JP3335492B2 - 薄膜の堆積装置 - Google Patents

薄膜の堆積装置

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JP3335492B2 JP32697294A JP32697294A JP3335492B2 JP 3335492 B2 JP3335492 B2 JP 3335492B2 JP 32697294 A JP32697294 A JP 32697294A JP 32697294 A JP32697294 A JP 32697294A JP 3335492 B2 JP3335492 B2 JP 3335492B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CVD(Chemical Vapo
r Deposition、化学気相堆積)法により基板上に各種の
薄膜を形成する薄膜の堆積装置に関するものであって、
とくに該堆積装置を構成する気化器及び反応室の改良に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体メモリーやデバイスの集積
化が急速に進んでおり、例えばダイナミックランダムア
クセスメモリー(DRAM)では、3年間にビット数が4
倍になるといった急激なペースである。これはデバイス
の高速化、低消費電力化、低コスト化等を図るためであ
る。しかしながら、いかに集積度が向上しても、DRA
Mの構成要素であるキャパシタは、一定の容量をもたな
ければならない。このため、キャパシタ材料の膜厚を薄
くする必要があるが、従来より用いられているSiO2
料では薄膜化がすでに限界に達している。そこで、材料
を誘電率の高いものに変更してキャパシタの容量を高め
るといった手法が試みられ、このため高誘電率材料を利
用するための研究が最近注目を集めている。
【0003】このようなキャパシタ用材料に要求される
特性としては、上記のように高誘電率でありかつ十分な
薄膜化が可能であることと、リーク電流が小さいことと
が最も重要である。すなわち、高誘電率材料を用いた上
で、膜厚をできる限り薄くし、かつリーク電流をできる
だけ少なくする必要がある。一般的には、膜厚をSiO2
換算膜厚で1nm以下にし、1.1V印加時のリーク電流
密度を10-8A/cm2のオーダ以下にすることが大まか
な開発目標とされている。このような観点から、酸化タ
ンタル、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジル
コン酸ランタン鉛(PLZT)、チタン酸ストロンチウム
あるいはチタン酸バリウム等の酸化物系誘電体膜が各種
成膜法を用いて種々検討されている。一般に、段差のあ
るDRAMのキャパシタ用電極上に薄膜を形成するに
は、複雑な形状の物体への付き周り性が良好なCVD法
による成膜がプロセス上非常に有利である。しかしなが
ら、現時点ではCVD用原料として安定で良好な気化特
性を備えたものが存在しないということが大きな問題と
なっている。これは、主としてCVD用原料として多用
されているβ−ジケトン系のジピバロイルメタン(DP
M)化合物の加熱による気化特性が良好でないことによ
る。したがって、原料に起因するこのような欠点のため
に、性能が良好でかつ作製再現性のよい誘電体薄膜を形
成する技術は未だ確立されていない現状にある。
【0004】このような状況下において、本発明者ら
は、従来の固体原料をテトラヒドロフラン(THF)とい
う有機溶剤に溶解してなる気化性を飛躍的に向上させた
CVD原料を提案している(特願平4−252836
号)。しかしながら、本発明者らが、このようなCVD
原料を用いて、SiO2膜作製用などの従来の液体原料用
のCVD法による薄膜の堆積装置(以下、これを液体原
料用CVD装置という)を用いて誘電体膜の作製を試み
たところ、装置上種々の問題点があることがわかった。
【0005】図23は、従来技術による液体原料用CV
D装置の概略構造を示す模式図である。なお、ここでは
液体のCVD原料として固体原料であるSr(DPM)2
THF(テトラヒドロフラン)に溶解させた溶液を使用
し、かつTTIP[Ti(O−i−C37)4]及びO2を使用
して基板上にチタン酸ストロンチウム[SrTiO3]膜を
成膜する例について説明する。図23において、1は希
釈ガス管であり、2は希釈ガス量調整器であり、3は接
続管であり、4は気化器であり、5は液体原料容器であ
り、6は液体原料供給器であり、18は加圧管であり、
7は噴霧ノズルであり、8は気化器用の加熱ヒータであ
り、9は絞り部であり、10は原料ガス輸送管であり、
11は原料ガス輸送管用の加熱ヒータであり、12は原
料ガス供給孔であり、13は反応ガス供給管であり、1
4は反応室用の加熱ヒータであり、15は反応室であ
り、16は加熱ステージであり、17はシリコン等の成
膜基板である。
【0006】次に、図23に示すCVD装置の動作につ
いて説明する。気化器4がヒータ8により250℃程度
の所定温度まで加熱された後、希釈ガス量調整器2によ
り一定流量で希釈用不活性ガスを噴霧ノズル7周辺より
気化器4内に噴出させる。ここで液体原料供給器6より
一定流量で液体のCVD原料[Sr(DPM)2/THF]を
供給すると、この液体のCVD原料は噴霧ノズル7の先
端のエッヂ部で周囲の高速の希釈ガス流れによって大ま
かに微粒化され、気化器4の内壁の広い範囲に衝突して
瞬時に気化する。気化ガスは原料ガス輸送管10を通し
て反応室15に輸送され、バブリングにより供給される
Ti原料TTIP[Ti(O−i−C37)4]や酸化ガス(例
えば、O2、N2O)と混合される。混合ガスは、一定圧
力に保たれた反応室15に導入され、加熱ステージ16
により加熱された基板17の表面にCVD反応によるS
T膜[SrTiO3]を形成する。なお薄膜形成に寄与しな
かった混合ガスは、排気部(排気ライン)より真空ポンプ
を介して外部に排出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなCVD原料を用いて上記のような従来の液体原料用
CVD装置で薄膜の形成を行なう場合、次に述べるよう
な問題があった。 (1)250℃に保持された気化器内で気化したCVD原
料ガスを凝縮・分解させずに反応室へ供給するには、気
化器から反応室までの配管を250℃で均一に保温する
必要がある。そこで、SUS製のチューブ及びバルブか
らなる配管をリボンヒーターで250℃に保温している
が、リボンヒーターから外気への放熱量が多いので熱効
率が悪い、あるいは配管各部における温度均一性が悪い
などといった問題があった。
【0008】(2)液体原料を用いたCVD法により得ら
れるBST膜は、原料劣化等の原因のため組成・膜質に
関して良好な再現性を得にくいといった問題があった。
これは、適当なin−situモニターシステムがないからで
ある。
【0009】(3)反応室内で基板を支持するサセプタは
従来よりC(カーボン)でつくられているが、この場合6
0枚程度の基板(ウエハ)上に成膜を行なうと、カーボン
の酸化のためにサセプタが劣化し、基板の温度が不均一
になってしまい、また成膜の回数を重ねる度に基板の温
度が変化してしまうなどといった問題があった。
【0010】(4)拡散板の温度は、加熱ステージからの
輻射熱量とガスヘッド上の冷却水への放熱量とによって
決まるが、これらを自由にコントロールすることができ
ないといった問題があった。
【0011】(5)気化器で気化したCVD原料ガスは、
反応ガスと混合され拡散板を通過して基板上で成膜反応
を行なうが、成膜に寄与しない反応生成物が反応室内壁
等に付着し、これに起因して基板上に異物がつくことが
あるといった問題があった。
【0012】(6)反応室底面は比較的温度が低く、成膜
に寄与しない反応生成物が凝縮して該底面に付着しやす
い。そして、この底面に堆積した異物が、反応室を真空
に引いたり大気圧に戻す際に舞い上がり、これに起因し
て基板上に異物がつくことがあるといった問題があっ
た。
【0013】(7)気化器で気化されて反応室に送り込
まれるCVD原料の組成比が不安定なため、これに伴っ
て基板上に形成される薄膜の組成比も不安定になるとい
った問題があった。
【0014】(8)液体のCVD原料は気化器の内壁に
衝突して気化されるので、気化器内壁に原料残渣物が付
着し、この付着物の粉が散らばり原料とともに反応室内
に混入するといった問題があった。
【0015】(9)気化器内壁に原料残渣物が付着して
汚れた場合、気化器内壁を洗浄するのが不便であるとい
った問題があった。
【0016】本発明は、従来の液体原料用CVD装置、
とくに有機金属化合物を用いるCVD装置における上記
のような問題点を解決するためになされたものであっ
て、液体のCVD原料の気化時及び成膜中において、気
化したCVD原料を安定して反応室へ供給することがで
き、反応生成物の凝縮等による発塵等を防止することが
でき、さらには組成ずれの無い良質な薄膜を基板上に精
度良く形成することができる手段を得ること等を目的と
するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、本発明の第1の態様は、有機金属錯体を溶媒に溶解
させてなるCVD原料を保持する原料容器と、該CVD
原料を定量供給する液体供給器と、該液体供給器から供
給されたCVD原料を加熱して気化させる気化器と、気
化したCVD原料を用いて基板上に薄膜を形成する反応
室とを有するCVD法による薄膜の堆積装置において、
気化したCVD原料の濃度を検出する質量分析計が設け
られ、該質量分析計のサンプリング部が気化器と反応室
との間のCVD原料供給系に臨んで配置されていること
を特徴とする。
【0018】本発明の第2の態様は、有機金属錯体を溶
媒に溶解させてなるCVD原料を保持する原料容器と、
該CVD原料を定量供給する液体供給器と、該液体供給
器から供給されたCVD原料を加熱して気化させる気化
器と、気化したCVD原料を用いて基板上に薄膜を形成
する反応室とを有するCVD法による薄膜の堆積装置に
おいて、気化したCVD原料の濃度を検出する光吸収セ
ルが設けられ、該光吸収セルのサンプリング部が気化器
と反応室との間のCVD原料供給系に臨んで配置されて
いることを特徴とする。
【0019】本発明の第3の態様は、有機金属錯体を溶
媒に溶解させてなるCVD原料を保持する原料容器と、
該CVD原料を定量供給する液体供給器と、該液体供給
器から供給されたCVD原料を加熱して気化させる気化
器と、気化したCVD原料を用いて基板上に薄膜を形成
する反応室とを有するCVD法による薄膜の堆積装置に
おいて、気化器に供給される液体のCVD原料を霧化さ
せる霧化機構が設けられていることを特徴とする。
【0020】本発明の第4の態様は、有機金属錯体を溶
媒に溶解させてなるCVD原料を保持する原料容器と、
該CVD原料を定量供給する液体供給器と、該液体供給
器から供給されたCVD原料を加熱して気化させる気化
器と、気化したCVD原料を用いて基板上に薄膜を形成
する反応室とを有するCVD法による薄膜の堆積装置に
おいて、上記気化器が、円筒形に形成されるとともに、
CVD原料が該気化器の接線方向に導入されるように形
成されていることを特徴とする。
【0021】本発明の第5の態様は、有機金属錯体を溶
媒に溶解させてなるCVD原料を保持する原料容器と、
該CVD原料を定量供給する液体供給器と、該液体供給
器から供給されたCVD原料を加熱して気化させる気化
器と、気化したCVD原料を用いて基板上に薄膜を形成
する反応室とを有するCVD法による薄膜の堆積装置に
おいて、上記気化器が、取り替えが可能な内壁を備えて
いることを特徴とする。
【0022】本発明の第6の態様は、有機金属錯体を溶
媒に溶解させてなるCVD原料を保持する原料容器と、
該CVD原料を定量供給する液体供給器と、該液体供給
器から供給されたCVD原料を加熱して気化させる気化
器と、気化したCVD原料を用いて基板上に薄膜を形成
する反応室とを有するCVD法による薄膜の堆積装置に
おいて、気化器に洗浄液を供給する洗浄液供給系と、気
化器を開閉することなく気化器内壁を上記洗浄液で洗浄
する洗浄機構とが設けられていることを特徴とする。
【0023】本発明の第7の態様は、有機金属錯体を溶
媒に溶解させてなるCVD原料を保持する原料容器と、
該CVD原料を定量供給する液体供給器と、該液体供給
器から供給されたCVD原料を加熱して気化させる気化
器と、気化したCVD原料を用いて基板上に薄膜を形成
する反応室とを有するCVD法による薄膜の堆積装置に
おいて、気化器を開閉することなく気化器内壁をスパッ
タエッチ洗浄する洗浄機構が設けられていることを特徴
とする。
【0024】本発明の第8の態様は、上記第7の態様に
かかる薄膜の堆積装置において、気化器内壁及び気化器
上板が、基板上に形成される薄膜と同一の材質の材料で
コーティングされていることを特徴とする。
【0025】本発明の第9の態様は、液体のCVD原料
を保持する原料容器と、該原料容器内のCVD原料を気
化部へ液体のままで供給する液体供給器と、該液体供給
器から供給された液体のCVD原料を高温にして気化さ
せる気化器と、気化したCVD原料を用いて基板上に薄
膜を形成する反応室とを有するCVD法による薄膜の堆
積装置において、反応室上に恒温ボックスが設けられ、
気化器と気化器から反応室への配管とが上記恒温ボック
ス内に収容されていることを特徴とする。
【0026】本発明の第10の態様は、上記第9の態様
にかかる薄膜の堆積装置において、内面に高温のN2
スが吹き付けられるKBr製窓が反応室に設けられ、反
応室内で形成中の薄膜に上記KBr製窓を通して反応室
外から赤外線を照射し、薄膜の形成を継続しつつ赤外吸
収分光(FT−IR)分析により該薄膜の膜質を分析する
膜質分析システムが設けられていることを特徴とする。
【0027】本発明の第11の態様は、上記第9の態様
にかかる薄膜の堆積装置において、内面に高温のN2
スが吹き付けられるBe製窓が反応室に設けられ、反応
室内で形成中の薄膜に上記Be製窓を通して反応室外か
らX線を照射し、薄膜の形成を継続しつつ蛍光X線(X
RF)分析により該薄膜の膜質を分析する膜質分析シス
テムが設けられていることを特徴とする。
【0028】本発明の第12の態様は、上記第9の態様
にかかる薄膜の堆積装置において、内面に高温のN2
スが吹き付けられる石英製窓が反応室に設けられ、反応
室内で形成中の薄膜に上記石英製窓を通して反応室外か
ら偏光した光を照射し、薄膜の形成を継続しつつ表面光
吸収法(SPA法)分析により該薄膜の膜質を分析する膜
質分析システムが設けられていることを特徴とする。
【0029】本発明の第13の態様は、上記第9の態様
にかかる薄膜の堆積装置において、反応室の排気部に、
CVD原料からの分解生成物量を検出する質量分析計
(QMS)を備えた排気分析システムが設けられているこ
とを特徴とする。
【0030】本発明の第14の態様は、上記第9の態様
にかかる薄膜の堆積装置において、基板を支持するサセ
プタが窒化ホウ素(BN)でつくられていることを特徴と
する。
【0031】本発明の第15の態様は、上記第9の態様
にかかる薄膜の堆積装置において、基板の温度を検出す
る熱電対が基板を支持するサセプタの外周部に配置され
ていることを特徴とする。
【0032】本発明の第16の態様は、上記第9の態様
にかかる薄膜の堆積装置において、反応室内の拡散板の
温度を制御するるヒータが設けられていることを特徴と
する。
【0033】本発明の第17の態様は、上記第9の態様
にかかる薄膜の堆積装置において、反応室の内壁が中空
部を有する二重構造とされ、上記中空部に冷却媒体を供
給する冷却手段が設けられていることを特徴とする。
【0034】本発明の第18の態様は、上記第9の態様
にかかる薄膜の堆積装置において、反応室の内壁がSi
2で被覆されていることを特徴とする。
【0035】本発明の第19の態様は、上記第9の態様
にかかる薄膜の堆積装置において、所定の回数の薄膜形
成が行われる毎に、バブリングによりTEOSを反応室
内に供給するTEOS供給システムが設けられているこ
とを特徴とする。
【0036】本発明の第20の態様は、上記第9の態様
にかかる薄膜の堆積装置において、所定の回数の薄膜形
成が行われる毎に、バブリングによりHFを反応室内に
供給するHF供給システムが設けられていることを特徴
とする。
【0037】本発明の第21の態様は、上記第9の態様
にかかる薄膜の堆積装置において、反応室の底部に、交
換可能な発塵抑制用メッシュが設けられていることを特
徴とする。
【0038】
【作用】本発明の第1の態様によれば、質量分析計によ
って成膜時に気化器から反応室内に送り込まれるCVD
原料の濃度が常時モニタリングされ、液体供給器(流量
コントローラ)を自動制御して膜組成比を調整すること
が可能となる。
【0039】本発明の第2の態様によれば、光吸収セル
(FT−IR)によって成膜時に気化器から反応室内に送
り込まれるCVD原料の濃度が常時モニタリングされ、
液体供給器(流量コントローラ)を自動制御して膜組成比
を調整することが可能となる。
【0040】本発明の第3の態様によれば、霧化機構に
よって液体のCVD原料が気化器に入る前に霧化させら
れるので、液体のCVD原料が気化器に入る前に均一な
微粒滴となる。
【0041】本発明の第4の態様によれば、気化器が円
筒形とされ、液体のCVD原料がキャリアガスとともに
接線方向(円周方向)に導入されるので、気化したCVD
原料を気化器の中心軸方向に排出すれば、気化残渣など
の発塵物が気化器内壁に付着する。
【0042】本発明の第5の態様によれば、気化器には
取り替え可能な内壁が設けられているので、成膜終了後
に内壁を取り替えることにより、気化器内壁の付着物を
除去することができる。
【0043】本発明の第6の態様によれば、成膜終了後
に気化器内に洗浄液を供給して、気化器を開閉すること
なくその内壁を洗浄することができる。
【0044】本発明の第7の態様によれば、気化器の内
壁に平板電極板を設けて成膜終了後にプラズマを発生さ
せるなどして、気化器内壁をスパッタエッチ洗浄するよ
うにしているので、気化器を開閉することなくその内壁
を洗浄することができる。
【0045】本発明の第8の態様によれば、基本的には
上記第7の態様と同様の作用が生じる。さらに、気化器
内壁及び気化器上板が、基板上に形成される薄膜と同一
の材質の材料でコーティングされているので、スパッタ
エッチ洗浄が促進される。
【0046】本発明の第9の態様によれば、気化器と気
化器から反応室までの配管とがすべて反応室上の恒温ボ
ックス内に納められるので、システムがシンプル化され
るとともに、熱効率が高められる。
【0047】本発明の第10の態様によれば、基本的に
は上記第9の態様と同様の作用が生じる。さらに、成膜
中の膜質が赤外吸収分光(FT−IR)分析によりin si
tuに分析されるので、薄膜の膜質のモニタリングが可能
となり、成膜中における膜質制御が可能となる。
【0048】本発明の第11の態様によれば、基本的に
は上記第9の態様と同様の作用が生じる。さらに、成膜
中の膜質が蛍光X線(XRF)分析によりin situに分析
されるので、薄膜の膜質のモニタリングが可能となり、
成膜中における膜質制御が可能となる。
【0049】本発明の第12の態様によれば、基本的に
は上記第9の態様と同様の作用が生じる。さらに、成膜
中の膜質が表面光吸収法(SPA法)分析によりin situ
に分析されるので、薄膜の膜質のモニタリングが可能と
なり、成膜中における膜質制御が可能となる。
【0050】本発明の第13の態様によれば、基本的に
は上記第9の態様と同様の作用が生じる。さらに、排気
部に設けられた質量分析計(QMS)によりTHF、Sr
(DPM)2等のCVD原料からの分解生成物量が検出(モ
ニタリング)されるので、原料供給量の異常等が即座に
検知される。
【0051】本発明の第14の態様によれば、基本的に
は上記第9の態様と同様の作用が生じる。さらに、従来
はC(カーボン)でつくられていたサセプタを耐酸化性の
高いBNでつくるようにしたので、サセプタの劣化が抑
制される。
【0052】本発明の第15の態様によれば、基本的に
は上記第9の態様と同様の作用が生じる。さらに、従来
はヒータ裏面に設置していた熱電対をサセプタ内に設け
ているので、基板に近い位置での温度モニタリングが可
能となる。
【0053】本発明の第16の態様によれば、基本的に
は上記第9の態様と同様の作用が生じる。さらに、拡散
板にヒータが設けられ、拡散板の温度制御が可能となる
ので、いかなる成膜条件下においても、拡散板の温度を
気化器の温度と一致させることができる。
【0054】本発明の第17の態様によれば、基本的に
は上記第9の態様と同様の作用が生じる。さらに、反応
室内壁が二重構造とされ、その内部に冷却媒体が導入さ
れるので、反応室内壁が冷却され、反応生成物等が反応
室内壁で凝縮され、発塵が抑制される。
【0055】本発明の第18の態様によれば、基本的に
は上記第9の態様と同様の作用が生じる。さらに、反応
室内壁がSiO2で被覆されるので、反応生成物等が反応
室内壁に付着しにくくなり、発塵が抑制される。
【0056】本発明の第19の態様によれば、基本的に
は上記第9の態様と同様の作用が生じる。さらに、所定
の回数の薄膜形成が行われる毎にバブリングによりTE
OSが反応室内に供給され、これによって反応室内壁が
SiO2で被覆されるので、反応生成物等が反応室内壁に
付着しにくくなり、発塵が抑制される。
【0057】本発明の第20の態様によれば、基本的に
は上記第9の態様と同様の作用が生じる。さらに、所定
の回数の薄膜形成が行われる毎にバブリングによりHF
が反応室内に供給され、これによって反応室内壁が洗浄
されるので、発塵が抑制される。
【0058】本発明の第21の態様によれば、基本的に
は上記第9の態様と同様の作用が生じる。さらに、反応
室底部に交換可能な発塵抑制用メッシュが設けられるの
で、発塵が抑制される。
【0059】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。 <第1実施例>まず、本発明の第1実施例を添付の図面
を参照しつつ具体的に説明する。この第1実施例では、
CVD原料として固体原料であるBa(DPM)2、Sr(D
PM)2、TiO(DPM)2 をTHF(テトラヒドロフラ
ン)に溶解させた溶液を用い、(Ba,Sr)TiO3[BS
T]薄膜を基板上に成膜する例を示す。なお、前記の従
来の技術と重複する箇所は適宜その説明を省略する。
【0060】図1は、本発明の第1実施例にかかるCV
D法による薄膜の堆積装置(CVD装置)の概略構成図で
ある。図1において、20は気化器4と反応室15の間
の原料ガス輸送管10に臨んでサンプリング部が設けら
れた質量分析計である。その他の構成は、図23に示す
従来のCVD装置と同様である。
【0061】次に、このCVD装置の動作について説明
する。このCVD装置における成膜の手順は従来技術と
同様である。そして、成膜中に、気化器4で気化され原
料ガス輸送管10を経て反応室15に供給されるCVD
原料とキャリアガスとの混合気の一部をサンプリング
し、これを質量分析計20で分析(モニタリング)する。
図8に、Sr系原料のSr(DPM)2 分子を質量分析計で
測定した際に得られる信号の一例を示す。図8に示すデ
ータにおいて、マスナンバーm/z=397の信号強度
と、絶対量が既知のキャリアガスN2 (m/z=28)あ
るいはAr (m/z=40)の信号強度の比からSrの濃
度を算定することができる。また、Ba、Tiの濃度も同
様に算定することができる。このようにして算定された
Ba、Sr、Ti濃度に基づいて液体原料供給器6のマス
フローコントローラを調整し、目標とするCVD原料の
流量を決定する。
【0062】以上の説明のとおり、第1実施例にかかる
CVD装置では、気化器4と反応室15との間の配管に
質量分析計20を設けているので、成膜中に反応室15
に供給されるCVD原料中のBa、Sr、Ti濃度をモニ
タすることができる。これにより基板上に形成される薄
膜(BST膜)中のBaとSrとTiの比を安定化させるこ
とができる。
【0063】<第2実施例>以下、本発明の第2実施例
を添付の図面に基づいて具体的に説明する。この第2実
施例では、CVD原料として固体原料であるBa(DP
M)2、Sr(DPM)2、TiO(DPM)2 をTHF(テトラ
ヒドロフラン)に溶解させた溶液を用い、BST薄膜を
成膜する例を示す。なお、前記の従来の技術と重複する
箇所は適宜その説明を省略する。図2は、第2実施例に
かかるCVD装置の概略構成図である。図2において、
21は赤外線吸収分析 (FT−IR)装置の光源であ
り、22〜25はKBr製窓であり、26は赤外吸収管
であり、27はFT−IR装置の光源21から出た赤外
光線であり、28と29とはそれぞれFT−IR装置の
分光器と検知器とであり、30〜35は開閉バルブであ
り、36は赤外吸収管26にN2ガスを供給するN2ガス
供給管であり、37は赤外吸収管26を真空引きするた
めの排気管である。
【0064】次に、このCVD装置の動作について説明
する。まず、開閉バルブ30、31を閉じる。そして、
開閉バルブ33を閉じる一方、開閉バルブ34を開いて
排気管37から赤外吸収管26を真空引きする。十分に
真空引きが行われた後で開閉バルブ34を閉じる。次
に、開閉バルブ32、35を閉じる一方、開閉バルブ3
0、31を開いて気化器4で気化されたCVD原料が赤
外吸収管26を通って反応室15に導入されるようにす
る。FT−IRの光源21から出た赤外光線27は赤外
吸収管26内のCVD原料中を通過して分光器28及び
検知器29で検知される。図9(a)〜(c)に、それぞれT
HFにBa(DPM)2、Sr(DPM)2、TiO(DPM)2
を溶かした溶液の赤外吸収スペクトルの一例を示す。図
9において、Ba(DPM)2 とSr(DPM)2 とは145
0cm-1の吸収ピークから、TiO(DPM)2は1520cm
-1あるいは650cm-1の吸収ピークからそれぞれモル濃
度を算定することができる。さらに、キャリアガスN2
の流量を考慮するとBa(DPM)2、Sr(DPM)2、Ti
O(DPM)2 の供給量を算定することができる。このよ
うにして算定されたBa、Sr、Ti濃度に基づいて液体
原料供給器6のマスフローコントローラを調整し、目標
とするCVD原料の流量を決定する。なお、赤外吸収管
26は加熱されて原料ガス輸送管10と同一温度に保た
れている。また、KBr製窓22、25の原料残渣物の
付着による曇りを防止するため、これらの内側にもう一
重のKBr製窓23、24が設けられている。内側のK
Br製窓23、24は外側のKBr製窓22、25よりも
高温になるのでCVD原料蒸気の凝縮が発生しない。測
定が終了したら開閉バルブ34を開き、赤外吸収管26
を十分に真空引きした後、開閉バルブ34を閉じる一方
開閉バルブ33を開いてN2を赤外吸収管26内に導入
する。なお、通常の成膜時には開閉バルブ30、31を
閉じる一方、開閉バルブ32、35を開いて従来の技術
と同じ手順で成膜を行う。
【0065】以上の説明のとおり、第2実施例にかかる
CVD装置では、気化器4と反応室15との間に赤外吸
収管26を設けているので、赤外線吸収分析法により、
成膜中に反応室15に供給されるCVD原料の濃度をモ
ニタリングすることができる。これによりBST膜中の
BaとSrとTiの比が安定化される。
【0066】<第3実施例>以下、本発明の第3実施例
を添付の図面を参照しつつ具体的に説明する。図3は、
第3実施例にかかるCVD装置の概略構成図である。図
3において、38は液体原料供給器6と液体原料容器5
との間に設けられたコンプレッサーであり、7aは圧力
霧化用ノズルである。
【0067】次に、このCVD装置の動作について説明
する。液体原料容器5から供給される、例えばBa(DP
M)2 を0.1mol/litterの濃度でTHFに溶解させた溶
液からなる液体のCVD原料が、コンプレッサー38に
より2〜5気圧に加圧され、液体原料供給器6を経て圧
力霧化用ノズル7aにより霧化される。霧化されて霧状
になった液体のCVD原料は気化器4で容易に加熱・気
化され残渣を発生することなく反応室15に導入され
る。
【0068】以上の説明のとおり、第3実施例にかかる
CVD装置では、液体のCVD原料が気化器4で気化す
る前に霧化されるので、気化器4内に発生する残渣を低
減することができる。
【0069】<第4実施例>以下、本発明の第4実施例
を添付の図面を参照しつつ具体的に説明する。図4は、
第4実施例にかかるCVD装置の気化器まわりの概略構
成図である。図4において、39は円筒形の気化器であ
り、40は該円筒の接線方向(円周方向)に液体のCVD
原料とキャリアガスとを吹き込むノズルであり、41は
円筒形の気化器39の中心軸方向からCVD原料ガスを
排気する原料ガス輸送管である。また、42はノズル4
0から勢いよく気化器39に吹き込まれた液体のCVD
原料及びキャリアガスの混合流れ(スワール)である。
【0070】次に、このCVD装置の動作について説明
する。ノズル40から気化器39内に不活性なキャリア
ガスとともに勢いよく接線方向吹き込まれた液体のCV
D原料は遠心力により円筒形の気化器39の内壁に沿っ
て流されながら気化し、気化したCVD原料蒸気は中央
部の排気管41に吸い込まれた後反応室15に導入され
る。このとき、気化器4内で塵ないしは粉が発生して
も、これらは遠心力により気化器39の内壁に付着さ
れ、中央の排気管41から反応室15に混入することが
抑制される。
【0071】以上の説明のとおり、第4実施例にかかる
CVD装置では、発生した塵ないしは粉が気化器内壁に
付着するので、気化器39内での発塵が抑制され、反応
室15への塵ないしは粉の混入が防止される。
【0072】<第5実施例>以下、本発明の第5実施例
を添付の図面を参照しつつ具体的に説明する。図5は、
第5実施例にかかるCVD装置の概略構成図である。図
5において、43は気化器4の内壁に設けられた取り外
し可能な内壁板である。
【0073】次に、このCVD装置の動作について説明
する。このCVD装置では、成膜終了後に、気化器4の
上半分をはずし、内壁板43を交換する。これにより気
化器内壁に付着した原料残渣物を容易に除去することが
できる。
【0074】以上の説明のとおり、第5実施例にかかる
CVD装置では、成膜後に内壁板43を交換することで
気化器内を容易に浄化できるので、メンテナンス時間が
短くなりスループットが上昇する。
【0075】<第6実施例>以下、本発明の第6実施例
を添付の図面を参照しつつ具体的に説明する。図6は、
第6実施例にかかるCVD装置の概略構成図である。図
6において、44は例えばTHFなどの洗浄液を保持す
る洗浄液容器であり、45は加圧管であり、46〜48
は開閉バルブであり、49は気化器4を真空引きするた
めの排気ポンプである。
【0076】次に、このCVD装置の動作について説明
する。このCVD装置では、成膜終了後に、開閉バルブ
47を閉じる一方、開閉バルブ46を開いて気化器4内
に洗浄液を注入しながら排気ポンプ49で気化器4内を
真空引きする。これにより、気化器内壁に付着している
原料残渣物が洗浄液により分解され、排気ポンプ49で
気化器外に吸い出される。
【0077】以上の説明のとおり、第6実施例にかかる
CVD装置では、成膜後に気化器内部に洗浄液を注ぎ、
排気ポンプ49で真空引きすることにより、気化器を開
閉することなく容易に気化器内部を浄化することができ
る。なお、洗浄液としてフッ酸水溶液を使うことも効果
的である。この場合は、気化器4の材料としてステンレ
ス、銅などの耐酸性の強いものを用いるのがよい。
【0078】<第7実施例>以下、本発明の第7実施例
を添付の図面を参照しつつ具体的に説明する。図7は、
第7実施例にかかるCVD装置の気化器まわりの概略構
成図である。図7において、50は内面をTiでコーテ
ィングされた導電性の気化器下板であり、51は気化器
下板50を加熱するための絶縁体に包まれた気化器下板
用ヒータであり、52は高周波用電源であり、53は導
電性の気化器上板であり、54は内面をTiでコーティ
ングされた気化器上板用加熱ヒータであり、55は原料
ガス輸送管であり、56は原料ガス輸送管用の加熱ヒー
タであり、57は放電ガス供給管であり、58は気化器
4の排気管であり、59は液体原料供給管であり、60
及び61は配管57〜59を埋め込んだ絶縁体材料であ
る。
【0079】次に、このCVD装置の動作について説明
する。このCVD装置では、成膜終了後に、排気管58
により気化器内を十分に真空引きした後、放電ガス供給
管57から放電ガスを流入させ、高周波用電源52をO
Nにする。そうすると、気化器上板53と気化器下板5
0とを電極とする放電が起こり、プラズマが発生する。
そして、このプラズマにより気化器内壁に付着した原料
残渣物がスパッタで除去される。このとき、気化器4の
内面がTiで覆われているので、スパッタにより内壁の
一部がBST膜のコンタミ成分になる心配はない。
【0080】以上の説明のとおり、第7実施例にかかる
CVD装置では、成膜後にプラズマを発生させてスパッ
タエッチすることにより、気化器4を開閉せずに気化器
内壁を洗浄することができる。
【0081】<第8実施例>以下、本発明の第8実施例
を添付の図面に基づいて具体的に説明する。ここでは、
液体のCVD原料として固体原料であるBa(DPM)2,
Sr(DPM)2,TiO(DPM)2をTHF(テトラヒドロフ
ラン)に溶解させた溶液を用い、O2及びN2Oを使用し
て基板上に(Ba,Sr)TiO3[BST]膜を成膜する例
を示す。なお、上記の従来の技術と重複する箇所は適宜
その説明を省略する。
【0082】図10は、第8実施例にかかるCVD装置
の概略構成図である。図10において、71はベント側
バルブであり、72は反応室側バルブであり、73は原
料ガス用ベントラインであり、74は恒温ボックスであ
り、75はミキサーであり、76は拡散板であり、77
はサセプタであり、78はリフレクタであり、79は熱
電対である。
【0083】次に、このCVD装置の動作について説明
する。従来は、例えば図23に示すように、気化器4が
反応室15の周辺に配置されていたが、第8実施例にお
いては、気化器4が反応室15の上に設置された恒温ボ
ックス74内に配置され、気化器4から反応室15まで
の配管がすべて恒温ボックス74内に納められている。
これらの配管はリボンヒーターにより昇温させるように
なっており、恒温ボックス74はその内壁が断熱材で形
成されている。液体のCVD原料(Ba(DPM)2、Sr
(DPM)2、TiO(DPM)2+THF)とキャリアガス
(N2ガス)とは原料ガス輸送管10から気化器4に供給
され、気化器4の内壁の広い範囲に衝突して瞬時に気化
する。気化したCVD原料ガスはまず、ベント側バルブ
71を開状態とする一方反応室側バルブ72を閉状態と
することによりベント側へ流しておく。この後、ベント
側バルブ71を閉状態に変更する一方反応室側バルブ7
2を開状態に変更することによりCVD原料ガスを反応
室側へ流す。これにより、CVD原料ガスがミキサー7
5内で酸化ガス(例えば、O2、N2O)と混合され、加熱
ステージ16によって加熱された成膜基板17表面に、
CVD反応によりBST膜の成膜が開始される。
【0084】以上の説明の通り、第8実施例にかかるC
VD装置では、気化器4及び気化器4から反応室15ま
での配管がすべて反応室上の恒温ボックス74内に納め
られるので、液体原料気化システムがシンプル化され
る。また、気化器4から反応室15までの配管温度を比
較的容易に均一にすることができる。さらに、恒温ボッ
クス内壁が断熱材で形成されているので、リボンヒータ
ーからの放熱量が少なくなり、熱効率が高められる。
【0085】<第9実施例>以下、本発明の第9実施例
を図11に示すCVD装置を参照しつつ具体的に説明す
る。図11において、80はIR光源であり、81は偏
光子であり、82はIR光(p偏光)であり、83はIR
光検知器であり、84はIR光を透過する窓(KBr等)
であり、85はパージ用N2ガスであり、86はカバー
である。
【0086】次に、このCVD装置の動作について説明
する。ここで、成膜中の薄膜表面への入射光と薄膜表面
上の光の入射点に立てた法線とにより形成される面を入
射面と呼び、その面内で振動する光を平行偏光(P波)と
呼ぶことにする。この平行偏光は入射光の電気ベクトル
と反射光のそれとが薄膜表面で強め合い、薄膜表面に垂
直な定常振動電場をつくる。そして、薄膜の成分分子に
この定常波が作用し、光は吸収を受ける。ここで、反応
室内壁とカバー86との間にはパージ用N2ガス85が
流されており、これによってCVD原料ガスやその分解
生成物の窓84への付着が防止される。成膜中、薄膜表
面での光の吸収をin−situに観察し、成膜が再現性よく
行われているかどうかモニターする。また、成膜反応機
構を推定することによって、成膜パラメーターを制御
し、より高品質なBST膜を形成することが可能とな
る。
【0087】以上の説明の通り、第9実施例にかかるC
VD装置では、成膜過程中に、薄膜の膜質をin situに
赤外吸収分光(FT−IR)分析により分析することがで
きるシステムを備えているので、再現性よく成膜を行う
ことができ、しかも成膜反応機構を推定することがで
き、成膜パラメーターを制御してより高品質なBST膜
を得ることができる。
【0088】<第10実施例>以下、本発明の第10実
施例を図12に示すCVD装置を参照しつつ具体的に説
明する。図12において、87はX線管であり、88は
連続X線であり、89は薄膜中の元素の特性X線であ
り、90は分光された特性X線であり、91はX線用窓
(Be等)であり、92は分光結晶であり、93は検出器
であり、94はゴニオメーターである。
【0089】次に、このCVD装置の動作について説明
する。このCVD装置では、成膜中の薄膜上にX線管8
7で発生した連続X線88を照射すると、薄膜中の原子
のK、L殻の電子をはじき飛ばし(光電効果)、はじき飛
ばされた電子は原子外にたたき出される。このようにし
て原子は励起状態になる。K殻又はL殻にできた空位
に、それより外殻から電子が落ち込み、励起状態から定
常状態に戻る。このとき、外殻と空位を作っていた内殻
(この場合は、K殻又はL殻)のエネルギー差に相当する
X線が照射される。これが薄膜中の元素の特性X線89
である。X線用窓91にはBe等を使用することがで
き、分光結晶92とゴニオメーター94内の検出器93
との角度を調整することにより特性X線90を検知し、
成膜時にin−situに組成分析を行う。in−situで分析し
ている組成が目標値と異なる場合は、原料溶液の供給量
を調節する。
【0090】以上の説明の通り、第10実施例にかかる
CVD装置では、成膜過程中に膜組成をin situにXR
F分析を行うことができるシステムを備えているので、
再現性よく成膜を行うことができ、しかも成膜反応機構
を推定することができ、成膜パラメーターを制御してよ
り高品質なBST膜を得ることができる。
【0091】<第11実施例>以下、本発明の第11実
施例を図13に示すCVD装置を参照しつつ具体的に説
明する。図13において、95はXeランプであり、9
6はp偏光であり、97は合成石英窓であり、98は光
検出器である。
【0092】次に、このCVD装置の動作について説明
する。このCVD装置で用いられている表面光吸収法
(Surface−Photo Absorption,SPA)は、Brewster
角に近い入射角で、入射面内に偏光した光(p偏向)96
を成膜しつつある薄膜表面にあて、その反射光強度をモ
ニターするものである。SPA法の特徴は光の強度のみ
をモニターするという点である。窓97の材料には合成
石英を使用し、第9実施例の場合と同様に、窓97には
パージ用N2ガス85が流されており、原料ガス及び分
解生成物の窓への付着が防止される。
【0093】以上の説明の通り、第11実施例にかかる
CVD装置では、成膜過程中に膜組成をin situにSP
A分析を行うことができるシステムを備えているので、
再現性よく成膜を行うことができ、しかも成膜反応機構
を推定することができ、成膜パラメーターを制御してよ
り高品質なBST膜を得ることができる。
【0094】<第12実施例>以下、本発明の第12実
施例を図14に示すCVD装置を参照しつつ具体的に説
明する。図14において、99は質量分析計(QMS)で
あり、100はオリフィス加熱用ヒータである。
【0095】次に、このCVD装置の動作について説明
する。このCVD装置では、反応室15の排気部と排気
用ロータリーポンプとの間に質量分析計99を設置し、
排気ガスの分解生成物の分析を行う。オリフィス100
は径0.3mmのものを使用しており、低温で蒸気圧の低
いCVD原料ガスはこのオリフィス100で詰まりやす
い。そこで、オリフィス用加熱ヒータでオリフィス10
0を250℃まで加熱し、詰まりの発生を防止するよう
にしている。
【0096】以上の説明の通り、第12実施例にかかる
CVD装置では、成膜中の排気部の原料ガス及び分解生
成物をin situに分析することができるので、再現性よ
く原料ガスが供給されているかどうかを確認することが
でき、しかも成膜反応機構を推定できるので、再現性の
よい成膜を行うことができ、成膜パラメーターを制御し
て高品質なBST膜を得ることができる。
【0097】<第13実施例>以下、本発明の第13実
施例を図15に示すCVD装置を参照しつつ具体的に説
明する。図15において、101はBN製サセプタであ
る。
【0098】次に、このCVD装置の動作について説明
する。従来は、C(カーボン)製サセプタ上に配置した基
盤(ウエハ)上にBST膜の成膜を行っていたが、この場
合高温の酸素雰囲気中でCが徐々に酸化されて変質して
ゆく。そこで、サセプタをBN(窒化硼素)製にして、耐
酸化性を高め変質を起こしにくくしている。また、Cの
熱伝導率が0.08cal/cm・sec・℃であるのに対し、
BNの熱伝導率は0.06cal/cm・sec・℃であり、両
者は大差ないので、基盤上の温度分布も従来と同程度と
なる。
【0099】以上の説明の通り、第13実施例にかかる
CVD装置では、サセプタ101を耐酸化性があり、か
つ高熱伝導率のBN製としているので、サセプタ101
が劣化せず、長期的に安定した再現性のよい成膜が実現
される。
【0100】<第14実施例>以下、本発明の第14実
施例を図16に示すCVD装置を参照しつつ具体的に説
明する。図16において、102はサセプタ77に設置
した熱電対である。
【0101】次に、このCVD装置の動作について説明
する。従来のCVD装置では、加熱ステージの底面に設
置された熱電対により温度測定を行い、この信号に基づ
いて加熱ステージへの加熱を行っていた。しかしなが
ら、このようにすると、サセプタがC(カーボン)製の場
合にはこれを高温の酸素雰囲気中に長期間放置しておく
と劣化してしまうので、熱電対が同じ温度を示していて
もサセプタ表面即ち基盤表面温度が異なってくることに
なる。そこで、第14実施例にかかるこのCVD装置で
は、熱電対102の設置場所をサセプタ77の外周部に
変更した。
【0102】以上の説明の通り、第14実施例にかかる
CVD装置では、熱電対102の設置場所をサセプタ7
7の周辺に変更しているので、基盤17に近い場所での
温度モニターが可能となり、常に同じウエハ温度を保ち
ながら長期的に安定した再現性の良好な成膜が実現され
る。
【0103】<第15実施例>以下、本発明の第15実
施例を図17に示すCVD装置を参照しつつ具体的に説
明する。図17において、103は拡散板用ヒータであ
り、104は冷却水である。
【0104】次に、このCVD装置の動作について説明
する。このCVD装置では、拡散板76の温度は、加熱
ステージ16からの輻射熱及び冷却水104への放熱に
よって決定される。そこで輻射熱量が少ないとき等に供
給熱量を補充するため、拡散板76の周囲4ケ所に拡散
板用ヒータ103を設置した。よって、いかなる成膜条
件においても、拡散板76の温度コントロールが可能で
ある。
【0105】以上の説明の通り、第15実施例にかかる
CVD装置では、拡散板76の周囲4ケ所に拡散板用ヒ
ータ103を設置しているので、いかなる成膜条件にお
いても、拡散板76の温度を気化器4と同じ温度(例え
ば、250℃)に制御することができる。
【0106】<第16実施例>以下、本発明の第16実
施例を図18に示すCVD装置を参照しつつ具体的に説
明する。図18において、105は冷却水出口であり、
106は冷却水入口であり、107は冷却水である。
【0107】次に、このCVD装置の動作について説明
する。このCVD装置では、反応室15の内壁を二重構
造とし、その中空部に冷却水入口106から冷却水10
7を注入し冷却水出口105から出す。これによって、
反応室内壁が常温以下となり、蒸気圧の低い原料ガスや
反応生成物が反応室内壁で凝縮する。なお、冷却水の代
わりに液体窒素(77°K)あるいは液体ヘリウム(4°
K)の蒸気でもよい。
【0108】以上の説明の通り、第16実施例にかかる
CVD装置では、反応室内壁を二重構造とし、その内側
を冷却することによって、蒸気圧の低い原料ガスや反応
生成物を反応室内壁に凝縮させることができ、発塵等が
抑制され、長期的に安定した連続成膜が可能となる。
【0109】<第17実施例>以下、本発明の第17実
施例を図19に示すCVD装置を参照しつつ具体的に説
明する。図19において、108はSiO2で被覆された
反応室内壁である。
【0110】次に、このCVD装置の動作について説明
する。本発明者らは、液体原料を用いたCVD法による
BST成膜においては、基板材料依存性があることを見
出している。すなわち、PtやPoly−Siの表面よりは
SiO2の表面の方がCVD−BST膜の成膜速度が小さ
いといった基板材料依存性がある。そこで、反応室内壁
108をすべてSiO2で被覆した。
【0111】以上の説明の通り、第17実施例にかかる
CVD装置では、反応室内壁108をすべてSiO2で被
覆しているので、反応室内壁108への付着物が減少し
て発塵が抑制され、長期的に安定した再現性の良好な成
膜が可能となる。
【0112】<第18実施例>以下、本発明の第18実
施例を図20に示すCVD装置を参照しつつ具体的に説
明する。図20において、109はバブリング用窒素ガ
スであり、110はTEOSバブラーであり、111は
自動圧力制御装置(Auto−Pressure−Controller,A
PC)であり、112は120℃保温配管である。
【0113】次に、このCVD装置の動作について説明
する。このCVD装置では、第17実施例の場合と同様
に、反応室内壁がSiO2で被覆され、これによって反応
室内壁への付着物が減少し、発塵量が抑制される。しか
しながら、BST膜の成膜を重ねる度に徐々にSiO2
に原料ガスあるいはその反応生成物が付着し、表面のS
iO2が覆われてしまう。そこで60枚程度成膜を行う毎
にTEOSバブラー110からバブリング用窒素ガス1
09により反応室内へTEOSをバブリングし、反応室
内壁を再度SiO2で被覆する。TEOSバブラー110
から反応室15までの経路でのTEOSの凝縮を防ぐた
めに、配管112の温度を120℃以上に設定する。
【0114】以上の説明の通り、第18実施例にかかる
CVD装置では、60枚程度成膜を行う毎に、TEOS
バブラー110からバブリング用窒素ガス109により
反応室内へTEOSがバブリングされ、常時反応室内壁
がSiO2で被覆され、反応室内壁への付着物が減少し発
塵の量が抑制され、長期的に安定した再現性の良好な成
膜が可能となる。
【0115】<第19実施例>以下、本発明の第19実
施例を図21に示すCVD装置を参照しつつ具体的に説
明する。図21において、113はHFバブラーであ
る。
【0116】次に、このCVD装置の動作について説明
する。このCVD装置では、60枚程度の成膜を行う毎
にHFバブラー113からバブリング用窒素ガス109
により反応室内へHFをバブリングして反応室内壁を洗
浄する。
【0117】以上の説明の通り、第19実施例にかかる
CVD装置では、HFにより反応室内壁を洗浄すること
ができ、発塵の量が抑制され、長期的に安定した再現性
の良好な成膜が可能となる。
【0118】<第20実施例>以下、本発明の第20実
施例を図22に示すCVD装置を参照しつつ具体的に説
明する。図22において、114は発塵抑制用メッシュ
である。
【0119】次に、このCVD装置の動作について説明
する。このCVD装置では、反応室底部に発塵抑制用メ
ッシュ114が設置され、排気部に流出するガスはこの
発塵抑制用メッシュ114を通過するが、低温で蒸気圧
の低い原料ガスや反応生成物がこの発塵抑制用メッシュ
114により大部分捕獲される。また、この発塵抑制用
メッシュ114は交換可能であり数十枚成膜する度に交
換することにより、従来排気部に貯まっていた異物を除
去することができ、発塵量を低減することができる。
【0120】以上の説明の通り、第20実施例にかかる
CVD装置では、反応室底部に発塵抑制用メッシュ11
4を設置しているので、数十枚成膜する度に交換するこ
とにより、従来排気部に貯まっていた異物を除去するこ
とができ、発塵量を低減することができる。
【0121】
【発明の効果】本発明の第1の態様によれば、質量分析
計によって成膜時に気化器から反応室内に送り込まれる
CVD原料の濃度が常時モニタリングされるので、液体
供給器(流量コントローラ)を自動制御して膜組成比を調
整することが可能となり、薄膜の組成比が安定する。
【0122】本発明の第2の態様によれば、光吸収セル
(FT−IR)によって成膜時に気化器から反応室内に送
り込まれるCVD原料の濃度が常時モニタリングされる
ので、液体供給器(流量コントローラ)を自動制御して膜
組成比を調整することが可能となり、薄膜の組成比が安
定する。
【0123】本発明の第3の態様によれば、霧化機構に
よって液体のCVD原料が気化器に入る前に霧化させら
れるので、液体のCVD原料が気化器に入る前に均一な
微粒滴となり、気化器内壁における原料残渣量が低減さ
れる。
【0124】本発明の第4の態様によれば、気化器が円
筒形とされ、液体のCVD原料がキャリアガスとともに
接線方向(円周方向)に導入されるので、気化したCVD
原料を気化器の中心軸方向に排出すれば、気化残渣など
の発塵物が気化器内壁に付着し、このため発塵物の反応
室への混入が防止される。
【0125】本発明の第5の態様によれば、気化器には
取り替え可能な内壁が設けられているので、成膜終了後
に内壁を取り替えることにより、気化器内壁の付着物を
除去することができ、該付着物の除去が容易化される。
【0126】本発明の第6の態様によれば、成膜終了後
に気化器内に洗浄液を供給して、気化器を開閉すること
なくその内壁を洗浄することができ、異物(コンタミネ
ーション)の反応室への混入が防止される。
【0127】本発明の第7の態様によれば、気化器の内
壁に平板電極板を設けて成膜終了後にプラズマを発生さ
せるなどして、気化器内壁をスパッタエッチ洗浄するよ
うにしているので、気化器を開閉することなくその内壁
を洗浄することができ、異物(コンタミネーション)の反
応室への混入が防止される。
【0128】本発明の第8の態様によれば、基本的には
上記第7の態様と同様の効果が得られる。さらに、気化
器内壁及び電極が、基板上に形成される薄膜と同一の材
質の材料でコーティングされているので、スパッタエッ
チ洗浄が促進される。
【0129】本発明の第9の態様によれば、気化器と気
化器から反応室までの配管とがすべて反応室上の恒温ボ
ックス内に納められるので、システムがシンプル化され
るとともに、熱効率が高められ、コストが低減される。
【0130】本発明の第10の態様によれば、基本的に
は上記第9の態様と同様の効果が得られる。さらに、成
膜中の膜質が赤外吸収分光(FT−IR)分析によりin
situに分析されるので、薄膜の膜質のモニタリングが可
能となり、成膜中における膜質制御が可能となり、この
ため高品質な薄膜が得られる。
【0131】本発明の第11の態様によれば、基本的に
は上記第9の態様と同様の効果が得られる。さらに、成
膜中の膜質が蛍光X線(XRF)分析によりin situに分
析されるので、薄膜の膜質のモニタリングが可能とな
り、成膜中における膜質制御が可能となり、このため高
品質な薄膜が得られる。
【0132】本発明の第12の態様によれば、基本的に
は上記第9の態様と同様の効果が得られる。さらに、成
膜中の膜質が表面光吸収法(SPA法)分析によりin si
tuに分析されるので、薄膜の膜質のモニタリングが可能
となり、成膜中における膜質制御が可能となり、このた
め高品質な薄膜が得られる。
【0133】本発明の第13の態様によれば、基本的に
は上記第9の態様と同様の効果が得られる。さらに、排
気部に設けられた質量分析計(QMS)によりTHF、S
r(DPM)2等のCVD原料からの分解生成物量が検出
(モニタリング)されるので、原料供給量の異常等が即座
に検知され、再現性のよい高品質な薄膜が得られる。
【0134】本発明の第14の態様によれば、基本的に
は上記第9の態様と同様の効果が得られる。さらに、従
来はC(カーボン)でつくられていたサセプタを耐酸化性
の高いBNでつくるようにしたので、サセプタの劣化が
抑制され、安定した再現性のよい高品質な薄膜が得られ
る。
【0135】本発明の第15の態様によれば、基本的に
は上記第9の態様と同様の効果が得られる。さらに、従
来はヒータ裏面に設置していた熱電対をサセプタ内に設
けているので、基板に近い位置での温度モニタリングが
可能となり、長期的に安定した再現性のよい高品質な薄
膜が得られる。
【0136】本発明の第16の態様によれば、基本的に
は上記第9の態様と同様の効果が得られる。さらに、拡
散板にヒータが設けられ、拡散板の温度制御が可能とな
るので、いかなる成膜条件下においても、拡散板の温度
を気化器の温度と一致させることができ、再現性のよい
高品質な薄膜が得られる。
【0137】本発明の第17の態様によれば、基本的に
は上記第9の態様と同様の効果が得られる。さらに、反
応室内壁が二重構造とされ、その内部に冷却媒体が導入
されるので、反応室内壁が冷却され、反応生成物等が反
応室内壁で凝縮され、発塵が抑制され、このため長期的
に安定した連続成膜が可能となる。
【0138】本発明の第18の態様によれば、基本的に
は上記第9の態様と同様の効果が得られる。さらに、反
応室内壁がSiO2で被覆されるので、反応生成物等が反
応室内壁に付着しにくくなり、発塵が抑制され、長期的
に安定した再現性のよい高品質な薄膜が得られる。
【0139】本発明の第19の態様によれば、基本的に
は上記第9の態様と同様の効果が得られる。さらに、所
定の回数の薄膜形成が行われる毎にバブリングによりT
EOSが反応室内に供給され、これによって反応室内壁
がSiO2で被覆されるので、反応生成物等が反応室内壁
に付着しにくくなり、発塵が抑制され、長期的に安定し
た再現性のよい高品質な薄膜が得られる。
【0140】本発明の第20の態様によれば、基本的に
は上記第9の態様と同様の効果が得られる。さらに、所
定の回数の薄膜形成が行われる毎にバブリングによりH
Fが反応室内に供給され、これによって反応室内壁が洗
浄されるので、発塵が抑制され、長期的に安定した再現
性のよい高品質な薄膜が得られる。
【0141】本発明の第21の態様によれば、基本的に
は上記第9の態様と同様の効果が得られる。さらに、反
応室底部に交換可能な発塵抑制用メッシュが設けられる
ので、発塵が抑制され、長期的に安定した連続成膜が可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示すCVD装置の概略構
成図である。
【図2】 本発明の一実施例を示すCVD装置の概略構
成図である。
【図3】 本発明の一実施例を示すCVD装置の概略構
成図である。
【図4】 本発明の一実施例を示すCVD装置の概略構
成図である。
【図5】 本発明の一実施例を示すCVD装置の概略構
成図である。
【図6】 本発明の一実施例を示すCVD装置の概略構
成図である。
【図7】 本発明の一実施例を示すCVD装置の概略構
成図である。
【図8】 質量分析計によるCVD原料の分析結果の
一例を示す図である。
【図9】 CVD原料の赤外吸収スペクトルの測定結
果の一例を示す図である。
【図10】 本発明の一実施例を示すCVD装置の概略
構成図である。
【図11】 本発明の一実施例を示すCVD装置の概略
構成図である。
【図12】 本発明の一実施例を示すCVD装置の概略
構成図である。
【図13】 本発明の一実施例を示すCVD装置の概略
構成図である。
【図14】 本発明の一実施例を示すCVD装置の概略
構成図である。
【図15】 本発明の一実施例を示すCVD装置の概略
構成図である。
【図16】 本発明の一実施例を示すCVD装置の概略
構成図である。
【図17】 本発明の一実施例を示すCVD装置の概略
構成図である。
【図18】 本発明の一実施例を示すCVD装置の概略
構成図である。
【図19】 本発明の一実施例を示すCVD装置の概略
構成図である。
【図20】 本発明の一実施例を示すCVD装置の概略
構成図である。
【図21】 本発明の一実施例を示すCVD装置の概略
構成図である。
【図22】 本発明の一実施例を示すCVD装置の概略
構成図である。
【図23】 従来の液体原料用CVD装置の概略構成図
である。
【符号の説明】
1 希釈ガス管、2 希釈ガス量調整器、3 接続管、
4 気化器、5 液体原料容器、6 液体原料供給器、
7 噴霧ノズル、7a 圧力霧化用ノズル、8 加熱ヒ
ータ、9 絞り部、10 原料ガス輸送管、11 加熱
ヒータ、12 原料ガス供給孔、13 反応ガス供給
管、14 加熱ヒータ、15 反応室、16 加熱ステ
ージ、17 成膜基板、18 加圧管、20 質量分析
計、21 FT−IR光源、22〜25 KBr製窓、
26 赤外吸収管、27 赤外光線、28 FT−IR
分光器、29 FT−IR検知器、30〜35 開閉バ
ルブ、36 N2ガス供給管、37 排気管、38 コ
ンプレッサー、39 円筒形気化器、40 ノズル、4
1 原料ガス輸送管、42 キャリアガスと原料の混合
流、43 内壁板、44 洗浄液容器、45 加圧管、
46〜48 開閉バルブ、49 排気ポンプ、50 気
化器下板、51 ヒータ、52 高周波用電源、53
気化器上板、54 加熱ヒータ、55 原料ガス輸送
管、56 加熱ヒータ、57 放電ガス供給管、58
排気管、59 液体原料供給管、60〜61 絶縁材、
71 ベント側バルブ、72 反応室側バルブ、73
原料ガス用ベントライン、74 恒温ボックス、75
ミキサー、76 拡散板、77 サセプタ、78 リフ
レクタ、79 熱電対、80 IR光源、81 偏光
子、82 IR光(p偏光)、83 IR光検知器、84
IR用窓(KBr等)、85 パージ用窒素ガス、86
カバー、87 X線管、88 連続X線、89 薄膜中
の元素の特性X線、90 分光された特性X線、91
X線用窓(Be等)、92 分光結晶、93 検出器、9
4 ゴニオメータ、95 Xeランプ、96 p偏光、9
7 合成石英窓、98 光検出器、99 質量分析計
(QMS)、100 オリフィス用加熱ヒータ、101
BN製サセプタ、102 熱電対、103 拡散板用ヒ
ータ、104 冷却水、105 冷却水出口、106
冷却水入口、107 冷却水、108 反応室内壁、1
09 バブリング用窒素ガス、110 TEOSバブラ
ー、111 APC、112 120℃保温配管、11
3 HF、114 発塵防止用メッシュ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 加藤 浩一 (56)参考文献 特開 平4−22126(JP,A) 特開 平2−261529(JP,A) 特開 昭48−71399(JP,A) 特開 昭58−86719(JP,A) 特開 平3−18016(JP,A) 特開 平3−245524(JP,A) 特開 平4−98784(JP,A) 特開 平4−333570(JP,A) 特開 平4−354326(JP,A) 特開 平5−136120(JP,A) 特開 平5−90246(JP,A) 特開 平5−291152(JP,A) 特開 平6−102247(JP,A) 特開 平6−291040(JP,A) 特開 平6−310444(JP,A) 特開 平7−94426(JP,A) 特開 平6−346243(JP,A) 特開 平6−349747(JP,A) 特表 平8−508315(JP,A) 国際公開94/21840(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/31 C23C 16/18 C23C 16/52 H01L 21/205 H01L 21/316

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機金属錯体を溶媒に溶解させてなるC
    VD原料を保持する原料容器と、該CVD原料を定量供
    給する液体供給器と、該液体供給器から供給されたCV
    D原料を加熱して気化させる気化器と、気化したCVD
    原料を用いて基板上に薄膜を形成する反応室とを有する
    CVD法による薄膜の堆積装置において、 上記気化器が、取り替えが可能な内壁を備えていること
    を特徴とする薄膜の堆積装置。
  2. 【請求項2】 有機金属錯体を溶媒に溶解させてなるC
    VD原料を保持する原料容器と、該CVD原料を定量供
    給する液体供給器と、該液体供給器から供給されたCV
    D原料を加熱して気化させる気化器と、気化したCVD
    原料を用いて基板上に薄膜を形成する反応室とを有する
    CVD法による薄膜の堆積装置において、 気化器を開閉することなく気化器内壁をスパッタエッチ
    洗浄する洗浄機構が設けられ、 気化器内壁及び気化器上板が、基板上に形成される薄膜
    と同一の材質の材料でコーティングされていることを特
    徴とする薄膜の堆積装置。
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