JP4601120B2 - アクリル酸の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクリル酸の製造方法に関し、さらに詳しくは、接触気相酸化により得られた粗アクリル酸を精製することにより高純度のアクリル酸を経済的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アクリル酸は、反応性に富む化合物であり、各種重合体用モノマーや各種重合性エステルの原料として使用されている重要な化合物である。このアクリル酸は、固体酸化触媒の存在下、プロピレン及び/又はアクロレインを気相状態で分子状酸素により酸化する方法、すなわち、接触気相酸化により工業的に製造されている。このアクリル酸の接触気相酸化による製造方法では、反応が水蒸気存在下に実施されるために、通常酸化生成物はアクリル酸含有酸化生成液(水溶液)の状態で得られる。
【0003】
このアクリル酸含有酸化生成液は、アクリル酸の他に、アクリル酸との分離が困難なフルフラール、ベンズアルデヒドなどのアルデヒド類、マレイン酸、無水マレイン酸、酢酸などのカルボン酸類を多く含有している。このアクリル酸含有水溶液から、アクリル酸を回収するには、生成液を脱水処理したのち、蒸留による精製手段を用いてアクリル酸を得る方法が一般的である。
【0004】
ここで、前記の酸化生成液の脱水処理方法としては、一般にケトン、酢酸エステルなどの溶剤を用いた溶剤抽出方法とトルエン、メチルイソブチルケトンなどの水と共沸する溶剤を用いた共沸脱水方法がよく知られている。この溶剤抽出方法を採用すると、マレイン酸類は容易に除去されるものの、コストの点で実用的でなく、経済的な観点から共沸脱水方法が有利であり工業的に優れている。
【0005】
アクリル酸は、近年高吸収性樹脂や高分子凝集剤など多くの分野で用いられているが、その重合性が重要になってきており、粗アクリル酸に含まれるアルデヒドなどの不純物が大きな問題となっている。したがって、これらの不純物を除去精製する必要があり、多くの方法が提案されている。
【0006】
たとえば、特公昭58−37290号公報には、粗製アクリル酸の脱水工程において、アクリル酸と同程度の揮発性を有するアルデヒドやケトン類に水加ヒドラジンを反応させて、縮合物であるヒドラジンやアジンに変換して分離除去する方法が提案されている。しかしこの精製方法はアルデヒド類の除去効率が十分でない問題点がある。
【0007】
また、特開平7−228548号公報には、粗製アクリル酸にヒドラジン化合物とジチオカルバミン酸銅を添加して100℃以下の温度で蒸留する方法が提案されている。この方法の採用により、粗製アクリル酸の精製工程での蒸留塔へのアクリル酸の重合による生成付着を抑制しつつ、アルデヒド類などの不純物の分離除去により精製しようとするものであるが、不純物除去の点、すなわちアクリル酸の品質の点からは前記特許と同様な問題点がある。
【0008】
他のアクリル酸の製造方法としては、アクリル酸連続製造方法の最終蒸留カラムに、25〜100℃の温度で、粗アクリル酸と特定のアミン類を粗アクリル酸中のアルデヒド及びマレイン酸及び無水マレイン酸の全モル数を基準として0.1〜2.0のモル比の最少有効レベルを含む供給流を供給し、最終蒸留カラムの上部に、前記基準として0.01〜1.0のモル比の他の特定のアミン類を供給するアクリル酸の製造方法(特開平7−330659号公報、特開平9−124546号公報)がある。
【0009】
さらに、共沸脱水処理した粗アクリル酸にヒドラシン類などの脱アルデヒド剤と脂肪族アミン、複素環式アミン、芳香族モノアミンの少なくとも一種のアミン類を添加して蒸留精製するアクリル酸の製造方法(特開平9−208514号公報)、粗アクリル酸をヒドラジン及びアンモニアの共存下で蒸留する高純度のアクリル酸の製造方法(特開平10−87552号公報)、共沸脱水処理前にアクリル酸含有水溶液を蒸発処理する方法で製品化塔における重合付着物を軽減する方法〔不純物の除去のためにはアミン類、ヒドラジン類などを用いることには変わらない〕(特開平11−217350号公報)が提案されている。
【0010】
これらのアクリル酸の製造方法は、いずれにしても粗アクリル酸に含まれる不純物としての、アルデヒド類、マレイン酸、無水マレイン酸をヒドラジン類、アミン類、アンモニアなどを添加することにより、反応生成物として除去しようとするものである。しかしながら、これらアクリル酸の製造方法では、ヒドラジン類などによる脱アルデヒド反応がマレイン酸類により阻害される問題点が知られている。
【0011】
このため、マレイン酸類をアミンなどのケミカルで除去することにより、アルデヒドとヒドラジン類の反応性を確保する方法が取られている。しかしながら、マレイン酸類あるいはその反応生成物の残存など脱アルデヒドの効率は十分でなく、脱アルデヒド剤の過剰の使用が必要となるとともに、精製度にも限界がある。また、これらの方法では、添加剤の反応生成物がスラッジを形成することとなり、長期連続運転性においても問題が有る場合がある。さらに、これらの方法では、結果的に製品アクリル酸中の水分上昇を招くという問題点がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、接触気相酸化法で得られた粗アクリル酸から、高純度アクリル酸を製造する方法であって、アルデヒド類、ケトン類、マレイン酸類などの不純物を十分に除去することができ、スラッジの生成が抑制され、長期連続運転が可能な経済性にすぐれた方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、アクリル酸の製造における前記問題点である、脱アルデヒド剤、アミンなどの添加剤と添加量、スラッジの生成、精製アクリル酸中に残存する不純物量の関係などについて鋭意検討を重ねた結果、粗アクリル酸から、マレイン酸類を特定レベルまで除去した場合に、アクリル酸の蒸留精製での添加剤の使用量を大幅に低減でき、スラツジの生成も少なく、しかも著しく純度が向上することを見いだした。本発明は、これらの知見をもとになされたものである。
【0014】
すなわち、本発明は、
(1) (i) 接触気相酸化によって得られたアクリル酸含有酸化生成液を共沸脱水処理して得られ、1000ppm以下の水分を含む粗アクリル酸を分離し
(ii) 前記(i)で得られた粗アクリル酸を圧力5〜15kPa、塔底温度60〜90℃で蒸留して、マレイン酸および無水マレイン酸の総濃度が500〜1000ppmである粗アクリル酸とし、
(iii) 前記(ii)で得られた粗アクリル酸を、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、トリルヒドラジン、α,α−メチルフエニルヒドラジン、α,α−ジフエニルヒドラジン、β−ナフチルヒドラジンおよびこれらの水和物から選ばれる少なくとも一種のヒドラジン類の共存下で蒸留する
ことを特徴とするアクリル酸の製造方法、および
(2) 前記(iii)における蒸留時のヒドラジン類の添加を蒸留塔の前段階および/または蒸留塔中で行う上記(1)のアクリル酸の製造方法を要旨とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明における接触気相酸化によって得られる粗アクリル酸は、プロピレ及び/又はアクロレインの接触気相酸化によって得られたアクリル酸含有酸化生成液を共沸脱水処理してなる粗アクリル酸が用いられる。このアクリル酸含有生成液は、プロピレンの一段酸化法によって得られた反応生成液であってもよく、二段酸化法によつて得られた生成液でもよい。これらのアクリル酸含有生成液は、反応に水蒸気を用いるために、アクリル酸水溶液の状態で得られる。
【0018】
このアクリル酸含有酸化生成液の組成は、酸化方法の形式、酸化反応条件などにより異なる。しかし、一般的には、各成分の含有量が、アクリル酸50〜80質量%、水20〜50質量%、マレイン酸0.3〜2質量%、フルフラール100〜500ppm、ベンズアルデヒド100〜500ppm程度である。本発明では、まず、経済的な脱水手段である、共沸脱水処理方法によりアクリル酸含有酸化生成液から水分を除去することにより粗アクリル酸を得る。
【0019】
この共沸脱水処理方法としては、特に制限はなくアクリル酸の製造方法において公知の方法を採用することができる。たとえば、共沸剤としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ヘプタン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジイソブチレンまたはこれらの混合物を用い、約10〜25kPa程度の減圧下で共沸脱水処理を行う。
【0020】
この共沸脱水処理によって、共沸脱水塔の塔底液中の水分濃度は1,000ppm以下となる。また、共沸脱水塔の塔頂からは、水、酢酸、共沸剤、低沸点アルデヒド類が除去される。水と共沸剤は相互に溶解しないことが望ましく、留出液は系外へ導き、油相は還流液として共沸塔へもどされ循環使用される。この共沸脱水処理により、塔底より粗アクリル酸が得られる。さらに、必要に応じて酢酸等の軽質成分を除去してもよい。
【0021】
ついで、この粗アクリル酸は、重質成分分離処理、たとえば重質成分分離塔に導き、通常の蒸留手段によつて留出液を得る。この留出液中には、水、酢酸、共沸剤、アルデヒドなどの低沸点物である不純物を含有する粗アクリル酸が得られる。また、塔底液は、マレイン酸、無水マレイン酸などのマレイン酸類の濃度の高いアクリル酸となり、適宜系外に導き除去する。
【0022】
ここで、重質成分分離塔での蒸留条件は、粗アクリル酸中のマレイン酸および無水マレイン酸の総濃度が2,000ppm以下、好ましくは1,500ppm以下、より好ましくは1,000ppmとなるように設定される。本発明のアクリル酸の製造方法では、この重質成分分離塔でのマレイン酸類の濃度を低くすることが好ましいが、後記の実施例より明らかなように、500〜1,000ppm程度にすることにより、次の蒸留工程において高純度のアクリル酸を製造できることが明らかとなった。
【0023】
すなわち、高純度アクリル酸の製造方法において、マレイン酸類の含有が問題点として存在し、これはケミカルによる方法が一般的であった。しかし、本発明者らの検討により、驚くべきことに、あるレベルでの物理的除去と言う簡便手段によって問題点が解消できることが明らかになったものである。したがって、マレイン酸類を限りなくゼロにするような、莫大な経費を要する蒸留塔、蒸留条件の採用は必要なく、経済的に行うことができることが本発明の大きな特徴である。
【0024】
この重質成分の分離、除去のための蒸留分離は、特に制限されるものではないが、通常、圧力5〜15kPa、塔底温度60〜90℃程度の条件で行われる。
次に、マレイン酸類の濃度が低下した粗アクリル酸は、最終精製処理である蒸留塔で処理される。この蒸留処理をヒドラジン類の存在下に行うものである。本発明で重要なことは、(イ)この蒸留塔へ供給される粗アクリル酸中のマレイン酸類の濃度が2,000ppm以下であること。(ロ)この条件の粗アクリル酸に対して、ヒドラジン類を添加することである。
【0025】
ここで、マレイン酸類濃度の低下した粗アクリル酸へヒドラジン類を添加する条件としては特に制限はなく、蒸留塔の前段階および/または蒸留塔中へ行うことができる。たとえば、粗アクリル酸と予め混合した後蒸留塔へ供給する、供給口で同時に供給する、別々に供給する方法が採用できる。ここで予め混合して供給するためには、攪拌機やポンプ循環ラインを有する供給粗アクリル酸タンクを用いる方法や供給ラインにスタテックミキサーやラインミキサーを設ける方法が採用できる。
【0026】
添加されるヒドラジン類としては、特に制限はないが、下記の一般式(1)で示される化合物あるいはその水和物を好ましく例示できる。
【0027】
【化3】
Figure 0004601120
【0028】
〔式中、R1 、R2 はそれぞれ水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、フェニル基、置換基を有するフェニル基または脂環式炭化水素基を示す。〕
ヒドラジン類の具体例としては、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、トリルヒドラジン、α,α−メチルフエニルヒドラジン、α,α−ジフエニルヒドラジン、β−ナフチルヒドラジンなど、あるいはこれらの水和物を例示できる。なお、これらのヒドラジン類あるいはその水和物は複数用いることもできる。
【0029】
ヒドラジン類の添加量は、蒸留塔に供給される粗アクリル酸に含まれる不純物の濃度によって適宜選定できる。具体的には、不純物のアルデヒド類に対して、1〜8倍、好ましくは3〜5倍〔各モル当量〕である。
【0030】
この粗アクリル酸の蒸留手段としては特に制限はなく、各種蒸留塔が用いられ、その蒸留条件の一例としては、圧力5〜10kPa程度、塔底の液温60〜90℃程度の条件が採用される。この蒸留の塔頂留出液としての高純度のアクリル酸は、供給される粗アクリル酸の60〜90容量%程度の範囲で得られる。この精製アクリル酸は、フルフラール、ペンズアルデヒド、マレイン酸などの不純物を精製条件の選定により1ppm以下にすることが可能となる。
【0031】
本発明のアクリル酸の製造方法は、共沸脱水処理、重質成分分離処理、蒸留処理などの工程でなされる。これらの工程、設備、処理条件などは、処理手段、装置サイズ、粗アクリル酸の組成、回収率、精製アクリル酸の目的とする純度などにより異なり、本願発明で特定した以外については、適宜決められる。また、アクリル酸は、重合し易い化合物であるので、蒸留などの条件は、極力低圧、低温の条件を採用することが好ましい。
【0032】
また、本発明のアクリル酸の製造方法に於ける蒸留操作は、回分蒸留とすることもできるが、連続蒸留とすることが、工業的、生産性の点から好ましい。また、アクリル酸の重合を防止するために、必要により、重合防止剤として公知の化合物である、ハイドロキノン、メトキシフェノール、ハイドロキノンモノメチルエーテルなどのフェノール類、フェノチアジン、ジフェニルアミンなどのアミン類、ジブチルジチオカルバミン酸銅などの銅塩、酢酸マンガンなどのマンガン塩、ニトロ化合物、ニトロソ化合物などを添加することができる。
【0033】
【実施例】
次に、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、アクリル酸中の不純物の定量は、ガスクロマトグラフィ法を用いた。
【0034】
実施例1
(1)共沸脱水処理
プロピレンの一段接触気相酸化により得られたアクリル酸含有酸化生成液を、充填剤が充填された小型蒸留装置(共沸脱水装置)〔径:2.6mm、長さ:600mm〕に、35ml/時間の速度で、かつ共沸溶剤としてトルエンを135ml/時間の速度で連続的に供給し、塔頂における圧力:17.5kPa、温度:85℃の条件で共沸脱水処理を行い粗アクリル酸▲1▼を得た。この、粗アクリル酸▲1▼中には、フルフラール:470ppm、ベンズアルデヒド:450ppm、マレイン酸類:11,000ppmが含まれていた。
【0035】
(2)重質成分分離蒸留
上記(1)で得られた、粗アクリル酸▲1▼を、充填剤が充填された小型蒸留装置(重質成分分離塔)〔径:2.6mm、長さ:600mm〕に、30ml/時間の速度で連続的に供給し、塔頂における圧力:5.3kPa、温度:65℃、塔底圧力:10.0kPa、塔底温度:82℃の条件で蒸留し、留出液としての粗アクリル酸▲2▼を得た。この、粗アクリル酸▲2▼中には、フルフラール:230ppm、ベンズアルデヒド:60ppm、マレイン酸類:880ppmが含まれていた。すなわち、マレイン酸類含有量が2,000ppm以下になるように除去されていた。
【0036】
(3)アクリル酸の蒸留処理
上記(2)で得られた、粗アクリル酸▲2▼と共にヒドラジン1水和物:590ppm〔アルデヒド類(フルフラールとベンズアルデヒドの和)に対して4倍モル当量)を添加して、充填剤が充填された小型蒸留装置(アクリル酸蒸留塔)〔径:2.6mm、長さ:600mm〕に、30ml/時間の速度で連続的に供給し、塔頂における圧力:5.3kPa、温度:65℃、塔底圧力:10.0kPa、塔底温度:79℃の条件で蒸留し、塔頂留出液として供給液に対して、75容量%の量の精製された高純度のアクリル酸を得た。
【0037】
得られた高純度アクリル酸中のフルフラール、ベンズアルデヒド、マレイン酸類は全て1ppm以下、水分は570ppmであった。なお、蒸留塔塔底液中のフルフラールは10ppm、ベンズアルデヒドは15ppm、マレイン酸類は50ppmであった。また、この際蒸留塔塔底での析出物は認められなかった。
【0038】
実施例2
実施例1において、ヒドラジン水和物を予め粗アクリル酸▲2▼と5分間混合した後、アクリル酸蒸留塔に連続的に供給した以外は、実施例1と同様にして、塔頂留出液として精製された高純度のアクリル酸を得た。得られた高純度アクリル酸中のフルフラール、ベンズアルデヒド、マレイン酸類は全て1ppm以下、水分は590ppmであった。なお、蒸留塔塔底液中のフルフラールは7ppm、ベンズアルデヒドは11ppm、マレイン酸類は43ppmであった。また、この際蒸留塔塔底での析出物は認められなかった。
【0039】
比較例1
実施例1の(1)で得られたマレイン酸類を11,000ppm含む粗アクリル酸▲1▼と共にヒドラジン1水和物:1,830ppm〔アルデヒド類に対して4倍モル当量〕を添加して、アクリル酸蒸留塔に連続的に供給した以外は実施例1と同様にして、塔頂留出液として精製されたアクリル酸を得た。得られた精製アクリル酸中のフルフラールは8ppm、ベンズアルデヒドは1ppm、マレイン酸類は15ppm、水分は1,750ppmであった。なお、蒸留塔塔底液中のフルフラールは150ppm、ベンズアルデヒドは240ppm、マレイン酸類は31,000ppmであった。また、この際蒸留塔塔底では多量の析出物が認められた。
【0040】
比較例2
実施例1の(1)で得られたマレイン酸類を11,000ppm含む粗アクリル酸▲1▼と共にヒドラジン1水和物:2,740ppm〔ヒドラジン類に対して6倍モル当量〕を添加して、アクリル酸蒸留塔に連続的に供給した以外は実施例1と同様にして、塔頂留出液として精製アクリル酸を得た。得られた精製アクリル酸中のフルフラールは5ppm、ベンズアルデヒドは1ppm、マレイン酸類は10ppm、水分は2,630ppmであった。なお、蒸留塔塔底液中のフルフラールは110ppm、ベンズアルデヒドは180ppm、マレイン酸類は23,000ppmであった。また、この際蒸留塔塔底では比較例1よりも多量の析出物が認められた。
【0041】
比較例3
実施例1の(2)での蒸留条件を変更し、フルフラール:290ppm、ベンズアルデヒド:130ppm、マレイン酸類:2,500ppmを含む粗アクリル酸▲3▼を得た。これにヒドラジン1水和物:850ppm〔ヒドラジン類に対して4倍モル当量〕を添加して、アクリル酸蒸留塔に連続的に供給した以外は実施例1と同様にして、塔頂留出液として精製アクリル酸を得た。得られた精製アクリル酸中のフルフラールは2ppm、ベンズアルデヒドは1ppm、マレイン酸類は4ppm、水分は810ppmであった。なお、蒸留塔塔底液中のフルフラールは40ppm、ベンズアルデヒドは30ppm、マレイン酸類は4,500ppmであった。また、この際蒸留塔塔底では析出物が認められた。
【0042】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、プロピレン及び/又はアクロレインの接触気相酸化により得られる粗アクリル酸から高純度のアクリル酸を、蒸留精製時のスラッジの発生を抑制して、経済的に有利に製造することができる。

Claims (2)

  1. (i) 接触気相酸化によって得られたアクリル酸含有酸化生成液を共沸脱水処理して得られ、1000ppm以下の水分を含む粗アクリル酸を分離し
    (ii) 前記(i)で得られた粗アクリル酸を圧力5〜15kPa、塔底温度60〜90℃で蒸留して、マレイン酸および無水マレイン酸の総濃度が500〜1000ppmである粗アクリル酸とし、
    (iii) 前記(ii)で得られた粗アクリル酸を、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、トリルヒドラジン、α,α−メチルフエニルヒドラジン、α,α−ジフエニルヒドラジン、β−ナフチルヒドラジンおよびこれらの水和物から選ばれる少なくとも一種のヒドラジン類の共存下で蒸留する
    ことを特徴とするアクリル酸の製造方法。
  2. 前記(iii)における蒸留時のヒドラジン類の添加を蒸留塔の前段階および/または蒸留塔中で行う請求項1に記載のアクリル酸の製造方法。
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