JP5654509B2 - 蛍光検出装置及び蛍光検出方法 - Google Patents
蛍光検出装置及び蛍光検出方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5654509B2 JP5654509B2 JP2012054654A JP2012054654A JP5654509B2 JP 5654509 B2 JP5654509 B2 JP 5654509B2 JP 2012054654 A JP2012054654 A JP 2012054654A JP 2012054654 A JP2012054654 A JP 2012054654A JP 5654509 B2 JP5654509 B2 JP 5654509B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- signal
- fluorescence
- optical
- laser light
- optical signal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 238000001917 fluorescence detection Methods 0.000 title claims description 40
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims description 25
- 230000003287 optical effect Effects 0.000 claims description 142
- 238000005259 measurement Methods 0.000 claims description 60
- 230000001678 irradiating effect Effects 0.000 claims description 9
- 230000008569 process Effects 0.000 claims description 5
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 description 23
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 22
- 238000005314 correlation function Methods 0.000 description 11
- 238000004458 analytical method Methods 0.000 description 10
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 9
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 9
- 230000003321 amplification Effects 0.000 description 8
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 8
- 238000003199 nucleic acid amplification method Methods 0.000 description 8
- 239000007850 fluorescent dye Substances 0.000 description 6
- 238000012937 correction Methods 0.000 description 5
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 description 4
- 239000007788 liquid Substances 0.000 description 4
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 4
- 102000053602 DNA Human genes 0.000 description 3
- 108020004414 DNA Proteins 0.000 description 3
- 230000005283 ground state Effects 0.000 description 3
- 229920002477 rna polymer Polymers 0.000 description 3
- 230000002269 spontaneous effect Effects 0.000 description 3
- 108090000790 Enzymes Proteins 0.000 description 2
- 102000004190 Enzymes Human genes 0.000 description 2
- 238000005311 autocorrelation function Methods 0.000 description 2
- 108010082025 cyan fluorescent protein Proteins 0.000 description 2
- 230000005281 excited state Effects 0.000 description 2
- PCHJSUWPFVWCPO-UHFFFAOYSA-N gold Chemical group [Au] PCHJSUWPFVWCPO-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 108090000623 proteins and genes Proteins 0.000 description 2
- 102000004169 proteins and genes Human genes 0.000 description 2
- 239000004065 semiconductor Substances 0.000 description 2
- 230000007704 transition Effects 0.000 description 2
- 108091005957 yellow fluorescent proteins Proteins 0.000 description 2
- 238000010521 absorption reaction Methods 0.000 description 1
- 238000013459 approach Methods 0.000 description 1
- 230000008859 change Effects 0.000 description 1
- 239000003153 chemical reaction reagent Substances 0.000 description 1
- 230000003111 delayed effect Effects 0.000 description 1
- 230000004069 differentiation Effects 0.000 description 1
- 238000000605 extraction Methods 0.000 description 1
- 230000004044 response Effects 0.000 description 1
- 230000001360 synchronised effect Effects 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
Description
蛍光検出装置及び蛍光検出方法を用いたフローサイトメータは、蛍光試薬でラベル化された細胞、DNA、RNA、酵素、蛋白等の測定対象物をシース液に流す。この測定対象物にレーザ光を照射することにより、測定対象物に付与された蛍光色素が蛍光を発する。フローサイトメータは、この蛍光を検出することにより、測定対象物の情報を取得することができる。
当該蛍光検出装置は、
強度変調したレーザ光を前記測定対象物に照射するレーザ光源部と、
前記測定対象物に前記レーザ光を照射したときに発せられる蛍光の光信号を2つに分けて第1の光信号と第2の光信号にする光学素子と、前記レーザ光を強度変調するための変調信号と同相の信号を用いたバイアス信号で第1の誘導放出を行うことにより、前記第1の光信号の増幅を行う第1の光増幅器と、前記レーザ光を強度変調するための変調信号に対して90度位相シフトした信号を用いたバイアス信号で第2の誘導放出を行うことにより、前記第2の光信号の増幅を行う第2の光増幅器と、前記第1の光信号を受光し、第1の電気信号を出力する第1の受光素子と、前記第2の光信号を受光し、第2の電気信号を出力する第2の受光素子と、を備える受光部と、
前記受光部から出力された前記第1の電気信号及び前記第2の電気信号を用いて、前記変調信号に対する前記蛍光の位相差を算出し、前記位相差から前記蛍光の蛍光緩和時間を求める処理部と、を有する。
当該蛍光検出方法は、
強度変調したレーザ光を前記測定対象物に照射するステップと、
前記測定対象物に前記レーザ光を照射したときに発せられる蛍光の光信号を2つに分けて第1の光信号と第2の光信号にするステップと、
前記レーザ光を強度変調するための変調信号を用いたバイアス信号で第1の誘導放出を行うことにより、前記第1の光信号の増幅を行うステップと、
前記レーザ光を強度変調するための変調信号に対して90度位相シフトした信号を用いたバイアス信号で第2の誘導放出を行うことにより、前記第2の光信号の増幅を行うステップと、
前記第1の誘導放出を行って得られる第1の光信号を受光して第1の電気信号を出力するステップと、
前記第2の誘導放出を行って得られる第2の光信号を受光して第2の電気信号を出力するステップと、
出力された前記第1の電気信号及び前記第2の電気信号を用いて、前記変調信号に対する前記蛍光の位相差を算出し、前記位相差から前記蛍光の蛍光緩和時間を求めるステップと、を有する。
<第1実施形態>
(フローサイトメータの構成)
まず、図1を参照して、第1実施形態のフローサイトメータの構成について説明する。図1は、本実施形態のフローサイトメータの一例を示す概略構成図である。フローサイトメータは、測定対象物12にレーザ光を照射し、レーザ光が照射された測定対象物12から発せられる蛍光を受光することにより、測定対象物12の情報を取得することができる。
フローサイトメータは、フローセル10と、レーザ光源部20と、第1受光部30と、第2受光部40と、制御部50と、分析装置60と、出力部70と、を備える。また、フローセル10の下流には、測定対象物12を回収するための容器16が配置される。以下、各構成について詳細に説明する。
図2に示すように、レーザ光源部20は、レーザ光源21と、レンズ系22と、レーザドライバ23とを有している。
レーザ光源21は、強度が一定のCW(連続波)レーザ光を強度変調して出射する。
レンズ系22は、レーザ光源21から出射されたレーザ光を、フローセル10中の所定の測定点(測定場)に集束させる。
レーザドライバ23は、後述する制御部50と電気的に接続されており、制御部50から供給された変調信号の周波数(変調周波数)でレーザ光の強度を変調するように構成されている。
なお、レーザ光源部20は、1つのレーザ光源を用いてもよいし、複数のレーザ光源を用いてもよい。複数のレーザ光源が用いられる場合には、複数のレーザ光源からのレーザ光がダイクロイックミラー等を用いて合成されることにより、測定場に向けて出射されるレーザ光が形成されることが好ましい。
第1受光部30は、例えば、フォトダイオード等の光電変換器を備える。光電変換器は、受光した前方散乱光を電気信号に変換する。
第1受光部30の光電変換器によって変換された電気信号は分析装置60へ出力され、当該電気信号は、測定対象物12がフローセル10の測定場を通過するタイミングを知らせるためのトリガ信号として用いられる。
また、第1受光部30は、例えば、前方散乱光を光電変換器に集束させるレンズ系(図示省略)と、レーザ光が光電変換器に直接入射しないようにレンズ系の測定対象物12側前面に設けられた遮蔽板(図示省略)とを有してもよい。
図3に示すように、第2受光部40は、レンズ系41と、ダイクロイックミラー42と、ハーフミラー43と、バンドパスフィルタ(BPF)44a,44bと、光増幅器45a,45bと、信号処理部46a,46bと、パワースプリッタ47と、90度位相シフタ48と、を有する。
レンズ系41は、第2受光部40に入射した光を集光する。
ダイクロイックミラー42は、レンズ系41を透過した光のうち、レーザ光の側方散乱光の波長領域の光を反射し、蛍光の波長領域を含む波長領域の光を透過させるミラーである。なお、レーザ光の側方散乱光の波長領域の光は、ダイクロイックミラー42によって反射された後、光吸収素子42aによって吸収される。
ハーフミラー43は、ダイクロイックミラー42を透過した蛍光の一部を透過させるとともに、残りの蛍光を反射することにより、蛍光を2方向に分配するミラーである。なお、ハーフミラー43の代わりに、ビームスプリッタを用いてもよい。
BPF44a,44bは、光増幅器45a,45bそれぞれの前面に設けられ、所定の波長帯域の蛍光のみを透過させるフィルタである。なお、透過させる蛍光の波長帯域は、蛍光色素14が発する蛍光の波長帯域に対応して設定されている。また、BPF44a,44bの代わりに、バンドリジェクトフィルタを用いてもよい。
また、光増幅器45a,45bは、パワースプリッタ47を介して制御部50と電気的に接続されており、制御部50から送信された変調信号でバイアスされている。また、光増幅器45bは、90度位相シフタ48を介してパワースプリッタ47と接続されている。制御部50から送信された変調信号は、パワースプリッタ47により分配される。そして、光増幅器45aには、制御部50から送信された変調信号と同相の信号が供給される。一方、光増幅器45bに供給される信号は、90度位相シフタ48によって、制御部50から送信された変調信号に対して90度位相がシフトしている。これにより、光増幅器45a,45bのそれぞれを構成するレーザ媒質の原子あるいは分子は、変調信号により励起される。そして、蛍光が入射すると、レーザ媒質の原子あるいは分子が誘導放出することにより、光増幅器45a,45bに入射した蛍光は増幅される。
光増幅器45a,45bを用いることにより、蛍光の光信号が電気信号に変換される前に蛍光の光信号を増幅することができる。
光増幅器45aを構成するレーザ媒質の原子あるいは分子は、変調信号のエネルギーを吸収すると、基底状態から励起状態に遷移し、一定時間後に光を放出(自然放出)して、再び基底状態に戻る。また、励起状態の原子あるいは分子は、変調信号と同じ周波数の光信号(蛍光信号)が入射されると、同一方向に向けて連鎖反応的に光を放出(誘導放出)する。レーザ媒質の原子あるいは分子が単位時間あたりに自然放出、吸収または誘導放出する確率は、それぞれA、B12W、B21Wで表される。ここで、Wは入射光のエネルギー密度であり、A,B12,B21は状態が遷移する確率である。また、原子あるいは分子の集団が熱平衡状態にある場合、B12=B21であることから、以降ではB12及びB21のそれぞれを単にBと表す。
基底状態の原子あるいは分子の密度(占位数)をN1、励起状態の原子あるいは分子の密度(占位数)をN2としたとき、N1,N2の時間変化を表す微分方程式(レート方程式)は、以下の式(1)のように示される。下記の式(1)では、励起状態の原子あるいは分子の密度の時間変化(式(1)の左辺)は、励起状態の原子あるいは分子の自然放出の発生頻度(式(1)の右辺第1項)と、誘導放出の発生頻度(式(1)の右辺第2項)に応じて低減することを示している。
このようにして、光増幅器45aは、変調信号を用いたバイアス信号で誘導放出を行うことにより、蛍光の光信号の増幅し、これによりミキシングした結果を得ることができる。なお、光増幅器45aから出力された蛍光の光信号の低周波成分は、後述する信号処理部46aにおいて、変調信号に対する蛍光の位相差の情報である実数部成分(Re成分)として得られる。
また、光増幅器46bは、制御部50から送信された変調信号に対して90度位相シフトした信号を用いたバイアス信号で誘導放出を行うことにより、光増幅器45aと同様に、蛍光の光信号を増幅する。このとき、光増幅器46bは、蛍光の光信号とバイアス信号とをミキシングした結果を得ることができる。なお、光増幅器45bから出力された蛍光の光信号の低周波成分は、後述する信号処理部46bにおいて、変調信号に対する蛍光の位相差の情報である虚数部成分(Im成分)として得られる。
光電変換器462は、例えばフォトダイオードや光電子増倍管等であり、光信号を受光し、光信号を電気信号に変換して出力する受光素子を有している。ここで、フォトダイオードは、光電子増倍管と比べて、量子効率が優れている一方で、増幅率が劣るという特性を有している。このため、蛍光の光信号を増幅する光電変換器を用いて蛍光を検出する従来技術の構成では、フォトダイオードを光電変換器に用いることが困難であった。一方、本実施形態では、蛍光の光信号が光増幅器45a,45bによって増幅されていることから、光電変換器で光信号を増幅させなくてもよい。これにより、本実施形態では、従来技術において光電変換器に用いることが困難であったフォトダイオードを、光電変換器462に用いることができる。
LPF463は、光電変換器462から出力された蛍光の電気信号のうち、変調信号の周波数と蛍光信号の周波数との加算周波数を成分とする高周波成分を除去し、変調信号の周波数と蛍光信号の周波数との差分周波数を成分とする低周波成分を通過させるためのフィルタである。これにより、蛍光の電気信号の実数部成分(Re成分)が、信号処理部46aのLPF463から出力され、蛍光の電気信号の虚数部成分(Im成分)が、信号処理部46bのLPF463から出力される。また、LPF463から低周波信号が出力されることにより、LPF463以降の信号処理において、高周波回路よりも製作するのが容易な低周波回路を用いてフローサイトメータを構成することができる。
なお、光電変換器462に低速な受光素子を用いた場合、電気信号の高周波成分が受光素子において自ずと除去されるので、例えば、光電変換処理後に、電気信号用のフィルタを用いて電気信号の高周波成分を除去する処理を行なくてもよい。これにより、信号処理部46a,46bの部品点数を低減することができるので、結果として、フローサイトメータの製造コストを低減することができる。
信号処理部46aのA/D変換器464は、LPF463から出力された蛍光の電気信号のRe成分をデジタルデータに変換する。信号処理部46bのA/D変換器464は、LPF463から出力された蛍光信号のIm成分をデジタルデータに変換する。変換されたデジタルデータのそれぞれは、分析装置60に供給される。
発振器51から出力された所定の周波数の正弦波信号(変調信号)は、パワースプリッタ52により、2つのアンプ53,54に分配される。アンプ53で増幅された変調信号
は、レーザ光源部20へ出力される。また、アンプ54で増幅された変調信号は、第2受光部40へ出力される。アンプ54で増幅された変調信号を第2受光部40へ出力するのは、前述したように、変調信号を、第2受光部40の光増幅器45a,45bのバイアス信号として用いるためである。
なお、分析装置60は、本発明における処理部の一例である。
なお、位相差算出部61は、算出された位相差θの代わりに、補正された位相差θ1を算出して、位相差θ1を蛍光緩和時間算出部62に送信してもよい。ここで、補正された位相差θ1は、位相差θと補正位相θ´とを用いてθ−θ´を算出することにより求められる。また、補正位相θ´は、分析装置60に設けられた記憶装置(図示省略)に予め記憶保持されており、以下のように求められる。すなわち、既知の蛍光緩和時間で蛍光を発する既知の蛍光色素を測定対象物12として、この測定対象物12の蛍光が測定される。このとき、補正された位相差θ−θ´から求められる蛍光緩和時間τが、蛍光色素の持つ既知の蛍光緩和時間に一致するように、補正位相θ´が定められる。このように、補正位相θ´は、計測結果が、既知の蛍光緩和時間に一致するように較正するための補正量である。
蛍光緩和時間算出部62は、位相差算出部61から受信した位相差θ(または、補正された位相差θ1)を用いて、蛍光緩和時間τをτ=tanθ/(2πf)に従って求める。蛍光緩和時間τを、上記式に従って求めることができるのは、蛍光は、略1次遅れの緩和応答に従うからである。
以上が本実施形態のフローサイトメータの概略構成である。
図7は、本実施形態の蛍光検出方法のフローの一例を説明する図である。本実施形態の蛍光検出方法は、測定対象物12にレーザ光を照射し、レーザ光が照射された測定対象物12から発せられる蛍光を受光することにより、測定対象物12の情報を取得することができる。
まず、制御部50の発振器51は、所定の周波数の正弦波信号を変調信号として生成し(ステップS1)、生成された変調信号をレーザ光源部20及び第2受光部40に供給する(ステップS2)。
一方、第2受光部40の光増幅器45a,45bは、発振器51から供給された変調信号を用いたバイアス信号でバイアスされている。測定場を通過する測定対象物12にレーザ光が照射された際に発せられる蛍光が第2受光部40に受光されると、光増幅器45a,45bは、蛍光の光信号の増幅を行う(ステップS4)。これにより、変調信号に対する蛍光の位相差の情報であるRe成分を含む光信号と、変調信号に対する蛍光の位相差の情報であるIm成分を含む光信号とがそれぞれ増幅される。また、光増幅器45a,45bにて増幅された光信号は、信号処理部46a,46bにおいてデジタルデータに変換される。このとき、蛍光信号のRe成分及びIm成分のデジタルデータが出力される。
そして、蛍光緩和時間算出部62は、位相差算出部61が算出した位相差θを用いて、蛍光緩和時間τを求める(ステップS6)。
出力部70は、求められた蛍光緩和時間τ等の情報を出力する。
また、変調信号を用いたバイアス信号でバイアスされた光増幅部45a,45bが蛍光の光信号を増幅することにより、蛍光の光信号とバイアス信号とがミキシングされる。このため、例えば、電気信号を混合するためのミキサー等の混合器を設ける必要がない。したがって、光信号を増幅するための装置と、混合器とを個別に設ける必要がないので、部品点数を低減することができ、フローサイトメータの製造コストを低減することができる。
図8を参照して、上記実施形態の変形例について説明する。図8は、図3に示した第2受光部の変形例を説明する図である。
上記実施形態では、蛍光の光信号を2つに分配して光増幅器45a,46bに入射することにより、蛍光の位相差のRe成分を含む光信号が光増幅器45aから出力され、蛍光の位相差のIm成分を含む光信号が光増幅器45bから出力されるように構成されている。本変形例では、図8に示すように、蛍光の光信号を1つの光増幅器45aに入射するように構成した点において上記実施形態と異なる。
本変形例の光増幅器45aは、位相シフタ49を介して制御部50と電気的に接続されている。位相シフタ49は、制御部50から受信した変調信号を光増幅器45aに送信する。また、位相シフタ49は、所定時間(例えば数マイクロ秒)経過する毎に制御部50から所定の制御信号を受信すると、変調信号の位相を切替えて光増幅器45aに送信する。具体的には、位相シフタ49は、制御部50から送信された変調信号と同相の正弦波信号を光増幅器45aに送信し、制御部50から制御信号を受信すると、制御部50から送信された変調信号に対して90度位相シフトした余弦信号を光増幅器45aに送信する。
これにより、蛍光の位相差のRe成分を含む光信号と、蛍光の位相差のIm成分を含む光信号とを、1つの光増幅器45aから出力することができる。
また、本変形例では、蛍光の光信号を2つに分配する必要がないので、上記実施形態のハーフミラー43、BPF44b、光増幅器45b、信号処理部46b、パワースプリッタ47を設ける必要がない。このため、部品点数を低減して、フローサイトメータの製造コストを低減することができる。
以下に、第2実施形態の蛍光検出装置及び蛍光検出方法を適用したフローサイトメータについて説明する。第2実施形態のフローサイトメータの構成は、第1実施形態のフローサイトメータの構成とほぼ同じである。第2実施形態のフローサイトメータが第1実施形態のフローサイトメータと異なる点は、信号値が符号化された信号(符号化系列信号)を、レーザ光を強度変調するための変調信号及びバイアス信号として用いる点にある。具体的には、本実施形態の発振器51の構成が、第1実形態の発振器51の構成と異なっている。
発振器51は、所定の符号化系列信号を生成し、この符号化系列信号を、アンプ53,54に供給する。発振器51は、変調信号としてレーザ光源部20に供給される符号化系列信号の生成と、光増幅器45a,45bのバイアス信号として第2受光部40に供給される符号化系列信号の生成を繰り返し行う。
なお、符号化系列信号として、信号値が所定長さで符号化された信号であって、ビット方向にビット単位でシフトすることにより、シフト前の信号とシフト後の信号とが互いに略直交するように構成された信号が用いられる。ビット方向とは、信号値の配列方向をいう。このような符号化系列信号として、例えば、PN符号化系列信号が好適に用いられる。PN符号化系列信号は、M系列あるいはGold系列の符号を用いた信号であることが好ましく、特に、M系列が後述する相関特性の点で好ましい。
なお、M系列とは、発振器20が、シフトレジスタ符号発生器を有し、このシフトレジスタ符号発生器は、m段(mは自然数)のシフトレジスタと、シフトレジスタの各段の状態の論理結合をシフトレジスタの入力へフィードバックする論理回路とで構成されるとき、信号長さLが2m−1で表されたものをいう。Gold系列は、2つのM系列を、同期してビットごとに加算したものである。従って2つの符号発生器の位相関係は不変であり、生成される系列の長さはもとになる系列の長さと同じ長さであるが、M系列にはならないものである。
PN符号化系列信号は、一例を挙げると以下のように作成されるPN系列符号のデータを用いて信号化したものである。
次数k=5、符号系列の長さn=31とし、係数h1=1,h2=1,h3=0,h4=1,h5=1とし、初期値a0=1,a1=1,a2=0,a3=1,a4=0としたとき下記式(15)に示す漸化式で一意的にPN系列符号C={ak}(kは自然数)を求めることができる。
この符号化系列信号を生成するために用いられる系列符号C,Tq1・C,Tq2・Cは、互いに直交する特性を有するので、生成される符号化系列信号も互いに直交する性質を有する。
すなわち、系列符号CとC´は自己相関性を持ち、かつ略直交性を有するといえる。
このようなPN系列符号の値を0,1として時系列信号としたのがPN符号化系列信号である。
発振器51は、このようなPN符号化系列信号を生成する。
パラレル・シリアル変換器51b,51cを用いるのは、符号化系列信号を高速化させるためである。また、クロック信号発生器51fを用いるのは、パラレル・シリアル変換器51b,51cのシリアル信号として生成され、アンプ53及びアンプ54に送られる2つの符号化系列信号を同期あるいは遅延時間を制御するためである。同期あるいは遅延時間を制御するのは、光増幅器45a,45bを用いた増幅処理のとき、アンプ54に送られる符号化系列信号が、光増幅器45a,45bにて蛍光の光信号とミキシングされることにより、光増幅器45a,45bに入射する蛍光の光信号との間で相関関数を作成するためである。なお、光増幅器45a,45bに入射する蛍光の光信号は、アンプ53に送られる符号化系列信号によって変調されている。
発振器51は、分析装置60からのパルス信号、あるいは図示されない制御装置からのパルス信号、に応じて、符号化系列信号を繰り返し生成する。
光増幅器45a,45bでの増幅時におけるミキシングでは、遅延した符号化系列信号をa(t+Δ)とし、入射光(蛍光)の光信号をb(t)としたとき、a(t+Δ)×b(t)の演算を行う。ここでΔは、遅延時間であり、Δ=k・Δt(kは自然数であり、データポイント上の1ビットのシフト量を表す)である。
また、位相差算出部61は、符号化系列信号の1周期の時間のうち相関関数の値が最大となる遅延時間Δ1を求め、求められた遅延時間Δ1を用いて2πf・Δ1(fは変調周波数の値である)を算出することにより、変調信号に対する蛍光の位相差θを算出する。なお、位相差算出部61において求められる相関関数は、回路の帯域が無限大である場合、自己相関関数となる。
蛍光緩和時間算出部62は、位相差算出部61から受信した位相差θを用いて、蛍光緩和時間τをτ=tanθ/(2πf)に従って求める。
したがって、符号化系列信号を用いて蛍光検出を行う場合、測定場における測定対象物12の滞在時間を長くすることが好ましく、例えば、蛍光顕微鏡に本実施形態の蛍光検出装置及び蛍光検出方法を適用することが好ましい。
12 測定対象物
20 レーザ光源部
30 第1受光部
40 第2受光部
45a,45b 光増幅器
50 制御部
51 発振器
60 分析装置
61 位相差算出部
62 蛍光緩和時間算出部
70 出力部
Claims (3)
- 測定対象物にレーザ光を照射したときに発せられる蛍光を検出する蛍光検出装置であって、
強度変調したレーザ光を前記測定対象物に照射するレーザ光源部と、
前記測定対象物に前記レーザ光を照射したときに発せられる蛍光の光信号を2つに分けて第1の光信号と第2の光信号にする光学素子と、前記レーザ光を強度変調するための変調信号と同相の信号を用いたバイアス信号で第1の誘導放出を行うことにより、前記第1の光信号の増幅を行う第1の光増幅器と、前記レーザ光を強度変調するための変調信号に対して90度位相シフトした信号を用いたバイアス信号で第2の誘導放出を行うことにより、前記第2の光信号の増幅を行う第2の光増幅器と、前記第1の光信号を受光し、第1の電気信号を出力する第1の受光素子と、前記第2の光信号を受光し、第2の電気信号を出力する第2の受光素子と、を備える受光部と、
前記受光部から出力された前記第1の電気信号及び前記第2の電気信号を用いて、前記変調信号に対する前記蛍光の位相差を算出し、前記位相差から前記蛍光の蛍光緩和時間を求める処理部と、を有する、
ことを特徴とする蛍光検出装置。 - 前記光増幅器は、前記変調信号に対する前記蛍光の位相差の情報を含む光信号を出力する、請求項1に記載の蛍光検出装置。
- 測定対象物にレーザ光を照射したときに発せられる蛍光を検出する蛍光検出方法であって、
強度変調したレーザ光を前記測定対象物に照射するステップと、
前記測定対象物に前記レーザ光を照射したときに発せられる蛍光の光信号を2つに分けて第1の光信号と第2の光信号にするステップと、
前記レーザ光を強度変調するための変調信号を用いたバイアス信号で第1の誘導放出を行うことにより、前記第1の光信号の増幅を行うステップと、
前記レーザ光を強度変調するための変調信号に対して90度位相シフトした信号を用いたバイアス信号で第2の誘導放出を行うことにより、前記第2の光信号の増幅を行うステップと、
前記第1の誘導放出を行って得られる第1の光信号を受光して第1の電気信号を出力するステップと、
前記第2の誘導放出を行って得られる第2の光信号を受光して第2の電気信号を出力するステップと、
出力された前記第1の電気信号及び前記第2の電気信号を用いて、前記変調信号に対する前記蛍光の位相差を算出し、前記位相差から前記蛍光の蛍光緩和時間を求めるステップと、を有する、
ことを特徴とする蛍光検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012054654A JP5654509B2 (ja) | 2012-03-12 | 2012-03-12 | 蛍光検出装置及び蛍光検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012054654A JP5654509B2 (ja) | 2012-03-12 | 2012-03-12 | 蛍光検出装置及び蛍光検出方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013190221A JP2013190221A (ja) | 2013-09-26 |
JP5654509B2 true JP5654509B2 (ja) | 2015-01-14 |
Family
ID=49390658
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012054654A Expired - Fee Related JP5654509B2 (ja) | 2012-03-12 | 2012-03-12 | 蛍光検出装置及び蛍光検出方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5654509B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
MY181662A (en) * | 2014-10-13 | 2020-12-31 | Mimos Berhad | A system and method to extract phase shift of a fluorescence signal |
DE102015112628A1 (de) * | 2015-07-31 | 2017-02-02 | Carl Zeiss Microscopy Gmbh | Verfahren zur Erzeugung eines digitalen Fluoreszenzbildes |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3364333B2 (ja) * | 1994-09-19 | 2003-01-08 | 浜松ホトニクス株式会社 | 減衰特性測定装置 |
JPH08122057A (ja) * | 1994-10-27 | 1996-05-17 | Kubota Corp | 光学式測距装置 |
JP4564567B2 (ja) * | 2009-02-13 | 2010-10-20 | 三井造船株式会社 | 蛍光検出装置及び蛍光検出方法 |
-
2012
- 2012-03-12 JP JP2012054654A patent/JP5654509B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013190221A (ja) | 2013-09-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4767300B2 (ja) | 蛍光寿命測定方法および装置 | |
JP4384064B2 (ja) | 強度変調したレーザ光による蛍光検出装置 | |
CN110114691B (zh) | 混合直接探测与相干光探测和测距*** | |
JP4523673B1 (ja) | 蛍光検出装置及び蛍光検出方法 | |
EP2390652A1 (en) | Fluorescence detection device and fluorescence detection method | |
KR101236449B1 (ko) | 강도 변조한 레이저광에 의한 형광 검출 장치 및 형광 검출 방법 | |
JP2011232138A (ja) | 分布型光ファイバセンサ | |
JP4540751B1 (ja) | 蛍光検出装置及び蛍光検出方法 | |
JPWO2010032452A1 (ja) | 強度変調したレーザ光による蛍光検出装置および蛍光検出方法 | |
JP4980490B2 (ja) | 蛍光測定装置及び蛍光測定方法 | |
CN109884654B (zh) | 基于扩频调制的激光测距***和方法 | |
JP2012063146A (ja) | 分布型光ファイバセンサ | |
JP5654509B2 (ja) | 蛍光検出装置及び蛍光検出方法 | |
JP5461510B2 (ja) | 蛍光検出装置及び蛍光検出方法 | |
JP4620786B2 (ja) | 蛍光検出方法、蛍光検出装置及びプログラム | |
JP4579121B2 (ja) | 蛍光測定装置 | |
JP2013200285A (ja) | 蛍光検出装置及び蛍光検出方法 | |
JP2020034546A (ja) | 測定装置および測定方法 | |
JP5324487B2 (ja) | 蛍光検出用較正装置、蛍光検出用較正方法、および蛍光検出装置 | |
JP6425242B2 (ja) | 変調光検出のsn比を向上する方法 | |
JP2013200128A (ja) | 蛍光検出装置及び蛍光検出方法 | |
JP2021173657A (ja) | 撮像システムおよび撮像方法 | |
CN106290271A (zh) | 一种基于正交m序列调制的离散三维荧光光谱快速测量方法及测量*** |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140121 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140212 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140409 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20141021 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20141120 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5654509 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |