JP3224847B2 - 自転車用ブレーキおよびギヤ転換制御ユニツト - Google Patents

自転車用ブレーキおよびギヤ転換制御ユニツト

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、自転車のハンドルバー
に固定可能な支持体、第１軸線のまわりで回動可能に前
記支持体に枢着されかつ可撓性ブレーキケーブルを取着
のための手段を備えたブレーキレバー、前記第１軸線に
対して直交する第２軸線のまわりで前記支持体に回転可
能に取り付けられかつそのまわりに可撓性のギヤ転換制
御ケーブルが通されることができる手段を支持するギヤ
転換制御部材、前記ギヤ転換制御部材に回転を付与する
ための手段からなる自転車に使用するために組み合わさ
れた自転車用部材およびギヤ転換制御ユニツトに関する
ものである。
【０００２】
【従来の技術】近年、サイクリストに自転車のハンドル
バーから手を離すことなくブレーキレバーおよびギヤ転
換装置（ディレーラ）用の操作レバーを作動できるよう
に組み合わされた自転車用ブレーキおよびギヤ転換制御
ユニツトを形成する傾向が増大している。この要求はと
くに、ギヤ転換制御操作が競争行為に没頭しているサイ
クリストの注意を逸らさないように、また同時に、周囲
で競い合っている競技者にギヤ転換の動作を悟らされな
いように密かにかつ極めて迅速に変速操作を行なうこと
が望ましい競技用自転車の分野において強く感じられ
る。
【０００３】過去において種々の型の組み合わされたギ
ヤ転換制御およびブレーキ装置が提案された。本明細書
の冒頭に記載された形式の１つの装置としては、例えば
アメリカ合衆国特許第４，１００，８２０号および同第
４，１３２，２９６号に示されている。
【０００４】これらの文献はギヤ転換制御装置が支持体
に回転可能に取り付けられた本体内にその内方端により
支持体のスロツトを通って突出する制御レバーを含みか
つそのまわりに可撓性ギヤ転換制御ケーブルが通される
ユニツトを示している。この部材は通常のばねを中和す
るのに十分な摩擦機構の作用を受け、通常のばねはギヤ
転換制御レバーが選択された位置に留まることを保証す
るようにギヤ転換装置と連係する。
【０００５】かかる解決は主として２つのの理由のため
に不満足である。第１に、種々の選択可能な伝達比に対
応する制御レバーの種々の位置の確実な基準をサイクリ
ストに持たせる割り出し型のギヤ転換制御装置の使用が
現在確立されている。第２に、前記公知の装置に設けら
れたギヤ転換制御レバーはサイクリストによつて常に容
易にかつ便利に動くことができるものではない。とく
に、作動はレバーの２つの回転方向の一方にかつレバー
がその種々の可能な操作位置の幾つかから始まって作動
されねばならないとき困難となるかも知れない。
【０００６】基本的に、アメリカ合衆国特許第３，４７
８，６１７号、ヨーロツパ特許第０３５２７３２号およ
びドイツ連邦共和国特許第３，９１６，０１０号に示さ
れたような、他の公知の装置は同一の欠点をこうむる。
他のうちで、これら後者の３つの文献は、ブレーキレバ
ーおよびギヤ転換制御レバーが本説明の始めに記載され
たような直交する軸線まわりよりむしろ平行な軸線のま
わりに枢着される制御ユニツトを示し、これは、少なく
とも制御レバーが前方に回転されねばならないときギヤ
転換のための困難な運動を伴う。
【０００７】２つの直交軸線のまわりに回転可能である
ブレーキレバーがまたギヤ転換制御レバーとして作用す
ることができる組み合わされたブレーキおよびギヤ転換
制御ユニツトを提供ことが提案された（ヨーロツパ特許
第０３７１２５４号参照）。しかしながら、この装置は
多数の部品により構成される複雑な機構の利用を要求す
る欠点がある。
【０００８】また、ギヤ転換制御レバーがブレーキレバ
ーと別個のレバーであるが、ブレーキレバー本体に連接
される制御ユニツトを提供することが提案された（国際
特許出願ＰＣＴ／ＧＢ９０／００２２０号参照）。この
場合にまた、ギヤ転換制御レバーの枢軸はブレーキレバ
ーの枢軸に対して平行でありそしてギヤ転換の作動は常
に容易ではない。
【０００９】最後に、ドイツ連邦共和国特許第３，１３
６，９２２号はギヤ転換制御部材が、ラチエツト装置に
よつて、ブレーキレバーと別個のレバーにより作動され
ることができるギヤ転換制御およびブレーキユニツトを
提案した。この公知の装置の欠点はまずこの場合にまた
ギヤ転換制御部材が作動が常に容易でないようにブレー
キレバーの枢軸に対して平行な軸線の回りに回転可能で
あるということに存する。第２に、それが、ラチエツト
装置の歯車としてかつギヤ転換の種々の操作位置用のラ
チエツト停止爪と協働して基準輪として作用する歯車を
含み、それは実用レベルで制御装置の操作を難しくす
る。
【００１０】
【発明が解決すべき課題】上記のごとく、従来の装置に
おいては、複雑な装置の利用を要求したり、ギヤ転換の
作動が容易でない等の欠点が未だ残されている。
【００１１】本発明の目的は、上述したすべての欠点を
克服しかつ後で詳細にされる一連の利点を有する本書の
冒頭に示した型のユニツトを提供することにある。
【００１２】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の主題は、本明細書の冒頭に記載された形式
のギヤ転換およびブレーキユニツトにおいて、前記ユニ
ツトが、さらにギヤ転換の種々の選択される伝達比に対
応して係合する前記ギヤ転換制御部材の複数の安定した
位置を画成する、前記ギヤ転換制御部材および前記支持
体により支持される互いに係合する割り出し手段を含
み、前記ギヤ転換制御部材が、前記第２軸線のまわりに
前記支持体により回転可能に支持された軸により構成さ
れ、そして前記軸に回転を付与するための手段が、２つ
の独立したラチエツト装置を含み、前記割り出し手段
が、前記軸の１方向または他方向へ回転作動により種々
の伝達比の選択を行なうために、前記ギヤ転換制御軸の
２つの異なる部分と連係し、前記各ラチエツト装置が安
定した停止位置に向かって弾性手段により偏倚されかつ
前記軸の回転作動のために前記弾性手段に対して移動可
能である作動レバーを含むことを特徴とする自転車用ブ
レーキおよびギヤ転換制御ユニツトである。
【００１３】それゆえ、本発明によるユニツトにおい
て、ギヤ転換は、ブレーキレバーの枢軸に、直交しかつ
平行でないギヤ転換制御軸の軸線のまわりに作動レバー
の一方に回転を付与することにより制御される。この装
置はギヤ転換の作動をとくに容易にする。
【００１４】ギヤ転換作動レバーの１つの各操作後この
ギヤ転換作動レバーがサイクリストの指により容易に達
成されることができるように最適な方法において選択さ
れる停止位置に自動的に復帰するという事実がすべての
操作条件において操作の容易さを保証する。
【００１５】ブレーキレバーの枢軸が自転車の長手方向
に対して水平にかつ横方向に横たわる競技用自転車の場
合において、ギヤ転換制御軸の回転軸線は代わって自転
車の長手方向に対して平行である。
【００１６】好ましくは、ラチエツト装置の２つの作動
レバーは、それぞれの停止位置にあるとき、互いに直交
する２方向に実質上延在する。かくしてそれは、２つの
作動レバーの一方がブレーキレバーに対してほぼ平行で
かつそれに隣接する停止位置を有しかつこの位置からハ
ンドルバーの内方に働かされた横方向圧力によつて作動
可能である一方、他方の作動レバーがハンドルバーの内
方に向かって突出するほぼ水平な停止位置を有しかつこ
の位置から下方に向かう圧力によつて作動可能であるよ
うに配置されることができる。
【００１７】さらに他の特徴によれば、作動レバー、す
なわち、ブレーキレバーに隣接する作動レバーはブレー
キレバーの操作を阻止しないように横方向のボール継手
によつて関連のラチエツト装置に接続され、前記第１作
動レバーは前記ブレーキレバーに対して補助弾性手段に
よつて偏倚される。
【００１８】本発明のさらに他の特徴によれば、前記２
つのラチエツト装置の各々は前記ギヤ転換制御軸と回転
のために接続される歯車、前記ギヤ転換制御軸に自由に
回転可能に取り付けられかつ前記歯車に係合しかつ前記
作動レバーの移動時その回転を生じるべくなされる歯付
き部分を支持する前記作動レバーにより制御されるリン
ク部材、および前記リンク部材かつしたがつて前記作動
レバーをそれぞれの停止位置に向かって偏倚するために
前記リンク部材と前記支持体との間に弾性手段が挿入さ
れる。
【００１９】これらの特徴のために、ギヤ転換の作動
は、すでに示したように、２つの作動レバーがハンドル
バーを保持する手の指により容易に達成されることがで
きる同一位置に常に復帰するために、常に容易である。
【００２０】制御軸と連係する割り出し装置は、それ自
体公知の方法において、軸と回転のために接続される歯
車および支持体によつて支持されかつ種々の選択可能な
伝達比に対応する制御軸の安定な位置を画成するために
歯車の歯との間の空間に選択的に係合すべくなされた弾
力的に偏倚される係合手段からなる。割り出し手段の歯
車は２つのラチエツト装置の各々の歯車とは別個であり
かつそれゆえ最適な方法（従来の文献ドイツ連邦共和国
特許第３，１３６，９２２号において設けられるものに
対向するような）において画成されることができる。
【００２１】さらに、２つのラチエツト装置は好ましく
は、第１作動レバーがブレーキレバーに隣接する一方、
第２作動レバーがハンドルバーに隣接しかつ親指により
容易に達することができるような方法において制御軸の
２つの反対端と関連付けられて作動する。
【００２２】そのうえ、ギヤ転換制御ケーブルがそのま
わりを通過する部材は支持体から突出する部分がハンド
ルバーを構成する管と平行にかつそれに隣接して案内さ
れることができるようにハンドルバーに隣接して制御軸
の一端に配置される。
【００２３】本発明のさらに他の特徴はラチエツト装置
の２つの作動レバーが幾つかの比の連続的な選択を生じ
るような各作動レバーの移動を許容するのに十分な範囲
を有する支持体のスロツトを通って案内されるというこ
とにある。
【００２４】言い換えれば、本発明による装置によれ
ば、１つの伝達比からそれにすぐ隣接するものでない比
への通過をそれぞれの作動レバーの単一運動により制御
することができる。
【００２５】本発明のさらに他の特徴および利点は非限
定的な例としてのみ設けられた添付図面を参照して以下
の説明から明らかになる。
【００２６】
【実施例】図１および図１０を参照して、符号１は、少
なくとも一端に本発明による制御ユニツトを備えている
競技用自転車のハンドルバーを総括的に示す。本発明に
よるユニツトは自転車用の組み合わされたブレーキおよ
びギヤ転換ユニツトである。それゆえ、該ユニツトは自
転車の両輪の一方と連係するブレーキ、および後輪ハブ
上の多段スプロケツトと自転車のチエーンの選択的な係
合を制御するギヤ転換装置（ディレーラ）を制御するた
めに供される。もちろん、ハンドルバーの他端に第２の
同様なユニツトが設けられるならば、他方の車輪のブレ
ーキおよびチエーンリングの複数枚のギヤ板とチエーン
との選択的な係合を制御する前方ギヤ転換装置の制御に
供される。
【００２７】図１をとくに参照して、符号２で総括的に
示される本発明によるユニツトは好ましくは軽合金から
作られるブロック状の支持体３からなり、該支持体３は
公知の方法において締め付けバンド４によつてハンドル
バー１に固定される。図３に示されるように、締め付け
バンド４は、重ね合わせた端部を要素６内に縦方向に貫
通させかつ該要素を横方向に貫通する筒状ピン５を前記
端部に穿設された孔を挿通することによつて固定される
平らな１片の金属バンドからなり、前記要素６はハンド
ルバー１に嵌合する支持体３の凹状面３ａに開口する支
持体３に傾斜して穿設された筒状キヤビテイ７内に摺動
可能に受容される。要素６はネジ９を螺合するための盲
ネジ穴８を縦方向に穿設されており、ネジ９の頭部は支
持体３の一方の側面に開口するキヤビテイ３ｂ（また図
５参照）内に受容されかつＬ形レンチが好適な操作工具
挿入用の多角形穴を端面に穿設されたソケツトを画成す
る。ネジ９の締め付けは締め付けバンド４をハンドルバ
ー１に締め付けかつ同時に支持体３の凹状面３ａをもハ
ンドルバー１へ締め付ける。
【００２８】さらに図１及び３を参照して、支持体３
は、公知の方法において、その前方部分に、２つの側面
１０を有し、これら側面にはブレーキレバー１２を枢動
可能に支承するためのピン１１の両端部が嵌め込まれ
る。ブレーキレバー１２は、また好ましくは軽合金から
作られかつ枢軸（ピン）１１（図３）が貫通する２つの
側面１２ａを備えたほぼＵ形状の横断面を有する。２つ
の側面１２ａはまた小さなブロツク１３を支持し、かか
るブロツクには公知の方法で可撓性金属ワイヤから成る
ブレーキケーブル１５の端部１４が固定される。この可
撓性金属ワイヤのブレーキケーブル１５は、支持体３の
上壁部分に形成されかつ大きめな直径の円筒状部分１６
ａを有する洞１６を通過して支持体３から突出し、円筒
状部分１６ａの底壁１６ｂにブレーキケーブル１５と関
連付けられるスリーブ状のスリーブ１８の端部１７が係
合する。図４に示されているように、支持体３から突出
するスリーブ１８の部分は支持体３の座１８ａ内に保持
されかつハンドルバー１の中央に位置する直線部分に対
して平行にかつそれに隣接して案内される。
【００２９】自転車の通常の使用状態においてブレーキ
レバー１２の枢軸ピン１１の軸線１９は自転車フレーム
の長手方向平面に関連して水平にかつ横断方向に横たわ
る。
【００３０】ブレーキケーブル１５は、ブレーキレバー
１２を反時計方向（図１を参照して）に関連の軸線１９
のまわりに回転させるように、ばねにより常に偏倚して
いる。ブレーキレバー１２はまた、ばね２１の作用に抗
してブレーキレバー１２内で撤退可能な軸線１９と平行
に延びるストツパピン２０（図９参照）を備え、ばね２
１はブレーキレバー１２の支持体３に対する停止位置を
画成するように支持体３の２つの側面１０の一方の縁部
に係合すべくなされる。この位置から出発して、ブレー
キレバー１２はブレーキケーブル１５に緊張を加えかつ
したがつて車輪リムに制動を加えるように時計方向に回
転される（さらに図１を参照）。
【００３１】支持体３は筒状孔２２を有しており、その
軸線２３はブレーキレバー１２の枢軸１９に対して直交
しかつユニツトがそれに取り付けられる自転車の長手方
向に対して平行である。筒状孔２２内には軸線２３に沿
って離置された２組のベアリング２３ａから成る転動要
素によつて、ギヤ転換装置（ディレーラ）を作動するた
めのギヤ転換制御部材を形成している軸２４が回転可能
に取り付けられる。この軸２４は後方位置に非円形部分
を有し、該部分には２つのワイヤばね２６（図４参照）
と協働する歯車２５が嵌合され、各ワイヤばねは支持体
３に固定された一端および歯車２５の歯付き面の歯間の
空間と弾力的に係合した反対端を有する。歯車２５およ
び２つのワイヤばね２６はともに協働して割り出し手段
を構成し、該割り出し手段はギヤ転換の種々の伝達比の
選択のための係合に対応する制御軸２４の複数の安定し
た角度位置を画定している。歯車２５は、前記軸線２３
に沿って同心的かつ一体に形成された他の歯車２７を備
えている。他の歯車２７は、そのまわりにギヤ転換装置
を制御するための可撓性のギヤ転換制御ケーブル２９が
通される（図２）周部溝２８が周設されている。ギヤ転
換制御ケーブル２９は他の歯車２７に形成された対応す
る座に受容される端部２９ａを有しかつ支持体３の座３
２に固定されるプラスチツク材料からなるインサート３
１の孔３０を通って案内される（図２、図３、図８）。
ギヤ転換制御ケーブル２９はその端部が孔３０の拡大部
分の壁に対して係合されるスリーブ３２を有する。
【００３２】他の歯車２７は、周部溝２８と同様に、作
動レバー３７の一端により構成される係合部材３６の爪
３５とラチエツト係合する周部組の軸方向に延在する歯
３４（図２）を有する。作動レバー３７は符号３８にお
いて１対の板３９によつて構成されるリンク部材に連接
され、前記板３９は歯車２５，２７により構成される構
体に自由に回転可能に取り付けられかつ作動レバー３７
を枢動可能に支承するためのピン４０を支持する。ピン
４０はそれと連係するワイヤばね４１を有し、該ワイヤ
ばね４１は作動レバー３７とリンク部材を構成する２枚
の板３９の内の一方との間に挿入されかつ係合部材３６
の爪３５が他の歯車２７の歯３４と係合しない離間位置
に、すなわち、図２に示した停止位置に作動レバー３７
を維持すべく偏倚している。２枚の板３９は、すでに示
されたように、歯車２５，２７に対して回動自在に取り
付けられかつ支持体３のキヤビテイ４２内に配置される
円板部分を有する。作動レバー３７の枢軸を成すピン４
０は、スロツト４３を通って支持体３から外方に突出す
る板３９のそれぞれの半径方向の突起により支持される
（図２）。２枚の板３９及び作動レバー３７は、軸２４
と他の歯車２７との間に同軸的に取り付けられかつ２枚
の板３９の一方に係留される一端および支持体３の座に
係留される図７に符号４５で示される他端を有するコイ
ルばね４４によつて、板３９がスロツト４３の一端４３
ａによって回動が規制される図２に示される停止位置に
共に維持される。
【００３３】他の歯車２７は、その回転の間中他方の端
部４５との間の干渉を回避するための扇形の溝４６を有
する。ばね４４は図２に示された停止位置に向かって２
枚の板３９を偏倚する。
【００３４】サイクリストがギヤ伝達比の下方に向かう
選択をしたいとき、彼は手の親指により作用し、該親指
はハンドルバーを保持しつつ作動レバー３７上に親指を
かけ下方に押圧して移動する。ワイヤばね４１の弾性力
がコイルばね４４の弾性力より小さいので、作動レバー
３７自体の自由な運動が２枚の板３９への運動伝達に先
立って行なわれる。
【００３５】作動レバー３７の自由な運動は、爪３５が
歯車２７の歯３４に係合するまで続行される。この瞬間
から始まって、作動レバー３７のさらなる運動は歯車２
７のを回転し、以前に係合された伝達比から隣接する伝
達比へまたは同様に隣接する伝達比を飛び越したさらな
る他の伝達比への移動を生じる。各伝達比を通る通過感
触は歯車２５の歯間内へのばね２６のスナツプ係合及び
離脱による僅かな衝撃によって、クリック感としてサイ
クリストにより明らかに感じ取られることとなる。スロ
ツト４３の長さ（図２）は２枚の板３９が作動レバー３
７の単一の作動により１以上の伝達比の選択を行なうの
に十分な角度的運動を行うことができるように設計され
ている。作動レバー３７の運動が遮断されるとき、作動
レバー３７と２枚の板３９により構成されるリンク部材
は、ばね４１および４４により発生される偏倚力により
図２に示した停止位置に復帰する。それゆえ、サイクリ
ストの親指は再び他のギヤ転換運動を制御することが必
要になるとき作動レバーをその作動停止位置に容易に到
達可能となる。なお、歯車２５の歯間内へのばね２６の
スナツプ係合は、最後に選択された伝達比をそのままの
状態で維持するので、再度の作動レバー３７の運動はか
かる伝達比を途中変更する形で行なわれることとなる。
【００３６】以上の説明及び添付図面から明らかなよう
に、歯車２７はハンドルバー１に隣接するギヤ転換制御
軸２４の一端に取り付けられる。これはハンドルバーの
前方湾曲部分に対して平行なかつそれに隣接する支持体
３からギヤ転換制御ケーブル３３のスリーブの取り付け
部分の突出した配置を可能にする。
【００３７】ギヤ転換制御軸２４の反対端は上述したラ
チエツト装置と同様な形の第２ラチエツト装置を支持す
る。より詳しくは（図１参照）、ギヤ転換制御軸２４上
には歯車４７が嵌合され、該歯車４７は作動レバー５０
の一端と連係する係合部材４９の歯４８とラチエツト機
構によって協働するようになされている。より詳細に
は、作動レバー５０は舌片１００上に軸線５３（図１お
よび図５）を有するピン５２によつて枢動される２本の
アーム５１を備えたフオーク状の上方端を有し、舌片１
００は係合部材４９および２つの翼片５４ａを形成する
Ｕ形状に折り畳まれる板によつて構成されたリンク部材
５４を横断し、前記翼片５４ａはギヤ転換制御軸２４上
に自由に回転可能に取り付けられる。リンク部材５４は
停止位置（図５に示された）に向かって偏倚され、この
停止位置において作動レバー５０は、ギヤ転換制御軸２
４の端部のまわりに巻回されそしてリンク部材５４の突
起５８に係留された一方の末端５７および支持体３に対
して係合される他方の末端５９を有するコイルばね５６
により支持体３に固着されたネジ付き調整可能なブレー
キ５５に対して接触している。さらに、作動レバー５０
は部材５４の突起５８および作動レバー５０に係合され
た末端６０ａ，６０ｂ（図６）を有するワイヤばね６０
の偏倚に従わされる。該ワイヤばね６０は、フオーク体
６０ｄ，６０ｅにより支持されるピン６０ｃに取り付け
られ、フオーク体６０ｄ，６０ｅは舌片１００と一体に
形成されかつ作動レバー５０を図１に示した停止位置に
維持するようにし、この停止位置において作動レバー５
０の表面５０ａはフオーク体６０ｄ，６０ｅに対して接
触する。ブレーキレバー１２はさらにテフロンプラグ６
１を備えている。ばね６０は歯４８（図５）がばね６０
の反作用を克服した後のみ歯車４７に係合することがで
きるように横方向に作動レバー５０の回転を偏倚しよう
とする。それゆえ、作動レバー５０は歯車４７上の歯４
８に係合するための第１の緩いストロークを実行し、そ
の後作動レバー５０をさらに移動することにより歯車４
７かつしたがつてギヤ転換制御軸２４の回転を生じる。
【００３８】サイクリストがより高い伝達比に向かう方
向にギヤ転換装置を作動させたいとき彼は作動レバー５
０をハンドルバーの内方に向けて横方向に押さなければ
ならない。この作用は、上述したように、ばね６０の作
用に抗してかつばね５６に抗して行われる。この回転に
続いて、歯４８は作動レバー５０へのさらに他の作用が
その軸線２３のまわりのギヤ転換制御のための軸２４の
回転かつそれが歯車２７に巻回されるためギヤ転換制御
ケーブル２９の結果として起こる緊張を生じるように歯
４７に係合する。
【００３９】作動レバー５０の横方向移動は該作動レバ
ー５０がストツパ面３ｄ（図５）と係合するストローク
端位置に達するまで継続することができる。このストロ
ークは１以上の伝達比によつてギヤ転換装置の通過を保
証するのに十分である。サイクリストは歯車２５上のワ
イヤばね２６の連続的な係合による種々のギヤ比の選択
の精密な位置をクリック感により知覚し、そして彼が所
望の段数（１または２）を検出するまで作動レバー５０
を横方向に移動し続ける。所望のギヤへの係合が完了す
ると、作動レバー５０への横方向への押圧作用は中断す
ることができ、その後、ばね５６は新たにギヤ転換の選
択が望まれるとき、ハンドルバーを保持するサイクリス
トの手の指により再び容易に実行可能なように、図１に
示したその停止位置に作動レバー５０を復帰させる。軸
線５３周りの作動レバー５０の十字継手接続は作動レバ
ー５０が制御レバー１２の通常の操作を妨害することは
無い。制動の間中、実際には、作動レバー５０はブレー
キレバー１２により後方に向かって押圧されかつそれゆ
え、ばね６０の作用に抗して軸線５３の周りを枢動す
る。ブレーキレバー１２への作用が解放されるとき作動
レバー５０は図１に示した前進位置に復帰する。いずれ
にしても、作動レバー５０の横方向押圧作用後、該作動
レバーが垂直停止位置に復帰するということはブレーキ
レバーがまた常に効果的に作動されることを保証する。
【００４０】先行の説明から明らかなように、本発明の
組み合わされたギヤ転換およびブレーキ制御ユニツトは
一連の利点を有する。まず、本発明はギヤ転換制御部材
を構成する軸２４がその周囲でブレーキレバー１２が枢
動されかつ自転車フレームの長手方向軸線に対して平行
な前記軸の軸線２３の周りに作動レバー３７および５０
が回転可能に取り付けられるために、これら各レバーの
操作がかなり容易であることにより特徴付けられる。そ
のうえ、低い伝達比に向かうかまたは高い伝達比に向か
うギヤ転換の作動がサイクリストの親指およびハンドル
バーを保持する（ハンドル下方端部でまたは支持体３を
握持したままで）他の指によりそれぞれ容易に実行せら
れかつそれらの自然の運動により（より詳細には親指の
下方垂直運動によりかつ他の指によるハンドルバーの内
方に向かう横方向運動により）作動し得る２つの別個の
レバーにより行われる。２つの作動レバーの各々はギヤ
転換操作がいつたん各作動レバーがサイクリストの手で
最も容易に操作可能なギヤ転換操作位置を設定される
と、ラチェット装置によって作動レバーの一定の停止位
置への自動的な復帰を可能にする。そのうえ、ラチエツ
ト装置は各作動レバーが、該作動レバーの単一運動によ
り、１以上の伝達比の通過を制御するのに十分な距離だ
け移動されることができるように配置される。ユニツト
はさらにギヤ転換の種々の作動位置の確実なスナツプ基
準（クリック感）を保証する割り出し手段を利用する。
最後に、ユニツトは比較的簡単な構造を有しかつ比較的
少ない部品により構成される。
【００４１】もちろん、本発明の原理が維持される限り
において、構造の詳細および実施の形態は、本発明の範
囲から逸脱することなく、本実施例において例としての
み説示されたものに対して広汎に変更されることができ
る。
【００４２】
【発明の効果】叙上のごとく、本発明は、自転車のハン
ドルバーに固定可能な支持体、第１軸線のまわりで回動
可能に前記支持体に枢着されかつ可撓性ブレーキケーブ
ルを取着のための手段を備えたブレーキレバー、前記第
１軸線に対して直交する第２軸線のまわりで前記支持体
に回転可能に取り付けられかつそのまわりに可撓性のギ
ヤ転換制御ケーブルが通されることができる手段を支持
するギヤ転換制御部材、前記ギヤ転換制御部材に回転を
付与するための手段からなる自転車に使用するために組
み合わされた自転車用部材およびギヤ転換制御ユニツト
において、前記ユニツトが、さらにギヤ転換の種々の選
択される伝達比に対応して係合する前記ギヤ転換制御部
材の複数の安定した位置を画成する、前記ギヤ転換制御
部材および前記支持体により支持される互いに係合する
割り出し手段を含み、前記ギヤ転換制御部材が、前記第
２軸線のまわりに前記支持体により回転可能に支持され
た軸により構成され、そして前記軸に回転を付与するた
めの手段が、２つの独立したラチエツト装置を含み、前
記割り出し手段が、前記軸の１方向または他方向へ回転
作動により種々の伝達比の選択を行なうために、前記ギ
ヤ転換制御軸の２つの異なる部分と連係し、前記各ラチ
エツト装置が安定した停止位置に向かって弾性手段によ
り偏倚されかつ前記軸の回転作動のために前記弾性手段
に対して移動可能である作動レバーを含む構成としたの
で、従来の装置の欠点を除去しかつ比較的簡単な構造で
かつ部品数の比較的少ない自転車用ブレーキおよびギヤ
転換ユニツトを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による制御ユニツトの好適な実施例を示
す断面図である。
【図２】自転車のハンドルバーから取り外された、本発
明によるユニツトの図１の矢印ＩＩ−ＩＩの方向に見た
矢視図である。
【図３】図１の矢印ＩＩＩ−ＩＩＩの方向に見た矢視図
である。
【図４】図１の線ＩＶ−ＩＶに沿う断面図である。
【図５】図１の線Ｖ−Ｖに沿う断面図である。
【図６】図１の線ＶＩ−ＶＩに沿う断面図である。
【図７】図１の線ＶＩＩ−ＶＩＩに沿う断面図である。
【図８】図３の線ＶＩＩＩ−ＶＩＩＩに沿う断面図であ
る。
【図９】図１の線ＩＸ−ＩＸに沿う断面図である。
【図１０】本発明の制御ユニツトの使用を示す概略斜視
図である。
【図１１】フオーク状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
１ ハンドルバー ３ 支持体 １２ ブレーキレバー １３ 小さなブロツク １５ 作動レバー １９ 第１軸線 ２３ 第２軸線 ２４ ギヤ転換制御部材（軸） ２５ 歯車 ２６ ワイヤばね ２７ 歯車 ２８ 周部溝 ２９ 可撓性ブレーキケーブル ３４ 軸方向歯 ３５ 爪 ３７ 作動レバー ４４ コイルばね ４７ 歯車 ４８ 歯 ４９ 係合部材 ５０ 作動レバー ５４ 翼片 ６０ ワイヤばね
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平２−147489（ＪＰ，Ａ) 実開 昭57−171993（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−161097（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−189792（ＪＰ，Ｕ) 米国特許4100820（ＵＳ，Ａ) 欧州特許出願公開352732（ＥＰ，Ａ ２) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B62L 3/02 B62M 25/04

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 自転車のハンドルバー（１）に固定可能
    な支持体（３）、 第１軸線（１９）のまわりで回動可能に前記支持体
    （３）に枢着されかつ可撓性ブレーキケーブル（１５）
    を取着のための手段（１３）を備えたブレーキレバー
    （１２）、 前記第１軸線（１９）に対して直交する第２軸線（２
    ３）のまわりで前記支持体（３）に回転可能に取り付け
    られかつそのまわりに可撓性のギヤ転換制御ケーブル
    （２９）が通されることができる手段（２７，２８）を
    支持するギヤ転換制御部材（２４）、 前記ギヤ転換制御部材（２４）に回転を付与するための
    手段からなる自転車に使用するために組み合わされた自
    転車用部材およびギヤ転換制御ユニツトにおいて、 前記ユニツトが、さらにギヤ転換の種々の選択される伝
    達比に対応して係合する前記ギヤ転換制御部材（２４）
    の複数の安定した位置を画成する、前記ギヤ転換制御部
    材（２４）および前記支持体（３）により支持される互
    いに係合する割り出し手段（２５，２６）を含み、 前記ギヤ転換制御部材（２４）が、前記第２軸線（２
    ３）のまわりに前記支持体（３）により回転可能に支持
    された軸により構成され、 そして前記軸（２４）に回転を付与するための手段が、
    ２つの独立したラチエツト装置（３４，３５；４７，４
    ８）を含み、 前記割り出し手段（２５，２６）が、前記軸（２４）の
    １方向または他方向へ回転作動により種々の伝達比の選
    択を行なうために、前記ギヤ転換制御軸（２４）の２つ
    の異なる部分と連係し、前記各ラチエツト装置（３４，
    ３５；４７，４８）が安定した停止位置に向かって弾性
    手段（４４；５６）により偏倚されかつ前記軸（２４）
    の回転作動のために前記弾性手段（４４；５６）に対し
    て移動可能である作動レバー（３７；５０）を含むこと
    を特徴とする自転車用ブレーキおよびギヤ転換制御ユニ
    ツト。
  2. 【請求項２】 自転車のハンドルバーに取り付けられる
    とき、前記第１軸線（１９）が自転車の長手方向垂直平
    面に対して横方向に横たわりそして前記第２軸線（２
    ３）が自転車の長手方向に対して平行に横たわることを
    特徴とする請求項１に記載の自転車用ブレーキおよびギ
    ヤ転換制御ユニツト。
  3. 【請求項３】 前記ラチエツト装置の前記２つの作動レ
    バー（３７，５０）は、それぞれの停止位置にあると
    き、互いに直交する２方向に実質上延在することを特徴
    とする請求項１に記載の自転車用ブレーキおよびギヤ転
    換制御ユニツト。
  4. 【請求項４】 前記２つの作動レバーの一方（５０）は
    ブレーキレバーに対してほぼ平行でかつそれに隣接する
    停止位置を有しかつこの位置からハンドルバーの内方に
    働かされた横方向圧力によつて作動可能である一方、他
    方の作動レバー（３７）はハンドルバーの内方に向かっ
    て突出するほぼ水平な停止位置を有しかつこの位置から
    下方に向かう圧力によつて作動可能であることを特徴と
    する請求項３に記載の自転車用ブレーキおよびギヤ転換
    制御ユニツト。
  5. 【請求項５】 前記作動レバーの第１、すなわち、前記
    ブレーキレバー（１２）に隣接する停止位置を有する作
    動レバーは前記第１軸線（１９）に平行な軸線（５３）
    を有するボール継手によつて関連のラチエツト装置に接
    続され、前記作動レバー（１５）が前記ブレーキレバー
    （１２）の後ろに位置決めされかつそれに対して補助弾
    性手段（６０）によつて偏倚されることを特徴とする請
    求項４に記載の自転車用ブレーキおよびギヤ転換制御ユ
    ニツト。
  6. 【請求項６】 前記２つのラチエツト装置の各々は前記
    ギヤ転換制御軸（２４）と回転のために接続される歯車
    （２７；４７）、前記ギヤ転換制御軸（２４）に自由に
    回転可能に取り付けられかつ前記歯車に係合しかつ前記
    作動レバーの移動時その回転を生じるべくなされる歯付
    き部分（３５，４９）を支持する前記作動レバー（３
    ７；５０）により制御されるリンク部材（３９；５
    ４）、および前記リンク部材かつしたがつて前記作動レ
    バーをそれぞれの停止位置に向かって偏倚するために前
    記リンク部材（３９；５４）と前記支持体（３）との間
    に弾性手段（４４，５６）が挿入されることを特徴とす
    る請求項５に記載の自転車用ブレーキおよびギヤ転換制
    御ユニツト。
  7. 【請求項７】 前記２つの作動レバーの他方（３７）
    は、連接部材（３９）によりリンク部材（３８）に接続
    されかつ補助弾性手段（４１）によつて停止位置に向か
    って偏倚されることを特徴とする請求項６に記載の自転
    車用ブレーキおよびギヤ転換制御ユニツト。
  8. 【請求項８】 前記作動レバー（３７，５０）の各々が
    １以上の伝達比の連続的な選択を制御するのに十分な最
    大の可能なストロークを有することを特徴とする請求項
    ７に記載の自転車用ブレーキおよびギヤ転換制御ユニツ
    ト。
  9. 【請求項９】 前記２つのラチエツト装置の一方の歯車
    （２７）はユニツトがハンドルバー（１）上に組み立て
    られるとき該ハンドルバー（１）に隣接する前記ギヤ転
    換制御軸（２４）の一端に取り付けられそしてまたギヤ
    転換制御ケーブル（２９）がそのまわりに通される周部
    溝（２８）を画成することを特徴とする請求項８に記載
    の自転車用ブレーキおよびギヤ転換制御ユニツト。
  10. 【請求項１０】 前記ラチエツト装置が前記ギヤ転換制
    御軸（２４）の２つの反対端と連係しかつ前記割り出し
    手段が前記ギヤ転換軸（２４）の中間部分と連係するこ
    とを特徴とする請求項９に記載の自転車用ブレーキおよ
    びギヤ転換制御ユニツト。
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