JP3233946B2 - 近似3次関数発生装置及びこれを使用した温度補償水晶発振回路並びに温度補償方法 - Google Patents
近似3次関数発生装置及びこれを使用した温度補償水晶発振回路並びに温度補償方法Info
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- H03L1/00—Stabilisation of generator output against variations of physical values, e.g. power supply
- H03L1/02—Stabilisation of generator output against variations of physical values, e.g. power supply against variations of temperature only
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Description
似3次関数発生装置及びこれを使用した温度補償水晶発
振回路に関する。
願人が先に提案した特開平9−55624号公報に記載され
ているものがある。
定レベル信号とが入力され、一対のMOS型電界効果トラ
ンジスタを有する3組の差動増幅器の入力側に共通の1
次入力信号とレベルの異なる定レベル信号とを入力し、
それらの出力側から得られるの正転出力及び逆転出力を
夫々加算することにより、近似3次曲線発生回路を構成
するようにしている。
っては、近似3次関数を発生することはできるが、その
変数を任意に独立して制御することができないという未
解決の課題がある。
ことができる。
式に書き換えることができる。
似3次関数を発生するようにしているので、出力される
近似3次曲線は図15に示すようになり、これを式で表す
と下記(3)式のようになる。
含むことになり、この(2)式における変数a3′及び
a1′を独立して制御することはできないという未解決の
課題がある。
回路の温度補償用に使用する場合には水晶発振器の温度
特性を補償する近似3次関数を発生する必要があり、正
確な温度補償水晶発振回路を構成することができないと
いう未解決の課題がある。
れたものであり、前記(2)式における第1項成分のみ
を正確に出力すると共に、各変数を独立制御可能な近似
3次関数発生装置を提供することを第1の目的としてい
る。
確な温度補償を行うことができる温度補償水晶発振回路
を提供することを第2の目的としている。
方法を提供することを第3の目的としている。
似3次関数発生装置は、一方の入力端子に共通の1次の
入力信号が入力され、他方の入力端子に所定の定レベル
信号が入力され、前記1次の入力信号に対して正転又は
逆転信号を出力すると共に、出力信号を所定の最大値及
び最小値で制限するリミッタ機能を有する第1、第2、
第3及び第4の差動増幅器と、前記第1の差動増幅器乃
至第4の差動増幅器に所定レベルの定レベル信号を夫々
供給する定レベル信号発生回路とを備え、前記第1、第
2及び第3の差動増幅器は、入力される定レベル信号が
順にレベルが高くなるように設定されると共に、第1及
び第3差動増幅器と第2の差動増幅器との出力信号が互
いに逆極性に設定されて、これら第1、第2及び第3の
差動増幅器の出力信号を加算したときに3次関数成分の
出力信号を形成するように構成され、前記第4の差動増
幅器は、入力される定レベル信号が前記第2の差動増幅
器に入力される定レベル信号と同レベルの信号に設定さ
れていると共に、その出力信号が前記第1及び第3の差
動増幅器の出力信号と同極性で且つ前記最大値となる入
力信号と前記最小値となる入力信号との幅が前記第2の
増幅器のそれより大きく設定されて1次成分を相殺する
1次成分の出力信号を形成するように構成され、前記第
1乃至第4の差動増幅器の出力信号を加算することによ
り、1次成分を含まない3次関数成分を発生させること
を特徴としている。
び第4の差動増幅器と逆特性の第2の差動増幅器を設け
ることにより、第1の差動増幅器、第2の差動増幅器及
び第3の差動増幅器で1次成分を含む3次成分を発生さ
せ、一方第4の差動増幅器で1次成分を相殺する1次成
分を発生させて、これらを加算することにより、前述し
た(2)式の第1項の1次成分を含むことのない3次成
分のみを発生することができ、(2)式における第1項
及び第2項の変数を独立して制御することが可能とな
る。
の入力電圧信号に可変電圧信号を加算した加算入力電圧
が1次の入力電圧として供給される上記請求項1の構成
を有する3次成分発生回路とその正転及び反転出力信号
が差動増幅されて入力される可変利得増幅器とで構成さ
れる3次成分発生部と、前記加算入力電圧が入力されて
1次成分を発生する1次成分発生部、定電圧信号が入力
されて定数成分を発生する定数発生部と、前記3次成分
発生部、1次成分発生部及び定数発生部の出力信号を加
算する加算回路とを備えていることを特徴としている。
を有する3次成分発生部と、1次成分発生部と、定数発
生部とを有し、これらの出力を加算するようにしている
ので、前述した(2)式の3次関数を正確に発生するこ
とができ、しかも各変数を独立制御することができる。
度検出回路と、該温度検出回路の検出信号が入力される
前記請求項1又は2に記載の近似3次関数発生装置と、
該近似3次関数発生装置で発生される近似3次関数が入
力される電圧制御水晶発振回路とを備えたことを特徴と
している。
近似3次関数発生装置で前述したように3次成分に含ま
れる1次成分を相殺した正確な3次関数を発生すること
ができることにより、電圧制御水晶発振回路における水
晶発振器の温度特性を正確に補償することができる。
入力端子に共通の1次の入力信号が入力され、他方の入
力端子に所定の定レベル信号が入力され、前記1次の入
力信号に対して正転又は逆転信号を出力すると共に、出
力信号を所定の最大値及び最小値で制限するリミッタ機
能を有する第1、第2、第3及び第4の差動増幅器と、
前記第1の差動増幅器乃至第4の差動増幅器に所定レベ
ルの定レベル信号を夫々供給する定レベル信号発生回路
とを備え、前記第1、第2及び第3の差動増幅器は、入
力される定レベル信号が順にレベルが高くなるように設
定されると共に、第1及び第3の差動増幅器と第2の差
動増幅器との出力信号が互いに逆極性に設定されて、こ
れら第1、第2及び第3の差動増幅器の出力信号を加算
したときに3次関数成分の出力信号を形成するように構
成され、前記第4の差動増幅器は、入力される定レベル
信号が前記第2の差動増幅器に入力される定レベル信号
と同レベルの信号に設定されていると共に、その出力信
号が前記第1及び第3の差動増幅器の出力信号と同極性
で且つ前記最大値となる入力信号と前記最小値となる入
力信号との幅が前記第2の増幅器のそれより大きく設定
されて1次成分を相殺する1次成分の出力信号を形成す
るように構成され、前記第1乃至第4の差動増幅器の出
力信号を加算することにより、1次成分を含まない3次
関数成分を発生させるので、3次関数における1次成分
が含まれない3次成分のみを出力することが可能とな
り、3次関数の各変数を独立して制限することが可能と
なるという効果が得られる。
信号に可変電圧信号を加算した加算入力電圧が1次の入
力電圧として供給される上記請求項1の構成を有する3
次成分発生回路とその正転及び反転出力信号が差動増幅
されて入力される可変利得増幅器とで構成される3次成
分発生部と、前記加算入力電圧が入力されて1次成分を
発生する1次成分発生部、定電圧信号が入力されて定数
成分を発生する定数発生部と、前記3次成分発生部、1
次成分発生部及び定数発生部の出力信号を加算する加算
回路とを備えた構成を有するので、一般形の3次関数を
変数変換したときの3次成分、1次成分及び定数成分の
各変数を独立して制御することにより任意の3次関数を
電圧形式の入出力として実現することができるという効
果が得られる。
と、該温度検出回路の検出信号が入力される前記請求項
1又は2に記載の近似3次関数発生装置と、該近似3次
関数発生装置で発生される近似3次関数が入力される電
圧制御水晶発振回路とを備えているので、温度補償回路
の近似3次関数を発生することができることにより、電
圧制御水晶発振回路における水晶発振器の温度特性を正
確に補償することができるという効果が得られる。
る。
す回路図である。
である。
る。
ある。
る基本回路図である。
発生部を示す回路図である。
る各差動増幅器の反転出力特性を示す特性線図である。
る出力波形図である。
波形図である。
る出力波形図である。
る。
生装置,100……電圧制御水晶発振器,3……加算器,4……
3次成分兼定数成分発生部,5……1次成分発生部,7……
加算回路,8……3次成分発生回路,11……差動増幅器,12
……可変利得増幅器,14……カレントミラー回路,15A〜1
5D……差動増幅器,TrA1〜TrD2……MOS電界効果トランジ
スタ,16A,16B……出力電圧加算用抵抗,17……定レベル
発生回路,18……定電圧発生回路,VR……可変抵抗,20…
…正転増幅器 発明を実施するための最良の形態 以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明す
る。
の一実施形態を示すブロック図である。
力電圧が変化する温度検出回路であり、この温度検出回
路1から出力されるアナログ電圧でなる温度検出値が入
力信号VINとして近似3次関数発生装置2に入力して水
晶の温度特性を補償する制御電圧を発生し、これを電圧
制御水晶発振器(VCXO)100に供給する。
で温度補償回路を構成し、このうち近似3次関数発生装
置2は、前述した(2)式の3次関数を発生するもので
あり、入力信号VINに可変電圧V0′を加算する加算器3
と、この加算器3の加算出力VSが入力され、これに基づ
いて前述した(2)式における第1項の3次成分及び定
数成分を発生する3次成分兼定数成分発生部4及び
(2)式における第2項の1次成分のみを発生する1次
成分発生部5と、3次成分発生部4、1次成分発生部5
の出力信号を加算する加算回路7とで構成されている。
ように、3次成分のみを発生する狭義の近似3次関数発
生装置としての3次成分発生回路8と、その正転出力信
号POUT及び反転出力信号NOUTが夫々バッファ回路9及び
10を経て入力される差動増幅回路11と、この差動増幅回
路11の出力が入力される可変利得増幅回路12とで構成さ
れている。
ソースを正の電源端子VDDに接続し、ゲート及びドレイ
ンを互いに接続して定電流源13を介して接地したPチャ
ネルMOS型電界効果トランジスタTr0と、この電界効果ト
ランジスタTr0のゲートに各ゲートを接続し且つ電界効
果トランジスタTr0と同一のトランジスタサイズの4つ
のPチャネルMOS型電界効果トランジスタTr1〜Tr4とを
備えたカレントミラー回路14と、このカレントミラー回
路14から定電流が供給される第1〜第4の増幅器を構成
する4つの差動増幅器15A〜15Dと、これら差動増幅器15
A〜15Dの出力電圧を加算する加算器としての同一抵抗値
を有する抵抗16A,16Bと、各差動増幅器15A〜15Dに異な
る定レベルの参照定電圧VREFL,VREFM及びVREFHを供給す
る定電圧発生回路で構成される定レベル発生回路17とを
備えている。
電界効果トランジスタTr1のドレインに夫々抵抗RA1及び
RA2を介して直列に接続されたPチャネルMOS型電界効果
トランジスタTrA1及びTrA2を有し、トランジスタTrA1の
ゲートに入力信号VINが供給されると共に、トランジス
タTrA2のゲートに定レベル発生回路17からの参照定電圧
VREFLが供給され、トランジスタTrA1のドレインが加算
器を構成する一方の抵抗16Aを介して接地され、トラン
ジスタTrA2のドレインが加算器を構成する他方の抵抗16
Bを介して接地されている。
界効果トランジスタTr2のドレインに夫々抵抗RB1及びRB
2を介して直列に接続されたPチャネルMOS型電界効果ト
ランジスタTrB1及びTrB2を有し、トランジスタTrB1のゲ
ートに入力信号VINが供給されると共に、トランジスタT
rB2のゲートに定レベル発生回路17からの参照定電圧V
REFMが供給されるが、差動増幅器15Aとは逆にトランジ
スタTrB1のドレインが加算器を構成する他方の抵抗16B
を介して接地され、トランジスタTrB2のドレインが加算
器を構成する一方の抵抗16Aを介して接地され、他の差
動増幅器15A,15C及び15Dとは例えば反転出力特性でみて
逆特性に設定されている。
ミラー回路10の電界効果トランジスタTr3のドレインに
夫々抵抗RC1及びRC2を介して直列に接続されたPチャネ
ルMOS型電界効果トランジスタTrC1及びTrC2を有し、ト
ランジスタTrC1のゲートに入力信号VINが供給されると
共に、トランジスタTrC2のゲートに定レベル発生回路17
からの参照定電圧VREFHが供給され、トランジスタTrC1
のドレインが加算器を構成する一方の抵抗16Aを介して
接地され、トランジスタTrC2のドレインが加算器を構成
する他方の抵抗16Bを介して接地されている。
レントミラー回路10の電界効果トランジスタTr4のドレ
インに夫々抵抗RD1及びRD2を介して直列に接続されたP
チャネルMOS型電界効果トランジスタTrD1及びTrD2を有
し、トランジスタTrD1のゲートに入力信号VINが供給さ
れると共に、トランジスタTrD2のゲートに定レベル発生
回路17からの参照定電圧VREFMが供給されるが、上記各
差動増幅器15A〜15Cとは異なってトランジスタTrD1のド
レインが加算器を構成する他方の抵抗16Bを介して接地
され、トランジスタTrD2のドレインが加算器を構成する
一方の抵抗16Aを介して接地されている。
ジスタTrA1,TrB2,TrC1及びTrD1との接続点から正転出力
端子tPが導出され、同様に抵抗16Bの電界効果トランジ
スタTrA2,TrB1,TrC2及びTrD2との接続点から逆転出力端
子tNが導出されている。
15A〜15Cに供給する参照定電圧VREFH〜VREFLの大きさ
は、VREFL<VREFM<VREFHに設定され、差動増幅器15Dに
も差動増幅器15Bと同電圧の参照定電圧VREFMが供給され
ている。
及び反転出力信号NOUTが図2に示すようにバッファ回路
9及び10を経て差動増幅器11の正転入力側及び反転入力
側に供給され、この差動増幅器11の出力信号が可変利得
増幅器12を構成する負帰還回路に可変抵抗12aを介挿し
たオペアンプ12bの反転入力側に供給し、このオペアン
プ12bの正転入力側及び差動増幅器11の正転入力側に夫
々任意に設定される定電圧発生回路18からのオフセット
電圧VOFFを供給することにより、オペンアンプ12bから
次式で表される1次成分を含まない3次成分及び定数成
分のみの出力VAOUTを得ることができる。
発生回路8のゲイン及び可変利得増幅器12の利得によっ
て決定される。
に、演算増幅器30と、その出力側に抵抗31を介してコレ
クタ及びベースが接続され、エミッタが負の出力端子tN
に接続されてダイオード接続されたバイポーラトランジ
スタQ1と、同様に演算増幅器30の出力側に抵抗32,33を
介してコレクタ及びベースが接続され、エミッタが負の
出力端子tNに接続されてダイオード接続されたバイポー
ラトランジスタQ2とを備え、抵抗32,33の接続点が演算
増幅器30の反転入力側に、抵抗31及びトランジスタQ2の
接続点が演算増幅器30の非反転入力側に夫々接続され、
演算増幅器3aの出力側から正の出力端子tPが導出された
バンドギャップ基準電圧回路の構成を有する。
にかかるトランジスタQ2及びQ1のベース−エミッタ間電
圧の差ΔVBEは下記(6)式のように表される。
抵抗32を流れる電流値、IS1はトランジスタQ1の順方向
能動領域の伝達特性を表す定数、IS2はトランジスタQ2
の順方向能動領域の伝達特性を表す定数、R1は抵抗31の
抵抗値、R2は抵抗32の抵抗値である。
れるので、抵抗32の電圧降下VR2は下記(7)式で表す
ことができる。
零であるならば、電流I1及びI2は共に温度に比例するこ
とになり、出力端子tP及びtNから出力される出力電圧V
OUTは下記(8)式で表される。
圧、Kは定数である。
ース−エミッタ間電圧VBE1に逆特性のKVTを加算するよ
うにしているので、定数Kの値を(R2/R1)、(R2/R3及
び(IS2/IS1)の比によって決定することにより、温度
変化にかかわらず一定電圧を発生させることができる。
ップ基準電圧回路のトランジスタQ2及びQ1のベース−エ
ミッタ間電圧VBEの差ΔVBEが前記(7)式で表されるよ
うに、温度変化に対して直線的に変化することから、こ
のベース−エミッタ間電圧差ΔVREを適用しており、こ
れによって温度に対して抵抗が2次関数的に変化するサ
ーミスタを使用することなく、図5に示すように、温度
の増加に対して1次関数的に増加するアナログ電圧値で
なる温度検出値を出力することができる。
器3と参照定電圧入力端子tRとの間に接続された可変抵
抗VRと、この可変抵抗VRの摺動子が正転入力側に、参照
定電圧入力端子tRが抵抗R1を介して反転入力側に夫々供
給され且つ出力信号が抵抗R2を介して反転入力側に帰還
される正転増幅器20とで構成され、参照定電圧入力端子
tRに前記3次成分発生回路8の参照定電圧VREFMが供給
されている。
定電圧VREFM及び可変電圧V0′の差分を減算した値が正
転増幅器20で増幅されることになり、この正転増幅器20
の出力電圧VBOUTは次式で表すことができる。
Rの設定値及び正転増幅器20の利得によって決定され
る。
するために、図7に示すように、1つの差動増幅器15A
について説明すると、入力電圧VINが参照電圧VREFLに対
して充分に小さい状態では、電界効果トランジスタTr1
を流れる電流は全て電界効果トランジスタTrA1に流れる
ことになり、カレントミラー回路14の定電流値をI0とす
ると、電界効果トランジスタTrA1を流れる電流IA1=
I0、電界効果トランジスタTrA2を流れる電流IA2=0と
なる。このため、出力端子tP及びtNの出力電圧POUT及び
NOUTは、図8の破線図示及び実線図示のように、抵抗16
A,16Bの抵抗値をRBとするとI0RB及び0となる。
REFLから抵抗RA1での電圧降下分I0・RAを減算した値VAL
を越えると、出力電圧POUTが徐々に滑らかに減少し、こ
れと対称的に出力電圧NOUTが徐々に滑らかに増加し、入
力電圧VINが参照定電圧VREFLに等しくなると両出力電圧
POUT及びNOUTが等しくなり、さらに入力電圧VINが上昇
すると、出力電圧POUTは減少傾向を維持し、出力電圧N
OUTは増加傾向を維持し、参照定電圧VREFLに抵抗RA2の
電圧降下分I0・RAを加算した値VAH以上となると出力電
圧POUTが0となり、逆に出力電圧NOUTがI0・RBとなる。
抗値RAとカレントミラー回路10の定電流値I0とによって
のみ決定されるトランジスタの特性によるものは、V
REFL±I0RA付近の滑らかな出力変化のみとなる。
示すように、第4の差動増幅器15Dを除外した回路につ
いて考察すると、入力電圧VINが参照定電圧VREFLより十
分に小さいとき(VIN《VREFH)には、前述したように差
動増幅器15Aにおいては、電界効果トランジスタTr1を流
れる電流は全て電界効果トランジスタTrA1を流れ、結果
としてIA1=I0,IA2=0となり、同様に差動増幅器15B,1
5Cにおいても、IB1=IC1=I0,IB2=IC2=0となり、加
算器を構成する抵抗16A及び16Bに流れる電流IP及びINは
夫々IP=2I0及びIP=I0となる。
界効果トランジスタTrA2に電流が流れ始めると共に、電
界効果トランジスタTrA1を流れる電流が減少し始め、入
力電圧VINが参照定電圧VREFLに達すると、IA1=IA2=I0
/2となり、他の差動増幅器15B及び15Cについては状態変
化が起こらないので、結果として、出力電流IN及びIPは
IN=IP=3I0/2となり、さらに入力電圧VINが高くなる
と、IA1=0IA2=I0となるので、結果として、出力電流I
P及びINはIP=I0,IN=2I0となる。
界効果トランジスタTrB2に電流が流れ始めると共に、電
界効果トランジスタTrB1の電流が減少し始め、入力電圧
VINが参照定電圧VREFMに達すると、IB1=IB2=I0/2とな
り、出力電流IP及びINは再びIN=IP=3I0/2となる。
となった後、入力電圧VINが参照定電圧VREFHに達する
と、出力電流IP及びINは再びIP=IN=3I0/2となり、さ
らに入力電圧VINが増加すると、IP=2I0,IN=I0とな
る。
1の差動増幅器15Aの出力電流IA2は、図10で一点鎖線図
示のように、入力信号VINの電圧が第1の差動増幅器15A
の最小値VALに達するまでの間は0を維持し、最小値VAL
を越えると増加し始め、参照定電圧VREFLに達するとI0/
2となり、その後も入力信号VINの電圧増加に応じて増加
し、最大値VAHでI0に達して飽和する。
破線図示のように、第2の差動増幅器15Bの最小値V
BL(本実施形態においてはVAHと等しい値に設定されて
いる)まではI0を維持し、最小値VBLを越えると入力信
号VINの電圧増加に応じて減少し、入力信号VINの電圧が
参照定電圧VREFMに達したときにI0/2となり、その後入
力信号VINの電圧が増加するにつれて減少し、最大値VBH
以上となると0を維持する。
で実線図示のように、入力信号VINの電圧が第3の差動
増幅器15Cの最小値VCL(本実施形態においてはVBHと等
しい値に設定されている)に達するまでの間は0を維持
し、最小値VCLを越えると増加し始め、参照定電圧VREFH
に達するとI0/2となり、その後も入力信号VINの電圧増
加に応じて増加し、最大値VCHでI0に達して飽和する。
は、抵抗16A及び16Bで電圧に変換されるので、POUT=IP
・RB、NOUT=IN・RBとなり、回路定数のあわせこみによ
り図11において破線図示の特性曲線L1で示すような滑ら
かな3次曲線となる。
1次関数を加算したものとなり、このままでは前述した
(2)式における第1項の3次成分のみを表すものでは
ない。
加えられていることにより、この第4の差動増幅器15D
で負の傾きの1次関数を相殺する正の傾きの1次関数を
発生させるようにしている。
差動増幅器15A及び15Cと同様の構成を有するので、その
入出力特性は図12に示すように、抵抗RD1及びRD2の抵抗
値を大きくすることにより、1次関数近似領域の傾きを
小さくすることができると共に、最小値VDL及び最大値V
DH間の幅を広くして、1次関数近似領域を大きくするこ
とができ、通電電流値を大きくすることによっても1次
関数近似領域を大きくすることができる。
の抵抗値RD及び通電電流値を調整することにより、入出
力特性を前述した図10で二点鎖線図示のように、最小値
VDLを第1の差動増幅器15Aの最小値VALと一致させ、且
つ最大値VDHを第3の差動増幅器15Cの最大値VCHと一致
させることにより、図11で一点鎖線図示の1次近似され
た特性曲線L2とすることができ、これを前述した特性曲
線L1に加算することにより、図11で実線図示の特性曲線
L3で示すように1次関数成分を除去した3次成分のみを
出力することができる。
反転出力信号NOUTを夫々バッファ回路9及び10を介して
差動増幅器11に供給し、この差動増幅器11の出力信号を
可変利得増幅器12に供給し、さらに差動増幅器11及び可
変利得増幅器12の正転入力側に定電圧回路18からのオフ
セット電圧VOFFを供給することにより、可変利得増幅器
12から前述した(5)式で表される1次成分を除去して
3次成分及び定数成分のみの出力電圧VAOUTを得ること
ができる。
される1次成分及び定数成分のみの出力電圧VBOUTが出
力されるので、これと3次成分発生部4の出力電圧VA
OUTとを加算回路7で加算することにより、下記(10)
式で表される近似3次関数を発生することができる。
意に設定することができ、3次成分の変数b3′は前述し
たように3次成分発生回路8のゲイン及び可変利得増幅
器12の利得を調整することにより調整可能であり、1次
成分の変数b1′は1次成分発生部5の可変抵抗VRの抵抗
値及び正転増幅器20の利得によって調整することがで
き、さらに定数b0′については定電圧回路18で設定する
オフセット電圧VOFFによって調整することができ、各変
数を独立に調整することができ、図13に示すような任意
の3次関数を発生させることができる。
及び差動増幅器15A〜15Dの全体構成をCMOSで構成するこ
とが可能となり、高集積化、低消費電力化を図ることが
できる。
本発明を適用することにより、電圧制御水晶発振回路3
に含まれる水晶振動子は、一般に、横軸に温度(℃)、
縦軸に周波数(ppm)をとると、図13に示すような発振
周波数の温度特性を有する。この温度特性は、下記(1
1)式で近似することができる。
性の傾き、γは周波数オフセット、tは雰囲気温度、t0
は曲線Yの中心となる温度(通常25℃から30℃の範囲)
である。
圧制御水晶発振回路8の特性に依存し、特に水晶振動子
に大きく依存しており、水晶振動子の形状、大きさ等の
影響を受ける。
8の電圧−周波数特性は1次関数で近似できるので、水
晶振動子の温度に対する周波数特性は、温度に対する電
圧特性で実現できる。
ける右辺の第1項、第2項及び第3項に相当する電圧を
温度検出回路1の温度検出信号に基づいて近似3次曲線
発生装置2で発生させ、3次の係数α、温度特性の傾き
β及び周波数オフセットγの固体間バラツキを夫々個別
の3次成分発生部4における3次成分発生回路8のゲイ
ン及び/又は可変利得振幅器12の利得並びに定電圧回路
18の出力電圧VOFF、1次成分発生部5における可変抵抗
VRの抵抗値及び/又は正転増幅器20の利得を調整するこ
とにより、微調整し、微調整後の各電圧を加算回路7で
加算することにより、図14の水晶振動子の温度に対する
周波数特性に対応した電圧制御水晶発振回路8の制御電
圧を得ることができ、この制御電圧を電圧制御水晶発振
回路8に供給することにより、これに含まれる水晶振動
子の温度依存特性を正確に補償することができる。
電圧制御水晶発振器(VCXO)100とを切り離した状態
で、恒温槽に収納し、この恒温槽の温度を温度補償を行
いたい温度範囲内の任意の温度に設定する。
水晶発振器100の入力電圧VCinを変化させて出力信号の
周波数が予め設定された周波数に一致する周波数となる
入力電圧VCin1を測定すると共に、温度検出回路1及び
3次関数発生装置2の出力電圧VCout1を測定する。
に上げながら複数好ましくは4回以上繰り返すことによ
り、各設定温度での電圧制御水晶発振器100の入力電圧V
Cin1〜VCinNを測定すると共に、3次関数発生装置2の
出力電圧VCoutNを測定する。
圧VCoutN〜VCinNを温度の関数として、下記(12)式及
び(13)式で近似する。
(11)式におけるα,β及びγに対応するもので、水晶
振動子に依存する値である。
α1,β0=α0,T0′=T0となるように調整することこと
により、一度の温度スイープ作業のみにより高精度の温
度補償を行うことが可能となる。
記(13)式における3次関数曲線の中心温度T0′は、図
1における加算回路3に印加される可変電圧V0′によっ
て調整し、定数係数β0は図2における定電圧発生回路
18から出力されるオフセット電圧VOFFによって調整し、
1次係数β1は図6に示す1次成分発生部5の可変抵抗
VRによって調整し、さらに3次係数β3は3次成分兼定
数成分発生部4における図2に示す可変利得増幅器12の
可変抵抗12aによって調整する。
せて、各温度での温度補償回路の出力電圧即ち近似3次
関数発生装置2の出力電圧VCout及び電圧制御水晶発振
回路100の入力電圧VCinを夫々測定し、これらの測定結
果に基づいて近似3次関数発生装置2を調整することに
より、一度の温度スイープ作業によって高精度の温度補
償を行うことができる。
電圧回路2をバイポーラトランジスタを使用したアナロ
グ回路構成のバンドギャップ基準電圧回路で構成するこ
とができると共に、近似3次曲線発生回路2をカレント
ミラー回路14及び差動増幅器15A〜15D及び抵抗16A,16B
のアナログ回路で構成することができるので、水晶振動
子を除く全ての素子を集積化することができる。
として、PチャネルMOS型電界効果トランジスタを適用
した場合について説明したが、これに限定されるもので
はなく、NチャネルMOS型電界効果トランジスタを適用
することもでき、さらには電界効果トランジスタに代え
てバイポーラトランジスタを適用しても上記同様の作用
効果を得ることができる。
発生回路8で、3次成分と定数成分とを発生させる場合
について説明したが、これに限定されるものではなく、
3次成分兼定数成分発生部4において定電圧発生回路18
を切り離すことにより3次成分のみを出力させる一方、
定電圧発生回路18の出力を図8に示す1次成分発生部5
と同様の構成を有する定数成分発生部に供給し、この定
数成分発生部の出力電圧と上述した3次成分発生回路の
出力信号及び1次成分発生部5の出力信号とを加算回路
7で加算して電圧制御水晶発振器8に供給するようにし
てもよい。
回路8として、水晶振動子とC−MOSインバータとが直
列である場合について説明したが、これに限定されるも
のではなく、水晶振動子とC−MOSインバータとを並列
に接続して電圧制御水晶発振回路を構成するようにして
もよく、さらにはC−MOCに代えてトランジスタを適用
した電圧制御水晶発振回路も適用することができる。
8等の回路構成は、電圧基準に代えて電流基準とするこ
とができ、さらにPチャネルMOSFETによるVDD基準に代
えてNチャネルMOSFETを用いたグランド基準とすること
もできる。
Claims (3)
- 【請求項1】一方の入力端子に共通の1次の入力信号が
入力され、他方の入力端子に所定の定レベル信号が入力
され、前記1次の入力信号に対して正転又は逆転信号を
出力すると共に、出力信号を所定の最大値及び最小値で
制限するリミッタ機能を有する第1、第2、第3及び第
4の差動増幅器と、 前記第1の差動増幅器乃至第4の差動増幅器に所定レベ
ルの定レベル信号を夫々供給する定レベル信号発生回路
とを備え、 前記第1、第2及び第3の差動増幅器は、入力される定
レベル信号が順にレベルが高くなるように設定されると
共に、第1及び第3の差動増幅器と第2の差動増幅器と
の出力信号が互いに逆極性に設定されて、これら第1、
第2及び第3の差動増幅器の出力信号を加算したときに
3次関数成分の出力信号を形成するように構成され、 前記第4の差動増幅器は、入力される定レベル信号が前
記第2の差動増幅器に入力される定レベル信号と同レベ
ルの信号に設定されていると共に、その出力信号が前記
第1及び第3の差動増幅器の出力信号と同極性で且つ前
記最大値となる入力信号と前記最小値となる入力信号と
の幅が前記第2の増幅器のそれより大きく設定されて1
次成分を相殺する1次成分の出力信号を形成するように
構成され、 前記第1乃至第4の差動増幅器の出力信号を加算するこ
とにより、1次成分を含まない3次関数成分を発生させ
ることを特徴とする近似3次関数発生装置。 - 【請求項2】1次の入力電圧信号に可変電圧信号を加算
した加算入力電圧が1次の入力電圧として供給される上
記請求項1の構成を有する3次成分発生回路とその正転
及び反転出力信号が差動増幅されて入力される可変利得
増幅器とで構成される3次成分発生部と、前記加算入力
電圧入力されて1次成分を発生する1次成分発生部と、
定電圧信号が入力されて定数成分を発生する定数発生部
と、前記3次成分発生部、1次成分発生部及び定数発生
部の出力信号を加算する加算回路とを備えていることを
特徴とする近似3次関数発生装置。 - 【請求項3】温度検出回路と、該温度検出回路の検出信
号が入力される前記請求項1又は2に記載の近似3次関
数発生装置と、該近似3次関数発生装置で発生される近
似3次関数が入力される電圧制御水晶発振回路とを備え
たことを特徴とする温度補償水晶発振回路。
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