JP3403258B2 - 流体流路の洗浄方法と洗浄装置 - Google Patents

流体流路の洗浄方法と洗浄装置

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JP3403258B2
JP3403258B2 JP27601794A JP27601794A JP3403258B2 JP 3403258 B2 JP3403258 B2 JP 3403258B2 JP 27601794 A JP27601794 A JP 27601794A JP 27601794 A JP27601794 A JP 27601794A JP 3403258 B2 JP3403258 B2 JP 3403258B2
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一好 荒井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人工透析装置の透析液
流路や食品プラントの流体流路など、各種流体の流路の
洗浄方法および洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人工透析は腎臓の血液中の老廃物除去機
能や水分除去機能に障害がある慢性腎不全患者が受ける
治療方法であり、ナトリウム,カリウム,カルシウム等
の成分を適量に濃度調整した透析液と透析患者の静脈よ
り抽出した血液とを透析膜を介して臨ませ、拡散原理に
よって透析液と血液との間でナトリウム,カリウム,カ
ルシウム,尿素,水分等を交換する。これにより、血液
中から過剰な代謝産物や水分が除去され、この浄化され
た血液を透析患者に戻すことにより***の症状がなく
なる。このような人工透析を行う人工透析装置において
は、配管やホース(患者監視装置の透析液流路、特に透
析器の下流側流路)に患者の血液から透析した蛋白成
分,グラム陰性菌,毒素等が付着し、細菌の温床となり
易い。そのため、これらを定期的に洗浄する必要があ
り、従来より逆浸透性のある純水と薬液を用いた洗浄が
行われている。例えば、一人の患者の透析を終了する
と、その度に、逆浸透水を約30分間透析装置に循環さ
せることにより透析液流路の洗浄が行われている。この
洗浄に加えて、一日の透析治療が終了する度に、逆浸透
水を約30分間透析装置に循環させることにより透析液
流路の洗浄を行い、ついで、約30分間クエン酸の結晶
を逆浸透水で1%に溶解した溶液を透析液流路に流して
殺菌洗浄を行う。さらに約30分間逆浸透水を流して透
析液流路の酸洗浄を行ったのち、二酸化塩素(Cl
2 )を逆浸透水で溶解した溶液を透析液流路に流して
殺菌洗浄を行う。そして、この二酸化塩素水溶液を透析
液流路に滞留させて4〜5時間漬け置きし、最後に約2
時間逆浸透水を流して透析液流路より次亜塩素酸成分を
洗い流す。そして、洗浄後の残留塩素濃度を測定し、残
留塩素濃度が規定値よりも小さくなるまで十分な洗浄が
行われていることを確認した上で、次の透析液を流すた
めの準備を行う。さらに、週に一度、上述したクエン酸
の1%溶液および二酸化塩素溶液による殺菌洗浄に代え
て、透析液流路に付着した蛋白質を分解除去する薬液を
用いて透析液流路を洗浄することにより、殺菌洗浄をよ
り確実なものとしている。
【0003】一方、乳業用プラント,果汁飲料用プラン
ト,醸造用プラントなど、流体食品を取り扱うプラン
ト、または製薬プラントなどにおいては、流体食品等の
タンクや管路内を清浄及び衛生に保つために、洗浄,滅
菌あるいは殺菌処理が行われている。従来、この種の殺
菌洗浄処理は、硝酸と苛性ソーダおよび温水を用いて行
われていた。すなわち、3つのタンクのそれぞれに硝
酸、苛性ソーダおよび温水を収容し、まず最初に温水で
流路を洗浄したのち、硝酸を用いた酸洗浄が行なわれ、
ついで温水を流して硝酸を洗い流したのち、苛性ソーダ
を用いたアルカリ洗浄が行なわれていた。この酸洗浄と
アルカリ洗浄によって流体食品等のタンクや管路内に付
着した老廃物が除去され、最後に高温の温水を流路内に
導くことによって滅菌処理が行なわれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の洗浄方法により透析液流路の殺菌洗浄を行っても透
析装置の構造上殺菌洗浄が困難な箇所が存在し、かかる
領域が細菌の温床となりやすいことが経験上判ってい
る。例えば、透析液自動供給装置には一対の原液タンク
が接続されており、一方のタンク(以下、タンクAとい
う)にはカルシウム,マグネシウム,カリウム,ナトリ
ウム等の物質が適量に調製された透析液原液が貯留さ
れ、他方のタンク(以下、タンクBという)には重曹が
貯留されている。このうち、タンクAと透析液自動供給
装置とを結ぶ経路は高濃度の透析液が流通しているた
め、透析液の殺菌作用により当該流路が細菌により汚染
されることはない。ところが、タンクBと透析液自動供
給装置とを結ぶ経路にあっては、十分な殺菌能力がない
重曹が流通しているので細菌の温床になりやすい。この
経路を殺菌するためには、タンクBに次亜塩素酸等の希
釈溶液を溜め置き、透析中と同じ経路でこの次亜塩素酸
溶液を透析液流路に流通させればよい。しかしながら、
タンクBは透析液貯留用のタンクであるため、ここに次
亜塩素酸溶液などの薬剤を貯留すると、タンクB内にこ
の薬剤成分がなくなるまで十分に洗浄する必要がある。
この洗浄のためには大量の逆浸透水と洗浄時間とを必要
とする。かかる理由によりタンクBと透析液自動供給装
置との結ぶ経路は細菌の温床になりやすいことになる。
また、総合的にみても洗浄に要する純水量が膨大な量と
なり、洗浄時間が長時間に及ぶという問題もあった。実
際には、透析装置の洗浄時間は透析時間の約50%にも
及び、また透析装置1台に対して0.15t/日の純水
を使用していた。そのため、多数の患者に対して透析治
療を行うためには、透析装置を多数導入したり、製造能
力の大きな純水製造装置を導入する必要があり、タイム
リーかつ廉価な医療を実現するためのネックとなってい
た。また、透析装置のホース等にはエンドトキシンなど
の毒素やグラム陰性菌などの細菌が蛋白成分等に隠れて
付着していることも判明している。そのため、蛋白成分
を十分除去したのちに消毒液や殺菌液を流さなければ、
エンドトキシンの除去やグラム陰性菌の殺菌はできな
い。したがって、十分な逆浸透水による洗浄を行って蛋
白成分を除去したのち、塩素,次亜塩素,EDTA等が
配合された高価な薬液を用いて毒素を除去したり細菌を
殺菌し、最後に再び逆浸透水による洗浄を行う必要があ
った。
【0005】一方、食品プラントの流路の洗浄において
は、酸洗浄およびアルカリ洗浄に硝酸や苛性ソーダを洗
浄液として用いると、洗浄後にこれらを廃液処理する必
要があった。そのため、洗浄液の廃液処理装置を別途設
ける必要が生じ、装置が大型化するばかりでなくコスト
の面でも不利であった。また、酸洗浄およびアルカリ洗
浄後に滅菌や殺菌処理を高温の温水で行う方法では、滅
菌・殺菌効果を十分に発揮できる温度に温水を制御する
必要があり、もし必要な温度まで上昇しない状態で温水
を流したとしても、タンクや流路内に付着した老廃物の
箇所で繁殖した細菌を十分に殺菌することはできない。
また、熱による滅菌・殺菌では、別途温水供給装置が必
要となり、しかも上述したように温水の温度を適宜制御
するコントローラも設けておくことが必要となった。
【0006】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、人工透析装置の透析液流路
や食品プラントの流体流路等を、廃液処理を行うことな
く短時間かつ低コストで殺菌洗浄することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、水道水,逆浸透水,純水及び軟水
処理した水道水からなる群より選ばれる水を電気分解し
て得られる電解水を用いて流体の流路の洗浄を行う流体
流路の洗浄方法が提供される。水道水,逆浸透水,純水
及び軟水処理した水道水からなる群より選ばれる水を電
気分解するとアルカリ性電解水と酸性電解水とが得ら
れ、本発明の電解水としては、どちらの電解水でも使用
できる。ただし、これらのアルカリ性電解水と酸性電解
水とを交互に用いて流体の流路の洗浄を行うことがより
好ましい。このとき、アルカリ性電解水と酸性電解水と
を用いる順序は特に限定されないが、少なくとも、アル
カリ性電解水を用いて流体の流路を洗浄したのち、酸性
電解水を用いて前記流体の流路の洗浄を行うことがより
好ましい。また、より好ましくは、前記アルカリ性電解
水を用いて流体の流路を洗浄したのち、前記酸性電解水
を用いて前記流体の流路を洗浄し、ついで前記群より選
ばれた水により前記流体の流路を洗浄する。電気分解を
行う水は、水道水,逆浸透水,純水及び軟水処理した水
道水からなる群より選ばれるが、電解効率を高めるため
に、塩化ナトリウム,塩化カリウム,塩化カルシウムな
ど解離度が大きい物質を前記水に添加しても良い。
【0008】また、上記目的を達成するために、本発明
によれば、隔膜によって内部に陽極室と陰極室とが形成
され、前記陽極室と前記陰極室とのそれぞれに電極板が
設けられ、前記陽極室で酸性電解水を生成するとともに
前記陰極室でアルカリ性電解水を生成する電解槽と、
前記酸性電解水を目的とする流体の流路へ導くための導
管と、 前記アルカリ性電解水を目的とする流体の流路
へ導くための導管と、 少なくとも前記酸性電解水と前
記アルカリ性電解水とを前記目的とする流体の流路へ移
送する移送手段と、 少なくとも前記酸性電解水が導か
れる導管及び前記アルカリ性電解水が導かれる導管と、
前記目的とする流体の流路とを、選択的に連通させるた
めの弁と、 少なくとも前記酸性電解水のpH値または
前記酸性電解水の酸化還元電位を検出するためのセンサ
と、前記センサにより検出されたpH値または酸化還元
電位が、予め入力された基準範囲にあるか否かを判断す
ると共に、基準範囲外である場合には前記流体の流路へ
の電解水の供給を停止するための制御手段と、を有する
流体流路の洗浄装置が提供される。このとき、前記電解
槽に複数の隔膜を設け、複数の陽極室及び陰極室を形成
してもよい。また、本発明に係る電解槽は、電解槽に被
電解水を供給しながら電解水を連続的に生成して排出す
る、いわゆる連続通水式の電解槽であっても、あるいは
電解槽に被電解水を溜め、電気分解を行ったのち生成さ
れた電解水をまとめて排出する、いわゆるバッチ式電解
槽であってもよい。少なくとも酸性電解水とアルカリ性
電解水とを目的とする流体の流路へ移送する移送手段と
しては、圧送ポンプや吸引ポンプなど各種流体ポンプを
用いることができる。さらに流体ポンプ以外にも、高低
差(位置エネルギー)を利用して電解水を目的とする流
体の流路へ自然落下させてもよい。少なくとも酸性電解
水のpH値または酸性電解水の酸化還元電位を検出する
ためのセンサとしては、最終的に酸性電解水のpH値ま
たは酸性電解水の酸化還元電位を求めることができるセ
ンサであればよい。例えば、酸性電解水のpH値を測定
するpHセンサ、または酸性電解水の酸化還元電位を測
定するORPセンサを例示することができる。この場
合、アルカリ性電解水のpH値をpHセンサで測定し、
これに応じたpH値を酸性電解水のpH値と擬制するこ
とも可能である。同様に、アルカリ性電解水の酸化還元
電位を測定して、これに応じた酸化還元電位を酸性電解
水の酸化還元電位と擬制してもよい。
【0009】さらに、上記目的を達成するために、本発
明によれば、隔膜によって内部に陽極室と陰極室とが形
成され、前記陽極室と前記陰極室とのそれぞれに電極板
が設けられ、前記陽極室で酸性電解水を生成するととも
に前記陰極室でアルカリ性電解水を生成する電解槽と、
前記電極板への印加極性を反転させるための極性反転
回路と、 前記酸性電解水を使用量分だけ溜めておく第
1のタンクと、 前記アルカリ性電解水を使用量分だけ
溜めておく第2のタンクと、 前記第1のタンクに溜め
られた酸性電解水を目的とする流体の流路へ導くための
導管と、 前記第2のタンクに溜められたアルカリ性電
解水を前記目的とする流体の流路へ導くための導管と、
少なくとも前記酸性電解水と前記アルカリ性電解水と
を前記目的とする流体の流路へ移送する移送手段と、
少なくとも前記酸性電解水が導かれる導管及び前記アル
カリ性電解水が導かれる導管と、前記目的とする流体の
流路または排水路の何れか一方とを、選択的に接続する
ための弁と、を有する流体流路の殺菌洗浄装置が提供さ
れる。このとき、前記電解槽に複数の隔膜を設け、複数
の陽極室及び陰極室を形成してもよい。また、本発明に
係る電解槽は、電解槽に被電解水を供給しながら電解水
を連続的に生成して排出する、いわゆる連続通水式の電
解槽であっても、あるいは電解槽に被電解水を溜め、電
気分解を行ったのち生成された電解水をまとめて排出す
る、いわゆるバッチ式電解槽であってもよい。少なくと
も酸性電解水とアルカリ性電解水とを目的とする流体の
流路へ移送する移送手段としては、圧送ポンプや吸引ポ
ンプなど各種流体ポンプを用いることができる。さらに
流体ポンプ以外にも、高低差(位置エネルギー)を利用
して電解水を目的とする流体の流路へ自然落下させても
よい。
【0010】
【作用】本発明の流体流路の洗浄方法では、水道水,逆
浸透水,純水及び軟水処理した水道水からなる群より選
ばれる水を単に電気分解することにより安価に得られる
電解水、すなわちアルカリ性電解水と酸性電解水とを用
いて、流体の流路を交互に洗浄する。つまり、アルカリ
性電解水で配管等に付着した蛋白成分の物質を除去した
のち、酸性電解水で毒素を除去したり細菌を死滅させ
る。アルカリ性電解水は人工透析装置の透析液流路や食
品プラントの流体流路などに付着した蛋白成分の物質を
溶出させる作用が極めて大きい。一方、酸性電解水は毒
素の除去作用や細菌の殺菌作用を有している。したがっ
て、比較的少量のアルカリ性電解水で蛋白成分の物質を
除去することができ、しかも蛋白成分の物質に隠れてい
たエンドトキシンなどの毒素の除去やグラム陰性菌の殺
菌を酸性電解水により確実に行うことができる。なお、
最後に行われる水道水,逆浸透水,純水及び軟水処理し
た水道水からなる群より選ばれる水を用いて行う洗浄
は、酸性電解水を除去することが目的であるため、必要
な純水量は比較的少量で足りる。本発明の殺菌洗浄方法
で用いられる電解水は非化学物質であるため、残留性お
よび菌の耐性がない。そのため、従来の化学物質による
殺菌洗浄と比較すると、殺菌洗浄後の逆浸透水による洗
浄工程における洗浄時間や洗浄液の使用量を大幅に低減
することができる。しかも、残留した化学物質が透析液
や食品等に与える悪影響についても全く考慮する必要が
ないため、洗浄液の取り扱いがきわめて簡易となる。ま
た、廃液処理を行う必要もない。
【0011】また、本発明の流体流路の洗浄装置では、
少なくとも酸性電解水のpH値または酸性電解水の酸化
還元電位を検出するためのセンサを設け、このセンサに
より検出されたpH値または酸化還元電位が、予め入力
された基準範囲にあるか否かを判断する。そして、この
pH値または酸化還元電位が基準範囲外である場合には
流体の流路への電解水の供給を停止する。上述したよう
に、酸性電解水は毒素の除去作用や細菌の殺菌作用を有
しているが、これらの作用はpH値及び酸化還元電位と
相関があることが知られているので、十分な毒素の除去
作用や細菌の殺菌作用を発揮し得ない場合には、電解水
の供給を停止し、異常の処置が必要であることを喚起す
る。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1(A)は本発明の一実施例に係る洗浄方法
を示す工程図であり、アルカリ性電解水を用いた洗浄工
程、酸性電解水を用いた洗浄工程、および純水を用いた
洗浄工程から構成されている。アルカリ性電解水洗浄 まず、本実施例の洗浄方法では、透析を終了した人工透
析装置や食品プラントの配管やホース類を、水の電気分
解により得られたアルカリ性電解水を用いて洗浄する。
このとき用いられるアルカリ性電解水は、pHが11以
上、好ましくはpHが11.3以上である。このアルカ
リ性電解水を用いた洗浄は、アルカリ性電解水を流路内
に流しながら洗浄する循環洗浄であっても、アルカリ性
電解水を流路内に封入したまま放置しておく漬け置き洗
浄であっても良く、またこれらを組み合わせた洗浄を行
っても良い。このようなアルカリ性電解水を用いた洗浄
により、透析装置や食品プラントの特に配管やホースに
付着した蛋白成分の物質が除去される。しかも、アルカ
リ性電解水は蛋白成分の物質の除去効果が極めて大きい
ので、従来の逆浸透水による洗浄に比べて少量のアルカ
リ性電解水で同等の洗浄効果が得られる。
【0013】酸性電解水洗浄 透析装置や食品プラントの配管やホースに付着した蛋白
成分の物質を除去すると、次に酸性電解水を用いて毒素
を除去するための洗浄および細菌を死滅させるための殺
菌洗浄を行う。このとき用いられる酸性電解水は、pH
が3以下、好ましくはpHが2.7以下である。この酸
性電解水を用いた洗浄は酸性電解水を流路内に流しなが
ら洗浄する循環洗浄であっても、酸性電解水を流路内に
封入したまま放置しておく漬け置き洗浄であってもよ
く、またこれらを組み合わせた洗浄を行っても良い。こ
のような酸性電解水による洗浄によって、透析装置や食
品プラントの配管やホース、あるいは本体に付着した毒
素を除去したり細菌を殺菌することができる。特に、上
述したpH値の強酸性電解水は優れた毒素除去効果およ
び殺菌効果を有しているので、しかも前工程のアルカリ
性電解水を用いた洗浄により、蛋白成分の物質の除去が
好適に行われているので、エンドトキシンなどのような
毒素の除去およびグラム陰性菌の殺菌を少量の酸性電解
水で行うことができる。
【0014】純水洗浄 アルカリ性電解水を用いた洗浄と酸性電解水を用いた洗
浄を終了すると、透析装置や食品プラントの流体の流路
に付着した蛋白成分の物質や毒素は除去され細菌は殺菌
されるが、洗浄に用いられた酸性電解水を洗い流すため
に純水洗浄を行う。この純水洗浄は酸性電解水を除去で
きればよいので、少量かつ短時間の洗浄で足りる。この
ように本実施例の洗浄方法を用いれば、従来多量の純水
を用いて長時間行う必要があった洗浄作業を少量の電解
水かつ短時間の洗浄作業で足りることになる。なお、図
1(A)に示す洗浄方法は、アルカリ性電解水による洗
浄を行ったのち酸性電解水による洗浄を行い、最後に純
水による洗浄を行っているが、本発明では、例えば図1
(B)に示すようにアルカリ性電解水による洗浄工程と
酸性電解水による洗浄工程との間に純水洗浄工程を設け
ても良い。また、アルカリ性電解水と酸性電解水による
洗浄回数には何ら限定されず、交互に複数回洗浄しても
良い。
【0015】電解水生成装置 上述したアルカリ性電解水と酸性電解水は、例えば図2
に示す電解水生成器にて生成することができる。図2は
本発明の洗浄方法に係る電解水生成器を示す基本構成図
である。この電解水生成器は、いわゆる連続通水式であ
って、純水生成装置1により生成された純水を収容する
電解槽2を有しており、電解槽2内は隔膜3によって陰
極室4と陽極室5に区画されている。これらの陰極室4
および陽極室5にはそれぞれ電極板6,7が設けられて
おり、陰極室4に設けられた電極板6は陰極、陽極室5
に設けられた電極板7は陽極の電圧が印加されるように
直流電源8が接続されている。そして、2つの電極板
6,7に所定の電圧を印加すると、電解槽2内に連続的
に供給される純水は、電気分解し、陽イオンは陰極側、
すなわち陰極室4に集約される。一方、陰イオンは陽極
側、すなわち陽極室5に集約される。このとき、陽極室
5と陰極室4とは隔膜3によって仕切られているため、
陽極室5に設けられた酸性電解水の取出口9からは酸性
電解水のみが吐出し、陰極室4に設けられたアルカリ性
電解水の取出口10からはアルカリ性電解水のみが吐出
することになる。また、陽極室5に集約された酸性電解
水は酸性電解水タンク11に、陰極室4に集約されたア
ルカリ性電解水はアルカリ性電解水タンク12に一時的
に保管される。なお、生成される電解水のpH値は、電
解槽内における電流密度、通電時間または流量(被電解
水と電極板との接水時間)、塩化ナトリウムNaCl等
の電解質の添加量(解離度)等によって調節される。な
お、本発明の流体流路の洗浄方法で用いられる電解水
は、上述した生成装置以外でも生成することができ、電
解水の生成装置の種類や生成方法に何ら限定されること
はない。また、陰極板に析出するスケールを除去するた
めに、定期的に逆洗を行うことが好ましく、この場合に
は逆洗直後の水は除去されたスケールが混入しているの
で捨て水とすることが好ましい。
【0016】上述した本発明の流体流路の洗浄方法は、
例えば透析装置の透析液流路の殺菌及び洗浄を行う方法
に適している。透析装置の洗浄装置 本発明に関し、透析装置の透析液流路の洗浄システムは
以下のように構成することができる。図3は本発明の洗
浄装置を含む透析装置の洗浄システムの一例を示す構成
図であり、図4は中央供給装置と患者監視装置の他の実
施例を示す構成図、図5は患者監視装置の一実施例を示
す配管フロー図である。本実施例では、純水生成装置で
ある逆浸透装置1に例えば水道水を供給し、得られた純
水を第1電解水生成器13と純水タンク14に供給す
る。この純水供給の切替えは三方弁15によって行われ
る。例えば、純水タンク14の貯留量が減少すると三方
弁15を切り替えて、純水生成装置で生成された純水を
純水タンク側に導く。また同様に、酸性電解水タンク1
1およびアルカリ性電解水タンク12の貯留量が減少す
ると三方弁15を切り替えて、純水生成装置で生成され
た純水を第1電解水生成器側に導く。なお、第1電解水
生成器13へ純水を供給するにあたっては、電解効率を
高めるために塩化ナトリウムや塩化カリウムなどの解離
用媒体を純水に添加したのちに、供給することが好まし
い。第1電解水生成器13は図2で説明した構造であ
り、供給された純水を電気分解することにより酸性電解
水とアルカリ性電解水が生成され、それぞれ酸性電解水
タンク11とアルカリ性電解水タンク12に一時的に貯
留される。この酸性電解水タンク11とアルカリ性電解
水タンク12に貯留された電解水はそれぞれ第2電解水
生成器16に供給される。この第2電解水生成器16も
図2に示す構造であるが、酸性電解水タンク11からの
酸性電解水は第2電解水生成器16の陽極室に供給され
る一方、アルカリ性電解水タンク12からのアルカリ性
電解水は第2電解水生成器16の陰極室に供給され、そ
れぞれ再電解が行われる。第2電解水生成器16にて再
電解されて得られた酸性電解水とアルカリ性電解水はポ
ンプ17によって中央供給装置18に導かれる。このと
き、第2電解水生成器16からの酸性電解水の流出路1
9とアルカリ性電解水の流出路20は、純水タンク14
からの純水の流出路21とともに四方弁22に接続さ
れ、この四方弁22を適宜切り替えることにより、中央
供給装置18へ供給される流体を選択することができる
ようになっている。例えば、透析を行う場合には中央供
給装置18によって透析液を生成するために純水タンク
14から純水が中央供給装置18に送られる。一方、透
析を終了して透析装置の洗浄を行う場合には、酸性電解
水,アルカリ性電解水および純水が酸性電解水タンク1
1,アルカリ性電解水タンク12および純水タンク14
から適宜の順序で中央供給装置18に送られる。このよ
うな四方弁22の切替えは図示しない透析装置のコント
ローラによって制御される。上述した四方弁22によっ
て選択された流体はポンプ17によって中央供給装置1
8に供給され、さらにこの中央供給装置18から患者監
視装置23に送られる。本実施例に係る中央供給装置1
8では透析を行う場合、すなわち透析器24に透析液を
供給する場合は、図4に示すように、四方弁22を純水
が供給される位置に切り替え、透析液自動供給装置18
aにて、タンク18Aに貯留された透析液原液(カルシ
ウム,マグネシウム,カリウム,ナトリウム等の物質が
適量に調製された原液)と、他方のタンク18Bに貯留
された重曹と、純水タンク14からの純水とを混合して
透析液を調製し、これを患者監視装置23に送る。な
お、図4において「25」は減圧弁、「26」は脱気装
置である。四方弁22からの供給系と中央供給装置18
は、図3に示すように1対1で配列してもよいが、1台
の中央供給装置では1種類の透析液のみが調製されるだ
けであるため、多数の患者に対して異なる透析液を供給
する場合には、図4に示すように複数の中央供給装置を
並列に設けることが好ましい。この場合、各透析液自動
供給装置18aでは、純水,透析液原液および重曹の配
合比が適宜選択される。
【0017】一方、中央供給装置18から透析液が供給
される患者監視装置23は、例えば図5に示すように構
成することができる。同図に示す実施例では、導入され
た透析液の温度と流量(圧力)をコントロールするとと
もに、透析液中に含まれた気泡を除去する構成が採用さ
れている。そして、所定の温度,流量(圧力)に制御さ
れた透析液は透析器24に案内され、患者から抽出され
た血液との間で透析が行われる。また、図5に示すよう
に透析器24は供給系に対して着脱可能に構成されてお
り、一人の患者に透析を行うとそのとき使用された透析
器24は廃棄され、次の患者に対しては新しい透析器2
4が装着される。また、透析装置の洗浄は透析器24を
取り外している間に行う必要があるため、透析器の装着
部位には洗浄液を流通させ得るアダプタ27が着脱可能
となっている。このような患者監視装置23と中央供給
装置18は、図3に示すように1対1で接続してもよい
が、1台の患者監視装置では一人の患者に対してのみ透
析できるだけであるため、多数の患者に対して同時に透
析する場合には、図4に示すように1台の中央供給装置
18に対して複数の患者監視装置23を並列に設けるこ
とが好ましい。
【0018】本実施例では、第1電解水生成器13およ
び第2電解水生成器16で得られた酸性電解水およびア
ルカリ性電解水のpH値および酸化還元電位(ORP
値)を管理するために、例えば図3に示すように、第1
電解水生成器13の上流および下流、第2電解水生成器
16の上流および下流にpH値および/またはORP値
を検出するためのセンサ28a〜28dを設けている。
そして、第1電解水生成器13の上流および下流に設け
たセンサ28a,28bに基づいて当該第1電解水生成
器13における電解槽内電流密度、通電時間または流
量、NaCl等の電解質の添加量(解離度)等の各種電
解条件を制御し、所望のpH値およびORP値となった
酸性電解水とアルカリ性電解水とを酸性電解水タンク1
1およびアルカリ性電解水タンク12にそれぞれ収容す
るようになっている。第2電解水生成器16の上流側に
設けられたセンサ28cは、酸性電解水タンク11およ
びアルカリ性電解水タンク12に貯留された酸性電解水
とアルカリ性電解水のpH値およびORP値を再測定
し、基準値に達していない場合には第2電解水生成器1
6により再電解を行う。そして、第2電解水生成器16
の下流に設けられたセンサ28dによって中央供給装置
18に最終的に供給される電解水のpH値およびORP
値を測定し、基準値を満たしている場合はそのまま供給
するが、仮に基準値を満足していない場合には中央供給
装置18への電解水の供給を停止し、その旨を表示(警
告)する。
【0019】具体的には、図3に示すように、各センサ
28a〜28dにより検出されたpH値およびORP値
はコントローラ(制御手段)29に入力され、当該コン
トローラ29に予め記憶されている基準値の範囲にある
か否かが判断される。もし、基準値を満たしていない場
合にはコントローラ29からポンプ17(若しくは四方
弁22でもよい)に停止信号が出力され、中央供給装置
18に対する電解水の供給を停止する。これと同時に表
示ランプや警告ブザーにより構成された警告表示手段3
0に信号を出力し、電解水の異常を喚起する。仮に、こ
の異常事態が所定時間以上続いた場合には、ポンプ17
を再起動すると共に四方弁22を純水タンク14側に切
り替え、中央供給装置18に純水を流すようにする。透
析液流路に残留している雑菌は時間の経過とともに流路
内に存在する栄養分によって繁殖することから、この純
水を用いて流路内の栄養分を迅速に洗い流すことによ
り、少しでも雑菌の繁殖を抑制する。ただし、殺菌洗浄
が十分に行われていない旨の警告は連続して発してお
き、透析装置の管理者に注意を喚起する。このように、
電解水のpH値およびORP値、とりわけ酸性電解水の
pH値およびORP値は殺菌力に相関することから、既
述した洗浄方法における殺菌効果を有効に実現するため
に、本実施例では酸性電解水のpH値およびORP値を
管理し、再電解を行うことにより殺菌力の信頼性を高め
るようにしている。また、最終的に供給される酸性電解
水が基準値に達していない場合には、予定する殺菌効果
が十分に得られないので酸性電解水の供給を停止すると
ともに、この異常を作業者に喚起して装置の保全を促す
ようにしている。なお、図3に示す実施例では、pH値
およびORP値の検出センサ28a〜28dを第1およ
び第2電解水生成器13,16の上流および下流に4個
設けているが、第1電解水生成器13の下流に設けられ
たセンサ28bは省略することができる。また、同実施
例では酸性電解水が殺菌能力を有し、主に殺菌能力を管
理したいという理由から酸性電解水のpH値およびOR
P値を検出し、アルカリ性電解水についてはセンサによ
る実際のpH値およびORP値は測定していないが、ア
ルカリ性電解水についてもセンサを設けることは何ら支
障はない。ただし、第1および第2電解水生成器13,
16において生成される酸性電解水とアルカリ性電解水
は、ほぼ等しいpH値およびORP値を示し、しかも既
述した洗浄方法に係るアルカリ性電解水の機能は流路に
付着した蛋白質等を除去するものであることから、アル
カリ性電解水のpH値およびORP値は、さほど厳密に
管理する必要はない。また、図3に示す実施例では、電
解水生成器を2基設け、第1電解水生成器(メイン)1
3で基準値に達しないときは第2電解水生成器(サブ)
16により再電解を行うようにしているが、酸性電解水
タンク11およびアルカリ性電解水タンク12に貯留さ
れた電解水を同じ1基の電解水生成器に再循環して再電
解を行うようにしてもよい。
【0020】以上説明した実施例は、本発明の流体流路
の洗浄装置を透析装置の透析液流路の洗浄に応用した具
体例であるが、本発明の流体流路の洗浄装置は、透析装
置の透析液流路以外にも、例えば乳製品製造装置、酒類
製造装置、薬品製造装置などの各種プラントの流体流路
の洗浄装置として用いることができる。これら各種プラ
ントの洗浄システムとしては、上述した構成によるもの
は勿論のこと、以下に説明するシステムを用いても良
い。図6は本発明の他の実施例に係る流体流路の洗浄装
置を示す構成図であり、電解水生成器13で生成された
酸性電解水とアルカリ性電解水を溜めておくタンク1
1,12は極性反転回路31による印加電圧極性に応じ
て一方が酸性電解水タンクとなり、他方がアルカリ性電
解水タンクとなる。以下においては、便宜的に電解水タ
ンク11,12、あるいは酸性電解水タンクおよびアル
カリ性電解水タンク11,12と称する場合もある。本
実施例では、純水生成装置である逆浸透装置1に例えば
水道水を供給し、得られた純水を電解水生成器13と純
水タンク14に供給する。この純水供給の切替えは三方
弁15によって行われる。例えば、純水タンク14の貯
留量が減少すると三方弁15を切り替えて、純水生成装
置1で生成された純水を純水タンク側に導く。また同様
に、酸性電解水タンクおよびアルカリ性電解水タンク1
1,12の貯留量が減少すると三方弁15を切り替え
て、純水生成装置1で生成された純水を電解水生成器側
に導く。なお、電解水生成器13へ純水を供給するにあ
たっては、電解効率を高めるために塩化ナトリウムや塩
化カリウムなどの解離用媒体を純水に添加したのちに、
供給することが好ましい。本実施例では、電解水生成器
13へ向かう流路にバイパス路32を設け、ここに塩化
ナトリウムや塩化カリウムを添加して溶解するための溶
解槽33が設けられている。電解水生成器13は図2で
説明した構造であり、供給された純水を電気分解するこ
とにより酸性電解水とアルカリ性電解水が生成され、そ
れぞれ酸性電解水タンクとアルカリ性電解水タンク1
1,12に一時的に貯留される。本実施例の電解水生成
器13には、陽極板と陰極板への印加電圧極性をある一
定間隔で反転させるための極性反転回路31が設けられ
ている。この極性反転回路31では、例えば1回の電解
を終了したら、その終了の信号がこの極性反転回路31
に出力され、この信号を受けて直流電源から両電極板へ
供給される印加電圧極性をそれまで供給されていた極性
に対して反転させる。被電解水に含まれた陽イオンの一
部は陰極板にスケールとして析出し、これにより電解能
力が低下する。しかしながら、本実施例のように1回の
電解を終了する度に電極板への印加電圧極性を反転させ
れば、次に電解を行う場合に陽イオンが析出した陰極板
が陽極板となり、その結果、それまで析出していた金属
スケールが電子を放出して再び陽イオン化し、被電解水
中に溶出する。そして、この溶出した陽イオンは前回は
陽極室であった陰極室に集約してアルカリ性電解水とし
て供給される。また、陰極板に析出した金属スケールを
イオン化することによりこれを除去し、しかも除去され
た陽イオンを陰極室に集約させてアルカリ性電解水とし
て利用に供することからスケールを含んだ水を廃棄する
必要もない。ただし、両電極板への印加電圧極性を反転
させると、電解水の流出路34,35のそれぞれから2
つのタンク11,12へ排出される電解水の種類も反転
するので、本実施例では、タンク11,12内で酸性電
解水とアルカリ性電解水とが混ざらないように、タンク
11,12内の電解水は毎回全量を使用し、残った電解
水はドレイン管36,37から廃棄するようにしてい
る。したがって、タンク11が酸性電解水用タンクであ
る場合にはタンク12がアルカリ性電解水用タンクであ
り、次回の電解を行うと、タンク11がアルカリ性電解
水用タンク、タンク12が酸性電解水用タンクとなる。
これらの電解水タンク11,12に貯留された電解水、
および純水タンク14に貯留された純水は、それぞれ導
管38,39,40によって吸引ポンプ17に導かれ、
ここから目的とする流体の流路41へ圧送される。2つ
のタンク11,12にそれぞれ接続された導管39,4
0には、三方弁42,43が設けられており、導管3
9,40を閉塞する位置、タンク11,12内の電解水
をポンプ17側に導く位置、およびタンク11,12内
の電解水をドレイン管36,37に導く位置に切り替わ
る。また、純水タンク14に接続された導管38には開
閉弁44が設けられており、導管38を閉塞する位置と
導管38を連通させる位置とに切り替わる。
【0021】これらの三方弁42,43と開閉弁44と
を選択的に切り替えることによって、純水タンク14内
の純水、電解水タンク11,12内の酸性電解水および
アルカリ性電解水の中から、目的とする流体流路41へ
供給される洗浄液を選択し、供給することができるよう
になっている。例えば蛋白質の老廃物が付着し易い乳製
品の製造プラントの流路を洗浄する場合には、図1
(A)または図1(B)に示す本発明の洗浄方法を用い
ることが好ましい。図1(A)に示す洗浄方法にて流体
の流路41の洗浄を行う場合には、予め純水タンク14
と2つの電解水タンク11,12のそれぞれに純水、酸
性電解水およびアルカリ性電解水を溜めておく。特に本
実施例では、2つの電解水タンク11,12に溜めてお
く酸性電解水とアルカリ性電解水のそれぞれの量を1回
の洗浄に必要な量としている。これら3つのタンク1
4,11,12に純水、酸性電解水およびアルカリ性電
解水を溜めた状態で、まずアルカリ電解水が溜められた
タンク(仮に11とする)の導管39に設けられた三方
弁42を作動させ、アルカリ性電解水をポンプ17で吸
引して目的とする流体の流路41へ圧送する。一定時間
あるいはタンク11内のアルカリ性電解水がなくなるま
でアルカリ性電解水による洗浄を行ったのち、三方弁4
2を作動させてタンク11に残留したアルカリ性電解水
をドレイン管36から廃棄する。次に、酸性電解水が溜
められたタンク12の導管40に設けられた三方弁43
を作動させ、酸性電解水をポンプ17で吸引して目的と
する流体の流路41へ圧送する。一定時間あるいはタン
ク12内の酸性電解水がなくなるまで酸性電解水による
洗浄を行ったのち、三方弁43を作動させてタンク12
に残留した酸性電解水をドレイン管37から廃棄する。
最後に純水が溜められたタンク14の導管38に設けら
れた開閉弁44を開いて、純水をポンプ17で吸引して
目的とする流体の流路41へ圧送し、前工程で供給され
た酸性電解水を洗い流す。以上で1回の洗浄が終了する
が、次に電解水生成器13で酸性電解水とアルカリ性電
解水とを生成する場合には、前回において電極板に印加
されていた電圧極性を反転させる。そして、三方弁15
を電解水生成器13側に切り替え、逆浸透装置1で生成
された純水を電解水生成器13に供給する。このように
1回の電解を終了する度に電極板への印加電圧極性を反
転させると、陰極板に析出する金属スケールを毎回除去
することができ、電解能力の低下が防止できる。このよ
うにして生成された酸性電解水は、前回においてはアル
カリ性電解水が溜められたタンク11に吐出されること
になり、また同様に、電解水生成器13で生成されたア
ルカリ性電解水は、前回においては酸性電解水が溜めら
れたタンク12に吐出されることになる。このとき、2
つのタンク11,12に吐出される酸性電解水とアルカ
リ性電解水との量も、1回の洗浄に必要な量としてい
る。上述したように、前回の洗浄において、酸性電解水
が溜められたタンク12では酸性電解水を使いきり、も
し仮に酸性電解水が残ってもドレイン管37から廃棄す
るので、次にこのタンク12へアルカリ性電解水を供給
してもpH値が変動するなどの問題は生じない。このよ
うな三方弁42,43および開閉弁44の切替えは図示
しないコントローラによって制御される。
【0022】上述した実施例では、2つの電解水用タン
ク11,12に溜めておく酸性電解水の量とアルカリ性
電解水の量を1回の洗浄に必要な量としているが、これ
は電極板への印加極性を反転させるタイミングに応じて
変更することができる。例えば、印加極性の反転をn回
の洗浄の度に行う場合には、n回の洗浄に必要な量の酸
性電解水とアルカリ性電解水とを電解水用タンク11,
12にそれぞれ溜めておけばよい。このように、電解水
生成器13の印加電圧極性を洗浄の度に反転させること
により陰極板に析出する金属スケールを除去することが
できる。また、タンク11,12の下流側の導管39,
40に関して言えば、印加電圧極性を反転させる度に導
管39,40を流れる電解水もpH値が逆の電解水にな
ることから、酸性電解水が流れる導管が腐食するという
問題やアルカリ性電解水が流れる導管に金属スケールが
付着し易いという問題も解消される。これに加えて、2
つの電解水用タンク11,12を酸性電解水とアルカリ
性電解水とのそれぞれの専用タンクにすることなく、印
加電圧極性を反転させる前にタンク内の電解水を使いき
るようにしている。したがって、電解水生成器13から
タンク11,12へ吐出される電解水の流路34,35
を切り替える必要はなく、装置の構成が極めて簡素化さ
れる。
【0023】なお、以上説明した実施例は、本発明の理
解を容易にするために記載されたものであって、本発明
を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施例に開示された各要素は、本発明の技術
的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨で
ある。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、安価に生成することが
できる電解水を用いて人工透析装置や食品プラントの流
体流路の殺菌洗浄を行うので、少量の電解水で従来と同
様の洗浄効果を得ることができ、コストダウンを図るこ
とができる。また、洗浄効果も従来の方法に比べて大き
く、しかも廃液処理を必要としない。その結果、それま
で必要とされていた洗浄時間が短縮でき、透析に費やせ
る時間や食品の製造に費やせるが実質的に長くなる。ま
た、人工透析装置、食品プラントおよび純水生成装置の
小型化を実現することができるので、これらの装置の普
及が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の一実施例に係る流体流路の洗
浄方法を示す工程図、(B)は本発明の他の実施例に係
る流体流路の洗浄方法を示す工程図である。
【図2】本発明の流体流路の洗浄方法で使用される電解
水生成器の一具体例を示す構成図である。
【図3】本発明の一実施例に係る流体流路の洗浄装置を
示す構成図である。
【図4】本発明に係る中央供給装置と患者監視装置の他
の実施例を示す構成図である。
【図5】本発明の患者監視装置の一実施例を示す配管フ
ロー図である。
【図6】本発明の他の実施例に係る流体流路の洗浄装置
を示す構成図である。
【符号の説明】
1…純水生成装置 2…電解槽 3…隔膜 4…陰極室
5…陽極室 6…陰極板 7…陽極板 8…直流電源
9…酸性電解水の取出口 10…アルカリ性電解水の
取出口 11…酸性電解水タンク 12…アルカリ性電
解水タンク 13…第1電解水生成器 16…第2電解
水生成器 18…中央供給装置 23…患者監視装置
24…透析器 28a〜28d…pHセンサ 29…コ
ントローラ(制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C11D 7/02 B08B 9/06 (72)発明者 荒井 一好 神奈川県厚木市上荻野1032−7 (72)発明者 首藤 達哉 神奈川県平塚市横内3184−4 シャトル 横内201 (56)参考文献 特開 平8−11992(JP,A) 特開 平5−309393(JP,A) 特開 平5−68784(JP,A) 特開 平5−68783(JP,A) 特開 平7−108064(JP,A) 特開 平7−171204(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B08B 9/027 A61M 1/14 563 B08B 3/10 C02F 1/46 C11D 7/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水道水,逆浸透水,純水及び軟水処理され
    た水道水からなる群より選ばれる水を電気分解して得ら
    れる電解水を用いて透析液流路の殺菌洗浄を行う人工透
    析装置の透析液流路の殺菌洗浄方法
  2. 【請求項2】水道水,逆浸透水,純水及び軟水処理され
    た水道水からなる群より選ばれる水を電気分解して得ら
    れるアルカリ性電解水と酸性電解水を交互に用いて透析
    液流路殺菌洗浄を行う人工透析装置の透析液流路の殺菌
    洗浄方法
  3. 【請求項3】少なくとも、水道水,逆浸透水,純水及び
    軟水処理された水道水からなる群より選ばれる水を電気
    分解して得られるアルカリ性電解水を用いて透析液流路
    を洗浄したのち、前記群より選ばれる水を電気分解して
    得られる酸性電解水を用いて前記透析液流路を殺菌洗浄
    する人工透析装置の透析液流路の殺菌洗浄方法
  4. 【請求項4】水道水,逆浸透水,純水及び軟水処理され
    た水道水からなる群より選ばれる水を電気分解して得ら
    れるアルカリ性電解水を用いて透析液流路を洗浄したの
    ち、前記群より選ばれる水を電気分解して得られる酸性
    電解水を用いて前記透析液流路を洗浄し、ついで前記群
    より選ばれる水により前記透析液流路を洗浄する人工透
    析装置の透析液流路の殺菌洗浄方法
  5. 【請求項5】隔膜によって内部に陽極室と陰極室とが形
    成され、前記陽極室と前記陰極室とのそれぞれに電極板
    が設けられ、前記陽極室で酸性電解水を生成するととも
    に前記陰極室でアルカリ性電解水を生成する電解槽と、 前記酸性電解水を人工透析装置の透析液流路へ導くため
    の導管と、 前記アルカリ性電解水を人工透析装置の透析液流路へ導
    くための導管と、 少なくとも前記酸性電解水と前記アルカリ性電解水とを
    前記人工透析装置の透析液流路へ移送する移送手段と、 少なくとも前記酸性電解水が導かれる導管及び前記アル
    カリ性電解水が導かれる導管と、前記人工透析装置の透
    析液流路とを、選択的に連通させるための弁と、 少なくとも前記酸性電解水のpH値または前記酸性電解
    水の酸化還元電位を検出するためのセンサと、 前記センサにより検出されたpH値または酸化還元電位
    が、予め入力された基準範囲にあるか否かを判断すると
    共に、基準範囲外である場合には前記人工透析装置の透
    析液流路への電解水の供給を停止するための制御手段
    と、 を有する人工透析装置の透析液流路の殺菌洗浄装置
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