JP3364333B2 - 減衰特性測定装置 - Google Patents

減衰特性測定装置

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    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
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    • G01N21/64Fluorescence; Phosphorescence
    • G01N21/6408Fluorescence; Phosphorescence with measurement of decay time, time resolved fluorescence

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  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、物体への光照射によっ
て発生する蛍光など減衰特性を有する光の減衰時間など
を測定する減衰特性測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】蛍光などの減衰特性の測定には、従来か
ら種々の方式が提案されている。これらの方式は、大別
して、(1)光の強度変化の波形を測定して測定波形か
ら減衰波形を求める方式(以下、直接法と呼ぶ)と、
(2)強度変調された励起光を用い、減衰信号光との位
相差から減衰特性を求める方式(以下、位相差法と呼
ぶ)とがある。
【0003】従来の直接法を用いた装置の具体的な構成
の代表的なものとして以下の構成がある。
【0004】 光源+光電子増倍管(PMT)+オシ
ロスコープ 比較的遅い領域で用いられ、電気信号の歪(リンギン
グ、オーバーシュート等)、ディテクター自身の歪(走
行時間広がり等)が問題になってくる10ns以内の高
速領域で使用されることは少ない。
【0005】 短パルスレーザ+高速PMT+コンス
タントフラクションディスクリミネータ+TAC(time
to amplitude converter) +PHA(pulse hight analy
zer) 時間相関単一光子計数法により数10psの時間分解能
まで得られる。
【0006】 ストリークカメラ(リアルタイム計
測) 時間分解能がサブピコ秒まで得られ、単一現象も観測可
能。単一光電子領域で現象を何回も重ねて(積算)波形
取得する方式では十分なダイナミックレンジも得られ高
精度の減衰特性測定が可能である。分光器を用いて波長
情報を同時に取得することができ、時間分解分光装置と
して優れている。
【0007】 光オシロスコープ(サンプリング計
測) ストリーク管を用いたサプリング方式の光波形観測装置
である。優れた測定光量域のダイナミックレンジを有す
るが、方式上、被測定光の収集効率が悪く、極微弱光計
測には適さない。
【0008】 ボックスカー(サンプリング計測) 電気的なゲート方式を採用する。安価なシステムが組め
るが、ディテクターの周波数応答と電気的なゲート幅で
時間分解能(≧100ps)が決まる。
【0009】 カーセル(光サンプリング計測) 光学的なゲート方式を採用する。時間分解能はサンプリ
ングのレーザーパルス幅に依存し短くすることができ
る。
【0010】位相法は光の利用効率が高く、波形がある
程度特定されている減衰時定数を高速で求める場合に適
した方式であり、螢光減衰時間が温度により大きく変化
するrubyあるいはalexandrite結晶等を
プローブとして用い、高電磁界等の外乱ノイズの大きな
環境で用いることのできる光ファイバ温度計のような、
励起光と螢光間の位相差をPLL(Phase Lock Loop) に
より、周波数に置き換えて寿命時間を測定する方式や装
置が提案されている(「Zhiyi Zhang et al.,Rev.Sci.I
nstrum.64(9), pp.2531-2540(1993) 」、特開昭63−
308596号、「T.Bosselman et al., Proc.2nd Opt
ical Fiber Sensor Conf.,1984,Stuttgart,pp.151-154
」、「Zhiyi Zhang et al., Rev.Sci.Instrum.62, pp.
1735(1991) 」など)。また、波形が特定されない場
合、あるいはマルチコンポーネントの減衰特性の場合
は、変調周波数を変化させるか(励起光が正弦波変調の
場合)、あるいは着目する周波数(励起光がインパルス
の場合、繰り返し周期の整数倍)を変化させて、その都
度、位相差と強度のデータを取得し、フィッティング等
の処理をほどこせば減衰特性が求められる(J.R.Lakowi
cz et al., SPIE Vol.1204Time-Resolved Laser Spectr
oscopy in BiochemistryII,pp.13-20(1990))。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の減衰特性測定装
置は上記のように構成されるので、以下のような問題点
があった。
【0012】直接法を採用した装置では、波形が直接的
に見られるというメリットはあるものの、寿命時間の算
出には、フィッティング(デコンボリューション)等の
高度な波形処理を必要する。したがって、減衰時定数の
みを出力したい場合にも装置構成は大規模なものとなっ
てしまう。また、減衰時間の短い光に関する測定には短
パルス光源を必要とし、一般的にシステムは複雑とな
る。したがって、自動計測システムの構築が困難であ
る。
【0013】また、従来の位相差法を採用した装置で
は、いずれも、電子回路のミキサーを用いて位相差を検
出し、周波数に変換しているので、100MHzを越え
るような高周波で寿命時間を求めようとすると、ミキサ
ーの入力振幅特性(入力信号振幅により出力の位相が変
化する)が問題となり、電子回路的な補正、あるいはA
GC増幅等によりミキサーへの入力振幅を一定に保つな
ど、精度の高い測定器とするためには複雑な回路構成を
余儀なくされることになってしまう。螢光寿命時間をパ
ラメータとした光ファイバー温度計はマイクロ秒からミ
リ秒の寿命時間を計測に用いており、扱う周波数範囲は
数100Hzから数MHzの低周波数の範囲に限定され
ている。また、位相検波を用いた場合、本質的に信号成
分以外の外乱光入射に対してS/Nの優れた出力を得る
ことができるが、受光器は通常の使用方法(CDバイア
ス印加)によるため、初段増幅器の許容入力範囲を越え
るような強力な背景光が入射したとき、初段増幅器の飽
和により信号成分を増幅することができなくなってしま
う。
【0014】本発明は、上記を鑑みてなされたものであ
り、簡単な構成により広い周波数領域、特に数GHzま
での高周波数領域で用いることのできる螢光サンプル等
の減衰時間を高精度に測定できる減衰特性測定装置を提
供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の減衰特性
測定装置は、(a)第1の周波数で変化する第1の電気
信号によって強度変調が施され、第1の周波数で周期的
に強度が変化する第1の波長を有する第1の光を測定対
象体に照射する送光部と、(b)測定対象体での第1の
光の散乱光である第2の光と、送光部から出力された第
1の光が測定対象体に照射された結果、測定対象体で生
じた第2の波長を有する第3の光とを入力し、外部から
の指示によりいずれか一方の光を選択して出力する波長
選択器と、(c)光電変換利得を制御するとともに第2
の周波数を有する第2の電気信号を入力し、波長選択器
から出力された光を受光して受光光量および設定された
光電変換利得に応じた電気信号であって、第1の周波数
と第2の周波数との差の絶対値である第3の周波数を有
する成分を含む第3の電気信号を発生する光検出器を備
え、第3の電気信号から第3の周波数の成分を反映した
第4の信号を出力する受光部と、(d)送光部へ第1の
電気信号を出力し、受光部へ第2の電気信号を出力し、
可変波長選択器へ選択波長を指示する波長選択指示信号
を出力するとともに、第1の波長を選択した場合に受光
部から出力された第4の信号の第1の計測結果と第2の
波長を選択した場合に受光部から出力された第4の信号
の第2の計測結果とから受光部に入力する第2の光の強
度変化の位相と受光部に入力する第3の光の強度変化の
位相との位相差に基づいて第3の光の減衰特性を求める
測定処理部と、を備えることを特徴とする。
【0016】本発明の第2の減衰特性測定装置は、
(a)第1の周波数で変化する第1の電気信号によって
強度変調が施され、第1の周波数で周期的に強度が変化
する第1の波長を有する第1の光を測定対象体に照射す
る第1の送光部と、(b)測定対象体での第1の光の散
乱光である第2の光を選択して出力する第1の波長選択
器と、(c)光電変換利得を制御するとともに第2の周
波数を有する第2の電気信号を入力し、波長選択器を透
過した第1の波長選択器から出力された光を受光して受
光光量および設定された光電変換利得に応じた電気信号
であって、第1の周波数と第2の周波数との差の絶対値
である第3の周波数を有する成分を含む第3の電気信号
を発生する第1の光検出器を備え、第3の電気信号から
第3の周波数の成分の振幅値を反映した第4の信号を出
力する第1の受光部と、(d)第4の周波数で変化する
第5の電気信号によって強度変調が施され、第4の周波
数で周期的に強度が変化する第1の波長を有する第3の
光を測定対象体に照射する第2の送光部と、(e)第2
の送光部から出力された第3の光が測定対象体に照射さ
れた結果、測定対象体で生じた第2の波長を有する第4
の光を選択して出力する第2の波長選択器と、(f)光
電変換利得を制御するとともに第5の周波数を有する第
6の電気信号を入力し、第2の波長選択器を透過した光
を受光して受光光量および設定された光電変換利得に応
じた電気信号であって、第4の周波数と第5の周波数と
の差の絶対値である第6の周波数を有する成分を含む第
7の電気信号を発生する第2の光検出器を備え、第7の
電気信号から第6の周波数の成分の振幅値を反映した第
8の信号を出力する第2の受光部と、(g)第1の送光
部へ第1の電気信号を出力し、第1の受光部へ第2の電
気信号を出力し、第2の送光部へ第5の電気信号を出力
し、第2の受光部へ第6の電気信号を出力するととも
に、第1の受光部から出力された第4の信号の信号の第
1の計測結果と第2の受光部から出力された第8の信号
の信号の第2の計測結果とから第1の受光部に入力する
第2の光の強度変化の位相と第2の受光部に入力する第
4の光の強度変化の位相との位相差に基づいて第4の光
の減衰特性を求める測定処理部と、を備えることを特徴
とする。
【0017】双方の装置において、受光部は、電気信
号を入力し、所定の出力態様に変換して出力する信号供
給部と、信号供給部が出力する電気信号を入力する電
気信号印加端子を有するとともに、光を受光する光導電
型受光器と、光導電型受光器を介して流れる電流信号
に応じた電圧信号を出力する変換増幅部と、変換増幅
部から出力された電圧信号を入力し、光導電型受光器に
入射した光の強度の変化の周波数と前記信号供給部に入
力された電気信号の周波数との差の絶対値の周波数と略
同一の周波数の電圧信号を選択して通過する周波数選択
器と、を備えることを特徴としてもよい。
【0018】ここで、所定の出力態様は、低出力イン
ピーダンス状態で出力される電圧信号、または、高出
力インピーダンス状態で出力される電流信号である、こ
とが好適である。また、光導電型受光器の動作点を調整
するバイアス調整手段を更に備えることが好適である。
【0019】また、光導電型受光器は、被測定光強度
が一定、印加電圧値を独立変数とした場合、印加電圧値
が0Vを含む所定の定義域において、光導電型受光器を
流れる電流量が印加電圧の略奇関数であるとともに、
印加電圧が一定、被測定光強度値を独立変数とした場
合、被測定光強度が所定の定義域において、光導電型受
光器を流れる電流量が照射信号強度の略線形関数であ
り、光導電型受光器に印加される電圧信号は、周期的
であり、時間平均値が略0であり、且つ、振幅が0とな
る隣り合う時刻の中点の時刻を原点として、振幅が時間
の略偶関数であることを特徴としてもよいし、被測定
光強度が一定、印加電流値を独立変数とした場合、印加
電流値が0Aを含む所定の定義域において、光導電型受
光器の両端に発生する電圧値が印加電流の略奇関数であ
るとともに、印加電流が一定、被測定光強度値を独立
変数とした場合、被測定光強度が所定の定義域におい
て、光導電型受光器の両端に発生する電圧値が照射信号
強度の略線形関数であり、光導電型受光器に印加され
る電流信号の非直流成分は、周期的であり、時間平均値
が略0であり、且つ、非直流成分の振幅が0となる隣り
合う時刻の中点の時刻を原点として、振幅が時間の略偶
関数である、ことを特徴としてもよい。
【0020】こうした光導電型受光器として、整流性
接合が反対向きに接続された構造を有する金属−半導体
−金属フォトディテクタ、または、オーム性接触電極
が対向して接続された構造のフォトディテクタを採用可
能である。
【0021】第1の装置においては、第1の周波数と前
記第2の周波数と同一であり、第1の電気信号と第2の
電気信号との位相差は既知であって、測定処理部は、
受光部の出力信号が基準値に固定される条件を保つよう
に、第1の周波数を調節する周波数調節部と、周波数
調節部によって調節されて固定された第1の周波数を計
測する周波数計測器と、波長選択器で第2の光を選択
した場合に周波数計測器によって計測された第1の計測
周波数から第2の光の光検出器の位置における強度変化
の位相と第1の電気信号の振幅変化の位相との差である
第1の位相差を演算するとともに、波長選択器で前記第
3の光を選択した場合に周波数計測器によって計測され
た第2の計測周波数から第3の光の光検出器の位置にお
ける強度変化の位相と第1の電気信号の振幅変化の位相
との差である第2の位相差を演算し、更に、第1の位相
差と第2の位相差とに基づいて第2の光の減衰特性を求
める演算処理部と、を備えることを特徴としてもよい。
【0022】ここで、第4の信号は電圧信号であり、基
準値は0Vであって、周波数調節部によって固定された
第1の周波数が第1の計測周波数時の第2の光の光検出
器の位置における強度変化の位相と第2の電気信号の振
幅変化の位相との差、および周波数調節部によって固定
された第1の周波数が第2の計測周波数時の第3の光の
光検出器の位置における強度変化の位相と第2の電気信
号の振幅変化の位相との差は、π/2または3π/2あ
ることを特徴としてもよい。
【0023】第2の装置においては、第1の周波数と第
2の周波数と同一であり、第1の電気信号と第2の電気
信号との位相差は既知であって、かつ、第4の周波数と
第5の周波数と同一であり、第5の電気信号と第6の電
気信号との位相差は既知であって、測定処理部は、第
1の受光部の出力信号が基準値に固定される条件を保つ
ように、第1の周波数を調節する第1の周波数調節部
と、第1の周波数調節部によって調節されて固定され
た第1の周波数を計測する第1の周波数計測器と、第
2の受光部の出力信号が基準値に固定される条件を保つ
ように、第4の周波数を調節する第2の周波数調節部
と、第2の周波数調節部によって調節されて固定され
た第4の周波数を計測する第2の周波数計測器と、第
1の周波数計測器によって計測された第1の計測周波数
から第2の光の第1の光検出器の位置における強度変化
の位相と第1の電気信号の振幅変化の位相との差である
第1の位相差を演算するとともに、第2の周波数計測器
によって計測された第2の計測周波数から第4の光の第
2の光検出器の位置における強度変化の位相と第5の電
気信号の振幅変化の位相との差である第2の位相差を演
算し、更に、第1の位相差と第2の位相差とに基づいて
第4の光の減衰特性を求める演算処理部と、を備えるこ
とを特徴としてもよい。
【0024】ここで、第4の電気信号および第8の電気
信号は電圧信号であり、基準値は0Vであって、第1の
周波数調節部によって固定された第1の周波数が第1の
計測周波数時の第2の光の第1の光検出器の位置におけ
る強度変化の位相と第2の電気信号の振幅変化の位相と
の差、および第2の周波数調節部によって固定された第
4の周波数が第2の計測周波数時の第4の光の第2の光
検出器の位置における強度変化の位相と前記第6の電気
信号の振幅変化の位相との差は、π/2または3π/2
あることを特徴としてもよい。
【0025】また、第1の装置では、第1の周波数と第
2の周波数とは異なり、測定処理部は第4の信号の振幅
および位相の計測値に基づいて第3の光の減衰特性を算
出する、ことを特徴としてもよい。
【0026】
【作用】本発明の減衰特性測定装置では、測定処理部が
波長選択器に対して第1の波長(励起光の波長)または
第2の波長(蛍光などの反応光の波長)のいずれか一方
の光の選択出力を指示する。以後、説明の簡単のため、
まず、第1の波長の光を選択することとする。測定処理
部は、この選択と相前後して第1の電気信号を送光部
へ、第2の電気信号を受光部へ送出する。
【0027】送光部は第1の電気信号を入力すると、第
1の電気信号の振幅の変化に応じた強度の第1の波長の
光、すなわち第1の電気信号で強度変調された第1の波
長を有する第1の光を測定対象物に向けて励起光として
出力する。送光部から出力された励起光が測定対象物に
照射され、照射された励起光と測定対象物を構成する物
質との相互作用によって蛍光などの第2の波長を有する
反応光である第3の光が発生し、測定対象物から出力す
る。また、励起光の一部は測定対象物で散乱される。こ
うした測定対象物での散乱光である第2の光と第3の光
とは波長選択器に入力する。
【0028】一方、受光部は第2の電気信号を入力する
と、第2の電気信号の変化を反映した電気信号を光検出
器に印加する。光検出器は印加された電気信号の値に応
じて光電変換率が変化する素子が採用される。この状態
で、光検出器は、波長選択器で選択された第1の波長の
光を受光する。光検出器には第2の電気信号の変化を反
映した電気信号が印加されているので、光検出器は実効
的には第1の波長の光の強度と第2の電気信号の振幅と
の積を演算している。したがって、光検出器で発生する
第3の電気信号の変化は、第1の周波数と第2の周波数
との和および差の周波数の成分を含む。受光部では、光
検出器で発生した第3の電気信号(例えば、電流信号)
をこの第3の電気信号の時間変化を反映した電気信号
(例えば、電圧信号)に変換の後、第1の周波数と第2
の周波数との差の周波数の成分のみの第4の電気信号を
選択して出力する。すなわち、本発明の減衰特性測定装
置では、周波数の高い信号の処理は全て光検出器で行
い、電気的に取扱い易い周波数領域の信号に変換後、電
気的な増幅などを施して測定を実施する。
【0029】受光部から出力された第4の信号は、測定
処理部によって収集・計測される。上述したように、第
4の信号は第1の周波数と第2の周波数との差の成分の
みを含み、かつ、受光した第2の光の強度変化情報を担
っている。したがって、第2の光の強度変化の周波数よ
りも低い周波数であり、電気的に取り扱い易い周波数の
信号を増幅などの電気的な処理することにより、第2の
光の強度変化情報を得る。測定処理部は第4の信号を入
力し、その特性値を記録する。
【0030】なお、第1の周波数と第2の周波数とが同
一であれば、第4の信号は直流成分のみを含み、この直
流成分の値は第2の光と第2の電気信号との位相差を反
映する。この場合、測定処理部は、第4の信号の値また
は第1の周波数値から第2の光と第2の電気信号との位
相差を求めて記録する。
【0031】次に、測定処理部は、波長選択器に対して
第2の波長の光の選択出力を指示する。この選択と相前
後して第1の電気信号を送光部へ、第2の電気信号を受
光部へ送出する。以後、上記と同様にして、第3の光
(すなわち反応光)に関する第4の信号の特性値を測定
処理部が記録する。
【0032】こうして得た、散乱光に関する特性値と反
応光に関する特性値との相違から測定処理部は反応光の
蛍光寿命時間などの減衰特性を算出する。
【0033】本発明の減衰特性測定装置では、光検出器
として光導電型受光器が好適に使用され、第2の電気信
号が光導電型受光器の信号供給端子に変調電気信号とし
て供給される。こうした変調電気信号の態様としては、
低出力インピーダンス状態で出力された電圧信号あるい
は高出力インピーダンス状態で出力された電流信号が使
用できる。光導電型受光器を採用した場合、光導電型受
光器への供給電気信号の非直流成分が周期的であり、時
間平均値が略0であり、且つ、振幅が0となる隣り合う
時刻の中点の時刻を原点として、振幅が時間の略偶関数
である電気信号を選択するとともに、印加電気信号値の
バイアスを調整すれば、背景光の直流成分の除去がされ
るとともに、変調電圧信号の周波数以外の交流的な背景
光に対してもこれを低減して測定が実施される。
【0034】本発明の第2の装置は、上記の散乱光に関
する特性値の測定と反応光に関する特性値の測定とを同
時に実施する。この結果、送光部あるいは受光部と測定
対象体との距離が変化しやすい場合であっても、精度の
良い減衰特性の測定を行う。
【0035】従来の位相差法による減衰時間分解精度
は、励起光と螢光間の位相差を読み取る際の受光強度の
ゆらぎにより、変調周期の1/1000に制限される。
一方、本発明では、位相差情報を周波数に置き換えて読
みだすことと、光導電型受光器で直接位相差検出を行な
い、さらに受光器への印加電圧と受光に入射する強度変
調光との間の位相差を例えばπ/2ないし3π/2にフ
ェーズロックループ(PLL)方式で固定することで入
射光強度の急激な変動に対しても影響の少ない系を構成
することができ、周期の1/1000の位相分解精度に
制限されることが無い。
【0036】また、通常の電気信号間で位相比較する方
式では、変調周波数まで帯域を有する増幅器を必要とす
る。しかし、本発明のように、受光器で直接、入射光と
電気信号間の位相比較を行ってしまう方式ではこの限り
でなく、PLLのループフィルタとして用いられる低周
波領域の増幅器で事足りるものとなり簡単な回路構成と
することができる。また、位相差情報を周波数に置き換
えて読みだす方式により、分解能は周波数カウンタの精
度で制限されることとなり、高分解能での測定が可能で
ある。
【0037】
【実施例】以下、添付図面を参照しながら本発明の減衰
特性測定装置の実施例を説明する。なお、図面の説明に
おいては同一の要素には同一の符号を付し、重複する説
明を省略する。
【0038】(第1実施例)本実施例は、励起光の強度
変調周波数と光検出器の光電変換率の制御信号の周波数
とが同一である場合である。詳細な本実施例の説明に先
立って、本実施例の原理について概要を説明する。
【0039】図1に、本実施例の減衰特性測定装置の概
略の構成を示す。図1に示ように、この装置は、(a)
外部から変調信号VM (t)を入力し、変調信号V
M (t)によって強度変調が施された波長=λ1 の励起
光IEX(t)を測定対象体900に向けて出力する送光
部100と、(b)送光部100から出力された励起光
EX(t)が測定対象体900に照射された結果、測定
対象体900で生じた波長=λ2 の反応光IRC(t+φ
1 +φ2 )と測定対象体900で励起光IEX(t)が散
乱した散乱光IRF(t+φ1 )とを入力し、処理部60
0からの指示によりいずれか一方の光を選択して出力す
る波長選択器200と、(c)変調信号VM(t)を入
力するとともに波長選択器200から出力された光を受
光し、受光した光の強度(IRC(t+φ1 +φ2 )また
はIRF(t+φ1 ))と変調信号VM(t)との積に応
じた電流信号を生成後に略直流成分のみの電圧信号を出
力する受光部300と、(d)受光部300から出力さ
れた略直流電圧信号の電圧値に応じた周波数の変調信号
を出力する周波数調整部400と、(e)周波数調整部
400が出力する変調信号の周波数を計測する周波数カ
ウンタ500と、(f)波長選択器200へ選択波長
(λ1 またはλ2 )を指示する波長選択指示信号を出力
するとともに、波長=λ1 を選択した場合に受光部30
0から出力された直流電圧信号の電圧値が略「0V」と
なる周波数値f1を周波数カウンタ500から読み取
り、読み取った周波数値f1から変調信号VM (t)と
散乱光IRF(t+φ1 )との位相差φ1 を求め、波長=
λ2 を選択した場合に受光部300から出力された直流
電圧信号の電圧値が略「0V」となる周波数値f2を周
波数カウンタ500から読み取り、読み取った周波数値
f2から変調信号VM (t)と反応光IRC(t+φ1
φ2 )との位相差(φ1 +φ2 )を求め、更に2つの位
相差φ2 から反応光の減衰特性を求める処理部600
と、を備える。
【0040】ここで、周波数調整部400は、受光部
300の直流電圧出力信号を入力し、基準電圧Vrとの
差を増幅して出力する誤差増幅器402と、誤差増幅
器402の出力信号を入力し、略直流成分のみを通過さ
せるループフィルタ401と、ループフィルタ401
から出力された直流電圧信号の電圧値に応じた周波数の
変調信号を出力する電圧制御発振器403と、を備え
る。
【0041】なお、送光部100、波長選択器200、
受光部300、および周波数調整部400でフェーズロ
ックループを形成するロック系800を構成する。
【0042】以下、この装置による減衰特性の測定原理
を説明する。
【0043】誤差増幅器402は、その入力端子に直流
電圧信号が入力され、その直流電圧値(Vd )と基準電
圧値(Vr)との差を増幅した値の電圧(VI =G・
(Vd−Vr))を出力し、ループフィルタ401を経
由して電圧制御発振器(VCO)403にその制御電圧
を供給する。電圧制御発振器403は、供給された制御
電圧値に応じた周波数で発振する。電圧制御発振器40
3から出力された電圧信号VM1(t)は送光部100に
供給される。この送光部100は、レーザーダイオード
(LD)等の光源を備え、電圧制御発振器403の出力
する電圧信号に応じてこの光源の出力光を強度変調し、
励起光IEX(t)として測定対象体900へ向けて出力
する。測定対象体900での散乱光および測定対象体で
の反応光は、波長選択器200を介して受光部300で
受光される。波長選択器200は、分光器あるいは干渉
フィルター、ダイクロイックミラーなどの波長選択素子
から構成され、処理部600からの制御信号に応じて、
励起光の散乱成分と螢光を分離し、どちらかを選択して
通過させる。受光部300には電圧制御発振器403か
ら出力される変調信号が同時に入力されており、受光し
た光と変調信号との位相差を算出後に位相差信号の時間
平均電圧値に変換して出力する。この時間平均電圧値
は、誤差増幅器402の入力端子に入力される。周波数
カウンタ500は、電圧制御発振器403から出力され
る変調信号の周波数を検出する。なお、周波数カウンタ
500は、周波数を計測するものであれば代替可能であ
る。例えば、周波数/電圧変換器(F/Vコンバータ)
と電圧計との組み合わせ、パルスの繰り返し周期に比例
した電圧を出力するレートメータと電圧計との組み合わ
せ、またはFM検波器に用いられるような周波数弁別器
を使用できる。
【0044】ここで、受光部300は入力する光波形と
電気信号波形とを直接乗算して、乗算結果の低周波成分
を電圧値として出力する。図2は、こうした機能を実現
する受光部の構成例1の構成図である。この受光部30
0は、光信号(II )と電圧信号(VI )とを入力し
て、光信号と電圧信号との積を演算することにより受光
した光と変調信号との位相差を反映した電流信号を出力
する光導電型受光器310と、電圧信号の交流分の電
圧信号を光導電型受光器310に印加するための接続コ
ンデンサC1、C2から成る電圧印加部361と、光
導電型受光器310に生じた電流の直流分を通すチョー
クコイルL1、L2と、チョークコイルL1、光導電
型受光器310およびチョークコイルL2を流れる電流
信号の交流分を電圧に変換する電流−電圧変換回路32
0と、電流−電圧変換回路320が出力する電圧信号
の時間平均を演算して出力するローパスフィルタ330
と、光導電型受光器310に印加する電圧のバイアス
値を調整するバイアス調整回路340と、から構成され
る。
【0045】ここで、光導電型受光器310は、GaA
sを半導体材料として用いた金属−半導体−金属(MS
M)受光器から構成される。この光導電型受光器310
は、照射光量が一定、印加電圧値を独立変数とした場
合、印加電圧値が0Vを含む所定の定義域において、光
導電型受光器を流れる電流量が印加電圧の奇関数である
という特性、および、印加電圧が一定、入射光量を独立
変数とした場合、光導電型受光器を流れる電流量が入射
光量の略線形関数であるという特性を有している。図3
(a)〜(d)は、本実施例の位相差検出回路において
採用可能な光導電型受光器310の特性を例示した図で
ある。一般的に、光電導型ディテクターは図3(a)に
示されるように、入射光量一定のとき、印加電圧に対し
て直線的な出力電流特性を示し、正負の印加電圧に対し
て、電流の方向は、電圧に対応した絶対値の等しいもの
となり、リニアな純抵抗とみなせる。また、印加電圧一
定のときの入射光に対する出力電流特性は図3(d)に
示すような直線で表わせられる。また、高速光導電型デ
ィテクターであるMSMでは、図3(b)あるいは図3
(c)に示されるように、印加電圧に対して非直線的な
電流特性を示すことがある。このような場合においても
正負の印加電圧に対して、絶対値の等しい電流特性であ
れば、本実施例の光導電型受光器として採用可能であ
る。なお、図3(a)の破線で示されるように、正負の
印加電圧に対して絶対値が異なるような特性であって
も、正負電流の絶対値の比率が、MSMに印加される電
圧の範囲で、一定に保たれれば、MSMに印加される交
流電圧に直流オフセット電圧を含ませることにより、同
様に、本実施例で採用可能である。
【0046】光導電型受光器310は、文献『超高速シ
リコンスイッチ』に示されるような諸材料(シリコン単
結晶、InP、アモルファスシリコン等)を用いても構
成することができる。また、高速動作に適していない
が、CdSセル、あるいは2〜17μmの赤外域に感度
を有するMCT(HgCdTe)ディテクタを用いても
同様に可能である。MSMディテクタは、ウェハー上に
櫛形電極を作製しただけの極めて簡単な構造をしてお
り、浮遊容量の小さいところから、一般に用いられる高
速ディテクターの代表であるpinフォトダイオードよ
りも、受光面サイズに対する周波数応答特性が優れてお
り、高感度で周波数特性の優れた光検出器を構成しやす
い。また、構造上暗電流を小さくでき、S/N比が優れ
ている。
【0047】なお、アバランシフォトダイオード(AP
D)を光検出器として採用し、APDの増倍特性の電圧
依存性を利用してゲイン変調を施し、位相差検出特性を
有する受光部を構成することも考えられる。しかし、正
負対称の印加電圧で用いることができないため、その位
相差出力は入射光量依存の直流オフセット電圧を含んだ
ものとなり、扱いが複雑となる。また、背景光に対する
出力をゼロにできないので、強力な背景光を含むような
測定環境においては、ディテクタと初段増幅器での飽和
を考慮した、可変NDフィルターを用いた入射光量調節
機構を有するような設計を強いられることにより、複雑
なシステムになってしまう。
【0048】一方、上記のMSMなどの正負対称な電圧
を印加可能な上述の光導電型受光器を使用すれば、強力
な背景光に対しても初段増幅器の飽和を考慮する必要が
無く、簡単にシステムを構築できる。
【0049】電流電圧変換回路320は、演算増幅器A
2および抵抗R2から構成され、入力した交流電流信号
が抵抗R2によって電圧に変換されて、電圧信号が出力
される。
【0050】ローパスフィルタ330は、演算増幅器A
1、コンデンサC4および抵抗R1から構成される。こ
のローパスフィルタ330では、コンデンサC4の容量
値と抵抗R1の抵抗値との積で決まる時定数で入力した
電圧信号を積分して時間平均値を演算することにより、
位相差に応じた略直流電圧を出力する。
【0051】また、バイアス調整回路340は、バイア
ス電圧値を調整する可変抵抗VR1と、可変抵抗VR1
の端子と接続される、直列接続された直流電源E1,E
2と、からなり、直流電源E1と直流電源E2との接続
点は接地電位に設定される。
【0052】この受光部300は、無変調光の受光時に
出力が「0V」となるように、可変抵抗VR1によって
バイアス電圧が調整される。この場合、大気の揺らぎな
どを無視すれば、受光部300の入力信号である受光し
た光(直流成分=I0 )の交流成分IRV(t)および変
調信号VM2(t)は、 IRV(t)=IRV0 sin(ωt−φ) …(1) IRV0 :散乱変調光の強度振幅(変調成分) ω:変調周波数 φ:受光した光と変調信号との位相差 VM (t)=VM0sin(ωt) …(2) VM0:変調信号の電圧振幅 である。そして、光導電型受光器310を流れる電流i
DT(t)は、 iDT(t)=IRV(t)・VM (t) =K1 ・sin(ωt−φ)・sin(ωt) =K2 ・(cos(2ωt−φ)+cosφ) …(3) ここで、Ki :定数(i=1,2)と表される。
【0053】電流電圧変換回路320は電流信号i
DT(t)を、 VAC(t)=K3 ・iDT(t) =K4 ・(cos(2ωt−φ)+cosφ) …(4) で表される電圧信号VAC(t)に変換して出力する。電
圧信号VAC(t)は、更に、ローパスフィルタ330で
時間平均が取られ、 VDC(t)=VDC =K5 ・cosφ …(5) で表される電圧値がローパスフィルタ330から出力さ
れる。
【0054】図4は、受光部の動作の説明図であり、
(1)式に示した位相差(φ)と出力電圧(VDC)との
関係を示す。図4(a)は位相差が0(+2nπ;n=
整数)の場合を、図4(b)は位相差がπ/2(+n
π;n=整数)の場合を、そして図4(c)は位相差が
π(+2nπ;n=整数)の場合を示す。
【0055】したがって、誤差増幅器402の基準電圧
端子の入力値を「0V」とすると、誤差増幅器402の
出力電圧値VI は、 VI =G・VDC=G・K5 ・cosφ …(6) ここで、G:誤差増幅器の利得となる。すなわち、 cosφ=VI /(G・K5 ) …(7) となり、誤差増幅器402が充分な利得を持つ(すなわ
ち、Gが充分に大きい)ならば、散乱変調光と変調信号
との位相差が常に略π/2(+nπ;n=整数)に保た
れるようなフェーズロックループ(PLL)が構成され
る。
【0056】ところで、フェーズロックループのロック
条件が成立しても変調周波数値は一義的には決定されな
い。そこで、あらかじめ電圧制御発振器403の発振周
波数範囲が往復距離の遅延時間(L/c)の4/3倍の
周期を含むように設定され、また初期変調周波数が充分
に低ければ、電圧制御発振器403の周波数が所定の値
で位相差はちょうどπ/2となる。
【0057】波長選択器の設定により透過波長が散乱励
起光の波長λ1 に設定された場合、上記のロック条件が
成立する発振周波数f1 は、送光部での群遅延時間と受
光部での群遅延時間との和をTd として、 1/f1 =(4/3)(Td +(L/c)) …(8) で与えられる。
【0058】また、波長選択器の設定により透過波長が
反応光の波長λ2 に設定された場合、上記のロック条件
が成立する発振周波数f2 は、散乱励起光からの位相遅
れをφ2 とすると、 1/f2 =(4/3)(Td +(L/c)+(1/f2 )(φ2 /2π)) …(9) で与えられる。(8)式および(9)式より、 φ2 =2π(3/4)(1−(f2 /f1 )) …(17) と、φ2 が求められる。
【0059】ところで、減衰特性が単一指数関数で近似
できるとき、励起光に対する減衰信号光の位相遅れφD
は、 φD =tan-1ωτ …(10) ここで、ω:角周波数 τ:減衰定数(寿命時間) で与えられることが知られている(F.W.J.Teale : Time
-Resolved Spectroscopyin Biochemistry and Biology,
NATO ASI Series, Life Sciences, Vol.69, pp.59-8
0)。したがって、減衰光の減衰特性を示す寿命時間τ
は、 τ=tanφ2 /(2πf2 ) …(11) と求めることができる。
【0060】図5は、変調信号の説明図である。上記で
は、変調信号として図5(a)の正弦波を使用したが、
変調信号の波形は時間−振幅座標系において、一定周
期を有する周期関数であり、振幅の時間平均が「0」
であり、かつ、振幅が0となる隣り合う時刻の中点の
時刻を原点とした場合に、振幅が時間の偶関数であれ
ば、上記の例と同様に位相差が周期の1/4となった場
合に受光部300の出力は「0V」となる。すなわち、
図5(b)の三角波、図5(c)の台形波、または図5
(d)の矩形波などが使用可能である。
【0061】また、受光部300は、図2の構成から変
調信号の印加方法を変更して、図6に示すように電圧印
加部362を採用したり、あるいは図7に示すように電
圧印加部363を採用したりしても同様にフェーズロッ
クループを形成することができる。また、直流電圧のみ
を出力として必要とする場合には、図8に示すように、
電流電圧変換回路320とローパスフィルタ330とを
一体化した電流電圧変換回路350とすることも可能で
ある。なお、図2の受光部300の構成から図6あるい
は図7の構成への変形に対応して図8の受光部の構成か
ら図9あるいは図10の構成への変形が可能である。
【0062】上記の回路構成は、光導電型受光器310
がGaAsを用いたMSMのような過渡応答が良好な場
合に好適なものであるが、CdSやPbSなどを受光物
質とした過渡応答が良好とは言えない光導電型受光器3
15を使用する場合には、図11に示すような回路構成
とするのが好適である。この場合、電圧印加部は無くと
も構成可能である。
【0063】光導電型受光器の中には小さな暗抵抗を示
すものがあるため、第1実施例で行った電圧印加で用い
るには適さないものがある(例えば、波長が2〜17μ
mの赤外域に感度を有するMCT(HgCdTe)受光
器では、暗抵抗が40Ωである)。こうした光導電型受
光器を採用する場合には、電圧印加で受光器のゲインを
変調するよりも、等価的に出力インピーダンスが非常に
大きな電流源から電流を供給するとともに、この供給電
流を変調し、受光器の両端間に発生する電圧を検出する
方式が安定度やSN比の点で優れている。
【0064】図12は、こうした光導電型受光器を採用
した場合に好適な受光部の構成図である。図12に示す
ように、この受光部は、変調信号を入力し、この変調
信号の有する交流成分値に応じて高いインピーダンス状
態で電流信号を供給する定電流駆動回路370と、定
電流駆動回路370から供給された電流を入出力する電
流供給端子を有するともに、被測定光を受光する光導電
型受光器316と、定電流駆動回路370の平均駆動
電流値を設定するバイアス調整部340と、受光の結
果、光導電型受光器316で発生した電流によって発生
した電圧信号を増幅する差動増幅器380と、差動増
幅器380から出力された電圧信号の含む略直流成分を
通過させるローパスフィルタ390と、を備える。そし
て、定電流駆動回路370は、変調信号を一方の端子
に入力するとともに、バイアス調整部340から出力さ
れたバイアス電圧(VB )を他方の端子に入力し、他方
の端子からバイアス電圧値だけ直流バイアスされた交流
電圧信号(V4 (t)=VB +V3 (t))を出力する
コンデンサC11と、電圧信号V4 (t)を正入力端
子に入力し、負入力端子に入力した電圧との差を増倍
(ゲイン=G1)して出力(2出力)する演算増幅器3
71と、演算増幅器371の正出力をベース端子に入
力するとともにコレクタ端子が正電源(+V)に接続さ
れたトランジスタTr1、および、演算増幅器371の
負出力をベース端子に入力するとともにコレクタ端子が
負電源(−V)に接続され、エミッタ端子がトランジス
タTr1のエミッタ端子と接続されたトランジスタTr
2と、トランジスタTr1のエミッタ端子(およびト
ランジスタTr2のエミッタ端子)と一方の端子が接続
され、光導電型受光器316の一方の電流入出力端子と
他方の端子が接続された抵抗R11と、抵抗R11の
一方の端子と正入力端子が接続されるとともに抵抗R1
1の他方の端子と負入力端子が接続され、出力が演算増
幅器135の負入力端子と接続された差動増幅器372
と、を備える。
【0065】図12に示す受光部は、以下のように動作
する。
【0066】抵抗R11(抵抗値=r11)を流れる電
流Idによって抵抗R11の端子間に生じた電圧(=r
11・Id)は、差動増幅器372によって増倍され、
演算増幅器371の負入力端子に入力される。演算増幅
器371は、演算増幅器371の負入力端子の電圧値が
正入力端子に入力する電圧値V4 (t)と一致させるよ
うに、トランジスタTr1およびトランジスタTr2を
制御する。この結果、光導電型受光器316を流れる電
流値Idは、 Id=V4 (t)/(G1・r11) =(VB /(G1・r11))+(V3 (t)/(G1・r11)) …(12) となる。すなわち、電流値Idは光導電型受光器316
の抵抗値に影響されず、その変化分は変調電圧信号が発
生した電圧信号の交流成分V3 (t)に比例する。
【0067】この状態で、光信号が光導電型受光器31
6に入力されると、変調電圧V3 (t)と入射光の交流
成分との積値に応じた電圧信号が光導電型受光器316
の電流入出力端子間に発生する。この電圧信号には、直
流成分と交流成分とを含む。これらの2成分を含む電圧
信号は、差動増幅器380で増幅された後、直流成分が
ローパスフィルタ390で選択されて出力される。
【0068】図13は、ループフィルタ401の回路構
成図である。図13に示すように、位相の定常誤差をな
くすため、低域周波数においてほぼ無限大のゲインを持
たせ、ノイズ帯域を狭くして発振周波数を安定化させる
ために積分型の構成となっている。
【0069】図14は、本実施例の減衰特性測定装置の
具体的な構成図である。なお、本実施例では、測定対象
体900として蛍光サンプルを使用している。図14に
示すように、この装置は、(a)周波数調整部410か
ら変調信号VM (t)を入力し、変調信号VM (t)に
よって強度変調が施された波長=λ1 の励起光I
EX(t)を測定対象体900に向けて出力する送光部1
00と、(b)送光部100から出力された光を測定対
象体900へ導く光学系710と、(c)送光部100
から出力された励起光IEX(t)が測定対象体900に
照射された結果、測定対象体900で生じた波長=λ2
の反応光IRC(t+φ1 +φ2 )と測定対象体900で
励起光IEX(t)が散乱した散乱光IRF(t+φ1 )と
を導く光学系720と、(d)反応光と散乱光とを入力
し、処理部610からの指示によりいずれか一方の光を
選択して出力する波長選択器200と、(e)変調信号
M (t)を入力するとともに波長選択器200から出
力された光を受光し、受光した光の強度(IRC(t+φ
1 +φ2 )またはIRF(t+φ1 ))と変調信号V
M(t)との積に応じた電流信号を生成後に略直流成分
のみの電圧信号を出力する受光部300と、(f)受光
部300から出力された略直流電圧信号の電圧値に応じ
た周波数の変調信号を出力する周波数調整部410と、
(g)周波数調整部400が出力する変調信号の周波数
を計測する周波数カウンタ500と、(h)波長選択器
200へ選択波長(λ1 またはλ2 )を指示する波長選
択指示信号を出力するとともに、波長=λ1 を選択した
場合に受光部300から出力された直流電圧信号の電圧
値が略「0V」となる周波数値f1を周波数カウンタ5
00から読み取り、読み取った周波数値f1から変調信
号VM (t)と散乱光IRF(t+φ1 )との位相差φ1
を求め、波長=λ2 を選択した場合に受光部300から
出力された直流電圧信号の電圧値が略「0V」となる周
波数値f2を周波数カウンタ500から読み取り、読み
取った周波数値f2から変調信号VM (t)と反応光I
RC(t+φ1 +φ2 )との位相差(φ1 +φ2 )を求
め、更に2つの位相差からφ2 から反応光の減衰特性を
求める処理部610と、を備える。
【0070】ここで、送光部100は、流れる電流に
応じた強度の励起光(波長=λ1 )を発光するレーザダ
イオード(LD)120と、周波数調整部410から
の変調信号VM1(t)を入力し、変調信号VM1(t)の
値に応じた電流をLD120に供給するLDドライバ1
10とから構成される。
【0071】また、処理部610は、波長選択器20
0へ波長選択指示信号を発行するとともに、周波数カウ
ンタ500が計測した周波数値を読み取って、反応光の
減衰特性を算出する演算処理部611と、演算処理部
611の指示により、演算処理部611の演算結果を表
示する表示部612と、を備える。
【0072】更に、周波数調整部410は、周波数調整
部400の電圧制御発振器403に替えて、演算処理部
611からの指示により発振周波数の帯域が指定可能な
電圧制御発振器413を使用している。
【0073】また、光学系710は、LD120から
出力された励起光を集光するレンズ711と、レンズ
711で集光された励起光を入力して導波する光ファイ
バ712と、光ファイバ712から出力された光を測
定対象体900に集光するレンズ713と、から構成さ
れる。
【0074】また、光学系720は、測定対象体90
0からの散乱光および反応光を集光するレンズ723
と、レンズ723で集光された励起光を入力して導波
する光ファイバ722と、光ファイバ722から出力
された光を波長選択器200に集光するレンズ721
と、から構成される。
【0075】図14の装置は、以下のようにして反応光
の減衰特性を測定する。
【0076】まず、演算処理部611が、波長選択器2
00へ励起光の波長である波長=λ1 の光の選択出力を
指示する。この状態で、受光部300を動作させ受光部
300の直流出力電圧値が「0V」となるようにバイア
ス調整回路340が出力するバイアス電圧値を調整す
る。
【0077】次に、電圧制御発振器413へ発振周波数
の帯域選択を指示する。帯域選択指示を入力すると、電
圧制御発振器413は指示された帯域内のある角周波数
(ω)で発振し、送光部100と受光部300とに向け
て発振信号を出力する。送光部100は、この発振信号
をLDドライバ110で受信し、LDドライバ110が
適当な直流バイアスを付与した後LD120を駆動す
る。こうして駆動されたLD120は、変調角周波数ω
で強度変調された励起光を発生する。
【0078】LD120から出力されたレーザ光は光学
系710を介して測定対象体900に励起光として照射
される。励起光が照射された測定対象体900では、励
起光の一部は散乱されるとともに、蛍光が発生する。励
起光の散乱成分と螢光との一部は光学系720を介して
波長選択器200に導かれる。波長選択器200は、処
理部610からの波長選択指示に従って、励起光の散乱
成分(以後、散乱光と呼ぶ)を螢光から分離して受光部
300へ向けて出力する。
【0079】受光部300に入力した散乱光は光導電型
受光器310で受光される。一方、光導電型受光器31
0の電圧印加端子間には電圧制御発振器413の出力信
号が印加されている。したがって、光導電型受光器31
0には(3)式で表される電流信号が発生する。光導電
型受光器310で発生した電流信号は、電流電圧変換回
路320、ローパスフィルタ330を順次経由して、
(5)式で表される直流電圧信号VDCを出力する。受光
部300が出力した誤差電圧信号VDCは、ループフィル
タ401に導かれて必要な帯域に制限された後、直流増
幅器402により増幅されて電圧制御発振器413に制
御電圧として供給される。電圧制御発振器413は、こ
の制御電圧値に応じて発振周波数を決定する。すなわ
ち、ロックされる周波数(f1)よりも低い周波数で発
振している場合には発振周波数が高くなるように制御す
る。逆に、ロック周波数(f1)よりも高い周波数で発
振している場合には発振周波数が低くなるように制御す
る。誤差増幅器402の利得Gは充分大きく設定される
ので、(7)式から、光導電型受光器310に入射時の
散乱光(ISC(ωt+φ1 ))の位相と光導電型受光器
310に印加された変調電圧(VM2(t))の位相との
位相差(φ1 )は略π/2(+nπ;n=整数)とな
る。
【0080】ロック条件が成立するロック周波数f1
は、一般に、 1/f1=(4/(4n−1))・(Td+L/c) …(13) で表される。図15に(13)式のn=1,2の場合に
ロック条件が成立する具体的な変調励起光の送光と散乱
光の受光とのタイミングを示す。
【0081】また、誤差増幅器402の極性を上記の場
合と比べて反転した場合には、ロック条件が成立するロ
ック周波数f1は、一般に、 1/f1=(4/(4n−3))・(Td+L/c) …(14) で表される。図16に、(14)式のn=1,2の場合
にロック条件が成立する具体的な変調励起光の送光と散
乱光の受光とのタイミングを示す。
【0082】(13)式および(14)式から判るよう
に、ロック条件の成立だけでは位相差(φ1 )を一意に
決定できない。このため、演算処理部611は、あらか
じめ電圧制御発振器413の発振周波数の範囲を特定す
る。(13)式や(14)式のTdは通常は既知であ
り、また、Lのおおよその値が知れている場合には、演
算処理部611は任意のnに応じた測定を指定すること
ができる。
【0083】ロック条件が成立した時点で、演算処理部
611は、電圧制御発振器413の出力信号の発振周波
数f1をモニタ計測している周波数カウンタ500から
発振周波数f1の値を読み取り、格納する。
【0084】次いで、演算処理部611が、波長選択器
200へ反応光(蛍光)の波長である波長=λ2 の光の
選択出力を指示する。この状態で、上記の散乱光の場合
と同様に、受光部300を動作させ受光部300の直流
出力電圧値が「0V」となるようにバイアス調整回路3
40が出力するバイアス電圧値を調整する。
【0085】引き続き、電圧制御発振器413へ発振周
波数の帯域選択を指示し、上記の散乱光の場合と同様
に、光導電型受光器310に入射時の反応光(IRC(ω
t+φ 1 +φ2 ))の位相と光導電型受光器310に印
加された変調電圧(VM2(t))の位相との位相差(φ
1 +φ2 )が略π/2となる発振周波数f2を計測して
演算処理部611に格納する。こうして計測した位相差
(φ1 )と位相差(φ1+φ2 )とに基づいて、(1
1)式から反応光の減衰特性である寿命時間τを算出す
る。こうして測定した寿命時間を表示部612に表示す
る。
【0086】本実施例の装置による測定精度は、例え
ば、100MHzで変調された励起光を用いて、寿
命時間が約2nsの反応光の場合、以下の通りとなる。
これらの条件の場合、位相差(φ2 )は51.4881
°と見積もられる。
【0087】従来の位相差法では、測定精度は位相読み
取りの分解能に依存し、この分解能は周期の1/100
0(0.36°)程度なので、寿命時間τの測定におよ
ぼす影響は、 Δτ=(tanφ2 −tan(φ2 −0.36)) /(2π×100×106 ) =25.6ps …(15) と見積もられる。
【0088】一方、本実施例の装置によれば、(6)式
のf1=100MHzを仮定し、同様に寿命時間2ns
の螢光サンプルを考えると、(10)式および(11)
式から、 tan[(3/4)×2π×(1−f2/(100×106 ))] =2π×f2×τ …(16) となり。したがって、f2=82.9MHzが観測され
た場合に、寿命時間は2.00012nsに特定される
(図17参照)。周波数検出の手段として用いる周波数
カウンタは6桁の分解能を得ることは難しくなく、その
ときの周波数の分解能として100Hzを仮定して、8
2.8999(82.9−0.0001)MHzが観測
されたとすると、そのときの寿命時間は2.00014
nsに特定される。したがって、寿命時間の分解能は
0.02psが得られる。
【0089】なお、本実施例の装置では、サブピコセカ
ンドの時間領域についても、測定対象となるため、電気
回路系あるいは送光部、受光部でのタイミングドリフト
(群遅延の変動)が測定値に対して無視しえない値とな
り得る。(8)式および(9)式はこれらのドリフト値
を含んだものであり、時間を置かずに励起光と螢光の測
定を行ない、位相遅れφ2 を求めることで、ドリフトの
影響を最小限に軽減できる。また、送光部100および
受光部300での群遅延時間が周波数に対して平坦でな
く、周波数f1と周波数f2の測定においてその値が測
定系の精度に関して無視しえないような場合、あらかじ
め周波数に対する送光部100および受光部300での
群遅延時間の値を演算処理部611内に格納しておき、
周波数f1および周波数f2の計測後に補間などによ
り、遅延時間の補正をすることで測定精度の向上を図る
ことができる。
【0090】(第2実施例)図18は、本発明の第2実
施例の減衰特性測定装置の構成図である。この装置は、
多項の指数関数で近似される螢光減衰特性を求めること
が可能である。図18に示すように、本実施例の装置
は、第1実施例の装置に加えて、直流増幅器402の
出力信号を入力して電圧制御発振器403へ供給する制
御電圧を発生する制御電圧発生部420と、受光部3
00に替えて位相差出力に加えて振幅出力を出力する受
光部370と、第1実施例の装置の処理部610に替
えて、制御電圧発生部420に発生電圧指示を発行する
とともに、周波数カウンタ500の計測値および波高検
出器520の計測値と読み込んで、反応光の減衰特性を
測定する処理部620と、を備える。
【0091】制御電圧発生部420は、処理部620
から指示された出力電流の値の範囲内で、直流増幅器4
02から出力された電圧値の値に応じた値の電流を出力
する乗算型DA変換器421と、処理部620から指
示された値の電流を出力するDA変換器422と、乗
算型DA変換器421の出力電流とDA変換器422の
出力電流とを加算後、加算電流値に応じた電圧値に変換
して電流制御発振器403へ向けて出力する加算変換回
路423と、を備える。
【0092】ここで、乗算型DA変換器421は、直流
増幅器402からの入力電圧を処理部620からのディ
ジタル的なスパン設定入力により割算して出力する機能
を持つ。例えば、スパン設定の取りうる最大値が255
(8bit)のとき、設定値「51」が与えられ、直流
増幅器402の出力電圧が5Vのとき、乗算型DA変換
器421からは1V(5V×51/255)に相当する
電流値が出力されることになる。直流増幅器402の出
力範囲が0〜5V、電圧制御発振器403の制御電圧範
囲0〜5Vに対して発振周波数が100〜600MHz
のように直線的に対応するとき、スパン設定に「51」
を設定することは、最大周波数偏移500MHzの1/
5(例えば100〜200MHz間の100MHz)に
周波数範囲が制限されることになる。DA変換器422
へのシフト設定は、加算変換回路423の演算増幅器A
3に対するシフト量を設定し、周波数の使用域を決定す
るために用いる。上記のようにスパン設定で周波数可変
範囲を100MHzとしたとき、100〜600MHz
の範囲のどこを用いるかを決定する。
【0093】図19は、受光部370の構成図である。
図19に示すように、受光部370は、図2に示した受
光部300に加えて、交流電圧出力を入力して変調信
号の周波数の略2倍の周波数の信号を選択して出力する
バンドパスフィルタ371と、バンドパスフィルタ3
71から出力された信号の振幅値を計測し振幅信号を出
力する波高検出器372を備える。
【0094】図20は、本実施例で採用可能な図19と
は異なる別の受光部の構成図である。図20に示した受
光部は、図2に示した受光部300に加えて、フェー
ズロックループの形成にあたってPLLの特性には影響
を与えないような、ループ帯域幅よりも高い周波数(こ
こではfPM、ただし、fPM《電圧入力VI の周波数
M )の信号を発生する発振器373と、変調信号
(電圧入力VI ;周波数=fM )と発振器373の出力
信号とを入力し、変調信号を位相変調する位相変調器3
74と、交流電圧出力を入力して周波数が略fPMの信
号を選択して出力するバンドパスフィルタ375と、
バンドパスフィルタ375から出力された信号を整流・
平滑化する振幅検出器376と、を備える。
【0095】光導電型受光器310で発生した電流信号
は、電流電圧変換回路320で電圧信号に変換される。
PLLが作動している状態では、誤差増幅器402の基
準電圧(Vr)を「0V」としたとき、電流電圧変換回
路320の平均的出力(直流分)は、誤差増幅器402
およびループフィルタ401の直流に対するゲインがほ
ぼ無限大のため、ゼロに保たれ、ループ帯域幅を越える
PMで位相変調されたことによる、入射光量の変調成分
に比例した振幅の交流電圧が現れる。この交流電圧信号
は、位相変調周波数fPMと略同一の周波数の成分のみを
選択するバンドパスフィルタ375を通過し、振幅検出
器376により入射光の振幅変調成分に比例した直流電
圧に変換されて出力される。また、電流電圧変換回路3
20から出力された交流電圧信号は、ローパスフィルタ
330に入力し、時定数R1・C4で決まるカットオフ
周波数の演算増幅器A1による非反転増幅器により、位
相変調による成分を取り除いて直流化された後、位相差
出力として誤差増幅器402に供給される。
【0096】演算処理部620はスパン設定によりロッ
クする周波数が一点になるような周波数範囲を電圧制御
発振器403に与え、シフト設定により周波数使用域を
少しずつ移動させて、ロック周波数を少しずつ変え、そ
の都度、励起光と螢光の強度、及び、励起光と螢光間の
位相差に依存する電圧制御発振器403の発振周波数を
記録する。このときのロック周波数は(13)式あるい
は(14)式に準じたものとなる。一連の各周波数につ
いて螢光強度と位相差が求まると、カーブフィッティン
グにより螢光減衰の各成分を決定する。
【0097】(第3実施例)図21は、本発明の減衰特
性測定装置の第3実施例の構成図である。この装置は、
光導電型受光器を用いた位相比較器により、PLLの帰
還ループを構成せず、直接的に位相差から減衰特性を測
定するものである。図21に示すように、この装置は、
(a)外部からの指定に応じた周波数の変調信号を発生
する可変周波数発振器430と、(b)可変周波数発振
器430からの変調信号を入力し、変調信号によって強
度変調が施された波長=λ1 の励起光IEX(t)を測定
対象体900に向けて出力する送光部100と、(c)
反応光と散乱光とを入力し、外部からの指示によりいず
れか一方の光を選択して出力する波長選択器200と、
(d)変調信号を入力するとともに波長選択器200か
ら出力された光を受光し、受光した光の強度と変調信号
との積に応じた電流信号を生成後に受光した光と変調信
号との位相差を反映した位相差信号と、前述の電流信号
の交流成分の振幅を反映した振幅信号を出力する受光部
380と、(e)可変周波数発振器430へ発振周波数
指示信号を出力し、波長選択器200へ選択波長(λ1
またはλ2)を指示する波長選択指示信号を出力すると
ともに、波長=λ1 を選択した場合に受光部380から
出力された信号から変調信号VM2(t)と散乱光I
RF(t+φ1 )との位相差φ1 を求め、波長=λ2 を選
択した場合に受光部380から出力された信号から変調
信号VM2(t)と反応光IRC(t+φ1 +φ2 )との位
相差(φ1 +φ2 )を求め、更に2つの位相差からφ2
から反応光の減衰特性を求める処理部630と、を備え
る。
【0098】図22は、本実施例の装置の受光部380
の構成図である。図22に示すように、受光部380は
図2の受光部300の構成に加えて、(a)電圧印加部
361に入力する信号を選択する信号選択部381と、
(b)電流電圧変換部320の交流出力(ACO)から
出力された信号を入力し、直流成分を除去して出力する
ハイパスフィルタ(HPF)382と、(c)ハイパス
フィルタ382から出力された信号を入力し、波高値を
測定する波高値検出器383と、(d)信号選択部38
1への選択指示を行う制御部384と、(e)ローパス
フィルタ330の出力信号と波高値検出器383の出力
信号とを入力し、制御部384の選択指示に従って、正
規化された位相差信号と位相差の区間を示す区間信号と
を出力する演算部385と、(f)正規化された位相差
信号と区間信号とを入力して、位相差に変換して位相差
に対して一意的な位相差出力を行う変換部386と、を
備える。
【0099】ここで、信号選択部381は、入力した
電気信号の位相をπ/2シフトする移相器387と、
入力した電気信号の波高値を測定する波高検知器388
と、制御部384の選択指示に従って、入力した電気
信号(選択1)、移相器387の出力信号(選択2)、
または波高検知器388の出力信号(選択3)のいずれ
か1つを選択して電圧印加部361に入力するスイッチ
389と、から構成される。
【0100】制御部384がスイッチ389と演算部3
85とに選択3の選択指示を通知する。この設定時、ハ
イパスフィルタ382の出力値は最大値となる。演算部
385は、このV値を入力して蓄積する。
【0101】次に、制御部384がスイッチ389と演
算部385とに選択1の選択指示を通知する。演算部3
85は、W値を入力し、先のV値で除算して正規化され
た位相差信号Uを出力する。図23は、入力信号がDu
ty50%の矩形波の場合の位相差φに対する位相差信
号Uの変化を示したグラフである。位相差信号Uは、光
導電型受光器310に入力する電圧信号の振幅値および
光信号の強度値に依存しないので、この位相差信号Uを
使用すれば、光導電型受光器310に入力する電圧信号
の振幅値および光信号の強度値に依存しない位相差検出
が可能である。
【0102】以上のように、位相差の不定性が0〜πあ
るいはπ〜2πの範囲であれば、位相差信号Uの値から
一意的に位相差を求めることができる。
【0103】しかし、位相差の不定性が0〜2πの範囲
の場合には、図23からも明らかなように、1つの位相
差信号Uの値に対して2つの位相差の値が候補となり、
以上の測定だけでは一意的に決定できない。この場合に
は、上記の測定に引き続き、制御部384がスイッチ3
89と演算部385とに選択2の選択指示を通知する。
この設定時、ローパスフィルタ330の出力値は、φを
(φ+π/2)とした値となり、図24に示すグラフの
通りとなる。このグラフからも明らかなように、位相差
が0〜πの範囲ではW値が正となり、位相差がπ〜2π
の範囲ではW値が負となる。演算部385はこのW値を
入力してW値の正負を区間信号として出力する。変換部
386は、この正負情報と上記の位相差信号Uとを入力
し、一意的な位相差の値に変換して図25に示すような
位相差出力信号を出力する。なお、区間信号の生成およ
び変換部386の動作は、位相差の不定性が0〜πある
いはπ〜2πの範囲であっても適用可能である。
【0104】本実施例の装置では、第1実施例と同様に
バイアス調整回路340を調整後、処理部630が、可
変周波数発振器430の発振周波数をある値に固定し
て、受光波長の励起と螢光を交互に選択することによ
り、励起と螢光間の位相差と変調振幅データを得る。可
変周波数発振器430の周波数を変化させて、同じ処理
を行なうことで、周波数に対する螢光振幅と位相差デー
タを蓄積し、寿命時間を算出する。
【0105】(第4実施例)図26は、本発明の減衰特
性測定装置の第3実施例の構成図である。この装置は、
フェーズロックするにあたっての制御対象を、第1実施
例における変調周波数を変化させる電圧制御発振器に替
えて、位相を変化させる可変移相器を用いた点が第1実
施例と異なる。本実施例では、可変移相器として印加電
圧に応じて入出力間の位相差が変化する可変位相器を採
用する。すなわち、本実施例の装置は、(a)外部から
の指定に応じた周波数の変調信号を発生する可変周波数
発振器430と、(b)可変周波数発振器430からの
変調信号を入力し、変調信号によって強度変調が施され
た波長=λ1 の励起光IEX(t)を測定対象体900に
向けて出力する送光部100と、(c)反応光と散乱光
とを入力し、外部からの指示によりいずれか一方の光を
選択して出力する波長選択器200と、(d)変調信号
を入力するとともに波長選択器200から出力された光
を受光し、受光した光の強度と変調信号との積に応じた
電流信号を生成後に受光した光と変調信号との位相差を
反映した位相差信号と、前述の電流信号の交流成分の振
幅を反映した振幅信号を出力する受光部300と、
(e)受光部300から出力された略直流電圧信号の電
圧値に応じた入出力間の位相差の変調信号を出力する位
相調整部440と、(f)可変周波数発振器430へ発
振周波数指示信号を出力し、波長選択器200へ選択波
長(λ1 またはλ2 )を指示する波長選択指示信号を出
力するとともに、波長=λ1 を選択した場合に位相調整
部440が出力する位相差制御信号から変調信号V
M (t)と散乱光IRF(t+φ1 )との位相差φ1 を求
め、波長=λ2 を選択した場合に位相調整部440が出
力する位相差制御信号から変調信号VM (t)と反応光
RC(t+φ1 +φ2 )との位相差(φ1 +φ2)を求
め、更に2つの位相差からφ2 から反応光の減衰特性を
求める処理部640と、を備える。
【0106】ここで、位相調整部440は、受光部3
00の直流電圧出力信号を入力し、基準電圧(Vr)と
の差を増幅出力する誤差増幅器402と、誤差増幅器
402から出力された信号を入力し、略直流成分のみを
通過させるループフィルタ401と、ループフィルタ
401から出力された直流電圧信号の電圧値に応じた移
相量を入出力間の変調信号を出力する可変移相器443
と、を備える。
【0107】また、処理部640は、可変周波数発振
器430へ発振周波数指示信号を出力し、波長選択器2
00へ波長選択指示信号を発行するとともに、可変移相
器443の入力電圧信号の電圧値を読み取って、強度変
調された散乱光および反応光と変調信号との位相差を求
めた後、反応光の減衰特性を算出する演算処理部641
と、演算処理部641の指示により、演算処理部64
1の演算結果を表示する表示部612と、を備える。
【0108】まず、第1実施例と同様に、処理部640
の演算処理部641が、波長選択器200へ励起光の波
長である波長=λ1 の光の選択出力を指示する。この状
態で、受光部300を動作させ受光部300の直流出力
電圧値が「0V」となるようにバイアス調整回路340
が出力するバイアス電圧値を調整する。
【0109】次に、演算処理部641が可変周波数発振
器430へ発振周波数を指示する。発振周波数指示を入
力すると、可変周波数発振器537は指示された周波数
で発振し、送光部100と受光部300とに向けて発振
信号を変調信号として出力する。送光部100は、変調
信号に応じて強度変調された励起光を発生する。
【0110】送光部100から出力されたレーザ光は測
定対象体900に励起光として照射される。励起光が照
射された測定対象体900では、励起光の一部は散乱さ
れるとともに、蛍光が発生する。励起光の散乱成分と螢
光との一部は波長選択器200に導かれる。波長選択器
200は、処理部641からの波長選択指示に従って、
励起光の散乱成分(以後、散乱光と呼ぶ)を螢光から分
離して受光部300へ向けて出力する。
【0111】受光部300に入力した散乱光は光導電型
受光器310で受光される。一方、受光部300の光導
電型受光器310にはコンデンサを介して交流電圧が印
加され、印加電圧成分が直接出力することのないようイ
ンダクター結合により、電流電圧変換回路320に位相
差依存した電流が入力される。光導電型受光器310の
変換利得が印加電圧により変調されているので、同一周
波数で強度変調された入射光との位相差に依存した出力
電流が得られ、ローパスフィルタ330の時定数で積分
されて位相差に依存した直流電圧に変換されて出力され
る。第1実施例と同様に受光部300は、印加電圧と入
射光間の位相差がπ/2(+nπ)のとき受光部300
の直流電圧出力は「0V」となり、また位相の遅れ、進
みにより極性の反転した直流電圧出力が得られる。位相
比較器である受光部300の出力は、系の最適応答が得
られるように設定された誤差増幅器402とループフィ
ルタ401とにより増幅されて、可変移相器443の制
御電圧入力に供給される。したがって、光導電型受光器
310には(3)式で表される電流信号が発生する。光
導電型受光器310で発生した電流信号は、電流電圧変
換回路320、ローパスフィルタ330を順次経由し
て、(5)式で表される直流電圧信号VDCを出力する。
受光部300が出力した直流電圧信号VDCは、誤差増幅
器402により増幅され、ループフィルタ401に導か
れて必要な帯域に制限された後、可変移相器443に制
御電圧として供給される。可変移相器443は、この制
御電圧値に応じて移相量を決定する。すなわち、ロック
される位相差よりも小さな移相量の場合には移相量が大
きくなるように制御する。逆に、ロックされる位相差よ
りも大きい移相量の場合には移相量が小さくなるように
制御する。誤差増幅器402の利得Gが充分大きく設定
され、かつ、基準電圧値(Vr)が「0V」のとき、
(7)式から、光導電型受光器310に入射時の散乱光
(ISC(ωt+φ1 ))の位相と光導電型受光器310
に印加された変調電圧(VM2(t))の位相との位相差
(φ1 )は略π/2(+nπ;n=整数)となる。
【0112】ロック条件が成立した時点で、演算処理部
641は、可変移相器443の入力信号の電圧値を読み
取り、格納する。
【0113】次いで、処理部640の演算処理部641
が、波長選択器200へ反応光(蛍光)の波長である波
長=λ2 の光の選択出力を指示する。この状態で、上記
の散乱光の場合と同様に、受光部300を動作させ受光
部300の直流出力電圧値が「0V」となるようにバイ
アス調整回路340が出力するバイアス電圧値を調整す
る。
【0114】引き続き、上記の散乱光の場合と同様に、
光導電型受光器310に入射時の反応光(IRC(ωt+
φ1 +φ2 ))の位相と光導電型受光器310に印加さ
れた変調電圧(VM2(t))の位相との位相差(φ1
φ2 )が略π/2となる位相量を計測して演算処理部6
41に格納する。こうして計測した位相差(φ1 )と位
相差(φ1 +φ2 )とに基づいて、(11)式から反応
光の減衰特性である寿命時間τを算出する。こうして測
定した寿命時間を表示部612に表示する。
【0115】尚、可変移相器443の制御電圧に対する
移相量はあらかじめ知られている必要がある。処理部6
41はこれら一連の測定を可変周波数発振器430の発
振周波数を変えて繰り返すことでサンプルの周波数−位
相特性を得ることができる。また、図19、20で示し
たタイプの受光部を用いることで、周波数−振幅特性を
同時に得ることもできる。
【0116】(第5実施例)図27は、本発明の減衰特
性測定装置の第5実施例の構成図である。上記の各実施
例では、散乱光と反応光とを波長選択部で切換えて測定
を行う一連の手順内で、測定対象体までの距離L1、L
2が、変動してしまうようような場合、正確な減衰特性
を求めることができなくなる。本実施例の装置はこの問
題点を解消するのに好適な装置である。すなわち、この
装置は、散乱光に関するフェーズロックループと反応光
に関するフェーズロックループを同時に形成し、同時に
変調信号との位相差を計測することにより、測定対象体
までの距離L1、L2を無視できることとしたものであ
る。図27に示すように、この装置は、(a)散乱光に
関するフェーズロックループを形成するロック系851
と、(b)反応光に関するフェーズロックループを形成
するロック系852と、(c)ロック系851における
変調信号の周波数をモニタリング計測する周波数カウン
タ551と、(d)ロック系852における変調信号の
周波数をモニタリング計測する周波数カウンタ552
と、(e)ロック系851がフェーズロックループを形
成した時点の周波数カウンタ551の計測値を読み込む
とともに、ロック系852がフェーズロックループを形
成した時点の周波数カウンタ552の計測値を読み込
み、これらの読み込んだ計測値に基づいて反応光の減衰
特性を求める処理部650と、(f)ロック系851が
出力した励起光の一部とロック系852が出力した励起
光の一部とを合波して測定対象物900に向けて出力す
る合波ミラー751と、(g)測定対象物900からの
散乱光と反応光とを入力して、夫々散乱光成分と反応光
成分とを含む2つの光に分岐する分岐ミラー752と、
を備える。
【0117】ロック系851は、波長選択器200に替
えて波長=λ1 の光を選択的に透過する波長選択器25
1を使用する点のみが第1実施例のロック系800と相
違し、また、ロック系852は、波長選択器200に替
えて波長=λ2 の光を選択的に透過する波長選択器25
2を使用する点のみが第1実施例のロック系800と相
違する。
【0118】本実施例の装置は、以下のようにして反応
光の減衰特性を測定する。
【0119】まず、夫々のロック系851、852の受
光部3001 、3002 のバイアス調整回路を調整し
て、受光部3001 の直流出力の出力電圧値および受光
部3002 の直流出力の出力電圧値を略「0V」に設定
する。引き続き、夫々のロック系から励起光を出力す
る。
【0120】励起光を生じさせる送光部1001 および
送光部1002 は夫々別の電圧制御発振器4031 およ
び電圧制御発振器4032 により駆動されてそれぞれの
周波数に等しい強度変調された励起光を発生する。送光
部1001 から出力された光および送光部1002 から
出力された光は、合波ミラー751を介して同一の光路
上に整列されて測定対象体900に照射される。測定対
象体900で生じる励起光の散乱成分と減衰特性に関わ
る反応光成分の特定の光路上に整列させられた成分は、
分岐ミラー752によって励起波長λ1 のみ選択する波
長選択器251と励起波長λ2 のみ選択する波長選択器
252とへ分割されて導かれる。波長選択器251を介
した光は受光部3001 へ、波長選択器252を介した
光は受光部3002 へ入力する。以後、夫々のロック系
は、第1実施例と同様に、フェーズロックループを形成
する。すなわち、散乱光に関するフェーズロック動作と
反応光に関するフェーズロック動作とは、独立して、且
つ同時に夫々のロック系で実行される。
【0121】双方のロック系でフェーズロックループが
形成された後、処理部650は周波数カウンタ551の
周波数計測値と周波数カウンタ552の周波数計測値と
を読み取る。以後、第1実施例と同様にして反応光の減
衰特性を算出して表示する。
【0122】本実施例の装置によれば、第1実施例の装
置と比較して、波長切換えに費やされる多くの時間をゼ
ロにでき、PLL応答周波数ならびにデータ処理時間の
みに制限される高速測定が可能になる。
【0123】(第6実施例)測定において最大の分解能
を達成するためには、装置全体として最大感度が得られ
る条件に容易に設定できることが好ましい。ところで、
位相差検出の感度を最大とするには、励起光に対して得
られる散乱光あるいは反応光の位相遅れが30°〜60
°の範囲に入っていることが望ましい。この目的には、
このような位相差となるように自動的に系の発振周波数
を固定する、オフセット位相ロックループ(例えば、特
開昭63−308596に開示の技術)を用いることが
適している。
【0124】図28は、本発明の減衰特性測定装置の第
6実施例の構成図であり、この装置はオフセット位相ロ
ックループを形成することを特徴とする。図28に示す
ように、この装置は、(a)外部から変調信号V
M (t)を入力し、変調信号VM (t)によって強度変
調が施された波長=λ1 の励起光IEX(t)を測定対象
体900に向けて出力する送光部100と、(b)送光
部100から出力された励起光IEX(t)が測定対象体
900に照射された結果、測定対象体900で生じた波
長=λ2 の反応光IRC(t+φ1 +φ2 )と測定対象体
900で励起光IEX(t)が散乱した散乱光IRF(t+
φ1 )とを入力し、処理部660からの指示によりいず
れか一方の光を選択して出力する波長選択器200と、
(c)変調信号VM (t)を入力するとともに波長選択
器200から出力された光を受光し、受光した光の強度
(IRC(t+φ1 +φ2 )またはIRF(t+φ1 ))と
変調信号VM (t)との積に応じた電流信号を生成後に
略直流成分のみの電圧信号を出力する受光部300と、
(d)受光部300から出力された略直流電圧信号の電
圧値に応じた周波数を有し、処理部660から指示され
た位相差を有する2つの変調信号を出力する周波数調整
部460と、(e)周波数調整部460が出力する変調
信号の周波数を計測する周波数カウンタ500と、
(f)波長選択器200へ選択波長(λ1 またはλ2
を指示する波長選択指示信号を出力するとともに、波長
=λ1 を選択した場合に、誤差増幅器402の基準電圧
値(Vr)入力を「0V」としたとき、受光部300か
ら出力された直流電圧信号の電圧値が略「0V」となる
周波数カウンタ500の計測値とを読み取り、読み取っ
た値から変調信号VM (t)と散乱光IRF(t+φ1
との位相差φ1 を求め、波長=λ2 を選択した場合に受
光部300から出力された直流電圧信号の電圧値が略
「0V」となる周波数カウンタ500の計測値とを読み
取り、読み取った値から変調信号VM (t)と反応光I
RC(t+φ1 +φ2 )との位相差(φ1 +φ2 )を求
め、更に2つの位相差からφ2 から反応光の減衰特性を
求める処理部660と、を備える。
【0125】ここで、周波数調整部460は、受光部
300の直流電圧出力信号を入力し、基準電圧値(V
r)との差を増幅して出力する誤差増幅器402と、
誤差増幅器402の出力を入力し、略直流成分のみを通
過させるループフィルタ401と、ループフィルタ4
01から出力された直流電圧信号の電圧値に応じた周波
数を有し、処理部660から指定された位相差を有する
2つの変調信号を出力する多重位相電圧制御発振器46
3と、を備える。なお、L1、L2の光路、L3の電気
信号路により生じる群遅延時間の総和と、L4の電気信
号路で生じる群遅延時間とが等しく設定される。
【0126】また、処理部660は、波長選択器20
0へ波長選択指示信号を発行するとともに、周波数カウ
ンタ500の計測値とを読み取って、強度変調された散
乱光および反応光と変調信号との位相差を求めた後、反
応光の減衰特性を算出する演算処理部661と、演算
処理部661の指示により、演算処理部611の演算結
果を表示する表示部612と、を備える。多重位相電圧
制御発振器463は、電圧制御により周波数可変である
点は電圧制御発振器403と違いは無いが、周波数同一
で常に位相差が一定(φ2−φ1)の二つの出力を有し
ている。
【0127】本実施例の装置は、以下のようにして反応
光の減衰特性を出力する。なお、説明の簡単のため、送
光部100、波長選択器200、受光部300における
電気信号路および光路での群遅延時間を無視することに
する。
【0128】本測定に先立って、バイアス調整回路34
0を調整して、受光部300の出力である電流電圧変換
回路320の出力する電圧信号の平均値を略「0V」に
設定するとともに、処理部660が多重位相電圧制御発
振器463の出力する2つの信号の位相差(φ2−φ
1)を120°〜150°範囲の一定値に設定する。引
き続き、送光部100から励起光を出力して本測定を開
始する。以後、第1実施例と同様にして、本測定を実施
して反応光の減衰特性を測定する。
【0129】なお、この装置では、励起光の散乱成分に
より測定系の遅延時間校正を行なうことはできないの
で、特性のよく知れた測定対象体を時間校正に用いる必
要がある。
【0130】上記では、多重位相電圧制御発振器463
の出力する2つの信号の位相差(φ2−φ1)を120
°〜150°範囲としたが、多重位相電圧制御発振器4
63の出力する2つの信号の位相差(φ2−φ1)を3
0°〜60°範囲として、φ2側の出力を90°移相器
を介して受光部300に供給することも可能である。
【0131】(第7実施例)図29は、本発明の減衰特
性測定装置の第7実施例の構成図である。上記の各実施
例では、励起光の変調周波数と光導電型受光器の変調周
波数とを同一としたが、本実施例では、光導電型受光器
の印加電圧周波数を励起光の強度変調周波数(すなわ
ち、光導電型受光器に入射する散乱光あるいは反応光の
強度変調周波数)とを異なる値とし、受光部を周波数変
換器として作動させ、ビートダウンした周波数により位
相差と振幅を測定する装置である。この装置では、受光
部で直接に入射光と受光器印加電圧間の位相を比較して
しまう方式とは異なり、受光部でいったん扱いやすい1
00KHz以下の低周波数に変換してから、電気信号間
の位相差を検出することとなる。
【0132】図29に示すように、本実施例の装置は、
(a)処理部670の指示に応じた周波数(f0)の発
振信号を出力する可変周波数発振器471と、(b)周
波数Δf(100kHz以下)の発振信号を出力する発
振器472と、(c)可変周波数発振器471が出力し
た発振信号と発振器472が出力した発振信号とを入力
して周波数=f0+Δfの変調信号を出力する単側波帯
ミキサ473と、(d)可変周波数発振器471からの
変調信号を入力し、変調信号によって強度変調が施され
た波長=λ1 の励起光IEX(t)を測定対象体900に
向けて出力する送光部100と、(e)反応光と散乱光
とを入力し、外部からの指示によりいずれか一方の光を
選択して出力する波長選択器200と、(f)単側波帯
ミキサ473が出力した変調信号を入力するとともに波
長選択器200から出力された光を受光し、受光した光
の強度と変調信号との積に応じた電流信号を生成後に受
光した光の周波数と単側波帯ミキサ473が出力した変
調信号の周波数との差の周波数Δfの信号を選択して出
力する受光部390と、(g)受光部390から出力さ
れた信号の位相と発振器472の出力信号の位相との位
相差を検出する位相差検出器571と、(h)受光部3
90から出力された信号の振幅値を検出する振幅検出器
572と、(i)可変周波数発振器471へ発振周波数
指示信号を出力し、波長選択器200へ選択波長(λ1
またはλ2 )を指示する波長選択指示信号を出力すると
ともに、位相差検出器571が検出した位相差と振幅検
出器572が検出した振幅値とを読み取って、波長=λ
1 を選択した場合には変調信号VM (t)と散乱光IRF
(t+φ1 )との位相差φ1 を求め、波長=λ2 を選択
した場合には変調信号VM (t)と反応光IRC(t+φ
1 +φ2 )との位相差(φ1 +φ2 )を求め、更に2つ
の位相差からφ2 から反応光の減衰特性を求める処理部
670と、を備える。
【0133】図30は、受光部390の構成図である。
図30に示すように、受光部390は、光信号
(II )と電圧信号(VI )とを入力して、光信号と電
圧信号との積を演算することにより受光した光と変調信
号との位相差を反映した電流信号を出力する光導電型受
光器310と、電圧信号の交流分の電圧信号を光導電
型受光器310に印加するための接続コンデンサC1、
C2から成る電圧印加部361と、光導電型受光器3
10に生じた電流の低周波成分を通すチョークコイルL
1、L2と、チョークコイルL1、光導電型受光器3
10およびチョークコイルL2を流れる電流信号の交流
分を電圧に変換する電流−電圧変換回路320と、電
流−電圧変換回路320が出力する電圧信号の周波数が
略Δfの成分を選択して出力するバンドパスフィルタ3
71と、光導電型受光器310に印加する電圧のバイ
アス値を調整するバイアス調整回路340と、から構成
される。すなわち、受光部390は、図2に示した受光
部300で、ローパスフィルタ330をバンドパスフィ
ルタ371に交換したものである。
【0134】本実施例の装置は、以下のようにして反応
光の減衰特性を測定する。
【0135】本測定に先立って、バイアス調整回路34
0を調整して、受光部390の出力である電流電圧変換
回路320の出力する電圧信号の平均値を略「0V」に
設定する。引き続き、夫々のロック系から励起光を出力
する。
【0136】単側波帯ミキサ473は、100KHz以
内の固定の低周波数(Δf)を発生する発振器472の
発生信号と処理部670により発生周波数(f0)が指
定される可変周波数発振器471の発生信号とが入力さ
れ、周波数=f0+Δfの出力信号を受光部390の光
導電型受光器310に供給する。可変周波数発振器47
1の発生信号は単側波帯ミキサ473に供給されると同
時に送光部100にも供給される。送光部100は可変
周波数発振器471から供給される信号に応じた強度変
調された励起光を測定対象体900に照射する。測定対
象体900からの励起光散乱成分と反応光(螢光)成分
は、処理部670から、その透過波長を指示された波長
選択器200に入力され、指示に従ってどちらか一方が
受光部390に導かれる。
【0137】光導電型受光器310の変換利得は印加さ
れた電圧に依存し、周波数=f0+Δfで変調されてい
る。したがって、光導電型受光器では、印加電圧の周波
数(f0+Δf)と入射光の強度変調周波数(f0)と
の周波数混合が行われ、周波数=2f0+Δfの信号成
分と周波数=Δfの信号成分とが光導電型受光器310
を流れる電流信号として発生し、光導電型受光器310
に接続された電流電圧変換回路320から電圧信号とし
て出力される。電流電圧変換回路320から出力された
信号は、バンドパスフィルタ371によって、ビートダ
ウンされた信号成分(周波数=Δf)を選択されて出力
される。このビートダウンされた信号は、送光部100
の変調信号と散乱光あるいは反応光との位相差情報と散
乱光あるいは反応光の強度変調振幅に比例した振幅を保
存している。
【0138】ビートダウンされた信号は、位相差検出器
571と振幅検出器572とに入力する。位相差検出器
571は、同時に発振器472の出力信号を入力し、発
振器472の出力信号とビートダウンされた信号との位
相差を検出して処理部670へ通知する。この位相差
は、送光部100の変調信号と散乱光あるいは反応光と
の位相差を反映している。また、振幅検出器572は、
ビートダウンされた信号の振幅値を検出して処理部67
0へ通知する。
【0139】本測定にあたって、まず、処理部670
は、可変周波数発振器471に発振周波数f0を指示す
るとともに、波長選択器200に波長=λ1の選択を指
示する。この状態で、光路長L1+L2、送光部100
および受光部390での群遅延時間の総和により生じる
位相差φ1を測定する。同時に受光される強度変調振幅
成分Al測定する。処理部670はこれらの測定結果を
内部に記録する。
【0140】次に、処理部670は、可変周波数発振器
471の設定は変更せずに、波長選択器に波長=λ2
選択を指示する。この状態で、光路長L1+L2、送光
部100および受光部390での群遅延時間の総和によ
り生じる位相差φ1+φ2を測定する。同時に受光され
る強度変調振幅成分A2測定する。処理部670はこれ
らの測定結果を内部に記録する。引き続き、処理部67
0は、以上の記録結果から位相差(φ2−φ1)および
相対強度(A2/A1)を得る。
【0141】ついで、処理部670は、可変周波数発振
器471の発振周波数指示を順次変更して上記と同様の
測定を繰り返し行なう。こうして、各周波数での位相差
および相対強度が求まり測定対象体900の減衰特性を
測定する。
【0142】(第8実施例)図31は、本発明の減衰特
性測定装置の第8実施例の構成図である。この装置は、
細胞を区別するようなシステム(例えば、「R.R.Alfano
et al., SPIE Vol.1599 Resent Advances in the
Uses of Light in Physics,Chemistry,Engineeri
ng,and Medicine,pp.284-289(1991) 」に開示のシステ
ム)に本発明を応用したものである。
【0143】図31に示すように、この装置は、(a)
散乱光に関するフェーズロックループを形成するロック
系881と、(b)反応光に関するフェーズロックルー
プを形成するロック系882と、(c)ロック系881
における変調信号の周波数をモニタリング計測する周波
数カウンタ551と、(d)ロック系882における変
調信号の周波数をモニタリング計測する周波数カウンタ
552と、(e)ロック系881がフェーズロックルー
プを形成した時点の周波数カウンタ551の計測値を読
み込むとともに、ロック系882がフェーズロックルー
プを形成した時点の周波数カウンタ552の計測値を読
み込み、これらの読み込んだ計測値に基づいて反応光の
減衰特性を求める処理部680と、(f)ロック系88
1が出力した励起光の一部とロック系882が出力した
励起光の一部とを合波して測定対象物900に向けて出
力する合波ミラー751と、(g)合波ミラー751で
整列された励起光を測定対象体900に導くとともに、
測定対象体900からの散乱光および反応光を導くライ
トガイド780と、(h)ライトガイド780から出力
された光を入力して、夫々散乱光成分と反応光成分とを
含む2つの光に分岐する分岐ミラー752と、を備え
る。
【0144】ロック系881は、第1実施例の送光部
100に替えて、送光部100から出力された光の2倍
高調波を発生するSHG素子186を加えて送光部18
1を構成する点、波長選択器200に替えて波長=λ
1 の光を選択的に透過する波長選択器251を使用する
点が第1実施例のロック系800と相違し、また、ロッ
ク系882は、第1実施例の送光部100に替えて、
送光部100から出力された光の2倍高調波を発生する
SHG素子187を加えて送光部182を構成する点、
波長選択器200に替えて波長=λ2 の光を選択的に
透過する波長選択器252を使用する点が第1実施例の
ロック系800と相違する。
【0145】本実施例の装置は、第5実施例と同様に動
作する。すなわち、送光部181、182と受光部30
1 、3002 との間の位相差を一定(π/2)に保つ
ように電圧制御発振器4031 、4032 の発振周波数
が制御され、その周波数から、測定対象体900の蛍光
減衰時間を特定し、ガン細胞と正常細胞の区別をする。
【0146】以下、本実施例の装置の動作を具体的に説
明する。
【0147】ファイバースコープ等に組み込まれたライ
トガイド780の先端から細胞にむけて励起光(波長=
315nm)が測定対象体900に照射され、励起光の
測定対象体900の表面からの散乱成分と螢光(波長=
330nm〜440nm)が同じくライトガイド780
を通った後、波長選択器251、252を介して受光部
3001 、3002 に導かれる。ここで、ライドガイド
780の先端から測定対象体900までの距離L3は頻
雑に変動することが考えられるので、二組のロック系8
81、882を用意して、測定周期の高速化を図ってい
る。測定に用いる励起光は、波長=630nmの光を発
生するレーザダイオードの出力光を第二高調波を発生す
るSHG結晶186、187を介することにより得る。
ライトガイド780におけるL1およびL2を1m、屈
折率を1.5、ライトガイド780先端から測定対象体
900までの距離L3を10cm、この光路屈折率を
1.0とし、送光部181、182、受光部3001
3002 、波長選択器251、252、送受光部でのラ
イトガイド結合光学系の群遅延時間を無視すると、周波
数カウンタ551で得られる値f1は、(4)式で示さ
れるように、 f1=((4/3)×(2×1.5+0.2)/3×108 ) =70.3125MHz となる。
【0148】R.R.Alfano等によれば、二つの減衰時定数
で細胞の螢光減衰特性が近似される。そして、ガン細胞
からの蛍光の内、遅い方の螢光減衰時定数は1.913
ns、であり、正常細胞からの蛍光の内、遅い方の螢光
減衰時定数は1.12nsに平均値が分類される。記述
がされていないが、ガン細胞と正常細胞で共通のほぼ同
程度の早い減衰時定数を持つとされている。本実施例の
装置では、二つの時定数を分離して測定することはでき
ないが、正常細胞とガン細胞の時定数が異なることによ
る励起光と螢光の位相差の変化により、周波数カウンタ
552で得られる値が変化し、正常細胞とガン細胞の区
別をすることができる。
【0149】ここで、距離L3がサンプルの運動あるい
はファイバースコープの移動により変動すると、たとえ
測定対象体が同一でも周波数カウンタ552の指示値が
変動することになるが、同時に取得しているf1によ
り、式(17)で示した方式でサンプルの位相差のみを
抜き出すことができる。簡単のため早い時定数を無視す
ると、式(17)、(10)、(11)より導出され
る、 tan[(3/4)×2π×(1−(f2/(70.3
125×106 ))]=2π×f2×τ によりf2が特定される。これにより、τに細胞の時定
数をあてはめて計算すると、正常細胞で得られる周波数
f2は64MHz、ガン細胞から得られる周波数f2は
60.9MHzとなり、本実施例の装置の分解能から鑑
みて、充分に正常細胞とガン細胞とを識別することがで
きる。
【0150】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明の減
衰特性測定装置によれば、高速動作が可能であり且つ入
射光量依存性の小さい特性を持つ光導電型受光器を用い
て高速演算を実行し、後段の電気回路では比較的低速の
信号を処理するので、減衰特性測定の分解能を大幅に向
上させることができる。
【0151】すなわち、本発明は、電子ミキサを使用し
た場合に見られるような入力振幅の変動により出力の位
相が変動することが無く、高速応答の光導電型受光器を
受光器に用いることにより、扱う周波数領域を大幅に拡
大することができ、測定対象の選択の自由度を向上でき
る。
【0152】また、高感度化と強力外乱信号に対する飽
和を考慮した場合であっても、ダイナミックレンジの大
きな低ノイズ増幅器を必須とせず、外乱光信号が初段増
幅器に入力されることがないので、それによる初段増幅
器の飽和を特別に考慮する必要が無くなる。したがって
信号成分に対するS/Nとダイナミックレンジのゆるす
かぎり初段増幅器のゲインを大きく設定することがで
き、設計の自由度が大きく、容易に高感度な測定系を構
成することができる。
【0153】また、従来の方式とは異なり、信号光に比
較して強力な背景光に信号成分以外の変調成分が多く含
まれるような場合であっても、初段増幅器に信号以外の
変調成分が入力されることは無いので、それに対する特
別な配慮を必要としない。
【0154】また、通常の電気信号間で位相比較する方
式では、変調周波数まで帯域を有する増幅器を必要とす
るが、本発明のように、受光器で直接、入射光と電気信
号間の位相比較を行ってしまう方式ではこの限りでな
く、PLLのループフィルタとして用いられる低周波領
域の増幅器で事足りるものとなり簡単な回路構成とする
ことができる。
【0155】また、位相差情報を周波数に置き換えて読
みだす方式により、分解能は周波数カウンターの精度で
制限されることとなり、高分解能での測定が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の減衰特性測定装置の概要
構成図である。
【図2】第1実施例の受光部の構成図である。
【図3】第1実施例で採用可能な光導電型受光器の特性
を示すグラフである。
【図4】第1実施例の受光部の動作説明図である。
【図5】第1実施例の光導電型受光器に供給する変調信
号の説明図である。
【図6】受光部の変形例の構成図である。
【図7】受光部の変形例の構成図である。
【図8】受光部の変形例の構成図である。
【図9】受光部の変形例の構成図である。
【図10】受光部の変形例の構成図である。
【図11】受光部の変形例の構成図である。
【図12】受光部の変形例の構成図である。
【図13】ループフィルタの構成図である。
【図14】第1実施例の減衰特性測定装置の構成図であ
る。
【図15】第1実施例の減衰特性測定装置のロック条件
の説明図である。
【図16】第1実施例の減衰特性測定装置のロック条件
の説明図である。
【図17】ロック周波数と寿命時間との関係を示すグラ
フである。
【図18】第2実施例の減衰特性測定装置の構成図であ
る。
【図19】第2実施例の受光部の構成図である。
【図20】第2実施例の受光部の構成図である。
【図21】第3実施例の減衰特性測定装置の構成図であ
る。
【図22】第3実施例の受光部の構成図である。
【図23】第3実施例の動作説明図である。
【図24】第3実施例の動作説明図である。
【図25】第3実施例の動作説明図である。
【図26】第4実施例の減衰特性測定装置の構成図であ
る。
【図27】第5実施例の減衰特性測定装置の構成図であ
る。
【図28】第6実施例の減衰特性測定装置の構成図であ
る。
【図29】第7実施例の減衰特性測定装置の構成図であ
る。
【図30】第7実施例の受光部の構成図である。
【図31】第8実施例の減衰特性測定装置の構成図であ
る。
【符号の説明】
100,181,182…送光部、200,251,2
52…波長選択器、300,370…受光部、310,
315,316…光導電型受光器、400,410,4
20,460…周波数調整部、500,510,520
…周波数カウンタ、600,610,620,630,
640,650,660,670,680…処理部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−264453(JP,A) 特開 昭63−308596(JP,A) 特開 平7−306140(JP,A) 特公 昭49−43226(JP,B1) 特表 平8−506419(JP,A) 特表 平3−504765(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/62 - 21/74 JICSTファイル(JOIS)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の周波数で変化する第1の電気信号
    によって強度変調が施され、第1の周波数で周期的に強
    度が変化する第1の波長を有する第1の光を測定対象体
    に照射する送光部と、 前記測定対象体での前記第1の光の散乱光である第2の
    光と、前記送光部から出力された前記第1の光が前記測
    定対象体に照射された結果、前記測定対象体で生じた第
    2の波長を有する第3の光とを入力し、外部からの指示
    によりいずれか一方の光を選択して出力する波長選択器
    と、 光電変換利得を制御するとともに第2の周波数を有する
    第2の電気信号を入力し、前記波長選択器から出力され
    た光を受光して受光光量および設定された光電変換利得
    に応じた電気信号であって、前記第1の周波数と前記第
    2の周波数との差の絶対値である第3の周波数を有する
    成分を含む第3の電気信号を発生する光検出器を備え、
    前記第3の電気信号から前記第3の周波数の成分を反映
    した第4の信号を出力する受光部と、 前記送光部へ前記第1の電気信号を出力し、前記受光部
    へ前記第2の電気信号を出力し、前記可変波長選択器へ
    選択波長を指示する波長選択指示信号を出力するととも
    に、第1の波長を選択した場合に前記受光部から出力さ
    れた第4の信号の第1の計測結果と第2の波長を選択し
    た場合に前記受光部から出力された第4の信号の第2の
    計測結果とから前記受光部に入力する前記第2の光の強
    度変化の位相と前記受光部に入力する前記第3の光の強
    度変化の位相との位相差に基づいて前記第3の光の減衰
    特性を求める測定処理部と、 を備えることを特徴とする減衰特性測定装置。
  2. 【請求項2】 第1の周波数で変化する第1の電気信号
    によって強度変調が施され、第1の周波数で周期的に強
    度が変化する第1の波長を有する第1の光を測定対象体
    に照射する第1の送光部と、 前記測定対象体での前記第1の光の散乱光である第2の
    光を選択して出力する第1の波長選択器と、 光電変換利得を制御するとともに第2の周波数を有する
    第2の電気信号を入力し、前記波長選択器を透過した前
    記第1の波長選択器から出力された光を受光して受光光
    量および設定された光電変換利得に応じた電気信号であ
    って、前記第1の周波数と前記第2の周波数との差の絶
    対値である第3の周波数を有する成分を含む第3の電気
    信号を発生する第1の光検出器を備え、前記第3の電気
    信号から前記第3の周波数の成分の振幅値を反映した第
    4の信号を出力する第1の受光部と、 第4の周波数で変化する第5の電気信号によって強度変
    調が施され、第4の周波数で周期的に強度が変化する第
    1の波長を有する第3の光を測定対象体に照射する第2
    の送光部と、 前記第2の送光部から出力された前記第3の光が前記測
    定対象体に照射された結果、前記測定対象体で生じた第
    2の波長を有する第4の光を選択して出力する第2の波
    長選択器と、 光電変換利得を制御するとともに第5の周波数を有する
    第6の電気信号を入力し、前記第2の波長選択器を透過
    した光を受光して受光光量および設定された光電変換利
    得に応じた電気信号であって、前記第4の周波数と前記
    第5の周波数との差の絶対値である第6の周波数を有す
    る成分を含む第7の電気信号を発生する第2の光検出器
    を備え、前記第7の電気信号から前記第6の周波数の成
    分の振幅値を反映した第8の信号を出力する第2の受光
    部と、 前記第1の送光部へ前記第1の電気信号を出力し、前記
    第1の受光部へ前記第2の電気信号を出力し、前記第2
    の送光部へ前記第5の電気信号を出力し、前記第2の受
    光部へ前記第6の電気信号を出力するとともに、前記第
    1の受光部から出力された第4の信号の信号の第1の計
    測結果と前記第2の受光部から出力された第8の信号の
    信号の第2の計測結果とから前記第1の受光部に入力す
    る前記第2の光の強度変化の位相と前記第2の受光部に
    入力する前記第4の光の強度変化の位相との位相差に基
    づいて前記第4の光の減衰特性を求める測定処理部と、 を備えることを特徴とする減衰特性測定装置。
  3. 【請求項3】 前記受光部は、 電気信号を入力し、所定の出力態様に変換して出力する
    信号供給部と、 前記信号供給部が出力する電気信号を入力する電気信号
    印加端子を有するとともに、光を受光する光導電型受光
    器と、 前記光導電型受光器を介して流れる電流信号に応じた電
    圧信号を出力する変換増幅部と、 前記変換増幅部から出力された電圧信号を入力し、前記
    光導電型受光器に入射した光の強度の変化の周波数と前
    記信号供給部に入力された電気信号の周波数との差の絶
    対値の周波数と略同一の周波数の電圧信号を選択して通
    過する周波数選択器と、 を備えることを特徴とする請求項1または2記載の減衰
    特性測定装置。
  4. 【請求項4】 前記所定の出力態様は、低出力インピー
    ダンス状態で出力される電圧信号である、ことを特徴と
    する請求項3記載の減衰特性測定装置。
  5. 【請求項5】 前記所定の出力態様は、高出力インピー
    ダンス状態で出力される電流信号である、ことを特徴と
    する請求項3記載の減衰特性測定装置。
  6. 【請求項6】 前記光導電型受光器の動作点を調整する
    バイアス調整手段を更に備える、ことを特徴とする請求
    項3記載の減衰特性測定装置。
  7. 【請求項7】 前記光導電型受光器は、 被測定光強度が一定、印加電圧値を独立変数とした場
    合、印加電圧値が0Vを含む所定の定義域において、前
    記光導電型受光器を流れる電流量が印加電圧の略奇関数
    であるとともに、印加電圧が一定、被測定光強度値を独
    立変数とした場合、被測定光強度が所定の定義域におい
    て、前記光導電型受光器を流れる電流量が照射信号強度
    の略線形関数であり、 前記光導電型受光器に印加される電圧信号は、周期的で
    あり、時間平均値が略0であり、且つ、振幅が0となる
    隣り合う時刻の中点の時刻を原点として、振幅が時間の
    略偶関数である、 ことを特徴とする請求項4記載の減衰特性測定装置。
  8. 【請求項8】 前記光導電型受光器は、 被測定光強度が一定、印加電流値を独立変数とした場
    合、印加電流値が0Aを含む所定の定義域において、前
    記光導電型受光器の両端に発生する電圧値が印加電流の
    略奇関数であるとともに、印加電流が一定、被測定光強
    度値を独立変数とした場合、被測定光強度が所定の定義
    域において、前記光導電型受光器の両端に発生する電圧
    値が照射信号強度の略線形関数であり、 前記光導電型受光器に印加される電流信号の非直流成分
    は、周期的であり、時間平均値が略0であり、且つ、非
    直流成分の振幅が0となる隣り合う時刻の中点の時刻を
    原点として、振幅が時間の略偶関数である、 ことを特徴とする請求項5記載の減衰特性測定装置。
  9. 【請求項9】 前記光導電型受光器は、整流性接合が反
    対向きに接続された構造を有する金属−半導体−金属フ
    ォトディテクタである、ことを特徴とする請求項3記載
    の減衰特性測定装置。
  10. 【請求項10】 前記光導電型受光器は、オーム性接触
    電極が対向して接続された構造のフォトディテクタであ
    る、ことを特徴とする請求項3記載の減衰特性測定装
    置。
  11. 【請求項11】 前記第1の周波数と前記第2の周波数
    と同一であり、前記第1の電気信号と前記第2の電気信
    号との位相差は既知であって、 前記測定処理部は、 前記受光部の出力信号が基準値に固定される条件を保つ
    ように、前記第1の周波数を調節する周波数調節部と、 前記周波数調節部によって調節されて固定された前記第
    1の周波数を計測する周波数計測器と、 前記波長選択器で前記第2の光を選択した場合に前記周
    波数計測器によって計測された第1の計測周波数から前
    記第2の光の前記光検出器の位置における強度変化の位
    相と前記第1の電気信号の振幅変化の位相との差である
    第1の位相差を演算するとともに、前記波長選択器で前
    記第3の光を選択した場合に前記周波数計測器によって
    計測された第2の計測周波数から前記第3の光の前記光
    検出器の位置における強度変化の位相と前記第1の電気
    信号の振幅変化の位相との差である第2の位相差を演算
    し、更に、前記第1の位相差と前記第2の位相差とに基
    づいて前記第3の光の減衰特性を求める演算処理部と、 を備えることを特徴とする請求項1記載の減衰特性測定
    装置。
  12. 【請求項12】 前記第4の信号は電圧信号であり、前
    記基準値は0Vであって、前記周波数調節部によって固
    定された前記第1の周波数が前記第1の計測周波数時の
    前記第2の光の前記光検出器の位置における強度変化の
    位相と前記第2の電気信号の振幅変化の位相との差、お
    よび前記周波数調節部によって固定された前記第1の周
    波数が前記第2の計測周波数時の前記第3の光の前記光
    検出器の位置における強度変化の位相と前記第2の電気
    信号の振幅変化の位相との差は、π/2または3π/2
    ある、ことを特徴とする請求項11記載の減衰特性測定
    装置。
  13. 【請求項13】 前記第1の周波数と前記第2の周波数
    と同一であり、前記第1の電気信号と前記第2の電気信
    号との位相差は既知であって、かつ、前記第4の周波数
    と前記第5の周波数と同一であり、前記第5の電気信号
    と前記第6の電気信号との位相差は既知であって、 前記測定処理部は、 前記第1の受光部の出力信号が基準値に固定される条件
    を保つように、前記第1の周波数を調節する第1の周波
    数調節部と、 前記第1の周波数調節部によって調節されて固定された
    前記第1の周波数を計測する第1の周波数計測器と、 前記第2の受光部の出力信号が基準値に固定される条件
    を保つように、前記第4の周波数を調節する第2の周波
    数調節部と、 前記第2の周波数調節部によって調節されて固定された
    前記第4の周波数を計測する第2の周波数計測器と、 前記第1の周波数計測器によって計測された第1の計測
    周波数から前記第2の光の前記第1の光検出器の位置に
    おける強度変化の位相と前記第1の電気信号の振幅変化
    の位相との差である第1の位相差を演算するとともに、
    前記第2の周波数計測器によって計測された第2の計測
    周波数から前記第4の光の前記第2の光検出器の位置に
    おける強度変化の位相と前記第5の電気信号の振幅変化
    の位相との差である第2の位相差を演算し、更に、前記
    第1の位相差と前記第2の位相差とに基づいて前記第4
    の光の減衰特性を求める演算処理部と、 を備えることを特徴とする請求項2記載の減衰特性測定
    装置。
  14. 【請求項14】 前記第4の電気信号および前記第8の
    電気信号は電圧信号であり、前記基準値は0Vであっ
    て、前記第1の周波数調節部によって固定された前記第
    1の周波数が前記第1の計測周波数時の前記第2の光の
    前記第1の光検出器の位置における強度変化の位相と前
    記第2の電気信号の振幅変化の位相との差、および前記
    第2の周波数調節部によって固定された前記第4の周波
    数が前記第2の計測周波数時の前記第4の光の前記第2
    の光検出器の位置における強度変化の位相と前記第6の
    電気信号の振幅変化の位相との差は、π/2または3π
    /2ある、ことを特徴とする請求項13記載の減衰特性
    測定装置。
  15. 【請求項15】 前記第1の周波数と前記第2の周波数
    とは異なり、前記測定処理部は前記第4の信号の振幅お
    よび位相の計測値に基づいて前記第3の光の減衰特性を
    算出する、ことを特徴とする請求項1記載の減衰特性測
    定装置。
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