JP3264221B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

Info

Publication number
JP3264221B2
JP3264221B2 JP20114197A JP20114197A JP3264221B2 JP 3264221 B2 JP3264221 B2 JP 3264221B2 JP 20114197 A JP20114197 A JP 20114197A JP 20114197 A JP20114197 A JP 20114197A JP 3264221 B2 JP3264221 B2 JP 3264221B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel ratio
air
fuel
purge
target air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP20114197A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1144263A (ja
Inventor
秀伸 武藤
飯田  寿
森永  修二郎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP20114197A priority Critical patent/JP3264221B2/ja
Priority to US09/119,604 priority patent/US6343467B1/en
Priority to DE19833938A priority patent/DE19833938B4/de
Publication of JPH1144263A publication Critical patent/JPH1144263A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3264221B2 publication Critical patent/JP3264221B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M25/00Engine-pertinent apparatus for adding non-fuel substances or small quantities of secondary fuel to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture
    • F02M25/08Engine-pertinent apparatus for adding non-fuel substances or small quantities of secondary fuel to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture adding fuel vapours drawn from engine fuel reservoir
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/0025Controlling engines characterised by use of non-liquid fuels, pluralities of fuels, or non-fuel substances added to the combustible mixtures
    • F02D41/003Adding fuel vapours, e.g. drawn from engine fuel reservoir
    • F02D41/0042Controlling the combustible mixture as a function of the canister purging, e.g. control of injected fuel to compensate for deviation of air fuel ratio when purging

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャニスタで吸着
した燃料蒸発ガスを内燃機関の吸気通路に導入する燃料
蒸発ガスパージシステムを備えた内燃機関の空燃比制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】キャニスタから内燃機関の吸気通路に導
入する燃料蒸発ガス(以下「パージガス」という)には
燃料が含まれるため、パージガス導入時には、パージガ
スの導入量に応じて燃料噴射弁の燃料噴射量を減量補正
することで、内燃機関への燃料供給量を要求値に一致さ
せるようにしている。しかし、特開平8−109844
号公報に示すように、パージガス導入時には、燃料噴射
弁から噴射した燃料の一部が吸気管内壁に付着するた
め、排ガスの空燃比が理論空燃比(目標空燃比)からリ
ーン側にずれやすい。そのため、同公報に開示された空
燃比制御装置では、パージガス導入時には、パージガス
導入の前後の空燃比フィードバック補正係数の偏差に応
じて、空燃比をリッチ側にシフトさせるように空燃比フ
ィードバック補正係数を修正し、それによって、パージ
ガス導入時の排ガスの空燃比を理論空燃比に収束させる
ようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、排ガス中のN
Ox,CO,HCを浄化するのに用いられる三元触媒の
ウインド(NOx,CO,HCの浄化効率が全て高くな
る空燃比の範囲)は、図14に示すように理論空燃比
(14.6〜14.7)付近の狭い範囲であるため、上
記公報の空燃比制御装置では、パージガス導入時にも、
理論空燃比を目標空燃比にして空燃比フィードバック制
御を行うようにしている。
【0004】しかし、本発明者らの最近の調査結果によ
れば、パージガス導入時には、空燃比フィードバック制
御を行っても、排ガスの空燃比が三元触媒のウインドよ
りリーン側にずれることが判明した。以下、この理由を
説明する。下記の表1に示すように、燃料となるガソリ
ンには、多くの種類の炭化水素が含まれ、各炭化水素毎
に理論空燃比が異なり、沸点も異なる。燃料全体として
の理論空燃比(14.6〜14.7)は、これら各成分
の理論空燃比を平均したものである。
【0005】
【表1】
【0006】内燃機関に導入されるパージガスは、燃料
タンク内のガソリンから蒸発した燃料蒸発ガス(エバポ
ガス)であるため、沸点の低い炭化水素が多く含まれ
る。上記表1に示すように、炭化水素の沸点は、カーボ
ンナンバー(Cn)が小さくなるほど、低くなるため、
パージガスには、カーボンナンバー(Cn)が小さいメ
タン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン(C1〜C
5)等が多く含まれる(図15参照)。これらパージガ
スの各成分の理論空燃比は、17.24〜15.36で
あり、燃料全体としての理論空燃比(14.6〜14.
7)よりも大きいため、パージガス導入時には、内燃機
関に供給する燃料全体としての理論空燃比が通常の燃料
の理論空燃比(14.6〜14.7)よりも大きくな
る。
【0007】このため、前記公報の空燃比制御装置のよ
うに、パージガス導入時に通常の理論空燃比(14.6
〜14.7)を目標空燃比にして空燃比フィードバック
制御を行うと、パージガス導入時の排ガスの空燃比が三
元触媒のウインドからリーン側にずれてしまい、NOx
浄化率が低下してしまう。
【0008】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、パージガス導入時の
空燃比フィードバック制御を適正化することができ、パ
ージガス導入時の排ガス浄化率を向上できる内燃機関の
空燃比制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、パージガス
(燃料蒸発ガス)導入時の空燃比が三元触媒のウインド
よりリーン側にずれる点に着目し、パージガス導入時に
は、目標空燃比補正手段により目標空燃比をリッチ側に
補正する(請求項1)。これにより、パージガス導入時
には、リッチ側に補正された目標空燃比に対して空燃比
がフィードバック制御されるため、パージガス導入によ
る空燃比のリーン側へのずれを目標空燃比のリッチ側へ
の補正によりキャンセルすることができ、パージガス導
入時の排ガスの空燃比を三元触媒のウインドに制御する
ことが可能となり、パージガス導入時の排ガス浄化率を
向上することができる。
【0010】この場合、請求項2のように、パージガス
導入量に基づいて目標空燃比のリッチ側への補正量を設
定するようにしても良い。つまり、パージガス導入量が
多くなるに従って、内燃機関への供給燃料中のパージガ
ス成分の割合(パージガス濃度)が増加し、供給燃料全
体としての理論空燃比のリーン側へのずれ量が大きくな
るため、パージガス導入量に基づいて目標空燃比のリッ
チ側への補正量を設定すれば、パージガス導入時の目標
空燃比の設定をより適正なものとすることができる。
尚、パージガス導入量としては、パージガス重量、パー
ジガス濃度、パージガス流量、燃料蒸発ガスパージシス
テムのパージ制御弁の制御デューティ等の中から適宜選
択して用いれば良い。
【0011】また、前掲した表1に示す各ガス成分の理
論空燃比の相違を考慮し、請求項3のように、パージガ
ス導入量とそのガス成分とに基づいて目標空燃比のリッ
チ側への補正量を設定するようにしても良い。このよう
にすれば、パージガス導入時の目標空燃比のリッチ側へ
の補正量をより正確に設定することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。まず、図1に基づいてエンジン制
御システム全体の概略構成を説明する。内燃機関である
エンジン11の吸気管12(吸気通路)の最上流部に
は、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ1
3の下流側には、吸気温度Tamを検出する吸気温度セ
ンサ14が設けられている。この吸気温度センサ14の
下流側には、スロットルバルブ15とスロットル開度T
Hを検出するスロットル開度センサ16とが設けられて
いる。
【0013】更に、スロットルバルブ15の下流側に
は、吸気管圧力PMを検出する吸気管圧力センサ17が
設けられ、この吸気管圧力センサ17の下流側にサージ
タンク18(吸気通路)が設けられている。このサージ
タンク18には、エンジン11の各気筒に空気を導入す
る吸気マニホールド19(吸気通路)が接続され、この
吸気マニホールド19の各気筒の分岐管部にそれぞれ燃
料を噴射する燃料噴射弁20が取り付けられている。
【0014】また、エンジン11には各気筒毎に点火プ
ラグ21が取り付けられ、各点火プラグ21には、点火
回路22で発生した高圧電流がディストリビュータ23
を介して供給される。このディストリビュータ23に
は、720℃A(クランク軸2回転)毎に例えば24個
のパルス信号を出力するクランク角センサ24が設けら
れ、このクランク角センサ24の出力パルス間隔によっ
てエンジン回転数Neを検出するようになっている。ま
た、エンジン11には、エンジン冷却水温THWを検出
する水温センサ38が取り付けられている。
【0015】一方、エンジン11の排気ポート(図示せ
ず)には、排気マニホールド25を介して排気管26が
接続され、この排気管26の途中に排ガス中の有害成分
(CO,HC,NOx等)を低減させる三元触媒27が
設けられている。この三元触媒27の上流側には、排ガ
スの空燃比に応じたリニアな空燃比信号λを出力する空
燃比センサ28が設けられている。また、三元触媒27
の下流側には、排ガス中の酸素濃度(0%)に対してリ
ッチかリーンかによって出力電圧R/Lが反転する酸素
センサ29が設けられている。
【0016】次に、燃料蒸発ガスパージシステム40の
構成を説明する。燃料タンク(図示せず)には、連通管
41を介してキャニスタ42が接続されている。このキ
ャニスタ42内には、燃料蒸発ガスを吸着する活性炭等
の吸着体(図示せず)が収容されている。また、キャニ
スタ42には、大気に連通する大気連通管43が設けら
れ、このキャニスタ42とサージタンク18との間に
は、キャニスタ42内に吸着されている燃料蒸発ガスを
サージタンク18にパージ(放出)するためのパージ通
路44が設けられ、このパージ通路44の途中にパージ
流量を調整するパージ制御弁45が設けられている。以
下の説明では、キャニスタ42からサージタンク18に
パージされる燃料蒸発ガスを「パージガス」と呼ぶ。
【0017】このパージ制御弁45は、内部のガス流路
を開閉する弁体46と、この弁体45をスプリング(図
示せず)に抗して開弁方向へ移動させるソレノイドコイ
ル47等を備えた電磁弁である。このパージ制御弁45
のソレノイドコイル47には、パルス信号PDにて電圧
が印加され、このパルス信号PDの周期に対するパルス
幅の比率(デューティ比)を変えることによって、弁体
46の開度を調整して、キャニスタ42からサージタン
ク18へ導入するパージガスの流量を制御する。このパ
ージ制御弁41のデューティ比とパージガス流量との変
化特性を図2に示している。
【0018】一方、エンジン制御回路30には、上述し
た各種センサからエンジン運転状態を表す各種情報が入
力ポート31を介して読み込まれる。このエンジン制御
回路30は、マイクロコンピュータを主体として構成さ
れ、CPU32、ROM33(記憶媒体)、RAM3
4、バッテリ(図示せず)でバックアップされたバック
アップRAM35等を備え、ROM33に記憶された各
種プログラムによって、燃料噴射量TAUや点火時期I
g等を演算し、その演算結果に応じた信号を出力ポート
36から燃料噴射弁20や点火回路22に出力してエン
ジン11の運転を制御する。以下、このエンジン制御回
路30が実行する空燃比制御に関する各種プログラムの
処理の流れを説明する。
【0019】[空燃比制御]図4に示す空燃比制御プロ
グラムは、空燃比のフィードバック制御を通じて燃料噴
射量TAUを設定するプログラムであり、所定クランク
角毎(例えば360℃A毎)に起動される。本プログラ
ムが起動されると、まずステップ101で、前記各種セ
ンサからの検出信号(例えばエンジン回転数Ne、吸気
管圧力PM、冷却水温THW、空燃比λ、排ガス中の酸
素濃度R/L等)を読み込む。この後、ステップ102
で、エンジン運転状態(エンジン回転数Neと吸気管圧
力PM等)に応じてマップ等から基本燃料噴射量Tpを
演算する。
【0020】そして、次のステップ103で、空燃比フ
ィードバック条件が成立しているか否かを判定する。こ
こで、空燃比フィードバック条件は、次の(A1)〜
(A4)の条件を全て満たした時に成立し、1つでも満
たさない条件があれば、不成立となる。
【0021】(A1)各種の燃料増量補正が行われてい
ないこと (A2)燃料カット中でないこと (A3)高負荷運転中でないこと (A4)空燃比センサ28が活性化していること 尚、上記(A4)の空燃比センサ28の活性化の有無
は、例えば、冷却水温THWが所定温度(例えば30
℃)以上となっているか否かで判定したり、始動後の
経過時間が所定時間以上となっているか否かで判定した
り、実際に空燃比センサ28から出力λが出たか否か
で判定したり、或は、空燃比センサ28の素子インピ
ーダンス(素子温相当)を検出してその素子インピーダ
ンスから判定しても良い。
【0022】上記ステップ103で、空燃比フィードバ
ック条件が不成立と判定された場合には、ステップ10
4に進み、空燃比補正係数FAF(フィードバック補正
量に相当)を「1.0」に設定して、ステップ109に
進む。この場合は、空燃比の補正は行われない。
【0023】一方、上記ステップ103で、空燃比フィ
ードバック条件成立と判定された場合には、ステップ1
05に進み、三元触媒28が活性化しているか否かを判
定する。この三元触媒28の活性の有無は、例えば、冷
却水温THWが所定温度(例えば40℃)以上となって
いるか否かで判定する。このステップ105で、三元触
媒28が活性化していると判定された時には、ステップ
106に進み、後述する図10の目標空燃比設定プログ
ラムを実行し、三元触媒28下流の酸素センサ29の出
力R/Lに基づいて目標空燃比λTG(目標空気過剰
率)を設定してから、ステップ108に進む。
【0024】これに対し、上記ステップ105におい
て、三元触媒28が活性化していないと判定された時に
は、ステップ107に進み、図3に示す冷却水温THW
をパラメータとする目標空燃比マップを検索して、その
時点の冷却水温THWに応じた目標空燃比λTGを設定
してステップ108に進む。
【0025】以上のようにして、ステップ106又は1
07で目標空燃比λTGを設定した後、ステップ108
に進み、目標空燃比λTGと空燃比センサ28の出力λ
(空燃比)とに基づいて空燃比補正係数FAFを次式に
より算出する。
【0026】FAF(k)=K1・λ(k)+K2・F
AF(k−3)+K3・FAF(k−2)+K4・FA
F(k−1)+ZI(k) 但し、ZI(k)=ZI(k−1)+Ka・{λTG−
λ(k)} ここで、kは最初のサンプリング開始からの制御回数を
示す変数、K1〜K4は最適フィードバック定数、Ka
は積分定数である。このステップ108の処理が特許請
求の範囲でいう空燃比フィードバック手段として機能す
る。
【0027】そして、次のステップ109で、基本燃料
噴射量Tp、空燃比補正係数FAF及びバックアップR
AM35に格納されている空燃比の学習補正量KGjの
うちの現在の運転領域に属する学習補正量KGjを用い
て、次式の演算を実行し、燃料噴射量TAUを算出し
て、本プログラムを終了する。 TAU=Tp・FAF・KGj・FALL ここで、FALLは、空燃比補正係数FAFと学習補正
量KGjによらない他の補正係数(例えばエンジン温度
による補正係数、加減速時の補正係数等)である。
【0028】[パージ率制御]図5に示すパージ率制御
プログラムは、例えば32msec毎の割込み処理によ
り実行される。本プログラムの処理が開始されると、ま
ず、ステップ201〜204において、次の(B1)〜
(B4)のパージ率制御実行条件が成立しているか否か
を判定する。
【0029】(B1)空燃比フィードバック制御中であ
ること(ステップ201) (B2)空燃比学習が終了していること(ステップ20
2) (B3)冷却水温THWが80℃以上であること(ステ
ップ203) (B4)燃料カットが行われていないこと(ステップ2
04) これら(B1)〜(B4)の条件を全て満たした時にパ
ージ率制御実行条件が成立し、1つでも満たさない条件
があれば、パージ率制御実行条件が不成立となる。
【0030】もし、パージ率制御実行条件が不成立であ
れば、ステップ210に進み、パージ実施フラグXPR
Fを「0」にクリアすると共に、次のステップ211
で、最終パージ率PGRを「0」にリセットして、本プ
ログラムを終了する。この最終パージ率PGRが「0」
とということは、燃料蒸発ガスパージを実施しないこと
を意味する。例えば、エンジン11の暖機前等、冷却水
温が低い場合(THW<60℃)には、水温補正によっ
てパージ以外の燃料増量が実施され、パージ率制御は実
行されない。
【0031】一方、パージ率制御実行条件が成立してい
る時には、ステップ205に進み、パージ実施フラグX
PRGに「1」をセットした後、ステップ206〜20
9で最終パージ率PGRを次のようにして演算する。ま
ず、ステップ206で、吸気管圧力PMとエンジン回転
数NEをパラメータとする図6の全開パージ率マップを
検索し、その時点のPMとNEに応じた全開パージ率P
GRMXを読み込む。この全開パージ率PGRMXは、
吸気管12を通してエンジン11に流入する全空気量
と、パージ制御弁45の全開時(デューティ比100%
時)にパージ通路44を通して導入される空気量との比
を表している。
【0032】そして、次のステップ207で、目標TA
U補正量KTPRGを、後述する図8のステップ411
で算出した燃料蒸発ガス濃度平均値FGPGAVの絶対
値で除算して目標パージ率PGROを算出する(PGR
O=KTPRG/|FGPGAV|)。ここで、目標T
AU補正量KTPRGとは、燃料噴射量TAUを減量補
正する際における最大補正量に相当する。また、燃料蒸
発ガス濃度平均値FGPGAVは、キャニスタ42への
燃料蒸発ガス吸着量に対応しており、後述する図8の処
理によって推定され、随時更新されつつRAM34に書
き込まれている。従って、目標パージ率PGROは、目
標TAU補正量KTPRGまで一杯に燃料噴射量を減量
することを想定したとき、どれだけの燃料蒸発ガスをパ
ージにより補充したらよいかに対応する。この場合、同
じ運転状態であれば、目標パージ率PGROは燃料蒸発
ガス濃度平均値FGPGAVが大きいほど小さな値とな
る。尚、本実施形態では、目標TAU補正量KTPRG
を例えば30%に設定している。
【0033】目標パージ率PGROの算出後、ステップ
208で、パージ率徐変値PGRDを読み込む。ここ
で、パージ率徐変値PGRDとは、パージ率をいきなり
大きく変更すると、補正が追いつかず最適な空燃比を保
てなくなってしまうため、これを避けるために設けられ
た制御値である。このパージ率徐変値PGRDの設定方
法は後述するパージ率徐変制御にて説明する。
【0034】このようにして、全開パージ率PGRM
X、目標パージ率PGRO、パージ率徐変値PGRDを
設定した後、ステップ209に進み、これらのうちの最
小値を最終パージ率PGRとして選択する。この最終パ
ージ率PGRにてパージ制御が実施される。この場合、
通常はパージ率徐変値PGRDにて最終パージ率PGR
が制御され、このパージ率徐変値PGRDが増え続けれ
ば、最終パージ率PGRは全開パージ率PGRMX又は
目標パージ率PGROによって上限ガードされることに
なる。
【0035】[パージ率徐変制御]図7に示すパージ率
徐変制御プログラムは、例えば32msec毎の割込み
処理により実行される。本プログラムの処理が開始され
ると、まずステップ301で、パージ実施フラグXPR
Gが「1」であるか否かを判定し、XPRG=0の場
合、つまりパージ率制御が実行されない場合には、ステ
ップ306に進み、パージ率徐変値PGRDを「0」と
して本ルーチンを終了する。
【0036】一方、XPRG=1の場合には、ステップ
302に進み、空燃比フィードバック補正係数FAFの
ずれ量|1−FAFAV|を検出する。このとき、|1
−FAFAV|≦15%であれば、ステップ303に進
み、前回の最終パージ率PFR(i-1) に「0.1%」加
算した値を今回のパージ率徐変値PFRDとする。ま
た、15%<|1−FAFAV|≦20%であれば、ス
テップ304に進んで、前回の最終パージ率PGR(i-
1) を今回のパージ率徐変値PGRDとする。
【0037】もし、|1−FAFAV|>20%であれ
ば、ステップ305に進んで、前回の最終パージ率PG
R(i-1) から「0.1%」減算した値を今回のパージ率
徐変値PGRDとする。パージ率を大きく変更すると補
正が追いつかず、最適な空燃比を保てなくなってしまう
ため、パージ率徐変値PGRDによってこの様な問題を
避けることは前述した通りである。
【0038】[燃料蒸発ガス濃度検出]図8に示す燃料
蒸発ガス濃度検出プログラムは、例えば4msec毎の
割込み処理により実行される。本プログラムの処理が開
始されると、まずステップ401で、キースイッチ投入
時であるか否かを判別する。キースイッチ投入時であれ
ば、ステップ412〜414で各データを初期化し、燃
料蒸発ガス濃度FGPG=1.0、燃料蒸発ガス濃度平
均値FGPGAV=1.0、初回濃度検出終了フラグX
NFGPG=0にリセットする。
【0039】ここで、燃料蒸発ガス濃度FGPG=1.
0、燃料蒸発ガス濃度平均値FGPGAV=1.0は、
燃料蒸発ガス濃度が「0」であること(換言すればキャ
ニスタ23に燃料蒸発ガスが全く吸着されていないこ
と)を意味する。エンジン始動時には初期化により吸着
量が「0」に仮定される。初回濃度検出終了フラグXN
FGPG=0は、エンジン始動後に未だ燃料蒸発ガス濃
度が検出されていないことを意味する。
【0040】キースイッチ投入後は、ステップ402に
進み、パージ実施フラグXPRGが「1」であるか否
か、即ちパージ制御が開始されているか否かを判別す
る。ここで、XPRG=0(パージ制御開始前)の場合
には、そのまま本プログラムを終了する。一方、XPR
G=1(パージ制御開始後)の場合には、ステップ40
3に進み、車両が加減速中であるか否かを判別する。こ
こで、加減速中であるか否かの判別は、アイドルスイッ
チ46のオフ、スロットルバルブ14の弁開度変化、吸
気管圧力変化、車速変化等の検出結果によって行われ
る。そして、加減速中であると判別されると、そのまま
本プログラムを終了する。つまり、加減速中(エンジン
運転の過渡状態)では燃料蒸発ガス濃度検出が禁止さ
れ、誤検出防止が図られる。
【0041】また、上記ステップ403で、加減速中で
ないと判別されると、ステップ404に進み、初回濃度
検出終了フラグXNFPGが「1」であるか否か、即ち
燃料蒸発ガス濃度の初回検出が終了しているか否かを判
別する。ここで、XNFGPG=1(初回検出後)であ
れば、ステップ405に進み、XNFPG=0(初回検
出前)であれば、ステップ405を飛び越してステップ
406に進む。
【0042】最初は、燃料蒸発ガス濃度検出が終了して
いないので(XNFGPG=0)、ステップ404から
ステップ406に進み、空燃比フィードバック補正係数
のなまし値FAFAVが基準値(=1)に対して所定値
ω(例えば2%)以上の偏差を有するか否かを判別す
る。つまり、燃料蒸発ガスパージによる空燃比のずれ量
が小さすぎると燃料蒸発ガス濃度を正しく検出できな
い。そのため、空燃比のずれ量が小さければ(|1−F
AFAV|≦ω)、そのまま本プログラムを終了する。
【0043】また、空燃比のずれ量が大きければ(|1
−FAFAV|>ω)、ステップ407に進み、次式に
より燃料蒸発ガス濃度FGPGを検出する。 FGPG=FGPG(i-1) +(FAFAV−1)/PG
R 上式において、前述のごとく燃料蒸発ガス濃度FGPG
の初期値は「1」であり、空燃比がリッチ寄りかまたは
リーン寄りかに応じて燃料蒸発ガス濃度FGPGが徐々
に更新される。
【0044】この場合、実際の燃料蒸発ガス濃度が高い
ほど(キャニスタ23の吸着量が多いほど)、燃料蒸発
ガス濃度FGPGの値は「1」を基準に減じられる。ま
た、燃料蒸発ガス濃度FGPGの値は、実際の燃料蒸発
ガス濃度の低下分(キャニスタ23のパージ量)に応じ
て増加させられる。具体的には、空燃比がリッチであれ
ば(FAFAV−1<0)、燃料蒸発ガス濃度FGPG
の値は、「FAFAV−1」を最終パージ率PGRで除
算した値だけ小さくなる。また、空燃比がリーンであれ
ば(FAFAV−1>0)、燃料蒸発ガス濃度FGPG
の値は、「FAFAV−1」を最終パージ率PGRで除
算した値だけ大きくなる。
【0045】その後、ステップ408に進み、初回濃度
検出終了フラグXNFGPGが「1」であるか否かを判
別する。ここで、XNFGPG=0であれば、ステップ
409に進み、燃料蒸発ガス濃度FGPGの前回検出値
と今回検出値との変化が所定値(例えば3%)以下の状
態が3回以上継続したか否かによって、燃料蒸発ガス濃
度FGPGが安定したか否かを判別する。燃料蒸発ガス
濃度FGPGが安定すると、次のステップ410に進
み、初回濃度検出終了フラグXNFGPGに「1」をセ
ットした後、ステップ411に進む。
【0046】一方、上記ステップ408で、XNFGP
G=1の場合、又はステップ409で燃料蒸発ガス濃度
FGPGが安定していないと判定された場合、ステップ
411へジャンプし、今回の燃料蒸発ガス濃度FGPG
を平均化するために、所定のなまし演算(例えば1/6
4なまし演算)を実行し、燃料蒸発ガス濃度平均値FG
PGAVを求める。
【0047】この様に初回濃度検出が終了すると(XN
FGPG=1がセットされると)、ステップ404が常
に「Yes」と判定され、ステップ405に進んで、最
終パージ率PGRが所定値β(例えば0%)を越えるか
否かを判別する。そして、PGR>βの場合のみ、ステ
ップ406以降の燃料蒸発ガス濃度検出を実行する。つ
まり、パージ実施フラグXPRGがセットされていて
も、最終パージ率PGRが「0」となることがある(実
際には燃料蒸発ガスのパージが実施されていないことが
ある)。そのため、初回検出時以外は、PGR=0の場
合に燃料蒸発ガス濃度の検出を行なわないようにしてい
る。
【0048】尚、最終パージ率PGRが小さい場合、即
ちパージ制御弁31が低流量側で制御されている場合は
開度制御の精度が比較的低く、燃料蒸発ガス濃度検出の
信頼性が低い。そこで、ステップ405の所定値βをパ
ージ制御弁31の低開度域に設定し(例えば0%<β<
2%)、初回検出時以外は、精度の良い検出条件が揃っ
た場合のみ、燃料蒸発ガス濃度検出を行うようにしても
良い。
【0049】[パージ制御弁の制御]図9に示すパージ
制御弁45の制御プログラムは、例えば100msec
毎に割込み処理により実行される。本プログラムの処理
が開始されると、まずステップ501で、パージ実施フ
ラグXPRGがパージ実施を示す「1」であるか否かを
判別し、XPRG=0(パージ不実施)であれば、ステ
ップ502に進み、パージ制御弁45を駆動させるため
の制御値Dutyを「0」とする。また、XPRG=1
(パージ実施)であれば、ステップ503に進み、最終
パージ率PGR及びその時点での運転状態に見合った全
開パージ率PGRMXに基づき、次式により制御値Du
tyを算出する。 Duty=(PGR/PGRMX)・(100−Pv)
・Ppa+Pv
【0050】この式で、パージ制御弁45の駆動周期は
100msecに設定されている。また、Pvはバッテ
リ電圧の変動に対する電圧補正値(駆動周期補正用の時
間相当量)であり、Ppaは大気圧の変動に対する大気
圧補正値である。上記(4)式で算出された制御値Du
tyに基づき、パージ制御弁45の駆動パルス信号のデ
ューティ比が設定される。
【0051】[目標空燃比設定]図10に示す目標空燃
比設定プログラムは、図4の空燃比制御プログラムのス
テップ106で実行されるサブルーチンである。本プロ
グラムが起動されると、まずステップ601〜603
で、酸素センサ29の出力R/Lに基づいて、実際の空
燃比と空燃比センサ28の出力λ(検出した空燃比)と
のずれを補正するように、目標空燃比の中央値λTGC
を設定する。具体的には、まずステップ601で、酸素
センサ29の出力R/Lがリッチ(R)かリーン(L)
かを判別し、リッチ(R)の場合は、ステップ602に
進み、中央値λTGCを所定値λMだけ大きく、すなわ
ちλMだけリーンに設定する(λTGC←λTGC+λ
M)。
【0052】一方、酸素センサ29の出力R/Lがリー
ン(L)の場合は、ステップ603に進み、中央値λT
GCを所定値λMだけ小さく、すなわちλMだけリッチ
に設定する(λTGC←λTGC一λM)。図11は、
このような酸素センサ29の出力R/Lに基づいて目標
空燃比の中央値λTGCを設定する場合の一例を示して
いる。
【0053】以上のようにして、目標空燃比の中央値λ
TGCを設定した後、ステップ604に進み、パージガ
ス濃度に応じて目標空燃比補正量λPRGを算出する。
ここで、パージガス濃度とは、エンジン11への内燃機
関への供給燃料中のパージガス(燃料蒸発ガス)成分の
割合であり、燃料蒸発ガス濃度平均値FGPGAV、パ
ージ制御弁45の制御デューティDuty等から求めら
れる。
【0054】このパージガス濃度と目標空燃比補正量λ
PRGとの関係を図13に基づいて説明する。パージガ
スには、カーボンナンバー(Cn)が小さいメタン、エ
タン、プロパン、ブタン、ペンタン(C1〜C5)等が
多く含まれる(図15参照)。これらパージガスの各成
分の理論空燃比は、17.24〜15.36であり(表
1参照)、燃料全体としての理論空燃比(14.6〜1
4.7)よりも大きいため、パージガス導入時には、エ
ンジン11に供給する燃料全体としての理論空燃比が通
常の理論空燃比(14.6〜14.7)よりも大きくな
る。
【0055】本発明者らは、パージガス導入時の三元触
媒27のウインド(以下「触媒ウインド」という)から
の空燃比のリーン側へのずれ量とパージガス濃度との関
係を実験で調べたところ、図13に示すように、パージ
ガス濃度が増加するに従って、それとほぼ比例して空燃
比のリーン側へのずれ量が増加することが判明した。そ
こで、本実施形態では、パージガス導入時に、触媒ウイ
ンドからの空燃比のリーン側へのずれ量をキャンセルす
るために、パージガス導入時にパージガス濃度に応じて
目標空燃比をリッチ側に補正する。
【0056】このようなパージガス導入時の目標空燃比
の補正を行うため、予め、パージガス濃度をパラメータ
とする目標空燃比補正量λPRGのマップ(テーブル)
を設定してROM33に記憶しておく。この目標空燃比
補正量λPRGのマップは、図13に示すパージガス導
入時の触媒ウインドからの空燃比のリーン側へのずれ量
を考慮して、パージガス濃度が増加するほど、それにほ
ぼ比例して目標空燃比補正量λPRGが大きくなるよう
に設定されている。更に、目標空燃比補正量λPRG
は、パージガスに含まれる各成分(図15及び表1参
照)の理論空燃比も考慮して設定されている。
【0057】そして、図10のステップ604で、目標
空燃比補正量λPRGのマップからパージガス濃度に応
じて目標空燃比補正量λPRGを算出する。この後、ス
テップ605で、目標空燃比の中央値λTGCを目標空
燃比補正量λPRGだけリッチ側に補正する(λTGC
←λTGC−λPRG)。これらステップ604,60
5の処理が特許請求の範囲でいう目標空燃比補正手段と
して機能する。
【0058】この後、ステップ606〜615で、いわ
ゆるディザ制御により目標空燃比λTGを次のようにし
て設定する。まず、ステップ606で、ディザ周期カウ
ンタのカウント値CDZAがディザ周期TDZA以上と
なっているか否かを判定する。このディザ周期TDZA
は、当該ディザ制御の分解能を決定する因子であり、後
述するステップ610の処理により、エンジン11の運
転状態に対応した望ましい値がその都度設定される。
【0059】もし、ディザ周期カウンタのカウント値C
DZAがディザ周期TDZAよりも小さければ、ステッ
プ607に進み、ディザ周期カウンタのカウント値CD
ZAを1インクリメントして、ステップ615の処理を
実行する。この場合は、目標空燃比λTGの値を更新す
ることなく、その時点で設定されている目標空燃比λT
Gの値を維持する。
【0060】一方、ディザ周期カウンタのカウント値C
DZAがディザ周期TDZA以上であれば、ステップ6
08に進み、ディザ周期カウンタのカウント値CDZA
を「0」にリセットした後、ディザ制御により目標空燃
比λTGが前記中央値λTGCを中心にしてリッチ/リ
ーン側に交互に階段状に変化するように、以下の処理を
実行する。
【0061】まず、ステップ609,610で、ディザ
振幅λDZAとディザ周期TDZAを設定する。ここ
で、ディザ振幅λDZAは、ディザ制御の制御量を決定
する因子であり、ディザ周期TDZAと同じく、エンジ
ン11の運転状態に対応した望ましい値がその都度設定
される。これらディザ振幅λDZAとディザ周期TDZ
Aは、エンジン回転数Neと吸気管圧力PMとをパラメ
ータとする2次元マップ(図示せず)を検索して、その
時点のエンジン回転数Neと吸気管圧力PMに対応する
ディザ振幅λDZAとディザ周期TDZAを求める。
【0062】この後、ステップ611で、ディザ処理フ
ラグXDZRが「0」であるか否かを判定する。このデ
ィザ処理フラグXDZRは、目標空燃比中央値λTGC
に対して目標空燃比λTGをリッチに設定する場合にX
DZR=1にセットし、リーンに設定する場合にXDZ
R=0にリセットする。
【0063】上記ステップ611で、XDZR=0と判
定された場合、つまり前回のディザ制御で目標空燃比中
央値λTGCに対して目標空燃比λTGがリーンに設定
されている場合には、ステップ612に進み、今回のデ
ィザ制御で目標空燃比λTGがリッチに設定されるよう
に、ディザ処理フラグXDZRを「1」にセットし、次
のステップ614で、ディザ振幅λDZAを−値に反転
させる。
【0064】これに対し、上記ステップ611で、XD
ZR=1と判定された場合、つまり前回のディザ制御で
目標空燃比中央値λTGCに対して目標空燃比λTGが
リッチに設定されている場合には、ステップ613に進
み、今回のディザ制御で目標空燃比λTGがリーンに設
定されるように、ディザ処理フラグXDZRを「0」に
リセットする。
【0065】この後、ステップ615で、目標空燃比中
央値λTGCとディザ振幅λDZAとから目標空燃比λ
TGを設定する。ここで、前回のディザ制御で目標空燃
比中央値λTGCに対して目標空燃比λTGがリーンに
設定された場合には、今回のディザ制御で、目標空燃比
λTGを中央値λTGCに対してディザ振幅λDZAだ
けリッチに設定するように、次式により目標空燃比λT
Gを算出する。 λTG=λTGC−λDZA
【0066】逆に、前回のディザ制御で目標空燃比中央
値λTGCに対して目標空燃比λTGがリッチに設定さ
れた場合には、今回のディザ制御で、目標空燃比λTG
を中央値λTGCに対してディザ振幅λDZAだけリー
ンに設定するように、次式により目標空燃比λTGを算
出する。 λTG=λTGC+λDZA
【0067】このようなディザ制御により、図12に示
すように、目標空燃比λTGが中央値λTGCを中心に
してリッチ/リーン側に交互にディザ振幅λDZAだけ
階段状に変化するように設定される。
【0068】以上説明した本実施形態の空燃比フィード
バック制御の挙動を図16のタイムチャートを用いて説
明する。キャニスタ42から燃料蒸発ガスのパージを開
始すると、パージガス濃度が上昇し始める。このパージ
ガス濃度の上昇に応じて目標空燃比補正量λPRGをリ
ッチ側に設定し、目標空燃比λTGをリッチ側に補正す
る。
【0069】従来は、パージガス導入時でも、目標空燃
比λTGが補正されなかったため、パージガス導入時に
は、排ガスの空燃比が触媒ウインドよりリーン側にず
れ、NOx浄化率が低下していた。これは、パージガス
の各成分の理論空燃比(17.2〜15.3)が通常の
燃料の理論空燃比(14.6〜14.7)よりも大きい
ためである。
【0070】これに対し、本実施形態では、パージガス
導入時には、パージガス濃度に応じて目標空燃比λTG
をリッチ側に補正するため、パージガス導入による空燃
比のリーン側へのずれを目標空燃比λTGのリッチ側へ
の補正によりキャンセルすることができる。これによ
り、パージガス導入時の排ガスの空燃比を触媒ウインド
に制御することが可能となり、パージガス導入時でも高
いNOx浄化率を維持できて、パージガス導入時の排ガ
ス浄化率を向上することができる。
【0071】尚、本実施形態では、パージガス導入時の
目標空燃比のリッチ側への補正をマップ(テーブル)に
基づいて行うようにしたが、数式により算出するように
しても良い。
【0072】或は、パージガス導入時のリッチ側への目
標空燃比補正量を一定とするようにしても良く、この場
合でも、従来と比較すれば、パージガス導入時のNOx
浄化率を向上することができる。
【0073】また、本実施形態では、パージガス導入時
のリッチ側への目標空燃比補正量をパージガス濃度に応
じて設定したが、パージガス濃度に代えて、パージガス
重量、パージガス流量、パージ制御弁45の制御デュー
ティ等のいずれかを用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すエンジン制御システ
ム全体の概略構成図
【図2】パージ制御弁のデューティ比とパージガス流量
との関係を示す特性図
【図3】目標空燃比マップを概念的に示す図
【図4】空燃比制御プログラムの処理の流れを示すフロ
ーチャート
【図5】パージ率制御プログラムの処理の流れを示すフ
ローチャート
【図6】全開パージ率マップの一例を示す図
【図7】パージ率徐変制御プログラムの処理の流れを示
すフローチャート
【図8】燃料蒸発ガス濃度検出プログラムの処理の流れ
を示すフローチャート
【図9】パージ制御弁制御プログラムの処理の流れを示
すフローチャート
【図10】目標空燃比設定プログラムの処理の流れを示
すフローチャート
【図11】酸素センサの出力と目標空燃比の中央値λT
GCとの関係を示すタイムチャート
【図12】酸素センサの出力と目標空燃比λTGとの関
係を示すタイムチャート
【図13】パージガス導入時の触媒ウインドからの空燃
比のリーン側へのずれ量とパージガス濃度との関係を示
す図
【図14】触媒ウインドを説明する図
【図15】パージガスに含まれる炭化水素成分の分布を
示す図
【図16】パージガス導入時の空燃比フィードバック制
御の挙動を示すタイムチャート
【符号の説明】
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管(吸気通
路)、14…吸気温度センサ、17…吸気管圧力セン
サ、18…サージタンク(吸気通路)、19…吸気マニ
ホールド(吸気通路)、20…燃料噴射弁、24…クラ
ンク角センサ、26…排気管、27…三元触媒、28…
空燃比センサ、29…酸素センサ、30…エンジン制御
回路(空燃比フィードバック手段,目標空燃比補正手
段)、38…水温センサ、40…燃料蒸発ガスパージシ
ステム、42…キャニスタ、44…パージ通路、45…
パージ制御弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−109844(JP,A) 特開 平5−59977(JP,A) 特開 平57−83130(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 25/08 301 F02D 41/02 301 F02D 41/14 310

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンクから発生する燃料蒸発ガスを
    キャニスタで吸着し、このキャニスタ内の燃料蒸発ガス
    を所定の運転条件下で内燃機関の吸気通路に導入する燃
    料蒸発ガスパージシステムを備えた内燃機関において、 排ガスの空燃比を目標空燃比に一致させるようにフィー
    ドバック制御する空燃比フィードバック手段と、 前記燃料蒸発ガスパージシステムが前記燃料蒸発ガスを
    吸気通路に導入する時に前記目標空燃比をリッチ側に補
    正する目標空燃比補正手段とを備えていることを特徴と
    する内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 【請求項2】 前記目標空燃比補正手段は、前記吸気通
    路に導入される燃料蒸発ガスの導入量に基づいて前記目
    標空燃比のリッチ側への補正量を設定することを特徴と
    する請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 【請求項3】 前記目標空燃比補正手段は、前記吸気通
    路に導入される燃料蒸発ガスの導入量とそのガス成分と
    に基づいて前記目標空燃比のリッチ側への補正量を設定
    することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の空燃
    比制御装置。
JP20114197A 1997-07-28 1997-07-28 内燃機関の空燃比制御装置 Expired - Lifetime JP3264221B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20114197A JP3264221B2 (ja) 1997-07-28 1997-07-28 内燃機関の空燃比制御装置
US09/119,604 US6343467B1 (en) 1997-07-28 1998-07-22 Air-fuel ratio control apparatus and method for internal combustion engine
DE19833938A DE19833938B4 (de) 1997-07-28 1998-07-28 Luft-/Kraftstoffverhältnisregelgerät und zugehöriges Verfahren für eine Brennkraftmaschine

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20114197A JP3264221B2 (ja) 1997-07-28 1997-07-28 内燃機関の空燃比制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1144263A JPH1144263A (ja) 1999-02-16
JP3264221B2 true JP3264221B2 (ja) 2002-03-11

Family

ID=16436090

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20114197A Expired - Lifetime JP3264221B2 (ja) 1997-07-28 1997-07-28 内燃機関の空燃比制御装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US6343467B1 (ja)
JP (1) JP3264221B2 (ja)
DE (1) DE19833938B4 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9592611B2 (en) 2008-09-03 2017-03-14 Honda Motor Co., Ltd. Workpiece mounting system, workpiece mounting method, sunroof unit holding device, and sunroof unit holding method

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002115585A (ja) * 2000-10-04 2002-04-19 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP3560156B2 (ja) * 2001-05-22 2004-09-02 本田技研工業株式会社 内燃機関の蒸発燃料制御装置
US6898927B2 (en) * 2001-10-16 2005-05-31 Denso Corporation Emission control system with catalyst warm-up speeding control
US6975933B2 (en) * 2003-02-13 2005-12-13 Nissan Motor Co., Ltd. Fuel properties estimation for internal combustion engine
JP3687917B2 (ja) * 2003-10-31 2005-08-24 日産ディーゼル工業株式会社 液体還元剤の濃度及び残量検出装置
JP3686669B1 (ja) * 2004-10-29 2005-08-24 日産ディーゼル工業株式会社 液体還元剤判別装置
US8474243B2 (en) * 2006-12-22 2013-07-02 Cummins, Inc. System for controlling regeneration of an adsorber
CN103392062B (zh) * 2011-03-01 2015-09-09 丰田自动车株式会社 内燃机的控制装置
JP6844488B2 (ja) * 2017-10-03 2021-03-17 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
KR20200069733A (ko) * 2018-12-07 2020-06-17 현대자동차주식회사 연료 증발가스의 퍼지 제어방법

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0833126B2 (ja) 1990-03-22 1996-03-29 株式会社ユニシアジェックス 内燃機関の空燃比フィードバック制御装置
US5245975A (en) * 1990-11-28 1993-09-21 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Direct injection type internal combustion engine
JP2760175B2 (ja) 1991-09-02 1998-05-28 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の蒸発燃料処理装置
JP2533350Y2 (ja) * 1991-09-05 1997-04-23 本田技研工業株式会社 内燃エンジンの燃料蒸気排出抑止装置
JP2686875B2 (ja) * 1992-02-28 1997-12-08 本田技研工業株式会社 内燃機関の蒸発燃料制御装置
US5426938A (en) * 1992-09-18 1995-06-27 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Control system for internal combustion engines
JPH0783130A (ja) 1993-09-10 1995-03-28 Honda Motor Co Ltd 可燃ガスの理論空燃比計測装置
JP2896298B2 (ja) * 1993-11-26 1999-05-31 株式会社日立製作所 キャニスタパージ制御装置及び制御方法
JP3455271B2 (ja) * 1994-02-24 2003-10-14 株式会社日立製作所 内燃機関の燃料噴射量制御装置
DE19511781A1 (de) * 1994-03-30 1995-10-05 Mazda Motor Kraftstoffsystem mit Kraftstoff-Abschätzung
JP3194670B2 (ja) * 1994-06-30 2001-07-30 三菱電機株式会社 内燃機関の電子制御装置
JPH08100714A (ja) * 1994-08-04 1996-04-16 Nippondenso Co Ltd 内燃機関の空燃比制御装置
JP3517985B2 (ja) 1994-10-13 2004-04-12 日産自動車株式会社 内燃機関の空燃比制御装置
JPH08121266A (ja) * 1994-10-27 1996-05-14 Toyota Motor Corp 内燃機関の蒸発燃料処理装置
US5699778A (en) * 1994-12-15 1997-12-23 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha Fuel evaporative emission suppressing apparatus
JP3511722B2 (ja) * 1995-03-20 2004-03-29 三菱電機株式会社 内燃機関の空燃比制御装置
US5724952A (en) * 1995-06-09 1998-03-10 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Air-fuel ratio control system for internal combustion engines
US5862795A (en) * 1996-01-23 1999-01-26 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Evaporative control system for a multicylinder internal combustion engine
JP4092743B2 (ja) * 1996-07-05 2008-05-28 マツダ株式会社 エンジンの触媒劣化検出方法およびその装置
JP3932642B2 (ja) * 1998-01-23 2007-06-20 トヨタ自動車株式会社 希薄燃焼内燃機関の排気浄化装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9592611B2 (en) 2008-09-03 2017-03-14 Honda Motor Co., Ltd. Workpiece mounting system, workpiece mounting method, sunroof unit holding device, and sunroof unit holding method

Also Published As

Publication number Publication date
DE19833938B4 (de) 2006-07-13
US6343467B1 (en) 2002-02-05
DE19833938A1 (de) 1999-02-04
JPH1144263A (ja) 1999-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH1182117A (ja) 内燃機関の燃料供給系異常診断装置
US8904762B2 (en) Control apparatus for an internal combustion engine
JP3264221B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
US4967713A (en) Air-fuel ratio feedback control system for internal combustion engine
US6039032A (en) Air-fuel ratio controller for an internal combustion engine
JP3438386B2 (ja) エンジンの燃料蒸気処理装置
US5762055A (en) Air-to-fuel ratio control apparatus for an internal combustion engine
JPH08261045A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
US7305978B2 (en) Vaporized fuel purge system
JP3206357B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射量制御装置
JP3788497B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP2002130009A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4349438B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP3061277B2 (ja) 空燃比学習制御方法及びその装置
JP2004278542A (ja) 内燃機関の燃料供給系異常診断装置
JP2889418B2 (ja) 空燃比学習制御方法
JP3937702B2 (ja) 内燃機関のエバポパージ制御装置
JP3946816B2 (ja) エンジンの空燃比制御装置
JP3777925B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP3601080B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP3517985B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JPH05248312A (ja) 内燃機関の蒸発燃料処理装置
JP3358415B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JPH07259609A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP2856062B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term