JP3412167B2 - N−ビニルホルムアミド組成物 - Google Patents

N−ビニルホルムアミド組成物

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JP3412167B2 JP23385392A JP23385392A JP3412167B2 JP 3412167 B2 JP3412167 B2 JP 3412167B2 JP 23385392 A JP23385392 A JP 23385392A JP 23385392 A JP23385392 A JP 23385392A JP 3412167 B2 JP3412167 B2 JP 3412167B2
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    • C07C233/01Carboxylic acid amides having carbon atoms of carboxamide groups bound to hydrogen atoms or to acyclic carbon atoms
    • C07C233/02Carboxylic acid amides having carbon atoms of carboxamide groups bound to hydrogen atoms or to acyclic carbon atoms having nitrogen atoms of carboxamide groups bound to hydrogen atoms or to carbon atoms of unsubstituted hydrocarbon radicals
    • C07C233/09Carboxylic acid amides having carbon atoms of carboxamide groups bound to hydrogen atoms or to acyclic carbon atoms having nitrogen atoms of carboxamide groups bound to hydrogen atoms or to carbon atoms of unsubstituted hydrocarbon radicals with carbon atoms of carboxamide groups bound to carbon atoms of an acyclic unsaturated carbon skeleton
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、N−ビニルホルムアミ
ド(以下「NVF」と略す)組成物に関する。詳しく
は、貯蔵時などの保存安定性に優れたNVF組成物及び
その取扱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】NVFは、重合性モノマー原料として利
用できる。特に、その重合体の変成物は、ビニルアミン
単位を有するカチオン性高分子として、近年、有機汚泥
の脱水用凝集剤、製紙用の薬剤などへの応用が期待され
ている。しかしながら、NVFは、貯蔵時、蒸留精製
時、あるいは反応時にその一部が変質し、品質劣化を招
きやすいことが知られている。そして、変質したNVF
を用いると、高粘度の重合体が安定して得られないなど
の問題が生じる。
【0003】そこで、従来からもNVFを安定に保存す
るためのいくつかの手段が知られている。 特開昭63−264559号公報には、NVFを不活
性ガス雰囲気下、密封容器中で、保存することが提案さ
れている。また、同公報には、NVFを5重量倍量の水
で希釈した際のpHが6〜8になるようにアルカリ水溶
液などで調整した方が保存安定性が向上することが開示
されている。
【0004】特開昭62−195352号公報にも、
NVFを蒸留精製する際に、NVFのpHを中性付近に
調節することが提案されている。そして、NVFのpH
が高い場合には、硫酸、塩酸などの無機酸、または、酢
酸、ギ酸などの有機酸を添加するとよいとされている。 特開昭61−289068号公報には、NVFの蒸留
精製時または貯蔵安定時などにおける安定剤としては、
従来よりビニル性化合物の安定剤として用いられている
ハイドロキノン、フエノチアジン、フェニレンジアミン
などは効果が不十分であるが、チオ尿素類に限っては効
果があると記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の〜の方法
は、NVFの保存安定の向上にある程度の効果は認めら
れるものの、なお、十分なものではない。特に、の方
法は、工業的な取扱い上の制約も大きく、また、経済的
な方法とはいいがたい。の方法は、塩基成分は除去さ
れるが、酸成分が製品中に同伴されやすく、経験的に保
存安定の効果が一定しないという問題がある。の方法
は、NVFの高温下での蒸留時の安定化には優れている
が、常温付近での貯蔵安定効果は十分とはいえない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、NVFの品質劣
化の現象において、NVFの酸化分解により発生すると
推定されるNVF中のごく微量のギ酸が重要な因子とな
っていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、NVFに対して1〜25
0重量ppm含有して成るNVF組成物に関する。以
下、本発明について詳細に説明する。本発明において対
象となるNVFの製造方法は特に限定されない。その製
造方法としては、N−(α−アルコキシエチル)ホルム
アミドからアルコールを脱離させる方法(米国特許明細
書3,914,304号)、ホルミルアラニンニトリル
からシアン化水素を脱離させる方法(特開昭61−13
4359)及びエチレンビスホルムアミドを熱分解する
方法(米国特許明細書4,490,557号、同4,5
78,515号)などがある。これらの方法は、いずれ
も、減圧下、100°以上の高温で熱分解して、NVF
を得るものである。NVFは、通常、該熱分解混合液よ
り蒸留により、通常80重量%以上の純度の粗NVFが
回収される。
【0008】粗NVFには、通常、NVF成分のほか
に、NVFの製造工程より由来する副生物成分として、
熱分解しきれずに残存した原料化合物、ホルムアミドな
どが共存する。また、NVF中には、通常、数十ppm
から数%程度の種々のアンモニア、ピコリン、エチルピ
コリン、その他、構造不明の塩基性不純物が存在してい
る。該塩基性不純物の総量は、定量的に把握することは
困難であるが、NVF溶液のpH値よりある程度の推定
は可能であり、通常、数十ppmから数%程度と思われ
る。そして、従来は、該塩基性不純物が蒸留の際のNV
Fの分解を促進しているものと考えられていた(特開昭
63−190682号公報)。そして、前述のNVF
を蒸留精製する際に、NVFを硫酸、ギ酸などでpH調
整することによりNVFの安定性が向上する理由は、該
塩基性不純物が酸で中和され、塩を形成することで不活
化しているものと考えられていた。また、塩にした方
が、NVF中の塩基性不純物の分離除去効率が向上す
る。
【0009】ところが、本発明者等の検討によれば、貯
蔵時のNVFの純度低下と、NVF中の微量不純物であ
るギ酸量の増加との間には相関関係があり、これまで、
NVF中の塩基性不純物量では十分説明できなかった貯
蔵時のNVFの純度低下の様子が明らかとなった。NV
F中のギ酸の増加は、NVF中に混入する酸素により促
進され、更に、ギ酸濃度が所定量より大きくなると、N
VFのカチオン重合が起こりやすくなり、低分子量のポ
リNVFが生成し、結果として、NVFの純度が低下す
ることが判明した。そして、NVF中のギ酸濃度が所定
量より大きくなると、特にNVFの保存安定性が低下
し、従来の公知のNVFの保存安定化の方法を実施して
も効果がほとんどなくなる。
【0010】本発明者等の知見によれば、従来、重合原
料とされるような純度80重量%以上から、特に精製し
た純度95重量%以上の種々のグレードのNVF中にお
けるギ酸は、通常、数百〜1万重量ppmと推定され
る。NVF中のギ酸は、多くは遊離ギ酸として、一部は
塩基性不純物との塩として各々存在しているものと考え
られる。これらのギ酸成分は、イオンクロマトグラフィ
ーにより容易に定量分析できるものであるが、従来、N
VF中の不純物としてのギ酸が、具体的に確認されたこ
とは全くなかった。ましてや、ギ酸がNVFの保存安定
性に大きな影響を及ぼす重要な因子であるというような
ことは全くの予想外のことであった。この如何に予想外
でかあったかは、前述の特開昭62−195352号
公報において、今回の検討ではNVFの保存安定性に悪
影響を与えるとされるギ酸を、逆にNVFに添加するこ
とがあるとの記載からも明らかである。
【0011】以上のような検討結果を踏まえて、本発明
においては、NVF中に存在するギ酸を、NVFに対し
て250重量ppm以下、好ましくは200重量ppm
以下、更に好ましくは150重量ppm以下に保持する
ことを特徴とする。NVF中に存在するギ酸が250重
量ppmを越える場合は、NVFのチカオン重合が起こ
りやすくなり、低分子量のポリNVFが生成し、結果と
して、NVFの純度が低下し、また、かかるNVFを重
合モノマー原料としても、高粘度のポリマーが得難くな
るので好ましくない。なお、本発明における取扱方法と
は、NVFの容器、タンクなどでの貯蔵方法に限らず、
タンクローリー、ドラム缶などによる輸送、運搬方法な
どを包含するものである。
【0012】本発明を実施するためにはギ酸含量が25
0重量ppm以下のNVFを初めに調製する必要があ
る。NVF中のギ酸の除去、精製方法として以下のよう
な方法が例示される。第一に、蒸留精製の方法を利用す
ることができる。但し、単に蒸留するだけでは、NVF
中のギ酸は除去できないので工夫を要する。例えば、蒸
留精製の対象となる粗NVFの5倍重量の水で希釈した
際のpHが通常6〜8となる程度にアルカリ化合物を添
加し、中和することによりギ酸塩としてNVF中のギ酸
を固定化する。また、前記のpHを8を越える程度にア
ルカリを添加すると、NVF中のギ酸の固定化という点
では好ましいが、蒸留精製時にNVFが分解しやすくな
り、NVFの回収率の低下を招きやすいので注意を要す
る。アルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ(土類)
金属水酸化物、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸
化バリウムなどのアルカリ土類金属の酸化物、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムなどのアルカ
リ土類金属の炭酸塩などが例示され、これらは、そのま
まの粉末状で、もしくは、水、メタノールなどに溶かし
た溶液状で、NVFに添加する。アルカリ化合物添加後
は、通常0〜30℃で0.1〜2時間程度、混合処理す
る。該混合処理の後、NVF溶液中に特に不溶解物が認
められれば、ろ過してから蒸留を行うとよい。
【0013】また、上記の蒸留精製を実施した後、好ま
しくは、NVF中の微量の塩基性不純物をより除去する
目的で、更に、ギ酸の除去された留出NVFに少量の無
機酸を添加してpHを調整して、再度、蒸留精製すると
よい。ギ酸を除去したNVFを5倍重量の水で希釈した
際のpHが、通常4.5〜8.0となる程度に無機酸、
例えば、硫酸、硝酸、リン酸などをそのまま、もしく
は、水、メタノールなどに溶かした希釈溶液として添加
すればよい。
【0014】以上のアルカリまたは酸を添加したNVF
の蒸留は、対象とする粗NVFの組成、具体的には、ギ
酸含量、塩基性不純物含量との兼ね合いにより、蒸留を
複数回繰り返してもよいし、蒸留の順番も特に制限があ
るわけではない。第二に、イオン交換樹脂を用いた精製
方法も利用することができる。イオン交換樹脂として
は、NVFを弱塩基性イオン交換樹脂で処理すれば、N
VF中のギ酸を除去できるし、また、弱酸性イオン交換
樹脂でも処理すれば、NVF中の塩基性不純物を除去す
ることができる。更に、前述の蒸留精製の方法と組み合
わせることも可能である。
【0015】かくして調製されたギ酸含量が250重量
ppm以下の精製NVFは、重合モノマー原料として好
適な品質を有するものである。しかしながら、該NVF
を大気中、常温付近で保存しておくと、前述のように、
NVF中にギ酸が生成し、ギ酸含量が250重量ppm
前後を境に重合モノマー原料としての品質上の問題が生
じる。
【0016】そこで、該NVFのギ酸含量を250重量
ppm以下に保持するためには、不活性ガス雰囲気下と
し、周囲の温度を30℃以下、好ましくは15℃以下の
状態で密封容器中で保存するとよい。温度を低く保つ理
由は、ギ酸の生成を抑制するためであるほか、温度を高
くするとNVFの熱重合や縮合反応などにより二量体を
含む高沸点成分が増加し、NVFの純度の低下を招く恐
れがあるからである。
【0017】もっとも、NVFの工業的大量生産、遠距
離地への輸送、各当業者の貯蔵などの種々の取扱状況を
考慮すると、NVFを上記のような方法で常に取扱うこ
とは必ずしも現実的ではない。そこで、NVFのギ酸含
量を250重量ppm以下に保持するための更に好適な
方法として、該NVFに特定の酸化防止剤を添加し、以
下のようなNVF組成物としておく方法がある。
【0018】該NVF組成物とは、NVFに対して、通
常、ギ酸を1〜250重量ppm、酸化防止剤を10〜
10,000重量ppm含有して成るものであり、好ま
しくは、NVFに対してギ酸を10〜200重量pp
m、酸化防止剤を100〜5,000重量ppm含有し
て成るものである。NVF組成物中のギ酸含量は、一般
的には少ない方がよいが、ギ酸含量を10重量ppm未
満、特に1重量ppm未満とすることは技術的に困難で
あり、また、たとえNVFよりギ酸を完全に除去できた
としても、NVF中に1重量ppm程度のギ酸は速やか
に生成しているものと推定される。
【0019】酸化防止剤を加える効果は、NVFからの
ギ酸の生成を抑制する点にあり、結果として、大気中で
常温付近に放置しても、NVFの品質が保持される。酸
化防止剤の添加量は、上記の範囲以下ではNVFの安定
効果が不十分であり、逆に上記の範囲を越える場合は、
NVFの重合モノマーとしての重合活性に影響を及ぼす
ので好ましくない。
【0020】酸化防止剤の種類としては、フェノール系
化合物、芳香族アミン系化合物、チオ尿素系化合物など
が挙げられるが、好ましくはフェノール系化合物であ
る。フェノール系化合物としては、例えば、2,6−ジ
−t−ブチル−p−クレゾール、パラメトキシフェノー
ル、ヒドロキノン、ブチル化ヒドロキシアニゾール、
2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステ
アリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネートなどのモノフェノール系化合
物、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t
−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−
(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′
−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、4,4′−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6
−t−ブチルフェノール)などのビスフェノール系化合
物、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−ト
リスメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、dl−α−
トコフェロールなどの高分子型フェノールが挙げられ、
中でも2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、及
び、dl−α−トコフェロールが特に好ましい。
【0021】芳香族アミン系化合物としては、例えば、
フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチ
ルアミン、ジフェニルアミン、P−フェニレンジアミ
ン、N,N′−ジフェニル−P−フェニレンジアミン、
N,N′−ジ−β−ナフチル−P−フェニレンジアミ
ン、P−ヒドロキシジフェニルアミン、P−ヒドロキシ
フェニル−β−ナフチルアミン、2,2,4−トリメチ
ルジヒドロキノリンなどが挙げられる。但し、芳香族ア
ミン系化合物は、前述のフェノール系化合物と比較する
と、NVF組成物が保存中にわずかに着色する傾向があ
り、また、該NVF組成物を重合して得られるポリマー
の分子量が低下しやすい。従って、芳香族アミン系化合
物を用いる場合は、使用量を、通常10〜1000pp
m程度にするか、重合する直前に蒸留して芳香族アミン
系化合物を取り除いた方がよい。
【0022】チオ尿素系化合物としては、例えば、チオ
尿素、エチレンチオ尿素、ジメチルチオ尿素、ジエチル
チオ尿素、ジフェニルチオ尿素などが挙げられる。該チ
オ尿素系化合物は、NVFの純度低下抑制には効果が顕
著であるが、NVF中のギ酸の発生を抑制する効果は必
ずしも充分でないので、前述のフェノール系化合物と併
用すると好ましい。
【0023】以上のようなギ酸を1〜250重量ppm
含有して成るNVF組成物、必要に応じて酸化防止剤を
10〜10,000重量ppm含有するNVF組成物
は、通常のラジカル重合により単独重合もしくは共重合
することにより、高粘度のNVF重合体を安定に得るこ
とができる。コモノマーとしては、ビニルモノマーであ
れば特に制限はなく、アクリルアミド、アクリル酸、ア
クリル酸エステル、酢酸ビニル、アクリロニトリルなど
が例示される。
【0024】使用するラジカル重合開始剤としては、ア
ゾ系の重合開始剤が好ましい。例えば、2,2′−アゾ
ビス−(2−アミジノプロパン)・2塩酸塩、アゾビス
−(N,N−ジメチレンイソブチルアミジン)・2塩酸
塩、4,4′−アゾビス−(4−シアノ吉草酸)−2−
ナトリウムなどが挙げられる。ラジカル重合開始剤の使
用量は、単独重合の場合はNVF、また、共重合の場合
はNVFと他の共重合可能なモノマーの混合物の重量に
対して通常0.005〜5重量%、好ましくは0.05
〜0.5重量%である。重合温度は、通常30〜100
℃の範囲で目的の重合物の分子量に応じて選択される。
【0025】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。なお、NVF各試料の組
成は、液体クロマトグラフィーおよびイオンクロマトグ
ラフィーにより分析した。
【0026】実施例1〜3、比較例1 アセトアルデヒドとホルムアミドとの反応で得られるN
−(α−ヒドロキシエチル)ホルムアミドをメトキシ化
し、次いでこれを熱分解し、得られたNVFを単蒸留し
これを粗NVFとして使用した。粗NVFの純度は8
3.5重量%であり、その他ホルムアミドを9.1重量
%、N(α−メトキシエチル)ホルムアミドを7.4重
量%、ギ酸を2500重量ppm含む。この粗NVF中
のギ酸を除去するため、NVFの5倍重量の水で希釈し
た際のpHが6〜8となるのに必要な水酸化ナトリウム
をメタノール溶液として加え、次いで、これを1リッタ
ーのナシ型フラスコに600g仕込み、7段の理論段数
を有する精留装置(充填剤:スルザーラボパッキン、S
US製、外径50mm、高さ55mm、10段積み、蒸
留塔:内径50mm、高さ70mm)用い蒸留を行っ
た。浴温70℃から95℃とし、減圧0.3mmHg、
還流比1.0でNVFを留出させ、純度99.7重量
%、ホルムアミド0.2重量%、N−(α−メトキシエ
チル)ホルムアミド0重量%、ギ酸22重量ppm精製
NVFを得た。
【0027】該精製NVF29.0gを50cc試験管
に量り入れ、更に、該NVFに表−1に示す化合物を5
0重量ppm、250重量ppm及び2000重量pp
mになるように添加した。次に、各試験管をバイブレー
ター上に置き、液を混合しながら、液の上部より空気を
0.2リットル/minで10分間吹き込み、系内を空
気で十分飽和させた後、試験管を密閉した。その後、5
0℃で1週間、貯蔵した後、NVF液試料を取り出して
NVFの純度及びギ酸含量を分析した結果を表−1に示
す。なお、本条件の純度低下率は、15℃、半年間での
純度低下率にほぼ匹敵する。
【0028】
【表1】
【0029】実施例7〜9、比較例2 実施例1と同様な方法で得た精製NVF(純度99.8
%、ギ酸16重量ppm)19.80gを50cc試験
管に量り入れ、更に、該NVFに所定量のギ酸を加え、
ギ酸含量を16重量ppm、100重量ppm、200
重量ppm及び300重量ppmになるように調製し
た。
【0030】次に、各試験管をバイブレーター上に置
き、液を混合しながら、液の上部より空気を0.2リッ
トル/minで10分間吹き込み、系内を空気で十分飽
和させた後、試験管を密閉した。その後、50℃で1週
間、貯蔵した。貯蔵後、一部は純度を測定し、残りの試
料について重合を行い水溶性ポリマーを製造し、ポリマ
ーの還元粘度を測定した。以上の結果を表−2に示す。
なお、N−ビニルホルムアミドの重合と還元粘度の測定
については、以下に示す方法で行った。
【0031】(重合方法)N−ビニルホルムアミドのモ
ノマー濃度60%水溶液に、重合開始剤として2,2′
−アゾビスアミジノプロパン塩酸塩をモノマーに対して
3000ppm添加し、分散安定剤として0.5%のエ
チルセルロースを溶解したシクロヘキサン溶媒中で、7
0℃の温度で懸濁重合を行った。得られたポリマーをア
セトンに浸漬し脱水した後、濾過し、次いで減圧乾燥
し、還元粘度の分析に供した。
【0032】(還元粘度の測定方法)上記の方法で得た
ポリマーを、1N食塩水を用いて0.1%濃度の溶液に
調整し、その溶液の25℃における還元粘度をオストワ
ルド粘度計により測定した。
【0033】
【表2】
【0034】実施例10〜19、比較例3〜6 精製NVF(純度99.8%、ギ酸16重量ppm)1
9.80gを50cc試験管に入れ、更に、該NVF
に、表−3に示すように、所定量のギ酸または特定の化
合物を添加した。これらについて、実施例1と全く同様
にして、空気中で、50℃、1週間の貯蔵試験を行っ
た。貯蔵後、実施例7と同様に一部につき純度を測定
し、残りの試料につき重合を行い、得られたポリマーの
還元粘度を測定した。結果を表−3に示す。
【0035】参考例1〜5 実施例10において、NVFの貯蔵試験を行うことな
く、精製NVFをそのまま用いて、あるいは表−3に示
す化合物を添加した後、直ちに重合を行った。このとき
得られたポリマーの還元粘度を表−3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】実施例20〜21 50cc試験管に、精製NVF(純度99.8重量%、
ギ酸16重量ppm)を20.00g量り入れ、次い
で、液の上部より窒素を0.2リットル/minで10
分間で液中に吹き込み、系内に窒素を飽和させ試験管を
密閉させた後、表−4に記載した温度で6ケ月間の貯蔵
試験を行った。貯蔵試験後、一部は純度を測定し、残り
の試料について重合を行い水溶性ポリマーを製造し、ポ
リマーの還元粘度を測定した。結果を表−4に示す。
【0038】実施例22〜23、比較例7〜8 50ccの試験管に、精製NVF(純度99.8重量
%、ギ酸16重量ppm)を20.00g量り入れ、次
いで、液の上部より空気を0.2リットリ/minで1
0分間で液中に吹き込み、系内に空気を飽和させ試験管
を密閉させた後、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ
ールを表−4に示す量添加し、及び表−4に示す温度で
6ケ月間の貯蔵試験を行った。貯蔵試験後、一部は純度
を測定し、残りの試料について重合を行い水溶性ポリマ
ーを製造し、ポリマーの還元粘度を測定した。結果を表
−4に示す。
【0039】
【表4】
【0040】
【発明の効果】本発明の方法によれば、NVFを取扱う
際、NVF中に微量共存するギ酸量を規定し、更に、好
ましくは特定の酸化防止剤を添加することにより、カチ
オン重合の原因となるにギ酸量の増加を抑制することが
できる。その結果、長期保存中のNVFの純度低下、並
びに重合活性の低下を抑制することができるのでNVF
を工業的に供給する上で極めて重要な技術といえる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09K 15/30 C09K 15/30 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 231/22 C07C 233/03 C08F 26/02 C09K 15/00 - 15/34

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N−ビニルホルムアミドに対してイオン
    クロマトグラフィーにより定量分析されるギ酸成分を
    〜250重量ppm含有して成るN−ビニルホルムアミ
    ド組成物。
  2. 【請求項2】 N−ビニルホルムアミドに対してイオン
    クロマトグラフィーにより定量分析されるギ酸成分を1
    〜250重量ppm、酸化防止剤を10〜10,000
    重量ppm含有して成るN−ビニルホルムアミド組成
    物。
  3. 【請求項3】 酸化防止剤がフェノール系化合物である
    請求項2のN−ビニルホルムアミド組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のN−ビニルホルムアミド
    組成物を不活性ガス雰囲気下、30℃以下の条件下に保
    持することを特徴とするN−ビニルホルムアミド組成物
    の取扱方法。
  5. 【請求項5】 N−ビニルホルムアミドに対してイオン
    クロマトグラフィーにより定量分析されるギ酸成分を1
    〜250重量ppm含有して成るN−ビニルホルムアミ
    ド組成物をラジカル重合することを特徴とするN−ビニ
    ルホルムアミドの重合体の製造方法。
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