JP3393264B2 - ハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤

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JP3393264B2 JP01752294A JP1752294A JP3393264B2 JP 3393264 B2 JP3393264 B2 JP 3393264B2 JP 01752294 A JP01752294 A JP 01752294A JP 1752294 A JP1752294 A JP 1752294A JP 3393264 B2 JP3393264 B2 JP 3393264B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料用の固体処理剤に関し、更に詳しくは溶解性に優れか
つ実用上充分な強度を持ち、しかもケミカルの安定性が
飛躍的に向上するハロゲン化銀写真感光材料用固体処理
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料(以下、感光
材料ないし写真材料と称することもある)は、露光後、
現像、脱銀、洗浄、安定化等の工程により処理される。
又黒白ハロゲン化銀写真感光材料は露光後現像、定着処
理される。黒白現像液、カラー現像液、脱銀処理には漂
白液、漂白定着液、定着処理には定着液、洗浄には水道
水またはイオン交換水、無水洗洗浄には安定化液、又色
素安定化処理には安定液がそれぞれ使用される。
【0003】これら各処理工程を行うための処理機能を
有する液体のことを処理液という。各処理液は通常30〜
40℃に温度調節され、感光材料はこれらの処理液中に浸
漬され処理される。
【0004】この様な処理は通常自動現像機(以下、自
現機と称する)等で上記の処理液を収納した処理槽内を
順次搬送させることによって行われる。
【0005】ここで自動現像機と言う場合、現像部、定
着部、脱銀部、洗浄又は安定化部及び乾燥部を有し、各
処理部を順次自動的に写真感光材料を搬送させる手段を
有する現像機のことを一般的にさす。
【0006】さて、この様な自動現像機で処理する場
合、処理槽内の処理液の活性度を一定に保つために処理
剤を補充する方式が一般に広く採られている。
【0007】この処理剤補充方式としては処理剤を溶解
した補充液を予め用意しておく方法が広く用いられてい
る。
【0008】具体的には、補充用タンクから、予め作製
した補充液を適時処理槽内に供給しつつ処理作業を行う
ようにしている。
【0009】この場合、補充用タンクに貯溜される補充
液自体は一般には別の場所で調整され作成されたもので
あるがミニラボ等では現像機内に近接して設置された補
充タンクにて一定量一度に調整されるのが普通である
が、その作製に当っては、手作業による溶解またはミキ
サーによる溶解混合が行なわれてきた。
【0010】すなわち、ハロゲン化銀写真感光材料用処
理剤(以下、写真処理剤と称することもある)は粉末状
あるいは液体状で市販されており、使用にあたっては、
粉末の場合は一定量の水に手作業で溶解することにより
調液され、又、液体状の場合も濃縮されているから一定
量の水を加え簡単に撹拌し希釈して用いられる。
【0011】補充タンクは自動機の横に設置される場合
があり、相当のスペースを確保する必要がある。又、最
近急増しているミニラボにおいても自現機本体に補充タ
ンクを内蔵するようにしているが、少なくとも5〜10L
それぞれの液について必要でありこれだけの補充タンク
のスペースを確保する必要がある。
【0012】補充用処理剤は、写真処理に際して良好で
安定した性能を得るためにいくつかのパートに分かれて
いる。カラー用発色現像液は3〜4パートに分かれてお
り、又カラー用漂白定着液の補充液は酸化剤である有機
酸第2鉄塩のパートと還元剤であるチオ硫酸のパートに
分かれており、補充液作成時に前記有機酸第2鉄塩の濃
厚パートとチオ硫酸塩含有濃厚パートを混ぜ合わせ、一
定量の水を加えることで使用に供している。
【0013】上記濃厚化されたパートは例えばポリ容器
等の容器に入れられ、これらをまとめて外袋(例えば段
ボール箱)に入れて1単位として市販されている。
【0014】上記パート剤がキット化された補充処理剤
は、溶解、希釈、混合後、一定量に仕上げて使用される
が、該補充処理剤には次のような問題点がある。
【0015】第1に従来のキットのほとんどは、作業性
向上のため濃縮された濃厚水溶液となっておりほとんど
がpH2.0以下もしくは12.0以上の極めて危険な水溶液で
あり、皮膚への付着など人体に危険なものが多く又、強
力な酸化剤か還元剤である事が多く、船、航空機での輸
送には極めて危険な腐食性を有している。又、水溶液で
あるため溶解度に限度があり固体の場合より重量、容積
が多くなる。前記のように濃縮物は危険物であるが故に
容器は、一定の高さから落としても破壊せず液がこぼれ
ない事が必要となる。従って前記容器はポリエチレンや
ポリ塩化ビニル製のものが多く、これらポリ容器の廃棄
が問題となっている。
【0016】第2に各パート剤は容器に各々入れられ、
補充処理剤によってはパート剤が数本に及び、1単位と
もなると容器の数がかなり多くなり、貯蔵や輸送の際に
多くのスペースを必要とする。例えばカラーペーパー用
処理液であるCPK−2−20QAの発色現像補充剤は10
lを1単位として保恒剤含有キットをパートAに、発色
現像主薬含有キットをパートBに、アルカリ剤はパート
Cに分けられ、各A,B及びCは500mlのポリ容器に入
っている。同様に漂白定着液は8lを1単位として3ボ
トルにパート剤が分かれており、安定液は10lを1単位
として2ボトルにパート剤が分かれている。これらの補
充剤は各々各種の大きさの外箱に入れられ貯蔵、輸送さ
れることになるがこの際、必要となる容積は外箱が小さ
い安定液で約17cm×14cm×16.5cm、比較的大きい漂白定
着剤で約18.5cm×30.5cm×22.5cmとなり、貯蔵、輸送時
あるいはお店の中で同種の補充剤でしか積み上げができ
ず、多くのスペースを必要とする。
【0017】第3の問題点としては使用後の空になった
容器の廃棄の問題である。近年ヨーロッパ、アメリカを
中心にして環境保全、省資源化が強く望まれており、写
真関係では特に前述のポリ容器の廃棄が問題になってい
る。写真用のポリ容器はコストが安く貯蔵や輸送にも便
利で耐薬品性に優れているものの、ポリ容器は生分解性
がほとんどなく、蓄積され、焼却した場合は炭酸ガスの
大量の発生を伴い、地球の温暖化や酸性雨等の一因にな
っており、又別の問題としては作業スペースの狭いとこ
ろに空のポリ容器が大量に山積みされ、しかも強度があ
る為につぶすこともできず、ユーザーの作業スペースを
狭くしている。
【0018】第4にケミカルが非常に不安定であること
である。
【0019】通常補充液の寿命(ライフタイム)は補充
液タンク内に浮き蓋を用いても2週間が一般的な使用期
限である。さらに最近では各処理液の補充量は低補充化
され1日平均30本のカラーフィルムを受注処理するミニ
ラボでは10Lの補充液が1ヶ月以上も使用される事が多
くなっている。
【0020】この様な場合、処理槽の処理液より補充タ
ンクの中の補充液のほうがはるかに空気に触れる割合が
多くこのため劣化が著しく、補充しても全く意味がない
ことが頻繁に起こっている。従って補充タンクを5Lに
小さくする工夫や補充キットの収容単位を5Lと小さく
する工夫がされているが、この場合にはさらに包材が必
要となってくる欠点を有している。
【0021】また、通常カラーペーパー用発色現像補充
液を作成する際、ある一定量の水を補充タンクに入れた
後、保恒剤含有濃縮キットAを加えて撹拌し、次に発色
現像主薬含有濃縮キットBを加えて撹拌し、ついでアル
カリ剤含有濃縮キットCを加えて撹拌し、最後に水を加
えてある一定量に仕上げる。その際、いくつかの問題が
発生し易くなる。例えば、撹拌が不十分であったり、は
じめの水を入れ忘れたりした場合に、発色現像主薬の結
晶が析出しやすくなり、それがベローズポンプにたまっ
て補充されずに、写真性能が不安定になったり、ベロー
ズポンプが破損したりする。又濃縮キットは製造後直ち
に使用される訳ではなく製造後1年以上経過して使用さ
れることもあり、場合によっては発色現像主薬や保恒剤
が酸化され性能が不安定になったりする。
【0022】濃縮キットや粉剤から作成された発色現像
補充液は更に又補充タンク内においていくつかの問題が
あることが知られている。例えば長期にわたって補充液
が使用されないと補充タンク壁面に結晶が付着したり、
又補充液が酸化され易くなったり、タールの発生等が生
じたりする。又保存条件によっては補充液中の結晶しや
すい成分、例えば発色現像主薬等が低温で析出する等の
問題があり、その為にメーカーによっては補充液の保存
条件を指定してユーザーが管理する様指導しているのが
実状である。
【0023】この様に一般的に用いられている濃縮キッ
トを使用して補充液を作成する方法、あるいは粉剤を用
いて補充液を作成する方法はカラーペーパー用発色現像
液を例にとりあげても前記したような問題点があり、漂
白定着液、漂白液、定着液に付いても似たような問題が
ある。例えば、漂白定着液は、保存安定性は著しく悪い
特徴がある。何故なら漂白定着処理は、高いpHを持つ
発色現像液の直後の処理となり、通常は、このアルカリ
性の発色現像液が処理するペーパーにより持ち込まれる
ため中和する目的で酸性度が高くpHは著しく低いのが
通例である。低pHでは、チオ硫酸塩と酸化剤からなる
漂白定着液では保存性が著しく悪く補充液を作成して低
補充は不可能といわれている。この他に定着液、安定液
とも同様である。
【0024】また別の問題として低補充化や迅速化が進
められる中で補充液は濃厚化されるばかりであり、通常
は溶解度の限界まで濃縮されているのが最近の補充液で
ある。
【0025】この事は、補充液の保存性は悪くなるばか
りであり、さらには結晶析出など実用上の多くの問題を
かかえている。
【0026】一方、上記の様な濃縮キット又は粉剤を用
いて補充液を作成する方法とは別に、濃縮キットを直接
補充する方法が知られている。
【0027】この方法は溶解作業の不効率性を改善する
為に濃縮キットをベローズポンプ等の供給手段を用いて
直接処理槽に補充し、併せてある一定量の補水を独立し
て行うものである。確かにこの方法は前記の濃縮キット
や粉剤から補充液を調整する方法に比べ、調液作業が不
要になる。あるいは補充液を作成しないので保存性の問
題はなくなる。
【0028】しかしながら上記の方法も多くの問題をか
かえている。すなわち濃縮キットを供給する為に濃縮キ
ット用のタンクそして供給手段としてのポンプが新たに
必要となり、自現機が大型化する問題である。例えばカ
ラーペーパー用処理液であるCPK−2−20を例に考え
てみると、発色現像補充液の濃縮キットは3パートあ
り、漂白定着補充液の濃縮キットは3パート、そして安
定補充液の濃縮キットは2パートあり、これを供給する
場合、濃縮キット用のタンクが8個、そしてポンプが8
台必要である。従来の補充方式の場合、各補充液毎のタ
ンク、ポンプががあれば良いから各々3個あれば事足り
る。この様に濃縮キットを供給する場合だけをみても従
来の方法に比べタンク、ポンプがたくさん必要となり、
更に調整水用のポンプも必要となる。また、ベローズポ
ンプの精度はそれ程高くなく複数の液を同時に精度良く
吐出する事は難しく成分のくるいを生じてしまう欠点が
ある。
【0029】更に濃縮キットは濃縮液の為に補充ノズル
の出口付近で結晶が析出しやすくメンテナンスが大変で
ある。又ベローズポンプにそれ程供給精度がなく、濃厚
液補充の場合更に補充精度が大幅にずれやすく、結果的
に写真性能の変動が大きくなるという問題がある。その
他の問題として廃ポリ容器は濃縮キットを供給する方法
にしたからといって従来の補充方式と廃ポリ容器量はか
わらない。
【0030】上記以外の方法で、ポリ容器をなくし、補
充液のケミカル安定性を向上させる為固体状の写真処理
剤についての提案がいくつかなされている。
【0031】例えば特開昭54-133332号、同54-155038号
公報には粉末状の写真用処理剤が、又特開平2-109042
号、同2-109043号、同3-39735号及び同3-39739号公報に
はある平均粒径をもった顆粒化された写真用処理剤を用
いる方法が開示されている。上記公報に記載されている
方法は液体状の写真用処理剤を用いないためポリ容器を
使用することなく、補充液の安定性を向上させる効果は
あるものの、前述の処理剤は粉末状の場合、保存中にブ
ロッキングして、溶解不良を起こしたり、又、処理液調
整時に粉末が飛散し、作業環境を悪化させるなどの欠点
を有している。
【0032】又顆粒状処理剤の場合においても、ブロッ
キング等の現象はある程度、改善されるものの、粉塵の
飛散は完全に防止することが出来ない。
【0033】これらの問題点を解決するため、錠剤化し
た写真用処理剤がWO92/200B号等で知られている。
【0034】この錠剤化された写真用処理剤は上述の粉
塵飛散の問題の解決策とはなるものの、粉末や顆粒状の
写真用処理剤と比較して溶解性が極めて悪くなるという
欠点を有している。そこで溶解性を高めるため、特開昭
51-61837号公報には崩壊剤を含有した写真処理用錠剤が
開示されている。しかしながら上記公報記載の崩壊剤は
水膨潤性のコロイドを用いているため、これを含有する
錠剤から処理液を調整すると自現機のラックや搬送ロー
ラー等に前記コロイドが付着し、処理する感光材料の汚
れの原因となるという重大な欠点があることがわかっ
た。また錠剤の溶解を促進する手段として例えば医薬品
などでは発泡錠が知られている。これは溶解時の発泡作
用を利用して錠剤の内部崩壊による溶解促進方法であ
る。しかしながらこの方法は発泡作用を起こすために発
泡剤が必要であり、医薬品の様に一錠あたりの主薬効成
分含有率が低いものでは大量の発泡剤を含有させ、発泡
効果を持続させることが可能であるが、写真用処理剤で
は、写真処理に必須な成分以外のものを含有させると一
錠当りの処理能力が低下し、本来必要な処理剤成分以上
の剤が必要となる欠点がある。
【0035】さらに別の問題として例えば発色現像用錠
剤の場合、防湿包材等に密封して長期間保存した場合、
保存条件によって錠剤が着色し、処理性能上はそれ程問
題ないものの、商品価値が極めて下がってしまうという
ことがある。
【0036】そこで本発明者らは写真処理用錠剤の溶解
性について鋭意検討した結果、錠剤の強度を調整するこ
とにより、崩壊剤や発泡剤等特別な添加剤を加えること
なく溶解性をコントロール出来ることを見い出した。
【0037】この事は前述の公報には何ら記載されてお
らず、本願の発明は全く予想外のことであった。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、第1
に輸送上の危険や取扱い上の危険をもとなう液体ケミカ
ルをなくしユーザーへの煩雑な操作なしで固体ケミカル
の使用を可能ならしめた自動現像機の実用化を達成する
事である。
【0039】第2に溶解性に優れかつ実用上充分な強度
を持つ固体処理剤を供給することにある。
【0040】第3に長期の保存性に優れ、近い勝手の良
い固体処理剤を供給することにある。
【0041】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に本発明者等は以下の構成により上記問題を解決し得る
ことを見い出した。
【0042】(1)少なくとも一種の処理剤成分からな
造粒物を加圧圧縮して得られる錠剤であり、該錠剤の
強度Zが以下に示す範囲にあることを特徴とするハロゲ
ン化銀写真感光材料用固体処理剤。
【0043】0.5≦Z≦3.5 ただしZ=錠剤の圧縮破壊強度(kg)/錠剤の長形方向
の長さ(mm) (2)上記錠剤が円盤状の錠剤であることを特徴とする
上記(1)項記載のハロゲン化銀写真感光材料用固体処
理剤。
【0044】(3)上記錠剤の長形方向の長さ:X(m
m)と厚み:H(mm)の比:X/Hが1.0〜6.0の範囲に
あることを特徴とする上記(1)又は(2)項記載のハ
ロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤。
【0045】(4)上記錠剤が少なくとも一種のパラフ
ェニレンジアミン系発色現像主薬を含有することを特徴
とする上記(1)〜(3)項何れかに記載のハロゲン化
銀写真感光材料用固体処理剤。
【0046】(5)上記錠剤が少なくとも一種のパラフ
ェニレンジアミン系発色現像主薬を含有する造粒物と少
なくとも一種のアルカリ剤を含有する造粒物を圧縮して
得られるものであることを特徴とする上記(1)〜
(4)項何れかに記載のハロゲン化銀写真感光材料用固
体処理剤。
【0047】(6)上記錠剤が少なくとも一種のアミノ
ポリカルボン酸第2鉄錯塩を含有することを特徴とする
上記(1)〜(3)項何れかに記載のハロゲン化銀写真
感光材料用固体処理剤。
【0048】(7)上記錠剤が少なくとも一種のチオ硫
酸塩を含有することを特徴とする上記(1)〜(3)項
何れかに記載のハロゲン化銀写真感光材料用固体処理
剤。
【0049】(8)上記錠剤が少なくとも一種のアミノ
ポリカルボン酸第2鉄錯塩を含有する造粒物と少なくと
も一種のチオ硫酸塩を含有する造粒物を圧縮して得られ
るものであることを特徴とする上記(1)〜(3)項何
れかに記載のハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤。
【0050】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。
【0051】写真処理剤を加圧圧縮して錠剤に形成する
方法としては、公知の方法を用いることが出来るが、好
ましい錠剤の形成法としては粉末状の固体処理剤を造粒
した後打錠工程を行い形成する方法である。単に固体処
理剤成分を混合し打錠工程により形成された固形処理剤
より溶解性や保存性が改良され結果として写真性能も安
定になるという利点がある。
【0052】錠剤形成のための造粒方法は転動造粒、押
し出し造粒、圧縮造粒、解砕造粒、攪拌造粒、流動層造
粒、噴霧乾燥造粒等公知の方法を用いることが出来る。
錠剤形成のためには、得られた造粒物の平均粒径は造粒
物を混合し、加圧圧縮する際、成分の不均一化、いわゆ
る偏析が起こりにくいという点で、100〜800μmのもの
を用いることが好ましく、より好ましくは200〜750μm
である。さらに粒度分布は造粒物粒子の60%以上が±10
0〜150μmの偏差内にあるものが好ましい。さらに好ま
しくは造粒時、各成分毎例えばアルカリ剤、還元剤、漂
白剤、保恒剤等を分別造粒することによって更に上記効
果が顕著になる。次に得られた造粒物を加圧圧縮する際
には公知の圧縮機、例えば油圧プレス機、単発式打錠
機、ロータリー式打錠機、ブリケッテングマシンを用い
ることが出来る。
【0053】本発明の固体処理剤の物理的強度Zは0.5
〜3.5の間であり、好ましくは0.8〜3.0の間である。上
記強度が0.5未満となると得られる固体処理剤は極めて
脆く、実用に供し得ない。又、3.5を超えると固体処理
剤の弾力性が失われ、かえって欠け易くなったり、又、
それ自体の溶解性が極めて悪化するからである。尚、本
発明でいう物理的強度とは以下の式によって定義され
る。
【0054】Z=錠剤の圧縮破壊強度(kg)/錠剤の長
形方向の長さ(mm) 上記圧縮破壊強度は錠剤の圧縮成形方向に対し垂直方向
(錠剤の圧縮成形面に対し平行方向)であって、該方向
に圧力を加え、破壊されたときの値である。測定条件は
室温25℃、湿度50%RHで錠剤硬度計:スピートチェッ
カーTS−50N(岡田精工(株))を用い、該硬度計の圧
縮速度は5〜78mm/minで測定する。尚、前記圧縮速度
は測定する錠剤の大きさや形状によって上記の範囲に任
意に設定することができる。
【0055】次に錠剤の長形方向の長さとは、錠剤が円
盤状の場合、その円の直径を指し、多角形状の場合は硬
度計の圧縮面に対して平行に接する面と該面に対し硬度
計の圧縮方向に最も遠い点又は面までの距離を言う。
又、楕円、円、多角形などを組み合わせた変形状のもの
などは硬度計の圧縮面に接する点から圧縮方向に最も長
い点までの距離を指す。
【0056】本発明の錠剤は、任意の形状を取ることが
可能であるが、生産性、取扱い性の観点から円板状の錠
剤が好ましい。前記円板状の錠剤の場合、錠剤の長形方
向の長さとは錠剤の直径を指すが、この時の直径は使用
目的に応じて任意の値にすることが出来る。生産性の面
から好ましくは5〜50mmでありより好ましくは7〜30mm
である。一方、錠剤の長形方向の長さxと厚みhの比x
/hは1.0〜6.0の範囲にあることが好ましく、より好ま
しくは2.5〜5.0である。上記の比が1.0未満になると得
られる錠剤の厚みが増し、溶解性が悪化するとともに生
産性も悪くなる。又6.0を超えると所望する強度が得ら
れない。
【0057】本発明の錠剤は生産性観点から1個あたり
の重量が0.1〜30gであることが好ましい。本発明に係る
固体処理剤の使用形態は目的に応じて任意の方法をとる
ことが出来るが、自動現像機の小型化、処理廃液の低減
等の観点から、自動現像機の処理槽に補充剤として直接
投入する方法が好ましい。
【0058】本発明における発色現像剤に用いられる発
色現像主薬としては、水溶性基を有するp-フェニレンジ
アミン系化合物が本発明の目的の効果を良好に奏し、か
つかぶりの発生が少ないため好ましく用いられる。
【0059】水溶性基を有するp-フェニレンジアミン系
化合物は、N,N-ジエチル-p-フェニレンジアミン等の水
溶性基を有しないパラフェニレンジアミン系化合物に比
べ、感光材料の汚染がなくかつ皮膚についても皮膚がカ
ブレにくいという長所を有するばかりでなく、特に本発
明の発色現像液に組み合わせることにより、本発明の目
的をより効率的に達成することができる。
【0060】前記水溶性基は、p-フェニレンジアミン系
化合物のアミノ基またはベンゼン核上に少なくとも1つ
有するものが挙げられ、具体的な水溶性基としては −(CH2)n−CH2OH、−(CH2)m−NHSO2−(CH2)nCH3、−(CH
2)m−O−(CH2)n−CH3、−(CH2CH2O)nCmH2m+1(m及びn
はそれぞれ0以上の整数を表す。)、−COOH基、−SO3H
基等が好ましいものとして挙げられる。
【0061】本発明に好ましく用いられる発色現像主薬
の具体的例示化合物としては、以下の化合物が挙げられ
るがこれらに限定されない。
【0062】
【化1】
【0063】
【化2】
【0064】
【化3】
【0065】
【化4】
【0066】上記発色現像主薬は通常、塩酸塩、硫酸
塩、p-トルエンスルホン酸塩等の塩のかたちで用いられ
る。
【0067】又、本発明においては、本発明に係わる発
色現像剤中に下記一般式〔A〕で示される化合物を含有
することが、本発明の目的の効果をより良好に奏する。
【0068】すなわち、固形処理剤化されると他の化合
物に比べ錠剤等の固形処理剤の保存性が良くなるばかり
でなく強度も保てるという点で効果があり、しかも写真
性能的に安定で未露光部に生じるカブリも少ないという
利点もある。
【0069】
【化5】
【0070】式中、R1,R2は各々独立に水素原子、置
換もしくは無置換のアルキル基を表す。
【0071】本発明に係る前記一般式〔A〕で表される
化合物は更に下記一般式〔A′〕で表される化合物が本
発明の観点から好ましい。
【0072】
【化6】
【0073】式中〔A′〕において、Lは炭素数1〜1
0、好ましくは1〜5の直鎖、もしくは分岐のアルキレ
ン基を表し、置換しても良い。例えばメチレン、エチレ
ン、トリメチレン、プロピレン等が挙げられ、置換基と
してはカルボキシル基、スルホン基、ホスホン基、ホス
フィン酸残基、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素数1〜5
程度のアルキル置換しても良いアンモニオ基等が挙げら
れる。
【0074】Aはカルボキシ基、スルホン基、ホスホン
基、ホスフィン酸残基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5程
度のアルキル置換しても良いアミノ基、炭素数1〜5程
度のアルキル置換しても良いアンモニオ基、炭素数1〜
5程度のアルキル置換しても良いカルバモイル基、炭素
数1〜5程度のアルキル置換しても良いスルファモイル
基、置換しても良いアルキルスルホニル基を表す。
【0075】A−L−としては例えば、カルボキシメチル
基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、スル
ホエチル基、スルホプロピル基、スルホブチル基、ホス
ホノメチル基、ホスホノエチル基、ヒドロキシエチル基
等が挙げられる。
【0076】R3は水素原子、炭素数1〜10の直鎖、も
しくは分岐のアルキル基を表し、置換しても良い。置換
基としてはカルボキシ基、スルホン基、ホスホン基、ホ
スフィン酸残基、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素数1〜
5程度のアルキル置換しても良いアンモニオ基等が挙げ
られる。さらにLとRが連結して環を形成しても良い。
これらの化合物は遊離のアミンで用いられる他、塩酸
塩、硫酸塩、シュウ酸塩、p-トルエンスルホン酸塩やア
ルカリ金属塩、アンモニウム塩等の塩としても用いられ
る。
【0077】次に一般式〔A〕で表される具体的な化合
物を例示するがこれら化合物に限定されるものではな
い。
【0078】
【化7】
【0079】尚、化合物A−12〜A−20、及びA−27
は、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩、リチ
ウム塩等)の形で用いることができる。
【0080】この中でも特に好ましい化合物は、下記の
化合物である。
【0081】
【化8】
【0082】本発明に用いられる発色現像剤中には、保
恒剤として亜硫酸塩を微量用いることができる。該亜硫
酸塩としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重
亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム等が挙げられる。
【0083】本発明に用いられる発色現像剤には、緩衝
剤を用いることが必要で、緩衝剤としては、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウ
ム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二
カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ
酸ナトリウム(ホウ酸)、四ホウ酸カリウム、o-ヒドロ
キシ安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウム)、o-
ヒドロキシ安息香酸カリウム、5-スルホ-2-ヒドロキシ
安息香酸ナトリウム(5-スルホサリチル酸ナトリウ
ム)、5-スルホ-2-ヒドロキシ安息香酸カリウム(5-ス
ルホサリチル酸カリウム)等を挙げることができる。
【0084】本発明に用いられる発色現像剤にはトリア
ジニルスチルベン系蛍光増白剤を含有させることが本発
明の目的の効果の点から好ましい。かかる蛍光増白剤と
しては下記一般式〔E〕で示される化合物が好ましい。
【0085】
【化9】
【0086】上式において、X2,X3,Y1及びY2は各
々水酸基、塩素又は臭素等のハロゲン原子、アルキル
基、アリール基、
【0087】
【化10】
【0088】または−OR25を表す。ここでR21及びR22
は各々水素原子、アルキル基(置換体を含む)、又はア
リール基(置換体を含む)を、R23及びR24はアルキレ
ン基(置換体を含む)を、R25は水素原子、アルキル基
(置換体を含む)又はアリール基(置換体を含む)を表
し、Mはカチオンを表す。
【0089】なお一般式〔E〕の各基あるいはそれらの
置換基の詳細については、特開平4-118649号の16頁左下
の上から第9行〜第17頁右上までの記載と同義である。
【0090】以下に一般式〔E〕で示される化合物の具
体例を挙げる。
【0091】
【化11】
【0092】
【化12】
【0093】
【化13】
【0094】
【化14】
【0095】
【化15】
【0096】
【化16】
【0097】上記の化合物は公知の方法で合成すること
ができる。上記例示化合物の中で特に好ましく用いられ
るのはE−4、E−24、E−34、E−35、E−36、E−
37、E−41である。これらの化合物の添加量は発色現像
液1l当り0.2〜10gの範囲になる様に固体処理剤を調
整することが好ましく、更に好ましくは0.4〜5gの範
囲である。
【0098】また本発明の発色現像剤には、特開平4-11
8649号公報第19頁右上上から第8行〜第20頁に記載の下
記一般式〔K〕で示されるキレート剤及びその例示化合
物K−1〜K−22が添加されることが本発明の目的を効
果的に達成する観点から好ましい。
【0099】
【化17】
【0100】これらキレート剤の中でも、とりわけ、K
−2,K−9,K−12,K−13,K−17,K−19,が好
ましく用いられ、とりわけ特に、K−2及びK−9が本
発明の効果を良好に奏する。
【0101】本発明に係る漂白剤又は漂白定着剤に好ま
しく用いられる漂白主剤は下記一般式〔C〕で表わされ
る有機酸の第2鉄錯塩である。
【0102】
【化18】
【0103】〔式中、A1〜A4はそれぞれ同一でも異っ
てもよく、−CH2OH、−COOM又は−PO3M1M2を表す。M、
1、M2はそれぞれ水素原子、アルカリ金属又はアンモ
ニウムを表す。Xは炭素数3〜6の置換、未置換のアル
キレン基を表す。〕 以下に一般式〔C〕で示される化合物について詳述す
る。
【0104】なお式中、A1〜A4は特願平1-260628号12
頁上から15行〜15頁上から3行記載のA1〜A4と同義で
あるので詳細な説明を省略する。
【0105】一般式〔C〕で表わされる有機酸の第2鉄
錯塩は漂白能力が高い為に固形化する際の使用量が少な
くても済み、軽量化、小型化の固形化が計れるばかりで
なく固形化処理剤の保存性が良くなるという効果があ
り、本発明に好ましく用いられる。
【0106】以下に、前記一般式〔C〕で示される化合
物の好ましい具体例を示す。
【0107】
【化19】
【0108】
【化20】
【0109】これら(C−1)〜(C−12)の化合物の
第2鉄錯塩としては、これらの第2鉄錯塩のナトリウム
塩、カリウム塩又はアンモニウム塩を任意に用いること
ができる。
【0110】前記化合物例の中で、本発明において特に
好ましく用いられるものは、(C−1)、(C−3)、
(C−4)、(C−5)、(C−9)であり、とりわけ
特に好ましいものは(C−1)である。
【0111】本発明において漂白剤又は漂白定着剤に
は、漂白主剤として上記一般式〔C〕で示される化合物
の鉄錯塩以外に下記化合物の第2鉄錯塩等を用いること
ができる。
【0112】〔A′−1〕エチレンジアミン四酢酸 〔A′−2〕トランス-1,2-シクロヘキサンジアミン四
酢酸 〔A′−3〕ジヒドロキシエチルグリシン酸 〔A′−4〕エチレンジアミンテトラキスメチレンホス
ホン酸 〔A′−5〕ニトリロトリスメチレンホスホン酸 〔A′−6〕ジエチレントリアミンペンタキスメチレン
ホスホン酸 〔A′−7〕ジエチレントリアミン五酢酸 〔A′−8〕エチレンジアミンジオルトヒドロキシフェ
ニル酢酸 〔A′−9〕ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸 〔A′−10〕エチレンジアミンジプロピオン酸 〔A′−11〕エチレンジアミンジ酢酸 〔A′−12〕ヒドロキシエチルイミノジ酢酸 〔A′−13〕ニトリロトリ酢酸 〔A′−14〕ニトリロ三プロピオン酸 〔A′−15〕トリエチレンテトラミン六酢酸 〔A′−16〕エチレンジアミン四プロピオン酸 〔A′−17〕β-アラニンジ酢酸 〔A′−18〕エチレンジアミン四コハク酸 〔A′−19〕1,3-プロパンジアミン四コハク酸 漂白剤又は漂白定着剤には、上記以外に臭化アンモニウ
ム、臭化カリウム、臭化ナトリウムの如きハロゲン化
物、各種の蛍光増白剤、消泡剤あるいは界面活性剤を含
有せしめることもできる。
【0113】本発明における定着剤又は漂白定着剤に用
いられる定着主剤としては、チオシアン酸塩、チオ硫酸
塩が好ましく用いられる、特に好ましくはチオ硫酸塩で
ある。
【0114】本発明に用いられる定着剤又は漂白定着剤
には、これら定着主剤の他に各種の塩から成るpH緩衝
剤を単独或いは2種以上含むことができる。さらにアル
カリハライドまたはアンモニウムハライド、例えば臭化
カリウム、臭化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化アン
モニウム等の再ハロゲン化剤を含有させることが望まし
い。またアルキルアミン類、ポリエチレンオキサイド類
等の通常定着剤又は漂白定着剤に添加することが知られ
ている化合物を適宜添加することができる。
【0115】本発明において安定剤には第2鉄イオンに
対するキレート安定度定数が8以上であるキレート剤を
含有することが好ましい。ここにキレート安定度定数と
は、L.G.Sillen・A.E.Martell著、“Stability Constan
ts of Metal-ion Complexes”,The Chemical Societ
y,London(1964)、S.Chaberek・A.E.Martell著、“Or
ganic Sequestering Agents”,Wiley(1959)等により
一般に知られた定数を意味する。
【0116】第2鉄イオンに対するキレート安定度定数
が8以上であるキレート剤としては特開平3-182750号に
記載のものが挙げられる。
【0117】上記キレート剤の使用量は安定液1l当り
0.01〜50gが好ましく、より好ましくは0.05〜20gの範
囲で良好な結果が得られる。
【0118】さらに安定剤には亜硫酸塩を含有させるこ
とが好ましい。
【0119】さらにまた安定剤には前記キレート剤と併
用して金属塩を含有することが好ましい。かかる金属塩
としては、Ba,Ca,Ce,Co,In,La,Mn,Ni,Bi,Pb,
Sn,Zn,Ti,Zr,Mg,Al又はSrの金属塩があり、ハロゲ
ン化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩
等の無機塩又は水溶性キレート剤として供給できる。使
用量としては安定液1l当り1×10-4〜1×10-1モルの
範囲が好ましく、より好ましくは4×10-4〜2×10-2
ルの範囲である。
【0120】
【実施例】
実施例1 以下の操作に従ってカラーペーパー用発色現像主薬錠剤
を作成した。
【0121】操作(1) 現像主薬のCD−3〔4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-
〔β-(メタンスルホンアミド)エチル〕アニリン硫酸
塩〕1200gを市販のハンマーミル中で平均粒径30μmに
なるまで粉砕する。この微粉末を市販の撹拌造粒機中で
室温にて約7分間、50mlの水を添加することにより造粒
した後、造粒物を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥し
て造粒物の水分をほぼ完全に除去する。このようにし
て、調整した造粒物にポリエチレングリコール6000を15
0gを25℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用
いて10分間均一に混合する。次にN-ミリストイルアラニ
ンナトリウム4gを添加し、3分間混合した後、得られ
た混合物をロータリー打錠機により1錠当たりの充填量
及び強度を表1のように変化させて圧縮打錠を行い、各
400個のカラーペーパー用発色現像主薬錠剤試料1−1
〜14を作成した。
【0122】実験−1 上記操作により得られた錠剤試料のうちランダムに10ヶ
をとりスピードチェッカーTS−50N(岡田精工(株))
を用いて硬度を測定し、その平均値から強度を求めた。
又別の10ヶをとり1mの高さから、鉄板上に落下させ、
これを数回繰り返し、落下直後の状態を観察した。さら
に他の5ヶを25℃の純水500mlに投入し、マグネテック
スターラーで撹拌しながら、完全に溶解するまでの時間
を測定した。
【0123】実験−2 上記操作で得られた錠剤試料10ヶを高密度ポリエチレン
の袋に入れて密封し、IDEX社のバイブレーションテ
スターで2時間、振動テストを行った後、35℃、80%R
Hの環境下で2週間保存し、保存後の試料の着色度合を
比較した。
【0124】結果を表1に示す。
【0125】
【表1】
【0126】落下試験の結果の評価 × 1回でバラバラに破壊される △ 1回で一部に欠けが見られる ○ 3〜5回で欠けが見られる ◎ 5回で欠損が見られない 着色の評価 × 黒かっ色に変化し商品とならない △ 一部がかっ色に変色しているが商品として許容でき
る ○ ほとんど変色がない ◎ 全く変色がない 上記表1より錠剤強度が0.5未満であると落下強度が不
足しハンドリングや輸送等において実用に供し得ない。
又錠剤強度が3.5を超えると硬度は出るものの溶解時間
も極端に遅くなる。これに対し本発明の強度を持つ錠剤
は実用上充分な強度を持ちかつ、溶解性、保存性に優れ
ていることがわかる。
【0127】実施例2 実施例1で用いたCD−3の代わりに例示化合物C−
3、C−5、C−17、C−18、C−19を使用して同様の
操作、実験を行った。この結果、実施例1とほぼ同じ結
果を得た。
【0128】実施例3 以下の操作に従ってカラーネガフィルム用処理錠剤を作
成した。
【0129】操作(1) 炭酸カリウム:3750.0g、亜硫酸ナトリウム580.0g、
ジエチレントリアミン5酢酸5ナトリウム240.0g、p-
トルエンスルホン酸ナトリウム500.0gを市販ハンマー
ミル中で平均粒径10μmになるまで粉砕する。この微粉
末にPEG6000を500.0g及びマンニット800.0gを市販
の撹拌造粒機中で室温にて約7分間、160mlの水を添加
することにより造粒した後、造粒物を市販の流動層乾燥
機を用いて70℃で120分間乾燥して造粒物の水分をほぼ
完全に除去する。
【0130】操作(2) 硫酸ヒドロキシルアミン360.0g、臭化カリウム40.0
g、1,2-ジヒドロキシベンゼン-3,5-ジスルホン酸ジナ
トリウム20.0gを操作(1)と同様に粉砕した後、パイ
ンフロー(松谷化学製)20.0gを加え混合、造粒する。
水の添加量は3.5mlとし、造粒後、60℃で60分間乾燥
し、造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0131】操作(3) 現像主薬のCD−4〔4-アミノ-3-メチル-N-エチル-β-
(ヒドロキシ)エチルアニリン硫酸塩〕650.0gを、操作
(1)と同様粉砕後、室温にて約7分間、10mlの水を添
加することより造粒した後、造粒物の流動層乾燥機で40
℃にて2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去す
る。
【0132】操作(4) 前記操作(1)〜(3)で調製した顆粒を室温にて市販
のクロスロータリー式混合機を用いて10分間混合し、さ
らにN-ミリストイルアラニンナトリウム40.0gを添加
し、3分間混合する。この様にして得られた混合造粒物
をロータリー打錠機で連続打錠を行い、表2,3記載の
カラーネガフィルム用発色現像補充用錠剤各600個を得
た。
【0133】上記操作で得られた錠剤試料を実施例1と
同様の評価を行った。又、各試料5ヶを高密度ポリエチ
レンの袋に入れ35℃、80%RHの環境下で4週間保存し
た。保存後各試料の着色の度合いを保存前の試料と比較
した。結果を表2,3に示す。
【0134】
【表2】
【0135】
【表3】
【0136】表2の結果より本発明の発色現像用錠剤は
強度、溶解性、保存性いずれも実用に供し得るものであ
ることが判る。又、表3の結果より錠剤の径d(mm)と
厚みh(mm)の比d/h 2.5〜5.0の範囲で特に強度が
優れていることがわかる。
【0137】実施例4 以下の操作に従ってカラーネガフィルム漂白用錠剤試料
を作成した。
【0138】操作(1) 1,3-プロパンジアミン4酢酸第2鉄アンモニウム1水塩
175g、1,3-プロパンジアミン4酢酸2g、パインフロ
ー(松谷化学製のマルトデキストリン)17gを実施例1
操作(1)と同様に粉砕、混合し、水の添加量を8mlに
して造粒を行う。造粒後、造粒物を60℃で30分間乾燥し
て造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0139】操作(2) コハク酸133g、臭化アンモニウム200gとパインフロー
102gを実施例1の操作(1)と同様、粉砕、混合、造
粒する。水の添加量は170mlとし、造粒後、70℃で60分
間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0140】操作(3) 硫酸カリウム66.7g、炭酸水素カリウム60gとマンニッ
ト8gを実施例1の操作(1)と同様、粉砕、混合、造
粒する。水の添加量は13mlとし、造粒後、60℃で60分間
乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0141】操作(4) 上記操作(1)〜(3)で調整した造粒物を25℃、40%
RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一に
混合する。次にこの混合造粒物にN-ラウロイルサルコシ
ンナトリウム6gを添加し、3分間混合する。次に混合
物をロータリー打錠機により1錠当たりの充填量及び径
を表4のように設定して圧縮打錠を行い、各80個のカラ
ーネガフィルム用漂白補充用錠剤試料4−1〜10を作成
した。
【0142】実験 実施例1と同様の方法で強度測定、落下試験、溶解試験
を行った。
【0143】結果を表4に示す。
【0144】
【表4】
【0145】上記表4より錠剤の直径を変化させても本
発明の強度を持つ錠剤は実用上充分な強度を有しかつ、
溶解性に優れていることがわかる。
【0146】実施例5 実施例4で用いた1,3-プロパンジアミン4酢酸第2鉄ア
ンモニウム塩の代わりに同モルの例示化合物C−3、C
−5、C−9、A′−1、A′−7、A′−17、A′−
18、A′−19の第2鉄アンモニウム塩を使用して同様の
操作、実験を行った。この結果、実施例4とほぼ同じ結
果を得た。
【0147】実施例6 以下の操作に従って漂白定着用錠剤試料を作成した。
【0148】操作(1) ジエチレントリアミン5酢酸第2鉄ナトリウム3水塩;
6000.0g、ジエチレントリアミン5酢酸;300.0g、炭
酸ナトリウム1塩水;500.0gを実施例1の操作(1)
と同様、粉砕し、ポリエチレングリコール4000;1000.0
gを加えて混合し造粒する。水の添加量は200mlとし、
造粒機60℃で3時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に
除去する。
【0149】操作(2) チオ硫酸アンモニウム;8000.0g、メタ重亜硫酸ナトリ
ウム;3050.0gを操作(1)と同様、粉砕し、これらパ
インフロー;500.0gを加え、混合し造粒する。水の噴
霧量は170mlとし、造粒後、60℃で120分間乾燥して造粒
物の水分をほぼ完全に除去する。
【0150】操作(3) 前記操作(1),(2)で調製した顆粒試料を室温にて
市販のクロスロータリー式混合機を用いて10分間混合
し、さらにN-ラウロイルサルコシンナトリウム;97.0g
を添加し、3分間混合する。この様にして得られた混合
造粒物をロータリー打錠機で、連続打錠を行い、直径30
mのカラーペーパー用漂白定着補充用錠剤試料(表4記
載)各1700個を得た。
【0151】実験 上記操作で得られた試料10ヶを用いて実施例1と同様の
溶解実験を行った。又別の試料各10ヶをポリエチレン袋
に入れ密封し、バイブレーションテスターを用いて3時
間振動試験を行った後、35℃、80%RHの環境下で3週
間保存し、保存後の試料を純水に溶解し、その溶解状態
を観察した。結果を表5に示す。
【0152】保存性評価 ×:沈澱物が多量に発生 △:沈澱物が発生 ○:僅かに沈澱物が発生するが許容できる ◎:全く沈澱物が発生しない
【0153】
【表5】
【0154】表5の結果から実施例1同様、本発明の漂
白定着用錠剤は強度、溶解性、保存性のいずれも優れた
ものであることがわかる。
【0155】実施例7 実施例6で用いたジエチレントリアミン5酢酸第2鉄塩
の代わりに等モルの例示化合物A′−1、A′−7、
A′−17、A′−18の第2鉄ナトリウム塩を使用した他
は実施例6と同様の操作実験を行った。この結果、実施
例6と同様の結果を得た。
【0156】実施例8 以下の操作に従って、カラーネガフィルム定着用錠剤及
び同安定用錠剤を作成した。
【0157】カラーネガフィルム用定着捕充用錠剤 操作(1) チオ硫酸アンモニウム2500g、亜硫酸ナトリウム150
g、炭酸カリウム150g、エチレンジアミン4酢酸2ナ
トリウム塩20gとパインフロー(松谷化学製)65gを実
施例1の操作(1)と同様、粉砕、混合、造粒する。水
の添加量は50mlとし、造粒後、60℃で120分間乾燥して
造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0158】操作(2) 上記操作(1)で調整した造粒物とN-ラウロイルサルコ
シンナトリウム13gを25℃、40%RH以下に調湿された部
屋で混合機を用いて3分間混合する。次に混合物をロー
タリー打錠機により1錠当たりの充填量を及び径を表6
のように設定して圧縮打錠を行い、各100個のカラーネ
ガ用定着補充用錠剤試料3−1〜3−12を作成した。
【0159】カラーネガ用安定補充用錠剤 操作(3) m-ヒドロキシベンズアルデヒド1500g、ラウリル硫酸ナ
トリウム200g、エチレンジアミン4酢酸ジナトリウム6
00g、水酸化リチウム1水塩650gとパインフロー100g
を実施例1の操作(1)と同様、粉砕、混合、造粒す
る。水の添加量は10mlとし、造粒後、造粒物を50℃にて
2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0160】操作(4) 上記操作(3)で調整した造粒物を25℃、40%RH以下に
調湿された部屋でロータリー打錠機により1錠当たりの
充填量及び径を表7のように設定して圧縮打錠を行い、
各200個のカラーネガ用安定補充用錠剤試料4−1〜4
−12を作成した。
【0161】実験 実施例1と同様の方法で、強度測定、落下試験、溶解試
験を行った。
【0162】結果を表6,表7に示す。
【0163】
【表6】
【0164】
【表7】
【0165】実施例9 コニカQAペーパータイプ−5(コニカ(株)製)を像様
露光した後、図1に示される構成をしているNPS-808の
改造機(コニカ(株)製)を下記の処理工程に従って処理
した。ただし、補充タンク内の補充水は脱イオン処理し
たものを使用した。
【0166】 処理工程 処理時間 処理温度 タンク容量 発色現像 22秒 38.0℃ 12l 漂白定着 22秒 37.5℃ 12l 安定−1 22秒 35℃ 12l 安定−2 22秒 35℃ 12l 安定−3 22秒 35℃ 12l 乾 燥 50秒 55℃ 安定は3から1への向流方式であり、安定−1のオーバ
ーフロー液は全量漂白定着槽に流入させた。又感光材料
1m2当りの感光材料のキャリーオーバーは発色現像槽か
ら漂白定着槽へは45ml、漂白定着槽から安定槽へは50m
l、安定−1→2,2→3及び3→乾燥へは40mlであっ
た。
【0167】発色現像槽、漂白定着槽、安定槽の各開口
面積は処理液1l当り4.5cm2であった。
【0168】自現機の外気は27℃,60%RHであり、補充
水は蒸発量が100mlになったときに補充する様にした。
【0169】なお補充水の算出方法は特開平3-280042号
公報の式(1)を用いた。又処理した感光材料は1日当
り2.0m2処理し、2ヶ月間連続処理した。
【0170】以下に処理液の組成を示す。
【0171】 (発色現像液) 臭化カリウム 0.02g 塩化カリウム 3.2g 炭酸カリウム 30g 亜硫酸カリウム 0.2g ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム 2g ニトリロトリメチレンホスホン酸ナトリウム 2g チノパールSFP 2g ジナトリウム-N,N-ビス(スルホナートエチル)ヒドロキシルアミン 5g 4-アミノ-3-メチル-N-エチルN-[β-(メタンスルホンアミド) エチル]アニリン硫酸塩 7g (CD−3) 水を入れて1lとしpHを10.10に調整した。
【0172】 (漂白定着液) エチレンジアミン四酢酸第2鉄アンモニウム・1水塩 60g エチレンジアミン四酢酸 2g チオ硫酸アンモニウム 80g メタ重亜硫酸ナトリウム 15g 亜硫酸ナトリウム 18g 水を加えて1lとしpHを7.0に調整した。
【0173】 (安定液) 水 800ml 1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン 0.1g 1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸 5.0g エチレンジアミン四酢酸 1.0g チノパールSFP(チバガイギー製) 2.0g 硫酸アンモニウム 2.5g 塩化亜鉛 1.0g 塩化マグネシウム 0.5g o-フェニルフェノール 1.0g 亜硫酸ナトリウム 2.0g 水を加えて1lとし、50%硫酸又は25%アンモニア水を
用いてpH8.0に調整した。
【0174】以下の操作に従ってカラーペーパー用処理
錠剤を作成した。
【0175】1)カラーペーパー用発色現像補充用錠剤 操作(A) 現像主薬のCD-3[4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-〔β-
(メタンスルホンアミド)エチル〕アニリン硫酸塩]1200
gを市販のハンマーミル中で平均粒径10μmになるまで
粉砕する。この微粉末を市販の撹拌造粒機中で室温にて
約7分間、50mlの水を添加することにより造粒した後、
造粒物を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して造粒物
の水分をほぼ完全に除去する。このようにして、調整し
た造粒物にポリエチレングリコール6000を150gを25
℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて10分
間均一に混合する。次にN-ミリストイルアラニンナトリ
ウム4gを添加し、3分間混合した後、得られた混合物
をロータリー打錠機により1錠当たりの充填量を1.0g
にして圧縮打錠を行い、400個のカラーペーパー用発色
現像補充用錠剤A剤を作成した。
【0176】操作(B) ジスルホエチルヒドロキシルアミン2ナトリウム塩120
gを操作(A)と同様、粉砕、造粒する。水の添加量は
6.0mlとし、造粒後、50℃で30分間乾燥して造粒物の水
分をほぼ完全に除去する。このようにして、調整した造
粒物にN-ミリストイルアラニンナトリウム4gを添加
し、25℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用い
て3分間混合する。次に得られた混合物をロータリー打
錠機により1錠当たりの充填量を1.0gにして圧縮打錠
を行い、100個のカラーペーパー用発色現像補充用錠剤
B剤を作成した。
【0177】操作(C) チノパールSFP(チバガイギー社製)30.0g、亜硫酸
ナトリウム3.7g、臭化カリウム0.3g、ジエチレントリ
アミン5酢酸25g、p-トルエンスルホン酸ナトリウム28
0g、水酸化カリウム20g、マンニトール10.6gを
(A)と同様粉砕した後、市販の混合機で均一に混合す
る。次に(A)と同様にして、水の添加量を20mlにして
造粒を行う。造粒後、造粒物を60℃で30分間乾燥して造
粒物の水分をほぼ完全に除去する。このようにして、調
整した造粒物にN-ミリストイルアラニンナトリウム4g
を添加し、25℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機
を用いて3分間混合する。次に得られた混合物をロータ
リー打錠機により1錠当たりの充填量を3.2gにして圧
縮打錠を行い、100個のカラーペーパー用発色現像補充
用錠剤C剤を作成した。
【0178】操作(D) 炭酸カリウム350gを操作(A)と同様、粉砕、造粒す
る。水の添加量は20mlとし、造粒後、700℃で30分間乾
燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。このように
して、調整した造粒物にポリエチレングリコール6000を
15gを25℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用
いて10分間均一に混合する。次にN-ミリストイルアラニ
ンナトリウム4gを添加し、3分間混合した後、得られ
た混合物をロータリー打錠機により表1に示す充填量に
なる様に圧縮打錠を行い、110個のカラーペーパー用発
色現像補充用錠剤D剤を作成した。
【0179】2)カラーペーパー用漂白定着補充用錠剤 操作(E) エチレンジアミン4酢酸第2鉄アンモニウム1水塩1250
g、エチレンジアミン4酢酸100g、炭酸ナトリウム1
水塩100g、パインフロー(松谷化学)121gを操作
(C)と同様、粉砕、混合し造粒する。水の添加量は80
mlとし、造粒後、60℃で2時間乾燥して造粒物の水分を
ほぼ完全に除去する。このようにして、調整した造粒物
にN-ラウロイルサルコシンナトリウム15gを添加し、25
℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて3分
間混合する。次に得られた混合物をロータリー打錠機に
より1錠当たりの充填量を5.8gにして圧縮打錠を行
い、170個のカラーペーパー用漂白定着補充用錠剤A剤
を作成した。
【0180】操作(F) チオ硫酸アンモニウム1640g、メタ重亜硫酸ナトリウム
750g、パインフロー90gを操作(C)と同様、粉砕、
混合し造粒する。水の噴霧量は100mlとし、造粒後、60
℃で120分間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去す
る。このようにして、調整した造粒物にN-ラウロイルサ
ルコシンナトリウム20gを添加し、25℃、40%RH以下に
調湿された部屋で混合機を用いて3分間混合する。次に
得られた混合物をロータリー打錠機により1錠当たり充
填量を9.2gにして圧縮打錠を行い、180個のカラーペー
パー用漂白定着補充用錠剤B剤を作成した。
【0181】3)カラーペーパー用安定補充用錠剤 操作(G) 炭酸ナトリウム・1水塩10g、1-ヒドロキシエタン-1,1
-ジホスホン酸三ナトリウム200g、チノパールSFP15
0g、亜硫酸ナトリウム300g、硫酸亜鉛7水塩20g、エ
チレンジアミン4酢酸2ナトリウム150g、硫酸アンモ
ニウム200g、o-フェニルフェノール10g、パインフロ
ー25gを操作(C)と同様、粉砕、混合し造粒する。水
の添加量は60mlとし、造粒後、70℃で60分間乾燥して造
粒物の水分をほぼ完全に除去する。このようにして、調
整した造粒物にN-ラウロイルサルコシンナトリウム10g
を添加し、25℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機
を用いて3分間混合する。次に得られた混合物をロータ
リー打錠機により1錠当たりの充填量を3.1gにして圧
縮打錠を行い、360個のカラーペーパー用安定補充用錠
剤を作成した。
【0182】尚これらの錠剤は表8に示す様に、強度を
調整した。
【0183】
【表8】
【0184】次に上記錠剤を図2、Cに示す様に発色現
像用補充用錠剤はA〜D各1ヶずつを、漂白定着補充用
錠剤はA,B各1ヶずつを、安定補充用錠剤は各1ヶず
つを、PET/ポリビニルアルコール・エチレン共重合
体/ポリエチレン製の積層の高分子樹脂フィルムを用い
てシールし、これを20分包連続したものを1カートリッ
ジとした。次に上記各補充用錠剤カートリッジを市販の
振とう器を用いて6時間振とうした後、図1、図2に示
す自動現像機の処理剤供給装置を用いて投入した。上記
錠剤はカラーペーパーが1m2処理されると1個ずつ投入
され、同時に補充水タンクから補充水が発色現像槽に76
ml、漂白定着槽には42ml、安定槽には247ml供給される
ようにセットした。
【0185】そしてカラーペーパーの処理量が20m2にな
るまで連続処理を行い、各処理における上記錠剤の供給
装置、及び錠剤の溶解の様子を観察した。
【0186】(尚、図1に示す自動現像機については、
処理槽1、処理部2、フィルター3、循環パイプ4、循
環ポンプ5、排液管6、ヒータ7、処理量情報検出手段
及び処理剤供給制御手段8、固体処理剤投入部11、仕切
壁12、固体処理錠剤13、濾過部(区分)14、パイプ(補
水用)41、補充水供給手段42、補水タンク43、処理剤カ
ートリッジ150、包装体152、ピールオープン円筒153、
包装体巻取軸156を示す。
【0187】又、図2(A),(B)に示す処理剤供給
装置については、固体処理剤151、包装体152、ピールオ
ープン円筒153、投入口154、投入部155、包装体巻取軸1
56、つまみ157、クランパ158、巻取軸駆動モータMを示
す。又図2(C)には、分包(連続)シール包装の例を
示す。) 結果を表9に示す。
【0188】
【表9】
【0189】上記表9より錠剤の強度Zが0.5未満のも
のを投入装置を具備する自現機に使用した場合、振動に
対する強度が不足し錠剤の破損を引き起こす。これをそ
のまま、用いると包材に付着した錠剤の破片によって錠
剤供給装置に支障を来たし、供給装置が止ってしまうと
いうトラブルが発生する。また強度Zが3.5を超えると
振動に対する強度は有するものの溶解性が著しく悪化
し、溶解槽に未溶解の錠剤が蓄積する。
【0190】この結果、処理液の循環ポンプに未溶解の
錠剤が詰まり、やはり、自現機が停止するという重大な
トラブルが発生する。しかしながら本発明の強度を持つ
錠剤を用いると振動に対しても強固であり、かつ、溶解
槽中においても常時1〜2ヶ残存するのみで何らトラブ
ルを発生することなく連続処理を行うことができる。
尚、本発明の錠剤を用いて処理を行った時写真性能はす
べて満足し得るものであった。
【0191】
【発明の効果】本発明によれば、第1に輸送上の危険や
取扱い上の危険をともなう液体ケミカルをなくしユーザ
ーへの煩雑な操作なしで固体ケミカルの使用を可能なら
しめた自動現像機の実用化を達成する事ができる。
【0192】第2に溶解性に優れかつ実用上充分な強度
を持つ固体処理剤を供給することができる。
【0193】第3に長期の保存性に優れ、使い勝手の良
い固体処理剤を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動現像機の補充水供給手段を追加した処理剤
投入部と処理剤供給装置との断面図。
【図2】供給装置の平面図と斜視図及び包装体の平面
図。
【符号の説明】
1 処理槽 2 処理部 3 フィルター 4 循環パイプ 5 循環ポンプ 6 排液管 7 ヒータ 8 処理量情報検出手段及び処理剤供給制御手段 11 固体処理剤投入部 12 仕切壁 13 固体処理錠剤 14 濾過部(区分) 41 パイプ(補水用) 42 補充水供給手段 43 補水タンク 150 処理剤カートリッジ 151 固体処理剤 152 包装体 153 ピールオープン円筒 154 投入口 155 投入部 156 包装体巻取軸 157 つまみ 158 クランパ M 巻取軸駆動モータ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 5/26 520 G03C 5/00 G03C 7/407 G03C 7/42

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一種の処理剤成分からなる
    粒物を加圧圧縮して得られる錠剤であり、該錠剤の強度
    Zが以下に示す範囲にあることを特徴とするハロゲン化
    銀写真感光材料用固体処理剤。 0.5≦Z≦3.5 ただしZ=錠剤の圧縮破壊強度(kg)/錠剤の長形方向の長さ(mm)
  2. 【請求項2】 上記錠剤が円盤状の錠剤であることを特
    徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料用固
    体処理剤。
  3. 【請求項3】 上記錠剤の長形方向の長さ:X(mm)と
    厚み:H(mm)の比:X/Hが1.0〜6.0の範囲にあるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載のハロゲン化銀写真
    感光材料用固体処理剤。
  4. 【請求項4】 上記錠剤が少なくとも一種のパラフェニ
    レンジアミン系発色現像主薬を含有することを特徴とす
    る請求項1〜3記載のハロゲン化銀写真感光材料用固体
    処理剤。
  5. 【請求項5】 上記錠剤が少なくとも一種のパラフェニ
    レンジアミン系発色現像主薬を含有する造粒物と少なく
    とも一種のアルカリ剤を含有する造粒物を圧縮して得ら
    れるものであることを特徴とする請求項1〜4記載のハ
    ロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤。
  6. 【請求項6】 上記錠剤が少なくとも一種のアミノポリ
    カルボン酸第2鉄錯塩を含有することを特徴とする請求
    項1〜3記載のハロゲン化銀写真感光材料用固体処理
    剤。
  7. 【請求項7】 上記錠剤が少なくとも一種のチオ硫酸塩
    を含有することを特徴とする請求項1〜3記載のハロゲ
    ン化銀写真感光材料用固体処理剤。
  8. 【請求項8】 上記錠剤が少なくとも一種のアミノポリ
    カルボン酸第2鉄錯塩を含有する造粒物と少なくとも一
    種のチオ硫酸塩を含有する造粒物を圧縮して得られるも
    のであることを特徴とする請求項1〜3記載のハロゲン
    化銀写真感光材料用固体処理剤。
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