JP3015121B2 - 非A1c糖化ヘモグロビンに対するモノクローナル抗体 - Google Patents

非A1c糖化ヘモグロビンに対するモノクローナル抗体

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JP3015121B2
JP3015121B2 JP3032750A JP3275091A JP3015121B2 JP 3015121 B2 JP3015121 B2 JP 3015121B2 JP 3032750 A JP3032750 A JP 3032750A JP 3275091 A JP3275091 A JP 3275091A JP 3015121 B2 JP3015121 B2 JP 3015121B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非A1c配置で糖化され
ているヘモグロビンに対するモノクローナル抗体、 その
抗体を産生するハイブリッド細胞系、および該モノクロ
ーナル抗体の使用法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】非酵素的糖化とは、炭水化物と、タンパ
ク質のアミノ末端の遊離アミノ基またはリジン残基のε
アミノ基との縮合反応である。反応は、非環状グルコー
スのアルデヒド基が求核的付加によってタンパク質アミ
ノ基に結合することで開始され、アルジミン、別名シッ
フ塩基を形成する。この中間産物は続いてアマドリ転位
によって、安定なケトアミン結合を持つ1-アミノ1-デオ
キシフルクトース誘導体を形成する(コーエン(Cohen)、
M.P.、Diabetes and Protein Glycosylation, Springer
Verlag, 1986)。この遊離糖とタンパク質の2分子縮合
は、酵素活性の影響なしにリボソーム後のタンパク質の
修飾を行うメカニズムを構成するものである。
【0003】糖化は循環の滞留時間中にタンパク質がさ
らされる周囲のグルコース濃度に一次的に依存する非酵
素的な遅い連続的反応であるため、ある種の循環タンパ
ク質の糖化レベルを平均血中グルコース濃度を追跡する
ために使用することができる。これらの二つの因子、グ
ルコース濃度と滞留時間は、増加した血中グルコース濃
度(高血糖)の程度と持続性にin vivoで翻訳される。
したがって、糖尿病がよく調節されていない糖尿病患者
のように、血糖値が上昇している場合、糖化されたタン
パク質量が増加する。非酵素的糖化量の測定に有用であ
ることが知られている主要な循環タンパク質は、ヘモグ
ロビンとアルブミンである。ヒトの血中の糖化アルブミ
ン量は、アルブミンが循環期間中にさらされた平均血中
グルコース濃度を反映する。この期間は約2週間であ
る。ヒト血中の糖化ヘモグロビン量は、ヘモグロビンが
循環期間中にさらされた平均血中グルコース濃度を反映
する。この期間は約100日である。
【0004】糖化アルブミンおよびその他の血漿タンパ
ク質を測定する既知の方法としては、チオバルビツール
酸との反応に基づく呈色反応法、アフィニティークロマ
トグラフィー、フロシンを測定する高圧液体クロマトグ
ラフィー、およびフルクトサミンのアッセイが含まれ
る。これらの各試験は、再現性、コスト、高価な装置、
正確度などに関して欠点があり、いずれも他の糖化血漿
タンパク質にたいして糖化アルブミンに特異的ではな
い。糖化アルブミンは、アルブミンには存在するが他の
タンパク質には存在しない糖化されたエピトープと反応
するモノクローナル抗体で特異的に測定することができ
る(米国特許出願第147,363号)。タルシオ(Tarsio)
(米国特許第4,797,473号)は、糖化血清タンパク質と優先
的に反応するモノクローナル抗体を報告している。これ
らの以前に報告された抗体のうち、糖化ヘモグロビンと
反応するものはない。 本分野で報告されている他の糖化
タンパク質に対する抗体は、ボロヒドリド還元によって
糖化エピトープがグルシトール-リジンに転換されては
じめて反応する(カーティス(Curtiss)とウィツテュム
(Witztum)、 J. Clin. Invest. 72:1427-1438,1983; ナ
カヤマ他、 J. Immunolog. Meth. 99:95-100,1987)。
【0005】糖化ヘモグロビンを測定するための既知の
方法としては、イオン交換またはホウ酸アフィニティー
カラムによるクロマトグラフィー、HPLC、およびアガロ
ースゲル電気泳動が含まれる。これらの各試験は、複雑
さ、高価な装置、正確度、変動性などの要素に関して欠
点があり、ヘモグロビンA1c配置におけるもの以外の糖
化エピトープを持つ糖化ヘモグロビンに特異的なものは
ない。 ノウルズ(Knowles)他、 (米国特許第4,727,036
号)は、ヘモグロビンA1cを決定するための抗体を産生
したが、これらの抗体はヒトヘモグロビンのβサブユニ
ットのN末端以外の部位でヘモグロビンに存在する糖化
エピトープとは反応しない。ヘモグロビン分子のβサブ
ユニットのN末端以外の部位で糖化されたヘモグロビン
と反応する可能性のある本分野で報告された他の抗体
は、ボロヒドリド還元によって糖化されたエピトープが
グルシトール-リジンに転換された場合にのみ反応する
(カーティスとウィツテュム、J. Clin. Invest. 72:14
27-1438, 1983)。
【0006】グルコースとヘモグロビン間の反応の主要
な産物は:(1)ヘモグロビンA1c(β鎖のアミノ末端
バリン残基にグルコースが結合していることを除いて
は、ヘモグロビンA0と同じ);および(2)αおよびβ
サブユニットの他の部位で糖化されたヘモグロビン、以
後糖化ヘモグロビンと呼ぶ。糖化ヘモグロビンはグルコ
ースがαまたはβ鎖のリジン残基のεアミノ基に連結し
ていることを除いてはヘモグロビンA0と同じである。in
vivoで糖化されるリジン残基は、β-lys-66、 α-lys-6
1、 β-lys-17であり、 in vitroではα-lys-16、 β-lys-
66、 β-lys-17、 α-lys-7およびβ-lys-120である。リジ
ン残基と形成されたこれらの糖化ヘモグロビンの量は糖
尿病検体中で増加しており(ガベイ(Gabbay)他、 Diabete
s 28:337-340、1979; ガーリック(Garlick)他、 J. Clin.
Invest. 71:1062-1072, 1983)、糖化ヘモグロビンは全
ヘモグロビンの10%以上を占める場合がある。 以上の
ように、以前の90から120日間の血中グルコース濃
度の正確な指標がその測定によって与えられるため、糖
化ヘモグロビン量を正確に、および特異的に定量化する
ことが望ましい。
【0007】
【発明が解決すべき課題】疾病の効果的な診断の目的
で、糖化ヘモグロビンに存在する特異的な糖化エピトー
プであるN-デオキシフルクトシルリジンと反応できる
モノクローナル抗体を与えることが、本発明の目的であ
る。
【0008】本発明の別の目的は、糖化ヘモグロビンに
存在するがヘモグロビンA0、ヘモグロビンA1cまたは他
のタンパク質には存在しない特異的な糖化エピトープと
は反応するモノクローナル抗体を用いる疾病の診断法を
与えることである。
【0009】本発明の別の目的は、非酵素的に糖化され
たヘモグロビンの測定のための新しく、改善された方法
を与えることである。
【0010】本発明のさらに別の目的は、糖尿病患者の
血中の糖化ヘモグロビン量を測定することによって患者
の糖調節を追跡する新しく、改善された方法を与えるこ
とである。
【0011】本発明の別の目的は、1回の血液試験で糖
尿病の診断を行うための新しい方法を与えることであ
る。
【0012】本発明のさらに別の目的は、経口グルコー
ス耐性試験の結果があいまいな場合に、糖尿病診断を確
実に行うための新しい方法を与えることである。
【0013】本発明の別の目的は、ヒトヘモグロビン検
体中の特異的な糖化エピトープのN-デオキシフルクト
シルリジン量を直接測定するための方法を与えることで
ある。 本発明の上記およびそのほかの目的は、糖化ヘ
モグロビンの糖化された残基を構成するN-デオキシフ
ルクトシルリジンを含む糖化ヘモグロビン上のエピトー
プに特異的に結合するモノクローナル抗体を与えること
によって達成される。該抗体は、ヘモグロビンA0または
ヘモグロビンA1cあるいは他のタンパク質には、糖化さ
れているいないに関わらず、結合しない。したがって、
該エピトープは、タンパク質が糖化されていない場合に
もされている場合にも存在するエピトープに対するもの
である他の既知の抗体に認識されるエピトープとは異な
る(タルシオ(Tarsio)他、米国特許第4,797,473号)。こ
のモノクローナル抗体に同定されるエピトープは、人工
的な修飾が成されなかったようなin vivoで生じる配置
にある。したがって、該エピトープは、ボロヒドリド還
元によってグルシトール-リジンに転換されたエピトー
プを持つ糖化タンパク質に対する他の既知の抗体によっ
て認識される部位とは異なる(カーティスとウィツテュ
ム、J. Clin. Invest. 72:1427-1438; ナカヤマ他、 J.
Immunol. Meth. 99:95-100, 1987)。
【0014】本発明の抗体で同定されるエピトープは、
糖化されたN末端バリン残基を認識する、ヘモグロビン
A1cに対する抗体に認識される部位とも異なる(ノウル
ス、米国特許第4,727,036号参照)。正常検体および糖
尿病検体の双方で、糖化ヘモグロビンは、全ヘモグロビ
ンに占める割合がヘモグロビンA1cよりも多い。したが
って、糖化ヘモグロビンのアッセイはヘモグロビンA1c
のアッセイよりも正確な測定が可能となる。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、非A1c配置で
糖化された糖化ヘモグロビンに対するモノクローナル抗
体に関するものである。該モノクローナル抗体は、例え
ば糖尿病などの疾病に関連した糖化ヘモグロビンの免疫
学的検出に非常に有用である。このモノクローナル抗体
は糖化ヘモグロビン上に存在するエピトープと反応性を
持つが、A1c位で糖化されているかどうかに関わらず他
のヘモグロビンと、また、糖化されているかどうかに関
わらず他のタンパク質とは反応しない。本発明の抗体に
よって同定されるエピトープはヘモグロビンA0には存在
しない。
【0016】本発明は、特異的な免疫学的認識および、
モノクローナル抗体と、抗体が唯一特異的に結合する抗
原エピトープとの反応の原理に基づくものである。認識
及び結合は、例えばELISAタイプの検査によって検出す
ることが可能であり、それにおいて抗体はプラスチック
ウェルの底などの固相支持体上に固定化される。ヒト血
液を含む試料は、赤血球を溶解することにより調製し、
ヘモグロビンを試薬にさらす。抗体結合のためにエピト
ープを表出させる目的で、試料タンパク質を変性させる
必要はない。試料と酵素標識した試薬、および酵素基質
を固定化した抗体と接触させ、抗体−抗原複合体を形成
させる。大量希釈、インキュベーション、および洗浄過
程により、結合した試薬と遊離試薬が分離される。抗原
の抗体との結合、およびそれに続く酵素の基質との反応
の結果として呈色反応が起こる。呈色は試料中の糖化エ
ピトープの存在を示唆するものであり、色の強度により
試料中の糖化エピトープ量の定量的測定を可能にする。
ELISA型アッセイは、酵素を結合させたモノクローナル
抗体を固定化し試料溶液と基質を添加することによって
も、抗原または試料を固定化しモノクローナル抗体、酵
素標識試薬および基質を添加することによっても行うこ
とが可能である。もちろん、本発明の抗体を、本分野で
既知の他の免疫学的アッセイにおいて糖化ヘモグロビン
の測定に使用することもできる。
【0017】非酵素的糖化は、グルコースのカルボニル
基(C1)とアミノ酸の遊離アミノ基とのシッフ塩基の形
成を経て行われる。基本的に、二つの型の遊離アミノ
基、すなわちタンパク質のN末端およびリジンまたはヒ
ドロキシリジン(ヘモグロビンはヒドロキシリジンを含
まない)のεアミノ基しか存在しない。形成されたアル
ジミン結合は、アマドリ転位を行って環構造をとること
のできるケトアミンをC2のカルボニル基と形成すること
によって安定化される。したがって、リジン残基の非酵
素的糖化の安定な産物は、N-1-(1-デオキシフルクトシ
ル)リジンである(ブン(Bunn)他、J. Biol. Chem. 254:3
892-3898, 1979; ブン他、 Science 200:21-27, 1987)。
【0018】非糖尿病患者では、ヘモグロビンA1cは全
ヘモグロビンの3-4%を占め、リジン残基で糖化された糖
化ヘモグロビンは全ヘモグロビンの約8%を占める。これ
らの百分率は糖尿病患者により、2倍から3倍となる場
合もある。in vivoでヘモグロビンの非A1c糖化は、βサ
ブユニットの66および17のリジン残基、およびαサブユ
ニットの61のリジン残基で成される。これらの部位およ
び他の部位はin vitroでも糖化される。また、これらの
部位および他の部位の反応性は糖尿病患者のほうが非糖
尿病患者よりも高い。in vivoのヘモグロビン分子にお
けるリジン残基の糖化の優先順位は、β-lys-66、 α-ly
s-61、 およびβ-lys-17である。 in vitroでのヘモグロ
ビン分子のリジン残基の糖化の優先順位はα-lys-61、β
-lys-66、 β-lys-17、 α-lys-7および、 β-lys-120であ
る。
【0019】本発明のモノクローナル抗体GLHBは、ヒト
赤血球抽出物から調製された糖化ヘモグロビンで免疫し
たマウスから作成したものである;該抗体は、合成(in
vitroで調製)の糖化ヘモグロビンとも天然(in viv
o)の糖化ヘモグロビンとも反応する。このことは、抗
体がαまたはβサブユニットにある多様な部位のε−D-
フルクトース-リジンを認識することを示唆する。 β鎖
の残基66および17での糖化はin vivoおよびin vitroの
糖化ヘモグロビンに共通のものであるため、モノクロー
ナル抗体GLHBと反応するエピトープは、これらの糖化残
基の一方または双方を含む。さらに、GLHBは関連のない
タンパク質中のε-D-フルクトース-リジン残基を認識し
ないことから、エピトープ認識においてヘモグロビンに
特異的な立体構造的要素が存在することが明らかであ
る。
【0020】天然の糖化ヘモグロビン(抗原)は、健常
者または糖尿病患者由来の赤血球抽出物から得たヘモグ
ロビンをフェニルボロネート上のアフィニティークロマ
トグラフィーにかけ、糖化されていないヘモグロビン
(例えば、HbA0)を糖化ヘモグロビンから分離すること
によって調製される。糖化画分は、続いてイオン交換ク
ロマトグラフィーにかけ、塩濃度勾配で溶出して、ヘモ
グロビンA1cを、A1c配置以外の部位で糖化されている糖
化ヘモグロビンから分離する。天然の糖化ヘモグロビン
は、赤血球抽出物から得たヒトヘモグロビンを、PBSでp
H7.4に緩衝化した500mg/dlのグルコースを含む溶液中25
℃で5-7日間インキュベートすることによっても調製可
能である。 調製物は透析して遊離グルコースを除き、続
いて同じアフィニティークロマトグラフィーとイオン交
換クロマトグラフィー精製過程を行う。糖化ヘモグロビ
ンの存在と純度はHPLCおよび、ケトアミン結合における
グルコースに関するチオバルビツール酸反応で確認する
ことができる。
【0021】HbA0(上述のようにフェニルボロネートク
ロマトグラフィーにかけた赤血球抽出物から得られたも
の)の純度、および糖化エピトープが存在しないこと
は、HPLCおよび/またはチオバルビツール酸反応によっ
て確認可能である。これらの方法は、フェニルボロネー
ト分離とともに、デオキシフルクトシルリジンが糖化ヘ
モグロビン調製物中に存在し、HbA1cまたはHbA0の調製
物中には存在しないことを確認するものである。
【0022】モノクローナル抗体を分泌するハイブリド
ーマの産生のための一般的な方法は、本分野の技術者に
はよく知られている。 本発明の実施で用いた技術の例
は、Proceedings of the National Academy of Schienc
e USA, 75:3405, 1979に述べられている。 略述すると、
メスBALB/cマウスを、上述のようにヒト赤血球から精製
した糖化ヘモグロビンで4週間ごとに免疫した。最後の
免疫後、マウスを殺し、脾臓細胞をマウス非分泌性骨髄
腫細胞系と融合した。抗体産生に関してハイブリドーマ
をスクリーニングし、抗体陽性クローンをモノクローナ
ル抗体の糖化ヘモグロビンへの結合に関して検査した。
【0023】本発明のモノクローナル抗体の特異性を有
するモノクローナル抗体を分泌する他のハイブリドーマ
の単離は、スクリーニングに使用可能な抗イディオタイ
プ抗体を産生することによって(ヘーリン(Herlyn)他、
Science 232:100、 1986)、本分野の技術者が行うことが
できる。抗イディオタイプ抗体は、目的のハイブリドー
マによって産生されるモノクローナル抗体上に存在する
特異的な決定基を認識する抗体である。これらの決定基
は抗体の超可変領域に位置する。この領域が与えられた
エピトープに結合するものであり、したがって、抗体の
特異性を担っている。抗イディオタイプ抗体は、目的の
モノクローナル抗体で動物を免疫することによって調製
される。免疫された動物は、これらのイディオタイプ決
定基に対する抗体を産生することにより、免疫抗体のイ
ディオタイプ決定基を認識し、応答する。第2の動物を
免疫するために使用した、単一のハイブリドーマに産生
されるモノクローナル抗体に特異的な、第2の動物の抗
イディオタイプ抗体を用いることにより、免疫に用いた
ハイブリドーマの抗体と同じイディオタイプを持つ抗体
を産生する別のクローンを同定することが可能となり、
それにより、本発明のモノクローナル抗体の特異性を持
つモノクローナル抗体を分泌する別のハイブリドーマを
探すために必要なスクリーニング量が顕著に単純化さ
れ、軽減された。 2つのモノクローナル抗体間のイデ
ィオタイプ同一性は、同一のエピトープ決定基の認識の
点で2つのモノクローナル抗体が同一であることが示さ
れている。したがって、モノクローナル抗体上のエピト
ープ決定基に対する抗イディオタイプ抗体を用いること
により、同一のエピトープ特異性を持つモノクローナル
抗体を発現する別のハイブリドーマを同定することが可
能である。
【0024】あるいは、検査されるモノクローナル抗体
が、本発明のモノクローナル抗体が通常反応する特異的
抗原に結合するのを阻害するかどうかを決定することに
より、本発明のモノクローナル抗体と同じ特異性を持つ
かどうかを決定して、過剰な実験を行う事なく評価する
ことが可能である。検査されたモノクローナル抗体が本
発明のモノクローナル抗体と競合し、本発明のモノクロ
ーナル抗体による結合の減少が示されるならば、二つの
モノクローナル抗体は同一のエピトープに結合すると考
えられる。また、モノクローナル抗体は、本発明のモノ
クローナル抗体と同一の、糖化ヘモグロビンおよび他の
ヘモグロビンに対する反応パターンに関して検査するこ
ともできる。
【0025】ある条件下では、あるアイソタイプのモノ
クローナル抗体は、その診断効率の面で、他のアイソタ
イプよりもより望ましい場合がある。モノクローナル抗
体の特異的なアイソタイプは、最初の融合からの選択に
よって直接に、または、クラススイッチ変異体を同定す
る親族選択技術によって異なるアイソタイプのモノクロ
ーナル抗体を分泌する親のハイブリドーマから二次的に
調製することが可能である(ステプロースキー(Steplew
ski)他、Proceedings of the National Academyof Scien
ce USA, 82:8653, 1985; スピラ(Spira)他、 Journal of
Immunological Methods 74:307, 1984)。 したがって、
本発明のモノクローナル抗体は、アメリカン・タイプ・
カルチャー・コレクション(メリーランド州ロックビ
ル)に受託番号HB10616として寄託されているハイブリ
ドーマによって産生されるモノクローナル抗体GLHBの特
異性を有するクラススイッチ変異体も含むものである。
【0026】本発明で用いる“抗体"という語は、 完全
な分子および、エピトープ決定基に結合できる、例えばFa
bおよびF(ab')2などの断片も含むことを意図するもので
ある。本発明のモノクローナル抗体は、液相または固相
担体に結合した状態で使用可能である、イムノアッセイ
で使用するために特に適している。さらに、このイムノ
アッセイでモノクローナル抗体は、いろいろな方法で検
出できるように標識することができる。本発明のモノク
ローナル抗体を使用するイムノアッセイのタイプの例と
しては、直接法または間接法の競合的または非競合的イ
ムノアッセイである。このようなイムノアッセイの例
は、ラジオイムノアッセイ(RIA)およびサンドイッチ
(免疫測定)アッセイである。本発明のモノクローナル
抗体を用いる抗原の検出は、生理学的試料の免疫組織学
的アッセイを含む、正、逆、あるいは同時に行われるイ
ムノアッセイを用いて行われる。使用されるイムノアッ
セイのタイプに関わらず、用いられる抗体の濃度は本分
野の技術によって容易に決定される。
【0027】本発明のモノクローナル抗体は多数の異な
る担体に結合し、GLHBによって同定される糖化ヘモグロ
ビンのエピトープの存在を検出するのに用いられる。既
知の担体の例としては、ガラス、ポリスチレン、塩化ポ
リビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボ
ネート、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然お
よび修飾セルロース、ポリアクリルアミド、アガロー
ス、およびマグネタイトが含まれる。担体の性質は、発
明の目的により、可溶性あるいは不溶性である。本分野
の技術者は、モノクローナル抗体結合のための別の適当
な担体を知っている場合もあり、通常の実験技術を用い
てそれを確認することもできるであろう。本分野の技術
者には既知の、多数の異なる標識および標識法が存在す
る。本発明で使用可能な標識のタイプの例としては、酵
素、放射性同位体、コロイド金属、蛍光物質、化学発光
物質、および生物発光物質が含まれる。本分野の技術者
は、モノクローナル抗体に結合させるための他の適当な
標識を知っている場合もあるであろうし、通常の実験技
術で確かめることができる。さらに、これらの標識の、
本発明のモノクローナル抗体への結合は、本分野で通常
行われている標準的方法にって行われる。
【0028】本発明の目的のために、本発明のモノクロ
ーナル抗体に検出される糖化ヘモグロビンエピトープ
は、多様な生物溶液および組織中に存在する。検出可能
な量の糖化ヘモグロビンを含むあらゆる試料が使用可能
である。通常、試料は、尿、唾液、脳脊髄液、血液など
の液体、または、組織、糞便などの固体または準固体で
ある。
【0029】感度を向上させる可能性のある別の技術
は、抗体を低分子量ハプテンと結合させることからな
る。ハプテンは、2次反応によって特異的に検出され得
るものである。例えば、アビジンと反応するビオチン、
あるいは特異的抗ハプテン抗体と反応するジニトロフェ
ニル、ピリドキサル、およびフルオレセインなどのハプ
テンが通常用いられる。
【0030】本発明で用いられるように、“エピトー
プ”という語は、本発明のモノクローナル抗体と特異的
に相互作用できるあらゆる決定基を含むことを意図す
る。エピトープ決定基は、通常アミノ酸や糖の側鎖など
の分子の化学的に活性のある表面分子群からなり、通常
特異的な3次元構造的特徴および特異的な電荷特性を持
つ。 本発明の抗体は診断に効果的である。すなわち、
ヘモグロビンA0と糖化ヘモグロビンを十分に区別でき、
ヒト血液試料中の糖化ヘモグロビン量を正確に測定する
ことが可能になる。ヒト赤血球中のHbA0量は糖化ヘモグ
ロビン量の少なくとも10倍であるため、 糖化ヘモグロビ
ンの定量に適している診断に効果的な抗体は、HbA0より
も糖化ヘモグロビンとのはるかに高い反応性を持つこと
が必要である;抗体が糖化ヘモグロビンに存在するがHb
A0には存在しないエピトープを認識することが最も望ま
しい。
【0031】
【作用】本発明の抗体は、タンパク質が糖化されている
かどうかに関わらず、糖化ヘモグロビンと他の非ヘモグ
ロビンタンパク質を区別することができる。GLHB抗体が
結合するエピトープは他の血清タンパク質上には存在し
ない。したがって、GLHBの使用により、血液中に存在す
るヘモグロビン分子が血中に存在する一定期間、すなわ
ちそれまでの100日間の血液中のグルコースレベルを
正確に測定することが可能となる。特に顕著なのは、本
発明のモノクローナル抗体が糖化ヘモグロビンの糖化さ
れたフルクトシルリジンエピトープと特異的に反応する
が、ヘモグロビンA1cまたはヘモグロビンA0に共通ない
かなるエピトープにも結合しないという特性である。 モ
ノクローナル抗体GLHBは本発明で使用される。GLHBは、
ATCC受託番号HB10616を持つ細胞系GLHBから得られる抗
体から得られ、もしくはそれと同一の特徴を持つもので
ある。 該細胞系は米国メリーランド州ロックビルのアメ
リカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に3
0年間寄託されている。
【0032】
【実施例】上述の開示は、本発明を一般的に述べたもの
である。より完全な理解は、以下の特異的な実施例を参
考にして得られるであろうが、これは例として示すもの
であって、本発明の本質を制限することを意図するもの
ではない。
【0033】
【実施例1】 糖化ヘモグロビンに対するモノクローナ
ル抗体を産生するハイブリドーマ細胞系の調製 メスBALB/cマウスを、0.8% NaCl, 0.008M Na2HPO4、 お
よび0.0015M KH2PO4(pH7.4)からなるリン酸緩衝化生理
食塩水に溶解した天然糖化ヘモグロビン100μgとフロイ
ンド完全アジュバントとを混合したもの(1:1)で免疫し
た。 混合液は腹膜内に注射した。 7日後、 不完全アジュ
バントと混合した抗原(1:1)を注射し、 1週間後に抗原の
みを注射して、 4週目に3日間連続して抗原を注射した。
最後の注射をした翌日にマウスを殺し、脾臓を取り除い
た。 脾臓細胞をSP 2/0骨髄腫細胞と融合させ、標準的な
方法によってハイブリドーマのコロニーを確立した(ケ
ネット(Kennet), R.H., マッキールン(McKearn), T.J.
およびベクトル(Bechtol), K.B.編集: Monoclonal Anti
bodies: A New Dimension in Biological Analyses, プ
レナム出版、 ニューヨーク・ロンドン、 1982)。 糖化ヘモ
グロビンとの結合活性を持つ得られたコロニーを少なく
とも4回、制限希釈をすることによってクローニングし
た。
【0034】
【実施例2】 糖化ヘモグロビンと反応するモノクロー
ナル抗体の解析 糖化されていないヘモグロビン(A0)、N末端バリン以
外の部位で糖化されている糖化ヘモグロビン(すなわ
ち、デオキシフルクトシルリジンを含むが、デオキシフ
ルクトシルバリンを含まない)、および上述のように得
られた精製ヘモグロビンA1c(各20-50μg)をそれぞれ2試
料ずつ、標準的な方法でSDS-ポリアクリルアミドスラブ
ゲル電気泳動を行った。 2枚のゲルのうち一方はタンパ
ク質を染色して各3種の異なるヘモグロビン調製物の電
気泳動移動度を決定した。 2枚のゲルの他方は、電気泳動
的にニトロセルロースに移し、 0.1M Tris緩衝化生理食
塩水(pH8.0)中1%ミルク溶液中に1時間浸し、 つぎに糖化
ヘモグロビンに対して作成したモノクローナル抗体GLHB
溶液(ハイブリドーマ培養上清1レーンあたり10ml)溶液
中に2時間浸した。 洗浄後、 ニトロセルロース片をアル
カリホスファターゼ結合ヤギ抗マウスIgG抗体の0.1%溶
液に浸し、 続いてTris/生理食塩水/0.01% ミルクで徹底
的に洗浄した後、 酵素基質溶液と呈色液に浸した。 電気
泳動的トランスファーとイムノブロッティングは、標準
的な方法で行った。 ニトロセルロース片で、モノクロー
ナル抗体が認識する抗原への抗体の結合を示唆する呈色
バンドの存在を位置を確認した。 糖化されていないヘモ
グロビンA0は、 ポリアクリルアミドゲル上で、サブユニ
ットの期待される分子量に対応する位置に移動した。 糖
化ヘモグロビン調製物の電気泳動度はわずかに遅く、 リ
ジン残基に結合したグルコース部分の存在による分子量
の増加と一致した。 ヘモグロビンA1cの電気泳動度も糖
化されていないヘモグロビンA0のものとはわずかに異な
っていた。 モノクローナル抗体GLHBはデオキシフルクト
シルリジンエピトープを含まない糖化されていないヘモ
グロビンまたはヘモグロビンA1cには結合せず、 これは
これらのタンパク質を電気泳動的にトランスファーし、
モノクローナル抗体GLHB、 酵素標識試薬および基質と反
応させた後に呈色バンドが検出されなかったことにより
示された。 それに対して、 天然糖化ヘモグロビンのモノ
マー抗原の電気泳動度に対応する位置に、モノクローナ
ル抗体GLHBおよび酵素標識試薬と基質で処理後に単一の
呈色バンドが見られたことから、 モノクローナル抗体GL
HBは特異的に天然糖化ヘモグロビンに結合した。 上述の
実験を、 in vivoで糖化されたヘモグロビンのかわりにi
n vitroで糖化されたヘモグロビンを用いても行った。
モノクローナル抗体GLHBで処理後に、 糖化ヘモグロビン
モノマーの電気泳動度に対応する単一の呈色バンドが検
出された。 この研究で示されたように、 モノクローナ
ル抗体GLHBは糖化ヘモグロビンを特異的に認識して結合
するが、 非糖化ヘモグロビンまたはヘモグロビンA1c
認識せず、結合しない。 モノクローナル抗体GLHBによる
糖化ヘモグロビンに対する認識と結合は、 抗体が糖化ヘ
モグロビンとは反応するがヘモグロビンA1cとは反応し
ないことから、 N-1-(1-デオキシフルクトシル)リジンに
特異的である。
【0035】
【実施例3】 モノクローナル抗体GLHBを用いたヒト血
液中の糖化ヘモグロビンの検出 ヒト赤血球抽出物試料をアガロースゲルで電気泳動し、
ニトロセルロースに電気泳動的にトランスファーして、
実施例2の方法によってイムノブロッティングを行っ
た。
【0036】標準的なタンパク質染色から期待されたよ
うに、ヒト赤血球抽出物由来のヘモグロビンから、ヘモ
グロビンA0およびヘモグロビンA1a1、A1a2、A1bおよびA1c
を含む幾つかの微量なヘモグロビン異形体を示すバンド
が検出された。 それに対して、電気泳動的トランスファ
ーおよびモノクローナル抗体GLHBと酵素標識試薬および
基質との反応後は、一本のバンドのみが見られた。 この
バンドの位置は唯一のモノクローナル抗体-抗原複合体
の反応によって形成された呈色産物を示すものであり、
天然糖化ヘモグロビンの位置と一致した。以上のように、
モノクローナル抗体GLHBは幾つかのヘモグロビンを含
むヒト血液中の糖化ヘモグロビンを特異的に認識して結
合し、 その幾つかはβサブユニットのN末端バリンで糖
化されている。 モノクローナル抗体GLHBはA1c位あるい
はN末端で修飾されている他のヘモグロビンは認識ある
いは結合しない。
【0037】
【実施例4】 糖化ヘモグロビン以外の糖化タンパク質
とのGLHBの非反応性 ヒト血漿試料またはN-1-(1-デオキシフルクトシル)リジ
ン残基を含む天然の糖化ヘモグロビン試料をSDS-ポリア
クリルアミドゲルで電気泳動し、 電気泳動的にニトロセ
ルロースにトランスファーして実施例2による方法でイ
ムノブロッティングを行った。 ヒト血漿は標準的なタン
パク質染色で複数のバンドを示し、 その分子量は20,000
以下から200,000以上の範囲にわたった。それに対して、
電気泳動的トランスファーおよびモノクローナル抗体G
LHBおよび酵素標識試薬と基質による処理後にはバンド
は検出されなかった。 天然糖化アルブミンは標準的なタ
ンパク質染色で分子量60,000の単一のバンドを示すが、
電気泳動的トランスファーおよびモノクローナル抗体GL
HBおよび酵素標識試薬と基質による処理後にはバンドは
検出されなかった。 したがって、 モノクローナル酵素GL
HBは糖化または非糖化アルブミン、あるいは、複数のタン
パク質を含み、そのうちの幾つかは糖化されて存在して
いる、ヒト血漿中の他の構成物は認識せず、結合しない。
モノクローナル抗体GLHBはデオキシフルクトシルリジン
を含む糖化アルブミンは認識せず、結合しない。
【0038】
【実施例5】 非糖化ヘモグロビンと糖化ヘモグロビン
のイムノアッセイにおけるGLHBの相対的反応性 500ngの非糖化ヘモグロビンA0、 糖化ヘモグロビン、 ま
たはヘモグロビンA1cを、炭酸-重炭酸カップリング緩衝
液(pH 9.6)を用いて25℃で18時間処理し、プラスチック
マイクロタイターウェル上に固定化した。 結合していな
い抗原を洗浄した後、 炭酸カップリング緩衝液中、1.0%
ミルク溶液で、室温で4時間反応させて洗浄し、 モノクロ
ーナル抗体GLHB(ハイブリドーマ培養上清100μl)を各ウ
ェルに加え、2時間反応させた。 0.85% NaCl中 0.05% Twe
en 20で洗浄した後、 0.01%ミルク/PBS中アルカリホスフ
ァターゼ(AP)結合-ヤギ抗マウスIgG抗体を加えて室温で
1時間インキュベートした。 徹底的に水で洗浄した後、 A
P基質と増幅システムを用い、 450nmの吸光度をELISAリ
ーダーで読み、 呈色産物の存在と強度を決定した。
【0039】 表1 抗原 呈色反応(吸光度) 非糖化ヘモグロビンA0 0.010 糖化ヘモグロビン(非A1c) 1.500 ヘモグロビンA1c 0.005 表1に示すように、 モノクローナル抗体GLHBはELISAタイ
プのイムノアッセイで、 糖化ヘモグロビンを非糖化ヘモ
グロビンおよびヘモグロビンA1cから選択的に区別でき
る。
【0040】
【実施例6】 ヒト赤血球抽出物中の糖化ヘモグロビン
の測定 モノクローナル抗体GLHB(1μg)をプラスチックウェル上
に固定化し、実施例5で述べたように洗浄しブロッキン
グした。ヒト赤血球抽出物試料を各ウェルに添加し、反
応させた。洗浄後、アルカリホスファターゼ結合ウサギ
抗ヒトヘモグロビン抗体を加え、アルカリホスファター
ゼ基質と増幅システムで呈色させ、吸光度をELISAリー
ダーで記録した。試料中の糖化ヘモグロビン量を、既知
量の天然精製糖化ヘモグロビンをウェル中で反応させて
同じ方法で処理したものを用いた標準曲線から算出し
た。全ヘモグロビンは、既知量の精製ヘモグロビンの標
準曲線から得られた415nmでの吸光度から算出した。
【0041】 表2 試料 糖化ヘモグロビン 全ヘモグロビン %糖化ヘモグロビン 非糖尿病 675ng 13500ng 5% 糖尿病 1560ng 13000ng 12% 表2に示したように、 モノクローナル抗体GLHBはヒト赤
血球抽出物試料中の糖化ヘモグロビン量を定量的に決定
するために使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 33/72 C12N 15/00 C // G01N 33/53 5/00 B (C12P 21/08 C12R 1:91) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 21/00 - 21/08 C07K 16/00 - 16/46 C12N 5/00 - 5/28 C12N 15/00 - 15/90 G01N 33/50 - 33/98 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ε−D−フルクトシルリジンを含む糖化
    ヘモグロビン上にあり、ヘモグロビンAo、ヘモグロビ
    ンA1cまたはその他のタンパク質上には存在しないエピ
    トープに特異的に結合するモノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】 合成糖化ヘモグロビンおよび天然糖化ヘ
    モグロビンに結合する請求項1の抗体。
  3. 【請求項3】 ATCCに受託番号HB10616として寄託され
    ているハイブリドーマGLHBによって産生される請求項2
    記載の抗体。
  4. 【請求項4】 赤血球を含むヒト血液試料を得ること;
    試料中の赤血球を溶解すること;ε−D−フルクトシル
    リジンを含む糖化ヘモグロビン上にあり、ヘモグロビン
    o、ヘモグロビンA1cまたはその他のタンパク質上に
    は存在しないエピトープに特異的に結合するモノクロー
    ナル抗体と、試料を接触させること;試料中の糖化ヘモ
    グロビンの量に比例するものである、試料中の成分に結
    合したモノクローナル抗体の量を決定すること;の過程
    を本質的に含むものである、血液試料中の糖化ヘモグロ
    ビン量を測定する方法。
  5. 【請求項5】 モノクローナル抗体GLHBがATCC受託番号
    HB10616によって分泌されるものである、請求項4記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 接触および決定過程がELISA法で行われ
    るものである、請求項4記載の方法。
  7. 【請求項7】 ε−D−フルクトシルリジンを含む糖化
    ヘモグロビン上にあり、ヘモグロビンAo、ヘモグロビ
    ンA1cまたはその他のタンパク質上には存在しないエピ
    トープに特異的に結合するモノクローナル抗体を産生す
    るハイブリドーマ。
  8. 【請求項8】 ATCCに受託番号HB10616として寄託され
    ているGLHBであるところの請求項7記載のハイブリドー
    マ。
  9. 【請求項9】 請求項7記載のハイブリドーマを培地中
    で培養すること;ハイブリドーマの増殖後に培地を集め
    ること;からなる、ε−D−フルクトシルリジンを含む
    糖化ヘモグロビン上にあり、ヘモグロビンAo、ヘモグ
    ロビンA1cまたはその他のタンパク質上には存在しない
    エピトープに特異的に結合するモノクローナル抗体を産
    生する方法。
  10. 【請求項10】 ハイブリドーマがATCCに受託番号HB10
    616として寄託されているGLHBである、請求項9記載の
    方法。
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