JP3293003B2 - 熱転写画像形成用金属イオン供給化合物を用いた記録材料および画像形成方法 - Google Patents

熱転写画像形成用金属イオン供給化合物を用いた記録材料および画像形成方法

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JP3293003B2
JP3293003B2 JP16801293A JP16801293A JP3293003B2 JP 3293003 B2 JP3293003 B2 JP 3293003B2 JP 16801293 A JP16801293 A JP 16801293A JP 16801293 A JP16801293 A JP 16801293A JP 3293003 B2 JP3293003 B2 JP 3293003B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属イオン供給化合物
を用いた熱転写型画像記録材料および該記録材料を用い
た画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱を利用して色素を受像要素に転写させ
てカラー画像を形成する手段としては、拡散転写型熱現
像感光材料を用いる手段と、感熱転写材料を用いる手段
とが知られている。これらの方式では色素を熱エネルギ
ーによって転写させるため、高感度化(転写時間の短縮
化)をはかろうとした場合、色素を熱的に高拡散性とす
ることにより高感度化が達成される。
【0003】しかしながら、これらの高拡散性の色素は
転写後の画像が、保存中に再拡散により画像濃度が低下
したり、色素の定着が十分でなくにじみ易いという欠点
を有する。
【0004】これらの問題を解決するために、受像要素
に色素の媒染剤を添加したり、色素と反応することによ
り定着を促進する方法が提案されている。このうちキレ
ート化可能な熱拡散性の色素を含む感熱転写材料を加熱
することにより色素を受像要素に転写し、受像要素中の
金属イオン供給化合物とキレート色素を形成する手段が
特開昭59-78893号、同60-2398号で提案されている。ま
た、特開平3-197088号では溶解性の改良された金属イオ
ン供給化合物が記載されているが、反応性が十分でな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記手段によれば画像
濃度の低下を防ぎ、色素の定着性に改良効果が見られる
ものの、金属イオン供給化合物を受像要素中に安定な分
散状態で存在させることが難しいという欠点を有する。
特に、熱拡散性の色素を受容する場合、好ましいバイン
ダである疎水性バインダに対して、金属イオン供給化合
物を添加した場合には、該化合物が析出したり凝集する
ために、画像の濃度むらが発生し、画質が低下する。ま
た、金属イオン供給化合物そのものが着色しているた
め、画像の白地部分が着色してしまい画質の低下を招い
ていた。また、金属イオンと色素とのキレート反応が不
完全の場合には、キレート前後で色素の色調が異なり、
色再現上好ましくない。そこで反応を完結させるため、
転写による画像形成後に高温あるいは長時間の加熱が必
要となり、画像形成装置が複雑で高価になるという欠点
を有していた。
【0006】本発明はこれらの点を改良するためになさ
れたものである。
【0007】本発明の第1の目的は金属イオン供給化合
物をバインダ中に安定な分散状態で存在させることがで
きる記録材料を提供することにある。
【0008】本発明の第2の目的は白地汚染が少く、キ
レート化反応が迅速に進行する記録材料および該記録材
料を用いた画像形成方法を提供することにある。
【0009】本発明の第3の目的は普通紙などの特に受
像層が設けられていない受像材料に対しても高濃度でか
つ良好な階調性を有するカラー画像を形成するための熱
転写型記録材料および該記録材料を用いた画像形成方法
を提供することにある。
【0010】
【発明の構成】本発明の上記目的は、 (1)前記一般式[I]で表される金属イオン供給化合
物を含有してなる熱転写型画像記録材料 (2)前記一般式[I]で表される金属イオン供給化合
物の存在下、画像情報に応じて加熱し、前記一般式
[I]で表される金属イオン供給化合物とキレート可能
な色素との反応により形成されるキレート色素からなる
画像を形成させることを特徴とする画像形成方法 により達成される。
【0011】以下に本発明を具体的に説明する。
【0012】前記一般式[I]で表される化合物(以下
本発明の化合物とする)において、M2+は2価の遷移金
属イオンを表すが、これらの中でも金属イオン供給化合
物自身の色およびキレート化した色素の色調からニッケ
ルおよび亜鉛が好ましい。Xは2価の金属イオンと錯体
を形成することができる前記一般式[II]で表された配
位化合物を表す。また、本発明の化合物は中心金属に応
じて中性の配位子を有してもよく、代表的な配位子とし
てはH2O或はNH3が挙げられる。
【0013】前記一般式[II]で表される化合物におい
て、Zはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシ
ル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボ
ニル基、カルバモイル基、ハロゲン原子または水素原子
を表す。Zがアリールオキシカルボニル基、アルコキシ
カルボニル基、ハロゲン原子などの電子吸引性基が金属
イオン供給化合物を安定化させるため好ましいが、この
中でもアリールオキシカルボニル基およびアルコキシカ
ルボニル基が溶解性の点で更に好ましい。該アリールオ
キシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル基が
挙げられ、該アルコキシカルボニル基としては、メトキ
シカルボニル、エトキシカルボニル、ペンチルオキシカ
ルボニル、2-エチルヘキシルオキシカルボニル基などの
炭素数1〜20の直鎖または分岐を有するアルコキシカル
ボニル基を挙げることができ、また、これらのアルコキ
シカルボニル基にはハロゲン原子、アリール基やアルコ
キシ基などが置換していてもよい。
【0014】RおよびR′はアルキル基およびアリール
基を表し、それぞれ同じでも異なっていてもよく、Rと
ZまたはR′とZが結合して環を形成してもよいが、Z
が水素原子となる時にR、R′が共にメチル基となるこ
とはない。Z、RおよびR′で表されるアルキル基とし
ては例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ヘキシル、オクチル、
2-エチルヘキシル基などの炭素数1〜20の直鎖または分
岐を有するアルキル基を挙げることができ、また、これ
らのアルキル基にはハロゲン原子、アリール基やアルコ
キシ基などが置換していてもよい。Z、RおよびR′で
表されるアリール基としてはフェニル、ナフチル基が挙
げられ、置換基を有していてもよい。Zで表されるアル
コキシ基としてはメトキシ、エトキシ、ブトキシなど炭
素数1〜20の直鎖または分岐を有するアルコキシ基を挙
げることができる。Zで表されるアシル基としてはアセ
チル、プロピオニル、クロロアセチル、フェナセチル、
ベンゾイル基などを挙げることができる。Zで表される
ハロゲン原子として好ましくは塩素原子を挙げることが
できる。
【0015】本発明に用いられる本発明の化合物の添加
量は、通常、支持体に対して、0.5〜20g/m2が好まし
く、1〜15g/m2がより好ましい。
【0016】以下に化合物例を挙げるが本発明はこれら
に限定されるものではない。
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】
【0019】
【化4】
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】前記一般式で表される化合物は、キレート
化学(5)錯体化学実験法[I](南江堂編)などに記
載の方法に準じて合成することができる。
【0025】本発明の画像記録材料としての好ましい実
施態様としては支持体上に少なくとも1種のバインダお
よび一般式[I]で表される本発明の化合物を有する受
像層を用いた画像記録材料である(以下、本発明の化合
物を含有する受像層を用いた画像記録材料を受像材料と
する)。
【0026】受像材料に用いられるバインダとしてはエ
ステル結合、ウレタン結合、アミド結合、炭素結合、ス
ルホン結合、その他極性の高い結合を有するものであれ
ば良く、代表例としてポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニ
ル樹脂、塩化ビニールと他のモノマー(例えば酢酸ビニ
ル等)との共重合体樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、
ポリカプロラクトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、
ポリビニルピロリドン樹脂、スチレン−無水マレイン酸
樹脂、ポリビニルカーボネート樹脂等が挙げられ、一種
または二種以上の樹脂を併用してもよく、共重合体であ
ってもよい。これらのポリマーのうち更に好ましいもの
として特開昭60-19138号に記載の可塑剤を含有したポリ
カーボネート類およびポリビニルアセタール系、特に特
開昭61-11293号記載のポリビニルブチラール類が挙げら
れる。バインダの使用量としては支持体1m2 当り0.1g
〜50gが好ましい。
【0027】受像材料に用いられる支持体としては、透
明支持体、不透明支持体等のいづれを使用してもよい
が、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネ
ート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、
ポリプロピレンなどのフィルムおよびこれらの支持体中
に酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク
等の顔料を含有させた支持体、バライタ紙、紙の上に顔
料を含んだ熱可塑性樹脂をラミネートしたRC紙、布
類、ガラス類、アルミニウム等の金属など、また、これ
ら支持体の上に顔料を含んだ電子線硬化性樹脂組成物を
塗布、硬化させた支持体、およびこれらの支持体の上に
顔料を含んだ塗布層を設けた支持体が挙げられる。更に
特開昭62-28333号に記載されたキャストコート紙も支持
体として有用である。
【0028】受像材料は定着性、感度を改良する目的で
2層以上の層で構成してもよい。この場合、支持体に近
い側の層(以降、下層という)は遠い側の層(以降、上
層という)に比べて色素の受容性が高いことが好まし
い。また、支持体に近い側の層と最外層はガラス転移点
の違う樹脂を用いたり、高沸点溶剤や特開平3-256795号
記載の熱溶剤の添加量を変えて転写後の画像の安定性
(例えば、非再転写性)を向上することができる。本発
明の化合物は上層へも、下層へも添加することができる
が、下層に添加したほうが感度的に好ましい。
【0029】色素の受容性とは以下の測定法で評価され
る。
【0030】受像材料に用いるバインダの1種を色素と
の比率が100:1になる割合で混合してなる塗布液を調製
し支持体上に前記塗布液を乾燥膜厚が4μmになるよう
に塗布、乾燥することにより第一着色層を設け、次いで
その上に、第一着色層とは異なる樹脂バインダと第一着
色層で使用した色素とで調製した塗布液を乾燥膜厚が4
μmになるように塗布、乾燥することにより第二着色層
を設ける。上記のように積層した着色層を100℃に加熱
しながら24時間放置した後、積層方向に対し垂直方向に
厚さ3μmにスライスし、ミクロトームで断面層を観察
し色素の着色度合により樹脂バインダの受容性の優劣を
判断できる。
【0031】本発明の化合物を受像材料中に添加して用
いる場合には、画像形成のために支持体上に少なくとも
1種のキレート可能な色素を含有する色材層を有するイ
ンクシートが用いられる。インクシートに用いられるキ
レート可能な色素は、メタルイオンとキレートすること
が可能であればよく、このような色素として、例えば特
開平3-114892号、同4-62092号、同4-62094号、同4-8289
6号、同5-16545号、特願平4-107778号、同4-167793号に
記載の色素が挙げられる。本発明に用いられる色素の含
有量は支持体1m2当り0.1g〜20gが好ましい。
【0032】イエロー色素として好ましくは下記一般式
[III]が挙げられる。
【0033】
【化9】
【0034】式中、R1およびR2は各々、水素原子また
は置換基を表し、YはOR3、SR3またはNR3R4を表し、Z1
は2個の炭素原子と共に5〜6員の芳香族環を構成する
に必要な原子群を表す。R3およびR4は各々、置換基を
有してもよいアルキル基またはアリール基を表す。
【0035】R1およびR2で表される置換基としては、
例えばハロゲン原子(弗素、塩素等)、アルキル基(メ
チル、i-プロピル、t-ブチル、トリフルオロメチル、メ
トキシメチル、2-メチルスルホニルエチル、2-メタンス
ルホンアミドエチル等)、シクロアルキル基(シクロペ
ンチル、シクロヘキシル等)、アリール基(フェニル、
3-メチルフェニル、4-t-ブチルフェニル、2-メトキシフ
ェニル、3-アセトアミノフェニル等)、シアノ基、アシ
ル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ
基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカル
ボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、
スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニ
ル基、複素環オキシ基、複素環チオ基、アシルオキシ
基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリール
オキシカルボニルアミノ基、イミド基、ホスホニル基等
が挙げられる。
【0036】R3およびR4で表されるアルキル基および
アリール基としては、R1およびR2で表されるアルキル
基、アリール基と同じものを挙げることができる。
【0037】Zと2個の炭素原子で構成される5〜6員
の芳香族環としては、ベンゼン、ピリジン、ピリミジ
ン、トリアジン、ピラジン、ピリダジン、ピロール、フ
ラン、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、トリア
ゾール、オキサゾール、チアゾール等の環が挙げられ、
これらの環は更に他の芳香族環と縮合環を形成してもよ
い。
【0038】マゼンタ色素として好ましくは下記一般式
[IV]が挙げられる。
【0039】
【化10】
【0040】式中、R11はアルキル基、ハロゲン原子ま
たは水素原子を表し、R12はアルキル基または水素原子
を表し、R13およびR14は各々、置換基を有してもよい
アルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基または
置換基を有してもよいアリール基を表す。ただし、R13
およびR14の少なくとも一つはアルキル置換アリール基
またはアルキル置換アラルキル基である。
【0041】R11が表すハロゲン原子としては塩素、臭
素等が挙げられ、R11およびR12が表すアルキル基とし
てはメチル、エチル、ブチル等が挙げられる。R13およ
びR14が表す、それぞれ置換基を有してもよいアルキル
基、アラルキル基およびアリール基としては、メチル、
エチル、プロピル、i-プロピル、ブチル、sec-ブチル、
ペンチル、ヘキシル、メトキシエチル、エトキシカルボ
ニルメチル、ベンジル、フェネチル、4-メチルベンジ
ル、フェニル、m-トリル、p-トリル等が挙げられる。た
だし、R13およびR14の少なくとも一方はアルキル置換
アリール基(m-トリル、4-メトキシフェニル等)または
アルキル置換アラルキル基(メチルベンジル)である。
【0042】シアン色素として好ましくは下記一般式
[V]が挙げられる。
【0043】
【化11】
【0044】式中、Z21は置換または未置換の芳香族環
を形成するに必要な原子群を表し、Z22はそれぞれ置換
または未置換のチアゾール環、ベンゾチアゾール環また
はピリジン環を形成するに必要な原子群を表し、R21
置換されてもよいアルキル基を表す。
【0045】Z21で形成される芳香族環としては、ベン
ゼン環、ナフタレン環が好ましい。R21が表す置換され
てもよいアルキル基は、好ましくは炭素原子数1〜12の
直鎖または分岐のアルキル基であり、例えばメチル、エ
チル、プロピル、I-プロピル、ブチル、t-ブチル、ヘキ
シル、2-エチルヘキシル、デシル、メトキシエチル、ク
ロロメチル、2-カルボキシエチル、ベンジル等が挙げら
れる。
【0046】以下に一般式[III]、[IV]および[V]
で表される色素の代表的化合物例を挙げるが、これらに
限定されるものではない。
【0047】
【化12】
【0048】
【化13】
【0049】
【化14】
【0050】インクシートに用いられるバインダは、セ
ルロース系、ポリアクリル酸系、ポリビニルアルコール
系、ポリビニルピロリドン系などの水溶性ポリマー、ア
クリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカー
ボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ
ビニルブチラール、ポリビニルアセタール、エチルセル
ロース、ニトロセルロース、などの有機溶媒に可溶のポ
リマーがある。有機溶媒に可溶のポリマーを用いる場
合、1種または2種以上を有機溶媒に溶解して用いるだ
けでなく、ラテックス分散の形で使用してもよい。
【0051】バインダの使用量としては支持体1m2当り
0.1g〜50gが好ましい。
【0052】本発明の画像記録材料としての別の好まし
い実施態様としては、支持体上に少なくとも1種のキレ
ート可能な色素を含有する色材層および本発明の化合物
を含有する本発明の化合物含有層からなる画像記録材料
が挙げられる(以下、色材層と本発明の化合物含有層を
用いた画像記録材料を転写材料という)。該転写材料に
おいては、色材層と本発明の化合物含有層が、特開平3-
81195号に記載されているごとく、支持体上に重ねられ
て設けられていてもよいし、特開平4-329191号に記載さ
れているごとく、支持体上に平面的に面順次に設けられ
ていてもよい。該転写材料に用いられる色材層はキレー
ト可能な色素とバインダを溶媒中に溶解するか、あるい
は単独で、または適当な溶媒に溶解後、バインダを微粒
子状に分散させることにより塗布液を調製し、転写材料
となる支持体上に塗布、乾燥することにより得られる。
【0053】ここで用いられる色素、バインダおよび支
持体は上述のインクシートで用いられたものと同じもの
を用いることができる。
【0054】該転写材料に用いられる本発明の化合物含
有層(以下転写層とする)は本発明の化合物と熱熔融性
化合物を溶媒中に溶解するか、あるいは単独で、または
適当な溶媒に溶解後、本発明の化合物を微粒子上に分散
させることにより塗布液を調製し、画像記録材料となる
支持体上に塗布、乾燥することにより得られる。該転写
層で用いられる熱熔融性化合物としては、65〜130℃の
融点を有する無色もしくは白色の化合物が好ましく用い
られ、例えばカルナバ蝋、蜜蝋、カンデリワックス等の
ワックス類、ステアリン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸、
キシリトール等のアルコール類、アセトアミド、ベンズ
アミド等のアミド類、フェニルウレア、ジエチルウレア
等の尿素類等を挙げることが出来る。なお、これらの転
写層には、色素の保持性を高めるために、例えばポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルブチラール、飽和ポリエス
テル等のポリマーが含有されていてもよい。該転写材料
に用いられる支持体としては、寸法安定性がよく、感熱
ヘッドでの記録の際の熱に耐えうるものならば何でもよ
いが、コンデンサ紙、グラシン紙のような薄葉紙、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンテレナフタレー
ト、ポリアミド、ポリカーボネートのような耐熱性のプ
ラスチックフィルムを用いることができる。支持体の厚
さは2〜30μmが好ましく、又支持体にはバインダとの
接着性の改良や色素の支持体側への転写、染着を防止す
る目的で下引層を有していてもよい。
【0055】本発明に用いられる色材層と本発明の化合
物含有層は、支持体上に塗布するか、またはグラビア法
などの印刷法により支持体上に設層される。各層の厚さ
は乾燥膜厚で0.1〜20μm、好ましくは0.2〜10μmであ
る。
【0056】該転写材料においては本発明の化合物含有
層と支持体の間に中間層を設け、本発明の化合物含有層
の転写を促進することができる。この中間層は例えば、
色素層で用いられたバインダに離型剤を加えて使用する
か、離型性に優れた樹脂としてシリコーン樹脂、弗素樹
脂などを使うことが好ましい。この離型剤としては特開
平4-135793号に記載のシリコーンオイル、燐酸エステル
系界面活性剤、弗素系界面活性剤等が挙げられる。
【0057】本発明の画像形成方法の好ましい実施態様
について説明する。
【0058】本発明の画像形成方法としては前述の受像
材料と前述のキレート化可能な色素を含むインクシート
を重ね合せ画像情報に応じて加熱し、インクシートの色
素を受像材料に転写させ、受像材料上に色素と本発明の
化合物との反応により形成されるキレート色素により画
像を形成する。
【0059】別の方法としては前述の本発明の化合物と
キレート化可能な色素を共に含む感熱転写層を有する転
写材料を用い、該転写材料の感熱転写層と受像材料(受
像層をもたない普通紙でもよい)を重ねて転写材料を加
熱し、該感熱転写層を受像材料に転写した後、画像情報
に応じて転写された感熱転写層を加熱して受像材料上に
キレート色素画像を形成させるか、あるいは該感熱転写
層と該受像材料を重ねて画像情報に応じて該転写層を加
熱し、本発明の化合物と色素を共に受像材料に転写し受
像材料上にキレート色素画像を形成させる。加熱方法と
してはサーマルヘッドを用いる方法が一般的であるが、
特開昭59-123695号に記載の通電加熱により、あるいは
欧州特許454083号に記載の光熱変換素子を用いたレーザ
加熱でもよい。
【0060】また、画像形成後受像材料を更に加熱して
もよい。この際の加熱は画像様に加熱する必要が無いこ
とから、上記加熱方法に加えて、ホットスタンプ、幅射
エネルギー(例えばキセノンランプによる)を用いるこ
とができる。
【0061】
【実施例】以下に本発明を実施例にて説明するが、本発
明がこれらの態様に限定されるものではない。
【0062】実施例1 表1に示した本発明の化合物及び比較化合物を用いて受
像層塗工液を調製した。
【0063】 ポリビニルブチラール樹脂・・・・・・・・・・・・・ 5.0部 [積水化学工業(株)製、エスレックBX−1] 金属イオン供給化合物・・・・・・・・・・・・・・ ・5.0部 メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・72.0部 シクロヘキサノン・・・・・・・・・・・・・・・・ 18.0部 この塗工液を、加温して均一溶液としたのち、室温にな
るまで静置し、塗工液の安定性をみた。次にこの塗工液
を、 紙の両面をポリエチレンでラミネートした紙支持
体に乾燥膜厚3μmとなるようにワイヤバー塗工後、乾
燥し受像材料を作成した。得られた受像材料の白地を濃
度計(X-rite310TR)を用いて測定した。結果を表1に示
す。
【0064】本発明の化合物を用いた受像材料は、溶解
性に優れ、析出がなく、白地も良好であることがわか
る。
【0065】
【表1】
【0066】 (註)比較1 Ni(CH3COCH2COCH3)2 比較2 Ni(C17H35COO) 2 1の評価符号の意味は下記の通りである。
【0067】溶解性 ◎:室温で撹拌すると溶解する ○:加温すると溶解する △:析出(溶媒量を2倍にすると溶解する) ×:析出(溶媒量を2倍にしても溶解しない) 析出 ○:析出がない ×:析出がみられる 白地 受像層の白地を目視で判断した ○:良好 △:やや良好 ×:不良 反応性 転写後の画像を100℃のオーブンに1分間入
れ、加熱前後の色調の変化を目視で判断した ○:良好 △:やや良好 ×:不良 実施例2 下記組成の混合物から本発明に用いられる熱拡散性色素
を含有する均一な溶液のインクを得た。
【0068】 マゼンタM−1 10g ニトロセルロース樹脂 20g メチルエチルケトン 400ml 〈色素供与材料の作製〉上記の熱拡散性色素を含有する
インクを、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフ
ィルムよりなる支持体上に、ワイヤバーを用いて乾燥後
の塗布量が1.0g/m2になるように塗布,乾燥して熱拡散
性色素を含有する層を形成し、本発明の色素供与材料−
1を作製した。なお、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムの裏面には、ステッキング防止層としてシリコーン
変性ウレタン樹脂(SP-2105,大日精化製)を含むニトロセ
ルロース層が設けられている。
【0069】得られた色素供与材料と実施例1で作成し
た受像材料とを、インクの塗布面と受像面とが向き合う
ように重ね、感熱ヘッドを色素供与材料の裏面から当て
て以下の記録条件で画像記録を行った。 得られた画像
の最大反射濃度(Dmax)、各濃度における色素のキレ
ート反応性の評価結果を表1に示す。
【0070】本発明の化合物を用いた受像材料は最大反
射濃度が高く良好である。また、印加エネルギーによら
ずキレート化が進行しており反応性の高いことがわか
る。
【0071】(記録条件) 主走査,副走査の線密度:8ドット/mm 記録電力:0.6W/ドット ヘッドの加熱時間:20msecから2msecの間で段階的に加
熱時間を調整 実施例3 〈金属イオン供給化合物を含む転写材料の作製〉厚さ4.
5μmのポリエチレンテレフタレートベース上にワイヤバ
ーを用いて前記本発明の化合物26(付量3.0g/m2)およ
び紫外線防止剤(UV-1,付量0.2g/m2)、酸化防止剤(A
O-1,付量0.2g/m2)およびエチレン-酢酸ビニル共重合
体(酢酸ビニルの含量20%,付量0.5g/m2)を含むパラ
フィンワックス(付量2.5g/m2)のメチルエチルケトン
分散物を塗布、乾燥し転写性層を塗設した。なお、上記
ポリエチレンテレフタレートベースの裏面にはスティッ
キング防止層としてシリコーン変性ウレタン樹脂(SP-2
105、大日精化製)を含むニトロセルロース層が設けら
れている。
【0072】
【化15】
【0073】〈転写画像記録方法〉前記本発明の化合物
を含む転写材料と上質紙とを重ね、感熱ヘッドを転写材
料の裏面から当てて、下記の条件で加熱を行い転写して
受像材料を作成した。
【0074】(記録条件) 主走査、副走査の記録密度:8ドット/mm 記録電力:0.6W/ドット 加熱時間:3msec 続いてこの受像材料に、実施例2のニトロセルロース樹
脂をポリビニルブチラール樹脂に変更し、乾燥後の塗布
量が0.8g/m2になるように作成した色素供与材料を重ね
て、感熱ヘッドを色素供与材料の裏面から当てて、下記
の条件で加熱を行ったところ、階調性の優れたマゼンタ
画像が得られた。
【0075】(記録条件) 主走査、副走査の記録密度:8ドット/mm 記録電力:0.6W/ドット 加熱時間: 20msecから0.2msecの間で段階的に加熱時
間を調整 得られた画像は加熱によっても色調の変化がなく、十分
な反応性を有することがわかった。
【0076】実施例4 実施例2のマゼンタ色素にかえて、イエロー色素(Y−
1)およびシアン色素(C−1)を用いて色素供与材料
を作成し、実施例1で作成した受像材料(試料No.6)
と順に重ねて感熱ヘッドを色素供与材料の裏面から当
て、画像に応じて加熱を行いフルカラーサンプルを作成
した。得られた画像は白地汚染が少なく、本発明の化合
物が析出することもないため、表面状態の良好な画像で
あった。
【0077】
【発明の効果】疎水性バインダに金属イオン供給化合物
が安定分散し、白地汚染のない高感度記録材料が得ら
れ、好適な画像形成方法が提供でき、かつプレンペーパ
にも適用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 駒村 大和良 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式 会社内 審査官 藤井 勲 (56)参考文献 特開 平4−97894(JP,A) 特開 平4−176686(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[I]で表される金属イオン
    供給化合物を含有してなる熱転写型画像記録材料。一般式[I] M 2+ (X - ) 2 〔式中、M 2+ は2価の遷移金属イオンを表す。Xは2価
    の金属イオンと錯体を形成することができる下記一般式
    [II]で表された配位化合物を表す。〕 【化A】 〔式中、Zはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、
    アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカ
    ルボニル基、カルバモイル基、ハロゲン原子または水素
    原子を表す。RおよびR′はアルキル基またはアリール
    基を表し、それぞれ同じでも異なっていてもよく、Rと
    ZまたはR′とZが結合して環を形成してもよいが、Z
    が水素原子のとき、RおよびR′が共にメチル基である
    ことはない。〕
  2. 【請求項2】 下記一般式[I]で表される金属イオン
    供給化合物の存在下、画像情報に応じて加熱し、下記一
    般式[I]で表される金属イオン供給化合物とキレート
    可能な色素との反応により形成させるキレート色素から
    なる画像を形成させることを特徴とする画像形成方法。 一般式[I] M2+(X-)2 〔式中、M2+は2価の遷移金属イオンを表す。Xは2価
    の金属イオンと錯体を形成することができる下記一般式
    [II]で表された配位化合物を表す。〕 【化1】 〔式中、Zはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、
    アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカ
    ルボニル基、カルバモイル基、ハロゲン原子または水素
    原子を表す。RおよびR′はアルキル基またはアリール
    基を表し、それぞれ同じでも異なっていてもよく、Rと
    ZまたはR′とZが結合して環を形成してもよいが、Z
    が水素原子のとき、RおよびR′が共にメチル基である
    ことはない。〕
  3. 【請求項3】 前記一般式[II]中のZがアリールオキ
    シカルボニル基またはアルコキシカルボニル基であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の熱転写型画像記録材
    料。
  4. 【請求項4】 前記一般式[II]中のZがアリールオキ
    シカルボニル基またはアルコキシカルボニル基であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
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