JP3274376B2 - 泥状物の団粒化剤、それを用いた固化剤 - Google Patents

泥状物の団粒化剤、それを用いた固化剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は泥状物の団粒化剤と
それを用いた固化剤に関し、更に詳しくは、固化対象の
含水汚状物を迅速にかつ強固に固化することができる固
化剤と、その主成分をなす泥状物の団粒化剤に関する。
【0002】
【従来の技術】流出しやすい土壌、軟弱地盤の土壌、汚
泥やヘドロ、畜産場の糞尿汚泥など(以下、これらを総
称して含水汚状物という)を固化・安定化するために、
従来から、各種の固化剤をこれら含水泥状物に投入して
処理することが行われている。一般に、無機系の含水泥
状物の固化処理に対しては、セメント系の固化剤が主と
して用いられ、また、有機系の含水泥状物に対しては、
石灰系の固化剤が用いられている。
【0003】しかしながら、従来から使用されているセ
メント系固化剤は、処理対象の泥状物に糞尿や汚泥など
の有機質泥状物が混在していると、セメントの水和硬化
反応が阻害されてしまい、事実上、固化剤としての機能
を喪失することがある。そして、上記した水和硬化反応
は、対象泥状物中の有機質成分が増量するほど進行しに
くくなるので、このセメント系固化剤は、例えば、浚渫
汚泥や畜産汚泥に対しては全くと言っていいほど固化作
用を発揮しない。
【0004】一方、石灰系固化剤の場合は、固化処理後
の処理物からアルカリが溶出するという問題があり、環
境保全の立場から、現在では特殊分野を除いてほとんど
実使用されていない状態にある。また、従来の固化剤に
は、次のような問題もある。すなわち、泥状物の水分に
溶存している例えば重金属イオンや悪臭源などを固定す
ることができず、そのため、固化処理後の処理物から、
これらの有害物質の再溶出が起こりやすいということで
ある。
【0005】また、最近では、フライアッシュを有効成
分として配合した固化剤が知られている。例えば、フラ
イアッシュの場合、その比表面積は非常に大きく、含水
泥状物に投入されると当該含水中にコロイド状に分散す
ると同時に含水泥状物中の水との間で水和反応を起こし
て当該水を取り込み、少なくとも表面部分にエトリジャ
イト(ettrngite,3CaO・Al23・3CaSO4
32H2O)やけい酸カルシウム水和物を生成しながら
自硬していく。
【0006】上記化学式からも明らかなように、エトリ
ンジャイトの生成に際しては多量の水が必要であり、ま
たけい酸カルシウム水和物の生成時にも多量の水が必要
である。そして、上記した水和反応にとって必要なこれ
らの水は、含水泥状物中の水によって補償されることに
なるので、含水泥状物中の水は吸収され、水和反応終了
時にあっては、含水泥状物中の固形分は凝集した状態で
固化する。
【0007】そして、この水和反応の過程では、上記し
た水和化合物は含水泥状物から含有水を吸水して除去し
つつ、しかも泥状物の固形分を巻き込みながら生成して
いくので、結局は、前記固形分と生成した水和化合物と
が複合化した構造の多孔質な団粒が形成される。なお、
フライアッシュは、処理対象の含水泥状物が無機系であ
った場合でも、また有機系であった場合でも、上記した
作用効果を発揮するという点で有用な団粒化剤である。
【0008】しかしながら、発明者らの経験によると、
他の成分の種類やその配合量、またフライアッシュの配
合量は同じである固化剤であった場合でも、例えば輸入
炭から得られたフライアッシュであるのか、それとも国
内炭から得られたフライアッシュであるのかのように、
フライアッシュの種類が異なると、固化剤の固化作用に
相違が生じてくるという問題がある。
【0009】したがって、フライアッシュを有効成分と
するある性能の固化剤を製造しようとする場合には、あ
る特定の原料から得られたある特定の性状を有するフラ
イアッシュを使用せざるを得なくなる。このことは、使
用するフライアッシュの選択条件を狭めることであり、
工業的には好ましいことではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フライアッ
シュを有効成分とし、含水泥状物の固形分を凝集して団
粒化する従来の固化剤を構成する団粒化剤における上記
した問題、すなわちフライアッシュの種類によって固化
剤の発揮する固化作用が変化するという問題を解決し、
どのようなフライアッシュを用いてもある特定の性能を
発揮できるようにした団粒化剤と、その団粒化剤を用い
た固化剤の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
目的を達成するために鋭意研究を重ねる過程で、以下の
諸点に着目した。すなわち、まず第1に、固化剤におけ
る前記したフライアッシュの作用効果は、含水泥状物中
の水との水和反応によるエトリンジャイトやけい酸カル
シウム水和物の生成に基づくものであること、そして、
この水和反応は、その反応系に、前記エトリンジャイト
や水和物の生成にとって必要とするCa成分,Si成
分,Al成分が必要量存在していなければならないとい
う着想である。
【0012】また、一言でフライアッシュといっても、
出発原料の種類によってその組成は様々に変化してくる
ということである。例えば、フライアッシュは、概し
て、SiO2とAl23を主成分とし、外にCaO,M
gO,Fe23などの成分も含まれているが、種類によ
っては、エトリンジャイトの生成にとって必要なCa成
分が2〜3重量%程度しか含まれていないものもあると
いう事実である。
【0013】これらの着目点を基礎にして、本発明者ら
は、用いるフライアッシュとしてある組成のフライアッ
シュを選定した場合、その組成と、生成させるべきエト
リジャイトやけい酸カルシウム水和物にとって必要な成
分の種類・量とを比較し、仮に、選定したフライアッシ
ュの組成が上記必要成分の種類・量よりも不足している
場合には、その不足を満たすために、上記必要成分を含
む材料の所定量を選定したフライアッシュに添加するこ
とにより前記した水和反応にとって必要な反応系を形成
することができるのではないかという着想を抱いた。
【0014】そして、この着想に基づいて様々な実験を
行ったところ、着想の正しいことが確認され、しかもこ
のことはフライアッシュに限らず、各種の焼却灰に対し
ても適合するとの知見を得た。この知見に基づいて更に
研究を重ねることにより、本発明の泥状物の団粒化剤を
開発し、またそれを用いた固化剤を開発するに至った。
【0015】すなわち、本発明の泥状物の団粒化剤は、
焼却灰を主成分とし、前記焼却灰に、石膏,シリカヒュ
ーム,アルミナ・けい酸塩を主体とする天然鉱物,アル
カリ金属炭酸塩,および陰イオン界面活性剤を均一配合
して成り、Si成分がSiO 2換算量で45〜55重量
%,Al成分がAl23換算量で20〜30重量%,C
a成分がCaO換算量で5〜15重量%,およびMg成
分がMgO換算量で5〜15重量%含有されていること
を特徴とする。また、本発明においては、上記した団粒
化剤100重量部に対し、セメント30〜100重量部
を均一混合して成る固化剤が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】まず、本発明の団粒化剤について
説明する。本発明の団粒化剤は焼却灰を主成分とし、全
体の組成としては、Si成分がSiO2換算量にして4
5〜55重量%,Al成分がAl23換算量にして20
〜30重量%,Ca成分がCaO換算量にして5〜15
重量%,Mg成分がMgO換算量にして5〜15重量%
含有されていることを特徴とする。他に、Fe,Ti,
K,NaなどがそれぞれFe23,TiO2,K2O,N
2Oの形で含有されていてもよく、その場合、それら
の含有量は1〜2重量%程度であることが好ましい。
【0017】Si成分,Al成分,Ca成分,Mg成分
がいずれも上記した含有量になっている場合に、共存す
る水との間で前記した水和反応が円滑に進みエトリンジ
ャイトやけい酸カルシウム水和物が確実に生成して、優
れた吸水作用が発揮される。上記した各成分の組成比が
1種類でも上記した範囲から外れている場合には、前記
した水和反応が充分に進行せず、吸水作用の減退が観察
されるようになる。
【0018】いかなる焼却灰であっても、それ自体で上
記組成を満足するものはなく、また、各種の焼却灰を混
合しても上記組成を満足させることは困難である。そこ
で、本発明においては、ある組成の焼却灰に、石膏,シ
リカヒューム,アルミナ・けい酸塩を主体とする天然鉱
物,アルカリ金属炭酸塩,および陰イオン界面活性剤の
それぞれを所定量配合して均一に混合し、得られた混合
物におけるSi成分,Al成分,Ca成分,Mg成分の
含有量を上記した範囲に調整すると同時に、上記した各
配合成分の機能も発揮させることに新規な技術的内容が
ある。
【0019】なお、主成分である焼却灰としては、例え
ば、各種のフライアッシュ,製紙スラジの焼却灰,高炉
スラグ,塵芥の焼却灰などをあげることができる。これ
らのうち、都市塵芥の焼却灰は各種の重金属などが混在
していることもあるので好ましいものとはいえず、フラ
イアッシュや製紙スラジの焼却灰が好適である。ここ
で、石膏はCa成分の供給源であり、前記した水和反応
に基づく吸水作用の向上に資すると同時に形成される団
粒の固化にも貢献するものであって、具体的には、無水
石膏,半水石膏,2水石膏などをあげることができる。
【0020】シリカヒュームはSi成分の供給源であ
り、また非晶質であるため、水と共存したときに激しく
結晶化しながら焼却灰など他の成分と結合し、形成され
る団粒の強度向上に資する。アルミナ・けい酸塩を主体
とする天然鉱物は、両性化合物であって、水に接触する
と当該水に当初は懸濁し、その後経時的に溶解し、そし
て、溶解が進むにつれて水が酸性領域にある場合は陽イ
オンとして、またアルカリ領域にある場合は陰イオンと
して存在し、それ自体がイオン交換能を発揮する。その
ため、水中で例えばイオン形態をとって溶存している金
属類やシアン成分や有機金属成分などの溶存汚濁物質に
対しては、それらを収着・固定する作用効果を発揮し、
同時に、溶解の進行とともに自らは高分子化していき、
団粒の形成に資する。
【0021】また、この天然鉱物には、多種多様の鉱物
性微量元素(ミネラル成分)が含有されており、これら
のミネラル成分は水に経時的に溶出する。そして、水に
水溶液の有機物が存在する場合、この溶出したミネラル
成分は、当該有機物を酸化・分解する水中の溶存酸素や
解離酸イオンと作用して、その一部は塩となって前記有
機物と結合し、そのことにより前記水溶性の有機物を水
に難溶性の凝固体に転化させ、有機物成分の分離を促進
する。また、分離汚泥における前記再溶出を抑制する。
ミネラル成分の上記作用効果は、腐敗が進行した有機物
を含有する含水泥状物の処理にとってとくに有用であ
る。
【0022】このような天然鉱物としては、例えば、モ
ンモリロナイト,パイロフィライト,カオリナイト,ハ
ロイサイト,サリサイト,マスコナイト,パラゴナイト
などをあげることができる。アルカリ金属炭酸塩として
は、例えば炭酸カルシウム,炭酸ナトリウム,炭酸マグ
ネシウムなどをあげることができ、これらは、水に接触
すると直ちに溶解して反応系を中和すると同時に、例え
ば、焼却灰からSi4+,Al3+などの反応性イオンの溶
出を促して前記した水和反応に貢献することにより、固
化作用の向上に資する。とくに、炭酸カルシウムはCa
成分の供給源でもあり、好適である。
【0023】陰イオン界面活性剤は、焼却灰をはじめ、
前記した各添加材料と水との濡れ性を高めることによ
り、各材料の前記した作用効果を充分に発揮させるため
の成分である。例えば、ラウリン酸ナトリウム,ラウリ
ン酸カルシウム,カプリル酸ナトリウム,カプリル酸カ
リウム,ノナン酸ナトリウム,ノナン酸カリウムなどを
あげることができる。
【0024】なお、陰イオン界面活性剤は、他の成分の
全体量100重量部に対し、0.3〜0.6重量部程度配合
すればよい。本発明の団粒化剤は次のようにして調製さ
れる。まず、任意組成の焼却灰が選定される。焼却灰は
1種であってもよく、また2種以上のものを混合して用
意してもよい。
【0025】そして、焼却灰の組成を分析し、当該焼却
灰のSi成分,Al成分,Ca成分,Mg成分の酸化物
としての含有量を把握する。ついで、焼却灰に前記した
材料が添加され混合される。その場合、各材料の添加量
は、混合後の全体組成におけるSi成分,Al成分,C
a成分,Mg成分のそれぞれが前記した重量割合となる
ように、計算して決められる。
【0026】なお、焼却灰の種類によっても異なるが、
焼却灰が例えばフライアッシュである場合、当該フライ
アッシュ40〜80重量%,石膏1〜10重量%,シリ
カヒューム1〜10重量%,炭酸カルシウム1〜10重
量%,モンモリロナイト1〜10重量%,陰イオン界面
活性剤0.3〜0.6重量%に均一配合したものは、含水泥
状物に対する固化作用が優れているので好適である。
【0027】次に、本発明の固化剤について説明する。
本発明の固化剤は、上記した団粒化剤100重量部に対
し、セメント30〜100重量部を均一配合したもので
ある。セメントは、団粒化剤と含水泥状物とから成る団
粒の強度を高める働きをし、具体的にはポルトランドセ
メント,早強セメントなどを好適なものとしてあげるこ
とができる。
【0028】セメントの量は、対象の泥状物との親和性
を考慮して選定されるが、セメントの量が30重量部よ
り少なくなると、上記した効果が充分に発揮されず、ま
た100重量部より多くすると固化処理物が過度に固く
なって、例えば含水泥状物が軟弱地盤の土壌であった場
合、処理後の土壌が硬くなり過ぎてその後の施工作業に
難点が生ずることがある。
【0029】
【実施例】
実施例1 (1)団粒化剤の調製 まず、表1で示した性状のフライアッシュを焼却灰とし
て用意した。また、石膏として無水石膏(CaS
4),天然鉱物としてモンモリロナイト(Al5/3Mg
1/3Si410(OH)21/3・mH2O),アルカリ金属
炭酸塩として炭酸カルシウム(CaCO3)を用意し
た。
【0030】ついで、フライアッシュに、無水石膏,シ
リカヒューム(SiO2)モンモリロナイト,炭酸カル
シウム,および陰イオン界面活性剤を添加して、表1で
示した性状の団粒化剤にした。なお、上記した各材料の
添加量の計算は次のようにして行われる。それをCa成
分の場合について説明する。
【0031】今、フライアッシュの量をa0,無水石
膏,シリカヒューム,モンモリロナイト,炭酸カルシウ
ム,陰イオン界面活性剤の添加量を、それぞれ、a1
2,a 3,a4,a5とする。そして、製造する団粒化剤
におけるSi成分のSiO2としての目標値をb1(%)
とする。このとき、以下の関係が成立する。 フライアッシュ中のCaO量(b0): b0=a0×0.017 ……(1) 無水石膏から加算されるCaO量(b1): b1=a1×CaO/CaSO4 ……(2) シリカヒュームから加算されるCaO量(b2): b2=a2×0 ……(3) モンモリロナイトから加算されるCaO量(b3): b3=a3×CaO/モンモリロナイトの分子量 ……(4) 炭酸カルシウムから加算されるCaO量(b4): b4=a4×CaO/CaCO3 ……(5) 陰イオン界面活性剤から加算されるCaO量(b5): b5=a5×0 ……(6) したがって目標値b1(%)は、次式: 100×(b0+b1+b3+b4)/(a0+a1+a2+a3+a4+a5)…(7) となる。
【0032】Si成分,Al成分,Mg成分について
も、上記した関係式を立て、それらを解くことにより、
1,a2,a3,a4を決めることができる。このように
して、各種の団粒化剤を調製した。
【0033】
【表1】
【0034】(2)固化剤の調製 上記4種類の団粒化剤と、基材であるフライアッシュ1
00重量部に対し、ポルトランドセメント30重量部を
混合して5種類の固化剤にした。 (3)各固化剤の性能 まず、固化対象の含水泥状物として、長野県駒ヶ根市赤
穂上赤穂北原の火山灰質粘土を選定した。この原土の性
状を表2に示す。
【0035】この原土に前記した5種類の固化剤を5重
量%添加して混練し、JISA1210で規定する体積
1000cm3のモールドに2.5kgのランマーで30cmの
高さから落下させ、3層25回で締固めしたのちパラフ
ィンで被覆し、6日間空中養生、1日水浸後、各種の試
験に強した。結果を表2に示した。
【0036】
【表2】
【0037】表2から明らかなように、Si成分,Al
成分,Ca成分,およびMg成分を、それぞれ、45〜
55重量%,20〜30重量%,5〜15重量%,5〜
15重量%の範囲になるように調製した試料2,試料3
は、いずれも、原土に対する塑性指数を大幅に低め、ま
た一軸圧縮強さを大幅に高めて原土に対する有効な固化
作用を発揮している。そして、試料2,試料3を用いた
場合には、原土処理後の自然含水比は大幅に小さくな
り、これら試料による吸水作用が有効に発揮されている
ことがわかる。
【0038】これに対し、Ca成分が上記範囲にない試
料1の場合、その原土に対する固化作用は、フライアッ
シュとセメントのみで調製した固化剤に比べれば若干良
好な結果を示しているとはいえ、塑性指数は高く、一軸
圧縮強さも小さく、良好な土壌改良材としては機能して
いない。また、無水石膏の量が多い試料4の場合、確か
に固化作用の向上が認められているが、他方では、処理
後の土壌は全体として固くなり過ぎてしまう。
【0039】実施例2 固化対象の含水泥状物として長野県諏訪湖のヘドロ(有
機質汚泥)を選定した。この原土の性状を表3に示し
た。この原土に、前記した試料2を含む固化剤を表示の
割合(重量%)投入し、実施例1の場合と同じようにし
て土壌試験を行った。結果を表3に示した。
【0040】
【表3】
【0041】表3から明らかなように、本発明の固化剤
は、有機質汚泥に対しても良好な固化作用を発揮し、ヘ
ドロを再利用可能な状態にまで改良している。 実施例3 下記性状の火山灰質粘土を原土として選定した。 湿潤密度:1.220g/cm3,乾燥密度:0.609g/c
m3,土粒子の密度:2.528g/cm3,自然含水比:1
00.5%,液性限界:159.5%,塑性限界58.0%,
塑性指数:101.5,一軸圧縮強さ:0.316kg/c
m2
【0042】この原土に、前記した試料2を含む固化剤
を5重量%,7重量%,10重量%投入し、実施例1と
同じように土壌試験を行い、処理物につきその一軸圧縮
強さを測定した。その結果を、固化剤の投入量と一軸圧
縮強さの関係として図1に示した。比較のために、固化
剤として早強セメントを用いた場合の結果も図1に示し
た。
【0043】図中、○印は試料2を含む固化剤を用いた
場合、●印は早強セメントを用いた場合を表す。下記性
状の有機質粘土を原土として選定した。 湿潤密度:1.449g/cm3,乾燥密度:0.671g/c
m3,土粒子の密度:2.384g/cm3,自然含水比:1
15.5%,液性限界:120.5%,塑性限界67.4%,
塑性指数:53.1,一軸圧縮強さ:0.212kg/cm2
【0044】この原土に、前記した試料2を含む固化剤
を3重量%,5重量%,7重量%投入し、実施例1と同
じように土壌試験を行い、処理物につきその一軸圧縮強
さを測定した。その結果を、固化剤の投入量と一軸圧縮
強さの関係として図1に示した。比較のために、固化剤
として早強セメントを用いた場合の結果も図1に示し
た。
【0045】図中、◇印は試料2を含む固化剤を用いた
場合、◆印は早強セメントを用いた場合を表す。図1か
ら明らかなように、本発明の固化剤の固化作用は、固化
対象の土壌が火山灰質粘土の場合であってもまた有機質
粘土の場合であっても、いずれの場合も、早強セメント
の固化作用に比べて著しく優れている。
【0046】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
団粒化剤を用いた固化剤は、対象とする含水泥状物が無
機質,有機質であるを問わず、その含水泥状物を有効に
固化することができ、軟弱地盤の土壌改良剤,家畜汚泥
の固化剤,浚渫汚泥などの固化剤として有用である。
【0047】これは、本発明の団粒化剤が人工ポラゾン
であるフライアッシュや製紙スラジの焼却灰を主成分と
し、ポラゾン反応を有効に進めるように、Si成分,A
l成分,Ca成分,Mg成分の含有量を調整したことに
よってもたらされる効果である。また、本発明の団粒化
剤は、対象とする焼却灰が何であっても調製することが
できるので、その工業的価値は非常に大きいということ
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固化剤の投入量と改質土壌の一軸圧縮強さの関
係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−175397(JP,A) 特開 平8−165467(JP,A) 特開 平9−248598(JP,A) 特表 平4−503620(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09B 3/00 C02F 11/00 - 11/20 C09K 17/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却灰を主成分とし、前記焼却灰に、石
    膏,シリカヒューム,アルミナ・けい酸塩を主体とする
    天然鉱物,アルカリ金属炭酸塩,および陰イオン界面活
    性剤を均一配合して成り、Si成分がSiO2換算量で
    45〜55重量%,Al成分がAl23換算量で20〜
    30重量%,Ca成分がCaO換算量で5〜15重量
    %,およびMg成分がMgO換算量で5〜15重量%含
    有されていることを特徴とする泥状物の団粒化剤。
  2. 【請求項2】 前記焼却灰が、フライアッシュまたは/
    および製紙スラジの焼却灰である請求項1の泥状物の団
    粒化剤。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ金属炭酸塩が、炭酸カルシ
    ウム,炭酸ナトリウム,炭酸マグネシウムの群から選ば
    れた少なくとも1種である請求項1の泥状物の団粒化
    剤。
  4. 【請求項4】 前記天然鉱物が、モンモリロナイト,パ
    イロフィライト,カオリナイトの群から選ばれる少なく
    とも1種である請求項1の泥状物の団粒化剤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの泥状物の団粒
    化剤100重量部に対し、セメント30〜100重量部
    を均一混合して成ることを特徴とする固化剤。
JP33250696A 1996-12-12 1996-12-12 泥状物の団粒化剤、それを用いた固化剤 Expired - Lifetime JP3274376B2 (ja)

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