JP3325122B2 - 麺類の製造方法 - Google Patents

麺類の製造方法

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JP3325122B2 JP18789694A JP18789694A JP3325122B2 JP 3325122 B2 JP3325122 B2 JP 3325122B2 JP 18789694 A JP18789694 A JP 18789694A JP 18789694 A JP18789694 A JP 18789694A JP 3325122 B2 JP3325122 B2 JP 3325122B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は麺類の製造方法および該
方法により製造された麺類に関する。詳細には、滑らか
で且つ粘弾性に富み、しかも風味にも優れていて、良好
な食感、食味および風味を有する麺類を簡単な操作で円
滑に製造する方法、およびそれにより得られる麺類に関
する。
【0002】
【従来の技術】麺類の種類としては、うどん、平麺、中
華麺、そば、ひやむぎ、そうめん、パスタ類などの多く
のものがあり、またそれらの麺類の形態としては、生
麺、茹で麺、蒸し麺、即席麺、乾燥麺、半乾燥麺、冷凍
麺などの各種の形態のものが知られている。そして、麺
の種類や形態を問わず、いずれの麺類においても、滑ら
かで、粘弾性に富み、風味もよく、食感、食味および風
味に優れる麺類が消費者にますます求められるようにな
っている。
【0003】うどん、平麺、中華麺、そば、ひやむぎ、
そうめんなどの麺類の製造に当たっては、小麦粉、そば
粉、澱粉類、米粉、その他の原料穀粉類に水を加え、更
に麺の種類に応じて食塩、かん水、その他の添加剤を混
合して、それを混練して生地を製造し、この生地を圧延
して麺帯を製造した後、麺帯から麺線を切り出して麺類
を製造する工程が一般に採用されている。また、スパゲ
ティ、マカロニなどのパスタ類では、小麦粉などの原料
穀粉類に水を加えて押出機などを用いて混練した後に押
し出す方法が一般に採用されている。
【0004】しかしながら、麺類を製造する際の加水量
は一般に約28〜40%程度であって、パンを製造する
際の加水量(一般に約60〜80%)に比べてかなり少
なく、そのため混練が充分に行われれにくく、麺生地中
にグルテンを充分に形成させることが困難であり、麺類
に充分な粘弾性および滑らかさを付与しにくいのが現状
である。一方、麺生地を製造する際の混練を容易にし且
つグルテンの形成を促進するために加水量を多くする
と、生地の粘着性が増して、混練後の圧延、麺線の切り
出し、押し出しなどの製麺作業が極めて行いにくくな
り、しかも得られる麺類の品質に大きなばらつきを生じ
て、品質の揃った麺類を安定して製造できないという欠
点があり、かかる点から麺生地を製造する際の加水量に
は限界があり、上記した加水量以上とするのは困難であ
る。
【0005】そこで、滑らかで且つ粘弾性に富む高品質
の麺類を得ることを目的として、製麺用の原料穀粉類お
よび添加剤の種類、製麺用原料の配合組成、製造条件、
製造工程、製造装置などの種々の面から検討が行われて
おり、従来から多数の提案や特許出願などがなされてい
る。しかしながら、従来の提案や特許出願では、特別の
添加剤、特別の製麺用配合、複雑な製麺工程、特別に設
計された製麺装置などを使用しなければならない場合が
多く、通常の製麺配合を採用して簡単な操作によって、
滑らかさおよび粘弾性などに優れる麺類を得ることがで
きないのが現状である。
【0006】
【発明の内容】上記のような状況下に、本発明者らは、
特別の添加剤や麺用配合を使用する必要がなく従来の製
麺用配合をそのまま採用して、簡単な工程で、操作性良
く、滑らかで、粘弾性に富み、しかも風味のよい、高品
質の麺類を製造することを目的として検討を重ねてき
た。その結果、製麺に使用する小麦粉などの原料穀粉に
水および食塩やその他の添加剤を混合し混練することに
よって得られる麺生地を、そのまま直接麺帯に圧延して
から麺線を切り出す従来法に代えて、原料穀粉類の一部
と水の全量を用いて混練して得られる麺生地を圧延して
麺帯にする前に一旦水中に所定時間浸漬させた後に水中
より取り出して、残りの穀粉類を加えて更に混練し、次
いで圧延、麺線への切り出しを行うと、水中への浸漬処
理を行わない上記した従来の製麺法で得られる麺類に比
べて、滑らかさ、粘弾性、風味などの極めて良好な麺類
が簡単に且つ良好な作業性で製造できることを見出し
た。更に、本発明者らは、生地を水中に一旦浸漬させて
からその浸漬生地を用いて麺類を製造する上記した方法
が、圧延工程を経ずに直接麺線を押し出すパスタ類の製
造においても有効であることを見出した。
【0007】すなわち、本発明は、麺類の製造に用いる
原料穀粉類の50重量%以上と、麺類の製造に用いる水
分の全量とを混合・混練して生地を製造した後、その生
地を水中に1時間以上浸漬し、次いで生地を水中より取
り出し、これに残りの原料穀粉類を加えて、更に混練
し、以後常法により製麺することを特徴とする麺類の製
造方法である。そして、本発明は上記の方法により製造
された麺類を包含する。
【0008】本発明では、製麺用の原料穀粉類として麺
類の製造に従来から用いられている穀粉類のいずれもが
使用でき、例えば小麦粉、そば粉、大麦粉、米粉、澱粉
類などの穀粉類の1種または2種以上を製造を目的とす
る麺類の種類などに応じて使用することができ、その場
合に従来の製麺法におけるのと同様の穀粉組成にして使
用することができる。
【0009】更に、本発明では、麺類の種類などに応じ
て、麺類の製造時に通常用いられている、食塩;カン
水;鶏卵;山芋;海苔;縮合リン酸塩などの保水剤;乳
化剤;蛋白強化剤、ビタミン、ミネラル、アミノ酸など
の栄養強化剤;保存剤などのうちの1種または2種以上
を必要に応じて用いることができる。これらの添加剤の
使用量も特に制限されず、従来と同様の量で用いればよ
い。
【0010】そして本発明では、麺類の製造に用いる原
料穀粉類の50重量%以上を使用して、これに水を加
え、更に必要に応じて添加剤を混合して、混練を行って
水中に浸漬させるための麺生地(以下「水中浸漬用生
地」という)をまず製造する。この水中浸漬用生地の製
造に当たっては、麺類の製造に用いる原料穀粉類の50
重量%以上を使用することが必要であり、原料穀粉類の
使用割合が50重量%未満であると、滑らかさおよび粘
弾性に富む麺類が得られなくなる。得られる麺類の滑ら
かさおよび粘弾性、並びに水中から取り出した生地を更
に混練する場合の作業性などの点から、水中浸漬用生地
の製造に当たっては、麺類の製造に用いる原料穀粉類の
50〜95重量%を用いるのが好ましく、60〜85重
量%を用いるのが特に好ましい。一般に、水中浸漬用生
地を製造する際の原料穀粉類の使用割合が95重量%を
超えると、水中より取り出した生地を更に混練する際
に、生地が混練装置中ですべって混練操作を円滑に行う
ことが困難になり、しかも得られる麺類の滑らかさ、粘
弾性、風味などが低下する傾向がある。また、水中浸漬
用生地を製造する際の加水量は、麺類の製造に用いる水
分の全量を使用する。
【0011】更に、水中浸漬用生地の製造時に、それぞ
れの麺類の種類などに応じて、麺類の製造時に通常用い
られている上記した食塩;カン水;鶏卵;山芋;海苔;
縮合リン酸塩などの保水剤;乳化剤;蛋白強化剤、ビタ
ミン、ミネラル、アミノ酸などの栄養強化剤;保存剤な
どのうちの1種または2種以上の一部または全部を混合
して混練を行うことができる。特に、添加剤が食塩、カ
ン水、縮合リン酸塩などの保水剤、乳化剤、増粘剤など
の場合は、麺類の製造に用いるこれらの添加剤の全量を
水中浸漬用生地の製造時に原料穀粉類に添加して水中浸
漬用生地を製造するのが好ましい。また、添加剤が海
苔、蛋白強化剤、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、卵
類、山芋などの場合は、生地を水中より取り出した後に
添加するのが、水中での浸漬によってこれらの添加剤が
生地から失われるのを防ぐことができ、好ましい。そし
て、水中浸漬用生地を製造する際の混合・混練の方法、
条件、装置などは特に制限されず、従来既知の方法、条
件、装置などを採用して行えばよい。
【0012】次に、上記のようにして製造した水中浸漬
用生地を水中に1時間以上浸漬させる。生地の水中での
浸漬時間が1時間未満であると、滑らかさおよび粘弾性
に優れる麺類が得られにくくなり、本発明の目的が達成
されない。得られる麺類の滑らかさ、粘弾性、風味、更
には水中より取り出した後の混練操作の行い易さなどの
点から、水中浸漬用生地の水中での浸漬時間は1〜36
時間であるのが好ましく、2〜30時間であるのがより
好ましい。生地を水中に浸漬する際の水の温度は、得ら
れる麺類の滑らかさ、粘弾性、風味、水中より取り出し
た後の混練、圧延、麺線切り出し、押し出しなどの製麺
作業の容易性、生地の腐敗防止などの点から、約5〜2
5℃であるのが好ましく、7〜20℃がより好ましい。
【0013】また、水中浸漬用生地の形態は特に制限さ
れず、塊状、偏平状などの任意の形態にすることができ
るが、混練により得られる塊状の生地をそのまま水中に
浸漬するのが、手間がかからず便利である。また、水中
に浸漬させる生地の大きさ(重量)なども特に制限され
ないが、生地が小さすぎると表面積が大きくなって吸水
量が多くなり過ぎて生地のべとつき、生地中に配合した
添加剤の水中への溶け出しなどが大きくなり、一方生地
が大きすぎると生地の取り扱い性や作業性が悪くなるの
で、水に浸漬させる直前の水中浸漬用生地の大きさ(生
地の塊1個の重量)が約300〜3000g程度になる
ように調整して水中に浸漬するのがよい。
【0014】水中浸漬用生地を上記のようにして水中に
浸漬することによって、生地への水の浸透(吸水)が行
われて、水中に浸漬する前よりも生地中の水分含量が増
加する。その場合に、水中より取り出した直後の生地中
の水分含量が34〜53%になるように調整することが
重要である。そしてその際に、水中より取り出した直後
の生地中のその水分含量が水中に浸漬する前の生地中の
水分含量に比べて2〜5%程度高くなるように水中での
浸漬時間などを調整するのが好ましい。例えば、水に浸
漬する前の水中浸漬用生地の水分含量が37%の場合に
は、水中より取り出した直後の生地中の水分含量が約3
9〜42%程度であるようにして、水中での浸漬時間な
どを調整するとよい。そして、水中より取り出した生地
に残りの原料穀粉類を加えて更に混練して生地を製造す
る場合は、その残りの原料穀粉類を加えて混練して得ら
れる生地における水分含量が、それぞれの麺類において
望ましいとされている水分含量と同じ程度になるよう
に、水中への浸漬時間や水の温度などの浸漬条件、浸漬
時の生地の大きさなどを調整することが必要である。
【0015】次に、上記のようにして浸漬処理した生地
を水中から取り出し、残りの原料穀粉および添加剤があ
る場合(すなわち水中浸漬用生地の製造時に原料穀粉お
よび添加剤の一部のみを使用した場合)は水中より取り
出した生地にその残りの原料穀粉および添加剤を加えて
さらに混練する。残りの原料穀粉類および添加剤を更に
加えて混練する場合、または残りの原料穀粉類類や添加
剤がなく水中より取り出した生地をそのまま混練する場
合のいずれの場合にも、水中より取り出した生地を更に
混練して得られる生地中における水分含量が、それぞれ
の麺の種類において適当とされている水分含量になるよ
うにして、上記した生地の水中への浸漬処理およびその
後の混練処理などを行うようにする。そして、水中より
取り出した生地の混練に当たっては、麺生地を製造する
ために従来から採用されている混練の方法、条件、装置
などがそのまま採用でき、特に制限されない。
【0016】上記で得られた生地を、次いでそれぞれの
麺の種類に応じて、常法により圧延して麺帯を製造した
後、麺帯から麺線を切り出して、うどん、平麺、中華
麺、そば、ひやむぎ、そうめんなどの麺類を製造する。
または、上記で得られた生地を用いて押し出しを行った
り、或いは水から取り出した生地を押出機中に供給し原
料穀粉などが残っている場合はそれを押出機に供給して
押出機中で混練・混練を行った後押し出して、スパゲテ
ィ、マカロニなどのパスタ類を製造してもよい。そし
て、上記のようにして得られた麺類は、生麺、茹麺、乾
燥麺、半乾燥麺、蒸麺、冷凍麺、即席麺などの任意の形
態にして、貯蔵、流通、販売することができる。
【0017】
【実施例】以下に例を挙げて本発明を具体的に説明する
が、本発明はそれにより何ら限定されない。以下の例
中、特に断らない限り、%は重量%を表す。
【0018】《実施例 1》 (1) 中力小麦粉(日清製粉株式会社製「金すずら
ん」)7000gに食塩300gおよび水2700gを
加えて、ミキサー(東京麺機株式会社製の試験用製麺
機)を使用して100回転/分の回転速度で1分30秒
間混練して水中浸漬用生地を製造した。 (2) 上記(1)で得られた水中浸漬用生地を100
0gずつの塊に分けて、温度15℃の水中に一昼夜(3
0時間)浸漬した。 (3) 次いで、生地を水中より取り出して、これに上
記(1)で使用したのと同じ中力小麦粉3000gを加
えて、上記(1)で使用したのと同じミキサーを用いて
100回転/分の回転速度で5分間混練して麺生地(水
分含量36.4%)を製造した。
【0019】(4) 上記(3)で得られた麺生地を常
法により2.7mmの厚さまで圧延して麺帯を製造した
後、切刃#10を用いて幅3.0mmの麺線に切り出し
て、生麺(生うどん)を製造した。 (5) 上記(4)で得られた生うどんを充分量の沸騰
水中で15分間茹で上げて、歩留り300%の茹でうど
んとした後、ドンブリに入れ、つゆをかけて、10名の
パネラーに試食してもらい、下記の表1に示した評価基
準によってその滑らかさおよび粘弾性を評価してもらっ
て平均値を採った。その結果を下記の表2に示す。
【0020】また、対照例1として、実施例1で用いた
のと同じ中力小麦粉10000gに食塩300gおよび
水3700gを加えて、実施例1の(1)で使用したの
と同じミキサーを用いて100回転/分の回転速度で1
5分間混練して麺生地(水分含量36.4%)を製造し
た。この麺生地を用いて実施例1の(4)と同様にして
生うどんを製造し、得られた生うどんを実施例1の
(5)と同様にして歩留り300%に茹であげて、その
滑らかさおよび粘弾性を10名のパネラーに評価しても
らって、その平均値を採った。その結果を下記の表2に
示す。
【0021】《実施例 2》実施例1で使用したのと同
じ中力小麦粉7000gに食塩400gおよび水330
0gを加えて、実施例1の(1)と同様にして水中浸漬
用生地を製造した後、実施例1の(2)と同様にして温
度10℃の水中に一昼夜(20時間)浸漬した。この生
地を水中より取り出した後、上記と同様の中力小麦粉3
000gを加えて実施例1の(3)と同様にして混練し
て麺生地(水分含量38.4%)を製造した。この麺生
地を用いて実施例1の(4)と同様にして生うどんを製
造し、得られた生うどんを実施例1の(5)と同様にし
て歩留り300%に茹であげて、その食感(滑らかさお
よび粘弾性)を10名のパネラーに評価してもらって、
その平均値を採った。その結果を下記の表2に示す。
【0022】また、対照例2として、実施例1で用いた
のと同じ中力小麦粉10000gに食塩400gおよび
水4200gを加えて、実施例1の(1)で使用したの
と同じミキサーを用いて100回転/分の回転速度で1
5分間混練して麺生地(水分含量38.4%)を製造し
た。この麺生地を用いて実施例1の(4)と同様にして
生うどんを製造し、得られた生うどんを実施例1の
(5)と同様にして歩留り300%に茹であげて、その
滑らかさおよび粘弾性を10名のパネラーに評価しても
らって、その平均値を採った。その結果を下記の表2に
示す。
【0023】
【表1】 うどんの食感の評価基準 滑らかさ : 5点:対照例のうどんに比べて非常滑らかであり、極めて良好 4点:対照例のうどんに比べて滑らかであり、良好 3点:標準(対照例のうどん) 2点:対照例のうどんに比べて滑らかさにやや欠ける 1点:対照例のうどんに比べて滑らかさにかなり欠ける 粘弾性 : 5点:対照例のうどんに比べて粘りが強く、弾力性とのバランスも非常に良 く、極めて良好 4点:対照例のうどんに比べて粘りがやや強く、弾力性とのバランスもほぼ よく、良好 3点:標準(対照例のうどん) 2点:対照例のうどんに比べて粘りに欠け、弾力性も少なく、かなり劣る 1点:対照例のうどんに比べて粘りに大きく欠け、弾力性も極めて少なく、 大幅に劣る
【0024】
【表2】 対照例1 実施例1 対照例2 実施例2 水中浸漬処理 なし あり なし あり 麺生地の水分含量(%) 36.4 36.4 38.4 38.4 うどんの食感 : 滑らかさ 3.0 4.4 3.0 4.7 粘弾性 3.0 4.7 3.0 4.9
【0025】上記表2の結果から、水中浸漬用生地を製
造してそれを水中に浸漬した後に取り出して混練−圧延
−麺線への切り出しを行ってうどんを製造している実施
例1および実施例2による場合は、水中への浸漬処理を
行わずに生地の製造−圧延−麺線への切り出しを行って
いる対照例1および対照例2(いずれも従来法)に比べ
て、滑らかさおよび粘弾性に極めて優れる食感の良好な
うどんが得られることがわかる。
【0026】《実施例 3》 (1) 強力小麦粉(日清製粉株式会社製「特ナンバー
ワン」)8000gに食塩100gおよびカン水(ボー
メ5度)3500gを加えて、実施例1の(1)で使用
した同じミキサーを用いて80回転/分の回転速度で2
分間混練して水中浸漬用生地を製造した。 (2) 上記(1)で得られた水中浸漬用生地を200
0gずつの塊に分けて、温度10℃の水中に一昼夜(2
0時間)浸漬した。 (3) 次いで、生地を水中より取り出して、これに上
記(1)で使用したのと同じ強力小麦粉2000gを加
えて、上記(1)で使用したのと同じミキサーを用いて
80回転/分の回転速度で5分間混練して麺生地(水分
含量39.5%)を製造した。
【0027】(4) 上記(3)で得られた麺生地を常
法により1.45mmの厚さに圧延して麺帯を製造した
後、切刃#20を用いて幅1.5mmの麺線に切り出し
て、生麺(生中華そば)を製造した。 (5) 上記(4)で得られた生中華そばを充分量の沸
騰水中で3分間茹で上げて歩留り250%とした後、ド
ンブリに入れ、つゆをかけて、10名のパネラーに試食
してもらい、下記の表2に示した評価基準によってその
滑らかさおよび弾力性を評価してもらって平均値を採っ
た。その結果を下記の表4に示す。
【0028】また、対照例3として、実施例3で用いた
のと同じ強力小麦粉10000gに食塩100gおよび
カン水(ボーメ5度)4600gを加えて、実施例3の
(1)で使用したのと同じミキサーを用いて80回転/
分の回転速度で13分間混練して麺生地を製造した。こ
の麺生地を用いて実施例3の(4)と同様にして生中華
そばを製造し、得られた生中華そばを実施例3の(5)
と同様にして歩留り250%に茹であげて、その滑らか
さおよび弾力性を10名のパネラーに評価してもらっ
て、その平均値を採った。その結果を下記の表4に示
す。
【0029】《実施例 4》実施例3で使用したのと同
じ強力小麦粉8000gに食塩100gおよびカン水
(ボーメ5度)3000gを加えて、実施例3の(1)
と同様にして水中浸漬用生地を製造した後、実施例3の
(2)と同様にして温度20℃の水中に一昼夜(15時
間)浸漬した。この生地を水中より取り出した後、上記
と同様の強力小麦粉2000gを加えて実施例3の
(3)と同様にして混練して麺生地(水分含量36.9
%)を製造した。この麺生地を用いて実施例3の(4)
と同様にして生中華そばを製造し、得られた中華そばを
実施例3の(5)と同様にして歩留り250%に茹であ
げて、その食感(滑らかさおよび弾力性)を10名のパ
ネラーに評価してもらって、その平均値を採った。その
結果を下記の表4に示す。
【0030】また、対照例4として、実施例3で用いた
のと同じ強力小麦粉10000gに食塩100gおよび
カン水(ボーメ5度)3950gを加えて、実施例3の
(1)で使用したのと同じミキサーを用いて80回転/
分の回転速度で13分間混練して麺生地(水分含量3
6.9%)を製造した。この麺生地を用いて実施例3の
(4)と同様にして生中華そばを製造し、得られた生中
華そばを実施例3の(5)と同様にして歩留り250%
に茹であげて、その滑らかさおよび弾力性を10名のパ
ネラーに評価してもらって、その平均値を採った。その
結果を下記の表4に示す。
【0031】
【表3】 中華そばの食感の評価基準 滑らかさ : 5点:対照例の中華そばに比べて非常滑らかであり、極めて良好 4点:対照例の中華そばに比べて滑らかであり、良好 3点:標準(対照例の中華そば) 2点:対照例の中華そばに比べて滑らかさにやや欠ける 1点:対照例の中華そばに比べて滑らかさにかなり欠ける 弾力性 : 5点:対照例の中華そばに比べて弾力性のバランスがよ
く、極めて良好 4点:対照例の中華そばに比べて弾力性があり、良好 3点:標準(対照例の中華そば) 2点:対照例の中華そばに比べて弾力性のバランスが悪
く、やや劣る 1点:対照例の中華そばに比べて弾力性がなく、非常に
硬くて、大幅に劣る
【0032】
【表4】 対照例3 実施例3 対照例4 実施例4 水中浸漬処理 なし あり なし あり 麺生地の水分含量(%) 39.5 39.5 36.9 36.9 中華そばの食感 : 滑らかさ 3.0 4.7 3.0 4.4 弾力性 3.0 4.8 3.0 4.5
【0033】上記表4の結果から、水中浸漬用生地を製
造してそれを水中に浸漬した後に取り出して混練−圧延
−麺線への切り出しを行って中華そばを製造している実
施例3および実施例4による場合は、水中への浸漬処理
を行わずに生地の製造−圧延−麺線への切り出しを行っ
ている対照例3および対照例4(いずれも従来法)に比
べて、滑らかさおよび弾力性の両方に極めて優れてい
る、食感の良好な中華そばが得られることがわかる。
【0034】《実施例 5》 (1) 強力小麦粉(日清製粉株式会社製「ミリン
グ」)7000gに食塩100gおよび水2600gを
加えて、実施例1の(1)で使用した同じミキサーを用
いて60回転/分の回転速度で1分間および120回転
/分の回転速度で1分間混練して水中浸漬用生地を製造
した。 (2) 上記(1)で得られた水中浸漬用生地を500
gずつの塊に分けて、温度20℃の水中に2時間浸漬し
た。 (3) 次いで、生地を水中より取り出して、これにそ
ば粉(宮本製粉株式会社製「青王印ソバ粉」)3000
gを加えて、上記(1)で使用したのと同じミキサーを
用いて60回転/分の回転速度で3分間混練して麺生地
(水分含量33.6%)を製造した。
【0035】(4) 上記(3)で得られた麺生地を常
法により1.35mmの厚さに圧延して麺帯を製造した
後、切刃#18を用いて幅1.67mmの麺線に切り出
して、生麺(生日本そば)を製造した。 (5) 上記(4)で得られた生日本そばを充分量の沸
騰水中で3分30秒間茹で上げて歩留り250%とした
後、冷水で水洗いし、ザルにとり、10名のパネラーに
試食してもらい、下記の表5に示した評価基準によって
その滑らかさ、弾力性および風味を評価してもらって平
均値を採った。その結果を下記の表6に示す。
【0036】また、対照例5として、実施例5で用いた
のと同じ強力小麦粉7000gおよびそば粉3000g
に食塩100gおよび水3000gを加えて、実施例5
で使用したのと同じミキサーを用いて60回転/分の回
転速度で13分間混練して麺生地(水分含量33.6
%)を製造した。この麺生地を用いて実施例5の(4)
と同様にして生日本そばを製造し、得られた生日本そば
を実施例5の(5)と同様にして歩留り250%に茹で
あげて、その滑らかさ、弾力性および風味を10名のパ
ネラーに評価してもらって、その平均値を採った。その
結果を下記の表6に示す。
【0037】《実施例 6》実施例5の(1)におい
て、水中浸漬用生地を温度15℃の水中に一昼夜(20
時間)浸漬した以外は、実施例5と全く同様にして生日
本そば(麺生地の水分含量36.5%)をつくり、得ら
れた生日本そばを実施例5と同様にして歩留り250%
に茹であげて、その滑らかさ、弾力性および風味を実施
例5と同様にして10名のパネラーに評価してもらっ
て、その平均値を採った。その結果を下記の表6に示
す。
【0038】また、対照例6として、実施例5で用いた
のと同じ強力小麦粉7000gおよびそば粉3000g
に食塩100gおよび水3600gを加えて、実施例5
で使用したのと同じミキサーを用いて60回転/分の回
転速度で8分間混練して麺生地(水分含量36.5%)
を製造した。この麺生地を用いて実施例5の(4)と同
様にして生日本そばを製造し、得られた生日本そばを実
施例5の(5)と同様にして歩留り250%に茹であげ
て、その滑らかさ、弾力性および風味を10名のパネラ
ーに評価してもらって、その平均値を採った。その結果
を下記の表6に示す。
【0039】
【表5】 日本そばの食感および風味の評価基準 滑らかさ : 5点:対照例の日本そばに比べて非常滑らかであり、極めて良好 4点:対照例の日本そばに比べて滑らかであり、良好 3点:標準(対照例の日本そば) 2点:対照例の日本そばに比べて滑らかさにやや欠ける 1点:対照例の日本そばに比べて滑らかさにかなり欠ける 弾力性 : 5点:対照例の日本そばに比べて、しなやかさに富み、弾力性のバランスが よく、極めて良好 4点:対照例の日本そばに比べて、ややしなやかで、弾力性があり、良好 3点:標準(対照例の日本そば) 2点:対照例の日本そばに比べて、やや硬く、弾力性にやや欠け、やや劣る 1点:対照例の日本そばに比べて、かなり硬く、弾力性がなく、大幅に劣る 風 味 : 5点:対照例の日本そばに比べて、そばの風味が強く、
極めて良好 4点:対照例の日本そばに比べて、そばの風味がやや強
く、良好 3点:標準(対照例の日本そば) 2点:対照例の日本そばに比べて、そばの風味にやや欠
ける 1点:対照例の日本そばに比べて、そばの風味が大幅に
劣る
【0040】
【表6】 対照例5 実施例5 対照例6 実施例6 水中浸漬処理 なし あり なし あり 麺生地の水分含量(%) 33.6 33.6 36.5 36.5 日本そばの食感及び風味 : 滑らかさ 3.0 3.7 3.0 4.5 弾力性 3.0 3.7 3.0 4.8 風 味 3.0 3.9 3.0 4.1
【0041】上記表6の結果から、水中浸漬用生地を製
造してそれを水中に浸漬した後に取り出して混練−圧延
−麺線への切り出しを行って日本そばを製造している実
施例5および実施例6による場合は、水中への浸漬処理
を行わずに生地の製造−圧延−麺線への切り出しを行っ
ている対照例5および対照例6(いずれも従来法)に比
べて、滑らかさ、弾力性および風味のすべておいて優れ
ている、食感および風味の良好な日本そばが得られるこ
とがわかる。
【0042】
【発明の効果】本発明による場合は、混練による麺生地
の製造−圧延による麺帯の製造−麺帯からの麺線の切り
出しなどからなる従来の製麺法に比べて、滑らかさ、粘
弾性、風味などに優れる、食感、食味、風味の極めて良
好な麺類を、極めて簡単に且つ良好な作業性で製造でき
ることができる。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 麺類の製造に用いる原料穀粉類の50重
    量%以上と、麺類の製造に用いる水分の全量とを混合・
    混練して生地を製造した後、その生地を水中に1時間以
    上浸漬し、次いで生地を水中より取り出し、これに残り
    の原料穀粉類を加えて、更に混練し、以後常法により製
    麺することを特徴とする麺類の製造方法。
  2. 【請求項2】 麺類の製造に用いる原料穀粉類の60〜
    95重量%を使用して生地を製造した後、その生地を水
    中に1〜36時間浸漬してから水中より取り出す請求項
    1の製造方法。
  3. 【請求項3】 生地を浸漬する水の温度が5〜25℃で
    ある請求項1または2の製造方法。
  4. 【請求項4】 水浸漬後に取り出した生地の水分含量が
    34〜53重量%である請求項1〜3のいずれか1項の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項の製造方法
    により得られる麺類。
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