためのA/D変換器である。
このA/D変換器3は多チャンネルの場合にはチャンネ
ル数だけ設けられる。符号4は切替器であり、ディジタ
ルで入力された信号もアナログで入力された信号も同等
に、かつ一定のサンプリング周波数および量子化ビット
数で表されるディジタル信号として扱われる。ここで
は、2チャンネルの切り替えのみを示したが、多チャン
ネルの場合にも同様にチャンネル数だけ設けられる。
これらのディジタル信号列のうち左のディジタル信号
Lは、畳み込み積分器5に供給される。ここでは、畳み
込み積分器5に付属するメモリ6には、リスナ23の現在
頭部が向いている方向の、頭部の基準方向に対する、仮
想音源位置から両耳に至る一定のサンプリング周波数お
よび量子化ビット数で表されるデジタル記録された一組
のインパルスレスポンスが記録されている。ディジタル
信号列は、畳み込み積分器5において、このメモリ6よ
り記憶されたインパルスレスポンスとリアルタイムで畳
み込み積分される。また、畳み込み積分器7およびメモ
リ8は右のディジタル信号Rのクロストーク成分を供給
する。
上記と同様に右のディジタル信号Rは、畳み込み積分
器11に供給される。ここでは、畳み込み積分器11に付属
するメモリ12には、リスナ23の現在頭部が向いている方
向の、頭部の基準方向に対する、仮想音源位置から両耳
に至る一定のサンプリング周波数および量子化ビット数
で表されるデジタル記録された一組のインパルスレスポ
ンスが記憶されている。ディジタル信号列は、畳み込み
積分器11において、このメモリ12より記憶されたインパ
ルスレスポンスとリアルタイムで畳み込み積分される。
また、畳み込み積分器9およびメモリ10は左のディジタ
ル信号Lのクロストーク成分を供給する。
また、畳み込み積分器7、メモリ8、畳み込み積分器
11、メモリ12においても上述と同様にインパルスレスポ
ンスと畳み込み積分が行なわれる。このように、畳み込
み積分器5、7、9、11、メモリ6、8、10、12におい
てインパルスレスポンスと畳み込み積分が行なわれたデ
ィジタル信号列は、加算器15、16にそれぞれ供給され
る。加算器15、16で加算された2チャンネルのディジタ
ル信号は補正回路17、18により用いる音源およびスピー
カの固有の特性を除くように補正され、D/A変換器19、2
0でアナログ信号に変換され、電力増幅器21、22で増幅
された後に、スピーカ25および26に供給される。
上例では、メモリ6、8、10、12にインパルスレスポ
ンスが記憶されていて、インパルスレスポンスのみでデ
ィジタル信号を補正する例を示したが、図29に示すよう
に構成しても良い。つまり、畳み込み積分器5、7、
9、11に付属するメモリ6、8、10、12に、基準方向に
対して固定された頭部の、仮想音源位置から両耳に至る
一対のディジタル記憶されたインパルスレスポンスを記
憶させる。ディジタル信号列はこのインパルスレスポン
スとリアルタイムで畳み込み積分される。メモリ35に
は、頭部の基準方向に対する仮想音源位置から両耳に至
る両耳間の時間差、レベル差を表す制御信号を記憶させ
る。
そして、この畳み込み積分された各チャンネルのディ
ジタル信号の各々に対して、更に検出された基準方向に
対する頭部運動を、一定単位角度毎あるいは予め定めら
れた角度毎に、方向を含む大きさを表すディジタルアド
レス信号に変換し、このアドレス信号により予めメモリ
25に記憶された制御信号を読みだし、制御装置50、51、
52、53において、リアルタイムで補正し、変更するよう
にして、その結果を加算器15、16に供給するようにして
も良い。
また、図30に示すように、このインパルスレスポンス
とリアルタイムで畳み込み積分されたディジタル信号列
を加算器15、16に供給し、加算器15、16からの2チャン
ネルのディジタル信号に対して、更に検出された基準方
向に対する頭部運動を、一定単位角度毎あるいは予め定
められた角度毎に、方向を含む大きさを表すディジタル
アドレス信号に変換し、このアドレス信号により予めメ
モリ35に記憶された制御信号を読みだし、制御装置54、
56において、リアルタイムで補正し、変更するようにし
ても良い。
ここで、制御装置50、51、52、53、54、56としては、
可変遅延装置と可変レベル制御器、あるいは多バンドに
分割されたグラフィックイコライザ等の周波数帯域毎の
レベル制御器との組み合わせで構成することができる。
また、メモリ35に記憶されている情報は、リスナ23の頭
部が向いている方向の、頭部の基準方向に対する、仮想
音源位置から両耳に至る両耳間の時間差及びレベル差等
を表すインパルスレスポンスでも良い。この場合には、
上述の制御装置は、IIR、あるいはFIRの可変ディジタル
フィルターで構成すれば良い。
このようにして制御装置により、空間情報が与えら
れ、補正回路17、18により用いる音源及びスピーカの固
有の特性を補正され、かつ頭部の動きに対して変化の与
えられたディジタル信号はD/A変換器19、20でアナログ
信号に変換され、電力増幅器21、22で増幅された後に、
スピーカ25および26に供給される。
この場合、用いる音源及びスピーカの固有の特性を補
正する補正回路17、18は、アナログ信号処理、ディジタ
ル信号処理のいずれでも良く、ワイヤレスタイプのスピ
ーカの場合にはスピーカ本体内部に設けるようにしても
よい。また、この補正回路は、必ずしもスピーカ本体に
設けなくとも良く、例えば、スピーカのコードに設けて
も良く、装置本体とスピーカのコードとを接続するコネ
クター部以降のいずれに設けても良い。さらに、本体内
部の制御装置以降に設けても良い。
ここで、ディジタル角度検出器28はリスナ23の頭部の
動きを検出するものであり、図32Aにおいて、ディジタ
ル角度検出器28によりリスナ23の頭部の回転検出を行う
詳細な構成が示されている。図32では、そのディジタル
角度検出器28として、まずリスナ23の頭部に装着された
ヘッドバンド27に設けられたロータリーエンコーダー30
により頭部の回転検出を行う場合が示されている。ま
た、図32Bにおいては、リスナ23の頭部の後方に発信機8
1および受信機82を設け、これより角度検出信号をディ
ジタル信号として取り出す例が示されている。また、ロ
ータリーエンコーダー30、発信機81および受信機82に替
えて、アナログ出力によるアナログ角度検出器として、
振動ジャイロをヘッドバンド27に設けても良い。
この発信機81および受信機82の具体例としては、超音
波送受信装置、赤外線非接触回転センサまたはカメラを
用いると良い。超音波送受信装置は、発信機81より超音
波をリスナ23の頭部に向けて送信し、受信機82により頭
部からの反射された超音波を受信することにより、頭部
の回転角度を検出する。赤外線非接触回転センサは、発
信機81より赤外線をリスナ23の頭部に向けて送信し、受
信機82により頭部からの反射された赤外線を受信するこ
とにより、頭部の回転角度を検出する。また、発信機81
および受信機82をカメラに替えても良い。カメラは、リ
スナ23の頭部を画像認識し、これにより、頭部の回転角
度を検出する。これらの場合、いずれも発信機81および
受信機82またはカメラにより、左側頭部および右側頭部
を連続して回転検出するので、確実に角度を検出するこ
とができる。
上例によれば、ディジタル角度検出器28はロータリー
エンコーダー30、発信機81および受信機82からなる非接
触回転センサであり、アナログ角度検出器38は、リスナ
23の頭部に設けられた振動ジャイロまたは発信機81およ
び受信機82からなる非接触回転センサであるので、これ
らにより回転検出信号が検出され、リスナ23の頭部回転
に対応して補正された音響信号を右スピーカ25、左スピ
ーカ26により再生することができる。
また、上例によれば、ディジタル角度検出器28、アナ
ログ角度検出器38は、リスナ23の頭部近傍に設けられた
超音波送受信装置であるので、超音波の反射に基づい
て、リスナ23の頭部回転に対応して補正された音響信号
を右スピーカ25、左スピーカ26により再生することがで
きる。
また、上例によれば、ディジタル角度検出器28、アナ
ログ角度検出器38は、リスナ23の頭部近傍に設けられた
非接触回転センサであるので、赤外線の反射に基づい
て、リスナ23の頭部回転に対応して補正された音響信号
を右スピーカ25、左スピーカ26により再生することがで
きる。
また、上例によれば、ディジタル角度検出器28、アナ
ログ角度検出器38は、リスナ23の頭部近傍に設けられた
カメラであるので、カメラからの画像認識に基づいて、
リスナ23の頭部回転に対応して補正された音響信号を右
スピーカ25、左スピーカ26により再生することができ
る。
図32において、まず、基準方向に対するリスナ23の頭
部運動を、一定単位角度毎あるいは、予め定められた角
度毎に離散的情報として取り出す例として、ヘッドバン
ド27に振動ジャイロを設けても良い。この振動ジャイロ
はヘッドバンド27に取り付けたが、ヘッドバンド27から
独立した取り付け装置上に設けても良い。また、必ずし
も頭部中央に設ける必要はなく。耳にかけるようにして
も良い。また、発信機81および受信機82による例におい
ても、図28における動作は以下と同様である。
そして、図28において、このディジタル角度検出器28
のロータリーエンコーダー30の出力が検出回路31、32に
供給され、検出回路31からは、リスナ23が頭を時計方向
に回したときと、反時計方向に回したときで、「0」ま
たは「1」に変化する方向信号Sdが取り出され、検出回
路32からは、リスナ23が頭の向きを変えたとき、その変
えた角度に比例した数のパルスがPa、例えば、2度変化
する毎に1つのパルスPaが出力される。
そして、信号Sdが、アップダウンカウンタ33のカウン
ト方向入力U/Dに供給されると共に、パルスPaがアップ
ダウンカウンタ33のクロック入力(カウント入力)CKに
供給され、そのカウント出力がリスナ23の頭の向きと大
きさを表すディジタルアドレス信号に変換され、アドレ
ス制御回路34を通じてメモリ6、8、10、12にアドレス
信号として供給される。
そしてメモリ6、8、10、12内のテーブルの該当する
アドレスから、予め、メモリ6、8、10、12に記録され
ているリスナ23の頭部の基準方向に対する仮想音源位置
からリスナ23の両耳に至るディジタル記録されたインパ
ルスレスポンスが読み出され、同時に畳み込み積分器
5、7、9、11において、各チャンネルのディジタル化
された音響信号とこのインパルスレスポンスとの畳み込
み積分が行われ、現在、リスナ23の頭部が向いている方
向の補正がリアルタイムで行われる。
一方、符号38はアナログ角度検出器を示すものであ
り、図32に示した、振動ジャイロ、発信機81および受信
機82がアナログ量で回転角度を検出する場合である。
アナログ角度検出器38のアナログ出力は増幅器42で増
幅された後に、A/D変換器43に加えられ、このディジタ
ル出力は切替器44を介してアドレス制御回路34に供給さ
れる。アドレス制御回路34では基準方向に対するリスナ
23の頭部運動を一定角度あるいは予め定められた角度毎
の方向を含む大きさを表すディジタルアドレス信号を生
成し、メモリ6、8、10、12にアドレス信号として供給
される。
そして、図28においては、メモリ6、8、10、12内の
テーブルの該当するアドレスから、予めメモリ6、8、
10、12に記録されているリスナ23の頭部の基準方向に対
する仮想音源位置からリスナ23の両耳に至るディジタル
記録されたインパルスレスポンスが読みだされ、畳み込
み積分器5、7、9、11により各チャンネルのディジタ
ル化された音響信号と畳み込み積分され、現在、リスナ
23の頭部が向いている方向の補正がリアルタイムで行な
われる。
また、図29においては、メモリ35内のテーブルの該当
するアドレスから、予めメモリ35に記録されているリス
ナ23の頭部の基準方向に対する仮想音源位置からリスナ
23の両耳に至るディジタル記録された両耳間の時間差及
びレベル差等を表す制御信号が読みだされ、畳み込み積
分器5、7、9、11および付属するメモリ6、8、10、
12によりインパルスレスポンスとの畳み込み積分がおこ
なわれた各チャンネルのディジタル化された音響信号
と、制御装置50、51、52、53において、現在、リスナ23
の頭部が向いている方向の補正がリアルタイムで行なわ
れる。
図30においては、畳み込み積分器5、7、9、11およ
び付属するメモリ6、8、10、12によりインパルスレス
ポンスとの畳み込み積分がおこなわれた各チャンネルの
ディジタル化された音響信号を加算器15、16により右側
ディジタル信号と左側ディジタル信号とにし、その後に
メモリ35内のテーブルの該当するアドレスから、予めメ
モリ35に記録されているリスナ23の頭部の基準方向に対
する仮想音源位置からリスナ23の両耳に至るディジタル
記録された両耳間の時間差及びレベル差等を表す制御信
号が読みだされ、制御装置54、56において、現在、リス
ナ23の頭部が向いている方向の補正がリアルタイムで行
なわれる。その他の構成及び動作は上述の図29と同様で
ある。
図31において、スピーカの配置を示す。スピーカは、
まずリスナ23の両耳23L、23Rを結ぶ直線B上に耳23L、2
3Rに対向して配置する。また、リスナ23の両耳23L、23R
を結ぶ直線Bより、リスナ23の前方のAの範囲に配置す
る。また、リスナ23の両耳23L、23Rを結ぶ直線Bより、
リスナ23の後方のCの範囲に配置する。または、これら
を組み合わせて配置する。いずれの場合にも、リスナ23
の近くに配置するようにする。
上例によれば、右スピーカ25、左スピーカ26は、リス
ナ23の左右の両耳23L,23Rに対向するように配置された
スピーカであるので、リスナ23の頭部回転に対応して、
リスナ23の左右の両耳23L,23Rを結ぶ直線上において、
補正された音響信号を右スピーカ25、左スピーカ26によ
り再生することができる。
また、上例によれば、右スピーカ25、左スピーカ26
は、リスナ23の左右の両耳23L,23Rを結ぶ直線よりリス
ナ23に対して前方に配置されたスピーカであるので、リ
スナ23の頭部回転に対応して、リスナ23の左右の両耳23
L,23Rを結ぶ直線より前方において、補正された音響信
号を右スピーカ25、左スピーカ26により再生することが
できる。
また、上例によれば、右スピーカ25、左スピーカ26
は、リスナ23の左右の両耳23L,23Rを結ぶ直線よりリス
ナ23に対して後方に配置されたスピーカであるので、リ
スナ23の頭部回転に対応して、リスナ23の左右の両耳23
L,23Rを結ぶ直線より後方において、補正された音響信
号を右スピーカ25、左スピーカ26により再生することが
できる。
ここで、固定スピーカによる音場再生は、ヘッドホン
を用いて再生した場合と同じになることを数式により説
明する。以下に、ヘッドホンおよびスピーカによる音場
シュミレーションを行う。まず、伝達関数表示とインパ
ルスレスポンス表示を行う。
ここで、θ=0(前方のみ)として、データを固定する
と、数35〜数38は、 と表示することができる。
次に、頭部回転情報を付加した数式を以下に示す。こ
こで、数39〜数42に示した前方固定データに、各スピー
カより両耳に至る音波の振幅と位相(時間遅れ)の変化
を付加し、近似するものとする。
数43 HLL(ω,θ)≒HLL(ω)・SLL(ω,θ) =hLL(t)*SLL(t,θ) 数44 HLR(ω,θ)≒HLR(ω)・SLR(ω,θ) =hLR(t)*SLR(t,θ) 数45 HRL(ω,θ)≒HRL(ω)・SRL(ω,θ) =hRL(t)*SRL(t,θ) 数46 HRR(ω,θ)≒HRR(ω)・SRR(ω,θ) =hRR(t)*SRR(t,θ) このような数式を具体化すると、図33に示すようなブ
ロック図になる。図33は、4チャンネル独立処理による
ヘッドホンによる再生システムの伝達関数を用いたブロ
ック図である。左入力端子290に供給された左音響信号
は、左耳に至る伝達関数HLL(ω)292aおよび左耳に至
るインパルスレスポンスHLL(θ)293aにより信号処理
される。また、左音響信号は、右耳に至るクロストーク
成分の伝達関数HLR(ω)292bおよび右耳に至るクロス
トーク成分のインパルスレスポンスHLR(θ)293bによ
り信号処理される。
右入力端子291に供給された右音響信号は、右耳に至
る伝達関数HRR(ω)292dおよび右耳に至るインパルス
レスポンスHRR(θ)293dにより信号処理される。ま
た、右音響信号は、左耳に至るクロストーク成分の伝達
関数HRL(ω)292cおよび左耳に至るクロストーク成分
のインパルスレスポンスHRL(θ)293cにより信号処理
される。
加算器294は、この信号処理された左音響信号と右ク
ロストーク成分とを加算する。加算器295は、この信号
処理された右音響信号と左クロストーク成分とを加算す
る。ヘッドホン補正伝達関数296aおよび296bは、用いる
ヘッドホン固有の特性を補正するものである。
これにより補正された左音響信号および右音響信号
は、それぞれアンプ297aおよび297bにより増幅された後
に、ヘッドホン298に供給される。なお、伝達関数S
LL(ω,θ)293a、SLR(ω,θ)293b、SRL(ω,θ)
293c、SRR(ω,θ)293dには、頭部回転検出信号が供
給され、頭部回転角度に応じたインパルスレスポンスに
より信号処理されるように構成されている。
次に、スピーカより両耳に至る4つの経路の特性を付
加した後、つまり、HLL(ω)とHLR(ω)、およびHRL
(ω)とHRR(ω)を加算した後に、頭部回転時の特性
変化を加える処理を続けて行うと、以下のように簡略化
することができる。
数47 HL(ω,θ)≒{HLL(ω)+HRL(ω)}・SL(t,θ) ={hLL(t)+hRL(t)}*SL(t,θ) 数48 HR(ω,θ)≒{HRR(ω)+HLR(ω)}・SR(t,θ) ={hRR(t)+hLR(t)}*SR(t,θ) このような数式を具体化したのが図34のブロック図で
ある。図34は、図33において、伝達関数HLL(θ)293
a、HLR(θ)293b、HRL(θ)293c、HRR(θ)293dを削
除し、加算器294および295を経た後に、伝達関数SL(t,
θ)300、SR(t,θ)301を設けたものである。
なお、用いるヘッドホンの特性がHHP(ω)である場
合、その補正は、1/HHP(ω)またはhHP(t)-1を用い
る。ここで、 従って、ヘッドホンの補正を含めた処理は、2チャンネ
ル処理の場合は、 4チャンネルの場合は、 これを整理すると、4チャンネル処理の場合は、 2チャンネル処理の場合は、 ここで、hHP(t)-1は、スピーカ再生の場合、h
SP(t)-1に置き換えるだけでよい。
従って、図35に示すように、ヘッドホンの代わりに、
リスナ23の両耳の近くであって、前方以外に置かれたス
ピーカによりシュミレーションを行うと、クロストーク
成分は無視できるので、数式55および56、数式57および
58をそのまま適用することができる。また、補正もその
ままスピーカの場合に置き換えて適用することができ
る。
また、図36に示すように、リスナ23の頭部の回転角度
を少なくとも鋭角の範囲に限定すると、ヘッドホンによ
り再生した場合のデータをそのまま使用することができ
る。
ここで、hmn(t)はmスピーカ位置から、n耳に至
るインパルスレスポンスであり、Hmn(ω)はmスピー
カ位置から、nに至る伝達関数であり、ωは角周波数2
πfであり、fは周波数である。
次に、図37から図42に、上述したスピーカ配置を映画
の再生に適用する例を示す。図37に、スピーカ配置を1
チャンネルのモノラル再生用とした例を示す。この場
合、客席130の前方中央に、センタースピーカCのみを
配置する。図38に、スピーカ配置を2チャンネルのステ
レオ再生用とした例を示す。この場合、客席140の前方
左右に、左スピーカLおよび右スピーカRを配置する。
図39に、スピーカ配置を3チャンネルの再生用とした例
を示す。この場合、客席150の前方中央および左右に、
センタースピーカC、左スピーカLおよび右スピーカR
を配置する。
図40に、スピーカ配置を4チャンネルの再生用とした
例を示す。この場合、客席160の前方中央および左右
に、センタースピーカC、左スピーカLおよび右スピー
カRを配置し、客席160の後方正面左右に2個、および
後方左右両側面に2個ずつサラウンドスピーカSを配置
する。図41に、スピーカ配置を5チャンネルの再生用と
した例を示す。この場合、客席170の前方中央および左
右に、センタースピーカC、左スピーカLおよび右スピ
ーカRを配置し、客席170の後方正面左に1個、および
後方左側面に3個サラウンド左スピーカSLを配置し、後
方正面右に1個、および後方右側面に3個サラウンド右
スピーカを配置する。
図42に、スピーカ配置を前方5チャンネル、後方2チ
ャンネルの再生用とした例を示す。この場合、客席180
の前方中央および左右に、センタースピーカC、左スピ
ーカLおよび右スピーカRを配置し、センタースピーカ
Cと左スピーカLとの間に左エキスタラスピーカLEを配
置し、センタースピーカCと右スピーカRとの間に右エ
キスタラスピーカREを配置する。客席180の後方左側面
に3個サラウンド左スピーカSLを配置し、後方右側面に
3個サラウンド右スピーカSRを配置する。図42に示した
例は、70ミリの映画にもっとも好ましいものである。こ
の場合、さらに、サブウーハのチャンネルを付加しても
良い。このようにすることにより、画面上の絵と聞こえ
てくる音の位置を一致させることができる。
この実施例のオーディオ再生装置はこのように構成さ
れ、以下のような動作をする。多チャンネルディジタル
ステレオ信号源1からのディジタルオーディオ信号、あ
るいは多チャンネルアナログステレオ信号源2に入力さ
れたアナログ信号をA/D変換器3によりディジタル信号
に変換した各チャンネルのオーディオ信号が、切替器4
で選択される。ここで、図28の場合は、ディジタル信号
列は、畳み込み積分器5、7、9、11、メモリ6、8、
10、12において、メモリ35より読み出されたインパルス
レスポンスとリアルタイムで畳み込み積分され、加算器
15、16に供給される。
図29の場合は、畳み込み積分器5、7、9、11、メモ
リ6、8、10、12により予めインパルスレスポンスとの
畳み込み積分を行なった各チャンネルのディジタル化さ
れた音響信号は、制御装置50、51、52、53において、メ
モリ35より読み出された制御信号により補正され、変更
され、加算器15、16に供給される。
図29の場合は、加算器15、16からの2チャンネルのデ
ィジタル信号は制御装置54、56において、メモリ35より
読み出された制御信号により補正され、変更される。こ
の2チャンネルのディジタル信号はD/A変換器19、20で
アナログ信号に変換され、電力増幅器21、22で増幅され
た後に、スピーカ25および26に供給される。
このようにして左スピーカ26および右スピーカ25より
リスナ23は音響信号を聴取することができる。そして、
ディジタル角度検出器28およびアナログ角度検出器38に
おいてリスナ23の基準方向に対する頭部運動を一定角度
あるいは予め定められた角度毎に検出し、アドレス制御
回路34において方向を含む大きさを表すディジタルアド
レス信号に変換する。
このアドレス信号により予めメモリ35に記録されてい
る頭部の基準方向に対する仮想音源位置から両耳に至る
ディジタル記録されたインパレスレスポンスまたは制御
信号を読み出す。畳み込み積分器5、7、9、11、メモ
リ6、8、10、12または制御装置50、51、52、53、54、
56において、このインパレスレスポンスまたは制御信号
と音響信号とをリアルタイムで補正し変更する。
この畳み込み積分器5、7、9、11、メモリ6、8、
10、12または制御装置50、51、52、53、54、56、加算器
15、16により、音場としての空間情報を持った両耳への
2チャンネルのディジタル信号に変換され、補正回路1
7、18により用いる音源及びスピーカの特性が補正さ
れ、電力増幅器21、22で電力増幅された後、左スピーカ
26および右スピーカ25に供給される。これにより、あた
かもその仮想音源位置に置かれたスピーカから再生音が
聞こえるような再生効果を実現することができるもので
ある。
上例によれば、ディジタル角度検出器28、アナログ角
度検出器38からの角速度に比例した信号に基づいて、ア
ドレス制御回路34のアドレス信号によりメモリ35のアド
レスを指定し、メモリ35に記録されたインパルスレスポ
ンスまたは制御信号を読み出し、音響信号を畳み込み積
分器5、7、9、11、メモリ6、8、10、12、制御装置
50、51、52、53、54、56においてインパルスレスポンス
または制御信号により補正し、音響信号を上記一人また
は複数のリスナ23の頭部運動に対してリアルタイムで補
正するので、リスナ23の頭部回転に対応して補正された
音響信号を右スピーカ25、左スピーカ26により再生する
ことができる。
上例の図28、図29および図30ではリスナ23が単数の場
合のみを示したが、リスナ23が複数人いる場合には、図
28、図29の畳み込み積分器5、7、9、11以降を、伝送
路を介して、端子により分岐しても良い、また、図30の
加算器15、16以降を伝送路を介して、端子により分岐す
るようにしても良い。
この場合、畳み込み積分器5、7、9、11、メモリ
6、8、10、12において空間情報を持ったディジタル信
号に補正された後で、個々のリスナの頭部回転に応じて
信号処理を行えば良く、高価なA/D変換器3や畳み込み
積分器5、7、9、11を人数分用いる必要がない。
これにより、左スピーカ26および右スピーカ25、ディ
ジタル角度検出器28、および角度検出の信号処理回路31
から35、制御装置50から53、54、56をリスナの数だけ用
意すれば良く、安価に複数のリスナに対して同時に音響
信号を供給することができる。
そして、この場合、リスナ23が頭を動かすと、ディジ
タル角度検出器28またはアナログ角度検出器38により、
その向きに従ってディジタル信号、またはアナログ信号
が得られ、これによりその信号はリスナ23の頭の向きに
したがった値となる。この値がアドレス制御回路34を通
じてメモリ35にアドレス信号として供給される。
また、上例では、左スピーカ26および右スピーカ25に
信号線を介して直接接続する例を示したが、図29の畳み
込み積分器5、7、9、11からの信号を変調器、送信機
により送信し、または、加算器15、16からの信号を変調
器、送信機により送信し、受信機、復調器により受信す
るようにしてワイヤレスで送受信して再生するようにし
ても良い。
本発明によれば、角度検出手段からの角速度に比例し
た信号に基づいて、アドレス信号変換手段のアドレス信
号により記憶手段のアドレスを指定し、記憶手段に記録
されたインパルスレスポンスまたは制御信号を読み出
し、音響信号を制御手段においてインパルスレスポンス
または制御信号により補正し、音響信号を上記一人また
は複数の聴取者の頭部運動に対してリアルタイムで補正
するので、聴取者の頭部回転に対応して補正された音響
信号を音響再生手段により再生することができる。
産業上の利用可能性 以上のように、本発明にかかるオーディオ再生装置
は、ヘッドホンによる音響信号の再生に適し、特に、聴
取者の頭部の回転に対応して補正された音響信号の再生
に適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平5−282742 (32)優先日 平成5年11月11日(1993.11.11) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−7901 (32)優先日 平成6年1月27日(1994.1.27) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−41223 (32)優先日 平成6年3月11日(1994.3.11) (33)優先権主張国 日本(JP) (56)参考文献 特開 平3−296400(JP,A) 特開 平3−236700(JP,A) 特開 平5−115099(JP,A) 特開 平3−214897(JP,A) 特開 平3−214894(JP,A) 特開 平1−112900(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 5/033 H04S 1/00 - 7/00

Claims (43)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基準方向に対する聴取者の頭部の運動を検
    出する角度検出手段と、 上記角度検出手段により検出された角度をディジタルア
    ドレス信号に変換するアドレス信号変換手段と、 所定の角度毎に、聴取者の頭部の基準方向に対する仮想
    音源位置から聴取者の両耳に至るインパルスレスポンス
    を測定し、この測定に用いたヘッドホンもしくは音源の
    うち少なくともいずれか一方の補正特性を上記インパル
    スレスポンスに畳み込み記憶された記憶手段と、 ディジタル信号源から供給される複数チャンネルのディ
    ジタル音響信号と上記記憶手段に記憶されたインパルス
    レスポンスとの畳み込み積分を行なう積分手段と、 聴取者の両耳の近傍に配置され、上記積分手段からのデ
    ィジタル音響信号をディジタル/アナログ変換手段によ
    りアナログ信号に変換して再生する音響再生手段とを備
    え、 上記アドレス信号変換手段のディジタルアドレス信号に
    より上記記憶手段のアドレスを指定し、上記記憶手段に
    記録されたインパルスレスポンスに基づいて上記ディジ
    タル音響信号を聴取者の頭部の運動に対してリアルタイ
    ムで補正するようにしたオーディオ再生装置。
  2. 【請求項2】上記再生装置は、少なくとも上記音響再生
    手段と上記角度検出手段とが設けられて聴取者の頭部に
    装着されるヘッドホン装置と、少なくとも上記アドレス
    信号変換手段と上記記憶手段と上記積分手段とが設けら
    れた装置本体と、上記装置本体と上記ヘッドホン装置と
    の間の信号の伝送を行う伝送手段とを備えていることを
    特徴とする請求の範囲第1項記載のオーディオ再生装
    置。
  3. 【請求項3】基準方向に対する聴取者の頭部の運動を検
    出する角度検出手段と、 上記角度検出手段により検出された角度をディジタルア
    ドレス信号に変換するアドレス信号変換手段と、 聴取者の頭部の基準方向に対する仮想音源位置から固定
    された聴取者の両耳に至るインパルスレスポンスを測定
    し、測定されたインパルスレスポンスを記憶する第1の
    記憶手段と、 ディジタル信号源から供給される複数チャンネルのディ
    ジタル音響信号と上記第1の記憶手段に記憶されたイン
    パルスレスポンスとの畳み込み積分を行なう積分手段
    と、 所定の角度毎に、聴取者の頭部の基準方向に対する仮想
    音源位置から聴取者の両耳に至る音響信号の時間差及び
    レベル差を測定し、上記音響信号の時間差及びレベル差
    を表す制御信号を記憶した第2の記憶手段と、 上記積分手段で上記インパルスレスポンスとの畳み込み
    積分を行った上記各チャンネルのディジタル音響信号を
    上記第2の記憶手段に記憶された上記制御信号で補正す
    る制御手段と、 聴取者の両耳の近傍に配置され、上記制御手段からのデ
    ィジタル信号をディジタル/アナログ変換手段によりア
    ナログ信号に変換して再生する音響再生手段とを備え、 上記アドレス信号変換手段のディジタルアドレス信号に
    より上記第2の記憶手段のアドレスを指定し、上記第2
    の記憶手段に記憶された上記制御信号を読み出し、上記
    積分手段により上記インパルスレスポンスとの畳み込み
    積分を行われた上記ディジタル音響信号を上記制御手段
    において上記制御信号により補正することにより、上記
    制御信号に基づいて上記各チャンネルのディジタル音響
    信号を上記聴取者の頭部の運動に対してリアルタイムで
    補正するようにしたことを特徴とするオーディオ再生装
    置。
  4. 【請求項4】上記再生装置は、更に、上記積分手段で上
    記インパルスレスポンスとの畳み込み積分を行われた上
    記各チャンネルのディジタル音響信号を右側ディジタル
    音響信号及び左側ディジタル音響信号毎に加算して2チ
    ャンネルのディジタル音響信号に変換する加算手段を備
    え、 上記加算手段で加算された2チャンネルのディジタル音
    響信号は上記制御手段によって上記第2の記憶手段に記
    憶された上記制御信号で補正されて上記音響再生手段に
    供給されることを特徴とする請求の範囲第3項記載のオ
    ーディオ再生装置。
  5. 【請求項5】上記再生装置は、少なくとも上記音響再生
    手段と上記角度検出手段とが設けられて聴取者の頭部に
    装着されるヘッドホン装置と、少なくとも上記アドレス
    信号変換手段と上記記憶手段と上記積分手段とが設けら
    れた装置本体と、上記装置本体と上記ヘッドホン装置と
    の間を伝送媒体を介して信号の伝送を行う伝送手段とを
    備えていることを特徴とする請求の範囲第3または4項
    記載のオーディオ再生装置。
  6. 【請求項6】上記伝送手段は、上記加算手段で加算され
    た2チャンネルのディジタル音響信号を無線送信する送
    信手段と、上記送信手段から送信された上記2チャンネ
    ルのディジタル音響信号を受信する受信手段とを備え、
    上記受信手段から出力されたディジタル音響信号が上記
    制御手段によって補正されることを特徴とする請求の範
    囲第5項記載のオーディオ再生装置。
  7. 【請求項7】上記伝送手段は、上記加算手段で加算され
    た2チャンネルのディジタル音響信号をアナログ音響信
    号に変換するディジタル/アナログ変換手段と、上記デ
    ィジタル/アナログ変換手段から出力されたアナログ音
    響信号が供給され、供給されたアナログ音響信号を無線
    送信する送信手段と、上記送信手段から送信された上記
    アナログ音響信号を受信する受信手段と、上記受信手段
    により受信されたアナログ音響信号をディジタル音響信
    号に変換するアナログ/ディジタル変換手段とを備え、
    上記アナログ/ディジタル変換手段から出力されたディ
    ジタル音響信号を上記制御手段によって補正することを
    特徴とする請求の範囲第5項記載のオーディオ再生装
    置。
  8. 【請求項8】上記伝送手段は、上記加算手段で加算され
    た2チャンネルのディジタル音響信号を無線により送信
    する第1の送信部及び上記複数チャンネルのディジタル
    音響信号に関する信号処理の内容を変更する信号処理変
    更信号を受信する第1の受信部とを有する第1の無線手
    段と、上記第1の無線手段の上記第1の送信部により送
    信された2チャンネルのディジタル音響信号を受信する
    第2の受信部及び上記信号処理変更信号を送信する第2
    の送信部とを有する第2の無線手段とを備え、 上記第2の無線手段の上記第2の受信部により受信され
    た2チャンネルのディジタル音響信号を上記制御手段で
    補正するとともに、上記複数チャンネルのディジタル音
    響信号に関する信号処理の内容を上記第2の送信部から
    送信され上記第1の受信部で受信された信号処理変更信
    号により変更するようにしたことを特徴とする請求の範
    囲第5項記載のオーディオ再生装置。
  9. 【請求項9】上記再生装置は、更に、上記音響再生手段
    本体または上記音響再生手段本体以外に設けられ、上記
    音響再生手段固有の特性を補正する補正手段とを備え、
    上記補正手段により上記音響再生手段固有の特性を補正
    し、上記各チャンネルのディジタル音響信号を聴取者の
    頭部の運動に対してリアルタイムで補正するようにした
    ことを特徴とする請求の範囲第3項記載のオーディオ再
    生装置。
  10. 【請求項10】上記再生装置は、更に、上記音響再生手
    段本体または上記音響再生手段本体以外に設けられ、上
    記角度検出手段で検出された基準方向に対する聴取者の
    頭部の運動に関する信号を、基準方向に対する正面方向
    の信号にリセットするリセット手段を備えていることを
    特徴とする請求の範囲第3項記載のオーディオ再生装
    置。
  11. 【請求項11】上記再生装置は、更に、上記音響再生手
    段本体または上記音響再生手段本体以外に設けられ、上
    記ディジタル音響信号が再生される音場及び/叉は残響
    を選択し、上記ディジタル音響信号に付加する付加手段
    を備えていることを特徴とする請求の範囲第3項記載の
    オーディオ再生装置。
  12. 【請求項12】上記再生装置は、更に、上記音響再生手
    段本体または上記音響再生手段本体以外に設けられ、上
    記ディジタル音響信号の再生時の音量及び/叉はバラン
    スを調整する調整手段を備えていることを特徴とする請
    求の範囲第3項記載のオーディオ再生装置。
  13. 【請求項13】基準方向に対する聴取者の頭部の運動を
    検出する角度検出手段と、 上記角度検出手段により検出された角度をディジタルア
    ドレス信号に変換するアドレス信号変換手段と、 聴取者の頭部の基準方向に対する仮想音源位置から固定
    された聴取者の両耳に至るインパルスレスポンスを測定
    し、測定されたインパルスレスポンスを記憶する第1の
    記憶手段と、 ディジタル信号源から供給される複数チャンネルのディ
    ジタル音響信号と上記第1の記憶手段に記憶されたイン
    パルスレスポンスとの畳み込み積分を行なう積分手段
    と、 所定の角度毎に、聴取者の頭部の基準方向に対する仮想
    音源位置から聴取者の両耳に至る音響信号の時間差及び
    レベル差を測定し、上記音響信号の時間差及びレベル差
    を表す制御信号を記憶した複数の第2の記憶手段と、 上記積分手段で上記インパルスレスポンスとの畳み込み
    積分を行った上記各チャンネルのディジタル音響信号を
    上記第2の記憶手段に記憶された上記制御信号で補正す
    る複数の制御手段と、 複数の聴取者の各々の両耳の近傍に配置され、上記複数
    の制御手段からのディジタル音響信号をディジタル/ア
    ナログ変換手段によりアナログ信号に変換して再生する
    複数の音響再生手段とを備え、 上記アドレス信号変換手段のディジタルアドレス信号に
    より上記第2の記憶手段のアドレスを指定し、上記第2
    の記憶手段に記憶された上記制御信号を読み出し、上記
    積分手段により上記インパルスレスポンスとの畳み込み
    積分を行われた上記ディジタル音響信号を上記複数の制
    御手段において上記制御信号により補正することによ
    り、上記制御信号に基づいて上記各チャンネルのディジ
    タル音響信号を複数の聴取者の各々の頭部の運動に対し
    てリアルタイムで補正するようにしたことを特徴とする
    オーディオ再生装置。
  14. 【請求項14】基準方向に対する聴取者の頭部の運動を
    検出する角度検出手段と、 上記角度検出手段により検出された角度をディジタルア
    ドレス信号に変換するアドレス信号変換手段と、 聴取者の頭部の基準方向に対する仮想音源位置から固定
    された聴取者の両耳に至るインパルスレスポンスを測定
    し、測定されたインパルスレスポンスを記憶する第1の
    記憶手段と、 ディジタル信号源から供給される複数チャンネルのディ
    ジタル音響信号と上記第1の記憶手段に記憶されたイン
    パルスレスポンスとの畳み込み積分を行なう積分手段
    と、 上記積分手段で上記インパルスレスポンスとの畳み込み
    積分を行った上記各チャンネルのディジタル音響信号を
    右側ディジタル音響信号及び左側ディジタル音響信号毎
    に加算して2チャンネルのディジタル音響信号に変換す
    る加算手段と、 所定の角度毎に、聴取者の頭部の基準方向に対する仮想
    音源位置から聴取者の両耳に至る音響信号の時間差及び
    レベル差を測定し、上記音響信号の時間差及びレベル差
    を表す制御信号を記憶した第2の記憶手段と、 上記加算手段で加算された2チャンネルのディジタル音
    響信号を上記第2の記憶手段に記憶された上記制御信号
    で補正して出力する複数の制御手段と、 複数の聴取者の各々の両耳の近傍に配置され、上記複数
    の制御手段からのディジタル音響信号をディジタル/ア
    ナログ変換手段によりアナログ信号に変換して再生する
    複数の音響再生手段とを備え、 上記アドレス信号変換手段のディジタルアドレス信号に
    より上記第2の記憶手段のアドレスを指定し、上記第2
    の記憶手段に記憶された上記制御信号を読み出し、上記
    加算手段で加算された2チャンネルのディジタル音響信
    号を上記複数の制御手段において上記制御信号により補
    正することにより、上記制御信号に基づいて上記2チャ
    ンネルのディジタル音響信号を複数の聴取者の各々の頭
    部の運動に対してリアルタイムで補正するようにしたこ
    とを特徴とするオーディオ再生装置。
  15. 【請求項15】少なくとも上記制御手段の後段であっ
    て、上記音響再生手段による上記補正された音響信号の
    再生時の再生特性を設定する設定手段とを備える請求の
    範囲第3,13,14項のいずれかに記載のオーディオ再生装
    置。
  16. 【請求項16】上記設定手段は、上記音響再生手段本体
    または上記音響再生手段本体以外に設けられ、上記音響
    再生手段固有の特性を補正する補正手段を備える請求の
    範囲第15項記載のオーディオ再生装置。
  17. 【請求項17】上記設定手段は、上記音響再生手段本体
    または上記音響再生手段本体以外に設けられ、上記角度
    検出手段で検出された基準方向に対する聴取者の頭部の
    運動に関する信号を、基準方向に対する正面方向の信号
    にリセットするリセット手段を備える請求の範囲第15項
    記載のオーディオ再生装置。
  18. 【請求項18】上記設定手段は、上記音響再生手段本体
    または上記音響再生手段本体以外に設けられ、上記音響
    信号が再生される音場及び/叉は残響を選択し、上記音
    響信号に付加する付加手段を備える請求の範囲第15項記
    載のオーディオ再生装置。
  19. 【請求項19】上記設定手段は、上記音響再生手段本体
    または上記音響再生手段本体以外に設けられ、上記音響
    信号の再生時の音量及び/叉はバランスを調整する調整
    手段を備える請求の範囲第15項記載のオーディオ再生装
    置。
  20. 【請求項20】信号源から供給される複数のチャンネル
    の音響信号を無線により送信し、この音響信号を補正す
    るための補正信号を受信する第1の無線手段と、 聴取者の頭部の基準方向に対する仮想音源位置から頭部
    の動きに対応した聴取者の両耳に至るインパルスレスポ
    ンスを測定し、測定されたインパルスレスポンスを記憶
    し、または所定の角度毎に、聴取者の頭部の基準方向に
    対する仮想音源位置から聴取者の両耳に至る音響信号の
    時間差及びレベル差を測定し、上記音響信号の時間差及
    びレベル差を表す制御信号を記憶した記憶手段と、 基準方向に対する聴取者の頭部の運動を検出する角度検
    出手段と、 上記角度検出手段により検出された角度をアドレス信号
    に変換するアドレス信号変換手段と、 上記第1の無線手段から上記音響信号を受信し、上記補
    正信号を送信する第2の無線手段と、 上記第2の無線手段からの各チャンネルの音響信号を上
    記記憶手段に記憶されたインパルスレスポンスまたは制
    御信号に基づいて補正する制御手段と、 上記制御手段で補正した音響信号を再生する音響再生手
    段とを備え、 上記アドレス信号変換手段のアドレス信号により上記記
    憶手段のアドレスを指定し、上記記憶手段に記憶された
    インパルスレスポンスまたは制御信号を読み出し、上記
    第2の無線手段で受信された音響信号を上記制御手段に
    おいて上記インパルスレスポンスまたは制御信号で補正
    するとともに、上記第2の無線手段で上記補正信号を送
    信することにより上記第1の無線手段で送信される音響
    信号を聴取者の頭部の運動に対してリアルタイムで補正
    するようにしたオーディオ再生装置。
  21. 【請求項21】上記再生装置は、更に、上記音響再生手
    段本体または上記音響再生手段本体以外に設けられ、上
    記音響再生手段固有の特性を補正する補正手段を備える
    請求の範囲第20項記載のオーディオ再生装置。
  22. 【請求項22】上記再生装置は、更に、上記音響再生手
    段本体または上記音響再生手段本体以外に設けられ、上
    記角度検出手段で検出された基準方向に対する聴取者の
    頭部の運動に関する信号を、基準方向に対する正面方向
    の信号にリセットするリセット手段を備える請求の範囲
    第20項記載のオーディオ再生装置。
  23. 【請求項23】上記再生装置は、更に、上記音響再生手
    段本体または上記音響再生手段本体以外に設けられ、上
    記音響信号が再生される音場及び/叉は残響を選択し、
    上記音響信号に付加する付加手段を備える請求の範囲第
    20項記載のオーディオ再生装置。
  24. 【請求項24】上記再生装置は、更に、上記音響再生手
    段本体または上記音響再生手段本体以外に設けられ、上
    記音響信号の再生時の音量及び/叉はバランスを調整す
    る調整手段を備える請求の範囲第20項記載のオーディオ
    再生装置。
  25. 【請求項25】上記再生装置は、更に、少なくとも上記
    制御手段の後段であって、上記音響再生手段本体または
    上記音響再生手段本体以外に設けられ、上記音響再生手
    段固有の特性を補正する補正手段、上記角度検出手段で
    検出された基準方向に対する聴取者の頭部の運動に関す
    る信号を基準方向に対する正面方向の信号にリセットす
    るリセット手段、上記音響信号が再生される音場及び/
    叉は残響を選択し上記音響信号に付加する付加手段、上
    記音響信号の再生時の音量及び/叉はバランスを調整す
    る調整手段を備える請求の範囲第20項記載のオーディオ
    再生装置。
  26. 【請求項26】上記再生装置は、更に、少なくとも上記
    制御手段より後段であって、上記音響再生手段本体また
    は上記音響再生手段本体以外に設けられ、上記信号源を
    ディジタル信号源若しくはアナログ信号源および任意の
    チャンネル数に切り換えをする信号切り換え手段を備え
    る請求の範囲第20項記載のオーディオ再生装置。
  27. 【請求項27】上記信号源は、アナログ信号源であっ
    て、上記再生装置は、上記アナログ信号源から出力され
    る上記音響信号をディジタル音響信号に変換する第1の
    変換手段を備え、 上記角度検出手段は、アナログ角度検出手段と、上記ア
    ナログ角度検出手段から出力される角度検出信号をディ
    ジタル角度検出信号に変換する第2の変換手段を備える
    ことを特徴とする請求の範囲第26項記載のオーディオ再
    生装置。
  28. 【請求項28】上記信号源は、ディジタル信号源から構
    成されているとともに、上記角度検出手段は、ディジタ
    ル角度検出手段から構成されており、 上記記憶手段は、ディジタル化された上記インパルスレ
    スポンスまたは制御信号をディジタル記憶するものであ
    ることを特徴とする請求の範囲第26項記載のオーディオ
    再生装置。
  29. 【請求項29】聴取者の頭部の基準方向に対する仮想音
    源位置から固定された上記聴取者の両耳に至るインパル
    スレスポンスを測定し、測定されたインパルスレスポン
    スを記憶した第1の記憶手段と、 ディジタル信号源から供給される複数チャンネルのディ
    ジタル音響信号と上記第1の記憶手段に記憶されたイン
    パルスレスポンスとの畳み込み積分を行なう積分手段
    と、 上記積分手段で上記インパルスレスポンスとの畳み込み
    積分を行われた上記各チャンネルのディジタル音響信号
    を右側ディジタル音響信号及び左側ディジタル音響信号
    毎に加算して2チャンネルのディジタル音響信号に変換
    する加算手段と、 上記加算手段により加算された2チャンネルのディジタ
    ル音響信号を無線により送信する送信手段と、 上記送信手段により送信された2チャンネルのディジタ
    ル音響信号を受信する受信手段と、 上記聴取者の両耳の近傍に配置され、上記受信手段によ
    り受信された上記2チャンネルのディジタル音響信号を
    ディジタル/アナログ変換手段によりアナログ音響信号
    に変換して再生する音響再生手段と、 基準方向に対する聴取者の頭部の運動を検出する角度検
    出手段と、 上記角度検出手段により検出された角度をディジタルア
    ドレス信号に変換するアドレス信号変換手段と、 所定の角度毎に、聴取者の頭部の基準方向に対する仮想
    音源位置から聴取者の両耳に至る音響信号の時間差及び
    レベル差を測定し、上記音響信号の時間差及びレベル差
    を表す制御信号を記憶した第2の記憶手段と、 上記受信手段で受信された2チャンネルのディジタル音
    響信号を上記第2の記憶手段に記憶された上記制御信号
    で補正して上記音響再生手段に供給する制御手段とを備
    え、 上記送信手段から送信された上記2チャンネルのディジ
    タル音響信号を上記受信手段で受信することにより、上
    記アドレス信号変換手段のディジタルアドレス信号によ
    り上記第2の記憶手段のアドレスを指定し、上記第2の
    記憶手段に記憶された制御信号を読み出し、上記受信手
    段で受信した上記2チャンネルのディジタル音響信号を
    上記制御手段において上記制御信号により聴取者の頭部
    の運動に対してリアルタイムで補正するようにしたオー
    ディオ再生装置。
  30. 【請求項30】上記再生装置は、更に、上記加算手段に
    より加算された2チャンネルのディジタル音響信号をア
    ナログ音響信号に変換するディジタル/アナログ変換手
    段を備え、上記ディジタル/アナログ変換手段から出力
    されたアナログ音響信号が上記送信手段に供給されると
    ともに、上記送信手段から送信されたアナログ音響信号
    が上記受信手段によって受信され、上記受信手段によっ
    て受信されたアナログ音響信号が上記制御手段によって
    補正されることを特徴とする請求の範囲第29項記載のオ
    ーディオ再生装置。
  31. 【請求項31】聴取者の頭部の基準方向に対する仮想音
    源位置から固定された聴取者の両耳に至るインパルスレ
    スポンスを測定し、測定されたインパルスレスポンスを
    記憶した第1の記憶手段と、 ディジタル信号源から供給される複数チャンネルのディ
    ジタル音響信号と上記第1の記憶手段に記憶されたイン
    パルスレスポンスとの畳み込み積分を行なう積分手段
    と、 上記積分手段で上記インパルスレスポンスとの畳み込み
    積分を行われた上記各チャンネルのディジタル音響信号
    を右側ディジタル音響信号及び左側ディジタル音響信号
    毎に加算して2チャンネルのディジタル音響信号に変換
    する加算手段と、 上記加算手段により加算された2チャンネルのディジタ
    ル音響信号を無線により送信する送信部および上記複数
    チャンネルのディジタル音響信号に関する信号処理の内
    容を変更する信号処理変更信号を受信する受信部とを有
    する第1の無線手段と、 上記第1の無線手段の上記送信部により送信された2チ
    ャンネルのディジタル音響信号を受信する受信部および
    上記信号処理変更信号を送信する送信部とを有する第2
    の無線手段と、 聴取者の両耳の近傍に配置され、上記第2の無線手段の
    受信部により受信された上記2チャンネルのディジタル
    音響信号をディジタル/アナログ変換手段によりアナロ
    グ音響信号に変換して再生する音響再生手段と、 基準方向に対する聴取者の頭部の運動を検出する角度検
    出手段と、 上記角度検出手段により検出された角度をディジタルア
    ドレス信号に変換するアドレス信号変換手段と、 所定の角度毎に、聴取者の頭部の基準方向に対する仮想
    音源位置から聴取者の両耳に至る音響信号の時間差及び
    レベル差を測定し、上記音響信号の時間差及びレベル差
    を表す制御信号を記憶した第2の記憶手段と、 上記第2の無線手段の受信部で受信された2チャンネル
    のディジタル音響信号を上記第2の記憶手段に記憶され
    た上記制御信号で補正して上記音響再生手段に供給する
    制御手段とを備え、 上記第1の無線手段の送信部から送信された上記2チャ
    ンネルのディジタル音響信号を上記第2の無線手段の受
    信部で受信することにより、上記アドレス信号変換手段
    のディジタルアドレス信号により上記第2の記憶手段の
    アドレスを指定し、上記記憶手段に記憶された上記制御
    信号を読み出し、上記第2の無線手段の受信部で受信し
    た上記2チャンネルのディジタル音響信号を上記制御手
    段において上記制御信号により補正するとともに、上記
    第2の無線手段の送信部から上記第1の無線手段の受信
    部に上記信号処理変更信号を送信し、上記複数チャンネ
    ルのディジタル音響信号に関する信号処理の内容を変更
    することにより、上記制御信号に基づいて上記2チャン
    ネルのディジタル音響信号を聴取者の頭部の運動に対し
    てリアルタイムで補正するようにしたオーディオ再生装
    置。
  32. 【請求項32】上記音響再生手段は、聴取者の左右の両
    耳に対するように配置された一対のスピーカであること
    を特徴とする請求の範囲第1,3,13,14,20,29,31項のいず
    れかに記載のオーディオ再生装置。
  33. 【請求項33】上記音響再生手段は、聴取者の左右の両
    耳を結ぶ直線より聴取者の前方に配置された一対のスピ
    ーカであることを特徴とする請求の範囲第32項記載のオ
    ーディオ再生装置。
  34. 【請求項34】上記音響再生手段は、聴取者の左右の両
    耳を結ぶ直線より聴取者の後方に配置されたスピーカで
    あることを特徴とする請求の範囲第32項記載のオーディ
    オ再生装置。
  35. 【請求項35】上記角度検出手段は、聴取者の頭部に設
    けられた振動ジャイロであることを特徴とする請求の範
    囲第1,3,13,14,20,29,31項のいずれかに記載のオーディ
    オ再生装置。
  36. 【請求項36】上記角度検出手段は、聴取者の頭部近傍
    に設けられた超音波送受信装置であることを特徴とする
    請求の範囲第1,3,13,14,20,29,31項のいずれかに記載の
    オーディオ再生装置。
  37. 【請求項37】上記角度検出手段は、聴取者の頭部近傍
    に設けられた非接触回転センサであることを特徴とする
    請求の範囲第1,3,13,14,20,29,31項のいずれかに記載の
    オーディオ再生装置。
  38. 【請求項38】上記角度検出手段は、聴取者の頭部近傍
    に設けられたカメラであることを特徴とする請求の範囲
    第1,3,13,14,20,29,31項のいずれかに記載のオーディオ
    再生装置。
  39. 【請求項39】上記信号源から複数のチャンネルの音響
    信号が供給され、上記音響信号の上記複数のチャンネル
    数に応じて、上記複数のチャンネル数の音響信号を上記
    複数のチャンネル数よりも少ない他のチャンネル数の音
    響信号に変換するデコーダを備える請求の範囲第1,3,1
    3,14,20,29,31項のいずれかに記載のオーディオ再生装
    置。
  40. 【請求項40】上記他のチャンネル数に対応して、音響
    信号が再生されるスピーカの配置のシミュレーションを
    変更できることを特徴とする請求の範囲第39項記載のオ
    ーディオ再生装置。
  41. 【請求項41】上記他のチャンネル数に対応して、音響
    信号が再生されるスピーカの距離のシミュレーションを
    変更できることを特徴とする請求の範囲第39項記載のオ
    ーディオ再生装置。
  42. 【請求項42】上記信号源から複数のチャンネルの音響
    信号が供給され、上記音響信号の上記複数のチャンネル
    数に応じて、上記複数のチャンネル数の音響信号を上記
    複数のチャンネル数よりも多い他のチャンネル数の音響
    信号に変換するエンコーダを備えることを特徴とする請
    求の範囲第1,3,13,14,20,29,31項のいずれかに記載のオ
    ーディオ再生装置。
  43. 【請求項43】上記エンコーダは、上記他のチャンネル
    数に対応する位置情報を有し、上記位置情報により、音
    響信号が再生されるスピーカの配置のシミュレーション
    を変更できることを特徴とする請求の範囲第42項記載の
    オーディオ再生装置。
JP51072395A 1993-10-04 1994-10-04 オーディオ再生装置 Expired - Lifetime JP3422026B2 (ja)

Applications Claiming Priority (13)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24818793 1993-10-04
JP5-248187 1993-10-04
JP27089093 1993-10-28
JP5-270890 1993-10-28
JP5-275697 1993-11-04
JP27569793 1993-11-04
JP5-282742 1993-11-11
JP28274293 1993-11-11
JP6-7901 1994-01-27
JP790194 1994-01-27
JP4122394 1994-03-11
JP6-41223 1994-03-11
PCT/JP1994/001661 WO1995010167A1 (fr) 1993-10-04 1994-10-04 Dispositif de reproduction audio

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3422026B2 true JP3422026B2 (ja) 2003-06-30

Family

ID=27548089

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51072395A Expired - Lifetime JP3422026B2 (ja) 1993-10-04 1994-10-04 オーディオ再生装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US5687239A (ja)
EP (1) EP0674467B1 (ja)
JP (1) JP3422026B2 (ja)
DE (1) DE69434887T2 (ja)
WO (1) WO1995010167A1 (ja)

Families Citing this family (36)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5717767A (en) * 1993-11-08 1998-02-10 Sony Corporation Angle detection apparatus and audio reproduction apparatus using it
US5841879A (en) * 1996-11-21 1998-11-24 Sonics Associates, Inc. Virtually positioned head mounted surround sound system
JP4023842B2 (ja) * 1995-09-28 2007-12-19 ソニー株式会社 ディジタルフィルタ及び音響再生装置
AT405340B (de) * 1997-03-13 1999-07-26 Frequentis Nachrichtentechik G Endstelle eines nachrichtenübertragungssystems
IL121155A (en) * 1997-06-24 2000-12-06 Be4 Ltd Headphone assembly and a method for simulating an artificial sound environment
JP3000982B2 (ja) * 1997-11-25 2000-01-17 日本電気株式会社 超指向性スピーカシステム及びスピーカシステムの駆動方法
JPH11275696A (ja) * 1998-01-22 1999-10-08 Sony Corp ヘッドホン、ヘッドホンアダプタおよびヘッドホン装置
JPH11220797A (ja) * 1998-02-03 1999-08-10 Sony Corp ヘッドホン装置
US6311155B1 (en) * 2000-02-04 2001-10-30 Hearing Enhancement Company Llc Use of voice-to-remaining audio (VRA) in consumer applications
FR2782228B1 (fr) * 1998-08-05 2001-05-25 Ct Scient Tech Batiment Cstb Dispositif de simulation sonore et procede pour realiser un tel dispositif
US6445834B1 (en) 1998-10-19 2002-09-03 Sony Corporation Modular image query system
US6256409B1 (en) 1998-10-19 2001-07-03 Sony Corporation Method for determining a correlation between images using multi-element image descriptors
JP4240683B2 (ja) * 1999-09-29 2009-03-18 ソニー株式会社 オーディオ処理装置
US6674915B1 (en) 1999-10-07 2004-01-06 Sony Corporation Descriptors adjustment when using steerable pyramid to extract features for content based search
JP4379976B2 (ja) * 1999-10-25 2009-12-09 ソニー株式会社 信号処理装置
FI113147B (fi) 2000-09-29 2004-02-27 Nokia Corp Menetelmä ja signaalinkäsittelylaite stereosignaalien muuntamiseksi kuulokekuuntelua varten
EP1425738A2 (en) * 2001-09-12 2004-06-09 Bitwave Private Limited System and apparatus for speech communication and speech recognition
JP4735920B2 (ja) * 2001-09-18 2011-07-27 ソニー株式会社 音響処理装置
US6990211B2 (en) * 2003-02-11 2006-01-24 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Audio system and method
US7613313B2 (en) * 2004-01-09 2009-11-03 Hewlett-Packard Development Company, L.P. System and method for control of audio field based on position of user
US7991176B2 (en) * 2004-11-29 2011-08-02 Nokia Corporation Stereo widening network for two loudspeakers
US8175286B2 (en) * 2005-05-26 2012-05-08 Bang & Olufsen A/S Recording, synthesis and reproduction of sound fields in an enclosure
JP4669340B2 (ja) * 2005-07-28 2011-04-13 富士通株式会社 情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
US8243967B2 (en) * 2005-11-14 2012-08-14 Nokia Corporation Hand-held electronic device
JP2007312367A (ja) * 2006-04-18 2007-11-29 Seiko Epson Corp 超音波スピーカの出力制御方法及び超音波スピーカシステム
GB2437399B (en) * 2006-04-19 2008-07-16 Big Bean Audio Ltd Processing audio input signals
EP1858296A1 (en) * 2006-05-17 2007-11-21 SonicEmotion AG Method and system for producing a binaural impression using loudspeakers
US20090324002A1 (en) * 2008-06-27 2009-12-31 Nokia Corporation Method and Apparatus with Display and Speaker
ES2332570B2 (es) * 2008-07-31 2010-06-23 Universidad Politecnica De Valencia Procedimiento y aparato para el realzado del estereo en grabaciones de audio.
JP4735993B2 (ja) * 2008-08-26 2011-07-27 ソニー株式会社 音声処理装置、音像定位位置調整方法、映像処理装置及び映像処理方法
JP4780185B2 (ja) 2008-12-04 2011-09-28 ソニー株式会社 音楽再生システムおよび情報処理方法
US10009706B2 (en) 2011-12-07 2018-06-26 Nokia Technologies Oy Apparatus and method of audio stabilizing
CN107852539B (zh) * 2015-06-03 2019-01-11 雷蛇(亚太)私人有限公司 耳机装置及控制耳机装置的方法
US10375506B1 (en) * 2018-02-28 2019-08-06 Google Llc Spatial audio to enable safe headphone use during exercise and commuting
US10440462B1 (en) * 2018-03-27 2019-10-08 Cheng Uei Precision Industry Co., Ltd. Earphone assembly and sound channel control method applied therein
TWI736129B (zh) * 2020-02-12 2021-08-11 宏碁股份有限公司 指定對象之聲源的調控方法及應用其之音源處理裝置

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5419242B2 (ja) * 1973-06-22 1979-07-13
JP2751166B2 (ja) * 1987-10-26 1998-05-18 ソニー株式会社 ヘッドホン装置
JP2671329B2 (ja) * 1987-11-05 1997-10-29 ソニー株式会社 オーディオ再生装置
JPH02200000A (ja) * 1989-01-27 1990-08-08 Nec Home Electron Ltd ヘッドフォン受聴システム
DE59006719D1 (de) * 1989-07-25 1994-09-08 Florian Meinhard Konig STEREOKOPFHöRER ZUR VORNEORTUNG VON MITTELS STEREOKOPFHöRERN ERZEUGTEN HöREREIGNISSEN.
JP2964514B2 (ja) * 1990-01-19 1999-10-18 ソニー株式会社 音響信号再生装置
US5495534A (en) * 1990-01-19 1996-02-27 Sony Corporation Audio signal reproducing apparatus
EP0661906A1 (en) * 1990-01-19 1995-07-05 Sony Corporation Headphone device
JPH03296400A (ja) * 1990-04-13 1991-12-27 Sony Corp 音響信号再生装置
JP2605450B2 (ja) * 1990-05-08 1997-04-30 ヤマハ株式会社 音像定位装置
JPH0444500A (ja) * 1990-06-11 1992-02-14 Yamaha Corp ヘッドホンシステム
JPH05115099A (ja) * 1991-10-22 1993-05-07 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 頭外定位ヘツドホン受聴装置
JP2873984B2 (ja) * 1991-11-22 1999-03-24 日本電信電話株式会社 頭外音像定位ステレオ受聴器受聴方法
JPH05168097A (ja) * 1991-12-16 1993-07-02 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 頭外音像定位ステレオ受聴器受聴方法
JPH05183998A (ja) * 1992-01-07 1993-07-23 Seiko Epson Corp ヘッドフォン
JP2741817B2 (ja) * 1992-03-06 1998-04-22 日本電信電話株式会社 頭外定位ヘッドホン受聴装置
JPH0795698A (ja) * 1993-09-21 1995-04-07 Sony Corp オーディオ再生装置

Also Published As

Publication number Publication date
EP0674467B1 (en) 2006-11-29
DE69434887T2 (de) 2007-07-12
EP0674467A1 (en) 1995-09-27
EP0674467A4 (en) 2000-01-26
DE69434887D1 (de) 2007-01-11
WO1995010167A1 (fr) 1995-04-13
US5687239A (en) 1997-11-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3422026B2 (ja) オーディオ再生装置
JP3385725B2 (ja) 映像を伴うオーディオ再生装置
JP3687099B2 (ja) 映像信号及び音響信号の再生装置
JP3435156B2 (ja) 音像定位装置
US5761314A (en) Audio reproducing apparatus and headphone
US6975731B1 (en) System for producing an artificial sound environment
US7817806B2 (en) Sound pickup method and apparatus, sound pickup and reproduction method, and sound reproduction apparatus
EP0932324B1 (en) Sound reproducing device
US5526429A (en) Headphone apparatus having means for detecting gyration of user&#39;s head
JP3435141B2 (ja) 音像定位装置、並びに音像定位装置を用いた会議装置、携帯電話機、音声再生装置、音声記録装置、情報端末装置、ゲーム機、通信および放送システム
US20070009120A1 (en) Dynamic binaural sound capture and reproduction in focused or frontal applications
JP2003284196A (ja) 音像定位信号処理装置および音像定位信号処理方法
US20130243201A1 (en) Efficient control of sound field rotation in binaural spatial sound
JP4744695B2 (ja) 仮想音源装置
JPH0946800A (ja) 音像制御装置
JP2671329B2 (ja) オーディオ再生装置
US6983054B2 (en) Means for compensating rear sound effect
JP2900985B2 (ja) ヘッドホン再生装置
JP2947235B2 (ja) ヘッドホン装置
JPH07107599A (ja) ヘッドホン受聴装置
JPH06165285A (ja) 多次元音再生装置及びオーディオ信号再生方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080425

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090425

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090425

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100425

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100425

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120425

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130425

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140425

Year of fee payment: 11

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term