JP3385901B2 - 被焼入材の冷却方法 - Google Patents

被焼入材の冷却方法

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JP3385901B2 JP07735197A JP7735197A JP3385901B2 JP 3385901 B2 JP3385901 B2 JP 3385901B2 JP 07735197 A JP07735197 A JP 07735197A JP 7735197 A JP7735197 A JP 7735197A JP 3385901 B2 JP3385901 B2 JP 3385901B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、金属管を焼入処理
する場合における冷却方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】金属管とりわけ鋼管は、構造用として利
用される場合が多く、強度が必要とされることから、通
常、焼入れ,焼き戻し処理が行われる。特に、石油,天
然ガス等の掘削,輸送ラインによく利用される継目無鋼
管は、API規格に定められているように、主たる材料
は焼入れ,焼き戻し処理が行われている。 【0003】ところで、鋼管の焼入れ,焼き戻し処理
は、焼入炉で鋼管を所定の温度に加熱した後、主として
水を使用した焼入れ装置にて、要求される冷却速度で鋼
管を冷却し、その後、焼き戻し炉で焼き戻し処理を行
う。焼入れ装置は、焼入れ開始温度を鋼管のAc3変態点
以上とするために、焼入炉の抽出装置のライン上に設置
するか、抽出ラインから搬出後の直近に設置するのが一
般的である。このうち、前者は、鋼管を搬送しながら焼
入れを行い、後者は、焼入れ装置内で鋼管を搬送しなが
ら搬入するか、または、鋼管を停止した状態で焼入れを
行う。 【0004】焼入れの際、鋼管には、急激な熱応力が加
わったり、焼入れ途中に起こる組織変態に起因する変態
応力が発生する。また、鋼管を部分的に焼入れした場合
には、温度むらが生じることがある。このため、焼入れ
が完了した後、鋼管に曲がりが生じることが多い。そし
て、曲がりが生じた場合、次工程の焼き戻し処理にて搬
送トラブルが生じたり、極度に曲がりが生じた場合に
は、搬送できなくなることがある。また、焼き戻し処理
後、曲がり矯正を行うが、曲がり矯正で、過度の塑性加
工を加えると、強度変化をきたし、規格で定められた強
度仕様を満足しない場合もでてくる。 【0005】そこで、曲がりを抑制するために、焼入れ
時には、鋼管を回転させて均一に焼入れを行うと共に、
冷却時にも鋼管を回転させて、曲がりを抑制している。
また、特公平4−8487号では、鋼管の一部を冷却媒
体に浸漬しながら、回転数を規定しながら焼入れする方
法が提案されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
方法では、先ず、焼入炉の抽出装置上に焼入装置を設置
している場合には、抽出装置に鋼管を回転させる機構を
持たせる必要がある。通常、搬送ローラにスキュー角度
をつけるのが一般的であるが、せいぜいパスラインに対
して、10〜30°のスキュー角度をつけるのが限界で
あり、この時、鋼管は、焼入中、数回転しかできない。
これを積極的に回転数を上げようとすると、冗長な焼入
装置が必要となり、設備コストが高くなる。 【0007】また、鋼管を停止した状態で回転冷却を行
う場合には、上記したような回転数の制約を受けるわけ
ではないが、全長にわたって同時に焼入れをして均一に
冷却するには、鋼管の外面側からのみ冷却することにな
り、厚肉管では内面側が焼入れ不足となり、規格で定め
られた強度を満足しなくなる。これに対応するため、鋼
管の片端より管内面に冷却水を噴射する方法もあるが、
この方法は焼入れ強度は確保できるものの、軸方向に焼
入れ開始タイミングにずれが生じ、これが原因となって
鋼管の曲がりを抑制できない。これは、鋼管長が長くな
るほど顕著となる。 【0008】後者の特公平4−8487号で提案された
方法は、本発明者の調査によると、先ず、マルテンサイ
ト変態する材料を選定して鋼管とし、加熱後、鋼管の一
部を冷却媒体に浸漬した時点で、鋼管に温度分布が生じ
て曲がりが発生してしまい、焼入れ後にもこの曲がりは
解消されなかった。すなわち、この特公平4−8487
号で提案された方法も、曲がり防止には有効な手段とは
いえないことが判明し、また、フェライト+パ−ライト
変態のように、拡散変態をする材料では、焼入れ中、変
態応力による大曲がりが発生した。 【0009】本発明は、上記した従来の問題点に鑑みて
なされたものであり、被焼入材を停止した状態で回転冷
却をする場合に、冷却後に、可及的に曲がりを発生させ
ることのない被焼入材の冷却方法を提供することを目的
とするものである。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に係る被焼入材の冷却方法は、Ac3変態
温度以上からマルテンサイト変態終了温度以下の温度域
で、被焼入材を20〜150rpm の回転数で、少なくと
も2種類以上の回転数(低速から高速への変化を除く)
で冷却することとしている。そして、このようにするこ
とで、焼入れ初期に形成される水蒸気膜が均一に除去で
きると共に、組織変態が被焼入材の全長にわたってむら
なく進行する。 【0011】 【発明の実施の形態】種々の鋼種にわたって焼入れ中の
曲がりを抑制する手段としては、焼入れ初期に形成され
る水蒸気膜を均一に除去すること、組織変態が全長にわ
たってむらなく進行すること等があげられる。 【0012】すなわち、先ず、焼入れの第一段階とし
て、被焼入材と冷却水が最初に接触した時には、被焼入
材に相当量の熱応力がかかる。そして、第二段階とし
て、被焼入材と冷却水の間に水蒸気膜が形成されるが、
この水蒸気膜は被焼入材に対し、新たな冷却水を与える
ことによって除去できる。次に、焼入れの第三段階とし
て、被焼入材が組織変態を開始し始める。 【0013】そして、これらの各々の段階で、被焼入材
の寸法(外径、肉厚)や化学成分によらず、単に被焼入
材の回転数のみで整理すると、上記三段階のうち、少な
くとも二種類以上の回転数(低速から高速への変化を除
く)を選定しないと、各々の段階に対応したものとはな
らないことを本発明者は知見した。 【0014】そして、被焼入材に与える回転数について
は、本発明者の実験によると、150rpm を超えた場
合、曲がり抑制効果が漸増するのに対し、駆動装置が巨
大化するのみであること、また、20rpm 未満では、従
来なみの曲がり量となることが判明した。そこで、本発
明では、被焼入材に与える回転数を、20〜150rpm
とした。 【0015】また、本発明では、焼入れ温度範囲につい
ては、被焼入材の焼入れ開始温度をAc3変態点以上とす
るためと、冷却水の工業的に制御可能な範囲とするため
に、マルテンサイト変態終了温度以下の温度域とした。 【0016】本発明に係る被焼入材の冷却方法は、上記
した知見によってなされたものであり、加熱後の被焼入
材を停止状態で回転冷却する焼入処理時の被焼入材の冷
却方法において、Ac3変態温度以上からマルテンサイト
変態終了温度以下の温度域で、被焼入材を20〜150
rpm の回転数で、少なくとも2種類以上の回転数(低速
から高速への変化を除く)で冷却するものである。 【0017】本発明に係る被焼入材の冷却方法に使用す
る焼入れ装置としては、焼入れ中に回転数を変化させる
ので、被焼入材を所定位置で回転する方式でなければな
らないが、水槽の中に被焼入材を浸漬させて水槽内で回
転焼入れをするものや、被焼入材を大気中の回転装置上
にのせ、被焼入材の内外表面を冷却できるもの等であれ
ば、特に装置の制限はない。 【0018】また、本発明に係る被焼入材の冷却方法に
おいて、被焼入材の焼入れ途中の回転数変化は、高速か
ら低速で、2秒以下で回転数を変化できるものが望まし
い。 【0019】 【実施例】以下、本発明に係る被焼入材の冷却方法の効
果を確認するために行った実施結果について説明する。 【0020】焼入れは、ウォーキングビ−ム式直火焚焼
入れ炉で、所定の温度に下記の継目無鋼管を加熱した
後、ローラにて炉外に抽出し、水面下500mmの位置
に回転装置を設けた水槽に前記鋼管を浸漬することで行
った。継目無鋼管は、重量%で、0.25%C−0.
30%Si−0.5%Mn−1%Cr−0.3%Mo
鋼、および、0.08%C−0.30%Si−1.2
0%Mo鋼で、いずれも長さが12m、外径が244.
5mm、肉厚が11.99mmのものを使用した。その
結果を下記表1に示す。なお、表1には回転させる温度
域や回転数が本発明の範囲を外れた比較例や、2種類以
上の回転数で回転しない従来例も併せて示している。ま
た、表1における最大曲がりは、焼入れ後の鋼管を定盤
上に載せ、定盤と鋼管の最大隙間を測定した値である。 【0021】 【表1】 注1)鋼管のAc3変態点は850℃、鋼管のAc3
態点は860℃である。 注2)鋼管,のマルテンサイト変態終了温度は10
0〜200℃の間である。 注3)温度範囲中の、Aは850〜600℃、Bは88
0〜650℃、Dは850〜25℃、Eは880〜25
℃、Fは600〜25℃、Gは600〜300℃、Hは
650〜25℃、Iは650〜400℃、Jは300〜
25℃、Kは400〜25℃である。 【0022】JIS規格の曲がりの判定基準としては、
製品用途上、処理材1mにつき1mm以下の曲がりが目
安になる。上記した表1より、従来例では25mmもの
曲がりが発生し、焼戻し処理時の搬送トラブルの危険性
があったり、焼戻しによっていくぶんかは曲がり量が少
なくなるとしても、焼戻し後の曲がり矯正が必須とな
る。これによって、操業ロスや過矯正による強度仕様外
れを起こしていたが、本発明によってこれらのロスがな
くなった。なお、比較例では、JIS規格の曲がりの判
定基準を満たしているが、本発明例と比べると、まだ曲
がり量は大きい。なお、上記した表1中の本発明例は、
焼入れ後の鋼管の硬さは、各々の化学成分に見合ったも
のであり、ミクロ組織も所定の組織となっていたことよ
り、十分焼入れされていたことを確認している。 【0023】 【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る被焼
入材の冷却方法によれば、被焼入材を停止した状態で回
転冷却をする場合に、冷却後に、可及的に曲がりを発生
させることがないので、焼戻し処理時の搬送トラブルが
なく、また、焼戻し後の曲がり矯正が不要となる。そし
て、これによって、操業ロスや過矯正による強度仕様外
れもなくなる。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 加熱後の被焼入材を停止状態で回転冷却
    する焼入処理時の被焼入材の冷却方法において、Ac3
    態温度以上からマルテンサイト変態終了温度以下の温度
    域で、被焼入材を20〜150rpm の回転数で、少なく
    とも2種類以上の回転数(低速から高速への変化を除
    く)で冷却することを特徴とする被焼入材の冷却方法。
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