JP4379976B2 - 信号処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、予め測定あるいは計算により算出された伝送系の2点間の伝達特性を表すインパルス応答を再現する信号処理装置およびそれを使用したヘッドホン装置並びにスピーカ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、受聴者の左前方音源LF、右前方音源RF、左後方音源LB、および右後方音源RBを入力オーディオ信号とし、各入力オーディオ信号による音像を頭外に定位させるようにした頭外音像定位型ヘッドホン装置が提案されている。
【0003】
図6は、従来の頭外音像定位型ヘッドホン装置の構成を示す図である。この頭外音像定位型ヘッドホン装置は、図6において、上述した左前方音源LF、右前方音源RF、左後方音源LB、および右後方音源RBの4チャンネルオーディオ信号が供給される入力端子101〜104と、入力オーディオ信号をディジタル信号に変換するA/D(Analog−Digital)コンバータ(AD1〜AD4)105〜108と、ディジタル信号に変換された入力オーディオ信号に対して所定の信号処理を行う信号処理装置109と、信号処理装置109の出力をそれぞれアナログ信号に変換するD/A(Digital−Analog)コンバータ(DA1〜DA2)110〜111と、アナログ信号に変換されたオーディオ信号をそれぞれ増幅する増幅器(AM1〜AM2)112〜113と、増幅されたオーディオ信号がぞれぞれ供給されるヘッドホン114とを有して構成される。
【0004】
図7は、従来の信号処理装置の構成を示すブロック図である。図7において、上記信号処理装置109は、ディジタル信号に変換されて入力端子121〜124に供給される入力オーディオ信号DLF,DRF,DLB,DRBに対して、予め測定あるいは計算により算出された上記4チャンネル音源から受聴者の左耳および右耳までの各インパルス応答を畳み込むディジタルFIRフィルタ(F1〜F8)125〜132と、ディジタルFIRフィルタ(F1〜F8)125〜132の出力を左チャンネル同士および右チャンネル同士それぞれ加算する1対の加算回路133〜138と、加算回路133〜138の出力を出力信号として出力する出力端子139〜140とを有して構成される。
【0005】
このような従来のヘッドホン装置により、4チャンネルの入力オーディオ信号をスピーカで再生した再生音を受聴している場合と同じ音場を受聴者の頭外に生成させようとしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来のヘッドホン装置によると、スピーカで再生した再生音を受聴しているのと同じ様な音場を受聴者の頭外に生成しようとした場合に、上記ヘッドホン装置内部の各ディジタルFIRフィルタで畳み込むインパルス応答の長さを膨大にする必要があった。そのため、各ディジタルFIRフィルタをディジタル信号処理用IC(集積回路)を用いて構成しようとすると、高速の積和演算回路や多数のメモリを搭載したディジタル信号処理用ICが必要になり、従って、回路規模が大きくなってしまうと共に、極めて高価なシステムになってしまうという不都合があった。
【0007】
この発明は、上述した課題を解決して、回路規模を小さくして構成を簡略化すると共に、コストを低下させて、スピーカで再生した再生音を受聴しているのと同様の音場を受聴者の頭外に生成させることができる信号処理装置およびそれを使用したヘッドホン装置並びにスピーカ装置を提供することを目的とする。
【0008】
具体的には、インパルス応答を畳み込むためのFIRフィルタを構成したディジタル信号処理装置で、比較的タップ長の短いFIRフィルタを用いて実際のインパルス応答に近似した長さ及び特徴をもつインパルス応答の畳み込みを行えることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数チャンネルの入力オーディオ信号に、予め測定あるいは計算により算出された発音源から測定点までのインパルス応答を畳み込んで出力するようにした信号処理手段により所定の信号処理を行う信号処理装置において適用されるものである。
【0010】
そして、上記信号処理手段は、第1のチャンネル、第2のチャンネル、第3のチャンネル、第4のチャンネル及び第5のチャンネルを有する入力オーディオ信号が入力される信号処理装置において、第1のチャンネルが入力される有限タップ長の第1及び第2のFIRフィルタと、第2のチャンネルが入力される有限タップ長の第3及び第4のFIRフィルタと、第3のチャンネルが入力される有限タップ長の第5及び第6のFIRフィルタと、第4のチャンネルが入力される有限タップ長の第7及び第8のFIRフィルタと、第5のチャンネルが入力される有限タップ長の第9及び第10のFIRフィルタと、第1のFIRフィルタからの出力、第3のFIRフィルタからの出力、第5のFIRフィルタからの出力、第7のFIRフィルタからの出力及び第9のFIRフィルタからの出力を合成して第1の出力信号とする第1の合成部と、第2のFIRフィルタからの出力、第4のFIRフィルタからの出力、第6のFIRフィルタからの出力、第8のFIRフィルタからの出力及び第10のFIRフィルタからの出力を合成して第2の出力信号とする第2の合成部と、を備え、第1のFIRフィルタは、タップ途中に設けた加算点において、第5のFIRフィルタからのタップ終端の遅延出力信号を所定乗算係数により乗算した後に加算され、第2のFIRフィルタは、タップ途中に設けた加算点において、第6のFIRフィルタからのタップ終端の遅延出力信号を所定乗算係数により乗算した後に加算され、第3のFIRフィルタは、タップ途中に設けた加算点において、第7のFIRフィルタからのタップ終端の遅延出力信号を所定乗算係数により乗算した後に加算され、第4のFIRフィルタは、タップ途中に設けた加算点において、第8のFIRフィルタからのタップ終端の遅延出力信号を所定乗算係数により乗算した後に加算され、第1の合成部は、第1のFIRフィルタからの出力と第3のFIRフィルタからの出力とが加算された後に第1の残響付加部によって残響付加され、当該残響付加された信号に第5のFIRフィルタからの出力、第7のFIRフィルタからの出力及び第9のFIRフィルタからの出力が加算され、第2の合成部は、第2のFIRフィルタからの出力と第4のFIRフィルタからの出力とが加算された後に第2の残響付加部によって残響付加され、当該残響付加された信号に第6のFIRフィルタからの出力、第8のFIRフィルタからの出力及び第10のFIRフィルタからの出力が加算されるようにしたものである。
【0013】
この発明によれば以下の作用をする。所定乗算係数により乗算された遅延出力信号が入力される、第1の系統および第2の系統のあるチャンネルのディジタルFIRフィルタのタップの位置を適切に選ぶことにより、第1の系統および第2の系統の他のチャンネルのディジタルFIRフィルタで畳み込まれるインパルス応答の長さが第1の系統および第2の系統のあるチャンネルのディジタルFIRフィルタで畳み込まれるインパルス応答の長さより短くても、これら第1の系統および第2の系統のあるチャンネルのディジタルFIRフィルタと、第1の系統および第2の系統の他のチャンネルのディジタルFIRフィルタと、残響付加回路とにより再現されるインパルス応答の長さを増大させるように作用する。
【0014】
また、再現しようとするインパルス応答の性質を表す主たる部分は、第1の系統および第2の系統の他のチャンネルのディジタルFIRフィルタにより畳み込まれ、さらにその出力が第1の系統および第2の系統のあるチャンネルのディジタルFIRフィルタに対する残響付加回路の残響出力と加算されるため、第1の系統および第2の系統の他のチャンネルのディジタルFIRフィルタのタップ終端からの遅延信号に対して処理される部分の信号成分の性質が再現しようとするインパルス応答の性質と異なっているとしても、再現されるインパルス応答の性質は、所望のインパルス応答の性質とほぼ変わらない性質のものとなるように作用する。
【0015】
これにより、上述した入力オーディオ信号をその音源の位置に置いたスピーカで再生したものを受聴しているのと同じ様な音場を受聴者の頭外に生成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、この発明のヘッドホン装置の一実施の形態の構成を示すもので、図5に示すように受聴者Lの左前方音源LF、右前方音源RF、左後方音源LB、右後方音源RBおよび中央音源CEを入力オーディオ信号とし、各入力オーディオ信号による音像を頭外に定位させるようにした頭外音像定位型ヘッドホン装置である。
【0017】
図1において、本実施の形態のヘッドホン装置は、上述した左前方音源LF、右前方音源RF、左後方音源LB、右後方音源RB、および中央音源CEの5チャンネルオーディオ信号が供給される入力端子1〜5と、入力オーディオ信号をディジタル信号に変換するA/D(Analog−Digital)コンバータ(AD1〜AD5)7〜11と、ディジタル信号に変換された入力オーディオ信号に対して所定の信号処理を行う、例えばDSP(Digital Signal Processor)により構成された信号処理装置12と、信号処理装置12の出力信号をそれぞれアナログ信号に変換するD/A(Digital−Analog)コンバータ(DA1〜DA2)13〜14と、アナログ信号に変換されたオーディオ信号をそれぞれ増幅する増幅器(AM1〜AM2)15〜16と、増幅されたオーディオ信号がぞれぞれ供給されて再生音を出力するヘッドホン17とを有して構成される。
【0018】
上述した信号処理装置12は、その詳細な構成については後述するが、本実施の形態では、特に、この信号処理装置12により変換されたオーディオ信号をヘッドホン17で再生した場合に、オーディオ信号をスピーカで再生した再生音を受聴しているのと同じような音場を受聴者の頭外に生成することができるように信号処理を施すものである。また、さらに、上述した信号処理装置12は、構成が簡略化され、信号処理速度が増大することにより、信号処理量が大幅に増大するため、上述したヘッドホン装置内部の各ディジタルFIRフィルタで畳み込むインパルス応答の長さは、従来よりも大幅に長くすることができ、これにより、安価なディジタル信号処理用ICを用いて上述した信号処理装置12を実現することができる。
【0019】
図2は、本実施の形態の信号処理装置の構成を示すブロック図である。
図2において、上記信号処理装置12は、ディジタル信号に変換されて入力端子21〜25に供給される入力オーディオ信号DLF,DRF,DLB,DRB,DCEに対して、予め測定あるいは計算により算出された上記5チャンネル音源から受聴者の左耳および右耳までの各インパルス応答を畳み込むディジタルFIRフィルタ(F1〜F10)26〜35と、ディジタルFIRフィルタ(F1〜F10)26〜35の出力を左チャンネル同士および右チャンネル同士それぞれ加算する1対の加算回路36〜39と、加算回路36〜37の出力を入力信号とする残響付加回路40〜41と、残響付加回路40〜41の出力と加算回路38〜39の出力を左チャンネル同士および右チャンネル同士それぞれ加算する1対の加算回路42〜43と、加算回路42〜43の出力を出力信号として出力する出力端子44〜45とを有して構成される。
【0020】
上述のように構成された信号処理装置は、FIRフィルタ26〜35および残響付加回路40〜41に対して、FIRフィルタ26〜29のタップ途中に設けた加算点において、FIRフィルタ30〜33からのタップ終端の遅延出力信号を、後述するように所定乗算係数により乗算した後に加算し、FIRフィルタ26〜29の左チャンネル同士および右チャンネル同士の出力に残響付加回路40〜41により残響付加処理をした後にFIRフィルタ30〜35の出力を左チャンネル同士および右チャンネル同士それぞれ加算して出力信号とする。
【0021】
このようなヘッドホン装置により、5チャンネルの入力オーディオ信号をスピーカで再生した再生音を受聴している場合と同じ音場を受聴者の頭外に生成させるものである。
ここで、図3および図4を参照しながら、上述の信号処理装置12の詳細な信号処理の構成について説明する。
【0022】
図3は、本実施の形態の信号処理装置のディジタルFIRフィルタの構成図である。図3は、ディジタルFIRフィルタ(F1)26とディジタルFIRフィルタ(F5)30との関係を示す。なお、ディジタルFIRフィルタ(F2)27とディジタルFIRフィルタ(F6)31、ディジタルFIRフィルタ(F3)28とディジタルFIRフィルタ(F7)32、ディジタルFIRフィルタ(F4)29とディジタルFIRフィルタ(F8)33との関係は、それぞれ上述したディジタルFIRフィルタ(F1)26とディジタルFIRフィルタ(F5)30との関係と同様である。よって、以下に、上述した信号処理装置の詳細な信号処理の動作については、ディジタルFIRフィルタ(F1)26とディジタルFIRフィルタ(F5)30との関係を用いて説明する。
【0023】
上述したディジタルFIRフィルタ(F1)26は、ディジタル信号DLFが入力される入力端子51からそれぞれ複数の遅延器52が52−1〜52−nまで直列に接続されており、各遅延器52−1〜52−nにはディジタル信号DLFの入力オーディオ信号の遅延処理をするためのタップ付き遅延線が設けられていて、この遅延線の各タップの信号に係数を乗算する複数の乗算器53が53−1〜53−n+1まで並列に設けられ、この複数の乗算器53−1〜53−n+1の出力信号を順次加算する加算器54が54−1〜54−nまで直列に接続して設けられ、出力端子55から出力信号を出力するように構成されている。
【0024】
また、ディジタルFIRフィルタ(F5)30も同様に、ディジタル信号DLBが入力される入力端子56からそれぞれ複数の遅延器57が57−1〜57−nまで直列に接続されており、各遅延器57−1〜57−nにはディジタル信号DLBの入力オーディオ信号の遅延処理をするためのタップ付き遅延線が設けられていて、この遅延線の各タップの信号に係数を乗算する複数の乗算器58が58−1〜58−n+1まで並列に設けられ、この複数の乗算器58−1〜58−n+1の出力信号を順次加算する加算器59が59−1〜59−nまで直列に接続して設けられ、出力端子61から出力信号を出力するように構成されている。
【0025】
図4は、本実施の形態の信号処理装置の残響付加回路の構成図である。
残響付加回路(R1)40および残響付加回路(R2)41は同様の構成であるので、ここでは残響付加回路(R1)40の構成のみを説明する。
【0026】
上述した残響付加回路(R1)40は、入力端子71に対して複数の遅延器72が並列に72−1〜72−nまで設けられ、各複数の遅延器72−1〜72−nの遅延出力に対して所定の係数を乗算する複数の乗算器73が並列に73−1〜73−nまで設けられ、各複数の乗算器73−1〜73−nの乗算出力を加算する加算器74が設けられ、加算器74の加算出力が出力端子75に供給されるように構成されている。
【0027】
次に、図3および図4を参照しながら、上述の信号処理装置12の詳細な信号処理の動作について説明する。
このように構成された有限長ディジタルフィルタであるディジタルFIR(Finite Impulse Response)フィルタ(F1)26においては、まず、ディジタル信号DLFに対して、遅延器52により遅延させて、乗算器53により所定の係数を乗算した後に、加算器54により加算する操作、いわゆる畳み込み(convolution)演算を行う。このようにして所定のインパルス応答が畳み込まれたディジタル信号は残響付加回路(R1)40に供給される。
【0028】
残響付加回路(R1)40においては、複数の遅延器72で遅延処理され、それぞれの遅延器72の遅延素子の数およびそれぞれの乗算器73の乗算係数に、入力オーディオ信号DLFの音源の位置に合わせた適切な値を選ぶことにより、ディジタルFIRフィルタ(F1)26で畳み込まれるインパルス応答の長さが短くても、ディジタルFIRフィルタ(F1)26と残響付加回路(R1)40とにより再現されるインパルス応答の長さは増大する。これにより上述した入力オーディオ信号をその音源の位置に置いたスピーカで再生した再生音を受聴しているのと同じ様な音場を受聴者の頭外に生成することができる。
【0029】
次に、ディジタルFIRフィルタ(F5)30において、入力オーディオ信号DLBに対して、同様に、遅延器57により遅延させて、乗算器58により所定の係数を乗算した後に、加算器59により加算する操作、いわゆる畳み込み演算を行う。
【0030】
ここで、ディジタルFIRフィルタ(F5)30の遅延器57−nの後段の遅延線のタップに接続される遅延器出力端子60から出力される遅延信号に、乗算器62により所定の係数を乗算して、上述したディジタルFIRフィルタ(F1)26の所定位置の遅延器52−m(n>m)の前段の遅延線のタップに設けられた加算器63に供給される遅延信号に乗算器62の乗算出力を加算する。
【0031】
また、ディジタルFIRフィルタ(F5)30の出力端子61からの出力と残響付加回路(R1)40の出力とを加算回路42により加算して出力端子44から出力信号が出力される。
【0032】
ここで、上述した乗算器62による乗算係数および乗算器62の出力を加算する遅延信号が入力されるディジタルFIRフィルタ(F1)26の遅延器52−m(n>m)の前段の遅延線のタップの位置を適切に選ぶことにより、ディジタルFIRフィルタ(F5)30で畳み込まれるインパルス応答の長さがディジタルFIRフィルタ(F1)26で畳み込まれるインパルス応答の長さより短くても、ディジタルFIRフィルタ(F5)30と、ディジタルFIRフィルタ(F1)26と、残響付加回路(R1)40と、加算回路42とにより再現されるインパルス応答の長さを増大させることができる。
【0033】
また、再現しようとするインパルス応答の性質を表す主たる部分はディジタルFIRフィルタ(F5)30により畳み込まれ、その出力が最終段の加算回路42によりディジタルFIRフィルタ(F1)26で畳み込まれるインパルス応答に対する残響付加回路(R1)40の残響出力と加算されるため、ディジタルFIRフィルタ(F5)30の遅延器出力端子60から出力される遅延信号に対して処理される部分の信号成分の性質が再現しようとするインパルス応答の性質と異なっているとしても、再現されるインパルス応答の性質は、所望のインパルス応答の性質とほぼ変わらない性質のものとすることができる。
【0034】
これにより、上述した入力オーディオ信号を図5に示すような左前方音源LF、右前方音源RF、左後方音源LB、右後方音源RB、および中央音源CEの位置に置いたスピーカで再生したものを受聴者Lが受聴しているのと同じ様な音場を受聴者Lの頭外に生成することができる。
【0035】
上述した本実施の形態の信号処理装置におけるディジタルFIRフィルタの動作により、入力オーディオ信号に基づく所定のインパルス応答の初期反射音を生成し、残響付加回路の動作により主残響音および副残響音を生成するようにすればよい。これにより、再現される初期反射音のインパルス応答の長さを増大させることにより音源の定位をより効果的に実現し、主残響音および副残響音のインパルス応答の長さを増大させることによりインパルス応答の密度を密にすることができ、これにより臨場感のある高品質の再生音を生成することができる。
【0036】
なお、上述した本実施の形態の信号処理装置におけるディジタルFIRフィルタの動作における、ディジタルFIRフィルタ(F5)30の遅延器57−nの後段の遅延線のタップの位置、およびディジタルFIRフィルタ(F1)26の遅延器52−m(n>m)の前段の遅延線のタップの位置は、例えば、100タップ出力を50タップ出力に加えても良いし、256タップ出力を128タップ出力に加えても良い。これにより、従来は、例えば、4kタップ必要であったのに対してタップ数を減らすことができ、処理量を少なくすることができる。
【0037】
これにさらに、残響付加回路により処理量の少ないオーディオ信号に対して容易に重み付けとして残響付加処理をすることができ、これにより、簡単な処理でインパルス応答の収束部分に擬似的残響音を付加することにより、元のインパルス応答に近くすることができる。
【0038】
なお、上述した本実施の形態において、左前方音源LF、右前方音源RF、左後方音源LB、右後方音源RB、および中央音源CEの5チャンネルオーディオ信号が供給される例を示したが、これに限らず、上述した5チャンネルの位置から少しずらしたりまたは同じ位置に、スーパーウーハーやサブウーハーなどのサブチャンネルを増設して、Nチャンネルに拡張しても上述と同様の効果を得ることができる。
【0039】
上述した本実施の形態の信号処理装置における信号処理動作により、従来の技術に比べて、同様の音場を得るために必要なディジタルFIRフィルタによるインパルス応答の畳み込み演算の量を大幅に削減することができ、後段の残響付加回路の演算処理を含めても、全体の演算量および必要なメモリの数を減少させることができる。
【0040】
従って、本実施の形態の信号処理装置をヘッドホン装置に適用するにより、オーディオ信号をその音源の位置に置いたスピーカで再生した再生音を受聴しているのと同じような音場をヘッドホンによる再生によって再現するための信号処理が、従来の技術で不可能であった、演算能力が低く搭載メモリの数も少ない安価で規模の小さいディジタル信号処理用ICを用いて実現することができる。
【0041】
また、これに限らず、本実施の形態の信号処理装置を多チャンネルのオーディオ信号を受聴者の前方に配置された2個のスピーカで再生するスピーカ装置に適用することにより、出力左オーディオ信号および出力右オーディオ信号により2個のスピーカを駆動して所定のオーディオ信号による音像を2個のスピーカ以外の場所に定位させるようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】
従って、本発明によれば、予め測定あるいは計算により算出された伝送系の2点間の伝達特性を表すインパルス応答を再現する信号処理装置およびそれを使用したヘッドホン装置並びにスピーカ装置において、タップ長の短いFIRフィルタを用いても長いインパルス応答を再現できるようになるので、従来と比較して所望のインパルス応答を再現するのに必要なFIRフィルタを構成する遅延器の個数及び乗算器の個数を大幅に削減でき、信号処理装置を実現するために使用するICの規模を大幅に少なくでき、これをディジタル信号処理用IC等で構成する場合使用ICの個数を大幅に低減できる。従って当然実装面積を少なくし、消費電力を低減しなおかつ安価にシステムを構成できるという大きな効果を奏する。
【0043】
また本発明を頭外定位型のヘッドホンシステムに用い、発音源から両耳までのインパルス応答を畳み込むためのフィルタを本発明による信号処理装置を用いて構成すれば、初期反射音および残響音をサンプリング時間毎に分布する密なパルスで再現することができるので、再生された音像の頭外感あるいは前方定位感が遅延信号を加えない従来のFIRフィルタだけで構成した場合に比べて大幅に改善されるという効果を奏する。
【0044】
また、ヘッドホン再生で頭外感を得るシステムに限らず、この部分をスピーカ再生とし2個のスピーカの外側まで音像が定位するようにしたシステムでのFIR処理の置き換えとしても同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態のヘッドホン装置の構成を示す図である。
【図2】 本実施の形態の信号処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】 ディジタルFIRフィルタの構成図である。
【図4】 残響回路の構成図である。
【図5】 音源の定位を示す図である。
【図6】 従来のヘッドホン装置の構成を示す図である。
【図7】 従来の信号処理装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1〜5……入力端子、7〜11……A/Dコンバータ、12……信号処理装置、13〜14……D/Aコンバータ、15〜16……増幅器、17……ヘッドホン、21〜25……入力端子、26〜36……ディジタルFIRフィルタ、36〜39……加算回路、40〜41……残響付加回路、42〜43……加算回路、44〜45……出力端子、51、56……入力端子、52、57……遅延器、53、58……乗算器、54、59……加算器、55、61……出力端子、60……遅延器出力端子、62……乗算器、63……加算器、71……入力端子、72……遅延器、73……乗算器、74……加算器、75……出力端子

Claims (1)

  1. 第1のチャンネル、第2のチャンネル、第3のチャンネル、第4のチャンネル及び第5のチャンネルを有する入力オーディオ信号が入力される信号処理装置において、
    上記第1のチャンネルが入力される有限タップ長の第1及び第2のFIRフィルタと、
    上記第2のチャンネルが入力される有限タップ長の第3及び第4のFIRフィルタと、
    上記第3のチャンネルが入力される有限タップ長の第5及び第6のFIRフィルタと、
    上記第4のチャンネルが入力される有限タップ長の第7及び第8のFIRフィルタと、
    上記第5のチャンネルが入力される有限タップ長の第9及び第10のFIRフィルタと、
    上記第1のFIRフィルタからの出力、上記第3のFIRフィルタからの出力、上記第5のFIRフィルタからの出力、上記第7のFIRフィルタからの出力及び上記第9のFIRフィルタからの出力を合成して第1の出力信号とする第1の合成部と、
    上記第2のFIRフィルタからの出力、上記第4のFIRフィルタからの出力、上記第6のFIRフィルタからの出力、上記第8のFIRフィルタからの出力及び上記第10のFIRフィルタからの出力を合成して第2の出力信号とする第2の合成部と、
    を備え、
    上記第1のFIRフィルタは、タップ途中に設けた加算点において、上記第5のFIRフィルタからのタップ終端の遅延出力信号を所定乗算係数により乗算した後に加算され、
    上記第2のFIRフィルタは、タップ途中に設けた加算点において、上記第6のFIRフィルタからのタップ終端の遅延出力信号を所定乗算係数により乗算した後に加算され、
    上記第3のFIRフィルタは、タップ途中に設けた加算点において、上記第7のFIRフィルタからのタップ終端の遅延出力信号を所定乗算係数により乗算した後に加算され、
    上記第4のFIRフィルタは、タップ途中に設けた加算点において、上記第8のFIRフィルタからのタップ終端の遅延出力信号を所定乗算係数により乗算した後に加算され、
    上記第1の合成部は、上記第1のFIRフィルタからの出力と上記第3のFIRフィルタからの出力とが加算された後に第1の残響付加部によって残響付加され、当該残響付加された信号に上記第5のFIRフィルタからの出力、上記第7のFIRフィルタからの出力及び上記第9のFIRフィルタからの出力が加算され、
    上記第2の合成部は、上記第2のFIRフィルタからの出力と上記第4のFIRフィルタからの出力とが加算された後に第2の残響付加部によって残響付加され、当該残響付加された信号に上記第6のFIRフィルタからの出力、上記第8のFIRフィルタからの出力及び上記第10のFIRフィルタからの出力が加算される
    信号処理装置。
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