JP3417409B2 - 電動機 - Google Patents

電動機

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JP3417409B2
JP3417409B2 JP2001378344A JP2001378344A JP3417409B2 JP 3417409 B2 JP3417409 B2 JP 3417409B2 JP 2001378344 A JP2001378344 A JP 2001378344A JP 2001378344 A JP2001378344 A JP 2001378344A JP 3417409 B2 JP3417409 B2 JP 3417409B2
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electric motor
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permanent magnet
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典禎 西山
友一 中村
康文 一海
幸夫 本田
浩 村上
慎一朗 川野
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Synchronous Machinery (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転磁界を発生す
るステータを備えリラクタンストルクを利用して回転駆
動する同期電動機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的な同期電動機において、ス
テータはリング状のヨーク部から、その内周側に複数の
ティース部を一体的に突出している。なお、このステー
タは、内周側に突出した複数のティース部を備えたステ
ータ板を積層して作られる。また、これら、ティース部
間にスロット部を形成したステータコアを有しており、
そのスロット部に、巻線を分布巻により巻装して構成さ
れる。この分布巻とは、スロット部を介して離れた、テ
ィース部を巻回する巻回方法である。そして、ロータは
ロータコアの外周部に磁極用の複数の永久磁石を埋め込
み、中心部に回転軸を嵌着して構成されている。
【0003】このように、永久磁石をロータ内部に埋め
込むことで、マグネットトルクに加えてリラクタンスト
ルクをも利用することが可能な永久磁石埋め込みモータ
は、永久磁石の中心とロータ中心とを結ぶ方向であるd
軸方向のインダクタンスLdと、d軸に対して電気角で
90度回転した方向であるq軸方向のインダクタンスL
dにインダクタンス差が生じ、永久磁石によるマグネッ
トトルクに加えて、リラクタンストルクをも発生するよ
うに構成している。この関係を示したのが(1)式であ
る。 T=Pn[ψa×Iq+1/2(Ld−Lq)×Id×
Iq] ‥‥ (1) Pn:極対数 ψa:鎖交磁束 Ld:d軸インダクタンス Lq:q軸インダクタンス Iq:q軸電流 Id:d軸電流 (1)式は、dq変換の電圧方程式を示している。例え
ば、表面磁石モータでは、永久磁石の透磁率が空気とほ
ぼ等しいため、上式(1)の両インダクタンスLd、L
qはほぼ等しい値となり、(1)式の[ ]内の第2項に
示されるリラクタンストルク分は発生しない。
【0004】マグネットトルクに加えて、リラクタンス
トルクを利用して駆動する電動機のトルクを大きくしよ
うとする場合、(1)式に従うと、(Ld−Lq)の差
を大きくすればよい。磁束の通りやすさであるインダク
タンスLは N2(ティースの巻き数)に比例するの
で、ティースへの巻数を多くすれば、(Ld−Lq)の
差も大きくなり、リラクタンストルクを大きくすること
ができる。しかしながら、リラクタンストルクの利用を
大きくするために巻数を多くすると、巻数を多くするに
従い、ステータの端面に突出した巻線群、つまり、コイ
ルエンドが大きくなってしまう。よって、モータを効率
よく回転駆動するために、リラクタンストルクを利用し
ようとすると、コイルエンドが大きくなってしまい、モ
ータ自身が巨大化してしまう。
【0005】また、分布巻では、巻線を複数回巻回した
巻線輪を作り、この巻線輪をティースに挿入し、巻線輪
の周はティース周より大きくなってしまう。さらに、分
布巻ではスロットを介してティースを巻回するため、巻
線同士が、交差してしまう。このように、分布巻である
とステータの端面は巻線が突出してしまい、更に巻線が
交差してしまうためコイルエンドが大きくなってしま
う。逆に、電動機を小型にしようとすると電動機の出力
が低下してしまう。
【0006】よって、リラクタンストルクを利用し電動
機を効率よく駆動しようとすると、電動機のサイズが大
きくなってしまう。逆に、電動機を小型にしようとする
と電動機の出力が低下してしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、エアコン、冷
蔵庫、電気自動車等において高出力且つ小型化の電動機
が必要とされている。
【0008】また、ステータにおけるティース先端の磁
極部は周方向に幅広に形成されている。しかし、隣接す
る磁極部間にはスロット部に巻線を施すための開口部を
形成するためにティース先端間を周方向幅広にしなけれ
ばならない。つまり、分布巻により巻線輪をティースに
挿入するための開口部を必要としている。なお、ステー
タ内周とロータ外周との間の空隙は、スロット部の開口
部を除いて全周にわたって均一に設定されていることが
一般である。
【0009】上記従来の構成では、ステータ側におい
て、その磁極部間にスロット部の開口部が介在するの
で、磁極部から出る磁束分布に周方向の断絶部分を生じ
ることになり、ロータ回転時にコギングトルクが生じる
という問題があった。また、ロータ側においては、その
外周から出る磁束の分布を正弦波形に近づけると、コギ
ングトルクを小さくすることができるが、ステータ内周
とロータ外周との間の空隙が一定であるのでこの空隙部
での磁気抵抗は全周で一定であり、永久磁石の端部が隣
合う部分では磁束分布が急変し、コギングトルクが大き
くなる。このようにステータ側及びロータ側の両方のコ
ギングトルク増大要因が重なることによって大きなコギ
ングトルクを発生するという問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本件出願に係る第1の
の電動機は、ステータとロータとを有し、前記ステー
タのティース部に一身巻きの巻き線を設けられ、かつ前
記ロータがマグネットトルクに加えてリラクタンストル
クを利用して回転駆動される電動機において、前記ステ
ータは、複数のコアエレメントとフレーム部とから成
り、前記コアエレメント各々は、そのコアエレメントの
外周部において環状に組み合わされて前記フレーム部の
内周に固定されて、前記ロータは、複数の永久磁石が内
設され、このロータの外周は前記永久磁石部の端部の隣
合う部分に凹部が設けられ、前記凹部は直線状の切除部
であり、さらに前記凹部の底の位置は、前記永久磁石よ
りロータ外周側であり、本件出願に係る第2の発明の電
動機は、さらにロータ外周凹部とティース外周との間隔
は0.7mm以上であり、また、本件出願に係る第3の
発明の電動機は、さらに300アンペア以上で回転駆動
し、また、本件出願に係る第4の発明は、上記のいずれ
かの電動機を用いたコンプレッサであり、また、本件出
願に係る第5の発明は、上記のいずれかの電動機を用い
た電気自動車であり、また、本件出願に係る第6の発明
は、上記のいずれかの電動機を用いたエアコン であり、
また、本件出願に係る第7の発明は、上記のいずれかの
電動機を用いた冷蔵庫であり、このように、複数のティ
ース部を有するステータコアと、このティース部に一身
巻きを施した巻線部と、複数の永久磁石部を内設したロ
ータとを備え、このロータの外周は前記永久磁石部の端
部が隣合う部分に凹部を設けたことを特徴とする、マグ
ネットトルク及びリラクタンストルクを利用して回転駆
動する電動機であり、ステータ内周とロータ外周との間
の空隙が、永久磁石が隣合う部分でおおきくなる。つま
り、その空隙部での磁気抵抗が大きくなることにより、
ステータ内周とロータ外周との磁束分布が正弦波に近づ
き、コギングトルクが低減する。
【0011】
【発明の実施の形態】本件発明は、複数のティース部を
有するステータコアと、このティース部に一身巻きを施
した巻線部と、複数の永久磁石部を内設したロータとを
備え、このロータの外周は前記永久磁石部の端部が隣合
う部分に凹部を設けたことを特徴とする、マグネットト
ルク及びリラクタンストルクを利用して回転駆動する電
動機であり、ステータ内周とロータ外周との間の空隙
が、永久磁石が隣合う部分でおおきくなる。つまり、そ
の空隙部での磁気抵抗が大きくなることにより、ステー
タ内周とロータ外周との磁束分布が正弦波に近づき、コ
ギングトルクが低減する。
【0012】ステータコア内周とロータ外周との間の空
隙が、永久磁石部の端部が隣合う部分で広がっていると
よい。ロータ外周凹部とティース外周との間隔は0.7
mm以上であるとよい。また、300アンペア以上で回
転駆動する場合に効果的である。
【0013】
【実施例】(実施例1) 本実施例1について、第1図〜第4図を参照して説明す
る。第1図において、1はマグネットトルクに加えて、
リラクタンストルクを利用して回転駆動する同期電動機
で、ステータ2とロータ3と回転軸4にて構成されてい
る。ステータ2は、リング状のフレーム部21と、高透
磁率材料製の複数の独立したコアエレメント5を環状に
組み合わせて成るステータコア22と、各コアエレメン
ト5のティース部7、7間に形成されてスロット部8に
巻装された巻線にて構成され、それらの巻線群に電流が
与えられることで回転磁界を発生する。
【0014】ステータコア22は、複数のコアエレメン
ト5をその外周部6において環状に組み合わせてフレー
ム部21の内周に嵌合固定することにより構成されてお
り、各外周部6はその両側面6aの延長線がステータ中
心を通る扇形の全体形状に形成されている。前記コアエ
レメント5には、第2図に詳細に示すように、その内周
部分にスロット形成凹部9が形成され、隣接するティー
ス部7、7のスロット形成部9、9にてスロット部8が
形成されている。また、前記両側面6aには、コアエレ
メント5を環状に組み合わせた時に互いに係合する係合
突起10aと係合凹部10bから成る係止部11が設け
られ、コアエレメント5が相互に強固に固定されるよう
に構成されている。なお、コアエレメント5の組み合わ
せは、溶接によって行われるが、コアエレメント5の側
面に嵌合部を設けて、かしめ合わせて固定してもよい。
【0015】このように、ステータ2は複数のコアエレ
メント5を組み合わせて形成する。よって、ステータ2
に巻線を巻回するのではなく、コアエレメント5に巻線
を巻回した後、ステータ2を成形することができる。こ
のように、コアエレメント5の状態で巻線すれば、コア
エレメント5ごとに巻線を巻回するので、一身巻(集中
巻)を容易にすることができる。なぜならば、第4図に
示すように、巻線23を巻回する時、ティース部7の側
面には巻回に障害となるような箇所はない。よって、巻
回装置の巻線口はティース部7を中心に回転し、絶縁フ
ィルム24を介して整列巻をすることができる。更に
は、巻線40の巻回の精度も高くすることが可能であ
り、整列巻を容易に行うことができる。
【0016】このように、ステータ2の巻線を一身巻す
ることにより、ステータ端面での巻線どうしの交差を抑
えることができる。よって、ステータ5の回転軸方向端
面は、巻線が交差していないのでコイルエンドの大きさ
を抑えることができる。更には、ステータが分割した状
態で巻線をするので、ティース5の周と巻線1周の長さ
を同じ長さにすることができる。よって、巻線がステー
タ端面で突出せず、コイルエンドを小さくすることがで
きる。
【0017】また、ステータ5を分割した状態で巻線す
るので、巻線時、巻線装置の巻線口のスペースを考慮す
る必要がないので、可能なかぎり、巻線を重ねることが
できる。また、ステータ5を分割した状態で巻線するの
で、巻線装置の精度が高くなり、整列巻をすることがで
きる。よって、スロット部の占積率を高くすることがで
きる。リラクタンストルクは巻線の数に比例するので、
占積率をあげることにより、リラクタンストルクを上げ
ることができる。
【0018】このように、ティース部への巻線は、適切
な長さで巻回することが可能であるので、巻線の余分は
なく、全体の巻回数に対して巻線長を短くすることがで
きる。よって、銅損を少なくし、且つ巻線の発熱を小さ
くすることができる。
【0019】更に、ティース部先端間dは、巻線を装置
の巻線口を通すスペースを必要としないので、ティース
部先端間dを小さくすることができる。よって、ティー
ス部とロータ外周部の空隙の変化が少なくなるので、コ
ギングトルクが低減する。
【0020】なお、従来、巻回装置でステータ2に巻線
を一身巻する場合、占積率30%程度しか巻回すること
ができなかった。しかし、コアエレメント5に巻回した
後、組み立てる場合、スロット部8の占積率を容易に3
0%以上にすることができ、更には占積率を60%以上
にすることも可能である。
【0021】また、各コアエレメント5のスロット形成
凹部9よりも内周側の端部の磁極部12は周方向両側に
長く突出され、その先端間に僅かな隙間dを置いて隣合
うコアエレメント5の磁極部12と接続するように構成
され、各コアエレメント5の磁極部12から出る周方向
の磁束分布に断絶した部分が生じないように成されてい
る。また、この磁極部12の両側部12aは先端に向か
って径方向の幅が小さくなるように略三角形状に形成さ
れており、磁極部12の両側部での磁気抵抗をおおきく
して隣接するコアエレメント5、5の磁極部12、12
間での磁気漏洩が少なくなるように成されている。
【0022】実施例1の僅かな隙間dは0<d<0.2
mmである。僅かな隙間dは、コアエレメント5に巻回
した後、組み立てることにより可能となり、このように
僅かな隙間しか開けないことにより、スロット部8の巻
線から磁気漏洩を抑えることができ、コギングトルクが
小さくなる。隙間dは0<d<0.2mmであるという
ことは、実験により得られた値であり、コギングトルク
が効率よく低減した値である。なお、完全に先端を接触
しないのは、隣接するティース部7間で無効な磁束が流
れることを抑えるためである。
【0023】しかし、この隙間dは隣接するコアエレメ
ント5、5間での漏洩磁束が無視しうるとともに、組立
精度上も問題がなければ0にして、コギングトルクをな
くすることも可能である。
【0024】また、ティ−ス部7のティース部先端の対
向面(ティース部7の先端であり、ティース部7先端間
で対向している面)bはb<0.6mmが適切である。
bをb<0.6mmにすることにより、ティース部7先
端で磁気的飽和が生じ、無効な漏れ磁束を低減すること
ができる。
【0025】一方、ロータ3はステータ2の巻線群によ
って生じる回転磁界の磁束が通り易い高透磁率材料製の
ロータコア13と、ロータコア13にロータ3の極に対
応して周方向に等間隔に内設された永久磁石14とを備
えている。これら永久磁石14はS極とN極が周方向に
交互となるように配設されている。
【0026】永久磁石14のティース対向面14aは直
線状である。このティース対向面14aとロータ13の
外周との間の距離は、永久磁石14の端部より中央部の
方が広い。このように、ロータ13の外周部では磁束の
通りやすい部分と、通り難い部分を備えることによって
q軸インダクタンスとd軸インダクタンスとのインダク
タンス差を作ることが可能となり、リラクタンストルク
を利用して回転駆動することができる。なお、永久磁石
14の形状は、ロータ13の中心に向かって中央部が突
出した形状であってもよい。
【0027】なお、ロータコア13の外周部には、第3
図で詳細に示すように、永久磁石14の端部同士が隣合
う部分に直線状の切除部15を形成する。
【0028】そして、ステータ2の外周は、リング状の
フレーム部21により覆い、溶接により一体にしたコア
エレメント5の補強を行う。このようにフレーム部21
を用いることにより、高速回転の電動機であっても、コ
アエレメント5は強固に固定される。なお、コアエレメ
ント5同士の組立たステータ本体が充分な強度を備えて
いれば、フレーム部21により補強を行う必要はない。
【0029】以上の構成によって、本発明の電動機はマ
グネットトルクに加えてリラクタンストルクを利用して
駆動することができる。この電動機のスロット部8の占
積率は60%以上であるものにもかかわらず、ステータ
の大きさは小さい。
【0030】よって、マグネットトルクに加えてリラク
タンストルクを利用して回転駆動する電動機の出力トル
クは、式(1)に示すような関係であるので、スロット
部8の占積率を高くすると、Ld−Lqの差が大きくな
り、出力トルクを高くすることができる。なぜなら、イ
ンダクタンスLはN2(巻回数)に比例するという関係
があるので、巻数が多い、つまりスロット部8での占積
率が高い程、高出力になる。
【0031】よって、マグネットトルクに加えてリラク
タンストルクを利用して駆動する電動機において、コア
エレメント5に巻線を巻回した後、ステータ2に組み合
わせると、占積率が高くできるので、高出力且つ小型に
することができる。
【0032】なお、隣合う永久磁石の幅が、磁極2極分
(永久磁石2個分)に対向するティース幅(第1図の8
極12スロットにおいては、磁極2極分に対向するティ
ースとはティース3個分。8極4スロットでは、ティー
ス6個分である)に対して、0.15〜0.20であれ
ば、実験により、トルクリップルが低減することがわか
った。
【0033】また、ロータ3においては、ロータコア1
3の外周部における永久磁石14の端部が隣合う部分に
はロータ外周凹部となるほぼ直線状の切除部15が形成
されている。このように、切除部15を設けると、ステ
ータ2内周とロータ3外周との間の空隙が、永久磁石1
4の端部が隣合う部分で大きくなる。したがってその空
隙部での磁気抵抗がおおきくなることにより、ステータ
2内周とロータ3外周との間の空隙部での磁束分布を正
弦波形に近づけることができる。
【0034】なお、隣合う永久磁石間の部分の外側に位
置するロータ外周凹部の長さは、ロータコア1極分の中
心角の0.2〜0.4の角度に相当する長さが適切であ
る。
【0035】また、ティース部7と切除部15との空間
隔hは、ティース部7とロータ外周との空間隔の2倍以
上必要である。なお、実施例1の場合、ティース部7と
切除部との空間隔は、0.7〜1mmであることが適切
であることが実験によりわかった。
【0036】このように本実施例1においては、ステー
タ2側及びロータ3側の両方のコギングトルク発生要因
を抑制することができるので、コギングトルクの小さい
同期電動機を提供することができる。
【0037】このような、電動機をコンプレッサー、冷
蔵庫、エアコン、電気自動車等に用いることにより、小
型化、収納スペースを広くするという効果を奏する。
【0038】電気自動車に用いる電動機は、社内スペー
スを広くするために、小型化が必要であり、且つ充電器
の電流を効率よく利用できる電動機が必要とされてい
る。また、電気自転車に用いる電動機は平角線であり、
断面の幅4mm以上、高さ1.5mm以上のものを用い
るものが多い。また、巻線に流す大電流は300アンペ
ア以上が多い。そして、大電流を流し7000〜150
00回転するので、本発明の電動機のように、巻線数に
対して、巻線長が短く発熱量が小さい電動機を用いるこ
とは有効である。また、整列巻が可能であれば丸線よ
り、更に占積率を高くすることができる。
【0039】本発明のような電動機を、電気自動車等の
大電流を流す電動機に用いることはとても有効である。
【0040】なお、上記記載では永久磁石を埋め込んで
マグネットトルクに加えて、リラクタンストルクを利用
した一身巻のステータを用いた電動機を説明したが、永
久磁石の変わりに、低透磁率材となす空隙又は樹脂材料
をロータ内部に内設し、リラクタンストルクのみを利用
して回転駆動しても優れた効果は得られる。つまり、シ
ンクロナスモータに一身巻のステータを用いても、優れ
た効果を奏する。 (実施例2) 第5図を用いて実施例2を説明する。
【0041】第5図において、31はマグネットトルク
に加えて、リラクタンストルクを利用して、主に正回転
方向Fへ回転する同期電動機で、ステータ32とロータ
33と回転軸34にて構成されている。
【0042】ステータ32は、リング状のフレーム部
と、高透磁率材料製の複数の独立したコアエレメント3
5を環状に組み合わせて成るステータコアと、各コアエ
レメント35のティース部37、37間に形成されたス
ロット部38に巻装された巻線にて構成され、それらの
巻線群に電流が与えられることで回転磁界を発生するよ
うに構成されている。
【0043】そして、このステータ32の中に備えるロ
ータ33の内部に永久磁石39を埋め込む。この永久磁
石39の形状はV形状としており、永久磁石はロータ3
3の中心に向かい突出している。このように、逆突極性
にすることにより、d軸とq軸のインダクタンス差を大
きく作ることが可能である。また、この永久磁石39
は、ロータの正回転方向Fの39a永久磁石前方部39
bと永久磁石後方部39bから成る。この時、永久磁石
後方部39bの厚みは、永久磁石前方部39aの厚みよ
り大きい。
【0044】このような構成にした理由は次の通りであ
る。永久磁石後方部39bでは、永久磁石後方部39b
から生じる磁束とティース部37から出力される磁束と
反発しあい、永久磁石後方部39bの減磁が生じる可能
性がある。よって、減磁が生じないような磁力を発生す
るような永久磁石が必要なため、永久磁石を厚くしてい
た。
【0045】しかしながら、ほとんどの回転が正回転方
向Fしか回転しないような電動機では、ティースからの
吸引力により吸いつけられる永久磁石前方部39aは、
減磁が生じないので、永久磁石後方部39bと同等の厚
みを備える必要はない。よって、永久磁石後方部39b
より永久磁石前方部39aを薄くしてもよい。よって、
ほとんどの回転を正回転で行う電動機において永久磁石
の量を減らしても、特性は落とさないで、永久磁石の量
を減らすことができる。
【0046】なお、この内設した永久磁石後方部39b
のティース対向面はステータ35側に突出し、永久磁石
前方部39aより厚い。しかし、この内設した永久磁石
後方部39bのティース対向面は、永久磁石前方部39
aの対向面と対称とし、ロータ中心側へ突出するように
してもよい。
【0047】なお、この埋め込んだ磁石は、回転駆動す
るとき前方部と後方部とでバランス調整用の重りをロー
タに埋め込んでもよい。
【0048】また、永久磁石の形状はV字形状に限らず
直線状、円弧状でもよい。 (実施例3) 第6図を用いて実施例3を説明する。
【0049】第6図において、51はマグネットトルク
に加えて、リラクタンストルクを利用して回転する同期
電動機で、ステータ52とロータ53と回転軸54にて
構成されている。
【0050】ステータ52は、高透磁率材料製の複数の
独立したコアエレメント55を環状に組み合わせて成
る。各コアエレメント55のティース部57、57間に
形成されたスロット部58に巻装された巻線にて構成さ
れ、それらの巻線群に電流が与えられることで回転磁界
を発生するように構成されている。
【0051】ロータ53は、高透磁率材からなるロータ
コアに、N極、S極が交互となるように配置された4組
の永久磁石59、60を埋め込みロータ軸54に固着す
ることによって固定されている。1極あたりの永久磁石
は、ロータ半径方向に2分割され、外側永久磁石59と
内周側の永久磁石60とで構成されている。各永久磁石
59、60は、ロータ中心側に凸の円弧形状に形成さ
れ、両端部59a、60aはロータ外周に近接する位置
まで伸びている。そして、外周側の永久磁石59と内周
側の永久磁石60との間隔は、ほぼ一定幅となってい
て、この間隔部分にq軸方向の磁束が通る通路61が形
成されている。
【0052】ステータ52は、所定本数のティース57
を備え、各ティス57には巻線を施し(図省略)構成さ
れている。この時の巻線はコアエレメント55ごとに巻
回するので、一身巻にすることができる。前記ステータ
巻線に交流が与えられることで回転磁束が発生し、この
回転磁束により、ロータ53にはマグネットトルク及び
リラクタンストルクが作用し、ロータ53は回転駆動さ
れる。
【0053】外周側の永久磁石59と内周側の永久磁石
60の間の幅Mは、永久磁石59、60の起磁力損失を
考えれば可能な限り小さいことが望まれる。しかし、q
軸インダクタンスLqという観点からは、これを大きく
するために磁気飽和しない程度に大きいことが望まれ
る。
【0054】そこで、実施例3では、巻線に流れる電流
により発生する磁束飽和しない幅とするため、前記幅M
を前記ティース56の幅Nの役1/2に設定している。
幅Mとq軸インダクタンスLqを調査すると、幅Mのテ
ィース57の幅N1/3より小さくなる。一方、幅Mが
ティ−ス57の幅Nより大きくなっても、q軸インダク
タンスLqはほとんど変化していない。そこでこの調査
から、外周側の永久磁石59と内周側の永久磁石60と
の間隔、すなわち幅Mはステータ57の幅Nの1/3よ
り大きくすればよい。
【0055】実施例3では、複数層の永久磁石により磁
束路を形成したものを示したが、複数層であれば何層で
もよいが、実験により2層の時が、最も効率がよいこと
がわかった。
【0056】(実施例4) 第7図、第8図により実施例4を説明する。
【0057】第7図において、71はマグネットトルク
に加えて、リラクタンストルクを利用して回転する同期
電動機で、ステータ72とロータ73にて構成されてい
る。
【0058】ステータ72は、リング状のフレーム部7
4と、高透磁率材料製の複数の独立したコアエレメント
75を環状に組み合わせて成るステータコアと、各コア
エレメント75のティース部77、77間に形成された
スロット部78に巻装された巻線80にて構成され、そ
れらの巻線群に電流が与えられることで回転磁界を発生
するように構成されている。
【0059】なお、コアエレメント75は第8図に示す
ように、コアエレメント75の端部は接続しておりコア
エレメント群を構成する。コアエレメント群は端部で折
曲部81に空間部を備えており、折曲げ易くなってい
る。このように、コアエレメント群で巻線80を巻回
し、折曲げてステータ72を構成することにより、ステ
ータの組立の位置決めが容易となる。この時、各コアエ
レメント75を溶接して接続してもよいし、リング状フ
レーム部74を嵌合して固定してもよい。
【0060】なお、コアエレメント群は1群で環状のス
テータを構成してもよいし、コアエレメント群を複数組
み合わせて、環状のステータを構成してもよい。
【0061】また、コアエレメント75の端面を接触さ
れてステータを形成するのではんく、樹脂などによりコ
アエレメント群を固めてステータを形成してもよい。
【0062】
【発明の効果】本件発明の電動機は、コギングトルクを
低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例1の電動機の断面図
【図2】同ステータの部分断面図
【図3】同ロータの部分断面図
【図4】同コアエレメントを示す図
【図5】本実施例2の電動機の断面図
【図6】同実施例3の電動機の断面図
【図7】同実施例4の電動機の断面図
【図8】同実施例4の電動機のコアエレメント群の部分
断面図
【符号の説明】
1 電動機 2 ステータ 3 ロータ 14 永久磁石 15 切除部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H02K 21/16 H02K 21/16 M (72)発明者 本田 幸夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 村上 浩 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 川野 慎一朗 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−336246(JP,A) 特開 平7−336980(JP,A) 特開 平7−255138(JP,A) 特開 平7−236240(JP,A) 特開 平7−46809(JP,A) 特開 平7−33698(JP,A) 特開 平5−304737(JP,A) 特開 平5−236688(JP,A) 特開 平4−299002(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 1/27 501 H02K 1/18 H02K 1/22 H02K 19/10 H02K 21/16

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステータとロータとを有し、前記ステー
    タのティース部に一身巻きの巻き線を設けられ、かつ前
    記ロータがマグネットトルクに加えてリラクタンストル
    クを利用して回転駆動される電動機において、前記ステ
    ータは、複数のコアエレメントとフレーム部とから成
    り、前記コアエレメント各々は、そのコアエレメントの
    外周部において環状に組み合わされて前記フレーム部の
    内周に固定されて、前記ロータは、複数の永久磁石
    され、このロータの外周は前記永久磁石部の端部の隣
    合う部分に凹部設けられ、前記凹部は直線状の切除部
    であり、さらに前記凹部の底の位置は、前記永久磁石よ
    りロータ外周側である電動機。
  2. 【請求項2】 ロータ外周凹部とティース外周との間隔
    は0.7mm以上である請求項1記載の電動機。
  3. 【請求項3】 300アンペア以上で回転駆動する請求
    項1記載の電動機。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の電動機を用いたコンプレ
    ッサ。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の電動機を用いた電気自動
    車。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の電動機を用いたエアコ
    ン。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の電動機を用いた冷蔵庫。
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