JP3416681B2 - 蓄圧式燃料噴射装置 - Google Patents
蓄圧式燃料噴射装置Info
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Description
置に関する。
ーゼルエンジンの各気筒に安定供給して広い運転域にお
いてエンジン性能を向上可能とする蓄圧式燃料噴射装置
が知られている。但し、この様な燃料噴射装置を用いた
場合にも、燃料噴射開始直後における燃料噴射率が過大
であると、燃焼の初期に急激な爆発燃焼が行われ、エン
ジン運転騒音が増大するばかりでなく排ガス中のNOx
が増大する。
料噴射サイクルの初期段階において、低めの燃料噴射率
で燃料を噴射する蓄圧式燃料噴射装置が提案されてい
る。この提案に係る装置は、例えば、低圧燃料を貯留す
る低圧蓄圧器と、高圧燃料を貯留する高圧蓄圧器と、低
圧蓄圧器又は高圧蓄圧器をインジェクタ(燃料噴射ノズ
ル)に選択的に連通させて噴射率を切換える切換弁と、
インジェクタの制御室と燃料タンクとを連通・遮断して
噴射開始・終了時期を制御する開閉弁とを備えている。
ンジンによりそれぞれ駆動される低圧ポンプ及び高圧ポ
ンプを用いて低圧および高圧の燃料を得るものがあり、
また、高圧ポンプにより高圧燃料を得ると共に低圧蓄圧
器へ導入した高圧燃料を調圧して低圧燃料を得るものが
ある(特開平6−93936号公報)。また、国際公開
WO98/09068号公報に開示され高圧蓄圧器の高
圧燃料から低圧蓄圧器の低圧燃料を得るタイプの蓄圧式
燃料噴射装置では、例えば、噴射時期制御用の開閉弁お
よび噴射率切換用の切換弁の双方を閉じることにより、
切換弁とインジェクタの燃料室とを接続する燃料通路に
低圧燃料を満たすと共に燃料通路に連通するインジェク
タの制御室に低圧燃料を供給してインジェクタを閉弁状
態に保持し、噴射開始時期が到来したときに開閉弁を開
いて制御室内の低圧燃料を燃料タンクへ排出させ、これ
によりインジェクタを開弁させて低圧初期噴射(以下、
低圧噴射という)を行い、また、低圧噴射期間が経過し
たときに切換弁を開き、高圧蓄圧器からの高圧燃料をノ
ズルから噴射させて高圧主噴射(以下、高圧噴射とい
う)を行い、噴射終了時期が到来すると切換弁を閉じ
る。低圧蓄圧器では、燃料通路から流入した高圧燃料を
調圧して低圧燃料を得る。
噴射装置では、エンジン運転が停止すると、燃料通路内
の燃料は、高圧ポンプのプランジャまわりの間隙および
インジェクタの制御室まわりの間隙などを介して徐々に
流出し、燃料通路および低圧蓄圧器の燃料圧力は大気圧
相当まで低下する。
われると、高圧ポンプから高圧蓄圧器へ加圧燃料が供給
され、また、低圧噴射および高圧噴射を行うべく噴射率
切換え制御用の切換弁および噴射時期制御用の開閉弁が
開閉される。高圧噴射期間中に加圧燃料が高圧蓄圧器か
ら排出されると、高圧蓄圧器内の燃料圧力はその分低下
し、エンジン始動開始直後は高圧蓄圧器内での燃圧形成
が遅れがちになる。また、これに伴って低圧蓄圧器内で
の燃圧形成が遅れる。
ェクタの開弁圧を上回る所定圧の低圧燃料を得ることは
困難である。そして、低圧蓄圧器内の燃料圧力が所定圧
に到達するまでは低圧噴射が実施されず、燃料噴射開始
時期が遅れて、エンジン始動不良やエンジンから白煙が
排出されるという不具合が発生する。そこで、本発明
は、低圧蓄圧器内での燃圧形成が不十分であるエンジン
始動時の燃料噴射開始時期を適正化するようにした蓄圧
式燃料噴射装置を提供することを目的とする。
料噴射装置は、第1蓄圧器内の高圧燃料を排出制御する
制御弁よりも下流側で燃料通路に接続され低圧燃料を貯
留する第2蓄圧器内の燃料圧力が、エンジン始動後、所
定圧力に到達するまでは、エンジン運転状態に応じて設
定される目標燃料噴射開始時期と同一またはそれよりも
進角した開弁時期に制御弁を開弁させる燃料制御手段を
備えることを特徴とする。
ン始動時、制御弁は、目標燃料噴射開始時期と同一又は
それよりも進角した開弁時期に開弁する。ここで、目標
燃料噴射開始時期が到来したときに燃料噴射ノズルと制
御弁の双方が開弁状態になるように燃料噴射装置を構成
すれば、目標燃料噴射開始時期が到来したとき、第1蓄
圧器内の加圧燃料が開弁状態にある制御弁と燃料通路と
を介して燃料噴射ノズルに供給され、燃料噴射ノズルか
ら噴射される。従って、目標燃料噴射開始時期よりも低
圧噴射期間だけ遅角した開弁時期に制御弁を開弁させる
制御をクランキング開始当初から実施する装置の場合と
異なり、制御弁の開弁時期を早めた本発明の装置によれ
ば、エンジン始動時にも燃料噴射開始遅れを来すことが
なく、従って、エンジン始動性が向上し、また、エンジ
ンからの白煙の排出が防止される。
燃料制御手段は、燃料噴射ノズルを目標燃料噴射開始時
期に開弁させると共に、制御弁を目標燃料噴射開始時期
よりも進角した開弁時期に開弁させる。この好適態様に
よれば、燃料噴射ノズルと制御弁の双方が開弁した状態
が目標燃料噴射開始時期に実現され、従って、エンジン
始動時においても企図した時期に燃料噴射が開始され、
燃料噴射開始遅れを来すことがない。また、エンジン始
動時の燃料噴射制御において、燃料噴射ノズルの駆動制
御は通常の場合と同様に行え、従って、通常の場合と比
べて制御弁の駆動制御のみを変更すれば良く、制御内容
は簡易になる。また、制御弁の開弁時期が燃料噴射ノズ
ルの開弁時期に先行しており、従って、制御弁が開弁し
てから燃料噴射ノズルが開弁するまでの間に第1蓄圧器
から制御弁下流側の燃料通路への加圧燃料供給が行わ
れ、燃料噴射ノズルが開弁すると同時に充分な燃料圧力
での燃料噴射が実施される。
を目標燃料噴射開始時期よりも進角した開弁時期に開弁
させると共に制御弁を目標燃料噴射開始時期に開弁させ
ることによっても、目標燃料噴射開始時期に燃料噴射ノ
ズルと制御弁の双方を開弁状態にすることができる。こ
の場合、燃料噴射ノズルの開弁時期を低圧噴射期間だけ
進角させて、制御内容を簡易化するのが好ましい。
所定圧力は、エンジン運転状態に応じて設定される設定
圧力である。この好適態様によれば、第2蓄圧器内の燃
料圧力がエンジン運転状態に適合した設定圧力に等しい
所定圧力に到達した後に実施される各回の燃料噴射サイ
クルにおいて、燃料噴射ノズルの開弁時点では制御弁は
閉じられており、第2蓄圧器から燃料噴射ノズルへ既に
供給されている設定圧力の加圧燃料が燃料噴射ノズルか
ら噴射される。すなわち、低圧噴射が実施される。そし
て、燃料噴射ノズルの開弁時点から所定時間が経過して
制御弁が開くと、第1蓄圧器内の燃料が燃料噴射ノズル
から噴射される。すなわち、高圧噴射が実施される。こ
の様に、通常の燃料噴射モードへの移行要件である所定
圧力を設定圧力に等しくした場合、第2蓄圧器内の燃料
圧力が所定圧力に到達した直後から、各燃料噴射サイク
ルにおいて低圧噴射と高圧噴射とからなる所望の燃料噴
射を実施可能である。
る蓄圧式燃料噴射装置を説明する。蓄圧式燃料噴射装置
は、例えば直列6気筒のディーゼルエンジン(図示略)
に搭載されるもので、図1および図2に示すように高圧
ポンプ1を備えている。高圧ポンプ1は、エンジンによ
り駆動され燃料タンク17内の燃料を汲み上げて加圧す
るもので、例えば容積形プランジャポンプからなり、そ
の圧送ストロークの有効区間を調整することにより燃料
吐出圧力を調整可能になっている。圧送ストローク調整
は、例えば、図示しない電磁弁の閉弁時期を調整するこ
とによって行われ、この電磁弁が開いている間は圧送動
作が無効になるようになっている。6気筒エンジンに係
る本実施態様の装置における高圧ポンプは、例えば2つ
のプランジャを備える。各プランジャは、3つの気筒に
関連しており、高圧ポンプ軸が1回転する間に3回の圧
送ストロークを実施するようになっている。
エンジン回転数センサ8aにより検出されたエンジン回
転数Neとアクセル開度センサ(図示略)により検出さ
れたアクセルペダル踏込量(アクセル開度)ACCとに応
じてポンプ1の圧送ストロークを可変調整し、更に、圧
力センサ3a(図2)により検出された高圧蓄圧器(第
1蓄圧器)3内の実際圧力PHPに応じて圧送ストローク
(燃料圧力)をフィードバック制御することにより、エ
ンジン運転状態に適合する高圧燃料を得るようになって
いる。
圧器3に貯留される。この高圧蓄圧器3は各気筒に共通
するものであり、燃料通路10aに連通している。燃料
通路10aの途中には、例えば二方電磁弁からなる燃料
噴射率切換用の切換弁(制御弁)5が各気筒毎に設けら
れ、また、燃料通路10aにおいて切換弁5の直ぐ下流
には逆止弁32が設けられている。
おいて燃料通路10aから分岐した燃料通路10bを介
して、各気筒に共通の低圧蓄圧器(第2蓄圧器)4が接
続されている。燃料通路10bの途中には逆止弁6が設
けられ、また、燃料通路10bには逆止弁6をバイパス
するバイパス燃料通路が付設され、このバイパス燃料通
路にオリフィス6aが設けられている。燃料通路10a
内の燃料圧力が燃料通路10b内のものよりも高い場
合、燃料通路10a内の燃料がオリフィス6aを介して
燃料通路10bに流入し、更に、低圧蓄圧器4に流入す
る。低圧蓄圧器4と燃料タンク17との間には、コント
ローラ8の制御下で動作する圧力制御弁34が設けられ
ている。図2中、符号4aは、低圧蓄圧器4内の燃料圧
力PLPを検出するための圧力センサを表す。
圧力が、エンジン回転数Neとアクセルペダル踏込量AC
Cとによって表されるエンジン運転状態に適合した圧力
になるように、圧力センサ4aにより検出した実際圧力
PLPに基づいて、圧力制御弁34を制御する。エンジン
の各気筒毎のインジェクタ(燃料噴射ノズル)9は、燃
料通路10aに接続された制御室11及び燃料室12を
有し、制御室11は、燃料戻り通路10cを介して燃料
タンク17に接続されている。符号15、16はオリフ
ィスを表す。また、符号7は、燃料戻り通路10cの途
中に配され例えば二方電磁弁からなる噴射時期制御用の
開閉弁を表す。なお、開閉弁7はインジェクタに組み込
まれても良い。
るニードル弁13と、制御室11内に移動自在に配され
た油圧ピストンを有し、ニードル弁13は図示しないス
プリングによりノズル孔側に付勢されている。燃料通路
10aから制御室11と燃料室12とに燃料が供給され
ると共に噴射時期制御用の開閉弁7が閉じられている場
合、スプリングのばね力と燃料圧力との合力とが油圧ピ
ストン14を介してニードル弁13に加わり、ニードル
弁13は燃料室12内の燃料圧力に抗してノズル孔を閉
鎖するようになっている。一方、開閉弁7が開いて制御
室11内の燃料が燃料タンク17側へ排出されると、燃
料室12内の燃料圧力によりニードル弁13がスプリン
グのばね力に抗して油圧ピストン14側へ移動してノズ
ル孔が開いて燃料室12内の燃料がエンジンの燃焼室
(図示略)へ噴射されるようになっている。
ドでの動作を説明する。コントローラ8の制御下で、高
圧蓄圧器3内の燃料圧力および低圧蓄圧器4内の燃料圧
力がエンジン運転状態に適合するように制御され、ま
た、エンジン運転状態(エンジン回転数、アクセルペダ
ル踏込量)に応じて燃料噴射期間(燃料噴射開始・終了
時期)および低圧噴射期間が設定される。
来するまでの間、切換弁5および開閉弁7は共に閉じら
れ、切換弁5の下流側の燃料通路10aには低圧蓄圧器
4から低圧燃料が供給され、この低圧燃料が制御室11
および燃料室12に供給される。開閉弁7が閉じている
ので、制御室11内に供給された燃料圧力が油圧ピスト
ン14を介してニードル弁13に加わり、ニードル弁に
よりインジェクタ9のノズル孔が閉塞される。
が開かれ、制御室11内の低圧燃料がオリフィス16及
び燃料戻り通路10cを介してドレーンされ、油圧ピス
トン14を介してニードル弁13に加わる燃料圧力とス
プリングのばね力との合力がニードル弁13を押し上げ
るように作用する燃料室12内の燃料圧力よりも小さく
なった時点でニードル弁13が上昇してノズル孔が開
き、低圧燃料がインジェクタ9から噴射される。すなわ
ち、比較的小さい燃料噴射率(単位時間あたりの燃料噴
射量)での低圧初期噴射が行われる。この低圧噴射によ
り、着火前の燃料量が少なくなり予混合燃焼量が減少す
るため燃料噴射期間の初期段階での燃焼は比較的緩慢に
行われ、排気ガス中のNOx量の低減に寄与する。
ると、噴射時期制御用の開閉弁7が開弁状態に保持され
たまま、噴射率切換用の切換弁5が開弁され、燃料室1
2に高圧燃料が供給され、インジェクタ9から高圧燃料
が噴射される。すなわち、低圧噴射での燃料噴射率より
も大きい噴射率での燃料噴射(高圧主噴射)が実施され
る。
時期制御用の開閉弁7が閉弁され、制御室11に供給さ
れた高圧燃料が油圧ピストン14を介してニードル弁1
3に作用し、ニードル弁13がインジェクタ9のノズル
孔を閉塞する。燃料噴射終了時点で燃料噴射率が急速に
立ち下がって、エンジンからの黒煙(スモーク)やパテ
ィクレート(PM)の排出量の低減に寄与する。噴射率
切換用の切換弁5は、燃料噴射終了時期Teにおける開
閉弁7の閉弁と共に閉じられ、或いは、燃料噴射時期終
了時期から所定時間(図8に記号ΔTeで示す)が経過
した時点で閉じられる。
率切換用の切換弁5との間において燃料通路10a内の
燃料圧力は、各回の燃料噴射サイクルでの燃料噴射が終
了した時点から漸減して、次回の燃料噴射サイクルでの
燃料噴射が開始されるまでに低圧噴射に適合する燃料圧
力に低下し、次回の低圧噴射での噴射率は所要のものに
なる。
a、10b内の燃料は、インジェクタ9の制御室11ま
わりの間隙および高圧ポンプのプランジャまわりの間隙
などを介して徐々に流出し、燃料通路10a、10bお
よび低圧蓄圧器4内の燃料圧力は大気圧相当まで低下す
る。既に説明したように、エンジン運転を一旦停止した
後のエンジン始動時における燃料噴射を上述の通常モー
ドの場合と同様に実施すると、特に低圧蓄圧器4内での
燃圧形成に遅れを生じて、インジェクタ9の開弁圧を上
回る所定圧の低圧燃料を直ちに得ることはできず、この
ため、低圧噴射が実施されず、燃料噴射開始時期が遅れ
てエンジン始動不良などの不具合が発生する。
は、エンジン始動時には、上記の通常モードと異なる始
動モードでの燃料噴射を実施して、低圧蓄圧器内での燃
圧形成が完了していない場合においても燃料噴射開始時
期を適正化するようにしている。本実施形態では、エン
ジン始動開始時に電源が投入されると、コントローラ8
は、図5に示す燃料噴射モード判定ルーチンを所定周期
で実施する。
状態に適合する低圧燃料の目標値(指示値)PLPTAR
が、例えばエンジン回転数Neおよびアクセルペダル踏
込量ACCに基づいて例えばエンジン運転状態・低圧燃料
指示値マップ(図示略)から求められる。また、低圧蓄
圧器4内の燃料圧力を表す圧力センサ4aの出力PLPが
読み込まれ、低圧燃料の実際圧力値が検出される。そし
て、この実際圧力値PLPが指示値PLPTARに達している
か否かが判別される(ステップS1)。
であれば、低圧蓄圧器4内での燃圧形成が完了している
ので、上述の通常モードでの燃料噴射に移行し(ステッ
プS2)、図5の判定ルーチンの実行を終了する。一
方、ステップS1での判別結果が否定(No)であれば、
低圧蓄圧器4内での燃料形成は完了しておらず、通常モ
ードでの燃料噴射を実施した場合には上記のようにエン
ジン始動不良などの不具合が生じるおそれがあるので、
始動モードでの燃料噴射が実施される(ステップS
3)。
間(開弁開始・終了時期)は通常モードの場合と同一に
され、噴射率切換用の切換弁5の開弁開始時期は通常モ
ードの場合よりも進角される。図6に示すように、本実
施形態では、切換弁5の開弁開始時期は、インジェクタ
9の開弁開始時期(目標燃料噴射開始時期)よりもΔT
s時間だけ進角される。すなわち、切換弁5の開弁開始
時期は、通常モードの場合のもの(破線で示す)よりも
ΔTsと低圧噴射期間ΔTLPとの和に等しい時間だけ進
角される。
おいて、切換弁5の開弁開始時期が到来してコントロー
ラ8から切換弁5に切換弁駆動信号が印加されると、切
換弁5が開く。この結果、高圧蓄圧器3内の加圧燃料
が、燃料通路10aを介して、インジェクタ9の制御室
11及び燃料室12に供給される。そして、切換弁5の
開弁開始時期からΔTs時間が経過して目標燃料噴射開
始時期になると、コントローラ8から開閉弁7にインジ
ェクタ駆動信号が印加され、開閉弁7が開いて制御室1
1内の加圧燃料がドレインされてインジェクタ9のニー
ドル弁13が押し上げられる。この結果、ノズル孔が開
き、燃料室12に供給されている加圧燃料が噴射され
る。上述のように、始動モードにおいても、開閉弁7の
開弁時期(目標燃料噴射開始時期)はエンジン運転状態
に適合するように設定されており、従って、上記のよう
に開閉弁7の開弁と同時に燃料噴射が開始されると、燃
料噴射開始時期はエンジン運転状態に適合したものにな
る。このため、低圧蓄圧器4での燃圧形成が充分でない
にもかかわらず通常モードで燃料噴射を実施する場合に
生じる低圧噴射の不実施に起因する噴射遅れが防止され
る。
と、図5の判定ルーチンのステップS1において、低圧
蓄圧器4内での実際圧力値PLPが指示値PLPTARを上回
ったと判別される。この場合、始動モードによる燃料噴
射から通常モードによる燃料噴射に移行する。上記のよ
うに或る燃料噴射サイクルにおいて低圧蓄圧器4内の燃
料圧力の実際値PLPが指示値PLPTARに達した場合、こ
の燃料噴射サイクルの終了後に切換弁5が閉弁してから
次の燃料噴射サイクルが開始されるまでの間に燃料通路
10a内の燃料圧力は、通常モードでの低圧噴射におけ
る燃料噴射圧力に相当する圧力まで減少する。このた
め、通常モードへの移行後に最初に実施される燃料噴射
サイクルにおいても低圧噴射が円滑に行われる。
燃料噴射装置を説明する。第2実施形態の装置は、エン
ジン始動時における燃料噴射の開始遅れ防止を企図する
点で第1実施形態のものと共通する一方、インジェクタ
開弁期間(開弁開始・終了時期)を通常モードの場合と
同一値に設定すると共に切換弁5の開弁開始時期を進角
させる第1実施形態の装置に比べて、インジェクタ9及
び切換弁5の開弁期間の双方を通常モードの場合と同一
値に設定すると共にインジェクタ9及び切換弁5の開弁
開始時期を通常モードの場合に比べて進角させる点が異
なる。
第1実施形態に係る図5の燃料噴射モード判定ルーチン
に代えて図7に示す判定ルーチンが実行される。その他
の点に関しては第1実施形態のものと略同一であるの
で、説明を省略する。図7の燃料噴射モード判定ルーチ
ンにおいて、インジェクタ9の油圧ピストン14に加わ
るスプリングのセット荷重から求まるインジェクタ開弁
圧(噴射可能圧)PINJがコントローラ8の記憶装置か
ら読み出され、低圧蓄圧器4内の燃料圧力の実際値PLP
が開弁圧PINJに達しているか否かが判別され(ステッ
プS11)、この判別結果が肯定であれば、通常モード
での燃料噴射が実施される(ステップS12)。
が指示値に達していないことがステップS11で判別さ
れると、始動モードでの燃料噴射が実施される(ステッ
プS13)。始動モードにおいて、通常モードの場合と
同様、エンジン運転状態に応じたインジェクタ9および
切換弁5の開弁開始時期ならびに低圧噴射期間ΔTLPが
図示しないマップから求められる。次に、インジェクタ
開弁開始時期および切換弁開弁開始時期の各々が低圧噴
射期間ΔTLPを用いて進角側へ補正される。
インジェクタ開弁開始時期よりも低圧噴射期間ΔTLPだ
け進角補正されたインジェクタ開弁開始時期が到来する
と、噴射時期制御用の開閉弁7が開かれる。ここでは、
低圧蓄圧器4内での燃圧形成が不十分であり、従って、
インジェクタ9の燃料室12に供給されている燃料圧力
は、油圧ピストン14に加わるスプリングのセット荷重
を下回っている。このため、インジェクタ9は閉弁状態
に維持される。
よりも低圧噴射期間ΔTLPだけ進角補正された切換弁開
弁開始時期が到来すると、噴射率切換用の切換弁5が開
弁される。この結果、高圧蓄圧器3内の加圧燃料が燃料
通路10aを介して燃料室12に供給され、燃料室12
内の燃料圧力は開弁圧を上回って、ノズル孔から加圧燃
料が噴射される。結局、始動モードでは、通常モードで
の低圧噴射開始時期と実質的に同一時期に燃料噴射が開
始される。換言すれば、インジェクタおよび切換弁の開
弁開始時期が進角補正される始動モードによる燃料噴射
制御を行うことにより、低圧蓄圧器4での燃圧形成が充
分でないにもかかわらず通常モードで燃料噴射を実施す
る場合に生じる低圧噴射の不実施に起因する噴射遅れが
防止される。
すると、図7の判定ルーチンのステップS11におい
て、低圧蓄圧器4内での実際値が噴射可能圧を上回った
と判別され、通常モードによる燃料噴射へ移行する。本
発明は、上記第1及び第2実施形態に限定されず、種々
に変形可能である。例えば、第1、第2実施形態では、
低圧蓄圧器(第2蓄圧器)4に付設した圧力センサ4a
からのセンサ出力PLPに基づいて低圧蓄圧4器内の燃料
圧力の実際値が指示値(設定圧力)PLPTARまたは噴射
可能圧力PINJに達したか否かを判別するようにした
が、エンジン始動の開始時点からの経過時間あるいはエ
ンジン回転数に基づいて設定圧力又は噴射可能圧力への
到達を判別するようにしても良い。
装置は、第1蓄圧器内の高圧燃料を排出制御する制御弁
よりも下流側で燃料通路に接続された第2蓄圧器内の燃
料圧力が、エンジン始動後、所定圧力に到達するまで
は、エンジン運転状態に応じて設定される目標燃料噴射
開始時期と同一またはそれよりも進角した開弁時期に制
御弁を開弁させるので、燃料噴射ノズルおよび制御弁の
双方が開弁したときに、すなわち、エンジン運転状態に
適合する所望の時期に、燃料噴射ノズルからの加圧燃料
の噴射を開始でき、従って、第2蓄圧器内の燃圧形成不
良に起因する燃料噴射開始遅れを防止でき、エンジン始
動性などを向上できる。
燃料噴射ノズルを目標燃料噴射開始時期に開弁させると
共に制御弁を目標燃料噴射開始時期よりも進角した開弁
時期に開弁させるので、通常の場合と比べて制御弁の駆
動制御のみを変更することにより、エンジン始動時にお
いても所望の時期に燃料噴射を開始できる。また、制御
弁の開弁時期が燃料噴射ノズルの開弁時期に先行しての
で、燃料噴射ノズルが開弁すると同時に充分な燃料圧力
で燃料噴射を実施できる。
所定圧力は、エンジン運転状態に応じて設定される設定
圧力であるので、第2蓄圧器内の燃料圧力が所定圧力に
到達した直後から、各燃料噴射サイクルにおいて低圧予
混合噴射と高圧主噴射とからなる所望の燃料噴射を実施
可能である。
置を示す概略図である。
ンの各気筒のインジェクタとの接続を示す概略図であ
る。
おける、時間経過に伴う、噴射率の変化ならびに噴射率
切換用の切換弁および噴射時期制御用の開閉弁のそれぞ
れの開閉状態の変化を示す図である。
おける、時間経過に伴うインジェクタと切換弁との間の
燃料通路内の燃料圧力の変化を示す図である。
定ルーチンのフローチャートである。
制御中における、時間経過に伴う噴射波形、インジェク
タ駆動信号および切換弁駆動信号のそれぞれの変化を示
す図である。
定ルーチンのフローチャートである。
制御中における、時間経過に伴う噴射波形、インジェク
タ駆動信号および切換弁駆動信号のそれぞれの変化を示
す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 ポンプにより加圧された高圧の燃料を貯
留する第1蓄圧器と、 燃料通路を介して上記第1蓄圧器に接続され燃料をエン
ジンの燃焼室内に噴射する燃料噴射ノズルと、 上記第1蓄圧器内の高圧燃料を上記燃料通路の下流側へ
排出制御する制御弁と、 上記制御弁より下流側の上記燃料通路に分岐通路を介し
て接続され上記第1蓄圧器内の高圧燃料よりも低圧の燃
料を貯留する第2蓄圧器と、 エンジン始動後、上記第2蓄圧器内の燃料圧力が所定圧
力に到達した後は、上記燃料噴射ノズルの開弁時から所
定時間が経過したときに上記制御弁を開弁させかつ上記
燃料噴射ノズルの閉弁に合わせて上記制御弁を閉弁させ
ると共に、エンジン始動後、上記第2蓄圧器内の燃料圧
力が上記所定圧力に到達するまでは、上記制御弁を、上
記エンジンの運転状態に応じて設定される目標燃料噴射
開始時期と同一またはそれよりも進角した開弁時期に開
弁させる燃料制御手段とを備えることを特徴とする蓄圧
式燃料噴射装置。 - 【請求項2】 上記燃料制御手段は、上記燃料噴射ノズ
ルを上記目標燃料噴射開始時期に開弁させると共に、上
記制御弁を上記目標燃料噴射開始時期よりも進角した開
弁時期に開弁させることを特徴とする請求項1に記載の
蓄圧式燃料噴射装置。 - 【請求項3】 上記所定圧力は、上記エンジンの運転状
態に応じて設定される上記第2蓄圧器内の燃料圧力に係
る設定圧力であることを特徴とする請求項1に記載の蓄
圧式燃料噴射装置。
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---|---|---|---|
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US09/444,354 US6192862B1 (en) | 1998-11-19 | 1999-11-18 | Accumulator type fuel injection system |
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US11920544B2 (en) | 2021-10-18 | 2024-03-05 | Walbro Llc | Fuel supply device with injector and vapor management |
-
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