JP3292937B2 - 残留農薬分析法 - Google Patents
残留農薬分析法Info
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Description
除草剤である5ー{2ークロロー4ー(トリフルオロメ
チル)フェノキシ}ー2ーニトロ安息香酸[ 一般名; ア
シフロルフェン(Acifluorfen) 以下、AFと記す。] の自
然環境サンプル中での残留量の測定方法に関する。
に増加してきた輸入食品へのポストハーベスト農薬の問
題に、大きな社会的な関心が寄せられている。自然環境
や輸入食品に関する安全性確保のためには、これらに含
有される残留農薬の量を正確、かつ、迅速に測定するこ
とが必要である。農薬の残留分析法は、従来、農薬が登
録される時点において作物ごとに定められており、主
に、試料から農薬を抽出、精製の後、抽出物中の含有量
をガスクロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィ
ーなどを用いて測定していた。これらの方法は、その感
度、精度ともに充分な方法であるが、しかし、試料の調
製に相当の手間と時間を必要とすること並びに測定装置
や設備等に高額の費用を要するといった欠点があった。
輸入食品等の残留農薬の分析は、その分析件数が多大、
かつ、鮮度を保持する必要があるため、簡便性や迅速性
が重要である。また、高価な測定装置がなくても容易に
分析できることが要求される。そのため、従来の分析方
法に比し、より簡便で迅速な残留農薬の分析方法の開発
が望まれている。
テル系除草剤であるAFの分析には、主にカルボン酸をメ
チル化した後、ガスクロマトグラフィーを用いて測定す
る方法が採用されていたが、その分析には相当の手間と
時間を必要としていた。このため、AFの抗体を用いて免
疫学的検出方法によるAFの簡便、迅速な分析方法を確立
することが望まれていた。
自然環境サンプル中でのAFの残留量の測定方法について
誠意検討した結果、哺乳動物の血清アルブミンとAFの結
合体に対して哺乳動物を免疫した後、該哺乳動物から血
液を採取して、該血液を分離・精製することにより得ら
れるAFを認識する抗体を第一抗体とし、標識酵素を結合
し、かつ第一抗体を産生する哺乳動物と異なる種の哺乳
動物に由来する第一抗体に対する抗体を第二抗体として
用いた間接競合阻害法(ELISA法) によって、自然環境サ
ンプル中でのAFの残留量を簡便、迅速かつ、正確に分析
できることを見い出し、本発明を完成した。即ち、本発
明は5ー{2ークロロー4ー(トリフルオロメチル)フ
ェノキシ}ー2ーニトロ安息香酸を免疫学的検出方法で
ある間接競合阻害法(ELISA 法)で測定する方法であっ
て、(1) 所定量の抗AF哺乳動物抗体( 以下、第一抗体と
記す。) を含有する溶液とAFを含有するサンプル溶液を
反応し、(2) 該反応液に含まれる未反応の第一抗体を、
第一抗体を産生する哺乳動物と同一種の哺乳動物の血清
アルブミンとAF の結合体で表面をコートした担体に結
合させ、(3) 該担体を洗浄した後、(4) 標識酵素を結合
し、かつ、第一抗体を産生する哺乳動物と異なる種の哺
乳動物に由来する第一抗体に対する抗体(第二抗体)を
該担体に反応させ、(5) 該担体を洗浄した後、(6) 該標
識酵素の基質との酵素反応によって発色する発色試薬を
含有する緩衝液を添加し、反応させた後に吸光度を測定
し、(7) その測定値からサンプル中のAF濃度を算出する
ことを特徴とする自然環境サンプル中でのAFの残留量の
測定方法( 以下、本発明測定方法と記す。) および該測
定方法に使用するための試験キットであって、(1)5−
{2-クロロ-4-(トリフルオロメチル) フェノキシ}−2
−ニトロ安息香酸( 以下、AFと記す。) に対する哺乳動
物抗体を産生する哺乳動物と同一種の哺乳動物の血清ア
ルブミンとAFの結合体で表面をコートした担体( 固体支
持剤) 、(2) 抗AF哺乳動物抗体( 第一抗体) を含有する
試薬、(3) 標識酵素を結合し、かつ、第一抗体を産する
哺乳動物と異なる種の哺乳動物に由来する第一抗体に対
する( 第二抗体)を含有する試薬を含有することを特徴
とするAFの免疫学的検出・分析用組成物を提供するもの
である。
ウシ血清アルブミン(BSA: 分子量66200)、ヒト血清アル
ブミン(HSA: 分子量58000)、ウサギ血清アルブミン( RS
A:分子量68000)、ヤギ血清アルブミン(GSA: 分子量6800
0)等の哺乳動物の血清アルブミンをAFに化学結合させた
結合体を免疫原として用い、例えば、J.ASSOC.OFF.ANA
L.CHEM., 70(6)1025-1027(1987)等に記載されるW.H.New
some 等の通常の免疫感作の方法に従って、ウサギ、ラ
ット、イヌ等の哺乳動物を免疫した後、該哺乳動物から
血液を採取して、該血液を、例えば、遠心分離、硫酸ア
ンモニウムまたはポリエチレングリコールを用いること
による沈澱、ゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換
クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィ
ー等のクロマトグラフィー等の通常の方法によって分離
・精製することによって製造することができる。第一抗
体製造に使用する免疫原は、例えば、B.F.Erlangerらに
よる酸無水物法(J.Biol.Chem.Vol.234, 1090-1094 (195
9)) 等の通常の方法によって哺乳動物の血清アルブミン
をAFに化学結合させることにより調製することができ
る。また、上記の免疫感作した哺乳動物から免疫適格B
細胞が単離され、該免疫適格B細胞が連続的に細胞***
し得る腫瘍細胞と融合され、生成する融合物が単離さ
れ、そして選択の後、所望の抗体を産生するハイブリド
ーマ細胞がクローン化され、そしてモノクローナル抗体
を製造するために該ハイブリドーマ細胞が試験管内また
は生体内で培養されることにより、高度の特異性および
親和性を有する抗体も製造することができる。
体) としては、間接競合阻害法(ELISA法) において通常
用いられる担体を使用することができ、たとえば、ミク
ロタイタープレートまたは試験管のプラスチック表面、
ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ガラ
スまたはプラスチック等からなるビーズ表面、濾紙、デ
キストラン、セルロースもしくはニトロセルロースまた
はその他の類似の材料の細片の表面等をあげることがで
きる。上記の担体は、非常に広範囲のデザインを有し、
そして使用に際して意図された特定の目的に応じて非常
に異なる形状を有することができる。例えば、皿、球、
プレート、小型ロッド、セル、小型ボトル、小型チュー
ブ、ファイバー、ネット等をあげることができる。具体
的な例としては、透明プラスチック材料、例えばポリ塩
化ビニルまたはポリスチレンからなるミクロタイタープ
レート、ポリスチレンおよびポリスチレンラテックスか
らなる小球、チューブまたはロッド等が使用可能であ
る。特にポリスチレンの96穴ミクロタイタープレートを
使用することが都合がよい。本発明測定方法において、
第一抗体を産生する哺乳動物と同一種の哺乳動物の血清
アルブミンとAFの結合体の担体へのコーティングに用い
るコーテイング緩衝溶液を、たとえば、あらかじめグル
タルアルデヒドまたは臭化シアン等を用いる通常の方法
によって活性化された担体に添加した後、インキューベ
ートすることによって第一抗体を産生する哺乳動物と同
一種の哺乳動物の血清アルブミンとAFの結合体で担体の
表面をコートする。ここで使用するコーテイング緩衝溶
液としては、例えば、NaCl 100mMを含有する10mMのリン
酸緩衝液(pH 7.5)等を使用することが好都合であるが、
これのみに限定されるものではない。また、哺乳動物の
血清アルブミンとAFの結合体は、前記の第一抗体製造に
使用される免疫原の調製方法の場合と同様にして製造す
ることができる。
抗体を産生する哺乳動物と同一種の哺乳動物の血清アル
ブミンとAFの結合体の担体へのコーテイングに用いるコ
ーテイング緩衝液の濃度は、約1 μg/ml以上であること
が望ましい。該濃度を約100μg/mlまで上昇しても最終
的な結果は変わらず、これは約1 μg/mlで抗原の担体へ
の吸着が平衡化することを示している。使用する量とし
ては、96穴マイクロプレートを使用する場合には、例え
ば約0.1ml/well程度を好ましくあげることができる。上
記のインキューベートの条件について、例えば、約4 ℃
で約6 時間ないし約24時間、望ましくは、一晩インキュ
ーベートすることをあげることができる。第一抗体を産
生する哺乳動物と同一種の哺乳動物の血清アルブミンと
AFの結合体の担体へのコーティング後、第一抗体の非特
異的結合を防止するために、第一抗体を産生する哺乳動
物と同一種の哺乳動物の血清アルブミン以外の蛋白で、
第一抗体を産生する哺乳動物と同一種の哺乳動物の血清
アルブミンが吸着してない部分をブロックすることが望
ましい。この目的には、例えば、約3%のスキムミルク溶
液と担体を約20°C 前後で約2 時間程度インキューベー
トする方法等が簡便なものとしてあげられる。このよう
にして得られた担体は、洗浄緩衝液( たとえば、NaCl
0.8%(W/V)、KCl 0.02%(W/V) およびTween 20、0.2%(V/
V) を含む10mMのリン酸緩衝液(pH7.2) が好ましい。)
で洗浄した後に使用する。
の自然環境中の水系類をサンプルとする場合には、サン
プル中のAF濃度が約100 〜約10,000ng/ml の範囲で測定
することができる。従って、サンプル中のAF濃度が上記
より高濃度である場合には、サンプルを適宜希釈した後
に使用する。また低濃度である場合には、サンプルを適
宜濃縮した後に使用する。食品、穀物、植物や土壌など
の自然環境中の非水系類をサンプルとする場合には、メ
タノール等の溶媒でサンプルからAFを抽出した後、該メ
タノール抽出液をたとえば前記の洗浄緩衝液等の緩衝液
等で希釈した後に使用する。このようにして調製したAF
を含有するサンプル溶液と過剰量の第一抗体を含有する
緩衝溶液を混合し、たとえば約20℃前後で一晩インキ
ューベートすることによって反応させる。この際、第一
抗体は、約3,000 〜約5,000 倍に希釈してサンプル中の
AFと反応させることが望ましく、特に約5,000 倍程度の
希釈をより望ましくあげることができる。すなわち、約
2,500 倍程度に希釈した第一抗体を同容量のAFを含有す
るサンプル溶液と混合し、約20°C で一晩反応させるこ
とが望ましい。希釈液としては、たとえば、前記の洗浄
緩衝液と同じ組成のものを用いることができる。なお、
必要に応じて、第一抗体が過剰に希釈された場合の安定
化のために保護タンパクとして3%のスキムミルク等を加
えることが望ましい。
の反応液に含まれる未反応の第一抗体を、第一抗体を産
生する哺乳動物と同一種の哺乳動物の血清アルブミンと
AFの結合体で表面をコートした担体に結合させる反応を
行う。この反応条件について、サンプルと第一抗体の反
応液を担体に添加し、たとえば約20°C で、約1 時間程
度反応させることを望ましくあげることができる。反応
後、前記の洗浄緩衝液で担体を洗浄した後、標識酵素を
結合し、かつ第一抗体を産生する哺乳動物と異なる種の
哺乳動物に由来する第一抗体に対する抗体(第二抗体)
との反応に供する。
としては、たとえばペルオキシダーゼ、アルカリホスフ
ァターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、グルコースオキ
シダーゼ、グルコアミラーゼ、炭酸アンヒドラーゼ、ア
セチルコリンエステラーゼ、リゾチーム、マレートデヒ
ドロゲナーゼ、グルコース−6−ホスフェートデヒドロ
ゲナーゼ等の酵素を結合した第一抗体に対する抗体をあ
げることができる。具体的な例としては、第一抗体とし
てウサギ抗血清を使用する場合、第二抗体としては、ペ
ルオキシダーゼを結合した抗ウサギ免疫グロブリン(I
gG)ヤギ免疫グロブリン(IgG)を好ましくあげる
ことができる。なお、該ウサギIgGヤギIgGは市販
されており、容易に入手可能である。ペルオキシダーゼ
で標識される場合には、基質として過酸化水素、発色試
薬としてジアミノベンジジンまたはO−フェニレンジア
ミンと組み合わさって褐色または黄色を生じる。後者を
使用した場合には、発色最適時間が約10分程度であり、
最終吸光度が約1.3 〜約1.4 を示す。なお、測定には4
90nmおよび655nmの吸光度が適する。グルコー
スオキシダーゼで標識される場合には、基質として、た
とえば2,2'−アシド−ジ−(3−エチルベンゾチアゾ
リン−6−スルホン酸(ABTS)等を用いる。なお、
測定には405nmおよび655nmの吸光度が適す
る。第一抗体が結合した担体に約1,000 〜約2,000 倍,
好ましくは約1,000 倍程度に希釈した第二抗体を反応さ
せた後、該担体を洗浄し、ついで第二抗体に結合した標
識酵素と基質との酵素反応によって発色する発色試薬を
含有する緩衝液を添加し、反応させた後に吸光度をマル
チスキャニングスペクトロフォトメーター等の装置を用
いて測定する。
体を含有し、そしてAF簡便でかつ迅速に処理できる精度
の高い検出・分析のために野外条件下での使用に適して
いる、使用のために調製されている試験キットの形態に
されたAFの免疫学的検出・分析のための手段を包含す
る。上記の試験キットは、たとえば次の構成成分を含有
し得る: (1) AFに対する哺乳動物抗体を産生する哺乳動物と同一
種の哺乳動物の血清アルブミンとAFの結合体で表面をコ
ートした担体( 固体支持材) 、 (2) 抗AF哺乳動物抗体( 第一抗体) を含有する試薬、 (3) 標識酵素を結合し、かつ、第一抗体を産する哺乳動
物と異なる種の哺乳動物に由来する第一抗体に対する(
第二抗体)を含有する試薬、 (4) AF の標準化溶液 (5) 緩衝液 (6) 非特異的吸着および凝集体の形成を防止するポリペ
プチド、界面活性剤等の添加剤、および (7) ピペット、反応容器、計算曲線等。
明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではな
く、本発明の技術分野における通常の変更をすることが
できる。 実施例1 (哺乳動物の血清アルブミンとAFの結合体の
調製) 25mgのAFを2ml の無水ジオキサンに溶解し、0.05mlのN-
メチルモルホリンを加えて10°C で20分間攪拌した。更
に、0.02mlのイソブチルクロロカーバメイトを少しずつ
添加し、15分間攪拌した。一方、80mgのウシ血清アルブ
ミン(BSA) を4.3ml の蒸留水に溶解して、1NのNaOH溶液
でpH9.5 に調整した後、10°C で2.6mlのジオキサンを
少しずつ滴下した。次いで、1NのNaOH溶液でpH9 に保ち
ながら、先に調製したAF溶液を少しずつ加え、4 °C で
4 時間攪拌して反応させた。その後、SephadexG-25を用
いたゲル濾過による精製を行った。得られたタンパク質
画分を蒸留水で24時間透析した後、凍結乾燥してウシ血
清アルブミンとAFの結合体を得た。
るように生理的リン酸緩衝液に溶解した。この水溶液と
フロイント完全アジュバンド(DIFCO LABORATORIES社
製)各々0.5ml ずつ加え、よく混合した。得られた混合
物1mlを日本白色種ウサギ(雄、4週令、約0.6kg )に
筋肉注射した。その後、2 、4 、6 週間後に各々、実施
例1により得られた結合体の濃度を100 μg/mlになるよ
うに調製した生理的リン酸緩衝液を初回と同様に追加投
与を行った。最後の投与後に免疫感作した供試ウサギか
ら全採血し、得られた血液を遠心分離(1000xg,15min,4
℃)して上清を回収した。得られた上清を33%飽和硫
安で塩析し、遠心分離(1000xg,15min,4℃)した後、沈
澱を少量の生理的リン酸緩衝液に溶解した。これを生理
的リン酸緩衝液を用いて4℃で一晩透析することにより
第一抗体を得た。
と同一種の哺乳動物の血清アルブミンとAFの結合体によ
る抗体表面のコーティング) 実施例1に準じて得られたウサギ血清アルブミンとAFの
結合体を1μg/mlの濃度で含有するコーティング緩衝液
(NaCl 100mMを含有する10mMのリン酸緩衝液(pH 7.5))
をポリスチレンの96穴ミクロタイタープレートに、0.1m
l/wellの割合で添加し、約4 ℃で一晩インキューベート
した。その後、3%のスキムミルク溶液を300μlずつ
添加し、20℃で約2 時間インキューベート後、該ミク
ロタイタープレートを洗浄緩衝液( NaCl 0.8%(W/V)、KC
l 0.02%(W/V) およびTween 200.2%(V/V) を含有する1
0mMのリン酸緩衝液(pH7.2) ) を用いて3 回洗浄し
た。
のよるAFの測定:その1) 実施例2によって得られた抗AFウサギ抗体を、洗浄緩衝
液( NaCl 0.8%(W/V)、KCl 0.02%(W/V) およびTween 20
0.2%(V/V) を含有する10mMのリン酸緩衝液(pH7.
2) ) に3%の濃度でスキムミルクを添加された緩衝液を
用いて2,500 倍に希釈し、上記の洗浄緩衝液で希釈した
同容量のサンプル溶液と混合し、約20°Cで一晩反応さ
せた。得られた反応液0.1ml/wellを実施例3で得られ
た、ウサギ血清アルブミンとAFの結合体によってコーテ
ィングされた担体に添加し、20℃で1時間反応させた
後、該担体(未反応の第一抗体を結合した)を、上記の
洗浄緩衝液を用いて3 回洗浄した。標識酵素としてペル
オキシダーゼを結合した抗ウサギIgG ヤギIgG 画分( 和
光純薬工業社製) を上記の緩衝液で1,000 倍に希釈した
溶液を、0.1ml/wellの割合で担体に添加し、20℃で約3
時間インキューベートした後、該担体(第2抗体を反応
させた)を上記の洗浄緩衝液を用いて3 回洗浄した。o-
フェニレンジアミン発色溶液( o- フェニレンジアミン
ー 0.2%(W/V) 100mM, リン酸・クエン酸緩衝液(pH5) 10
0mM, 過酸化水素0.003%(V/V) ) を0.2ml/wellの割合で
洗浄後の担体に添加し、20℃で10分間インキューベート
した後、さらに4N H2SO4, 0.05ml/wellの割合で加え反
応を止めた。その後、490nm および655nm での吸光度を
測定した。上記のようにして自然環境サンプル中のAF濃
度を測定した結果、水田水、水道水及び洗浄緩衝液のAF
溶液を使用した各々の測定結果はほぼ一致し、水田水や
水道水に含まれる物質はAF濃度の測定に対して影響を与
えないことが判明し、さらにサンプル中のAFは約100 ng
/ml 〜約10,000ng/ml の濃度範囲において正確にサンプ
ル中でのAF の残留量を測定できることが明らかになっ
た。
のよるAFの測定:その2) 実施例2によって得られた抗AFウサギ抗体を、洗浄緩衝
液( NaCl 0.8%(W/V)、KCl 0.02%(W/V) およびTween 20
0.2%(V/V) を含有する10mMのリン酸緩衝液(pH7.
2) ) に6%の濃度でスキムミルクを添加された緩衝液を
用いて2,500 倍に希釈し、上記の洗浄緩衝液で希釈した
同容量のサンプル溶液と混合し、約20°Cで一晩反応さ
せた。得られた反応液0.1ml/wellを実施例3で得られ
た、ウサギ血清アルブミンとAFの結合体によってコーテ
ィングされた担体に添加し、20℃で1時間反応させた
後、該担体(未反応の第一抗体を結合した)を、上記の
洗浄緩衝液を用いて3 回洗浄した。標識酵素としてビオ
チンを結合した抗ウサギIgG ロバIgG 画分を上記の緩衝
液で2,000 倍に希釈した溶液を、0.1ml/wellの割合で担
体に添加し、20℃で約1時間インキューベートした後、
該担体(第2抗体を反応させた)を上記の洗浄緩衝液を
用いて3 回洗浄した。アビジン結合アルカリフォスファ
ターゼを1000倍に希釈した溶液を0.1ml/wellの割合で添
加し、1時間インキュベートした後、該担体を上記の緩
衝液を用いて3回洗浄した。アルカリフォスファターゼ
発色試薬(0.5M MgCl2 、0.1% p- ニトロフェノールリ
ン酸2ナトリウムを含有する1Mジエタノールアミン−
塩酸緩衝液(pH9.8 ))を0.2ml/wellの割合で洗浄後の
担体に添加し、25°C で30分間インキューベートした
後、1N NaOH を0.05ml/well の割合で加え反応を止め
た。その後、415nm および630nm での吸光度を測定し
た。上記のようにして自然環境サンプル中のAF濃度を測
定した結果、水田水、水道水及び洗浄緩衝液のAF溶液を
使用した各々の測定結果はほぼ一致し、水田水や水道水
に含まれる物質はAF濃度の測定に対して影響を与えない
ことが判明し、さらにサンプル中のAFは約100 ng/ml 〜
約10,000ng/ml の濃度範囲において正確にサンプル中で
のAF の残留量を測定できることが明らかになった。
つ迅速に処理できる精度の高い自然環境サンプル中での
アシフロルフェン( ジフェニルエーテル系除草剤) の残
留量の測定が可能となった。特に水田水、水道水、食
品、穀物、植物や土壌などの自然環境サンプル中のアシ
フロルフェンの残留量の測定においては、一度に多大な
測定件数を処理可能とした。
Claims (3)
- 【請求項1】5ー{2ークロロー4ー(トリフルオロメ
チル)フェノキシ}ー2ーニトロ安息香酸( 以下、AFと
記す。) を免疫学的検出方法である間接競合阻害法(EL
ISA法)で測定する方法であって、(1) 所定量の抗AF哺
乳動物抗体( 以下、第一抗体と記す。) を含有する溶液
とAFを含有するサンプル溶液を反応し、(2) 該反応液に
含まれる未反応の第一抗体を、第一抗体を産生する哺乳
動物と同一種の哺乳動物の血清アルブミンとAF の結合
体で表面をコートした担体に結合させ、(3) 該担体を洗
浄した後、(4) 標識酵素を結合し、かつ、第一抗体を産
生する哺乳動物と異なる種の哺乳動物に由来する第一抗
体に対する抗体(第二抗体)を該担体に反応させ、(5)
該担体を洗浄した後、(6) 該標識酵素の基質との酵素反
応によって発色する発色試薬を含有する緩衝液を添加
し、反応させた後に吸光度を測定し、(7) その測定値か
らサンプル中のAF濃度を算出することを特徴とする自然
環境サンプル中でのAFの残留量の測定方法。 - 【請求項2】5ー{2ークロロー4ー(トリフルオロメ
チル)フェノキシ}ー2ーニトロ安息香酸( 以下、AFと
記す。) を免疫学的検出方法である間接競合阻害法(EL
ISA法)で測定する方法であって、(1) 所定量の抗AFウ
サギ抗体を含有する溶液とAFを100ng/ml〜10000ng/mlの
範囲で含有するサンプル溶液を反応し、(2) 該反応液に
含まれる未反応の抗AFウサギ抗体を、ウサギ血清アルブ
ミンとAFの結合体で表面をコートした担体に結合させ、
(3) 該担体を洗浄した後、(4) ペルオキシダーゼを結合
した抗ウサギIgG ヤギIgG を該担体に反応させ、(5) 同
担体を洗浄した後、(6) 該標識酵素の基質との酵素反応
によって発色する発色試薬を含有する緩衝液を添加し、
反応させた後に吸光度を測定し、(7) その測定値からサ
ンプル中のAF濃度を算出することを特徴とする請求項1
の測定方法。 - 【請求項3】請求項1の測定方法に使用するための試験
キットであって、(1)5−{2-クロロ-4-(トリフルオロメ
チル) フェノキシ}−2−ニトロ安息香酸( 以下、AFと
記す。) に対する哺乳動物抗体を産生する哺乳動物と同
一種の哺乳動物の血清アルブミンとAFの結合体で表面を
コートした担体( 固体支持剤) 、(2) 抗AF哺乳動物抗体
( 以下、第一抗体と記す。) を含有する試薬、(3) 標識
酵素を結合し、かつ、第一抗体を産する哺乳動物と異な
る種の哺乳動物に由来する第一抗体に対する( 第二抗
体)を含有する試薬を含有することを特徴とするAFの免
疫学的検出・分析用組成物。
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JP20652693A JP3292937B2 (ja) | 1992-09-14 | 1993-08-20 | 残留農薬分析法 |
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JP24453992 | 1992-09-14 | ||
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JP6473662B2 (ja) * | 2015-05-29 | 2019-02-20 | 公益財団法人科学技術交流財団 | イムノアッセイ法を用いた残留農薬検査のための前処理方法、及び残留農薬検査方法 |
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1993
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