JP3974368B2 - 液晶表示装置、およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速応答で広視野角の表示性能を有する液晶表示装置に関し、特に光学補償ベンドモード(OCBモード:Optically self-Compensated Birefringence mode)の液晶表示装置、及びその液晶表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、マルチメディア技術の進展に伴って大量の画像情報が流通している。このような画像情報を表示する手段として、液晶表示装置が急速に普及している。これは、液晶技術の発展により、高コントラスト及び広視野角の液晶表示装置が開発・実用化されているためである。現在では、液晶表示装置の表示性能がCRTディスプレイと比肩するレベルまでなってきている。
【0003】
しかしながら、液晶の応答速度が十分ではないために、液晶表示装置は動画表示に適していないという問題がある。即ち、現行のNTSC(National Television System Committee)システムにおいては1フレーム期間(16.7msec)以内で液晶が応答する必要があるにもかかわらず、現行の液晶表示装置では、多階調表示を行った場合に階調間での応答に100msec以上要する。そのため、動画表示において画像が流れるという現象が発生することになる。特に駆動電圧が低い領域における階調間での応答は著しく遅くなるため、良好な動画表示を実現することができなかった。
【0004】
そこで、従来から、液晶表示装置における高速応答化の試みが数多くなされている。高速応答の種々の液晶表示方式については、Wuらによりまとめられている(C.S. Wu and S.T. Wu, SPIE, 1665, 250 (1992))が、動画像の表示に必要な応答特性が期待出来る方式は限られているのが現状である。
【0005】
現在、動画表示に適した高速応答性を有する液晶表示装置として、OCBモード液晶表示素子、強誘電性液晶表示素子、又は反強誘電性液晶表示素子を備えたものが有望視されている。
【0006】
このなかで、層構造を有する強誘電性液晶表示素子及び反強誘電性液晶表示素子は、耐衝撃性が弱い、使用温度範囲が狭い、特性の温度依存性が大きいなど実用的な意味での課題が多い。そのため、現実的には、ネマティック液晶を用いるOCBモード液晶表示素子が動画像表示に適した液晶表示素子として注目されている。
【0007】
このOCBモード液晶表示素子は、1983年J.P.Bosによりその高速性が示されたものである。その後、位相差板を備えることにより広視野角と高速応答性とを両立することができるディスプレイであることが示されたため、研究開発が活発化した。
【0008】
図24は、従来のOCBモード液晶表示素子の構成を模式的に示す断面図である。図24に示すとおり、このOCBモード液晶表示素子は、透明電極2がその下面に形成されているガラス基板1と、透明電極7がその上面に形成されているガラス基板8とを備えており、これらのガラス基板1、8間に液晶層4が配置される。透明電極2の下面には配向膜3が、透明電極7の上面には配向膜6がそれぞれ形成されており、これらの配向膜3、6間の空隙に液晶分子が充填されて液晶層4が形成されている。また、配向膜3、6には、液晶分子を平行かつ同一方向に配向させるべく配向処理がなされている。なお、液晶層4の層厚は、スペーサ5により保持されている。
【0009】
また、ガラス基板1の上面には偏光板13が、ガラス基板8の下面には偏光板16がそれぞれ設けられており、これらの偏光板13、16はクロスニコルに配されている。さらに、これらの偏光板13とガラス基板1との間には位相差板17が、偏光板16とガラス基板8との間には位相差板18がそれぞれ設けられている。この位相差板17、18としては、主軸がハイブリッド配列された負の位相差板が用いられる。
【0010】
このように構成されたOCBモード液晶表示素子は、電圧印加により液晶の配向状態をスプレイ配向4aからベンド配向4bに転移させ、このベンド配向状態により画像表示を行うことを特徴としている。このようなOCBモード液晶表示素子は、TN(Twisted Nematic)モード液晶表示素子等と比較して、液晶の応答速度が著しく向上するため、動画表示に適した液晶表示装置を実現することができる。また、位相差板17、18を設けることによって、低電圧駆動及び広視野角を実現することも可能である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したOCBモード液晶表示素子は、カラー表示を実現するために、3原色(赤色、緑色、及び青色)のカラーフィルタを設ける構成とすることができる。ここで、赤色、緑色、青色のそれぞれのカラーフィルタに対応する画素を、赤画素、緑画素、青画素と呼ぶことにする。図25は、このような赤画素、緑画素、及び青画素に係る液晶層の法線方向における位相差(以下、正面位相差という)の波長分散特性を示すグラフである。また、図25には、これらの液晶層の正面位相差とともに、主軸がハイブリッド配列した負の位相差板の正面位相差が示されている。
【0012】
図25において、81、82、83は、赤画素、緑画素、青画素に係る液晶層の正面位相差の波長分散特性をそれぞれ示している。また、84は、前記負の位相差板の正面位相差の波長分散特性を示している。
【0013】
図25に示すとおり、赤画素における液晶層の正面位相差と前記負の位相差板の正面位相差とは、赤色の波長領域(650nm付近)において略合致している。同様にして、緑画素における液晶層の正面位相差と前記負の位相差板の正面位相差とは、緑色の波長領域(550nm付近)において略合致している。これらに対して、青画素における液晶層の正面位相差と前記負の位相差板の正面位相差とは、青色の波長領域(450nm付近)において合致していない。これにより、OCBモード液晶表示素子が黒表示を行う場合、その表示が青く色付くという問題が生じていた。
【0014】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、黒表示を行う場合における青色の色付きを低減することによって、良好な黒表示を行うことができるOCBモードの液晶表示素子、その液晶表示素子を備える液晶表示装置、及びその液晶表示素子の製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明に係る液晶表示装置は、画像表示を行っている場合にベンド配向をなしている液晶分子が配列された液晶層と、前記液晶層のリタデーションを補償するための少なくとも1枚の負の位相差板とを有する液晶表示素子を備え、外部から入力される画像信号に応じて前記液晶層のリタデーションを変化させることにより前記液晶表示素子の表示用の光の透過率を変化させて表示を行う液晶表示装置において、前記負の位相差板は、主軸がハイブリッド配列した負の屈折率異方性を有する光学媒体よりなる位相差板であり、前記液晶表示素子は、赤色を表示するための赤画素、緑色を表示するための緑画素、及び青色を表示するための青画素のそれぞれ複数有し、前記青画素に係る前記液晶層の厚みが前記赤画素及び/又は前記緑画素に係る前記液晶層の厚みに比して大きいことを特徴とする。
【0016】
このような構成とすることによって、青画素の液晶層における位相差と負の位相差板の位相差とが、青色の波長領域において略合致するようになる。これにより、黒表示を行った場合に発生する青色の色付きを低減することが可能となる。よって良好な黒表示を実現することができる。
【0017】
この場合、前記青画素に係る前記液晶層の厚みと、前記赤画素及び/又は前記緑画素に係る前記液晶層の厚みとの差を、0.2μm以上1.0μm以下としてもよい(請求項2)。また、前記青画素に係る前記液晶層の厚みを、前記赤画素及び/又は前記緑画素に係る前記液晶層の厚みの104%以上120%以下としてもよい(請求項3)。
【0018】
このように青画素に係る液晶層の厚みを適当なものとすることによって、黒表示における青色の色付きを十分に低減することができる。
【0019】
また、前記発明に係る液晶表示装置において、赤色、緑色、及び青色の各色光をそれぞれ発光する光源を有する照明装置と、前記光源が各色光をそれぞれ時分割で発光するように前記照明装置を制御する照明装置制御手段とを更に備えるような構成としてもよい(請求項4)。これにより、いわゆるフィールドシーケンシャルカラー方式によっても良好な黒表示を実現することが可能となる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、各実施の形態において、液晶表示素子が黒表示を行っている場合の法線方向における表示の色座標を測定している。この場合、色座標が略(0.3、0.3)の値となったときに色付きのない最良な無彩色表示となる。したがって、本発明においては、良好な黒表示を実現するために、前記色座標を(0.3、0.3)に近付けることが目的となる。
【0043】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1は、青色を表示するための青画素の液晶層の厚みを、赤色、緑色のそれぞれを表示するための赤画素、緑画素の液晶層の厚みよりも大きくすることによって、黒表示における青色の色付きを低減する液晶表示装置を示したものである。
【0044】
[実施例1]
図1は、本実施の形態の実施例1に係る本発明の液晶表示装置が備える液晶表示素子の構成を模式的に示す断面図である。なお、図では、便宜上、X方向を液晶表示素子の上方向とした。
【0045】
図1に示すように、実施例1に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子100は、後述する液晶セル101を有している。そして、この液晶セル101の上面には、主軸がハイブリッド配列した負の屈折率異方性を有する光学媒体よりなる位相差フィルム(以下、単に負の位相差フィルムという)14a、負の一軸性位相差フィルム12a、正の一軸性位相差フィルム15、検光子13が順に積層されている。また、液晶セル101の下面には、負の位相差フィルム14b、負の一軸性位相差フィルム12b、偏光子16が順に積層されている。
【0046】
図2は、上述した液晶セル101の構成を模式的に示す図であって、(a)はその液晶セル101の断面図、(b)はその断面図における液晶層部分の拡大図である。図2(a)に示すように、液晶セル101は、2枚の基板、すなわち上側基板102及び下側基板103を備えている。上側基板102及び下側基板103は、スペーサ(図示せず)を介して対向して配置されており、上側基板102と下側基板103との間に形成された間隙に液晶層4が配置されている。かかる液晶層4には液晶分子201が注入されており、前記液晶分子201は、画像表示を行っている場合に、図2(b)に示すようにベンド配向をなしている。
【0047】
上側基板102は、ガラス基板1の下面に透明電極2及び配向膜3が順に積層形成されて構成されている。また、このガラス基板1と透明電極2との間には、赤色カラーフィルタ51R、緑色カラーフィルタ51G、青色カラーフィルタ51Bが形成されている。なお、各色のカラーフィルタの境界には、ブラックマトリクスと呼ばれる遮光膜52がそれぞれ設けられている。以下では、これらの赤色カラーフィルタ51R、緑色カラーフィルタ51G、青色カラーフィルタ51Bのそれぞれに対応する画素を、赤画素、緑画素、青画素という。
【0048】
一方、下側基板103は、ガラス基板8の上面に透明電極7及び配向膜6が順に積層形成されて構成されている。この下側基板103は、青画素に対応する位置に凹部10を有している。なお、符号20は後述するレジスト薄膜を示している。
【0049】
図3は、上述した液晶表示素子100が備える各光学素子の配置方向を示す液晶表示素子100の平面図である。図1をも併せて参照すると、矢符17、18は、上側基板102、下側基板103に対する配向処理方向をそれぞれ示している。また、矢符26、27は、負の位相差フィルム14a、14bの主軸方向をそれぞれ示している。図3に示すとおり、負の位相差フィルム14a、14bは、それらの主軸方向26、27が前記配向処理方向17、18と同一の方向となるように配されている。
【0050】
また、図3において、矢符19は正の一軸性位相差フィルム15の遅相軸を示している。図3に示すとおり、正の一軸性位相差フィルム15は、その遅相軸19が前記配向処理方向17、18に対して45度をなすように配されている。
【0051】
さらに、図3において、矢符24、25は、偏光子16、検光子13の透過軸をそれぞれ示している。図3に示すとおり、偏光子16は、その透過軸24が正の一軸性位相差フィルム15の遅相軸19と同一の方向となるように配されている。一方、検光子13は、その透過軸25が偏光子16の透過軸24と直交するように配されている。
【0052】
本実施例では、上述した液晶表示素子100を次のようにして作製した。図4は、上述した凹部10を形成する工程を説明するための図である。まず、ガラス基板8の上面に、JSR株式会社製のポリカーボネイト(PC)系レジスト材料を塗布し、厚さ0.5μmのレジスト薄膜20を形成した。次に、このレジスト薄膜20に、図5に示すような矩形状のパターンの開口部22を複数有するフォトマスク21を重ねて、平行光紫外線23を照射することにより露光した。このようにして露光されたレジスト薄膜20を現像し、リンスした後、90℃でプリベークすることにより、図6に示すように凹部10を形成した。
【0053】
ところで、上述したフォトマスク21が有する開口部22は、青画素の位置に対応して設けられている。したがって、上述した凹部10は青画素に対応して形成されることになる。
【0054】
このようにして複数の凹部10を形成した後、公知の手法により2000Åの透明電極7を製膜した。そして、スピンコート法により日産化学工業製の配向膜塗料SE−7492を透明電極2の下面及び透明電極7の上面にそれぞれ塗布し、180℃で1時間焼成した後に硬化させて配向膜3、6を形成した。
【0055】
このようにして形成された配向膜3、6に対して、図3に示す配向処理方向17、18にしたがってラビング処理をそれぞれ施した。次に、積水ファインケミカル株式会社製のスペーサ、及び三井東圧化学株式会社製のシール樹脂であるストラクトボンド352Aを用いて、赤画素及び緑画素に係る上側基板102と下側基板103との間隔、すなわち液晶層4の厚み(図2における53R及び53G)が5.2μmとなるように上側基板102及び下側102を貼り合わせた。この場合、青画素の液晶層4の厚み(図2における53B)は、かかる5.2μmに凹部10の厚み0.5μmを加えた値、即ち5.7μmとなる。そして、真空注入法によって、液晶MT−5583(屈折率異方性Δn=0.140)を前記液晶層4に注入することにより、液晶セル101を作製した。
【0056】
なお、本実施例では、上述したように、赤画素、緑画素の液晶層4の厚み53R、53Gを5.2μmとし、青画素の液晶層4の厚み53Bを5.7μmとしているが、本発明はこれに限定されるわけではない。しかしながら、赤画素、緑画素の液晶層4の厚み53R、53Gと青画素の液晶層4の厚み53Bとの差が少なすぎる場合は青画素の液晶層4における位相差を十分に大きくすることができなくなる。また、その差が大きすぎる場合は青画素の液晶層4における位相差が大きくなりすぎて良好な表示を得ることができなくなる。したがって、前記差は0.2以上1.0μm以下程度であることが望ましい。また、換言すると、赤画素、緑画素の液晶層4の厚み53R、53Gに対して、前記差が4%以上20%以下程度であることが望ましい。即ち、青画素の液晶層4の厚み53Bが、赤画素、緑画素の液晶層4の厚み53R、53Gの厚みの104%以上120%以下程度であることが望ましい。
【0057】
上述したようにして液晶セル101を作製した後、その液晶セル101の上面に、負の位相差フィルム14a、負の一軸性位相差フィルム12a、正の一軸性位相差フィルム15、検光子13を順に積層し、液晶セル101の下面に、負の位相差フィルム14a、負の一軸性位相差フィルム12b、偏光子16を順に積層することによって、液晶表示素子100を作製した。
【0058】
上述した負の位相差フィルム14a、14bの面内方向の位相差Reは以下の式(1)で求めると36nmであり、正の一軸性位相差フィルム15の面内方向の位相差Reは同じく150nmであった。また、上述した負の一軸性位相差フィルム12a、12bの厚み方向の位相差Rthは同じく175nmであった。
【0059】
Re=(nx−ny)×d …(1)
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d …(2)
ここで、nx、nyは面内方向の屈折率を、nzは厚み方向の屈折率を、dは液晶層の厚みをそれぞれ示している。
【0060】
また、本実施例では、液晶層4の厚みdと液晶分子201の屈折率異方性Δnとの積で定義される液晶層4の位相差Δndを、0.73μmに設定した。
【0061】
図7は、上述したようにして作製した液晶表示素子100を備える液晶表示装置の構成を示すブロック図である。図7において、液晶表示装置1は、上述した液晶表示素子100と、各ブロック32、33、34と、白色光を発光するバックライト(図示せず)とを備えたTFT(Thin Film Transistor)タイプのものである。図2をも併せて参照すると、下側基板103がTFT基板となる。このTFT基板には、ゲート線36及びソース線37がマトリクス状に配設されるとともに、そのゲート線36及びソース線37で区画される各画素毎に、画素電極39及びスイッチング素子38が形成されている。そして、これらのゲート線36、ソース線37をゲートドライバ33、ソースドライバ34によってそれぞれ駆動し、ゲートドライバ33及びソースドライバ34をコントローラ22によって制御するように構成されている。
【0062】
このように構成された液晶表示装置1では、コントローラ22が、外部から入力される画像信号35に応じて、ゲートドライバ33及びソースドライバ34に制御信号をそれぞれ出力する。この場合、ゲートドライバ33はゲート線36にゲート信号を出力して各画素のスイッチング素子38を順次オンさせ、一方、ソースドライバ34が、そのタイミングに合わせてソース線37を通じて画像信号を各画素の画素電極39にそれぞれ入力する。これにより、液晶分子201が変調され、バックライトから出射される光の透過率が変化して、液晶表示装置1を観察するユーザの目に画像信号35に対応する画像が映ることになる。
【0063】
図8は、上述した液晶表示装置1を用いて画像表示を行った場合における液晶表示素子100の赤画素、緑画素、青画素での電圧−輝度特性を示すグラフである。図8に示すとおり、青画素の場合は印加電圧が7.2Vのとき、赤画素及び緑画素の場合は印加電圧が7.1Vのときに輝度が最小となっている。なお、白表示を行うために要する電圧は、ベンド配向がスプレイ配向に逆転移する電圧で定まる。本実施例の液晶表示素子100の場合、赤画素、緑画素、青画素のすべての画素において、前記逆転移する電圧は2.2Vであった。
【0064】
図9は、黒表示を行った場合の液晶表示素子100の法線方向における透過光の分光スペクトル分布を示すグラフである。そして、このときの色座標は(0.3120、0.3227)であった。上述したように、色座標が略(0.3、0.3)近傍である場合に色付きのない最良な無彩色表示となるため、本実施例では良好な黒表示を実現することができたことが分かる。
【0065】
なお、上述したように、本実施例では位相差Δndを0.73μmに設定しているが、かかる位相差Δndがこの値に限定されるものではないことは言うまでもない。
【0066】
[変形例1]
次に、本実施の形態の変形例について説明する。実施例1に係る液晶表示装置は、上述したようにカラーフィルタ方式によりカラー表示を実現するものであった。これに対して、変形例1に係る液晶表示装置は、フィールドシーケンシャルカラー方式によりカラー表示を行うものである。
【0067】
図10は、変形例1に係る液晶表示装置の構成例の概略を模式的に示す断面図である。図10に示すように、変形例1に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子100は、3色のカラーフィルタ51R、51G、51Bを設けていないことを除いて、実施例1における液晶表示素子100と同様に構成されている。そのため、図10では、変形例1に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子100が備える液晶セル101の構成のみを示し、実施例1の場合と同一の符号を付している。
【0068】
かかる液晶表示素子100を備える液晶表示装置は、実施例1の場合と同様にTFTタイプのものであるが、実施例1の場合と異なり、白色光を発光するバックライトではなく、その全面に3色の発光ダイオード(以下、LEDという)が所定間隔で敷き詰められたバックライト150を液晶表示素子100の下方に備えている。ここで、液晶表示素子100及びバックライト150は、液晶表示素子100の赤画素、緑画素、青画素と、バックライト150の赤色のLED151R、緑色のLED151G、青色のLED151Bとが、それぞれ対応するように配置されている。そして、このバックライト150の各色のLEDを、赤、緑、青の順に時分割で発光することによりカラー表示を実現する。
【0069】
このように構成された液晶表示装置にて黒表示を行った場合も、実施例1の場合と同様に、青色の色付きを低減することができた。その結果、良好な黒表示を実現することができた。
【0070】
[比較例1]
比較例1に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子は、赤画素、緑画素、及び青画素のそれぞれに対応する液晶層の厚みを同一としている。なお、その他の構成については、実施例1における液晶表示素子100と同様であるため、説明を省略する。
【0071】
このような比較例1に係る液晶表示装置を用いて画像表示を行い、実施例1と同様にして液晶表示素子の赤画素、緑画素、青画素での電圧−輝度特性を調べた。その結果、青画素の場合は印加電圧が6.7Vのとき、赤画素及び緑画素の場合は印加電圧が7.1Vのときに輝度が最小となった。
【0072】
図11は、比較例1に係る液晶表示装置の法線方向における透過光の分光スペクトル分布を示すグラフである。このときの色座標は(0.2035、0.1607)であり、黒表示が青く色付いてることが分かる。
【0073】
(参考例1)本発明の参考例1は、青色を表示するための青画素における液晶分子の配向方向と、赤色、緑色をそれぞれ表示するための赤画素、緑画素における液晶分子の配向方向とを所定の角度だけずらすことによって、黒表示を行った場合における青色の色付きを低減する液晶表示装置を示したものである。
【0074】
図12は、参考例1に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子が具備する液晶セルの構成を模式的に示す断面図である。図12に示すとおり、かかる液晶セル101は、実施例1の場合と異なり下側基板103が凹部を有しておらず、赤画素、緑画素、青画素の何れにおける液晶層4もその厚みが同一である。なお、それ以外の構成については、実施例1における液晶セル101の場合と同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。また、液晶セル101以外の構成については、図1を参照して説明した実施例1に係る液晶表示装置の場合と同様であるので、説明を省略する。
【0075】
以下、図1及び図12を参照しながら、参考例1に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子100を作製する工程について説明する。まず、スピンコート法によりロリック(Rolic)社製のポリイミド配向膜塗料LPP-JP265CP(溶媒:シクロペンタノン)を透明電極2の下面及び透明電極7の上面にそれぞれ塗布し、150℃で1時間焼成した後に硬化させて配向膜3、6を形成した。
【0076】
このようにして形成された配向膜3、6に対して、直線偏光された紫外線光を基板の法線方向に対して30度傾斜させて10分間照射した(基板上の照射エネルギーは0.50J/cm2であった)。図13は、赤画素、緑画素、青画素の各画素に対応する領域に照射する前記紫外線光の偏光方向を示す説明図である。図13に示すとおり、配向膜3、6における赤画素に対応する領域55Rに照射する紫外線光の偏光方向56Rと、同じく緑画素に対応する領域55Gに照射する紫外線光の偏光方向56Gとは同一である。これに対して、配向膜3、6における青画素に対応する領域55Bに照射する紫外線光の偏光方向56Bは、前記偏光方向56R及び56Gに対して5度の角度をなしている。よって、赤画素及び緑画素に係る液晶分子201の配向方向と、青画素に係る液晶分子201の配向方向とが、5度の角度をなして異なることになる。
【0077】
なお、青色画素に係る液晶分子201の配向方向が偏光板16の透過軸に近づけば近づくほど黒表示を行った場合の青色の色付きは低減することになる。しかし、その反面、視野角特性及び輝度等の表示特性が低下することになる。そのため、偏光方向56R及び56Gと偏光方向56Bとがなす角度、即ち赤画素及び緑画素に係る液晶分子201の配向方向と青画素に係る液晶分子201の配向方向とがなす角度は、2度以上30度以下程度、好ましくは5度以上10度以下程度が適当である。
【0078】
次に、積水ファインケミカル株式会社製のスペーサ(図示せず)、及び三井東圧化学株式会社製のシール樹脂であるストラクトボンド352Aを用いて、上側基板102と下側基板103との間隔、すなわち液晶層4の厚みが5.8μmとなるように上側基板102及び下側103を貼り合わせた。そして、真空注入法によって、液晶MT−5583(屈折率異方性Δn=0.140)を前記液晶層4に注入することにより、液晶セル101を作製した。なお、このときの配向膜3、6界面での液晶分子のプレチルト角は約2度であった。
【0079】
上述したようにして液晶セル101を作製した後、図1に示すように、その液晶セル101の上面に、負の位相差フィルム14a、負の一軸性位相差フィルム12a、正の一軸性位相差フィルム15、検光子13を順に積層し、液晶セル101の下面に、負の位相差フィルム14a、負の一軸性位相差フィルム12b、偏光子16を順に積層することによって、実施例2に係る液晶表示素子100を作製した。
【0080】
上述した各光学要素は、図3に示すように配置した。但し、図3における配向処理方向17、18は、赤画素及び緑画素に対応する領域における配向処理方向を表している。青画素に対応する領域における配向処理方向は図13を参照して上述したとおりである。
【0081】
上述した負の位相差フィルム14a、14bの面内方向の位相差Reは、上述した式(1)で求めると39nmであり、正の一軸性位相差フィルム15の面内方向の位相差Reは同じく150nmであった。また、上述した負の一軸性位相差フィルム12a、12bの厚み方向の位相差Rthは同じく220nmであった。
【0082】
また、参考例1では、液晶層4の厚みdと液晶分子201の屈折率異方性Δnとの積で定義される液晶層4の位相差Δndを、0.81μmに設定した。
【0083】
そして、実施例1の場合と同様に、上述したようにして作製した液晶表示素子100を備える液晶表示装置を用いて、画像表示を行った。その結果、青画素の場合は印加電圧が6.4Vのとき、赤画素及び緑画素の場合は印加電圧が7.0Vのときに液晶表示素子100の輝度が最小となった。そして、これらの電圧を各画素に印加することによって黒表示を行った場合の色座標は(0.2853、0.3088)であった。よって、良好な黒表示を実現することができた。
【0084】
ところで、本参考例では、上述したとおり、すべての青画素に対応する領域に対して、赤画素及び緑画素に対応する領域における配向方向とは異なる方向で配向処理を行っているが、青画素に対応する領域の一部のみをその対象としてもよい。即ち、例えば画面の中央部付近に係る青画素に対応する領域のみに対して異なる配向処理を施すようにしてもよい。通常、ユーザは、画面の中央部を注視しており、その中央部から離れた周辺部には注目していないことが多い。そのため、黒表示を行っている場合に、中央部付近で青色の色付きが低減されれば、実用的には十分であると考えられる。
【0085】
なお、本参考例においても、上述した変形例1の場合と同様な変形例を実現することができる。即ち、カラーフィルタを設けていないことを除いて実施例2における液晶表示素子と同様に構成された液晶表示素子と、3原色の各色光を発光するLEDを有しているバックライトとを備えたフィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置を用いることによって、良好な黒表示を得ることができる。
【0086】
(参考例2)
本参考例2は、青色を表示するための青画素に対応する液晶分子のプレチルト角と、赤色、緑色をそれぞれ表示するための赤画素、緑画素に対応する液晶分子のプレチルト角とを異ならせることによって、黒表示を行った場合における青色の色付きを低減する液晶表示装置を示したものである。
【0087】
参考例2に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子が具備する液晶セルの構成は、参考例1の場合と同様であり、図12に示したとおりであるので説明を省略する。また、液晶セル以外の構成についても、図1を参照して説明した実施例1に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子と同様であるので、説明を省略する。
【0088】
以下、図1及び図12を参照しながら、参考例2に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子を作製する工程について説明する。まず、スピンコート法によりJSR株式会社製のポリイミド配向膜塗料JALS−614を透明電極2の下面及び透明電極7の上面にそれぞれ塗布し、180℃で1時間焼成した後に硬化させて配向膜3、6を形成した。
【0089】
このようにして形成された配向膜3、6に対して、レーヨン製ラビング布を用いてラビング処理を施す。図14は、この場合にラビング処理を施す方向を示す説明図である。図14に示すとおり、配向膜3、6における赤画素、緑画素、青画素のそれぞれに対応する領域55R、55G、55Bに対して、同一の方向でラビング処理を施す。
【0090】
また、これらの配向膜3、6に対して、マスクを用いて露光することによって赤画素、緑画素、及び青画素のそれぞれに対応する領域に照射する紫外線光の光量を制御し、それらの表面状態を変化させる。その後、積水ファインケミカル株式会社製のスペーサ(図示せず)、及び三井東圧化学株式会社製のシール樹脂であるストラクトボンド352Aを用いて、上側基板102と下側基板103との間隔、すなわち液晶層4の厚みが5.4μmとなるように上側基板102及び下側103を貼り合わせた。そして、真空注入法によって、液晶MT−5583(屈折率異方性Δn=0.140)を前記液晶層4に注入することにより、液晶セル101を作製した。このときの赤画素、緑画素、青画素のそれぞれにおける液晶分子のプレチルト角は、5.5度、5.5度、0.8度であった。
【0091】
なお、各画素における液晶分子のプレチルト角がとり得る値は前記の値に限られるわけではないが、青画素における液晶分子のプレチルト角と赤画素及び緑画素における液晶分子のプレチルト角との差が適当なものでなければ、良好な表示特性を保ちつつ青色の色付きを低減することができなくなる。したがって、青画素における液晶分子のプレチルト角が、赤画素及び緑画素における液晶分子のプレチルト角の5%以上50%以下、好ましくは10%以上40%以下となるようにすべきである。
【0092】
上述したようにして液晶セル101を作製した後、図1に示すように、その液晶セル101の上面に、負の位相差フィルム14a、負の一軸性位相差フィルム12a、正の一軸性位相差フィルム15、検光子13を順に積層し、液晶セル101の下面に、負の位相差フィルム14a、負の一軸性位相差フィルム12b、偏光子16を順に積層することによって、実施例3に係る液晶表示素子100を作製した。なお、上述した各光学要素は、図3に示すように配置した。
【0093】
上述した負の位相差フィルム14a、14bの面内方向の位相差Reは、上述した式(1)で求めると34nmであり、正の一軸性位相差フィルム15の面内方向の位相差Reは同じく100nmであった。また、上述した負の一軸性位相差フィルム12a、12bの厚み方向の位相差Rthは同じく200nmであった。
【0094】
また、本参考例では、液晶層4の厚みdと液晶分子201の屈折率異方性Δnとの積で定義される位相差Δndを、0.759μmに設定した。
【0095】
そして、実施例1の場合と同様に、上述したようにして作製した液晶表示素子100を備える液晶表示装置を用いて、画像表示を行った。その結果、青画素の場合は印加電圧が6.8Vのとき、緑画素の場合は同じく6.9Vのとき、赤画素の場合は同じく7.0Vのときに液晶表示素子100の輝度が最小となった。そして、これらの電圧を各画素に印加することによって黒表示を行った場合の色座標は(0.2978、0.3013)であった。よって、良好な黒表示を実現することができた。
【0096】
上述したように、赤画素及び緑画素の場合に比し、青画素における液晶分子はより低いプレチルト角を有している。そのため、ノーマリホワイトモードにおいては、青画素の場合、赤画素及び緑画素のプレチルト角と同じプレチルト角の場合に比して電圧−透過率特性が高電圧側にシフトするため、同一の黒表示電圧を印加した場合に、低プレチルト角を有する青画素における液晶層4の位相差が大きくなるため、その位相差が負の位相差フィルムと同程度となり、黒表示を行った場合の青色の色付きを低減することができる。
【0097】
なお、本参考例においても、上述した変形例1の場合と同様な変形例を実現することができる。即ち、カラーフィルタを設けていないことを除いて実施例2に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子と同様に構成された液晶表示素子と、3原色の各色光を発光するLEDを有しているバックライトとを備えたフィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置を用いることによって、良好な黒表示を得ることができる。
【0098】
(参考例3)
参考例3は、屈折率異方性Δnが比較的大きい液晶分子を採用し、しかも液晶層の位相差Δndを比較的小さくすることによって、黒表示における青色の色付きを低減する液晶表示装置を示したものである。
【0099】
本参考例3に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子が具備する液晶セルの構成は、参考例1の場合と同様であり、図12に示したとおりであるので説明を省略する。また、液晶セル以外の構成についても、図1を参照して説明した実施例1に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子と同様であるので、説明を省略する。
【0100】
以下、図1及び図12を参照しながら、参考例3に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子100を作製する工程について説明する。まず、スピンコート法により日産化学工業製の配向膜塗料SE−7492を透明電極2の下面及び透明電極7の上面にそれぞれ塗布し、180℃で1時間焼成した後に硬化させて配向膜3、6を形成した。
【0101】
このようにして形成された配向膜3、6に対して、図3に示す配向処理方向17、18にしたがってラビング処理を施した。次に、積水ファインケミカル株式会社製のスペーサ5、及び三井東圧化学株式会社製のシール樹脂であるストラクトボンド352Aを用いて、上側基板102と下側基板103との間隔、すなわち液晶層4の厚みが5.0μmとなるように上側基板102及び下側103を貼り合わせた。そして、真空注入法によって、メルク社製の液晶材料MJ97206(屈折率異方性Δn=0.160)を液晶層4に注入することにより、液晶セル101を作製した。
【0102】
上述したようにして液晶セル101を作製した後、図1に示すように、その液晶セル101の上面に、負の位相差フィルム14a、負の一軸性位相差フィルム12a、正の一軸性位相差フィルム15、検光子13を順に積層し、液晶セル101の下面に、負の位相差フィルム14a、負の一軸性位相差フィルム12b、偏光子16を順に積層することによって、実施例3に係る液晶表示素子100を作製した。なお、上述した各光学要素は、図3に示すように配置した。
【0103】
上述した負の位相差フィルム14a、14bの面内方向の位相差Reは、上述した式(1)で求めると36nmであり、正の一軸性位相差フィルム15の面内方向の位相差Reは同じく150nmであった。また、上述した負の一軸性位相差フィルム12a、12bの厚み方向の位相差Rthは、上述した式(2)で求めると同じく220nmであった。
【0104】
また、本参考例では、液晶層4の厚みdと液晶分子201の屈折率異方性Δnとの積で定義される液晶層4の位相差Δndを、0.80μmに設定した。
【0105】
そして、実施例1の場合と同様に、上述したようにして作製した液晶表示素子100を備える液晶表示装置を用いて、画像表示を行った。その結果、青画素の場合は印加電圧が6.8Vのとき、緑画素の場合は同じく6.9Vのとき、赤画素の場合は同じく7.0Vのときに液晶表示素子100の輝度が最小となった。そして、これらの電圧を各画素に印加することによって黒表示を行った場合の色座標は(0.2978、0.3013)であった。よって、良好な黒表示を実現することができた。
【0106】
図15は、屈折率異方性Δnが異なる液晶材料を用いた場合の液晶層の位相差の波長分散特性を比較するためのグラフである。図15において、41は、本参考例における液晶層4の位相差、即ち液晶材料の屈折率異方性Δnが0.160であって、位相差Δndが0.80μmの場合の液晶層4の位相差を示している。一方、42は、液晶材料の屈折率異方性Δnが0.140(MT−5583)であって、位相差Δndが0.756μmの場合の液晶層の位相差を示している。図15に示すとおり、液晶材料の屈折率異方性Δnが大きく且つ位相差Δndが小さい場合の方が、青色の波長領域において波長分散特性が急峻である。したがって、負の位相差フィルムの位相差の波長分散特性(図25を参照)に近くなるため、黒表示を行った場合の青色の色付きを低減することができる。
【0107】
ところで、上述したように、液晶材料の屈折率異方性Δnが比較的大きく、しかも位相差Δndが比較的小さい場合が望ましいとしても、実際にどのような範囲であれば良いのかを判断するのは困難である。そこで、本発明者等は、液晶材料の屈折率異方性Δn及び位相差Δndの組み合わせを複数パターン用意して、黒表示を行った場合に青色の色付きがどの程度生じたのかを調べる実験を行った。その結果を図16にまとめる。
【0108】
図16に示したように、液晶材料の屈折率異方性Δnが0.1431以下の場合、位相差Δndの値に関係なく、黒表示を行ったときに青色の色付きが確認された。同様にして、位相差Δndが0.91以上の場合、液晶材料の屈折率異方性Δnの値に関係なく、黒表示を行ったときに青色の色付きが確認された。そして、液晶材料の屈折率異方性Δnが0.1502以上であって、位相差Δndが0.8μm以下の場合では、青色の色付きがほとんど認められず、良好な黒表示を実現することができた。この結果から、液晶材料の屈折率異方性Δnが0.15以上であって、しかも位相差Δndが0.8μm以下である場合が望ましいものと判断することができる。
【0109】
なお、本参考例においても、上述した変形例1の場合と同様な変形例を実現することができる。即ち、カラーフィルタを設けていないことを除いて参考例1に係る液晶表示素子と同様に構成された液晶表示素子と、3原色の各色光を発光するLEDを有しているバックライトとを備えたフィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置を用いることによって、良好な黒表示を得ることができる。
【0110】
(参考例4)
参考例4は、位相差フィルムの屈折率nx、ny、nzをすべて1.5以下とすることによって、黒表示における青色の色付きを低減する液晶表示装置を示したものである。
【0111】
参考例4に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子が具備する液晶セルの構成は、参考例1の場合と同様であり、図12に示したとおりであるので説明を省略する。また、液晶セル以外の構成についても、図1を参照して説明した実施例1に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子と同様であるので、説明を省略する。
【0112】
以下、図1及び図12を参照しながら、参考例4に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子100を作製する工程について説明する。参考例3と同様にして上側基板102及び下側基板103とを貼り合わせた後、それらの基板管の液晶層4に、真空注入法によって、液晶MT−5583(屈折率異方性Δn=0.140)を注入することにより、液晶セル101を作製した。
【0113】
上述したようにして液晶セル101を作製した後、図1に示すように、その液晶セル101の上面に、負の位相差フィルム14a、負の一軸性位相差フィルム12a、正の一軸性位相差フィルム15、検光子13を順に積層し、液晶セル101の下面に、負の位相差フィルム14a、負の一軸性位相差フィルム12b、偏光子16を順に積層することによって、実施例5に係る液晶表示素子100を作製した。なお、上述した各光学要素は、図3に示すように配置した。
【0114】
上述した負の一軸性位相差フィルム12a、12bは、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムからなり、その厚み方向の位相差Rthは、上述した式(2)で求めると175nmであった。また、この負の一軸性位相差フィルム12a、12bの面内方向の屈折率nx、ny及び厚み方向の屈折率nzの値は、nx=1.48671、ny=1.48671、nz=1.48612であった。
【0115】
また、上述した負の位相差フィルム14a、14bの面内方向の位相差Reは、上述した式(1)で求めると40nmであり、正の一軸性位相差フィルム15の面内方向の位相差Reは同じく150nmであった。
【0116】
また、本参考例では、液晶層4の厚みdと液晶分子201の屈折率異方性Δnとの積で定義される液晶層4の位相差Δndを、0.73μmに設定した。
【0117】
そして、実施例1の場合と同様に、上述したようにして作製した液晶表示素子100を備える液晶表示装置を用いて、画像表示を行った。その結果、青画素の場合は印加電圧が6.0Vのとき、緑画素の場合は同じく5.6Vのとき、赤画素の場合は同じく5.6Vのときに液晶表示素子100の輝度が最小となった。そして、これらの電圧を各画素に印加することによって黒表示を行った場合の色座標は(0.2878、0.2995)であった。よって、良好な黒表示を実現することができた。
【0118】
なお、本参考例では、TACフィルムからなる負の一軸性位相差フィルム12a、12bの屈折率nx、ny、nzがそれぞれ1.48671、1.48671、1.48612となっているが、この値に限定されるわけではないことは勿論である。現時点では、それらの屈折率が1.45より小さいものを入手することが困難であるため、前記屈折率がとり得る値としては1.45以上1.5以下程度であることが望ましい。
【0119】
[比較例2]
参考例4に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子は、上述したように、負の一軸性位相差フィルム12a、12bがTACフィルムから構成されている。これに対して、比較例2に係る液晶表示素子は、負の一軸性位相差フィルム12a、12bがトリフェニルメタン系の一般的なディスコチック液晶フィルムから構成されている。なお、比較例2に係る液晶表示素子のそれ以外の構成については、参考例4の場合と同様であるので説明を省略する。
【0120】
上述したディスコチック液晶フィルムからなる負の一軸性位相差フィルム12a、12bは、上述した式(2)にしたがってその厚み方向の位相差Rthを求めると、175nmであった。また、この負の一軸性位相差フィルム12a、12bの面内方向の屈折率nx、ny及び厚み方向の屈折率nzの値は、nx=1.68671、ny=1.68671、nz=1.68612であった。
【0121】
さらに、上述した電圧を各画素に印加することによって得られた黒表示の際の法線方向での色座標は(0.2023、0.2512)であり、青色の色付きが発生していることが分かる。
【0122】
上述した参考例4と比較例2とを比較して分かるように、負の一軸性位相差フィルム12a、12bの相違によって、青色の色付きの発生に違いが認められた。
【0123】
[参考例5]
参考例4に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子が具備する負の一軸性位相差フィルムは、上述したようにTACフィルムから構成されているが、これに対して、参考例5に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子は、負の一軸性位相差フィルムがTACフィルム及びディスコチック液晶フィルムから構成されるものである。
【0124】
図17は、各光学要素の位相差の波長分散特性を示すグラフである。図17において、61、62は、TACフィルムの位相差の波長分散特性、ディスコチック液晶フィルムの位相差の波長分散特性をそれぞれ示している。また、63、64は、前記TACフィルム及び前記ディスコチック液晶フィルムから構成される負の一軸性位相差フィルムの位相差の波長分散特性、液晶層の位相差の波長分散特性をそれぞれ示している。
【0125】
図17に示すとおり、TACフィルムの位相差とディスコチック液晶フィルムの位相差とは異なる波長分散特性を有しているが、これらのフィルムを組み合わせた負の一軸性位相差フィルムの位相差の波長分散特性は、青色の波長領域において、液晶層の位相差の波長分散特性に近くなっている。このことから分かるように、TACフィルムとディスコチック液晶フィルムとを組み合わせることによって、負の一軸性位相差フィルムの位相差の波長分散特性を容易に制御することが可能となり、その波長分散特性と液晶層の位相差の波長分散特性とを青色の波長領域において略合致させることができるようになる。そして、その結果、黒表示を行った場合に発生する青色の色付きを低減することができる。
【0126】
図1及び図12を併せて参照すると、参考例5に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子は、TACフィルム及びディスコチック液晶フィルムを積層したフィルムからなる負の一軸性位相差フィルム12a、12bを備えている。この負の一軸性位相差フィルム12a、12bの面内方向の位相差Reは、上述した式(1)により求めると150nmであり、その厚み方向の位相差Rthは、上述した式(2)により求めると190nmであった。また、負の位相差フィルム14a、14bの面内方向の位相差Reは、上述した式(1)により求めると40nmであった。
【0127】
また、本参考例では、液晶層4の厚みdと液晶分子201の屈折率異方性Δnとの積で定義される液晶層4の位相差Δndを、0.73μmに設定した。
【0128】
そして、実施例1の場合と同様に、上述したようにして作製した液晶表示素子100を備える液晶表示装置を用いて、画像表示を行った。その結果、青画素の場合は印加電圧が5.9Vのとき、緑画素の場合は同じく6.4Vのとき、赤画素の場合は同じく6.3Vのときに液晶表示素子100の輝度が最小となった。そして、これらの電圧を各画素に印加することによって黒表示を行った場合の色座標は(0.3133、0.3187)であった。よって、良好な黒表示を実現することができた。
【0129】
[参考例6]
参考例4に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子は、図1を参照して上述したように、位相差フィルムとして負の位相差フィルム12a、12bと、負の一軸性位相差フィルム14a、14bと、正の一軸性位相差フィルム15とを備えている。このように複数のフィルムを重ねる場合、構成が複雑となるばかりか、液晶表示素子の高コスト化を招くこととなる。
【0130】
そこで、参考例6に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子は、より少ない数の位相差フィルムで足りるように構成されている。図18は、参考例6に係る液晶表示素子の構成を模式的に示す断面図である。図18に示すとおり、参考例6に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子100は、液晶セル101を有しており、この液晶セル101の上面には、負の位相差フィルム14a、二軸性位相差フィルム71a、検光子13が順に積層されている。また、液晶セル101の下面には、負の位相差フィルム14b、二軸性位相差フィルム71b,偏光子16が順に積層されている。なお、二軸性位相差フィルム71a、71bの遅相軸は、検光子13、偏光子16の透過軸と同一の方向となるようにそれぞれ配置される。
【0131】
図1と図18とを比較すると明らかなように、本参考例に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子100は、正の一軸性フィルム15を備えておらず、負の一軸性位相差フィルム12a、12bの代わりに二軸性位相差フィルム71a、71bを備えている。前記正の一軸性フィルム15は、漏れ光を抑えるために必要となるフィルムであるが、参考例6に係る液晶表示素子100は、二軸性位相差フィルム71a、71bを備えることによって、前記漏れ光の抑制を実現することができる。
【0132】
かかる二軸性位相差フィルム71a、71bは、TACフィルムから構成されており、その面内方向の位相差Reは上述した式(1)で求めると100nmであり、その厚み方向の位相差Rthは上述した式(2)で求めると200nmであった。また、負の位相差フィルム14a、14bの面内方向の位相差Reは、上述した式(1)で求めると36nmであった。
【0133】
また、本参考例では、液晶層4の厚みdと液晶分子201の屈折率異方性Δnとの積で定義される液晶層4の位相差Δndを、0.78μmに設定した。
【0134】
そして、実施例1の場合と同様に、上述した液晶表示素子100を備える液晶表示装置を用いて、画像表示を行った。その結果、青画素の場合は印加電圧が6.7Vのとき、緑画素の場合は同じく7.1Vのとき、赤画素の場合は同じく7.1Vのときに液晶表示素子100の輝度が最小となった。そして、これらの電圧を各画素に印加することによって黒表示を行った場合の色座標は(0.2871、0.2947)であった。よって、良好な黒表示を実現することができた。
【0135】
なお、本参考例においても、上述した変形例1の場合と同様な変形例を実現することができる。即ち、カラーフィルタを設けていないことを除いて参考例1に係る液晶表示素子と同様に構成された液晶表示素子と、3原色の各色光を発光するLEDを有しているバックライトとを備えたフィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置を用いることによって、良好な黒表示を得ることができる。
【0136】
(参考例7)
参考例7は、赤色、緑色、及び青色のそれぞれの波長領域において、バックライトから出射される光の光量を略同一とすることによって、黒表示を行った場合における青色の色付きを低減する液晶表示装置を示したものである。
【0137】
図19は、参考例7に係る液晶表示装置の構成例の概略を模式的に示す断面図である。本参考例に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子100は、参考例1の場合と同様であり、図12に示したとおりであるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0138】
図19に示すとおり、液晶表示素子100の下方に設けられたバックライト150は、冷陰極管を含んで構成される光源151を備えている。また、その光源151と液晶表示素子100との間には、干渉フィルタ152が配置されている。この干渉フィルタ152は、図19に示すとおり、液晶表示素子100の青画素の位置に対応して設けられている。
【0139】
かかる干渉フィルタ152は、透過光の波長が450nmであるバンドパスフィルタである。図20は、光源151から出射された光のスペクトルを示すグラフであって、(a)は干渉フィルタ152を設けている場合、(b)は干渉フィルタ152を設けていない場合の前記スペクトルをそれぞれ示すグラフである。図20(a)に示すとおり、干渉フィルタ152を設けている場合、青色の波長領域における出射光のスペクトルの半値幅が30nm以下となる。これに対して、図20(b)に示すとおり、干渉フィルタ152を設けていない場合、前記半値幅はそれよりも大きな値となっている。
【0140】
このように、干渉フィルタ152を設けることによって、上述したように青色の波長領域における出射光のスペクトルの半値幅を30nm以下に低減することができ、その結果、赤色、緑色、及び青色のそれぞれの波長領域における出射光の光量を略同一とすることができる。これにより、この液晶表示装置にて黒表示を行った場合に、青色の色付きを低減することができるようになる。
【0141】
[実施例2]
図21は、本実施の形態の実施例2に係る液晶表示装置の構成例の概略を模式的に示す断面図である。本実施例に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子100は、変形例1の場合と同様であり、図10に示したとおりであるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0142】
図21に示すとおり、液晶表示素子100の下方に設けられたバックライト150は、3原色の各色光を発光するLEDが所定間隔で敷き詰められている光源を備えている。図22は、上述したバックライト150が備える光源であるLEDの発光スペクトルを示すグラフである。実施例2に係る液晶表示装置では、前記バックライト150の各色のLEDを、赤、緑、青の順に時分割で発光することによりカラー表示を実現する。
【0143】
このようなフィールドシーケンシャルカラー方式の実施例2に係る液晶表示装置にて黒表示を行った結果、青色の色付きを低減することができた。
【0144】
ところで、バックライト150が備える光源として、LEDの代わりにエレクトロルミネセンス発光素子(以下、ELという)を用いることも可能である。図23は、上述したバックライト150が備える光源であるELの発光スペクトルを示すグラフである。このように光源としてELを用いた場合も、同様にして黒表示を行った結果、青色の色付きを低減することができた。
【0145】
なお、上述した実施例2においても、白色光を発光するLED又はELを用いて、参考例7の場合と同様にカラーフィルタ方式でカラー表示を行うことができることは言うまでもない。
【0146】
以上のように、本発明に係る液晶表示装置は、黒表示を行った場合に発生する青色の色付きを低減することができる。これらの液晶表示装置は、様々な製品に応用することが可能である。即ち、例えば液晶テレビ、液晶モニタ、又は携帯電話の液晶ディスプレイ等に応用することができる。
【0147】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る液晶表示装置によれば、黒表示を行った場合に発生する青色の色付きを低減し、良好な黒表示を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子が具備する液晶セルの構成を模式的に示す図であって、(a)はその液晶セルの断面図、(b)はその断面図における液晶層部分の拡大図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子が具備する各光学素子の配置方向を示す液晶表示素子の平面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子が具備する凹状の構造体を形成する工程を説明するための図である。
【図5】凹部を形成するために用いられるフォトマスクの平面図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子が具備する凹部を形成する工程を説明するための図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の赤画素、緑画素、青画素での電圧−輝度特性を示すグラフである。
【図9】黒表示を行った場合の本発明の実施の形態1の実施例1に係る液晶表示装置の法線方向における透過光の分光スペクトル分布を示すグラフである。
【図10】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の他の構成例の概略を模式的に示す断面図である。
【図11】比較例1に係る液晶表示装置の法線方向における透過光の分光スペクトル分布を示すグラフである。
【図12】本発明の参考例に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子が具備する液晶セルの構成を模式的に示す断面図である。
【図13】本発明の参考例に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子において、赤画素、緑画素、青画素の各画素に対応する領域に照射する紫外線光の偏光方向を示す説明図である。
【図14】本発明の参考例に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子が具備する配向膜に対してラビング処理を行う場合のラビング方向を示す説明図である。
【図15】屈折率異方性Δnが異なる液晶材料を用いた場合の液晶層の位相差の波長分散特性を比較するためのグラフである。
【図16】液晶材料の屈折率異方性Δn及び位相差Δndの組み合わせと、黒表示を行った場合に発生する青色の色付きとの関係を示す図である。
【図17】液晶表示素子が備える各光学要素の波長分散特性を示すグラフである。
【図18】本発明の参考例に係る液晶表示装置が備える液晶表示素子の構成を模式的に示す断面図である。
【図19】本発明の参考例に係る液晶表示装置の構成例の概略を模式的に示す断面図である。
【図20】本発明の参考例に係る液晶表示装置が備える光源151から出射された光のスペクトルを示すグラフであって、(a)は干渉フィルタ152を設けている場合、(b)は干渉フィルタ152を設けていない場合の前記分光スペクトルをそれぞれ示すグラフである。
【図21】本発明の実施例2に係る液晶表示装置の他の構成例の概略を模式的に示す断面図である。
【図22】本発明の実施例2に係る液晶表示装置のバックライトが備える光源であるLEDの分光スペクトルを示すグラフである。
【図23】本発明の実施例2に係る液晶表示装置のバックライトが備える光源であるELの分光スペクトルを示すグラフである。
【図24】従来のOCBモード液晶表示素子の構成を模式的に示す断面図である。
【図25】従来のOCBモード液晶表示素子が有する赤画素、緑画素、青画素に係る液晶層の法線方向における位相差の波長分散特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1、8 ガラス基板、2、7 透明電極、3、6 配向膜、4 液晶層、10 凹部、
12a、12b 負の一軸性位相差フィルム、13 検光子、
14a、14b 負の位相差フィルム、15 正の一軸性位相差フィルム、16 偏光子、
20 レジスト薄膜、51R 赤色カラーフィルタ、51G 緑色カラーフィルタ、
51B 青色カラーフィルタ、52 遮光膜、100 液晶表示素子、101 液晶セル、
102 上側基板、103 下側基板、201 液晶分子
Claims (4)
- 画像表示を行っている場合にベンド配向をなしている液晶分子が配列された液晶層と、前記液晶層のリタデーションを補償するための少なくとも1枚の負の位相差板とを有する液晶表示素子を備え、外部から入力される画像信号に応じて前記液晶層のリタデーションを変化させることにより前記液晶表示素子の表示用の光の透過率を変化させて表示を行う液晶表示装置において、
前記負の位相差板は、主軸がハイブリッド配列した負の屈折率異方性を有する光学媒体よりなる位相差板であり、
前記液晶表示素子は、赤色を表示するための赤画素、緑色を表示するための緑画素、及び青色を表示するための青画素のそれぞれ複数有し、前記青画素に係る前記液晶層の厚みが前記赤画素及び/又は前記緑画素に係る前記液晶層の厚みに比して大きいことを特徴とする液晶表示装置。 - 前記青画素に係る前記液晶層の厚みと、前記赤画素及び/又は前記緑画素に係る前記液晶層の厚みとの差が、0.2μm以上1.0μm以下である請求項1に記載の液晶表示装置。
- 前記青画素に係る前記液晶層の厚みが、前記赤画素及び/又は前記緑画素に係る前記液晶層の厚みの104%以上120%以下である請求項1に記載の液晶表示装置。
- 赤色、緑色、及び青色の各色光をそれぞれ発光する光源を有する照明装置と、前記光源が各色光をそれぞれ時分割で発光するように前記照明装置を制御する照明装置制御手段とを更に備える請求項1に記載の液晶表示装置。
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