JP3230835B2 - ハロゲン化銀写真感光材料の処理液廃液の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の処理液廃液の処理方法

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JP3230835B2
JP3230835B2 JP08790592A JP8790592A JP3230835B2 JP 3230835 B2 JP3230835 B2 JP 3230835B2 JP 08790592 A JP08790592 A JP 08790592A JP 8790592 A JP8790592 A JP 8790592A JP 3230835 B2 JP3230835 B2 JP 3230835B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明はハロゲン化銀写真感光材料の処理
液廃液の処理方法に関し、特に、固形処理剤から調整さ
れた処理液で処理するハロゲン化銀写真感光材料の処理
方法において、処理液廃液を、濃縮するハロゲン化銀写
真感光材料の処理液廃液の処理方法に関する。
【0002】
【発明の背景】一般にハロゲン化銀写真感光材料の処理
剤は、濃厚溶液状態で販売されているキットを、指定の
倍率で水に希釈して使用されている。これらキットは通
常5〜10リッター程度のボリュームがあり、かねてか
ら持ち運びにくい、取扱いにくい等の問題点があった。
このため、昨今、溶液状態のキットを水可溶性の固体状
にし、その容量、重量を低減する技術が開示されてい
る。これら固体形処理剤は、指定の容量の水に溶解して
使用するものである。かつて、処理剤が粉剤であったこ
ともあるが、これらは水に対する溶解性が悪く、安定な
性能を得ることができなかったので前述のような溶液状
のキットが開発されたものである。
【0003】現在、固体形処理剤として開示されている
技術は、水に対する溶解性や、溶解後の安定性を得るた
めに、種々の造粒技術や固形化するときに利用する溶媒
の選択等の技術を盛り込んだものである。通常、溶液状
の処理剤には、沈澱防止のために種々の有機溶媒(溶
剤)が添加されているが、有機溶媒は処理剤を固形化す
るためには邪魔になるので、これらすでに開示されてい
る技術では取り除かれている。ところが、これら開示さ
れている固形処理剤を使用液状態に溶解したものは、液
温が低下すると沈澱物が発生し易いという欠点があっ
た。
【0004】近年、全世界的に環境保護に対する意識が
高まりつつあり、当写真業界においても環境保護に対応
する製品の開発が望まれている。写真用処理剤の廃液は
非常に公害負荷の高いものになってしまうため、これを
無公害化するのは非常に大きな負荷となっていた。
【0005】処理液廃液のうち、水洗水のごとき低公害
のものは下水道や河川への廃棄が可能である場合もある
が、近年の水質汚濁防止法や、各都道府県条例による公
害規制の強化により、例えば現像液、定着液、安定化液
等の廃棄は実質的に不可能となっている。このため、各
写真処理業者は廃液を専門の廃液処理業者に回収料金を
払って回収してもらったり、公害処理設備を設置したり
している。しかしながら、廃液処理業者に依託する方法
は、廃液を溜めておくのにかなりのスペースが必要とな
るし、またコスト的にも極めて高価である。また、独自
に公害処理施設を設けようとすると、これは初期投資
(イニシャルコスト)が極めて大きく、整備するのにか
なり広大な場所を必要とする等の欠点を有している。
【0006】処理液廃液を無公害化する技術として、蒸
留により溶質を実質的に含まない水分、および焼却無公
害化が容易な濃縮物に分離する技術がいくつか開示され
ている。ところが、前述したように、一般の処理液には
低温沈澱防止のために有機溶媒が含まれているため、蒸
留すると、有機溶媒の影響で、その濃縮物の粘度が高く
なり、その取扱いが難しくなるという問題点があった。
【0007】すなわち、低温析出を防止するには有機溶
媒が必要であるが、廃液になったときに蒸留処理するに
は、有機溶媒があると濃縮物の取扱い性が悪くなるとい
う相反する問題があった。
【0008】
【発明の目的】本発明の目的は、使用液状態で低温状態
に保っても沈澱が発生せず、かつ、それが廃液になった
ときに蒸留法で濃縮しても、濃縮物の粘度が小さく取扱
いやすい、固形処理剤を用いたハロゲン化銀写真感光材
料の処理液廃液の処理方法を提案することである。
【0009】
【発明の構成】上記本発明の目的は次の方法によって達
成された。1.支持体上に少なくとも1層の感光性ハロ
ゲン化銀乳剤層が塗布されたハロゲン化銀写真感光材料
を、有機溶剤を含む固形処理剤から調整された処理液で
処理することによって生じた処理液廃液について、減圧
下で加熱蒸発および冷却凝縮する濃縮処理方法におい
て、前記有機溶剤としてポリエチレングリコールを含
み、且つ該ポリエチレングリコールの含有量は使用処理
液1リットル当り1〜10gであり、そして前記処理液
廃液を、減圧度10〜70torr、加熱部の温度25
〜50℃、冷却部の温度0〜20℃にて蒸留し、濃縮分
離することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処
理液廃液の処理方法。
【0010】本発明の固定処理剤に含有される有機溶剤
は、ポリエチレングリコールである。
【0011】
【発明の作用】固形処理剤は、室温で固形化するため
に、通常の溶液状処理剤の原液に含まれている有機溶媒
が取り除かれ、使用液状態では低温で成分の析出を引き
起こしてしまうが、ポリエチレングリコールを使用処理
液1リットル当り1〜10g添加することにより析出を
防止することができる。さらに、廃液中に溶媒が含まれ
ていると、蒸留した際に濃縮物の粘度が高くなってしま
い取扱い性が悪くなってしまうが、蒸留の減圧度10〜
70torr、加熱温度を25〜50℃、冷却温度を0
〜20℃で蒸留し、溶媒の量を、使用処理液1リットル
当り1〜10gにすることにより、粘度をあげることな
く蒸留することが可能になった。
【0012】
【発明の具体的構成】本発明で好ましく用いられるポリ
エチレングリコールとは、平均分子量80〜1000の
一般式(1)で表されるものである。
【0013】一般式(1) R−(OCH2 CH2n −R′ n:2〜25 R:水素または一価の置換基 R′:水酸基または一価の置換基 尚、本発明における有機溶剤としてポリエチレングリコ
ールを用いる際には、本発明に係る処理液廃液の処理を
行った際の濃縮物の粘度低下の観点から、平均分子量が
1000以下であること、ポリエチレングリコールの使
用量が使用液1リットル当り10g以下であることが好
ましい。即ち、濃縮物の粘度が高過ぎると、濃縮分離後
に装置から取出すのに非常に手間がかかるからである。
更に使用液を冷蔵保存した後の写真性能(例えばDma
x)変動を防止する観点からみても、平均分子量が10
00以下のポリエチレングリコールが好ましい。
【0014】本発明で用いられる固形処理剤の固形と
は、一般的な固形状のものを指し、粉体、顆粒、錠剤、
ペースト状等を含んでおり、それらの混合物であっても
良い。
【0015】本発明の固形処理剤を使用液にするために
溶解する方法としては、通常の液剤の調整方法と同じ
く、手動で行っても機械的に行っても良く、補充タンク
は自動現像機の内部にあっても外部にあっても良い。処
理剤の供給方法としては、処理剤の各成分が飛散しない
形態であれば何でも良く、例えば、処理剤成分を水溶性
高分子化合物をバインダーとして固定処理剤となし、こ
れを投入する方法、固形処理剤を水溶性高分子化合物自
体又はそのフィルムで包み込み、そのまま投入する方
法、ポリエチレンのようなもので表面加工された紙その
他の包材で固形処理剤を包装し、粉剤の飛散、残留を防
止し、タンクに添加する方法等がある。処理剤の水への
溶解性を考えると固形の形態としては、顆粒、錠剤が好
ましい。
【0016】処理剤のキットでの保存性を増やすため
に、キット中で2種以上に分かれた形態で処理剤が封入
されていても良い。
【0017】固形処理剤は処理タンクに直接投入しても
よいし、処理液タンクの循環系のフィルター中に投入し
てもよく、更には補充タンクないし容器中に投入しても
よい。
【0018】写真処理剤を固形化するには、濃厚液又は
微粉ないし粒状写真処理剤と水溶性結着剤を混練し成形
化するか、仮成形した写真処理剤の表面に水溶性結着剤
を噴霧したりすることで被覆層を形成する等、任意の手
段が採用できる(特願平2−135887号、同2−2
03165号、同2−203166号、同2−2031
67号、同2−203168号、同2−300409号
参照)。
【0019】上記の固形処理剤の中でも、錠剤、顆粒状
のものが本発明を実施する上で最も好ましく、更に上記
処理剤を水溶性フィルムないし結着剤で包装又は結着な
いし被覆することも好ましい態様である。
【0020】錠剤型の写真処理剤の製造方法は、例え
ば、特開昭51−61837号、同54−155038
号、同52−88025号、英国特許1213808号
の明細書に記載される一般的な方法で製造でき、さらに
顆粒型の写真処理剤は、例えば、特開平2−10904
2号、同2−109043号、同3−39735号及び
同3−39739号等の明細書に記載される一般的な方
法で製造できる。更にまた粉末型の写真処理剤は、例え
ば、特開昭54−133332号、英国特許72589
2号、同729862号及びドイツ特許3733861
号等の明細書に記載されるが如き一般的な方法で製造で
きる。
【0021】上記の固形化された写真処理剤は、発色現
像剤、黒白現像剤、漂白剤、定着剤、漂白定着剤、安定
剤等が挙げられる。
【0022】本発明に用いられて好ましい固形化された
処理剤は、水溶性バインダー、例えば、ポリビニルアル
コール系、メチルセルロース系、ポリエチレンオキサイ
ド系、デンプン系、ポリビニルピロリドン系、ヒドロキ
シプロピルセルロース系、プルラン系、デキストラン系
及びアラビアガム系の基材バインダーで被覆されて、写
真処理剤中に含まれる炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、
水酸化カリウム、リン酸カリウム、炭酸水素カリウム、
水酸化ナトリウム等のアルカリ剤、酸剤等によるケン化
等による変質が生じないものが好ましく用いられる。
【0023】又、本発明に用いられる固形化された処理
剤の保存性は従来の液体キットに見られるような保存中
に酸化還元反応による処理能力等の劣化及び変色を起こ
さず非常に安定である。特に固形化される際、水溶性バ
インダーで被覆することにより非常に長期に処理剤の素
材の性質が変らない特徴を有していることが判明した。
【0024】また水溶性フィルムないし結着剤で包装又
は結着ないし被覆した写真処理剤は、貯蔵、輸送、及び
取扱中において、高湿度、雨、及び霧のような大気中の
湿気、及び水はね又は濡れた手による水との突発的な接
触の損害から防ぐため防湿包装材で包装されていること
が好ましく、該防湿包装材としては、膜厚が10〜15
0μのフィルムが好ましく、防湿包装材がポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンのよう
なポリオレフィンフィルム、ポリエチレンで耐湿効果を
持ち得るクラフト紙、ロウ紙、耐湿性セロファン、グラ
シン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリカーボネート、
アクリロニトリル系及びアルミニウムの如き金属箔、金
属化ポリマーフィルムから選ばれる少なくとも一つであ
ることが好ましく、また、これらを用いた複合材料であ
ってもよい。
【0025】しかしながら、本発明においては、防湿包
装材が、分解性プラスチック、特に生分解又は光分解性
プラスチックのものが、より好適に用いられる。
【0026】前記生分解性プラスチックは、天然高分
子からなるもの、微生物産出ポリマー、生分解性の
よい合成ポリマー、プラスチックへの生分解性天然高
分子の配合等が挙げられ、光分解性プラスチックは、
紫外線で励起され、切断に結びつく基が主鎖に存在する
もの等が挙げられる。更に上記に掲げた高分子以外にも
光分解性と生分解性との二つの機能を同時に有したもの
も本発明に包含される。
【0027】本発明で言う蒸留による濃縮分離とは、蒸
留による濃縮/および溶質を実質的に含まない水分の分
離のことであり、公知の方法を使用することが出来る。
具体的に言うと、加熱による蒸留と、減圧による蒸留の
組み合わせによる蒸留である。写真処理液には、高温に
加熱すると有毒ガスを発生する物質が含まれるため加熱
のみによる蒸留は危険であり、本発明の加熱と減圧を組
み合わせた蒸留によれば、これを解消できる効果もあ
る。このときの加熱温度は、前記の理由により、25〜
50℃が好ましく、さらに30〜45℃が好ましい。蒸
留の加熱/冷却には、ヒートポンプによる熱交換を利用
することが好ましい。
【0028】蒸留するときの減圧度は、10〜70to
rrが好ましく、さらに15〜50torrが好まし
い。10torr未満であると減圧度が高すぎて危険で
あり、70torrを越えると効率が非常に低くなって
しまう。
【0029】尚、処理液廃液は、例えば現像液廃液と定
着液廃液を混合して処理する、混合処理であってもよい
し、個別に処理する単独処理であってもよい。
【0030】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0031】実施例1 ○処理剤の製造 表1に示される処方A−1及びA−2の混合物を、約
2.5mmの粒度に押し出し造粒法により造粒し、顆粒
状の現像液を得た(Dev−1)。また、表2に示され
る処方より同様の方法を用いて顆粒状の定着液を得た
(Fix−1)。これらの固形処理剤を適量の25℃の
水に溶解して、溶液状の現像液、定着液を作成した。
【0032】○評価用感光材料(白黒用)の製造 特開平2−226143、第15頁右下欄7行目〜第1
6頁左下欄4行目に記載された方法で作成されたフィル
ムおよび特開平2−226143、第13頁左上欄12
行目〜第14頁左下欄6行目に記載された方法で作成さ
れたフィルム(ただしヒドラジン化合物は、例示化合物
H−1 50mg/m2 を用いた)を公知の方法にて露
光した。
【0033】○現像処理 上記感光材料2種を、4つ切りサイズ(252mm×3
03mm)に断裁し、上記処理剤を用いてコニカ製自動
現像機GR−27にて表3の処理条件で、現像液補充量
を15ml/試料1枚、定着液補充量を20ml/試料
1枚として現像処理した。
【0034】○蒸留による濃縮分離 上記現像処理によって得られた、現像液廃液12.9リ
ットル、定着液廃液17.1リットルを混合し、pHを
5.5にするのに必要な量の5%硫酸水溶液を添加し、
以下に示すヒートポンプを利用した減圧蒸留装置によっ
て蒸留、濃縮分離した。
【0035】以下に、図1に基づき実施例で使用した減
圧蒸留装置を説明する。L1はストックタンク21内に
設けられた液面センサーで、該液面センサーL1は、ス
トックタンク21内の廃液の液面が所定レベルに達する
と、電磁弁B1に作動指令を送って自動開放するととも
に、エジェックポンプ210を稼働させてエバポレータ
ー22内の減圧を開始するようになっている。
【0036】該エバポレーター22は、中心部に加熱室
221、その周囲に凝集室222を備えている。ここ
で、該加熱室221と凝集室222は、上部の連通路の
みを介して互いに連通し、加熱室221内で発生した蒸
気が凝集室222内へ流入できるようになっている。
【0037】前記加熱室221の周囲には、コンプレッ
サー23に連通する加熱管Kが螺旋状に配設され、前記
タンク21より加熱室221内に吸引された廃液を加熱
・蒸留できるように構成されている。同様に、凝集室2
22内には、凝集水タンク211に連通する凝集管Gが
螺旋状に配設され、加熱室221より流入した蒸気を冷
却・凝集できるようになっている。該加熱管Kと凝集管
G内には、熱媒体となる気体(例えば、フレオンガスな
ど)が封入されている。
【0038】前記加熱室221内への吸引量は、エバポ
レーター22内に設けられた液面センサーL2が所定レ
ベルを検知した時点で、前記電磁弁B1を閉めることに
よって制御する。尚、エバポレーター22の形状はどの
ようなものでも構わないが、加工しやすく強度が高い特
性を得る上で、円柱状が好ましい。
【0039】前記加熱管K、エバポレーターの外部にお
いて、コンプレッサー23、空冷凝縮機26(ファンモ
ーター25とプロペラファン24にて冷却)を介して凝
集管Gと連通し、さらにキャピラリーチューブ28、凝
集水タンク211(およびその内部配管27)を経て還
流するように、直列に配管されている。即ち、コンプレ
ッサー23によるガス圧調整、空冷凝縮機26での冷
却、キャピラリーチューブ28内でのガス圧の変化など
により、加熱管Kが加熱室221を出るときの温度が3
0℃以上50℃以下(好ましくは35〜40℃)、凝集
管Gが凝集室222を入るときの温度が−5℃以上15
℃以下(好ましくは0〜10℃)程度に保たれるように
なっている。
【0040】即ち、熱媒体となる気体はコンプレッサー
23によって圧縮されることにより高温となり、加熱管
Kに送り込まれる。このとき、エバポレーター22内の
温度検出器Tにより、廃液の温度が高すぎる場合はファ
ンモーター25がまわり、加熱管Kに送り込まれる熱媒
体の温度が適宜下げられるようになっている。加熱管K
で廃液を加熱した熱媒体はキャピラリーチューブ28に
至るが、この部分は気体が通過しにくい構造になってお
り、停滞する。そして、キャピラリーチューブ28を抜
けた熱媒体は、1部づつしか抜けられないため、断熱膨
張による温度低下をきたし、凝集水タンク211に至っ
て、その内部配管を介してタンク211内の凝集水を冷
却する。これは、凝集水の臭気を低減させるとともに、
エバポレーター22内の減圧効果を上げるためである。
さらに熱媒体は凝集管Gに至り、加熱管Kにより温めら
れ、蒸発してきた蒸気を冷却、凝集した後、コンプレッ
サー23に戻るようになっている。
【0041】凝集された蒸気は、エジェクター29を経
て、エジェクターポンプ210で循環する水に引き込ま
れ凝集水タンク211へ至る。該エジェクターポンプ2
10は、エバポレーター22内の減圧にも利用されるよ
うに構成されている。凝集蒸気は凝集水タンク211か
らオーバーフローすることによりオーバーフロー水タン
ク212内に溜められる。また、エバポレーター22内
の廃液が、液面センサーL2で感知できないレベルまで
減少すると、電磁弁B1が自動的に一定期間開放し、一
定量の廃液を自動的に補充するようになっている。本実
施例では、エバポレーター22の容量を30リットルと
し、廃液の量を常に5リットルになるように補充を繰り
返しながら減圧蒸留した。熱媒体としてはフロンR−2
2を用いた。廃液の温度を35〜40℃、凝集管の温度
を5〜15℃になるように、ファンモーター、およびフ
ロンガス圧を調整し、蒸気混合した廃液30リットルを
12.5時間かけて蒸留し、濃縮物を5リットルと水分
を25リットルに濃縮分離した。
【0042】比較例1 上記実施例1において、蒸留の濃縮部の温度を80℃に
した以外は同様に処理した。
【0043】比較例2 上記実施例1において、蒸留の減圧度を100torr
にした以外は同様に処理した。
【0044】[評価]上記実施例、比較例について次の
項目を評価した。
【0045】 濃縮物の粘度(表4) 分離した水分の成分(表5) 以上より明らかなように、本発明の実施例1は濃縮物の
粘度が低く取扱いが容易である。また、水分の水質も、
実施例1は非常にきれいなものであり、下水に放流する
のに充分な水質となっている(参考までに表6に東京都
での下水放流にかかる水質の規制値をのせておく)。こ
れに対し比較例1では、蒸留の段階で硫化水素と思われ
るガスが大量に発生し、装置外でもその臭気が感じられ
た。比較例2では、蒸留する速度が非常に遅くなってし
まい、濃縮がうまくいかなかった。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
【0051】
【表6】
【0052】実施例2 実施例1の固体形現像処理剤を、25℃の水で使用液状
態に調整したものを、0℃で8時間保存したものを用い
た以外は同様に処理した。
【0053】実施例3 実施例1で使用した現像液を、0℃で8時間保存したも
のを用いた以外は同様に処理した。
【0054】実施例4 実施例1の現像補充量を、10ml/試料1枚に低減し
て処理したときの現像液を、0℃で8時間保存したもの
を用いた以外は同様に処理した。
【0055】実施例5 実施例1の現像処理条件を、現像時間10秒で処理した
ときの現像液を、0℃で8時間保存したものを用いた以
外は同様に処理した。
【0056】比較例3 実施例1の固体形処理剤の製法で、ポリエチレングリコ
ールを除いた以外は同様に製造し、25℃の水で使用液
状態に調整したものを、0℃で8時間保存したものを用
いた以外は同様に処理した。
【0057】[評価]実施例2〜5、比較例3の処理剤
を目視で観察したところ、実施例2〜5では、目視で観
測できる沈澱物はなかった。実施例1の条件と同じに、
ウェッジを介して露光したコニカ(株)製白黒感材CR
H−Aを処理した。センシトメトリーを行い、最大濃度
(Dmax)を測定した。同様の条件で、冷蔵しなかっ
た場合の結果と併せて、表7に載せる。
【0058】表7の結果より、実施例2〜5は冷蔵によ
る影響が見られないが、比較例3は明らかに冷蔵によっ
て性能が劣化していることがわかる。
【0059】
【表7】
【0060】尚、実施例1において、水溶性高分子化合
物を用いて錠剤としたことのみ異ならせたところ、同様
の結果となった。
【0061】実施例6 本発明に用いられるハロゲン化銀カラー写真感光材料用
の固形補充剤は以下に示す方法にて作成した。
【0062】1)カラーネガ用発色現像補充剤 操作(1) 硫酸ヒドロキシルアミン3.0gを空気ジェット微粉砕
機中で平均粒径10μになる迄摩砕する。この微粉末を
市販の流動層噴霧造粒機中で室温にて約7分間、0.2
0ミリリットルの水を噴霧することにより造粒した後、
造粒物を空気温度63℃で8分間乾燥する。次に粒状物
を真空中で40℃にて90分間乾燥して粒状物の水分を
ほぼ完全に除去する。
【0063】操作(2) 現像主薬のCD−4[4アミノ−3メチル−N−エチル
−N−β−ヒドロキシルエチル)アニリン硫酸塩]6.
0gを操作(1)と同様、空気ジェット微粉砕機中で粉
砕後、造粒する。水の噴霧量は0.2ミリリットルと
し、造粒後、60℃で7分間乾燥する。次に粒状物を真
空中で40℃にて90分間乾燥して、水分をほぼ完全に
除去する。
【0064】操作(3) 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸ナトリウ
ム2.5g、亜硫酸ナトリウム1.75g、炭酸カリウ
ム15.4g、炭酸水素ナトリウム0.75g、臭化ナ
トリウム0.35gを市販の混合機中で均一化した後、
操作(1)と同様、空気ジェット微粉砕機中で粉砕後、
造粒する。水の噴霧量は5.5ミリリットルとし、造粒
後、70℃で10分間乾燥する。次に粒状物を真空中で
40℃にて90分間乾燥して水分をほぼ完全に除去す
る。
【0065】操作(4) 亜硫酸ナトリウム1.75g、ジエチレントリアミン5
酢酸ナトリウム2.0g、炭酸カリウム15.4g、炭
酸水素ナトリウム0.75g、臭化ナトリウム0.35
gを操作(3)と同様に造粒する。水の噴霧量は5.7
5ミリリットルとし、乾燥温度は80℃で時間は10分
間とした。
【0066】操作(5) 上記操作(1)〜(4)で造粒した造粒物を25℃で相
対湿度50%以下に調湿された部屋で混合機にて約10
分間均一に混合する。この際、ポリエチレングリコール
(平均分子量600)を使用液1リットル当り7g添加
した。次に混合物を菊水製作所社製タフプレスコレクト
1527HUを改造した固形処理剤打錠機により固形化
する。固形化を行うに当り、上記固形処理打錠機の中に
上記混合物を5.00gを充填し、成形した。この操作
を繰り返して前記混合物より10個のカラーフィルム用
固形発色現像補充剤を作成した。
【0067】2)漂白補充剤 操作(6) 1,3−プロピレンジアミン四酢酸第2鉄カリウム90
g、エチレンジアミン四酢酸第2鉄ナトリウム20g、
エチレンジアミン四酢酸ナトリウム2.5g、炭酸水素
ナトリウム2.5gを操作(3)と同様に造粒する。水
の噴霧量は27.5ミリリットルとし、乾燥温度は80
℃で時間は10分間とした。
【0068】操作(7) 臭化カリウム150g、硝酸ナトリウム17.5g、マ
レイン酸14.5gを操作(3)と同様に造粒する。水
の噴霧量は25ミリリットルとし、乾燥温度は77℃で
時間は10分間とした。
【0069】操作(8) 上記操作(6)及び(7)で造粒した造粒物を操作
(5)と同様に混合後、固形化を行った。固形処理剤打
錠機への充填量を5.94gとした以外は、操作(5)
と同様にし、50個のカラーネガフィルム用固形漂白補
充剤を作成した。
【0070】3)定着補充剤 操作(9) チオ硫酸ナトリウム150g、亜硫酸ナトリウム10
g、チオシアン酸カリウム37.5g、エチレンジアミ
ン四酢酸ナトリウム1.0g、炭酸水素ナトリウム1.
0gを操作(3)と同様に造粒する。水の噴霧量は1
2.0ミリリットルとし、乾燥温度は77℃で時間は1
0分間とした。
【0071】操作(10) 上記操作(9)で造粒した造粒物を、操作(5)と同様
に固形化を行った。固形処理剤打錠機への充填量を9.
96gとした以外は操作(5)と同様にし、25個のカ
ラーネガフィルム用固形定着補充剤を作成した。
【0072】4)安定補充剤 操作(11) ヘキサメチレンテトラミン3.0g、ポリエチレングリ
コール(分子量1540)2.0g、1,2−ベンツイ
ソチアゾロン−3オン0.05g、ポリビニルピロリド
ン(重合度約17)0.12g、炭酸水素ナトリウム
0.35gを操作(3)と同様に造粒する。上記造粒物
に室温にて約20分間に
【0073】
【化17】 6gを噴霧しながら更に造粒を続けた。次に空気温度6
5℃で10分間乾燥後、粒状物を真空中で40℃にて9
0分間乾燥した。
【0074】操作(12) 上記操作(11)で造粒した造粒物を操作(5)と同様
に固形化を行った。固形処理剤打錠機への充填量を0.
354gとした以外は操作(5)と同様にし、17個の
カラーネガフィルム用固形安定補充剤を作成した。
【0075】次に自現機(コニカカラーネガフィルムプ
ロセッサーCL−KP−50QA)を用いて、以下の実
験を行った。
【0076】実験 処理液の安定性確認 下表に自現機の標準処理条件を示す。
【0077】
【表8】
【0078】安定槽は3槽目に補充され、順次2槽1槽
にオーバーフロー液が流れ込むカスケード方式となって
いる。
【0079】自現機処理液の準備は下記方法にて行っ
た。 イ.発色現像タンク液(21.0リットル) 自現機発色現像タンクに35℃の温水15リットルを入
れ、上記カラーネガフィルム用固形発色現像補充剤を1
70個投入し、溶解した。上記固形発色現像補充剤は投
入と同時に固体表面からわずかに泡を出しながら溶解し
始め、約8分程でほぼ完全に溶解し、透明となった。次
に、スターター成分として別に固形化しておいた下記処
方のスターターを21個投入し完全溶解後、タンク標線
迄水を加えタンク液を完成した。 カラーネガ発色現像スターター 臭化ナトリウム 0.2g 沃化ナトリウム 2.0mg 炭酸水素ナトリウム 1.5g 炭酸カリウム 2.4g
【0080】ロ.漂白液(5.0リットル) 自現機漂白タンクに35℃の温水3.0リットルを入
れ、上記カラーネガフィルム用固形漂白補充剤を250
個投入し溶解した。上記固形漂白補充剤は投入と同時に
固体表面からわずかづつ泡を出しながら溶解し始め、約
10分程でほぼ完全に溶解した。次にスターター成分と
して別に固形化しておいた下記処方のスターター5個を
投入し完全溶解後、タンク標線迄水を加えタンク液を完
成した。 カラーネガ用漂白スターター 臭化カリウム 20g 炭酸水素ナトリウム 3g 炭酸カリウム 7g
【0081】ハ.定着液(1槽目4.5リットル、2槽
目4.5リットル) 自現機定着タンク1槽目、2槽目に35℃の温水を3.
0リットルづつ入れ、上記カラーネガフィルム用固形定
着補充剤を112個づつ投入し溶解した。上記固形定着
補充剤は投入と同時に固体表面からわずかつづ泡を出し
ながら溶解し始め、約10分程でほぼ完全に溶解した。
次にタンク標線迄水を加えタンク液を完成した。
【0082】ニ.安定液(1〜3槽共3.2リットル) 自現機安定タンク1槽目、2槽目、3槽目に各々35℃
の温水3.0リットルづつ入れ、上記カラーネガフィル
ム用安定補充剤を53個づつ投入し溶解した。上記固形
安定補充剤は投入と同時に固体表面からわずかづつ泡を
出しながら溶解し始め、約3分程でほぼ完全に溶解し
た。次に標線迄水を加えタンク液を完成した。
【0083】上記した自現機に撮影したコニカカラース
ーパーDD100フィルムを通して処理し、処理液廃液
を混合し、pH5.5に調整した後、実施例1と同じく
減圧・蒸留、濃縮分離したところ、実施例1と同様に、
濃縮物の粘度を大幅に低下することができた。
【0084】以上、実施例、比較例より、有機溶剤の代
表例であるポリエチレングリコールを含んだ処理液は、
本発明の条件(減圧度10〜70torr、加熱部25
〜50℃、冷却部0〜20℃)で蒸留することで、濃縮
物の粘度が低く取扱いやすい。また、低温で保存しても
実質的に性能の劣化がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例で使用した蒸留装置である。
【符号の説明】
21 − ストックタンク 22 − エバポレーター 221− 加熱室 222− 凝集室 23 − コンプレッサー 26 − 凝縮機 28 − キャピラリーチューブ 29 − エジェクター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−4085(JP,A) 特開 平4−29136(JP,A) 特開 昭58−121036(JP,A) 特開 平4−254853(JP,A) 特開 平4−247452(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/04 G03C 5/00 B01D 1/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に少なくとも1層の感光性ハロゲ
    ン化銀乳剤層が塗布されたハロゲン化銀写真感光材料
    を、有機溶剤を含む固形処理剤から調整された処理液で
    処理することによって生じた処理液廃液について、減圧
    下で加熱蒸発および冷却凝縮する濃縮処理方法におい
    て、前記有機溶剤としてポリエチレングリコールを含
    み、且つ該ポリエチレングリコールの含有量は使用処理
    液1リットル当り1〜10gであり、そして前記処理液
    廃液を、減圧度10〜70torr、加熱部の温度25
    〜50℃、冷却部の温度0〜20℃にて蒸留し、濃縮分
    離することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処
    理液廃液の処理方法。
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