JP3326859B2 - 不可視情報記録媒体及びそれを取り扱う情報記録方法 - Google Patents

不可視情報記録媒体及びそれを取り扱う情報記録方法

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JP3326859B2
JP3326859B2 JP07672393A JP7672393A JP3326859B2 JP 3326859 B2 JP3326859 B2 JP 3326859B2 JP 07672393 A JP07672393 A JP 07672393A JP 7672393 A JP7672393 A JP 7672393A JP 3326859 B2 JP3326859 B2 JP 3326859B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不可視な可変情報を記
録することが可能な不可視情報記録媒体と、それを取り
扱う情報記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】赤外吸収材料を利用した不可視情報記録
媒体は従来から各種提案されており、一部に利用されて
いる。
【0003】固定情報を記録する不可視情報記録媒体と
しては、カーボン等の有色である赤外吸収材料によって
バーコード等を印刷し、濃色の赤外透過材料を用いて隠
蔽層を設ける方法や、カーボン等の赤外線を吸収するイ
ンキで押印した後、黒色の赤外透過フィルムで隠蔽する
ものが実用、提案されている。
【0004】また、可変情報を記録する不可視情報記録
媒体としては、発色部が可視及び赤外線を吸収する材料
を用いた記録層を有する媒体上に赤外透過材料からなる
隠蔽層を設けたものが実用化、提案されている。
【0005】これらの隠蔽層は黒色である為、隠蔽され
た情報を直接見る事はできないが、隠蔽層を目視できる
ので、その下に情報が隠されている事は一目瞭然であ
り、偽造を試みる人間のターゲットになり易かった。
【0006】他方、以上の可変情報を記録する不可視情
報記録媒体にあっては、サーマルヘッド等を用いた加熱
記録が必須であることから、記録時に表面形状が変化す
ることが避けられないので、記録され隠蔽された情報が
光の加減で見えてしまう。また、近年ではサーマルヘッ
ド等での熱による記録の変造が行われる等の問題点があ
った。
【0007】更にまた、サーマルヘッドを用いた加熱記
録方法では、保護層を厚くすることも困難であるため、
膜強度の無い媒体になりがちであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題点に着目してなされたもので、その課題とするところ
は、可変情報を記録でき、不自然さを感じさせずに記録
情報を隠蔽することができ、かつレーザービームにより
不可視情報記録媒体の中間層となる感熱記録層に記録し
て、サーマルヘッドでの記録の改ざんを不可能偽造防止
効果があり、また、表面形状が変化しない不可視情報記
録媒体及びそれを取り扱う情報記録方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
基材の表面に、赤外線吸収インキ層と、前記赤外線吸収
インキ層と同系色で、常温では赤外線を散乱し、所定の
温度以上の加熱で赤外線透過率が増大する感熱記録層を
積層し、更に前記感熱記録層を赤外透過材料から構成さ
れる保護層で覆ったことを特徴とする不可視情報記録媒
体である。
【0010】請求項2記載の発明は、基材の表面に、赤
外線吸収インキ層と、常温では赤外線を散乱し、所定の
温度以上の加熱で赤外線透過率が増大する感熱記録層を
積層し、前記赤外線吸収インキ層と同系色で赤外線透過
性のインキからなる隠蔽層で覆ったことを特徴とする不
可視情報記録媒体である。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明を前提とし、更に前記隠蔽層を赤外透過材料から構成
される保護層で覆ったことを特徴とする不可視情報記録
媒体である。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項1、2、3
記載の発明を前提とし、感熱記録層が本質的に中空マイ
クロカプセルから構成されることを特徴とする不可視情
報記録媒体である。
【0013】請求項5記載の発明は、請求項1、2、3
記載の発明を前提とし、赤外線吸収インキ層が白色ある
いは淡色であることを特徴とする請求項1、2、3記載
の不可視情報記録媒体である。
【0014】請求項6記載の発明は、請求項1、2、
3、5記載の発明を前提とし、赤外線インキ層中の赤外
吸収材料が五二酸化リンを主成分とし、Fe2+及び/ま
たはCu2+を含有するリン酸白色結晶粉末から構成され
ることを特徴とする請求項1、2、3、5記載の不可視
情報記録媒体である。
【0015】請求項7記載の発明は、請求項1記載の不
可視情報記録媒体を取り扱う情報記録方法であって、前
記保護層側から赤外線を照射し、感熱記録層を加熱する
ことにより情報を記録することを特徴とする不可視情報
記録媒体の情報記録方法である。
【0016】請求項8記載の発明は、請求項2、3記載
の不可視情報記録媒体を取り扱う情報記録方法であっ
て、前記隠蔽層側から赤外線を照射し、感熱記録層を加
熱することにより情報を記録することを特徴とする不可
視情報記録媒体の情報記録方法である。
【0017】請求項9記載の発明は、請求項7、8記載
の発明を前提とし、前記赤外線の照射による記録が赤外
線リーダー及び/または赤外スコープにより読み取り可
能なパターンであることを特徴とする不可視情報記録媒
体を取り扱う情報記録方法。である。
【0018】以下に、本発明に係わる不可視情報記録媒
体を図1及び図2を用いて説明する。
【0019】本発明に係わる基材(1)は、用途に応じ
て種々のものが使用できるが、例えば紙や、PET、塩
ビ等のプラスチック等が用いられる。尚、後述する各層
を基材上に部分的に設ける際はその色を合わせる必要が
ある。
【0020】本発明に係わる赤外吸収インキ層(2)
は、赤外線吸収インキをスクリーン印刷方法等の公知の
印刷方法により1μm〜10μmの膜厚で印刷して設け
る。ここで用いる赤外線吸収インキとは、通常のカーボ
ンブラック等を顔料とするインキでもよいが、前記イン
キは可視領域にも吸収があるため、情報が隠されている
事は一目瞭然となる虞がある。よって、赤外線吸収イン
キ層は白色あるいは淡色であることが好ましい。
【0021】ところで、前記赤外線吸収インキ層は、前
記したように白色あるいは淡色であることが好ましいの
で、白色あるいは淡色の赤外吸収材料を例示すると、F
2+及び/またはCu2+を含有するガラス系粉末、Fe
2+及び/またはCu2+を20重量%以上含み五二酸化リ
ン(P2 5 )を主成分とするとする結晶粉末、六塩化
タングステンとリン酸エステル及び/または亜リン酸と
の白色系反応生成物等の白色粉末、シアニン系、フタロ
シアニン系、ナフタロシアニン系、アントラキノン系、
アミニウム系、ジチオール金属錯塩系、ジインモニウム
系、トリフェニルメタン系、クロコニックメチン系、ア
ズレニオウム系、ピリリウム系等の赤外吸収性染料が挙
げられる
【0022】前記五二酸化リンを主成分とし、Fe2+
び/またはCu2+を含有するリン酸塩系白色結晶粉末を
より具体的に説明すると、五二酸化リンを重量%で40
〜70%、Fe2+及び/またはCu2+をそれぞれ30〜
70%含む結晶粉末である。このリン酸塩系白色結晶粉
末は前記の組成を有するリン酸塩系の組成物についてこ
れを融解し、かつ結晶化させてリン酸塩系白色結晶を求
めると共にこれを粉末化したものである。尚、このリン
酸塩系白色結晶粉末についても必要に応じて以下の化合
物を含有していてもよい。
【0023】 Al2 3 2.0〜10.0重量% B2 3 1.0〜30.0重量% MgO 3.0〜10.0重量% ZnO 0〜3.0重量% K2 O 0〜15.0重量% BaO 0〜10.0重量% SrO 0〜1.0重量% Ni、Co、Se 微量
【0024】また、前記Fe2+及び/またはCu2+を含
有するガラス系粉末材料をより具体的に説明すると、五
二酸化リン(P2 5 )を主成分とし、酸化鉄及び/ま
たは酸化銅を1.0重量%以上含む粉末材料で、よりこ
のましくは五二酸化リンを重量%で35.0〜80.0
%、酸化鉄及び酸化銅をそれぞれ0〜3.0%含むガラ
ス系粉末材料であることを特徴とする。尚、前記ガラス
系粉末材料内には必要に応じて以下の化合物を含有して
いてもよい。すなわち、
【0025】 Al2 3 2.0〜10.0重量% B2 3 1.0〜30.0重量% MgO 3.0〜10.0重量% ZnO 0〜3.0重量% K2 O 0〜15.0重量% BaO 0〜10.0重量% SrO 0〜1.0重量% Ni、Co、Se 微量
【0026】尚、白色度の点では、前記ガラス系粉末材
料及び白色結晶系粉末材料が良好であり、赤外線吸収能
の点では、白色結晶系粉末材料及び赤外吸収性染料が良
好である。
【0027】これらの顔料をインキ化するために用いる
バインダーとしては塩化ビニル―錯塩ビニル重合樹脂、
飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタンエラストマー等が
用いられる。これらのバインダーは溶剤を除くインキ組
成分中に20重量%以上含まれる事が望ましい。
【0028】また、インキ化するために用いられる溶剤
としては、トルエン、メチルイソブチルケトン、キシレ
ン、シクロヘキサノール、酢酸イソブチル、シクロヘキ
サノン、メチルシクロヘキサノン、エチレングリコール
モノブチルエーテル等のグリコール誘導体等、またはこ
れらの混合溶媒が挙げられる。また、前記材料に加え消
泡剤、滑剤等を含むこともできる。
【0029】前記のように構成された赤外線吸収インキ
層は、後述する上層の存在に係わらす、750、78
0、810、830、905nm等の赤外線(または赤
外スコープ)により黒色パターンとして識別できる。
【0030】本発明に係わる感熱記録層(3)は、常温
では赤外線を散乱し、所定の温度以上の加熱で赤外線透
過率が増大する層である。前記のような特性を示す記録
材料を例示すると、乳化重合法等で形成される粒径0.
05〜1μm程度の中空マイクロカプセルが挙げられ、
本質的に中空マイクロカプセルを乳化分散する事により
得たエマルジョンを赤外線吸収インキ層(2)上に塗布
乾燥することにより設けられる。
【0031】かかる中空マイクロカプセルが乳化分散さ
れている感熱記録層は、常温では赤外線の入射に対し中
空マイクロカプセル内の空気の存在により光の屈折率の
変化が起こり、その結果、光の散乱(乱反射)が起こり
赤外線透過率が低下する。これに対し、所定以上の温
度、即ち中空マイクロカプセルを形成する樹脂のガラス
転移点以上に加熱する事によりマイクロカプセルの破
壊、融着が起こり、粒子−空気界面が減少し、光の散乱
が抑制され透明化し、赤外線の透過率が増大する。
【0032】このようなマイクロカプセルを形成するた
めの壁材料としては、ガラス転移点温度が50℃〜15
0℃程度のものが好ましく、ポリユアレ、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、
メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレンメタクリレート
共重合体、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリビニ
ルアルコール等が挙げられ所望の透明化温度に応じて選
択すれば良い。
【0033】前記感熱記録層は、これらの乳化分散によ
り得られたエマルジョンとし、基材上の赤外線吸収イン
キ層上に、スクリーン印刷法、グラビア印刷法等の公知
の印刷方法で塗布乾燥することにより形成できる。尚、
本発明の感熱記録層は通常白色あるいは淡色であるが、
その下層の赤外線吸収インキ層は、組成により極薄い青
緑色を呈する場合があり、この上に感熱記録層を設け、
記録像を形成する(感熱記録層を透明化)と、下層の赤
外線吸収インキ層の極薄い青緑色が露出し、僅かなコン
トラストが生じ記録像が目視可能となる虞があるが、そ
の場合、感熱記録層に赤外線を透過する青緑色の染料ま
たは有色透明顔料を添加することにより、記録(情報)
が目視不可能となる。
【0034】よって、前記のように感熱記録層に赤外線
の照射により記録された部分は、後述する上層の保護層
の存在に係わらず、750、780、810、830、
905nmの赤外線(または赤外スコープ)により黒色
パターンとして識別され、非記録部分は白色として識別
できる。
【0035】尚、前記感熱記録層の情報を記録した部分
は、バーコード、文字、数字、図柄等のパターンで設け
られても良い。その場合、公知の赤外線リーダーまたは
赤外スコープを用いてパターンを読み取り情報を再生す
る。
【0036】本発明に係わる隠蔽層(5)は隠蔽層を覆
うために、請求項2に記載の発明において任意に設けら
れる層であるが、前記赤外線吸収インキ層と同系色であ
り、赤外線透過性のインキを前記感熱記録層を覆うよう
に塗布形成して設けたものである。隠蔽層に用いること
のできるインキとしては、オフセット印刷等に用いられ
る、いわゆるプロセスインキが挙げられる。
【0037】本発明に係わる保護層(4)は隠蔽層ある
いは感熱記録層を覆うために、請求項1に記載の発明で
は必須、請求項2に記載の発明では任意に設けられる層
であるが、赤外透過材料からなり、記録時に表面形状が
変化が少ない特性を有するものである。尚、本発明に係
わる不可視情報記録媒体の情報記録方法として、レーザ
ービームによる赤外線による情報の記録方法をとれば、
赤外線の透過率が極端に悪化しない限り保護層を厚くす
ることが可能であるため、膜強度の強い媒体となる。
【0038】保護層を構成する材料を例示すると、ゼラ
チン、でんぷんのごとき天然高分子、硝酸繊維素、カル
ボキシメチルセルローズのごとき繊維素誘導体、塩化ゴ
ム、環化ゴムのごとき天然ゴム可塑物などの半合成高分
子物、ポリイソブチレン、ポリスチロール、テルペン樹
脂、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメ
タアクリル酸エステル、ポリアクリルニトリル、ポリア
クリルアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリアセタール樹脂、ポリ
塩化ビニル、ポリビニルピリジン、ポリビニルカルバゾ
ール、ポリブタジエン、ポリスチレン−ブタジエン、ブ
チルゴム、ポリオキシメチレン、ポリエチレンイミン、
ポリエチレンイミンハイドロクロライド、ポリ(2−ア
クリルオキシエチルジメチルスルホニウムクロライド)
などのごとき重合型合成高分子、フェノール樹脂、アミ
ノ樹脂、トルエン樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂アリル樹脂、ポリカーボネート、ポリアマイ
ド樹脂、ポリエーテル樹脂、フラン樹脂、チオコールゴ
ムなどのごとき縮合重合型合成高分子、ポリウレタン、
ポリ尿素、エポキシ樹脂などのごとき付加重合型樹脂が
挙げられる。
【0039】
【作用】請求項1〜6記載の発明によれば、赤外線を照
射することで情報の書き込みができるので、可変情報を
記録でき、不自然さを感じさせずに記録情報を隠蔽する
ことができ、かつレーザービームにより媒体の中間層だ
けに記録することで表面形状が変化しないのは勿論のこ
と、その記録部分は出てきた赤外線吸収インキの色が白
色または淡色な為、目視が困難となり、かつ、非記録部
分は赤外線吸収能が弱く、記録部分が赤外線吸収能が増
加することにより赤外線リーダー及び/または赤外スコ
ープ赤外線により読み取りが可能である。
【0040】さらに、請求項7〜9に係わる発明によれ
ば、不可視情報記録媒体の保護層はレーザービームを透
過できる限り、及び/または赤外スコープにより記録の
読み取りが可能な限り、その膜厚を厚くすることが可能
である。
【0041】
【実施例】以下、本発明の一実施例を具体的に説明す
る。
【0042】<実施例1>この実施例に係わる機械読み
取り可能な不可視情報記録媒体は、図1に示すように基
材1と、その表面に形成された以下に述べる赤外線吸収
インキ層2と、この赤外線吸収インキ層上に設けられた
感熱記録層3と保護層4とで、その主要部が構成されて
いるものである。以下、順に説明する。
【0043】 [赤外線吸収インキ] 染料(シアニン系染料) 0.5重量部 樹脂(ポリエステル系樹脂) 12.5重量部 溶剤(トルエン) 87重量部
【0044】そして、この赤外線吸収インキを適用して
前期基材1上に膜厚10μmの赤外線吸収インキ層2を
設けた。
【0045】その上に、アクリル系空中マイクロカプセ
ル樹脂エマルジョン(平均粒径0.5μm,固形分比3
3.6%)を10μmの厚みに塗布した。
【0046】更に、赤外線を透過する性質を備えた保護
層4(日本触媒製 水系オーバーコート剤)を前記赤外
線吸収インキ層上に膜厚1〜2μmを設けた。
【0047】以上、実施例1で示した、不可視情報記録
媒体を表面側からレーザービームを照射したところ、得
られた記録部分は非記録部分とは区別がつかず目視がほ
とんど不可能であった。また、記録部分の赤外スコープ
での確認はできた。
【0048】<実施例2>この実施例に係わる不可視情
報記録媒体は、前記赤外吸収インキを以下に述べる第二
銅含有リン酸塩系白色結晶化合物を顔料とした赤外線吸
収インキに変えたことと、その為に実施例1に係わる赤
外線吸収インキ層よりも白色度を低下(極薄い青緑色を
呈した)させた点と、前記感熱記録層と、前記保護層と
の間に赤外線を透過する性質を備えたプロセスインキ
(東洋インキ製造社製 商品名FDOL)または前記赤
外線吸収インキと同色に色合わせをしたインキによる図
2の隠蔽層5を設けた点を除き実施例1に係わる不可視
情報記録媒体と略同一である。
【0049】前記隠蔽層はベタまたは絵柄、地紋等でも
良く、絵柄、地紋等の場合はそのデザインは細かく、線
や点の隙間が狭いものが好ましい。
【0050】以下、前記赤外線吸収インキについて説明
すると、まず、下記の組成を有する第二銅含有リン酸塩
系組成物について融解しかつこれを結晶化させて第二銅
含有リン酸塩系白色結晶化合物を求めた。
【0051】[第二銅含有リン酸塩系組成物] P2 5 50.0重量% CuO 49.5重量% ZnO 0.5重量%
【0052】尚、この化合物について銅の管球(CuK
α)を用いてX線回折を行ったところ、回折角(2θ)
=28.14、30.07、34、44.01に強いピ
ークが現れ、結晶化されていることが確認された。
【0053】次に、この第二銅含有リン酸塩系白色結晶
を粉砕して粉末化し、これを赤外線吸収性顔料として下
記組成の赤外線吸収インキを調製した。
【0054】 [赤外線吸収インキ] 顔料(第二銅含有リン酸塩系白色結晶化合物) 30重量部 塩酢酸ビニル系樹脂(積水化学工業社製 商品名エレックスA)10重量部 飽和ポリエステル(東洋紡績社製 商品名バイロン103) 5重量部 ポリウレタンエトラマー 12重量部 (日本ポリウレタン工業社製 商品名N−2304) イソシアート硬化剤 3重量部 トリエチレンジアミン 0.5重量部 溶剤(トルエン/メチルイソブチルケトン) 60重量部
【0055】そして、この赤外線吸収インキを適用して
前期基材1上に膜厚10μmの赤外線吸収インキ層2を
設けた。
【0056】前記の不可視情報記録媒体においても、そ
の表面側からレーザービームを照射したところ、得られ
た記録部分は非記録部分とは実施例1以上に区別がつか
ず目視が不可能であった。また、記録部分の赤外スコー
プでの確認はできた。
【0057】<実施例3>この実施例に係わる不可視情
報記録媒体は、前記赤外吸収インキを以下に述べるナフ
タロシアニン系の染料を使用した赤外線吸収インキに変
えたことと、その為に実施例1に係わる赤外線吸収イン
キ層よりも白色度を低下(薄い茶褐色を呈した)させた
点と、前記感熱記録層に赤外線を透過する性質を備えた
茶褐色の染料または有色透明顔料を添加した感熱記録層
を設けた点を除き実施例1に係わる不可視情報記録媒体
と略同一である。
【0058】 [赤外線吸収インキ] 顔料(ナフタロシアニン系染料) 5重量部 樹脂(ポリエステル系樹脂) 25重量部 溶剤(トルエン) 65重量部 (酢酸エチル) 5重量部
【0059】前記の不可視情報記録媒体において、その
表面は可視において茶褐色を呈しているが、その表面側
からレーザービームを照射したところ、得られた記録部
分は非記録部分とは区別がつかず目視がほとんど不可能
であった。また、記録部分の赤外スコープでの確認はで
きた。
【0060】
【発明の効果】請求項1〜6に係わる発明によれば、赤
外線を照射することで情報の書き込みができるので、可
変情報を記録でき、不自然さを感じさせずに記録情報を
隠蔽することができ、かつレーザービームにより媒体の
中間層だけに記録することで表面形状が変化しないのは
勿論のこと、その記録部分は出てきた赤外線吸収インキ
の色が白色または淡色な為、目視が困難となり、かつ、
非記録部分は赤外線吸収能が弱く、記録部分が赤外線吸
収能が増加することにより赤外線リーダー及び/または
赤外スコープ赤外線により読み取りが可能である。
【0061】よって、記録された記録は察知することが
困難な為、記録の偽造、変造防止をより確実に行うこと
ができる。
【0062】請求項7〜9に係わる発明によれば、不可
視情報記録媒体の保護層はレーザービームを透過できる
限り、及び/または赤外スコープにより記録の読み取り
が可能な限り、その膜厚を厚くすることが可能である。
【0063】よって、膜強度を強くする事のみならず、
サーマルヘッドでは記録不可能となり、レーザービーム
による記録しかできなくなる為、サーマルヘッド等の熱
による記録の偽造、変造防止をより確実に行う事ができ
る。
【0064】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係わる不可視情報記録媒体の断面図
である。
【図2】実施例2に係わる不可視情報記録媒体の断面図
である。
【符号の説明】
1 基材 2 赤外線吸収インキ層 3 感熱記録層 4 保護層 5 隠蔽層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B42D 15/00 341 B41M 5/18 Q C09D 11/02 101C 112 (56)参考文献 特開 平2−173890(JP,A) 特開 昭63−48629(JP,A) 特開 平3−53994(JP,A) 特開 平5−104860(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B42D 5/00 - 15/10 B41M 5/00 - 5/28 C09D 11/02

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の表面に、赤外線吸収インキ層と、前
    記赤外線吸収インキ層と同系色で、常温では赤外線を散
    乱し、所定の温度以上の加熱で赤外線透過率が増大する
    感熱記録層を積層し、更に前記感熱記録層を赤外透過材
    料から構成される保護層で覆ったことを特徴とする不可
    視情報記録媒体。
  2. 【請求項2】基材の表面に、赤外線吸収インキ層と、常
    温では赤外線を散乱し、所定の温度以上の加熱で赤外線
    透過率が増大する感熱記録層を積層し、前記赤外線吸収
    インキ層と同系色で赤外線透過性のインキからなる隠蔽
    層で覆ったことを特徴とする不可視情報記録媒体。
  3. 【請求項3】更に前記隠蔽層を赤外透過材料から構成さ
    れる保護層で覆ったことを特徴とする請求項2記載の不
    可視情報記録媒体。
  4. 【請求項4】感熱記録層が本質的に中空マイクロカプセ
    ルから構成されることを特徴とする請求項1、2、3記
    載の不可視情報記録媒体。
  5. 【請求項5】赤外線吸収インキ層が白色あるいは淡色で
    あることを特徴とする請求項1、2、3記載の不可視情
    報記録媒体。
  6. 【請求項6】赤外線インキ層中の赤外吸収材料が五二酸
    化リンを主成分とし、Fe2+及び/またはCu2+を含有
    するリン酸白色結晶粉末から構成されることを特徴とす
    る請求項1、2、3、5記載の不可視情報記録媒体。
  7. 【請求項7】請求項1記載の不可視情報記録媒体を取り
    扱う情報記録方法であって、前記保護層側から赤外線を
    照射し、感熱記録層を加熱することにより情報を記録す
    ることを特徴とする不可視情報記録媒体の情報記録方
    法。
  8. 【請求項8】請求項2、3記載の不可視情報記録媒体を
    取り扱う情報記録方法であって、前記隠蔽層側から赤外
    線を照射し、感熱記録層を加熱することにより情報を記
    録することを特徴とする不可視情報記録媒体の情報記録
    方法。
  9. 【請求項9】前記赤外線の照射による記録が赤外線リー
    ダー及び/または赤外スコープにより読み取り可能なパ
    ターンであることを特徴とする請求項7、8記載の不可
    視情報記録媒体の情報記録方法。
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