JP3240780B2 - 内燃機関の燃料供給量制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料供給量制御装置

Info

Publication number
JP3240780B2
JP3240780B2 JP26755493A JP26755493A JP3240780B2 JP 3240780 B2 JP3240780 B2 JP 3240780B2 JP 26755493 A JP26755493 A JP 26755493A JP 26755493 A JP26755493 A JP 26755493A JP 3240780 B2 JP3240780 B2 JP 3240780B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
amount
combustion engine
internal combustion
air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP26755493A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07119515A (ja
Inventor
久代 堂田
勝彦 川合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP26755493A priority Critical patent/JP3240780B2/ja
Publication of JPH07119515A publication Critical patent/JPH07119515A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3240780B2 publication Critical patent/JP3240780B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関内での燃料
の挙動を表すパラメータ(付着率、蒸発率)を用いた燃
料挙動モデルに従って、同内燃機関に噴射供給する燃料
量を制御する内燃機関の燃料供給量制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の制御装置、すなわち内燃
機関への燃料供給量を、その吸気系における燃料の挙動
に基づいて制御する制御装置としては例えば、特開平1
−216042号公報に記載の装置、特開平1−267
332号公報に記載の装置、特開平1−267333号
公報に記載の装置、或いは特開平1−271642号公
報に記載の装置、等々が知られている。これらの制御装
置は何れも、内燃機関の運転条件とその空燃比の目標値
とに基づいて同内燃機関に要求される燃料量を求めると
ともに、内燃機関の吸気管壁面への燃料付着量やその蒸
発量をパラメータとして同内燃機関のシリンダに流入す
る燃料の挙動を数式化した燃料挙動モデルに従って、該
求めた要求燃料量から更に実際に供給すべき燃料量を算
出するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記従来
の制御装置にあっては、内燃機関のシリンダに流入する
燃料の挙動を表すパラメータを用いた燃料挙動モデルに
従って、内燃機関に噴射供給される燃料量が制御される
ことから、それらパラメータの設定さえ適正になされる
ものであれば、その制御される燃料供給量も確かに、当
該内燃機関の空燃比をその理想とされる値に近づけるこ
とのできる適正なものとなる。ただし実情としては、そ
れらパラメータは内燃機関のある運転条件に基づいて予
め固定的に定められるものであることから、例えば燃料
タンクに給油された燃料の性状が当該内燃機関において
標準とされるものと異なったり、また或いは、当該内燃
機関自身に経時的変化等が生じたりした場合には、自ず
とそれらパラメータも燃料挙動モデルに対応し得ないも
のとなり、ひいては上記制御される燃料供給量も適正な
ものとはなり得なくなる。
【0004】なお、近年は、例えば特開平4−2528
33号公報に記載の装置に見られるように、上記パラメ
ータを動的に修正する手段を設けて、燃料性状の違いや
内燃機関の経時的変化等にも動的に対応できるようにし
た制御装置も提案されてはいる。しかし該制御装置は、
それらパラメータを修正するために多くのデータを用
い、それらデータから山登り法によっていわば統計的に
パラメータの修正を行うものであり、パラメータを動的
に修正することができるとはいえ、その応答性には尚、
問題を残す。
【0005】この発明は、こうした実情に鑑みてなされ
たものであり、内燃機関内での燃料の挙動を表すパラメ
ータを用いた燃料挙動モデルに従って同内燃機関に噴射
供給する燃料量を制御するにあたり、それらパラメータ
を内燃機関のその都度の状態に応じて動的に、しかも応
答性よく修正して、同内燃機関への燃料供給量を常に適
正に維持することのできる内燃機関の燃料供給量制御装
置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】こうした目的を達成する
ため、この発明では、図11にクレーム対応図を示すよ
うに、内燃機関への燃料噴射量を操作する燃料噴射弁M
1と、内燃機関の運転条件を示す1乃至複数の要素につ
いてこれを検出する運転条件検出手段M2と、内燃機関
の排気ガスに基づいて同内燃機関の空燃比を検出する空
燃比検出手段M3と、前記検出される運転条件に対応し
て内燃機関の吸気系における燃料の挙動を表すパラメー
タがマップ化されたパラメータマップM4と、前記検出
される運転条件と前記空燃比の目標値とに基づいて当該
内燃機関に要求される燃料量を演算する要求燃料量演算
手段M5と、この演算された要求燃料量と前記検出され
る運転条件に対応して前記パラメータマップから読み出
されるパラメータとに基づき、同パラメータを用いた燃
料の挙動モデルに従って、前記燃料噴射弁M1の操作量
である燃料噴射量を算出する燃料噴射量算出手段M6
と、この算出された燃料噴射量が一次記憶される燃料噴
射量記憶手段M7と、前記検出される運転条件が一次記
憶される運転条件記憶手段M8と、この一次記憶された
過去の運転条件と前記検出された空燃比とに基づき当該
内燃機関に実際に供給された燃料量を算出する実燃料量
算出手段M9と、この算出された実燃料量が一次記憶さ
れる実燃料量記憶手段M10と、同算出された実燃料
量、及びこの実燃料量記憶手段M10に記憶された過去
の実燃料量、及び前記燃料噴射量記憶手段M7に記憶さ
れた過去の燃料噴射量に基づき、前記パラメータマップ
M4にマップ化されているパラメータをリアルタイム修
正するパラメータ修正手段M11と、をそれぞれ具える
内燃機関の燃料供給量制御装置において、前記検出され
る運転条件は、内燃機関に吸入される空気の空気圧、及
び同内燃機関の回転数、及び同内燃機関の温度であり、
これら検出される要素に対応して前記パラメータマップ
にマップ化されているパラメータは、内燃機関の吸気系
壁面に付着される燃料の付着率、及び同燃料の蒸発率で
あり、前記運転条件記憶手段M8に一次記憶される運転
条件は、前記検出される吸入空気の空気圧及び回転数に
基づき演算される当該内燃機関の空気量であることを特
徴とする。
【0007】
【作用】上記燃料噴射弁M1、運転条件検出手段M2、
パラメータマップM4、要求燃料量演算手段M5、及び
燃料噴射量算出手段M6を通じて実行される燃料供給量
の制御手法、すなわち内燃機関内での燃料の挙動を表す
パラメータを用いた燃料挙動モデルに従って同内燃機関
に噴射供給する燃料量を制御する手法自体は基本的に、
前述した従来の制御装置による燃料供給量制御と変わる
ところはない。
【0008】ここでは上記のように、パラメータ修正手
段M11を通じてパラメータマップM4にマップ化され
ているパラメータを動的に修正する。しかもここでは、
この修正を、上記燃料噴射量記憶手段M7に一次記憶さ
れている過去の燃料噴射量(過去に燃料噴射弁M1を通
じて噴射供給された燃料量)、上記実燃料量算出手段M
9を通じて算出された現在の実燃料量(例えば、空燃比
検出手段M3を通じて検出される現在の空燃比の逆数に
運転条件記憶手段M8に記憶されている過去の運転条件
を掛けた値として表される)、及び上記実燃料量記憶手
段M10に記憶されている同実燃料量についての過去の
値に基づいて、リアルタイムにて実行する。
【0009】因みに、これら過去の燃料噴射量、現在並
びに過去の実燃料量とは、燃料量を制御する系に例えば
次数1の自己回帰モデルを採用し、これに適宜のむだ時
間を設定したときに与えられる何れも既知の値である。
そして、そのときの未知数として、上記燃料の挙動を表
すパラメータが導入されることとなる。したがって、こ
れら既知の値である過去の燃料噴射量、並びに現在、過
去の実燃料量を用い、例えば逐次最小2乗法によって該
パラメータを求めるようにすれば、それら求められるパ
ラメータも、当該内燃機関のその時々の状態に応じた最
も相応しい燃料挙動変数として、リアルタイム算出され
るようになる。そして、上記パラメータマップM4は、
こうして算出されるパラメータによって、それぞれその
該当する部分が上書き修正されることとなる。
【0010】このため、上記パラメータを用いた燃料挙
動モデルに従って同内燃機関に噴射供給する燃料量を制
御するにしろ、該制御には、当該内燃機関のその時々の
状態に応じて迅速且つ的確に修正された最新のパラメー
タが利用されることとなり、その制御される燃料供給量
も自ずと適正なものに維持されるようになる。
【0011】また、上記パラメータの算出に用いられる
過去の燃料噴射量並びに現在、過去の実燃料量といった
値は、その何れもが、その時々の制御(制御回数)に応
じてそれぞれ1つの値が特定される、それ自体が上記リ
アルタイムでのパラメータの算出、修正に利用されるに
好適なデータである。したがって、上記構成によってパ
ラメータの修正を行うようにすれば、同修正すべきパラ
メータを求めるのに、前述した統計的な手法を用いる必
要もなければ、そのための多くのデータを貯えておく必
要もない。
【0012】なお、上記運転条件検出手段M2を通じて
検出される運転条件としては、当該内燃機関に吸入され
る空気の空気圧、及び同内燃機関の回転数、及び同内燃
機関の温度等があり、これら検出される運転条件に対応
して上記パラメータマップM4にマップ化されるパラメ
ータとしては、同内燃機関の吸気系壁面に付着される燃
料の付着率や同燃料の蒸発率がある。
【0013】また、運転条件として上記空気圧や回転数
が検出される場合、これに基づいて当該内燃機関へ吸入
される空気量を求めることも容易であり、上記の例のよ
うに、空燃比検出手段M3を通じて検出される現在の空
燃比の逆数に運転条件記憶手段M8に記憶されている過
去の運転条件を掛けた値として実燃料量を算出する場合
には、同記運転条件記憶手段M8に一次記憶する運転条
件としても、この求められる空気量を採用することが望
ましい。
【0014】
【実施例】図1に、この発明にかかる燃料供給量制御装
置の一実施例として、車両に搭載される内燃機関(エン
ジン)及びその電子制御装置の概略構成を示す。
【0015】まず、図1を参照して、この実施例におい
て制御対象とするエンジン及びその電子制御装置の構成
を説明する。例えば、4気筒4サイクルの火花点式のも
のを想定しているエンジン1において、その吸入空気
は、同図1に示されるように、エアクリーナ2から吸気
管3を通り、サージタンク4、インテークマニホールド
5を介して各気筒に吸入される。一方、燃料は、図示し
ない燃料タンクより圧送されて、上記インテークマニホ
ールド5に設けられた燃料噴射弁6から、同エンジン1
の各吸気ポートに向けて噴射供給される。エンジン1の
シリンダ内で燃焼したガスは、排気管7を通して触媒コ
ンバータ8に導入され、ここで同燃焼ガス中の有害成分
(CO,HC,NOx)が三元触媒により清浄化されて
排出される。
【0016】また、上記吸気管3に吸入された空気は、
アクセルペダルと連動するスロットルバルブ9によって
その流量が制御されるようになる。このスロットルバル
ブ9の開度はスロットル開度センサ10によって検出さ
れる。また、この吸気管3の管内圧力Pmは、上記サー
ジタンク4内に設けられた吸気圧センサ11によって検
出される。
【0017】エンジン1の回転数Neは、同エンジン1
のクランク軸近傍に配設された回転数センサ(クランク
角センサ)12によって検出される。この回転数センサ
12は、エンジン1のクランク軸と同期して回転するリ
ングギヤに対向して設けられるもので、ここでは例え
ば、エンジン1の2回転(720度)毎に24発のパル
ス信号を出力するものとする。
【0018】また、エンジン1の本体周囲に設けられた
ウォータジャケットに充填されている冷却水の水温TW
は、水温センサ13によって検出される。該水温センサ
13としては通常サーミスタが用いられ、水温TWの変
化をこのサーミスタの抵抗値の変化として検出する。
【0019】また、上記排気管7中、触媒コンバータ8
の上流部分には、当該部分における排気ガスの現実の未
燃焼酸素濃度を検出し、これを空燃比検出信号A/Fと
して出力する空燃比センサ14が配設されている。因み
に、該空燃比センサ14から出力される空燃比検出信号
A/Fはかかる場合、エンジン1に供給される混合気の
現実の空燃比に対してリニアな値をとる。
【0020】他方、電子制御装置20は、周知のセント
ラル・プロセッシング・ユニット(CPU)21、リー
ド・オンリー・メモリ(ROM)22、ランダム・アク
セス・メモリ(RAM)23、バックアップRAM24
等を中心とした算術論理演算回路として構成される。該
算術論理演算回路は、上記各センサからの信号入力や、
各アクチュエータへの制御信号出力を行なう入出力ポー
ト(I/Oポート)25とバスを介して相互に接続され
ている。そして該電子制御装置20では、入出力ポート
25を介して、上述したスロットル開度をはじめ、吸気
管内圧力Pm、回転数Ne、冷却水温TW、空燃比A/
F、等々のセンサ信号を入力するとともに、これらセン
サ信号に基づいて燃料噴射量TAUなどを算出し、該算
出した燃料噴射量TAUに基づいて上記燃料噴射弁6の
駆動を制御する、などの処理を同入出力ポート24を介
して実行する。
【0021】図2乃至図6は、同電子制御装置20の、
この実施例にかかる燃料供給量制御装置としての構成を
機能的、且つ具体的に示したものであり、以下、これら
図2乃至図6を参照して、該燃料供給量制御装置の構
成、並びにその機能を更に詳述する。
【0022】この実施例の装置では、上記エンジン1の
吸気系での燃料の挙動を表すパラメータとして、 ・上記インテークマニホールド5の壁面に付着する燃料
の付着率x、 ・同インテークマニホールド5の壁面に付着した燃料の
うち、次の制御サイクルでシリンダ内に吸入される燃料
の比率、すなわち蒸発率1/τ、 といった2つのパラメータを用い、これらのパラメータ
を用いた燃料挙動モデルに従って、同エンジン1に噴射
供給する燃料量を制御する。そしてここでは、このよう
な燃料挙動モデルとして、図2に示すようなモデルを設
定する。因みに、この図2に示す燃料挙動モデルとは、
次のようにして導かれたものである。
【0023】すなわち、C.F.アキノの式によれば、
上記インテークマニホールド5に付着する燃料量は、こ
れをMf(i)として、
【0024】
【数1】
【0025】として与えられ、またエンジン1のシリン
ダに供給される燃料量は、これをGfc(i)とする
と、
【0026】
【数2】
【0027】として与えられる。これら式において、i
は最初のサンプリング開始からの制御回数を示す変数で
ある。ここで、入力をGf、出力をGfcとして、伝達
関数を求めると次のようになる。
【0028】まず、(1)式を離散系に変換(Z変換)
して、次の(3)式を得る。
【0029】
【数3】
【0030】同様に、(2)式を離散系に変換(Z変
換)して、次の(4)式を得る。
【0031】
【数4】
【0032】したがって、これら(3)式及び(4)式
より、
【0033】
【数5】
【0034】が得られ、ここで求める伝達関数は、
【0035】
【数6】
【0036】となる。こうして求められた伝達関数が、
図2に示す挙動モデルにおいて採用されている。図3
は、こうして設定した燃料挙動モデルを前提として、上
記吸気圧センサ11を通じて検出される吸気管内圧力
(すなわち吸気圧)Pm、回転数センサ12を通じて検
出されるエンジン回転数Ne、水温センサ13を通じて
検出される冷却水温TW、及び空燃比センサ14を通じ
て検出される空燃比A/Fに基づき、上記燃料噴射弁6
の操作量を決定する電子制御装置20の機能的且つ具体
的な構成例を示したものである。
【0037】すなわち、この図3として示される電子制
御装置20において、蒸発率1/τベースマップ(τBa
seマップ)201は、上述した2つのパラメータのうち
の蒸発率1/τについて、エンジン回転数Neと吸気圧
Pmとに対応した値(1/τ)が登録されたマップであ
り、また付着率xベースマップ(xBaseマップ)202
は、同2つのパラメータのうちの付着率xについて、同
様にエンジン回転数Neと吸気圧Pmとに対応した値
(x)が登録されたマップである。これらマップは何れ
も、前述したバックアップRAM24内に構築されてお
り、その内容はそれぞれ、図4或いは図6に示されるも
のとなっている。
【0038】因みに、τBaseマップ201は、図4に示
されるように、エンジン回転数Neと吸気圧Pmとによ
って定まるエンジン1の運転領域[A]、[B]、
[C]、及び[D]毎に、順次その値が大きくなる蒸発
率1/τが登録されており、その都度のエンジン回転数
Neと吸気圧Pmとによって定まる運転領域に登録され
ている蒸発率1/τの値が該τBaseマップ201から読
み出されるようになる。
【0039】なお、この蒸発率1/τは、エンジン1の
温度(冷却水温TW)に大きく影響されるパラメータで
あり、また通常、エンジン1の低温時にはより多くの燃
料を同エンジン1に対して供給する必要があることか
ら、この実施例の制御装置では、上記水温センサ13に
よって検出される冷却水温TWに基づき、温度補正テー
ブル211を通じて、この読み出される蒸発率1/τの
値を補正するようにしている。図5に、この温度補正テ
ーブル211の設定例を示す。
【0040】この図5に示されるように、温度補正テー
ブル211には、燃料の殆どが蒸発する水温TW=80
℃以上において値「1」となり、該水温TW=80℃未
満では、水温TWが低くなるにつれて徐々に大きな値と
る態様で、その温度補正係数KTHWが設定されている。
そして、上記τBaseマップ201では、この温度補正テ
ーブル211から水温TWに応じて読み出される温度補
正係数KTHWの値に基づき、上記読み出される蒸発率1
/τの値を、
【0041】
【数7】
【0042】として補正する。ここで、(1/τB )
は、同τBaseマップ201から読み出された蒸発率1/
τの値τBaseを、上記温度補正係数KTHWに基づいて補
正した値である。
【0043】他方、xBaseマップ202は、図6に示さ
れるように、エンジン回転数Neと吸気圧Pmとによっ
て定まるエンジン1の運転領域[a]、[b]、及び
[c]毎に、順次その値が小さくなる付着率xが登録さ
れており、その都度のエンジン回転数Neと吸気圧Pm
とによって定まる運転領域に登録されている付着率xの
値が
【0044】
【数8】
【0045】として、該xBaseマップ202から読み出
されるようになる。ここで、xB は、同xBaseマップ2
02から読み出された付着率xBaseの値である。また、
図3に示される電子制御装置20において、空気量演算
部203は、エンジン1の運転条件として、その吸入さ
れる空気量Gaを、上記エンジン回転数Neと吸気圧P
mとに基づき、
【0046】
【数9】
【0047】として演算する部分であり、また要求燃料
量演算部204は、この演算された空気量Gaの値と目
標空燃比A/Fの値とに基づき、エンジン1のその都度
の状態において要求される燃料量G’fcを、
【0048】
【数10】
【0049】として演算する部分である。なお、これら
演算部203及び204については、前記ROM22を
用いたルックアップテーブルとしてこれを実現すること
も可能である。
【0050】そして、同電子制御装置20において、燃
料噴射量算出部205は、上記演算された要求燃料量
G’fcに、図2に示した燃料挙動モデルの逆系の伝達
関数を乗じて、
【0051】
【数11】
【0052】として、エンジン1に供給すべき燃料量G
fを演算する部分である。この乗じられる伝達関数にお
ける蒸発率1/τ、及び付着率xの値はそれぞれ、上述
したτBaseマップ201から読み出される値(1/τB
)、及びxBaseマップ202から読み出される値xB
が用いられる。こうして算出された燃料量Gfは、同電
子制御装置20内において所定の単位変換係数kが乗じ
られ、
【0053】
【数12】
【0054】として燃料噴射弁6の操作量(燃料噴射
量)TAUに変換される。この変換された操作量TAU
が、同電子制御装置20の入出力ポート25を介して燃
料噴射弁6に印加され、その駆動を制御するようになる
ことは前述した通りである。
【0055】一方、同図3に示される電子制御装置20
において、燃料噴射量記憶部206は、上記算出された
燃料量Gfを複数制御回数分(正確にはGf(i−4)
までの最大4回前までの分)記憶する部分であり、空気
量記憶部207は、先の空気量演算部203を通じて演
算された空気量Gaをこれも複数制御回数分(正確には
Ga(i−3)までの最大3回前までの分)記憶する部
分である。また、実燃料量算出部208は、この空気量
記憶部207に記憶されている3回前の空気量Ga(i
−3)と前記空燃比センサ14を通じて検出されるその
都度の空燃比A/F(i)とに基づき、
【0056】
【数13】
【0057】といった態様で、エンジン1に実際に供給
されている燃料量Gfc(i)を算出する部分であり、
実燃料量記憶部209は、こうして算出された実燃料量
Gfc(i)を記憶し、これをGfc(i−1)とし
て、次回の制御サイクルに、パラメータ修正部210に
対し読み出す部分である。なお、これら各記憶部20
6、207、及び209は、前記RAM23によって実
現されている。
【0058】パラメータ修正部210は、上記燃料噴射
量記憶部206に記憶されている過去の燃料量Gf(i
−3)及びGf(i−4)、実燃料量記憶部209に記
憶されている過去の実燃料量Gfc(i−1)、そして
上記実燃料量算出部208を通じて算出された現在の実
燃料量Gfc(i)に基づいて、τBaseマップ201及
びxBaseマップ202に登録されている上述した各パラ
メータをリアルタイムにて修正する部分である。すなわ
ち、パラメータ修正部210は、これら各燃料量に基づ
いて前記蒸発率1/τ及び付着率xを推定すべく、予め
次の手法で設計されている。 (1)制御対象のモデリング(同定) この実施例の装置では、燃料供給量を制御する系を、次
数1の自己回帰モデルにおいてむだ時間による遅れpを
p=3とし、更に前述したアキノの式における蒸発率1
/τ及び付着率xから求まるエンジン1のシリンダに入
る燃料量、すなわち実燃料量をGfc(i)として、
【0059】
【数14】
【0060】のように近似する。なおここで、Gfは、
上記燃料噴射量算出部205を通じて算出される燃料噴
射量である。また、ここでは便宜上、
【0061】
【数15】
【0062】とおき、上記(14)式のモデル式につい
てもこれを、
【0063】
【数16】
【0064】として扱うものとする。 (2)モデル定数a,bのリアルタイム算出(適応同
定) 上記(16)式を既知信号と未知信号とに分離すると次
式となる。
【0065】
【数17】
【0066】ここで、該(17)式右辺の第2項を左辺
に移項し、これを改めてY(i)とすると、すなわち
【0067】
【数18】
【0068】とおくと、上記(17)式は、
【0069】
【数19】
【0070】となる。そしてここでは、未知数であるa
及びbを逐次最小2乗法によって求める。すなわち、Θ
をパラメータベクトル、またWを測定値ベクトルとし
て、
【0071】
【数20】
【0072】とおいたとき、
【0073】
【数21】
【0074】であれば、i→∞の条件で
【0075】
【数22】
【0076】が保証されるようになる。このため、上記
(21)式のアルゴリズムを用いることで、未知数であ
るモデル定数a,bが求まることとなる。そこでここで
も、同(21)式をリアルタイムにて実行し、その求ま
る値を便宜上、ここで求めるモデル定数とする。ただし
この(21)式において、Γは、
【0077】
【数23】
【0078】であって、
【0079】
【数24】
【0080】を初期値とする2×2の対称行列である。
こうしてモデル定数a,bを求めたパラメータ修正部2
10は、τBaseマップ201及びxBaseマップ202に
登録されている前述した各パラメータを修正すべく、更
に以下の処理を実行する。
【0081】まず、これら求めたモデル定数a及びb
を、前記蒸発率1/τ及び付着率xに戻す。これには、
先の(15)式での置換に基づき、
【0082】
【数25】
【0083】を実行する。この(25)式の実行によっ
て、現在推定される蒸発率1/τ及び付着率xがこれも
リアルタイムで得られるようになる。一方、パラメータ
修正部210では、前述したその都度のエンジン回転数
Neと吸気圧Pmとに基づいて、τBaseマップ201か
らは、図4に示した運転領域[A]、[B]、[C]、
及び[D]の何れか該当する領域における蒸発率1/τ
の値τBaseを、またxBaseマップ202からは、図6に
示した運転領域[a]、[b]、及び[c]の何れか該
当する領域における付着率xの値xBaseをそれぞれ検索
し、それら検索値と上記推定によって得られた蒸発率1
/τ及び付着率xとの差の比率を求める。
【0084】すなわち、蒸発率に関しては、前述した温
度補正係数KTHWを考慮して、
【0085】
【数26】
【0086】として、その差の比率をKτB を求め、他
方の付着率に関しては、
【0087】
【数27】
【0088】として、その差の比率をKxB を求める。
そしてその後、同パラメータ修正部210は、τBaseマ
ップ201及びxBaseマップ202の上述した全ての運
転領域について、これら求めた比率KτB 及びKxB に
よるパラメータの更新を行う。
【0089】すなわち、τBaseマップ201について
は、その全ての運転領域にある蒸発率1/τの値τBase
について、各々これを
【0090】
【数28】
【0091】として更新(修正)し、他方のxBaseマッ
プ202についても、その全ての運転領域にある付着率
xの値xBaseについて、各々これを
【0092】
【数29】
【0093】として更新(修正)する。こうした更新
(修正)によって、これらτBaseマップ201及びxBa
seマップ202には、該実施例の装置において燃料供給
量の制御を行う系としてのその時々の状態に応じた最適
のパラメータが保持されるようになる。
【0094】図7〜図10は、上記電子制御装置20が
エンジン1への燃料供給量を制御する上で実際に行う処
理、並びに上記蒸発率1/τベースマップ(τBaseマッ
プ)201及び付着率xベースマップ(xBaseマップ)
202を自動修正する処理についてその一連の処理手順
を示したものであり、以下、これら図7〜図10を併せ
参照して、該実施例の制御装置の動作を更に詳述する。
【0095】図7は、この実施例の制御装置において、
電子制御装置20が前記燃料噴射弁6を制御する上で実
行する燃料噴射量の算出ルーチンを示すフローチャート
である。電子制御装置20は、該燃料噴射量の算出に際
して、同図7に示されるルーチンを実行する。
【0096】すなわち、電子制御装置20はまず、前記
入出力ポート25を介して、回転数センサ12の検出出
力であるエンジン回転数Ne、吸気圧センサ11の検出
出力である吸気管内圧力(吸気圧)Pm、及び水温セン
サ13の検出出力である冷却水温TWをそれぞれ取り込
み(ステップ100)、上記τBaseマップ201及びx
Baseマップ202から、これら取り込んだ情報に対応す
る運転領域にあるパラメータ、すなわち蒸発率(1/τ
B )及び付着率xB をそれぞれ検索する(ステップ11
0)。この検索は、それらτBaseマップ201及びxBa
seマップ202のその都度の最新のものに基づいて行わ
れる。また特に、蒸発率(1/τB )の検索に際して、
図5に例示した温度補正テーブル211が参照されるよ
うになることは上述した通りである。
【0097】こうして、蒸発率(1/τB )及び付着率
xB の各該当するパラメータを検索した電子制御装置2
0は次に、空気量演算部203を通じて求められ且つ空
気量記憶部207に記憶されている前回の空気量演算値
Ga(i−1)と目標空燃比A/Fの値とに基づき、要
求燃料量演算部204を通じて先の(10)式の演算を
実行して、今回要求されている基本の燃料量G’fc
(i)を算出する(ステップ120)。そして、電子制
御装置20は更に、この算出した要求燃料量G’fc
(i)に図2に示した燃料挙動モデルの逆系の伝達関数
を乗じる先の(11)式の演算を燃料噴射量算出部20
5を通じて実行して、エンジン1に供給すべき燃料量G
f(i)を算出する(ステップ130)。この乗じられ
る伝達関数における蒸発率1/τ、及び付着率xの値と
して、それぞれ上記検索された蒸発率(1/τB )及び
付着率xB が用いられることも上述した。
【0098】この算出された燃料量Gf(i)はその
後、(12)式として上述したように、電子制御装置2
0内において所定の単位変換係数kが乗じられて燃料噴
射弁6の操作量(燃料噴射量)TAUに変換される(ス
テップ140)。この変換された操作量TAUは、同電
子制御装置20の前記入出力ポート25を介して燃料噴
射弁6に印加され、その駆動を制御するようになる。
【0099】こうして、当該制御サイクルにおける操作
量(燃料噴射量)TAUを算出出力した電子制御装置2
0は、その後、上述した実燃料量記憶部209、燃料噴
射量記憶部206、及び空気量記憶部207の各記憶内
容を更新する。
【0100】すなわち、実燃料量記憶部209について
は、その記憶要素である実燃料量Gfcを
【0101】
【数30】
【0102】として更新し(ステップ150)、燃料噴
射量記憶部206については、その記憶要素である燃料
噴射量Gfを
【0103】
【数31】
【0104】として更新し(ステップ160)、空気量
記憶部207については、その記憶要素である空気量G
aを
【0105】
【数32】
【0106】として更新する(ステップ170)。図8
は、同実施例の制御装置において、電子制御装置20
が、例えば上述した燃料噴射量の算出ルーチンと並行し
て、若しくは別の時間帯に実行するとする上記τBaseマ
ップ201及びxBaseマップ202の自動修正にかかる
処理手順を示すフローチャートである。電子制御装置2
0は、これらマップ201及び202に登録されている
パラメータすなわち蒸発率1/τ及び付着率xを修正す
るに際し、前述したパラメータ修正部210を通じて、
同図8に示される修正ルーチンを実行する。
【0107】すなわち、電子制御装置20はまず、前記
入出力ポート25を介して、空燃比センサ14の検出出
力である空燃比A/Fを取り込み(ステップ200)、
且つ上記空気量記憶部207から3回前(3サイクル
前)の空気量Ga(i−3)を読み込み(ステップ21
0)、実燃料量算出部208を通じて先の(13)式の
演算を実行して、そのとき実際にエンジン1のシリンダ
に供給されている燃料量すなわち実燃料量Gfc(i)
を算出する(ステップ220)。
【0108】電子制御装置20は次に、先と同様、回転
数センサ12の検出出力であるエンジン回転数Ne及び
吸気圧センサ11の検出出力である吸気管内圧力(吸気
圧)Pmを入出力ポート25を介してそれぞれ取り込ん
だ後(ステップ230)、先の(18)式の置換(ステ
ップ240)、及び先の(15)式の置換(ステップ2
50、ステップ260)を前提として、前記モデル定数
a,bの算出を開始する(ステップ270)。このモデ
ル定数の算出ルーチンを図9に示す。
【0109】すなわち、電子制御装置20は、このモデ
ル定数の算出に際してまず、実燃料量記憶部209に記
憶されている実燃料量Gfc(i−1)の値、及び燃料
噴射量記憶部206に記憶されている燃料噴射量Gf
(i−3),Gf(i−4)の各値を読み込んだ後、測
定値ベクトルとパラメータベクトルとを先の(20)式
の如く定め(ステップ271、及びステップ272)、
これに先の(23)式、及び(24)式に示した2×2
の対称行列Γを導入して(ステップ273)、先の(2
1)式を実行する(ステップ274)。そして、この結
果得られたモデル定数a及びbを、図8に示すパラメー
タ修正ルーチンに返す。
【0110】こうしてモデル定数a,bを求めた電子制
御装置20は次いで、図8のパラメータ修正ルーチンに
おいて、先の(25)式に基づき、上記求めたモデル定
数a及びbを蒸発率1/τ及び付着率xに戻し(ステッ
プ280)、該得られた蒸発率1/τ及び付着率xに基
づいて更に、上記各ベースマップ、すなわちτBaseマッ
プ201及びxBaseマップ202の更新を開始する(ス
テップ290)。これらベースマップの更新ルーチンを
図10に示す。
【0111】これらベースマップの更新に際して、電子
制御装置20はまず、上記取り込んだエンジン回転数N
eと吸気圧Pmと(図8ステップ230)に基づいて、
上記τBaseマップ201からは、図4に示した運転領域
の該当する領域における蒸発率1/τの値τBaseを、ま
た上記xBaseマップ202からは、同じく図6に示した
運転領域の該当する領域における付着率xの値xBaseを
それぞれ検索し(ステップ291)、それら検索値と上
記推定によって得られた蒸発率1/τ及び付着率xとの
差の比率KτB 及びKxB を、それぞれ先の(26)式
及び(27)式に基づいて求める(ステップ292)。
【0112】そして、同電子制御装置20はその後、τ
Baseマップ201及びxBaseマップ202の上述した全
ての運転領域について、先の(28)及び(29)式の
如く、これら求めた比率KτB 及びKxB によるパラメ
ータの更新を実行する(ステップ293)。こうした更
新(修正)によって、これらτBaseマップ201及びx
Baseマップ202には、該実施例の装置において燃料供
給量の制御を行う系としてのその時々の状態に応じた最
適のパラメータが保持されるようになることは前述した
通りである。
【0113】このように、この実施例の制御装置によれ
ば、パラメータ修正部210を通じて、ベースマップ
(τBaseマップ及びxBaseマップ)201及び202に
登録されているパラメータ(蒸発率1/τ及び付着率
x)が、例えば給油される燃料の性状の違いやエンジン
1の経時的変化等に応じて動的に修正されるようにな
る。しかも同実施例では、このパラメータの修正が、燃
料噴射量記憶部206に一次記憶されている過去の燃料
噴射量Gf(i−3),Gf(i−4)、実燃料量算出
部208を通じて算出された現在の実燃料量Gfc
(i)、及び実燃料量記憶部209に記憶されている同
実燃料量についての過去の値Gfc(i−1)に基づい
て、リアルタイムにて実行される。
【0114】このため、上記パラメータを用いた燃料挙
動モデルに従ってエンジン1に噴射供給する燃料量を制
御するにしろ、該制御には、当該エンジンのその時々の
状態に応じて迅速且つ的確に修正された最新のパラメー
タが利用されることとなり、その制御される燃料供給量
も自ずと適正なものに維持されるようになる。
【0115】また、上記パラメータの算出に用いられる
過去の燃料噴射量並びに現在、過去の実燃料量といった
値は、その何れもが、その時々の制御(制御回数)に応
じてそれぞれ1つの値が特定される、それ自体が上記リ
アルタイムでのパラメータの算出、修正に利用されるに
好適なデータである。したがって、上記構成によってパ
ラメータの修正を行うようにすれば、同修正すべきパラ
メータを求めるために多くのデータを貯えておく必要は
なく、先の(30)、(31)、及び(32)式を通じ
て更新処理されるような限られた非常に少ないデータを
貯えておくことで十分となる。
【0116】なお、この実施例の装置では、上記パラメ
ータの修正ルーチン(図8)を通じて、そのときのモデ
ル定数a,b(蒸発率1/τ、付着率x)が求まれば、
それによってベースマップ(τBaseマップ、xBaseマッ
プ)の更新も併せ実行される構成としているが、他に例
えば、上記求まるモデル定数a,b(蒸発率1/τ、付
着率x)の変動を監視し、その変動量が所定量よりも大
きいときにのみ、上記ベースマップの更新が実行される
構成とすることもできる。すなわちこの場合、給油され
る燃料の性状の違いやエンジンの経時的変化等があった
としても、それら性状の違いや経時的変化等が燃料供給
量の制御に影響を及ぼさない程度に些細なものであると
きには、上記ベースマップの更新は抑制される。
【0117】また、このパラメータ修正ルーチンであ
れ、先の燃料噴射量算出ルーチン(図7)であれ、各種
センサデータの取り込み時期は任意であり、それが用い
られる以前でさえあれば、如何なる時期であってもよ
い。
【0118】また、同実施例の装置では、これらパラメ
ータ修正ルーチンと燃料噴射量算出ルーチンとを、例え
ば並行して、または別の時間帯に実行される各別のルー
チンとして扱っているが、これら2つのルーチンは、1
つの連続したルーチンとして扱うことも勿論可能であ
る。
【0119】また、上記実施例の装置では、図2に示し
たような蒸発率1/τ及び付着率xをパラメータとした
燃料挙動モデルを前提として、その適正な燃料量を供給
制御する装置について示したが、この発明にかかる燃料
供給量制御装置において前提とする燃料挙動モデルが、
必ずしもこのようなモデルに限られるものでないことも
勿論である。他に例えば、燃料噴射弁の噴霧状態や燃料
の性状等をも含めてモデル化したような種々の燃料挙動
モデルについても、上記に準じた態様で、この燃料供給
量制御装置を適用することができ且つ、上述と同等の効
果を期待することができる。またその場合、運転条件検
出データとして取り込むべきデータも、上述したエンジ
ン回転数Neや吸気圧Pm、冷却水温TWには限られな
い。
【0120】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、内燃機関の吸気系における燃料の挙動を表すパラメ
ータを用いた燃料挙動モデルに従って同内燃機関に噴射
供給する燃料量を制御するにあたり、当該内燃機関のそ
の時々の状態に応じて迅速且つ的確に修正された最新の
パラメータが用いられるようになり、その制御される燃
料供給量も自ずと適正なものに維持されるようになる。
【0121】またこの発明によれば、過去の燃料噴射量
並びに現在、過去の実燃料量といった値に基づいて上記
修正すべきパラメータの算出を行うようにしたことか
ら、同パラメータを求めるのに、従来のような統計的な
手法を用いる必要もなければ、そのための多くのデータ
を貯えておく必要もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる内燃機関の燃料供給量制御装
置の一実施例構成を示すブロック図である。
【図2】同実施例の制御装置に採用される燃料の挙動モ
デルを示すブロック図である。
【図3】同実施例の制御装置の電子制御装置についてそ
の機能的且つ具体的な構成例を示すブロック図である。
【図4】図3に示される蒸発率1/τベースマップ(τ
Baseマップ)についてその一具体例を示すグラフであ
る。
【図5】図3に示される温度補正テーブルについてその
一具体例を示すグラフである。
【図6】図3に示される付着率xベースマップ(xBase
マップ)についてその一具体例を示すグラフである。
【図7】同実施例の制御装置による燃料噴射量の算出手
順を示すフローチャートである。
【図8】同実施例の制御装置による1/τ(蒸発率)及
びx(付着率)の修正手順を示すフローチャートであ
る。
【図9】同実施例の制御装置によるモデル定数の算出手
順を示すフローチャートである。
【図10】同実施例の制御装置によるベースマップの更
新手順を示すフローチャートである。
【図11】クレーム対応図である。
【符号の説明】
1…エンジン、2…エアクリーナ、3…吸気管、4…サ
ージタンク、5…インテークマニホールド、6…燃料噴
射弁、7…排気管、8…触媒コンバータ、9…スロット
ルバルブ、10…スロットル開度センサ、11…吸気圧
センサ、12…回転数センサ、13…水温センサ、14
…空燃比センサ、20…電子制御装置、21…CPU、
22…ROM、23…RAM、24…バックアップRA
M、25…入出力ポート、201…蒸発率1/τベース
マップ(τBaseマップ)、202…付着率xベースマッ
プ(xBaseマップ)、203…空気量演算部、204…
要求燃料量演算部、205…燃料噴射量演算部、206
…燃料噴射量記憶部、207…空気量記憶部、208…
実燃料量算出部、209…実燃料量記憶部、210…パ
ラメータ修正部、211…温度補正テーブル。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−252833(JP,A) 特開 平1−216024(JP,A) 特開 平1−267332(JP,A) 特開 平1−267333(JP,A) 特開 平1−271642(JP,A) 特開 平4−36032(JP,A) 特開 昭59−65537(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/00 - 45/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関への燃料噴射量を操作する燃料
    噴射弁と、内燃機関の運転条件を示す1乃至複数の要素
    についてこれを検出する運転条件検出手段と、内燃機関
    の排気ガスに基づいて同内燃機関の空燃比を検出する空
    燃比検出手段と、前記検出される運転条件に対応して内
    燃機関の吸気系における燃料の挙動を表すパラメータが
    マップ化されたパラメータマップと、前記検出される運
    転条件と前記空燃比の目標値とに基づいて当該内燃機関
    に要求される燃料量を演算する要求燃料量演算手段と、
    この演算された要求燃料量と前記検出される運転条件に
    対応して前記パラメータマップから読み出されるパラメ
    ータとに基づき、同パラメータを用いた燃料の挙動モデ
    ルに従って、前記燃料噴射弁の操作量である燃料噴射量
    を算出する燃料噴射量算出手段と、この算出された燃料
    噴射量が一次記憶される燃料噴射量記憶手段と、前記検
    出される運転条件が一次記憶される運転条件記憶手段
    と、この一次記憶された過去の運転条件と前記検出され
    た空燃比とに基づき当該内燃機関に実際に供給された燃
    料量を算出する実燃料量算出手段と、この算出された実
    燃料量が一次記憶される実燃料量記憶手段と、同算出さ
    れた実燃料量、及びこの実燃料量記憶手段に記憶された
    過去の実燃料量、及び前記燃料噴射量記憶手段に記憶さ
    れた過去の燃料噴射量に基づき、前記パラメータマップ
    にマップ化されているパラメータをリアルタイム修正す
    るパラメータ修正手段と、を具える内燃機関の燃料供給
    量制御装置において、前記検出される運転条件は、内燃
    機関に吸入される空気の空気圧、及び同内燃機関の回転
    数、及び同内燃機関の温度であり、これら検出される要
    素に対応して前記パラメータマップにマップ化されてい
    るパラメータは、内燃機関の吸気系壁面に付着される燃
    料の付着率、及び同燃料の蒸発率であり、 前記運転条件
    記憶手段に一次記憶される運転条件は、前記検出される
    吸入空気の空気圧及び回転数に基づき演算される当該内
    燃機関の空気量であることを特徴とする内燃機関の燃料
    供給量制御装置。
JP26755493A 1993-10-26 1993-10-26 内燃機関の燃料供給量制御装置 Expired - Fee Related JP3240780B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26755493A JP3240780B2 (ja) 1993-10-26 1993-10-26 内燃機関の燃料供給量制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26755493A JP3240780B2 (ja) 1993-10-26 1993-10-26 内燃機関の燃料供給量制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07119515A JPH07119515A (ja) 1995-05-09
JP3240780B2 true JP3240780B2 (ja) 2001-12-25

Family

ID=17446431

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26755493A Expired - Fee Related JP3240780B2 (ja) 1993-10-26 1993-10-26 内燃機関の燃料供給量制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3240780B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3508328B2 (ja) * 1995-10-03 2004-03-22 松下電器産業株式会社 空燃比制御装置
JP4618137B2 (ja) * 2006-01-17 2011-01-26 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の空燃比制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07119515A (ja) 1995-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6109244A (en) Fuel injection control apparatus for an internal combustion engine
US4319451A (en) Method for preventing overheating of an exhaust purifying device
US4582036A (en) Fuel supply control method for internal combustion engines immediately after cranking
US4437445A (en) Method and apparatus for controlling the fuel feeding rate of an internal combustion engine
JPH0243902B2 (ja)
US4765301A (en) Fuel supply control method for internal combustion engines after starting
JPH0585742B2 (ja)
JPH01211633A (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2002309993A (ja) 内燃機関の制御装置
JPS6231179B2 (ja)
JPH0429860B2 (ja)
JP3240780B2 (ja) 内燃機関の燃料供給量制御装置
JPH08121211A (ja) 内燃エンジンの燃料制御装置
JP2001123879A (ja) 内燃機関の燃焼状態検出装置
JPS6313013B2 (ja)
JPH04252833A (ja) 内燃機関の燃料供給量制御装置
JP3627658B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP4051180B2 (ja) 希薄燃焼エンジン制御装置および方法ならびにエンジンシステム
JP3239570B2 (ja) 内燃機関の燃料供給量制御装置
JP2857689B2 (ja) 内燃エンジンの吸気壁面温度推定装置及び燃料噴射量制御装置
JP2966258B2 (ja) 空燃比補正制御方法
JP3088058B2 (ja) 内燃エンジンの燃料噴射量制御装置
JPH0656112B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JPS6165037A (ja) 内燃機関の空燃比制御方法
JPH0584386B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees