JP3288083B2 - 光学的情報再生装置 - Google Patents

光学的情報再生装置

Info

Publication number
JP3288083B2
JP3288083B2 JP27927292A JP27927292A JP3288083B2 JP 3288083 B2 JP3288083 B2 JP 3288083B2 JP 27927292 A JP27927292 A JP 27927292A JP 27927292 A JP27927292 A JP 27927292A JP 3288083 B2 JP3288083 B2 JP 3288083B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
polarized light
information
optical
reproducing apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27927292A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06111406A (ja
Inventor
宏明 星
昌邦 山本
英司 山口
進 松村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP27927292A priority Critical patent/JP3288083B2/ja
Publication of JPH06111406A publication Critical patent/JPH06111406A/ja
Priority to US08/570,251 priority patent/US5610897A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3288083B2 publication Critical patent/JP3288083B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Head (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学的情報記録媒体に
記録されている情報を再生する光学的情報再生装置に関
し、特に、磁気光学効果を利用した光学的情報記録媒体
に記録されている情報を再生するため、光学ヘッド部分
を改良した光学的情報再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光学的情報記録再生方式で用いられる記
録媒体は、その大きさに対してデータ記録容量が大きい
という点で、コンピュータの外部記憶手段として有効に
利用されている。中でも、光磁気記録再生方式の記録媒
体は、データの書換えが可能であること点で極めて有用
である。このような光磁気記録媒体に情報を記録する方
式には、マーク間記録方式及びマーク長記録方式(エッ
ジ記録方式)が知られている。そして、後者は前者に比
べてデータ容量を多くすることができる点で有利である
が、この方式によって記録された記録媒体から正確に情
報を再生するためには、光学ヘッド部分で情報ビットの
エッジ位置を読取る際の正確さが要求される。
【0003】光磁気記録媒体への情報記録は、光源とし
ての半導体レーザからの光を対物レンズにより記録面上
に集束し、微小な光スポットとして結像して、この光ス
ポットを用いて、マーク長記録方式で行われている。ま
た、光磁気記録媒体からの情報再生は、半導体レーザか
らの光を対物レンズにより記録面上に集束し、微小な光
スポットとして結像して、この光スポットからの反射光
の偏光状態の変化を光量変化に変換し、差動検出するこ
とにより実現している。
【0004】このような書き換え可能な光磁気情報記録
再生装置の光学ヘッドとして、例えば、図22に示すよ
うな従来例が用いられている。ここでは、半導体レーザ
213を光源として、ここからの発散光をコリメータレ
ンズ214を介して平行光束とし、ビーム整形プリズム
215、偏光ビームスプリッタ216を介して対物レン
ズ217に与え、ここで集光して、情報記録媒体218
の磁性層に光スポットを形成している。一方、その個所
に対しては、磁気ヘッド219により外部磁界が与えら
れている。そして、情報記録媒体218からの反射光
は、再び、対物レンズ217を介して偏光ビームスプリ
ッタ216に戻り、ここで、その一部を分離し制御光学
系にもたらす。前記制御光学系では、上記分離光束を、
別に用意した偏光ビームスプリッタ220で更に分離
し、その一方を再生光学系21に与えて、情報信号を得
ると共に、他方を集光レンズ227、ハーフプリズム2
28を介して光検出器229に与え、また、ナイフエッ
ジ230を介して光検出器231に与えて、光学ヘッド
の制御信号を得ている。
【0005】再生光学系221は、光束の偏光方向を4
5度回転させるための1/2波長板222と、光束を集
束する集光レンズ223と、光束を分離する偏光ビーム
スプリッタ224と、偏光ビームスプリッタ224によ
り分離された光束のそれぞれを検出する光検出器225
および226からなる。再生信号は、この光検出器22
5、226からの信号を差動検出して得られる。
【0006】このような装置において、光磁気信号は、
次のようにして得られる。すなわち、光磁気記録の情報
記録媒体では、磁化の方向の違いにより情報を記録す
る。これに直線偏光の光を与えると、磁化の方向の違い
で、直線偏光の偏光方向が右回りか左回りになる。例え
ば、図19で示すように、情報記録媒体に入射する直線
偏光の偏光方向を座標軸P方向とし、また、下向き磁化
に対する反射光は+θk回転したR+ 、上向き磁化に対
する反射光は−θk 回転したR- とすると、検光子を透
過してくる光はR+ に対しA、R- に対しBとなり、こ
れを光検出器で検出すると、光強度の差として情報を得
ることができる。上記従来例では、偏光ビームスプリッ
タ224が検光子の役目をしていて、分離した一方の光
束に対し、P軸から+45度、他方の光束に対しP軸か
ら−45度の方向の検光子として機能する。すなわち、
光検出器225、226で得られた信号成分は、逆相と
なるので、ここの信号を差動検出することで、ノイズが
軽減された再生信号を得られるのである。
【0007】今、記録に際して、光スポットによる熱
で、情報記録媒体に記録されるピットの記録感度が急峻
な場合、ピットの大きさのばら付きを或る一定量以下に
することができるので、ピットエッジ記録が可能とな
り、記録密度を増加させることができるが、情報記録媒
体に記録されるピットの記録感度がなだらかな場合、ピ
ットの大きさにばら付きを生じてしまう。しかし、ピッ
トのセンター位置は変わらない。そこで、情報記録媒体
に対する情報の記録は、ピットのセンター位置に情報の
意味を持たせるピット位置記録方式で行ない、このピッ
トエッジの再生は、前記装置のピット位置記録に対する
再生信号が電気的に設定したスライスレベルを横切る位
置として求めている。しかしながら、更に、高密度化が
なされた段階では、最小ピットの大きさが光スポットの
大きさと同程度か、それ以下になってくると、光学ヘッ
ドなどの伝達特性が劣化してくるために、光学的手段で
検出された信号において、直流成分に変動が生じてしま
い、一定のスライスレベルでエッジを検出するとエッジ
シフトが生じてしまう。
【0008】これを解決するために、トラックに対して
垂直な方向に分割線を持つ分割光検出器を用いて、差動
検出で、光学的に微分検出を行ない、直流成分の変動を
減少させた状態でピットエッジの検出を行なうようにし
た方式も提唱された。図19からも解るように、S+
- の2つの成分は大きさが同じで位相がπだけずれた
成分である。つまり、S偏光成分のみに注目すると、光
磁気のピットは位相差がπの位相ピットとみなせること
になる。特開平3−120645号公報では、S偏光成
分と偏光成分の両方を、整合フィルターを利用して、検
出することで、ピットエッジの光学的な検出を実現する
方式が示されている。しかしながら、ここでは、光学ヘ
ッドとしての最適設計がなされておらず、部分品の点数
が多く、構造的に複雑であるという欠点がともなってい
る。また、特公平2−195546号公報では、図19
で示したR+ 、R- の光を1/4波長板を用いて、図2
0に示すような右回りの楕円偏光(a)と左回りの楕円
偏光(b)とに変換し、これが図21に示すような、そ
れぞれ右回りと左回りの円偏光に分離できることで、旋
光性プリズムを用いて、2つの円偏光を分離検出する方
式について述べている。しかし、光磁気ピットのエッジ
部を光学的に検出するものではない。
【0009】また、このような再生に、例えば、特開平
3−268252号公報に示されているように、回折限
界に絞られた微小な光スポットを用いる場合、情報ビッ
トのエッジからの反射光の振る舞いは、位相型の0/π
エッジ、位相型の0/π格子からの回折が支配的にな
る。これは、幾何的もしくは幾何光学的な反射光の振る
舞いとは、原理的に大きく異なるもので、この新しい原
理により、正確な新しいエッジ検出装置が実現できる。
【0010】このように、情報ビットのエッジからの回
折反射光を利用して、エッジ検出を行う場合、より品質
のよい信号を得るため、特願平2−278702号、特
願平2−279710号、特願平2−307910号、
特願平2−310524号の各特許出願の明細書におい
て開示されるように、既に、空間的に不均一な光学フィ
ルタ(例えば、位相フィルタ)や分割センサを用いる装
置が提案されている。また、回折パターンの空間的な光
量の不均一性を分割センサに導くために、プリズムなど
の波面分離素子を用いる装置が、特願平2−31068
2号の特許出願の明細書に示されている。
【0011】ところで、特開平3−104041号公報
に示されるエッジ検出法では、上記のようなエッジによ
る回折現象が無視でき、かつ、カー効果による楕円化
(この場合、P,S両偏光の位相差)を無視できるよう
な、特別な場合において、エッジの両側のドメインによ
るカー効果の偏光状態(円偏光に位相差のみがつく、す
なわち、直線偏光の回転のみ)それぞれが、そのままフ
ァーフィールドを幾何的に2分するため、λ/4板によ
る偏光操作が可能であり、偏光ビームスプリッタを検光
子とする構成により、ファーフィールドでジッタ方向に
強度差が生じるという特徴が示されている。
【0012】また、同様な再生原理を採用したものとし
て、特開昭62−188047号公報に示されるものも
ある。通常は、カー効果により、入射した直線偏光がド
メインの向きに応じて、左右回りの楕円偏光に変換さ
れ、かつ、その長軸の傾きが、入射直線偏光に対して±
θK 傾くが、ここに開示される装置では、非記録部から
の反射光は入射直線偏光のままで、記録部からの反射光
のみが直線偏光のまま傾くのである。そして、ファーフ
ィールド上でλ/4板の方位を合わせて置き、記録部か
らの直線偏光の傾きを、前記λ/4板で、位相の変化
(=90°)に変換し、これを検光子を通すことによ
り、非記録部からの直線偏光と干渉させるのである。こ
の時、通常の一般的な干渉では、干渉項=cos 90°=
0となり、干渉項が消失するが、この特殊な構成による
エッジ検出法では、ファーフィールド上でジッタ方向に
光強度の差が出るのである。これらの従来例では、媒体
上のドメインを凹凸ピットと等価とみなし、ジッタ方向
に強度差が生じることを示しているが、前述の回折現象
を利用する検出法においては、磁気ドメインは、屈折率
が変化する位相型ドメインとして機能し、そのエッジは
位相型の0/πエッジであるため、ファーフィールド上
のエッジによる回折パターン強度はジッタ方向に対称と
なり、ジッタ方向の強度差が生じない。このため、ここ
で開示された検出原理を用いてエッジを検出することは
不可能である。また、前述の回折現象を用いた方法によ
ると、ファーフィールドにおいて、λ/4板により、偏
光の回転に応じて位相差を与えても、それがドメインに
起因する位相差でない限り、ドメインのエッジの情報が
入っていないことから、干渉などの方法を用いても、エ
ッジ検出が不可能であるという違いがある。
【0013】また、先述の特開平3−120645号公
報には、分割センサ上に媒体の平面のイメージを再現す
るレンズを置く方法が示されている。しかし、ここで
は、再結像により媒体の像を得ているにも拘らず、その
再結像方式の場合は、ファーフィールドを分割する方式
と同様な動作であることが示されている。しかして、前
述の回折現象を利用した方法で、再結像用レンズを用い
ると、これによる回折でパターンが変換され、ファーフ
ィールドでの検出と同じ動作を得ることが不可能である
という違いがでる。
【0014】
【発明が解決しようとしている課題】上述のようなエッ
ジによる回折現象が無視でき、かつ、カー効果による楕
円化要因を無視できるような、従来例においては、ファ
ーフィールド中に挿入されたレンズは単なる集光機能だ
けを持ち、また、ファーフィールド中の各種光学素子の
振る舞いにおいても回折現象が無視される。また、再結
像を行っても、ファーフィールド上で検出する場合と同
じ結果という従来例においても、レンズの回折機能を使
ったパターンの変換は無視されている。
【0015】しかしながら、上記の回折現象が支配的な
系において、エッジと光スポットとの相対位置の変化に
基く、ファーフィールドにおける回折パターンの変化
を、分割センサで検出する場合、センササイズが大きく
なり、コスト高となるばかりでなく、センサの応答性の
低下、センサの空間的感度ムラによるエッジ検出のジッ
タ発生などの問題が生じる。そこで、レンズによりファ
ーフィールドで、再び、スポットに結像し、例えば、フ
ーリエ変換回折パターンとし、センササイズの問題を解
決しようとすると、分割されたセンサ間のクロストーク
を考えると、センサの分割線ギャップが数μmから10
μmほど必要なため、微小な再結像スポットの空間的分
割が不可能であるという問題が生じる。
【0016】また、プリズムなどの波面分割素子により
ファーフィールドを空間的に分割しようとすると、その
光学素子による回折パターン(例えば、そのフーリエ変
換回折像)が再結像スポットの位置に現われる。これ
は、本来のエッジからの回折パターンの再回折パターン
とは異なるという問題が生じる。
【0017】また、回折現象を用いたエッジ検出方式に
おいては、ドメインによる回折を受けないフレネル反射
成分と、それと直交する偏光成分と、ドメインによる回
折を受けたカー反射成分との合波干渉による強度分布の
変化を検出するが、両者が媒体で受ける位相差(楕円偏
光を生じる)、回折により空間的に変調される振幅・位
相分布などが検出信号に及ぼす影響が大きいため、偏光
子、位相子の空間的分布、挿入位置なども、同等の影響
を及ぼし、安易な操作では、信号品質を劣化させるとい
う問題点もある。つまり、従来例のいくつかは、波長
板、検光子が必須であるが、回折を用いたエッジ検出方
式では、そのような光学素子によるエッジ検出が困難で
ある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、対物レ
ンズにより略回折限界に絞られた光スポットが用いら
れ、光スポットのサイズ程度、もしくは、それ以下の記
録ドメインからの回折光の一部を、前記対物レンズ、偏
光素子、再結像レンズを介して、光スポットと略共役な
位置に、新たな回折パターンとして変換し、波面分割素
子、複像素子および複数の受光領域を持った光検出器を
一体化したセンサユニットにより、光電変換し、その出
力を演算することにより、良好な空間差分信号を得るこ
とが可能となり、光スポットのサイズ以下の記録ドメイ
ンのエッジを検出することができることになる。
【0019】また、本発明によれば、複数のトラックを
有し、磁化の向きの違いにより情報ピットを記録する情
報記録媒体に対し、光と熱と磁気の相互作用を利用して
情報を記録または/かつ再生する際、直線偏光の光を情
報記録媒体に入射し、その反射光束より、情報ピットの
境界部を光学的に検出するようにした光学的情報再生装
置において、反射光の経路中に、波面分割素子および円
偏光分離素子を配置し、前記波面分割素子により、前記
反射光をトラックに平行方向な2つの光束に分離し、ま
た、前記円偏光分離素子により、右回りと左回りの円偏
光の光束に分離し、これら4光束の光量変化から、情報
ピットの境界部を検知し、情報を再生するのである。
【0020】また、同様の光磁気情報記録再生装置にお
いて、反射光束中に、おおむね半光束に影響を与える1
/2波長板と、円偏光分離素子とを配置し、これらを通
過してきた右回りと左回りの円偏光の2光束の光量変化
より、情報ピットの境界部を検知するものである。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
具体的に説明する。図1には、本発明による光磁気記録
媒体再生用の光学的情報再生装置の光学ヘッドが、概略
的に示されている。同図において、符号1は波長λ(λ
=830nm)の直線偏光(その電界ベクトルの方向を
Eで示す)を発する半導体レーザ、2はこの光束を平行
光束に変換するコリメータレンズ、3はE方向の偏光成
分(S偏光)を殆ど透過し、これと直交する方向の偏光
成分(P偏光)を100%反射する第1の偏光ビームス
プリッタ、4は対物レンズである。そして、これらを備
えることで、投光光学系が構成されている。また、符号
5は対物レンズ4により回折限界に結像された投光スポ
ット、6は光磁気ディスクに設けられた1つの情報トラ
ック、7は投光スポット5のトラッキング用に設けられ
た案内溝である。前記情報トラック6はE方向に延びて
おり、検出される情報磁区(ドメイン)エッジはこれと
直交する方向にある。符号8は第2の偏光ビームスプリ
ッタで、本来P偏光を100%透過し、S偏光を100
%反射するものであるが、差動検出を行うため、E方向
に対して透過光軸を中心に45度傾けて配置してある。
符号9は第2の偏光ビームスプリッタの反射光をスポッ
トに結ぶためのセンサレンズ、また、10は透過光をス
ポットに結ぶためのセンサレンズで、単に集光に用いる
従来のレンズとは異なり、対物レンズ4並みの収差補正
を行ったものである。符号11,12は後述するプリズ
ム一体型分割センサであり、各々の分割線は情報磁区エ
ッジの方向Xに向けられている。
【0022】半導体レーザ1から発せられた直線偏光光
束(S偏光)は、コリメータレンズ2により平行な光束
となり、第1の偏光ビームスプリッタ3を透過して、対
物レンズ4により、光磁気ディスクの透明基板(図示せ
ず)を透過して、TbFeCoなどの光磁気記録膜に形
成された情報トラック6上に、光スポット5として結像
される。なお、通常は、コリメータの後に、レーザ1の
楕円光量分布を円形に変換するビーム整形プリズムを入
れるのが一般的であるが、ここでは、これを省略してい
る。
【0023】前記光磁気記録膜により磁気カー効果(偏
光方向の回転)を受けた反射光は、E方向と直交する偏
光成分(P偏光)をも有しており、この偏光成分は第1
の偏光ビームスプリッタ3で反射され、一方、E方向の
偏光成分(S偏光)はその一部が第1の偏光ビームスプ
リッタ3で反射され、第2の偏光ビームスプリッタ8の
方へ向かう。なお、第1および第2の偏光ビームスプリ
ッタの間にビームスプリッタを挿入し、その反射光束
を、各種オートフォーカス用フォーカス誤差検出光学
系、オートトラッキング用トラッキング誤差検出用光学
系に導くが、ここではその説明を省略する。
【0024】第2の偏光ビームスプリッタに入射した光
は、E方向に対してアナライザの角度を±45°に設定
したのと同様の偏光方向を選択し、反射光、透過光に分
けられる。その結果、反射光と透過光とに含まれる光磁
気信号の相対位相は180°ずれ、逆相の信号が得られ
る。これを差動検出することにより、同相であるレーザ
1の光源ノイズや、媒体のフレネル反射率の変動などの
媒体ノイズを除去した、2倍の光磁気信号を得ることが
可能となる。
【0025】次に、本発明の回折現象を利用したエッジ
検出原理について説明する。図2には、磁区による偏光
の変化が模式的に示されている。図1においてE方向の
偏波(S偏光)を投光した場合の反射光の偏光状態は図
2の(a)であり、記録されている磁区が上向きか下向
きかで、偏光の回転角θk の正負が反転する。なお、厳
密には、反射光の偏光は、右回り、左回りの楕円偏光と
なるが、ここでは簡単のため、まず、長軸方向の直線偏
光の回転というモデルで説明し、後に楕円偏光について
説明する。図2において、(b)と(c)とは、−θ
K ,θK だけ回転した直線偏光をS,P成分に分解し、
それを時間軸に展開したものである(厳密な楕円偏光モ
デルの場合も、P成分にその位相シフトを与えればよ
く、以下の説明が成り立つ)。この図から明らかなよう
に、磁区の向きにより、偏光の回転が±θK 反転すると
いうことは、図1の系ではP成分の位相がπだけシフト
するということに対応する。従って、P成分だけで考え
ると、磁区の上向き、下向きの並びは位相差が0とπの
位相物体の並びと考えられる。その磁壁つまりエッジ部
は、0/π位相エッジとして働き、位相変化として極め
て大きなものであり、かつ、ステップ状の急峻な変化で
あることがわかる。
【0026】図3は、そのような位相型エッジ、位相型
格子からの回折波面を説明するための模式図である。図
3において、光磁気膜20に記録された上向き磁区21
と下向き磁区22の配列は、上述したように、P成分で
考えると、符号23で示すような微小な0/πの位相差
物体の配列と考えることができる。このエッジからの回
折波を対物レンズ4の瞳面もしくはファーフィールド領
域24で観察すると、図1におけるE方向の成分、つま
り、S成分については、特に振幅・位相が空間的に変調
された物体が存在しないため、その光量分布が、符号2
5のような通常のガウシアンとなる。一方、P偏光成分
は、0/πの位相エッジからの回折を受けて、中心で割
れた2山の光量分布となる。なお、これは、微小物体と
光の相互作用である回折によるものであり、従来例に示
されるような回折現象ができる程小さい場合とは、勿
論、原理的に異なる。例えば、図3の場合、光量分布は
2つの山に別れるが、これらは独立した光束ではなく、
回折限界スポット5内の各点からの波面が干渉してファ
ーフィールドに作る回折パターンである。つまり、幾何
的に上向き磁区21からの反射偏光の光束と下向きの磁
区22からの反射偏光の光束が並んだものではなく、そ
れぞれの磁区の各点からの波面がファーフィールド上の
至る所に存在し、干渉して、形成された一つの波面であ
る。いわば、上向きおよび下向き磁区からの波面が混じ
り合った結果、生じたパターンであり、これを、従来例
に示されたような、各々の磁区からの偏光を幾何的に考
え、空間的に分離し、特定することは不可能である。
【0027】図4に示すものは、図3において、回折限
界スポット5をX方向に走査した場合、レンズ4の瞳面
上のP偏光の回折波面をフーリエ変換により求めたもの
である。ここで、(a)〜(g)は、スポット径で規格
化したスポット位置のX座標の違いを示している。図
中、実線は回折波面の振幅分布を表わし、破線は位相は
分布を表わす。図4の(a)では、下向き磁区22のみ
にスポット5が投光してる場合で、振幅はガウシアンで
あり、位相は符号23で示されるπrad だけシフトを受
けている。エッジがスポット内に入り込むと、(b)〜
(f)のように、振幅分布は中心にくぼみが生じ、光軸
とエッジが一致する(d)では、2つの山に分離する。
位相分布は、エッジが入ることにより、(b),(c)
のようにπrad を中心にモデュレーションを受け、
(d)において0rad を中心とするモデュレーションに
飛ぶ。以下,エッジが光スポットから出て行くにつれ、
モデュレーションが小さくなり、位相が0rad の上向き
磁区21からの回折波面では、(g)に示すように、位
相は0rad となり,振幅分布もガウシアンに戻る。この
結果からも解るように、本発明の回折現象を利用したエ
ッジ検出では、エッジが光軸からずれた位置(b),
(c),(e),(f)においても、各々の磁区の各点
からの波面の重ね合わせにより、回折パターンが生じ、
特に、その位相分布は、空間的な偏光状態の分布に対応
し、その位相の非対称性を利用したエッジ検出が可能と
なることが解る。ここでは、幾何的、幾何光学的に
(b),(c),(e),(f)の波面を特定の磁区か
らの反対偏光状態で記述することが不可能であり、従来
例とは、検出原理が異なるのである。また、光磁気ドメ
インが凹凸ピットとして作用する従来例では、ファーフ
ィードルの振幅分布に非対称が生じることが示される
が、これは、本発明のような位相ドメインとは異なる。
【0028】さて、このように光磁気磁区による回折
で、波面にモデュレーションを受けたP偏光と、磁区に
よるモデュレーションを受けないS偏光とを、第2の偏
光ビームスプリッタで、2つの直交する偏光面に射影し
合波する場合、S偏光の波面の分布は、例えば、図4の
(g)に示された振幅分布、位相分布に相似である。実
際には、図2の(a)に示したように、記録媒体からの
反射直後の偏光状態は、カー効果により楕円偏光とな
り、S偏光に対するP偏光の位相差は0ではなく、わず
かにシフトしているが、S偏光の位相分布は、例えば、
図4の(g)と同じように一様であり、S偏光の位相の
方がわずかにシフトしていると考えれば、何等、問題は
ない。そして、そのS偏光と図4に示された各P偏光と
を、±45°の偏光面に斜影し、それぞれの空間分布に
従って各点で合成したものが、第2のビームスプリッタ
の透過光、および、反射光となる。図4の(a),
(g)のように、光軸に対して対称な波面の場合は、合
成した波面も対称となるが、エッジが存在する(b)〜
(f)の場合は、振幅分布は光軸に対称であるが、位相
分布が非対称であるから、合成した波面の分布は非対称
となる。
【0029】また、図4の(g)の場合、図2の(c)
に対応していて、S偏光のわずかな位相差を無視すれ
ば、検光子の角度+45°で合成すると、光束内では一
様で、ほぼ同相の波面であるため、互いに強め合うこと
になる。また、検光子の角度−45°で合成すると、P
波の振幅の斜影にマイナスが付き、丁度、位相がπrad
ずれた逆相となり、光束内で互いに弱め合うことにな
る。従って、+45°側の全光量(光強度)は、S,P
両偏光の干渉項がcos 0=1となり、ここで,ほぼ最大
となり、−45°側の全光量は、干渉項がcos π=−1
となり,ほぼ最小となる。図4の(a)、すなわち、図
2の(b)では、それが逆転する。図4の(d)では、
光軸の左右で、S,P偏光の位相差は、楕円偏光化を、
つまり、S偏光波の位相シフトを無視すると、ほぼ±π
/2であり、光強度で考えると、cos±π/2=0とな
り,ほぼ同じグレーレベルとなり、光束内の全光量も最
大、最小値の中心値となる。すなわち、本発明のような
回折限界スポットによる光磁気磁区の検出においては、
上記のように、磁区のカー効果による偏光状態の変化に
加え、回折による偏光状態、波面の変化が生じている。
そして、第2の偏光ビームスプリッタ8の透過光・反射
光の全光量を検出すると、磁区の方向に(図4の
(a),(g))対応して、全光量が変調され、最大、
最小値が表われ、エッジ(図4の(d))はその中間値
となり、かつ、透過光と反射光とで、差動検出が可能で
ある。
【0030】また、第2の偏光ビームスプリッタ8の透
過光・反射光の強度分布の変化を、2分割センサなど
で、ファーフィールドにおいて差分検出すると、エッジ
のない領域(図4の(a),(g))では、差分信号は
0となり、楕円偏光の位相差によりエッジがあると、干
渉・合成したファーフィールドの波面の光強度分布に非
対称が表われ、エッジが光軸上にある場合(図4の
(d))に、差分信号は最大もしくは最小値をとるか
ら、エッジ検出が可能となる。
【0031】本発明においては、図1に示したように、
第2の偏光ビームスプリッタ8の透過光・反射光を、さ
らに、センサレンズ9,10により光スポットに結ぶ。
この場合にも、本発明では回折現象が生じ、従来例のよ
うな単なる集光作用ではないから、ファーフィールド検
出と再結像検出とが同じではない。
【0032】以下に、図4のP偏光とガウシアンS偏光
との±45°偏光面への射影、合成後における、直交す
る直線偏光の分布のフーリエ変換像が、センサレンズ9
および10によるスポット位置に形成されるというモデ
ルについて考える。図4の(a),(g)のような、一
様な位相分布を持ったP偏光と、同様なS偏光とを合成
した波面は、やはり、一様な位相分布とガウシアン振幅
分布とを持つため、そのフーリエ変換像は、一様な位相
分布とガウシアン振幅分布を持ち、その強度分布はガウ
シアンとなる。図4の(b)〜(f)のように、エッジ
により非対称な位相分布を有する場合は、合成した直線
偏光の分布も非対称となる。例えば、図4の(d)の場
合に、先ず簡単のため、カー効果による楕円化を無視
し、偏光面のみが回転するという図2の(b),(c)
のモデルで考察してみると、前述したように合成光の強
度はグレーレベルとなる。第2の偏光ビームスプリッタ
8に入射する波面に関しては、図5の(a),(b)を
参照するとよい。これらは、図4に示した位相分布を表
わすものと同じで、それぞれ、0/πエッジとπ/0エ
ッジによる回折波面の位相分布を模式的に示す。図5の
(c),(d)は、そのような位相分布を持つP偏光
と、一様な位相分布(0rad としている)を持つS偏光
による偏光状態について開示するものである。図5の
(a)のP偏光の位相が−π/2の領域31は、同図の
(c)の波形36で表わされ、これとS偏光波形35と
の合成により、長軸がS方向に一致した右回り楕円偏光
となる。同じように、領域32のP偏光は、図5の
(d)の波形38であり、これとS偏光35との合成に
より、図5の(c)の場合と同じ楕円形であるが、左回
りの楕円偏光39となる。同様に、もう一方のエッジの
場合の図5の(b)の領域33の偏光は、図5の
(d)、また、領域34の偏光は、図5の(c)で表わ
される。また、図5では、振幅の影響について説明して
いないが、図4の(d)に示されるように、光軸上では
P偏光振幅は0なので、S偏光という直線偏光である
が、光軸から離れ、周辺に行くに従って、ガウシアン分
布のS偏光振幅は小さくなり、また、図4の(d)のよ
うに、回折によって、P偏光振幅は大きいので、図5の
(c),(d)の楕円偏光の楕円率が変化し、ξ方向の
瞳の端では、S偏光振幅がP偏光振幅より十分小さけれ
ば、ほとんど、P偏光に近い偏光状態となっている。
【0033】以上は、簡単のため、カー効果による楕円
化については省略した説明である(図2の(b),
(c)のモデル)。回折を用いたエッジ検出において
は、このカー効果における偏光の楕円化、S,P両偏光
の位相差は大きな意味を持ち、従来例のようにそれを無
視することはできない。図5の(e)および(f)は、
カー効果によって、S偏光に対するP偏光の位相がわず
かにシフトし、楕円偏光になる効果を考慮して示したも
ので、図5の(c),(d)に対応する偏光の振動を表
わしたものである。ここでは、前述のように、等価的に
S偏光40に、その位相差を与えたモデルで示しておく
が、楕円偏光37,39に対して、カー回転角、カー楕
円率ともに異なる楕円偏光41,42が得られることが
理解されよう。さらに、図4の(b),(c),
(e),(f)のような中間状態においては、位相分
布、振幅分布が、より複雑であるから、そのようなP偏
光とS偏光とを合成した波面の空間的分布は、さらに複
雑となる。従って、従来例で示されているような、各磁
区のカー効果(それも直線偏光の回転のみ)だけでファ
ーフィールドの偏光状態を考えることは不可能で、カー
回転角、カー楕円率が不均一に分布した偏光状態となっ
ている。
【0034】すなわち、本発明による回折限界スポット
による磁区エッジ検出においては、カー効果と回折効果
により、ファーフィールド領域では、偏光状態は空間的
に不均一であり、それは、幾何、幾何光学的な再生原理
の場合と大きく異なり、磁区のカー効果のみで記述する
ことが不可能な分布を持っている。次に、そのような偏
光状態の、第2偏光プリズム8の透過、反射後の波面に
ついて考える。検光子(±45°)への射影により得ら
れる直線偏光は、S成分、P成分それぞれに、cos (±
45°)、sin (±45°)を乗じ、重ね合わせた波と
なる。例えば、図5の(c)の偏光37の場合は、S偏
光からの射影成分a・sin ωtと、それに対し、位相が
−π/2rad であるP偏光からの射影成分b・sin {ω
t−(π/2)}=−b・cos ωtとの合成波となり、
(a2 +b2-2・sin {ωt−tan (b/a)}で表
わされる。ここで,a,bは,それぞれ,検光子に射影
されたS,P偏光の振幅、ωは光の角周波数である。図
5の(d)の場合は、S偏光35からの射影成分a・si
n ωtと、P偏光38からの寄与分b{sin ωt+(π
/2)}=b・cos ωtとの合成波(a2 +b2-2
sin {ωt−tan (b/a)}となる。つまり,合成す
る振幅の大きさにより、合成された波の振幅と位相が決
まり、偏光状態が図5の(c)と(d)とで表わされる
領域では、位相が反転していることが解る。
【0035】図4の(b),(c),(e),(f)の
ような、より一般的な場合は、S偏光からの射影成分a
sinωtと、任意の位相シフトθを持つ、P偏光の射
影成分b・sin (ωt+θ)の合成波(a2 +2ab・
cos θ+b2-2sin [ωt−tan -1{b・sin θ/
(a+b・cos θ)}]となる。つまり、各点における
合成された直線偏光の振幅と位相は、合成される2つの
直線偏光の各点での振幅と位相により変化し、さらに複
雑な空間的振幅公布・位相分布をもった直線偏光波面を
形成する。従って、もはや、従来例のような幾何的、幾
何光学的に考えられた波面とは本質的に異なるものとな
っている。
【0036】なお、図5(e),(f)で考えたよう
な、厳密なカー効果についても、前述の一般化したP偏
光の射影成分の位相θに楕円化の効果を入れ、S偏光の
位相シフトを本来に戻して考えれば、上記の説明が成り
立つであろうことは明らかである。このようにして得ら
れた直交する直線偏光波面を、レンズ9,10で再びス
ポットに結像すると、回折により、さらにパターンが変
化する。例えば、前述の図4の(d)に対応する、図5
(a),(c),(d)について考えると、前述の計算
のように、光軸を境界として、(a2 +b2-2sin
{ωt−tan (b/a)}と(a2 +b2-2sin {ω
t−tan -1(b/a)}で表わされる波面分布をもった
ファーフィールド波面となっている。つまり、位相が±
tan -1(b/a)では、カー効果が微小であるため、b
≪aにおいて位相差の絶対値は小さいが、図4の(g)
で、ほぼ表わされる振幅aの分布と、図4の(d)でほ
ぼ表わされる振幅bの分布とを見ればわかるように、位
相の絶対値は光軸から遠ざかる程大きくり、かつ、光軸
を中心に正負が反転している。そして、振幅分布は2乗
和の平均であるから対称形である。この波面の再結像面
パターンは、例えば、フーリエ変換により求めることが
可能である。ここでも、簡単のため、スカラーで考える
と、ファーフィールド上のS,P両偏光成分の振幅が、
各々、検光子において空間的に均一な減衰を受け、その
センサレンズによるフーリエ変換像を重ねたものが、各
再結像スポットの回折パターンになるモデルを構成す
る。
【0037】図6は、そのようにして、図4に示される
P偏光ファーフィールド・パターンから求めた、P偏光
からの再結像パターンへの寄与の状態を示す模式図であ
る。図6において、実線は振幅分布を表わし、破線は位
相分布を表わす。同図から明らかなことは、本発明のよ
うな回折限界スポットで、同等の大きさの光磁気磁区を
回折現象を用いて再生する場合には、ピックアップレン
ズの瞳径(NA)が有限であるために、再結像しても、
ディスク上のスポット、光磁気磁区の振幅・位相分は再
現しないことである。また、図6の(a)と(g)のよ
うに、完全なガウシアンとはならず、回折パターンが載
る形となる。さらに、特開平3−120645号公報に
所載の再結像検出とは大きく異なる。すなわち、ファー
フィールド(図4)と再結像面(図6)においては、振
幅分布と位相分布が、従来例とは全く異なるので、ファ
ーフィールド上のエッジ検出と再結像面のエッジ検出が
同じである筈がないのである。
【0038】S偏光の、検光子を通した後の波面の再結
像は、基本的にはガウシアンで、図6の(g)に相似で
あり、それと図6の各分布とを重ね合わせて、再結像パ
ターンが得られる。
【0039】図6の(d)に示されているように、エッ
ジがスポットの中心にある場合は、P偏光が検光子に斜
影した後の波面の再結像の振幅分布は光軸対称であり、
位相は非対称となり、0,πrad の値をとる。カー効果
の楕円化を無視した、単純な直線偏光回転モデルについ
ていえば、S偏光からの寄与分の位相分布は0rad で均
一であるから、合波後の強度分布は、位相差0rad で強
め合い、cos 0=+1であり、位相差がπrad で弱め合
い、cos π=−1である。楕円偏光の効果は、そのわず
かな位相差分をシフトして、強度分布の最大値、最小値
を変化させ、変調度を僅かに劣化させることになる。
【0040】図7は、図1の実施例のプリズム一体型分
割センサ11、12の構成を示す模式図である。プリズ
ム一体型分割センサ50は、Alフレーム上のSi−P
INフォトダイオード52を、光学的に透明なポリカー
ボネート樹脂により、モールド・パッケージしたもので
ある。なお、2分割受光領域53のギャップは、領域間
の光学的、電気的、熱的なクロストークが無視できるレ
ベルまで、離してある。モールド51の形状は、プリズ
ム状になっており、丁度、2つの三角プリズムを結合さ
せることで、入射した光束54を2つに波面に分割し、
その分割光束をそれぞれの受光領域53に導く構成とな
っている。このような構成により、前述したような再結
像スポットの空間的差分検出を行うことができる。受光
領域間のクロストークについては、ギャップが数10μ
m程度では、発生したキャリアの拡散などによる電気的
クロストークが支配的で、逆バイアスなどによる低減効
果もあるが、それのみで解決しようとすると、数10V
の電源が必要であったり、暗電流が増加するという問題
を生じる。
【0041】本発明のように、光学的波面分割手段によ
り光束を空間的に分割し、クロストークの少ない受光領
域52で光電変換した信号が得られる場合には、差動増
幅器により、この信号からクロストークの少ない差分信
号を得ることが可能となる。また、本発明では、再結像
レンズ9,10が十分に収差補正されており、再結像回
折パターンも数μm〜数10μmと微小である。このよ
うに、従来のような分割センサによる検出では、センサ
の実用的ギャップが5〜15μmであるから、ほとんど
の光量が入ってしまい、クロストークの小さな良好な差
分信号を得ることが不可能であるが、これは、本発明に
より、初めて可能となるものである。なお、再結像レン
ズ9,10の焦点距離を伸し、再結像回折パターンを拡
大する別の方法もあるが、対物レンズ4の焦点距離4〜
5mmに対して、100μm程度の再結像回折パターン
を得ようとすると、再結像レンズ9,10の焦点距離を
数100mmにする必要があり、装置が大型化するの
で、現実的ではない。
【0042】また、本発明による、光学的空間分割にお
いては、再結像位置、つまり、再結像レンズ9、10の
焦点位置に、センサ50のプリズム51の波面分割部を
置くのが望ましい。そうすることにより、プリズム51
の分割線による新たな回折の影響を極力避け、また、そ
の回折によるパターンの拡がりを十分カバーできる大き
さの受光領域52を、前述したクロストークを低減した
相対位置に配置することが可能である。つまり、空間分
割後には、分割されたそれぞれの光量全体を検出すれば
よく、その中の回折パターンなどによる光量分布を検出
する必要がないのであり、このことも、本発明の特長で
ある。従って、再結像位置の前後近傍において、再結像
の回折パターンに非対称性の逆転などの、差分検出信号
波形に大きな変化をもたらすパターン変化がない範囲
で、プリズム51の分割線位置を光軸方向に移動するこ
とができる。更に、本発明においては、光束を波面分割
するプリズム51部と受光領域52とが一体化されてい
るため、位置合わせ調整が楽になる。対称な光量分布を
もつ光束を使って、センサ50全体の焦平面内のY軸方
向では2つのセンサ出力、その和信号が最大になるよう
に調整し、また、X軸方向では2つのセンサ出力が等し
くなり、差信号が最小になるように仮調整する。そし
て、その上で、実際の光磁気信号を再生しながら、光軸
方向、および、分割線を中心とした回転方向の調整を含
む微調整を行えばよい。
【0043】図7ないし図13に本発明によるそれぞれ
別の実施例を示す。図8の実施例においては、波面分割
のためのプリズム部を片方にだけ設けている。このよう
な構成により、調整の簡略化が図れる。図7の実施例の
場合は、センサ本体50のx方向の移動や分割線まわり
の回転に対し、分割された2光束の相対的移動量が大き
いが、図8の場合、プリズム効果のない方の移動量は小
さく、調整時の2つの受光領域の移動のクロストークが
小さく調整しやすくなる。
【0044】図9は、エッジ方向に4分割したセンサ5
0の場合の実施例を示し、単なる空間的2分割による差
分ではなく、多分割した各受光領域からの信号を演算処
理することにより、補正したエッジ信号を得るような場
合にも、本発明が適用可能なことを示すものである(各
受光領域に光束を導びくように、4つの三角プリズムを
組み合わせた波面分割プリズムを構成している)。
【0045】図10の実施例では、プリズムにより分割
した光束を交叉して受光領域に導びいている。これを樹
脂モールドにより作成する場合、型を用いるため、モー
ルドの成型精度、離型のし易さに応じて、図示のよう
に、凹凸両方のプリズム形状を選択することが可能であ
る。特に、本発明においては、分割線、および、分割線
近傍の精度は高いものが要求されるため、ガラス封入、
その他の誘電体を使用してプリズム形状を加工、研磨す
る方法、あるいは、モールドに対して追加工、研磨をす
る方法も考えられるので、この凹凸の選択の自由度は重
要である。
【0046】図11の実施例では、例えば、特願平4−
47789号明細書に示される「四つ葉のクローバ検
出」と呼ばれる、田字型の4分割センサを用いるエッジ
検出に本発明を適用している。本実施例においては、波
面分割用に、プリズムの各4面の法線ベクトルが異なる
方向を向くように前記プリズムを作成しており、そし
て、中心に入射した光束は、各プリズム面で波面分割さ
れ、各受光領域55に導びかれるようになっている。
【0047】図12の実施例においては、図1に示した
ものと同じ光学ヘッドの光学系において、特に、第2の
偏光ビームスプリッタ8、分割センサ11,12を一体
化している。なお、この場合、再結像レンズは一つで済
み、その光束をセンサユニット56に入射させるように
なっている。また、図1の実施例に示したような、第2
の偏光ビームスプリッタ8を光軸を中心に回転させる構
成は、本実施例においても実現可能であるが、説明を簡
単にするために、第1の偏光ビームスプリッタによって
検出光学系に導びかれた光束内にλ/2板を挿入し、偏
光を45°回転させてから、再結像レンズによりセンサ
ユニット56に導びく構成を採用している。このような
構成について以下に説明する。図12の(a)におい
て、プリズム57は第2の偏光ビームスプリッタと波面
分割プリズムとを兼ねており、偏光分割面58では、紙
面内の偏光を透過し、紙面に垂直な方向の偏光を反射す
る。ここでは、偏光分割面58に対して、図面の左より
再結像回折パターンが入射する。また、光軸はセンサユ
ニット56の中心、つまり、偏光分割面58の分割線上
に一致させる。紙面に垂直な方向の偏光成分は、偏光分
割面58により空間的に2分割され、そして、それぞれ
の光束は受光領域59a,59bに導びかれる。一方、
紙面に平行な方向の偏光成分は、偏光分割面58を透過
し、波面分割プリズム57の、別の分割面により空間的
に2分割された受光領域59c,59dに導かれる。そ
して、受光領域59aおよび59cの出力を差動増幅す
ることにより、同相成分を除去した差動信号が得られ、
同様にして、受光領域59bおよび59dの出力から差
動信号が得られる。更に、これら差動信号との差動をと
ることによって、空間的差分信号が得られる。
【0048】図12の(b)は、さらに簡略化したセン
サユニット56の実施例であり、分割受光領域を一つの
Si基板上の分割フォトダイオードで実現したものであ
る。ここでは、偏光分割面58で反射、分割された光束
は、受光領域59a,59dに導かれ、また、透過した
光束はプリズム57の効果で波面分割され、受光領域5
9b,59cに導かれる。本実施例においては、偏光分
割面58への入射角度が、通常の偏光ビームスプリッタ
と異なり、かつ、樹脂モールドとの屈折率差、その上へ
の成膜などに問題があり、偏光分割面58の偏光分離特
性が劣る可能性や、受光領域59a,59dへの光束入
射角度が大きくなるために感度が落ちるなどの可能性が
ある。
【0049】図12に示した実施例では、図1に示した
実施例に比べて、再結像レンズを1つにすることが可能
で、かつ、図1の再結像レンズ9、センサ11側の光学
分岐が不用になり、平面内の構成となる上に、光学ヘッ
ドとしての大きさも格段に小さくなる効果がある。
【0050】図13に示す実施例も、図12の実施例と
同様、図1に示した光学ヘッドの光学系において、第2
の偏光ビームスプリッタ8、分割センサ11,12を一
体化したもので、再結像レンズは1つでよく、また、λ
/2板を必要としない構成も可能である。しかし、ここ
では、説明を簡単にするため、λ/2板を入れ、偏光面
を45°回転させた場合を挙げている。本実施例では、
第2の偏光ビームスプリッタ8の代わりに複像素子(ウ
ォラストン・プリズム、ロション・プリズムなど)を用
いる。図13の(a)において、センサ・ユニット60
は、ウォラストン・プリズム61、波面分割プリズム6
2、モールド部63、分割受光領域64よりなる一体構
造をとっている。そして、ウォラストン・プリズムに入
射した再結像光束は、正常光線、異常光線に沿った2つ
の光束に分けられ、ウォラストン・プリズムを射出する
時には、x方向、つまり、トラックに平行な方向に対し
て2つの直交する偏光光束に分離する。更に、この各光
束を、波面分割プリズム62により空間的に2分割し、
合計4つの光束とし、x方向に分割された4つの受光領
域64に、それぞれ、導くようになっている。
【0051】ここでは、上下2組の受光領域からの信号
が得られるが、1組内で差動をとると、空間的差分信号
が得られ、それを、更に差動増幅することにより、同相
成分を除去した差動エッジ信号が得られる。勿論、先
に、x方向の奇数番目の受光領域の信号同志と偶数番目
の受光領域の信号同志の差動により、同相成分を除去し
た後、次に、それらの差動により、差分信号を得てもよ
い。本実施例は、図12の(a)の実施例に比べ、受光
領域を同一平面内に配置することが可能であるから、一
つの分割Si−PINフォトダイオードで構成すること
が可能で、小型化できるが、ウォラストン・プリズムは
偏光ビームスプリッタより高価である点を留意する必要
がある。
【0052】図13の(b)は、同じく、ウォラストン
・プリズム61と、波面分割プリズム65と、モールド
部66と、4つの受光領域67を持つフォトダイオード
とから構成される。但し、ウォラストン・プリズムは、
トラックに平行な方向xに対し、図13の(a)場合に
対して90度、回軸した構成となっており、4つの光束
を田字型状の領域に分離するように構成されている。ウ
ォラストン・プリズムに入射した光束は、ウォラストン
・プリズムの射出面で、x方向に垂直な方向に対して直
交する2つの偏光光束に分離される。この偏光光束は、
波面分割プリズム65により、x方向に対して空間的に
2分割され、4つの受光領域67に対して、それぞれ、
導かれる。4つの受光領域67からの信号からは、それ
ぞれ、上下を差動増幅することで、同相成分を除去する
差動検出信号が得られ、左右を差動増幅することで、差
分検出信号が得られる。これは、どちらを先に演算して
もよい。本実施例は、図13の(a)の実施例に対比し
て、プリズム65による波面分割線が1箇所でよいた
め、一体化構造の作成に有利となるが、田字型の4分割
であり、x方向のみでなく、その直交方向についても、
精度・調整が厳しくなる。
【0053】以上の実施例の説明においては、便宜的
に、記録媒体上の光スポット5内には一つのエッジがあ
る場合のみを仮定して説明しているが、つまり、前述
の、同一出願人による従来例以外に知られる従来例で
は、単なるエッジ検出であるから、それらとの違いを明
確にするため、それらが対象とする光スポット内1のエ
ッジの検出について、対比して、詳細に説明している
が、しかし、本発明は、光スポットの大きさが解像限界
となるそれら従来例と異なり、記録されたドメインとス
ポットとの相互作用を回折現象を使って検出するもので
あって、光スポット内に複数のエッジが存在する場合に
も適用可能なものである。
【0054】なお、以上の説明においては、λ=0.8
3μm、NA=0.5程度を仮定し説明したが、勿論、
それらのパラメータ、スポットサイズ、ドメインサイズ
の変化により、図示した回折パターンは変化するが、本
発明は、それに対応することが可能である。また、ここ
では、従来例との検出原理の違いを説明するために、便
宜上、フーリエ変換を用いて説明したが、キルヒホッフ
の境界条件では適応不可能な領域であって、本来より厳
密な解析によるべきであり、ヘルムホルツの波動方程式
を用いて境界要素法などの数値計算により求めた結果と
違いがあるが、しかし、本発明の情報再生装置を説明す
るためには、特に不都合を生じるものではない。
【0055】図14は、本発明を光磁気情報再生装置の
光学ヘッドの再生光学系に用いる場合の実施例を示す。
図14において、符号101は円偏光分離素子としての
旋光性プリズムである。この旋光性プリズム101は、
右まわり円偏光と左まわり円偏光に対する屈折率が異な
るので、光磁気記録媒体からの反射光束が通過すると、
右まわり円偏光と左まわり円偏光とは、異なる屈折角で
射出される。また、符号102は波面分割素子で、トラ
ックに平行な方向(矢印T方向)に光束を分割するもの
である。更に、符号103は集光レンズ、104は4分
割光検出器である。つまり、トラックに平行な方向に分
割された2光束の内、例えば、右側の光束の左回り円偏
光成分が検出器の受光面104−1に入射し、右回り円
偏光成分が同じく受光面104−2に入射する。また、
左側の光束の左回り円偏光成分が受光面104−3に入
射し、右回り円偏光成分が受光面104−4に入射する
のである。
【0056】それぞれの受光面から得られる検出信号
を、信号(104−1),(104−2),(104−
3),(104−4)とすると、差動アンプ105,1
06では、それぞれ、{信号(104−2)−信号(1
04−1)},{信号(104−4)−信号(104−
3)}の値を得る。そして、さらに差動アンプ107に
より[{信号(104−1)+信号(104−4)}−
{信号(104−2)+信号(104−3)}]の差動
で、エッジ検出信号108を得る。
【0057】次に、図15を用いて、その検出原理をさ
らに詳しく説明する。図15において、(a)は対物レ
ンズによる光スポットの再生位置を示している。ここで
は、[I]は下向き磁化を再生している状態を、[I
I]は上向き磁化を再生している状態を、[III]
は、ピットのエッジ部で左側が下向き磁化の状態を、更
には、[IV]もピットのエッジ部で左側が上向き磁化
の状態を、それぞれ、示すものである。なお、図中、T
はトラックに平行な方向での、光スポットの走査方向を
示す。
【0058】(b)は[I]〜[IV]のそれぞれの状
態の反射光束で、光磁気記録媒体から出た直後の光束の
分布を示している。また、(c)は、同様に、ファーフ
ィールド面での分布を示している。ここでは、入射光
は、図19に示すように、P軸方向に偏光した直線偏光
(P偏光)とする。(b−1),(c−1)はP偏光の
振幅分布、(b−2),(c−2)はS偏光分布(大き
さは無視)、(b−3),(c−3)はP偏光を基準に
した時のS偏光の位相の分布、(b−4),(c−4)
は光束左側の偏光状態、(b−5),(c−5)は光束
右側の偏光状態を示すものである。
【0059】[I]の下向き磁化の場合、光磁気記録媒
体を出た個所(b)でのP偏光、S偏光の振幅分布は、
同じ左右対称の形となっている。偏光の分布は、左右同
じであるが、図19に示すように、右回りに回転した直
線偏光(R+)とする。また、この時のP偏光とS偏光
の位相差を0とする。これらがファーフィールド面
(c)においても、P偏光、S偏光は、左右対称で、S
偏光の位相も変わらず0であり、左右の偏光状態も変ら
ない。
【0060】[II]の上向き磁化の場合、光磁気記録
媒体を出た個所(b)でのP偏光、S偏光の振幅分布
は、[I]と同様に左右対称である。ただし、S偏光の
位相は[I]に比べπだけ違っていて、その偏光状態
も、左右とも[I]とは反対に、左回りに回転した直線
偏光(R−)となる。ファーフィールド面(c)におい
ても、P偏光、S偏光の振幅分布は左右対称で、S偏光
の位相はπであり、左右の偏光状態も左回りに回転した
直線偏光である。
【0061】[III]の、ピットエッジで左側が下向
き磁化の場合、光磁気記録媒体を出た個所(b)でのP
偏光の振幅分布は、[I][II]と同様に左右対称で
あるが、S偏光の振幅分布は2つに分かれており、その
位相分布は左側が0となり、右側がπとなる。また、こ
の時の偏光状態は、左側が右回りに回転した直線偏光
(R+)に、右側が左回りに回転した直線偏光になって
いる。これがファーフィールド面(c)では、P偏光の
振幅分布が左右対称であり、S偏光の振幅分布が2つに
分かれたままであり、また、S偏光の位相分布に変化が
生じ、左側が−π/2、右側が+π/2となる。つま
り、偏光状態は、例えば、その左側が右回りの楕円偏
光、右側が左回りの楕円偏光となる。それぞれの楕円偏
光の楕円率、大きさは同じで、それらの長軸はP偏光方
向にある。
【0062】[IV]の、ピットエッジで左側が上向き
磁化の場合は、[III]の場合に比べてその左右が逆
の状態となる。
【0063】図14において旋光性プリズム1が配置さ
れているのは、図15の(c)で示したファーフィール
ド面である。偏光状態が直線偏光である場合([I],
[II]の場合)には、直線偏光は、その大きさが同じ
の右回り円偏光と左回り円偏光の合成より、信号(10
4−1)と信号(104−2)、および、信号(104
−3)と信号(104−4)の各出力信号は、同じ大き
さとなり、エッジ検出信号108は0となる。一方、偏
光状態が楕円偏光となる場合([III],[IV]の
場合)には、それぞれの楕円偏光は、図20および図2
1で示したように、その大きさが異なる右回り円偏光と
左回り円偏光との合成となる。[III]の場合は、
{信号(104−2)−信号(104−1)}<0,
{信号(104−4)−(信号104−3)}>0とな
り、エッジ検出信号108としては、[{信号(104
−1)+信号(104−4)}−{信号(104−2)
+信号(104−3)}]>0の正の信号が得られる。
また、[IV]の場合は,逆に{信号(104−2)−
信号(104−1)},{信号(104−4)−信号
(104−3)}<0となり、エッジ検出信号108と
しては、[{信号(104−1)+信号(104−
4)}−{信号(104−2)+信号(104−
3)}]<0の負の信号が得られる。
【0064】図16は、磁界変調方式で記録された光磁
気ピットを、図14の再生系で検出した時のエッジ検出
信号を示すものである。ここで、(a)は、光磁気媒体
上にピットエッジ記録方式による光磁気ピット列を記録
した状態を示す。ここでは、斜線部を上向き磁化とす
る。また、矢印Tはトラックに平行な方向での光スポッ
トの移動方向である。そして、図14の再生光学系によ
り、(b)に示すエッジ検出信号が得られる。
【0065】図17は、本発明の光磁気情報記録再生装
置で用いる光学ヘッドの他の再生光学系を示す。図17
において、前記同様に、符号201は旋光性プリズム、
203は集光レンズである。また、符号209はトラッ
クに平行な方向(矢印T方向)で、光束のおおむね半分
に影響を与える1/2波長板である。ここでは、1/2
波長板209の進相軸または遅相軸が入射直線偏光の方
向に置かれている。この1/2波長板209を通過する
と、光束の状態は、図15の(c)より、図18の
(d)へと変換される。ここでは、1/2波長板209
により、右側の光束の、P偏光に対するS偏光の位相
が、πだけ進められるものとする。その結果、[I],
[II]の下向きおよび上向き磁化の時の左右の偏光状
態は、同じ方向の直線偏光から異なる方向の直線偏光に
変換されるが、直線偏光であるため、旋光性プリズム2
01により分離されるところの、右回りおよび左回り円
偏光の光量は同じである。一方、[III],[IV]
のエッジが来た時の左右の偏光状態は、回転方向が異成
る楕円偏光から、回転方向が同じ楕円偏光に変換され
る。[III]の場合、左右とも右回りの楕円偏光とな
り、旋光性プリズム201を通過した後、右回り円偏光
の光量が大きくなる。逆に、[IV]の場合、左右とも
左回りの楕円偏光となり、旋光性プリズム201を通過
した後、左回り円偏光の光量が大きくなる。符号210
は2分割検出器で、旋光正プリズム201で分離された
左回り円偏光が受光面210−1、右回り円偏光が受光
面210−2により検出されるものとし、それぞれの検
出信号を信号(210−1),信号(210−2)とす
ると、差動アンプ211により得られるピットエッジ検
出信号212は、{信号(210−2)−信号(210
−1)}であり、[I],[II]の状態で、0とな
り、[III]の状態で正の信号、[IV]の状態で、
負の信号となり、図16の(b)のエッジ検出信号とは
同等のものが得られる。
【0066】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、回折限界
スポットを用い、微小記録ドメインからの回折光の一部
を対物レンズ、偏光素子、再結像レンズを用いて、スポ
ットとの共役位置に、新たな回折パターンとして変換
し、波面分割素子、複像素子および複数の受光領域を有
する一体化した光検出器によって光電変換し、その出力
を演算し、良好な空間差分検出信号を得ることでできる
ので、ジッタの少ないエッジ検出が可能になり、スポッ
ト内に複数エッジがある場合の情報再生が可能となる。
このため、記憶媒体について、高密度化による大容量メ
モリが実現でき、かつ、コンパクトで信頼性の高い情報
再生装置を実現するという効果がある。
【0067】また、光磁気媒体からの反射光束中に、波
面分割素子と円偏光分離素子を配置し、これらを通過
し、分離した4つの光束の光量変化を検知することによ
り、また、反射光束中に、おおむね半光束に影響を与え
る1/2波長板と円偏光分離素子を配置し、これらを通
過し、分離した2つの光束の光量変化を検知することに
より、光学的に光磁気ピットのエッジ部の検知が行え、
直線成分の変動が少ない再生信号が得られるという効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す光ヘッドの構成図であ
る。
【図2】カー効果による偏光の変化を示す模式図であ
る。
【図3】本発明の再生原理の説明図である。
【図4】本発明におけるファーフィールドパターンの変
化を示す模式図である。
【図5】本発明における偏光分布を説明するための模式
図である。
【図6】本発明における再結像回折パターンの変化を示
す模式図である。
【図7】本発明による別の実施例を示すセンサユニット
の模式図である。
【図8】本発明による別の実施例を示すセンサユニット
の模式図である。
【図9】本発明による別の実施例を示すセンサユニット
の模式図である。
【図10】本発明による別の実施例を示すセンサユニッ
トの模式図である。
【図11】本発明による別の実施例を示すセンサユニッ
トの模式図である。
【図12】本発明による別の実施例を示すセンサユニッ
トの模式図である。
【図13】本発明による別の実施例を示すセンサユニッ
トの模式図である。
【図14】本発明の光磁気情報記録再生装置に用いる光
ヘッドの再生光学系である。
【図15】図14の再生光学系の再生原理を説明する図
である。
【図16】エッジ検出信号の波形図である。
【図17】他の再生光学系である。
【図18】図17の再生光学系の再生原理を説明する図
である。
【図19】再生原理を説明する図である。
【図20】楕円偏光と円偏光の関係を説明する図であ
る。
【図21】楕円偏光と円偏光の関係を説明する図であ
る。
【図22】従来例の光学系の構成図である
【符号の説明】
4 対物レンズ 5 光スポット 9,10 再結像レンズ 11,12,50,54,56,60 センサ・ユニ
ット 101 旋光正プリズム 102 波面分割素子 103 集光レンズ 104 光検出器 109 1/2波長板 110 光検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松村 進 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 11/105

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザからの光を対物レンズを介し情報
    記録面上に集束し、光スポットとして結像し、前記情報
    記録面からの反射光を、前記対物レンズおよび再結像レ
    ンズを介して、光スポットと光学的に共役な位置に配置
    した光検出器に導き、前記情報記録面上に記録された情
    報の再生を行う光学的情報再生装置において、光スポッ
    トを略回折限界に絞り、光スポットのサイズ以下の情報
    記録ドメインからの回折光の一部を、前記対物レンズ、
    偏光素子および前記再結像レンズによって、回折パター
    ンに変換し、更に、波面分割手段により、前記回折パタ
    ーンを空間的に複数に分離し、分離した各光強度を前記
    光検出器内の複数の各受光領域に導いて検出することを
    特徴とする光学的情報再生装置。
  2. 【請求項2】 前記波面分割手段は、振れ角の異なる複
    数のプリズムの組み合わせで構成され、かつ、前記受光
    領域と一体化構造であることを特徴とする請求項1に記
    載の光学的情報再生装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の受光領域の内、空間的差分関
    係にある複数の受光領域の信号から、電気的演算処理に
    より、差分信号を得て、前記情報記録ドメインのエッジ
    を検出するように構成したことを特徴とする請求項1に
    記載の光学的情報再生装置。
  4. 【請求項4】 レーザからの光を対物レンズを介し情報
    記録面上に集束し、光スポットとして結像し、前記情報
    記録面からの反射光を、前記対物レンズおよび再結像レ
    ンズを介して、光スポットと光学的に共役な位置に配置
    した光検出器に導き、前記情報記録面上に記録された情
    報の再生を行う光学的情報再生装置において、光スポッ
    トを略回折限界に絞り、光スポットのサイズ以下の情報
    記録ドメインからの回折光の一部を、前記対物レンズ、
    偏光素子および前記再結像レンズによって、回折パター
    ンに変換し、更に、複像素子と波面分割素子により、前
    記回折パターンを空間的に複数に分離し、分離した各光
    強度を前記光検出器内の複数の各受光領域に導いて検出
    することを特徴とする光学的情報再生装置。
  5. 【請求項5】 前記複像素子がウォラストンプリズムま
    たはロションプリズムであり、前記波面分割手段が、振
    れ角の異なる複数のプリズムの組み合わせで構成され、
    かつ、前記受光領域と一体化構造であることを特徴とす
    る請求項4に記載の光学的情報再生装置。
  6. 【請求項6】 前記複数の受光領域の内、空間的差分関
    係にある複数の受光領域の信号から、電気的演算処理に
    より、差分信号を得て、前記情報記録ドメインのエッジ
    を検出することを特徴とする請求項4に記載の光学的情
    報再生装置。
  7. 【請求項7】 複数のトラックを有し、磁化の向きの違
    いにより情報ピットを記録する情報記録媒体に対し、光
    と熱と磁気の相互作用を利用して情報を記録または/か
    つ再生する際、直線偏光の光を情報記録媒体に入射し、
    その反射光束より、情報ピットの境界部を光学的に検出
    するようにした光学的情報再生装置において、反射光の
    経路中に、波面分割素子および円偏光分離素子を配置
    し、前記波面分割素子により、前記反射光をトラックに
    平行方向な2つの光束に分離し、また、前記円偏光分離
    素子により、右回りと左回りの円偏光の光束に分離し、
    これら4光束の光量変化から、情報ピットの境界部を検
    知し、情報を再生するように構成したことを特徴とする
    光学的情報再生装置。
  8. 【請求項8】 複数のトラックを有し、磁化の向きの違
    いにより情報ピットを記録する情報記録媒体に対し、光
    と熱と磁気の相互作用を利用して情報を記録または/か
    つ再生する際、直線偏光の光を情報記録媒体に入射し、
    その反射光束より、情報ピットの境界部を光学的に検出
    するようにした光学的情報再生装置において、反射光の
    経路中に、おおむね、半光束に影響を与える1/2波長
    板および円偏光分離素子を配置し、これらを通過してき
    た、右回りおよび左回りの円偏光の2光束の光量変化か
    ら、情報ピットの境界部を検知し、情報を再生するよう
    に構成したことを特徴とする光学的情報再生装置。
JP27927292A 1992-08-31 1992-09-25 光学的情報再生装置 Expired - Fee Related JP3288083B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27927292A JP3288083B2 (ja) 1992-09-25 1992-09-25 光学的情報再生装置
US08/570,251 US5610897A (en) 1992-08-31 1995-12-11 Optical information reproducing apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27927292A JP3288083B2 (ja) 1992-09-25 1992-09-25 光学的情報再生装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06111406A JPH06111406A (ja) 1994-04-22
JP3288083B2 true JP3288083B2 (ja) 2002-06-04

Family

ID=17608859

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27927292A Expired - Fee Related JP3288083B2 (ja) 1992-08-31 1992-09-25 光学的情報再生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3288083B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06111406A (ja) 1994-04-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5610897A (en) Optical information reproducing apparatus
JP3276132B2 (ja) 光ヘッド
KR100219666B1 (ko) 광자기 기록/재생 장치
US6327110B1 (en) Optical system, position detecting apparatus, magnetic recording apparatus, and lens with aperture
JP2005505881A (ja) 光学記録担体および光学走査装置
JPH1083560A (ja) 光ヘッド装置
JP3288083B2 (ja) 光学的情報再生装置
JPH02265036A (ja) 光学ヘッド
JP2753321B2 (ja) 光情報再生方法及び装置
JPH07169129A (ja) 光ヘッド
JP2790701B2 (ja) 光学的情報再生方法
JP2576641B2 (ja) 光ヘッド装置
JPS63247938A (ja) 光磁気記録再生ヘツド
JP2921801B2 (ja) 光学的情報再生装置
EP1067531A1 (en) Optical pickup device capable of stable tracking
JP2551129B2 (ja) 光磁気ディスク装置
KR100230243B1 (ko) 광자기 디스크용 광픽업
JPS63157341A (ja) 光磁気記録再生ヘツド
JPH0696489A (ja) 光磁気情報再生装置
JP3413496B2 (ja) 光磁気情報再生装置
JP3246801B2 (ja) 光ディスク及びそれを用いた光ディスク装置及びそれを用いた情報機器
JP3144588B2 (ja) 光磁気情報再生装置
JPH07121931A (ja) 光ヘッド及び光ディスク装置
JPH0334131A (ja) 焦点位置検出装置及び焦点制御装置
JPH04181537A (ja) 光学的情報再生装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees