JP3252455B2 - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物

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JP3252455B2 JP19956192A JP19956192A JP3252455B2 JP 3252455 B2 JP3252455 B2 JP 3252455B2 JP 19956192 A JP19956192 A JP 19956192A JP 19956192 A JP19956192 A JP 19956192A JP 3252455 B2 JP3252455 B2 JP 3252455B2
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憲一 歌崎
清己 興田
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械的特性、耐熱性、
寸法精度および成形性に優れ、とりわけ長期耐熱性およ
び吸水時の剛性保持に優れたポリアミド樹脂組成物に関
する。さらに詳しくは、高温環境下で長時間さらされた
時の引張破断伸度の保持に優れ、かつ飽和吸水時の曲げ
弾性率の低下および寸法の変化が極めて小さい特性を有
するポリアミド樹脂組成物に関し、自動車部品、電気・
電子部品および電装部品、特にプラグ、コイルボビン、
ソケット、スイッチ、チューナー部品、リレー、コンデ
ンサー、端子盤、バルブ、ヒューズケース、フライバッ
クトランスケース、コネクタ、モーターのブラッシュホ
ルダー、ランプソケット、リヤエンドパネル、ディスト
リビューターキャップ、イグニッションコイル、ヒュー
エルポンプ、トランスミッションバルブ、キャブレター
部品のような、長期耐熱性、長期放置時の機械的特性お
よび寸法精度が要求される用途に好適に使用されるポリ
アミド樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ナイロン6、ナイロン66に代表される
ポリアミド樹脂は、エンジニアリングプラスチックとし
て優れた特性を有し、自動車、電気・電子部品および電
装部品など各種の工業分野において広く使用されてい
る。
【0003】近年、特に自動車部品用途においては、そ
の高性能化により、エンジンルーム内の温度上昇が招来
され、過酷な高温雰囲気下での使用に耐える素材の要請
が高まっているが、ポリカプロアミド(融点220
℃)、ポリヘキサメチレンアジパミド(融点260℃)
では高温下での使用には限界がある。さらにナイロンは
他のエンジニリアリングプラスチックと比較して吸水し
やすい性質を持っている。この吸水により寸法精度の不
良や剛性低下などの問題がある。
【0004】最近、このような高温下で使用可能なポリ
アミド樹脂として、特開昭59−155426号公報、
特開昭62−156130号公報にはテレフタル酸およ
び/またはイソフタル酸を含有した高融点共重合ポリア
ミド樹脂などが開示されている。また、特開昭61−2
83653号公報には上述の高融点共重合ポリアミド樹
脂に変性ポリオレフィンを配合することにより耐衝撃性
が改良されることが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述の特開昭59−1
55426号公報、特開昭62−156130号公報の
技術においては、ポリアミド樹脂は融点が高く熱変形温
度も高いことから高温下で連続使用可能なポテンシャル
を有しているものの成形加工性が不良であるばかりかポ
リカプロアミドやポリヘキサメチレンアジパミドに比較
して脆く、このままでは実用的な成形品として適用でき
ないという問題がある。
【0006】特開昭61−283653号該技術によっ
て確かに耐衝撃性がある程度改良されるものの、引張破
断伸度に代表される靭性の改良は小さく、さらに高温環
境下で長時間使用した後の靭性低下を抑制することがで
きなかった。
【0007】前述のごとく従来の技術では、高温雰囲気
下での靭性低下が小さく、かつ吸水時の剛性保持および
成形性がバランスして優れるポリアミド樹脂組成物を得
ることは困難であった。
【0008】そこで本発明は、機械的特性、耐熱性、寸
法精度および成形性に優れ、とりわけ長期耐熱性および
吸水時の剛性保持と寸法精度に優れたポリアミド樹脂組
成物に関する。さらに詳しくは、高温環境下で長時間さ
らされた時の引張破断伸度の保持に優れ、かつ飽和吸水
時の曲げ弾性率の低下が極めて小さい、特に薄肉成形品
の製造に好適なポリアミド樹脂組成物を得ることを課題
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(A)(a)ヘキサメチレンテレフタルアミド単位80
〜20重量%および(b)ヘキサメチレンアジパミド単
位またはカプロアミド単位20〜80重量%を重合して
なる結晶性共重合ポリアミド100重量部に対して (B)前記式(I)に示されるビニル系モノマーを1種
以上重合してなり曲げ弾性率が100MPa以上のビニ
ル系重合体5〜300重量部および (C)次の(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)からな
る群から選ばれるオレフィン系エラストマ1〜200重
量部(i)エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンおよび
/またはビニル系モノマーからなる(イ)未変性エチレ
ン共重合体 未変性エチレン共重合体に対し0.01〜10重量%の
不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフト反応させ
て得た(ロ)変性エチレン共重合体 (ii)共役ジエンと芳香族ビニル系モノマーからな
る、水添または未水添のブロック共重合体である(ハ)
未変性オレフィン系ブロック共重合体 未変性オレフィン系ブロック共重合体に対し0.01〜
10重量%の不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラ
フト反応させて得た(ニ)変性オレフィン系ブロック共
重合体 を配合してなるポリアミド樹脂組成物である。
【0010】本発明の組成物は結晶性共重合ポリアミド
に、ビニル系重合体およびオレフィン系エラストマを併
用することが重要であり、これによって相乗的に効果が
発現し均衡して優れた機械的特性、耐熱性、寸法精度、
成形性を有し、とりわけ長期耐熱性および吸水時の剛性
保持に優れたポリアミド樹脂組成物が得られる。
【0011】本発明で用いる(A)(a)ヘキサメチレ
ンテレフタルアミド単位80〜20重量%および(b)
ヘキサメチレンアジパミド単位またはカプロアミド単位
20〜80重量%を重合してなる結晶性共重合ポリアミ
ドとしては、ヘキサメチレンアンモニウムテレフタレー
トとヘキサメチレンアンモニウムアジペートとを共重合
せしめてなる共重合ポリアミド(以下、6T/66共重
合ポリアミドという)またはヘキサメチレンアンモニウ
ムテレフタレートとε−カプロラクタムまたは6−アミ
ノカプロン酸から選ばれた少なくとも1種とを共重合せ
しめてなる共重合ポリアミド(以下、6T/6コポリア
ミドという)、ヘキサメチレンアンモニウムテレフタレ
ートとヘキサメチレンアンモニウムアジペートおよびε
−カプロラクタムまたは6−アミノカプロン酸とを共重
合せしめてなる共重合ポリアミドなどが挙げられる。そ
の共重合比率は、(a)成分が80〜20%、(b)成
分が20〜80重量%であれば特に制限はない。なかで
も6T/66=80〜20/20〜80(重量比)、好
ましくは65〜25/35〜75、より好ましくは59
〜30/41〜70あるいは6T/6=80〜20/2
0〜80(重量比)、好ましくは78〜45/22〜5
5、より好ましくは78〜60/22〜40の範囲のも
のが好適である。(a)成分が20重量%よりも少ない
とポリマ融点が低くなるため耐熱性が低下し好ましくな
い。また、(a)成分が80重量%を越えるとポリマ融
点が高くなり耐熱性は向上するが、加工温度も高くなる
ためポリマが熱分解を生じやすくなり好ましくない。
【0012】また、これらの結晶性共重合ポリアミドの
重合度は組成物の機械的特性および成形性の点から1%
の濃硫酸溶液中25℃で測定したときの相対粘度が通
常、1.5〜5.0、好ましくは2.0〜3.5の範囲
にあるものが好適である。
【0013】また、結晶性共重合ポリアミドの製造法は
特に制限されないが、通常の溶融重合、ヘキサメチレン
ジアミンとテレフタル酸の塩(6T塩)とヘキサメチレ
ンジアミンとアジピン酸の塩(66塩)または6T塩と
ε−カプロラクタムあるいは6−アミノカプロン酸から
選ばれた少なくとも1種を用いた水溶液を150〜32
0℃で加熱し、プレポリマを作り、これをさらに融点以
下の温度で固相重合する方法あるいは溶融押出機で高重
合度化する方法、6T塩と66塩(または6−アミノカ
プロン酸)を融点以下の温度で直接固相重合する方法な
どが簡便で適している。
【0014】また、結晶性共重合ポリアミドはその特性
を損なわない限りにおいて添加剤を添加してもよい。用
いられる添加剤としては例えば、粘度調節剤、顔料、酸
化劣化防止剤、耐熱剤および末端封鎖剤などが挙げられ
る。
【0015】本発明で用いる(B)ビニル系重合体と
は、前記一般式(I)で示されるビニル系モノマーの1
種以上を重合して得られるものであり、ビニル系単量体
の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、p−t−ブチルスチレン、アクリロニト
リル、α−メチルアクリロニトリル、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、
オクチルアクリレート、グリシジルアクリレート、メチ
ルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタ
クリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ヘキ
シルメタクリレート、オクチルメタクリレート、シクロ
ヘキシルメタクリレート、グリシジルメタクリレートな
どが挙げられる。
【0016】また、(B)ビニル系モノマーの合計10
0重量部に対して70重量部以下の範囲で共重合可能な
他のモノマーを共重合することができる。共重合可能な
モノマーとしては、マレイン酸、フマル酸、無水マレイ
ン酸、無水イタコン酸、α,β−不飽和ジカルボン酸の
イミド化合物類などが挙げられる。
【0017】本発明で用いる(B)ビニル系モノマーと
しては、曲げ弾性率が100MPa以上であることが必
要である。曲げ弾性率が100MPa未満だと、得られ
るポリアミド樹脂組成物の吸水時の剛性低下が大きい。
【0018】具体的な(B)ビニル系重合体の例として
は、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレ
ン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/メチルメタ
クリレート共重合体、スチレン/アクリロニトリル/メ
チルメタクリレート共重合体、ポリメチルメタクリレー
ト、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/グ
リシジルメタクリレート共重合体などが挙げられる。
【0019】さらに本発明で用いるビニル系重合体を不
飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフト反応させて
用いてもよい。不飽和カルボン酸またはその誘導体とし
ては、マレイン酸、フマル酸、グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、グリシジルエタクリレ
ート、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコ
ン酸、マレイン酸イミドなどが挙げられる。
【0020】不飽和モノマーのグラフト反応量は0.0
1〜20重量%、好ましくは0.05〜10重量%であ
る。
【0021】ここでいうグラフト反応とは、不飽和カル
ボン酸またはその誘導体がビニル系重合体と化学的に結
合することを意味し、その製造方法としてはビニル系重
合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体を添加して1
50〜300℃で溶融混練することによって容易に製造
することができる。溶融混練する場合の装置としては、
スクリュー式押出し機、バンバリーミキサーなどを用い
ることができる。さらに溶融混練する際に有機過酸化物
をビニル系単量体に対して0.001〜1.0重量%使
用すれば、より効率的にグラフト反応を生じさせること
ができる。このような有機過酸化物としては、分子量2
00以上のものが特に好ましい。具体的には、t−ブチ
ルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,
5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3、α,α′−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプ
ロピルベンゼンなどである。
【0022】ビニル系重合体の添加量としては、6T/
66共重合ポリアミド100重量部に対して5〜300
重量部、好ましくは10〜230重量部、さらに好まし
くは20〜180重量部である。5重量部未満では吸水
時の剛性の低下が大きく、300重量部を越えると長期
耐熱性が低下するため好ましくない。
【0023】本発明で用いる(C)オレフィン系エラス
トマとしては、(i)エチレンと炭素数3以上のαーオ
レフィンおよび/またはビニル系モノマーからなる
(イ)未変性エチレン共重合体および/または未変性エ
チレン系重合体に対し0.01〜10重量%の不飽和カ
ルボン酸またはその誘導体をグラフト反応させて得た
(ロ)変性エチレン系重合体、(ii)共役ジエンと芳
香族ビニル系モノマーからなる、水添または未水添のブ
ロック共重合体である(ハ)未変性オレフィン系ブロッ
ク共重合体および/または未変性オレフィン系ブロック
共重合体に対し0.01〜10重量%の不飽和カルボン
酸またはその誘導体をグラフト反応させて得た(ニ)変
性オレフィン系ブロック共重合体などをが挙げられる。
【0024】前記(i)(イ)未変性および(ロ)変性
エチレン共重合体における炭素数3以上のα−オレフィ
ンとは、好ましくはプロピレン、ブテン−1、ペンテン
−1、4−メチルペンテン−1、オクタセン−1などが
挙げられ、ビニル系モノマーとしては、アクリル酸、メ
タクリル酸、アクリル酸またはメタクリル酸エステル、
アクリロニトリル、スチレンなどが挙げられる。なかで
もプロピレン、ブテン−1、アクリル酸、メタクリル
酸、アクリル酸メチルおよびアクリル酸エチルがさらに
好ましく、これらは2種以上併用して使用できる。ま
た、未変性エチレン重合体においては、さらに非共役ジ
エンが共重合されてもよい。
【0025】非共役ジエンを含有しない場合、エチレン
と炭素数3以上のα−オレフィンの共重合比は、通常4
0/60〜99/1(モル比)、好ましくは70/30
〜95/5(モル比)である。
【0026】非共役ジエンを含有するエチレン共重合体
における炭素数3以上のα−オレフィンの共重合量は、
通常3〜80モル%、好ましくは15〜60モル%であ
り共役ジエンの共重合量は、通常0.1〜15モル%、
好ましくは0.5〜10モル%である。
【0027】未変性エチレン共重合の具体例としてはエ
チレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共
重合体、エチレン/ペンテン−1共重合体、エチレン/
プロピレン/ブテン−1共重合体、エチレン/プロピレ
ン/ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン/プロピ
レン/5−エチリデン−2−ノルボーネン共重合体、エ
チレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン共重合体、
エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/メタクリル
酸共重合体、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、エ
チレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/アクリ
ル酸共重合体およびエチレン/メタクリル酸共重合体中
のカルボン酸部分の1部または全てをナトリウム、リチ
ウム、カリウム、亜鉛、カルシウムなどの塩としたもの
などが挙げられる。
【0028】前記の未変性エチレン共重合体にグラフト
反応させた(i)(ロ)変性エチレン共重合体を得る不
飽和カルボン酸およびその誘導体としては、(B)ビニ
ル系重合体で述べたものが使用できる。これらをグラフ
トした変性エチレン共重合体の具体例としては、無水マ
レイン酸グラフトエチレン/プロピレン共重合体、無水
マレイン酸グラフトエチレン/ブテン−1共重合体およ
び無水マレイン酸グラフトエチレン/メチルアクリレー
ト共重合体などが挙げられる。
【0029】前記(ii)(ハ)未変性および(ニ)変
性オレフィン系ブロック共重合体における共役ジエンと
は1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエ
ン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジ
エンおよび1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。芳
香族ビニル系モノマーとしては、スチレン、α−メチル
スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
1,3−ジメチルスチレン、ビニルナフタレンなどが挙
げられ、スチレン、α−メチルスチレンが好ましく使用
できる。
【0030】また水添オレフィン系ブロック共重合体
は、未水添オレフィン系ブロック共重合体の不飽和含量
の少なくとも80%が水添により還元されているものを
示し、芳香族の2重結合が水添により還元される比率は
10%以下であることが望ましい。
【0031】前記水添または未水添オレフィン系ブロッ
ク共重合体のうち好ましい具体例としては、耐熱性など
の点から水添または未水添スチレン/ブタジエン/スチ
レントリブロック共重合体および水添または未水添スチ
レン/イソプレン/スチレントリブロック共重合体など
が挙げられる。
【0032】前記水添または未水添オレフィン系ブロッ
ク共重合体にグラフト反応させた変性水添または未水添
オレフィン系ブロック共重合体を得る不飽和カルボン酸
およびその誘導体としては、(B)ビニル系重合体で述
べたものが使用できる。これらをグラフトした変性オレ
フィン系ブロック共重合体の具体例としては、無水マレ
イン酸変性水添または未水添スチレン/ブタジエン/ス
チレントリブロック共重合体および無水マレイン酸変性
水添または未水添スチレン/イソプレン/スチレントリ
ブロック共重合体などが挙げられる。
【0033】オレフィン系エラストマの添加量として
は、6T/66共重合ポリアミド100重量部に対して
1〜200重量部、好ましくは5〜150重量部、さら
に好ましくは10〜100重量部である。1重量部未満
だと長期耐熱性が不十分であり、200重量部を越える
と機械的強度、耐熱性、成形性が低下し好ましくない。
【0034】また、本発明のポリアミド樹脂組成物に
は、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、ヨ
ウ化銅、ヨウ化カリウムなどの熱安定剤、滑剤、結晶核
剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤などの通常の添加剤
および少量の他種ポリマを添加することができる。
【0035】本発明の組成物の製造方法は、特に制限な
く、結晶性コポリアミド、ビニル系重合体、オレフィン
系エラストマ成分および他の添加物をリボンブレンダ
ー、ヘンシェルミキサー、Vブレンダーなどを用いてド
ライブレンドした後、バンバリーミキサー、ミキシング
ロール、単軸または2軸の押出機、ニーダーなどを用い
て溶融混練する方法などが挙げられる。なかでも十分な
混練力を有する単軸または2軸の押出機を用いて溶融混
練する方法が代表的である。
【0036】混練の順序についても特に制限はなく、上
記3者の混合物を一括混練することも可能だし、また予
め2成分の混合を行った後に、残る1成分との混合をす
ることもできる。
【0037】上記方法により製造したポリアミド樹脂組
成物は射出成形、押出成形、吹込み成形、真空、圧空成
形などの方法により、厚さ1mm以下の薄肉部を持つよ
うな形状に成形が可能で、その成形品は高温環境下に長
時間さらされた後でも靭性の低下が極めて小さいという
特徴を有する。
【0038】
【実施例】
実施例 1〜6、比較例 1〜6 表1に示したポリアミド、ビニル系重合体およびオレフ
ィン系エラストマ成分および表2に示した添加物を表2
の割合に配合し、320℃に設定した30mmφの2軸
スクリューを有した押出機に供給して溶融混練してペレ
ットとした。
【0039】得られたペレットを乾燥後、320℃に設
定した型締圧力50tのスクリューインライン型射出成
形機を用い、金型温度40℃において厚さ1mmのAS
TM−4号ダンベルおよび曲げ試験用(1/8″×1/
2″×5″)成形品を成形した。
【0040】ASTM−4号ダンベルを160℃のギヤ
ーオーブン中で1000時間熱処理した後、引張特性
(ASTM D638に準拠)を測定し、長期耐熱性を
評価した。
【0041】また、曲げ試験用成形品を40℃×7Da
y水中で吸水させ、吸水率と曲げ特性(ASTM D7
90に準拠)を測定し、吸水による剛性(弾性率)を評
価した。
【0042】結果を表2に示した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】本発明のポリアミド樹脂組成物から得られ
る成形品は、高温環境下に長時間さらしても優れた靭性
を失なわず、良好な長期耐熱性を有し、さらに吸水によ
る剛性低下が小さいことが表2から明らかである。
【0046】
【発明の効果】本発明のポリアミド樹脂組成物より得ら
れる成形品は、機械的特性、耐熱性、寸法精度、成形性
に優れ、特に高温環境下での連続使用に耐え、また吸水
による剛性低下も小さいので、特に薄肉部分を有する成
形品、例えば自動車エンジンル−ム内の各種電装部品の
ような用途に有用である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−11760(JP,A) 特開 昭64−51458(JP,A) 特開 平2−88672(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 53/02 C08L 51/00 C08L 77/00 C08L 101/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(a)ヘキサメチレンテレフタルア
    ミド単位80〜20重量%および(b)ヘキサメチレン
    アジパミド単位またはカプロアミド単位20〜80重量
    %を重合してなる結晶性共重合ポリアミド100重量部
    に対して (B)下記式(I)に示されるビニル系モノマーを1種
    以上重合してなり曲げ弾性率が100MPa以上のビニ
    ル系重合体5〜300重量部および (C)次の(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)からな
    る群から選ばれるオレフィン系エラストマ1〜200重
    量部(i)エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンおよび
    /またはビニル系モノマーからなる(イ)未変性エチレ
    ン共重合体 未変性エチレン共重合体に対し0.01〜10重量%の
    不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフト反応させ
    て得た(ロ)変性エチレン共重合体 (ii)共役ジエンと芳香族ビニル系モノマーからな
    る、水添または未水添のブロック共重合体である(ハ)
    未変性オレフィン系ブロック共重合体 未変性オレフィン系ブロック共重合体に対し0.01〜
    10重量%の不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラ
    フト反応させて得た(ニ)変性オレフィン系ブロック共
    重合体 を配合してなるポリアミド樹脂組成物。 【化1】 (ただし式中のR1は水素または低級アルキル基を、R
    2は無置換もしくは低級アルキル基で置換されたフェニ
    ル基、シアノ基または炭素数1〜10個のアルキル基か
    らなるアルキルエステル基を示す。)
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