JP2723956B2 - 耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物

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JP2723956B2 JP1062798A JP6279889A JP2723956B2 JP 2723956 B2 JP2723956 B2 JP 2723956B2 JP 1062798 A JP1062798 A JP 1062798A JP 6279889 A JP6279889 A JP 6279889A JP 2723956 B2 JP2723956 B2 JP 2723956B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関
するものである。更に詳しくは、ABS樹脂、ポリアミド
樹脂および不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフ
トさせる事により変性されたスチレン系共重合体から成
る耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関するもので
あり、自動車、電気、電子機械等の工業材料をはじめと
する広い分野に利用されるものである。
[従来の技術] ABS樹脂とポリアミド樹脂から成る樹脂組成物は公知
であり、特にABS樹脂とポリアミド樹脂のブレンド物
は、それぞれの成分樹脂の短所である耐薬品性と成形品
の寸法安定性が改良できる。しかしながら、この二成分
から成るブレンド組成物は、単純にブレンドしただけで
は樹脂相互の相容性(コンパティビリティー)に乏しい
ため、成形品がいわゆる相剥離するため実用に適さな
い。そこで、このブレンド系に相容化剤を添加する試み
がなされており、特開昭62−164,760がこれに相当す
る。この例では、ポリアミドとポリスチレン系樹脂との
ポリマーブレンド系に、スチレンマクロモノマー、メチ
ルメタアクリレートおよびアクリル酸をラジカル共重合
して得られたグラフトポリマーを添加した。その結果、
グラフトポリマーを添加しない系に比較して、引張り強
伸度、耐衝撃性が向上したことを示している。しかしこ
の例では、ポリアミドとポリスチレンの単純ブレンド物
の耐衝撃強度2.1kg・cm/cmに対し、相容化剤であるグラ
フトポリマーを3部添加した系の耐衝撃強度は最大値4.
3kg・cm/cmであり、このような組成物では自動車内・外
装やOA機器の素材樹脂として十分であるとは言えない。
一方、特開昭62−57,452では、ゴムグラフト樹脂(例
えばABS)とポリアミド樹脂(例えばナイロン−6)、
酸含有アクリル酸エステル共重合体ゴムおよび酸含有ポ
リマーから成る組合せの組成物を得て、その耐衝撃性の
向上割合を調べている。この例では、特に酸含有ポリマ
ー中の無水マレイン酸の共重合割合が、最終組成物の耐
衝撃性に大きく影響することを見い出している。この例
では、ABSとポリアミドおよび酸含有ポリマーのブレン
ド物に対し、これに共重合体ゴムを加えたブレンド物は
約8倍も耐衝撃性が向上した。しかしながらこの例で
は、得られた組成物の耐熱性や成形収縮率等の記載がな
く前記用途に対する実用性において尚十分なものとは言
えない。
[発明が解決しようとする問題点] 近年、ナイロンはその用途拡大に伴い、耐衝撃性の改
良の要求が一段と高まってきている。耐衝撃性は、通
常、アイゾット衝撃強度であらわされ、ナイロン単独の
場合、23℃で数kg・cm/cm〜10kg・cm/cm(ノッチ付き、
絶乾状態で測定)程度であるため、その用途が限定され
ている。
本発明は、ナイロンの耐衝撃性を改良するものであ
る。さらに詳しくは、ABS樹脂、ポリアミド樹脂のブレ
ンド組成物に、耐衝撃性改良剤として不飽和カルボン酸
またはその無水物をグラフトさせる事により変性された
スチレン系共重合体をそれぞれ添加することにより、従
来素材よりも高度な耐衝撃性と耐薬品性および成形物の
寸法安定性等に優れた安価な熱可塑性樹脂組成物を得よ
うとするものである。
[問題を解決するための手段] 本発明は、 (a)ABS樹脂 20〜80重量部 (b)ポリアミド樹脂 20〜80重量部 (c)不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフトさ
せる事により変性されたビニル芳香族化合物重合体ブロ
ックとオレフィン化合物重合体ブロックとからなる共重
合体であって、オレフィン化合物重合体ブロックの不飽
和度が20%を越えない水素化ブロック共重合体(以下、
単にスチレン系共重合体と略記する)5〜30重量部
から成り、(a)+(b)+(c)=100重量部であ
る、耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供しよう
とするものである。以下に本発明をより詳しく説明す
る。
[発明の構成] (ABS樹脂) 本発明において用いられるABS樹脂とは、通常、共役
ジエン系ゴム−芳香族ビニル−シアン化ビニルグラフト
共重合体単独またはこれに芳香族ビニルシアン化ビニル
共重合体を90重量%以下の量で配合してなるものであ
り、乳化・塊状懸濁あるいは連続塊状等どんな重合方法
で製造されたものでも良い。
ここに共役ジエン系ゴム−芳香族ビニル−シアン化ビ
ニルグラフト共重合体とは、共役ジエンを必須成分とし
てなるゴム質重合体に芳香族ビニル化合物とシアン化ビ
ニルとを必須成分としてグラフト重合したグラフト重合
体である。グラフト重合体中の共役ジエン系ゴムとグラ
フト重合用化合物との組成比には特に制限はないが、共
役ジエン系ゴム5〜70重量%およびグラフト重合用化合
物95〜30重量%であることが好ましい。共役ジエン系ゴ
ム成分含有量が5重量部未満になると最終ブレンド組成
物の耐衝撃性が乏しくなり、また、70重量部を越えると
最終組成物の耐熱性が上がらない。さらに、グラフト重
合用化合物における芳香族ビニルとシアン化ビニルとの
組成比も特に制限はないが、芳香族ビニル50〜90重量%
およびシアン化ビニル50〜10重量%であることが好まし
い。
また、芳香族ビニル−シアン化ビニル共重合体におけ
る芳香族ビニルとシアン化ビニルとの組成比には特に制
限はないが、芳香族ビニル55〜85重量%およびシアン化
ビニル45〜15重量%であることが好ましく、極限粘度
(メチルエチルケトン中、30℃で測定)も、0.20〜0.75
の範囲が好ましい。上記のグラフト共重合体または共重
合体中の共役ジエン系ゴムとしては、ポリブタジエンや
ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−
アクリル酸エステル共重合体などのブタジエン系ゴム状
重合体を挙げることができる。また、芳香族ビニルとし
ては、スチレン、ハロゲン化スチレン、ビニルトルエ
ン、ビニルナフタレンなどが例示され、特にスチレンが
良く、シアン化ビニルとしては、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、α−ハロゲン化アクリロニトリルな
どが例示され、特に、アクリロニトリルが良い。なお、
芳香族ビニルやシアン化ビニルの一部を他のビニル化合
物、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、酢酸ビニ
ル、塩化ビニルなど、特に(メタ)アクリル酸エステル
類などに置換したものも好ましい。
(ポリアミド樹脂) 本発明で用いるポリアミド樹脂はジアミンと二塩基酸
の重縮合物、α−アミノカルボン酸の自己縮合物、環状
ラクタムムの開環重合物等であり、具体的な例として
は、ナイロン6,6、ナイロン−6、ナイロン−4,6、ナイ
ロン−6,10、ナイロン−11、ナイロン−12等の脂肪族ポ
リアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリ
ヘキサメチレンイソフタルアミド、ポリテトラメチレン
イソフタルアミド等の脂肪族−芳香族ポリアミド、およ
びこれらの共重合体、混合物が使用できる。これらのう
ち、ナイロン−6、ナイロン−6,6が好適に用いられ、
ナイロン−6が更に好適に用いられる。
使用するポリアミドの相対粘度(96%硫酸中、25℃で
測定)は、1.8〜6.8の範囲のものを使用するのが好まし
い。
上記のポリアミドは周知の製造法により製造されたも
のが使用される。通常は、ジアミンとジカルボン酸の等
モル重縮合反応、アミノカルボン酸の自己縮合反応、ま
たはラクタムの開環重合によって製造できる。
(不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフトさせる
事により変性されたスチレン系共重合体) 本発明で用いる不飽和カルボン酸またはその無水物を
グラフトさせる事により変性されたスチレン系共重合体
は、ビニル芳香族化合物重合体ブロックXとオレフィン
化合物重合体ブロックYとからなる共重合体であって不
飽和度20%を越えない水素化ブロック共重合体エラスト
マーであり、ラジカル開始剤の存在下、カルボン酸また
は酸無水物基を有するα,β−不飽和カルボン酸化合物
とグラフト反応とさせて得られる官能基を含有するスチ
レン系共重合体である。
不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフトさせる
事により変性されたスチレン系共重合体中のスチレン系
共重合体成分は、ビニル芳香族化合物重合体ブロックと
共役ジエン系化合物重合体ブロックとより成るブロック
共重合体の共役ジエン部分を選択的に水素化することに
よって得られるものである。
上記、ビニル芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエ
ン系化合物重合体ブロックとより成るブロック共重合体
は、ビニル芳香族化合物重合体ブロック(X)と
(X′)と共役ジエン系化合物重合体ブロック(Y)
(ただし、XとX′は同じであっても異なってもよ
い。)より成るブロック共重合体で(X−Y)、X−
Y−X′、X−(Y−X−Y−)−X、X−(Y−X
−)−Y、(式中nは1ないし10の整数である。)で
表される線状ブロック共重合体、あるいは一般式[(Y
−X)−]m+2−Z、[(X−Y)−]m+2−Z、
[(Y−X)−Y]m+2−Z、[(X−Y)−X]
m+2−Z、(式中mは、1ないし4の整数であり、Zは
例えば四塩化ケイ素、四塩化スズなどのカップリング剤
の残基または、多官能有機リチウム化合物等の開始剤の
残基を示す。)で表されるラジカルブロック共重合体が
挙がげられる。
ここで用いられるビニル芳香族化合物として代表的な
化合物には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルキ
シレン、エチルビニルキシレン、ビニルナフタレンおよ
びこららの混合物が例示され、また、共役ジエン系化合
物重合体には、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタ
ジエンまたは2,3−ジメチルブタジエンおよびこれらの
混合物が挙げられる。
これらのブロック共重合体の末端ブロックは同じであ
っても異なっていてもよい。
これらのブロック共重合体の数平均分子量は10,000〜
800,000、好ましくは20,000〜500,000である。
また、ブロック共重合体中のビニル芳香族化合物の含
有量は10〜70重量%が好ましく、より好ましくは10〜55
重量%である。本発明で使用するスチレン系共重合体
は、前記ブロック共重合体の共役ジエン部分を選択的に
水素化することによって得られるものであり、例えば、
特公昭42−8704号記載の方法で、前記ブロック共重合体
を水素化することによって、ビニル芳香族化合物ブロッ
クの芳香族二重結合の20%を越えない部分および共役ジ
エン化合物重合体ブロックの脂肪族二重結合の少なくと
も80%が水素添加されているスチレン系共重合体が合成
されている。
本発明でいうブロックYの不飽和度とは、ブロックY
に含まれる炭素−炭素二重結合の割合を意味し、通常20
%を越えない範囲である。これは、核磁気共鳴スペクト
ル(NMR)、赤外線吸収スペクトル(IR)等の機器分
析、ヨード滴定法等の化学分析により測定せれる。
これらのスチレン系共重合体は1種のみならず2種以
上を混合して用いることもできる。
スチレン系共重合体とグラフト反応させるカルボン酸
または酸無水物基を有するα,β−不飽和カルボン酸化
合物の具体例としては、無水マレイン酸、マレイン酸、
無水イタコン酸、フマル酸、無水メチルナジック酸、無
水ジクロロマレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸等が
挙げられる。
そのラジカル発生剤は、公知の有機過酸化物、ジアゾ
化合物類を表し、具体例としては、ベンゾイルパーオキ
サイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロ
パーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、アゾ
ビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。これらのラ
ジカル発生剤は二種以上組み合せて使用することもでき
る。
本発明の不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフ
トさせる事により変性されたスチレン系共重合体の製造
法に関しては、本発明において特に制限しないが、得ら
れた共重合体の溶融粘度が著しく増大して加工性が悪化
したりする製造方法は好ましくない。好ましくは、押出
機中で、ラジカル開始剤の存在下で、スチレン系共重合
体と不飽和カルボン酸または酸無水物とをグラフト反応
させる方法である。
カルボン酸または酸無水物基を有するα,β−不飽和
カルボン酸化合物のスチレン系共重合体への付加量は、
スチレン系共重合体100重量部あたり0.05〜10重量部が
好ましく、さらには0.1〜5重量部が好ましい。付加物
が0.05重量部未満では、不飽和カルボン酸またはその無
水物をグラフトさせる事により変性されたスチレン系共
重合体として効果が少なく、組成物とした場合、十分な
耐衝撃性が得られない。付加量が10重量部を越えても、
それ以下に比べて変性の効果の増加がほとんどみられな
い。
(熱可塑性樹脂組成物) 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、主としてABS樹脂お
よび不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフトさせ
る事により変性されたスチレン系共重合体の三成分から
鳴る樹脂組成物である。これら三成分の混合割合は、重
量比で (a)ABS樹脂 20〜80重量部 (b)ポリアミド樹脂 20〜80重量部 (c)不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフトさ
せる事により変性されたスチレン系共重合体5〜30重量
部 が好ましい。ABS樹脂が20重量部未満では、最終組成物
の耐衝撃性や寸法安定性が十分でなく、80重量部を越え
ると最終組成物の耐薬品性に乏しい。ポリアミド樹脂が
20重量部未満では最終組成物の耐薬品性が十分でなく、
一方80重量部を越えると成形品の寸法安定性が悪い。
次に、本発明で用いられる不飽和カルボン酸またはそ
の無水物をグラフトさせる事により変性されたスチレン
系共重合体の全組成物中の割合は5〜30重量部が望まし
い。5重量部未満では最終組成物のの耐衝撃性が低く、
30重量部を越えると最終組成物の耐熱性が低く、又コス
トも高くなる。
(最終熱可塑性樹脂組成物の製造) 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ABS樹脂、ポリアミ
ド樹脂および不飽和カルボン酸またはその無水物をグラ
フトさせる事により変性されたスチレン系共重合体の三
者を通常のブレンド方法、例えば押出機、ニーダー、ロ
ール等を利用して溶融・混練すれば良い。
好ましい方法は、ヘンシェルミキサー等を用いて粉末
状原料を混合しこれを押出機を用いて加熱・溶融させて
押出し、ペレット状にカットする方法によって得られ
る。
(添加剤等の添加) 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、通常使用されている
各種の添加剤、例えば可塑剤、酸化防止剤、安定剤、無
機充填剤、ガラス繊維等の補強剤、顔料染料等を選択し
て使用することもできる。
これらの添加剤のうちで、特に無機充填剤、ガラス繊
維等の補強剤の充填量において、熱可塑性樹脂組成物10
0重量部に対して190重量部以下に抑える必要がある。こ
れ以上添加すると樹脂表面外観が非常に低下する。
更に、本発明の熱可塑性樹脂組成物に難燃剤を添加す
ることもできる。難燃剤としては、リン酸トリフェニル
等のリン系化合物、またはデカブロモジフェニルオキシ
ド等のハロゲン化合物、Mg(OH)等の金属酸化物が用
いられる。
これら難燃剤の充填量は熱可塑性樹脂組成物100重量
部当たり40重量部以下に抑える必要がある。これ以上添
加すると最終組成物の物性が低下する。
[実施例] 以下に本発明を実施例によって詳しく説明する。例中
の添加割合は、全て重量部である。
実施例1 ABC樹脂(日本合成ゴム(株)製DP−611、AN含有量25
重量%、共役ジエン系ゴム含有量40重量%)を28.5重量
部、ポリアミド樹脂(ユニチカ(株)製ナイロン6、A1
030BRT、数平均分子量25500)を66.5重量部、不飽和カ
ルボン酸またはその無水物をグラフトさせる事により変
性されたスチレン系共重合体(シェル化学(株)製FG19
01X(両末端にポリスチレン(S)相をもち、ゴム中間
相が水素添加型のポリ(エチレン/ブチレン)(EB、水
素添加率的100%)である、ポリスチレン−ポリ(エチ
レン/ブチレン)−ポリスチレン(S−EB−S)型の直
鎖ブロック共重合体を無水マレイン酸で変性したも
の)、ST/ゴム比(重量比)28/72、無水マレイン酸付加
率2重量%)を5重量部含む合計100重量部に対して、
安定剤としてイルガノックス1076を0.2重量部添加して
ヘンシェルミキサーでよく混合した。この樹脂混合物を
大阪精機(株)40mmΦ押出機でペレットにした。押出し
温度240℃である。次いでこのペレットを乾燥し、日精
樹脂工業(株)製射出成型機(TS−100)を用いて、物
性評価用試験片を作成した。
引張強度と伸度は、ASTM D−638、曲げ強度は、ASTM
D−790、アイゾット衝撃強度はASTM D−256(1/4″幅ノ
ッチ付、23℃)、熱変形温度は、ASTM D−648(荷重18.
56kg/cm2)、メルトフローレートは、ASTM D−1238(23
5℃×5kg、275℃×0.325kg)に基づいた試験法を用いて
測定した。
実施例2 ABS樹脂(日本合成ゴム(株)製DP−611)を27重量
部、ポリアミド樹脂(ユニチカ(株)製ナイロン6、A1
030BRT)を63重量部、そして不飽和カルボン酸またはそ
の無水物をグラフトさせる事により編成されたスチレン
系共重合体(シェル化学(株)製FG1901X)を10重量部
以外は、実施例1と同様である。
実施例3 ABS樹脂(日本合成ゴム(株)製DP−611)を24重量
部、ポリアミド樹脂(ユニチカ(株)製ナイロン6、A1
030BRT)を56重量部、そして不飽和カルボン酸またはそ
の無水物をグラフトさせる事により変性されたスチレン
系共重合体(シェル化学(株)製FG1901X)を20重量部
以外は、実施例1と同様である。
実施例4 ABS樹脂(日本合成ゴム(株)製DP−611)を45重量
部、ポリアミド樹脂(ユニチカ(株)製ナイロン6、A1
030BRT)を45重量部、そして不飽和カルボン酸またはそ
の無水物をグラフトさせる事により変性されたスチレン
系共重合体(シェル化学(株)製FG1901X)を10重量部
以外は、実施例1と同様である。
実施例5 ABS樹脂(日本合成ゴム(株)製DP−611)を63重量
部、ポリアミド樹脂(ユニチカ(株)製ナイロン6、A1
030BRT)を27重量部不飽和カルボン酸またはその無水物
をグラフトさせる事により変性されたスチレン系共重合
体(シェル化学(株)製FG190X)を10重量部以外は、実
施例1と同様である。
比較例1 ABS樹脂(日本合成ゴム(株)製DP−611)を30重量
部、ポリアミド樹脂(ユニチカ(株)製ナイロン6、A1
030BRT)を70重量部、そして不飽和カルボン酸またはそ
の無水物をグラフトさせる事により変性されたスチレン
系共重合体を添加しないこと以外は、実施例1と同様で
ある。
比較例2 ABS樹脂(日本合成ゴム(株)製DP−611)を50重量
部、ポリアミド樹脂(ユニチカ(株)製ナイロン6、A1
030BRT)を50重量部以外は、比較例1と同様である。
比較例3 ABS樹脂(日本合成ゴム(株)製DP−611)を70重量
部、ポリアミド樹脂(ユニチカ(株)製ナイロン6、A1
030BRT)を30重量部以外は、比較例1と同様である。
比較例4 ABS樹脂(日本合成ゴム(株)製DP−611)100重量部
を、実施例1と同様の試験法を用いて測定した。
比較例5 ポリアミド樹脂(ユニチカ(株)製ナイロン6、A103
0BRT)100重量部を、実施例1と同様の試験法を用いて
測定した。
実施例6 ポリアミド樹脂としてユニチカ(株)製ナイロン6、
A1050(数平均分子量48000)を用いた以外は、実施例2
と同様の配合処方である。また、押出し温度が270℃で
ある以外は、実施例1と同様の条件である。
実施例7 ポリアミド樹脂としてユニチカ(株)製ナイロン6、
A1050(数平均分子量48000)を用いた以外は、実施例3
と同様である。
実施例8 ポリアミド樹脂としてナイロン6,6(ユニチカ(株)
製A146、数平均分子量25000)を用いた以外は、実施例
2と同様である。
実施例9 ABS樹脂として日本合成ゴム(株)製DP−10(AN26重
量%、共役ジエン系ゴム含有量25重量%)を用いた以外
は、実施例1と同様である。
実施例10 ABS樹脂(日本合成ゴム(株)製DP−10)を用いた以
外は、実施例2と同様である。
実施例11 ABS樹脂(日本合成ゴム(株)製DP−10)を用いた以
外は、実施例3と同様である。
実施例12 ABS樹脂(日本合成ゴム(株)製DP−611)を27重量
部、ポリアミド樹脂(ユニチカ(株)ナイロン6、A103
0BRT)を63重量部、不飽和カルボン酸またはその無水物
をグラフトされる事により変性されたスチレン系共重合
体(シェル化学(株)製FG1901X)を10重量部、そして
ガラス繊維を10重量部以外は、実施例1と同様である。
実施例13 ABS樹脂(日本合成ゴム(株)製DP−611)を27重量
部、ポリアミド樹脂(ユニチカ(株)製ナイロン6、A1
030BRT)を63重量部、不飽和カルボン酸またはその無水
物をグラフトさせる事により変性されたスチレン系共重
合体(シェル化学(株)製FG1901X)を10重量部、そし
てガラス繊維を30重量部以外は、実施例1と同様であ
る。
実施例14 ABS樹脂(日本合成ゴム(株)製DP−611)を27重量
部、ポリアミド樹脂(ユニチカ(株)製ナイロン6、A1
030BRT)を63重量部、不飽和カルボン酸またはその無水
物をグラフトさせる事により変性されたスチレン系共重
合体(シェル化学(株)製FG1901X)を10重量部、そし
て難燃剤としてデカブロモジフェニルオキサイドとSb2O
3とを20重量部以外は、実施例1と同様である。
比較例6 ABS樹脂(日本合成ゴム(株)製DP−611)を29.4重量
部、ポリアミド樹脂(ユニシカ(株)製ナイロン6、A1
030BRT)を86.6重量部、そして不飽和カルボン酸または
その無水物をグラフトさせる事により変性されたスチレ
ン系共重合体(シェル化学(株)製FG1901X)を2重量
部以外は、実施例1と同様である。
比較例7 ABS樹脂(日本合成ゴム(株)製DP−611)を17.5重量
部、ポリアミド樹脂(ユニチカ(株)製ナイロン6、A1
030BRT)を47.5重量部、そして不飽和カルボン酸または
その無水物をグラフトさせる事により変性されたスチレ
ン系共重合体(シェル化学(株)製FG1901X)を35重量
部以外は、実施例1と同様である。
比較例8 ABS樹脂(日本合成ゴム(株)製DP−10)100重量部
を、実施例1と同様の試験法を用いて測定した。
比較例9 ポリアミド樹脂(ユニチカ(株)製ナイロン6、A105
0)100重量部を、実施例1と同様の試験法を用いて測定
した。
以上の各例におけるポリアミド系樹脂組成物の物性試
験の結果を表−1,表−2にまとめて示した。実施例の如
く[ABS/ナイロン]アロイ系に不飽和カルボン酸または
その無水物をグラフトさせる事により変性されたスチレ
ン系共重合体を添加した効果が明白にわかる。
[発明の効果] 本発明の組成物の特徴は、第一に優れた耐衝撃性を有
することである。さらに詳しくは、従来非相容の[ABS/
ナイロン]に対し、衝撃改良剤として働く不飽和カルボ
ン酸またはその無水物をグラフトさせる事により変性さ
れたスチレン系共重合体を添加すると、驚くべきことに
相容化剤としても働き従来よりも耐衝撃性が良い組成物
が得られる。
第二に、ABSに耐薬品性の良好なナイロンを混合する
ので、この組成物は耐薬品性が良好である。
さらに、ナイロンに非吸湿性のABSおよび不飽和カル
ボン酸またはその無水物をグラフトさせる事により変性
されたスチレン系共重合体を多量に混合できるので、ナ
イロンの吸湿性を低減すると共に寸法安定性を向上させ
る効果もある。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ABS樹脂 20〜80重量部 (b)ポリアミド樹脂 20〜80重量部 (c)不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフトさ
    せる事により変性されたビニル芳香族化合物重合体ブロ
    ックとオレフィン化合物重合体ブロックとからなる共重
    合体であって、オレフィン化合物重合体ブロックの不飽
    和度が20%を越えない水素化ブロック共重合体5〜30重
    量部 からなり、(a)+(b)+(c)=100重量部であ
    る、耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物。
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