JP3280966B2 - Pemムチン縦列繰り返し配列特異性単クローン抗体の最小識別単位 - Google Patents

Pemムチン縦列繰り返し配列特異性単クローン抗体の最小識別単位

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、免疫反応性化合物、特に、遺伝子光学的手
法で製造された抗体に関する。
抗体は、病原微生物による感染を防止する一方、自己
免疫、アレルギー、炎症、あるいは拒否反応のような他
の免疫反応にも係わる等、免疫系で重要な役割を果たし
ている。抗体は、それぞれ固有の特異性を有し、かつ抗
原の非常に類似した抗原決定基を識別することができ
る。そして、他者に対するこの特性により、抗原の同
定、存在位置の特定、定量等には欠かせない存在となっ
ている。
抗体は、元来免疫化された動物から得られる。しかし
ながら、複数抗原に対し特異性を有したり、または複数
の同位体でラベルされた種々の抗体が存在する抗血清で
は、抗体源として抗血清を用いた場合、再現性のある研
究を行うことは困難である。一方、プラズマ細胞の腫瘍
である多発性骨髄腫からは、単一の抗体が多量に産生さ
れることが知られており、免疫グロブリンの構造に関す
る多数の報告が、骨髄腫タンパクを用いた研究からなさ
れている。そして、ハイブリドーマ技術の発達に伴い、
必要な特異性を有する単クローン抗体を、基本的には常
時供給することが可能となっている。
抗体は、非共有結合とS−S結合とで連結されたポリ
ペプチド鎖から構成され、一対の相同なL鎖(light ch
ain、214基のアミノ酸配列からなる)が、2個の相同な
H鎖(heavy chain)に結合し、左右対称の構造を形成
している。
このポリペプチド鎖には、ペプチド分節の短配列が球
状のドメインとして折り畳まれており、H鎖はアイソタ
イプからなる4ないし5個のドメインを有し、L鎖は2
個のドメインを有している。また、それぞれの鎖のN末
端は、可変部(v部、VHまたはVL)を構成している。一
対のVH部、VL部は抗原結合部をなし、かつ抗体の特異性
に寄与している。それぞれの鎖の残りの部分は不変部
(C部)と呼ばれ、例えば、Fcレセプターの結合や、補
体の結合、異化、あるいは胎盤における物質通過等のよ
うな作用に分子レベルで関与している。免疫グロブリン
は、異なる生理活性を有するアイソタイプ(ヒトの場
合、IgM,IgD,IgG1〜4,IgA−2、およびIgE)に応じて異
なるC部を有している。殆どのアイソタイプはヒンジ部
を介してCH1とCH2に分けられ、その結果、免疫グロブリ
ン分子はこのヒンジ部により屈曲可能となっている。免
疫グロブリン分子はヒンジ部の近傍にて、パパインとい
う酵素によりFabおよびFcという部分に分断される。
マウス単クローン抗体は研究には不可欠な存在であ
る。しかし、ヒト免疫グロブリンは、患者の免疫系に対
してより効果的に作用することから、診断や免疫療法等
に適用する場合には、より望ましいものである。マウス
抗体をヒトに投与すると、種間差異によりアレルギーを
起こし、その結果、血清病や免疫複合体病を誘発する可
能性があるが、これは、同種の単クローン抗体を繰り返
し投与することにより予防できる。このことは、ヒトの
抗体が投与されたマウスの単クローン抗体を中和し、か
つその素早いクリアランスの原因となるという臨床試験
の結果にも示されている。一方、白色マウス−ラット間
のハイブリドーマは容易に得ることができるが、ヒト単
クローン抗体の産生はまだ部分的成功しか収めていな
い。マウス−ヒト間のハイブリドーマは、多くの場合遺
伝的に不安定である。また、ヒト−ヒト間のハイブリド
ーマの形成は、ハイブリドーマに適した恒常的なヒト細
胞系と、感作されたヒトB細胞の欠如とにより阻害され
ている。更に、倫理的な配慮から、ヒト生体内における
免疫処置は非常に制限されている。
単クローン抗体産生のための他の方法に、遺伝子のト
ランスフェクションがある。この方法によれば、野生型
のIg鎖のみならず、新規な免疫グロブリンや突然変異体
を、試験管内で産生することができる。すなわち、適当
な遺伝子を、マウスの多発性骨髄腫あるいはハイブリド
ーマ等の培養細胞にトランスフェクションすることによ
り、結合親和性、アイソタイプ、あるいは由来する種等
について必要な特性を有する抗体を得ることができるの
である。遺伝子のトランスフェクションによれば、ハイ
ブリドーマの手法が内在する問題の多くを回避できる。
そのため、ヒトまたはヒトC部のキメラ抗体を、免疫原
性の問題なしに、または問題が発生しても最小に抑制し
つつ得ることができる。また、トランスフェクションを
行ったマウス細胞をマウス腹腔内に注射して、このマウ
ス細胞を増殖させることにより、腹水中から多量の抗体
が回収可能なことも、マウス−ヒト間あるいはヒト−ヒ
ト間のハイブリドーマ形成に対して有利な点である。
最初のマウス−ヒト間のキメラ抗体は、コリンリン酸
に特異性を有する多発性骨髄腫S107由来のV部の遺伝子
を再配列し、これを発現させることにより得られた。こ
の場合、まず、VH部はヒト由来のC部であるCγ1また
はCγ2に結合され、VL部は、ヒト由来のCK[1]に結
合された。これらを同一の細胞内で発現させたところ、
H鎖とL鎖は、H2L2四量体として分泌された。この抗体
は抗原と結合し、かつ抗原に結合するドメインを形成す
るよう適当に折り畳まれたポリペプチド鎖からなる3基
の抗−抗原決定基単クローン抗体と反応した。
Hozumiらの実験には、再配列されたマウスのTNP特異
性μ遺伝子および遺伝子を、プラズマサイトーマやハ
イブリドーマ系に対してインフェクションさせると、ハ
プテンと結合して補体の作用に依らない溶血を起こすIg
M五量体が生じることが示されている[2,3]。この場
合、TNP特異性VHおよびVL遺伝子はそれぞれヒトのCμ
およびCK分節に結合され、その結果、野生型マウス抗体
としての特徴を示すマウス−ヒトキメラIgMが得られ
る。
また、細胞膜上に抗原が架橋されたマスト細胞の脱顆
粒を誘発させるマウス−ヒトキメラIgE二量体も得られ
ている[5,6]。
一方、癌の治療におけるキメラ抗体利用の可能性につ
いては、腫瘍の表面に結合する銀を識別するマウス単ク
ローン抗体17−1Aに由来するV部と、ヒトのCγ3から
成っている抗体がある[7]。このキメラ抗体は、元の
マウス単クローン抗体と同じ結合能力を持っている。
更に、ヒトの表皮性癌腫に結合する抗原に対し特異性
を有するマウス−ヒトキメラ抗体には、ヒトの表皮性癌
腫に対し結合能力を持つものがあることも知られている
[8]。
このように、マウスのV部はヒトのC部と結合させる
ことができる。そして、ゲッ歯類の抗体を人間に適応さ
せるための更なる過程としては、ヒト由来の骨格残基
と、マウス抗体由来の補体識別部(CDRs)とのハイブリ
ッドからなるV部の合成が挙げられる。NP特異抗原の場
合、それは、抗NPハイブリドーマ由来のCDRsを、ヒト骨
髄腫のタンパク骨格に導入することによって得られ、そ
の結果は、抗原への特異性が付与される[9]。ハプテ
ン抗原に対し得られたこの結果、ヒトT細胞表面抗原、
あるいは鶏卵リゾチームに対する抗体にも適用されてい
る。すなわち、CDRの移植は、キメラ抗体の形成を容易
とするばかりではなく、ヒト以外の抗体のみから由来す
るCDRを用いた治療薬の製造をも可能としている。
このうち、CDR3は、抗体の特異性を決定する際に特に
重要となるものである。Taubら[52]は、血小板フィブ
リノーゲン受容体に対する抗体の特異性が、主として、
抗体のH鎖由来のCDR3中のRYD配列により決定されてい
ることを示した。また、Williamら[53]は、抗体のL
鎖由来のCDR2から合成されたペプチドを用いて、抗体と
受容体との相互作用を阻害した。すなわち、WinterとMi
lstein[54]により示唆された“最小識別単位”の存在
は、概念的にはあらゆる抗体にあてはまると推察され
る。
本発明者らは、今回、上皮の腫瘍に関するムチン分子
に特異的なマウス単クローン抗体の“最小識別単位”
が、EPPTというアミノ酸(Glu−Pro−Pro−Thr)配列で
あることを見い出した。すなわち、本発明の目的のうち
の一つは、EPPTアミノ酸配列を有する分子を提供するも
のである。
以下、全てのペプチドはH2N...COOHとして記載し、ま
た、アミノ酸は通常L体として存在するものとした。
本発明に係る分子は、EPPTという配列からなってい
る。この短いペプチド自体が以下に述べるような結合性
を有するか否かについては後述するが、もし結合性がな
いとすれば、ターゲットに結合する分子の配列はより長
いものと考えられる。実際のところ、EPPT配列は、例え
ば、EPPTRTFAY、REPPTRTFAYWG、あるいはMYYCAREPPTRTF
AYWGQG、その他EPPT配列を含むあらゆるフラグメントの
ように、N端末および/またはC末端に延びる更なるア
ミノ酸を含んでいることが望ましい。このペプチドは、
抗体のV部骨格中のCDR(望ましくはCDR3)の代わりに
挿入されるか、このCDRの一部をなすと考えられる。更
に、このV部骨格は、ヒト由来のものであることが望ま
しい。
このように、このペプチドは(望ましくはヒトの)抗
体の一部を形成し得るものである。このペプチドは完全
な(望ましくはヒトの)VH部またはVL部の一部を形成す
るのに適し、更に、完全な(望ましくは人体に適応し
た)抗体を形成する他の部分にも連結可能である。ま
た、Fab,(Fab2,FU,SCFUあるいはdAb分子のような、
抗体中のより小さなフラグメントの一部や、ファージの
一部を形成してもよい。
以下、単離されたEPPTペプチド自体、あるいは、30以
下のアミノ酸配列からなるEPPT配列含有ペプチド、EPPT
配列を含むポリペプチド、タンパク質、抗体形成フラグ
メント、ファージ等EPPT配列を含む分子を、一般的に、
“本発明に係る分子”と呼称するものとする。
本発明に係る分子では、EPPT配列の一部が分子の表面
に露出し、他の分子との相互作用が可能となった状態で
最も効果を発揮する。しかし、このような分子は、EPPT
配列の一部が包埋されていても、それを露出させるよう
構造を変えることができる。例えば、本発明に係る分子
を、細菌内では不溶性タンパクとなる一方、試験管内に
て発明に係る方法で使用する際には発現可能な構造をと
る分子とすることも可能である。
本発明に係る分子は、この分子が特異的に結合するム
チンの研究または分離精製、あるいはムチン産生細胞の
推定または処理に関する多くの目的に使用可能である。
例えば、ムチンは細胞から放出されるので、この分子
を、(例えば、この分子を放射線でラベルし、この抗原
に特異的な抗体の間で、固定された抗原を競合させる等
の方法により、)血液または血清に基づく、体内におけ
るその細胞の存在に関する臨床検査に用いることができ
る。また、他の具体例としては、本発明に係る分子を、
シンチグラフ測定用の放射性物質、細胞毒性物質、放射
性同位体、無毒の前駆物質を細胞毒性化する酵素、ある
いは、例えば癌細胞や細胞刺激性化合物のような、体内
の細胞と複合体を形成するため免疫系を活性化させる化
合物等と結合させたものがある。これらの複合体は、EP
PT配列を含む本発明に係る分子からなる“結合部位”
と、放射性物質、毒性物質、酵素等からなる“作用部
位”とを有している。
一方、本発明に係る分子は、単一で(あるいは、特に
生体内における安定性を増すため、不活性のポリペプチ
ドを添加し、このペプチドとともに、完全な抗体または
抗体のフラグメントを形成して)、単にムチンの活性阻
害、特にムチンと他の化合物との結合性に対する物理的
干渉のためにも使用される。
この複合体(ペプチドまたはポリペプチド)における
結合部位と作用部位とは、参考文献[18]に一般的に説
明されているような、ポリペプチド同士の通常の架橋結
合により互いに連結されている。その例としては、一方
の部位がチオール基に富み、他の部位が、例えばヨード
酢酸のN−ヒドロキシサクシニイミドエステル(NHI
A)、あるいはN−サクシイミジル−3(−2−ピリジ
ルジチオ)プロピオン酸エステル(SPDP)のような、チ
オール基と結合可能な二価性物質と反応している場合が
挙げられる。また、例えば、m−マレイミドベンジル−
N−ヒドロキシサクシニイミドエステルによりなされる
アミド結合およびチオエチル結合は、生体内では一般に
ジスルフィド結合より安定である。
この複合体の作用部位には、例えば、Begshaweらの報
告[19〜21]、あるいはシアン化物放出系[22]におけ
る化合物のように、無毒性前駆物質を細胞毒性化する酵
素が使用される場合がある。
この複合体には、完全な酵素が必要なわけではない
が、触媒を行う部位はもちろん必要である。これには、
単クローン抗体中にあって、触媒しようとする反応中に
含まれる化合物を増加させる、“アブザイム”と呼ばれ
る部分が使用される。その結果、抗体は、その反応にお
いて酵素としての機能をも果たすことができる。
この複合体は、ゲル濾過あるいはアフィニティークロ
マトグラフィーにより精製可能で、かつ、ペプチドの免
疫活性と酵素活性の、2つの生理活性が試験される。ペ
プチドの免疫活性は、イムノソルベントを用いた酵素免
疫測定(ELISA)、あるいは生細胞中における放射線免
疫測定により測定される。また、酵素活性は、β−グル
コシダーゼを基質とし、グルコース残基が加水分解され
た際の吸光度の変化から測定される。これには、例え
ば、o−ニトロフェニル−β−D−グルコピラノシド
(o−NPG)から遊離したジニトロフェノールの量を、4
05nmでの吸光度から測定する方法がある。
この複合体の安定性を測定する際には、FPLCによるゲ
ル濾過後、37゜の血清中で保温し、試験管内における安
定性を測定する。また、生体内における安定性を測定す
る際には、マウスに複合体を注射し、注射後のマウス血
清中における複合体の安定性を経時的に測定する。更
に、複合体の形成前に、ペプチドおよび酵素をそれぞれ
125I,131Iでラベルし、マウス体内における複合体、あ
るいは遊離のペプチドおよび酵素の挙動を測定する方法
もある。
一方、この複合体は、遺伝子組替え技術による化合
物、すなわち、この複合体の二つの部分が隣接もしくは
符号化されたペプチドによりその特性を失うことなく分
かれて符号化された部分を有する、一列のDNAに由来す
る化合物としても得ることができる。ここで、これら二
つの部分は、完全に、もしくは一部重複していると推定
される。また、このDNAは、適当はホストを用いて、公
知の方法で発現させることができる。
更に、この複合体を任意の方法で、通常は、静脈注
射、腹膜内注射、あるいは嚢包内(例えば、膀胱癌の場
合には膀胱内)に、通常の滅菌方法で、非熱処理された
希釈液や媒質(例えば、静脈注射の場合には等張の塩溶
液)を用いて非経口的に投与することも可能である。複
合体は約1日程度で標的細胞に結合し、血流から排除さ
れるので、(必要であれば、)通常一回分の注入量、ま
たは予想される腫瘍に応じて前駆物質を投与する。投与
した複合体が免疫原性のものである場合には、必要に応
じ、サイクロスポリンや他の免疫抑制剤を、複合体の投
与期間以上の長期間にわたり投与してもよい。しかし、
この処置は通常不要である。
複合体の投与と前駆物質の投与との間隔は、常法によ
り最適化される。腫瘍が形成された細胞または通常の細
胞と、複合体との比は、(少なくとも以下の静脈注射の
場合には、)4〜6日後に最高となるが、この時には、
全ての複合体が、腫瘍に結合している半面、グラム当り
の複合体量は、投与時に比べ減少する。
従って、複合体の投与と前駆物質の投与との最適な間
隔は、酵素濃度の最大値と、腫瘍が形成された細胞と通
常の細胞との最適な量的比率との関係によって決まる。
また、複合体の投与量は、常法に則って選択される。例
えば、酵素と、毒性前躯体としてのアミグダリンとを静
脈注射する際には、1〜50日間、体表部1立方メートル
に対し、一日当り0.1〜10g、望ましくは1.0〜5.0gを投
与する。一方、経口投与の場合には、一日当り0.05〜10
g、望ましくは1.0〜5.0gを3回に分け、1〜50日間投与
する。他の複合体を投与する場合も、特に、腫瘍のタイ
プ、進行段階、形成部位および患者の体重に注意したう
え、先の場合と同様、常法に則って選択する。なお、上
記処置の期間は、複合体の作用の速度および範囲の双方
に依存する。
この複合体は、基本的には、EPPTにより識別されるム
チンを選択的に放出する腫瘍または他のあらゆる細胞
を、必要に応じて適当な前駆物質とともに破壊するもの
である。また、このムチンは、肺、胸部および泌尿器系
(特に膀胱)を含む上皮細胞の腫瘍の多くに見出され
る。この複合体は、基本的にはヒトへの施用を目的とす
るものであるが、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタおよび
ヒツジのような他の動物にも適用可能である。
本発明に係る方法は、特に、自然状態の膀胱癌に、抗
体−酵素複合体とアミグダリンとを静脈注射する際に適
した方法である。発明者らの研究によれば、放射線で標
識された抗体を上記経路を介して処置したところ、抗体
を投与しない場合と比較して、腫瘍形成/通常細胞比が
向上するという結果が得られた。膀胱癌はヒトの全悪性
腫瘍のうち2%を占め、かつそのうち約70%は診断時に
おいては表層部のものである。また、外科手術による削
除後、そのうちの約80%が再発し、かつその10%は腫瘍
が進行して予後も不良である。
本発明に係る複合体を診断に用いる場合、その作用部
位は、通常、例えばテクネチウム−99m(99mTc)、ヨウ
素−123(123I)のようなシンチグラフ測定用の放射性
物質、あるいは先のヨウ素−123の他、ヨウ素−131、イ
ンジウム−111、フッ素−19、炭素−13、窒素−15、酸
素−17、ガドリニウム、マンガン、鉄のような核磁気共
鳴(NMR)(または磁気共鳴(MRI))用の放射性元素を
有している。
特に、この複合体を腫瘍の選択的破壊に使用する場
合、作用部位には、ヨウ素−131、レニウム−186、レニ
ウム−188、あるいはイットリウム−90のように、周囲
の細胞を破壊するのに十分なエネルギーを有する放射性
元素か、メトトレキセート、アドリアマイシン、ビンカ
アルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、エト
ポシド)、ダウノルビジンその他の挿入剤のような、細
胞毒性化学物質を用いる。
これら、放射性その他のラベルは、常法により複合体
に導入される。例えば、EPPT配列を含むペプチドは、例
えば水素の代わりにフッ素−19を用いた適当なアミノ酸
前駆体を用いて、生合成あるいは化学的方法により合成
される。このような化合物では、CDR3が放射性でラベル
される。なお、99mTc、123I、186Rh、188Rh、または111
Inのようなラベルはペプチドのシステイン残基を冒す可
能性があり、かつイットリウム−90はリジン残基を冒す
可能性がある。これらの導入方法は、参考文献[24]に
記載されている。また、ヨウ素−123の導入に際して
は、Iodogen法[23]が使用可能である。
次に、本発明に係る分子(ペプチド、ポリペプチド、
またはタンパク)がエンコードされた核酸の配列につい
ても述べる。これらの配列は、ベクターと、(遺伝子
の)発現手段とに含まれ、かつこれらベクターと発現手
段とは、ホスト(大腸菌(E.Coli)、S.cerevisidaeの
ような酵母、骨髄腫細胞のようなリンパ球細胞系に代表
される哺乳類の細胞、トランスジェニック動物、あるい
は植物等)内に含まれている。このうち、特に、B−リ
ンパ球を除く細胞においては、形質転換された遺伝子
が、ホストの細胞の培養と、本発明に係る分子の単離に
よる、本発明に係る遺伝子の発現および分子の形成の主
体となる。
すなわち、本発明における以下の記載は、EPPT配列を
含むペプチド、ポリペプチド、タンパク、またはファー
ジがエンコードされたポリヌクレオチドの提供に関する
ものである。
このようなポリヌクレオチドは、Sambrookらのマニュ
アル[55]において知られているような方法で考案され
たものである。特に、ファージに抗体(本発明の場合
は、EPPT配列)を組み込んだ、“Phage antibodies"の
技術は、McCaffertyら[56]により用いられている。EP
PT配列の存在部位は、ファージのIII遺伝子タンパクの
N末端部となっている。また、III遺伝子タンパクは、
ファージの先端にて発現する。
更に、発現可能なポリヌクレオチドをコードするシー
クエンスは、(i)始めにコードされるシークエンス
に、EPPT配列を含むペプチド、ポリペプチド、またはタ
ンパクがエンコードされている細胞がある、(ii)コー
ドされたシークエンスに対応するDNAが得られる、(ii
i)このDNAが、ホストDNAの適切な発現部位に挿入され
る、というステップを経て形成される。
ここで、ステップ(i)遂行のための手技は、一般的
な免疫学的手法および単クローン抗体の産生方法に類似
のものである。本来、動物は、抗体および例えば脾臓の
ような細胞免疫系細胞により免疫化されている。従っ
て、骨髄腫細胞との融合による不易化も随意である。一
方、最近の技術では、B−リンパ球の単個細胞か、EBV
−不易化細胞を用いる。
また、ステップ(ii)遂行のための手技は、PCR(Pol
ymeras Chain React−ion)法に基づき、V部骨格に特
異的なプライマーを用い、細胞から、EPPT配列を特異的
にエンコードする(か、よりEPPT配列をエンコードする
活性の高い)DNAを分離することである。こうしたDNAの
更に単一なものは、PCR法、化学合成、生体内における
再生産等任意の方法で合成できる。
更に、ステップ(iii)遂行のための手技は、プロモ
ーターと、ホストに適した他の制御シークエンスとを用
いた一般的な組替えDNA連結技術である。
以下に、本発明の具体的内容およびその実施方法につ
いて、図面に基づいて更に詳しく説明する。
図1は、Sal I−BamH Iにより切断された範囲でクロ
ーニングされたヒトCγ部の遺伝子を示すものである。
γのCH1、CH2、CH3エキソンおよびγのCH1、CH2、C
H3エキソンはそれぞれ白ヌキおよび格子縞で示されてい
る。また、野生型γはヒンジ部は、斜線で示された独
自のエキソン1と、白ヌキで示された同一のエキソン2,
3,4とからなる4つのエキソンによりエンコードされて
いる。一方、野生型γのヒンジ部は、横線で示された
エキソンのみによりエンコードされている。小さな矢印
の部分はイントロン中のStu Iの認識部位で、リンカー
の挿入によりPvu Iの認識部位に変化している。1〜6
は、いずれもヒンジ部が改変されたもので、1および2
はγとγのヒンジ部が入れ替わったものである。3
〜6はいずれもγの改造で、3はヒンジ部がエキソン
1のみのもの、4はヒンジ部がエキソン4のみのもの、
5はヒンジ部のエキソンがエキソン1,2,3,4,2,3,4の順
で配列しているもの、6はヒンジ部をエンコードするエ
キソンがないものである。
また、図2は、固定されたムチン受容ペプチドに対す
る各種EPPTペプチドの結合性を示したもので、図3は、
図2の結果を棒グラフで示したものである。
I.一般的操作 トランスフェクションされた骨髄腫細胞からの、抗体形
成遺伝子の発現 1983年以来、免疫グロブリンH鎖またはL鎖をコード
するDNAをリンパ球細胞系に導入しようとするさまざま
な試みがなされてきた[25〜28]。これらの全てにおい
て、免疫グロブリンポリペプチドをコードするDNAは、g
ptまたはneo系のプラスミドをベクターとしてクローニ
ングされたもので、これらのプラスミドは、リン酸カル
シウムまたはDEAE−デキストラン等、DNAの取り込みを
促進させる物質との共沈か、プラスミドの母体たる大腸
菌のスフェロプラストとリンパ球細胞系との融合のいず
れかの方法により、リンパ球細胞系に導入されていた。
その後、エレクトロポーレーションが、多様なリンパ球
際細胞系にDNAを導入する効果的な手法として広く用い
られるに至った。そして、これらの実験および後の実験
から、トランスフェクションされた遺伝子が、特定の細
胞系から発現する傾向があることが明かとなっている。
換言すれば、骨髄腫細胞ではトランスフェクションされ
た遺伝子は多量に転写され、かつ多量の抗体が産生され
るのに対し、pre−BおよびB細胞系では、導入された
遺伝子はより低水準でしか発現せず、更に、非リンパ球
細胞系では、導入された遺伝子は正しく発現しないので
ある。従って、骨髄腫細胞は、抗体の産生による免疫グ
ロブリン遺伝子の転位が確認可能で、かつタンパク合成
能が高いという点から、抗体遺伝子の導入とその発現に
は最適なホストであると言える。
これらの典型的なものとして、必要な抗体のH鎖およ
び/またはL鎖を、ベクターであるgptまたはneo系のプ
ラスミドにクローニングする場合がある。この場合、導
入される免疫グロブリンの遺伝子は、真核細胞内で発現
するベクター内にクローニングされる必要がある。最も
一般的なものとしては、Bergら[42〜44]により確立さ
れた、pSV−2プラスミドが用いられる。これらのプラ
スミドは自己複製能力と、細菌の細胞内から選別する際
のマーカーとを持ち、かつ遺伝子操作に際しては、多く
のDNAが容易に得られるという利点を有している。更
に、これらのプラスミドをベクターとした場合の他の特
長として、真核細胞内からの選別に際して優れたマーカ
ーを有する点がある。このマーカーは、SV40の上流側プ
ロモーターの制御下にて転写される細菌由来の遺伝子
で、SV40シークエンスのスプライシングとポリアデニル
化により、真核細胞の3′末端に導入される。これらの
識別マーカーは、遺伝的に優性で、しかも通常の細胞の
表現形に識別し得る変化を生じさせるものであるため、
ホストの細胞系を、薬品等のマーカーでラベルせずに済
むという点で重要である。
これらのマーカーとして選択されるもののひとつに、
大腸菌の遺伝子がエンコードする、キサンチン−グアニ
ン−ホスホ−イボシルトランスフェラーゼ(gpt)があ
る。この酵素によれば、類似の内在性酵素と異なり、キ
サンチンをキサンチン1−リン酸の前駆体として用いる
ことが可能で、かつ細胞にキサンチンを供給し、イノシ
ン1−リン酸からキサンチン1−リン酸への転化による
プリン生合成を阻害する物質であるミコフェノール酸の
存在下における細胞の生存性を向上させるものである。
また、これらのマーカーとして第二に選択されるものと
しては、Tn5トランスポゾン由来のneo遺伝子がある。こ
の遺伝子は、80Sリボソームに作用して真核細胞のタン
パク合成を阻害する抗生物質の一種である、G418を活性
化するホスホトランスフェラーゼをエンコードするもの
である。
このようなプラスミドである、pSV2gptおよびpSV2neo
(図1参照)は、pBR322由来の自己複製能力と、AmpR
来のβ−ラクタマーゼ活性を有している。更に、最近開
発されたベクターであるpSV184neoでは、CmR遺伝子と、
pACYC184プラスミド由来の自己複製能力とを有している
[45]。また、これらpBRとpACYC由来のプラスミドは共
存可能で、かつ細菌の体内で競合することなく増殖可能
である。これらのベクターがマウス細胞内のエピソーム
のように複製されるかは明かではないが、むしろ、染色
体内に取り込まれるようである。これらのベクターは、
必要な抗体を得るための安定した形質転換体として有用
である。一方、上流側にポリオーマウイルスの遺伝子を
含むpSV5ベクターは、マウス細胞1個あたり数千の単位
で複製可能であるものの、免疫グロブリンの遺伝子を過
渡的にしか発現できない[46]。免疫グロブリン遺伝子
を最も効果的に発現させるDNA配列の正確な範囲は、ま
だ完全には同定されていない。初期の実験では、完全な
ゲノムDNAを、側方の数キロベースのシークエンスとと
もに用いていたが、実際のところ、抗体の遺伝子を構成
するDNAの殆どは、イントロンに座位し、かつその多く
は単離可能と推定される。マウスのH鎖が座位する主た
るイントロンは、他に転写促進因子を含んでいる[29,3
0,26]が、この因子は、免疫グロブリン遺伝子の上流側
に位置するイントロンから単離できる。すなわち、免疫
グロブリンのH鎖が座位する主たる他のイントロンの多
くは、トランスフェクションの後における抗体の産生量
を減ずることなく、除去可能となっている[31]。免疫
グロブリン遺伝子内における他のイントロンが、抗体産
生に必須であるかについての明確な証拠はない。しかし
ながら。μH鎖のcDNAの転位が、特定のイントロンでは
ないが、イントロンの存在を必要とするvHプロモーター
とIgHエンハンサーの組み合せによりなされていること
が、実験的に示されている[32]。そして、結局のとこ
ろ、トランスフェクションされた免疫グロブリン遺伝子
は、ハイブリドーマの内因性遺伝子から得られた免疫グ
ロブリン遺伝子より、少量の抗体しか分泌できない。こ
のことは、免疫グロブリンの遺伝子を高水準で発現させ
るには、通常トランスフェクションの実現に用いられる
DNA範囲以外の、すなわちC部のエキソンから離れた塩
基配列を必要とするという、トランスジェニックマウス
を用いた類似の実験結果からも推定できる。
トランスフェクションされた非リンパ球細胞からの、抗
体形成遺伝子の発現 リンパ球系細胞における、トランスフェクションされ
た免疫グロブリン遺伝子は、免疫グロブリンに対するも
のではない転位信号からも発現可能である。例えば、熱
ショック遺伝子やSV40、またはヒトサイトメガロウイル
ス等のプロモーターが効果的に使用される[33〜35]。
これらの転位因子は、リンパ球細胞に特異的なものでは
なく、かつそれぞれ利点を有している。転位による抗体
の生産量も、VHプロモーターまたはIgHエンハンサーに
よる転位の場合と同等である(このことは、免疫グロブ
リン遺伝子のゲノムが転位信号としての重要性が低いも
のからも発現するということを反映している)。更に、
ウイルス由来の転位因子のうちのあるものは、イントロ
ンの明白な必要性なしに、免疫グロブリンのcDNAを発現
可能としている。これは、人為的に改良された抗体また
は抗体を構成するフラグメントを産生する場合に効果が
あると推察される。
熱ショック遺伝子やウイルス等のプロモーターの使用
は、トランスフェクションされた非リンパ球細胞系によ
る抗体産生を可能としている。哺乳類の非リンパ球細胞
系によるIgMとIgGの産生は既に達成されている[33〜3
5]ので、実際のところ、グリコシル化の経路が、限密
な作用機序によらないとすれば、非リンパ球細胞を、人
為的に愛量された抗体産生のホストとして使用すること
は可能である。
トランスジェニック動物からの発現 免疫グロブリン遺伝子DNAのマウス生殖系列への導入
[36]には、単クローン抗体産生用のトランスジェニッ
クマウスを用いたものが開示され、その応用例として
は、トランスフェクションマウスを用いて得たヒトキメ
ラIgA2抗体の遺伝子を、マウスの生殖系列に導入すした
もの[39]がある。トランスジェニックマウスは血清内
に適量(約100μg/ml)のキメラ抗体を有し、かつこの
抗体は母乳内に分泌される。
大腸菌または酵母からの発現 参考文献38,39には、抗体を構成するフラグメント(I
gEの、Fv、Fab、およびFc)をバクテリアを用いて発現
させる方法が開示されちる。そして、今や人為的に改良
された抗体産生のための多くの方法が開示され、かつ現
在も開発中である。
ヒトの免疫作用部位とのキメラ抗体の形成 骨髄腫細胞への導入に先立ち、試験管内にて免疫グロ
ブリンDNAを操作することにより、マウスまたはラット
のV部とヒトのC部とを結合させたキメラ抗体の産生が
可能となっている。このような抗体を形成するには、対
象となる抗原に特異的なマウスまたはラットのハイブリ
ドーマを常法により作成し、このハイブリドーマからV
部の遺伝子を単離し、更に、試験管内においてヒト由来
のC部の遺伝子と結合させた後、このキメラ抗体の遺伝
子を含むプラスミドを骨髄腫細胞系に導入する方法が採
られる。このようにして、TNP、ホスホクロリン、およ
びNPに特異的なヒトキメラIgM、IgG、およびIgEがそれ
ぞれ産生されている[40,41,31]。
発現させる免疫グロブリン遺伝子のクローニング方法 再配列された免疫グロブリンV部の遺伝子は、適当な
DNAプローブを用いることにより、ハイブリドーマの遺
伝子ライブラリーから単離することができる。
殆どの場合、クローニングに際しては、VH部とVL部の
双方が、発現可能となる以前に、J鎖(Joining Chai
n)に連結している必要がある。このJ鎖により、発現
させるV部を、他の多くの発現させないV部から識別す
ることができる。この過程においては、異常な配列に再
配列されたV部がしばしば混入するので、再度検査を行
い、異常なV部を除去する必要がある[8]。ゲノムDN
AからクローニングされたV部は、通常自らのプロモー
ターとして発現される。
再配列されたV部の遺伝子を、cDNAのライブラリーか
らクローニングし、発現させることもできる[47,4
8]。cDNAからの発現には2つの方法がある。一つは、
ヒト免疫グロブリンプロモーターをクローニングするゲ
ノムとして単離されたV部を形成するcDNAを用いるもの
[47]。もう一つは、SV40プロモーターから、発現に好
適な免疫グロブリンの部位を得るために用いられた、試
験管内での突然変異誘発である[48]。これらの方法
は、いずれも、必要なV部を発現させるためのゲノムを
クローニングするものである。
このような機能化された抗体の製造に際しては、H鎖
とL鎖とを適当な方法で合成し、かつ組立てる必要があ
る。一つのベクターにこれら双方の遺伝子をトランスフ
ェクションすることも可能である[3]が、大型のプラ
スミドでは、制限部位に限りがあるという問題がある。
従って、より小型のプラスミドが遺伝子操作やDNAの調
製に用いられる。
また、より実際的な方法としては、例えば先に図1に
示したように、H鎖の遺伝子をpSV2−gptに導入し、L
鎖の遺伝子をpSV184−neoに導入する等、H鎖とL鎖と
をそれぞれ別のプラスミドにクローニングする方法があ
る。これらのプラスミドはいずれも大腸菌にトランスフ
ェクションし、ampRCmRクローンとして単離される。プ
ロトプラストを融合させた場合、これらのベクターは同
時に受容細胞にトランスフェクションされる。H鎖とL
鎖の遺伝子が異なるプラスミドにある場合、一方、鎖の
遺伝子が変性しても、他の鎖は独立して産生される。ま
た、異なるH鎖とL鎖との組み合せによるトランスフェ
クションも容易である。
C部の遺伝子に、他の完全な遺伝子のエキソンを混合
するか、V部の遺伝子を連結する(もしくはその逆を行
う)場合には、制限酵素による遺伝子の“カセット”を
形成するとよい。その結果、リンカーを、遺伝子中の特
定の制限部位に導入することができる。キメラIgSを発
現させるための元のベクターでは、C部は、Sal Iと、B
amH Iのカセットから成っている。更には、図1中下部
に示すように、本発明に係る配列を含むヒトCγ部のド
メインに、Pvuによる制限部位を形成する場合もある。
この場合、リンカーは、翻訳のための遺伝子配列を乱さ
ないよう、それらの配列の間に挟まれた配列内に導入さ
れる。また、エキソン間における制限部位の存在によ
り、エキソンは更に直接的に混合される。
免疫グロブリンの鎖は、CL部へのVH部の連結およびCH
部へのVL部の連結により構成されている[49〜51]。そ
して、これらの分子はそれぞれの分泌後組み立てられ、
適当なV部を有する抗体として結合される。これらのL
鎖のヘテロ二量体は、潜在的に抗体結合活性のみを有し
ており、かつこれらの分子およびその類似体は、本発明
による生体内の反応では得ることができない。
II.実験例 例1 クローンBのV部ドメインの単離 クローンBは、リンパ球幼若細胞系(腫瘍に関連する
ムチン分子に対して抗体から分泌される。)で、EBV−
形質転換体に由来し、患者の末梢リンパ系B細胞からク
ローニングされたものである。DNAの単離後、免疫グロ
ブリンH鎖とL鎖のV部に特異的なオリゴヌクレオチド
プライマーを用い、PCR法による遺伝子増幅を行った
(表1)。
ここで、オンワードプライマーはEcoR IおよびBst II
Iの制限部位を含み、バックプライマーはBamH IおよびP
st Iを含んでいる。
単離されたDNAは、アガロースゲル電気泳動による調
査の結果、350塩基対の大きさを有することが明らかと
なった。更に、この、VH部をエンコードするDNAを、不
要な塩基配列を除去した後、プラスミド(pUC18)に連
結する一方、このプラスミドを含む、TG−1と呼ばれる
細菌を単離し、このコロニーを拡大させることにより、
単離されたDNAを含む塩基配列を得た。
そして、この塩基配列から、制限酵素を用いて、先に
クローン−Bと命名したヒトVH部をエンコードする遺伝
子を単離し、この遺伝子をファージ(M13mp18)に連結
した。このファージ遺伝子をTG−1に形質転換した後、
増殖後のTG−1から1本鎖DNAを単離した。この1本鎖D
NAの塩基配列を、シークエナーゼを用いて解析するとと
もに、単離したDNAは、0.4mm厚の0.6%アクリルアミド
ゲル内に重層させた。
解析されたクローン−BのVH部をエンコードする遺伝
子の塩基配列は、ヒトKabatH鎖のサブグループ2と一致
するものであった(表2参照)。
例2 NM−2のV部ドメインの単離 NM−2抗体は、マウスLambdaL鎖のIgG.2由来の単クロ
ーン抗体で、ムチン分子に対し特異性を有している。こ
の抗体は、上皮腫瘍の95%と反応し、かつムチンとも交
差反応する。
NM−2のV部ドメインのクローニング VH部およびVL部を、実験例1と同様の方法によりクロ
ーニングし、かつ塩基配列を解析した。使用した全プラ
イマーおよびその塩基配列を表3に示す。
本発明者は、解析の結果得られた、NM−2をエンコー
ドするVH部およびVL部遺伝子の塩基配列について、ここ
に、その配列中の全CDR配列を明かにした(表4および
表5参照)。
更に、NM−2のVH部のCDRsに対応して、6種のペプチ
ドが合成された(表6参照)。
CDR3ペプチドは、抗原に対する特異的結合性を示すEP
PT配列をコア・シークエンスとするアミノ酸を含んでい
た。また、興味深いことに、このEPPT配列は、マウス
(NM−2)およびヒト(クローンB)の抗体に由来する
CDR3の双方に存在していた。
CDR3の移植 EPPT配列がヒトまたはマウス抗体におけるCDR3の5′
末端に配置された抗体は、抗ムチン特異性を示す。そこ
で、本発明者は、CDR3を移植するだけで、抗体に抗腫瘍
特異性が付与されることを示した。すなわち、少なくと
もある種の抗体については、抗腫瘍特異性の発現に際
し、(G.Winterらが述べているように、)CDR3の移植と
ともに、例えばCDR1やCDR2のような他のCDRを加えるこ
とは不要であった。
例3 本発明に係る分子の、放射線でラベルされたムチ
ンペプチドへの結合 固定されたムチン受容ペプチドの調製 pH8とリン酸ナトリウムバッファー100mMに、7,5mgのV
XTSAPDTRPAPGST(ムチン分子の抗原決定基を構成するポ
リペプチド)を溶解し、7.5mgのウシ血清アルブミン(B
SA)を加えた後、前記バッファーで0.5mlとした。次い
で、25%のグルタルアルデヒドを5μl加えて混合後、
室温で15分間放置し、グルタルアルデヒドを更に2.5μ
l加えて混合後、室温で15分間放置した。更に、1Mのグ
リシン(pH6)を100μl加え、10分間放置してグルタル
アルデヒドを不活化させた後、100μlずつに分け、使
用までの間−20℃にて保存した。
結合反応に先立つEPPTペプチドの放射線ラベル ペプチドは、リン酸バッファー、100mMのリン酸ナト
リウム(pH8)、あるいはDMSOを含むリン酸ナトリウム
に溶解した。また、このペプチドは全て、Iodogen反応
により、I125でラベルした。この場合、溶解性に応じた
1mg以上のペプチドを、1本の試験管で200μlあたり約
137MBqのI125ラベルし、室温で1時間以上反応させた。
反応後の試験管は1mlのバッファーで洗浄後、ベッド体
積5mlのSephadex G10カラムを通過させ、通過液を1mlず
つのフラクションに回収し、それぞれの放射能を測定し
た。
例えば、200μlのREPPTRTFAYWGペプチドと10μlのI
125とを混合し、室温で60分置いた場合、カラム通過後
の各フラクションに回収された溶液の放射能は以下に示
す通りであった。
この場合、フラクションNo.2〜12(総量でペプチドlm
gに相当)の総放射能は34.62MBqであった。従って、最
も放射能の高いフラクションNo.3には、8.92/34.62×1
(mg)=0.258mg/mlのペプチドが含まれていた。
固定されたムチン受容ペプチドへのEPPTペプチドの結合 固定されたムチン受容ペプチドへのEPPTペプチドの結
合性を調査するに当たっては、平衡透析法を用いた。こ
れは、低分子(質量12000〜14000ドルトン以下の分子)
のみ通過かつ平衡可能な透析膜によって2室に分割され
た容器を用いるものである。透析膜を通過しない受容体
は2室の一方に入れられ、他方には溶媒が入れられる。
放射能でラベルされた透析膜を通過可能なペプチドが受
容体と結合を開始すると、膜の浸透性とは無関係に、2
室間のペプチド濃度が平衡となるよう変化する。平衡後
の資料はそれぞれ取り出され、放射能が測定される。本
実験例の場合、透析膜により等しく分割された容積1ml
の容器が用いられた。そして、固定されたムチン受容ペ
プチドを、最終濃度が83.3μgとなるよう2室の一方に
入れた後、2室の双方に、異なった濃度のEPPTペプチド
を添加し、容器を攪拌しつつ室温で24〜48時間保持して
2室間のEPPTペプチド濃度を平衡状態とした。また、あ
る容器にはそれぞれI125でラベルされたEPPTを同濃度添
加したのに加え、非特異的な結合を調べるため、更に10
倍量のラベルされていないペプチドを添加した。最後
に、平衡後の試料をそれぞれ取り出してI125活性を測定
し、この放射線量から、固定されたムチン受容ペプチド
へのEPPTペプチドの結合量を算出した。
ムチン受容ペプチドへのEPPTペプチドの結合量を図2
および図3に示す。図2は、試験に用いたEPPTペプチド
およびその添加量と結合量の一覧を示すもので、図3
は、試験に用いたEPPTペプチドの間における、結合量の
差を明かとするため、特定の添加量における各EPPTペプ
チドの結合量を比較したものである。EPPTRTFAYペプチ
ドは、ムチン受容ペプチドへの結合性を示していない
が、これは、価電したアミノ酸を、結合部位のグルタミ
ン残基から離す必要があることを示唆している。
EPPTRTFAYペプチドは、全くのVHCDR−3ドメインで、
他の残基を有さないため、それ自体では、ムチン受容ペ
プチドへの結合性を示さないが、この配列に、隣接した
免疫グロブリン骨格由来の3つの残基を結合(N末端へ
のARG配列の結合およびC末端へのTRPとGLY配列の結
合)させると、ムチン受容ペプチドへの結合性を向上さ
せることができるが、これは、N末端のアミノ酸が、グ
ルタミン残基から離れるためと考えられる。
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───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12N 5/10 C12P 21/08 15/09 C12Q 1/02 C12P 21/08 G01N 33/574 C12Q 1/02 C12N 15/00 A G01N 33/574 5/00 A (56)参考文献 Methods in Enzymo logy,Vol.178(1989),p. 676−692 Int.J.Cancer,Vol. 44(1989),p.691−696 Molecular Immunol ogy,Vol.27,No.8 (1990),p.795−802 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 5/00 - 7/06 C12N 15/00 - 15/09 BIOSIS(DIALOG) CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】EPPTアミノ酸配列からなる分子。
  2. 【請求項2】30個以下のアミノ酸からなる直列のペプチ
    ドを形成する、EPPTアミノ酸配列と更なるアミノ酸とか
    らなる、KILVAYAPPGAEPPTSC配列ではない分子。
  3. 【請求項3】EPPTアミノ酸配列を含む、ムチンと結合可
    能な分子であって、前記アミノ酸配列が抗体の可変部を
    含み、抗体の可変部のCDR3の一部をなす、抗多型上皮ム
    チン単クローン抗体HMFG2ではない分子。
  4. 【請求項4】III遺伝子タンパク質のバクテリオファー
    ジアミノ酸配列内に挿入された、請求項1から3のいず
    れか一項記載の分子。
  5. 【請求項5】(1)請求項1から3のいずれか一項記載
    のEPPTアミノ酸配列を含む、ムチンと結合可能な分子
    と、(2)物理活性、化学反応性、触媒作用または生体
    内において起こり得る作用を有する作用部位とを含む、
    抗多型上皮ムチン単クローン抗体HMFG2ではない複合
    体。
  6. 【請求項6】前記作用部位が、細胞毒性を示す化合物、
    相対的に無毒な前駆物質を細胞毒性を示す化合物に代謝
    させ得る酵素活性を有する部位、前記複合体の結合が予
    想される細胞に対するラベル、前記複合体の細胞への結
    合を阻害し得る不活性部位、または細胞刺激性化合物を
    含む請求項5記載の複合体。
  7. 【請求項7】請求項1,2,3,4のいずれか一項に記載の分
    子、あるいは(前記複合体がポリペプチドである場合に
    は、)請求項5または6に記載の複合体をエンコードす
    るポリヌクレオチド。
  8. 【請求項8】請求項7のポリヌクレオチドが形質転換さ
    れ、請求項1,2,3,4のいずれか一項に記載の分子、ある
    いは請求項5または6に記載の複合体を発現し得るホス
    ト。
  9. 【請求項9】(i)表面に露出されたEPPTアミノ酸配列
    を有する化合物に選択的に結合され得る存在を細胞表面
    に持つ細胞、または(ii)細胞表面から分離された前記
    存在、に対する同定、位置確認、または不活性化の方法
    であって、 前記細胞または前記存在に対し、請求項1,2,3,4のいず
    れか一項に記載の分子、あるいは請求項5または6に記
    載の複合体を露出させることを含む、前記細胞または前
    記存在に対する同定方法。
  10. 【請求項10】(i)表面に露出されたEPPTアミノ酸配
    列を有する化合物に選択的に結合され得る存在を細胞表
    面に持つ細胞、または(ii)細胞表面から分離された前
    記存在、に対する同定、位置確認、または不活性化の方
    法であって、 前記細胞または前記存在に対し、請求項1,2,3,4のいず
    れか一項に記載の分子、あるいは請求項5または6に記
    載の複合体を露出させることを含む、前記細胞または前
    記存在に対する位置確認方法。
  11. 【請求項11】(i)表面に露出されたEPPTアミノ酸配
    列を有する化合物に選択的に結合され得る存在を細胞表
    面に持つ細胞、または(ii)細胞表面から分離された前
    記存在、に対する同定、位置確認、または不活性化の方
    法であって、 前記細胞または前記存在に対し、請求項1,2,3,4のいず
    れか一項に記載の分子、あるいは請求項5または6に記
    載の複合体を露出させることを含む、前記細胞または前
    記存在に対する不活性化の方法。
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